JP5904383B2 - リチウム二次電池 - Google Patents

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Description

本発明はリチウム二次電池に関する。詳しくは、車両搭載用電源に適用可能なリチウム二次電池に関する。
リチウム二次電池は、軽量で高エネルギー密度が得られることから、パソコンや携帯端末等のいわゆるポータブル電源や車両駆動用電源として好ましく用いられている。特に、電気自動車、ハイブリッド自動車等の車両の駆動用高出力電源としての重要性は高い。この種のリチウム二次電池では、電荷担体であるリチウムイオン(Liイオン)が正負の電極間を行き来することにより充放電が行われる。しかし例えば、負極の正極非対向部(例えば負極端面)では、Liイオンは不可逆的に固定されてしまう傾向があるため、上記正極非対向部にLiイオンが移動すると、充放電に寄与すべきLiイオンが不可逆的に固定されることにより電池容量が劣化する虞がある。上記のようなLiイオンの移動を制限する技術を開示している文献として特許文献1が挙げられる。また特許文献2には、負極端面を熱融着樹脂で被覆することにより、負極端面からの微小片の欠落を抑制することが提案されている。
日本国特許出願公開第2009−188037号公報 日本国特許出願公開第2012−014886号公報
本発明は、リチウム二次電池の改良に関するものであり、その目的は、サイクル特性等の電池特性を向上または維持することが可能であり、かつ高温保存時の容量劣化が抑制されたリチウム二次電池を提供することである。
上記目的を達成するため、本発明により、正極活物質層を含む正極と、負極活物質層を含む負極と、を備えるリチウム二次電池が提供される。このリチウム二次電池では、前記正極活物質層と前記負極活物質層とは、互いに対向するように配置されている。また、前記負極活物質層は、前記正極活物質層に対向しない正極非対向部を含む領域Aを有している。さらに、前記領域Aは、負極活物質と、熱溶融性結着材と、感温性増粘剤と、を含む。そして、前記熱溶融性結着材の融点および前記感温性増粘剤のゲル化温度は、ともに45℃〜100℃の範囲内である。
かかる構成によると、感温性増粘剤は、高温保存時の容量劣化を抑制するように作用する。また、感温性増粘剤を正極非対向部に含ませることで、電池特性を高いレベルに維持しながら、高温保存時の容量劣化を効果的に抑制することができる。また、熱溶融性結着材も、高温保存時の容量劣化を抑制するように作用する。これによっても、高温保存時の容量劣化は効果的に抑制される。また、熱溶融性結着材は密着性に優れるので、感温性増粘剤と併用されることによって上記密着性が良好に発現し、電池特性を向上または維持するように作用する。さらに、熱溶融性結着材と感温性増粘剤とを組み合わせて用いることにより、電池特性の向上または維持、ならびに高温保存時の容量劣化抑制の観点において、熱溶融性結着材と感温性増粘剤とが良好な配置になっていると考えられる。これにより、熱溶融性結着材と感温性増粘剤とを併用しない場合には実現できない効果、すなわち、サイクル特性等の電池特性を向上または維持することが可能でありながら、高温保存時の容量劣化を効果的に抑制する効果が実現される。
なお、本明細書において「熱溶融性結着材」とは、常温では固体であり、加熱等によって所定の温度まで上昇させると溶融する性質を有する結着材のことをいう。また、本明細書において「感温性増粘剤」とは、常温では増粘作用を示さないが、加熱等によって所定の温度まで上昇させると、該増粘剤が含まれている組成物(例えば、濃度1〜5質量%の感温性増粘剤を含有する水分散液または水溶液)の粘度を上昇させ得る性質を有する増粘剤として定義され得る。また、本明細書において「感温性増粘剤のゲル化温度」は、示差走査熱量計(DSC)により求めることができる。DSCの測定サンプルとしては、所定の濃度(例えば1〜5質量%)の感温性増粘剤を含む水分散液または水溶液を用いればよい。
ここで開示されるリチウム二次電池の好適な一態様では、前記熱溶融性結着材の融点をX℃とし、前記感温性増粘剤のゲル化温度をY℃としたとき、該熱溶融性結着材の融点X℃と該感温性増粘剤のゲル化温度Y℃とは、|X−Y|≦30の関係を満たす。このように構成することで、熱溶融性結着材の溶融と感温性増粘剤によるゲル化とが近似する温度範囲で発現するため、上記温度範囲において相互に作用しあい、負極活物質層内において熱溶融性結着材と感温性増粘剤とが良好な配置になりやすいと考えられる。これにより、高温保存時の容量劣化がさらに抑制される。また、電池特性(例えばサイクル特性)のさらなる向上が実現され得る。
ここで開示されるリチウム二次電池の好適な一態様では、前記熱溶融性結着材の融点をX℃とし、前記感温性増粘剤のゲル化温度をY℃としたとき、前記熱溶融性結着材の融点X℃と前記感温性増粘剤のゲル化温度Y℃とは、X≧Yの関係を満たす。これにより、熱溶融性結着材の溶融と同時に、あるいは該溶融より先に感温性増粘剤によるゲル化が発現し、熱溶融性結着材の配置を制御しやすくなると考えられる。その結果、熱溶融性結着材と感温性増粘剤とが、高温保存時の容量維持や電池特性の観点において好適に配置されると考えられる。
ここで開示されるリチウム二次電池の好適な一態様では、前記熱溶融性結着材の融点は70℃〜90℃である。このような温度範囲に融点を有する熱溶融性結着材の配置は、負極活物質層の正極非対向部において上記感温性増粘剤と併用されることにより、高温保存時の容量維持や電池特性の向上、維持の観点からみて好適なものになりやすいと考えられる。また、上記の温度範囲に融点を有する熱溶融性結着材は、負極活物質層に用いられる結着材として優れた性能(密着性)を発揮することができる。
ここで開示されるリチウム二次電池の好適な一態様では、前記感温性増粘剤は多糖類である。また、前記感温性増粘剤はカードランであることが好ましい。
ここで開示されるリチウム二次電池の好適な一態様では、前記熱溶融性結着材の平均粒径は0.1μm未満である。このような小径の熱溶融性結着材を用いることにより、高温保存時の容量劣化がより好適に抑制され得る。
ここで開示されるリチウム二次電池の好適な一態様では、前記熱溶融性結着材の密度は1.2g/cm以下である。このように軽量の結着材を用いる構成であっても、感温性増粘剤を配合することで、負極活物質層の正極非対向部において熱溶融性結着材が良好な配置になりやすいと考えられる。
ここで開示されるリチウム二次電池は、高温保存時の容量劣化が抑制されている。また、サイクル特性等の電池特性の向上または維持が可能である。したがって、この特徴を活かして、ハイブリッド自動車(HV)やプラグインハイブリッド自動車(PHV)、電気自動車(EV)等のような車両の駆動電源等の二次電池として好適に利用され得る。本発明によると、ここで開示されるいずれかのリチウム二次電池(複数の電池が接続された組電池の形態であり得る。)を搭載した車両が提供される。
一実施形態に係るリチウム二次電池の外形を模式的に示す斜視図である。 図1のII−II線における断面図である。 一実施形態に係る電極体を捲回して作製する状態を模式的に示す斜視図である。 図3のIV−IV線における断面を拡大して示す図である。 図4の正極シートと負極シートとを抽出して模式的に示す断面図である。 図5に対応する図であって、負極活物質層の他の構成例を模式的に示す断面図である。 負極活物質層の形成に用いられるダイの一例を模式的に示す斜視図である。 一実施形態に係るリチウム二次電池を備えた車両(自動車)を模式的に示す側面図である。
以下、図面を参照しながら本発明による実施形態を説明する。なお、各図における寸法関係(長さ、幅、厚さ等)は実際の寸法関係を反映するものではない。また、本明細書において特に言及している事項以外の事柄であって本発明の実施に必要な事柄(例えば、正極および負極を備えた電極体の構成および製法、セパレータや非水電解質(非水電解液)の構成および製法、電池(ケース)の形状等、電池の構築に係る一般的技術等)は、当該分野における従来技術に基づく当業者の設計事項として把握され得る。本発明は、本明細書に開示されている内容と当該分野における技術常識とに基づいて実施することができる。また、以下の図面において、同じ作用を奏する部材・部位には同じ符号を付して説明し、重複する説明は省略または簡略化することがある。
以下、リチウム二次電池に係る好適な実施形態を説明する。なお、本明細書において「二次電池」とは、繰り返し充放電可能な電池一般をいい、リチウム二次電池等の蓄電池(すなわち化学電池)のほか、電気二重層キャパシタ等のキャパシタ(すなわち物理電池)を包含する。また、本明細書において「リチウム二次電池」とは、電解質イオンとしてLiイオンを利用し、正負極間におけるLiイオンに伴う電荷の移動により充放電が実現される二次電池をいう。その限りにおいて、例えば、Liイオン以外の金属イオン(例えばナトリウムイオン)を電荷担体として併用する二次電池も本明細書における「リチウム二次電池」に包含され得る。一般にリチウムイオン二次電池と称される電池は、本明細書におけるリチウム二次電池に包含される典型例である。
図1および図2に示すように、リチウム二次電池100は、角型箱状の電池ケース10と、電池ケース10内に収容される捲回電極体20とを備える。電池ケース10は上面に開口部12を有している。この開口部12は、捲回電極体20を開口部12から電池ケース10内に収容した後、蓋体14によって封止される。電池ケース10内にはまた、非水電解質(非水電解液)25が収容されている。蓋体14には、外部接続用の外部正極端子38と外部負極端子48とが設けられており、それら端子38,48の一部は蓋体14の表面側に突出している。また、外部正極端子38の一部は電池ケース10内部で内部正極端子37に接続されており、外部負極端子48の一部は電池ケース10内部で内部負極端子47に接続されている。
