JP5907627B2 - トナー搬送部材、現像装置、及び画像形成装置 - Google Patents

トナー搬送部材、現像装置、及び画像形成装置 Download PDF

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Description

本発明は、トナー搬送部材、そのトナー搬送部材を備えた現像装置、及びその現像装置を備えた画像形成装置に関する。
電子写真方式の画像形成装置には、トナー及びキャリアを含んだ現像剤を用いる二成分現像方式やキャリアを用いずトナーのみを用いる一成分現像方式の現像装置が具備されている。そして、このような現像装置には、現像ローラが設けられているが、トナーの搬送やトナーとキャリアの攪拌・混合のためにトナー搬送部材も設けられている。このトナー搬送部材は、軸に螺旋状のような搬送翼(スクリュー部)を配した部材である。
また、画像形成装置にはトナー容器から現像装置にトナーを供給するトナー供給装置が具備されるが、このトナー供給装置においてもトナー搬送部材が用いられることがある。また、画像形成装置には、現像剤担持体としての現像ローラやトナー供給装置(トナー格納部、トナー搬送部材、トナー供給ローラ等)などを一体に構成したカートリッジが具備されているものもある。このうち像担持体としての感光体ドラムを備えたカートリッジはプロセスカートリッジとも呼ばれている。
特許文献1にはトナー搬送部材を備えた現像装置(現像容器)が開示されている。図1でその軸方向断面を示すように、このトナー搬送部材(混合攪拌部材)200は搬送翼202の材質を樹脂とし且つ回転軸部(回転シャフト)201の材質を金属にしている。これにより、この現像装置では、トナー搬送部材200の長手方向の回転による振れを抑制し、トナー搬送部材200と現像容器内内壁に取り付けられたトナー濃度検知センサ検知面との距離を絶えず一定にし、もってトナー濃度センサの出力の安定化を図っている。
また、特許文献2には、軸部を樹脂で形成し搬送翼を金属で形成したトナー搬送部材が開示されている。なお、特許文献2には、軸部を金属で形成し搬送翼を樹脂又は金属で形成したトナー搬送部材も開示されている。
特開2011−22467号公報 特開2014−115402号公報
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、トナー搬送部材の長手方向の回転による振れを抑制できるものの、トナー搬送部材とトナー濃度検知センサ検知面との距離が一定となり過ぎる。従って、この技術では、トナー濃度センサの出力は安定するものの、トナーの帯電が上昇しすぎた場合等に、検知面上を搬送する現像剤が検知面に付着してしまい、正確なトナー濃度センサの出力が得られないといった課題が生じる。また、この技術では、長手方向全長にわたり金属の軸部が存在し、駆動ストレスによる変形や折れるといった不具合はないがコストが嵩むといった課題が生じる。
また、特許文献2に記載の技術のうち、軸部を樹脂で形成し搬送翼を金属で形成したトナー搬送部材では、樹脂でなる軸部が長手方向に撓り、検知面上の現像剤が脈動して検知面上に現像剤が付着し難くなるため、上述のような課題を解決することができる。
しかしながら、特許文献2に記載のように軸部を樹脂で形成したトナー搬送部材では、樹脂材質の軸部が比較的早く永久変形してしまい、現像剤が軸方向に円滑に搬送されなくなるため、カートリッジの回収、リサイクルを考慮した場合、このトナー搬送部材のリサイクル可能回数は少なくなるといった新たな課題が生じる。
また、図2A〜図2Cで示すように、軸部301を樹脂で形成したトナー搬送部材300において軸部301の端部(スクリュー部302の両端にある端部)に金属パイプ(金属カラー)303を被せ、上記新たな課題を低減させることも考えられる。金属パイプ303を図示するように軸受に対応する部分のみに設けることで、上記新たな課題の低減だけでなく、軸受け用部材としても兼用できるメリットを有することになる。なお、図2Bは図2Aのトナー搬送部材における軸方向の断面形状を示す拡大図で、図2Cは図2BのC−C方向の断面図である。
しかしながら、このようなトナー搬送部材300では、現像容器内に現像剤が投入され回転動作を実施されると、回転駆動よる振れが発生した状態、つまり撓みが発生した状態となり、この状態でのストレスにより、現像容器内壁との擦れや駆動伝達ギアの摩耗、軸受部分付近の変形といった不具合現象が起こってしまう。
