JP5902107B2 - 加熱接合装置及び加熱接合製品の製造方法 - Google Patents

加熱接合装置及び加熱接合製品の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP5902107B2
JP5902107B2 JP2013011041A JP2013011041A JP5902107B2 JP 5902107 B2 JP5902107 B2 JP 5902107B2 JP 2013011041 A JP2013011041 A JP 2013011041A JP 2013011041 A JP2013011041 A JP 2013011041A JP 5902107 B2 JP5902107 B2 JP 5902107B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
temperature
vacuum
heat
see
buffer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2013011041A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2014140870A (ja
Inventor
純 松田
純 松田
鈴木 隆之
隆之 鈴木
正己 黒田
正己 黒田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Origin Electric Co Ltd
Original Assignee
Origin Electric Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Priority to JP2013011041A priority Critical patent/JP5902107B2/ja
Application filed by Origin Electric Co Ltd filed Critical Origin Electric Co Ltd
Priority to CN201480005952.0A priority patent/CN104968462B/zh
Priority to PCT/JP2014/050240 priority patent/WO2014115584A1/ja
Priority to EP14743722.2A priority patent/EP2949415B1/en
Priority to US14/763,135 priority patent/US9730335B2/en
Priority to TW103102424A priority patent/TWI556900B/zh
Publication of JP2014140870A publication Critical patent/JP2014140870A/ja
Priority to HK16101807.3A priority patent/HK1213841A1/zh
Application granted granted Critical
Publication of JP5902107B2 publication Critical patent/JP5902107B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H05ELECTRIC TECHNIQUES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H05KPRINTED CIRCUITS; CASINGS OR CONSTRUCTIONAL DETAILS OF ELECTRIC APPARATUS; MANUFACTURE OF ASSEMBLAGES OF ELECTRICAL COMPONENTS
    • H05K3/00Apparatus or processes for manufacturing printed circuits
    • H05K3/30Assembling printed circuits with electric components, e.g. with resistor
    • H05K3/32Assembling printed circuits with electric components, e.g. with resistor electrically connecting electric components or wires to printed circuits
    • H05K3/34Assembling printed circuits with electric components, e.g. with resistor electrically connecting electric components or wires to printed circuits by soldering
    • H05K3/3494Heating methods for reflowing of solder
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B23MACHINE TOOLS; METAL-WORKING NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • B23KSOLDERING OR UNSOLDERING; WELDING; CLADDING OR PLATING BY SOLDERING OR WELDING; CUTTING BY APPLYING HEAT LOCALLY, e.g. FLAME CUTTING; WORKING BY LASER BEAM
    • B23K1/00Soldering, e.g. brazing, or unsoldering
    • B23K1/0008Soldering, e.g. brazing, or unsoldering specially adapted for particular articles or work
    • B23K1/0016Brazing of electronic components
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B23MACHINE TOOLS; METAL-WORKING NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • B23KSOLDERING OR UNSOLDERING; WELDING; CLADDING OR PLATING BY SOLDERING OR WELDING; CUTTING BY APPLYING HEAT LOCALLY, e.g. FLAME CUTTING; WORKING BY LASER BEAM
    • B23K1/00Soldering, e.g. brazing, or unsoldering
    • B23K1/008Soldering within a furnace
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B23MACHINE TOOLS; METAL-WORKING NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • B23KSOLDERING OR UNSOLDERING; WELDING; CLADDING OR PLATING BY SOLDERING OR WELDING; CUTTING BY APPLYING HEAT LOCALLY, e.g. FLAME CUTTING; WORKING BY LASER BEAM
    • B23K3/00Tools, devices, or special appurtenances for soldering, e.g. brazing, or unsoldering, not specially adapted for particular methods
    • B23K3/04Heating appliances
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B23MACHINE TOOLS; METAL-WORKING NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • B23KSOLDERING OR UNSOLDERING; WELDING; CLADDING OR PLATING BY SOLDERING OR WELDING; CUTTING BY APPLYING HEAT LOCALLY, e.g. FLAME CUTTING; WORKING BY LASER BEAM
    • B23K3/00Tools, devices, or special appurtenances for soldering, e.g. brazing, or unsoldering, not specially adapted for particular methods
    • B23K3/04Heating appliances
    • B23K3/047Heating appliances electric
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B23MACHINE TOOLS; METAL-WORKING NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • B23KSOLDERING OR UNSOLDERING; WELDING; CLADDING OR PLATING BY SOLDERING OR WELDING; CUTTING BY APPLYING HEAT LOCALLY, e.g. FLAME CUTTING; WORKING BY LASER BEAM
    • B23K2101/00Articles made by soldering, welding or cutting
    • B23K2101/36Electric or electronic devices
    • B23K2101/42Printed circuits
    • HELECTRICITY
    • H05ELECTRIC TECHNIQUES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H05KPRINTED CIRCUITS; CASINGS OR CONSTRUCTIONAL DETAILS OF ELECTRIC APPARATUS; MANUFACTURE OF ASSEMBLAGES OF ELECTRICAL COMPONENTS
    • H05K2203/00Indexing scheme relating to apparatus or processes for manufacturing printed circuits covered by H05K3/00
    • H05K2203/08Treatments involving gases
    • H05K2203/085Using vacuum or low pressure

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Manufacturing & Machinery (AREA)
  • Microelectronics & Electronic Packaging (AREA)
  • Electric Connection Of Electric Components To Printed Circuits (AREA)

