慢性C型肝炎ウイルス(HCV)感染は世界的に主要な健康上の関心事であり、世界で1億7千万人が感染し、さらに毎年300〜400万人の感染者が増えていると推定されている(例えばWorld Health Organization Fact Sheet No.164. October 2000参照)。新規感染の25%は症候性であるが、患者の60〜80%は慢性肝疾患を発症し、そのうち20%が硬変に進行し、肝細胞癌を発症する年間リスクは1〜4%と推定される(例えばWorld Health Organization Guide on Hepatitis C. 2002; Pawlotsky, J-M. (2006) Therapy of Hepatitis C: From Empiricism to Eradication. Hepatology 43: S207-S220参照)。全体に、先進国で全肝癌症例の50〜76%、そして全肝移植の2/3がHCVに起因する(例えばWorld Health Organization Guide on Viral Cancers. 2006参照)。そして最終的に、感染患者の5〜7%はHCV感染の結果として死亡する(例えばWorld Health Organization Guide on Hepatitis C. 2002参照)。
HCV感染の現在の標準的治療はペグ化インターフェロンアルファ(IFN−α)とリバビリンの組み合わせである。しかしながら、遺伝子型1ウイルスの患者の50%までしかこのインターフェロンベースの治療は成功しない。さらに、インターフェロンおよびリバビリンの組合せは、インターフェロンでの処置に由来するインフルエンザ様症状(発熱および疲労)、血液学的合併症(白血球減少症、血小板減少症)、精神神経科学的症状(鬱症状、不眠症、易怒性)、体重減少および自己免疫性機能不全(甲状腺機能低下症、糖尿病)から、リバビリンでの処置に由来する著しい溶血性貧血にわたる重篤な有害効果を発現し得る。それ故に、より有効で、より耐容性のある薬物に対する多大な要求がまだある。
約70kDaタンパク質であるNS3は2個の特徴的ドメインを有し、それらは180アミノ酸(AA)のN末端セリンプロテアーゼドメインおよびC末端ヘリカーゼ/NTPaseドメイン(AA181〜631)である。NS3プロテアーゼはタンパク質配列、全体三次元構造および触媒機構の類似性のために、キモトリプシンファミリーと考えられている。HCV NS3セリンプロテアーゼはNS3/NS4A、NS4A/NS4B、NS4B/NS5AおよびNS5A/NS5B接合部でポリタンパク質のタンパク質切断を担う(例えばBartenschlager, R., L. et al. (1993) J. Virol. 67: 3835-3844; Grakoui, A. et al. (1993) J. Virol. 67: 2832-2843; Tomei, L. et al. (1993) J. Virol. 67: 4017-4026参照)。54AAの約6kDaタンパク質であるNS4Aは、NS3のセリンプロテアーゼ活性についての補助因子である(例えばFailla, C. et al. (1994) J. Virol. 68: 3753-3760; Tanji, Y. et al. (1995) J. Virol. 69: 1575-1581参照)。NS3/NS4A接合部のNS3/NS4Aセリンプロテアーゼによる自己切断は分子内で起こるが(すなわち、cis)、他の切断部位は分子間で処理される(すなわち、trans)。HCV NS3プロテアーゼがウイルス複製に必須であり、故に抗ウイルス化学療法の魅力的な標的であることが証明されている。
HCV感染、ならびにHCV関連障害のための新規処置および治療への希求が存続している。HCVの1種以上の症状の処置または予防または改善に有用な化合物に対する要求、ならびにHCVの1種以上の症状の処置または予防または改善のための方法についての要求もある。さらに、HCV−セリンプロテアーゼ類、特にHCV NS3/NS4aセリンプロテアーゼの活性を調節できる新規化合物およびHCV感染の処置、予防または改善のための該化合物の使用についての要求がある。
ここに開示する化合物は、NS3−4Aセリンプロテアーゼの有効な阻害剤であり、HCV関連障害の処置に有用であることが示された。
本発明者らは、ここに開示する化合物を、HCV関連障害の処置のためにビタミンEと組み合わせて有利に投与できることを発見した。本化合物の溶解性はビタミンEと製剤したときに改善され、本化合物の薬物動態学的(PK)プロファイルはビタミンEと組み合わせたときに改善される。特に、本化合物とビタミンEの製剤は、インビボで本化合物の吸収およびバイオアベイラビリティを有利に上昇させる。
一つの面において、本発明は:
a) ビタミンE;および
b) 式(I)
〔式中、
RはC1−C6アルキル、C2−C6アルケニルまたはC3−C7シクロアルキルC0−C4アルキルであり;
R’は水素またはC1−C6アルキルであるか;または
RおよびR’は、それらが結合している炭素原子と一体となって飽和または一部不飽和の3〜7員炭素環を形成し、該炭素環は独立してC1−C6アルキル、C2−C6アルケニル、C1−C4アルキリデニルおよびC3−C7シクロアルキルC0−C4アルキルから成る群から選択される0個、1個、2個または3個の基で置換されており;
R1およびR2は独立して水素であるかまたはC1−C6アルキル、C1−C6アルコキシおよびC3−C7シクロアルキルC0−C2アルキルから成る群から独立して選択され、この各々はハロゲンおよびC1−C4アルキルから選択される0個、1個または2個の基で置換されており;または
R1およびR2は、それらが結合しているNと一体となってN、OまたはSから独立して選択される0個、1個または2個のさらなる環ヘテロ原子を有する飽和、不飽和または芳香族ヘテロ環式環を形成し、該ヘテロ環式環は4〜7個の総環原子を有し、該ヘテロ環はC1−C4アルキル、ハロC1−C4アルキル、C2−C4アルケニル、C2−C4アルキニル、ヒドロキシル、C1−C4アルコキシ、ハロC1−C4アルコキシ、アミノ、モノ−およびジ−C1−4アルキルアミノ、アミノC1−C4アルキル、C1−C4アルカノイルアミノC1−C4アルキルから独立して選択される0個、1個、2個または3個の置換基を有し;
R4はC1−C8アルキル、C3−C8シクロアルキルまたはN、OまたはSから独立して選択される1個または2個の環ヘテロ原子を有する飽和5または6員ヘテロ環式環であり、この各々は0〜2個のC1−C4アルキル基で置換されており;
Jは結合または式:
の二価基であり;
R5はC1−C8アルキル、C3−C8シクロアルキルまたはN、OまたはSから独立して選択される1個または2個の環ヘテロ原子を有する飽和5または6員ヘテロ環式環であり、この各々は0〜2個のC1−C4アルキル基で置換されており;
R6は水素またはC1−C4アルキルであり;
Gは式−E−R7の基であり;
Eは結合、CH2、C(O)、S(O)2、C(R9)2C(O)またはC(O)C(R9)2であり、
R7はC1−C6アルキル、ハロC1−C6アルキル、C3−C7シクロアルキルC0−C2アルキル、C1−C6アルコキシ、ハロC1−C6アルコキシ、C3−C7シクロアルキルC0−C2アルコキシ、モノ−およびジ−C1−C6アルキルアミノ、−S(O)2R10、−N(R9)S(O)2R10、単環式または二環式ヘテロ環および単環式または二環式アリールから成る群から選択され、ここで、各基は非置換であるかまたは1個、2個または3個のR8基で置換されており、R8の各々はC1−C6アルキルおよびC1−C6アルカノイルから成る群から独立して選択され;または
R6およびR7は、それらが結合しているNと一体となって、N、OまたはSから選択される0個、1個または2個のさらなる環ヘテロ原子を有する4〜7員ヘテロ環式環を形成し、該環はオキソ、C1−C4アルキル、ハロC1−C4アルキル、C2−C4アルケニル、C2−C4アルキニル、ヒドロキシル、C1−C4アルコキシ、ハロC1−C4アルコキシ、アミノ、モノ−およびジ−C1−4アルキルアミノ、アミノC1−C4アルキル、C1−C4アルカノイルアミノC1−C4アルキルから成る群から独立して選択される0個、1個、2個または3個の置換基で置換されており;
R9はそれぞれ独立して水素およびC1−C4アルキルから選択され;
R10はC1−C6アルキル、アミノまたはモノ−もしくはジ−C1−C6アルキルアミノである。〕
の化合物(ここで、式(I)はその薬学的に許容される塩類を含む)を含む医薬組成物を提供する。故に、式(I)またはそのあらゆる下位群または下位化合物についての記載は、特記しない限り、その薬学的に許容される塩類を含む記載であると解釈すべきである。この態様のさらなる面において、そして本明細書の他の箇所に記載のとおり、ビタミンEはd−α−トコフェロールではない。この態様の好ましい変形において、ビタミンEはトコフェロール誘導体またはトコトリエノール誘導体、例えばここに記載のとおりのポリアルコキシル化エステル誘導体である。
一つの態様において、医薬組成物を懸濁液、マイクロエマルジョンまたは固体分散体として製剤する。好ましい態様において、懸濁液はナノ懸濁液である。この態様のさらなる面において、そして本明細書の他の箇所に記載のとおり、ビタミンEはd−α−トコフェロールではない。この態様の好ましい変形において、ビタミンEはトコフェロール誘導体またはトコトリエノール誘導体、例えばここに記載のとおりのポリアルコキシル化エステル誘導体である。
一つの態様において、医薬組成物は約1〜約20wt%のビタミンEを含む。他の態様において、組成物は約5〜約15wt%のビタミンEを含む。他の態様において、組成物は約6〜約12wt%のビタミンEを含む。他の態様において、組成物は約8〜約12wt%のビタミンEを含む。他の態様において、組成物は約12wt%のビタミンEを含む。この態様のさらなる面において、そして本明細書の他の箇所に記載のとおり、ビタミンEはd−α−トコフェロールではない。この態様の好ましい変形において、ビタミンEはトコフェロール誘導体またはトコトリエノール誘導体、例えばここに記載するポリアルコキシル化エステル誘導体である。
ある固体分散体において、式(I)の化合物対ビタミンEのモル比は約1:0.1〜約1:5、約1:0.25〜1:3または1:0.5〜1:2である。ある態様において、固体分散体は式(I)の化合物対ビタミンEをモル比1:0.25、1:0.5または1:1で、そしてビタミンE濃度約0.25〜5wt%または約0.5〜2.5wt%で含む。
本発明のある例示的態様において、ビタミンEはビタミンETPGSである。
本発明の一つの面において、ビタミンEの1日投与量は100〜2000IUの範囲であり、さらなる面において、800〜1600IU、例えば1000〜1200IUの範囲である。IUはビタミンE活性の国際単位である。この態様のさらなる面において、そして本明細書の他の箇所に記載のとおり、ビタミンEはd−α−トコフェロールではない。この態様の好ましい変形において、ビタミンEはトコフェロール誘導体またはトコトリエノール誘導体、例えばここに記載のとおりのポリアルコキシル化エステル誘導体である。
一つの面において、本発明は、治療に使用するための、上に定義した医薬組成物を提供する。この態様のさらなる面において、そして本明細書の他の箇所に記載のとおり、ビタミンEはd−α−トコフェロールではない。この態様の好ましい変形において、ビタミンEはトコフェロール誘導体またはトコトリエノール誘導体、例えばここに記載のとおりのポリアルコキシル化エステル誘導体である。
他の面において、本発明は:
a) ビタミンEおよび
b) ここに定義する式(I)の化合物
を含むパーツキット(kit of parts)を提供する。この態様のさらなる面において、そして本明細書の他の箇所に記載のとおり、ビタミンEはd−α−トコフェロールではない。この態様の好ましい変形において、ビタミンEはトコフェロール誘導体またはトコトリエノール誘導体、例えばここに記載のとおりのポリアルコキシル化エステル誘導体である。
一つの態様において、本発明は、治療において、同時に、別々にまたは連続的に使用するための組み合わせ製剤としての上に定義したパーツキットを提供する。この態様のさらなる面において、そして本明細書の他の箇所に記載のとおり、ビタミンEはd−α−トコフェロールではない。この態様の好ましい変形において、ビタミンEはトコフェロール誘導体またはトコトリエノール誘導体、例えばここに記載のとおりのポリアルコキシル化エステル誘導体である。
他の面において、本発明は、治療用医薬の製造における、ここに定義した医薬組成物またはここに定義したパーツキットの使用を提供する。この態様のさらなる面において、そして本明細書の他の箇所に記載のとおり、ビタミンEはd−α−トコフェロールではない。この態様の好ましい変形において、ビタミンEはトコフェロール誘導体またはトコトリエノール誘導体、例えばここに記載のとおりのポリアルコキシル化エステル誘導体である。
ある態様において、ここに記載する治療はHCV関連障害の処置である。ある態様において、HCV関連障害はHCV感染、肝硬変、慢性肝疾患、肝細胞癌、クリオグロブリン血症、非ホジキンリンパ腫、肝線維症および先天性細胞内免疫応答抑制から成る群から選択される。この態様のさらなる面において、そして本明細書の他の箇所に記載のとおり、ビタミンEはd−α−トコフェロールではない。この態様の好ましい変形において、ビタミンEはトコフェロール誘導体またはトコトリエノール誘導体、例えばここに記載のとおりのポリアルコキシル化エステル誘導体である。
一つの面において、本発明は、HCV関連障害の処置に使用するためのここに定義する式(I)の化合物を提供し、ここで、該化合物はビタミンEと併用する。この態様のさらなる面において、そして本明細書の他の箇所に記載のとおり、ビタミンEはd−α−トコフェロールではない。この態様の好ましい変形において、ビタミンEはトコフェロール誘導体またはトコトリエノール誘導体、例えばここに記載のとおりのポリアルコキシル化エステル誘導体である。
他の面において、本発明は、HCV関連障害の処置に使用するためのビタミンEを提供し、ここで、該ビタミンEはここに定義する式(I)の化合物と併用する。この態様のさらなる面において、そして本明細書の他の箇所に記載のとおり、ビタミンEはd−α−トコフェロールではない。この態様の好ましい変形において、ビタミンEはトコフェロール誘導体またはトコトリエノール誘導体、例えばここに記載のとおりのポリアルコキシル化エステル誘導体である。
さらに別の面において、本発明は、HCV関連障害処置用医薬の製造のためのここに定義する式(I)の化合物の使用を提供し、ここで、該化合物はビタミンEと併用する。この態様のさらなる面において、そして本明細書の他の箇所に記載のとおり、ビタミンEはd−α−トコフェロールではない。この態様の好ましい変形において、ビタミンEはトコフェロール誘導体またはトコトリエノール誘導体、例えばここに記載のとおりのポリアルコキシル化エステル誘導体である。
さらなる面において、本発明は、HCV関連障害の処置用医薬の製造におけるビタミンEの使用を提供し、ここで、該ビタミンEはここに定義する式(I)の化合物と併用する。この態様のさらなる面において、そして本明細書の他の箇所に記載のとおり、ビタミンEはd−α−トコフェロールではない。この態様の好ましい変形において、ビタミンEはトコフェロール誘導体またはトコトリエノール誘導体、例えばここに記載のとおりのポリアルコキシル化エステル誘導体である。
他の面において、本発明は、処置を必要とする対象に、治療有効量のここに定義する医薬組成物をHCV関連障害が処置されるように投与することを含む、HCV関連障害の処置方法を提供する。この態様のさらなる面において、そして本明細書の他の箇所に記載のとおり、ビタミンEはd−α−トコフェロールではない。この態様の好ましい変形において、ビタミンEはトコフェロール誘導体またはトコトリエノール誘導体、例えばここに記載のとおりのポリアルコキシル化エステル誘導体である。
一つの面において、本発明は、処置を必要とする対象に、治療有効量のここに定義する化合物をビタミンEと併用して投与することを含む、HCV関連障害の処置方法を提供する。一つの態様において、化合物およびビタミンEを同時に、別々にまたは連続的に投与する。一つの態様において、HCV関連障害はHCV感染、肝硬変、慢性肝疾患、肝細胞癌、クリオグロブリン血症、非ホジキンリンパ腫、肝線維症および先天性細胞内免疫応答抑制から成る群から選択される。これらの態様のさらなる面において、そして本明細書の他の箇所に記載のとおり、ビタミンEはd−α−トコフェロールではない。この態様の好ましい変形において、ビタミンEはトコフェロール誘導体またはトコトリエノール誘導体、例えばここに記載のとおりのポリアルコキシル化エステル誘導体である。
本発明のある態様において、式(I)の化合物は式(II):
〔式中、R3はC1−C6アルキルまたはC2−C6アルケニルである。〕
の構造を有する(ここで、式(II)はその薬学的に許容される塩類を含む)。この態様のさらなる面において、そして本明細書の他の箇所に記載のとおり、ビタミンEはd−α−トコフェロールではない。この態様の好ましい変形において、ビタミンEはトコフェロール誘導体またはトコトリエノール誘導体、例えばここに記載のとおりのポリアルコキシル化エステル誘導体である。
他の態様において、式(I)の化合物は式(III):
〔式中、
Xは存在しないかまたはNR11aまたは酸素から選択され;
iおよびkは独立して0、1、2、3および4から成る群から選択される整数から選択され;
jは1、2、3および4から成る群から選択される整数であり、ここで、Xが存在しないときi+j+kの合成は5以下かつ2以上であり、Xが酸素であるときi+j+kの合計は4以下かつ1以上であり;
R11は各々独立してハロゲン、ヒドロキシ、アミノ、C1−4アルキル、C3−6シクロアルキル、C1−4アルコキシ、モノ−およびジ−C1−4アルキルアミノ、ヒドロキシC1−4アルキルおよびC1−4アルコキシC1−4アルキルから成る群から選択される0〜3個の基であり;
R11aは各々独立して水素、C1−4アルキル、ハロC1−4アルキル、C3−6シクロアルキル、ヒドロキシC1−4アルキルおよびC1−4アルコキシC1−4アルキルから成る群から選択される。〕
の構造を有する(ここで、式(III)はその薬学的に許容される塩類を含む)。この態様のさらなる面において、そして本明細書の他の箇所に記載のとおり、ビタミンEはd−α−トコフェロールではない。この態様の好ましい変形において、ビタミンEはトコフェロール誘導体またはトコトリエノール誘導体、例えばここに記載のとおりのポリアルコキシル化エステル誘導体である。
他の態様において、式(I)の化合物は、式(IV)
〔式中、
iは0、1、2、3および4から成る群から選択される整数であり;
jは1、2、3および4から成る群から選択される整数であり、ここで、i+jの合計は5以下かつ2以上であり;
R11は各々独立してハロゲン、ヒドロキシ、アミノ、C1−4アルキル、C3−6シクロアルキル、C1−4アルコキシ、モノ−およびジ−C1−4アルキルアミノ、ヒドロキシC1−4アルキルおよびC1−4アルコキシC1−4アルキルから成る群から選択される0〜3個の基であり;
R11aは各々独立して水素、C1−4アルキル、ハロC1−4アルキル、C3−6シクロアルキル、ヒドロキシC1−4アルキルおよびC1−4アルコキシC1−4アルキルから成る群から選択される。〕
の構造を有する(ここで、式(IV)はその薬学的に許容される塩類を含む)。この態様のさらなる面において、そして本明細書の他の箇所に記載のとおり、ビタミンEはd−α−トコフェロールではない。この態様の好ましい変形において、ビタミンEはトコフェロール誘導体またはトコトリエノール誘導体、例えばここに記載のとおりのポリアルコキシル化エステル誘導体である。
ある態様において、式(I)の化合物は式(V):
〔式中、
iは0または1であり;
R11aは水素またはC1−4アルキルである。〕
の構造を有する(ここで、式(V)はその薬学的に許容される塩類を含む)。この態様のさらなる面において、そして本明細書の他の箇所に記載のとおり、ビタミンEはd−α−トコフェロールではない。この態様の好ましい変形において、ビタミンEはトコフェロール誘導体またはトコトリエノール誘導体、例えばここに記載のとおりのポリアルコキシル化エステル誘導体である。
本発明のさらに別の態様において、上に定義した化合物中、Jは式:
〔式中、R5はC1−C6アルキル、C4−C7シクロアルキルまたはN、OまたはSから独立して選択される1個または2個の環ヘテロ原子を有する飽和5または6員ヘテロ環式環であり、この各々は0〜2個のC1−C4アルキル基で置換されている。〕
の二価基である。この態様のさらなる面において、そして本明細書の他の箇所に記載のとおり、ビタミンEはd−α−トコフェロールではない。この態様の好ましい変形において、ビタミンEはトコフェロール誘導体またはトコトリエノール誘導体、例えばここに記載のとおりのポリアルコキシル化エステル誘導体である。
一つの態様において、ここに定義する化合物中、R4およびR5は独立してtert−ブチル、シクロヘキシル、1−メチル−シクロヘキシル、テトラヒドロピラン−4−イルおよび1−メチル−テトラヒドロピラン−4−イルから成る群から選択される。この態様のさらなる面において、そして本明細書の他の箇所に記載のとおり、ビタミンEはd−α−トコフェロールではない。この態様の好ましい変形において、ビタミンEはトコフェロール誘導体またはトコトリエノール誘導体、例えばここに記載のとおりのポリアルコキシル化エステル誘導体である。
他の態様において、ここに定義する化合物中、R1およびR2は独立して水素、C1−C6アルキルおよびC3−C7シクロアルキルC0−C2アルキルから成る群から選択されるかまたは
R1およびR2は、それらが結合しているNと一体となってN、OまたはSから独立して選択される0個、1個または2個のさらなる環ヘテロ原子を有する飽和、不飽和または芳香族ヘテロ環式環を形成し、該ヘテロ環式環は4〜7個の総環原子を有し、該ヘテロ環はC1−C4アルキル、ハロC1−C4アルキル、C2−C4アルケニル、C2−C4アルキニル、ヒドロキシル、C1−C4アルコキシ、ハロC1−C4アルコキシ、アミノ、モノ−およびジ−C1−4アルキルアミノ、アミノC1−C4アルキル、C1−C4アルカノイルアミノC1−C4アルキルから独立して選択される0個、1個、2個または3個の置換基を有する。他の態様において、R1およびR2は独立して1−C4アルキル、1個以上のフッ素原子で置換されたC1−C3アルキル、C3−C6シクロアルキルおよびシクロプロピルメチルから成る群から選択されるか;または
R1、R2およびそれらが結合している窒素原子はピロリジニル環、ピペリジニル環またはモルホリニル環を形成する。この態様のさらなる面において、そして本明細書の他の箇所に記載のとおり、ビタミンEはd−α−トコフェロールではない。この態様の好ましい変形において、ビタミンEはトコフェロール誘導体またはトコトリエノール誘導体、例えばここに記載のとおりのポリアルコキシル化エステル誘導体である。
一つの態様において、RはC1−C6アルキル、C2−C4アルケニルまたはC3−C6シクロアルキルC0−C2アルキルであり;
R’は水素またはC1−C4アルキルであり;または
RおよびR’は、それらが結合している炭素原子と一体となってシクロプロピル環を形成し、これは、C1−C4アルキル、C2−C4アルケニル、メチリデンおよびC3−C6シクロアルキルC0−C2アルキルから成る群から選択される0個または1個の基で置換されている。この態様のさらなる面において、そして本明細書の他の箇所に記載のとおり、ビタミンEはd−α−トコフェロールではない。この態様の好ましい変形において、ビタミンEはトコフェロール誘導体またはトコトリエノール誘導体、例えばここに記載のとおりのポリアルコキシル化エステル誘導体である。
他の態様において、R11aはC1−C4アルキルおよびペルジュウテロC1−C4アルキルから成る群から選択される。I他の態様において、R11aはエチル、エチル−d5、イソプロピルおよびイソプロピル−d7から成る群から選択される。この態様のさらなる面において、そして本明細書の他の箇所に記載のとおり、ビタミンEはd−α−トコフェロールではない。この態様の好ましい変形において、ビタミンEはトコフェロール誘導体またはトコトリエノール誘導体、例えばここに記載のとおりのポリアルコキシル化エステル誘導体である。
ある態様において、ビタミンEはトコトリエノールではない。一つの態様において、ビタミンEはd−α−トコフェロールではない。
一つの態様において、ビタミンEはα−トコフェロールまたはその誘導体である。他の態様において、ビタミンEはトコフェロール誘導体またはトコトリエノール誘導体である。一つの態様において、本誘導体はポリアルコキシル化エステル誘導体である。一つの態様において、ポリアルコキシル化エステル誘導体はポリアルコキシル化スクシネート誘導体である。一つの態様において、ポリアルコキシ基はポリエチレングリコール基である。一つの態様において、ポリアルコキシ基は約200〜約8000の分子量を有する。一つの態様において、ポリアルコキシ基は約1000の分子量を有する。一つの態様において、ビタミンEはα−トコフェロール誘導体である。一つの態様において、ビタミンEはα−トコフェロールポリエチレングリコール1000スクシネートである。
本発明において有用なある他の式I、II、III、IVまたはVの化合物は、式(VI):
〔式中、
R1およびR2は独立してC1−C4アルキル、C3−C6シクロアルキル、シクロプロピルメチルおよびハロC1−C4アルキルから選択されるかまたはR1、R2およびそれらが結合している窒素原子はピロリジニル環、ピペリジニル環またはモルホリニル環を形成する。ある他の式VIの化合物において、R1およびR2はエチル−d5であるかまたはR1、R2およびtheそれらが結合している窒素原子はピロリジニル−d8を形成し;
R3はエチルまたはビニルであり;
R4およびR5は独立してtert−ブチル、シクロヘキシル、1−メチル−シクロヘキシル、テトラヒドロピラン−4−イルおよび1−メチル−テトラヒドロピラン−4−イルから成る群から選択され;
R11aはC1−C4アルキルから選択されるかまたはR11aはエチル、イソプロピル、エチル−d5またはイソプロピル−d5であり;
iは0または1である。〕
を含み、ここで、式(VI)はその薬学的に許容される塩類を含む。この態様のさらなる面において、そして本明細書の他の箇所に記載のとおり、ビタミンEはd−α−トコフェロールではない。この態様の好ましい変形において、ビタミンEはトコフェロール誘導体またはトコトリエノール誘導体、例えばここに記載のとおりのポリアルコキシル化エステル誘導体である。
本発明で有用なある式I、II、III、IVまたはVの化合物において、R1およびR5は独立してメチル−シクロヘキシル、テトラヒドロピラン−4−イルおよび1−メチル−テトラヒドロピラン−4−イルから選択される。この態様のさらなる面において、そして本明細書の他の箇所に記載のとおり、ビタミンEはd−α−トコフェロールではない。この態様の好ましい変形において、ビタミンEはトコフェロール誘導体またはトコトリエノール誘導体、例えばここに記載のとおりのポリアルコキシル化エステル誘導体である。
本発明において有用なある式Iの化合物は、RがC1−C6アルキル、C2−C4アルケニルまたはC3−C6シクロアルキルC0−C2アルキルであり;
R’が水素またはC1−C4アルキルであるか;または
