第1の発明は、フレームに回動可能に軸支され主商品支持部材の後退動作で商品通路の最下流側の商品が払い出される時に下流側から2番目の商品を上端部で保持できるように前記商品通路に対して突出動作と後退動作を行う次期商品支持部材と、駆動装置の動作により往復移動し一方向に移動する時に前記次期商品支持部材を前記商品通路側に押し出すピンとを備えた自動販売機の商品搬出装置であって、前記ピンが前記ピンの一方向の移動範囲の始点位置近傍から略中間位置まで移動するときに前記次期商品支持部材全体が前記商品通路側に回動し、前記ピンが前記ピンの一方向の移動範囲の前記略中間位置から終点位置まで移動するときは前記次期商品支持部材に前記商品通路から後退させる方向の力が
加わっても前記次期商品支持部が前記ピンを前記ピンの移動できない方向に押すことにより前記次期商品支持部材が前記商品通路から後退するのを防止し、前記ピンが前記ピンの移動範囲の略中間位置から前記終点位置まで移動するときに前記ピンに押されて前記次期商品支持部材における比較的回動軸から離れた部分が突出時の回動方向に屈曲することを特徴とする自動販売機の商品搬出装置である。
上記構成により、次期商品支持部材が商品通路内に完全に突出する前に、最下流から2番目の飲料商品が次期商品支持部材の上に落下して、その商品荷重が次期商品支持部材を戻す方向に作用する場合でも、駆動装置の動作により往復移動し一方向に移動する時に次期商品支持部材を商品通路側に押し出すピンがピンの一方向の移動範囲の略中間位置を過ぎていれば、次期商品支持部がピンをピンの移動できない方向に押すことになるので、次期商品支持部材を動作させる駆動装置の動作力を大きくすることなく、次期商品支持部材が商品通路から後退するのを防止できる。
また、次期商品支持部材の商品通路への突出を最下流側の商品が邪魔する場合でも、ピンが次期商品支持部材における比較的回動軸から離れた部分を突出時の回動方向に屈曲させるのを妨害しない位置まで最下流側の商品の落下が進めば、ピンが次期商品支持部材における比較的回動軸から離れた部分を突出時の回動方向に屈曲させるので、屈曲しない従来の次期商品支持部材を用いた商品搬出装置よりも、次期商品支持部材が商品通路への突出量の多い状態で最下流から2番目の商品を保持できる。
したがって、最下流から2番目の商品が変形して次期商品支持部材から落下する可能性を低減でき、また、商品荷重が次期商品支持部材を戻す方向に作用する力を小さくできるため、商品保持の信頼性が高く、商品の形状・強度に対して汎用性を向上することができる。
第2の発明は、特に第1の発明における前記次期商品支持部材が、複数の支持部材を連結して構成されたことを特徴とするものであり、簡素な構成で次期商品支持部材の保持機構を複数段階設けることができる。
第3の発明は、特に第2の発明における前記次期商品支持部材が、前記フレームに回動可能に軸支される第一支持部材と、前記第一支持部材に回動自在に取り付けられた第二支持部材とからなることを特徴とするものであり、簡素な構造で第二支持部材の回動を支持しながら、保持機構を複数段階設けることができる。
第4の発明は、特に第3の発明における前記第一支持部材の先端部に、前記第二支持部材の回動軸となる連結ピンを備えたことを特徴とするものであり、簡素な構造で前記第二支持部材の回動を支持しながら、保持機構を複数段階設けることができる。
第5の発明は、特に第3または第4の発明において、前記第二支持部材における前記商品通路から後退する方向への回動範囲が前記第一支持部材と当接することにより規制されるように構成したことを特徴とするものであり、簡素な構造で第二支持部材の回動範囲を規制することができる。
第6の発明は、特に第3から第5のいずれかの発明において、前記第二支持部材を前記商品通路から後退する方向へ回動するように付勢する付勢手段を備えたことを特徴とするものであり、ピンの位置により第二支持部材の第一支持部材に対する回動位置を制御できるで、意図せずに第二支持部材が商品通路に突出して商品の搬出を妨害する不具合の発生を防止できる。
以下、本発明の自動販売機の商品搬出装置の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によってこの発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
本発明の実施の形態1にかかる自動販売機の商品搬出装置について、図1から図10を参照しながら詳細に説明する。なお、以下の説明では、特に断りのない限り上下方向、幅方向、奥行き方向等の位置関係については、自動販売機やこれに組み込まれる商品収納棚の通常の設置状態を基準として説明する。
図1は、本発明の実施の形態1における自動販売機の商品搬出装置を適用した自動販売機の扉を開いた状態の斜視図である。