図3に示すように、捲回電極体20は、長尺シート状の正極(正極シート)30と、長尺シート状の負極(負極シート)40とを備える。正極シート30は、長尺状の正極集電体32とその少なくとも一方の表面(典型的には両面)に形成された正極活物質層34とを備える。負極シート40は、長尺状の負極集電体42とその少なくとも一方の表面(典型的には両面)に形成された負極活物質層44とを備える。捲回電極体20はまた、長尺シート状の2枚のセパレータ(セパレータシート)50A,50Bを備える。正極シート30および負極シート40は、2枚のセパレータシート50A,50Bを介して積層されており、正極シート30、セパレータシート50A、負極シート40、セパレータシート50Bの順に積層されている。該積層体は、長尺方向に捲回されることによって捲回体とされ、さらにこの捲回体を側面方向から押しつぶして拉げさせることによって扁平形状に成形されている。なお、電極体は捲回電極体に限定されない。電池の形状や使用目的に応じて、例えばラミネート型等、適切な形状、構成を適宜採用することができる。
捲回電極体20の幅方向(捲回方向に直交する方向)の中心部には、正極集電体32の表面に形成された正極活物質層34と、負極集電体42の表面に形成された負極活物質層44とが重なり合って密に積層された部分が形成されている。また、正極シート30の幅方向の一方の端部には、正極活物質層34が形成されずに正極集電体32が露出した部分(正極活物質層非形成部36)が設けられている。この正極活物質層非形成部36は、セパレータシート50A,50Bおよび負極シート40からはみ出た状態となっている。すなわち、捲回電極体20の幅方向の一端には、正極集電体32の正極活物質層非形成部36が重なり合った正極集電体積層部35が形成されている。また、捲回電極体20の幅方向の他端にも、上記一端の正極シート30の場合と同様に、負極集電体42の負極活物質層非形成部46が重なり合った負極集電体積層部45が形成されている。正極集電体積層部35は、その中間部分が寄せ集められて、内部正極端子37に溶接等の手段により電気的に接続される。同様に、負極集電体積層部45も内部負極端子47に電気的に接続される。
図4に示すように、負極活物質層44の幅b1は、正極活物質層34の幅a1よりも広くなるように構成(形成)されている。そのため、負極活物質層44は、図5に示すように、正極シート30と負極シート40とを重ねあわせたとき(典型的には正極シート30と負極シート40とを重ねあわせて捲回したとき)に、正極活物質層34に対向する正極対向部Aと、正極活物質層34に対向しない正極非対向部ANFを有する。また、負極活物質層44は、正極非対向部ANFを含む領域Aと、領域A以外の領域B(正極対向部Aの大部分を含む領域)とからなる。そして、この領域Aと領域Bとでは、負極活物質層の組成が異なる。具体的には、領域Aは熱溶融性結着材および感温性増粘剤の少なくとも一方を含むが、この点については後述する。
また、セパレータ50Aの幅は、負極活物質層44の幅b1よりも広くなるように構成(形成)されている。このように正極活物質層34および負極活物質層44の積層部分に挟むように配されることで、セパレータ50Aは、正極活物質層34および負極活物質層44が互いに接触して内部短絡が生じることを防いでいる。セパレータ50Bも、セパレータ50Aと同様に構成されている。なお、負極活物質層44は、正極活物質層34よりも幅広でなくともよく、その主要部が正極活物質層34に対向しており、残部が正極活物質層34に対向しないように配置されていればよい。
次に、上述のリチウム二次電池を構成する各構成要素について説明する。リチウム二次電池の正極を構成する正極集電体としては、導電性の良好な金属からなる導電性部材が好ましく用いられる。そのような導電性部材としては、例えば、アルミニウムまたはアルミニウムを主成分とする合金を用いることができる。正極集電体の形状は特に限定されず、シート状、箔状、メッシュ状等の種々の形態であり得る。正極集電体の厚さも特に限定されず、例えば5μm〜30μmとすることができる。正極活物質層は、正極活物質の他、必要に応じて導電材、結着材(バインダ)等の添加材を含有し得る。
正極活物質としては、リチウム二次電池の正極活物質として使用し得ることが知られている各種の材料を、特に限定なく使用することができる。例えば、リチウム(Li)と少なくとも1種の遷移金属元素とを構成金属元素として含むリチウム遷移金属化合物等を用いることができる。例えば、スピネル構造または層状構造のリチウム遷移金属複合酸化物、ポリアニオン型(例えばオリビン型)のリチウム遷移金属化合物等を用いることができる。より具体的には、例えば以下の化合物を用いることができる。
(1)スピネル構造のリチウム遷移金属複合酸化物としては、例えば、遷移金属として少なくともマンガン(Mn)を含有するスピネル構造のリチウムマンガン複合酸化物が挙げられる。より具体的には、一般式:LiMn2−q4+α;で表される、スピネル構造のリチウムマンガン複合酸化物が挙げられる。ここで、pは、0.9≦p≦1.2であり;qは、0≦q<2であり、典型的には0≦q≦1であり;αは、−0.2≦α≦0.2で電荷中性条件を満たすように定まる値である。qが0より大きい場合(0<q)、MはMn以外の任意の金属元素または非金属元素から選択される1種または2種以上であり得る。
(2)層状構造のリチウム遷移金属複合酸化物としては、一般式:LiMO;で表される化合物が挙げられる。ここで、Mは、Ni,Co,Mn等の遷移金属元素の少なくとも1種を含み、他の金属元素または非金属元素をさらに含み得る。上記複合酸化物としては、例えば、上記遷移金属元素を1種含むいわゆる一元系リチウム遷移金属複合酸化物、上記遷移金属元素を2種含むいわゆる二元系リチウム遷移金属複合酸化物、遷移金属元素としてNi、CoおよびMnを構成元素として含む三元系リチウム遷移金属複合酸化物が挙げられる。なかでも、三元系リチウム遷移金属複合酸化物が好ましい。上記三元系リチウム遷移金属複合酸化物としては、例えば一般式:Li(LiMnCoNi)O(前式中のa、x、y、zはa+x+y+z=1を満足する実数);で表される三元系リチウム遷移金属複合酸化物が挙げられる。
(3)また、正極活物質として、一般式:LiMO;で表されるリチウム遷移金属複合酸化物を用いてもよい。ここで、Mは、Mn,Fe,Co等の遷移金属元素の少なくとも1種を含み、他の金属元素または非金属元素をさらに含み得る。具体例としては、LiMnO,LiPtO等が挙げられる。
(4)さらに、一般式:LiMPO;で表されるリチウム遷移金属化合物(リン酸塩)が挙げられる。ここで、Mは、Mn,Fe,Ni,Co等の遷移金属元素の少なくとも1種を含み、他の金属元素または非金属元素をさらに含み得る。具体例としては、LiMnPO,LiFePO等が挙げられる。
(5)また、正極活物質として、一般式:LiMPOF;で表されるリチウム遷移金属化合物(リン酸塩)を用いてもよい。ここで、Mは、Mn,Ni,Co等の遷移金属元素の少なくとも1種を含み、他の金属元素または非金属元素をさらに含み得る。具体例としては、LiMnPOF等が挙げられる。
(6)さらに、LiMOとLiMOとの固溶体を正極活物質として用いることができる。ここで、LiMOは上記(2)に記載の一般式で表される組成を指し、LiMOは上記(3)に記載の一般式で表される組成を指す。具体例としては、0.5LiNiMnCoO−0.5LiMnOで表される固溶体が挙げられる。
上述の正極活物質は、1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。なかでも、正極活物質は三元系リチウム遷移金属複合酸化物であることが好ましい。
また、正極活物質は、Na,Mg,Ca,Sr,Ti,Zr,V,Nb,Cr,Mo,Fe,Rh,Pd,Pt,Cu,Zn,B,Al,Ga,In,Sn,La,W,Ceの1種または2種以上の金属元素がさらに添加されたものであってもよい。これらの金属元素の添加量(配合量)は特に限定されないが、0.01質量%〜5質量%(例えば0.05質量%〜2質量%、典型的には0.1質量%〜0.8質量%)とするのが適当である。
また、ここで開示される技術は、上記正極活物質に含まれる遷移金属のうち、原子数換算で10%以上(例えば20%以上)がMnであることが好ましい。このような組成を有する正極活物質は、豊富で安価な金属資源であるMnを主に利用するので、原料コストや原料の供給リスクを低減するという観点から好ましい。また、Mnを含む正極活物質(例えば、スピネル構造のリチウムマンガン複合酸化物)を用いた正極は、高電位充放電において該正極からMnが溶出しやすい傾向があるため、該正極を用いて構築された二次電池に対して本発明を適用することにより、溶出した遷移金属(Mn)に起因する容量劣化を抑制する効果が好適に発揮され得る。
好ましい一態様では、上記正極活物質として、SOC(State of Charge;充電状態)0%〜100%のうち少なくとも一部範囲における作動電位(対Li/Li)(以下、金属リチウム基準の電位を「対Li/Li」と表記することがある。)が一般的なリチウム二次電池(作動電位の上限が4.1V程度)よりも高いものを用いる。例えば、作動電位の上限(作動上限電位)が4.2V(対Li/Li)以上の正極活物質を好ましく使用することができる。換言すれば、SOC0%〜100%における作動電位の最高値が4.2V(対Li/Li)以上の正極活物質を好ましく使用することができる。このような正極活物質を用いることにより、正極が4.2V(対Li/Li)以上の電位で作動するリチウム二次電池が実現され得る。正極活物質の作動上限電位(対Li/Li)は、4.3V以上(例えば4.35V以上、さらには4.4V以上)であってもよい。上記作動電位(対Li/Li)の上限は特に限定されないが、5.5V以下(例えば5.3V以下、典型的には5.1V以下)であり得る。