RおよびR’が、それらが結合している炭素原子と一体となってシクロプロピル環を形成し、これは、C1−C4アルキル、C2−C4アルケニル、メチリデンおよびC3−C6シクロアルキルC0−C2アルキルから成る群から選択される0個または1個の基で置換されているものを含む。この態様のさらなる面において、そして本明細書の他の箇所に記載のとおり、ビタミンEはd−α−トコフェロールではない。この態様の好ましい変形において、ビタミンEはトコフェロール誘導体またはトコトリエノール誘導体、例えばここに記載のとおりのポリアルコキシル化エステル誘導体である。
本発明に有用な化合物の態様(その薬学的に許容される塩類、ならびにそのエナンチオマー、立体異性体、回転異性体、互変異性体、ジアステレオマーまたはラセミ体を含む)を実施例1〜19および表Aおよび表Bに提供する。これらの態様のさらなる面において、そして本明細書の他の箇所に記載のとおり、ビタミンEはd−α−トコフェロールではない。この態様の好ましい変形において、ビタミンEはトコフェロール誘導体またはトコトリエノール誘導体、例えばここに記載のとおりのポリアルコキシル化エステル誘導体である。本発明において有用な、ある好ましい化合物は次のものを含むが、これらに限定されない:
(5R,8S)−7−[(2S)−2−{[(2S)−2−シクロヘキシル−2−({[(2S)−1−イソプロピルピペリジン−2−イル]カルボニル}アミノ)アセチル]アミノ}−3,3−ジメチルブタノイル]−10,10−ジメチル−N−{(1R,2S)−1−[(ピロリジン−1−イルスルホニル)カルバモイル]−2−ビニルシクロプロピル}−7−アザジスピロ[3.0.4.1]デカン−8−カルボキサミド;
(5R,8S)−7−[(2S)−2−{[(2S)−2−シクロヘキシル−2−({[(2S)−1−イソプロピルピペリジン−2−イル]カルボニル}アミノ)アセチル]アミノ}−3,3−ジメチルブタノイル]−N−{(1R,2R)−2−エチル−1−[(ピロリジン−1−イルスルホニル)カルバモイル]シクロプロピル}−10,10−ジメチル−7−アザジスピロ[3.0.4.1]デカン−8−カルボキサミド;
(5R,8S)−7−[(2S)−2−{[(2S)−2−シクロヘキシル−2−({[(2S)−1−エチルピロリジン−2−イル]カルボニル}アミノ)アセチル]アミノ}−3,3−ジメチルブタノイル]−N−[(1R,2S)−1−{[(ジエチルアミノ)スルホニル]カルバモイル}−2−ビニルシクロプロピル]−10,10−ジメチル−7−アザジスピロ[3.0.4.1]デカン−8−カルボキサミド;
(5R,8S)−7−[(2S)−2−{[(2S)−2−シクロヘキシル−2−({[(2S)−1−エチルピロリジン−2−イル]カルボニル}アミノ)アセチル]アミノ}−3,3−ジメチルブタノイル]−N−[(1R,2R)−1−{[(ジエチルアミノ)スルホニル]カルバモイル}−2−エチルシクロプロピル]−10,10−ジメチル−7−アザジスピロ[3.0.4.1]デカン−8−カルボキサミド;
(5R,8S)−7−[(2S)−2−{[(2S)−2−シクロヘキシル−2−({[(2S)−1−エチルピロリジン−2−イル]カルボニル}アミノ)アセチル]アミノ}−3,3−ジメチルブタノイル]−10,10−ジメチル−N−{(1R,2S)−1−[(ピペリジン−1−イルスルホニル)カルバモイル]−2−ビニルシクロプロピル}−7−アザジスピロ[3.0.4.1]デカン−8−カルボキサミド;
(5R,8S)−7−[(2S)−2−{[(2S)−2−シクロヘキシル−2−({[(2S)−1−エチルピロリジン−2−イル]カルボニル}アミノ)アセチル]アミノ}−3,3−ジメチルブタノイル]−N−{(1R,2R)−2−エチル−1−[(ピロリジン−1−イルスルホニル)カルバモイル]シクロプロピル}−10,10−ジメチル−7−アザジスピロ[3.0.4.1]デカン−8−カルボキサミド;
(5R,8S)−7−[(2S)−2−({シクロヘキシル[(ピリジン−4−イルアセチル)アミノ]アセチル}アミノ)−3,3−ジメチルブタノイル]−10,10−ジメチル−N−{(1R,2S)−1−[(ピロリジン−1−イルスルホニル)カルバモイル]−2−ビニルシクロプロピル}−7−アザジスピロ[3.0.4.1]デカン−8−カルボキサミド;
(5R)−7−[(2S)−2−[(N−{[(2S)−1−イソプロピルピペリジン−2−イル]カルボニル}−3−メチル−L−バリル)アミノ]−2−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)アセチル]−10,10−ジメチル−N−{(1R,2S)−1−[(ピロリジン−1−イルスルホニル)カルバモイル]−2−ビニルシクロプロピル}−7−アザジスピロ[3.0.4.1]デカン−8−カルボキサミド;
(5R,8S)−7−[(2S)−2−{[(2S)−2−シクロヘキシル−2−({[(2S)−1−エチルピペリジン−2−イル]カルボニル}アミノ)アセチル]アミノ}−3,3−ジメチルブタノイル]−10,10−ジメチル−N−{(1R,2S)−1−[(ピロリジン−1−イルスルホニル)カルバモイル]−2−ビニルシクロプロピル}−7−アザジスピロ[3.0.4.1]デカン−8−カルボキサミド;および
(5R,8S)−7−[(2S)−2−{[(2S)−2−シクロヘキシル−2−({[(2S)−1−イソプロピルピロリジン−2−イル]カルボニル}アミノ)アセチル]アミノ}−3,3−ジメチルブタノイル]−10,10−ジメチル−N−{(1R,2S)−1−[(ピロリジン−1−イルスルホニル)カルバモイル]−2−ビニルシクロプロピル}−7−アザジスピロ[3.0.4.1]デカン−8−カルボキサミド。
特に好ましいのは(5R,8S)−7−[(2S)−2−{[(2S)−2−シクロヘキシル−2−({[(2S)−1−イソプロピルピペリジン−2−イル]カルボニル}アミノ)アセチル]アミノ}−3,3−ジメチルブタノイル]−N−{(1R,2R)−2−エチル−1−[(ピロリジン−1−イルスルホニル)カルバモイル]シクロプロピル}−10,10−ジメチル−7−アザジスピロ[3.0.4.1]デカン−8−カルボキサミドである。
従って、好ましい面において、式(I)の化合物は(5R,8S)−7−[(2S)−2−{[(2S)−2−シクロヘキシル−2−({[(2S)−1−イソプロピルピペリジン−2−イル]カルボニル}アミノ)アセチル]アミノ}−3,3−ジメチルブタノイル]−N−{(1R,2R)−2−エチル−1−[(ピロリジン−1−イルスルホニル)カルバモイル]シクロプロピル}−10,10−ジメチル−7−アザジスピロ[3.0.4.1]デカン−8−カルボキサミドまたはその薬学的に許容される塩である。それ故に、本発明のさらに好ましい面(すなわち組成物、パーツキット、使用、式(I)の化合物、ビタミンEまたは処置方法)は(5R,8S)−7−[(2S)−2−{[(2S)−2−シクロヘキシル−2−({[(2S)−1−イソプロピルピペリジン−2−イル]カルボニル}アミノ)アセチル]アミノ}−3,3−ジメチルブタノイル]−N−{(1R,2R)−2−エチル−1−[(ピロリジン−1−イルスルホニル)カルバモイル]シクロプロピル}−10,10−ジメチル−7−アザジスピロ[3.0.4.1]デカン−8−カルボキサミドまたはその薬学的に許容される塩とビタミンEα−トコフェロールポリエチレングリコール1000スクシネートの組み合わせを含む。
本発明のさらなる態様において(すなわち組成物、パーツキット、使用、式(I)の化合物、ビタミンEまたは処置方法)、それ故に、(5R,8S)−7−[(2S)−2−{[(2S)−2−シクロヘキシル−2−({[(2S)−1−イソプロピルピペリジン−2−イル]カルボニル}アミノ)アセチル]アミノ}−3,3−ジメチルブタノイル]−N−{(1R,2R)−2−エチル−1−[(ピロリジン−1−イルスルホニル)カルバモイル]シクロプロピル}−10,10−ジメチル−7−アザジスピロ[3.0.4.1]デカン−8−カルボキサミドまたはその薬学的に許容される塩と、d−α−トコフェロールではないビタミンEの組み合わせを提供する。この態様の好ましい変形において、ビタミンEはトコフェロール誘導体またはトコトリエノール誘導体、例えばここに記載のとおりのポリアルコキシル化エステル誘導体である。
下の実施例の章に記載するHCV NS3−4Aプロテアーゼおよびルシフェラーゼ−HCVレプリコンアッセイを使用して、本発明の化合物は、HCV阻害について0.1から100nMを超えるまたは0.5〜30nMの範囲、例えば、0.5〜10nM以下の範囲のIC50値を示すことが判明した。
ある態様において、ここに記載する化合物は、哺乳動物HCVを含む、特にヒトHCVを含む、HCVのモジュレーターとしてさらに特徴づけられる。好ましい態様において、化合物はHCV阻害剤である。
用語“HCV関連状態”または“HCV関連障害”は、対象におけるHCVの活性が関連する障害および状態(例えば、疾患状態)、例えば、HCVの感染を含む。HCV関連状態はHCV感染、肝硬変、慢性肝疾患、肝細胞癌、クリオグロブリン血症、非ホジキンリンパ腫、肝線維症および先天性細胞内免疫応答抑制を含む。
HCV関連状態は、しばしば、HCVポリタンパク質から小さな機能性タンパク質への処理の数工程を担うHCVのNS3セリンプロテアーゼと関連する。NS3プロテアーゼは、酵素活性を亢進し、HCVを小胞体に固着させるのを助けると考えられる必須補助因子であるNS4Aタンパク質とヘテロ二量体複合体を形成する。NS3は最初にNS3−NS4A接合部の加水分解を自己触媒し、次いでHCVポリタンパク質を、NS4A−NS4B、NS4B−NS5AおよびNS5A−NS5B交差部で分子間切断する。この過程は、対象のHCV複製と関連する。NS3タンパク質、NS4Aタンパク質、NS4Bタンパク質、NS5Aタンパク質およびNS5Bタンパク質の1個以上の活性の阻害または調節は、対象におけるHCV複製を阻害または調節し、それによりHCV関連状態を予防または処置する。特定の態様において、HCV関連状態はNS3プロテアーゼの活性と関連する。他の特定の態様において、HCV関連状態はNS3−NS4Aヘテロ二量体複合体の活性と関連する。
一つの態様において、本発明において使用する化合物はNS3/NS4Aプロテアーゼ阻害剤である。他の態様において、本発明において使用する化合物はNS2/NS3プロテアーゼ阻害剤である。
理論に縛られないが、本発明の化合物による上記タンパク質−タンパク質相互作用の破壊は、NS3プロテアーゼによるウイルスポリタンパク質処理、故にウイルス複製を妨害すると考えられる。
HCV関連障害はまたHCV依存性疾患を含む。HCV依存性疾患は、例えば、少なくともHCVの1株の活性または誤制御に依存するまたは関連するあらゆる疾患または障害を含む。
本発明は上記のHCV関連障害の処置を含むが、本発明は本化合物がその意図する疾患の処置の機能を発揮する方法に限定されない。本発明は、処置を行うことを可能にするあらゆる方法でのここに記載した疾患、例えば、HCV感染の処置を含む。
一つの態様において、本発明は、パッケージ化HCV関連障害処置を含む。パッケージ化処置は、有効量の本発明で使用する化合物を使用するための指示とパッケージ化された式(I)の化合物を含む。
ここに開示する化合物は、特にHCV関連障害の処置に有効な医薬組成物の活性剤として適する。種々の態様の医薬組成物は、薬学的に有効量の本活性剤を他の薬学的に許容される添加物、担体、充填剤、希釈剤などと共に含む。ここで使用する句“薬学的に有効量”は、治療効果、特に抗HCV効果、例えば、HCVウイルス増殖阻害またはあらゆる他のHCV関連疾患の治療効果を達成するために、宿主にまたは宿主の細胞、組織または臓器に投与することが必要な量を意味する。
本発明の一つの面において、式(I)の化合物の溶解性を改善するためのビタミンEの使用を提供する。この意味で、“溶解性の改善”は、ビタミンEが存在しない以外(ビタミンEの重量を同じ重量の溶媒に置き換えた)同一の組成物中の同一の化合物の溶解性に対する溶解性の増加を意味する。本発明の一つの面において、ここに記載するCaCO−2アッセイで測定して、細胞からの式(I)の化合物の排出を減少させるためのビタミンEの使用を提供する。この意味で、“化合物の排出の減少”は、ビタミンEが存在しない以外(ビタミンEの重量を同じ重量の溶媒に置き換えた)同一のシステムにおける排出に対する排出の減少を意味する。これらの態様のさらなる面において、そして本明細書の他の箇所に記載のとおり、ビタミンEはd−α−トコフェロールではない。この態様の好ましい変形において、ビタミンEはトコフェロール誘導体またはトコトリエノール誘導体、例えばここに記載のとおりのポリアルコキシル化エステル誘導体である。
定義
本発明の組成物はビタミンEを含む。本発明は、天然および/または合成形態のビタミンEを使用できる。
天然ビタミンEは8種の形態で存在する:5種のトコフェロール類および4種のトコトリエノール類。全ての天然形態は、フリーラジカルおよび疎水性側鎖を減少させ、生物学的膜への浸透を可能にするために水素原子を供与できるヒドロキシル基を有する、クロマノール環を含む。トコフェロール類およびトコトリエノール類の両者には、クロマノール環上のメチル基の数によって、α、β、γおよびδ形態が存在する。
一つの面において、本発明の組成物に包含するためのビタミンE化合物はトコトリエノール類を含まない。一つの面において、本発明の組成物に包含するためのビタミンE化合物はトコフェロール類(およびα、β、γ、δ、εまたはxトコフェロール類のいずれも使用できる)およびその誘導体である。α−トコフェロール類およびその誘導体が好ましい。一つの態様において、しかしながら、ビタミンEはd−α−トコフェロールではない(これはUS5,922,757に記載されている)。
誤解を避けるために、ここで使用する用語“ビタミンE”はトコフェロール類およびトコトリエノール類の誘導体を含む。故に、本発明の他の面において、ビタミンEはトコフェロール誘導体またはトコトリエノール誘導体である;好ましくはトコフェロール誘導体またはトコトリエノール誘導体は下記のポリアルコキシル化エステル誘導体である。
トコフェロール類は種々の異性体形態で存在できる。純粋立体異性体または立体異性体混合物を本発明に関連して使用してよい。D−α−トコフェロールおよびDL−α−トコフェロールの両者とも使用できる。一つの面において、本発明の組成物に包含するためのビタミンE化合物はd−α−トコフェロールを含まない(これはUS5,922,757に記載されている)。
トコフェロール類またはトコトリエノール類の誘導体はエステル類、例えばスクシネート、アセテート、ニコチネートなどを含む。他のトコフェロールまたはトコトリエノール誘導体はポリアルコキシル化エステル類、例えばポリアルコキシル化スクシネート、ポリアルコキシル化アセテート、ポリアルコキシル化ニコチネートなどである。
好ましくは、ビタミンEはトコフェロールのポリアルコキシル化エステル誘導体(上記のものを含む)またはトコトリエノールである。好ましくは、ビタミンEはトコフェロールのポリアルコキシル化エステル誘導体(上記のものを含む)、例えばα−トコフェロールのポリアルコキシル化エステル誘導体である。好ましくはポリアルコキシル化エステル誘導体はポリエチレングリコールエステル誘導体、例えばビタミンEα−トコフェロールポリエチレングリコールスクシネートである。本発明の一つの面において、ポリアルコキシル化エステル誘導体はポリアルコキシル化スクシネート誘導体である。本発明の一つの面において、ポリアルコキシル化された、好ましくはポリエチレングリコール付加された、エステル誘導体は、分子量約200〜約8000、さらなる面において、約200〜約4000、さらなる面において、約400〜約4000、さらなる面において、約400〜約2000、さらなる面において、約400〜約1500、さらなる面において、約400〜約1000、さらなる面において、約1000のポリアルコキシ基を有する。そのようなものとして、好ましいビタミンEは、分子量約200〜約8000、さらなる面において、約200〜約4000、さらなる面において、約400〜約4000、さらなる面において、約400〜約2000、さらなる面において、約400〜約1500、さらなる面において、約400〜約1000、さらなる面において、約1000のポリエチレングリコール鎖を伴う、ポリエチレングリコールエステル誘導体、例えばビタミンEα−トコフェロールポリエチレングリコールスクシネートである。それ故に、本発明の特に有利な面において、ビタミンEはビタミンEα−トコフェロールポリエチレングリコール1000スクシネート(ビタミンETPGSまたはvit.ETPGSと呼ぶ)である。ビタミンETPGSは、例えばIsochemまたはEurochemから市販されている。
ここで使用するポリアルコキシ基の分子量は、ポリアルコキシ鎖およびその置換基の分子量である(しかし、ポリアルコキシ鎖の一部ではない隣接分子の重量は含まない)。一つの態様において、ポリアルコキシ基は非置換である。
本発明で使用できるビタミンEの例は、引用により本明細書に包含するJournal of Controlled Release Volume 111, Issues 1-2, 10 March 2006, Pages 35-40: “Influence of vitamin E TPGS poly(ethylene glycol) chain length on apical efflux transporters in Caco-2 cell monolayers”に記載されている。
用語“処置する”、“処置した”、“処置している”または“処置”は、処置する状態、障害または疾患と関連する、またはそれが原因の症状の少なくとも一つを軽減または改善することを含む。ある態様において、処置は、HCV調節化合物の活性化後のHCV阻害状態誘導を含み、これは、ひいては処置する状態、障害または疾患と関連する、またはそれが原因の症状の少なくとも一つを軽減または改善する。例えば、処置は障害の症状の一つ以上の軽減または障害の完全な根絶であり得る。
用語“対象は”HCV関連障害に罹患できる、またはそれに苦しみ得る生物、例えば、原核生物および真核生物である。対象の例は哺乳動物、例えば、ヒト、イヌ、ウシ、ウマ、ブタ、ヒツジ、ヤギ、ネコ、マウス、ウサギ、ラットおよびトランスジェニック非ヒト動物を含む。ある態様において、対象はヒト、例えば、HCV関連障害およびここに記載する疾患または状態、例えば、HCV感染に罹患している、罹患するリスクのあるまたは罹患する可能性のあるヒトである。他の態様において、対象は細胞である。
用語“HCV調節化合物”、“HCVモジュレーター”または“HCV阻害剤”は、HCVの活性を調節する、例えば、阻害するまたは他の方法で変える化合物を意味する。同様に、“NS3/NS4Aプロテアーゼ阻害剤”または“NS2/NS3プロテアーゼ阻害剤”は、これらのプロテアーゼの互いの相互作用を調節する、例えば、阻害するまたは他の方法で変える化合物を意味する。HCV調節化合物の例は、式Iの化合物、その下位式の化合物、ならびに実施例1−19および表AおよびBの化合物(その薬学的に許容される塩類、ならびにそのエナンチオマー、立体異性体、回転異性体、互変異性体、ジアステレオマーまたはラセミ体を含むを含む)。
本発明の方法および医学的使用などは、対象への有効量の式(I)のHCV調節化合物、例えば式IIIのHCV調節化合物、ならびに表Aの化合物(その塩類、例えば、その薬学的に許容される塩類、ならびにそのエナンチオマー、立体異性体、回転異性体、互変異性体、ジアステレオマーまたはラセミ体を含む)の投与を含む。
特記しない限り、ここに明確に定義していない置換基の命名法は、結合点に向かい、官能基の末端、続いてその隣接基の命名により達成する。例えば、置換基“アリールアルキルオキシカルボニル”は基(アリール)−(アルキル)−O−C(O)−を意味する。
上に定義する全ての置換基において、置換基とそれ自身へのさらなる置換基の定義により到達した多重の基はここに包含することを意図しないことは当然である。そのような場合、このような置換基の最大数は3個である。例えば、置換アリール基の2個の他の置換アリール基での置換は−置換アリール−(置換アリール)−置換アリールに限定される。
同様に、上の定義は不可能な置換パターン(例えば、5個のフルオロ基で置換されたメチル)を含むことを意図しないことは当然である。このような許容されない置換パターンは当業者にはよく知られている。
用語“アルキル”は、直鎖アルキル基(例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシルなど)、分枝鎖アルキル基(イソプロピル、tert−ブチル、イソブチルなど)、シクロアルキル(脂環式)基(シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル)、アルキル置換シクロアルキル基およびシクロアルキル置換アルキル基を含む飽和脂肪族基を意味する。さらに、表現“Cx−Cy−アルキル”(ここで、xは1〜5であり、yは2〜10である)は、特定の炭素数範囲の特定のアルキル基(直鎖または分枝鎖)を示す。例えば、表現C1−C4−アルキルは、メチル、エチル、プロピル、ブチル、イソプロピル、tert−ブチル、イソブチルおよびsec−ブチルを含むが、これらに限定されない。さらに、用語C3−6−シクロアルキルは、シクロプロピル、シクロペンチルおよびシクロヘキシルを含むが、これらに限定されない。下記のとおり、このアルキル基、ならびにシクロアルキル基はさらに置換されていてよい。“C0−Cnアルキル”は、単共有結合(C0)または1〜n個の炭素原子を有するアルキル基を意味する;例えば“C0−C4アルキル”は、単共有結合またはC1−C4アルキル基を意味する;“C0−C8アルキル”は単共有結合またはC1−C8アルキル基を意味する。いくつかの例では、アルキル基の置換基を特に示す。例えば、“C1−C4ヒドロキシアルキル”は、少なくとも1個のヒドロキシ置換基を有するC1−C4アルキル基を意味する。
“アルキレン”は、上に定義したとおり、二価アルキル基を意味する。C0−C4アルキレンは単共有結合または1〜4個の炭素原子を有するアルキレン基を意味する;そしてC0−C6アルキレンは単共有結合または1〜6個の炭素原子を有するアルキレン基を意味する。
“シクロアルキル”は、全環員が炭素である1個以上の飽和および/または一部飽和した環を含む基、例えばシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、アダマンチル、デカヒドロ−ナフタレニル、オクタヒドロ−インデニルおよび前記のものの一部飽和した変形、例えばシクロヘキセニルを意味する。シクロアルキル基は芳香環またはヘテロ環式環を含まない。あるシクロアルキル基は、3〜8環員を有する単環を含む、C3−C8シクロアルキルである。“(C3−C8シクロアルキル)C0−C4アルキル”は、単共有結合またはC1−C4アルキレン基を介して架橋したC3−C8シクロアルキル基である。
さらに、アルキル(例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシルなど)は、“非置換アルキル”および“置換アルキル”の両者を含み、その後者は、炭化水素主鎖の1個以上の炭素上の水素が置換基で置換されたアルキル基を意味し、これは分子がその意図する機能を発揮することを可能にする。
用語“置換”は、分子の1個以上の原子、例えばC、OまたはN上の水素に変わって置換基を有する基を言うことを意図する。このような置換基は、例えば、アルケニル、アルキニル、ハロゲン、ヒドロキシル、アルキルカルボニルオキシ、アリールカルボニルオキシ、アルコキシカルボニルオキシ、アリールオキシカルボニルオキシ、カルボキシレート、アルキルカルボニル、アリールカルボニル、アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、アルキルアミノカルボニル、ジアルキルアミノカルボニル、アルキルチオカルボニル、アルコキシル、ホスフェート、ホスホナート、ホスフィナート、アミノ(アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アリールアミノ、ジアリールアミノおよびアルキルアリールアミノを含む)、アシルアミノ(アルキルカルボニルアミノ、アリールカルボニルアミノ、カルバモイルおよびウレイドを含む)、アミジノ、イミノ、スルフヒドリル、アルキルチオ、アリールチオ、チオカルボキシレート、スルフェート類、アルキルスルフィニル、スルホナート、スルファモイル、スルホンアミド、ニトロ、トリフルオロメチル、シアノ、アジド、ヘテロシクリル、アルキルアリール、モルホリノ、フェノール、ベンジル、フェニル、ピペラジン、シクロペンタン、シクロヘキサン、ピリジン、5H−テトラゾール、トリアゾール、ピペリジンまたは芳香族またはヘテロ芳香族基を含み得る。
本発明の置換基のさらなる例は、限定する意図はないが、直鎖または分枝鎖アルキル(好ましくはC1−C5)、シクロアルキル(好ましくはC3−C8)、アルコキシ(好ましくはC1−C6)、チオアルキル(好ましくはC1−C6)、アルケニル(好ましくはC2−C6)、アルキニル(好ましくはC2−C6)、ヘテロ環式、炭素環式、アリール(例えば、フェニル)、アリールオキシ(例えば、フェノキシ)、アラルキル(例えば、ベンジル)、アリールオキシアルキル(例えば、フェニルオキシアルキル)、アリールアセトアミドイル、アルキルアリール、ヘテロアラルキル、アルキルカルボニルおよびアリールカルボニルまたは他のこのようなアシル基、ヘテロアリールカルボニルまたはヘテロアリール基、(CR’R”)0−3NR’R”(例えば、−NH2)、(CR’R”)0−3CN(例えば、−CN)、−NO2、ハロゲン(例えば、−F、−Cl、−Brまたは−I)、(CR’R”)0−3C(ハロゲン)3(例えば、−CF3)、(CR’R”)0−3CH(ハロゲン)2、(CR’R”)0−3CH2(ハロゲン)、(CR’R”)0−3CONR’R”、(CR’R”)0−3(CNH)NR’R”、(CR’R”)0−3S(O)1−2NR’R”、(CR’R”)0−3CHO、(CR’R”)0−3O(CR’R”)0−3H、(CR’R”)0−3S(O)0−3R’(例えば、−SO3H、−OSO3H)、(CR’R”)0−3O(CR’R”)0−3H(例えば、−CH2OCH3および−OCH3)、(CR’R”)0−3S(CR’R”)0−3H(例えば、−SHおよび−SCH3)、(CR’R”)0−3OH(例えば、−OH)、(CR’R”)0−3COR’、(CR’R”)0−3(置換または非置換フェニル)、(CR’R”)0−3(C3−C8シクロアルキル)、(CR’R”)0−3CO2R’(例えば、−CO2H)または(CR’R”)0−3OR’基またはあらゆる天然に存在するアミノ酸の側鎖から選択される基を含み;ここで、R’およびR”は独立して水素、C1−C5アルキル、C2−C5アルケニル、C2−C5アルキニルまたはアリール基である。このような置換基は、例えば、ハロゲン、ヒドロキシル、アルキルカルボニルオキシ、アリールカルボニルオキシ、アルコキシカルボニルオキシ、アリールオキシカルボニルオキシ、カルボキシレート、アルキルカルボニル、アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、アルキルチオカルボニル、アルコキシル、ホスフェート、ホスホナート、ホスフィナート、シアノ、アミノ(アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アリールアミノ、ジアリールアミノおよびアルキルアリールアミノを含む)、アシルアミノ(アルキルカルボニルアミノ、アリールカルボニルアミノ、カルバモイルおよびウレイドを含む)、アミジノ、イミノ、オキシム、スルフヒドリル、アルキルチオ、アリールチオ、チオカルボキシレート、スルフェート類、スルホナート、スルファモイル、スルホンアミド、ニトロ、トリフルオロメチル、シアノ、アジド、ヘテロシクリルまたは芳香族またはヘテロ芳香族基を含み得る。ある態様において、カルボニル基(C=O)はさらにオキシム基で誘導体化されていてよく、例えば、アルデヒド基をそのオキシム(−C=N−OH)アナログとして誘導体化してよい。当業者には当然であるが、炭化水素鎖上の置換は、適切であれば、それ自体置換されていてよい。シクロアルキル類は、さらに、例えば、上記置換基で置換されていてよい。“アラルキル”基は、アリールで置換されたアルキル(例えば、フェニルメチル(すなわち、ベンジル))である。