図1に示すように、本実施の形態における自動販売機の商品搬出装置を適用した自動販売機1は、断熱性を有する箱状の本体部2の内部に、複数の商品収納棚3や、図示しない商品搬出装置、制御装置等を内蔵している。
図2は、本発明の実施の形態1における自動販売機の商品搬出装置を適用した自動販売機1の商品収容棚3の内部構成を示す要部斜視図である。
図2に示すように、商品収容棚3は、対向して配置され商品収容棚3を構成する各部品を取り付けるための複数の穴を設けた側壁4と、商品収容棚3の前面に上下方向に複数配置された投入口傾斜板5と、上下方向に連続して配置された商品通路6を形成するセグメント7と、搬出口部8によって構成されている。
図3は、本発明の実施の形態1における自動販売機の商品搬出装置を適用した自動販売機1の商品収容棚3の内部構成を示す説明図である。
図3に示すように、商品収容棚3は、縦長形状の飲料商品9が横倒し状態で収容される複数の商品通路6によって構成されている。
商品投入口部11は、横倒し状態の飲料商品9が自重で転がる、または滑ることのできる程度の傾斜を有し、側壁4に設けた異形溝12内を動作可能に係合された投入口傾斜板5と、投入口傾斜板5上を幅方向に移動可能に係合された投入口幅規制部材13と、投入口傾斜板5と商品通路6の境界部に設けた投入口規制部材14によって構成される。
図3に示す商品通路6は、上下方向に複数蛇行するように配置された円弧状のセグメント7と、横倒し状態の飲料商品9が商品通路6内を落下する際の落下速度の抑制と姿勢制御の機能を有したフラッパ15、横倒し状態で収容される飲料商品9の全長にあわせて商品通路幅を変えるために、投入口幅規制部材13を設定するのと連動するように投入口幅規制部材13に係合された可動側板16、商品通路6の最下流には商品搬出装置17と商品搬出装置17に対向するように配置された通路規制板18で構成された搬出口部8によって構成されている。
ここで、飲料商品9が商品収容棚3に収容され販売されるまでの一連の流れについて説明する。
図3に示すように、投入口傾斜板5の上端部から水平状態(横倒し状態)で投入された飲料商品9は、水平状態(横倒し状態)を保ちながら投入口傾斜板5上を転動し投入口傾斜板5の下端部に至る。投入口傾斜板5の下端部から投げ出された飲料商品9は、進行方向を変え商品通路6内を落下し始める。
投入口傾斜板5から商品通路6への移行の際に進行方向が大きく変わり飲料商品9は姿勢を崩しやすいため、投入口傾斜板5の下端部上方に投入口規制部材14が設けられている。
この投入口規制部材14を介することで、投入口傾斜板5から商品通路6への移行の際に、飲料商品9は水平状態(横倒し状態)を保つことができる。
商品通路6は前述したように、上下方向に複数蛇行するように配置された円弧状のセグメント7とフラッパ15によって構成されており、飲料商品9はセグメント7とフラッパ15によって落下速度を抑制すると同時に、姿勢制御されながら商品通路6内を蛇行上に水平状態(横倒し状態)を保ちながら落下していく。
次に、飲料商品9は商品通路6を経て商品通路6の下部に設けられた搬出口部8に移行する。
前述したように、搬出口部8は商品搬出装置17と商品搬出装置17に対向するように配置された通路規制板18で構成されており、飲料商品9は商品搬出装置17のストッパーによって落下の終点を迎える。
この一連流れで飲料商品9は商品収容棚3内に次々に収容されていき、商品搬出装置17に積みあがった状態で販売待機状態となる。
その後、販売信号に応じて商品搬出装置17は最下流の飲料商品9のみを下方に払い出すことで飲料商品9を消費者へと提供する。
図4は、本発明の実施の形態1における自動販売機の商品搬出装置17を商品通路6に露出する側とは反対側から見た平面図である。
図4に示すように、本実施の形態の商品搬出装置17の枠状のフレーム17aには、開口部19が設けられており、この開口部19に次期商品支持部材20および主商品支持部材21が、フレーム17aおよび支持棒22a、支持棒22bによって保持されたピン23c、ピン23dによって回転自在に設けられている。
ここで、主商品支持部材21は、商品通路6内の飲料商品9と対向する面がフレーム17a(または通路規制板18)に対して略平行になる状態とフレーム17a(または通路規制板18)に対して略垂直になる状態とに変化するように、主商品支持部材21の上端部が商品通路6内の飲料商品9の長手方向と略平行なピン23dによって回転自在に支持され、商品通路6内の飲料商品9と対向する面がフレーム17a(または通路規制板18)に対して略垂直になる状態で商品通路6内の最も下流にある飲料商品9を下から保持するものである。
ここで、主商品支持部材21は、ピン23dに取り付けられたねじりコイルバネによって商品通路6内の飲料商品9と対向する面がフレーム17a(または通路規制板18)に対して略垂直になる方向に付勢されている。