Description

本発明は、加熱接合装置及び加熱接合製品の製造方法に関し、より詳細には、ワーク(電子部品、基板等及び接合材を含んで構成される加熱接合の対象物)を加熱及び冷却して加熱接合する加熱接合装置及び加熱接合製品の製造方法に関する。
従来、還元性のカルボン酸蒸気で満たした開閉可能なチャンバ内に、加熱手段を具える熱板が設けられた加熱接合装置としての半田付け装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。熱板の基板を乗せる部分は平坦に設けられ、熱板にはその温度を検出する温度検出器が附設される。加熱手段は検出された熱板の温度に基づいて熱板の温度を制御するように構成される。
特開平11‐233934号公報(例えば、請求項1、請求項7参照)
しかしながら、従来の加熱接合装置では、チャンバ内を真空にして半田付け等の加熱接合を行う場合に、熱板に載置されたワークが過熱されることがあった。特に、加熱接合が終わってワークの冷却中にワークが過熱されてしまうことがあった。ワークは加熱接合の対象物として熱に弱い、半導体装置、電子部品等のようなものを含む。そのため、過熱によりワークを熱破壊してしまうことがあった。
本発明はこれらの課題に鑑みてなされたものであり、真空中で加熱接合を行う際に、加熱接合が終わってワークの冷却中に、加熱接合の対象物を過熱してしまうことがなく、対象物を従来の装置及び方法よりも短時間で冷却することができる優れた加熱接合装置及び加熱接合製品の製造方法を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために、本発明の第1の態様に係る加熱接合装置は、例えば、図1に示す加熱接合装置100であって、加熱接合する対象物1とバッファー部5を収容する真空チャンバ10と;真空チャンバ10内に収容した対象物1に接触して配置されたバッファー部5を加熱するヒータ20と;バッファー部5を介して加熱された対象物1の温度T(図4(A)参照)を検出する対象物温度センサー40と;バッファー部5の温度T(図4(A)参照)を検出するバッファー温度センサー60と;真空チャンバ10内の真空を真空破壊B(図4(A)参照)する真空破壊装置70と;対象物温度センサー40の第1の検出温度Tとバッファー温度センサー60の第2の検出温度Tとの間の温度差が所定の温度差T(図4(A)参照)の範囲内となったとき、真空破壊装置70を操作して真空チャンバ10内の真空を真空破壊Bする制御装置50とを備える。
このように構成するとき、加熱接合する対象物の温度とバッファー部の温度との間の温度差が所定の温度差の範囲内となったときに真空チャンバ内の真空を真空破壊するように制御することができる。真空チャンバ内の真空が真空破壊される際には、加熱接合の対象物とバッファー部との間の雰囲気を介した熱伝達が回復する。対象物とバッファー部との間の温度差が所定の温度差の範囲内となったときに真空破壊することにより、高温のバッファー部から対象物への急激な熱伝達が生じて対象物が熱破壊してしまうことを防止することができる。また、加熱接合の対象物を熱破壊してしまうことがない範囲内の可能な限り早い時点で真空チャンバ内の真空を真空破壊することができる。このため、加熱接合の対象物及びバッファー部から雰囲気(対流)への熱伝達(熱拡散)を可能な限り早期に回復して対象物を効率良く冷却することができる。このため、真空中で加熱接合を行う際に、加熱接合が終わってワークの冷却中に、加熱接合の対象物を過熱してしまうことがなく、対象物を従来の装置よりも短時間で冷却することができる優れた加熱接合装置を提供することができる。
また、本発明の第2の態様に係る加熱接合装置は、本発明の第1の態様に係る加熱接合装置において、例えば、図1に示す加熱接合装置100のように、制御装置50は、真空チャンバ10内の真空を真空破壊B(図4(A)参照)した後に、対象物1の温度を接合材の融点T(図4(A)参照)より低い温度に下げるように制御するように構成される。
このように構成するとき、真空チャンバ内の真空を真空破壊した後に接合材の温度が融点よりも低くなるように制御することができる。即ち、制御装置は対象物の温度が接合材の融点以上の温度であるときに真空破壊を行う。このとき、融点以上の温度に加熱された溶融状態の接合部内で、真空中ではその内部の残圧により拡大した拡大状態にあるボイドを真空破壊された圧力下で再び圧縮された縮小状態に圧縮することができる。また、接合部内のボイドを圧縮状態に圧縮した後に、接合材の温度を融点よりも低い固化温度まで冷却して接合材を固化することができる。このため、接合部内のボイドの影響を抑制して、より信頼性の高い加熱接合を行うことができる。
また、本発明の第3の態様に係る加熱接合装置は、本発明の第1又は第2の態様に係る加熱接合装置において、例えば、図1に示す加熱接合装置100のように、真空チャンバ10内を真空に排気する真空ポンプ80を更に備え;制御装置50は真空ポンプ80による排気と真空破壊装置70による真空破壊とを更に組み合わせて調節することで、バッファー部5から対象物1への熱伝達を調節して対象物1が過熱されることを防止するように制御するように構成される。
このように構成するとき、真空チャンバ内の真空度を調節することで、バッファー部から対象物への熱伝達の割合(熱伝達率(熱伝達係数))を調節して対象物が過熱されることを防止するように制御することができる。このため、対象物温度センサーが検出する対象物の温度に基づいてバッファー部から対象物への熱伝達を調節する対象物の温度制御を行うことにより、対象物が過熱されることを防止することができる。
また、本発明の第4の態様に係る加熱接合装置は、本発明の第1又は第2の態様に係る加熱接合装置において、例えば、図1に示す加熱接合装置100のように、真空チャンバ10内を真空に排気する真空ポンプ80を更に備え;制御装置50は真空ポンプ80による排気と真空破壊装置70による真空破壊とを更に組み合わせて調節することで、バッファー部5から対象物1への熱伝達を調節して第1の検出温度T(図4(A)参照)と第2の検出温度T(図4(A)参照)のとの間の温度差を所定の温度差T(図4(A)参照)の範囲内とするように制御するように構成される。
このように構成するとき、真空チャンバ内の真空度を調節することで、バッファー部から対象物への熱伝達の割合(熱伝達率)を調節して対象物とバッファー部との間の温度差が真空破壊に適した所定の温度差の範囲内となるように制御することができる。このため、対象物とバッファー部との間の温度差を可能な限り早期に真空破壊に適した所定の温度差の範囲内に制御して真空破壊を行うことができる。このため、真空破壊後の雰囲気による自然冷却を早期に回復して対象物の冷却を行うことができるから、加熱接合のサイクルタイムを短縮することができる。
また、本発明の第5の態様に係る加熱接合装置は、本発明の第1乃至第4の態様のいずれか一の態様に係る加熱接合装置において、例えば、図6に示す加熱接合装置200のように、バッファー部5は、対象物1を載置する載置台5bとして構成され、ヒータ20bは載置台5bの内部に設けられる。
このように構成するとき、載置台の内部に設けられたヒータはバッファー部としての載置台を介することで均熱化して載置台に載置された加熱接合の対象物を加熱することができる。
また、本発明の第6の態様に係る加熱接合製品の製造方法は、例えば、図7(及び適宜図1を参照)に示すように、本発明の第1乃至第5の態様のいずれか一の態様に係る加熱接合装置100に加熱接合する対象物1をバッファー部5と接触させて配置して装填するステップM1と;加熱接合装置100を用いて対象物1を加熱接合するステップM2とを備える。
このように構成するとき、真空中で加熱接合を行う際に、加熱接合が終わってワークの冷却中に、加熱接合の対象物を過熱してしまうことがなく、対象物を従来の方法よりも短時間で冷却することができるから、高い生産性をもって加熱接合製品を製造することができる。
また、本発明の第7の態様に係る加熱接合製品の製造方法は、例えば、図7(及び適宜図1及び図4を参照)に示すように、加熱接合する対象物1とバッファー部5を、対象物1とバッファー部2を接触させて配置して、真空の下に置くステップM1aと;真空の下に置いたバッファー部5を加熱する加熱ステップM2aと;バッファー部5を介して加熱された対象物1の温度Tを検出する対象物温度検出ステップM2cと;バッファー部5の温度Tを検出するバッファー温度検出ステップM2eと;検出した対象物1の第1の検出温度Tと検出したバッファー部5の第2の検出温度Tとの間の温度差が所定の温度差Tの範囲内となったとき、真空を破壊Bする真空破壊ステップM2fとを備える。
このように構成するとき、真空中で加熱接合を行う際に、加熱接合が終わってワークの冷却中に、加熱接合の対象物を過熱してしまうことがなく、対象物を従来の方法よりも短時間で冷却することができるから、高い生産性をもって加熱接合製品を製造することができる。
本発明による加熱接合装置及び加熱接合製品の製造方法によれば、真空中で加熱接合を行う際に、加熱接合が終わってワークの冷却中に、加熱接合の対象物を過熱してしまうことがなく、対象物を従来の装置及び方法よりも短時間で冷却することができる優れた加熱接合装置及び加熱接合製品の製造方法を提供することができる。
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る加熱接合装置としての半田付け装置の例を示す正面断面図である。(A)は、冷却ブロックをバッファー部から離間させてバッファー部を熱放射ヒータで加熱する状態を示す図であり、(B)は、冷却ブロックをバッファー部に当接させてバッファー部の熱を冷却ブロックで排熱する状態を示す図である。 図2は、本発明の第1の実施の形態に係る半田付け装置の例を示す側面部分断面図である。第1の実施の形態の半田付け装置を側面より見ると共に、その真空チャンバの隔壁の一部を切断して内部を示す部分断面図である。 図3は、本発明の第1の実施の形態に係る半田付け装置が備える制御装置の構成を示すブロック図である。(A)は制御装置が有する各機能部を示すブロック図であり、(B)は制御装置の制御部が有する各機能部を更に詳細に示すブロック図である。 図4は、本発明の第1の実施の形態に係る半田付け装置の温度制御の例を示す図である。(A)は、半田の溶融温度よりも僅かに低い第1の加熱目標温度までバッファー部を加熱した後に均熱化のための伝熱待機時間を設ける場合の温度制御の例を示し、(B)は、伝熱待機時間を設けない場合の温度制御の例を示す。 図5は、本発明の第2の実施の形態に係る加熱接合装置としての半田付け装置の例を示す正面断面図である。(A)は、冷却ブロックをバッファー部から離間させてバッファー部を熱放射ヒータで加熱する状態を示す図であり、(B)は、冷却ブロックをバッファー部に当接させてバッファー部の熱を冷却ブロックで排熱する状態を示す図である。 図6は、本発明の第3の実施の形態に係る加熱接合装置としての半田付け装置の例を示す正面断面図である。 図7は、本発明の第4の実施の形態に係る加熱接合製品としての半田付け製品の製造方法の例を示すフローチャートである。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。なお、各図において互いに同一又は相当する部材には同一あるいは類似の符号を付し、重複した説明は省略する。
本願発明において、「加熱接合」は広く接合材を加熱及び冷却してワークを接合することをいうが、典型的には接合材を加熱溶融及び冷却固化してワークを接合することをいう。加熱接合には、例えば、金属接合材を用いた蝋付け、半田付け、樹脂接合材又はガラス接合材を用いた溶着、接着、溶接等が含まれる。以下の実施の形態では、加熱接合装置の例として、蝋付けのうち、軟蝋といわれている半田を接合材とした半田付けを行う半田付け装置の例を挙げて説明する。
図1を参照して、本発明の第1の実施の形態に係る加熱接合装置としての半田付け装置100を説明する。例示の半田付け装置100による加熱状態を示す図1(A)を主に参照し、排熱状態(冷却状態)を示す図1(B)を適宜併せて参照するものとする。また、半田付け装置100の温度制御及び減圧制御に関する説明については図4に示す半田付け装置100の作動状態を示すグラフを適宜併せて参照するものとする。半田付け装置100は半田付けする対象物(ワーク)1を収容する空間を真空に減圧する真空チャンバ10を備え、対象物1を真空中で半田付けする真空半田付け装置である。真空中で半田付けを行う場合には、半田の表面に酸化膜が形成されることを防ぐことができる。このため、酸化膜に半田付けを阻害されることがなく、固着強度が高く電気的導通性に優れた信頼性の高い半田付けを行うことができる。
また、真空中で半田付けする場合には、半田に酸化膜の形成を防止するための還元剤としてのフラックスを添加しなくてもよい。また、対象物1に残留して電気的導通を阻害する可能性があるフラックスを半田付け後に洗浄して除去するフラックス除去工程を省くことができる。更に、真空中で半田付けを行う半田付け装置100は、水素ガス、蟻酸ガス等の還元ガス雰囲気中で半田付けを行う従来の半田付け装置(例えば、特許文献1、請求項1参照)と比較して、真空チャンバ10を還元ガスで満たさなくてもよい。特に、その取り扱いに注意が必要な可燃性の水素ガスを還元ガスとして用いることなく半田付けを行うことができる。このため、半田付け装置100は、信頼性の高い半田付けを効率良くかつ容易に行うことができるという利点を有する。
図1は、半田付け装置100を紙面奥側から紙面手前側へ向かう半田付けの対象物1の搬送ラインの搬送方向から見る正面断面図である。真空チャンバ10の隔壁は、後に詳述する対象物温度センサー40及びバッファー温度センサー60の熱検出部が設けられる位置で切断してその断面が示されている。真空チャンバ10の排気口14には真空チャンバ10の内部(以下、適宜「チャンバ内部」という)の空気を排気する真空ポンプ80が接続されている。真空ポンプ80はチャンバ内部の空気を真空チャンバ10の外部に排気することで、チャンバ内部を真空(大気圧よりも低い圧力)乃至高真空に自在に減圧することができる。真空ポンプ80は、例えば、チャンバ内部を約7乃至133Pa程度(約50乃至1000mTorr程度)の中真空とすることができる。チャンバ内部の圧力はチャンバ内部に圧力検出部を有するように設けられた圧力計81で検出することができる。チャンバ内部の圧力の値は、後に詳述する半田付け装置100の作動を一元的に制御する制御装置50(図3参照)に伝達されて真空ポンプ80の駆動調節に用いられる。また、排気口14は制御装置50の制御指令に従って開閉可能に設けられ、真空ポンプ80の駆動時には開放され、駆動時以外には閉鎖されるように操作される。
真空チャンバ10が有する複数の隔壁の内、対象物1の搬送ラインと交差する1対の隔壁には、後に詳述する真空破壊装置70としてのゲートバルブ70a(図2参照)が設けられる。ゲートバルブ70aは、対象物1を搬送ラインに沿ってチャンバ内部に供給するために、また、対象物1をチャンバ内部から搬出するために開閉可能に設けられる。ゲートバルブ70aは連結されたエアシリンダ(不図示)で駆動されて鉛直方向にスライド開閉される。また、ゲートバルブ70aは、ゲートバルブ70aが閉じられたときにチャンバ内部を真空に減圧することができるようにチャンバ内部を気密に閉鎖可能に設けられる。ゲートバルブ70aは、後に詳述する制御装置50(図3参照)によって操作及び調節される。このため、制御装置50は、真空チャンバ10の密閉(閉鎖)とチャンバ内部の真空の真空破壊(圧力回復)とを自在に選択可能に操作及び調節することができる。
チャンバ内部と外気とを隔離する真空チャンバ10が有する隔壁は、断熱性に優れたステンレス鋼で設けられる。このため、熱処理が行われるチャンバ内部を外気から断熱して対象物1を効率良く半田付けすることができる。また、真空チャンバ10の複数の隔壁には、透明な耐熱ガラス製の視認窓12が設けられる。このため、半田付け装置100の作動中も、装置の作動状況及び対象物1の半田付けの状況を目視して確認することができる。
半田付けの対象物1は、載置台5としての載置搬送台5aの上に載置される。載置搬送台5aは金属製の平板で設けられる。対象物1が載置された載置搬送台5aは半田付け装置100が備える複数の搬送ローラ11上に載置される。複数の搬送ローラ11は、半田付け装置100内で対象物1の搬送ラインを形成する。載置搬送台5aは高い熱伝導率を有する銅で設けられる。この場合には、後に詳述するように載置搬送台5aを介して熱処理される対象物1を効率良く加熱及び冷却することができる。なお、高い熱伝導率を有する限り、載置搬送台5aを銅合金等の他の金属材料で設けるものとしてもよい。本実施の形態では、載置搬送台5aには複数(例示として2列3行6個(図2に示す側面図を併せて参照のこと))の半田付けの対象物1が並べて載置される。この場合には、複数の対象物1を同時に熱処理して効率良く半田付けすることができる。半田付け装置100の搬送ラインを形成する複数の搬送ローラ11は、載置搬送台5aを載置して回転することで対象物1を図示の半田付け位置(加熱/冷却処理位置)まで送り込んで半田付け装置100に装填する。
半田付けの対象物1は典型的には電子部品2と基板3とを含む。また、対象物1の半田付けは、典型的には基板3の上にフィルム半田(クリーム半田であってもよい)等の半田を載置し、この半田の上に更に電子部品2を載置した状態で対象物1を加熱及び冷却して行う。半田付け装置100による半田付けでは、真空中で半田の溶融温度(融点)T(図4(A)参照)(例えば、摂氏300度)以上の温度に半田を加熱して溶融した後に、冷却して再び半田を固化することで電子部品2と基板3とを半田接合部4で接合する。電子部品2は、半導体パッケージの他、表面実装型のチップ抵抗器、チップコンデンサ等の、半田付けして基板3に固着/導通される電子部品の全般をいう。