ここで、正極活物質の作動電位としては、以下のようにして測定される値を採用することができる。すなわち、測定対象となる正極活物質を含む正極を作用極(WE)として用い、対極(CE)としての金属リチウムと、参照極(RE)としての金属リチウムと、エチレンカーボネート:ジメチルカーボネート=30:70(体積基準)の混合溶媒中に約1mol/LのLiPFを含む電解液と、を用いて三極セルを構築する。このセルのSOC値を、当該セルの理論容量に基づき、SOC0%からSOC100%まで5%刻みで調整する。SOCの調整は、例えば一般的な充放電装置やポテンショスタットを用いて、WEとCEの間で定電流充電することによって行うことができる。そして、各SOC値に調整したセルを1時間放置した後のWEとREとの間の電位を測定し、その電位を当該SOC値における上記正極活物質の作動電位(対Li/Li)とすればよい。なお、一般にSOC0%〜100%の間で正極活物質の作動電位が最も高くなるのはSOC100%を含む範囲であるため、通常は、SOC100%(すなわち満充電状態)における正極活物質の作動電位を通じて、当該正極活物質の作動電位の上限(例えば、4.2V以上か否か)を把握することができる。
導電材としては、カーボン粉末やカーボンファイバー等の導電性粉末材料が好ましく用いられる。カーボン粉末としては、種々のカーボンブラック、例えばアセチレンブラック、ファーネスブラック、ケッチェンブラック、グラファイト粉末が好ましい。また、炭素繊維、金属繊維等の導電性繊維類、銅、ニッケル等の金属粉末類およびポリフェニレン誘導体等の有機導電性材料等を、1種を単独でまたは2種以上の混合物として用いることができる。
結着材としては各種のポリマー材料が挙げられる。例えば、水系の組成物(活物質粒子の分散媒として水または水を主成分とする混合溶媒を用いた組成物)を用いて正極活物質層を形成する場合には、水溶性または水分散性のポリマー材料を結着材として好ましく採用し得る。水溶性または水分散性のポリマー材料としては、カルボキシメチルセルロース(CMC)等のセルロース系ポリマー;ポリビニルアルコール(PVA);ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等のフッ素系樹脂;酢酸ビニル重合体;スチレンブタジエンゴム(SBR)、アクリル酸変性SBR樹脂(SBR系ラテックス)等のゴム類;が例示される。あるいは、溶剤系の組成物(活物質粒子の分散媒が主として有機溶媒である組成物)を用いて正極活物質層を形成する場合には、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、ポリ塩化ビニリデン(PVdC)等のハロゲン化ビニル樹脂;ポリエチレンオキサイド(PEO)等のポリアルキレンオキサイド;等のポリマー材料を用いることができる。このような結着材は、1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて用いてもよい。なお、上記で例示したポリマー材料は、結着材として用いられる他に、正極活物質層形成用組成物の増粘材その他の添加材として使用されることもあり得る。
正極活物質層に占める正極活物質の割合は凡そ50質量%を超え、凡そ70〜97質量%(例えば75〜95質量%)であることが好ましい。また、正極活物質層に占める添加材の割合は、特に限定されないが、導電材の割合は、正極活物質100質量部に対して、凡そ1質量部〜20質量部(例えば2質量部〜10質量部、典型的には3質量部〜7質量部)とすることが好ましく、結着材の割合は、正極活物質100質量部に対して、凡そ0.8質量部〜10質量部(例えば1質量部〜7質量部、典型的には2質量部〜5質量部)とすることが好ましい。
上述したような正極の作製方法は特に限定されず、従来の方法を適宜採用することができる。例えば、以下の方法によって作製することができる。まず、正極活物質、必要に応じて導電材、結着材等を適当な溶媒(水系溶媒、有機溶媒またはこれらの混合溶媒)で混合してペースト状またはスラリー状の正極活物質層形成用組成物を調製する。混合操作は、例えば適当な混練機(プラネタリーミキサー等)を用いて行うことができる。上記組成物を調製するために用いられ得る水系溶媒は、全体として水性を示すものであればよく、水または水を主体とする混合溶媒が好ましく用いられ得る。有機溶媒の好適例としては、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、メチルエチルケトン、トルエン等が例示される。
こうして調製した上記組成物を正極集電体に塗付し、乾燥により溶媒を揮発させた後、圧縮(プレス)する。正極集電体に上記組成物を塗付する方法としては、従来公知の方法と同様の技法を適宜採用することができる。例えば、ダイコーター等の適当な塗付装置を使用することにより、正極集電体に該組成物を好適に塗付することができる。また、溶媒を乾燥するにあたっては、自然乾燥、熱風乾燥、真空乾燥等を、単独でまたは組み合わせて用いることにより良好に乾燥し得る。さらに、圧縮方法としては、従来公知のロールプレス法等の圧縮方法を採用することができる。このようにして正極活物質層が正極集電体上に形成された正極が得られる。
正極集電体上への正極活物質層の単位面積当たりの目付量(正極活物質層形成用組成物の固形分換算の塗付量)は特に限定されるものではないが、充分な導電経路(伝導パス)を確保する観点から、正極集電体の片面当たり3mg/cm以上(例えば5mg/cm以上、典型的には6mg/cm以上)であり、45mg/cm以下(例えば28mg/cm以下、典型的には18mg/cm以下)とすることが好ましい。また、正極活物質層の厚さは、正極集電体の片面当たり30μm以上(例えば50μm以上、典型的には70μm以上)であり、120μm以下(例えば100μm以下、典型的には80μm以下)とすることが好ましい。
負極(例えば負極シート)を構成する負極集電体としては、従来のリチウム二次電池と同様に、導電性の良好な金属からなる導電性部材が好ましく用いられる。そのような導電性部材としては、例えば銅または銅を主成分とする合金を用いることができる。負極集電体の形状は、電池の形状等に応じて異なり得るため特に制限はなく、棒状、板状、シート状、箔状、メッシュ状等の種々の形態であり得る。負極集電体の厚さも特に限定されず、5〜30μm程度とすることができる。
ここで開示される負極活物質層は、正極活物質層に対向しない正極非対向部を含む領域Aと、正極活物質層に対向する正極対向部の大部分を含む領域Bとを有する。典型的には、負極活物質層は、領域Aと領域Bとからなるものであり得る。この場合、領域Bは、負極活物質層において領域A以外の領域と定義され得る。なお、本明細書において「正極活物質層と負極活物質層とが対向する」とは、当然のことではあるが、セパレータ等を介して対向することを包含する。
負極活物質層の領域Aは、正極活物質層に対向しない正極非対向部を含む領域であり、負極活物質層の端面を含む領域であり得る。例えば、図5に示すような負極シート40において、領域Aは、負極シート40の幅方向(図5の水平方向)において、負極活物質層44の両端部をそれぞれ端部E1(図5中、左側の端部)と端部E2(図5中、右側の端部)としたとき、端部E1を含む領域(図5中、符号Aで示す領域)であることが好ましい。端部E1では、端部E2よりも正極から溶出した成分(例えば遷移金属等の金属元素)とLiイオンとが反応して不可逆的に固定される傾向が大きく、後述する熱溶融性結着材や感温性増粘剤の作用を発現させやすいと考えられるためである。ここで、端部E1は、負極活物質層44が負極集電体42の幅方向端部まで形成されている方の端部であり、端部E2は、負極集電体42上に負極活物質層非形成部46が設けられている方の端部である。
また、領域Aは上述の領域に限定されない。例えば、図6に示すように構成してもよい。すなわち、図6に示す負極活物質層44は、正極活物質層34に対向する正極対向部Aと、正極活物質層34に対向しない正極非対向部ANF1,ANF2とを有する。領域Aは、正極非対向部ANF1,ANF2を含み、負極活物質層44の両端部E1,E2を含む領域(図6中、符号Aで示す領域)であり得る。
上述のような正極非対向部を含む領域Aの表層近傍には、反応性の高いLiイオンを豊富に含む部分が存在している。一方、負極活物質層に対向する正極活物質層の端部(端面を含む)は、負極活物質層の正極対向部と正極非対向部の両方に向けてLiイオンを放出し得る場所に位置している。そのため、Liイオンの放出量が他の部分より多くなり、電位が高くなりやすい傾向がある。電位が高くなると、正極活物質層からその構成成分(例えば遷移金属等の金属元素)が溶出しやすくなる傾向がある。そして、該溶出した成分は負極活物質層の正極非対向部に移動して、上記反応性の高いLiイオンと反応して不可逆的に固定される虞がある。上記から、領域Aは他の領域と比べて充放電に寄与すべきLiイオンを失活させる傾向が大きい領域であるといえる。
また、上記領域Aは正極非対向部と対応していることが好ましい。換言すると、領域Aは正極非対向部であることが好ましいが、製造精度の観点から、領域Aと正極非対向部とを厳密に対応させることは容易でない。この点を考慮して、領域Aは正極非対向部を含むように構成することが好ましい。ただし、領域Aの占める割合が大きくなると、高温保存時の容量劣化を抑制する効果は高まる一方、他の電池特性の低下を招く虞がある。そこで、長尺状の電極シート(長尺状の正負極シート)を用いる構成では、該電極シートの幅方向において、領域Aを、正極対向部と正極非対向部の境界(線)から所定の距離Wの分だけ正極対向部側に張り出すように構成することが好ましい。上記距離Wは、電極体のサイズ等によって変わり得るため特に限定されないが、0mmより大きければよく、0.1mm以上(例えば0.5mm以上、典型的には1mm以上)であり得る。また、10mm以下(例えば5mm以下、典型的には3mm以下)であり得る。