本発明は、上述のような実状に鑑みてなされたものであり、その目的は、回転駆動によって生じる撓みを少なくし、耐久性をもたせ、材料費を抑えることが可能なトナー搬送部材、そのトナー搬送部材を備えた現像装置、並びにその現像装置を備えた画像形成装置を提供することにある。
上記の課題を解決するために、本発明の第1の技術手段は、軸部と、該軸部の長手方向の非端部分の周囲に形成されたスクリュー部とが、樹脂により一体成型されたトナー搬送部材であって、金属パイプをさらに備え、該金属パイプは、前記軸部における前記スクリュー部が形成されていない端部分の周囲に設けられた囲繞部分と、前記スクリュー部の少なくとも一部に埋設され、前記囲繞部分から延伸された埋設部分とを有することを特徴としたものである。
本発明の第2の技術手段は、第1の技術手段において、前記金属パイプは、少なくとも前記埋設部分に複数の孔が形成されていることを特徴としたものである。
本発明の第3の技術手段は、第2の技術手段において、前記金属パイプは、前記囲繞部分において、前記樹脂の成型時の金型との位置決め用の孔以外には孔が形成されていないことを特徴としたものである。
本発明の第4の技術手段は、第2又は第3の技術手段において、前記金属パイプは、前記スクリュー部の一端側に位置する前記囲繞部分から他端側に位置する前記囲繞部分まで連なっていることを特徴としたものである。
本発明の第5の技術手段は、第1〜第4のいずれか1の技術手段におけるトナー搬送装置を備えた現像装置である。
本発明の第6の技術手段は、第5の技術手段における現像装置を備えた画像形成装置である。
本発明によれば、トナー搬送部材において、回転駆動によって生じる撓みを少なくし、耐久性をもたせ、材料費を抑えることが可能となる。
従来のトナー搬送部材を示す軸方向断面図である。 トナー搬送部材の一例を示す図である。 図2Aのトナー搬送部材における軸方向の断面形状を示す拡大図である。 図2BのC−C方向の断面図である。 本発明の第1の実施形態に係るトナー搬送部材の一例を示す図である。 図3Aのトナー搬送部材における軸方向の断面形状を示す拡大図である。 図3BのC−C方向の断面図である。 図3BのD−D方向の断面図である。 図3BのE−E方向の断面図である。 図3Aのトナー搬送部材を搭載可能な現像装置の一例を示す軸方向に垂直な方向の断面図である。 図4Aの現像装置におけるB−B方向から見た図である。 図4Aの現像装置におけるC−C方向の断面図である。 図4Aの現像装置を搭載可能な画像形成装置の一例を示す断面図である。 本発明の第2の実施形態に係るトナー搬送部材の一例における軸方向の断面形状を示す拡大図である。 図6Aのトナー搬送部材に設けられた金属パイプの一例を示す図である。 本発明の第3の実施形態に係るトナー搬送部材の一例における軸方向の断面形状を示す拡大図である。 図7Aのトナー搬送部材に設けられた金属パイプの一例の一部を示す図である。 図7Aのトナー搬送部材に設けられた金属パイプの一例の全体を示す図である。
以下、本発明の様々な実施形態に係るトナー搬送部材、そのトナー搬送部材を備えた現像装置、並びにその現像装置を備えた画像形成装置について、図面を参照しながら例を挙げて説明する。
(第1の実施形態)
本発明の第1の実施形態について、図3A〜図5を参照しながら説明する。図3Aは本発明の第1の実施形態に係るトナー搬送部材の一例を示す図で、図3Bは図3Aのトナー搬送部材における軸方向の断面形状を示す拡大図、図3Cは図3BのC−C方向の断面図、図3Dは図3BのD−D方向の断面図、図3Eは図3BのE−E方向の断面図である。
本実施形態に係るトナー搬送部材1は、軸部11とスクリュー部とが、樹脂により一体成型された部材である。軸部11はトナー搬送部材1の長さと基本的に同じ長さをもつ。この樹脂としては、例えばHIPS(高衝撃性ポリスチレン)をはじめ、ABS(アクリロニトリル、ブタジエン、スチレン共重合合成樹脂)、PC(ポリカーボネート)、或いはそれらの混合樹脂(フィラーなどを混合させてもよい)を用いることができるが、これに限ったものではない。
上記スクリュー部は、軸部11の長手方向の非端部分(つまり中央部分)の周囲に形成されており、具体的には、図3A,図3Bで示すようにスクリュー形成領域12において軸部11の周囲に形成されている。