本実施の形態の半田付け装置100はヒータ20としての複数の熱放射ヒータ20aを備える。熱放射ヒータ20aは、円形断面を有する直線形状(円筒棒形状)(図2に示す側面図を併せて参照のこと)に設けられる。本実施の形態では、熱放射ヒータ20aは半田付けの対象物1を直接加熱するのではなく、バッファー部としての載置台5である載置搬送台5aを加熱するように設けられる。ここで、バッファー部は熱放射ヒータ20aによる対象物1の加熱において熱緩衝部として機能する。バッファー部は典型的には半田付けの対象物よりも大きな熱容量を有し、ヒータと対象物との間に介在する。一方、バッファー部の熱容量が大きいためにヒータによる加熱を停止した後でも、余熱により対象物を加熱してしまう。本実施の形態では、冷却器30を備えることによりそれを防止することができる。このようにして、バッファー部は熱に弱い半田付けの対象物を過熱による熱破壊から保護することができる。
また、バッファー部はヒータによる加熱を時間的及び空間的に均熱化して対象物に伝熱することができる。このため、バッファー部を介して加熱する場合には、対象物の不均一な加熱による熱変形(熱反り)を防止することができる。対象物に接触させて配置したバッファー部を介して対象物を加熱することにより対象物の熱変形を防ぐことができる。即ち、対象物とバッファー部との良好な接触状態を維持することができる。
熱放射ヒータ20aは、ハロゲンヒータで設けられる。熱放射ヒータ20aは、タングステン製の熱放射フィラメントで設けられた熱放射部を、石英ガラスで設けられた熱放射部密閉管で覆って設けられる。また、熱放射部密閉管内には不活性ガス(例えば、窒素、アルゴン等)とハロゲンガス(例えば、ヨウ素、臭素等)とが封入される。熱放射ヒータ20aをハロゲンヒータで設ける場合には、ハロゲンとタングステンとの間のハロゲンサイクルによって熱放射ヒータ20aは急速な昇降温に耐えることができる。このため、通電後数秒でタングステンフィラメント(熱放射部)の温度を摂氏2700度を超える高温とすることができる。このため、熱放射ヒータ20aは高温となった熱放射部からの熱放射によって対面する載置搬送台5aを急速に加熱することができる。また、熱放射ヒータ20aはハロゲンサイクルによってタングステンフィラメントの寿命を十分に長く保つことができる。このため、載置搬送台5aの急速な加熱が可能であると共に経済生産性の高い優れた熱放射ヒータ20aを実現することができる。
熱放射ヒータ20aの熱放射による加熱は真空中でも真空によって阻害されることがない。このため、熱放射ヒータ20aは、載置搬送台5aから離間して固定された熱放射ヒータ20aの加熱位置から載置搬送台5aを効率良く加熱することができる。ハロゲンヒータで設けられた熱放射ヒータ20aの熱放射は、近赤外線波長領域(約0.75μm乃至約4μm)から遠赤外線波長領域(約4μm乃至約1mm)までの広い波長領域の赤外線放射を含む。載置搬送台5aは熱放射ヒータ20aからの熱放射によって加熱され、載置搬送台5aに載置された対象物1は載置搬送台5aからの熱伝達によって間接的に加熱される。
加熱された対象物1の温度が所定の制御目標温度TT2(図4(A)参照)に到達したときに対象物1の加熱が達成される。所定の制御目標温度TT2は確実な半田付けのために半田の溶融温度(融点)T(図4(A)参照)よりも僅かに高く(例えば、摂氏25度だけ高く)設定される。熱放射ヒータ20aは、対象物1が熱破壊してしまうことのない加熱温度の範囲内で、半田の溶融温度(融点)Tに応じて、対象物1の半田接合部4を、例えば、摂氏220度乃至摂氏400度までに加熱することができる。例示の半田付け装置100は、鉛成分の多い半田を用いた半田接合部4を半田付けするために、半田接合部4の加熱温度(電子部品2の制御目標温度TT2)を、例えば摂氏325度とすることができる。熱放射ヒータ20aによる載置搬送台5aの加熱の制御の詳細については後に詳述する。
半田付け装置100は前述の熱放射ヒータ20aで加熱された載置搬送台5aを冷却する冷却器30を備える。本実施の形態の熱放射ヒータ20a及び冷却器30は、同一の真空チャンバ10内に設けられる。このように設けると、対象物1(及び載置搬送台5a)を移動させることなく、同一の真空チャンバ10内で同一の装填位置に配置された対象物1を連続して加熱及び冷却して熱処理することができる。この場合には、対象物1を加熱接合としての半田付けをするために要する処理時間を大幅に短縮することができる。
冷却器30は、冷却ブロック30aと、冷却ブロック30aを駆動する駆動装置としてのエアシリンダ30bとを有する。冷却ブロック30aは複数のガイドポスト15に支持されて載置搬送台5aに対して近接及び離間をするようにエアシリンダ30bによって駆動される。冷却ブロック30aの内部には冷却ブロック30aを冷却する冷却剤としての冷却水を流通させる冷却剤流通回路30c(図1(B)参照)が設けられる。他の冷却剤を用いる場合と比較して、水を用いる場合には、水の利用及び廃棄を容易に行うことができる。冷却剤流通回路30c内を流通する冷却水は圧送ポンプを有する冷却剤供給装置90(図1(B)参照)によって供給される。また、冷却剤流通回路30c内を循環する冷却水が冷却ブロック30aから奪った熱は冷却剤供給装置90が有する放熱板から大気中へ放熱される。なお、冷却ブロック30aを冷却するための冷却剤は、冷却水の他、任意の液体又は気体を用いることができる。例えば蒸発潜熱により冷却する冷媒を直接用いてもよい。また、冷却水は冷却剤流通回路30c内を繰り返し循環されることなく、単に冷却剤流通回路30c内を一巡だけ循環されてそのまま廃棄されるものとしてもよい。この場合には、半田付け装置100をより容易に設けることができる。冷却剤供給装置90を用いた冷却器30の冷却の調節については後に詳述する。
冷却ブロック30aは高い熱伝導率を有する銅で設けることができる。この場合には、載置搬送台5aの熱を冷却ブロック30aで効率良く排熱することができる。なお、冷却ブロック30aを銅合金等の他の高い熱伝導率を有する金属材料で設けるものとしてもよい。冷却ブロック30aは冷却ブロック30aの基部に設けられた嵌合溝(不図示)内に冷却板としての銅板を嵌め込んで(嵌合して)設けるものとしてもよいし、あるいは、一塊の銅製のブロックから複数の冷却板及び冷却基部を深溝加工により一体として削り出して設けるものとしてもよい。
冷却ブロック30aは典型的には熱放射ヒータ20aに隣接して配置される。このように設けると、熱放射ヒータ20aが加熱した載置搬送台5aの被加熱部位の近傍に冷却ブロック30aが当接して載置搬送台5aの熱を効率良く排熱することができる。また、冷却ブロック30aの両端にはガイドピン31が設けられる。このように設ける場合には、冷却ブロック30aが駆動される際に、ガイドピン31が載置搬送台5aに設けられた対応する位置決め穴内に嵌入することで載置搬送台5aを移動して位置調整することができる。このため、冷却ブロック30aの冷却板と載置搬送台5aとを相対的に位置決めすることができる。これにより、冷却板は載置搬送台5aの被加熱部位に対して正確に位置合わせされて載置搬送台5aの所定の冷却領域に当接することができるから、載置搬送台5aの熱を効率良く排熱することができる。また、このようにガイドピン31で位置決めする場合には、冷却ブロック30aが載置搬送台5aに当接することに起因して載置搬送台5a及び対象物1が所定の配置位置から位置ずれしてしまうことを防止することができる。このため、後に詳述する半田付け装置100が備える対象物温度センサー40及びバッファー温度センサー60は、所定の位置に正しく配置された半田付けの対象物1及び載置搬送台5aの温度を正確に検出することができる。
冷却ブロック30aは、前述の通り複数が配置された熱放射ヒータ20aの間に配置することができるようにクシ歯形状に設けられる。冷却ブロック30aのクシ歯の各々は、所定の厚さを有する平板に形成され、厚さ方向が水平方向に向くように配置される。言い換えれば表面と裏面が水平方向に向いて配置される。この平板は表面と裏面に直交する一つの端面が水平に配置され、冷却ブロック30aの上端面(接触面)を形成する。上端面の反対側の下端(面)は、その内部に冷却剤流通回路30c(図1(B)参照)が設けられた冷却ブロック30aの基部に一体的に接続される。所定の厚さは、半田付けの対象物1のサイズに応じて適切に定める。適切なクシ歯の厚さは、例えば、複数が配置された熱放射ヒータ20aの配置間隔の0.2倍乃至0.6倍とする。好ましくは0.3倍乃至0.5倍とするとよい。
冷却ブロック30aによる対象物1の温度調整は、熱放射ヒータ20aによる加熱と同様に、載置搬送台5aを介して間接的に行われる。この場合には、冷却ブロック30aによる対象物1の温度調整が載置搬送台5aで時間的及び空間的に均熱化されて行われる。このように、載置搬送台5aを介して対象物1を温度調整する場合には、バッファー部としての載置搬送台5aを設けない場合と比較して、対象物1を均一に温度調整することができる。
冷却ブロック30aは、載置搬送台5aに当接(接触)したときに熱伝達により載置搬送台5bの熱を排熱する。冷却ブロック30aを駆動する駆動装置30bは、冷却ブロック30aの載置搬送台5aに対する近接及び離間を調節する。駆動装置30bは、後に詳述する制御装置50が有するバッファー温度調節部55c-1(図3(B)参照)の制御指令に基づいて駆動される。このため、制御装置50は、熱放射ヒータ20aで加熱された載置搬送台5aに対する冷却ブロック30aの近接及び離間を調節することができる。即ち、ヒータで加熱されたバッファー部に対する冷却ブロックの近接及び離間を調節することができる。ここで「近接及び離間を調節する」とは「近接して接触すること及び離間して距離をとること」、また「バッファー部と冷却ブロックとの距離を調節すること」を含む概念である。典型的には、冷却ブロックは、バッファー部に接触する接触位置とバッファー部から離間する離間位置との2つの位置のいずれかの位置に駆動され、この接触位置に留まる時間と離間位置に留まる時間とを調節することで、後に詳述するように半田付けする対象物の温度を制御することができる。
冷却ブロック30aは、熱放射ヒータ20aが載置搬送台5aを加熱することで対象物1を加熱する際には、載置搬送台5aから離間した離間位置(図1(A)参照)で待機する。一方で、載置搬送台5aを介して対象物1を冷却する際には、後に詳述する制御装置50の指令によって、載置搬送台5aに当接する当接位置(図1(B)参照)まで載置搬送台5aの下面に対して垂直方向に駆動される。熱放射ヒータ20a及び冷却ブロック30aは、対象物1及び載置搬送台5aに共に対向し、隣接して設けられるが、対象物1及び載置搬送台5aまでの各々の距離は独立して異なる距離をとることができるように設けられる。即ち、熱放射ヒータ20aと冷却ブロック30aとは、相対移動が可能に設けられ、両者は一体として固定されていない。また、前述のように、冷却ブロック30aは上面がクシ歯形状に設けられるため、駆動装置30bによって駆動されて冷却ブロック30aが載置搬送台5aに向かって移動する際にも、複数の熱放射ヒータ20aと干渉し合うことがない。冷却ブロック30aのクシ歯は複数の熱放射ヒータ20aの間から突出して載置搬送台5aに当接する(図1(B)参照)。
このように設ける場合には、冷却ブロック30aの高さ(クシ歯部分の長さ)を所定の高さに設けることにより、対象物1を冷却する際に、載置搬送台5aと熱放射ヒータ20aとの間隔を所定の間隔として離間することができる。熱放射ヒータ20aは、載置搬送台5aに対して所定の距離間隔だけ離間して加熱を行うように、前述の通り、固定されて配置される(図1(A)参照)。この加熱を行う離間距離は、熱放射ヒータ20aの熱放射が適度に拡散して載置搬送台5aの下面の全面を一様にカバーして加熱することができる距離間隔に設けられる。このため、この加熱位置(離間距離)では最も効率良く対象物1を加熱することができる。一方で、冷却の際には、載置搬送台5aは、この加熱位置(熱放射ヒータ20aからの最適な離間距離)から冷却ブロック30aによって移動されるように設けられる。例えば、図1(B)に示すように、載置搬送台5aは熱放射ヒータ20aから遠ざけられる。また、熱放射ヒータ20aは冷却ブロック30aのクシ歯の根元部分に位置することとなって、その熱放射の拡散がクシ歯によって遮られる。後に詳述するように、熱放射ヒータ20aは通電加熱を停止した後も余熱によって載置搬送台5aの加熱を継続する傾向を有する。この場合にも、冷却ブロック30aのクシ歯は載置搬送台5aを熱放射ヒータ20aの最適な加熱間隔から移動することができると共に、熱放射ヒータ20aの熱放射の拡散を最小限に抑えることができる。このため、熱放射ヒータ20aによる載置搬送台5aの加熱効率を低下させて載置搬送台5a及び対象物1の冷却効率を高めることができる。
半田付け装置100では、冷却ブロック30aが載置搬送台5aに最も密接に接触するときに、図1(B)に示すように、冷却ブロック30aが載置搬送台5aを搬送ローラ11から完全に持ち上げる。このとき、対象物1と載置搬送台5aとの重量によって、冷却ブロック30aと載置搬送台5aとの間の最も密着した接触状態が得られる。即ち、冷却ブロックがバッファー部に接触する接触位置である。冷却ブロック30aによる載置搬送台5aからの排熱(冷却)の制御の詳細については後に詳述する。
熱伝達を阻害する真空中で半田付けを行う真空半田付け装置は特有の技術的課題を有する。本願発明者は、次のような現象が半田付けの対象物の過熱の主な原因であることを見出した。(1)真空中では対象物の自然冷却(対象物から対流する雰囲気への熱伝達)が期待できない。(2)対象物と接触する載置台等のバッファー部が一度熱せられてしまうと、その蓄熱された熱により、ヒータをOFFにした後でも、対象物が熱伝達又は熱放射により継続的に熱せられてしまう。(3)バッファー部と対象物との間に少なくとも部分的に真空が介在することとなって熱伝達が阻害される。真空中では、真空による熱伝達の低下(阻害)により、バッファー部の加熱状態と対象物の加熱状態との間に差異が生じる。したがって、対象物が半田付けされる目標温度まで加熱された後でもまだバッファー部が高すぎる温度に維持されていることがある。特にサイクルタイムを短縮するために、加熱を急いだときにこの現象は顕著である。その熱が、バッファー部と対象物との間の熱放射及び両者の間の接触部を通す熱伝達による伝熱によって結局対象物に伝わってしまう。そのような伝熱により、対象物の温度が半田付けに適した目標温度からオーバーシュート(過熱)してしまうことがある。
更に、本願発明者は、真空チャンバ内の真空が真空破壊される際に、半田付けの対象物と対象物に接触する載置台等のバッファー部との間に雰囲気を介した熱伝達が急速に回復することに起因して対象物が過熱されてしまうことがあることを見出した。これは、まず、真空中で対象物とバッファー部との間の熱伝達が低下した状態でバッファー部が加熱されることによって対象物の温度とバッファー部の温度との間に大きな温度差が生じることに起因する。続いて、対象物とバッファー部とが温度差を有する状態で、真空破壊が行われることによって雰囲気による熱伝達が回復される。すると、対象物が高温のバッファー部によって急激に加熱される。この加熱により対象物が過熱されることとなる。このように、真空によって断熱された状態で高温に加熱されたバッファー部に蓄えられた熱が、真空破壊によって急激に対象物に流れ込むことで、対象物が過熱されてしまうこととなる。このように、真空中で半田付けする際に、バッファー部と対象物との間に大きな温度差が生じるために対象物の過熱が引き起こされることは従来知られていなかった。
一方で、真空破壊は、加熱された対象物及びバッファー部から対流する大気等の雰囲気への放熱(熱拡散)を回復して対象物の冷却に寄与する。このため、前述の真空破壊による対象物の過熱が生じることのない条件の範囲内において、可能な限り早い段階で真空破壊を行う場合には、対象物の過熱を防止しながらより短時間で対象物を冷却することができる。これら本願発明者による真空半田付け装置における重要な発見に基づいて、本願に係る半田付け装置は構成されている。
半田付け装置100は、半田付けする対象物1の温度T(図4(A)参照)を検出する対象物温度センサー40を備える。対象物温度センサー40は、真空中においても真空に阻害されることなく対象物1の温度(熱放射温度)Tを検出することができる放射温度計で設けられる。対象物温度センサー40は、半田付けの対象物1を構成する電子部品2、基板3、半田接合部4の内で最も熱に弱い電子部品2の温度Tを検出して制御装置50に伝達する。対象物1を構成する複数の構成要素の内で最も熱に弱い電子部品2の温度Tを検出して温度制御を行う場合には、最も安全に対象物1の過熱を防止することができる。
本実施の形態の対象物温度センサー40は、載置搬送台5aに載置された複数(6個)の半田付けの対象物1の内で最も熱に弱い一の対象物1のみの温度を検出して熱処理の温度制御を行うように設けられている。即ち、最も熱に弱い1つの対象物1(電子部品2)の温度のみを検出して6つの対象物1を半田付けする半田付け装置100の全体の温度制御を行うように設けている。このように設ける場合には、他の複数(5個)の比較的熱に強い半田付けの対象物1(電子部品2)の温度の検出を省略することができる。このため、半田付け装置100を容易に設けることができる。