あるいは、領域Aを、Liイオンの不可逆的な反応が最も起こりやすい部位(典型的には負極活物質層の端面やその近傍)に限定して構成してもよい。典型的には、領域Aは、電極シートの幅方向において正極対向部と正極非対向部の境界(線)から所定の距離Wの分だけ負極活物質層の端部側に張り出すように構成されたものであり得る。上記距離Wは、電極体のサイズ等によって変わり得るため特に限定されないが、0.1〜3mm(例えば0.5〜2mm、典型的には0.7〜1mm)であり得る。
領域Aと領域Bの体積比(A:B)は、特に限定されないが、0.5:99.5〜20:80(例えば1:99〜10:90、典型的には2:98〜8:92)であり得る。領域Aの体積比が大きいほど高温保存時の容量劣化が抑制される傾向があり、領域Bの体積比が大きいほどサイクル特性等の電池性能の向上または維持がしやすい傾向がある。
負極活物質層の領域Bには、従来公知の負極活物質層と同様に、電荷担体となるLiイオンを吸蔵および放出可能な負極活物質が含まれる。負極活物質の組成や形状に特に制限はなく、従来からリチウム二次電池に用いられる物質の1種または2種以上を使用することができる。そのような負極活物質としては、例えばリチウム二次電池で一般的に用いられる炭素材料が挙げられる。上記炭素材料の代表例としては、グラファイトカーボン(黒鉛)、アモルファスカーボン等が挙げられる。少なくとも一部にグラファイト構造(層状構造)を含む粒子状の炭素材料(カーボン粒子)が好ましく用いられる。なかでも天然黒鉛を主成分とする炭素材料の使用が好ましい。上記天然黒鉛は鱗片状の黒鉛を球形化したものであり得る。また、黒鉛の表面にアモルファスカーボンがコートされた炭素質粉末を用いてもよい。その他、負極活物質として、チタン酸リチウム等の酸化物、ケイ素材料、スズ材料等の単体、合金、化合物、上記材料を併用した複合材料を用いることも可能である。なかでも特に、還元電位(対Li/Li)が凡そ0.5V以下(例えば0.2V以下、典型的には0.1V以下)の負極活物質を用いることが好ましい。上記還元電位を有する負極活物質を用いることによって、高いエネルギー密度が実現され得る。そのような低電位となり得る材料としては、黒鉛系の炭素材料(典型的にはグラファイト粒子)が挙げられる。負極活物質層に占める負極活物質の割合は凡そ50質量%を超え、凡そ90〜99質量%(例えば95〜99質量%、典型的には97〜99質量%)であることが好ましい。
負極活物質層の領域Bは、負極活物質の他に、一般的なリチウム二次電池の負極活物質層に配合され得る1種または2種以上の結着材や増粘材その他の添加材を必要に応じて含有することができる。結着材としては各種のポリマー材料が挙げられる。例えば、水系の組成物または溶剤系の組成物に対して、正極活物質層に含有され得るものを好ましく用いることができる。そのような結着材は、結着材として用いられる他に負極活物質層形成用組成物の増粘材その他の添加材として使用されることもあり得る。負極活物質層に占めるこれら添加材の割合は特に限定されないが、負極活物質100質量部に対して、凡そ0.5〜10質量部(例えば凡そ0.8〜5質量部、典型的には1〜3質量部)であることが好ましい。
また、上記領域Bは、後述する熱溶融性結着材や感温性増粘剤を含まないことが好ましい。熱溶融性結着材は、後述のようにLiイオンの移動を阻害する作用を有すると考えられる。また感温性増粘剤も、高温時にLiイオンの移動を抑制する作用を有すると考えられる。そのため、仮に負極活物質層全体に熱溶融性結着材や感温性増粘剤を配合すると、正極活物質層と負極活物質層(正極対向部)の対向領域におけるLiイオンの移動が抑制され、充放電特性の低下を招くことが懸念される。したがって、優れた電池特性(例えば充放電特性)を確保する観点から、正極対向部を含む領域Bには、熱溶融性結着材および感温性増粘剤の少なくとも一方(好ましくは両方)を含ませないことが望ましい。
負極活物質層の領域Aは、上記領域Bで用いられ得る負極活物質、結着材、増粘材その他の添加材を含有することができるが、その組成は上記領域Bの組成とは異なる。具体的には、領域A(少なくとも正極非対向部)は、上記結着材や増粘材に代えて、あるいは上記結着材や増粘材に加えて、熱溶融性結着材および感温性増粘剤の少なくとも一方を含む。
ここで開示される熱溶融性結着材としては、常温(20〜30℃)では固形状であり、加熱により所定の温度に達すると溶融する性質を有する結着材であり得る。この熱溶融性結着材は、所定の熱溶融性を有することによって、負極活物質層の端面や表層におけるLiイオンの反応を阻止するように配置されると考えられる。例えば、正極非対向部において負極活物質を覆うように配置されると考えられる。この配置は、併せて用いられる後述の感温性増粘剤のゲル化によって好適に実現されると考えられる。上記熱溶融性結着材は非導電性であり、Liイオンの通過を阻害すると考えられるので、高温状態において正極から溶出した成分と負極(典型的には負極表層)のLiイオンとが反応して不可逆容量になることを阻止するように作用していると考えられる。上記の反応は負極活物質層の正極非対向部で起こりやすいため、上記正極非対向部を含む領域に熱溶融性結着材を含ませることで、上記の反応を効率的に抑制することが期待できる。また、上記反応の抑制により、対向する正極の端部(典型的には端面)からLiイオンが過剰に放出されることが抑制され、Liイオンの過剰放出に起因する正極の局所的な高電位化(典型的には正極端面の高電位化)が防止されることも期待される。上記局所的な高電位化は正極構成成分(例えば遷移金属等の金属元素)の溶出を引き起こすことから、上記高電位化の抑制は、Liイオンの不可逆的固定の原因となり得る正極構成成分の溶出を抑制することに通じる。これらの作用により、容量劣化(特に高温保存時の容量劣化)の抑制が好適に実現される。
熱溶融性結着材の融点は、負極活物質層形成時の温度範囲内(典型的には乾燥工程における温度範囲内)であることが好ましいと考えられる。これによって、例えば、負極活物質層の形成(典型的には乾燥工程)において溶融して、正極非対向部において負極活物質を覆うように配置され得ると考えられる。ここで開示される好適な一態様では、熱溶融性結着材の融点は、40℃以上(例えば50℃以上、典型的には55℃以上)であり、好適な他の一態様では、60℃以上(例えば65℃以上、典型的には70℃以上)であり得る。また、上記融点は120℃以下(例えば100℃以下、典型的には90℃以下)であることが好ましい。なお、融点の測定方法は特に限定されず、従来公知の測定方法に基づいて測定することができる。例えば、DSCを用い、昇温速度10℃/分で昇温させたときに得られる融解ピークの温度を融点として採用することができる。
また、上記熱溶融性結着材は、例えば負極活物質層形成時の乾燥工程における加熱等により溶融した後、再凝固することによって優れた結着作用を示すと考えられる。そのため、熱溶融性でない、あるいは所定の温度範囲で熱溶融性を示さない材料(樹脂、ゴム等のポリマー)からなる従来公知の結着材と比べて、活物質−活物質間および活物質層−集電体間の密着性に優れていると考えられる。特に、熱溶融性結着材が配合される領域Aは、負極活物質層の端部に位置するため、負極集電体から負極活物質層が剥離する事態が生じやすい部分である。また、負極活物質層の端面は負極活物質の脱落が生じやすい部分である。このような部分を含む領域Aに熱溶融性結着材を配合することで、上記密着性を好適に発現し、これによって負極活物質の脱離や負極活物質層の剥離が防止され、電池特性(特に高温時の充放電特性)の向上が実現されると考えられる。その効果は、感温性増粘剤を用いることにより、熱溶融性結着材が負極活物質層内にて適度に分散して配置されることで、より好適に実現され得ると考えられる。
また、上述の配置、すなわち感温性増粘剤と併用することによって実現されると考えられる熱溶融性結着材の配置は、上述の容量劣化抑制だけでなく、次のような利点を提供すると推察される。すなわち、感温性増粘剤を使用せずに熱溶融性結着材のみを用いた場合、熱溶融性結着材が活物質層−集電体間に良好に配置されず、優れた密着性が発揮され難いと考えられる。その場合、活物質層−集電体間の電子授受領域が減少し、結果的に電池特性が低下する虞がある。また仮に良好な密着性が実現されたとしても、熱溶融性結着材は非導電性であるため、その配置によっては電子の授受を阻害することが懸念される。感温性増粘剤と併用することによって、活物質層−集電体間の密着性を充分に確保し、かつ電子の授受がスムーズに行われ得る配置が好適に実現されると推察される。
上記熱溶融性結着材の平均粒径は0.3μm未満(例えば0.1μm未満、典型的には0.08μm未満)であることが好ましい。このような小径の熱溶融性結着材は、負極活物質を薄く均一に覆いやすい傾向があると考えられる。また、Liイオンの通過を阻害する傾向も大きいと考えられる。そのため、正極から溶出した成分と負極表面のLiイオンとが反応して不可逆容量になることを充分に阻止し、高温保存時の容量劣化をより好適に抑制し得ることが期待できる。熱溶融性結着材の平均粒径の下限は特に限定されないが、凡そ0.01μm以上であることが適当である。なお、熱溶融性結着材の平均粒径は、コールターカウンター法で測定するものとする。コールターカウンター法は、細孔を通過するサンプル粒子の電気抵抗を検出するものであり、例えばベックマンコールター社の商品名マルチサイザー3またはその類似品を用いて測定することができる。