なお、図3A,図3Bではスクリュー形成領域12の搬送翼(羽根部)の断面のみを図示し外観を図示していないが、外観は例えば図2Aにおける搬送翼302と同様とすればよい。無論、搬送翼の形状は効率良くトナーが搬送できるように任意に決めればよく、使用トナーの性質(及び混合するキャリア)によって異なってくる。
また、軸に垂直な方向の断面で見ると、一体成型された上記スクリュー部と軸部11との境界は基本的に区別できない。但し、例えばスクリュー形成領域12のうち軸部11の端部分の径と同じ径までを軸部とし、それ以外をスクリュー部と定義することができる。若しくは、スクリュー形成領域12のうち搬送翼(羽根部)のみをスクリュー部と定義し、搬送翼を除く部分を軸部と定義することもできる。以下、便宜上、上記スクリュー部を、スクリュー形成領域と同じ符号(図3A〜図3Eの場合、符号「12」)で表すものとする。
このトナー搬送部材1は、金属パイプ13を備える。金属パイプ13に用いる金属としては、例えばSUS(ステンレス)やSUM(硫黄複合快削鋼鋼材)などが挙げられるが、これに限ったものではない。
この金属パイプ13は、軸部11におけるスクリュー部12が形成されていない端部分(非スクリュー部)の周囲に設けられた囲繞部分を有する。これにより、金属パイプ13を軸受け用部材として使用することができる。但し、図3A,図3Bで例示したように金属パイプ13は軸部11の最端部まで覆われている必要はなく、軸受け用部材として機能すればよい。
さらに本発明の主たる特徴として、この金属パイプ13は、スクリュー部12の少なくとも一部(少なくともスクリュー部12の端部)に埋設され、上記囲繞部分から延伸された埋設部分を有する。つまり、軸部11のうち端部分からスクリュー部12の一部に至る範囲では、金属パイプ13により覆われることになり、上記一部では金属パイプ13の周囲にスクリュー部12を構成する樹脂が覆われることになる。
金属パイプ13は、樹脂成型時に樹脂と一体化することが好ましい。そのため、図3Bで例示するように成型時の金型に対して位置決めするための孔13aが設けられている。金型側の位置決め用突起の形状に合わせて軸部11の孔13aに対応する位置では凹部11aが形成されている。
その他、金属パイプ13が樹脂に対して回転してしまわないようにするために、図3Bで例示するように金属パイプ13には廻り止め用の孔13bが設けられ、その孔13bに樹脂が充填されている。孔13bとそこに充填された樹脂11bにより、金属パイプ13は、軸部11に対して固定されており、それは軸部11の回転時にも変わらない。但し、孔13bを設けないようにし、回転開始時などに若干の回転を許容してもよい。なお、図3Bの右側の金属パイプ13には符号13a,13bを付していないが、左側と同様に孔13a,13bが設けられている。
なお、金属パイプ13を樹脂成型時に樹脂と一体化しない場合には、樹脂成型時に金属パイプ13を嵌め込むための溝をスクリュー部12の両端に設けておき、両端の軸部11において金属パイプ13を後から軸方向に沿って嵌め込むことになる。その場合、金属パイプ13には位置決め用の孔13aは不要であり、孔13bのような廻り止め用の孔又は突起などは設けておくことが好ましい。
以上のように、トナー搬送部材1では、軸受と接する金属パイプ13とスクリュー部12と軸部11とを一体化することで、スクリュー部12の両端部の金属パイプ13と軸受部が摺動する以外の部分が樹脂製のスクリュー部12の内部に埋設されている。従って、このトナー搬送部材1によれば、簡易な構造で済むだけでなく、全て樹脂製のトナー搬送部材や金属パイプの埋設部分のないトナー搬送部材に比べて、回転駆動によって生じる撓みを少なくすることができ、且つ、金属パイプ13の存在により早く永久変形してしまうことがなく、耐久性を向上させることができる。さらに、このトナー搬送部材1によれば、軸部に金属シャフトを用いたトナー搬送部材に比べて、材料費を抑えることや軽量化が可能となる。
また、図3A,図3Bにおける左右両端の金属パイプ13のうち、ストレスがより掛かる駆動機構に直結する側(駆動側)のみをスクリュー部12に埋め込み、非駆動側(従動側)はスクリュー部12に埋め込まないように構成しても、一定の撓み防止の効果は得られる。
