JP6886095B2 - 開口部の補強構造 - Google Patents

開口部の補強構造 Download PDF

Info

Publication number
JP6886095B2
JP6886095B2 JP2016252497A JP2016252497A JP6886095B2 JP 6886095 B2 JP6886095 B2 JP 6886095B2 JP 2016252497 A JP2016252497 A JP 2016252497A JP 2016252497 A JP2016252497 A JP 2016252497A JP 6886095 B2 JP6886095 B2 JP 6886095B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
opening
reinforcing
reinforcing bars
reinforcing bar
bar
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2016252497A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2018104993A (ja
Inventor
恒久 松浦
恒久 松浦
有希子 東條
有希子 東條
宗孝 清井
宗孝 清井
祐希 古谷
祐希 古谷
康幸 日野原
康幸 日野原
慶一 平野
慶一 平野
直樹 山岸
直樹 山岸
原 博
博 原
健 樋渡
健 樋渡
鉄雄 村田
鉄雄 村田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toa Corp
Hazama Ando Corp
Original Assignee
Toa Corp
Hazama Ando Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toa Corp, Hazama Ando Corp filed Critical Toa Corp
Priority to JP2016252497A priority Critical patent/JP6886095B2/ja
Publication of JP2018104993A publication Critical patent/JP2018104993A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6886095B2 publication Critical patent/JP6886095B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Reinforcement Elements For Buildings (AREA)