半田付け装置100は、対象物温度センサー40が検出した対象物1の温度T(図4(A)参照)に基づいて、熱放射ヒータ20aによる加熱及び冷却ブロック30aによる排熱(冷却)を調節して対象物1の温度Tを制御する制御装置50を備える。制御装置50は外部からプログラム可能に設けられた制御コンピュータである。
ここで、図3を参照して制御装置50を説明する。図3(A)は制御装置50が有する各機能部を示すブロック図であり、図3(B)は制御装置50の制御部55が有する各機能部を更に詳細に示すブロック図である。制御装置50は半田付け装置100の作動を一元的に統括して制御することができるように設けられる。制御装置50は制御装置50が行う制御及び操作を統括する制御部55とその情報処理を行う中央演算装置51を有する。また、制御装置50は半田付け装置100の各作動部を各々操作する複数の操作部(例えば、ヒータ操作部52等)を有する。
図3(B)を参照して、制御装置50が有する制御部55を説明する。制御部55は半田付け装置100の温度制御のための制御目標値を予め記憶しておく設定値記憶部55aを有する。制御目標値は、例えば、第1の制御目標温度TT1、第2の制御目標温度TT2(図4(A)参照)等の温度目標値である。設定値記憶部55aには、半田付け装置100の各作動部の操作に用いるための駆動設定値(例えば、所定の駆動量、駆動速度等)も予め記録される。設定値記憶部55aは典型的には情報記憶回路(メモリ)で設けられる。制御部55は設定値記憶部55aに予め記録された制御目標値及び駆動設定値を随時参照する。制御部55は参照した制御目標値を制御部55が有する対象物温度制御部55cの制御目標値として設定する。また、制御部55は参照した駆動設定値を制御部55が有する減圧操作部55b及び真空破壊操作部55dの各々の駆動設定値として設定する。
対象物温度制御部55cは、設定された制御目標値を実現するように、対象物温度制御部55cが有するバッファー温度調節部55c‐1及び真空度調節部55c‐2を用いて半田付け装置100の各作動部の調節を行う。具体的には、バッファー温度調節部55c‐1はヒータ操作部52、冷却器操作部53及び冷却剤供給装置操作部59(各図3(A)参照)を操作して調節を行う。また、真空度調節部55c‐2は真空破壊装置操作部57及び真空ポンプ操作部58(各図3(A)参照)を操作して調節を行う。
減圧操作部55bは、設定された駆動設定値で所定の減圧操作を行うように、真空破壊装置操作部57及び真空ポンプ操作部58(各図3(A)参照)を操作する。また、真空破壊操作部55dは、設定された駆動設定値で所定の真空破壊操作を行うように、真空破壊装置操作部57を操作する。また、制御部55は設定した制御目標値及び半田付け装置100の駆動操作及び調節の記録を時系列に沿った制御/作動履歴として記憶しておくことができるように設けられる。対象物温度制御部55cが行う温度制御及び減圧操作部55b並びに真空破壊操作部55dが行う減圧操作並びに真空破壊操作については後に詳述する。
図3(A)を参照して、制御装置50が有する操作部について説明する。ヒータ操作部52は、熱放射ヒータ20a(図1参照)への通電/通電停止、出力調節を行うことができるように設けられる。冷却器操作部53は、冷却器30の冷却ブロック30a(図1参照)を駆動するエアシリンダの駆動位置を変更調節することができるように設けられる。対象物温度センサー操作部54は対象物温度センサー40(図1参照)が所定のサンプリング周波数で周期的に対象物の温度T(図4(A)参照)の検出温度情報を制御装置50へ出力するように操作する。
後に詳述するバッファー温度センサー操作部56も対象物温度センサー操作部54と同様にバッファー温度センサー60(図1参照)を操作することができるように設けられる。また、真空破壊装置操作部57は、ゲートバルブ70a(図2参照)を駆動するエアシリンダの駆動位置を変更調節すると共に、後に詳述する気体供給ポンプである気体供給装置70b(図1参照)の駆動(並びに流量調節)及び吸気口13(図1参照)の開閉操作を行う。また、真空ポンプ操作部58は、真空ポンプ80(図1参照)の駆動(並びに排気量調節)及び排気口14(図1参照)の開閉操作を行う。また、制御部55は、チャンバ内部の圧力を検出する圧力計81(図1参照)が検出圧力情報を所定のサンプリング周波数で制御部55へ出力するように操作することができる。また、冷却剤供給装置操作部59は、冷却剤供給ポンプ(不図示)の駆動(並びに流量調節)の他、温度計(不図示)を操作して冷却剤の温度検出を行うことができるように設けられる。
図1に戻って説明を続ける。本実施の形態では、制御装置50が有する対象物温度制御部55c(図3(B)参照)は、熱放射ヒータ20aが一定の熱放射出力で熱放射を行うように調節する。一定の熱放射出力は、載置搬送台5aを介して加熱される対象物1が予め定められた所定の温度上昇率(温度(℃)/時間(秒))で加熱されるように定められる。この際の対象物1の温度上昇率は、加熱後の冷却によって対象物1の温度T(図4(A)参照)が制御可能となるように、載置搬送台5a及び対象物1の熱容量、温度制御の応答速度、誤差等の温度制御の能力に応じて定めることができる。例えば、対象物1の温度上昇率は、加熱後の温度制御が可能な範囲内で最大の温度上昇率となるように選択される。本実施の形態では、制御装置50が有する対象物温度制御部55cは、熱放射ヒータ20aを実質的にオン/オフ調節する。熱放射ヒータ20aは、ヒータ操作部52(図3(A)参照)による加熱開始操作によって、予め制御装置50の設定値記憶部55a(図3(B)参照)に記録された所定の熱放射出力で載置搬送台5a(及び対象物1)の加熱を開始する。
本実施の形態では、熱放射ヒータ20aによる載置搬送台5a(及び対象物1)の加熱はチャンバ内部を減圧することなく大気圧中で行う。大気圧中で載置搬送台5aを加熱する場合には、載置搬送台5aと対象物1との間の熱伝達が真空によって阻害されることがない。熱伝達並びに熱伝導に要する伝熱時間のために、熱伝達される対象物1の温度上昇(立ち上がり)は載置搬送台5aの温度上昇よりも時間的に僅かに遅れる(図4(A)参照)。しかしながら、大気圧中で加熱を行う場合には、載置搬送台5aと対象物1とが到達する加熱温度には大きな差異が生じることがなく、両者を略等しい第1の制御目標温度TT1まで加熱することができる(図4(A)参照)。なお、制御装置50は、熱放射ヒータ20aを用いた加熱の開始の前に、予め対象物1が装填された真空チャンバ10を気密に密閉するように操作しておくとよい。制御装置50が有する真空破壊装置操作部57(図3(A)参照)でゲートバルブ70a(図2参照)を操作することで真空チャンバ10を密閉することができる。この場合には、断熱性に優れた密閉されたチャンバ内部で熱放射ヒータ20aによる加熱を効率良く行うことができる。また、熱放射ヒータ20aによる大熱量の加熱が真空チャンバ10の外部を加熱してしまうことがないために安全である。
制御装置50が有する対象物温度制御部55c(図3(B)参照)は、対象物1の温度T(図4(A)参照)が半田の溶融温度(融点)T(図4(A)参照)未満の所定の第1の制御目標温度TT1(図4(A)参照)となったときに熱放射ヒータ20aによる加熱を一時終了する。これは、半田が溶融する前にチャンバ内部を減圧して真空とすることで、半田の表面に酸化膜が形成されることを防止するためである。半田の溶融前にチャンバ内部を真空に減圧し、半田が真空中で溶融して電子部品2と基板3との導通点が半田で濡らされる場合には、導通点の半田付けが酸化膜によって阻害されることがない。この場合には、電気的な導通性に優れ、かつ機械的に強固に固着される優れた半田付けを行うことができる。制御装置50は半田の溶融温度(融点)Tを制御部55が有する設定値記憶部55a(図3(B)参照)に記録しておくことができる。本実施の形態では、対象物1の検出温度Tが半田の融点Tである摂氏300度よりも摂氏20度だけ低い第1の目標温度TT1(摂氏280度)となったときに加熱を一時終了する。
本実施の形態では、熱放射ヒータ20aで対象物1を第1の加熱目標温度TT1(図4(A)参照)まで加熱した後にチャンバ内部をすぐに減圧することなく、載置搬送台5a及び対象物1をそのまま大気中に置いて、均熱化が全体に行き渡るための伝熱を待機する伝熱待機時間を設ける(図4(A)参照)。このように設ける場合には、高い熱伝達の割合(熱伝達率)を有する大気中で載置搬送台5aから対象物1への効率の良い熱伝達が十分に行われるための伝熱時間を確保することができる。このため、効率良く載置搬送台5aと対象物1の全体の温度を等しく均一な第1目標温度TT1とすることができる。このように、載置搬送台5aと対象物1の全体が十分に均熱化された状態でチャンバ内部を減圧する。
ここで、前述の通り、チャンバ内部を減圧して真空とする際には、対象物1及び載置搬送台5aから雰囲気への熱拡散(自然冷却)が遮断されるため、対象物1が過熱されてしまう可能性がある。このため、制御装置50はチャンバ内部を減圧する前にバッファー温度調節部55c‐1(図3(B)参照)で冷却ブロック30aによる排熱(冷却)を調節して行う対象物1の温度制御を開始する。冷却ブロック30aによる排熱(冷却)の調節は載置搬送台5aからの単位時間当たりの排熱量(冷却熱量)を変更して行う。制御装置50は、排熱(冷却)調節による対象物1の温度制御を開始した後に、減圧操作部55b(図3(B)参照)で真空ポンプ80を駆動してチャンバ内部を減圧する。真空ポンプ80による排気によって、チャンバ内部は100Pa未満の中真空に減圧される(図4(A)参照)。
熱放射ヒータ20a等のヒータ20による加熱では、ヒータ20による通電加熱を終了した後も高温に加熱されたヒータ20の電熱線等の発熱部が発する余熱によって対象物1及び載置搬送台5aへの加熱が継続する。言い換えれば、ヒータ20への通電を終了(オフ)しても加熱は終了しない。また、真空中では加熱された対象物1及び載置搬送台5aから雰囲気中への熱拡散を期待することができない。このため、真空中で半田付けを行う真空半田付け装置の温度制御では、従来の大気中又は還元ガス雰囲気中で行う半田付け装置(例えば、特許文献1、請求項1参照)の温度制御の場合と比較して、対象物1の温度T(図4(A)参照)が制御目標温度TT2(図4(A)参照)を超過して加熱されるオーバーシュート傾向を有する。対象物1の加熱のオーバーシュートは対象物1を熱破壊してしまう可能性を有すると共に、応分の冷却時間の増大を引き起こす。
従来の載置台の温度を検出して温度制御を行う半田付け装置(例えば、特許文献1、請求項1、請求項7参照)では、真空中で的確な対象物の温度制御を行うことができなかった。従来の半田付け装置では対象物が過熱されることがある真空中を避けて、還元ガス雰囲気中又は大気中で半田付けを行うように設けられていた。このような従来の半田付け装置を用いて真空中で半田付けを行う場合には、チャンバ内の減圧に伴う載置台と対象物との間の熱伝達(熱伝達の割合(熱伝達率))の変動は制御の外に置かれて、管理されることがなかった。このため、従来の半田付け装置を用いて真空中で半田付けを行う場合には、制御の不完全さを補いながら対象物の加熱のオーバーシュートを防止しなければならなかった。このため、ヒータによる加熱量を抑制して、対象物の温度上昇率(温度(℃)/時間(秒))を低く抑える必要があった。また、対象物の温度が半田の融点と比較して十分に上昇する以前の早い段階でヒータによる加熱を終了して、ヒータの余熱で時間をかけて対象物を加熱しなければならなかった。更に、対象物を半田付けに必要な加熱の目標温度まで確実に加熱することができたものとはいうことができなかった。このように、従来の半田付け装置を用いて真空中で半田付けを行う場合には、長いサイクルタイムが必要であった。また、その温度制御の不完全さから対象物が熱破壊されてしまうことがあった。また、その反対に加熱不足を生じて十分な半田付けを行うことができないことがあった。
これに対して、本願に係る半田付け装置100では、半田付けの対象物1の検出温度T(図4(A)参照)に基づいて真空中での加熱及び排熱(冷却)の調節を行うように設けられている。このため、載置搬送台5aと対象物1との間の熱伝達(熱伝達の割合(熱伝達率))の変動を対象物1の温度制御に組み込んで管理することができる。詳細には、載置搬送台5aと基板3との間の熱伝達、基板3と半田接合部4との間の熱伝達及び半田接合部4と電子部品2との間の熱伝達の変動の全てを制御に組み込んで管理することができる。また、載置搬送台5aの熱を冷却ブロック30aで排熱(冷却)する際の載置搬送台5aと冷却ブロック30aとの間の熱伝達の変動を制御に組み込んで管理することができる。このため、真空中の半田付けにおいて、的確な温度制御を行うことができる。このように設けることで、対象物1を真空中で加熱目標温度TT2(図4(A)参照)まで確実に加熱して半田付けを行うことができる。また、対象物1の温度Tが加熱目標温度TT2からオーバーシュートして対象物1を熱破壊してしまうことがない。また、効率良く短いサイクルタイムで半田付けを行うことができる。
本実施の形態の半田付け装置100では、載置搬送台5aが熱放射ヒータ20aの余熱によって加熱される。載置搬送台5aも対象物1と同様にチャンバ内部の真空中において雰囲気への熱拡散が遮断される。このため、載置搬送台5aの温度T(図4(A)参照)はチャンバ内部を真空に減圧した後に急上昇する。即ち、載置搬送台5aは対象物1に代わって高温に加熱される。しかしながら、載置搬送台5aは熱に弱い対象物1とは異なって高温に加熱されても熱破壊してしまうことがない。
また、載置搬送台5aの熱は、前述の通り、冷却ブロック30aによって排熱(冷却)される。このため、載置搬送台5aが対象物1に熱伝達すべき熱量を超える余分の熱量は対象物1に熱伝達される前に冷却ブロック30aによって奪われる。このため、載置搬送台5aの温度T(図4(A)参照)は急上昇した後に下降に転じて対象物1の温度T(図4(A)参照)との温度差が小さくなる。その一方で、対象物1の温度Tは、冷却ブロック30aによる排熱(冷却)調節によって的確に所定の目標温度TT2(図4(A)参照)に制御される。載置搬送台5aの熱容量は、このバッファー部としての機能を果たし得る熱容量の大きさに設けられる。
制御装置50が有する制御部55の対象物温度制御部55c(図3(B)参照)は、冷却ブロック30aを駆動して対象物1の温度制御を行う。対象物温度制御部55cは対象物温度センサー40が検出した対象物1の温度T(図4(A)参照)が所定の制御目標温度TT2(図4(A)参照)となるように、PID制御(比例積分微分制御)を行う。本実施の形態で例示する半田の溶融温度(融点)T(図4(A)参照)は摂氏300度であり、所定の制御目標温度TT2は溶融温度Tを僅かに上回る摂氏325度である。この制御目標温度TT2を実現するように、対象物温度制御部55cが有するバッファー温度調節部55c‐1(図3(B)参照)は冷却器操作部53(図3(A)参照)を介して冷却ブロック30aを操作することで載置搬送台5aの排熱(冷却)を調節する。前述の通り、本実施の形態では、対象物1の温度制御は、載置搬送台5aと冷却ブロック30aとの接触時間を調節することで行われる。
制御装置50の制御部55(図3(B)参照)は、対象物温度センサー40が検出する対象物1の温度T(図4(A)参照)が所定の制御目標温度TT2(図4(A)参照)に到達した後は、可能な限り速やかに対象物1を冷却することを目標とする。この場合には、新たな所定の第3の制御目標温度TT3(不図示)を、制御部55が有する設定値記憶部55a(図3(B)参照)が記録する制御目標温度情報に従って、例えば、室温である摂氏24度に変更することができる。対象物1を速やかに冷却するためには、冷却ブロック30aによる冷却に加えてチャンバ内を速やかに真空破壊して対象物1から雰囲気への熱拡散を回復することで自然冷却(雰囲気)によって冷却することが望ましい。しかしながら、前述の通り、載置搬送台5aの温度T(図4(A)参照)と対象物1の温度Tとの間に温度差が存在する場合には、真空破壊によって対象物1が過熱される可能性がある。
本実施の形態では、半田付け装置100は、載置搬送台5aの温度T(図4(A)参照)を検出するバッファー温度センサー60を更に備える。バッファー温度センサー60は、真空中においても真空に阻害されることなく載置搬送台5aの温度(熱放射温度)Tを検出することができる放射温度計で設けられる。バッファー温度センサー60は、載置搬送台5aの中央に位置する所定の一か所の熱放射温度Tを検出して制御装置50に伝達する。載置搬送台5aの温度Tは均熱化されているため、典型的には、バッファー温度センサー60は載置搬送台5aの任意の一か所の温度Tを検出するものとすればよい。
半田付け装置100は、対象物1の過熱を防止するために、熱に弱い対象物1(電子部品2)が許容し得る熱の流入量を考慮して真空破壊B(図4(A)参照)を行う。この場合には、真空破壊Bを行うことができる載置搬送台5aと対象物1との最大の温度差T(図4(A)参照)を予め定めておくことができる。制御装置50は真空破壊Bを行うための条件として所定の温度差Tをその制御部55が有する設定値記憶部55a(図3(B)参照)に記録しておくことができる。このため、制御装置50は、対象物1の温度T(図4(A)参照)が所定の目標温度TT2(図4(A)参照)に到達した後であって、載置搬送台5aと対象物1との温度差が所定の温度差T以下となった可能な限り早い時点において、真空破壊Bを行うように制御することができる。