次に、上述のようなトナー搬送部材を搭載可能な現像装置の一例について、図4A〜図4Cを参照しながら説明する。図4Aは図3Aのトナー搬送部材を搭載可能な現像装置の一例を示す軸方向に垂直な方向の断面図で、図4Bは図4Aの現像装置におけるB−B方向から見た図、図4Cは図4Aの現像装置におけるC−C方向の断面図である。なお、図4Aは図4BのA−A方向の断面図に相当する。
図4A〜図4Cで例示する現像装置20は、感光体ドラム34の近傍に設けられる現像ローラ23の表面にトナーとキャリアが攪拌・混合されてなる二成分現像剤(不図示)を担持させるためのものである。この現像装置20は、現像ローラ23を保持しつつその近傍に現像剤の循環路を形成するケース21と、その現像剤を循環路に沿って搬送するための第1攪拌搬送スクリュー27及び第2攪拌搬送スクリュー28とを備える。
また、現像装置20は、この循環路を第1攪拌搬送スクリュー27がある側の第1循環路25と第2攪拌搬送スクリュー28がある側の第2循環路26とに仕切る仕切り板24を有する。第1循環路25と第2循環路26とは、仕切り板24の長手方向の両端部分において互いに連通し、往復路を形成するようになっている。第1循環路25は現像ローラ23に近接するように配置されている。
ケース21には、トナーを貯留するトナーボトル31からトナーを補給するためのトナー補給口22が形成されている。トナーボトル31には、中間ホッパ32が接続され、中間ホッパ32にはトナー補給路33が接続される。トナーボトル31、中間ホッパ32、及びトナー補給路33によりトナーホッパが構成されている。このトナーホッパはトナー補給路33がトナー補給口22に連通するようにケース21に接続されている。
第1,第2攪拌搬送スクリュー27,28は、上述したトナー搬送部材の一例であり、スクリュー部としての現像剤の搬送とトナーとキャリアの混合を行うための螺旋状フィンが、丸棒状の軸部に形成されている。図示していないが、第1,第2攪拌搬送スクリュー27,28にも金属パイプが設けられ、その金属パイプは、図3A〜図3Eで例示したように軸部の端部分に対応する位置の囲繞部分だけでなくスクリュー部に一部埋没した埋没部分を有する。
第1,第2攪拌搬送スクリュー27,28は、それらの端部に設けられ互いにかみ合った駆動歯車27a,28aによってそれぞれ回転するようになっている。この回転により、ケース21内に収容された現像剤は、両端が互いに連通した第1循環路25及び第2循環路26内を矢印方向に循環するように搬送される。
また、現像装置20には、現像剤の循環系に対して下流側になる現像ローラ23の近傍においてトナー濃度センサ29が配設され、現像が終了した時点のトナー濃度を測定できるようになっている。また、第1攪拌搬送スクリュー27に比べ第2攪拌搬送スクリュー28が長く形成されている。そして、右側の現像容器壁面21bには双方の軸部が貫通するだけの孔が設けられているだけであるが、左側の現像容器壁面21aには第2攪拌搬送スクリュー28の螺旋状フィンを通すための開口部が設けられている。その開口部より左側の上側にトナー補給口22が配設されており、そこから補給されたトナーは、トナー濃度センサ29の測定には影響を与えることはない。
これにより、現像ローラ上のトナー濃度の微小な変化を検知することができるため、トナーの補給量(及び攪拌速度)をリアルタイムに制御することで目標トナー濃度を回復することができる。但し、トナー濃度センサ29の位置は第2循環路26側などこれに限ったものではない。
このように、本発明に係るトナー搬送部材を設けた現像装置では、図2A〜図2Cで示したような埋設部分無しのトナー搬送部材を用いた場合に比べて、トナー搬送部材の撓みが発生し難く、トナー検知センサでの検知も正確になる。
また、図1で示したような金属シャフトを用いたトナー搬送部材を用いた場合には、その金属シャフトの一部は現像容器内(現像剤の搬送路内)にむき出しとなってしまい、現像剤が回り込み、トナー搬送部材がロックしてしまうが、本発明に係るトナー搬送部材では撓みを抑制するための金属パイプのうち一部がスクリュー部に埋設されているため、スクリュー部のみを現像容器内(現像剤の搬送路内)に配設することができ、これにより上述のようなロックが発生することもない。
このように、本発明に係る現像装置では、トナーの円滑的な搬送、トナーの濃度制御、並びにトナー搬送部材のロック防止を実現させることができる。無論、本発明に係る現像装置の構成は例示するものに限らず、例えば像担持体としての感光体ドラムを備えたプロセスカートリッジなどであってもよい。また、この現像装置は例示した二成分現像方式に限らず一成分現像方式を採用したものであってもよい。