用語“アルケニル”は、長さおよび可能な置換の点で上記アルキル類に準じるが、少なくとも1個の二重結合を含む、不飽和脂肪族基を含む。
例えば、用語“アルケニル”は、直鎖アルケニル基(例えば、エテニル、プロペニル、ブテニル、ペンテニル、ヘキセニル、ヘプテニル、オクテニル、ノネニル、デセニルなど)、分枝鎖アルケニル基、シクロアルケニル(脂環式)基(シクロプロペニル、シクロペンテニル、シクロヘキセニル、シクロヘプテニル、シクロオクテニル)、アルキルまたはアルケニル置換シクロアルケニル基およびシクロアルキルまたはシクロアルケニル置換アルケニル基を含む。用語アルケニルは、さらに、炭化水素主鎖の1個以上の炭素の代わりに酸素、窒素、硫黄またはリン原子を含むアルケニル基を含む。ある態様において、直鎖または分枝鎖アルケニル基は、その主鎖に6個以下の炭素原子を有する(例えば、直鎖についてはC2−C6、分枝鎖についてはC3−C6)。同様に、シクロアルケニル基は、その環構造に3〜8個の炭素原子を有し、より好ましくは、環構造に5個または6個の炭素を有する。用語C2−C6は、2〜6個の炭素原子を含むアルケニル基を含む。
さらに、用語アルケニルは、“非置換アルケニル類”および“置換アルケニル類”のいずれも含み、その後者は、炭化水素主鎖の1個以上の炭素上の水素が置換基で置換されたアルケニル基を意味する。このような置換基は、例えば、アルキル基、アルキニル基、ハロゲン類、ヒドロキシル、アルキルカルボニルオキシ、アリールカルボニルオキシ、アルコキシカルボニルオキシ、アリールオキシカルボニルオキシ、カルボキシレート、アルキルカルボニル、アリールカルボニル、アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、アルキルアミノカルボニル、ジアルキルアミノカルボニル、アルキルチオカルボニル、アルコキシル、ホスフェート、ホスホナート、ホスフィナート、シアノ、アミノ(アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アリールアミノ、ジアリールアミノおよびアルキルアリールアミノを含む)、アシルアミノ(アルキルカルボニルアミノ、アリールカルボニルアミノ、カルバモイルおよびウレイドを含む)、アミジノ、イミノ、スルフヒドリル、アルキルチオ、アリールチオ、チオカルボキシレート、スルフェート類、アルキルスルフィニル、スルホナート、スルファモイル、スルホンアミド、ニトロ、トリフルオロメチル、シアノ、アジド、ヘテロシクリル、アルキルアリールまたは芳香族またはヘテロ芳香族基を含み得る。
用語“アルキニル”は、長さおよび可能な置換の点で上記アルキル類に準じるが、少なくとも1個の三重結合を含む、不飽和脂肪族基を含む。
例えば、用語“アルキニル”は直鎖アルキニル基(例えば、エチニル、プロピニル、ブチニル、ペンチニル、ヘキシニル、ヘプチニル、オクチニル、ノニニル、デシニルなど)、分枝鎖アルキニル基およびシクロアルキルまたはシクロアルケニル置換アルキニル基を含む。用語アルキニルは、さらに、炭化水素主鎖の1個以上の炭素の代わりに酸素、窒素、硫黄またはリン原子を含むアルキニル基を含む。ある態様において、直鎖または分枝鎖アルキニル基は、その主鎖に個以下の炭素原子を有する(例えば、直鎖についてはC2−C6、分枝鎖についてはC3−C6)。用語C2−C6は、2〜6個の炭素原子を含むアルキニル基を含む。
さらに、用語アルキニルは、“非置換アルキニル類”および“置換アルキニル類”のいずれも含み、その後者は、炭化水素主鎖の1個以上の炭素上の水素が置換基で置換されたアルキニル基を意味する。このような置換基は、例えば、アルキル基、アルキニル基、ハロゲン類、ヒドロキシル、アルキルカルボニルオキシ、アリールカルボニルオキシ、アルコキシカルボニルオキシ、アリールオキシカルボニルオキシ、カルボキシレート、アルキルカルボニル、アリールカルボニル、アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、アルキルアミノカルボニル、ジアルキルアミノカルボニル、アルキルチオカルボニル、アルコキシル、ホスフェート、ホスホナート、ホスフィナート、シアノ、アミノ(アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アリールアミノ、ジアリールアミノおよびアルキルアリールアミノを含む)、アシルアミノ(アルキルカルボニルアミノ、アリールカルボニルアミノ、カルバモイルおよびウレイドを含む)、アミジノ、イミノ、スルフヒドリル、アルキルチオ、アリールチオ、チオカルボキシレート、スルフェート類、アルキルスルフィニル、スルホナート、スルファモイル、スルホンアミド、ニトロ、トリフルオロメチル、シアノ、アジド、ヘテロシクリル、アルキルアリールまたは芳香族またはヘテロ芳香族基を含み得る。
用語“アミン”または“アミノ”は、当分野で一般的に理解されているとおり、広く分子または基もしくは官能基の両者に適用すると理解すべきであり、1級、2級または3級であり得る。用語“アミン”または“アミノ”は、窒素原子が少なくとも1個の炭素、水素またはヘテロ原子に共有結合している化合物を含む。本用語は、例えば、“アルキルアミノ”、“アリールアミノ”、“ジアリールアミノ”、“アルキルアリールアミノ”、“アルキルアミノアリール”、“アリールアミノアルキル”、“アルコアミノアルキル”、“アミド”、“アミド”および“アミノカルボニル”を含むが、これらに限定されない。用語“アルキルアミノ”は、窒素が少なくとも1個の付加的アルキル基に結合している基および化合物を含む。用語“ジアルキルアミノ”は、窒素原子が少なくとも2個の付加的アルキル基に結合している基を含む。用語“アリールアミノ”および“ジアリールアミノ”は、窒素がそれぞれ少なくとも1個または2個のアリール基に結合している基を含む。用語“アルキルアリールアミノ”、“アルキルアミノアリール”または“アリールアミノアルキル”は、少なくとも1個のアルキル基および少なくとも1個のアリール基に結合しているアミノ基を意味する。用語“アルコアミノアルキル”は、アルキル基にさらに結合した窒素原子に結合したアルキル基、アルケニル基またはアルキニル基を意味する。
用語“アミド”、“アミド”または“アミノカルボニル”は、カルボニル基またはチオカルボニル基の炭素に結合した窒素原子を含む化合物または基を含む。本用語は、カルボニル基に結合したアミノ基に結合したアルキル基、アルケニル基、アリール基またはアルキニル基を含む“アルコアミノカルボニル”基または“アルキルアミノカルボニル”基を含む。それは、カルボニル基またはチオカルボニル基の炭素に結合したアミノ基に結合したアリール基またはヘテロアリール基を含むアリールアミノカルボニル基およびアリールカルボニルアミノ基を含む。用語“アルキルアミノカルボニル”、“アルケニルアミノカルボニル”、“アルキニルアミノカルボニル”、“アリールアミノカルボニル”、“アルキルカルボニルアミノ”、“アルケニルカルボニルアミノ”、“アルキニルカルボニルアミノ”および“アリールカルボニルアミノ”は用語“アミド”に含まれる。アミド類はまたウレア基(アミノカルボニルアミノ)およびカルバメート類(オキシカルボニルアミノ)を含む。
用語“アリール”は、0〜4個のヘテロ原子を含み得る5員および6員単環芳香族基を含む芳香族基、例えば、フェニル、ピロール、フラン、チオフェン、チアゾール、イソチアゾール、イミダゾール、トリアゾール、テトラゾール、ピラゾール、オキサゾール、イソキサゾール、ピリジン、ピラジン、ピリダジンおよびピリミジンなどを含む。さらに、用語“アリール”は、多環状アリール基、例えば、三環式、二環式、例えば、ナフタレン、ベンゾオキサゾール、ベンゾジオキサゾール、ベンゾチアゾール、ベンゾイミダゾール、ベンゾチオフェン、メチレンジオキシフェニル、キノリン、イソキノリン、アントリル、フェナントリル、ナフチリジン、インドール、ベンゾフラン、プリン、ベンゾフラン、デアザプリンまたはインドリジンを含む。環構造中にヘテロ原子を有するこれらのアリール基はまた“アリールヘテロ環”、“ヘテロ環”、“ヘテロアリール類”または“ヘテロ芳香族”とも呼び得る。芳香環は、上記のような置換基、例えば、アルキル、ハロゲン、ヒドロキシル、アルコキシ、アルキルカルボニルオキシ、アリールカルボニルオキシ、アルコキシカルボニルオキシ、アリールオキシカルボニルオキシ、カルボキシレート、アルキルカルボニル、アルキルアミノカルボニル、アラルキルアミノカルボニル、アルケニルアミノカルボニル、アルキルカルボニル、アリールカルボニル、アラルキルカルボニル、アルケニルカルボニル、アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、アルキルチオカルボニル、ホスフェート、ホスホナート、ホスフィナート、シアノ、アミノ(アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アリールアミノ、ジアリールアミノおよびアルキルアリールアミノを含む)、アシルアミノ(アルキルカルボニルアミノ、アリールカルボニルアミノ、カルバモイルおよびウレイドを含む)、アミジノ、イミノ、スルフヒドリル、アルキルチオ、アリールチオ、チオカルボキシレート、スルフェート類、アルキルスルフィニル、スルホナート、スルファモイル、スルホンアミド、ニトロ、トリフルオロメチル、シアノ、アジド、ヘテロシクリル、アルキルアリールまたは芳香族またはヘテロ芳香族基で1カ所以上の環位置を置換できる。アリール基はまた多環を形成するように芳香族ではない脂環式またはヘテロ環式環と縮合または架橋していてもよい(例えば、テトラリン)。
ここに記載するある種のアリール基は、C6−C10アリールC0−C8アルキル基で(すなわち、少なくとも1個の芳香環を含む6〜10員炭素環式基が単共有結合またはC1−C8アルキレン基を介して結合している基)ある。このような基は、例えば、フェニルおよびインダニル、ならびに前記のいずれかがC1−C8アルキレン、好ましくはC1−C4アルキレンを介して結合している基を含む。単共有結合またはC1−C6アルキレン基を介して結合したフェニル基はフェニルC0−C6アルキル(例えば、ベンジル、1−フェニル−エチル、1−フェニル−プロピルおよび2−フェニル−エチル)と命名する。
ここで使用する用語ヘテロアリールは、各環最大7個の原子の安定な単環式または二環式環を意味し、ここで、少なくとも1個の環は芳香族であり、1〜4個のO、NおよびSから成る群から選択されるヘテロ原子を含む。この定義の範囲内のヘテロアリール基は次のものを含むが、これらに限定されない:アクリジニル、カルバゾリル、シンノリニル、キノキサリニル、ピラゾリル、インドリル、ベンゾトリアゾリル、フラニル、チエニル、ベンゾチエニル、ベンゾフラニル、キノリニル、イソキノリニル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、インドリル、ピラジニル、ピリダジニル、ピリジニル、ピリミジニル、ピロリル、テトラヒドロキノリン。下のヘテロ環の定義のとおり、“ヘテロアリール”はまたあらゆる窒素含有ヘテロアリールのN−オキシド誘導体を含むとまた理解される。ヘテロアリール置換基が二環式であり、一方の環が非芳香族であるかまたはヘテロ原子を含まないとき、結合は、それぞれ芳香環またはヘテロ原子含有環を介すると理解される。
ここで使用する用語“ヘテロ環”または“ヘテロシクリル”は、1〜4個のO、NおよびSから成る群から選択されるヘテロ原子を含む5〜10員芳香族または非芳香族ヘテロ環を意味することを意図し、二環式基を含む。“ヘテロシクリル”は、故に、上記ヘテロアリール類、ならびにそのジヒドロおよびテトラヒドロアナログを含む。“ヘテロシクリル”のさらなる例は次のものを含むが、これらに限定されない:ベンゾイミダゾリル、ベンゾフラニル、ベンゾフラザニル、ベンゾピラゾリル、ベンゾトリアゾリル、ベンゾチオフェニル、ベンゾオキサゾリル、カルバゾリル、カルボリニル、シンノリニル、フラニル、イミダゾリル、インドリニル、インドリル、インドラジニル、インダゾリル、イソベンゾフラニル、イソインドリル、イソキノリル、イソチアゾリル、イソオキサゾリル、ナフトピリジニル、オキサジアゾリル、オキサゾリル、オキサゾリン、イソキサゾリン、オキセタニル、ピラニル、ピラジニル、ピラゾリル、ピリダジニル、ピリドピリジニル、ピリダジニル、ピリジル、ピリミジル、ピロリル、キナゾリニル、キノリル、キノキサリニル、テトラヒドロピラニル、テトラゾリル、テトラゾロピリジル、チアジアゾリル、チアゾリル、チエニル、トリアゾリル、アゼチジニル、1,4−ジオキサニル、ヘキサヒドロアゼピニル、ピペラジニル、ピペリジニル、ピリジン−2−オニル、ピロリジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、ジヒドロベンゾイミダゾリル、ジヒドロベンゾフラニル、ジヒドロベンゾチオフェニル、ジヒドロベンゾオキサゾリル、ジヒドロフラニル、ジヒドロイミダゾリル、ジヒドロインドリル、ジヒドロイソオキサゾリル、ジヒドロイソチアゾリル、ジヒドロオキサジアゾリル、ジヒドロオキサゾリル、ジヒドロピラジニル、ジヒドロピラゾリル、ジヒドロピリジニル、ジヒドロピリミジニル、ジヒドロピロリル、ジヒドロキノリニル、ジヒドロテトラゾリル、ジヒドロチアジアゾリル、ジヒドロチアゾリル、ジヒドロチエニル、ジヒドロトリアゾリル、ジヒドロアゼチジニル、メチレンジオキシベンゾイル、テトラヒドロフラニルおよびテトラヒドロチエニルおよびそれらのN−オキシド類。ヘテロシクリル置換基の結合は、炭素原子を介してもヘテロ原子を介してもよい。
“ヘテロ環C0−C8アルキル”は、単共有結合またはC1−C8アルキレン基を介して結合したヘテロ環式基である。(4〜7員ヘテロ環)C0−C8アルキルは、単共有結合または1〜8個の炭素原子を有するアルキレン基を介して結合した4〜7環員を有するヘテロ環式基(例えば、単環式または二環式)である。“(6員ヘテロアリール)C0−C6アルキル”は、直接結合またはC1−C6アルキル基を介して結合したヘテロアリール基を意味する。
用語“アシル”は、アシル基(CH3CO−)またはカルボニル基を含む化合物および基を含む。用語“置換アシル”は、1個以上の水素原子が例えば、アルキル基、アルキニル基、ハロゲン類、ヒドロキシル、アルキルカルボニルオキシ、アリールカルボニルオキシ、アルコキシカルボニルオキシ、アリールオキシカルボニルオキシ、カルボキシレート、アルキルカルボニル、アリールカルボニル、アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、アルキルアミノカルボニル、ジアルキルアミノカルボニル、アルキルチオカルボニル、アルコキシル、ホスフェート、ホスホナート、ホスフィナート、シアノ、アミノ(アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アリールアミノ、ジアリールアミノおよびアルキルアリールアミノを含む)、アシルアミノ(アルキルカルボニルアミノ、アリールカルボニルアミノ、カルバモイルおよびウレイドを含む)、アミジノ、イミノ、スルフヒドリル、アルキルチオ、アリールチオ、チオカルボキシレート、スルフェート類、アルキルスルフィニル、スルホナート、スルファモイル、スルホンアミド、ニトロ、トリフルオロメチル、シアノ、アジド、ヘテロシクリル、アルキルアリールまたは芳香族またはヘテロ芳香族基に置き換わったアシル基を意味する。
用語“アシルアミノ”は、アシル基がアミノ基に結合した基を含む。例えば、本用語は、アルキルカルボニルアミノ基、アリールカルボニルアミノ基、カルバモイル基およびウレイド基を含む。
用語“アルコキシ”は、酸素原子に共有結合により結合した置換および非置換アルキル基、アルケニル基およびアルキニル基を含む。アルコキシ基の例はメトキシ、エトキシ、イソプロピルオキシ、プロポキシ、ブトキシおよびペントキシ基を含み、シクロペントキシのような環状基を含み得る。置換アルコキシ基の例は、ハロゲン化アルコキシ基を含む。アルコキシ基は、アルケニル、アルキニル、ハロゲン、ヒドロキシル、アルキルカルボニルオキシ、アリールカルボニルオキシ、アルコキシカルボニルオキシ、アリールオキシカルボニルオキシ、カルボキシレート、アルキルカルボニル、アリールカルボニル、アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、アルキルアミノカルボニル、ジアルキルアミノカルボニル、アルキルチオカルボニル、アルコキシル、ホスフェート、ホスホナート、ホスフィナート、シアノ、アミノ(アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アリールアミノ、ジアリールアミノおよびアルキルアリールアミノを含む)、アシルアミノ(アルキルカルボニルアミノ、アリールカルボニルアミノ、カルバモイルおよびウレイドを含む)、アミジノ、イミノ、スルフヒドリル、アルキルチオ、アリールチオ、チオカルボキシレート、スルフェート類、アルキルスルフィニル、スルホナート、スルファモイル、スルホンアミド、ニトロ、トリフルオロメチル、シアノ、アジド、ヘテロシクリル、アルキルアリールまたは芳香族またはヘテロ芳香族基で置換されていてよい。ハロゲン置換アルコキシ基の例は、フルオロメトキシ、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、クロロメトキシ、ジクロロメトキシ、トリクロロメトキシなどを含むが、これらに限定されない。
用語“カルボニル”または“カルボキシ”は、酸素原子に二重結合で結合した炭素を含む化合物および基およびその互変異性形態を含む。カルボニルを含む基の例はアルデヒド類、ケトン類、カルボン酸類、アミド類、エステル類、無水物などを含む。用語“カルボキシ基”または“カルボニル基”は、アルキル基がカルボニル基に共有結合により結合した“アルキルカルボニル”基、アルケニル基がカルボニル基に共有結合により結合した“アルケニルカルボニル”基、アルキニル基がカルボニル基に共有結合により結合した“アルキニルカルボニル”基、アリール基がカルボニル基に共有結合により結合した“アリールカルボニル”基を含む。さらに、本用語はまた1個以上のヘテロ原子がカルボニル基に共有結合により結合した基も意味する。例えば、本用語は、例えば、アミノカルボニル基(窒素原子がカルボニル基の炭素に結合している、例えば、アミド)、酸素および窒素原子が両者ともカルボニル基の炭素に結合しているアミノカルボニルオキシ基(例えば、“カルバメート”とも呼ぶ)のような基を含む。さらに、アミノカルボニルアミノ基(例えば、ウレア類)ならびにヘテロ原子に結合したカルボニル基の他の組み合わせ(例えば、窒素、酸素、硫黄などならびに炭素原子)も含む。さらに、ヘテロ原子は1個以上のアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アラルキル、アシルなどの基で置換されていてよい。
用語“チオカルボニル”または“チオカルボキシ”は、硫黄原子に二重結合で結合する炭素を含む化合物および基を含む。用語“チオカルボニル基”はカルボニル基に準じる基を意味する。例えば、“チオカルボニル”基は、アミノ基がチオカルボニル基の炭素原子に結合したアミノチオカルボニルを含み、さらに、他のチオカルボニル基は、オキシチオカルボニル類(炭素原子に結合した酸素)、アミノチオカルボニルアミノ基などを含む。
用語“エーテル”は、2種の炭素原子またはヘテロ原子に結合した酸素を含む化合物または基を含む。例えば、本用語は、別のアルキル基に共有結合により結合した酸素原子に共有結合により供給結合したアルキル基、アルケニル基またはアルキニル基を意味する“アルコキシアルキル”を含む。
用語“エステル”は、カルボニル基の炭素に結合した酸素原子に結合した炭素原子またはヘテロ原子を含む化合物および基を含む。用語“エステル”は、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、プロポキシカルボニル、ブトキシカルボニル、ペントキシカルボニルなどのようなアルコキシカルボキシ基を含む。アルキル、アルケニルまたはアルキニル基は上に定義したとおりである。
用語“チオエーテル”は、2種の炭素原子またはヘテロ原子に結合した硫黄原子を含む化合物および基を含む。チオエーテル類の例は、アルコチオアルキル類、アルコチオアルケニル類およびアルコチオアルキニル類を含むが、これらに限定されない。用語“アルコチオアルキル類”は、アルキル基に結合した硫黄原子に結合したアルキル基、アルケニル基またはアルキニル基を含む。同様に、用語“アルコチオアルケニル類”およびアルコチオアルキニル類”は、アルキル基、アルケニル基またはアルキニル基が、アルキニル基に共有結合した硫黄原子に結合している化合物または基を意味する。
用語“ヒドロキシ”または“ヒドロキシル”は−OHまたは−O−を有する基を含む。
用語“ハロゲン”はフッ素、臭素、塩素、ヨウ素などを含む。用語“ペルハロゲン化”は、一般的に全ての水素がハロゲン原子に置き換わった基を意味する。
用語“ヘテロ原子”は、炭素または水素以外のあらゆる元素の原子を含む。好ましいヘテロ原子は窒素、酸素、硫黄およびリンである。
上に記載する本発明の化合物の全ては、さらに、各原子の結合価を満たすのに必要な隣接原子および/または水素の間の結合を含むと理解すべきである。すなわち、結合および/または水素原子を、次のタイプの原子の各々の次の総結合数を提供するように付加する:炭素:4個の結合;窒素:3個の結合;酸素:2個の結合;および硫黄:2個の結合。
“場合により置換されていてよい”基は、非置換であるかまたは1カ所以上の利用可能な位置が水素以外で、典型的に1箇所、2箇所、3箇所、4箇所または5箇所が1個以上の適当な基(これは同一でも異なってもよい)で置換されている。場合による置換はまた句“0〜X個の置換基により置換”によっても表され、ここで、Xは置換基の可能な最大数である。場合により置換されていてよいある基は、0〜2個、3個または4個の独立して選択された置換基で置換されている(すなわち、非置換であるかまたは記載した最大数までの置換基で置換されている)。
いくつかの本発明の化合物の置換基は、異性環状構造を含むことも注意すべきである。従って、特定の置換基の構成上の異性体は、特記しない限り、本発明の範囲内に含まれる。例えば、用語“テトラゾール”はテトラゾール、2H−テトラゾール、3H−テトラゾール、4H−テトラゾールおよび5H−テトラゾールを含む。
ここで使用する、用語“異性体”は、同じ分子式を有するが、原子の配列および配置が異なる化合物を意味する。また、ここで使用する用語“光学異性体”または“立体異性体”は、ある本発明の化合物に存在できる種々の立体異性配置のいずれかを意味し、幾何異性体を含む。置換基が炭素原子のキラル中心に結合し得ることは当然である。それ故に、本発明は、本化合物のエナンチオマー、ジアステレオマーまたはラセミ体を含む。“エナンチオマー”は、互いに重なり合わない鏡像である立体異性体の対である。エナンチオマー対の1:1混合物が“ラセミ”混合物である。本用語は、適当であるとき、ラセミ混合物を言うために使用する。“ジアステレオ異性体”は、少なくとも2個の不斉原子を有するが、互いに鏡像ではない立体異性体である。絶対立体化学は、カーン・インゴルド・プレログR−S順位則により指定される。化合物が純粋エナンチオマーであるとき、各キラル炭素の立体化学はRまたはSと指定し得る。絶対配置が未知である分割された化合物は、ナトリウムD線の波長で平面偏光を回転させる方向(右旋性または左旋性)により(+)または(−)と指定できる。ある種のここに記載する化合物は1個以上の不斉中心または軸を有し、それ故に、エナンチオマー、ジアステレオマーおよび絶対立体化学の点で(R)−または(S)−と定義し得る他の立体異性形態を生じ得る。本発明は、ラセミ混合物、光学的に純粋な形態および中間混合物を含む、全ての可能なこのような異性体を包含することを意図する。光学活性(R)−および(S)−異性体は、キラルシントンまたはキラル材を使用して製造してよくまたは慣用の方法を使用して分割してよい。化合物が二重結合を含むならば、置換基はEまたはZ配置であり得る。化合物が二置換シクロアルキルを含むとき、シクロアルキル置換基はcis−またはtrans−配置を有し得る。全互変異性形態もまた包含することを意図する。
ここで使用する用語“薬学的に許容される塩類”は、本発明の化合物の生物学的有効性および特性を保持し、典型的に生物学的にまたは他の点で望ましくないものではない、塩類を意味する。多くの場合、式(I)の化合物は、アミノおよび/またはカルボキシル基またはそれに類する基の存在により、酸および/または塩基塩類を形成できる。
薬学的に許容される酸付加塩類は、無機酸類および有機酸類と形成でき、例えば、酢酸塩、アスパラギン酸塩、安息香酸塩、ベシル酸塩、ブロマイド/ヒドロブロマイド、ビカーボネート/カーボネート、ビスルフェート/スルフェート、カンファースルホン酸塩、クロライド/ヒドロクロライド、クロルテオリフォネート(chlortheophyllonate)、クエン酸塩、エタンジスルホン酸塩、フマル酸塩、グルセプテート(gluceptate)、グルコン酸塩、グルクロン酸塩、馬尿酸塩、ヒドロアイオダイド/アイオダイド、イセチオン酸塩、乳酸塩、ラクトビオン酸塩、ラウリル硫酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、マロン酸塩、マンデル酸塩、メシル酸塩、メチル硫酸塩、ナフトエ酸塩、ナプシル酸塩、ニコチン酸塩、硝酸塩、オクタデカン酸塩、オレイン酸塩、シュウ酸塩、パルミチン酸塩、パモ酸塩、ホスフェート/ハイドロゲン・ホスフェート/ジハイドロゲン・ホスフェート、ポリガラクツロン酸塩、プロピオン酸塩、ステアリン酸塩、コハク酸塩、スルホサリチル酸塩、酒石酸塩、トシル酸塩およびトリフルオロ酢酸塩である。
塩類を誘導できる無機酸類は、例えば、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸などを含む。
塩類を誘導できる有機酸類は、例えば、酢酸、プロピオン酸、グリコール酸、シュウ酸、マレイン酸、マロン酸、コハク酸、フマル酸、酒石酸、クエン酸、安息香酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、トルエンスルホン酸、スルホサリチル酸などを含む。薬学的に許容される塩基付加塩類は無機および有機塩基類と形成できる。
塩類が由来する場合がある無機塩基は、例えば、ナトリウム、カリウム、アンモニウム、カルシウム、マグネシウム、鉄、銀、亜鉛、銅などを含む;特に、アンモニウム、カリウム、ナトリウム、カルシウムおよびマグネシウム塩が好ましい。
塩類由来する場合がある有機塩基は、例えば、1級、2級および3級アミン類、天然に存在する置換アミン類、環状アミン類、塩基性イオン交換樹脂など、特に例えば、イソプロピルアミン、ベンザチン、コリネート、ジエタノールアミン、ジエチルアミン、リシン、メグルミン、ピペラジンおよびトロメタミンを含む置換アミン類を含む。