チャンバ内部を真空破壊B(図4(A)参照)するために、制御装置50が有する真空破壊装置操作部57(図3(A)参照)は真空破壊操作部55d(図3(B)参照)の指令により真空破壊装置70としてのゲートバルブ70a(図2参照)を操作して開放する。これにより、チャンバ内部の圧力は急激に大気圧にまで回復する。載置搬送台5aと対象物1との温度差が所定の温度差T(図4(A)参照)以下である場合には、真空破壊Bに伴って生じる対象物1の温度上昇は許容範囲内の僅かな温度上昇であり(図4(A)参照)、対象物1が熱破壊されてしまうことがない。なお、載置搬送台5aと対象物1との間の温度差は、後に詳述するように、真空破壊装置70を用いたフィードバック制御による真空破壊操作によって緩やかに解消することもできる。なお、ゲートバルブ70aの代わりに専用の真空破壊バルブ(不図示)を設けてもよい。そのときは、真空度を微妙に調節しながら真空破壊Bを行うことができる。ゲートバルブ70aの開閉も、真空破壊Bをした後であれば容易に行うことができる。
更に、チャンバ内部の真空破壊B(図4(A)参照)は、対象物温度センサー40が検出する対象物1の温度T(図4(A)参照)が半田の溶融温度T(図4(A)参照)以上である条件で行われるように設ける。このように設ける場合には、溶融した半田を大気圧下で固化することができる。このように設けると、半田接合部4内にボイド(空隙)が生じた場合にも、溶融状態の半田に大気圧を加えてボイドを押し潰すことができるから、半田接合部4内にボイドが実質的に残存したまま半田が固化されることがない。ボイドは少なくとも半田付けの品質にその影響を及ぼすことのない大きさ(体積)にまで押し潰される。このため、機械的に強固に固着されて電気的導通性に優れた信頼性の高い半田付けを行うことができる。
本実施の形態に示すように、真空中で半田を溶融温度(融点)T(図4(A)参照)以上に加熱する場合には、還元ガス雰囲気中又は大気中で半田を溶融温度(融点)以上に加熱する従来の半田付け装置(例えば、特許文献1、請求項1参照)と比較して半田接合部4内にボイドが生じ難い。また、電子部品2又は基板3と半田接合部4との間の接触面等の半田接合部4内にボイドが生じた場合にも、ボイド内部の圧力は真空であるため、半田が固化する前にチャンバ内部を大気圧に戻すことで、ボイドを収縮させて押し潰すことができる。本実施の形態の半田付け装置100による半田付けでは、半田接合部4の内部に生じたボイドはチャンバ内部が大気圧に戻るにつれてその体積が収縮する。
また、従来の半田付け装置では、大気圧中で半田を溶融した後にチャンバ内部を減圧することに起因して、大気圧中で生じたボイドが真空中で膨張して破裂することがあった。更に、従来の半田付け装置では、ボイドが膨張して破裂する際に半田が飛散してしまうことがあった。半田の飛散は半田付け製品の品質を大きく低下させる可能性を有する。これに対して、本実施の形態の半田付け装置100は、真空中で半田を溶融させるため、従来の半田付け装置のようにボイドが真空中で膨張して破裂してしまうことがなく、半田の飛散を抑えて優れた半田付けを行うことができる。
真空破壊B(図4(A)参照)を行うと対象物1を自然冷却することができるので、対象物1の温度T(図4(A)参照)は急速に低下する。制御装置50が有する真空破壊操作部55d(図3(B)参照)は典型的にはゲートバルブ70a(図2参照)を駆動して真空破壊Bを行う。具体的には、閉鎖位置にあったゲートバルブ70aがチャンバ内部から半田付けされた対象物1を搬出することができるゲートバルブ70aの開放位置までスライド駆動される。真空破壊操作部55dによって操作される真空破壊装置操作部57(図3(A)参照)は典型的にはその最大の移動速度で可能な限り早くゲートバルブ70aを開放位置まで駆動するように操作する。
一方、真空破壊操作部55d(図3(B)参照)は、対象物1の温度T(図4(A)参照)を制御するように真空破壊B(図4(A)参照)を行うこともできる。真空破壊装操作部55dは、対象物温度センサー40が検出する対象物1の温度Tに基づいて、真空破壊装置70としてのゲートバルブ70a(図2参照)を開閉調節することで対象物1の温度制御を行うことができる。ゲートバルブ70aを開放してチャンバ内部の圧力を回復すると載置搬送台5aから対象物1への雰囲気を介した熱伝達(熱伝達の割合(熱伝達率))が回復される。このとき、対象物1の温度Tの上昇率(温度(℃)/時間(秒))が時間経過と共に増大して対象物1の温度Tは加速的に上昇する。反対に、ゲートバルブ70aを再び閉鎖するとチャンバ内部の圧力の回復が中断して雰囲気を介した熱伝達(熱伝達の割合(熱伝達率))の回復が中断される。この場合には、対象物1の温度Tの上昇率の増大が中断する。このとき、対象物1の温度Tの上昇は緩やかとなる。
更に、制御装置50は、真空ポンプ80を駆動して行う減圧操作を真空破壊操作に組み合わせて真空破壊B(図4(A)参照)を行うことができる。制御装置50が有する制御部55の対象物温度制御部55c内に設けられた真空度調節部55c-2(図3(B)参照)は、真空破壊Bを行う際に、真空ポンプ80を駆動することでチャンバ内部を減圧することができる。このとき、制御装置50は、対象物温度センサー40が検出する対象物1の温度T(図4(A)参照)に基づいて、真空ポンプ80の駆動及び停止(発停)を調節することで対象物1の温度Tを制御することができる。チャンバ内部の圧力を減圧すると載置搬送台5aから対象物1への雰囲気を介した熱伝達が遮断される。このため、対象物1の温度Tの上昇は停止する。
このように、制御装置50はゲートバルブ70a(図2参照)と真空ポンプ80とを組み合わせて調節することで、真空破壊B(図4(A)参照)の際のチャンバ内部の圧力回復を調節することができる。これにより、載置搬送台5aから対象物1への雰囲気を介した熱伝達(熱伝達の割合(熱伝達率))を増減調節して、対象物1の温度T(図4(A)参照)を制御することができる。このため、対象物1の過熱を防止することができる。実際には、チャンバ内部の圧力回復を調節するためには、前述の専用の真空破壊バルブを使用するのが好ましい。その場合の真空破壊バルブは、典型的には、グローブバルブ、又はニードルバルブである。
なお、同様にチャンバ内部の圧力回復を調節することで、載置搬送台5aの温度T(図4(A)参照)と対象物1の温度T(図4(A)参照)との温度差が所定の温度差T(図4(A)参照)以下となるように制御することができる。前述の通り、真空破壊B(図4(A)参照)は両者の温度差が所定の温度差T以下となったときに行われる。両者の温度差が所定の温度差Tを超える場合には、熱伝達が進んで所定の温度差T以下となるまで真空破壊Bを待つこととなる。このとき、対象物1の過熱を防止しながら、載置搬送台5aから対象物1へ最大の熱流量(伝熱量/時間(秒))で熱伝達が行われるように圧力回復を調節して、両者の温度差が所定の温度差T以下となるように制御することができる。このように設けると、両者の温度差を効率良く解消して可能な限り早期に真空破壊Bを行うための条件を整えることができる。このため、可能な限り早期に真空破壊Bを行って対象物1を効率良く冷却することができるから、半田付けのサイクルタイムを短縮することができる。
半田付け装置100は更に他の真空破壊装置70としての気体供給装置70bを備える。気体供給装置70bは真空チャンバ10の吸気口13に接続され、チャンバ内部に蟻酸ガス等の還元ガス又は窒素、アルゴンガス等の不活性ガス、あるいは大気を供給することができる気体供給ポンプである。前述のゲートバルブ70a(図2参照)を開閉駆動する代わりに、気体供給装置70bを駆動及び流量調節してチャンバ内部に窒素ガス等の不活性ガス又は大気等を供給することで真空破壊B(図4(A)参照)を行うことができる。あるいは、気体供給装置70bをゲートバルブ70aと併せて駆動調節することで、より効率良く真空破壊Bを行うことできる。
本実施の形態では、気体供給装置70bはゲートバルブ70a(図2参照)でチャンバ内部を閉鎖した後に、制御装置50が有する制御部55の対象物温度制御部55c内に設けられた真空度調節部55c‐2(図3(B)参照)による制御に従ってチャンバ内部に窒素ガスを供給してチャンバ内部の圧力(真空度)を調節するように設けられる。このように設ける場合には、気体供給装置70bによる窒素ガスの供給と真空ポンプ80によるチャンバ内部の排気とを組み合わせて調節することで、チャンバ内部の圧力を自在に調節することができる。この場合には、真空チャンバ10を密閉したままで、ゲートバルブ70aによらずにチャンバ内部の圧力を自在に調節することができる。このように、真空破壊装置70と真空ポンプ80とを組み合わせて調節することで真空破壊B(図4(A)参照)による圧力回復を自在に調節することができる。また、チャンバ内部の真空度を調節することで、対象物の温度又は対象物とバッファー部との温度差を好適に制御することができる。
図2を参照して、本実施の形態の半田付け装置100を更に説明する。図2は、半田付け装置100の真空チャンバ10を一部切断して側面より見る部分断面図である。図2は、半田付け装置100が備えるゲートバルブ70aの真空チャンバ10に対する配置を示すことを目的とする図であり、それ以外の構成要素は理解を容易とするために省略されて図示されている。ゲートバルブ70aは、前述の通り、半田付けする対象物1の搬送ラインを横切るように真空チャンバ10の一対の隔壁に設けられる。対象物1を搬送する搬送ラインは真空チャンバ10の外部で搬送ラインを形成する複数の外部搬送ローラ16と、前述のチャンバ内部の搬送ラインを形成する複数の搬送ローラ11(図1参照)とで形成される。ゲートバルブ70aは、この搬送ラインを通して半田付けされる対象物1がチャンバ内部に搬入され、また半田付けされた対象物1がチャンバ内部から搬出される際に開放される。このとき、ゲートバルブ70aは、図示されたゲートバルブ70aの閉鎖位置から半田付け装置100の鉛直上方に向けてスライドして開放される。また、ゲートバルブ70aが閉鎖位置にあるときは、ゲートバルブ70aは、前述の通り、チャンバ内部を密閉することができる。
図4を参照して、本実施の形態の半田付け装置100による半田付けの熱処理の制御を更に説明する。図4は半田付け装置100による熱処理の制御の例を示すグラフである。図4(A)は、半田の溶融温度よりも僅かに低い第1の加熱目標温度TT1までバッファー部を加熱した後に均熱化のための伝熱待機時間を設ける場合の温度制御の例を示し、図4(B)は、伝熱待機時間を設けない場合の温度制御の例を示す。横軸は時間経過(秒単位)を示し、左側の縦軸は摂氏温度を、右側の縦軸はチャンバ内部の圧力(Pa)を各々示す。対象物温度センサー40(図1参照)で検出した対象物1(図1参照)の温度Tを太い実線で示し、バッファー温度センサー60(図1参照)で検出した載置搬送台5a(図1参照)の温度Tを太い破線で示す。また、圧力計81(図1参照)で検出したチャンバ内部の圧力は細い実線で示す。例示する対象物1の半田付けの所定の制御目標温度TT2は摂氏325度であり、本実施の形態における半田の溶融温度(融点)Tは摂氏300度である。
図4(A)を参照して、半田付け装置100の温度制御の例を時間経過に沿って説明する。図示の例では、経過時間約30秒から熱放射ヒータ20a(図1参照)による載置搬送台5a(図1参照)の加熱を開始する。前述の通り、加熱では載置搬送台5aの温度Tの上昇と対象物1(図1参照)の温度Tの上昇との間に若干の時間差が生じる。しかしながら、加熱が終了する経過時間約70秒までの約40秒間に対象物1は本実施の形態の半田の溶融温度(融点)Tである摂氏300度よりも若干低い、第1の制御目標温度TT1(摂氏約280度)まで高い温度上昇率(温度(℃)/時間(秒))で通電加熱される。本実施の形態では、第1の制御目標温度TT1到達後の経過時間約70秒から約100秒までは、前述の通り、熱放射ヒータ20aによる加熱が全体に熱伝達及び熱伝導して均熱化されるための伝熱待機時間を設けている。
第1の制御目標温度TT1到達後は、前述の通り、冷却ブロック30a(図1参照)による載置搬送台5a(図1参照)の熱の排熱(冷却)調節を開始すると共に、チャンバ内部を減圧してチャンバ内部を約100Pa程度の中真空とする。チャンバ内部が真空となることにより、載置搬送台5aと対象物1(図1参照)との間の熱伝達が遮断されて両者の温度に温度差が生じる。熱伝達の遮断あるいは劣化のために対象物1の温度が上昇し難くなる。サイクルタイムを短縮するためには、載置搬送台5aを介して対象物1を更に加熱することが望ましい。そこで本実施の形態では、熱放射ヒータ20a(図1参照)に再度通電して加熱を継続する。通電加熱は対象物1の温度制御要求に応じて適宜オン/オフ調節される。この場合には、通電加熱を終了した熱放射ヒータ20aの余熱のみによって加熱する場合よりも更にサイクルタイムを短縮することができる。このため、載置搬送台5aの温度Tが対象物1の温度Tから乖離して急上昇する。半田付け装置100では、従来の装置のように、載置搬送台5aの加熱温度Tが対象物1の加熱の目標温度TT2以下の温度であるように制御によって制限されることはない。載置搬送台5aの温度Tは加熱の目標温度TT2を超えて上昇するが、制御装置50(図1参照)は対象物温度センサー40(図1参照)が検出する対象物1の温度Tに基づいて効率の良い適切な制御を継続する。このため、制御装置50は、対象物1の温度Tをオーバーシュートさせることなく、従来の装置よりも短時間で効率良く、かつ正確に所定の制御目標温度TT2である摂氏325度とすることができる。
制御装置50(図1参照)は、対象物1(図1参照)の温度Tが所定の目標温度TT2に到達した後に、対象物温度センサー40及びバッファー温度センサー60(図1参照)が検出する対象物1の温度Tと載置搬送台5a(図1参照)の温度Tとの間の温度差を算出する。算出した温度差が真空破壊Bによって対象物1を熱破壊してしまうことがないように定められた所定の温度差T以下の温度差である場合には、制御装置50はゲートバルブ70a(図2参照)を操作して真空破壊Bを行う。温度差が所定の温度差Tを超える場合には、真空破壊装置70(ゲートバルブ70a(図2参照)及び/又は気体供給装置70b(図1参照))を操作することで、載置搬送台5aの温度Tと対象物1の温度Tとの間の温度差を速やかに調節して解消する。また、載置搬送台5aの温度Tと対象物1の温度Tとの間の温度差が所定の温度差T以下となった後に、対象物1の温度Tが半田の溶融温度(融点)T以上である間に真空破壊装置70を操作してチャンバ内部の圧力を大気圧まで回復する。
真空破壊Bに伴う対象物1(図1参照)の温度Tの上昇は、図示の通り、僅かな温度上昇となるように抑制されている。真空破壊B後は大気による自然冷却が回復されるために、対象物1の温度T及び載置搬送台5a(図1参照)の温度Tは急速に低下する。この際、冷却ブロック30a(図1参照)で併せて冷却される載置搬送台5aの温度Tの低下が対象物1の温度Tの低下に対して若干の時間差で先行する。
以上のように半田付け装置100を制御することにより、対象物1(図1参照)を熱破壊してしまうことがなく、対象物1を所定の加熱目標温度TT2まで確実に加熱して半田付けすることができると共に、半田付けのサイクルタイムを短縮することができる、優れた半田付けを行うことができる。本実施の形態の半田付け装置100で半田付けする場合には、従来の半田付け装置(例えば、特許文献1、請求項1参照)を用いて半田付けする場合と比較して、約40秒以上ものサイクルタイムの短縮を達成することができる。
なお、本実施の形態の半田付け装置100では複数(6個)の対象物1を同時に熱処理して半田付けするものと説明したが、他の実施の形態では、一の半田付けの対象物1のみを半田付け装置100で熱処理して半田付けするものとしてもよい。この場合には、他の対象物1の熱処理の状態を考慮することなく、一の半田付けの対象物1のみの半田付けに専ら適した熱処理(温度制御)を行うことができる。
また、本実施の形態では複数(6個)の対象物1の内で最も過熱に弱い対象物1の温度Tを一の対象物温度センサー40で検出して半田付けを行うものと説明したが、他の実施の形態では、熱処理を行う複数の対象物1の温度Tの全てを複数の対象物温度センサー40で検出し、検出した対象物1の温度Tの全てを半田付け装置100の温度制御に反映するものとしてもよい。この場合には、更に厳密に全ての対象物1の温度制御を行うことができる。
また、本実施の形態では、対象物温度センサー40及びバッファー温度センサー60は温度検出が真空に阻害されることのない放射温度計で設けるものと説明したが、他の実施の形態では、対象物1及び載置搬送台5aに各々接触して温度検出を行う接触温度計で温度センサーを設けるものとしてもよい。接触温度計としては、例えば、熱電対を用いることができる。この場合には、熱電対を載置搬送台5aの中に埋め込んで載置搬送台5aの温度Tを検出するように設けることができる。この場合には、チャンバ内部での熱放射の反射に阻害されることがなく、より容易に温度検出を行うことができる。また、熱電対はより簡易な機械的構造を有することから、より容易に半田付け装置100を設けることができる。
また、本実施の形態では、対象物温度センサー40は対象物1を構成する電子部品2の温度Tを検出するものと説明したが、他の実施の形態では、対象物温度センサー40は対象物1を構成する基板3の温度Tを検出するように設けるものとしてもよい。この場合にも、半田付けの対象物1を構成する基板3と載置搬送台5aとの間の熱伝達(熱伝達の割合(熱伝達率))の変動を制御に組み込んで、真空中でも適切に半田付けの温度制御を行うことができる。