また、図3A,図3Bで説明したように、第1,第2攪拌搬送スクリュー27,28において駆動歯車27a,28aがある側のみに金属パイプのスクリュー部への埋設部分(埋没部分)を設けてもよい。さらに、駆動歯車27a,28aのうち、例えば駆動歯車28a側から駆動が伝達される場合には、駆動側である第1攪拌搬送スクリュー27の両端のみ(又は駆動歯車27a側のみ)に、金属パイプに埋設部分を設けても、一定の撓み防止の効果は得られる。
また、現像方式のうちトリクル現像方式では、トナーに比して比重が極めて大きいキャリアが補給されることになるが、非トリクル現像方式に比べると、樹脂材質の軸部が永久変形し易く、その場合、トナー濃度検知センサ出力以前に現像剤が軸方向に円滑に搬送されなくなる。よって、本発明に係る現像装置は、例えばトリクル現像方式を採用する場合に特に有益となる。また、現像容器が長いと短い場合に比べて軸部は永久変形し易い。よって、本発明に係る現像装置は、長手方向に長い現像容器を使用した予備攪拌システムを採用する場合にも特に有益となる。
以下、上述のような現像装置を搭載可能な画像形成装置の一例について、図5を参照しながら説明する。図5は、図4Aの現像装置を搭載可能な画像形成装置の一例を示す断面図である。図5では、画像形成装置の一例としての複合機の一構成例を示している。
画像形成装置100は、外部から伝送され、若しくはスキャナ(画像読取装置)で読み取った画像データに基づき、記録紙に電子写真方式で画像を形成するもので、装置本体101と、自動原稿処理装置102とにより構成されている。
装置本体101は、露光ユニット81、現像器82、感光体ドラム83、クリーナユニット84、帯電器85、中間転写ベルトユニット86、定着ユニット87、給紙カセット91a、排紙トレイ94等を有する。ここで、現像器82が本発明に係る現像装置の一例に該当する。
装置本体101の上部には、透明ガラスからなる原稿載置台96が設けられ、その上側には原稿載置台96に原稿を自動搬送する自動原稿処理装置102が取り付けられる。自動原稿処理装置102は矢印M方向に回動自在に構成され、原稿載置台96の上を開放することにより原稿を手置きで置くことができるようになっている。
装置本体101は、筐体内に収容される画像読取装置95を有している。画像読取装置95は、光源及び第1ミラーを保持する光源ユニット95aと、第2及び第3ミラーを保持するミラーユニット95bと、レンズ及びCCD95cとから構成された縮小光学系の画像読取装置である。また、装置本体101には、図示しない操作パネルが設けられ、ユーザによる操作入力が可能となっている。また装置本体101には、外部接続された装置から画像データを入力する手段、或いは可搬型の記録媒体から画像データを読み取る手段(いずれも図示せず)を備えている。
画像形成装置100において扱われる画像データは、例えばブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の4色のカラー画像に応じたものである。従って、現像器82、感光体ドラム(像担持体)83、クリーナユニット84、帯電器85は、各色に応じた4種類の潜像を形成するようにそれぞれ4個ずつ設けられ、これらにより4つの画像ステーションが構成されている。各色の現像器82には各色のトナーボトル90と図示しない経路で接続され、各色のトナーが供給されるようになっている。
露光ユニット81には、レーザ出射部及び反射ミラー等を備えたレーザスキャニングユニット(LSU)として構成される。露光ユニット81は、レーザビームを走査するポリゴンミラーと、ポリゴンミラーによって反射されたレーザ光を感光体ドラム83に導くためのレンズやミラー等の光学要素が配置されている。また、露光ユニット81としては、この他にも発光素子をアレイ状に並べた書込みヘッドを用いる手法も採用できる。
露光ユニット81は、帯電された感光体ドラム83を入力された画像データに応じて露光することにより、その表面に、画像データに応じた静電潜像を形成する機能を有する。現像器82は、それぞれの感光体ドラム83上に形成された静電潜像を4色(Y,M,C,K)のトナーにより顕像化するものである。また、クリーナユニット84は、現像・画像転写後における感光体ドラム83上の表面に残留したトナーを、除去・回収する。帯電器85は、感光体ドラム83の表面を所定の電位に均一に帯電させるための帯電手段であり、図5に示すようなチャージャ型の他、接触型のローラ型やブラシ型の帯電器が用いられることもある。