Description

本願発明は、コンクリート造梁に設けられた開口部の補強に関する技術であり、より具体的には、開口部の周辺に種々の補強鉄筋を配置した補強構造に関するものである。
一般的に建築物では、図7に示すように柱の基礎(フーチング)を接続する基礎梁が構築されることがある。この基礎梁は、地中に構築されることから「地中梁」ともいわれ、基礎部全体の剛性を高めるとともに、建築物の不等沈下を防ぐものであり、一般的には鉄筋コンクリート造とされる。そして基礎梁には、人が通るため、あるいは設備用として開口部が設けられることが多い。
通常、開口部の断面形状は円形であり、その直径は慣用的に梁せいの1/3以下とされている。また開口部は、梁を貫通するいわば断面欠損部であり、当然ながらこの部分では必要な強度が不足しているため、その周辺は補強鉄筋等によって補強される。なお、補強鉄筋が開口部を補強し得る範囲(補強有効範囲C)は、図8に示すように開口部中心から45度方向に伸ばした線と主筋との交差位置を境界とする、限られた領域である。
開口部はその性質上できるだけ大きな面積を確保する方がよいが、一方で梁せいは経済的な理由等からできるだけ小さくした方がよい。そのため、開口部の直径は概ね梁せいの1/3とされることが多く、言い換えれば梁せいの寸法を開口部直径の3倍とする設計が主流となっている。例えば、人通孔では人が通るため600mmの直径が必要とされていることから、梁せいは1,800mmで設計される。規模によっては構造計算上必要な梁せいが1,800mm以下となる場合でも、梁せいは開口部直径の3倍である1,800mmを確保する必要があった。
そこで、これまでにも基礎梁の開口部を補強する技術が種々提案されており、例えば特許文献1では、2本の鉄筋をX字状に重ねた組み鉄筋を人通孔の周辺に配置する補強構造を提案している。
特開2013−087504号公報
特許文献1に示すX字状組み鉄筋は、人通孔を挟んで2組配置され、さらにこの2組が梁の両側面に配置され、全部で4組のX字状組み鉄筋が人通孔の周辺に配置される。そして、X字状組み鉄筋を構成するそれぞれの鉄筋は、その一端はコンクリートに定着するものの、他の一端(フック)は主筋に緊結される。この緊結作業は、狭隘な空間でしかも種々の鉄筋が密集した状況で行われることから、困難な作業であり相当に手間を要する作業である。
また特許文献1の補強構造は、X字状組み鉄筋の一端(フック)は必ず主筋に緊結されることから、梁内部に配置できる補強鉄筋は主筋の本数から両端の2本を引いた数となるため、比較的大きな荷重が想定されるなど補強鉄筋量を増加しなければならないケースでは、その対応が難しい。仮に、両側面に配置されたX字状組み鉄筋の間(つまり、梁断面の中央部)にX字状組み鉄筋を配置する設計としても、主筋への緊結を含めその設置作業はさらに困難さが増すこととなる。
加えて、特許文献1をはじめ従来の補強構造では、開口部の上下に設けられる補強鉄筋の設置作業もやはり困難であった。この補強鉄筋は、主筋を取り囲むように設置されるものであって、図9に示すように閉鎖した(開いた箇所がない)形状であり、その先端は135°フックとされている。したがって、この補強鉄筋を設置するためには、主筋の先端から押し込んでいくか、あるいは事前に複数の主筋とともに先組みすることとなり、いずれにしろその施工性は著しく悪い。
本願発明の課題は、従来技術が抱える問題を解決することであり、すなわち、補強鉄筋の設置作業が従来に比して容易であり、しかも限られた補強有効範囲Cであっても補強鉄筋の増加に柔軟に対応することができる開口部の補強構造を提供することである。
本願発明は、コンクリート造梁の両側面に配置される4本1組の側方補強鉄筋に加え、梁断面の中央部に配置される中央補強鉄筋によって補強することとし、さらにこの中央補強鉄筋に形成される閉鎖領域内に開口部を収める、という点に着目してなされたものであり、これまでにない発想に基づいて行われた発明である。
本願発明の開口部の補強構造は、側方補強鉄筋と中央補強鉄筋を備えた構造である。側方補強鉄筋は、水平部と傾斜部を有する折り曲げ鉄筋であり、4本を1組として、コンクリート造梁の左右の側面に所定のかぶりを確保したうえで配置される。また中央補強鉄筋は、左右側面に配置された側方補強鉄筋の間に配置される。なおここでいう「側面」とは、コンクリート造梁の軸方向(長手方向)に沿った略鉛直(鉛直含む)の面のことである。開口部は、側面側では4つの(4本の側方補強鉄筋の)傾斜部によって取り囲まれ、断面中央側では中央補強鉄筋の全部又は一部によって形成される閉鎖領域の中に収められる。