また、本実施の形態の熱放射ヒータ20aはハロゲンヒータとして設けられているものと説明したが、他の実施の形態では、熱放射ヒータ20aを不活性ガス中に炭素繊維フィラメントを封入したカーボンヒータとして設けるものとしてもよい。この場合には、水の吸収スペクトルのピーク(波長約3μm)に近い波長約2μm乃至約4μmの波長領域の赤外線をより多く放射することができる。このため、対象物1が水分を含む場合には(半導体パッケージ等の電子部品及び基板は通常、若干の吸湿性を有する)、カーボンヒータとして設けられた熱放射ヒータ20aは対象物1が含む水分を介して対象物1を好適に加熱して効率良く対象物1を加熱することができる。また、更に他の実施の形態では、熱放射ヒータ20aを空気中にニクロムフィラメントを封入したニクロム線ヒータとして設けるものとしてもよい。この場合には、より簡易に熱放射ヒータ20aを設けることができる。
また、本実施の形態の熱放射ヒータ20aは棒形状に設けられているものと説明したが、他の実施の形態では、熱放射ヒータ20aは対象物1の半田接合部4の形状及び配置に合わせて円弧形状、球形状等の任意の形状に設けるものとしてもよい。
また、本実施の形態では、半田付け装置100は対象物1の温度Tが半田の溶融温度(融点)T未満の所定の第1の制御目標温度TT1まで加熱されたときにチャンバ内部を減圧して真空とするものと説明したが、他の実施の形態では、対象物1の導通点を接合する半田の表面での酸化膜の形成が半田付けの品質(機械的固着強度及び電気的導通性等)に実質的に影響を与えるまでに有害なものとならない範囲内において、対象物1の温度Tが半田の溶融温度(融点)T以上の温度にまで加熱された後にチャンバ内部を減圧して真空とするものとしてもよい。この場合には大気中で対象物1を加熱する時間を更に増やすことができることから、より効率良く対象物1の加熱を行うことができる。
また、本実施の形態の半田付け装置100の温度制御では、熱放射ヒータ20aによる第1の加熱目標温度TT1までの加熱終了後に載置搬送台5aと対象物1の全体の温度を均熱化するために所定の伝熱待機時間を設けるものと説明したが、半田付け装置100は、図4(B)に示すように、伝熱待機時間を設けずに温度制御されるものとしてもよい。この場合には、加熱開始当初から第2の加熱目標温度TT2を制御目標温度として加熱を行うことができ、また、伝熱待機時間を省くことができるから、更に半田付けのサイクルタイムを短縮することができる。
また、本実施の形態では、熱放射ヒータ20aによる第1の加熱目標温度TT1までの加熱終了後にチャンバ内部を減圧して真空とするものと説明したが、他の実施の形態では、熱放射ヒータ20aによる加熱の開始前あるいは加熱開始と同時にチャンバ内部を減圧して半田付けを行うものとしてもよい。この場合には、減圧操作と加熱操作とを並行して行うことができるから、半田付けのサイクルタイムを短縮することができる。
例えば、図4(B)に示す実施の形態では、熱放射ヒータによる加熱の開始前にチャンバ内部を減圧するように設けている。加熱開始の当初から真空中で加熱を行うこととなるために、載置搬送台の温度Tと対象物の温度Tとの間には加熱開始の当初から温度の乖離が見られる。しかしながら、前述のように、伝熱待機時間を設けることがなく、また、減圧操作を待機することもないために、半田付けのサイクルタイムは更に短縮されている。なお、この実施の形態では、載置搬送台の温度Tと対象物の温度Tとが一致したときに真空破壊Bを行うように設けている。この場合にも、真空破壊Bを所定の温度差Tの範囲内で行っているものといえる。この場合には、真空破壊B後の対象物の温度Tの上昇は更に小さく抑えられ、対象物の温度Tの上昇はほとんど生じていない。即ち、このように設ける場合には、対象物の温度Tを上昇させることなく、真空破壊Bを行うことができる。
また、本実施の形態の半田付け装置100は、一の真空チャンバ10を備え、熱放射ヒータ20aと冷却器30とは同一の真空チャンバ10内に設けるものと説明したが、他の実施の形態では、半田付け装置は複数の真空チャンバを備え、熱放射ヒータ20aと冷却器30とを異なる真空チャンバ内に設けるものとしてもよい。この場合には、熱放射ヒータ20aによる加熱と冷却器30による排熱(冷却)との相互干渉が生じることを防ぐことができるから、効率良く加熱及び排熱(冷却)を行うことができる。
また、本実施の形態の冷却ブロック30aはクシ歯形状に設けられるものと説明したが、他の実施の形態では、冷却ブロック30aは熱放射ヒータ20aに隣接して設けられることにより効率良く載置搬送台5aを冷却することができる範囲内で、熱放射ヒータ20aの形状に対応する適切な形状に設けられた多様な形状に設けるものとしてもよい。
また、本実施の形態では、載置搬送台5aに対象物1を載置した状態で半田付けを行うものと説明したが、他の実施の形態では、載置搬送台5aに載置された対象物1を適切な力で載置搬送台5aに押し付ける押え部材を更に備えるものとしても良い。この場合には、対象物1を載置搬送台5aに押し付けることにより、両者の接触状態(及び熱伝達)を更に良好なものとすることができる。このため、半田付け装置の半田付けの効率を更に向上してサイクルタイムを短縮することができる。
また、本実施の形態の冷却ブロック30aは載置搬送台5aに対して近接及び離間をするように駆動装置30bで駆動して冷却を行うものと説明したが、他の実施の形態では、固定して設けた冷却ブロック30aに対して対象物1を載置した載置搬送台5bを近接及び離間するように駆動して冷却を行うものとしてもよい。載置搬送台5aと冷却ブロック30aとは相対的に近接及び離間をするように設けるものとすればよい。
また、本実施の形態では、対象物1を冷却する際に、冷却ブロック30aのクシ歯によって、載置搬送台5aと熱放射ヒータ20aとを所定の間隔に離間すると共に熱放射の拡散を遮蔽して熱放射ヒータ20aによる載置搬送台5aの加熱効率を低下させることで載置搬送台5a及び対象物1の冷却効率を高めるものと説明したが、他の実施の形態では、冷却ブロック30aの駆動量を調節することで載置搬送台5aからの排熱効率(冷却効率)を変更して対象物1の温度を制御するものとしてもよい。この場合にも、バッファー部としての載置搬送台5aからの排熱効率(冷却効率)を変更して対象物1の温度を制御することができる。
また、本実施の形態では、バッファー部として設けられる載置搬送台5aの熱容量は対象物1の熱容量よりも典型的には大きな熱容量となるように設けるものと説明したが、バッファー部は対象物1(特に電子部品2)と熱放射ヒータ20a(又は冷却ブロック30a)との間に介在して熱放射ヒータ20a(又は冷却ブロック30a)による加熱(又は冷却)を熱緩衝することができればよく、他の実施の形態では、熱放射ヒータ20a(又は冷却ブロック30a)による加熱(又は冷却)を熱緩衝することができる範囲において、載置搬送台5aの熱容量は対象物1の熱容量と同じかそれ以下の熱容量であってもよい。
また、本実施の形態では、熱放射ヒータ20aによる加熱は所定の熱放射出力で熱放射が行われるように設けられ、オン/オフ調節されて対象物1の温度制御が行われるものと説明したが、他の実施の形態では、熱放射ヒータ20aによる加熱は熱放射出力及び通電/通電終了の両方が併せて調節されるように設けられ、冷却器30と同様に対象物1の温度Tに基づいてPID制御されるように設けるものとしてもよい。この場合にも、熱放射ヒータ20による加熱調節と冷却器30による排熱調節(冷却調節)とを組み合わせて対象物1の温度を的確に制御することができる。
また、本実施の形態の冷却ブロック30aによる排熱(冷却)を調節して行う対象物1の温度制御は比例積分微分制御(PID制御)によるものと説明したが、他の実施の形態では、より単純に、比例制御、比例微分制御又は比例積分制御のいずれかにより冷却による温度制御を行うものとしてもよい。この場合には半田付け装置100をより容易に設けることができる。
また、本実施の形態では、半田付け装置100は真空破壊装置70としてゲートバルブ70aに加えて気体供給装置70bを備えるものと説明したが、他の実施の形態では、真空破壊装置70としてゲートバルブ70aのみを備え、気体供給装置70bを備えなくても良い。この場合にも、ゲートバルブ70aで真空破壊Bを行うことができるから、半田付け装置100をより容易に設けることができる。
また、本実施の形態では、本願発明に係る加熱接合装置を例示する目的で対象物1を半田付けする半田付け装置100を説明したが、本願発明に係る加熱接合装置が行う加熱接合は半田付けに限られず、前述の通り、広く接合材を加熱及び冷却して対象物(ワーク)を接合する加熱接合を行うことができる。このため、本実施の形態の半田付け装置100等の加熱接合装置は、例えば、金属接合材を用いた蝋付け、樹脂接合材又はガラス接合材を用いた溶着、接着、溶接等を行うように設けるものとしてもよい。
金属接合材を用いた蝋付けの例として、鉛、錫、アンチモン、カドミウム又は亜鉛などの合金である軟蝋を用いたいわゆる半田付けの他、銀、黄銅、アルミニウム合金、リン銅、ニッケル又は金などの合金である硬蝋を用いた蝋付けを挙げることができる。また、樹脂接合材を用いた加熱接合の例として、導電性若しくは絶縁性を有する熱可塑性樹脂を用いた加熱接合を挙げることができる。なお、樹脂接合材は、熱硬化性樹脂のように所定の温度に加熱することで固化するものであってもよい。更に、導電性材料を配合した低融点ガラス等のガラス接合材を用いるものとしてもよい。これらの加熱接合のいずれについても、その接合を阻害する酸化膜の形成を避けるため等を目的として真空中で加熱接合することが望まれることがある。
図5を参照して、本発明の第2の実施の形態に係る加熱接合装置としての半田付け装置を説明する。本実施の形態の半田付け装置は、第1の実施の形態の半田付け装置100と比較して、半田付けの対象物1を載置する載置搬送台5cと冷却ブロック30aの一部の構成のみが異なる。したがって、本実施の形態の半田付け装置を示す図5では、前述の半田付け装置100と異なる部分のみを拡大して示すものとし、他の部分は理解の容易のために省略して図示されている。図5(A)は半田付け装置の加熱状態を示す図1(A)に対応する図であり、図5(B)は排熱状態(冷却状態)を示す図1(B)に対応する図である。
本実施の形態の半田付け装置が備える載置搬送台5cについて説明する。載置搬送台5cが前述の半田付け装置100の載置搬送台5a(図1参照)と異なる点は、載置搬送台5cには開口窓(穴)6が設けられている点である。このため、本実施の形態の半田付け装置では、熱放射ヒータ20aは開口窓6を通して基板3を加熱するように設けられる。また、冷却ブロック30aの冷却板の一部は基板3に接触して基板3の熱を排熱するように設けられる。また、バッファー温度センサー60(図1参照)はバッファー部としての基板3の温度T(図4(A)参照)を検出するように設けられる。
本実施の形態では、基板3(及び半田接合部4)は、電子部品2に対してバッファー部として機能する。基板3(及び半田接合部4)は、熱に弱く熱変形する電子部品2と熱放射ヒータ20aとの間に介在して電子部品2の過熱を防ぐ。また、冷却ブロック30aは基板3に近接及び離間して基板3からの排熱(冷却)を調節する。また、基板3は熱放射ヒータ20a及び冷却ブロック30aによる加熱及び冷却を空間的及び時間的に均熱化して電子部品2に伝熱することで電子部品2の熱変形を防止して効率良く半田付けを行う。基板3の熱容量は前述の載置搬送台5a(図1参照)の熱容量よりも小さいが、電子部品2と比較すると十分に大きい。
このように、本実施の形態では、半田付けの対象物1である電子部品2は、バッファー部としての基板3(及び半田接合部4)の上に載置され、基板3と電子部品2との間の接触面を介した熱伝達の下流側に位置して半田付けされる。この場合にも、前述の半田付け装置100と同様に、対象物1の過熱を防止することができると共に、対象物1を確実に制御目標温度TT2(図4(A)参照)まで加熱することができ、かつ短いサイクルタイムで効率良く半田付けを行うことができる。
図6を参照して、本発明の第3の実施の形態に係る加熱接合装置としての半田付け装置200を説明する。半田付け装置200の熱処理機構の構成は、前述の半田付け装置100と比較して、対象物1を載置する固定載置台5b(載置台5)の構成のみが異なる。したがって、半田付け装置200については、固定載置台5bの構成のみを説明する。固定載置台5bが前述の半田付け装置100の載置搬送台5a(図1参照)と異なる点は、固定載置台5bは半田付け装置200の中で他の主要部品に対して固定されて設けられているという点である。固定載置台5bの内部には、ヒータ20としての電熱ヒータ20bと冷却器30としての冷却剤流通回路30cとが設けられている。
固定載置台5bは高い熱伝導率を有する銅で設けられる。このため、固定載置台5bを介して熱処理される対象物1を効率良く加熱及び冷却することができる。電熱ヒータ20bはシーズヒータで設けられる。本実施の形態では、対象物1と電熱ヒータ20b及び冷却剤流通回路30cとの間に介在する固定載置台5bがバッファー部として機能する。固定載置台5bは、前述の半田付け装置100の載置搬送台5a及び冷却ブロック30a(図1参照)のように移動(駆動)されることがない。このため、固定載置台5bには、前述の半田付け装置100が備える駆動装置(エアシリンダ)30b及びガイドポスト15(図1参照)等の駆動機構は設けられていない。このため、半田付け装置200は、前述の半田付け装置100よりも容易に設けることができる利点を有する。
本実施の形態の冷却剤流通回路30は通電加熱が終了した電熱ヒータ20bが放熱する余熱を直接排熱(冷却)して除去することができる。このため、半田付け装置200は、前述の半田付け装置100と比較して、更に効率良く対象物1の温度制御を行うことができる。冷却剤流通回路30cを用いた固定載置台5bの熱の排熱(冷却)調節は、冷却剤流通回路30c内を流通する冷却水の流量を冷却剤供給装置90で調節して行うことができる。具体的には、制御装置50は、対象物温度センサー40で検出された対象物1の温度T(図4(A)参照)に基づいて、冷却剤流通回路30c内を流通する冷却水の流量を調節することで、対象物1の温度Tを制御することができる。なお、この排熱(冷却)調節は、前述の半田付け装置100でも行うことができる。本実施の形態の半田付け装置200による場合でも、前述の半田付け装置100と同様に、対象物1の過熱を防止することができると共に、対象物1を確実に目標温度TT2(図4(A)参照)まで加熱することができ、かつ短いサイクルタイムで効率良く半田付けを行うことができる。
図7のフローチャートを参照して、本発明の第4の実施の形態に係る加熱接合製品としての半田付け製品を製造する方法を説明する。本実施の形態の半田付け製品を製造する方法では、半田付けする対象物1(図1及び図6参照)と、バッファー部5(図1及び図6参照)とを接触させて配置して半田付け装置(図1及び図6参照)に装填する(ステップM1)。また、半田付け装置を用いて対象物1を半田付けする(ステップM2)。
装填するステップM1では、半田付けの対象物1(図1及び図6参照)とバッファー部5(図1及び図6参照)とを接触させて配置してチャンバ内部の真空下に置く(ステップM1a)。
半田付けするステップM2では、バッファー部5(図1及び図6参照)を所定の第1制御目標温度TT1(図4(A)参照)まで加熱する(ステップM2a)。続いて、加熱されたバッファー部5の熱を排熱する(ステップM2b)。続いて、バッファー部5を介して加熱された対象物の温度T(図4(A)参照)を検出して(ステップM2c)、対象物の温度Tが所定の第2制御目標温度TT2(図4(A)参照)となるようにバッファー部5からの排熱を調節する(ステップM2d)。
続いて、対象物の温度T(図4(A)参照)とバッファー部5(図1及び図6参照)の温度T(図4(A)参照)とを検出して(ステップM2e)、対象物の温度Tとバッファー部の温度Tとの間の温度差が所定の温度差T(図4(A)参照)の範囲内となったとき、真空破壊B(図4(A)参照)を行う(ステップM2f)。なお、半田付け製品を製造する方法は、以上のステップに加えて、前述の実施の形態で説明した、いずれかの制御ステップを更に備えるものとしてもよい。例えば、真空の圧力を調節することで、バッファー部と対象物との温度差を制御して所定の温度差T以下としてもよい。
1 対象物(ワーク)
2 電子部品
3 基板
4 半田接合部
5 載置台(バッファー部)
5a 載置搬送台
5b 固定載置台
5c 開口窓付き載置搬送台
6 開口窓
10 真空チャンバ
11 搬送ローラ
12 視認窓
13 吸気口
14 排気口
15 ガイドポスト
16 外部搬送ローラ
20 ヒータ
20a 熱放射ヒータ
20b 電熱ヒータ
30 冷却器
30a 冷却ブロック
30b 駆動装置(エアシリンダ)
30c 冷却剤流通回路
31 位置決めピン
40 対象物温度センサー(放射温度計)
50 制御装置
51 中央演算装置
52 ヒータ操作部
53 冷却器操作部
54 対象物温度センサー操作部
55 制御部
55a 設定値記憶部
55b 減圧操作部
55c 対象物温度制御部
55d 真空破壊操作部
56 バッファー温度センサー操作部
57 真空破壊装置操作部
58 真空ポンプ操作部
59 冷却剤供給装置操作部
60 バッファー温度センサー(放射温度計)
70 真空破壊装置
70a ゲートバルブ
70b 気体供給装置
80 真空ポンプ(排気ポンプ)
81 圧力計
90 冷却剤供給装置
100 半田付け装置(加熱接合装置)
200 半田付け装置(加熱接合装置)

