従来の技術における部品実装および部品供給につき、図面を参照して説明する。まず、図13は部品実装装置の概要を示す。図において部品実装装置1は、部品供給装置11によって供給される部品を、XYロボット4により搬送される実装ヘッド3に装着された実装ノズル13によって取り出し、規正保持された電子回路基板等の回路形成体18の実装位置に実装する。その過程において、実装ノズル13に保持された部品は認識装置5によって認識され、当該部品が所定の部品であるか否かが判断される。所定の部品であればそのまま実装されるが、所定の部品でないと判定された場合には必要な警告を発する。以上の部品供実装装置1全体の動作は、制御装置7によって制御される。
図13に示す部品実装装置1に搭載された部品供給装置11の拡大図を図14に示す。図14において、部品供給装置(以下、「パーツカセット」という。)11には、多数の部品を一定間隔で連続的に収納したキャリアテープ21を巻き取ったリール26が取り付けられている。リール26から引き出されたキャリアテープ21は、パーツカセット11の図のY方向左側先端に配置された駆動輪33の反時計回りの間欠回転によってY方向に搬送される。この間、キャリアテープ21に収納される部品を覆って保護するトップテープ24が剥ぎ取られ、このトップテープ24は回収リール34に巻き取られる。覆いを除かれた部品は順次部品取り出し位置32に向けて搬送される。この部品取り出し位置32に移動してきた図示しない部品実装装置1の実装ノズル13が下降して部品に当接し、これを吸着で取り出して回路形成体18の実装位置へと搬送する。
駆動輪33と回収リール34の駆動源としては各種形式のものが使用されるが、図14に示す例ではレバー31が部品実装装置側から押し下げられ、リンク機構を利用してこの押し下げ力を両者の駆動力として利用している。
図15は、図14のパーツカセット11に装着されたリール26の詳細を示している。リール26は、パーツカセット11に回転可能に取付けるための円筒状の中心穴27を含む一対の円板状部材によって構成され、両円板状部材の間にキャリアテープ21が巻き付けられている。キャリアテープ21には、多数の部品12が一定間隔22で連続的に収納されている。キャリアテープ21は、部品12を収納する凹状のエンボス部28を有するベーステープ23と、部品12の脱落を防ぎ、埃などから部品12を保護するトップテープ24とから構成されている。上述のように、トップテープ24はベーステープ23に接着されて部品12を保護した状態で搬送され、部品実装装置へ部品を供給する際にはベーステープ23から剥がされる。ベーステープ23には、キャリアテープ21を間欠搬送する際に前記駆動輪33によって駆動される搬送穴25が等間隔に設けられている。なお、微小部品に対してはエンボス部28が設けられることなく、単にキャリアテープ21を打ち抜いた中に部品が収納されることもある。この場合、底面はカバーテープで覆われる。
リール26を構成する円板状部材には、巻き付けられたキャリアテープ21に収納された部品12を表示するラベル29が貼り付けられている。一般にはバーコード表示が用いられる。トップテープ24は一般に透明材料であるためキャリアテープ内に収納されている部品12を目視することは可能であるが、部品12が微細であり、また外観同一であっても仕様に差があるものもあるため目視による部品の区別はほぼ不可能である。また、上述のような部品実装装置1の認識装置5を使用して部品を判断することはできるが、外観同一である部品間の差異までを区別することはできない。したがって、オペレータが新たなリール26を部品実装装置1に取り付ける場合には、当該リール26に付されたラベル29をバーコードリーダなどで読み取り、部品実装装置1の制御装置7に予め入力されている所定部品と一致しているが否かの検証を行う。一致していれば実装動作が継続されるが、不一致の場合には警告を発し、あるいは生産を停止する。
図16は、リール26から引き出されたキャリアテープ21がパーツカセット11内部で搬送される際の概要を示している。キャリアテープ21は、リール26から引き出された後、搬送路30上を図示の例ではパーツカセット11の右側に位置する部品取り出し位置32に向けて駆動輪33の駆動により搬送される。図16に示すパーツカセット11では、モータ39の回転によりウォームギア49を介して駆動される形式の駆動輪33が使用されている。部品取り出し位置32の直前では、トップテープ24がキャリアテープ21から剥ぎ取られ、回収リール34に巻き取られている。
図16に示すように、キャリアテープ21は搬送路30上を搬送されるため、図に示すエンボス部28を備えたキャリアテープ21の場合には、このエンボス部28の底面が搬送路30に接して搬送される。これに対してエンボス部28を有しない主として微細部品の場合には、キャリアテープ21がそのまま搬送路30に接する。このため、搬送路30からキャリアテープ21の表面(図の上側の面)までの距離は、エンボス部28の有無、及びエンボス部28の深さによって異なるものとなる。
ところで、部品実装装置1では連続的に回路形成体を生産するため、キャリアテープ21に収納された部品12は順次消費されて、1つのリール26に収納された部品12は一定時間で使い切られる。この際、パーツカセット11全体を取り替えることも可能であるが、こうすると部品実装装置1の運転が停止することからこの方法では設備稼動率の低下につながる。これを防ぐ方法として、1つのリール26に収納された部品12の残量が少なくなった場合に、同一部品12を収納した別のリール26から取り出したキャリアテープ21を前記残量が少なくなったキャリアテープ21の最終部分につなげることが行われている。
図17は2つのリール26に巻き取られた2つのキャリアテープ21の内、一方のキャリアテープ21aの最終端部と他方キャリアテープ21bの開始端部とをつなぎ合わせる手段の1つを示している。両キャリアテープ21のつなぎ合わせには金属製帯状の連結子35が使用され、両キャリアテープ21a、21bの端部がこの帯状の連結子35の長手方向両側にかしめ止めされる。
帯状の連結子35には、キャリアテープ21の搬送穴25と同一ピッチで搬送穴36が穿孔され、この搬送穴36の間にかしめ爪37が立ち上がっている。手持ち式の連結装置40には連結作業台41が設けられ、当該作業台41には前記搬送穴25のピッチ22の整数倍の間隔を設けて位置決めピン42が4つ立設されている。まず連結子35が中央部にある2つの位置決めピン42に搬送穴36を利用して嵌め込まれ、位置決めされる。
