JP3894405B2 - 真空熱処理装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は被処理物を真空下に熱処理するための真空熱処理炉に関するものであり、更に詳しくは、熱処理室と、その下側に接合された搬送室または冷却室からなり、搬送されて搬送室または冷却室にある被処理物を熱処理室へ挿入し、真空下に加熱して熱処理する真空熱処理装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
金属の焼入れ、ろう付けには熱処理室と冷却室とを並べた真空熱処理装置が使用され、タンタル電解コンデンサなどの焼結製品の製造には熱処理室としての脱ワックス室と焼結室とがそれぞれの下側の搬送室で連結された真空熱処理装置が使用されて、不活性ガスの存在下または不存在下に、被処理物が真空熱処理されている。
【0003】
(従来例1)
図9は特開平9ー53887号公報に開示されている真空熱処理装置100の予熱室111と搬送室141との断面図である。熱処理室としての予熱室111はその円環状底板115によって搬送室141の天井部の開口144の周囲に固定されており、数種の真空ポンプからなる真空排気系120が接続されている。予熱室111内には円筒状リフレクタ124によって被処理物Hを収容する加熱区画125が形成されており、加熱区画125内には加熱のための電熱ヒータ122が取り付けられている。また、円筒状リフレクタ124の下端部は円環状底板115の内周に接するように小径として予熱室111への挿入開口116とされ、予熱室111の円環状底板115には冷却水通路117が設けられており、円環状底板115の下面にはO−リング119が嵌め込まれている。
【0004】
搬送室141内をチエインコンベア153によって搬送される搬送台162に積載された被処理物Hは予熱室111の直下に停止される。搬送台162はほぼ正方形の板状で中央部に円形の開口162hが設けられている。そして、開口162hに面する内周縁部の座ぐりに、以下一点鎖線で示すように、中間トレイ163が載置され、中間トレイ163の中央部の開口163hに面する内周縁部の座ぐりにトレイ164が重ねて載置され、そのトレイ164に被処理物Hが積載されてくる。
【0005】
搬送室141の下側には昇降装置としてのエアシリンダ181が設置されており、そのロッド182が軸シール142を介して搬送室141内へ挿通されており、その先端に昇降蓋176が取り付けられている。昇降蓋176は搬送台162の開口162hを挿通可能な外径を有し、昇降蓋176の上面には被処理物Hを載置するトレイ164を下方から支持する支柱173が中間トレイ163の開口163hを挿通可能に立設されている。また、昇降蓋176の上面と支柱173の中間位置には昇降蓋176と平行に支柱部リフレクタ174が取り付けられており、昇降蓋176の上面の外周縁部にはO−リング179が嵌め込まれている。
【0006】
そして、エアシリンダ181によって昇降蓋176が上昇されると、支柱173は中間トレイ163の開口163h内を挿通して上昇し、昇降蓋176は搬送台162の開口162h内を挿通した後、直ちに中間トレイ163を伴って上昇し、被処理物Hは加熱区画111内へ挿入されるが、図9はその挿入された状態を示す。すなわち、昇降蓋176は中間トレイ163と共に予熱室111の挿入開口116を密閉する。この時、予熱室111の円環状底板115と中間トレイ163との間はO−リング119によって、また、中間トレイ163と昇降蓋176との間はO−リング179によって気密にシールされる。
【0007】
(従来例2)
図10は特開平9ー126659号公報に開示されている真空熱処理装置200の脱バインダ室211と搬送室241との断面図である。熱処理室としての脱バインダ室211は鋼板製の鏡蓋212と側壁213とによって形成されて円環状底板215と一体化されており、鏡蓋212と側壁213の外周面は断熱材217で覆われている。そして円環状底板215は搬送室241の天井部の開口244の周囲に取り付けられている。また、側壁213には排気管218が設けられ、脱離されたバインダを捕捉するためのトラップを備えた真空排気系220が接続されている。脱バインダ室211の内部には、円環状底板215の挿入開口216に整合させて、下方に開口226を有する円筒状リフレクタ224がブラケット221に固定されて加熱区画225が形成されており、加熱区画225内には図示しない導入端子を経由して電熱ヒータ222が架張されている。なお、円環状底板215の下面にはO−リング219が嵌め込まれている。