本願発明の開口部の補強構造は、上部側方補強鉄筋と下部側方補強鉄筋を備えた構造とすることもできる。上部側方補強鉄筋は水平部が開口部の上方に配置されるもので、一方の下部側方補強鉄筋は水平部が開口部の下方に配置されるものである。この場合、2本の上部側方補強鉄筋は、それぞれの傾斜部が開口部を挟むように対向配置され、さらに水平部と傾斜部との折り曲げ部で交差するように、そして両方の水平部が略一直線(一直線含む)となるように配置される。同様に、2本の下部側方補強鉄筋も、それぞれの傾斜部が開口部を挟むように対向配置され、さらに水平部と傾斜部との折り曲げ部で交差するように、そして両方の水平部が略一直線(一直線含む)となるように配置される。
本願発明の開口部の補強構造は、さらに開口部補強鉄筋を備えた構造とすることもできる。開口部補強鉄筋は、主筋の側方からスライド挿入可能となるように一部が開いたコ字形状であり、左右1組の開口部補強鉄筋によって主筋を取り囲むように配置される。なお、開口部補強鉄筋の両端に設けられたフックは主筋の一部に掛けられる。
本願発明の開口部の補強構造は、多重の中央補強鉄筋によって開口部を取り囲む構造とすることもできる。この場合、閉鎖領域の大きさがそれぞれ異なる複数の中央補強鉄筋を用意し、これら中央補強鉄筋を開口部の周囲で略同一面(同一面含む)内に配置する。
本願発明の開口部の補強構造には、次のような効果がある。
(1)4本1組で配置される側方補強鉄筋は、補強有効範囲Cに配置された補強鉄筋としてのせん断補強効果に加えて、開口部上下で定着されていることから鉄筋に作用する引張力の鉛直分力がさらにせん断耐力の向上に寄与する。この結果、コンクリート造梁の梁せいを開口部直径の3倍未満に低減することができる。(なお、発明者らが行った試験の結果、梁せいを開口部直径の2.3倍まで低減できることを確認している。)
(2)コンクリート造梁の梁せいを小さくすると、コンクリート材料を削減することができるだけでなく、コンクリート造梁を構築するための掘削量も削減できることから、従来技術に比べて掛かる費用を大幅に軽減することができる。さらに、建設時の温室効果ガス(CO2等)の排出量も抑制することができるため、環境面においても従来技術より優れた構造といえる。
(3)側方補強鉄筋は、その水平部でコンクリートに定着できるため主筋への緊結作業等が省略でき、従来技術に比して容易に設置することができる。
(4)中央補強鉄筋は、あらかじめ閉鎖領域が形成されていることから、従来の補強鉄筋に比して鉄筋量を削減することができ、しかも特段の手間を要することなく容易に設置することができる。
(5)また開口部補強鉄筋も、主筋の側方からスライドさせながら所定位置に配置できるため、従来技術に比してやはり容易に設置することができる。
コンクリート造梁の軸方向に沿って切断した断面図。 (a)は開口部の位置でコンクリート造梁の軸方向の直交方向に切断した断面図、(b)は開口部がない位置でコンクリート造梁の軸方向の直交方向に切断した断面図。 (a)は1本の側方補強鉄筋を示す正面図、(b)は開口部を補強する4本の側方補強鉄筋を示す正面図。 (a)は開口部を補強する1重の中央補強鉄筋を示す正面図、(b)は開口部を補強する2重の中央補強鉄筋を示す正面図。 1本の鉄筋を一筆書きで2重にした中央補強鉄筋を示す正面図。 (a)は開口部補強鉄筋を設置する前の状況を示すコンクリート造梁の断面図、(b)は開口部補強鉄筋を設置した後の状況を示すコンクリート造梁の断面図。 柱のフーチングを接続する基礎梁を示す断面図。 補強鉄筋が開口部を補強し得る補強有効範囲Cを説明するモデル図。 (a)は従来の補強鉄筋を示す正面図、(b)はこの補強鉄筋が上下の主筋を取り囲んで設置された状態を示す断面図。
本願発明の開口部の補強構造の一例を、図に基づいて説明する。
1.全体概要
本願発明の開口部の補強構造は、基礎梁などのコンクリート造梁に設けられた開口部を補強するものであり、側方補強鉄筋と中央補強鉄筋を含む構造である。図1と図2を参照しながら、本願発明の開口部の補強構造の全体的な構成について説明する。図1は、コンクリート造梁100の軸方向(以下、単に「梁軸方向」という。)に沿って切断した断面図である。また図2は、梁軸方向に直交する方向(以下、「梁軸直角方向」という。)に沿って切断した断面図であり、(a)は開口部110位置で切断した断面図(図1のA矢視断面)、(b)は開口部110がない位置で切断した断面図(図1のB矢視断面)である。
図1と図2に示すようにコンクリート造梁100は、同一断面(一般的には略長方形)が梁軸方向に連続する形状であり、梁軸方向に沿って上下に主筋120が配置された鉄筋コンクリート構造物である。また、上下に伸びるあばら筋130が梁軸方向に一定間隔で配置されており、これらあばら筋130は上下の主筋120にそれぞれ係止されている。