本発明の薬学的に許容される塩類は、親化合物から、塩基性または酸性基から、慣用の方法により合成できる。一般的に、かかる塩類は、遊離酸形態のこれらの化合物と化学量論量の適当な塩基(例えばNa、Ca、MgまたはKの水酸化物、炭酸塩、重炭酸塩など)を反応させることにより、または遊離塩基形態のこれらの化合物と化学量論量の適当な酸を反応させることにより製造できる。このような反応は、典型的に水中または有機溶媒中またはこれら2種の混合物中で行う。一般的に、エーテル、酢酸エチル、エタノール、イソプロパノールまたはアセトニトリルのような非水媒体のが、実際的であるとき、好ましい。さらなる適当な塩類の一覧は、例えば、“Remington's Pharmaceutical Sciences”, 20th ed., Mack Publishing Company, Easton, Pa., (1985); および“Handbook of Pharmaceutical Salts: Properties, Selection, and Use” by Stahl and Wermuth (Wiley-VCH, Weinheim, Germany, 2002)に見ることができる。
本発明は、(1)1個以上の原子が同じ原子番号を有するが、原子質量または質量数が天然で見られる原子質量または質量数と異なる原子で置換されている、および/または(2)1個以上の原子の同位体比が天然に存在する比と異なる、全ての薬学的に許容される同位体標識した本発明の化合物、すなわち式(I)の化合物またはビタミンEを含む。
本発明の化合物に取り込むのに適する同位体の例は、水素の同位体、例えば2Hおよび3H、炭素の同位体、例えば11C、13Cおよび14C、塩素の同位体、例えば36Cl、フッ素の同位体、例えば18F、ヨウ素の同位体、例えば123Iおよび125I、窒素の同位体、例えば13Nおよび15N、酸素の同位体、例えば15O、17Oおよび18O、リンの同位体、例えば32Pおよび硫黄の同位体、例えば35Sを含む。
ある種の同位体標識した式(I)の化合物、例えば、放射活性同位体を取り込んだものは、薬物および/または基質の組織分布試験に有用である。放射活性同位体トリチウム、すなわち3Hおよび炭素−14、すなわち14Cは、その取り込みの容易さおよび迅速な検出手段の点から、この目的に特に有用である。
重水素、すなわち2Hのような重い同位体での置換は、大きな代謝安定性に起因するある種の治療的利点、例えば、インビボ半減期延長または必要投与量減少をもたらし得て、故に、ある状況下では好ましいことがある。陽電子放出同位体、例えば11C、18F、15Oおよび13Nは、基質受容体占拠のための陽電子放射型断層撮影法(PET)試験に有用であり得る。
同位体標識した式(I)の化合物は、一般的に当業者に既知の慣用法に従い、または、下の実施例および製造に記載した方法に準じ、同位体標識した反応材を先に用いた非標識反応材に変えて使用することにより製造できる。
本発明による薬学的に許容される溶媒和物は、結晶化用溶媒が同位体置換されている、例えばD2O、d6-アセトン、d6-DMSOであるものを含む。
水素結合のドナーおよび/またはアクセプターとして作用できる基を含む式(I)の化合物は、適当な共結晶形成剤と共結晶を形成できる。これらの共結晶は、式(I)の化合物から、既知共結晶形成法により製造できる。このような方法は粉砕、加熱、共昇華、共融解または溶液中での式(I)の化合物と共結晶形成剤の結晶化条件下での接触とそれにより形成された共結晶の単離を含む。適当な共結晶形成剤はWO2004/078163に開示されたものを含む。従って、式(I)の化合物は、式(I)の化合物を含む共同結晶の形であり得る。
ここで使用する用語"薬学的に許容される担体"は、当業者には既知のとおり、任意のおよび全ての溶媒、分散媒体、コーティング、界面活性剤、抗酸化剤、防腐剤(例えば、抗細菌剤、抗真菌剤)、等張剤、吸収遅延剤、塩類、防腐剤、薬物、薬物安定化剤、結合剤、添加物、崩壊剤、滑沢剤、甘味剤、風味剤、色素、そのような物質およびそれらの組合せを含む(例えば、Remington's Pharmaceutical Sciences, 18th Ed. Mack Printing Company, 1990, pp. 1289 - 1329参照)。何らかの慣用の担体が有効成分と不適合ではない限り、治療組成物または医薬組成物におけるその使用が意図される。
本発明の化合物(例えば化合物またはビタミンE)の“治療的有効量”なる用語は、対象の生物学的または医学的応答、例えば、酵素またはタンパク質活性の低下または阻害または症状緩和、状態軽減、疾患進行減速または遅延または疾患予防などを誘発する本発明の化合物の量を意味する。一つの非限定的態様において、用語“治療的有効量”は、対象に投与したとき、(1)(i)NS3/NS4セリンプロテアーゼ活性が介在する状態または障害または疾患を少なくとも一部軽減、阻止、予防および/または寛解させる;(ii)NS3/NS4セリンプロテアーゼ活性を減少または阻害する;または(3)NS3セリンプロテアーゼをコードするに少なくとも1個のウイルスの複製の減少または阻害に有効な、本発明の化合物の量を意味する。他の非限定的態様において、他の非限定的態様において、用語“治療有効量”は、対象、細胞または組織または非細胞性生物学的物質または培地に投与したとき、ウイルス(例えばHCV)負荷および/またはウイルス(HCV)複製を少なくとも一部減少または阻害するのに有効な物質の量を意味する。NS3プロテアーゼについて上の態様に記載した用語“治療有効量”の意味は、あらゆる他の関連タンパク質/ペプチド類/酵素、例えばNS2プロテアーゼ、NS3プロテアーゼ、NS3ヘリカーゼ、NS5aタンパク質、および/またはNS5bポリメラーゼなどに同じ意味でまた適用される。
ここで使用する用語"対象"は動物を意味する。好ましくは、動物は哺乳動物である。対象はまた例えば、霊長類(例えば、ヒト)、ウシ、ヒツジ、ヤギ、ウマ、イヌ、ネコ、ウサギ、ラット、マウス、魚類、鳥類なども意味する。他の好ましい態様において、対象はヒトである。
ここで使用する用語“阻害する”、“阻害”または“阻害し”は、ある状態、症状または障害または疾患の軽減または抑制または生物学的活性または過程の基線活性の顕著な低下を意味する。
ここで使用する何らかの疾患または障害を“処置する”、“処置”または“処置し”はなる用語は、一つの態様において、疾患または障害を軽減する(すなわち、疾患または少なくともその臨床症状の一つの発症の減速または停止または減少)ことを意味する。他の態様において、“処置する”、“処置”または“処置し”は、患者が認識できないものを含む身体パラメータの少なくとも一つの緩和または回復を意味する。さらに別の態様において、“処置する”、“処置”または“処置し”は、身体的(例えば、認識できる症状の安定化)、生理学的(例えば、身体パラメータの安定化)のいずれかまたは両者による疾患または障害の修飾を意味する。さらに別の態様において、“処置する”、“処置”または“処置し”は、疾患または障害の発生または発症または進行の予防または遅延を意味する。
ここで使用する対象は、このような対象がこのような処置により生物学的に、医学的にまたはクオリティ・オブ・ライフにおいて利益を受けるならば、処置の“必要がある”。
ここで使用する単数表現および本発明の文脈(特に特許請求の範囲において使用する)で使用する類似の表現は、本明細書で特記しない限りまたは明らかに文脈に反しない限り、単数および複数の両方を包含すると解釈すべきである。ここに記載する全ての方法は、本明細書で特記しない限りまたは明らかに文脈に反しない限り適当な順番で行い得る。
ここに記載する全ての方法は、本明細書で特記しない限りまたは明らかに文脈に反しない限り適当な順番で行い得る。ここに提供する任意のおよび全ての例または例示としての用語(例えば"のような")の使用は、単に本発明の説明を適確にすることを意図し、他に規定しない限り本発明をその範囲に限定すると解釈してはならない。
式(I(の化合物の任意の不斉原子(例えば、炭素など)は、ラセミ体またはエナンチオマー的に富化された、例えば(R)−、(S)−または(R,S)−配置で存在し得る。ある態様において、各不斉原子は(R)−または(S)−配置で少なくとも50%エナンチオマー過剰、少なくとも60%エナンチオマー過剰、少なくとも70%エナンチオマー過剰、少なくとも80%エナンチオマー過剰、少なくとも90%エナンチオマー過剰、少なくとも95%エナンチオマー過剰または少なくとも99%エナンチオマー過剰を有する。不飽和結合を有する原子での置換基は、可能であれば、cis−(Z)−またはtrans−(E)−形態で存在する。
従って、ここで使用する式(I)の化合物は、可能な異性体、回転異性体、アトロプ異性体、互変異性体またはその混合物の一つの形態、例えば、実質的に純粋な幾何(cisまたはtrans)異性体、ジアステレオマー、光学異性体(アンチポード)、ラセミ体またはその混合物の形態であり得る。
得られる異性体のあらゆる混合物は、構成要素の物理的差異に基づき、例えば、クロマトグラフィーおよび/または分別結晶により、純粋なまたは実質的に純粋な幾何または光学異性体、ジアステレオマー、ラセミ体に分離できる。
A 最終産物または中間体の得られる何らかのラセミ体は、既知方法により、例えば、光学活性酸または塩基と得たそのジアステレオマー塩類を分割し、光学活性酸性または塩基性化合物を遊離させることにより、光学アンチポードに分割できる。特に、塩基性部分をこのように用いて、例えば、光学活性酸、例えば、酒石酸、ジベンゾイル酒石酸、ジアセチル酒石酸、ジ−O,O’−p−トルオイル酒石酸、マンデル酸、リンゴ酸またはカンファー−10−スルホン酸と形成された塩の分別結晶により式(I)の化合物をその光学アンチポードに分割し得る。ラセミ体生成物をキラル吸着剤を使用したキラルクロマトグラフィー、例えば、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)によっても分割できる。
式(I)の化合物は遊離形で、その塩としてまたはそのプロドラッグ誘導体として得られる。
塩基性基および酸基の両方が同じ分子内に存在するとき、式(I)の化合物は分子内塩、例えば、双性イオン性分子も形成し得る。
本発明は、さらに化学式(I)の化合物にインビボで変換する、化学式(I)の化合物のプロドラッグに関する。プロドラッグは、対象へのプロドラッグの投与後、インビボで生理学的作用、例えば加水分解、代謝などを介して、本発明の化合物への化学的に修飾される活性または不活性化合物である。プロドラッグの適性および製造および使用に関与する方法は当業者に既知である。プロドラッグは、概念的に二つの非排他的カテゴリー、バイオプレカーサープロドラッグおよび担体プロドラッグに分けることができる。The Practice of Medicinal Chemistry, Ch. 31-32 (Ed. Wermuth, Academic Press, San Diego, Calif., 2001)参照。一般に、バイオプレカーサープロドラッグは、不活性であるか、対応する活性医薬化合物と比べて低活性であり、1個以上の保護基を含み、代謝または加溶媒分解により活性化合物に変換される化合物である。活性医薬形態および全ての遊離された代謝性生成物は許容可能な低毒性を有しなければならない。
担体プロドラッグは、例えば、作用部位への取り込みおよび/または局在化を改善する輸送部分を含む医薬化合物である。このような担体プロドラッグに望ましいのは、医薬部分と輸送部分の間の架橋が共有結合であり、プロドラッグは、不活性であるか、医薬化合物と比べて低活性であり、全ての遊離される輸送部分は許容可能に非毒性である。輸送部分が取り込みを促進することが意図されるプロドラッグは、典型的に輸送部分の遊離が速くなければならない。他の場合において、遅い遊離を提供する部分、例えば、ある種のポリマー類または他の部分、例えばシクロデキストリン類の使用が望ましい。担体プロドラッグは、例えば、次の特性の1個以上の改善のために使用できる:親油性増加、薬理学的作用期間延長、部位特異性増加、毒性および有害応答低下および/または薬剤製剤改善(例えば、安定性、水溶解性、望まない感覚受容性または物理化学的特性抑制)。例えば、親油性は、(a)親油性カルボン酸類(例えば、少なくとも1個の親油性部分を有するカルボン酸)でのヒドロキシル基のまたは(b)親油性アルコール類(例えば、少なくとも1個の親油性部分を有するアルコール、例えば脂肪族アルコール類)でのカルボン酸基のエステル化により増加できる。
さらに、式(I)の化合物は、その塩類を含み、その水和物の形でも得ることができまたはそれらの結晶化に使用した他の溶媒を含み得る。
他の面において、医薬組成物はさらに薬学的に許容される担体を含む。医薬組成物は、特定の投与経路、例えば経口投与、非経腸投与および直腸投与などのために製剤できる。さらに、医薬本発明の組成物は、カプセル剤、錠剤、丸剤、顆粒剤、散剤または坐薬を含む固体形態または溶液、懸濁液またはエマルジョンを含む液体形態に成形できる。医薬組成物は慣用の医薬操作、例えば滅菌に付してよくおよび/または慣用の不活性希釈剤、滑沢剤または緩衝剤、ならびにアジュバント、例えば防腐剤、安定化剤、湿潤剤、乳化剤および緩衝剤などを含んでよい。
典型的に、医薬組成物は、活性成分を
a) 希釈剤、例えば、ラクトース、デキストロース、スクロース、マンニトール、ソルビトール、セルロースおよび/またはグリシン;
b) 滑沢剤、例えば、シリカ、タルク、ステアリン酸、そのマグネシウムまたはカルシウム塩および/またはポリエチレングリコール;錠剤についてはまた
c) 結合剤、例えば、ケイ酸マグネシウムアルミニウム、デンプンペースト、ゼラチン、トラガカント、メチルセルロース、ナトリウムカルボキシメチルセルロースおよび/またはポリビニルピロリドン;所望により
d) 崩壊剤、例えば、デンプン類、寒天、アルギン酸またはそのナトリウム塩または起沸性混合物;および/または
e) 吸収剤、着色剤、香味剤および甘味剤
と共に含む、錠剤またはゼラチンカプセルである。
錠剤は当分野で知られる方法に従い、フィルムコーティングされていても、腸溶性コーティングされていてもよい。
経口投与のための適当な組成物は、錠剤、ロゼンジ、水性または油性懸濁液、分散可能粉末または顆粒、エマルジョン、硬または軟カプセルまたはシロップまたはエリキシルの形で有効量の式(I)の化合物またはビタミンEを含む。経口使用を意図する組成物は、医薬組成物の製造について当分野で知られるあらゆる方法に従い製造し、このような組成物は、薬学的に洗練され、のみやすい製剤を提供するために甘味剤、風味剤、着色剤および防腐剤から成る群から選択される1種以上の薬剤を含み得る。錠剤は、錠剤の製造に適する非毒性の薬学的に許容される添加物と混合した活性成分を含む。これらの添加物は、例えば、不活性希釈剤、例えば炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、ラクトース、リン酸カルシウムまたはリン酸ナトリウム;造粒および崩壊剤、例えば、コーンデンプンまたはアルギン酸;結合剤、例えば、デンプン、ゼラチンまたはアカシア;および滑沢剤、例えばステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸またはタルクである。錠剤は素錠であるかまたは消化管での分解および吸収を遅延させ、故に、長期間にわたる持続した作用を提供するための周知の技術によりコーティングされている。例えば、モノステアリン酸グリセリルまたはジステアリン酸グリセリルのような時間遅延物質を用いることができる。経口使用のための製剤は、活性成分が不活性固体希釈剤、例えば、炭酸カルシウム、リン酸カルシウムまたはカオリンと混合されている硬ゼラチンカプセルまたは活性成分が水または油媒体、例えば、ピーナツ油、液体パラフィンまたはオリーブ油と混合されている軟ゼラチンカプセルとして提供できる。
ある種の注射用組成物は水性等張溶液または懸濁液であり、坐薬は有利に脂肪エマルジョンまたは懸濁液から製造する。該組成物は滅菌してよくおよび/またはアジュバント、例えば防腐剤、安定化剤、湿潤剤または乳化剤、溶解促進剤、浸透圧調整用塩類および/または緩衝剤を含み得る。加えて、それらはまた他の治療的に価値ある物質を含んで良い。該組成物はそれぞれ慣用の混合、造粒またはコーティング法により製造し、約0.1〜75%または約1〜50%の活性成分を含む。
経皮適用に適当な組成物は、有効量の化合物(式(I)またはビタミンE)と適当な担体を含む。経皮送達に適当な担体は、宿主の皮膚の通過を助けるための吸収性の薬理学的に許容される溶媒を含む。例えば、経皮デバイスは、裏打ち部材、場合により担体を伴ってよい化合物を含む貯蔵部、場合により化合物の宿主の皮膚への、制御されかつ予定された速度で長時間に亘る送達のための速度制御バリアおよびデバイスを皮膚に固定するための手段を含むバンデージの形である。
例えば、皮膚および眼への局所適用のための適当な組成物は、水溶液、懸濁液、軟膏、クリーム、ゲルまたは例えば、エアロゾルによる送達のための噴霧可能製剤などを含む。このような局所送達計は、例えば、皮膚癌の処置のための皮膚適用に、例えば、日焼け止めクリーム、ローション、スプレーなどにおける予防的使用に特に適する。それらは、故に、当分野で周知の化粧用を含む局所製剤における使用に特に適する。これらは可溶化剤、安定化剤、張性増加剤、緩衝剤および防腐剤を含み得る。
本発明は、さらに、水がある種の化合物の分解を促進し得るため、活性成分として式(I)の化合物を含む無水医薬組成物および投与形態を提供する。
本発明の無水医薬組成物および投与形態は、無水または低水分含有成分および低水分または低湿度条件を使用して製造できる。無水医薬組成物は、その無水性質が維持されるように製造および貯蔵できる。従って、無水組成物を、適当な製剤キットに包含できるように、水への暴露を防止することが知られる材料を使用して包装する。適当な包装材の例は、密封ホイル、プラスチック、単位投与量容器(例えばバイアル)、ブリスターパックおよびストリップパックを含むが、これらに限定されない。
本発明は、さらに、活性成分としての本発明の化合物が分解する速度を減じる1種以上の薬剤を含む医薬組成物および投与形態を提供する。このような薬剤は、ここでは“安定化剤”と呼び、抗酸化剤、例えばアスコルビン酸、pH緩衝剤または塩緩衝剤などを含むが、これらに限定されない。
本発明の医薬組成物または組み合わせは、約50〜70kgの対象のための約1〜1000mgの式(I)の化合物、または約1〜500mgまたは約1〜250mgまたは約1〜150mgまたは約0.5〜100mgまたは約1〜50mgの活性成分の単位投与量であり得る。化合物、医薬組成物または組み合わせの治療有効投与量は対象の種、体重、年齢および個々の状態、処置する障害または疾患またはその重症度による。通常の技術の医師、臨床医または獣医は、障害または疾患を予防する、処置するまたは進行を阻止するのに必要な活性成分の各々の有効量を容易に決定できる。
上記投与量特性は有利に哺乳動物、例えば、マウス、ラット、イヌ、サルまたはその単離臓器、組織および調製物を使用したインビトロおよびインビボ試験で証明できる。式(I)の化合物は、インビトロで、溶液、例えば、好ましくは水溶液の形態で、インビボで経腸的に、非経腸的に、有利に静脈内に、例えば、懸濁液または水溶液として適用できる。インビトロでの投与量は約10−3モル濃度〜10−9モル濃度の範囲である。インビボでの治療有効量は投与経路により、約0.1〜500mg/kgまたは約1〜100mg/kgの範囲である。
式(I)の化合物の活性は、下に提供する方法を含むが、これに限定されないインビトロおよびインビボ方法により評価できる。
一般的定義
用語“含む”は、“含む”ならびに“から成る”を包含し、例えばXを“含む”組成物は排他的にXを含んでよく、または何か別のもの、例えばX+Yを含んでよい。
用語“実質的に”は“完全に”を除外せず、例えばYを“実質的に含まない”組成物は、Yを完全に含まないことがある。必要であれば、用語“実質的に”を本発明の定義から除いてよい。
数値xに関連した用語“約”は、x±10%を意味する。一つの態様において、開示された全ての数値に関連して、用語“約”はない。
誤解を避けるために、化合物、組成物、方法または使用の文脈で明示した何らかの特性は、また化合物、組成物、方法および使用の文脈にもまた暗示的に開示する。例えば、本明細書に式(I)の化合物が特性“A”を有すると明示されているならば、本明細書は、特性“A”を有する式(I)の化合物が関与する本発明の処置方法を暗示的に開示する。
添付する特許請求の範囲において、用語“請求項x〜yのいずれかに記載の”または“前記の請求項のいずれかに記載の”などの使用は、各々後の請求項に従属するが、同じ付加的特性を付加する、数個の従属項の記載の省略である。誤解を避けるために、このような省略の使用により包含される全ての組み合わせは、明示的に記載する。例えば、請求項3が請求項1に従属し、請求項5が“前記の請求項のいずれか”に従属し、請求項10が“前記の請求項のいずれか”に従属するならば、請求項1、3、5および10の特性の組み合わせが明示的に開示される。
同様に誤解を避けるために、従属項が、例えば、請求項a〜cおよびx〜zに記載の医薬組成物または使用(ここで、a〜cは医薬組成物請求項であり、x〜zは使用請求項である)に関連するならば、従属請求項は(a)請求項a〜cに従属する限り医薬組成物および(b)請求項x〜zに従属する限り使用の請求項であると解釈すべきである。
本発明の種々の態様をここに記載する。各態様で特定する特性を他に特定した特性と組み合わせて、さらなる態様を提供し得ることは認識されよう。
その他
一つの態様において、本発明は、2種以上の医薬組成物を含み、少なくともその一個が式(I)の化合物を含み、少なくともその一個(同じものまたは異なるもの)がビタミンEを含む、キットを提供する。一つの態様において、キットは該組成物を別々に保持する手段、例えば容器、分割ビンまたは分割ホイルパケットを含む。このようなキットの例は、典型的に錠剤、カプセルなどの包装に使用されるブリスターカップである。
本発明のキットは、異なる投与形態、例えば、経口および非経腸形態の投与のために、別々の組成物を異なる投与間隔で投与するためにまたは別々の組成物を互いにタイトレーションするために使用し得る。コンプライアンスを助けるために、本発明のキットは、典型的に投与の指示を含む。
本発明の組み合わせ治療において、式(I)の化合物およびビタミンEは同じまたは異なる製造者により製造および/または製剤されてよい。さらに、式(I)の化合物およびビタミンEは:(i)医師への組み合わせ製品の発売前に(例えば式(I)の化合物およびビタミンEを含むキットの場合);(ii)医師自身(または医師の指導の下に)投与直前に;(iii)患者自身により、例えば式(I)の化合物およびビタミンEの連続的投与の間に一緒に組み合わせ治療にしてよい。
ここに定義する医薬組成物、パーツキット、使用、式(I)の化合物またはビタミンEは他の治療剤と組み合わせて使用でき、または逆もそうである。他の治療剤をビタミンEおよび/または式(I)の化合物と同時に、別々にまたは連続的に投与してよく、後者自体、どこかに記載したとおり、別々に、同時にまたは連続的に投与してよい。別々にまたは連続的に投与するとき、全ての可能な投与順序は本発明によりカバーされる。
本発明はまたウイルス感染の処置に使用でき、ここで、患者は先に(例えば24時間以内に)他の治療剤で処置されている。さらにウイルス感染の処置のための他の治療も提供され、ここで、患者は先に(例えば24時間以内に)本発明で処置されている。
一つの態様において、他の治療剤は式Iである、または式IではないHCV調節化合物である。例えば、引用により全体を本明細書に包含させるWO2005/042020は、多様なHCV阻害剤とチトクロムP450(“CYP”)阻害剤の組み合わせを記載する。関連NS3/4Aプロテアーゼの薬物動態学的を改善するあらゆるCYP阻害剤を本発明の化合物と組み合わせて使用してよい。これらのCYP阻害剤は、リトナビル(WO94/14436(その全体を引用により本明細書に包含させる))、ケトコナゾール、トロレアンドマイシン、4−メチルピラゾール、シクロスポリン、NIM811、クロメチアゾール、シメチジン、イトラコナゾール、フルコナゾール、ミコナゾール、フルボキサミン、フルオキセチン、ネファゾドン、セルトラリン、インジナビル、ネルフィナビル、アンプレナビル、フォサンプレナビル、サキナビル、ロピナビル、デラビルジン、エリスロマイシン、VX−944およびVX−497を含むが、これらに限定されない。好ましいCYP阻害剤はリトナビル、ケトコナゾール、トロレアンドマイシン、4−メチルピラゾール、シクロスポリン、NIM811およびクロメチアゾールを含む。
化合物のCYP活性能力を測定する方法は知られている(例えば、US6,037,157およびYun, et al. Drug Metabolism & Disposition, vol. 21, pp. 403-407 (1993);引用により本明細書に包含させる)。例えば、評価すべき化合物を0.1mg、0.5mgおよび1.0mg タンパク質/mlまたは他の適当な濃度のヒト肝臓ミクロソーム(例えば、市販の、貯留され、特徴付けされた肝臓ミクロソーム)と、0分間、5分間、10分間、20分間および30分間または他の適当な時間、NADPH発生システム存在下にインキュベートする。コントロールインキュベーションを肝臓ミクロソーム非存在下、0分間および30分間行ってよい(トリプリケート)。サンプルを化合物の存在について分析し得る。直線速度の化合物代謝を生じるインキュベーション条件を、さらなる試験のガイドとして使用する。当分野で知られた実験を使用して化合物代謝の動力学(KmおよびVmax)を決定できる。化合物消失速度を決定し、データをLineweaver-Burk、Eadie-Hofsteeまたは非線形回帰分析を使用するMichaelis-Menten動力学に従い分析し得る。
代謝阻害の実験をその後行い得る。例えば、化合物(一濃度、<Km)を貯留したヒト肝臓ミクロソームと、CYP阻害剤(例えばリトナビル)の非存在下または存在下、上記条件下にインキュベートし得る。認識されるとおり、コントロールインキュベーションは、CYP阻害剤とのインキュベートと同濃度の有機溶媒を含まなければならない。サンプル中の化合物濃度を定量でき、親化合物の消失速度を決定でき、該速度をコントロール活性のパーセンテージとして表す。
使用する併用剤(すなわち“他の”薬剤)の1日投与量は、例えば、用いる化合物、宿主、投与方法および処置する状態の重症度により変わる。例えば、ラミブジンは100mgの1日投与量で投与し得る。ペグ化インターフェロンは、非経腸的に週に1〜3時間、好ましくは週に1回、週あたりの総投与量200〜1000万IU、より好ましくは500〜1000万IU、最も好ましくは800〜1000万IUで投与し得る。使用し得る併用剤の多様性のため、量は広範囲に変わり、例えば、.0001〜5,000mg/kg/日であり得る。
C型肝炎の現在の標準的処置はペグ化インターフェロンアルファとリバビリンの組み合わせであり、その推奨投与量は1.5μg/kg/wkペグインターフェロンアルファ−2bまたは180μg/wkペグインターフェロンアルファ−2aと、遺伝子型Iの患者には48週間1日1,000〜1,200mgのリバビリンをまたは遺伝子型2/3患者の患者には24週間1日800mgのリバビリンである。
式Iの化合物またはその下位式、ビタミンEおよび場合により併用剤を任意の慣用の経路で、特に経腸的に、例えば経口で、例えば飲用液剤、錠剤またはカプセル剤の形でまたは非経腸的に、例えば注射用溶液または懸濁液の形で投与してよい。ある好ましい医薬組成物は、例えば、UK2,222,770Aに記載のとおりマイクロエマルジョンに基づく。