次に、両キャリアテープ21a、21bの各々が、連結作業台41の中央から図のX方向両側に分かれて位置する各2つの位置決めピン42に搬送穴25を利用してそれぞれ嵌め込まれ、位置決めされる。この際、両キャリアテープ21の各先端部分は連結子35の上で両端面同士が対向して当接する。この位置で連結作業台41に設けられた一対のクランプ43が両キャリアテープ21a、21bの上から被せられ、両キャリアテープ21a、21bは位置決めされた状態で固定される。しかる後、連結装置40のレバー44がオペレータによって締め付けられ、トグル機構46を介して押圧部47が連結作業台41に向けて下降し、位置決め固定された両キャリアテープ21a、21bとその下に位置する連結子35を一緒に押圧する。この押圧動作によって金属製の連結子35のかしめ爪37が紙製や樹脂製などのキャリアテープ21に喰い込み、貫通してその先端部がかしめられることにより、両キャリアテープ21a、21bは連結子35を介してつなぎ止められる。
クランプ43が解除され、位置決めピン42から外された両キャリアテープ21a、21bは搬送穴25が均一ピッチ22となるよう繋がっており、あたかも1本のキャリアテープ21の様相を呈する。但し、このままではトップテープ24(図15参照)がつながっていないため、両キャリアテープ21の各トップテープ24を跨ぐように連結テープでつなぎ合わせる。図18は、両キャリアテープ21の繋ぎ部分の断面を長手方向から見た状態を示しており、図においてキャリアテープ21の下側には連結子35が位置してそのかしめ爪37がキャリアテープ21に喰い込んでこれを固定している。また、キャリアテープ21を覆うトップテープ24の上からは連結テープ38がかぶせられて両トップテープ24同士をつないでいる。
以上のような構成にかかる従来技術によるキャリアテープ21の繋ぎには改善の余地があった。上述したように、各キャリアテープ21にはそれぞれ異なる部品が区別されて収納されているが、部品12の外観、キャリアテープ21の幅、搬送穴ピッチ22などが全て同一でありながら異なる部品12を収納したものがあり得る。したがって、新たなキャリアテープ21を繋ぐ際に、オペレータが誤って異なる部品12を収納したキャリアテープ21を連結する虞がある。オペレータはキャリアテープ21の連結を行う前にリール26に貼られたラベル29の読み取り動作を行うが、制御装置7においてはどのタイミングで新しいキャリアテープ21から部品12が供給されるたかが判断できない。また、オペレータが誤ってラベル29の読み取り動作を忘れた場合においても、これを検出することができない。したがって、万一誤ったキャリアテープ21が繋がれた場合に、どのタイミングから誤実装の回路形成体18が生産されたかを判断することができない。このため、不良品の回収をする際には、安全を見越した余分な製品(回路形成体)の回収を必要とする無駄が生じ、あるいは個々の製品毎に全数検査が必要となるなどの煩わしさが生ずることとなる。
特開2000-13092号公報にはこのような問題を解決する対応策が開示されている。ここでは、キャリアテープの連結部において金属の連結子を電気的に検出すること、あるいは連結部とそれ以外の部分との色、反射率、透明度が両者間で明瞭に区別できるようにしてこれを検出する手段について述べている。当該検出を行うことでキャリアテープの切り換えのタイミングを判断するものとしている。
本発明では、このようなキャリアテープの連結部を検出するための簡便な検出手段を提供し、また前記公報には開示されていないより具体化した連結部の検出手段を提供することによって、部品供給方法並びに部品供給装置の改善を図ることを目的としている。本発明はさらに、キャリアテープ連結部を検出するための検出部をキャリアテープに簡便に形成する手段を提供することを目的としている。
本発明は、キャリアテープに切り欠き、突状部、折り曲げ部等の変形部分を設け、センサを用いてこの変形部分を検出することにより、及びキャリアテープの切断装置、キャリアテープの連結装置にこれらの変形部分を形成する手段を提供することによって上述の課題を解決するもので、具体的には以下の内容を含む。
すなわち、本発明にかかる1つの態様は、一定間隔で多数の部品を配列収納したキャリアテープをリールに巻き取り、当該リールから前記キャリアテープを引き出して前記部品を部品実装装置に順次供給する部品供給方法であって、一のキャリアテープに他のキャリアテープを連結する際、当該連結部が識別可能な識別部を少なくとも前記いずれか一方のキャリアテープに形成することにより、前記連結部を検出可能とすることを特徴とする部品供給方法に関する。
前記キャリアテープに形成される識別部は、切り欠き部、折り曲げ部、突状部のいずれかであってもよい。略水平状に搬送されるキャリアテープをその搬送方向の軸に対して約90°捩じり、略鉛直方向から前記識別部を検出することもできる。前記キャリアテープを複数本並行して搬送する形式の部品供給装置を利用することも可能である。この場合、前記複数本のキャリアテープの識別部をそれぞれ検出する複数のセンサは、前記キャリアテープの搬送方向に対して前後にずれて配置されることが好ましい。
前記キャリアテープに形成される切り欠き部を検出する際には、当該切り欠き部に接触子を接触させ、前記接触子の動きを検出して前記連結部を検出可能とすることができる。前記キャリアテープを複数本並行して搬送する形式の部品供給装置を利用する場合には、前記複数本並行するキャリアテープの切り欠き部にそれぞれ接触する複数の接触子の動きを1つのセンサを利用して検出することができる。
前記キャリアテープに形成される識別部は、当該キャリアテープの表面、もしくは前記両キャリアテープを連結する連結テープの表面のいずれかに形成されるつや消し部または光輝部のいずれかとすることも可能である。この場合、前記つや消し部は、前記連結テープ表面の梨地処理、前記キャリアテープ表面もしくは前記連結テープ表面へのつや消し塗装、前記キャリアテープ表面もしくは前記連結テープの表面へのつや消しテープ貼り付けのいずれか一により形成することができる。前記連結テープは、前記キャリアテープとは異なる色に着色されていることが好ましい。また、前記光輝部は、前記キャリアテープ表面又は連結テープ表面への金属調反射面を有するテープの貼り付け、もしくは前記連結テープ表面への金属調反射面処理のいずれかにより形成することができる。
本発明にかかる他の態様は、一定間隔で多数の部品を配列収納したキャリアテープをリールに巻き取り、当該リールから前記キャリアテープを引き出して前記部品を部品実装装置に順次供給する部品供給方法であって、一のキャリアテープに他のキャリアテープを連結する際、前記それぞれのキャリアテープを巻き取ったリールを部品供給装置から取り替えるときの動作を検出することにより、前記両キャリアテープの連結を検出可能とすることを特徴とする部品供給方法に関する。
前記リールを取り替えるときの動作の検出は、当該リールを保持した状態で移動または回動するリールホルダの動きを検出することにより可能である。あるいは、リールを部品供給装置に取り付けた状態で当該リールを覆うリールカバーの動きを検出するものとすることもできる。