なお、主商品支持部材21には、商品通路6内の飲料商品9と対向する面がフレーム17a(または通路規制板18)に対して略垂直になる状態で商品通路6内の最も下流にある飲料商品9を保持する時に、飲料商品9から受ける力でフレーム17aの方に後退する(商品通路6内の飲料商品9と対向する面がフレーム17a(または通路規制板18)に
対して略平行になる状態とフレーム17a(または通路規制板18)に対して略垂直になる)ように回動するのを阻止する後退阻止部材24が配備されている。
一方、次期商品支持部材20は、下端部が商品通路6内の飲料商品9の長手方向と略平行なピン23cによって回転自在に支持され、主商品支持部材21の後退動作で商品通路6最下流側の飲料商品9が払い出される時に下流側から2番目の飲料商品9を上端部の上面に形成された商品保持面20gと通路規制板18とで保持できるように、主商品支持部材21よりも上側(商品通路6の上流側)で、先端部(上端部)が商品通路6に対して突出動作と後退動作を行うものである。
また、商品搬出装置17には、販売信号に応じて電流が流れた時に磁力で吸引してプランジャー33を上方に引き上げるソレノイド25が設けられている。ソレノイド25の下側でソレノイド25により上下動するプランジャー33の下端部には、略角穴形状の穴があり、その穴には上下方向に長い連動部材26がプランジャー33の上下動と連動して上下動できるように係合されている。
この連動部材26の中央部の両端は互いに対向するように直角に曲げられた一対のフランジを形成しており、各フランジには互いに対向する位置に穴が設けられており、両フランジの穴にピン23cと平行にピン22gが挿入されている。ピン22gは次期商品支持部材20の突出を制御する部材であり、支持棒22a,22bに設けられた長穴およびフレーム17a内に設けられた長穴を往復動する。
また、連動部材26には、ソレノイド25の磁力の吸引力でプランジャー33と共に連動部材26が引き上げられると延びるコイルバネが取り付けられている。
フレーム17aの開口部19には板状部27が設けられており、開口部19の下部の一部を閉鎖している。板状部27が設けられた位置は、フレーム17aの中心から向かって右側であり、商品搬出装置17を背中合わせに重ねた時に、相手側の商品搬出装置17に設けられた連動部材26に、動作を妨げる荷重がかかることのないように保護する位置に定められている。また、フレーム17aの正面側の開口部19の上部には、商品を後述する通路規制板側に寄せるための突起28が設けられている。
図5は、本発明の実施の形態1における自動販売機の商品搬出装置17に用いた主商品支持部材21の構成を説明するための説明図である。
図5に示すように、主商品支持部材21は略長方形の板状部材で、樹脂製の接合部材29が一体化されたものである。
主商品支持部材21の一辺側には、主商品支持部材21を回転自在に軸支するためのピン23dを挿通するための軸孔30aが設けられ、図5に示す樹脂製の接合部材29を係合するための切り欠き部21aおよび略L字型のL曲げ部21bがある。
一方、接合部材29は、板状部29aに軸孔30bが設けられており、さらに板状29aの平面に対して垂直な面にガイド溝31が設けられたものである。
このガイド溝31は、図5に示すように長穴状になっており、後退阻止部材24の一端に挿通されているピンをガイドするものである。
主商品支持部材21と接合部材29は、上記した主商品支持部材21の略L字型の曲げ部21bで嵌め合いによって一体化されており、主商品支持部材21の軸孔30aと接合
部材の軸孔30bは、ピン23dによって挿通、回転自在に軸支されている。
図6は、本発明の実施の形態1における自動販売機の商品搬出装置17に用いた後退阻止部材24の構成を説明するための説明図である。
なお、図6の左側の図は、支持棒22bと次期商品支持部材20を取り付ける前の状態を示しており、図6の右側の図は、支持棒22bと次期商品支持部材20を取り付けた後の状態を示している。
図6に示すように、後退阻止部材24は平面部24aと両端がL状曲げされて、L曲げ部の上下端にピンを挿通するための軸孔を設けた帯状部24bと、平面部24aに設けられた切り起こし部24cと、平面部24aに設けられた切り起こし部24cの挿通穴に回転可能に取り付けられ、支持棒22aおよび支持棒22bに設けた異形溝内22cをガイドされながら移動するピン22fを挿通するための軸孔32aを有するロック部材32によって構成される。
また、上述したようにロック部材32に挿通されたピン22fは、支持棒22aおよび支持棒22bに設けた異形溝内22cを移動可能に取り付けられており、同時に後述する連動部材26の下端部に係合され連動部材26に連動して動作する構造となっている。