【0008】
また、搬送室241の下方の軸シール243を介して搬送室241内へ挿通されているロッド282の先端に昇降蓋276が固定されている。昇降蓋276はフランジ部274と台部275を有し、台部275に立設された支柱273a、273bが被処理物Fを載置するトレイ264を下方から突き上げて支持している。すなわち、図10は加熱区画225内に被処理物Fが挿入され、昇降蓋276のフランジ部274に支持される中間トレイ263がO−リング219を介して円環状底板215と当接して脱バインダ室211を密閉している状態を示す。
【0009】
なお、上記の被処理物Fとトレイ264および中間トレイ263は搬送室241内のチェインコンベア253によって搬送台262と共に搬入されて来たものであり、その時点では、搬送台262の中央部の開口262hに面する内周縁部の座ぐりに中間トレイ263が載置され、中間トレイ263の中央部の開口263hに面する内周縁部の座ぐりにトレイ264が重ねて載置され、そのトレイ264上に被処理物Fが積載されていたものである。そして、昇降蓋276のフランジ部274は搬送台262の開口262hを挿通可能な外径とされ、台部275は中間トレイ263の開口263hを挿通可能な外径とされている。そのほか、搬送室241に設けた排気管248には真空排気系250が接続されている。
【0010】
(従来例3)
図11は特開平9ー126660号公報に開示されている真空熱処理装置300における焼結室311と搬送室341、昇降機室371の断面図である。熱処理室としての焼結室311は鋼板で二重構造とされた鏡蓋312と側壁313とがフランジで接合されており、二重の鋼板の間は冷却水が循環されている。そして、側壁313の下端部は円環状底板315と一体化されており、円環状底板315は搬送室341の天井部の開口344の周囲に取り付けられている。なお、焼結室311には真空排気系320が接続されている。焼結室311内においては、ブラケット321に固定され、下方に開口326を有する円筒状リフレクタ324によって加熱区画325が形成されており、加熱区画325の内部には図示しない導入端子に接続して帯状の電熱ヒータ322が架張されている。そして、円筒状リフレクタ324の開口326の周囲の下面には金属製の中空O−リング319が嵌め込まれている。
【0011】
昇降機室371にはスライダー・クランク機構による昇降機380が設置されており、レール383に沿って上下に走行する昇降台381にロッド382が立てられている。ロッド382の先端部の接続フランジ378には冷却水ジャケット377を介して鍔部374と台部375とからなる昇降蓋376が取り付けられている。また、接続フランジ378には支柱373aとその周囲の支柱373bとが台部375を貫通して立設されおり、加熱区画325内において被処理物Sを載置するトレイ364を下方から突き上げて支持している。すなわち、図11は被処理物Sを加熱区画325内に挿入し、昇降蓋376の鍔部374に支持される中間トレイ363がメタルO−リング319を介して円筒状リフレクタ324の底板と当接して加熱区画325を熱的に閉じている状態を示す。
【0012】
なお、上記の被処理物Sとトレイ364および中間トレイ363は搬送室341のチエインコンベア353によって搬送台362と共に搬送されて来たものであり、その時点では、搬送台362の中央部の開口362hに面する内周縁部の座ぐりに中間トレイ363が載置され、中間トレイ363の中央部の開口363hに面する内周縁部の座ぐりにトレイ364が重ねて載置され、そのトレイ364上に被処理物Sが積載されていたものである。そして、昇降蓋376の鍔部374は搬送台362の開口362hを挿通可能な外径とされ、台部375は中間トレイ363の開口363hを挿通可能な外径とされている。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