本発明にかかる更に他の態様は、一定間隔で多数の部品を配列収納するキャリアテープを巻き取ったリールを取り付け可能なリールホルダと、前記リールから取り出されたキャリアテープを駆動して搬送する搬送手段と、前記キャリアテープを覆って前記収納された部品を保護するトップテープを剥ぎ取って回収するトップテープ回収手段とから構成され、前記キャリアテープに収納された部品を部品実装装置に順次供給する部品供給装置であって、一のキャリアテープに他のキャリアテープを連結した際、当該連結部を識別可能な少なくとも前記いずれか一方のキャリアテープに形成された識別部を検出する連結部検出手段を更に備えていることを特徴とする部品供給装置に関する。
前記キャリアテープに形成される識別部は、切り欠き部、折り曲げ部、突状部、つや消し部、光輝部のいずれかとすることができる。前記切り欠き部を検出する際の連結部検出手段は、前記切り欠き部に嵌り込むよう形成された接触子と、前記接触子を支持する回動又は移動可能なレバーと、前記レバーの動きを検出可能なセンサとから構成し、前記キャリアテープの切り欠き部に前記接触子が嵌り込んだ時の前記レバーの回動又は移動を前記センサで検出することにより前記連結部を検出するものとすることができる。
また、前記突状部を検出する際の連結部検出手段は、前記突状部に接触する接触子と、前記接触子を支持する回動可能なアームと、前記アームの回動を検知可能なセンサとから構成し、前記キャリアテープの突状部に前記接触子が接触する際の前記アームの回動を前記センサで検知することにより前記連結部を検出するものとすることができる。
さらに、前記折り曲げ部を検出する際の連結部検出手段は、射光側と受光側との一対で構成される光センサから構成し、前記キャリアテープの折り曲げ部が前記光センサの照射光を遮断することにより前記連結部を検出するものとすることができる。
前記キャリアテープの部品収納用エンボス部の有無及び当該エンボス部の高さの如何に拘らず、前記キャリアテープの搬送路に対する当該キャリアテープ表面の高さを略一定とする高さ調整機構を備えていることが好ましい。前記高さ調整機構は、前記キャリアテープの搬送路にキャリアテープの搬送方向に沿って形成されたピットとすることができる。
前記つや消し部又は光輝部のいずれかを検出する際の連結部検出手段は、反射式センサから構成され、前記反射式センサから当該キャリアテープの被検出面までの間隔は、前記キャリアテープの厚さ、前記キャリアテープの部品を収納するエンボス部の有無及び当該エンボス部の高さの如何に拘らず常に一定間隔となるよう自動的に調整する間隔調整機構を備えていることが好ましい。前記間隔調整機構は、前記キャリアテープの被検出面に自重もしくは付勢力により接触する接触子と、前記接触子の動きと同期して可動するセンサホルダとから構成し、前記反射式センサが前記センサホルダに固定されたものとすることができる。
本発明にかかる更に他の態様は、一定間隔で多数の部品を配列収納するキャリアテープを巻き取ったリールを取り付け可能なリールホルダと、前記リールから取り出されたキャリアテープを駆動して搬送する搬送手段と、前記キャリアテープを覆って前記収納された部品を保護するトップテープを剥ぎ取って回収するトップテープ回収手段とから構成され、前記キャリアテープに収納された部品を部品実装装置に順次供給する部品供給装置であって、一のキャリアテープに他のキャリアテープを連結する際、前記それぞれのキャリアテープを巻き取ったリールの交換を検出する検出手段をさらに備えていることを特徴とする部品供給装置に関する。
前記リールの交換を検出する検出手段は、当該リールを保持した状態でリール装填位置とリール取り替え位置との間を回動または移動するリールホルダの動きを検出する検出手段とすることができる。前記リールホルダ部は、前記部品供給装置から切り離され、当該部品供給装置に近接して配置されていてもよい。
本発明にかかるさらに他の態様は、連結すべき一対のキャリアテープをそれぞれ位置決めして保持する位置決め機構を備えた作業台と、前記作業台に対して押圧力を付加する押圧部とから構成され、前記作業台に位置決め保持された前記一対のキャリアテープとかしめ爪を有する連結子とを重ねて前記押圧部により押圧することにより、一定間隔で多数の部品を配列収納した前記一対のキャリアテープ同士を連結するキャリアテープの連結装置であって、前記連結装置が、前記押圧動作を行うと同時に、前記一対のキャリアテープの少なくともいずれか一方に前記一対のキャリアテープの連結部を検出可能な識別部を設ける識別部形成機構を備えていることを特徴とする連結装置に関する。
前記識別部形成機構は、前記キャリアテープの連結部近傍に切り欠き部、折り曲げ部、突状部、つや消し部、光輝部のいずれかを形成するものとすることができる。前記識別部形成機構は、前記作業台及び前記押圧部のいずれか一方に切り欠き刃もしくは凸型、いずれか他方に前記切り欠き刃に対応する切り欠き刃もしくは前記凸型に対応する凹型を設けることにより構成することができる。あるいは前記識別部形成機構は、前記押圧部につや消し塗布部、前記作業台に前記つや消し塗装部に対応する押え台を設けることにより構成することができる。
本発明にかかる更に他の態様は、一定間隔で多数の部品を配列収納したキャリアテープを切断するための一対の切り刃と、前記キャリアテープを位置決めして保持する前記一対の切り刃のいずれか一方に設けられた位置決め機構とから構成され、前記位置決め機構に位置決め保持されたキャリアテープを前記一対の切り刃により切断するキャリアテープの切断装置であって、前記切断装置が、前記キャリアテープの切断箇所において他のキャリアテープを連結する際の接続部が検出可能な識別部を、前記キャリアテープを切断すると同時に当該キャリアテープに形成する識別部形成機構を備えていることを特徴とする切断装置に関する。
前記識別部形成機構は、前記キャリアテープの切断部近傍に切り欠き部、折り曲げ部、突状部、つや消し部、光輝部のいずれか一を形成するものであってもよい。前記識別部形成機構は、前記一対の切り刃のいずれか一方に切り欠き刃もしくは凸型、いずれか他方に前記切り欠き刃に対応する切り欠き刃もしくは前記凸型に対応する凹型を設けることにより構成することができる。あるいは、前記識別部形成機構は、前記一対の切り刃のいずれか一方につや消し塗布部、いずれか他方に前記つや消し塗布部に対応する押え台が設けて構成されてもよい。
本発明にかかる部品供給方法または部品供給装置の実施により、キャリアテープに設けられた識別部を利用してキャリアテープの連結部を容易に検出することが可能となり、誤ったキャリアテープの連結による誤部品実装を未然に防止することができる。また、キャリアテープが連結される際に交換されるリールの取り替え動作を検出することによっても、キャリアテープの交換を容易に知ることができる。