図7は、本発明の実施の形態1における自動販売機の商品搬出装置17に用いる次期商品支持部材20を商品通路6に露出する側から見た斜視図であり、図8は、本発明の実施の形態1における自動販売機の商品搬出装置17に用いる次期商品支持部材20を商品通路6に露出する側とは反対側から見た斜視図である。
図7と図8に示すように、次期商品支持部材20は、高剛性のエンジニアリングプラスチックや金属のダイキャストで形成されたものである。次期商品支持部材20は第一支持部材20aと第二支持部材20bからなり、第一支持部材20aの先端部には、第一支持部材20aの長手方向に連結ピン23hが挿通可能な軸孔が設けられており、第二支持部材20bが回転可能に連結ピン23hによって第一支持部材20aの先端部に回動自在に取り付けられている。
第一支持部材20aは、本体部20cと、本体部20cにおける商品通路6に露出する側とは反対側の面から次期商品支持部材20の回動軸に垂直に次期商品支持部材20の後退方向に突出する複数の板状突起部20dを持つ。
第二支持部材20bは、本体部20eと、本体部20eにおける商品通路6に露出する側とは反対側の面から次期商品支持部材20の回動軸に垂直に次期商品支持部材20の後退方向に突出する複数の板状突起部20fと、次期商品支持部材20における回動軸から遠い方の端で商品保持面20gとなる先端部(上端部)と、先端部(上端部)から次期商品支持部材20の後退方向に商品搬出装置17の他の構成部品を避けるように突出する爪部20hを持ち、下端部に連結ピン23hが挿通可能な軸孔が設けらている。
第一支持部材20aの先端部(上端部)に設けられた複数の切り欠き部20iと第二支持部材20bの下端部に設けられた複数の切り欠き部20jが互いに嵌り合う構成により、連結ピン23hによって第一支持部材20aの先端部に第二支持部材20bが軸支され、回転可能に取り付けられている。
更に、第一支持部材20aの切り欠き部20i内で連結ピン23hに挿通されたねじりコイルバネ36によって、第二支持部材20bは次期商品支持部材20の後退動作時の回
転方向に付勢されている。
ここで、ねじりコイルバネ36のアームの一端は、第二支持部材20bの裏面に取り付けられ、他端側は第一支持部材20aの表面側、すなわち、商品通路6側に取り付けられているが、第一支持部材20aのねじりコイルバネ36のアーム取付部に凹部20kを設けて表面側にねじりコイルバネ36のアームが突出しない構造となっている。
なお、次期商品支持部材20(第一支持部材20a)は、ピン23cに取り付けられるねじりコイルバネ(図示せず)によって、板状突起部20dがピン22gに当接する方向(次期商品支持部材20が商品通路6から後退する方向)に付勢されている。
連動部材26の中間部に挿通軸支されたピン22gが連動部材26と伴って待機位置から上方へ移動する際に、始めにピン22gと第一支持部材20aに構成される板状突起部20dが当接することにより、第一支持部材20aと第二支持部材20bが一体に回動、押し出される。
さらにピン22gが上側に移動すると、ピン22gと第二支持部材20bに構成される板状突起部20fが当接することになり、第二支持部材20bのみがさらに回動、押し出される。
なお、第一支持部材20aに構成される板状突起部20dの形状によって、ピン22gが連動部材26と伴に往復動する際の次期商品支持部材20の商品通路6側への突出量が決定されている。
また、第二支持部材20bに構成される板状突起部20fの形状によって、ピン22gが連動部材26と伴に往復動する際の第二支持部材20bの商品通路6側への突出量(第二支持部材20bの第一支持部材20aに対する商品通路6側へ突出する方向への回動量)が決定されている。
図9は、本発明の実施の形態1における自動販売機の商品搬出装置17の販売動作を説明するための説明図である。
なお、図9の左側の図は、主商品支持部材21が最下流の飲料商品9を保持している状態を示している。
また、図9の中央の図は、主商品支持部材21が商品通路6から後退しつつあり、最下流の飲料商品9が邪魔して次期商品支持部材20が商品通路6に充分に突出できていない状態を示している。
また、図9の中央の図は、主商品支持部材21が商品通路6から完全に後退し、次期商品支持部材20が商品通路6に完全に突出して下流側から2番目の飲料商品9を上端部で保持した状態を示している。
販売信号に応じて商品搬出装置17のソレノイド25に電流が流れると、ソレノイド25がプランジャー33を磁力で吸引し、プランジャー33が上方に引き上げられ、それに伴いプランジャー33に係合された連動部材26が引き上げられ、連動部材26に挿入されたピン22fおよびピン22gが引き上げられる。