Claims (7)

  1. 加熱接合する対象物とバッファー部を収容する真空チャンバと;
    前記真空チャンバ内に収容した前記対象物に接触して配置された前記バッファー部を加熱するヒータと;
    前記バッファー部を介して加熱された対象物の温度を検出する対象物温度センサーと;
    前記バッファー部の温度を検出するバッファー温度センサーと;
    前記真空チャンバ内の真空を真空破壊する真空破壊装置と;
    前記対象物温度センサーの第1の検出温度と前記バッファー温度センサーの第2の検出温度との間の温度差が所定の温度差の範囲内となったとき、前記真空破壊装置を操作して前記真空チャンバ内の真空を真空破壊する制御装置とを備える;
    加熱接合装置。
  2. 前記制御装置は、前記真空チャンバ内の真空を真空破壊した後に、前記対象物の温度を接合材の融点より低い温度に下げるように制御するように構成された、
    請求項1に記載の加熱接合装置。
  3. 前記真空チャンバ内を真空に排気する真空ポンプを更に備え;
    前記制御装置は前記真空ポンプによる排気と前記真空破壊装置による真空破壊とを更に組み合わせて調節することで、前記バッファー部から前記対象物への熱伝達を調節して前記対象物が過熱されることを防止するように制御するように構成された;
    請求項1又は請求項2に記載の加熱接合装置。
  4. 前記真空チャンバ内を真空に排気する真空ポンプを更に備え;
    前記制御装置は前記真空ポンプによる排気と前記真空破壊装置による真空破壊とを更に組み合わせて調節することで、前記バッファー部から前記対象物への熱伝達を調節して前記第1の検出温度と前記第2の検出温度のとの間の温度差を前記所定の温度差の範囲内とするように制御するように構成された;
    請求項1又は請求項2に記載の加熱接合装置。
  5. 前記バッファー部は、前記対象物を載置する載置台として構成され、前記ヒータは前記載置台の内部に設けられた、
    請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の加熱接合装置。
  6. 請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載の加熱接合装置に前記加熱接合する対象物を前記バッファー部と接触させて配置して装填するステップと;
    前記加熱接合装置を用いて前記対象物を加熱接合するステップとを備える;
    加熱接合製品の製造方法。
  7. 加熱接合する対象物とバッファー部を、前記対象物と前記バッファー部を接触させて配置して、真空の下に置くステップと;
    前記真空の下に置いた前記バッファー部を加熱する加熱ステップと;
    前記バッファー部を介して加熱された対象物の温度を検出する対象物温度検出ステップと;
    前記バッファー部の温度を検出するバッファー温度検出ステップと;
    前記検出した対象物の第1の検出温度と前記検出したバッファー部の第2の検出温度との間の温度差が所定の温度差の範囲内となったとき、前記真空を破壊する真空破壊ステップとを備える;
    加熱接合製品の製造方法。
JP2013011041A 2013-01-24 2013-01-24 加熱接合装置及び加熱接合製品の製造方法 Active JP5902107B2 (ja)