上記熱溶融性結着材の密度は1.2g/cm以下(例えば1.1g/cm以下、典型的には0.5〜1.0g/cm)であることが好ましい。このように軽量の結着材は、負極活物質層形成時に溶融して表面近傍に偏在し、配合ムラが生じやすい傾向が大きいと考えられる。しかし、後述する感温性増粘剤と併用して配合されることで、上記偏在が適度に抑制されると考えられる。このような作用により、高温保存時の容量劣化を抑制しつつ、上記配合ムラによる電池特性の低下(例えば、低温サイクル特性の低下や電池抵抗の上昇)が防止され得る。なお、熱溶融性結着材の密度は、熱溶融性結着材がポリオレフィン系樹脂からなる場合、JIS K6760に基づいて求めることができる。それ以外の材料からなる場合、JIS K6760に準拠して、あるいは従来公知の密度測定手法を適宜採用して密度を測定することが可能である。
上記のような特性を有する熱溶融性結着材としては、合成樹脂(典型的には熱可塑性樹脂)が好ましく用いられる。合成樹脂としては、特に限定されないが、例えばポリエチレン(PE)、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン−不飽和カルボン酸共重合体(例えばエチレン−メタクリル酸共重合体(EMAA)、エチレン−アクリル酸共重合体(EAA))等のポリオレフィン;ポリメチル(メタ)アクリレート等のアクリル系重合体(共重合体);等が挙げられる。なかでも、エチレン−不飽和カルボン酸共重合体が好ましく、EMAAが特に好ましい。
また、ここで開示される熱溶融性結着材はアイオノマー樹脂であることが好ましい。アイオノマー樹脂は、主として炭化水素から構成される高分子主鎖からなり、側鎖にカルボキシル基やスルホン酸基を有し、該基の少なくとも一部が金属イオンや有機アミン、アンモニア等で中和された重合体であると定義され得る。このようなアイオノマー樹脂は、重合体が上記金属イオン等の作用により凝集(会合)した凝集体(イオン会合体)であり得る。上記アイオノマー樹脂の具体例としては、側鎖にカルボキシル基を有するエチレン−不飽和カルボン酸共重合体であって、該カルボキシル基の少なくとも一部が金属陽イオンで中和されてなる共重合体が挙げられる。
上記エチレン−不飽和カルボン酸共重合体の構造は特に限定されず、ランダム共重合体やグラフト共重合体であり得る。グラフト共重合体としては、PEに対して不飽和カルボン酸がグラフト重合した共重合体が挙げられる。
上記不飽和カルボン酸としては、炭素原子数3〜8の不飽和カルボン酸が好ましく用いられる。炭素原子数3〜8の不飽和カルボン酸の具体例としては、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、シトラコン酸等が挙げられる。これらは1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。なかでも、アクリル酸、メタクリル酸が特に好ましい。
また、上記エチレン−不飽和カルボン酸共重合体は、エチレンと不飽和カルボン酸に加えて、エチレンや不飽和カルボン酸と共重合し得る第三成分を含んでもよい。そのような第三成分としては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル等の不飽和カルボン酸エステル(典型的にはアクリル酸エステル)、酢酸ビニル等のビニルエステル等が挙げられる。
エチレン−不飽和カルボン酸共重合体におけるエチレンと不飽和カルボン酸の質量比は、エチレン:不飽和カルボン酸=60:40〜99:1の範囲であることが好ましい。上記質量比(エチレン:不飽和カルボン酸)は、60:40〜98:2(例えば70:30〜95:5、典型的には75:25〜92:8)とすることが好ましい。また、エチレン−不飽和カルボン酸共重合体が第三成分を含む場合、第三成分の割合は40質量%以下(例えば10質量%以下、典型的には5質量%以下)とすることが好ましい。上記共重合体は実質的に第三成分を含まないものであってもよい。換言すると、エチレン−不飽和カルボン酸共重合体は、エチレンと不飽和カルボン酸とから構成されるものであり得る。
上記アイオノマー樹脂において、重合体の側鎖として存在するカルボキシル基および/またはスルホン酸基の少なくとも一部は、1〜3価の金属陽イオン、有機アミン、アンモニア等で中和されている。上記金属陽イオンとしては、ナトリウムイオン(Na),カリウムイオン(K),リチウムイオン(Li)等の1価の金属イオン;マグネシウムイオン(Mg2+),亜鉛イオン(Zn2+),カルシウムイオン(Ca2+),銅イオン(Cu2+),鉄イオン(Fe2+),バリウムイオン(Ba2+)等の2価の金属イオン;アルミニウムイオン(Al3+)等の3価の金属イオン;が挙げられる。なかでも、Na、Zn2+が好ましい。
上記のような特性を有する熱溶融性結着材の具体例としては、ケミパールS650(三井化学(株)製のエチレン−メタクリル酸共重合体のアイオノマー樹脂粒子)が挙げられる。この商品の最低成膜温度は55℃であり、安定的に成膜が可能な温度は80℃である。したがって、その融点は、55℃以上80℃以下であるか、あるいは安定的に成膜が可能な温度である80℃を含む所定の範囲内(例えば80℃±20℃、典型的には80℃±10℃)であると考えられる。
負極活物質層の領域Aに占める熱溶融性結着材の割合は特に限定されないが、負極活物質100質量部に対して凡そ0.1〜5質量部(例えば0.2〜3質量部、典型的には0.3〜1質量部)であることが好ましい。熱溶融性結着材の使用量が上記の範囲であることにより、優れた高温特性が好適に実現され、また、電池抵抗の上昇抑制、優れた低温特性が好適に実現される。
負極活物質層の領域Aに配合される感温性増粘剤は、常温(20〜30℃)では増粘作用を示さないが、加熱により所定の温度に達すると、該増粘剤が含まれている組成物(液状、ペースト状、スラリー状であり得る)の粘度を上昇させる性質を有するものであり得る。ここで、増粘作用を示すとは、粘度が上昇することであり、本明細書においてはゲル化すること(例えばゲル強度が上昇すること)としても把握され得る。その場合、感温性増粘剤は、感温性ゲル化剤ということもできる。
ゲル強度の測定は特に限定されず、公知の手段により行うことができる。例えば、以下の方法で測定することができる。測定対象となる試料を所定の濃度(例えば1〜5質量%、典型的には3質量%)となるように脱イオン水に分散または溶解させる。得られた水分散液または水溶液につき、所定の温度に加熱保持(例えば約10分)し、その後、室温(例えば20〜30℃)まで冷却した後、ゲル強度を測定すればよい。ゲル強度は、市販の測定機(例えばクリープメーター、小型卓上物性試験機等)を用いて、所定の接触面を有するプランジャー(例えば直径3〜16mmの円筒型プランジャー)を所定の移動速度(例えば1〜3mm/秒)で測定対象サンプルに進入させて破断点の応力を測定することにより求めることができる。なお、上記の方法により得られたゲル強度上昇開始温度を、後述するゲル化温度として便宜的に採用してもよい。
上記感温性増粘剤は、高温保存時の容量劣化を抑制するように作用する。そのメカニズムを明らかにする必要はないが、ゲル化することと関連性を有していると考えられる。すなわち、電池が高温状態(例えば50℃以上の高温状態)になると、ゲル化した感温性増粘剤はLiイオンの移動を抑制するように作用すると考えられる。これによって、正極から構成成分が溶出するような高温状態において、上記正極溶出成分とLiイオンとが反応して不可逆的に固定されることが抑制され、充放電に寄与できなくなるLiイオン量が減少すると考えられる。上記の反応(すなわちLiイオンの不可逆的な固定をもたらす反応)は負極活物質層の正極非対向部で起こりやすいため、上記正極非対向部を含む領域に感温性増粘剤を含ませることで、電池特性を高いレベルに維持しながら、高温保存時の容量劣化を効果的に抑制することができると考えられる。また、上記感温性増粘剤は、例えば、負極活物質層の形成時(典型的には乾燥工程における加熱時)において増粘作用を示し、この作用により、正極溶出成分と負極のLiイオンとの反応を抑制しやすい場所に熱溶融性結着材を配置させ得ると考えられる。これによって、高温状態において正極から溶出した成分と負極(典型的には負極表層)のLiイオンとが反応して不可逆容量になることを間接的に阻止していることも考えられ得る。その場合、Liイオンの不可逆的な固定の抑制は、対向して配置される正極からLiイオンが過剰に放出されることを抑制するので、Liイオンの過剰放出に起因して正極が局所的に高電位化すること(典型的には、正極端面が高電位化すること)が防止されると考えられる。上記局所的な高電位化は正極構成成分(例えば遷移金属等の金属元素)の溶出を引き起こすことから、上記高電位化の抑制は、Liイオンの不可逆的固定の原因となり得る正極構成成分の溶出を抑制することに通じる。これらの作用により、容量劣化の抑制が好適に実現されると考えられる。特に、高温(例えば40℃以上、典型的には50〜80℃)で保存した際の電池の容量劣化が顕著に抑制される。
また、感温性増粘剤は、常温では増粘作用を示さないものであり得る。例えば、ゾル状態であり得る。そのため、この状態ではLiイオンの通過を許容すると考えられる。この感温性増粘剤が熱溶融性結着材とともに負極活物質層を覆うことにより、熱溶融性結着材と感温性増粘剤が共存するような被覆が実現すると考えられる。換言すると、負極活物質の表面には、熱溶融性結着材によるLiイオン遮断部と、感温性増粘剤による感温性Liイオン通過部が形成されていると推察される。このうち感温性Liイオン通過部は、非高温状態(例えば35℃未満の状態)においてLiイオンの移動を許容するので、熱溶融性結着材と比べて充放電特性を阻害しないと考えられる。つまり、感温性増粘剤はその配置によって、熱溶融性結着材(特にそのLiイオン遮断性)に起因する電池特性の低下を好適に防止していると考えられる。
感温性増粘剤のゲル化温度は35℃以上であることが好ましい。これによって、熱溶融性結着材が負極活物質を覆う配置を好適に実現すると考えられる。例えば、負極活物質層の形成時(典型的には乾燥工程の加熱時)において、そのような機能を発揮すると考えられる。また、電池が高温状態になったときに、ゲル化して負極活物質層内に存在するLiイオンの移動を抑制するように作用すると考えられることから、正極から構成成分(例えば遷移金属等の金属元素)が溶出しやすい高温状態において、正極からの溶出成分とLiイオンとが反応して不可逆的に固定される現象を好適に抑制することができると推察される。