感光体ドラム83の上方に配置されている中間転写ベルトユニット86は、中間転写ベルト86a、中間転写ベルト駆動ローラ86b、中間転写ベルト従動ローラ86c、中間転写ローラ86d、及び中間転写ベルトクリーニングユニット86eを備えている。中間転写ローラ86dは、Y,M,C,Kの各色に対応して4本設けられている。中間転写ベルト駆動ローラ86b、中間転写ベルト従動ローラ86c、及び中間転写ローラ86dは、中間転写ベルト86aを張架して回転駆動させる。また、各中間転写ローラ86dは、感光体ドラム83のトナー像を中間転写ベルト86a上に転写するための転写バイアスを与える。
中間転写ベルト86aは、各感光体ドラム83に接触するように設けられている。そして、感光体ドラム83に形成された各色のトナー像を中間転写ベルト86aに順次的に重ねて転写することによって、中間転写ベルト86a上にカラーのトナー像(多色トナー像)を形成する。中間転写ベルト86aは、例えば厚さ100μm〜150μm程度のフィルムを用いて無端状に形成されている。
感光体ドラム83から中間転写ベルト86aへのトナー像の転写は、中間転写ベルト86aの裏側に接触している中間転写ローラ86dによって行われる。中間転写ローラ86dには、トナー像を転写するために高電圧の転写バイアス(トナーの帯電極性(−)とは逆極性(+)の高電圧)が印加されている。中間転写ローラ86dは、直径8〜10mmの金属(例えばステンレス)軸をベースとし、その表面が導電性の弾性材(例えばEPDM,発泡ウレタン等)により覆われているローラである。この導電性の弾性材により、中間転写ベルト86aに対して均一に高電圧を印加することができる。本構成例では転写電極としてローラ形状を使用しているが、それ以外にブラシなども用いることが可能である。
上述のように各感光体ドラム83上で各色相に応じて顕像化された静電像は、中間転写ベルト86aで積層される。このように積層された静電像は、中間転写ベルト86aの回転によって、後述の用紙と中間転写ベルト86aの接触位置に配置される二次転写機構部である転写ローラ88によって記録紙に転写される。二次転写機構部としては、転写ローラに限らず、コロナチャージャや転写ベルトを用いることも可能である。
このとき、中間転写ベルト86aと転写ローラ88は所定ニップで圧接されるとともに、転写ローラ88にはトナーを用紙に転写させるための電圧が印加される(トナーの帯電極性(−)とは逆極性(+)の高電圧)。さらに、転写ローラ88は、上記ニップを定常的に得るために、転写ローラ88若しくは中間転写ベルト駆動ローラ86bのいずれか一方を硬質材料(金属等)とし、他方を弾性ローラ等の軟質材料(弾性ゴムローラ、又は発泡性樹脂ローラ等々)としている。
また、上述のように、感光体ドラム83に接触することにより中間転写ベルト86aに付着したトナー、若しくは転写ローラ88によって記録紙に転写が行われず中間転写ベルト86a上に残存したトナーは、次工程でトナーの混色を発生させる原因となるために、中間転写ベルトクリーニングユニット86eによって除去・回収されるように設定されている。中間転写ベルトクリーニングユニット86eには、中間転写ベルト86aに接触する例えばクリーニング部材としてクリーニングブレードが備えられており、クリーニングブレードが接触する中間転写ベルト86aは、裏側から中間転写ベルト従動ローラ86cで支持されている。
給紙カセット91aは、画像形成に使用する記録紙(シート)を蓄積しておくためのトレイであり、装置本体101の露光ユニット81の下側に設けられている。また、手差し給紙カセット91bにも画像形成に使用する記録紙を置くことができる。装置本体101の上方に設けられている排紙トレイ94は、印刷済みの記録紙をフェイスダウンで集積するためのトレイである。
また、装置本体101には、給紙カセット91a及び手差し給紙カセット91bの記録紙を転写ローラ88や定着ユニット87を経由させて排紙トレイ94に送るための、略垂直形状の用紙搬送路S1が設けられている。給紙カセット91a又は手差し給紙カセット91bから排紙トレイ94までの用紙搬送路S1の近傍には、ピックアップローラ92a,92b、複数の搬送ローラ93a〜93d、レジストローラ89、転写ローラ88、定着ユニット87等が配されている。