ピン22gが上方に引き上げられると、ピン22gは次期商品支持部材20の第一支持部材20aに設けられた板状突起部20dに当接し、この板状突起部20dがピン22g
から受ける力により、次期商品支持部材20(第一支持部材20aと第二支持部材20b)を商品通路6内に回動突出させる。
この動作によって、次期商品支持部材20は、商品通路6内に突出し、主商品支持部材21上に積み上げられた下から2本目の飲料商品が、次期商品支持部材20の先端部に設けられた商品保持面20gと商品搬出装置17に対向して配置された通路規制板18によって一旦保持される。
一方、連動部材26によってロック部材32に挿通されたピン22fが上方に引き上げられると、ピン22fは支持棒22aおよび支持棒22bに設けた異形溝内22cを上方に移動することで、後退阻止部材24によるロックが解除される。
これによって、後退阻止部材24の帯状部24bの上端側の軸孔に挿通されたピン23jが、接合部材29の板状部29aの平面に対して垂直な面に設けられたガイド溝29b内を商品通路と逆方向に移動する。
この動作に伴い、後退阻止部材24の帯状部24bの上端側の軸孔に挿通されたピン23jによって回転不能に固定されていた主商品支持部材21と接合部材29が、主商品支持部材21と接合部材29に設けられた軸孔に挿通されたピン23dを軸に図9で時計回りに回転可能な状態になる。
そして、主商品支持部材21上に積み上げられた最下流の飲料商品9の自重によって、主商品支持部材21が図9で時計回りに回転し、主商品支持部材21に積み上げられた最下流の飲料商品9のみを下方に払い出し、商品収容棚3の下方に設けられた搬出傾斜板を経て、飲料商品が購入者のもとに飲料商品がわたる。
この時、販売信号は継続して出ており、次期商品支持部材20は下から2本目の飲料商品を保持する動作を継続している。
主商品支持部材21上に積み上げられた最下流の飲料商品9のみを下方に払い出しが終わると、主商品支持部材21にかかる負荷がなくなることで、主商品支持部材21は主商品支持部材21と接合部材29に設けられた軸孔に挿通されたピン23dに挿通軸支され、主商品支持部材21を図9で反時計回りに付勢しているねじりコイルバネによって、待機状態つまり販売前の状態に復帰することになる。
その後、販売信号による商品搬出装置17のソレノイド25への通電が終了すると、プランジャー33を吸引する磁力がなくなることにより商品搬出装置17に取り付けられたソレノイド25の吸引動作が終了し、プランジャー33が重力と連動部材26に取り付けられたコイルバネの縮もうとする力で下方に移動することで、プランジャー33が待機状態に戻り、プランジャー33に係合された連動部材26および、連動部材26に係合されているピン22fおよびピン22gも待機状態へと戻る。
これによって、次期商品支持部材20に設けられた板状突起部20dにピン22gが当接することにより、回転、押し出されていた次期商品支持部材20が、次期商品支持部材20を商品搬出装置17に収納される側、図9において反時計回りに、次期商品支持部材20の軸孔に挿通固定され、次期商品支持部材20を付勢したねじりコイルバネによって次期商品支持部材20が商品搬出装置17内に収納され、飲料商品の保持が終了することで、下から2本目の商品が主商品支持部材21上に落下し販売待機商品となる。
この時、主商品支持部材21はロック部材32に挿通されたピン22fが待機状態に戻
り、回転不能に固定されていることで、飲料商品9が主商品支持部材21上に落下しても主商品支持部材21が回転することなく飲料商品9を主商品支持部材21上に積み上げることが可能となっており、販売待機状態となる。
この一連の動作を繰り返すことで、自動販売機の商品収容棚3に保管されている飲料商品9は、購入者へ販売されることになる。
図10は、本発明の実施の形態1における自動販売機の商品搬出装置17の次期商品支持部材20の動作を説明するための説明図である。
図10の左側の図は、ピン22gが支持棒22a,22bとフレーム17aに設けられた上下方向に長い長穴内での上下移動範囲の下端に位置している時の次期商品支持部材20の状態を示している。
図10の中央の図は、ピン22gが支持棒22a,22bとフレーム17aに設けられた上下方向に長い長穴内での上下移動範囲の略中間位置に位置している時の次期商品支持部材20の状態を示している。
図10の右側の図は、ピン22gが支持棒22a,22bとフレーム17aに設けられた上下方向に長い長穴内での上下移動範囲の上端に位置している時の次期商品支持部材20の状態を示している。
図10に示すように、次期商品支持部材20は、第一支持部材20aと第二支持部材20bからなり、第二支持部材20bが回転可能に連結ピン23hによって第一支持部材20aの先端部に回動自在に取り付けられており、販売待機状態において、第二支持部材20bは第一支持部材20aとほぼ平行に、商品搬出装置17の商品通路側のフレーム17a内に収納されている。