上記ゲル化温度は、40℃以上(例えば45℃以上、典型的には50℃以上)であることがより好ましい。上記ゲル化温度は55℃以上であってもよい。また上記ゲル化温度は、120℃以下(例えば100℃以下、典型的には80℃以下)であることが好ましい。感温性増粘剤のゲル化温度は、所定の濃度(例えば1〜5質量%、典型的には3質量%)の感温性増粘剤を含む水分散液または水溶液についてDSC測定を行うことで求めることができる。例えば、DSC昇温カーブにおけるゲル化温度は、吸熱ピークを観測することにより求めることができる。また、DSC降温カーブにおけるゲル化温度は、発熱ピークを観測することにより求めることができる。なお、感温性増粘剤がゾル−ゲル転移するものである場合は、上記ゲル化温度はゾル−ゲル転移温度としても把握され得る。
上記感温性増粘剤は、ゲル化した後、温度の下降によって再度非ゲル化状態(例えばゾル状態)に戻る、熱可逆性ゲル化剤であることが好ましい。このようなゲル化剤は、熱(温度変化)によって可逆的にゲル化/非ゲル化するものとして定義され得る。これにより、電池が高温状態のときには、Liイオンの移動を抑制し、容量劣化を抑制するように作用し、例えば常温(20〜30℃)では、非ゲル化状態であることによりLiイオンの移動を許容し、充放電を阻害しないものとなり得ると考えられる。この場合、非ゲル化温度は、上記ゲル化温度と同じ温度範囲であってもよく、例えば35℃以上80℃未満(典型的には40℃以上70℃以下)であってもよい。また、感温性増粘剤は、所定の温度以上(例えば70℃以上、典型的には80℃以上)になると非可逆的にゲル化する、熱非可逆性ゲル化剤であってもよい。
また、熱溶融性結着材の融点をX℃とし、感温性増粘剤のゲル化温度をY℃としたとき、熱溶融性結着材の融点X℃と感温性増粘剤のゲル化温度Y℃とは、|X−Y|≦30(例えば|X−Y|≦20、典型的には|X−Y|≦10)の関係を満たすことが好ましい。これによって、熱溶融性結着材の溶融と感温性増粘剤のゲル化とが近似する温度範囲で発現するため、例えば負極活物質層形成時(例えば乾燥工程における加熱時)に上記温度範囲において相互に作用して、負極活物質層内にて両者が良好な配置になりやすいと考えられる。
また、感温性増粘剤のゲル化温度は、熱溶融性結着材の融点と同じかまたはそれより小さいことが好ましく(X≧Y)、感温性増粘剤のゲル化温度は熱溶融性結着材の融点より小さいことがより好ましい(X>Y)。このように構成することで、例えば負極活物質層形成時の乾燥工程において、熱溶融性結着材の溶融と同時、あるいは該溶融より先に感温性増粘剤による増粘作用が発現する。これにより、負極活物質より比重の軽い熱溶融性結着材が溶融によって偏在することが好適に抑制される。
上述の感温性増粘剤としては、β−1,3−グルカンを含む直鎖状または分岐鎖状(好適には直鎖状)の多糖類が挙げられる。また、セルロースを含む多糖類であってもよい。これら多糖類の重合度は特に限定されないが、凡そ5〜6000(例えば100〜1000)であることが好ましい。また、感温性増粘剤の平均粒径は、特に限定されず、例えば10μm〜200μm(典型的には50μm〜150μm)であることが好ましい。なお、平均粒径としては、レーザー散乱・回折法に基づく粒度分布測定装置に基づいて測定した粒度分布から導き出せるメジアン径(平均粒径D50:50%体積平均粒径)を採用することができる。感温性増粘剤の具体例としては、カードラン、パキマン、ラミナラン等のβ−1,3−グルカン、メチルセルロース等のセルロースが挙げられる。これらは1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。なかでも、約50℃以上に加熱すると膨潤してゲル化する性質を有するカードランが特に好ましい。
負極活物質層の領域Aに占める感温性増粘剤の割合は特に限定されないが、負極活物質100質量部に対して凡そ0.1〜5質量部(例えば0.2〜3質量部、典型的には0.3〜1質量部)であることが好ましい。感温性増粘剤の使用量が上記の範囲であることにより、高温保存時の容量劣化が好適に抑制され、また、電池特性(特に高温時のサイクル特性)の低下が好適に抑制される。
負極活物質層の領域Aにおける熱溶融性結着材と感温性増粘剤の質量比は特に限定されないが、熱溶融性結着材と感温性増粘剤との良好な配置を実現する観点から、9:1〜1:9(例えば7:3〜3:7、典型的には6:4〜4:6)とすることが好ましい。
負極活物質層を形成する方法としては特に限定されないが、例えば以下の方法を採用することができる。その方法は、負極活物質層の領域A形成用組成物(以下、組成物Aともいう。)と、負極活物質の領域B形成用組成物(以下、組成物Bともいう。)を用意すること、上記用意した組成物Aを負極の正極非対向部に相当する部位に付与すること、上記用意した組成物Bを負極の正極対向部に相当する部位に付与すること、を包含する。以下、詳しく説明する。
上記負極活物質層の形成方法では、組成物Aを用意する。組成物Aは、負極活物質と熱溶融性結着材と感温性増粘剤とを含む。これらを適当な溶媒(水系溶媒、有機溶媒またはこれらの混合溶媒)で混合して、ペースト状またはスラリー状の組成物Aを調製する。また、負極活物質と結着材等の添加材とを適当な溶媒(水系溶媒、有機溶媒またはこれらの混合溶媒)で混合して、ペースト状またはスラリー状の組成物Bを調製する。溶媒としては、正極の作製に使用する溶媒を好ましく用いることができる。
次に、調製したペースト状またはスラリー状の組成物Aを負極集電体上の正極非対向部に付与(典型的には塗付)し、組成物Bを負極集電体上の正極対向部に付与(典型的には塗付)する。例えば、図7に模式的に示すような構成を有するダイコーター70を用いて負極集電体上に組成物Aおよび組成物Bを付与することができる。
上記ダイコーター70について説明する。ダイコーター70を構成するダイ71は横長の吐出口72を有する。ダイ71の吐出口72は、中間部分72aと両側部72b1,72b2に仕切られており、ダイ71の内部には、それぞれ中間部分72aと両側部72b1,72b2に連なる流路が形成されている。吐出口72の中間部分72a、両側部72b1,72b2には、異なるタンク、異なる流路から、組成物Aと組成物Bが供給される。そして、負極集電体42上の正極非対向部ANFとなる部分にダイ71の吐出口72の中間部分72aを合わせる。また、負極集電体42の正極対向部Aとなる部分に、ダイ71の吐出口72の両側部72b1,72b2を合わせる。これにより、正極非対向部ANFに組成物Aを付与し、また、上記正極対向部Aに組成物Bを付与することが可能となる。ダイコーター70のその他の部分については、ダイ71の構成に適合するように従来公知の構成を適宜変更して構成すればよいので、ここでは特に説明しない。
そして、組成物Aおよび組成物Bが付与された負極集電体は乾燥工程に供される。乾燥手段は特に限定されず、従来公知の乾燥手段を適宜採用することができるが、加熱による乾燥(典型的には熱風乾燥)を採用することが望ましい。その場合、乾燥温度は特に限定されないが、熱溶融性結着材と感温性増粘剤とを負極活物質層の領域Aにおいて良好な配置とするため、例えば60〜180℃(好ましくは65〜150℃、より好ましくは70〜120℃、典型的には75〜100℃)で加熱することが好ましい。乾燥時間は特に限定されないが、100℃以上で乾燥する場合、10〜100秒(例えば20〜80秒)程度が好ましい。100℃未満で乾燥する場合は、乾燥時間は30秒〜300秒(例えば60〜240秒)程度が好ましい。これによって、領域Aにおいて、熱溶融性結着材と感温性増粘剤とが良好な配置になる傾向が高まると考えられる。また、感温性増粘剤として、所定の温度以上に加熱することによって不可逆的にゲル化するゲル化剤を用いる場合、乾燥温度は100℃未満(例えば80℃未満、典型的には75℃以下)とすることが好ましい。
乾燥の前後においてプレスを行うことによって、組成物Aからなる領域Aと組成物Bからなる領域Bとを有する負極活物質層を形成することができ、該負極活物質層を含む負極を得ることができる。なお、図7では、2枚の負極シートとなるべき1枚のシート40´を作製していることを付言する。このシート40´は、負極活物質層形成後、その中央部分を切断することにより2枚の負極シート40となる。当然のことではあるが、負極の作製方法はこれに限定されるものではない。
負極集電体上への負極活物質層の単位面積当たりの目付量(負極活物質層形成用組成物の固形分換算の塗付量)は特に限定されるものではないが、充分な導電経路(伝導パス)を確保する観点から、負極集電体の片面当たり2mg/cm以上(例えば3mg/cm以上、典型的には4mg/cm以上)であり、40mg/cm以下(例えば22mg/cm以下、典型的には16mg/cm以下)とすることが好ましい。また、負極活物質層の厚さは、負極集電体の片面当たり20μm以上(例えば40μm以上、典型的には60μm以上)であり、100μm以下(例えば80μm以下、典型的には70μm以下)とすることが好ましい。
正極と負極とを隔てるように配置されるセパレータ(セパレータシート)は、正極活物質層と負極活物質層とを絶縁するとともに、電解質の移動を許容する部材であればよい。セパレータの好適例としては、多孔質ポリオレフィン系樹脂で構成されたものが挙げられる。例えば、厚さ5〜30μm程度の合成樹脂製(例えばポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、またはこれらを組み合わせた二層以上の構造を有するポリオレフィン製)多孔質セパレータシートを好適に使用し得る。このセパレータシートには耐熱層が設けられていてもよい。なお、液状の電解質に代えて、例えば上記電解質にポリマーが添加された固体状(ゲル状)電解質を使用する場合には、電解質自体がセパレータとして機能し得るため、セパレータが不要になることがあり得る。