典型的に、マイクロエマルジョン前濃縮物医薬組成物は、抗酸化剤を含むまたは含まない液体製剤をさらに含むゼラチンカプセルである。ある態様において、マイクロエマルジョン前濃縮物は
a) 少なくとも1種の脂質、例えば、ラウログリコールFcc、Capmul MCM、Labrasol、および/またはcaprryol;
b) 少なくとも1種の界面活性剤、例えば、Cremophor EL、Cremophor RH、および/またはTPGS;
c) 少なくとも1種の溶媒、例えば、オレイン酸、PEG−400、エタノール、および/またはクエン酸トリエチルを含み;
d) 場合によりさらに抗酸化剤および/または防腐剤を含む。
他の治療剤(併用剤)は、抗ウイルス活性、特に抗フラビウイルス科活性、最も具体的に抗HCV活性を有する薬剤、例えばインターフェロン、例えばインターフェロン−α−2aまたはインターフェロン−α−2b、例えばIntronR A、RoferonR、AvonexR、RebifRまたはBetaferonRまたは水溶性ポリマーもしくはヒトアルブミンにコンジュゲートしたインターフェロン、例えばアルブフェロン、抗ウイルス剤、例えばリバビリン、ラミブジン、米国特許6,812,219およびWO2004/002422A2(これらの開示はその全体を引用により本明細書に包含させる)に開示の化合物、NS3/4Aプロテアーゼ、ヘリカーゼもしくはRNAポリメラーゼのようなHCVまたは他のフラビウイルス科ウイルスコード化因子の阻害剤またはこのような阻害剤のプロドラッグ、抗線維化剤、例えばN−フェニル−2−ピリミジン−アミン誘導体、例えばイマチニブ、免疫調節剤、例えばミコフェノール酸、その塩またはプロドラッグ、例えばミコフェノール酸ナトリウムまたはミコフェノール酸モフェチルまたはS1P受容体アゴニスト、例えばFTY720または、例えばEP627406A1、EP778263A1、EP1002792A1、WO02/18395、WO02/76995、WO02/06268、JP2002316985、WO03/29184、WO03/29205、WO03/62252およびWO03/62248(これらの開示はその全体を引用により本明細書に包含させる)に開示のとおり場合によりリン酸化されていてよいそのアナログを含む。
水溶性ポリマーへのインターフェロンのコンジュゲートは、特にポリアルキレンオキシドホモポリマー類、例えばポリエチレングリコール(PEG)またはポリプロピレングリコール類、ポリオキシエチレン化ポリオール類、そのコポリマー類およびそのブロックコポリマー類を含むことを意図する。ポリアルキレンオキシド骨格ポリマー類の代替として、有効に非抗原性の物質、例えばデキストラン、ポリビニルピロリドン類、ポリアクリルアミド類、ポリビニルアルコール類、炭水化物ベースのポリマー類などを使用できる。このようなインターフェロン−ポリマーコンジュゲートは米国特許4,766,106、4,917,888、欧州特許出願0236987、欧州特許出願0510356および国際出願公開WO95/13090に記載されている(これらの開示はその全体を引用により本明細書に包含させる)。重合体修飾が抗原性の応答を十分に低下させるため、前記インターフェロンは完全に自己である必要はない。ポリマーコンジュゲートの製造に使用するインターフェロンは、哺乳動物抽出物、例えばヒト、反芻動物またはウシインターフェロンからまたは組み換えにより製造し得る。好ましいのは、ペグ化インターフェロン類としても知られる、ポリエチレングリコールへのインターフェロンのコンジュゲートである。
特に好ましいインターフェロンのコンジュゲートはペグ化アルファ−インターフェロン類、例えばペグ化インターフェロン−α−2a、ペグ化インターフェロン−α−2b;ペグ化コンセンサスインターフェロンまたはペグ化精製インターフェロン−α製品である。ペグ化インターフェロン−α−2aは、例えば欧州特許593,868(その全体を引用により本明細書に包含させる)に記載され、例えば、商品名PEGASYS(登録商標)(Hoffmann-La Roche)の下に市販されている。ペグ化インターフェロン−α−2bは、例えば欧州特許975,369(その全体を引用により本明細書に包含させる)に記載され、例えば商品名PEG-INTRON A(登録商標)(Schering Plough)の下に市販されている。ペグ化コンセンサスインターフェロンはWO96/11953(その全体を引用により本明細書に包含させる)に記載されている。好ましいペグ化α−インターフェロン類は、ペグ化インターフェロン−α−2aおよびペグ化インターフェロン−α−2bである。また好ましいのはペグ化コンセンサスインターフェロンである。
他の好ましい併用剤は、インターフェロンの融合タンパク質、例えばインターフェロン−α−2a、インターフェロン−α−2bの融合タンパク質;コンセンサスインターフェロンまたは精製インターフェロン−α製品であり、その各々は他のタンパク質と融合している。ある好ましい融合タンパク質は、米国特許6,973,322および国際公開WO02/60071、WO05/003296およびWO05/077042(Human Genome Sciences)に記載のとおりインターフェロン(例えば、インターフェロン−α−2b)およびアルブミンを含む。ヒトアルブミンにコンジュゲートした好ましいインターフェロンはアルブフェロン(Human Genome Sciences)である。
シクロフィリンと強く結合するが、免疫抑制性ではないシクロスポリン類は、米国特許5,767,069および5,981,479に記載されたシクロスポリン類を含み、引用により本明細書に包含させる。MeIle4−シクロスポリン(すなわち、NIM811)およびDebio−025(Debiopharm)は好ましい非免疫抑制性シクロスポリン類である。ある他のシクロスポリン誘導体はWO2006039668(Scynexis)およびWO2006038088(Debiopharm SA)に記載されており、引用により本明細書に包含させる。シクロスポリンは、混合リンパ球反応(MLR)においてシクロスポリンAの5%を超えない、好ましくは2%を超えない活性を有するとき、非免疫抑制性であると見なす。混合リンパ球反応はT. Meo in “Immunological Methods”, L. Lefkovits and B. Peris, Eds., Academic Press, N.Y. pp. 227 - 239 (1979)に記載されている。Balb/cマウス(雌、8〜10週齢)由来脾臓細胞(0.5×106)を、CBAマウス(雌、8〜10週齢)由来の照射(2000ラド)またはマイトマイシンC処置脾臓細胞0.5×106と、5日間コインキュベートする。照射同種異系間細胞は、Balb/c脾臓細胞に増殖性応答を誘発し、それをDNAへの標識前駆体取り込みにより測定できる。刺激性細胞は、照射(またはマイトマイシンC処置)されているため、Balb/c細胞に増殖としては応答しないがその抗原性は維持している。MLRにおける試験化合物で見られたIC50を、並行実験においてシクロスポリンAで見られたものと比較する。さらに、非免疫抑制性シクロスポリン類はCNおよび下流NF−AT経路を阻害する能力を欠く。[MeIle]4−シクロスポリンは、本発明に従い使用するための好ましい非免疫抑制性シクロフィリン結合シクロスポリンである。
リバビリン(1−β−D−リボフラノシル−1−1,2,4−トリアゾール−3−カルボキサミド)は、商品名Virazoleの下に販売されている合成、非インターフェロン誘導性の、抗スペクトル抗ウイルスヌクレオシドアナログである(The Merck Index, 11th edition, Editor: Budavar, S, Merck & Co., Inc., Rahway, NJ, p1304,1989)。米国特許3,798,209およびRE29,835(それらの全体を引用により本明細書に包含させる)はリバビリンを開示し、請求している。リバビリンはグアノシンに構造的に類似し、フラビウイルス科を含む数種のDNAおよびRNAウイルスに対しインビトロ活性を有する(Gary L. Davis, Gastroenterology 118: S104-S114, 2000)。
リバビリンは、患者の40%で血清アミノトランスフェラーゼレベルを正常まで低下させるが、HCV−RNAの血清レベルは低下させない(Gary L. Davis, Gastroenterology 118: S104-S114, 2000)。故に、リバビリン単独ではウイルスRNAレベルの減少に不十分である。さらに、リバビリンは顕著な毒性を有し、貧血を誘発することが知られている。リバビリンはHCVに対して単剤では承認されていない;HCVの処置に対してインターフェロンアルファ−2aまたはインターフェロンアルファ−2bとの組み合わせで承認されている。
他の治療剤の例は、非免疫抑制性シクロフィリン結合シクロスポリンと、ミコフェノール酸、その塩またはプロドラッグ、および/またはS1P受容体アゴニスト、例えばFTY720を含む。
他の治療剤のさらなる例は次のものを含む:
(1) インターフェロンアルファ2aまたは2bおよびペグ化(PEG)インターフェロンアルファ2aまたは2bを含むインターフェロン類、例えば:
(a) Intron-A(登録商標)、インターフェロンアルファ−2b(Schering Corporation, Kenilworth, NJ);
(b) PEG-Intron(登録商標)、ペグインターフェロンアルファ−2b(Schering Corporation, Kenilworth, NJ);
(c) Roferon(登録商標)、組み換えインターフェロンアルファ−2a(Hoffmann-La Roche, Nutley, NJ);
(d) PEGASYS(登録商標)、ペグインターフェロンアルファ−2a(Hoffmann-La Roche, Nutley, NJ);
(e) Berefor(登録商標)、入手可能なインターフェロンアルファ2(Boehringer Ingelheim Pharmaceutical, Inc., Ridgefield, CT);
(f) Sumiferon(登録商標)、天然アルファインターフェロン類の精製混合物(住友、日本)
(g) Wellferon(登録商標)、リンパ芽球様インターフェロンアルファn1(GlaxoSmithKline);
(h) Infergen(登録商標)、コンセンサスアルファインターフェロン(InterMune Pharmaceuticals, Inc., Brisbane, CA);
(i) Alferon(登録商標)、天然アルファインターフェロン類の混合物(Interferon Sciences, and Purdue Frederick Co., CT);
(j) Viraferon(登録商標);
(k) Amgen, Inc., Newbury Park, CAのコンセンサスアルファインターフェロン;
インターフェロンの他の形態は次のものを含む:インターフェロンベータ、ガンマ、タウおよびオメガ、例えばSeronoのRebif(インターフェロンベータ1a)、ViragenのOmniferon(天然インターフェロン)、Ares-SeronoのREBIF(インターフェロンベータ−1a)、BioMedicinesのオメガインターフェロン;Amarillo Biosciencesの経口インターフェロンアルファ;水溶性ポリマーまたはヒトアルブミンにコンジュゲートしたインターフェロン、例えば、アルブフェロン(Human Genome Sciences)、抗ウイルス剤、コンセンサスインターフェロン、ヒツジまたはウシインターフェロン−タウ;
水溶性ポリマーへのインターフェロンのコンジュゲートは、特にポリアルキレンオキシドホモポリマー類、例えばポリエチレングリコール(PEG)またはポリプロピレングリコール類、ポリオキシエチレン化ポリオール類、そのコポリマー類およびそのブロックコポリマー類を含むことを意図する。ポリアルキレンオキシド骨格ポリマー類の代替として、有効に非抗原性の物質、例えばデキストラン、ポリビニルピロリドン類、ポリアクリルアミド類、ポリビニルアルコール類、炭水化物ベースのポリマー類などを使用できる。重合体修飾が抗原性の応答を十分に低下させるため、前記インターフェロンは完全に自己である必要はない。ポリマーコンジュゲートの製造に使用するインターフェロンは、哺乳動物抽出物、例えばヒト、反芻動物またはウシインターフェロンからまたは組み換えにより製造し得る。好ましいのは、ペグ化インターフェロン類としても知られる、ポリエチレングリコールへのインターフェロンのコンジュゲートである。
(2) リバビリン、例えばValeant Pharmaceuticals, Inc., Costa Mesa, CAのリバビリン(1−ベータ−D−リボフラノシル−1H−1,2,4−トリアゾール−3−カルボキサミド);Schering Corporation, Kenilworth, NJのRebetol(登録商標)およびHoffmann-La Roche, Nutley, NJのCopegus(登録商標);および開発中の新規リバビリンアナログ、例えばValeantのLevovirinおよびViramidine、
(3) NS3/4A融合タンパク質およびNS5A/5B基質を用いた逆相HPLCアッセイで適切な阻害を示すチアゾリジン誘導体(Sudo K. et al., Antiviral Research, 1996, 32, 9-18)、特に長アルキル鎖で置換された縮合シンナモイル基を有する化合物RD-1-6250、RD4 6205およびRD4 6193;
(4) Kakiuchi N. et al. J. FEBS Letters 421, 217-220; Takeshita N. et al. Analytical Biochemistry, 1997, 247, 242-246において同定されているチアゾリジン類およびベンズアニリド類;
(5) ストレプトミセス属の発光培養液から単離されたSDS−PAGEおよびオートラジオグラフィーアッセイにおいてプロテアーゼに対する活性を有するフェナントレンキノン、Sch 68631(Chu M. et al., Tetrahedron Letters, 1996, 37, 7229-7232)および真菌ペニシリウム・グリセオフルバムから単離され、シンチレーション近接アッセイで活性が証明されたSch 351633(Chu M. et al, Bioorganic and Medicinal Chemistry Letters 9, 1949-1952);
(6) プロテアーゼ阻害剤。
例は、アルファケトアミド類およびヒドラジノウレア類を含む、基質に基づいたNS3プロテアーゼ阻害剤(Attwood et al., Antiviral peptide derivatives、PCT WO98/22496、1998;Attwood et al., Antiviral Chemistry and Chemotherapy 1999, 10, 259-273; Attwood et al, Preparation and use of amino acid derivatives as anti-viral agents、独特許公開DE19914474;Tung et al. Inhibitors of serine proteases, particularly hepatitis C virus NS3 protease;PCT WO98/17679)であり、親電子物質で終わる阻害剤、例えばボロン酸またはホスホネート(Llinas-Brunet et al. Hepatitis C inhibitor peptide analogue、PCT WO99/07734)が現在治験中である。
RD3-4082およびRD3-4078(前者はアミドを14個の炭素鎖で置換され、後者はパラ−フェノキシフェニル基を有する)を含む基質に基づいていないNS3プロテアーゼ阻害剤、例えば2,4,6−トリヒドロキシ−3−ニトロ−ベンズアミド誘導体(Sudo K. et al., Biochemical and Biophysical Research Communications, 1997, 238 643-647; Sudo K. et al. Antiviral Chemistry and Chemotherapy, 1998, 9, 186)も治験中である。
フェナントレンキノンであるSch 68631はHCVプロテアーゼ阻害剤である(Chu M et al., Tetrahedron Letters 37: 7229-7232, 1996)。同じ著者らによる別の例において、真菌ペニシリウム・グリセオフルブム(Penicillium grieofulvum)から単離されたSch 351633はプロテアーゼ阻害剤として同定された(Chu M. et al., Bioorganic and Medicinal Chemistry Letters 9: 1949-1952)。HCV NS3プロテアーゼ酵素に対するナノモル濃度の効力が、高分子エグリンcに基づく選択的阻害剤の設計により達成されている。ヒルから単離されたエグリンcは、ストレプトマイセス・グリセウス(S. griseus)プロテアーゼAおよびB、α−キモトリプシン、キマーゼおよびスブチリシンのような数種のセリンプロテアーゼ類の強力な阻害剤である。Qasim M.A. et al., Biochemistry 36: 1598-1607, 1997。
HCV処置のためのプロテアーゼ阻害剤を開示する米国特許は、例えば、HCVエンドペプチダーゼ2を阻害するためのシステインプロテアーゼ阻害剤群を開示するSpruce et alの米国特許6,004,933(その全体を引用により本明細書に包含させる);C型肝炎ウイルスNS3プロテアーゼの合成阻害剤を開示するZhang et al.の米国特許5,990,276(その全体を引用により本明細書に包含させる);Reyes et al.の米国特許5,538,865(その全体を引用により本明細書に包含させる)を含む。HCVのNS3セリンプロテアーゼ阻害剤としてのペプチド類は、Corvas International, Inc.のWO02/008251およびWO02/08187およびSchering CorporationのWO02/008256(それらの全体を引用により本明細書に包含させる)に開示されている。HCV阻害剤トリペプチド類は、Boehringer Ingelheimの米国特許6,534,523、6,410,531および6,420,380およびBristol Myers SquibbのWO02/060926(それらの全体を引用により本明細書に包含させる)に開示されている。HCVのNS3セリンプロテアーゼ阻害剤としてのジアリールペプチド類は、Schering CorporationのWO02/48172(引用により本明細書に包含させる)に開示されている。HCVのNS3セリンプロテアーゼ阻害剤としてのイミダゾリジノン類は、Schering CorporationのWO02/18198およびBristol Myers SquibbのWO02/48157(それらの全体を引用により本明細書に包含させる)に開示されている。Vertex PharmaceuticalsのWO98/17679およびBristol Myers SquibbのWO02/48116もHCVプロテアーゼ阻害剤を開示する(それらの全体を引用により本明細書に包含させる)。
Boehringer IngelheimのBILN 2061、VertexのVX-950、Schering-PloughのSCH 6/7、TMC-435350(Tibotec/Johnson&Johnson)および他の化合物を含むHCV NS3−4Aセリンプロテアーゼ阻害剤は現在前臨床開発中である;
アルファケトアミド類およびヒドラジノウレア類および親電子物質、例えばボロン酸またはホスホネートで終わる阻害剤を含む基質に基づいたNS3プロテアーゼ阻害剤;非基質に基づいたNS3プロテアーゼ阻害剤、例えばRD3-4082およびRD3-4078(前者はアミドを14個の炭素鎖で置換され、後者はパラ−フェノキシフェニル基を有する)を含む2,4,6−トリヒドロキシ−3−ニトロ−ベンズアミド誘導体;およびSch68631、フェナントレンキノン、HCVプロテアーゼ阻害剤。
真菌ペニシリウム・グリセオフルバムから単離されたSch 351633はプロテアーゼ阻害剤として同定された。ヒルから単離されたエグリンcは、ストレプトマイセス・グリセウス(S. griseus)プロテアーゼAおよびB、a−キモトリプシン、キマーゼおよびスブチリシンのような数種のセリンプロテアーゼ類の強力な阻害剤である。
米国特許6004933(その全体を引用により本明細書に包含させる)は、HCVエンドペプチダーゼ2を阻害するためのシステインプロテアーゼ阻害剤群;HCV NS3プロテアーゼ(pat)の合成阻害剤、HCV阻害剤トリペプチド類(pat)、ジアリールペプチド類、例えばHCVのNS3セリンプロテアーゼ阻害剤(pat)、イミダゾリジンジオン類、例えばHCVのNS3セリンプロテアーゼ阻害剤(pat)を開示する。
チアゾリジン類およびベンズアニリド類(ref)。NS3/4A融合タンパク質およびNS5A/5B基質を用いた逆相HPLCアッセイで適切な阻害を示すチアゾリジン誘導体、特に長アルキル鎖で置換された縮合シンナモイル基を有する化合物RD-1-6250、RD4 6205およびRD4 6193。
Bristol-Myers SquibbのBMS-790052および他の化合物を含むHCV NS5A阻害剤は現在前臨床開発中である。
ストレプトミセス属の発光培養液から単離されたSDS−PAGEおよびオートラジオグラフィーアッセイにおいてプロテアーゼに対する活性を有するフェナントレンキノン、Sch 68631およびおよび真菌ペニシリウム・グリセオフルバムから単離され、シンチレーション近接アッセイで活性が証明されたSch 351633。
(7) HCV NS5B RNA依存性RNAポリメラーゼのヌクレオシドまたは非ヌクレオシド阻害剤、例えばWO2004/002422A2(その全体を引用により本明細書に包含させる)に開示の2’−C−メチル−3’−O−L−バリンエステルリボフラノシルシチジン(Idenix)、R803(Rigel)、JTK-003(日本たばこ)、HCV−086(ViroPharma/Wyeth)および他の化合物は現在前臨床開発中である;
グリオトキシン(ref)および天然産物セルレニン;
2’−フルオロヌクレオシド類;
WO02/057287 A2、WO02/057425 A2、WO01/90121、WO01/92282および米国特許6,812,219に開示の他のヌクレオシドアナログ(それらの全体を引用により本明細書に包含させる)。
Idenix Pharmaceuticalsは、国際公開WO01/90121およびWO01/92282(それらの全体を引用により本明細書に包含させる)において、フラビウイルス(HCVを含む)およびペスチウイルスの処置における分枝ヌクレオシド類の使用を開示している。特に、ヒトおよび他の宿主動物におけるC型肝炎感染(およびフラビウイルスおよびペスチウイルス)の処置方法がIdenix公報に開示されており、有効量の生物学的活性1’、2’、3’または4’−分枝B−DまたはB−Lヌクレオシド類またはその薬学的に許容される塩もしくはプロドラッグを単独でまたは他の抗ウイルス剤と組み合わせて、場合により薬学的に許容される担体中で投与することを含む。テルビブジンを含むある好ましい生物学的活性1’、2’、3’または4’−分枝B−DまたはB−Lヌクレオシド類が米国特許6,395,716および6,875,751に記載され、その各々を引用により本明細書に包含させる。
あるヌクレオシドアナログのC型肝炎ウイルス処置における使用を開示する他の特許出願は次のものを含む:BioChem Pharma, Inc.(現在Shire Biochem, Inc.)により出願されたPCTCA00/01316(WO01/32153;出願日2000年11月3日)およびPCT/CA01/00197(WO01/60315;出願日2001年2月19日);Merck & Co., Inc.により出願されたPCT/US02/01531(WO02/057425;出願日2002年1月18日)およびPCT/US02/03086(WO02/057287;出願日2002年1月18日)、Rocheにより出願されたPCT/EP01/09633(WO02/18404;公開日2001年8月21日)およびPharmasset, Ltd.のPCT公開WO01/79246(出願日2001年4月13日)、WO02/32920(出願日2001年10月18日)およびWO02/48165(これらの開示はその全体を引用により本明細書に包含させる)
Emory Universityの“2’−フルオロヌクレオシド類”と題するPCT公開WO99/43691(その全体を引用により本明細書に包含させる)はHCVを処置するためのある種の2’−フルオロヌクレオシド類の使用を開示する。
Eldrup et al.(Oral Session V, Hepatitis C Virus, Flaviviridae; 16th International Conference on Antiviral Research (April 27, 2003, Savannah, GA))は、HCVの阻害について2’−修飾ヌクレオシド類の構造活性相関を開示する。
Bhat et al. (Oral Session V, Hepatitis C Virus, Flaviviridae, 2003 (Oral Session V, Hepatitis C Virus, Flaviviridae; 16th International conference on Antiviral Research (April 27, 2003, Savannah, GA); p A75))は、HCV RNA複製の可能な阻害剤としてヌクレオシドアナログの合成および薬物動態学的特性を記載する。著者らは2’−修飾ヌクレオシド類が細胞ベースのレプリコンアッセイで強力な阻害活性を示すことを報告している。
Olsen et al. (Oral Session V, Hepatitis C Virus, Flaviviridae; 16th International Conference on Antiviral Research (April 27, 2003, Savannah, Ga) p A76)はまたHCV RNA複製に対する2’−修飾ヌクレオシド類の効果も記載する。
(8) ヌクレオチドポリメラーゼ阻害剤およびグリオトキシン(Ferrari R. et al. Journal of Virology, 1999, 73, 1649-1654)および天然産物セルレニン(Lohmann V. et al. Virology, 1998, 249, 108-118);
(9) HCV NS3ヘリカーゼ阻害剤、例えばViroPhamaのVP_50406およびVertexの化合物。他のヘリカーゼ阻害剤(Diana G.D. et al., Compounds, compositions and methods for treatment of hepatitis C、米国特許5,633,358(その全体を引用により本明細書に包含させる);Diana G.D. et al., Piperidine derivatives, pharmaceutical compositions thereof and their use in the treatment of hepatitis C、PCT WO97/36554);