搬送ローラ93a〜93dは、記録紙の搬送を促進・補助するための小型のローラであり、用紙搬送路S1に沿って複数設けられている。また、ピックアップローラ92aは、給紙カセット91aの端部近傍に備えられ、給紙カセット91aから記録紙を1枚ずつピックアップして用紙搬送路S1に供給する。同様に、ピックアップローラ92bは、手差し給紙カセット91bの端部近傍に備えられ、手差し給紙カセット91bから記録紙を1枚ずつピックアップして用紙搬送路S1に供給する。
また、レジストローラ89は、用紙搬送路S1を搬送されている記録紙を一旦保持するものである。そして、感光体ドラム83上のトナー像の先端と記録紙の先端を合わせるタイミングで記録紙を転写ローラ88に搬送する機能を有している。
定着ユニット87は、ヒートローラ87a及び加圧ローラ87bを備えている。ヒートローラ87a及び加圧ローラ87bは、記録紙を挟んで回転するようになっている。またヒートローラ87aは、図示しない温度検出器からの信号に基づいて制御手段によって所定の定着温度となるように設定されており、加圧ローラ87bと共にトナーを記録紙に熱圧着することにより、記録紙に転写された多色トナー像を溶融・混合・圧接し、記録紙に対して熱定着させる機能を有している。また、ヒートローラ87aを外部から加熱するための外部加熱ベルト87cが設けられている。
次に、記録紙の搬送経路をより具体的に説明する。上述のように、画像形成装置100には、予め記録紙を収納する給紙カセット91a、及び手差し給紙カセット91bが設けられている。これら給紙カセット91a,91bから記録紙を給紙するために、各々ピックアップローラ92a,92bが配置され、記録紙を1枚ずつ用紙搬送路S1に導くようになっている。
各給紙カセット91a,91bから搬送される記録紙は、用紙搬送路S1の搬送ローラ93aによってレジストローラ89まで搬送され、記録紙の先端と中間転写ベルト86a上の画像情報の先端を整合するタイミングで転写ローラ88に搬送され、記録紙上に画像情報が書き込まれる。その後、記録紙は定着ユニット87を通過することによって記録紙上の未定着トナーが熱で溶融・固着され、その後に配された搬送ローラ93bを経て排紙トレイ94上に排出される。
上記の搬送経路は、記録紙に対する片面印字要求のときのものであるが、これに対して両面印字要求のときは、上述のように片面印字が終了し定着ユニット87を通過した記録紙の後端が最終の搬送ローラ93bで把持されたときに、搬送ローラ93bが逆回転することによって記録紙を搬送ローラ93c,93dが配された搬送路S2に導く。そして、搬送路S2は搬送路S1に合流して、記録紙はレジストローラ89から転写ローラ88に搬送される。このとき、搬送路S2からS1に合流する段階で記録紙の表裏が反転されているため、転写ローラ88では記録紙の裏面に印刷が行わる。そして裏面に印刷された記録紙は定着ユニット87で定着され、排紙トレイ94に排出される。
また、現像装置や画像形成装置について一例を挙げて説明したが、本実施形態のトナー搬送部材を搭載可能な現像装置や画像形成装置はこれに限ったものではない。例えば、画像形成装置にはトナー容器(図4Aのトナーボトル31、図5のトナーボトル90)から現像装置にトナーを供給するトナー供給装置が具備されるが、このトナー供給装置においても本発明のようにスクリュー部への埋設部分を有する金属パイプを備えたトナー搬送部材を用いてもよい。
(第2の実施形態)
本発明の第2の実施形態に係るトナー搬送部材について、図6A,図6Bを参照しながら説明するが、本実施形態でも第1の実施形態に係る様々な応用例も適用できる。また、本実施形態に係るトナー搬送部材も第1の実施形態で説明したような現像装置や画像形成装置に搭載することができる。
図6Aは、本発明の第2の実施形態に係るトナー搬送部材の一例における軸方向の断面形状を示す拡大図である。また、図6Bは図6Aのトナー搬送部材に設けられた金属パイプの一例を示す図である。
図6A,図6Bで例示するように、本実施形態に係るトナー搬送部材6は、トナー搬送部材1において金属パイプ13の代わりに金属パイプ63を有している。この金属パイプ63は、スクリュー部62に埋設された埋設部分63bを有し、少なくともその埋設部分63bに複数の孔63cが形成されている。孔63cの配置は図示するものに限ったものではなく、その形状も円形に限ったものではない。