コンクリート造梁100には開口部110が設けられ、その周辺には開口部110を補強する種々の補強鉄筋が配置されている。具体的には、4本の側方補強鉄筋200が開口部110を取り囲むように配置され、さらに中央補強鉄筋300も開口部110を取り囲むように配置されている。そして、開口部110の上方と下方には、主筋120を取り囲む開口部補強鉄筋400が梁軸方向に所定間隔で配置され、開口部110の側方(図1では左右)の近い位置には、複数のあばら筋130を束ねた開口際あばら筋500が配置されている。なお、これら側方補強鉄筋200(先端の一部を除く)と、中央補強鉄筋300、開口部補強鉄筋400、開口際あばら筋500は、それぞれ補強有効範囲Cの中に配置されている。また、上方の主筋120と開口部110の間、下方の主筋120と開口部110の間には、梁軸方向に伸びる軸方向補強鉄筋600がそれぞれ配置されている。
以下、本願発明を構成する主要な要素ごとに詳述する。
2.側方補強鉄筋
図3(a)は1本の側方補強鉄筋200を示す正面図であり、図3(b)は開口部110を補強する4本の側方補強鉄筋200を示す正面図である。図3(a)に示すように側方補強鉄筋200は、1本の鉄筋を折り曲げ加工したものであり、略水平(水平含む)に配置される水平部201と、斜方向に配置される傾斜部202を有している。なお、水平部201と傾斜部202の接続点、つまり側方補強鉄筋200の形状が変化する点を、ここでは便宜上、「折り曲げ部203」ということとする。
側方補強鉄筋200は、4本を1組として開口部110を補強する。その4本の側方補強鉄筋200の配置について、図3(b)を参照しながら詳しく説明する。この図に示すように、4本1組のうち2本の側方補強鉄筋200は、その水平部201が開口部110の上方に位置するように配置される。そして、残り2本の側方補強鉄筋200は、その水平部201が開口部110の下方に位置するように配置される。ここでは便宜上、水平部201が開口部110の上方に位置する側方補強鉄筋200を特に「上部側方補強鉄筋210」ということとし、水平部201が開口部110の下方に位置する側方補強鉄筋200を特に「下部側方補強鉄筋220」ということとする。
図3(b)に示すように2本の上部側方補強鉄筋210は、それぞれの傾斜部202が開口部110を挟んで対向するように配置され、そしてそれぞれの折り曲げ部203で交差し(重なり)、しかも両方の水平部201が略一直線となるように配置される。同様に、2本の下部側方補強鉄筋220は、それぞれの傾斜部202が開口部110を挟んで対向するように配置され、そしてそれぞれの折り曲げ部203で交差し、しかも両方の水平部201が略一直線となるように配置される。なお、2本の上部側方補強鉄筋210の水平部201がなす直線方向と、2本の下部側方補強鉄筋220の水平部201がなす直線方向は、それぞれ主筋120の方向(つまり梁軸方向)と略平行である。このように配置した結果、開口部110は4つの(4本の側方補強鉄筋200の)傾斜部202によって取り囲まれる。
4本を1組とする側方補強鉄筋200は、コンクリート造梁100の両側の側面に配置される。つまり、右側の側面(右側面)に所定のかぶりを確保したうえで、図3(b)に示すように4本1組の側方補強鉄筋200が配置され、左側の側面(左側面)にも所定のかぶりを確保したうえで、図3(b)に示すように4本1組の側方補強鉄筋200が配置される。なおここでいう「側面」とは、既述したとおり梁軸方向に沿った略鉛直(鉛直含む)の面のことである。
3.中央補強鉄筋
図4は中央補強鉄筋300を示す正面図であり、(a)は開口部110を補強する1重の中央補強鉄筋300を示す正面図であり、(b)は開口部110を補強する2重の中央補強鉄筋300を示す正面図である(図中の黒点は鉄筋の接合箇所を示す)。図4(a)に示すように中央補強鉄筋300は閉合しており、その中に閉鎖した領域(以下、「閉鎖領域310」という。)が形成されている。そして実際に中央補強鉄筋300を配置すると、その閉鎖領域310内に開口部110が収められる。なお図4(a)では、中央補強鉄筋300の全部で(つまり両端が接合することで)閉鎖領域310を形成しているが、それぞれ両端から所定長(例えば数cm)控えた位置で鉄筋を交差させる(この場合、端部付近は閉鎖領域310の外側に突き出す)など中央補強鉄筋300のうちの一部によって閉鎖領域310を形成してもよい。
中央補強鉄筋300は、コンクリート造梁100の両側面(左右の側面)に配置された4本1組の側方補強鉄筋200の間、具体的には梁軸直角方向における断面中央付近に配置される。また、中央補強鉄筋300は、図4(a)に示すように単独で(1重で)開口部110を補強してもよいし、図4(b)に示すように2重で開口部110を補強してもよい。さらに、設計上必要とされる鉄筋量に応じて3重以上の中央補強鉄筋300で開口部110を補強することもできる。開口部110の周りに複数の中央補強鉄筋300を配置する場合は、それぞれ閉鎖領域310の大きさが異なる中央補強鉄筋300を用意し、閉鎖領域310が小さいものから順に内側から配置する。このとき、複数の中央補強鉄筋300は、略同一(同一含む)の面内、具体的には鉛直面内となるように配置するとよい。