さらに、本発明にかかるキャリアテープの連結部を検出するための識別部を、連結動作と同時にキャリアテープに形成する識別部形成機構を備えた連結装置、またはキャリアテープの切断動作と同時に形成する識別形成機構を備えた切断装置の実施により、前記識別部を構成する切り欠き部、突状部、折り曲げ部、つや消し部、光輝部などを追加の工程を要することなく効率的に形成することが可能となり、効率的な連結部の検出を実現することができる。また、キャリアテープの連結作業で必ず行われる連結子の押圧工程、あるいはキャリアテープの切断工程で前記識別部が形成されるため、別工程で識別部を形成する場合に対し、オペレータの作業忘れ、作業ミスが排除され、オペレータに作業負担をかけない確実な連結部の検出を実現することができる。
本発明にかかる実施の形態につき、図面を参照して説明する。以下の説明において、従来技術で説明した構成要素と同一のものに対しては同一の符号を付している。また、本発明を実施するための部品実装装置、部品供給装置(パーツカセット)に関しては基本的に従来技術で使用するものと同様であり、したがって以下の説明においては特に従来技術によるものとの差異部分について言及するものとする。
図1(a)は、本発明にかかる第1の実施の形態のキャリアテープ連結部検出手段の1つの態様を示している。図において、現に部品実装装置への部品供給に供されているキャリアテープ(以下、「旧キャリアテープ」という。)21aと、新たに連結されて使用されるキャリアテープ(以下、「新キャリアテープ」という。)21bとが、連結部20で相互に連結されており、その連結部20の近傍において少なくともいずれか一方のキャリアテープ21(図示の例では新キャリアテープ21b)には認識部となるV字状の切り欠き部51が設けられている。この場合のキャリアテープ21の連結は、例えば、従来技術による金属製の連結子35(図17参照)を使用することであってよい。キャリアテープ21に対するこの認識用の切り欠き部51の形成は、好ましくは後述する方法により、追加の作業を要することなく行われる。
このような切り欠き部51が形成されたキャリアテープ21を巻き取った図示しないリールは、パーツカセットに装着され、部品消費に応じてパーツカセットに設けられた破線で示す搬送路30上を図のY方向左側へと順次搬送される。搬送路30の内部には、接触子52と、接触子を固定するレバー53と、レバー53の動きを検出する透過式センサ54とにより構成される検出部50が設けられている。レバー53は支点56を中心として回動可能であり、スプリング57によって常時図のX方向左側(時計回り)に付勢されている。キャリアテープ21が搬送され、切り欠き部51が接触子52の位置まで達すると接触子52が切り欠き部51に嵌り込み、この時レバー53がスプリング57の付勢力によって支点56を中心に時計回りに回動する。この回動によってレバー53の一端が透過式センサ54を遮断するため、切り欠き部51が通過したことを検出する。切り欠き部51と連結部20との距離は予め知られているため、これによってキャリアテープ21の連結部20の通過を検出することができる。
オペレータは事前に新キャリアテープ21bに貼られたラベル29(図15参照)の読み取り作業を完了しているため、制御装置7(図13参照)は、前記検出部50が連結部20の通過を検出したタイミングに合せて予め入力されている所定部品の仕様とラベル29の読み取りから入力された部品の仕様とを比較し、これらが一致しているか否かを検証する。一致していれば実装動作を継続し、一致していなければ誤部品実装を回避するため実装動作を停止し、あるいは必要に応じて警告を発する。また、制御装置7は、連結部20の通過に合せてリール26の切り替え時点を記憶することができ、履歴追跡のトレーサビリティを向上させることができる。
なお、図示の例ではセンサ54として光透過式のフォトセンサを使用しているが、レバー53の表面からの反射光を検出する反射式センサや、レバー53の回動によってリミットスイッチを操作する感応式センサなど他のセンサを用いることもできる。V字状の切り欠き部51は、接触子52が一旦嵌った後に更なるキャリアテープ21の搬送で接触子52が切り欠き部51から外れ、元の位置に容易に復することで搬送駆動の抵抗とならない形状とすることが好ましい。
図1(b)はこのような要求を満足し得る切り欠き部51の形状の1例を示している。図において、キャリアテープ幅(図の上下方向)が8mm、搬送穴25の直径が1.5mm、搬送穴25の中心間隔が4mmであるに対し、図示の各符号の寸法をa=1mm、b=3mm、h=1.5mm、w=2mmほどとすることが好ましい。キャリアテープ21は図の左側に向いて搬送されるため、接触子52(直径1.2mm)は切り欠き部51の緩やかな斜面により容易に元の状態に押し戻される。
図1(c)は、代替の検出部50aを示している。この代替例においては、接触子52はキャリアテープ21の搬送方向に沿ってスライド移動可能なレバー53aに固定されている。このレバー53aは、一定距離をスライドした後パーツカセット側に設けられた解除ピン55に動きを拘束されるため、接触子52と切り欠き部51との係合が解除される。前記レバー53aの移動の間にレバー53aの突起部53bがリミットスイッチ58を操作し、この時の通電によってキャリアテープ21の連結部20の通過を知ることができる。
この代替の検出部50aと共に使用されるV字状切り欠き部51は、図1(b)に示す先の態様とは異なり、接触子52が移動する間に接触子52が切り欠き部51から抜けないようにすることが好ましい。このようなV字状切り欠き51の形状の例としては、図1(b)の傾斜を左右入替え、図のY方向である進行方向に対して下流側に急な傾斜を配置したものが好ましい。また、このレバー53aがスライド移動する代替案の場合、切り欠き部51はV字状ではなく矩形状などの他の形状の切り欠き部とすることであってもよい。さらに、図1(c)に示す例では、センサとしてリミットスイッチ(感応式センサ)58を使用しているが、レバー53aの突起部53bを利用した透過式センサ、又は反射式センサなど他の形式のセンサを用いてもよい。
なお、図16を参照して説明したように、キャリアテープ21によってはエンボス部28が設けられており、このエンボス部28の有無、及びエンボス部28の高さ(深さ)によっては切り欠き部51が設けられたキャリアテープ21の表面の前記搬送路30からの高さが異なるものとなる。したがってこのままの状態でキャリアテープ21を搬送路30上に搬送移動させた場合、切り欠き部51に嵌る接触子52の高さを調節する必要が生じて不能率となる。
図2(a)は、この問題を解消する対応策を示しており、ここでは図示のように、キャリアテープ21の搬送路30に、搬送方向に沿ってピット(掘り込み状溝)59が設けられている。進行方向に対して直角となるピット59の幅Lは、搬送されるキャリアテープ21の内、最大幅のエンボス部28が嵌り得る幅に設定される。したがってキャリアテープ21が搬送される場合には、いずれのエンボス部28も全てこのピット59内を通過する。このため、搬送路30に対する各種キャリアテープ21の表面はほぼ一定の高さが保たれることとなり、接触子52の高さの調整を不要とすることができる。