リチウム二次電池に注入される非水電解質は、少なくとも非水溶媒と支持塩とを含み得る。典型例としては、適当な非水溶媒に支持塩を含有させた組成を有する電解液が挙げられる。上記非水溶媒としては、例えばエチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、ジエチルカーボネート(DEC)、ジメチルカーボネート(DMC)、エチルメチルカーボネート(EMC)、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、ジオキサン、1,3−ジオキソラン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、アセトニトリル、プロピオニトリル、ニトロメタン、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、スルホラン、γ−ブチロラクトンが挙げられる。また、モノフルオロエチレンカーボネート(MFEC)、ジフルオロエチレンカーボネート(DFEC)のようなフッ素化カーボネートも好ましく用いることができる。これらは1種を単独でまたは2種以上を混合して用いることができる。なかでも、EC、DMCおよびEMCの混合溶媒が好ましい。
上記支持塩としては、例えばLiPF、LiBF、LiClO、LiAsF、LiCFSO、LiCSO、LiN(CFSO、LiC(CFSO、LiI等のリチウム化合物(リチウム塩)の1種または2種以上を用いることができる。なお、支持塩の濃度は特に限定されないが、凡そ0.1〜5mol/L(例えば0.5〜3mol/L、典型的には0.8〜1.5mol/L)の濃度とすることができる。
非水電解液は、本発明の目的を大きく損なわない限度で、必要に応じて任意の添加剤を含んでもよい。上記添加剤は、例えば、電池の出力性能の向上、保存性の向上(保存中における容量低下の抑制等)、サイクル特性の向上、初期充放電効率の向上等の目的で使用され得る。好ましい添加剤の例として、フルオロリン酸塩(好ましくはジフルオロリン酸塩。例えば、LiPOで表されるジフルオロリン酸リチウム)や、リチウムビスオキサレートボレート(LiBOB)等が挙げられる。また例えば、過充電対策で用いられ得るシクロヘキシルベンゼン、ビフェニル等の添加剤が使用されていてもよい。
ここで開示される技術の好ましい適用対象として、電池容量が20Ah以上という比較的高容量タイプのリチウム二次電池が挙げられる。例えば、電池容量が20Ah以上(典型的には22Ah以上、例えば25Ah以上)であって、100Ah以下のリチウム二次電池が例示される。このような高容量タイプのリチウム二次電池では、正極活物質層に対向しない負極活物質層の面積が大きいため、Liイオンが不可逆的に固定される量も多くなりやすいといえる。そのような大型の電池に本発明の構成を適用することにより、サイクル特性等の電池特性を向上または維持しながら、高温保存時の容量劣化を好適に抑制することができる。
上述のように、ここで開示される技術におけるリチウム二次電池は、サイクル特性等の電池特性を向上または維持することが可能であり、かつ高温保存時の容量劣化が抑制されているので、各種用途の二次電池として利用可能である。例えば、図8に示すように、リチウム二次電池100は、自動車等の車両1に搭載され、車両1を駆動するモータ等の駆動源用の電源として好適に利用することができる。したがって、本発明は、上記リチウム二次電池(典型的には複数直列接続してなる組電池)100を電源として備える車両(典型的には自動車、特にハイブリッド自動車(HV)、プラグインハイブリッド自動車(PHV)、電気自動車(EV)、燃料電池自動車のような電動機を備える自動車)1を提供することができる。
次に、本発明に関するいくつかの実施例を説明するが、本発明を実施例に示すものに限定することを意図したものではない。なお、以下の説明において「部」および「%」は、特に断りがない限り質量基準である。
<例1>
[正極シートの作製]
正極活物質としてニッケルマンガンコバルト酸リチウム(Li[Ni1/3Mn1/3Co1/3]O)粉末と、導電材としてアセチレンブラックと、結着材としてPVdFとを、これらの材料の質量比が100:5:3となるようにNMPで混合して、ペースト状の正極活物質層形成用組成物を調製した。この組成物を、長尺シート状のアルミニウム箔(厚さ15μm)の両面に均一に塗付した。次いで、温度120℃で20秒間、上記組成物を乾燥(熱風乾燥)した後、圧縮し、裁断することによって、長さ4500mm、総厚さ170μmのシート状の正極(正極シート)を作製した。この正極シートは、正極活物質層の幅が94mmであった。
[負極シートの作製]
負極活物質として黒鉛粉末と、感温性増粘剤としてカードラン(ゲル化温度:約50度)と、増粘材としてCMCと、熱溶融性結着材(商品名:ケミパールS650、三井化学(株)製、エチレン−メタクリル酸共重合体のアイオノマー樹脂粒子)とを、これらの材料の質量比が100:0.5:0.5:1となるようにイオン交換水で混合して、ペースト状の領域A形成用組成物(組成物A1)を調製した。また、負極活物質として黒鉛粉末と、増粘材としてCMCと、結着材としてSBRとを、これらの材料の質量比が100:1:1となるようにイオン交換水で混合して、ペースト状の領域B形成用組成物(組成物B)を調製した。これら組成物A1と組成物Bとを銅箔(厚さ14μm)の両面に均一に塗付した。具体的には、図7に示すダイコーター70を有する製造装置を用いて、組成物A1と組成物Bとを上記銅箔(負極集電体42)の正極非対向部ANFと正極対向部Aにそれぞれ塗付した。次いで、温度70℃で180秒間、上記組成物を乾燥(熱風乾燥)した後、圧縮することによって、長さ4700mm、総厚さ150μmのシート状の負極(負極シート)を作製した。この負極活物質層の幅は100mmであった。
[リチウム二次電池の作製]
作製した正極シートと負極シートとをセパレータを介して楕円状に捲回して捲回電極体を作製した。セパレータとしては、PP/PE/PPからなる長尺シート状の三層構造フィルム(厚さ:20μm)を用いた。この捲回電極体は、図3〜図5に模式的に示す構成を有し、負極シートの幅方向における領域Aの中央側端部と、正極対向部および正極非対向部の境界線との距離Wは1mmであった。この捲回電極体の正負の電極集電体の端部にそれぞれ電極端子を接合し、アルミ製の電池ケースに収容した。その後、非水電解液を注入して密封することにより、定格容量が24.0Ahの角型リチウム二次電池を作製した。非水電解液としては、ECとDMCとEMCとの3:4:3(体積比)混合溶媒に、支持塩として約1mol/LのLiPFを溶解した電解液を用いた。注入した非水電解液量は125gであった。
<例2,3>
上記距離Wを2mmとした他は例1と同様にして例2に係るリチウム二次電池を作製した。また、上記距離Wを3mmとした他は例1と同様にして例3に係るリチウム二次電池を作製した。
<例4>
負極活物質として黒鉛粉末と、感温性増粘剤としてカードランと、増粘材としてCMCと、結着材としてSBRとを、これらの材料の質量比が100:0.5:0.5:1となるようにイオン交換水で混合して、ペースト状の領域A形成用組成物(組成物A2)を調製した。この組成物A2を領域A形成用組成物として用いた他は例1と同様にして例4に係るリチウム二次電池を作製した。
<例5,6>
上記距離Wを2mmとした他は例4と同様にして、例5に係るリチウム二次電池を作製した。また、上記距離Wを3mmとした他は例4と同様にして例6に係るリチウム二次電池を作製した。
<例7>
負極活物質として黒鉛粉末と、増粘材としてCMCと、上記熱溶融性結着材とを、これらの材料の質量比が100:1:1となるようにイオン交換水で混合して、ペースト状の領域A形成用組成物(組成物A3)を調製した。この組成物A3を領域A形成用組成物として用いた他は例1と同様にして例7に係るリチウム二次電池を作製した。
<例8,9>
上記距離Wを2mmとした他は例7と同様にして例8に係るリチウム二次電池を作製した。また、上記距離Wを3mmとした他は例7と同様にして例9に係るリチウム二次電池を作製した。
<例10>
領域A形成用組成物および領域B形成用組成物として、例1で用いた組成物Bを使用した他は例1と同様にして例10に係るリチウム二次電池を作製した。この二次電池の負極活物質層は、組成物Bのみから形成されている。
[50℃サイクル容量維持率]
25℃の温度環境において、4.1Vまで1Cの充電を行って5分間休止した後、3.0Vまで1Cの放電を行って5分間休止した。その後、4.1Vまで1Cレート、0.1Cカットで定電流定電圧(CCCV)充電を行い、その後、3.0Vまで1Cレート、0.1CカットでCCCV放電を行った。このときの放電容量を測定し、これを初期容量とした。初期容量を測定した後、50℃の恒温槽で2CのCCサイクル充放電を1000サイクル繰り返し、1000サイクル後の放電容量を測定した。式:
容量維持率(%)=1000サイクル後の放電容量/初期容量×100
;から容量維持率(%)を求めた。各例当たり5個の電池を用意して各電池の容量維持率を測定し、その平均値を記録した。結果を表1に示す。
[IV抵抗]
温度25℃の環境下で充電を行い、SOC60%の充電状態に調整した。その後、25℃にて10Cの電流で10秒間のパルス放電を行い、放電開始から10秒後の電圧降下量からIV抵抗(mΩ)を求めた。各例当たり10個の電池を用意して各電池のIV抵抗を測定し、その平均値を記録した。結果を表1に示す。
[0℃パルスサイクル容量維持率]
