JP5905502B2 - Rc造梁における開口部補強構造 - Google Patents

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Description

この発明は、人通孔として使用可能な大開口部を有する基礎梁等のRC造梁における開口部補強構造に関する。
中高層住宅や、事務所ビル、流通施設等の建築物において、基礎梁等のRC造梁に人が通れるような大きな開口部を設けることが必要な場合がある。例えば、1階がピット形式となる建物においては、ピット内部を定期的に点検する必要がある。この対策として、基礎梁で区切られたエリアに入れるように、基礎梁に点検用の作業者が通る開口部を設けることがある。
基礎梁に開口部を設ける場合、開口部の口径が大きくなるほど、せん断強度および剛性が下がるため、梁せいを高くしなくてはならない。日本建築学会のRC基準では、基礎梁の開口部の口径の推奨値は、梁せいの1/3までと規定されている。そのため、大きな開口部が必要な場合は、それだけRC造梁の全体の梁せいを高くしなければならず、建物の構造計算で必要な梁せいよりも高くなる不経済な梁せいにする必要がある。また、基礎梁の場合、梁せいが高くなることに伴って、地盤の掘削量、残土処分量、型枠量が増加し、工期の長期化、原価増に繋がる。
このようなRC造梁の開口部を補強する技術として、斜め補強筋、開口際補強筋、上下水平鉄筋、上下補強筋などの各種の補強鉄筋を組み合わせて開口部の周囲に配置するものが多数提案されている(例えば特許文献1〜3)。図7(A),(B)には、その一例の正面図および横断面図を示す。これらの各種の補強鉄筋31〜35を組み合わせるとき、単に互いに交差させて配置するものもあれば、専用金具を用いて互いの補強鉄筋を緊結するものもある。また、上記補強筋31〜35の形状としては、斜め補強筋に代えて、円形や多角形の閉鎖型配筋を用いたものや、鋼管とフラットバーのような鉄筋以外の鋼材を加工して補強材とするものもある。
特開昭63−297657号公報 実開平05−083129号公報 特開2002−266470号公報
上記した各種の補強鉄筋(斜め補強筋31、開口際補強筋35、上下水平鉄筋32、上下補強筋33等)は、開口部1の周囲において互いに交差して配置されることが多く、梁幅方向での配筋が過密となり、コンクリート打設に障害が生じる恐れがある。また、補強鉄筋として、斜め補強筋に代えて円形や多角形の閉鎖型配筋を用いたものや、鋼管と、フラットバーのような鉄筋以外の材料(鋼材)を加工して補強材を構成したものがあるが、これら閉鎖型配筋のコンクリート定着効果や、上下水平補強筋との応力伝達を考慮した配筋がなされているとは言い難い。
この発明は、上記課題を解消するものであり、開口部周囲に配置される補強材が梁幅方向で過密とならないように開口部をせん断補強でき、梁せいを高くすることなく大きな開口部を形成することができるRC造梁における開口部補強構造を提供することを目的とする。
この発明の他の目的は、開口部周囲に配置される補強材のコンクリートへの定着効果を向上させることである。
この発明のRC造梁における開口部補強構造は、上端筋、下端筋、およびあばら筋がコンクリート内に埋め込まれ、前後面に貫通した人通孔として使用可能な開口部を有するRC造梁において、
正立姿勢の台形状または三角形状の一対の閉鎖型補強筋を互いに上下対称として、それぞれ前記開口部を囲む位置に配置され、前記コンクリート内に埋め込まれ、
前記閉鎖型補強筋の対が、前後幅方向に複数並べて配置され、一対のせん断補強筋を互いに上下に向かい合わせてなるせん断補強筋対が前記開口部の上下にそれぞれ配置され、前記開口部の上側のせん断補強筋対で囲まれた範囲に、前記複数の閉鎖型補強筋の対における各対の前記開口部よりも上側の2本の鉄筋部分と前記上端筋とが挿通され、前記開口部の下側のせん断補強筋対で囲まれた範囲に、前記複数の閉鎖型補強筋の対における各対の前記開口部よりも下側の2本の鉄筋部分と前記下端筋とが挿通され、