また、パーツカセット11の中には、複数のリール26を取り付けて数種類の部品(あるいは同一部品であってもよい)を収納する複数本のキャリアテープ21を並行して搬送するものがある。このような場合においても、本実施の形態にかかる検出部の適用は可能である。図2(b)は破線で示す2つのキャリアテープ21と、各キャリアテープ21に形成された切り欠き部51を検出可能な検出部50bの上から見た状態を示している。各キャリアテープ21に対応して接触子52とこの接触子52を固定する各レバー53とが配置され、両レバー53はスプリング57によってそれぞれ図の下方に向けて同じ支点56を中心に回動可能に付勢されている。2つのレバー53の中心56とは反対側の端部は、ほぼ重なり合うようにして透過式センサ54を遮断可能に配置されている。
この状態でいずれかの接触子52が切り欠き部51に嵌るとレバー53が回動し、センサ54によってその動きが検出される。この検知のみではいずれのキャリアテープ21の連結部20が通過したかは不明であるが、事前に対応するリール26のラベル29の読み取りが入力されているので、いずれであるかの判断は可能である。必要に応じて各レバー53に対応するセンサ54を個別に設けることも勿論可能である。また、図2(b)では2本のキャリアテープ21が並行して搬送される例を示しているが、キャリアテープ21は3本あるいはそれ以上の複数本が並行して配送されるようにしてもよい。
図3(a)は、キャリアテープ21に設けられた切り欠き部51をセンサ54を用いて直接検出する他の態様を示している。このセンサ54はキャリアテープ21の一方の縁部を跨ぐように配置されている。センサ54が透過式センサであれば、通常状態においては発光側からの照光がキャリアテープ21によって遮断されており、切り欠き部51に至って前記照光が受光側によって認識されるため、切り欠き部51の通過を検出することができる。なお、この場合の切り欠き部51はV字状でなくとも発光側からの射光を通過、遮断できるものであればどのような形状でもよく、あるいは穿孔することであってもよい。穿孔の場合にはキャリアテープ21に設けられた搬送穴25と区別できるものでなければならない。
一般に、部品実装装置には多種類の部品が供給されるため、部品実装装置に取り付けられる複数のパーツカセット11同士の間隙は非常に制限される。このため、センサ54が図3(a)に示すような形態でキャリアテープ21からはみ出すように配置されることはスペース的に不利になり得る。図2(b)は、このような場合の解決策の1つを示している。ここではキャリアテープ21が長手方向の軸を中心に約90°捩れ、センサ54が上方から鉛直方向にキャリアテープ21を跨いで切り欠き部51を検出するものとしている。部品実装装置1に装着された状態でパーツカセット11の上方には一般に障害物がないため、このような配置とすることでスペース上の問題を生ずることはない。なお、図示の場合とは逆にキャリアテープ21を逆方向に約90°捩じって切り欠き部51を下方に向け、搬送路30に空けられたピット状溝内で下側からこの切り欠き部51を検出するよう構成することも可能である。図3(a)ではキャリアテープ21を捩るための機構を省略しているが、ガイドローラなどを用いることにより可能である。
上述したように、パーツカセット11の中には、2つ、もしくはそれ以上の数のリール26を取り付けて複数本のキャリアテープ21を並行して搬送するものがある。このような場合においても、図3(b)に示すように両キャリアテープ21を捩じり、上方(もしくは下方)から鉛直方向にセンサ54で切り欠き部51を検出することが可能であり、スペース上の問題を解消することができる。この際には、並行する複数のキャリアテープ21に対して複数のセンサ54をキャリアテープ21の搬送方向に対し符号Dに示すように相互にずらして配置すれば、スペース的によりゆとりを持つことができる。これら各センサ54の位置は予め知ることができるため、この切り欠き部51の検出により、新キャリアテープ21に切り換わる連結部20を知ることは容易である。
図4(a)に示す本実施の形態にかかるキャリアテープの連結部を検出する他の態様では、切り欠き部51の代わりにキャリアテープ21の表面の一部を盛り上げた突状部61を連結部20の近傍に形成している。キャリアテープ21の表面には、図示のようなリミットスイッチ58から構成される検出部50cを配置し、リミットスイッチ58を構成するローラ状の接触子52aを常時キャリアテープ21表面に接触させることで、突状部61が到達した場合にこれを検出することができる。
更に図4(b)に示す他の態様では、切り欠き部51又は突状部61を設ける代わりにキャリアテープ21の一部を切り起こした折り曲げ部62を連結部20近傍に形成している。キャリアテープ21の搬送方向片側に設けられた検出部の射光側63から受光側64に向けた照光がこの折り曲げ部62に遮られることにより、キャリアテープ21の連結部20の通過を検出することができる。検出部50dの射光側63と受光側64との配置は必ずしもキャリアテープ21の進行方向に対して直角でなくてもよく、好ましくは折り曲げ部62の表面に直交して対向する方向に配置するなど、発光側63からの射光が確実に妨げられる形態であればよい。
折り曲げ部62の形状は、図示のような三角形状でなくても、矩形状など、他の形状であってもこの折り曲げ部62を検出部50dによって検出できるものであればよい。また、この折り曲げ部62を検出する検出部50dは、透過式センサでなくても、例えば一方からの射光を折り曲げ部62で反射させて検出する反射式センサなどの他のセンサであってもよい。さらに、キャリアテープ搬送路30に上述したピット59を設けることにより、キャリアテープ21のエンボス部28の高さに応じてセンサの位置を調節することが不要となり、有利である。
次に、本発明にかかる第2の実施の形態のキャリアテープ連結部検出手段について図面を参照して説明する。キャリアテープを連結する場合には必ずパーツカセットからリールを取り替える必要がある。すなわち旧キャリアテープを引き出していたリールがパーツカセットから取り外され、旧キャリアテープに繋げられた新キャリアテープを巻き取っているリールが代わってパーツカセットに装着される。本実施の形態では、このリールが取り替えられるタイミングを検出することによって、新キャリアテープが連結されたことを検出する。
図5は、本実施の形態のキャリアテープの連結を検出する手段の1つの形態を示している。図において、リール26はパーツカセット本体11aからは切り離され、パーツカセット本体11a近傍の床面に別途用意されたリールボックス71内に搭載されている。リール26から引き出されたキャリアテープ21は、パーツカット本体11aに導かれ、それ以降は図14に示すパーツカセット11と同様に順次図のY方向左側に向いて搬送され、図示しない部品実装装置に部品供給を行う。近年、電子機器の多機能化が進み、実装される部品点数も多いことから、生産性を高めるために1つのリール26により多くの部品を収納する。このため必然的にキャリアテープ21を巻き取ったリール26の重量が重くなり、そのままパーツカセット11に搭載した場合にはパーツカセット11の支持部に過大な荷重がかかり過ぎる。またリール26も大型化して部品実装装置からの突出量も大きくなって作業性を低下させることから、図示のようなリール部分の切り離しがおこなわれる。