次に、前述したように販売信号によって販売動作が開始されると、始めにピン22gと第一支持部材20aに構成される板状突起部20dが当接することにより、第一支持部材20aと第二支持部材20bが共に回動し押し出される。
さらにピン22gが上側に移動するとピン22gと第二支持部材20bに構成される板状突起部20fが当接することになり、第二支持部材20bのみがさらに回動、押し出される。
このとき、大型の飲料商品9を販売する場合、前述したように販売信号によって販売動作が開始されると、始めにピン22gと第一支持部材20aに構成される板状突起部20dが当接することにより、第一支持部材20aと第二支持部材20bが共に回動し押し出される。
さらにピン22gが上側に移動する際に、第二支持部材20bが大型の飲料商品9に当接することで、回動動作が阻害される場合があるが、その場合であっても、第一支持部材20aは確実に支持されていること、さらに一定の突出量が確保されるため、次期の飲料商品9を確実に保持することができる。また、商品搬出動作において最下流の飲料商品9が少し下がることで第二支持部材20bと大型の飲料商品9との当接が解除され、第二支持部材20bの動作が可能となるため、第二支持部材20bが最大突出できる機会が多いため十分な突出量を得られる機会が多い。
ピン22gと第二支持部材20bに構成される板状突起部20fが当接することになり
、第二支持部材20bのみがさらに回動、押し出される。
上記状態にて、前述したように主商品支持部材21に積み上げられた飲料商品9の下から2番目の飲料商品9を保持することによって、飲料商品9を保持できる構造となっている。
その後、販売信号が終了すると、第二支持部材20bは第一支持部材20aの切り欠き部20i内で連結ピン23hに挿通されたねじりコイルバネ36によって次期商品支持部材20の後退動作時の回転方向に付勢されているため、前述したように第二支持部材20bに設けられた板状突起部20fにピン22gが当接することにより、回転、押し出されていた第二支持部材20bが図9で反時計回りに回転をはじめ、待機状態へと復帰する。
その後、第一支持部材20aは商品搬出装置17へ収納される方向への、図10で反時計回りの回転が継続され、第一支持部材20aと第二支持部材20bが共に回動し、次期商品支持部材20は商品搬出装置17の商品通路6側のフレーム17a内に収納され、販売待機状態に復帰する。
ここで、回転可能に連結ピン23hによって第一支持部材20aの先端部に取り付けられた第二支持部材20bは、第二支持部材20bの回転軸側の突部と、第一支持部材20aの先端部裏面が、第二支持部材20bの回転域において当接することで、第一支持部材20aとほぼ平行な状態が反時計回り側の回転の限度となるよう規制がなされている。さらに、第二支持部材20b下端と第一支持部材20aの先端部を第二支持部材20bの回転領域において当接することで、適正な突出量が得られるように時計回り側の回転領域の規制を行なっている。
これにより、商品搬出時に次期商品支持部材20が確実に支持されることで多種多様な飲料商品を正常に販売を行うことができる。
第一支持部材20aの板状突起部20dにおけるピン22gと当接する面は、円柱形状のピン22gがピン22gの上下移動範囲の下端近傍から略中間位置まで移動するときに、ピン22gの外周面における上側且つ商品通路6側の曲面と当接して、上方向に移動するピン22gから、次期商品支持部材20(第一支持部材20a)を商品通路6に突出する方向へ回動させる力を受ける第1の傾斜面と、次期商品支持部材20(第一支持部材20a)の回動軸(ピン23cの中心軸)を通る仮想平面に重なるように構成した面であって、円柱形状のピン22gがピン22gの上下移動範囲の略中間位置から上端まで移動するときに、ピン22gの外周面における最も商品通路6寄りの曲面と当接するが、上方向に移動するピン22gからは、次期商品支持部材20(第一支持部材20a)を回動させる力を実質的に受けない第2の傾斜面とからなる。
ところで、ピン22gが第一支持部材20aの板状突起部20dの第2の傾斜面に当接しているときは、第一支持部材20aに商品通路6から後退させる方向の力が加わって、板状突起部20dの第2の傾斜面がピン22gを押すことになっても、板状突起部20dの第2の傾斜面がピン22gを押す力の方向は、ピン22gの上下移動方向とは略垂直な方向であり、ピン22gは支持棒22a,22bとフレーム17aに設けられた上下方向に長い長穴内に保持されているので、ピン22gはほとんど動かない。
したがって、ピン22gが第一支持部材20aの板状突起部20dの第2の傾斜面に当接しているときには、第一支持部材20aに商品通路6から後退させる方向の力が加わっても、第一支持部材20aは、ピン22gが障害物となるため、商品通路6から後退しない。