多重の中央補強鉄筋300で開口部110を補強する場合、図5に示すように1本の鉄筋を一筆書きで2重に加工した中央補強鉄筋300を使用することもできる。この図に示す中央補強鉄筋300は、鉄筋を折り曲げ加工したものであり、内側に小さな略矩形が形成され、さらにその外側により大きな略矩形が形成されており、全体を通して一筆書きとなるように加工されている。もちろんこの図に示す形状に限らず、一筆書きとなる他の形状の中央補強鉄筋300を用いて開口部110を補強することもできる。
ところで4本1組の側方補強鉄筋200は、両側面(左右の側面)に1箇所ずつ配置されるため、それほど鉄筋量を増やすことができない。一方、中央補強鉄筋300は、既述したとおり多重配置できるうえに、梁軸直角方向に並列して(つまり複数の鉛直面内に)配置することもできるため、比較的容易に鉄筋量を増加することができる。すなわち本願発明の開口部の補強構造は、限られた補強有効範囲Cであっても補強鉄筋の増加に柔軟に対応することができるわけである。なお、側方補強鉄筋200の荷重負担と中央補強鉄筋300の荷重負担の極端な不均衡を避けるため、中央補強鉄筋300の鉄筋量は、側方補強鉄筋200と中央補強鉄筋300を合わせた総鉄筋量の90%以下(つまり、0%よりも多く90%以下)となるように設計するとよい。
4.開口部補強鉄筋
図6は開口部補強鉄筋400を配置する状況を示すコンクリート造梁100の断面図であり、(a)は開口部補強鉄筋400を設置する前の状況を、(b)は開口部補強鉄筋400を設置した後の状況を示している。図6(a)から分かるように開口部補強鉄筋400は、その1部が開いたいわゆる「コ字形状」であり、両端にはフックが形成されている。
開口部補強鉄筋400は、主筋120を取り囲むように配置される。このとき、2つの開口部補強鉄筋400を1組として主筋120を取り囲む。具体的には、図6(a)に示すように左右の開口部補強鉄筋400で挟み込むように主筋120を取り囲むわけである。なお、左右1組の開口部補強鉄筋400は、開口部110の上方範囲と下方範囲に配置され、上下の主筋120それぞれに梁軸方向に所定間隔をもって配置される。
開口部補強鉄筋400を配置する際は、開いた部分が主筋120側となる姿勢とし、そのまま梁軸直角方向にスライドさせながら主筋120に挿入する。このように設置することで、主筋120の先端から梁軸方向に押し込んでいく必要がなく、設計された位置でそのまま設置作業ができ、しかもスライドさせるだけであるから極めてスムーズな設置作業となる。そして開口部補強鉄筋400が主筋120を取り囲むように配置されると、図6(b)に示すように先端のフックが主筋120に係止される(掛けられる)。
5.コンクリート造梁
本願発明の開口部の補強構造によれば、補強有効範囲Cといった限定的な範囲であっても十分な補強鉄筋量を配置できるため、コンクリート造梁100の梁せいを従来技術より小さくすることができる。言い換えれば本願発明の開口部の補強構造は、梁せいが従来技術よりも小さいコンクリート造梁100にも有効に適用することができる。具体的には、梁せいが開口部110直径の3倍未満であるコンクリート造梁100にも適用可能であり、既述したとおり発明者らが行った試験の結果から、梁せいが開口部110直径の2倍であるコンクリート造梁100まで適用可能である。つまり本願発明の開口部の補強構造は、梁せいが開口部110直径の2倍以上3倍未満の範囲にあるコンクリート造梁100に有効に適用可能である。
本願発明の開口部の補強構造は、戸建住宅や集合住宅のほか、工場などの生産施設や、倉庫、体育館などあらゆる建築物で利用することができる。本願発明の開口部の補強構造は、開口部を堅固に補強するため高品質の建築物を提供し得る発明であり、しかも既述したとおり建設時の温室効果ガス排出量を抑制し得る発明であることを考えれば、産業上利用できるばかりでなく社会的にも大きな貢献を期待し得る発明といえる。
100 コンクリート造梁
110 開口部
120 主筋
130 あばら筋
200 側方補強鉄筋
201 (側方補強鉄筋の)水平部
202 (側方補強鉄筋の)傾斜部
203 (側方補強鉄筋の)折り曲げ部
210 上部側方補強鉄筋
220 下部側方補強鉄筋
300 中央補強鉄筋
310 (中央補強鉄筋内に形成される)閉鎖領域
400 開口部補強鉄筋
500 開口際あばら筋
600 軸方向補強鉄筋