(10) ウイルスの5’非コード領域(NCR)にわたる配列に相補的なアンチセンスホスホロチオエートオリゴデオキシヌクレオチド類(S−ODN)(Alt M. et al., Hepatology, 1995, 22, 707-717)またはNCRの3’末端を含むヌクレオチド326〜348およびHCV RNAのコアコード領域に位置するヌクレオチド371〜388(Alt M. et al., Archives of Virology, 1997, 142, 589-599; Galderisi U. et al., Journal of Cellular Physiology, 199, 181, 251-257);例えばIsis Pharm/ElanのISIS 14803、Hybridonのアンチセンス、AVI bioPharmaのアンチセンス、
(11) IRES依存性翻訳の阻害剤(池田 信ら、C型肝炎の予防・治療剤、特開平08−268890;甲斐 康信ら、ウイルス感染症の予防・治療剤、特開平10−101591);例えばIsis Pharm/ElanのISIS 14803、AnadysのIRES阻害剤、ImmusolのIRES阻害剤、PTC Therapeuticsの標的RNA化学、
(12) リボザイム類、例えばヌクレアーゼ抵抗性リボザイム類(Maccjak, D.J. et al., Hepatology 1999, 30, abstract 995)およびBarber et al.の米国特許6,043,077ならびにの米国特許5,869,253および5,610,054に開示のもの(それらの全体を引用により本明細書に包含させる)、例えば、RPIのHEPTAZYME、
(13) HCVゲノムに対するsiRNA、
(14) 他のあらゆる機構のHCV複製阻害剤、例えばVP50406ViroPharama/Wyeth、Achillion, Arrowの阻害剤、
(15) ウイルス侵入、集合および成熟を含むHCV生活環の他の標的の阻害剤、
(16) 免疫調節剤、例えばIMPDH阻害剤、ミコフェノール酸、その塩またはプロドラッグミコフェノール酸ナトリウムまたはミコフェノール酸モフェチルまたはMerimebodib(VX-497);チモシンアルファ−1(SciCloneのZadaxin);またはS1P受容体アゴニスト、例えばFTY720または場合によりリン酸化されていてよいそのアナログ。
(17) 抗線維化剤、例えばN−フェニル−2−ピリミジン−アミン誘導体、イマチニブ(Gleevac)、IndevusのIP-501およびInterMuneのインターフェロンガンマ1b、
(18) Intercellの治療的ワクチン、Epimmune/Genecor、Merix、Tripep(Chron-VacC)、Avantの免疫療法(Therapore)、CellExSysのT細胞治療、STLのモノクローナル抗体XTL-002、AnadysのANA 246およびANA 246、
(19) 1−アミノ−アルキルシクロヘキサン類(Gold et al.の米国特許6,034,134)、アルキル脂質(Chojkier et al.の米国特許5,922,757)、他の抗酸化剤(Chojkier et al.の米国特許5,922,757)、アマンタジン、胆汁酸類(Ozeki et al.の米国特許5,846,99964)、N−(ホスホノアセチル)−L−アスパラギン酸(Diana et al.の米国特許5,830,905)、ベンゼンジカルボキサミド類(Diane et al.の米国特許5,633,388)、ポリアデニル酸誘導体(Wang et al.の米国特許5,496,546)、2’3’−ジデオキシイノシン(Yarchoan et al.の米国特許5,026,687)、ベンゾイミダゾール類(Colacino et al.の米国特許5,891,874)、植物抽出物(Tsai et al.の米国特許5,837,257、Omer et al.の米国特許5,725,859および米国特許6,056,961)およびピペリジン類(Diana et al.の米国特許5,830,905)のような他の雑多な化合物;これらの開示はその全体を引用により本明細書に包含させる。またスクアレン、テルビブジン、N−(ホスホノアセチル)−L−アスパラギン酸、ベンゼンジカルボキサミド類、ポリアデニル酸誘導体、糖鎖付加阻害剤およびウイルス感染による傷害から細胞を遮断する非特異的細胞保護剤。
(20) インターロイキン−10(Schering-Plough)、Endo Labs Solvayのアマンタジン(Symmetrel)、Idun Pharmaのカスパーゼ阻害剤IDN-6556、ChironのHCV/MF59、NABIのCIVACIR(C型肝炎免疫グロブリン)、MaximのCEPLENE(ヒスタミンジクロライド)、Idun PHARMのIDN-6556、Tularikのベータ−チューブリン阻害剤であるT67、InnogeneticsのE2に対するワクチン、Fujisawa HelathcareのFK788、IdB1016(Siliphos、経口シリビン−ホスファチジルコリンフィトソーム)、Trimerisの融合阻害剤、ImmtechのDication、Aethlon Medicalのhemopurifier、United TherapeuticsのUT 231Bを含む、HCVの処置において現在前臨床または臨床開発中のあらゆる他の化合物。
(21) Anadysにより開発されたTlR7(トール様受容体)のプリンヌクレオシドアナログアンタゴニスト、例えば、欧州出願EP348446およびEP636372、国際公開WO03/045968、WO05/121162およびWO05/25583および米国特許6/973322(その各々を引用により本明細書に包含させる)に記載のIsotorabine(ANA245)およびそのプロドラッグ(ANA975)。
(22) Genelabsにより開発され、国際公開WO2004/108687、WO2005/12288およびWO2006/076529(その各々を引用により本明細書に包含させる)に記載された非ヌクレオシド阻害剤。
(23) 本発明の化合物と組み合わせて使用し得る他の併用剤(例えば、非免疫調節性または免疫調節性化合物)は、WO02/18369およびWO2008021927A2(例えば、BMS−790052)に具体化されたものを含むが、これらに限定されず、これらの化合物の構造は引用により本明細書に包含させる。
本発明の方法および使用などは、一患者への式(I)の化合物およびビタミンE(および任意の治療剤)の投与を含むことを意図し、これらの薬剤が必ずしも同じ投与経路でまたは同時に投与されないレジメンを含むことを意図する。固定された組み合わせもまた本発明の範囲内である。
HCV関連障害における使用
式(I)の化合物は価値ある薬理学的特性を有し、疾患の処置に有用である。ある態様において、本発明の化合物はHCV関連障害の処置に、例えば、HCV感染を処置する薬剤として有用である。
用語“使用”は、適当であり、好都合である限り、特にことわらない限り、それぞれ本発明の次の態様のいずれか一つ以上を含む:HCV関連障害の処置における使用;これらの疾患の処置に使用するための医薬組成物の製造のための、例えば、医薬の製造における、使用;これらの疾患の処置における本発明の化合物の使用方法;これらの疾患を処置するための本発明の化合物を含む医薬製剤;およびこれらの疾患の処置に使用するための本発明の化合物。特に、処置すべき疾患および故に本発明の使用のために好ましいのは、HCV感染に対応するものを含むHCV関連障害、ならびにNS3、NS4A、NS4B、NS5AおよびNS5Bタンパク質またはNS3−NS4A、NS4A−NS4B、NS4B−NS5AまたはNS5A−NS5B複合体の1種以上の活性に依存する疾患から選択される。用語“使用”は、さらに、蛍光または標識と結合したとき、または放射活性にしたとき、研究試薬としてまたは診断剤または造影剤として使用できるように、トレーサーまたは標識として働くHCVタンパク質に十分に結合する組成物の態様を含む。
ある態様において、本発明はHCV関連疾患の処置に使用し、他の態様において、本発明は1種以上のHCVの阻害剤として使用する。使用が1種以上のHCV株の阻害の処置であり得ることが想定される。
アッセイ
HCV活性阻害は、当分野で利用可能な多くのアッセイを使用して測定し得る。このようなアッセイの例は、引用によりその全体を本明細書に包含させるAnal Biochem. 1996 240(1): 60-7に見ることができる。HCV活性測定のためのアッセイも下の実験の章に記載する。
合成法
式(I)の化合物は、下記の条件の1個以上を含む(これらに限定されない)、当業者に既知の手順を用いて、通常利用可能な化合物から製造される。
本願明細書の範囲内で、式(I)の化合物の特定の望ましい最終生成物を構成しない、容易に除去される基は、特記しない限り“保護基”と呼ばれる。このような保護基による官能基の保護、保護基自身、およびその脱保護反応は、例えば、標準的な参考文献、例えばScience of Synthesis: Houben-Weyl Methods of Molecular Transformation. Georg Thieme Verlag, Stuttgart, Germany. 2005. 41627 pp. (URL: http: //www.science-of-synthesis.com (Electronic Version, 48 Volumes))に;J. F. W. McOmie, “Protective Groups in Organic Chemistry”, Plenum Press, London and New York 1973に;T. W. Greene and P. G. M. Wuts, “Protective Groups in Organic Synthesis”, Third edition, Wiley, New York 1999に;“The Peptides”; Volume 3 (editors: E. Gross and J. Meienhofer), Academic Press, London and New York 1981に;“Methoden der organischen Chemie”(Methods of Organic Chemistry), Houben Weyl, 4th edition, Volume 15/I, Georg Thieme Verlag, Stuttgart 1974; H.-D. Jakubke and H. Jeschkeit, “Aminosaeuren, Peptide, Proteine”(Amino acids, Peptides, Proteins), Verlag Chemie, Weinheim, Deerfield Beach, and Basel 1982に;および Jochen Lehmann, “Chemie der Kohlenhydrate: Monosaccharide und Derivate”(Chemistry of Carbohydrates: Monosaccharides and Derivatives), Georg Thieme Verlag, Stuttgart 1974に記載されている。保護基の特性は、例えば加溶媒分解、還元、光分解によって、または、生理学的条件下で(例えば酵素による切断によって)、容易に(すなわち望ましくない副反応を起こすことなく)除去され得ることである。
異性体の混合物は、それ自身既知の方法で、個々の異性体に分離され得る。ジアステレオアイソマーは、例えば、多相性溶媒混合物間で分配することによって、再結晶によって、および/または、例えばシリカゲルのクロマトグラフィーによる分離によって、あるいは、例えば逆相カラムの中速液体クロマトグラフィーによって、分離され得る。また、ラセミ化合物は、例えば光学的に純粋な塩形成反応剤と塩を形成し、得られたジアステレオアイソマーの混合物を、例えば分別結晶によって分離することによって、あるいは、光学活性なカラム物質によるクロマトグラフィーによって、分離され得る。
中間体および最終生成物は、標準的な方法によって、例えばクロマトグラフィー法、分配法、結晶化(再結晶)などを用いて、後処理/精製され得る。
一般的な工程の条件
以下の条件は、一般的に、本明細書全体に記載された全ての工程に適用する。
本発明の化合物を合成する工程は、特記した反応条件を含むそれ自身既知の反応条件下で、例えば用いられる反応剤に対して不活性であってそれらを溶解する溶媒または希釈剤を含む溶媒または希釈剤の非存在下または慣例的には存在下で、触媒、縮合剤または中和剤、例えばイオン交換剤、例えばH+形態のカチオン交換剤の非存在下または存在下で、反応および/または反応剤の性質に応じて、低温で、通常の温度で、または高温で、例えば約−80℃から約150℃、例えば−80から−60℃を含む−100℃から約190℃の温度範囲で、室温で、−20から40℃で、または還流温度で、大気圧でまたは加圧下で、および/または、不活性雰囲気中、例えばアルゴンまたは窒素雰囲気下が適切であるとき、密閉した容器中で、行われ得る。
反応の全ての段階で、形成された異性体混合物は、例えばScience of Synthesis: Houben-Weyl Methods of Molecular Transformation. Georg Thieme Verlag, Stuttgart, Germany. 2005に記載された方法と同様の方法で、個々の異性体、例えばジアステレオアイソマーまたはエナンチオマー、あるいは、何れかの望ましい異性体混合物、例えばラセミ化合物またはジアステレオアイソマーの混合物に分離され得る。
何れかの特定の反応に適当な溶媒が選択され得る溶媒は、特記した溶媒を含み、例えば、工程の説明において特記しない限り、水、エステル類、例えば低級アルキル−低級アルカノエート、例えば酢酸エチル、エーテル類、例えば脂肪族エーテル類、例えばジエチルエーテル、あるいは、環状エーテル、例えばテトラヒドロフランまたはジオキサン、液体芳香族性炭化水素、例えばベンゼンまたはトルエン、アルコール類、例えばメタノール、エタノールまたは1−もしくは2−プロパノール、ニトリル類、例えばアセトニトリル、ハロゲン化炭化水素、例えば塩化メチレンまたはクロロホルム、酸アミド類、例えばジメチルホルムアミドまたはジメチルアセトアミド、塩基、例えばヘテロ環窒素塩基、例えばピリジンまたはN−メチルピロリジン−2−オン、カルボン酸無水物、例えば低級アルカン酸無水物、例えば無水酢酸、環状、直鎖または分枝鎖の炭化水素、例えばシクロヘキサン、ヘキサンまたはイソペンタン、あるいは、これらの溶媒の混合物、例えば水溶液である。このような溶媒混合物はまた、クロマトグラフィーまたは分配による後処理において用いられ得る。
塩を含む化合物はまた、水和物の形態でも得られ、あるいは、その結晶は、例えば、結晶化に用いられる溶媒を含み得る。異なる結晶形が存在してもよい。
本発明はまた、工程の何れかの段階で中間体として得られる化合物が出発物質として用いられ、残りの工程が行われる形式の工程、あるいは、出発物質が、反応条件下で形成されるかまたは誘導体の形態、例えば保護された形態または塩の形態で用いられるか、または、本発明による工程によって得られる化合物が工程の条件下で生産され、そのままさらなる工程にかけられる形式の工程に関する。
本発明の例示
本発明を次の実施例によりさらに説明するが、これは本発明の範囲を限定するものと解釈してはならない。これらのアッセイにおける効果の証明は対象における効果を予測する。次の図を示す。
一般的合成方法
式(I)の化合物の合成に使用する全ての出発物質、構成要素、反応材、酸類、塩基類、脱水剤、溶媒および触媒は市販されているか、または当業者に知られた有機合成方法により製造できる(Houben-Weyl 4th Ed. 1952, Methods of Organic Synthesis, Thieme, Volume 21)。さらに、式(I)の化合物は、次の実施例に示すとおり、当業者に知られた有機合成方法により製造できる。
中間体Iの製造:
工程1a:
Winum et al(Organic Letters 2001, 3, 2241)に従い製造したN−(tert−ブトキシカルボニル)−N−[4−(ジメチルアザニウムイリデン)−1,4−ジヒドロピリジン−1−イルスルホニル]アザニド(3g;9.955mmol)のDCM(24mL)懸濁液をピロリジン(0.864mL;10.453mmol)で処理し、rtで24時間撹拌した。反応混合物をシリカゲルFC(溶離剤:CH2Cl2/EtOAc 100:1)でクロマトグラフィーに付して、[N−(tert−ブトキシカルボニル)]−ピロリジン−1−スルホン酸アミドを得た。TLC: Rf (DCM/EtOAc 100: 1) = 0.40。[N−(tert−ブトキシカルボニル)]−ピロリジン−1−スルホン酸アミド(57.09g;223mmol)のDCM(450mL)溶液をTFA(120mL;1.56mol)で処理し、rtで7時間撹拌した。反応混合物を真空で濃縮し、残存油状物をジイソプロピルエーテルで摩砕した。得られた粉末をジイソプロピルエーテルで洗浄し、高真空下に乾燥させて、化合物1aを得た。TLC: Rf (DCM/EtOAc 50: 1) = 0.10
工程1b:
WO2000/09558に記載の方法に従い製造した(1R,2S)−1−tert−ブトキシカルボニルアミノ−2−ビニル−シクロプロパンカルボン酸(8.24g;36.3mmol)のTHF(160mL)溶液をCDI(9.09g;54.4mmol)で処理し、1時間加熱還流した。得られた反応混合物をrtに冷却し、化合物1a(7.62g;50.8mmol)、DBU(8.28g;54.4mmol)で処理した。16時間、rtの後、反応混合物を濃縮し、残渣をDCMに溶解し、飽和KHSO4水溶液(3×)で洗浄した。水相をDCMで抽出し、有機物を併せ、Na2SO4で乾燥させ、真空で濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィーに付して(溶離剤:ヘキサン/EtOAc 4:1)、化合物1bを得た。LCMS (方法F) Rt = 3.21 min; MS (方法J): M/z = 358 [M-1]
工程1c:
化合物1b(7.84g;21.81mmol)を4N HClのジオキサン溶液(84mL)でrtで処理した。1.5時間後、反応混合物を高真空下で濃縮して、化合物1cをその塩酸塩として得た。LCMS (方法E) Rt = 1.10 min; MS (方法J): M/z = 260 [M+1]
工程1d:
(5R,8S)−10,10−ジメチル−7−アザ−ジスピロ[3.0.4.1]デカン−7,8−ジカルボン酸7−tert−ブチルエステルを、同時係属国際特許出願PCT/EP08/063460の113頁12行目から114頁7行目(この段落を引用により明示的に本明細書に包含させる)の方法に従い製造する。化合物1c塩酸塩(1.363g;4.01mmol)および(5R,8S)−10,10−ジメチル−7−アザ−ジスピロ[3.0.4.1]デカン−7,8−ジカルボン酸7−tert−ブチルエステル(1.24g;4.01mmol)のDMF(20mL)溶液をDIPEA(2.745mL;16.03mmol)で処理し、0℃に冷却し、HBTU(1.9g;5.01mmol)で処理した。反応混合物を0℃で1時間、rtで19時間撹拌し、水およびEtOAcに分配した。有機物を飽和KHSO4水溶液、NaCO3および水で連続的に洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、真空で濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィーに付して(溶離剤:DCM/MeOH 50:1)、化合物1dを得た。TLC: Rf (DCM/MeOH 98: 2) = 0.28; MS (方法J): M/z = 549 [M-1]
工程1e:
化合物1e塩酸塩を、化合物1d(0.296g;0.537mmol)から、工程1cに記載の方法に従い得た。TLC: Rf (DCM/MeOH 9: 1) = 0.48; MS (方法J): M/z = 451 [M+1]
工程1f:
化合物1e(0.287g;0.536mmol)およびBOC−L−tert−ロイシン(0.248g;1.072mmol)のDCM(15mL)溶液を0℃に冷却し、DIPEA(0.46mL;2.68mmol)およびHATU(0.611g;1.608mmol)で処理した。反応混合物をrtで20時間撹拌し、真空で濃縮し、残渣を分取HPLC(方法K)で精製した。後処理後(後処理2=フラクションをNaHCO3で処理し、濃縮した。残渣を水およびEtOAcに分配し、EtOAcで抽出した。有機物を併せ、Na2SO4で乾燥させ、濃縮した)、化合物1fを得た。TLC: Rf (DCM/MeOH 96: 4) = 0.70; MS (方法J): M/z = 662 [M-1]
工程1g:
化合物1g塩酸塩を化合物1f(0.204g;0.307mmol)から、工程1cに記載の方法に従い得た。TLC: Rf (DCM/MeOH 9: 1) = 0.39; MS (方法J): M/z = 564 [M+1]
工程1h:
化合物1g(1.845g;3.07mmol)およびBOC−L−シクロヘキシルグリシン(1.582g;6.15mmol)のDCM(65mL)溶液を0℃に冷却し、DIPEA(2.68mL;15.37mmol)、HATU(3.51g;9.22mmol)で処理した。16時間、rtの後、反応混合物をDCMおよび1N HClに分配し、有機物を飽和NaHCO3水溶液で抽出し、Na2SO4で乾燥させ、濃縮した。分取HPLC(方法K)、後処理(後処理2)による精製により、化合物1hを得た。LC-MS (方法E): Rt = 3.18 min; M/z = 826 [M+Na]
工程1i:
中間体I塩酸塩を化合物1h(1.64g;2.042mmol)から、工程1cに記載の方法に従い得た。LC-MS (方法E): Rt = 1.95 min; M/z = 703 [M+1]
中間体IIの製造:
工程2a:
(5R,8S)−10,10−ジメチル−7−アザ−ジスピロ[3.0.4.1]デカン−7,8−ジカルボン酸7−tert−ブチルエステル(32.84g;106mmol)のDMF(1L)をK2CO3(22.00g;159mmol)、ヨウ化メチル(9.93mL;159mmol)で処理した。反応混合物をrtで18時間撹拌し、真空で濃縮した。得られた残渣を水およびEtOAcに分配し、EtOAcで抽出した。有機物を併せ、塩水で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィーに付して(溶離剤DCM/エチルエーテル120:1)、化合物2aを得た。TLC: Rf (DCM/エチルエーテル 120: 1) = 0.22; MS (方法J): M/z = 346 [M+Na]
工程2b:
化合物2b塩酸塩を化合物2a(6.3g;19.48mmol)から、工程1cに記載の方法に従い得た。MS (方法J): M/z = 224 [M+1]
工程2c:
化合物2cを化合物2b塩酸塩(7.33g;27.93mmol)から工程1fに記載の方法に従い得て、シリカゲルクロマトグラフィー(溶離剤シクロヘキサン/EtOAc 1:1)に付して、得た。TLC: Rf (ヘキサン/EtOAc 4: 1) = 0.37; MS (方法J): M/z = 437 [M+1]
工程2d:
化合物2d塩酸塩を、化合物2c(10.55g;24.16mmol)から、工程1cに記載の方法に従い得た。TLC: Rf (DCM/MeOH 95: 5) = 0.39; MS (方法J): M/z = 337 [M+1]
工程2e:
化合物2eを、化合物2d(0.2g;0.456mmol)から、工程1hに記載の方法に従い得た。LC-MS (方法G): Rt = 2.21 min; M/z = 598 [M+Na]
工程2f:
化合物2e(1.136g;1.973mmol)およびLiOH.H2O(0.09g;2.17mmol)のTHF/MeOH/水(6mL;2:1:1)中の混合物を、rtで16時間撹拌した。反応混合物を水およびEtOAcに分配した。水相を1N HClで酸性化し、EtOAcで抽出した。有機物を併せ、Na2SO4で乾燥させ、濃縮して残渣を得て、それをシリカゲルクロマトグラフィーに付して(DCM/MeOH 100%〜9:1)、化合物2fを得た。LC-MS (方法G): Rt = 1.99 min; M/z = 562 [M+1]
工程2g:
化合物2f(0.050g;0.089mmol)およびピロリジン−1−スルホン酸((1R,2R)−1−アミノ−2−エチル−シクロプロパンカルボニル)−アミド(0.030g;0.093mmol)のDCM(2mL)溶液を0℃に冷却し、tDIPEA(0.078mL;0.445mmol)およびHATU(0.102g;0.267mmol)で処理した。反応混合物をrtで2時間撹拌し、DCMおよび1N HClに分配した。有機物を飽和NaHCO3水溶液で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、真空で濃縮して、残渣を得て、それを分取HPLCで精製した。後処理後(後処理2)、化合物2gを得た。LC-MS (方法G): Rt = 2.25 min; M/z = 828 [M+Na]
工程2h:
中間体II塩酸塩を化合物2g(0.02g;0.025mmol)から、工程1cに記載の方法に従い得た。LC-MS (方法G): Rt = 1.59 min; M/z = 706 [M+1]
中間体IIIの製造:ピロリジン−1−スルホン酸((1R,2R)−1−アミノ−2−エチル−シクロプロパンカルボニル)−アミド:
工程3a:
WO20009558に記載の方法に従い製造した(1R,2S)−1−tert−ブトキシカルボニルアミノ−2−ビニル−シクロプロパンカルボン酸メチルエステル(60.16g;249mmol)の2L EtOH溶液を、Rh−Al2O3(5g)での触媒によりRTでH2下水素化した。完了したら、触媒を濾別し、溶液を高真空下で濃縮して、化合物3aを得た。MS (方法J): M/z = 266 [M+Na]
工程3b:
化合物3a(10g;41.1mmol)およびLiOH.H2O(5.17g;123mmol)のTHF/MeOH/水(440mL;2:1:1)中の混合物をrtで20時間撹拌した。反応混合物を濃縮した。得られた水相をEtOAcで洗浄し、5℃に冷却し、6N HClで酸性化し、EtOAcで抽出した。有機物を併せ、Na2SO4で乾燥させ、濃縮して、残渣を得て、それをシクロヘキサンから結晶化して、化合物3bを得た。LC-MS (方法G): Rt = 1.40 min; M/z = 252 [M+Na]
工程3c:
化合物3cを化合物3b(5g;21.81mmol)から、工程1bに記載の方法に従い得た。LC-MS (方法D): Rt = 1.91 min; M/z = 360 [M-1]
工程3d:
ピロリジン−1−スルホン酸((1R,2R)−1−アミノ−2−エチル−シクロプロパンカルボニル)−アミド塩酸塩を化合物3c(4.602g;12.73mmol)から、工程1cに記載の方法に従い得た。LC-MS (方法E): Rt = 1.06 min; M/z = 262 [M+1]
実施例1:化合物13