このように金属パイプ63には、埋設部分63bに孔63cが存在し、回り止めの機能を果たすため、金属パイプ13における孔13bに相当する廻り止め用の孔を設ける必要がなくなる。
また、金属パイプ63は、軸部61の上記端部分に対応する位置にある囲繞部分63aには、樹脂の成型時の金型との位置決め用の孔63d以外には孔が形成されていないことが好ましい。これにより軸受との摺動性が良くなる。孔63dは金属パイプ13における孔13aに対応し、凹部61aは軸部11における凹部11aに対応するものである。なお、位置決め用の孔63dの代わりに金属パイプ63の端が一部欠けているような構成を採用することもできる。
(第3の実施形態)
本発明の第3の実施形態に係るトナー搬送部材について、図7A〜図7Cを参照しながら説明するが、本実施形態でも第1,第2の実施形態に係る様々な応用例も適用できる。また、本実施形態に係るトナー搬送部材も第1の実施形態で説明したような現像装置や画像形成装置に搭載することができる。
図7Aは、本発明の第3の実施形態に係るトナー搬送部材の一例における軸方向の断面形状を示す拡大図である。また、図7Bは図7Aのトナー搬送部材に設けられた金属パイプの一例の一部を示す図、図7Cは図7Aのトナー搬送部材に設けられた金属パイプの一例の全体を示す図である。
図7A〜図7Cで例示するように、本実施形態に係るトナー搬送部材7は、トナー搬送部材6の金属パイプ63の代わりに1本の金属パイプ73を有している。金属パイプ73は、金属パイプ63と同様に、埋設部分73bに孔73cが存在し、回り止めの機能を果たすため、金属パイプ13における孔13bに相当する廻り止め用の孔を設ける必要がなくなる。よって、この例でも、上記位置決め用の孔以外には、金属パイプ73は囲繞部分73aに孔が形成されていない。なお、孔73dは金属パイプ63における孔63dに対応し、凹部71aは軸部61における凹部61aに対応するものである。
そして、本実施形態の主たる特徴として、金属パイプ73は、1本であり、図7Cにその全体を例示したように、スクリュー部72の一端側に位置する囲繞部分73aから(埋設部分73aを介して)他端側に位置する囲繞部分73aまで連なっている。つまり、本実施形態における金属パイプ73は埋設部分73aの両端には囲繞部分73aが連なっている。
本実施形態では、このような構成により、第1,第2の実施形態に比べて、より撓みを少なくし、且つより耐久性を向上させることができる。また、本実施形態では、トナー搬送部材7に1本の金属パイプ73を用いているものの、金属パイプ73には孔73cが設けられているため、軸部71及びスクリュー部72と一体的に成型することができる。
1,6,7…トナー搬送部材、11,61,71…軸部、11a,61a,71a…凹部、11b…樹脂、12,62,72…スクリュー形成領域(スクリュー部)、13,63,73…金属パイプ、13a,13b,63c,63d,73c,73d…孔、63a,73a…囲繞部分、63b,73b…埋設部分。

Claims (6)

  1. 軸部と、該軸部の長手方向の非端部分の周囲に形成されたスクリュー部とが、樹脂により一体成型されたトナー搬送部材であって、
    金属パイプをさらに備え、
    該金属パイプは、前記軸部における前記スクリュー部が形成されていない端部分の周囲に設けられた囲繞部分と、前記スクリュー部の少なくとも一部に埋設され、前記囲繞部分から延伸された埋設部分とを有することを特徴とするトナー搬送部材。
  2. 前記金属パイプは、少なくとも前記埋設部分に複数の孔が形成されていることを特徴とする請求項1に記載のトナー搬送部材。
  3. 前記金属パイプは、前記囲繞部分において、前記樹脂の成型時の金型との位置決め用の孔以外には孔が形成されていないことを特徴とする請求項2に記載のトナー搬送部材。
  4. 前記金属パイプは、前記スクリュー部の一端側に位置する前記囲繞部分から他端側に位置する前記囲繞部分まで連なっていることを特徴とする請求項2又は3に記載のトナー搬送部材。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載のトナー搬送部材を備えた現像装置。
  6. 請求項5に記載の現像装置を備えた画像形成装置。
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