Claims (4)

  1. コンクリート造梁に設けられた開口部の補強構造において、
    前記コンクリート造梁の左側面に所定のかぶりを確保して配置された4本の側方補強鉄筋と、
    前記コンクリート造梁の右側面に所定のかぶりを確保して配置された4本の側方補強鉄筋と、
    左側面に配置された前記側方補強鉄筋と、右側面に配置された前記側方補強鉄筋と、の間に配置された中央補強鉄筋と、を備え、
    前記側方補強鉄筋は水平部と傾斜部を有する折り曲げ鉄筋であり、該傾斜部によって前記開口部を取り囲むように4本の前記側方補強鉄筋が配置され、
    前記中央補強鉄筋の全部又は一部によって閉鎖領域が形成され、該閉鎖領域内に前記開口部が収められ、
    前記開口部の周囲に、該開口部を取り囲む異なる種類の補強鉄筋が配置された、
    ことを特徴とする開口部の補強構造。
  2. 4本のうち2本の前記側方補強鉄筋は、前記水平部が前記開口部の上方に配置される上部側方補強鉄筋であって、他の2本の前記側方補強鉄筋は、前記水平部が前記開口部の下方に配置される下部側方補強鉄筋であり、
    2本の前記上部側方補強鉄筋は、それぞれの前記傾斜部が前記開口部を挟んで対向するとともに、前記水平部と前記傾斜部との折り曲げ部で交差し、かつ両方の前記水平部が略一直線となるように配置され、
    2本の前記下部側方補強鉄筋は、それぞれの前記傾斜部が前記開口部を挟んで対向するとともに、前記水平部と前記傾斜部との折り曲げ部で交差し、かつ両方の前記水平部が略一直線となるように配置された、
    ことを特徴とする請求項1記載の開口部の補強構造。
  3. 前記開口部の上方及び下方の主筋をそれぞれ取り囲んで配置された開口部補強鉄筋を、さらに備え、
    前記開口部補強鉄筋は、前記主筋の側方からスライド挿入可能となるように一部が開いたコ字形状であって、
    左右1組の前記開口部補強鉄筋によって前記主筋が取り囲まれるとともに、該開口部補強鉄筋の両端に設けられたフックが該主筋に掛けられた、
    ことを特徴とする請求項1又は請求項2記載の開口部の補強構造。
  4. 一筆書きとなるように1本の鉄筋を加工することで、大きさが異なる複数の前記閉鎖領域が略同一面内に形成された多重の前記中央補強鉄筋が配置され、
    前記多重の中央補強鉄筋によって前記開口部が取り囲まれた、
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の開口部の補強構造。
JP2016252497A 2016-12-27 2016-12-27 開口部の補強構造 Active JP6886095B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016252497A JP6886095B2 (ja) 2016-12-27 2016-12-27 開口部の補強構造