(S)−1−イソプロピル−ピペリジン−2−カルボン酸(1.39g;8.11mmol)のDMF(150mL)懸濁液をHATU(3.86g;10.14mmol)およびDIPEA(3.54mL;20.29mmol)で処理し、RTで撹拌した。得られた溶液を中間体I塩酸塩(5g;6.76mmol)で処理し、RTでアルゴン下、1時間撹拌した。反応混合物をEtOAcに溶解し、水で洗浄した。水性相をEtOAcで抽出した。有機物を併せ、飽和NaHCO3水溶液で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濃縮して、褐色油状物を得た。シリカゲルFC(溶離剤:シクロヘキサン〜シクロヘキサン/アセトン 3:2)で精製して、化合物1を泡状物として得た。TLC: Rf(シクロヘキサン/アセトン 3: 2) = 0.23; LC-MS (方法E): M/z = 856 [M+1]; HPLC(方法D): Rt = 2.13 min; 1H-NMR (500 MHz, DMSO-d6): δ (ppm) = 10.2 (s, 1H), 9.6 (bs, 1H), 8.9 (d, 1H), 8.8 (s, 1H), 8.0 (d, 1H), 5.5 (dt, 1H), 5.2 (d, 1H), 5.1 (d, 1H), 4.55 (d, 1H), 4.35 (t, 1H), 4.15 (t, 1H), 4.05 (t, 1H), 3.4-3.65 (m, 5H), 3.3 (m, 4H), 3.1 (m, 2H), 2.85 (bs, 1H), 2.5 (t, 1H), 2.15 (m, 1H), 0.9-2.0 (m, 42H), 0.85 (s, 3H), 0.8 (s, 3H)
実施例2:化合物34
化合物2塩酸塩を中間体II(0.28g;0.378mmol)から、化合物1の製造について記載した方法に従い得た。HPLC(方法B): Rt = 3.70 min; MS (方法J) M/z = 858 [M+1]
1H-NMR (400 MHz, メタノール-d4): δ (ppm) = 8.4 (d, 1H), 4.75 (d, 1H), 4.3 (d, 1H), 4.2 (t, 1H), 3.95 (bs, 1H), 3.4-3.7 (m, 9H), 3.0 (m, 1H), 2.15 (m, 1H), 1.05-2.1 (m, 43H), 1.05 (s, 9H), 0.9 (s, 3H), 0.95 (s, 3H)
次の化合物を類似の方法で製造した:
実施例3:化合物15
1H-NMR (500 MHz, DMSO-d6): δ (ppm) = 10.1 (s, 1H), 9.15 (bs, 1H), 8.75 (s, 1H), 8.65 (d, 1H), 8.0 (d, 1H), 5.5 (m, 1H), 5.2 (d, 1H), 5.1 (d, 1H), 4.55 (d, 1H), 4.4 (t, 1H), 4.25 (m, 1H), 4.1 (t, 1H), 3.4-3.6 (m, 4H), 3.2 (m, 1H), 2.3 (m, 1H), 2.1 (m, 1H), 1.2 (d, 3H), 1.15 (d, 3H), 0.9-2.0 (m, 32H), 0.95 (s, 9H), 0.85 (s, 3H), 0.8 (s, 3H)
実施例4:化合物37
1H-NMR (400 MHz, メタノール-d4): δ (ppm) = 8.4 (d, 1H), 5.75 (dt, 1H), 5.2 (d, 1H), 5.1 (d, 1H), 4.7 (d, 1H), 4.3 (d, 1H), 4.2 (t, 1H), 3.8 (bs, 1H), 3.35-3.7 (m, 7H), 2.9-3.3 (m, 3H), 2.2 (m, 1H), 1.1-2.1 (m, 35H), 1.05 (s, 9H), 0.9 (s, 3H), 0.95 (s, 3H)
実施例5:化合物63
1H-NMR (500 MHz, DMSO-d6): δ (ppm) = 10.2 (s, 1H), 8.8 (s, 1H), 8.05 (d, 1H), 7.75 (d, 1H), 5.55 (m, 1H), 5.2 (d, 1H), 5.1 (d, 1H), 4.5 (d, 1H), 4.4 (t, 1H), 4.1 (t, 1H), 3.5 (m, 2H), 3.2 (m, 4H), 3.1 (bs, 1H), 2.8 (m, 1H), 2.4 (m, 2H), 2.2 (m, 1H), 2.1 (m, 2H), 1.5-1.95 (m, 17H), 1.25 (t, 1H), 0.9-1.15 (m, 24H), 0.85 (s, 3H), 0.8 (s, 3H)
実施例6:化合物65
1H-NMR (500 MHz, DMSO-d6): δ (ppm) = 10.15 (s, 1H), 9.5 (t, 1H), 8.8 (m, 2H), 8.0 (d, 1H), 5.55 (dt, 1H), 5.2 (d, 1H), 5.1 (d, 1H), 4.55 (d, 1H), 4.35 (t, 1H), 4.1 (t, 1H), 4.0 (m, 1H), 3.6 (d, 1H), 3.5 (d, 1H), 3.3 (m, 5H), 2.9 (bs, 1H), 2.1 (m, 1H), 1.0-2.0 (m, 34H), 1.1 (t, 6H), 1.0 (s, 9H), 0.9 (s, 3H), 0.85 (s, 3H)
実施例7:化合物93
1H-NMR (500 MHz, DMSO-d6): δ (ppm) = 10.2 (s, 1H), 9.5 (bs, 1H), 8.75 (s, 1H), 8.65 (d, 1H), 8.0 (d, 1H), 5.55 (m, 1H), 5.2 (d, 1H), 5.1 (d, 1H), 4.5 (d, 1H), 4.4 (t, 1H), 4.1 (t, 1H), 3.75 (t, 1H), 3.5 (m, 2H), 3.15 (m, 2H), 3.0 (m, 1H), 2.75 (m, 3H), 2.65 (m, 3H), 2.1 (m, 1H), 1.05-2.0 (m, 28H), 1.05 (t, 3H), 0.9 (s, 9H), 0.85 (s, 3H), 0.8 (s, 3H)
実施例8:化合物95
1H-NMR (500 MHz, DMSO-d6): δ (ppm) = 10.2 (s, 1H), 9.56 (bs, 1H), 8.7 (m, 2H), 8.05 (d, 1H), 5.55 (m, 1H), 5.25 (d, 1H), 5.1 (d, 1H), 4.55 (d, 1H), 4.4 (t, 1H), 4.15 (t, 1H), 3.5 (m, 2H), 3.0-3.5 (m, 8H), 0.75-2.5 (m, 28H), 0.95 (s, 9H), 0.85 (s, 3H), 0.8 (s, 3H)
実施例9:化合物108
1H-NMR (500 MHz, DMSO-d6): δ (ppm) = 10.1 (s, 1H), 9.5 (bs, 1H), 8.8 (s, 1H), 8.75 (d, 1H), 8.05 (d, 1H), 6.0 (dt, 1H), 5.25 (d, 1H), 5.1 (d, 1H), 4.55 (m, 1H), 4.4 (m, 1H), 4.1 (t, 1H), 4.0 (m, 2H), 3.55 (m, 3H), 2.9 (m, 1H), 2.7 (s, 3H), 2.1 (m, 1H), 1.0-2.0 (m, 34H), 1.05 (t, 6H), 1.0 (s, 9H), 0.9 (s, 3H), 0.85 (s, 3H)
実施例10:化合物120
1H-NMR (500 MHz, DMSO-d6): δ (ppm) = 10.1 (s, 1H), 9.4 (bs, 1H), 8.8 (s, 1H), 8.75 (d, 1H), 8.05 (d, 1H), 5.6 (dt, 1H), 5.2 (d, 1H), 5.05 (d, 1H), 4.55 (d, 1H), 4.35 (t, 1H), 4.1 (t, 1H), 3.95 (t, 1H), 3.5 (m, 2H), 3.35-3.4 (m, 4H), 3.2 (m, 2H), 2.85 (bs, 1H), 2.1 (m, 1H), 0.9-2.0 (m, 50H), 0.85 (s, 3H), 0.8 (s, 3H)
実施例11:化合物142
1H-NMR (500 MHz, DMSO-d6): δ (ppm) = 10.15 (s, 1H), 9.5 (bs, 1H), 8.75 (d, 1H), 8.65 (s, 1H), 8.05 (d, 1H), 4.55 (d, 1H), 4.4 (t, 1H), 4.1 (t, 1H), 4.0 (t, 1H), 3.55 (m, 2H), 3.45 (m, 1H), 3.15 (m, 1H), 3.05 (m, 1H), 2.85 (m, 1H), 2.77 (s, 3H), 0.75-2.0 (m, 45H), 0.95 (s, 9H), 0.85 (s, 3H), 0.8 (s, 3H)
実施例12:化合物99
100mg(0.14mmol)の(5R,8S)−7−[(2S)−2−{[(2S)−2−アミノ−2−シクロヘキシルアセチル]アミノ}−3,3−ジメチルブタノイル]−N−{(1R,2R)−2−エチル−1−[(ピロリジン−1−イルスルホニル)カルバモイル]シクロプロピル}−10,10−ジメチル−7−アザジスピロ[3.0.4.1]デカン−8−カルボキサミド(塩酸塩)、20mg(0.14mmol)の(S)−1−エチル−ピロリジン−2−カルボン酸(リチウム塩)、77mg(0.20mmol)のHATUおよび0.1mL(0.61mmol)のDIPEAの4mL DMF中の混合物をrtで1時間撹拌した。反応混合物をDCMで希釈し、10%KHSO4水溶液で洗浄した。水層をDCMで抽出し(3×)、併せた有機層を飽和NaHCO3水溶液で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、真空で濃縮した。粗製の生成物を分取HPLCで精製して、表題化合物を得た。LC-MS (方法E): Rt = 1.862 min; M/z = 830.5 [M+H]; HPLC(方法D): Rt = 2.093 min. 1H-NMR (500 MHz, DMSO-d6): d = 0.83 (s, 3 H), 0.86 (s, 3 H), 0.88-0.91 (m, 5 H), 0.93 (s, 9 H), 1.28-1.44 (m, 6 H), 1.52-1.80 (m, 22 H), 1.83-1.90 (m, 5 H), 2.04-2.07 (m, 1 H), 2.23-2.26 (m, 1 H), 2.40-2.47 (m, 2 H), 2.84-2.85 (m, 1 H), 3.11-3.13 (m, 1 H), 3.31-3.34 (m, 4 H), 3.49-3.54 (m, 2 H), 4.11 (dd, 1 H), 4.41 (dd, 1 H), 4.53 (d, 1 H), 7.78 (d, 1 H), 8.04 (d, 1 H), 8.55 (bs, 1 H)
実施例13:化合物100
100mg(0.14mmol)の(5R,8S)−7−[(2S)−2−{[(2S)−2−アミノ−2−シクロヘキシルアセチル]アミノ}−3,3−ジメチルブタノイル]−N−[(1R,2R)−1−{[(ジエチルアミノ)スルホニル]カルバモイル}−2−エチルシクロプロピル]−10,10−ジメチル−7−アザジスピロ[3.0.4.1]デカン−8−カルボキサミド(塩酸塩)(中間体Iに準じて、ピロリジンの代わりにジエチルアミンで出発して製造)、29mg(0.20mmol)の(S)−1−エチル−ピロリジン−2−カルボン酸(リチウム塩)、102mg(0.27mmol)のHATUおよび0.1mL(0.60mmol)のDIPEAの3mL DCM中の混合物をRTで一夜撹拌した。反応混合物を真空で濃縮し、粗製物を分取HPLCで精製して、表題化合物を得た。LC-MS (方法E): Rt = 2.636 min; M/z = 830.5 [M-H]; HPLC(方法B): Rt = 3.813 min. 1H-NMR (500 MHz, CDCl3): d = 0.91 (s, 3 H), 0.94 (s, 3 H), 1.00 (t, 3 H), 1.02 (s, 9 H), 1.06-1.13 (m, 7 H), 1.22 (t, 6 H), 1.71-2.00 (m, 15 H), 2.12-2.23 (m, 2 H), 2.32-2.41 (m, 1 H), 2.51-2.58 (m, 1 H), 2.61-2.69 (m, 1 H), 3.10-3.13 (m, 1 H), 3.21-3.24 (m, 1 H), 3.35 -3.46 (m, 4 H), 3.52-3.62 (m, 2 H), 4.28-4.35 (m, 2 H), 4.76 (d, 1 H), 7.03 (bs, 1 H), 8.08 (d, 1 H), 9.90 (bs, 1 H)
実施例14:化合物174
実施例100に準じて製造
1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ ppm 0.82 (d, 9 H) 0.88 - 1.03 (m, 7 H) 1.04 - 1.22 (m, 3 H) 1.09 (t, 12 H) 1.26 (br. s., 2 H) 1.65 (br. s., 8 H) 1.83 (br. s., 8 H) 1.97 (br. s., 2 H) 2.10 (br. s., 2 H) 2.37 (br. s., 1 H) 2.55 (br. s., 1 H) 2.72 (br. s., 1 H) 3.19 - 3.36 (m, 1 H) 3.29 (ddd, 3 H) 3.39 (br. s., 1 H) 3.45 (br. s., 2 H) 3.58 (s, 1 H) 3.94 (br. s., 1 H) 4.20 (br. s., 1 H) 4.58 (br. s., 1 H) 5.05 (s, 1 H) 5.19 (s, 1 H) 5.61 (s, 1 H) 6.62 (br. s., 1 H) 6.94 (d, 1 H) 9.36 (br. s., 1 H) 9.74 (br. s., 1 H) 11.97 (br. s., 1 H)
実施例15:化合物203
工程a
2を文献に公開された方法を修飾して製造した(J. Org. Chem., 2005, 70, 5869)。1(1.004g、4.40mmol)をTBME(25ml)に溶解し、20%Pd(OH)2/C(150mgs)で3時間水素化(1気圧水素ガス)した。懸濁液をセライトで濾過し、粗製物を減圧下濃縮した。粗製物を水−エタノールから結晶化させる。粗製物を100ml 水に溶解し、70℃に加熱し、エタノールを溶液が透明になるまで滴下する。溶液を一夜冷却し、固体を濾過して、純粋生成物2(494mgs、2.155mmol、49%収率)を得る。純粋生成物を真空下に乾燥させる。
工程b
2(100mg、0.436mmol)のDMF(2ml)溶液に、CDI(150mgs、0.925mmol)を添加し、100℃で1時間撹拌および加熱する。この撹拌中の溶液に、3(100mgs、0.657mmol)およびDBU(0.5ml、3.32mmol)を添加し、室温で一夜撹拌する。粗製物を酢酸エチル(25ml)で希釈し、1M 硫酸(3×100ml)および飽和塩水(3×100ml)で連続的に洗浄する。生成物含有酢酸エチル層を減圧下濃縮し、溶離剤として0〜50%酢酸エチルのヘプタン溶液を使用するシリカカラムで精製して、純粋生成物4(64mgs、0.176mmol、40%)を得る。
1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) 1.00 (t, J=7.20 Hz, 3 H) 1.05 - 1.13 (m, 1 H) 1.22 (t, J=7.20 Hz, 6 H) 1.36 - 1.43 (m, 1 H) 1.48 (s, 9 H) 1.56 (br. s., 4 H) 3.42 (dd, 4 H) 4.67 - 5.59 (m, 1 H)
工程c
4(64mgs、0.176mmol)をDCM(1ml)に溶解し、4M HClのジオキサン溶液(1ml)を添加し、32℃で1時間、脱保護が完了するまで撹拌して、粗製の5を得た。粗製物を減圧下濃縮し、さらに精製することなく次工程で使用する。
工程d
(5R,8S)−7−((S)−2−{(S)−2−シクロヘキシル−2−[((S)−1−イソプロピル−ピペリジン−2−カルボニル)−アミノ]−アセチルアミノ}−3,3−ジメチル−ブチリル)−10,10−ジメチル−7−アザ−ジスピロ[3.0.4.1]デカン−8−カルボン酸(実施例150 工程c参照)(90mg、0.146mmol)および5(55mg、0.210mmol)のDMF(1ml)溶液に、DIPEA(0.5ml、2.86mmol)、HATU(80mg、0.210mol)を添加し、完了するまで反応物を撹拌する。粗製物を酢酸エチルで希釈し、飽和塩水で洗浄してDMFを除去する。粗製の酢酸エチル層を減圧下濃縮し、精製のために取る。アンモニア(0.1%)のアセトニトリル−水溶液を使用するHPLC精製により、生成物(4mg、0.0046mmol、3%収率)を得る。
1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ ppm 0.83 (d, 8 H) 0.98 (br. s., 1 H) 1.00 (s, 9 H) 1.09 - 1.26 (m, 11 H) 1.54 (d, 10 H) 1.63 (br. s., 2 H) 1.68 (br. s., 4 H) 1.87 (d, 8 H) 2.09 (br. s., 1 H) 2.26 (s, 1 H) 2.40 (br. s., 1 H) 2.61 (br. s., 1 H) 3.22 (d, 1 H) 3.24 (s, 1 H) 3.33 (s, 1 H) 3.31 (d, 2 H) 3.44 (s, 2 H) 3.53 (s, 2 H) 3.95 (br. s., 1 H) 4.23 (s, 2 H) 4.58 (s, 1 H) 6.64 (br. s., 1 H) 6.93 (s, 1 H) 9.42 (br. s., 1 H) 9.69 (s, 1 H) 12.00 (br. s., 1 H)
実施例16:化合物145
(S)−1−D7−イソプロピル−ピペリジン−2−カルボン酸(0.039g;0.108mmol)、DIPEA(0.047mL;0.27mmol)およびHATU(0.041g;0.108mmol)のDMF(2mL)溶液を、15分間、環境温度で撹拌した。(5R,8S)−7−[(S)−2−((S)−2−アミノ−2−シクロヘキシル−アセチルアミノ)−3,3−ジメチル−ブチリル]−10,10−ジメチル−7−アザ−ジスピロ[3.0.4.1]デカン−8−カルボン酸[(1R,2S)−1−(ピロリジン−1−スルホニルアミノカルボニル)−2−ビニル−シクロプロピル]−アミド(0.040g;0.054mmol)添加後、反応混合物を一夜撹拌し、後処理をすることなく分取HPLC(方法L)で精製して、表題化合物を得た。HPLC(方法A3) Rt = 5.69 min; MS (方法E): M/z = 863 [M+1]; 1H-NMR (500 MHz, DMSO-d6): 0.84 (s, 3 H), 0.86 (s, 3 H), 0.95 (s, 9 H), 0.96-1.23 (m, 7 H), 1.23- 1.27 (m, 2 H), 1.35-1.50 (m, 2 H), 1.55-2.00 (m, 19 H), 2.09-2.17 (m, 1 H), 2.81-2.88 (m, 1 H), 3.23-3.36 (m, 6 H), 3.54 (dd, 2 H), 3.99 (dd, 1 H), 4.13 (dd, 1 H), 4.41 (dd, 1 H), 4.55 (d, 1 H), 5.10 (dd, 2 H), 5.51 (ddd, 1 H), 8.04 (d, 1 H), 8.72 (d, 1 H), 9.49 (bs, 1 H), 10.17 (bs, 1 H)
実施例17:化合物135
工程a
[(S)−((S)−1−{(5R,8S)−10,10−ジメチル−8−[(1R,2S)−1−(ピロリジン−1−スルホニルアミノカルボニル)−2−ビニル−シクロプロピルカルバモイル]−7−アザ−ジスピロ[3.0.4.1]デカン−7−カルボニル}−2,2−ジメチル−プロピルカルバモイル)−(1−メチル−シクロヘキシル)−メチル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル
(S)−tert−ブトキシカルボニルアミノ−(1−メチル−シクロヘキシル)−酢酸(0.217g;0.80mmol)(Tetrahedron Let. 2007, 48, 6343-6347に従い製造)およびHATU(0.38g;1.00mmol)のDCM(10mL)溶液を20分間、環境温度で撹拌した。DIPEA(0.698mL;4.00mmol)および(5R,8S)−7−((S)−2−アミノ−3,3−ジメチル−ブチリル)−10,10−ジメチル−7−アザ−ジスピロ[3.0.4.1]デカン−8−カルボン酸[(1R,2S)−1−(ピロリジン−1−スルホニルアミノカルボニル)−2−ビニル−シクロプロピル]−アミド(0.400g;0.67mmol)のDCM(10mL)溶液添加後、反応混合物を15時間撹拌し、溶媒を真空で除去し、残渣を分取HPLC(方法L)で精製して、表題化合物を得た。LC-MS (方法E): Rt = 2.91 min; M/z = 818 [M+H], HPLC(方法A3) Rt = 7.18 min
工程b
(5R,8S)−7−{(S)−2−[(S)−2−アミノ−2−(1−メチル−シクロヘキシル)−アセチルアミノ]−3,3−ジメチル−ブチリル}−10,10−ジメチル−7−アザ−ジスピロ[3.0.4.1]デカン−8−カルボン酸[(1R,2S)−1−(ピロリジン−1−スルホニルアミノカルボニル)−2−ビニル−シクロプロピル]−アミド
[(S)−((S)−1−{(5R,8S)−10,10−ジメチル−8−[(1R,2S)−1−(ピロリジン−1−スルホニルアミノカルボニル)−2−ビニル−シクロプロピルカルバモイル]−7−アザ−ジスピロ[3.0.4.1]デカン−7−カルボニル}−2,2−ジメチル−プロピルカルバモイル)−(1−メチル−シクロヘキシル)−メチル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル(0.219g;0.27mmol)および2.0mL HCl(ジオキサン中4M)の2mL ジオキサン溶液を、環境温度で2時間撹拌した。混合物を減圧下濃縮し、2時間、DCMと共蒸発させて、表題化合物を得て、それをさらに精製することなく次工程で使用した。LC-MS (方法E): Rt = 1.64 min; M/z = 717 [M+]; HPLC(方法A3): Rt = 4.82 min
工程c
(S)−1−イソプロピル−ピペリジン−2−カルボン酸(0.014g;0.080mmol)およびHATU(0.038g;0.100mmol)のDMF(2mL)溶液を、30分間、環境温度で撹拌した。DIPEA(0.070mL;0.398mmol)および((5R,8S)−7−{(S)−2−[(S)−2−アミノ−2−(1−メチル−シクロヘキシル)−アセチルアミノ]−3,3−ジメチル−ブチリル}−10,10−ジメチル−7−アザ−ジスピロ[3.0.4.1]デカン−8−カルボン酸[(1R,2S)−1−(ピロリジン−1−スルホニル−アミノカルボニル)−2−ビニル−シクロプロピル]−アミド(0.050g;0.066mmol)添加後、反応混合物を3時間撹拌し、後処理をすることなく分取HPLC(方法L)で精製して、表題化合物を得た。HPLC(方法A3) Rt = 5.40 min; MS (方法E): M/z = 870 [M+]; 1H-NMR (500 MHz, DMSO-d6): 0.82 (s, 3 H), 0.83 (s, 3 H), 0.91 (s, 3 H), 0.94 (s, 9 H), 1.15-1.35 (m, 11 H), 1.39-1.55 (m, 6 H), 1.65-1.85 (m, 12 H), 2.09-2.17 (m, 1 H), 2.79-2.86 (m, 1 H), 3.24-3.36 (m, 6 H), 3.23-3.36 (m, 6 H), 3.40-3.51 (m, 3 H), 3.53-3.55 (m, 2 H), 4.52-4.58 (m, 2 H), 5.15 (dd, 2 H), 5.50 (ddd, 1 H), 8.00 (d, 1 H), 8.62 (d, 1 H), 9.50 (bs, 1 H), 10.19 (bs, 1 H)
実施例18:化合物147
工程a
[(S)−2−{(5R,8S)−10,10−ジメチル−8−[(1R,2S)−1−(ピロリジン−1−スルホニルアミノカルボニル)−2−ビニル−シクロプロピル−カルバモイル]−7−アザ−ジスピロ[3.0.4.1]デク−7−イル}−1−(4−メチル−テトラヒドロ−ピラン−4−イル)−2−オキソ−エチル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル
(S)−tert−ブトキシカルボニルアミノ−(4−メチル−テトラヒドロ−ピラン−4−イル)−酢酸(0.306g;1.12mmol)(Tetrahedron Let. 2007, 48, 6343-6347に従い製造)およびHATU(0.581g;1.53mmol)のDCM(20mL)溶液を、10分間、環境温度で撹拌した。DIPEA(1.05mL;6.11mmol)および(5R,8S)−10,10−ジメチル−7−アザ−ジスピロ[3.0.4.1]デカン−8−カルボン酸[(1R,2S)−1−(ピロリジン−1−スルホニルアミノカルボニル)−2−ビニル−シクロプロピル]−アミド(0.57g;1.02mmol)を添加し、反応混合物を一夜撹拌し、後処理をすることなく分取HPLC(方法L)で精製して、表題化合物を得た。LC-MS (方法E): Rt = 2.55 min; M/z = 706 [M+]; HPLC(方法A3): Rt = 6.16 min
工程b
(5R,8S)−7−[(S)−2−アミノ−2−(4−メチル−テトラヒドロ−ピラン−4−イル)−アセチル]−10,10−ジメチル−7−アザ−ジスピロ−[3.0.4.1]デカン−8−カルボン酸[(1R,2S)−1−(ピロリジン−1−スルホニルアミノカルボニル)−2−ビニル−シクロプロピル]−アミド
[(S)−2−{(5R,8S)−10,10−ジメチル−8−[(1R,2S)−1−(ピロリジン−1−スルホニルアミノカルボニル)−2−ビニル−シクロプロピル−カルバモイル]−7−アザ−ジスピロ[3.0.4.1]デク−7−イル}−1−(4−メチル−テトラヒドロ−ピラン−4−イル)−2−オキソ−エチル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル(0.415g;0.588mmol)および13.0mL HCl(ジオキサン中4M)の10mL ジオキサン中の混合物を、一夜、環境温度で撹拌した。混合物を減圧下濃縮して、表題化合物を得て、それをさらに精製することなく次工程で使用した。LC-MS (方法E): Rt = 1.45 min; M/z = 606 [M+]; HPLC(方法A3): Rt = 4.01 min
工程c