また、第二支持部材20bの板状突起部20fにおけるピン22gと当接する面は、円柱形状のピン22gがピン22gの上下移動範囲の略中間位置から上端近傍まで移動するときに、ピン22gの外周面における上側且つ商品通路6側の曲面と当接して、上方向に移動するピン22gから、第二支持部材20bを商品通路6に突出する方向へ回動させる力を受ける第1の傾斜面と、円柱形状のピン22gがピン22gの上下移動範囲の上端近傍から上端まで移動するときに、ピン22gの外周面における最も商品通路6寄りの曲面と当接するが、上方向に移動するピン22gからは、第二支持部材20bを回動させる力を実質的に受けない第2の傾斜面とからなる。
ところで、ピン22gが第二支持部材20bの板状突起部20fの第2の傾斜面に当接しているときは、第二支持部材20bに商品通路6から後退させる方向の力が加わって、板状突起部20fの第2の傾斜面がピン22gを押すことになっても、板状突起部20fの第2の傾斜面がピン22gを押す力の方向は、ピン22gの上下移動方向とは略垂直な方向であり、ピン22gは支持棒22a,22bとフレーム17aに設けられた上下方向に長い長穴内に保持されているので、ピン22gはほとんど動かない。
したがって、ピン22gが第二支持部材20bの板状突起部20fの第2の傾斜面に当接しているときには、第二支持部材20bに商品通路6から後退させる方向の力が加わっても、第二支持部材20bは、ピン22gが障害物となるため、商品通路6から後退しない。
本実施の形態の自動販売機の商品搬出装置17は、略上下方向の商品通路6における飲料商品9の外周面(側面)と対向する一方の壁面(通路規制板18と対向する壁面)の一部を構成するフレーム17aと、フレーム17aに設けられ突出時に商品通路6の最下流側の飲料商品9を保持できるように商品通路6に対して突出動作と後退動作を行う主商品支持部材21と、フレーム17aおよび支持棒22a、支持棒22bによって保持されたピン23cを回動軸として回動可能に軸支され主商品支持部材21の後退動作で最下流側の飲料商品9が払い出される時に下流側から2番目の飲料商品9を上端部の商品保持面20gで保持できるように商品通路6に対して突出動作と後退動作を行う次期商品支持部材20と、フレーム17aに設けられ通電時に吸引動作を行う駆動装置としてのソレノイド25と、略上下方向に往復移動可能に支持棒22a,22bとフレーム17aに設けられた上下方向に長い長穴内に設けられソレノイド25の吸引動作により上方に移動すると共に次期商品支持部材20を商品通路6側に押し出すピン22gとを備える。
そして、次期商品支持部材20は、比較的回動軸(ピン23c)から離れた部分(第二支持部材20b)が突出時の回動方向に屈曲可能に構成される。
また、次期商品支持部材20は、ピン22gがピン22gの支持棒22a,22bとフレーム17aに設けられた上下方向に長い長穴内での上下移動範囲の下端近傍と上端との間に位置している時にピン22gと当接する第一突起部(板状突起部20d)と、ピン22gがピン22gの支持棒22a,22bとフレーム17aに設けられた上下方向に長い長穴内での上下移動範囲の略中間位置と上端との間に位置している時にピン22gと当接する第二突起部(板状突起部20f)とを次期商品支持部材20の後退方向側の面に有する。
なお、第一突起部(板状突起部20d)は、次期商品支持部材20の第一支持部材20aの後退方向側の面に設けられ、第二突起部(板状突起部20f)は、次期商品支持部材20の第二支持部材20bの後退方向側の面に設けられる。
そして、ピン22gがピン22gの上下移動範囲の下端近傍から略中間位置まで移動するときは第一突起部(板状突起部20d)がピン22gに押されて次期商品支持部材20全体が(第一支持部材20aと第二支持部材20bが一体となって)商品通路6側に回動する。
また、ピン22gがピン22gの上下移動範囲の略中間位置から上端まで移動するときは、飲料商品9から次期商品支持部材20に商品通路6から後退させる方向の力が加わっても、第一突起部(板状突起部20d)がピン22gをピン22gの上下移動方向とは略垂直な方向に押すことになり、ピン22gが支持棒22a,22bとフレーム17aに設けられた上下方向に長い長穴により上下移動方向とは略垂直な方向への動きを制限されることにより次期商品支持部材20が商品通路6から後退するのを防止する。
また、ピン22gがピン22gの上下移動範囲の略中間位置から上端まで移動するときに第二突起部(板状突起部20f)がピン22gに押されて次期商品支持部材20における比較的回動軸(ピン23c)から離れた部分(第二支持部材20b)が突出時の回動方向に屈曲する(第二支持部材20bが連結ピン23hを回動軸として第一支持部材20aに対して商品通路6に突出する方向に回動する)のである。