リールボックス71内にリール26を搭載する場合、リールホルダ72を図の破線で示す交換位置まで引き出す。この中に新しいリール26を差し込んで再度リールホルダ72をY方向左側に押し込むことによってリール交換を完了する。図面に垂直な方向には各種部品を含む多数のリール26が並べられているため、このようなリールホルダ72をオペレータが手前側(図の右側)へ引き出すことによってリール交換の作業性を高めている。すなわち、この形式の部品供給においては、リール26を交換する際には必ずこのリールホルダ72が回動される。本態様では、このリールホルダ72の動きを検出することにより、リール交換を検出し、これによってキャリアテープが連結されたことを検出する。
図5において、リールボックス71の底部に配置されたセンサ74が、リールホルダ72が回動する時の動きを検出する。この場合のセンサ74は、リミットスイッチほか、各種形式のものが使用可能である。図示の例ではセンサ74はリールホルダ72が回動する支点76近傍に設けられているが、この位置は支点76とは反対側のリールホルダ72の先端部や、リールホルダ72の長手方向の中央部に設けられていてよい。
また、センサ74は、リールホルダ72が取り付け位置から離れたとき、交換位置に至ったとき、リール交換の後もとの取り付け位置に戻ったときのいずれを感知してもよい。さらに、リール交換の場合とリールボックス71の単なる清掃時との区別ができるよう、リールホルダ72の引き出し位置を2段階とし、交換位置に至ったときにのみセンサ74がこれを感知するように構成することも可能である。なお、図示の例ではリールホルダ72が回動してリール26の交換をできるようにしているが、リールホルダ72をスライドして引き出す構造とし、この引き出し時を感知するようにしてもよい。
代替として、同じく図5に示すように、リールホルダ72の先端部からワイヤ77を延ばし、パーツカセット本体11aに設けられたローラ78、79を介してこれをレバー81の一端につなぐ。レバー81は支点82を中心に回動が可能で、リターンスプリング83によって常時時計回りに付勢されている。装填位置にあるリールホルダ72がリール交換のため引き出されると、一旦リールホルダ72がパーツカセット本体11aに接近し、この間レバー81が時計回りに回動した後リールホルダ72が完全に引き出されるとワイヤ77が再びレバー81を引き、装填位置にあるときよりも余分にレバー81を回動させる。この動きをセンサ84で検出することにより、リールホルダ72が取り替え位置にあることを検出することができる。このためには、リール交換のために完全に引き出したときに破線で示すリールホルダ72の交換位置が、パーツカット本体11aに設けられたローラ78に対してリール26取り付け時におけるリールホルダ72の装填位置(実線)よりも離れるよう構成される。
この場合のセンサ84は、上述の例と同様にレバー81の動きが検出できるものであれば、どのような形式のものであってもよい。また、レバー81は回動式となっているが、ワイヤ77に引かれてスライド移動する形式のものであってもよい。いずれの場合にも、レバー81は、リターンスプリング83などによってワイヤ77を引き戻す方向への付勢力が付与されている。
更なる代替として、同じく図5に示すように、リールホルダ72の直上に位置するパーツカセット本体11aから棒状部材85を垂下させ、リールホルダ72が交換位置に引き出される場合にリールホルダ72が、この棒状部材85と干渉して棒状部材85を支点86を中心に回動させるよう配置する。この時の動きを棒状部材85の支点86近傍に配したセンサ87で検出するようにしてもよい。
なお、図5には上述したリールホルダ72の動きを検出する各検出手段の全てを含めて描かれているが、これらの検出手段の全てを同時に設ける必要はなく、少なくともいずれか1つの検出手段が設けられていればよい。
リール26の交換を検出する更なる代替の態様を図6(a)、(b)に示す。リール26を直接装着する形式のパーツカセット11には、図6(a)に示すようにリールホルダ72aが跳ね上げ式に形成されているものがある。このような形式とするのは、部品実装装置にパーツカセット11を装填したまま、隣接するパーツカセット11から障害を受けることなくリール交換を可能にするためである。リールホルダ72aは、リール26を装着したままで図の破線で示す位置まで支点88を中心に回動する。センサ89を例えば図示のように支点88近傍に配置し、リールホルダ72aの部分を利用してセンサ89でこの動きを検出することにより、リール26の交換を知ることができる。センサ89の形式、配置位置に関してはリールホルダ72aの動きが検出できる限り任意であることは上述の他の例と同様である。
図6(b)に示すような更に他の形式のパーツカセット11bでは、リール26をパーツカセット11bに取り付けられたリールホルダ72bに上方から直接嵌め込むことができる。このような形式のパーツカセット11bにおいては、図示のように、リールホルダ72bの底部に例えばリミットスイッチなどのセンサ90を設けることにより、あるいはリールカバー91を設け、リール26の交換時にこのリールカバー91の開閉を検出する例えば透過式などのセンサ92を設けることにより、リール26の交換を知ることができる。
本実施の形態にかかるキャリアテープ連結部を検出する各検出手段によれば、リール交換の検出によってキャリアテープ連結部20を間接的に検出することができる。直接的にはリール交換のタイミングを検出するため、キャリアテープ21連結の概略タイミングを把握する。このキャリアテープ21連結の把握は、その後の生産履歴トレースに利用することができる。また、リール交換の検出と同時にリール26に付されたラベル29の読み取り結果の検証が行われるため、少なくとも誤ったキャリアテープ21が連結された場合、あるいはオペレータがラベル29の読み取りを忘れた場合には、これらを確実に捉え、不良品の生産を未然に防ぐことができる。
次に、本発明にかかる第3の実施の形態のキャリアテープ連結部検出手段について図面を参照して説明する。上述した特開2000-13092号公報には、テーピングの接続部とそれ以外の部分との反射率を異ならせ、この違いを検出して接続部を検出することが記載されている。さらにその具体例として、キャリアテープの色を反射光量の多い例えば白色とし、連結テープを反射光量の少ない例えば黒色とすることが述べられている。