25℃の温度環境において、用意したリチウム二次電池に所定のコンディショニングを施した後、3.0VまでCC放電を行い、次いでCCCV充電を行ってSOC50%に調整した。この状態のリチウム二次電池の放電容量を測定した。放電容量は、温度25℃において4.1Vから3.0Vまで1CのCC放電を行い、続いて合計放電時間が2時間となるまでCV放電した際に測定される積算容量の値を用いた。この結果を初期容量として用いた。
また、0℃パルス容量維持率測定試験は、SOC50%に調整したリチウム二次電池を用い、0℃の温度環境下において、下記のパルス充放電を1サイクルとして50000サイクル行った。1サイクルの充放電パターンは、以下のとおりである。
(1)20Cの定電流で10秒間充電(CC充電)する。
(2)10分間休止する。
(3)20Cの定電流で10秒間放電(CC放電)する。
(4)10分間休止する。
上記試験の後、放電容量を初期容量と同じ条件で測定した。この結果をパルス後容量として用いた。得られた値を式:
0℃パルスサイクル容量維持率(%)=(パルス後容量)/(初期容量)×100
;に代入し、パルスサイクル容量維持率を求めた。結果を表1に示す。
[60℃保存後容量維持率]
以下に示す方法で初期容量と放電容量を測定し、式:
60℃保存後容量維持率(%)=(保存後容量)/(初期容量)×100
;から60℃保存後容量維持率を求めた。
初期容量は、以下の方法によって測定した。所定の充電状態に調整されたリチウム二次電池を、25℃の温度条件下において4.1Vになるまで1CのCC充電を行い、続いて合計充電時間が2.5時間になるまでCV充電を行った(CCCV充電)。充電完了から10分間休止した後、25℃において4.1Vから3.0Vまで0.33C(1/3C)のCC放電を行い、続いて合計放電時間が4時間となるまでCV放電を行った。このときの放電容量を測定し、初期容量として用いた。
保存後容量は、25℃の温度条件下においてSOC100%に調整されたリチウム二次電池を60℃の温度環境で100日間保存した後、初期容量と同じ条件で測定した。各例当たりリチウム二次電池を50個用意して上記の測定に供し、得られた値の平均値を記録した。結果を表1に示す。
Figure 0005904383
表1に示されるように、負極活物質層の正極非対向部に熱溶融性結着材と感温性増粘剤とを配合した例1〜3に係るリチウム二次電池は、60℃保存後の容量維持率がいずれも97.4%以上であった。また、50℃サイクル容量維持率、IV抵抗、0℃パルスサイクル容量維持率も優れた結果であった。また、熱溶融性結着材を用いず感温性増粘剤を用いた例4〜6に係る二次電池では、60℃保存後容量維持率、0℃パルスサイクル容量維持率について良い結果が得られた。50℃サイクル容量維持率は例1〜3よりも低かった。さらに、感温性増粘剤を用いず熱溶融性結着材を用いた例7〜9に係る二次電池では、50℃サイクル容量維持率について良い結果が得られた。IV抵抗、0℃パルスサイクル容量維持率、60℃保存後容量維持率は例1〜3に及ばなかった。これに対し、熱溶融性結着材と感温性増粘剤を用いなかった例10の二次電池では、電池抵抗を除く特性(50℃サイクル容量維持率、0℃パルスサイクル容量維持率、60℃保存後容量維持率)が低下した。
60℃保存後容量維持率について見ると、感温性増粘剤を用いた例4〜6、熱溶融性結着材を用いた例7〜9は、熱溶融性結着材、感温性増粘剤のいずれも使用しなかった例10よりも優れた結果であったことから、熱溶融性結着材、感温性増粘剤は、それぞれ単独で高温保存時の容量劣化を抑制できることがわかる。一方、熱溶融性結着材、感温性増粘剤のいずれも使用しなかった例10では、高温保存中にLiイオンの移動を抑制することができず、負極活物質層の表面においてLiイオンの不可逆的な固定が起こり、高温保存時の容量維持率が低下したと考えられる。また、高温保存時の容量劣化抑制は、主として感温性増粘剤の含有によって実現されているが、熱溶融性結着材と感温性増粘剤とを併用した例1〜3では、感温性増粘剤および熱溶融性結着材のいずれか一方を使用した例4〜9よりもさらに高温保存時の容量劣化が抑制されていることから、熱溶融性結着材と感温性増粘剤との併用による効果が存在していることが認められる。その原因としては、熱溶融性結着材による作用と感温性増粘剤による作用が互いに阻害し合わない関係にあることが考えられる。また、熱溶融性結着材と感温性増粘剤とを併用したことによる両者の負極活物質層内における配置が、高温保存時の容量劣化抑制の観点において好適な配置となり、これによって容量劣化抑制がさらに向上したと考えられ得る。
50℃サイクル容量維持率に関して、例4〜6と例7〜9との対比から、熱溶融性結着材が存在することによる影響が大きいことがわかる。そのメカニズムとしては、例えば、熱溶融性結着材が負極活物質層形成時において一度溶融して再度凝固することで、熱溶融性でないゴム系の結着材を用いた場合よりも、負極活物質−負極活物質間の密着性および負極活物質層−負極集電体間の密着性が高められたことが考えられ得る。その結果、負極活物質の脱離や負極活物質層の負極集電体からの剥離が抑制され、それが上記の高温サイクル特性向上に寄与したと考えられ得る。特に、熱溶融性結着材が配合されている領域Aは負極活物質層の端部に位置していることから、負極活物質の脱離や負極活物質層の負極集電体からの剥離が相対的に発生しやすい部位といえる。そのような部位において負極活物質−負極活物質間の密着性および負極活物質層−負極集電体間の密着性が高められたことにより、50℃サイクル容量維持率の向上が顕著に発現したと推察される。そして、その効果は、感温性増粘剤と併用した例1〜3においてさらに向上している。そのメカニズムとしては、熱溶融性結着材と感温性増粘剤を併用することにより、熱溶融性結着材の負極活物質層内における配置が、負極活物質−負極活物質間および負極活物質層−負極集電体間の密着性向上の観点において好適な配置となったことが考えられ得る。
感温性増粘剤を使用せず熱溶融性結着材を使用した例7〜9では、IV抵抗および0℃パルスサイクル容量維持率が低下する傾向が認められた。これは、感温性増粘剤が存在しない場合、熱溶融性結着材は負極活物質を覆う傾向(つまり負極活物質に対する熱溶融性結着材の被覆率)が高まり、該熱溶融性結着材が充放電においてLiイオンの移動を阻害し、上記特性の低下をもたらしたと考えられ得る。特に例7〜9では、低温サイクル特性の低下が目立った。当該測定試験では、負極活物質層の端部にリチウムの析出も認められた。これは、感温性増粘剤が存在しないため、熱溶融性結着材が負極活物質層の表層に偏在する傾向が強くなり、Liイオンの受入性が低下し、受け入れられなかったLiイオンが析出したためと考えられる。
結論として、熱溶融性結着材と感温性増粘剤とを併用することにより、高温保存時の容量劣化を効果的に抑制できることがわかる。また、上記の併用に加えて、熱溶融性結着材と感温性増粘剤とを負極活物質層の正極非対向部に限定して配合することで、低温から高温にわたる充放電特性を高いレベルに維持し、あるいはさらに向上させることを実現できることがわかる。この構成では、電池抵抗の上昇も充分に抑制される。要するに、上記の構成を採用することにより、低温から高温まで幅広い温度範囲にわたって、高出力かつ高耐久のリチウム二次電池を実現することができる。
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、請求の範囲を限定するものではない。ここで開示される発明には上述の具体例を様々に変形、変更したものが含まれ得る。
1 自動車(車両)
10 電池ケース
12 開口部
14 蓋体
20 捲回電極体
25 非水電解質(非水電解液)
30 正極(正極シート)
32 正極集電体
34 正極活物質層
35 正極集電体積層部
36 正極活物質層非形成部
37 内部正極端子
38 外部正極端子
40 負極(負極シート)
42 負極集電体
44 負極活物質層
45 負極集電体積層部
46 負極活物質層非形成部
47 内部負極端子
48 外部負極端子
50A,50B セパレータ(セパレータシート)
100 リチウム二次電池

Claims (9)

  1. 正極活物質層を含む正極と、負極活物質層を含む負極と、を備えており、
    前記正極活物質層と前記負極活物質層とは、互いに対向するように配置されており、
    前記負極活物質層は、前記正極活物質層に対向しない正極非対向部を含む領域Aを有しており、
    前記領域Aは、負極活物質と、熱溶融性結着材と、感温性増粘剤と、を含み、
    前記熱溶融性結着材の融点および前記感温性増粘剤のゲル化温度は、ともに45℃〜100℃の範囲内である、リチウム二次電池。
  2. 前記熱溶融性結着材の融点をX℃とし、前記感温性増粘剤のゲル化温度をY℃としたとき、該熱溶融性結着材の融点X℃と該感温性増粘剤のゲル化温度Y℃とは、|X−Y|≦30の関係を満たす、請求項1に記載のリチウム二次電池。
  3. 前記熱溶融性結着材の融点をX℃とし、前記感温性増粘剤のゲル化温度をY℃としたとき、前記熱溶融性結着材の融点X℃と前記感温性増粘剤のゲル化温度Y℃とは、X≧Yの関係を満たす、請求項1または2に記載のリチウム二次電池。
  4. 前記熱溶融性結着材の融点は70℃〜90℃である、請求項1〜3のいずれかに記載のリチウム二次電池。
  5. 前記感温性増粘剤は多糖類である、請求項1〜4のいずれかに記載のリチウム二次電池。
  6. 前記感温性増粘剤はカードランである、請求項1〜5のいずれかに記載のリチウム二次電池。
  7. 前記熱溶融性結着材の平均粒径は0.1μm未満である、請求項1〜6のいずれかに記載のリチウム二次電池。
  8. 前記熱溶融性結着材の密度は1.2g/cm以下である、請求項1〜7のいずれかに記載のリチウム二次電池。
  9. 請求項1〜8のいずれかに記載のリチウム二次電池を備える車両。
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