前記開口部に対する上側および下側の両方において、前記各せん断補強筋対を構成する各一対のせん断補強筋は、両端の縦辺部分で重ねられ、前記各せん断補強筋対のうちの前記縦辺部分の先端が前記開口部側へ向かうせん断補強筋は、前記両端の縦辺部分の先端から内側に折り返された形状のフック部を有し、このフック部に、梁長手方向に延び前記せん断補強筋対で囲まれた範囲に挿通された水平補強筋が係合している。
上記の「正立姿勢」は、傾きのない姿勢を言う。
この構成によると、台形状または三角形状の一対の閉鎖型補強筋を互いに上下対称として、それぞれ開口部を囲む位置に配置するので、RC造梁の開口部をせん断補強でき、剛性低下も回避できる。閉鎖型補強筋の水平辺部は開口部の上下に位置する水平補強筋を兼ねることになる。また、閉鎖型補強筋の斜辺部は従来例における斜め補強筋としての役割を果たすとともに、上下対称に一対の閉鎖型補強筋を配置することによって、開口部を六角形状に囲み込んで拘束する効果が期待できる。また、閉鎖型補強筋であることから、その斜辺部の端部定着は、その斜辺部と予め接続されている前記水平辺部によって担保されるので、コンクリートへの定着性も良く、主筋との重ね継手とする場合の定着長さを考慮する必要がない。これらのため、鉄筋のコストダウンが図れる。
前記一対の閉鎖型補強筋は、RC造梁の長手方向に沿う同一垂直面に位置することで重ね継ぎ手が発生せず、開口部周囲に配置される補強材が梁幅方向で過密とならないように開口部を補強でき、補強材がコンクリート打設の邪魔になるのを回避できる。そのため、開口部補強を行いながら、施工性にも優れる。
また、分割された一対のせん断補強筋を互いに向かい合わせてなるので、前記閉鎖型補強筋を後施工しても、せん断補強筋対で囲まれた範囲に、前記閉鎖型補強筋対の水平辺部を挿通させた状態に配置することができる。
この発明において、前記一対の閉鎖型補強筋が台形状であって、これら台形状の一対の一体型の閉鎖型補強筋は、上側に位置する水平辺部同士、および下側に位置する水平辺部同士の高さ位置を互いに揃えても良い。
前記閉鎖型補強筋が台形状であると、前記開口部の上下に、前記一対の閉鎖型補強筋によって水平補強筋を兼ねる水平辺部がそれぞれ2本ずつ得られ、堅固に補強できる。また、上側に位置する水平辺部同士、および下側に位置する水平辺部同士の高さ位置を互いに揃えることで、配筋が簡素に纏まる。
この発明において、前記一対の閉鎖型補強筋が台形状であって、これら台形状の一対の閉鎖型補強筋は、互いに長辺となる水平辺部から短辺となる水平辺部が外周側に突出して全体として星形となるように配置しても良い。
この場合も、前記開口部の上下に、水平補強筋を兼ねる水平辺部がそれぞれ2本ずつ得られ、堅固に補強できる。また、この水平補強筋を兼ねる2本の水平辺部が互いに上下にずれて位置して分散されることになり、また一対の閉鎖型補強筋が全体として星形に配置されるため、広範囲に渡り分散して配筋補強することになり、より効果的に補強できる。
この発明において、前記一対の閉鎖型補強筋が、一辺が水平辺部となる三角形状であって、これら三角形状の一対の閉鎖型補強筋は、互いに一方の閉鎖型補強筋の前記水平辺部から、他方の閉鎖型補強筋の角部が外周側に突出して全体として星形となるようにしても良い。
この構成の場合、閉鎖型補強筋の形状が三角形状であるため、台形状とした場合に比べて簡素となる。また、この構成の場合も、前記一対の閉鎖型補強筋が全体として星形に配置されるため、広範囲に渡り分散して配筋補強することになり、効果的に補強できる。
この発明のRC造梁における開口部補強構造は、上端筋、下端筋、およびあばら筋がコンクリート内に埋め込まれ、前後面に貫通した人通孔として使用可能な開口部を有するRC造梁において、正立姿勢の台形状または三角形状の一対の閉鎖型補強筋を互いに上下対称として、それぞれ前記開口部を囲む位置に配置し、前記コンクリート内に埋め込んだため、開口部周囲に配置される補強材が梁幅方向で過密とならないように開口部をせん断補強でき、梁せいを高くすることなく大きな開口部を形成することができる。また、開口部周囲に配置される補強材のコンクリートへの定着効果を向上させることができる。