図7は、本願発明者らが行った実験結果を示したもので、10種類の連結テープについての反射光量の差を測定している。測定は市販の反射光量測定器を使用しており、そのときの検出距離は7mm、また、図の縦軸は測定器の読みを示している。横軸は実験に使用した各種連結テープを示しており、図示のように各種の色と表面状態(つや消し又は光沢)との組み合せを選択している。同一連結テープの隣接する2本の棒グラフ内、右側は測定の最大値、左側は最小値、したがって両者の差は色むらなどによる測定間のばらつきを表している。この結果からも明らかなように、反射光量は、連結テープの色による差異よりも表面状態による差の方がはるかに大きく寄与することが分かる。
図8(a)は、図7に示す連結テープの内、濃青色・つや消しCの連結テープ(図7の左から4番目)を各種キャリアテープに実際に貼り付けた状態で両テープの反射光量を測定したものである。横軸には実験に使用した各キャリアテープの区別を示している。各組み合わせの内、左側の2本が連結テープの反射光量、右側の2本が各キャリアテープの反射光量で、各2本はそれぞれの測定の最大値と最小値を示す。この結果によれば、いずれのキャリアテープ21に対して使用されても(半透明のキャリアテープを含む)、この濃青色・つや消しCの連結テープ38との間では両者に明確な差異を認めることができる。図8(b)は、図8(a)の中から、各キャリアテープ21の反射光量の最小値(右側)と連結テープの反射光量の最大値(左側)のみ、すなわち、ばらつきの範囲で両テープ間の反射光量が最も接近するものを取り出して比較したものである。このような測定ばらつきを考慮してもなお、両テープ21、38間の反射光量の差異は明確に認識できることがわかる。
以上のように、連結テープの色よりも表面状態の方が反射光量に大きく影響するのは以下の理由による。図9(a)は、通常使用される連結テープ38の断面を示している。図9(a)において、従来のテープにおいては基材フィルム93に対して色分け塗装層94を設け、この色分け塗装層94の側に粘着剤層96を塗布して粘着テープとしている。この場合、光は図の太矢印で示すように上方から照射されるため、反射光量は色分け塗装層94の部分よりも基材フィルム93の表面によって大きく影響される。これに対して本願発明者らは、図9(b)に示すように、基材フィルム93の表面に対してつや消し色分け塗装層97を設け、基材フィルム93に対してこのつや消し面とは反対側の面に粘着剤層96を設けた。このような構成とすることにより、光線はつや消し塗装層97の表面に照射されることから、反射光量を低く抑えることができた。
図9(c)は、代替として表面をいわゆる梨地状に処理した基板フィルム93aを示している。このように基材フィルム93a自身を処理することでつや消し塗装を施すまでもなく反射光量を低減させることができる。梨地状の表面が照射される光を乱反射させて光を拡散する効果を有するためである。図9(b)に示すつや消し塗装層97の代わりに、通常の基材フィルム93の上にこのような梨地処理をした別のテープを重ね合わせることであってもよい。
図9(d)は、本実施の形態の更に他の態様を示している。この態様では、基板フィルム93表面のつや消し層の代わりに、逆に表面の反射を促す反射層98を設けるものとしている。図示の例においては、金属調あるいは鏡面状の反射面を有する反射テープ層98を基板フィルム93の表面に貼り付け、この反射テープ層98の反射率をキャリアテープ21に対して極端に高めるものとしている。このような金属調の反射テープは市場で入手可能であり、図7、8に示す反射光量のスケールでいえば約3000ほどまで高めることができる。このような表面を有する連結テープ38を、特につや消し表面を有するキャリアテープに貼り付けることによってキャリアテープ21の連結部20を容易に検出することができる。なお、表面の反射率を高めるには、上述の反射テープ層98を設けることの外にも、例えば基材フィルム93自身に金属蒸着層を設けるなどの反射処理を施す態様も可能である。
図10(a)は、以上のように構成されたキャリアテープ21の連結部20を検出するセンサの構成例を示している。センサ101は光反射式センサが使用され、間欠搬送されるキャリアテープ21の表面に対向して上方に配置される。キャリアテープ21の表面に貼り付けられた上述のいずれかの連結テープ38がセンサ101に対向する位置まで移動した際、センサ101から照射されて連結テープ38で反射されて帰る反射光量の変化をセンサ101が検出し、アンプ102で増幅した上で制御装置7(図13参照)に測定値を入力する。制御装置7では、この連結テープ38における反射光量の差異に基いてキャリアテープ21の連結部20を認識する。
同じく図10(a)には、連結テープ38にではなく、キャリアテープ21につや消し部95を直接形成する代替案をも示している。すなわち、第1の実施の形態で示す切り欠き部51や突状部61等の代わりとしてつや消し部95を設け、これをセンサ101で検出することにより連結部20の検出を可能とする。つや消し部95はつや消し塗装であってもつや消しテープの貼り付けであってもよく、後述する手段によればこれを容易に形成することができる。つや消し部95の代わりに光輝部をもうけることであっても勿論よい。キャリアテープ21の搬送速度を考慮した場合、このつや消し部(または光輝部)95の検出に必要な搬送方向に対する幅sは、2〜3mm程度あれば十分である。
図10(b)はこの時のセンサ101の取り付け手段の例を示したもので、図において、センサ101はセンサホルダ103に固定され、センサホルダ103はローラ等の接触子104を介してキャリアテープ21の上に載置されている。この際、接触子104はスプリング106などによって下方に付勢されても、あるいは自重でキャリアテープ21に接触してもよい。キャリアテープ21には部品の大きさに応じて部品を収納するエンボス部28が設けられているものもあり、またこのエンボス部28の高さ(深さ)が部品12によって異なる。さらにはエンボス部28を備えていないキャリアテープ21であってもそのキャリアテープ自身の厚さが異なるものがある。このためパーツカセット11のキャリアテープ搬送路30に対する被測定面の高さがキャリアテープ21毎に異なるものとなる。センサ101を図示のようなセンサホルダ103を介して配置すれば、センサ101とキャリアテープ21の測定面との間の距離を自動的に常に一定に保つよう調整することができ、キャリアテープ21が変更されるたびにセンサ101の焦点を調整する必要がなくなって効率的である。
なお、本実施の形態ではキャリアテープ21と連結テープ38との反射光量の差を表面につや消し部または光輝部を設けることによって得るものとしているが、これに加えて両者間の色の差を設けることも勿論可能である。色の差による反射光量の差異もある程度認められるが、その他の利点として、オペレータがキャリアテープの連結部20を目視により容易に見つけることができる効果をあげることができる。