以上のように本実施の形態の自動販売機の商品搬出装置17は、フレーム17aに回動可能に軸支され主商品支持部材21の後退動作で商品通路6の最下流側の飲料商品9が払い出される時に下流側から2番目の飲料商品9を上端部(商品保持面20g)で保持できるように商品通路6に対して突出動作と後退動作を行う次期商品支持部材20と、駆動装置(ソレノイド25)の吸引動作により往復移動し一方向(上方向)に移動する時に次期商品支持部材20を商品通路6側に押し出すピン22gとを備える。
そして、ピン22gがピン22gの一方向(上方向)の移動範囲の始点位置近傍(下端近傍)から略中間位置まで移動するときに次期商品支持部材20全体が商品通路6側に回動する。
また、ピン22gがピン22gの一方向(上方向)の移動範囲の略中間位置から終点位置(上端)まで移動するときは次期商品支持部材20に商品通路6から後退させる方向の力が加わっても次期商品支持部材20の板状突起部20dがピン22gをピン22gの移動できない方向に押すことにより次期商品支持部材20の第一支持部材20aが商品通路6から後退するのを防止する。
また、ピン22gがピン22gの上下方向の移動範囲の略中間位置から終点位置(上端)まで移動するときにピン22gに押されて次期商品支持部材20における比較的回動軸(ピン23c)から離れた部分(第二支持部材20b)が突出時の回動方向に屈曲する。
そのため、次期商品支持部材20が商品通路6内に完全に突出する前に、最下流から2番目の飲料商品9が次期商品支持部材20の上に落下して、その商品荷重が次期商品支持部材20を戻す方向に作用する場合でも、駆動装置(ソレノイド25)の動作により上下方向に往復移動し一方向(上方向)に移動する時に次期商品支持部材20を商品通路6側に押し出すピン22gがピン22gの一方向(上方向)の移動範囲の略中間位置を過ぎていれば、次期商品支持部材20の第一支持部材20aの板状突起部20dがピン22gをピン22gの移動できない方向に押すことになるので、次期商品支持部材20を動作させる駆動装置(ソレノイド25)の動作力を大きくすることなく、次期商品支持部材20(の第一支持部材20a)が商品通路6から後退するのを防止できる。
また、次期商品支持部材20の商品通路6への突出を最下流側の飲料商品9が邪魔する
場合でも、ピン22gが次期商品支持部材20における比較的回動軸(ピン23c)から離れた部分(第二支持部材20b)を突出時の回動方向に屈曲させるのを妨害しない位置まで最下流側の飲料商品9の落下が進めば、図9の右側の図のように、ピン22gが次期商品支持部材20における比較的回動軸(ピン23c)から離れた部分(第二支持部材20b)を突出時の回動方向に屈曲させるので、屈曲しない従来の次期商品支持部材を用いた商品搬出装置よりも、次期商品支持部材20が商品通路6への突出量の多い状態で最下流から2番目の商品を保持できる。
したがって、最下流から2番目の飲料商品9が変形して次期商品支持部材20から落下する可能性を低減でき、また、商品荷重が次期商品支持部材20を戻す方向に作用する力を小さくできるため、次期商品支持部材20の商品保持の信頼性が高く、商品の形状・強度に対して汎用性を向上することができる。
また、本実施の形態では、次期商品支持部材20を、複数の支持部材(第一支持部材20aと第二支持部材20b)を連結して構成したので、簡素な構成で次期商品支持部材20の保持機構を複数段階設けることができる。
また、本実施の形態では、次期商品支持部材20が、フレーム17aに回動可能に軸支される第一支持部材20aと、第一支持部材20aに回動自在に取り付けられた第二支持部材20bとからなることを特徴とするものであり、簡素な構造で第二支持部材20bの回動を支持しながら、保持機構を複数段階設けることができる。
また、本実施の形態では、第一支持部材20aの先端部に、第二支持部材20bの回動軸となる連結ピン23hを備えたので、簡素な構造で第二支持部材20bの回動を支持しながら、保持機構を複数段階設けることができる。
また、本実施の形態では、第二支持部材20bにおける商品通路6から後退する方向への回動範囲が第一支持部材20aと当接することにより規制されるように構成したので、簡素な構造で第二支持部材20bの回動範囲を規制することができる。
また、本実施の形態では、第二支持部材20bを商品通路6から後退する方向へ回動するように付勢する付勢手段(ねじりコイルバネ36)を備えたことにより、ピン22gの位置により第二支持部材20bの第一支持部材20aに対する回動位置を制御できるで、意図せずに第二支持部材20bが商品通路6に突出して飲料商品9の搬出を妨害する不具合の発生を防止できる。