また、前記閉鎖型補強筋の対が、前後幅方向に複数並べて配置され、一対のせん断補強筋を互いに上下に向かい合わせてなるせん断補強筋対が前記開口部の上下にそれぞれ配置され、前記開口部の上側のせん断補強筋対で囲まれた範囲に、前記複数の閉鎖型補強筋の対における各対の前記開口部よりも上側の2本の鉄筋部分と前記上端筋とが挿通され、前記開口部の下側のせん断補強筋対で囲まれた範囲に、前記複数の閉鎖型補強筋の対における各対の前記開口部よりも下側の2本の鉄筋部分と前記下端筋とが挿通され、
前記開口部に対する上側および下側の両方において、前記各せん断補強筋対を構成する各一対のせん断補強筋は、両端の縦辺部分で重ねられ、前記各せん断補強筋対のうちの前記縦辺部分の先端が前記開口部側へ向かうせん断補強筋は、前記両端の縦辺部分の先端から内側に折り返された形状のフック部を有し、このフック部に、梁長手方向に延び前記せん断補強筋対で囲まれた範囲に挿通された水平補強筋が係合したため、分割された一対のせん断補強筋を互いに向かい合わせてなるので、前記閉鎖型補強筋を後施工しても、せん断補強筋対で囲まれた範囲に、前記閉鎖型補強筋対の水平辺部を挿通させた状態に配置することができる。
特に、前記RC造梁が基礎梁である場合は、この発明の梁せいを高くすることなく大きな開口部を形成できるという効果によって、地盤の掘削量、残土処分量、型枠量の増加が回避でき、工期の短縮、原価低減が図れる。
(A)はこの発明の基礎となる提案例にかかるRC造梁における開口部補強構造を示す縦断面図、(B)は同RC造梁を開口部で断面した横断面図である。 同開口部補強構造における一対の閉鎖型補強筋の正面図である。 (A)は同開口部補強構造における閉鎖型補強筋の対を配置する前の状態を示す正面図、(B)は同開口部補強構造に配置されるコ字形の一対のせん断補強筋の側面図、(C)は同せん断補強筋の対を重ねて接合した状態を示す斜視図である。 (A)はこの発明の第1の実施形態で用いるせん断補強筋の対の例を示す側面図、(B)は同せん断補強筋の対を重ねて接合した状態を示す斜視図、(C)はせん断補強筋の対のさらに他の例を示す側面図、(D)は同せん断補強筋の対を重ねて接合した状態を示す斜視図である。 (A)はこの発明の他の実施形態にかかるRC造梁における開口部補強構造を示す縦断面図、(B)は同RC造梁を開口部で断面した横断面図である。 (A)はこの発明のさらに他の実施形態にかかるRC造梁における開口部補強構造を示す縦断面図、(B)は同RC造梁を開口部で断面した横断面図である。 (A)は従来例の正面断面図、(B)は同横断面図である。
この発明の基礎となる第1の参考提案例を図1ないし図3と共に説明する。図1(A)はこの提案例の開口部補強構造を適用したRC造梁の縦断面図を示し、図1(B)は同RC造梁を開口部で断面した横断面図を示す。図1(A)に示すRC造梁20は、前後面に貫通した断面円形の開口部1をコンクリート5の部分に有し、軸方向に沿って配置された上下の主筋である上端筋2および下端筋3と、これら上端筋2および下端筋3を囲むように配置されたあばら筋4とが、前記開口部1を避けてコンクリート5内に埋め込まれている。上端筋2および下端筋3は、それぞれ水平方向に複数本、例えば2〜6本が配筋されている。RC造梁20は、この例では1階がピット形式となる建物における基礎梁であり、開口部1は人通孔である。RC造梁20は、基礎梁に限らず、上部構造の梁であっても良い。