次に、本発明にかかる第4の実施の形態について図面を参照して説明する。本実施の形態は、第1及び第3の実施の形態で示したキャリアテープ連結部20を検出するための識別部を形成する手段に関する。図11は、図17に示したキャリアテープ21を連結する連結装置40に、前記識別部の形成手段を設ける場合の態様を示している。図11において、連結作業台41と押圧部47との間に新・旧のキャリアテープ21a、21b、連結子35(破線)が置かれ、連結作業台41に対してこれらを押圧部47で押圧することにより両キャリアテープ21a、21bが連結される。本実施の形態の連結装置40aには、従来技術に対して押圧部47には切り欠き刃107が、連結作業台41には切り欠き刃107に対応して切り欠き刃(打ち抜き穴)108が追加して設けられている。キャリアテープ21が連結される際、押圧部47が連結作業台41上のキャリアテープ21を押圧すると同時に、切り欠き刃107と打ち抜き穴108との間でキャリアテープ21に破線で示すV字状の切り欠き部51を形成する。
連結装置40aを以上のように構成することにより、別途追加の工程を設けることなく、キャリアテープ21の連結と同時に連結部20の検出が可能な切り欠き部51を容易に形成することができる。図示の例では図の左側に示す旧キャリアテープ21aに切り欠き部51を設けるものとしているが、これを図の右側に示す新キャリアテープ21bの側に設けることであっても、あるいは必要に応じて両側のキャリアテープ21a、21bに設けることであっても良い。また、切り欠き部51はV字状のものに限らず、他の形状のものであってもよい。更に、第1の実施の形態に示したように、切り欠き部51の代わりに折り曲げ部62を形成する場合には、切り欠き刃107を一部切断、一部折り曲げが可能な形態とし、打ち抜き穴108の代わりに押圧時に下から切り欠き部を持ち上げるリンク機構を設けるように形成する。同じく切り欠き部51の代わりに突状部61を設ける場合には切り欠き刃107の代わりに凹型、打ち抜き穴108の代わりに押圧時に下からキャリアテープ21を押し込む凸型を形成する。これらの成形技術はプレス加工分野において既知のものである。
なお、キャリアテープ21を連結装置40、40aを用いて連結する際、両キャリアテープ21a、21bを連結作業台41上で共に表側に向けても、共に裏側に向けても連結は可能である。したがって上述した切り欠き刃107、打ち抜き穴108、凸型、凹型のそれぞれの配置は逆の関係にすることも可能である。特に折り曲げ部62、突状部61をキャリアテープ21に設ける場合には、キャリアテープ21を裏向きにセットし、押圧部47の方から連結作業台41の側に向けてキャリアテープ21を押し込んでこれらを形成する方が上述のリンク機構が不要となり、容易である。この際、連結子35は裏向きにセットされたキャリアテープ21の上に置くようにすることもできる。
図12は、キャリアテープ21に連結部20を認識するための認識部を設ける他の形態を示しており、ここでは、キャリアテープ切断用の切断装置110を利用する。一般にリール26に巻き付けられたキャリアテープ21の最終部分はリール26への巻き付けを可能とするため、またキャリアテープ21の先頭部分にはパーツカセット11の駆動輪33(図14参照)までキャリアテープ21を導くため、それぞれ部品12が収納されていない部分が設けられている。新・旧のキャリアテープ21a、21bを連結するには、したがってこれらの部分を切断装置110で切断して部品12が収納されている部分が連続するようにしなければならない。
キャリアテープ切断用の切断装置110にはこのため、切断装置110の一対の切り刃111、112のいずれか一方の側(図示の例では切り刃111の側)に、キャリアテープ21を位置決めする複数の位置決めピン113を備えた位置決め機構114が固定されている。キャリアテープ21の搬送穴25をこれら位置決めピン113に嵌め込むことによって、正確な位置、傾きでキャリアテープ21を切断することを可能にしている。
本実施の形態にかかる切断装置110では、位置決め機構114が固定された切り刃111と反対の側の切り刃112に、つや消し部95(図10(a)参照)をキャリアテープ21上に形成するつや消し部形成機構116を設けている。切り刃111の側からは位置決め機構114を延長し、押え台117を形成している。
つや消し部形成機構116は、塗料容器118と塗布部119とから構成され、塗料容器118に貯えられたつや消し塗料が導管を通じて塗布部119に導かれる。切断装置110をこのように構成して、キャリアテープ21の切断時につや消し部形成機構116と押え台117との間でキャリアテープ21を挟み、塗布部119をキャリアテープ21に圧着させてつや消し部95を形成する。これにより、別途の工程を設けることなく切断と同時につや消し部95を切断部20近傍に形成することができ、効率的である。
図12では、キャリアテープ切断装置110につや消し部95を形成する例を示しているが、つや消し部形成機構116の代わりに図11に示すような切り欠き刃107を、また押え台117には同じく打ち抜き穴108を設けるようにすれば、切断装置110を利用してキャリアテープ21に切り欠き部51を形成することもできる。突状部61、または折り曲げ部61が形成可能なことも上述の例と同様である。逆に、図11に示す連結装置40aにおいても、図12に示すようなつや消し部形成機構116を備えることにより、切り欠き刃51の代わりにつや消し部95を形成することが可能である。
図12に示すような塗布部119を利用してつや消し塗料を塗布する構成とする代わりに、塗布部119を改良してキャリアテープ21切断の際にキャリアテープ21上につや消し面もしくは金属調鏡面を有するテープを貼り付けるように構成してもよい。キャリアテープ21がつや消し表面である場合には、形成機構116を利用してつや消し部ではなく光沢部をキャリアテープ21表面に形成し、反射光量の差を設けるようにすることが好ましい。
なお、図12には、ギザギザ状の切断面を形成する形式の切断装置110が示されている。切断面をこのように波型に形成することで新・旧のキャリアテープ21a、21bを付き合わせた場合に横方向のずれをなくす効果がある。また、連結部20におけるトップテープ24の剥ぎ取りが、ギザギザの頂点部分から剥ぎ取られるよう形成すれば、キャリアテープ21を直線状に切断して連結部20において横一線で同時にトップテープ24の剥ぎ取りが始まるよりも容易に剥ぎ取りができるという利点もあって好ましい。
11.パーツカセット、 12.部品、 20.連結部、 21.キャリアテープ、 23.ベーステープ、 24.トップテープ、 25.搬送穴、 26.リール、 28.エンボス部、 29.ラベル、 30.搬送路、 35.連結子、 36.搬送穴、 37.かしめ爪、 38.連結テープ、 40.連結装置、 41.連結作業台、 47.押圧部、 50.検出部、 51.切り欠き部、 59.ピット、 61.突状部、 62.折り曲げ部、 71.リールボックス、 72.リールホルダ、 107.切り欠き刃、 108.打ち抜き穴、 110.切断装置、 111.切り刃、 112.切り刃、 114.位置決め機構、 116.つや消し部形成機構。