Priority Applications (7)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013011041A JP5902107B2 (ja) 2013-01-24 2013-01-24 加熱接合装置及び加熱接合製品の製造方法
PCT/JP2014/050240 WO2014115584A1 (ja) 2013-01-24 2014-01-09 加熱接合装置及び加熱接合製品の製造方法
EP14743722.2A EP2949415B1 (en) 2013-01-24 2014-01-09 Heat-bonding device and heat-bonded-article manufacturing method
US14/763,135 US9730335B2 (en) 2013-01-24 2014-01-09 Heat-bonding apparatus and method of manufacturing heat-bonded products
CN201480005952.0A CN104968462B (zh) 2013-01-24 2014-01-09 加热接合装置及加热接合产品的制造方法
TW103102424A TWI556900B (zh) 2013-01-24 2014-01-23 加熱接合裝置及加熱接合製品的製造方法
HK16101807.3A HK1213841A1 (zh) 2013-01-24 2016-02-18 加熱接合裝置及加熱接合產品的製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013011041A JP5902107B2 (ja) 2013-01-24 2013-01-24 加熱接合装置及び加熱接合製品の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2014140870A JP2014140870A (ja) 2014-08-07
JP5902107B2 true JP5902107B2 (ja) 2016-04-13

Family

ID=51227376

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013011041A Active JP5902107B2 (ja) 2013-01-24 2013-01-24 加熱接合装置及び加熱接合製品の製造方法

Country Status (7)

Country Link
US (1) US9730335B2 (ja)
EP (1) EP2949415B1 (ja)
JP (1) JP5902107B2 (ja)
CN (1) CN104968462B (ja)
HK (1) HK1213841A1 (ja)
TW (1) TWI556900B (ja)
WO (1) WO2014115584A1 (ja)

Families Citing this family (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6144495B2 (ja) * 2013-01-24 2017-06-07 オリジン電気株式会社 加熱接合装置及び加熱接合製品の製造方法
CN105448862B (zh) * 2014-09-29 2018-08-10 中芯国际集成电路制造(上海)有限公司 半导体结构及其制作方法
DE102014118523B4 (de) * 2014-12-12 2017-11-23 Semikron Elektronik Gmbh & Co. Kg Kühleinrichtung und Verfahren zum Abkühlen von flüssigem Lot zur Herstellung einer Lötverbindung
DE102015106298B4 (de) * 2015-04-24 2017-01-26 Semikron Elektronik Gmbh & Co. Kg Vorrichtung, Verfahren und Anlage zur inhomogenen Abkühlung eines flächigen Gegenstandes
KR102429619B1 (ko) * 2015-11-18 2022-08-04 삼성전자주식회사 본딩 스테이지와 이를 포함하는 본딩 장치
JP6215426B1 (ja) * 2016-09-21 2017-10-18 オリジン電気株式会社 加熱装置及び板状部材の製造方法
CN109791017B (zh) * 2016-09-30 2021-03-12 富士胶片株式会社 辐射冷却装置
EP3560716B1 (en) * 2016-12-26 2021-06-30 Fuji Corporation Screen printing machine
JP6322746B1 (ja) * 2017-03-30 2018-05-09 オリジン電気株式会社 ワーク処理装置及び処理済ワークの製造方法
TWI651148B (zh) * 2017-11-14 2019-02-21 廣化科技股份有限公司 真空焊接爐
CN108672876B (zh) * 2018-08-09 2020-06-23 乐清野岛机电有限公司 一种框架断路器触头全自动焊接系统
US11862482B2 (en) * 2021-03-11 2024-01-02 Taiwan Semiconductor Manufacturing Company, Ltd. Semiconductor substrate bonding tool and methods of operation

Family Cites Families (22)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
NL8901598A (nl) * 1989-06-23 1991-01-16 Soltec Bv Met een beschermgas werkende soldeermachine, voorzien van automatisch werkende sluisdeuren.
JPH04262865A (ja) * 1991-01-22 1992-09-18 Kenji Kondo はんだ付け装置
JPH05211391A (ja) * 1992-01-21 1993-08-20 Hitachi Ltd 高精度はんだ付け方法及び装置
JP3210537B2 (ja) * 1995-01-17 2001-09-17 日本電熱計器株式会社 リフローはんだ付け方法およびその装置
JP3409679B2 (ja) 1998-02-06 2003-05-26 神港精機株式会社 半田付け装置
JP3894405B2 (ja) * 1999-10-07 2007-03-22 株式会社アルバック 真空熱処理装置
JP3627011B2 (ja) * 2001-02-13 2005-03-09 インターナショナル・ビジネス・マシーンズ・コーポレーション 接合方法
JP3833487B2 (ja) * 2001-03-21 2006-10-11 シャープ株式会社 加熱装置
JP3809806B2 (ja) * 2002-03-29 2006-08-16 富士電機デバイステクノロジー株式会社 半導体装置の製造方法
JP4233905B2 (ja) * 2003-03-26 2009-03-04 Juki株式会社 部品装着装置
JP4282501B2 (ja) * 2004-02-03 2009-06-24 パナソニック株式会社 リフローはんだ付け装置および方法
JP4448749B2 (ja) * 2004-09-16 2010-04-14 神港精機株式会社 加熱及び冷却装置
DE102004047359B3 (de) * 2004-09-29 2006-01-26 eupec Europäische Gesellschaft für Leistungshalbleiter mbH Verfahren und Vorrichtung zur Regelung und Überwachung eines Lötprozesses
US7435964B2 (en) * 2005-01-26 2008-10-14 Analog Devices, Inc. Thermal sensor with increased sensitivity
JP2008068311A (ja) * 2006-09-15 2008-03-27 Fujitsu Ltd ボイド除去装置、ボイド除去方法および電子機器の製造方法
DE102007005345B4 (de) * 2007-02-02 2014-06-18 Seho Systemtechnik Gmbh Verfahren zum Reflow-Löten sowie Vorrichtung zur Durchführung des Verfahrens
JP4974805B2 (ja) * 2007-08-10 2012-07-11 トヨタ自動車株式会社 加熱炉および加熱炉の加熱方法
JP4263761B1 (ja) * 2008-01-17 2009-05-13 トヨタ自動車株式会社 減圧式加熱装置とその加熱方法および電子製品の製造方法
JP5251456B2 (ja) * 2008-11-27 2013-07-31 株式会社デンソー 半田付け用真空加熱装置
JP2010267769A (ja) * 2009-05-14 2010-11-25 Toyota Motor Corp はんだ付け方法及び装置
WO2013161875A1 (ja) * 2012-04-25 2013-10-31 オリジン電気株式会社 半田付け装置及び半田付け製品の製造方法
JP6144495B2 (ja) * 2013-01-24 2017-06-07 オリジン電気株式会社 加熱接合装置及び加熱接合製品の製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
US9730335B2 (en) 2017-08-08
HK1213841A1 (zh) 2016-07-15
US20150366079A1 (en) 2015-12-17
CN104968462A (zh) 2015-10-07
WO2014115584A1 (ja) 2014-07-31
EP2949415A4 (en) 2016-10-12
CN104968462B (zh) 2018-06-05
EP2949415B1 (en) 2017-08-16
EP2949415A1 (en) 2015-12-02
TWI556900B (zh) 2016-11-11
TW201436919A (zh) 2014-10-01
JP2014140870A (ja) 2014-08-07

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6144495B2 (ja) 加熱接合装置及び加熱接合製品の製造方法
JP5902107B2 (ja) 加熱接合装置及び加熱接合製品の製造方法
US10583510B2 (en) Heating and cooling device
JP5864732B2 (ja) 半田付け装置及び半田付け製品の製造方法
CN106687806A (zh) 气相色谱(gc)柱加热器
JP2003045903A (ja) ダイボンド装置
JP2016219509A (ja) 加熱冷却方法及び加熱冷却機器
JP4893939B2 (ja) 製造対象物の熱処理装置および熱処理方法、並びに圧電デバイスの製造方法
JP6215426B1 (ja) 加熱装置及び板状部材の製造方法
TWI808527B (zh) 安裝頭
WO2018037610A1 (ja) 変温処理装置および変温処理方法
JP2007115924A (ja) 接合構造体の製造方法
JP6984194B2 (ja) 加熱冷却装置
JP5659611B2 (ja) 半導体装置の製造方法および半田付け用治具
JP2005175475A (ja) モジユ−ル封止方法
JP2004119499A (ja) 金属膜の熱処理方法および半導体装置
JPH1131703A (ja) 半田接合装置
JPH05283570A (ja) 半田付け方法並びに装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20150626

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20160301

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20160309

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5902107

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250