コンクリート5内には、前記開口部1を補強する補強材として、図2に示すような台形状の一対の閉鎖型補強筋6A,6Bが互いに上下対称として、それぞれ開口部1を囲む位置に配置して埋め込まれている。一対の閉鎖型補強筋6A,6Bは、台形形状の上底または下底となる水平辺部6Aa,6Ab,6Ba,6Bbが互いに前後に重なるように高さ位置を揃えて配置される。各閉鎖型補強筋6A,6Bは、1本の鉄筋を台形に屈曲させてなる。この台形状の閉鎖型補強筋の対6は、図1(B)のように梁横断面の前後幅方向に複数並べて配置されている。閉鎖型補強筋6A,6Bの材料としては、細形化および軽量化を図る観点から高強度鉄筋(685N/mm 以上)を用いるのが望ましい。また、開口部1の上方および下方には、図3(B)のように梁横断面の前後幅方向に延びるコ字形の一対のせん断補強筋7A,7Bを互いに向かい合わせてなるせん断補強筋対7がそれぞれ配置されている。なお、図3(A)は、あばら筋4とせん断補強筋対7の配置を示す正面図であり、図3(B)は図3(A)における上下のせん断補強筋対7を梁横断面側から見た分解図を示す。一対のコ字形のせん断補強筋7A,7Bは、図3(C)のように互いに隣り合わせて配置し、バインド線で緊結され、前記せん断補強筋対7が構成される。これらコ字形のせん断補強筋7A,7Bは、水平辺部で重ね継手の原理により定着する。
これら上下の各せん断補強筋対7で囲まれた範囲に、前記複数の閉鎖型補強筋の対6における各閉鎖型補強筋6A,6Bの水平辺部6Aa,6Ab,6Ba,6Bbと、前記上端筋2または下端筋3が挿通させてある。なお、図2において、一方の閉鎖型補強筋6Aの下辺および上辺は下側の水平辺部6Abおよび上側の水平辺部6Aaであり、他方の閉鎖型補強筋6Bの上辺および下辺は上側の水平辺部6Baおよび下側の水平辺部6Bbである。各閉鎖型補強筋6A,6Bの水平辺部6Aa,6Ab,6Ba,6Bbが存在する箇所では、上下の各せん断補強筋対7は、各閉鎖型補強筋6A,6Bにおける短辺となる水平辺部6Aa,6Bbの範囲内に位置させている。これらのせん断補強筋対7により、せん断補強と共に、コンクリート打設前における各閉鎖型補強筋6A,6Bの位置を、上端筋2および下端筋3に対して位置決めしている。上記したように、せん断補強筋対7は閉鎖型ではない一対のせん断補強筋7A,7Bの組み合わせからなるので、閉鎖型補強筋6A,6Bを後施工しても、せん断補強筋対7で囲まれた範囲に、各閉鎖型補強筋6A,6Bの水平辺部6Aa,6Ab,6Ba,6Bbを挿通させた状態に配置することができ、施工性の向上に寄与できる。
なお、上端筋2、下端筋3、あばら筋4、および前記各補強筋には、いずれも異形鉄筋が用いられている。
この構成によると、台形状の一対の閉鎖型補強筋6A,6Bを互いに上下対称として、それぞれ開口部1を囲む位置に配置したため、各閉鎖型補強筋6A,6Bの水平辺部6Aa,6Ab,6Ba,6Bbが開口部1の上下の水平補強筋を兼ねた補強鉄筋となると共に、各閉鎖型補強筋6A,6Bの斜辺部は従来例における斜め補強筋と同様の役割を担い、一対の閉鎖型補強筋6A,6Bが開口部1を六角形状に囲み込んで拘束する効果が得られる。そのため、RC造梁20の開口部1をせん断補強でき、剛性低下も回避することができる。
また、各閉鎖型補強筋6A,6Bは一体のものであり、それらの斜辺部の端部定着は水平辺部6Aa,6Ab,6Ba,6Bbによって担保されるため、従来例の場合の斜め補強筋を定着する場合のような継手が不要となり、コンクリート5への定着性も良い。したがって、前記斜辺部を上端筋2や下端筋3等の主筋と重ね継手とする場合の定着長さを考慮する必要がない。これらのため、鉄筋のコストDNが図れる。
また、前記一対の閉鎖型補強筋6A,6Bは、RC造梁20の長手方向に沿う同一垂直面に位置することで重ね継ぎ手が発生せず、開口部1の周囲に配置される補強材が梁幅方向で過密とならないように開口部1を補強でき、補強材がコンクリート打設の邪魔になるのを回避できる。そのため、開口部補強を行いながら、施工性にも優れる。
この例のようにRC造梁20が基礎梁である場合は、梁せいHの増加は、地盤の掘削量、残土処分量、型枠量の増加を伴い、これにより工期の長期化、原価増に繋がるが、そのため、この実施形態による梁せいHを増加させることなく大きな開口部を得ることができる効果が、より一層効果的に発揮される。