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016252497A JP6886095B2 (ja) 2016-12-27 2016-12-27 開口部の補強構造

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2018104993A JP2018104993A (ja) 2018-07-05
JP6886095B2 true JP6886095B2 (ja) 2021-06-16

Family

ID=62786784

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016252497A Active JP6886095B2 (ja) 2016-12-27 2016-12-27 開口部の補強構造

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6886095B2 (ja)

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3272530B2 (ja) * 1993-11-30 2002-04-08 大田機材株式会社 鉄筋コンクリート有孔梁用の貫通孔上下部補強金物
ES2306550B1 (es) * 2005-09-28 2009-09-17 Megaray, S.L. Armadura de ferralla para vigas de hormigon armado.
JP5905502B2 (ja) * 2014-03-12 2016-04-20 大和ハウス工業株式会社 Rc造梁における開口部補強構造
JP2015178757A (ja) * 2014-03-20 2015-10-08 株式会社熊谷組 鉄筋コンクリート造基礎梁の補強構造
JP6502125B2 (ja) * 2015-03-05 2019-04-17 信之 和泉 鉄筋コンクリート有孔梁

Also Published As

Publication number Publication date
JP2018104993A (ja) 2018-07-05

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3223582U (ja) 耐震建築物の鉄筋構造
JP5905502B2 (ja) Rc造梁における開口部補強構造
JP5924903B2 (ja) 地中梁における人通孔回りの補強構造
JP6633362B2 (ja) 鉄骨コンクリート架構の補強構造
TWM576181U (zh) Column bundle stirrup for steel reinforced concrete seismic strengthening structure
JP2016160721A (ja) 鉄筋コンクリート有孔梁
TWI570308B (zh) 鋼筋混凝土牆版之鋼筋結構及其工法
JP6886095B2 (ja) 開口部の補強構造
JP5908518B2 (ja) Rc造梁における開口部補強構造
JP6428027B2 (ja) 柱鉄筋接続パネルおよび鉄筋構造物
JP6352664B2 (ja) ハイブリッド梁
JP6204027B2 (ja) 補強構造
JP2017128980A (ja) PCa部分壁、PCa部分梁、RC建物及びRC建物の構築方法
JP4791781B2 (ja) 建築方法
JP2023022183A (ja) コンクリート充填鋼管柱と鉄筋コンクリートスラブとの接合構造
KR101697010B1 (ko) 보-기둥 접합부 횡보강 철근 구조
JP5939707B2 (ja) 柱梁接合部の補強構造
JP6177151B2 (ja) 独立基礎の配筋構造及び独立基礎
JP2019105035A (ja) 壁梁構造
JP6357303B2 (ja) 鉄筋コンクリート造の方立壁
JP2020020184A (ja) 既製杭の杭頭と基礎フーチングとの連結構造
JP6862096B2 (ja) 変断面梁構造
JP7127244B2 (ja) 耐震補強構造
JP2016023414A (ja) 柱・梁構造
JP2020002715A (ja) 組立構造体、当該組立構造体の組立て方法、及び構造体

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20170817

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711

Effective date: 20170817

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20170817

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20191112

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20201019

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20201027

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20201216

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20210414

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20210419

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6886095

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250