[(S)−[(S)−2−{(5R,8S)−10,10−ジメチル−8−[(1R,2S)−1−(ピロリジン−1−スルホニルアミノカルボニル)−2−ビニル−シクロプロピルカルバモイル]−7−アザ−ジスピロ[3.0.4.1]デク−7−イル}−2−オキソ−1−(テトラヒドロ−ピラン−4−イル)−エチルカルバモイル]−(1−メチル−シクロヘキシル)−メチル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル
(S)−tert−ブトキシカルボニルアミノ−(1−メチル−シクロヘキシル)−酢酸(0.15g;0.55mmol)(Tetrahedron Let. 2007, 48, 6343-6347に従い製造)およびHATU(0.31g;0.82mmol)のDCM(15mL)溶液を、30分間、環境温度で撹拌した。DIPEA(0.56mL;3.27mmol)および(5R,8S)−7−[(S)−2−アミノ−2−(4−メチル−テトラヒドロ−ピラン−4−イル)−アセチル]−10,10−ジメチル−7−アザ−ジスピロ−[3.0.4.1]デカン−8−カルボン酸[(1R,2S)−1−(ピロリジン−1−スルホニルアミノカルボニル)−2−ビニル−シクロプロピル]−アミド(0.412g;0.55mmol)のDCM(5mL)溶液添加後、反応混合物を3時間撹拌し、溶媒を真空で除去し、残渣を分取HPLC(方法L)で精製して、表題化合物を得た。LC-MS (方法E): Rt = 2.78 min; M/z = 859 [M+], HPLC(方法A3) Rt = 6.81 min
工程d
(5R,8S)−7−[(S)−2−[(S)−2−アミノ−2−(1−メチル−シクロヘキシル)−アセチルアミノ]−2−(4−メチル−テトラヒドロ−ピラン−4−イル)−アセチル]−10,10−ジメチル−7−アザ−ジスピロ[3.0.4.1]デカン−8−カルボン酸[(1R,2S)−1−(ピロリジン−1−スルホニルアミン
[(S)−[(S)−2−{(5R,8S)−10,10−ジメチル−8−[(1R,2S)−1−(ピロリジン−1−スルホニルアミノカルボニル)−2−ビニル−シクロプロピルカルバモイル]−7−アザ−ジスピロ[3.0.4.1]デク−7−イル}−2−オキソ−1−(テトラヒドロ−ピラン−4−イル)−エチルカルバモイル]−(1−メチル−シクロヘキシル)−メチル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル(0.227g;0.264mmol)および1.3mL HCl(ジオキサン中4M)の2mL ジオキサン中の混合物を、一夜、環境温度で撹拌した。混合物を減圧下濃縮して、表題化合物を得て、それをさらに精製することなく次工程で使用した。LC-MS (方法E): Rt = 1.59 min; M/z = 759 [M+]; HPLC(方法A3): Rt = 4.58 min
工程e
(S)−1−イソプロピル−ピペリジン−2−カルボン酸(0.011g;0.053mmol)およびHATU(0.031g;0.080mmol)のDMF(2mL)溶液を、30分間、環境温度で撹拌した。DIPEA(0.055mL;0.32mmol)および(5R,8S)−7−[(S)−2−[(S)−2−アミノ−2−(1−メチル−シクロヘキシル)−アセチルアミノ]−2−(4−メチル−テトラヒドロ−ピラン−4−イル)−アセチル]−10,10−ジメチル−7−アザ−ジスピロ[3.0.4.1]デカン−8−カルボン酸[(1R,2S)−1−(ピロリジン−1−スルホニルアミノ−カルボニル)−2−ビニル−シクロプロピル]−アミド(0.050g;0.053mmol)を添加し、反応混合物を一夜撹拌し、後処理をすることなく分取HPLC(方法L)で精製して、表題化合物を得た。LC-MS (方法E): Rt = 1.71 min; M/z = 913 [M+H]; HPLC(方法A3): Rt = 5.11 min
実施例19:化合物149
工程a
(5R,8S)−7−[(S)−2−((S)−2−アミノ−2−シクロヘキシル−アセチルアミノ)−3,3−ジメチル−ブチリル]−10,10−ジメチル−7−アザ−ジスピロ[3.0.4.1]デカン−8−カルボン酸メチルエステル
(5R,8S)−7−[(S)−2−((S)−2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−2−シクロヘキシル−アセチルアミノ)−3,3−ジメチル−ブチリル]−10,10−ジメチル−7−アザ−ジスピロ[3.0.4.1]デカン−8−カルボン酸メチルエステル(0.755g;1.31mmol)および4.9mL HCl(ジオキサン中4M)の10mL ジオキサン中の混合物を、一夜、環境温度で撹拌した。混合物を減圧下濃縮して、表題化合物を得て、それをさらに精製することなく次工程で使用した。LC-MS (方法E): Rt = 1.47 min; M/z = 476 [M+]; HPLC(方法A3): Rt = 4.27 min
工程b
(5R,8S)−7−((S)−2−{(S)−2−シクロヘキシル−2−[((S)−1−イソプロピル−ピペリジン−2−カルボニル)−アミノ]−アセチルアミノ}−3,3−ジメチル−ブチリル)−10,10−ジメチル−7−アザ−ジスピロ[3.0.4.1]デカン−8−カルボン酸メチルエステル
(S)−1−イソプロピル−ピペリジン−2−カルボン酸(0.497g;2.90mmol)およびHATU(1.65g;4.35mmol)のDCM(100mL)溶液を0℃に冷却し、(5R,8S)−7−[(S)−2−((S)−2−アミノ−2−シクロヘキシル−アセチルアミノ)−3,3−ジメチル−ブチリル]−10,10−ジメチル−7−アザ−ジスピロ[3.0.4.1]デカン−8−カルボン酸メチルエステル(1.65g;2.90mmol)およびDIPEA(2.98mL;17.4mmol)を添加した。反応混合物を3時間、室温で撹拌し、飽和ビカーボネート水溶液で反応停止させた。水相をDCMで2回抽出し、併せた有機相をNa2SO4で乾燥させ、濾過し、溶媒を真空で除去した。生成物を分取HPLC(方法L)で精製して、表題化合物を得た。LC-MS (方法E): Rt = 1.62 min; M/z = 629 [M+]; HPLC(方法A3): Rt = 5.01 min
工程c
(5R,8S)−7−((S)−2−{(S)−2−シクロヘキシル−2−[((S)−1−イソプロピル−ピペリジン−2−カルボニル)−アミノ]−アセチルアミノ}−3,3−ジメチル−ブチリル)−10,10−ジメチル−7−アザ−ジスピロ[3.0.4.1]デカン−8−カルボン酸
(5R,8S)−7−((S)−2−{(S)−2−シクロヘキシル−2−[((S)−1−イソプロピル−ピペリジン−2−カルボニル)−アミノ]−アセチルアミノ}−3,3−ジメチル−ブチリル)−10,10−ジメチル−7−アザ−ジスピロ[3.0.4.1]デカン−8−カルボン酸メチルエステル(0.69g;1.10mmol)のTHF/メタノール/水(2:1:1;20mL)溶液に、LiOH一水和物(0.138g;3.3mmol)を添加し、反応物を一夜、室温で撹拌した。溶媒を真空で除去し、水を添加し、生成物を液体窒素で凍結させ、一夜凍結乾燥して、表題化合物を得た。LC-MS (方法E): Rt = 1.50 min; M/z = 615 [M+]; HPLC(方法A3): Rt = 4.38 min
工程d
(5R,8S)−7−((S)−2−{(S)−2−シクロヘキシル−2−[((S)−1−イソプロピル−ピペリジン−2−カルボニル)−アミノ]−アセチルアミノ}−3,3−ジメチル−ブチリル)−10,10−ジメチル−7−アザ−ジスピロ[3.0.4.1]デカン−8−カルボン酸(0.040g;0.065mmol)およびHATU(0.050g;0.130mmol)のDMF(2mL)溶液を、30分間、環境温度で撹拌した。DIPEA(0.057mL;0.325mmol)および(D10)−ジエチルアミノ−1−スルホン酸((1R,2S)−1−アミノ−2−ビニル−シクロプロパンカルボニル)−アミド(0.040g;0.130mmol)(中間体IIIに記載の方法に準じて、市販の重水素化d10−ジエチルアミンから出発して製造)のDMF(2mL)溶液添加後、反応混合物を一夜撹拌し、後処理をすることなく分取HPLC(方法L)で精製して、表題化合物を得た。LC-MS (方法E): Rt = 1.76 min; M/z = 869 [M+H], HPLC(方法A3) Rt = 5.78 min; 1H-NMR (500 MHz, DMSO-d6): 1H-NMR (500 MHz, DMSO-d6): 0.79-0.87 (m, 9 H), 0.92-0.96 (m, 9 H), 1.00-1.18 (m, 6 H), 1.22-1.29 (m, 1 H), 1.32-1.39 (m, 1 H), 1.43-1.51 (m, 2 H), 1.53-1.73 (m, 11 H), 1.74-1.93 (m, 8 H), 2.05-2.14 (m, 2 H), 2.66-2.74 (m, 1 H), 2.77 (dd, 1 H), 2.66-1.74 (m, 1 H), 2.89 (dd, 1 H), 3.53 (dd, 2 H), 4.11 (dd, 1 H), 4.36 (dd, 1 H), 4.50 (d, 1 H), 5.15 (dd, 2 H), 5.54 (ddd, 1 H), 7.40 (d, 1 H), 7.92 (d, 1 H), 8.76 (s, 1 H), 10.15 (s, 1 H)
さらなる本発明の化合物を表Aに提供する。化合物1〜203を実施例1〜19の方法で、または実施例1〜19に使用した方法に準じる方法で製造した。表Aの各化合物の物理学的特徴的データおよび生物学的データを表Cに記載する。
表Bに記載する化合物も式(I)の化合物として本発明で有用である。
生物学的活性
実施例20:HCV NS3−4Aプロテアーゼアッセイ
表Aのある化合物のHCV NS3−4Aセリンプロテアーゼに対する阻害活性を、Taliani, M., et al. 1996 Anal. Biochem. 240: 60-67(これは、その全体を引用により本明細書に包含させる)に記載のとおり完全長NS3−4Aタンパク質(遺伝子型1a、株HCV−1)および市販の自己消光蛍光性ペプチド基質を使用する均質アッセイで測定する。
実施例21:ルシフェラーゼに基づくHCVレプリコンアッセイ
表Aのある化合物の抗ウイルス活性および細胞毒性を、発現がHCV RNA複製および翻訳の制御下にあるルシフェラーゼレポーター遺伝子を含むサブゲノム遺伝子型1b HCVレプリコン細胞株(Huh−Luc/neo−ET)を使用して決定する。簡単に言うと、5,000レプリコン細胞を96ウェル組織培養プレートの各ウェルに播種し、G418不含完全培養培地に一夜付着させる。翌日、培養培地を、10%FBSおよび0.5%DMSO存在下に連続希釈した表Aの化合物を含む培地に換える。表Aの化合物で48時間処置後、細胞に残ったルシフェラーゼ活性をBriteLite試薬(Perkin Elmer, Wellesley, Massachusetts)とLMaxIIプレートリーダー(Molecular Probe, Invitrogen)を使用して決定する。各データ点は4回繰り返した細胞培養の平均を表す。IC50は、レプリコン細胞のルシフェラーゼ活性が50%低下する化合物濃度である。化合物の細胞毒性をMTSに基づく細胞生存能アッセイにより評価する。
上記表Aの化合物を実施例20のプロテアーゼアッセイで試験した。各化合物のIC
50値を表Cに記載する。上記表Aの化合物をまた実施例21のレプリコンアッセイで試験してよく、約100nM以下のIC
50を示す。
製剤実験
要約
インビトロCaCO−2試験を、ここで定義した化合物の排出機構を決定するために行い、vit.ETPGSが排出を飽和させることが見られた。インビボでのラットPK実験(vit.ETPGS有りおよび無し)を行い、vit.ETPGS付加が本化合物の溶解性を増加させ、バイオアベイラビリティを改善させることが明らかとなった。特に、vit.ETPGSの、化合物34の単純な懸濁液製剤への付加が、溶解性を>1mg/ml高め、ラットにおけるバイオアベイラビリティを80〜95%改善した。
多様な製剤およびPK測定を下にさらに詳細に記載する。
CaCO−2力学的データ
Vit.ETPGSは排出トランスポーター活性を阻害し、潜在的トランスポーター飽和のための局所濃度を高めることにより、透過性を改善することが示された。結果は図2に示す。濃度の化合物34は10μMであった。
図2はETPGS濃度と、ETPGS非含有製剤に対する排出トランスポーター活性のパーセンテージの関係を記載する。化合物34の濃度は全サンプルで10μMである。サンプルを、HEPES緩衝液中、記載量のVit.ETPGSを用いて調製した。X軸はETPGSの濃度(ログ・スケール、故に負)であり、排出トランスポーター活性について有効であったため、0〜1mg/mlまでのETPGS濃度のみをプロットする。Y軸は%排出トランスポーター活性である。ETPGSは、排出トランスポーター活性を阻害し、潜在的トランスポーター飽和のための局所濃度を高めることにより透過性を改善した。排出活性阻害について計算したIC50は約0.07mg/mLである。
ETPGSは、CMC約0.25mg/mLを有する製剤の化合物34の溶解性を改善した。連続希釈の能のおよび化合物34の溶解度を下の表に記載する。
CaCO−2背景
良好な経口吸収は開発段階のリード候補薬剤の選択において重要な検討事項である。CaCO−2アッセイは、94個の市販薬でヒト腸吸収と十分に相関しており、数千もの新規化学物質(NCE)の測定が成功している。それはハイスループット(例えば96ウェル)アッセイで実施できる。故に、これは本業界で広範囲に使用されている技術である。
既知輸送機構のバリデーション・スタンダードを使用して、発見した化合物のための輸送経路特徴付けシステムが確立されている。活性輸送過程の一つである排出は、しばしば薬物吸収および処分を妨害することが発見される。機構的研究、特に排出トランスポーター阻害(P−gp、MRP2およびBCRP)および用量応答が開発されている。
排出トランスポーターがどの程度吸収性輸送を減弱させるかに基づき、トランスポーター分類基準が示唆されている。吸収性の見かけの透過性、排出比率およびヒト経口吸収の関係が試験されている。得られた“3ゾーン”を使用して、ヒト吸収に対する排出の影響を予測できる;これを下に極めて詳細に述べる。
CaCO−2詳細
結腸腺癌細胞株であるCaCO−2細胞を96ウェルPETフィルターに播種し、19〜23日間培養し、その最後に細胞は機能的に似た腸細胞に分化する。見かけの透過性(Papp)を、頂端から基底面(A−B)および基底面から頂端(B−A)方向で測定する。アッセイQCについて、膜完全性を経上皮電気抵抗(TEER)およびルシファーイエロー透過性(傍細胞経路)の測定により確認する。
良質細胞を使用する。それらをJournal of Controlled Release, Volume 111, Issues 1-2, 10 March 2006, Pages 35-40: Influence of vitamin E TPGS poly(ethylene glycol) chain length on apical efflux transporters in Caco-2 cell monolayers(引用により本明細書に包含させる)、36頁、セクション2.3に記載のとおりに培養できる。アッセイを、図6に記載のとおり、生理学的条件で行う。リン酸緩衝液を使用して生理学的pHとする。A−BおよびB−Aの透過性をそれぞれ測定する。サンプルを2時間放置し、その後サンプルを層の各側で分析して、LC/MS/MSを使用して化合物の一端から他端への流動を同定することにより測定する。
上記のとおり、CaCO−2アッセイを使用して、化合物を評価し、実験的%ヒト吸収率のバリデーションに基づき透過性を低、中または高とランク付けすることが可能である。
電流透過性アッセイでは主要な3輸送経路が分類される:
受動的経細胞(PT)経路:ER<2およびcLogP≧2
排出:ER≧3、可能な排出:3>ER≧2
受動的傍細胞(PP)経路:ER<2およびcLogP<1
化合物34の製剤
vit.ETPGS非含有比較溶液および懸濁液製剤
化合物34、15%PEG400、5%cremophor EL、フマル酸および水を含む溶液製剤を、臼と杵またはミルを使用する共粉砕により製造した。酸の量は0.5mol当量〜4mol当量である。溶液を製剤する別の方法は、固体粉末をボルテックス処理し、PEG400を添加し、透明になるまで加熱または撹拌する。次いで加熱したcremophor ELを添加する。溶液は水またはクエン酸緩衝液または酢酸緩衝液(pH3〜6)で構成される。
化合物34、0.5%HPCおよび0.2%Tween-80を含む懸濁液製剤を、化合物と溶液を混合することにより製造した。あるいは、懸濁液を特別なミル(例えばavestinまたは微少流体)を使用する均質化により製造できる。
vit.ETPGS含有溶液および懸濁液製剤
製剤を、化合物34遊離塩基を10%vit.ETPGSおよび1%ヒドロキシプロピルセルロース(Klucel)含有水溶液に懸濁することにより製造する。溶液を撹拌して、均一な溶液(<2mg/ml)または懸濁液(200mg/mlまで試験)を得る。懸濁液は均一かつシリンジ利用可能(syringable)である。1.5%vit.ETPGSおよび1%HPCを含むまたはHPCを含まない他の製剤も調査している。遊離塩基の使用に加えて、化合物34のHCl塩も使用できる。
vit.ETPGS含有カプセル製剤
500mg 化合物34、1000mg vit.EPTGS、56mg クロスポビドン、88mgマンニトールおよび60mg PEG3350の組成のカプセル製剤を、イヌにおいて化合物34暴露を懸濁液対カプセルで比較するために製造した。Vit.ETPGSは蝋状物質であり、固体形態としては容易に取り扱うことができない。特に、凍結粉砕したvit.EPTGSを製造して(蝋状vit.ETPGSをドライアイス下に粉砕)、流動性vit.ETPGS粉末を得た。添加物を全てturbula mixerで混合し、カプセルに充填する。同じ組成物を錠剤に成形してもよい。
乾燥混合物(製剤)を、カプセルに充填するかまたは打錠する前にローラー圧縮または造粒できる。Vit.ETPGS造粒は、溶融造粒と呼ばれる技術を必要とする。ここで、化合物およびETPGS以外の他の成分を全てボルテックスミキサーまたは剪断ミキサーで混合する。溶融EPTGSを、プロペラまたは高剪断ミキサーを使用して混合しながらゆっくり添加し、顆粒を形成させる。これらを次いで氷下または低温で冷却する。それらを一般的充填剤、滑沢剤と混合し、カプセルに充填するかまたは打錠してよい。
ナノ懸濁液製剤(vit.ETPGS含有および非含有)
ナノ懸濁液製剤を、溶解速度を上昇させるために製造した。ナノ粉砕工程中に作られる大表面積のために、適当な安定剤を安定なナノ分散系をつくるために添加しなければならなかった。これに基づき、改善されたインビボ暴露および優れたPK行動が達成できる。
下の表1の製剤を、粉砕媒体としてジルコニアビーズを含むボールミルを使用して製造した。粉砕を4000rpmで3時間行った。製剤実施例1はd50=112nmを有する。10%ETPGSを含む製剤実施例6はd50=8μmを有する。結晶性の化合物34を非晶形に変換した(加工に対する物理的不安定性を示す)。プロセス最適化は行わなかった。10%Vit.ETPGS(#41)および1.5%Vit.ETPGS(#47)の製剤を、最大10ml量まで薬物動態試験での投与および安定性試験のためにスケールアップした。
マイクロエマルジョン製剤
マイクロエマルジョン/脂質製剤は、高親油性および/または疎水性の水に難溶性の活性化合物を可溶化する別の方法として使用されている。脂質ベースのシステムは、典型的に天然または合成脂質、例えば油類を高パーセンテージで含み、その中に化合物が溶解している。水性相への化合物の可溶化は、しばしば、乳化剤、例えば界面活性剤を利用して、水中油型(o/w)エマルジョンに油相を分散させることにより起こる。典型的に、マイクロエマルジョンは、サブミクロンサイズ範囲のミセルを含み、故に、熱力学的に安定であり、透明ないしわずかに乳白色の見かけを示す。
マイクロエマルジョン前濃縮物または水で希釈されたマイクロエマルジョンを使用する。製剤は化合物34を15重量%まで可溶化する。製剤の具体的組成は次のとおりである:
1. プロピレングリコール、cremophor RH40(またはcremophor EL)、maisoelグリセリド
2. クエン酸トリエチル、cremophor RH40、Vit.ETPGS、capmul MCM
3. クエン酸トリエチル、cremophor RH40、capmul MCM
4. クエン酸トリエチル、PEG400、cremophor RH40、Capmul MCM
5. エタノール、PEG400、cremophor RH40、Capmul MCM
6. クエン酸トリエチル、オレイン酸、cremophor EL、labrafil
7. クエン酸トリエチル、PEG300、cremophor EL、Capmul MCM
− パーセンテージは、下の表に記載した各成分の特定した量から±50%逸脱し得る。例:cremophorは25%〜75%であり得る。またVit.ETPGSをこれらの製剤のいずれにも使用できる。
マイクロエマルジョン4〜8を、100mg 化合物34を秤量し、0.1gトランスクトールに溶解することにより製造する。別にmaisoel、プロピレングリコールおよびcremophorを秤量する。3成分を高剪断下に均質混合物に融解するまで混合する。薬物溶液を0.9または1g 3成分混合物に添加し、均質溶液が透明製剤になるまで混合する。マイクロエマルジョン1−3および51を、100mg 化合物34を秤量することにより製造する。別にmaisoel、プロピレングリコールおよびcremophorを秤量する。3成分を高剪断下に均質混合物に融解するまで混合する。3成分混合物に化合物を添加し、均質溶液が透明製剤になるまで50℃で最大1時間加熱しながら混合する。
マイクロエマルジョン9〜13を、100mg 化合物34を秤量し、0.1または0.2g クエン酸トリエチルに溶解することにより製造する。別にcapmulおよびcremophorを秤量する。2成分を高剪断下に均質混合物に融解するまで混合する。薬物溶液を0.91mlの混合物に添加し、均質溶液が透明製剤になるまで混合する。マイクロエマルジョン14を、100mg 化合物34を秤量し、0.2g クエン酸トリエチルに溶解することにより製造する。別に0.4g capmul、0.3g cremophorおよび0.1g Vit.ETPGSを秤量し、3成分を高剪断下に均質溶液が形成するまで混合する。薬物溶液を0.8g3成分混合物に添加し、均質溶液が透明製剤となるまで混合する。
マイクロエマルジョン15〜18を、100mg 化合物34を秤量し、0.1gエタノールに溶解することにより製造する。別にcapmul、PEG400およびcremophorを秤量する。3成分を高剪断下に均質混合物に融解するまで混合する。薬物溶液を0.9g 3成分混合物に添加し、均質溶液となるまで混合する。透明製剤とするために化合物34を溶解するために加熱を必要とすることがある。
マイクロエマルジョン19〜21を、100mg 化合物34を秤量し、0.1g クエン酸トリエチルに溶解することにより製造する。別にオレイン酸、labrafil 1944CSおよびcremophorを秤量する。3成分を高剪断下に均質混合物に融解するまで混合する。薬物溶液を0.9g 3成分混合物に添加し、均質溶液製剤が透明となるまで混合する。
マイクロエマルジョン22〜25を、100mg 化合物34を秤量し、0.1g クエン酸トリエチルに溶解することにより製造する。別にcapmul、PEG300およびcremophorを秤量する。3成分を高剪断下に均質混合物に融解するまで混合する。薬物溶液を0.9g 3成分混合物に添加し、均質溶液製剤が透明となるまで混合する。
マイクロエマルジョン26〜28を、100mg 化合物34を秤量し、0.1g クエン酸トリエチルに溶解することにより製造する。別にmaisoelグリセリド、PEG300およびcremophorを秤量する。3成分を高剪断下に均質混合物に融解するまで混合する。薬物溶液を0.9g 3成分混合物に添加し、均質溶液製剤が透明となるまで混合する。
マイクロエマルジョン29〜32を、100mg 化合物34を秤量し、0.1g クエン酸トリエチルに溶解することにより製造する。別にmaisine、labrafil M2125およびcremophorを秤量する。3成分を高剪断下に均質混合物に融解するまで混合する。薬物溶液を0.9g 3成分混合物に添加し、均質溶液製剤が透明となるまで混合する。
マイクロエマルジョン33〜36を、100mg 化合物34を秤量し、0.1g クエン酸トリエチルに溶解することにより製造する。別にcapmul、ETPGS、PEG400およびcremophorを秤量する。3成分を高剪断下に均質混合物に融解するまで混合する。薬物溶液を0.9g 添加物混合物に添加し、均質溶液製剤が透明となるまで混合する。
固体分散系
化合物34非晶質および結晶性薬物を安定な固体分散体製剤に変換できる(溶媒蒸発で試したが、溶融押出のような他の技術も同様に適用可能であり得る)。方法:添加物および化合物34を秤量(10%〜40%薬物負荷を試験)。有機溶媒(エタノールおよび塩化メチレンをここでは使用)に溶解。溶媒を蒸発させて、非晶質粉末を得る(これをカプセルに充填するか、または打錠できる)。製剤を下の表2Aおよび2Bに示す。
遊離塩基化合物34(NX)と比較したこの製剤の溶解プロファイルを図4aおよび図4bに示す。
透過性に対するvit.ETPGSの製剤の影響
図3は、種々の製剤およびvit.ETPGSの存在下の透過性に対する影響の試験を示す。溶液または懸濁液製剤および低量のvit.ETPGS<0.25mg/mlを使用して、CaCO−2細胞で排出は完全には克服されなかった。0.25mg/ml vit.EPTGS(細胞内濃度)で、排出はなかった(排出比率は1 − 右手側カラム参照)。本実験はvit.EPTGSの濃度が排出に影響することを示す。
化合物34製剤のPKデータ
下の表3は、化合物34の製剤で集めた絶食sprague dowleyラットにおけるインビボデータを示す。
種々の製剤原理を、ラットにおける完全な吸収を有することを化合物34について評価した。全体で、vit.ETPGSは完全なバイオアベイラビリティを得るために大きな影響を有した。マイクロエマルジョンおよび溶液製剤である程度改善された(BAVを懸濁液(27%BAV)に対して40〜50%改善)。10%vit.ETPGS対1.5%vit.ETPGSのナノ懸濁液は、vit.ETPGSの量がBAVの改善に重要であることを示す。HCl塩または遊離塩基の慣用の懸濁液は同等の暴露を有する(80〜94%BAV)。
下の表4は、一夜絶食させた体重8〜15kgの雄ビーグル犬で化合物34の製剤について集めたインビボデータを示す。
イヌで、MEPC #1(20:50:30 PG:cremophor RH40:maisoelグリセリド 水で5倍希釈したMEPC)は、23〜42%のバイオアベイラビリティをもたらした(PCS対DMPK試験)。10%ETPGSを含む単純な懸濁液または2%EPTGSを含むカプセルは20〜32%BAVとなった。イヌにおいて完全な吸収は試験した投与量では化合物34について見られず、ETPGSの量(2%対10%)は暴露において有意な影響を及ぼさなかった。
当業者は日常的実験以上のものを使用せずに、ここに記載した特定の態様および方法の均等物を認識し、または確認できる。このような均等物は添付する特許請求の範囲の範囲内に包含されることを意図する。