数値例で示すと、直径が開口部1が600mmの開口部1を人通孔として設ける場合、従来構造の基礎梁では、開口部の口径の推奨値は梁せいの1/3であるため、1800mmの梁せいとする必要がある。そのため、構造計算上では1500mm程度の梁せいで良い場合であっても、1800mmの梁せいとする必要があり、300mmも構造計算値よりも高く基礎梁を構築する必要がある。上記実施形態のように台形状の閉鎖型補強筋6A,6Bの対6で補強することで、例えば開口部1の1/2.5の梁せいHで良くなった場合、600mmの開口部1を設ける場合でも、梁せいHは1500mmで済み、構造計算上で必要な梁せい(1500mm)との差が少なくなる。このため、経済的な梁せいHのRC造梁20とできる。
図4(A),(B)は、この発明の第1の実施形態において用いるせん断補強筋対7の構成例を示す。この実施形態は、図1ないし図3と共に前述したRC造梁における開口部補強構造において、図4(A),(B)に示すせん断補強筋対7を用いている。この例では、図4(A)のように梁横断面の前後幅方向に延びて両端にフック部17Aaを有する上側に開口した溝形のせん断補強筋17Aと、同様に梁横断面の前後幅方向に延びて下側に開口した溝形のせん断補強筋17Bとを、上下に互いに向かい合わせて図4(B)のようにせん断補強筋対17を構成している。一対の溝形のせん断補強筋17A,17Bは互いに隣り合わせて配置し、バインド線で緊結するかあるいはフレア溶接等で接合することにより前記せん断補強筋対17が構成される。上側に開口した溝形のせん断補強筋17Aは、そのフック部17Aaを上端筋2に係合させるか、閉鎖形補強筋6A,6Bの水平辺部6Aa,6Bbに係合させることにより定着を担保できる。下側に開口した溝形のせん断補強筋17Bは、その中央直線部を上端筋2に係合させるか、閉鎖形補強筋6A,6Bの水平辺部6Aa,6Bbに係合させることにより定着を担保できる。
図4(C),(D)は、上記実施形態におけるせん断補強筋対7のさらに他の構成例を示す。この例では、図4(A),(B)の例において、上下に対向する一対のせん断補強筋17A,17Bのうち、片方のせん断補強筋17Aを同じとし、もう片方のせん断補強筋27Bを、直線部分の両端からフック部27Baが延びる蟻溝形とし、下端筋3または上端筋2の上下に各せん断補強筋27Aのフック部27Aa,27Baを係合させるようにしている。
図5は、この発明の他の実施形態を示す。この実施形態は、図1〜3に示す提案例につき、図4に示すせん断補強筋対7を用いた第1の実施形態において、前記台形状の一対の閉鎖型補強筋6A,6Bを、互いに長辺となる水平辺部6Ab,6Baから短辺となる水平辺部6Bb,6Aaが外周側に突出して閉鎖型補強筋対6の全体として星形となるように配筋してある。閉鎖型補強筋6A,6Bの斜辺部の水平に対する傾斜角度は、例えば60度としてある。また、水平補強筋29が、開口部1の上下に位置して、開口部1から両側へ梁長手方向の適宜の位置まで設けられている。水平補強筋29は、必ずしも設けなくても良い。せん断補強筋は、第1の実施形態と同様に設けられるが、図5の例では、図4(C)に示すせん断補強筋対27が用いられている。このせん断補強筋対27の代わりに、図4(A),(B)に示すせん断補強筋対7を用いても良く、さらに他の構成のせん断補強筋(図示せず)を用いても良い。その他の構成は、図1〜3に示す提案例と同様である。
この構成の場合、水平補強筋を兼ねる上側2本の水平辺部6Aa,6Ba同士、および下側2本の水平辺部6Ab,6Bb同士がそれぞれ上下にずれて位置して分散されることになり、また閉鎖型補強筋6A,6Bの対6が全体として星形に配置されるため、広範囲に渡り分散して配筋補強することになり、より効果的に補強できる。
図6は、この発明のさらに他の実施形態を示す。この実施形態は、図1〜4に示す第1の実施形態において、前記台形状の一対の閉鎖型補強筋6A,6Bに代えて、一辺が水平辺部6Ca,6Daとなる三角形状の閉鎖型補強筋6C,6Dを用いている。これら三角形状の一対の閉鎖型補強筋6C,6Dは、互いに一方の閉鎖型補強筋6C,6Dの前記水平辺部6Ca,6Daから、他方の閉鎖型補強筋6C,6Dの角部6Dd,6Cdが外周側に突出して閉鎖型補強筋対6の全体として星形となるように配筋してある。この例も、水平補強筋29が図5の例と同様に設けられている。
せん断補強筋は、第1の実施形態と同様に設けられるが、図6の例では、図4(C)に示すせん断補強筋対27が用いられている。このせん断補強筋対27の代わりに、図4(B)に示すせん断補強筋対17、または図4(A)に示すせん断補強筋対7を用いても良く、さらに他の構成のせん断補強筋(図示せず)を用いても良い。その他の構成は、図1〜3に示す提案例と同様である。
この実施形態の場合、閉鎖型補強筋6C,6Dの形状が三角形状であるため、前記各実施形態のように台形状とした場合に比べてより簡素となる。また、この構成の場合も、前記一対の閉鎖型補強筋6C,6Dの閉鎖型補強筋対6が全体として星形に配置されるため、広範囲に渡り分散して配筋補強することになり、効果的に補強できる。
1…開口部
2…上端筋
3…下端筋
4…あばら筋
5…コンクリート
6A,6B,6C,6D…閉鎖型補強筋
6Aa,6Ab,6Ba,6Bb…水平辺部
6…閉鎖型補強筋の対
7A,7B…せん断補強筋
7…せん断補強筋対
17A,17B…せん断補強筋
17…せん断補強筋対
20…RC造梁
27A,27B…せん断補強筋
27…せん断補強筋対

Claims (5)

  1. 上端筋、下端筋、およびあばら筋がコンクリート内に埋め込まれ、前後面に貫通した人通孔として使用可能な開口部を有するRC造梁において、
    正立姿勢の台形状または三角形状の一対の閉鎖型補強筋が互いに上下対称として、それぞれ前記開口部を囲む位置に配置され、前記コンクリート内に埋め込まれ、
    前記閉鎖型補強筋の対が、前後幅方向に複数並べて配置され、一対のせん断補強筋を互いに上下に向かい合わせてなるせん断補強筋対が前記開口部の上下にそれぞれ配置され、前記開口部の上側のせん断補強筋対で囲まれた範囲に、前記複数の閉鎖型補強筋の対における各対の前記開口部よりも上側の2本の鉄筋部分と前記上端筋とが挿通され、前記開口部の下側のせん断補強筋対で囲まれた範囲に、前記複数の閉鎖型補強筋の対における各対の前記開口部よりも下側の2本の鉄筋部分と前記下端筋とが挿通され、
    前記開口部に対する上側および下側の両方において、前記各せん断補強筋対を構成する各一対のせん断補強筋は、両端の縦辺部分で重ねられ、前記各せん断補強筋対のうちの前記縦辺部分の先端が前記開口部側へ向かうせん断補強筋は、前記両端の縦辺部分の先端から内側に折り返された形状のフック部を有し、このフック部に、梁長手方向に延び前記せん断補強筋対で囲まれた範囲に挿通された水平補強筋が係合した、
    RC造梁における開口部補強構造。
  2. 請求項1に記載のRC造梁における開口部補強構造において、前記各せん断補強筋対を構成する各一対のせん断補強筋のうち、前記縦辺部分が前記開口部側とは反対側に延びるせん断補強筋が、互いに内側に延びる形状のフック部を有し、このフック部は、前記縦辺部分が前記開口部側へ延びるせん断補強筋のフック部よりも前記開口部側とは反対側に並んで位置し、この互いに並ぶ両フック部の間に、前記水平補強筋が位置して前記両フック部に係合したRC造梁における開口部補強構造。
  3. 請求項1または請求項2に記載の開口部補強構造において、前記一対の閉鎖型補強筋が台形状であって、これら台形状の一対の一体型の閉鎖型補強筋は、上側に位置する水平辺部同士、および下側に位置する水平辺部同士の高さ位置が互いに揃っている開口部補強構造。
  4. 請求項1または請求項2に記載の開口部補強構造において、前記一対の閉鎖型補強筋が台形状であって、これら台形状の一対の閉鎖型補強筋は、互いに長辺となる水平辺部から短辺となる水平辺部が外周側に突出して全体として星形となる開口部補強構造。
  5. 請求項1または請求項2に記載の開口部補強構造において、前記一対の閉鎖型補強筋が、一辺が水平辺部となる三角形状であって、これら三角形状の一対の閉鎖型補強筋は、互いに一方の閉鎖型補強筋の前記水平辺部から、他方の閉鎖型補強筋の角部が外周側に突出して全体として星形となる開口部補強構造。
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