従来例1の真空熱処理装置100における予熱室111は、その円環状底板115は水冷されているので円環状底板115のO−リング119は劣化されにくいが、昇降蓋176は水冷されていないことから昇降蓋176のO−リング179はやや劣化し易く、中間トレイ163と昇降蓋176とによる予熱室111の密閉にはやや問題が残るほか、中間トレイ163の内周縁部や昇降蓋176の一部が加熱区画125に面しており、それらを伝達する熱ロスがあるので、加熱区画125は熱的に十分に密閉されたものとはなっていない。
従来例2の真空熱処理装置200における脱バインダ室211は、その円環状底板215と昇降蓋276の鍔部274とが共に水冷されていないこと、円環状底板215と中間トレイ263との間にのみO−リング219が使用され、中間トレイ263と鍔部274との間にはシール材が使用されていないことから、脱バインダ室211の密閉は必ずしも十分ではなく、また、中間トレイ263の内周縁部や昇降蓋276の台部275が加熱区画225に直接に面しており、加熱区画225は熱的に十分には閉じられていない。
また、従来例3の真空熱処理装置300における焼結室311は、その円筒状リフレクタ324の開口326が中間トレイ363と水冷の昇降蓋376とによって熱的に閉じられており、焼結温度を高い精度で制御し得るものの、焼結室311は搬送室341、昇降機室381と連通しており、焼結室311を真空排気する場合、同時に搬送室341、昇降機室371も真空排気されるので、排気能力の大きい真空ポンプを必要とする。
【0014】
本発明は上述の問題に鑑みてなされ、熱処理室内に形成される加熱区画を熱的に閉じることが可能で真空熱処理を高い温度精度で施すことができ、かつ熱処理室を密閉することが可能で排気能力の小さい真空ポンプによって高真空度に排気することができる真空熱処理装置を提供することを課題とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記の課題は請求項1または請求項2の構成によって解決されるが、その解決手段を説明すれば、請求項1の真空熱処理装置は、真空排気可能な熱処理室と、熱処理室と挿入開口を介して接合された搬送室または冷却室と、熱処理室の内部に加熱区画を形成し下方に開口を有する筒状リフレクタと、搬送室または冷却室内に配置され、被処理物を積載したトレイを搬送する搬送機構と、トレイを下方から支持する複数の支柱を備え、上昇されて被処理物を加熱区画内へ挿入すると共に挿入開口を塞ぐ昇降蓋と、支柱間に昇降蓋と平行に設けられた複数の支柱部リフレクタと、筒状リフレクタの下方に位置し、支柱部リフレクタの存在下に、筒状リフレクタの開口を熱的に閉じるように作動する可動リフレクタと、昇降蓋の上面の支柱より外側となる外周縁部、または熱処理室の挿入開口を形成する環状底板の下面に設けられた環状シーリング材とから構成される装置である。 このような真空熱処理装置は、熱処理室の挿入開口が昇降蓋によって密閉されるので、熱処理室は排気能力の小さい真空ポンプによっても高真空度まで排気することが可能であるほか、筒状リフレクタの開口が可動レフレクタと支柱部リフレクタとによって熱的に閉じられて加熱区画からの輻射熱が遮蔽され、加熱区画より下方にある構成要素の不必要な温度上昇が防がれる。
【0016】
請求項2の真空熱処理装置は、真空排気可能な熱処理室と、熱処理室と挿入開口を介して接合された搬送室または冷却室と、熱処理室の内部に加熱区画を形成し下方に開口を有する筒状リフレクタと、搬送室または冷却室内に配置され、被処理物が積載されるトレイおよびトレイを支持し搬送する中間トレイを備えた搬送機構と、トレイを下方から支持する複数の支柱を備え、上昇されて被処理物を加熱区画内へ挿入し、上昇される中間トレイと共に熱処理室の挿入開口を塞ぐ昇降蓋と、支柱間に昇降蓋と平行に設けられた複数の支柱部リフレクタと、筒状リフレクタの下方に位置し、支柱部リフレクタの存在下に、筒状リフレクタの開口を熱的に閉じるように作動する可動リフレクタと、昇降蓋の上面の支柱より外側となる外周縁部に設けられた環状シーリング材(1)と、熱処理室の挿入開口を形成する環状底板の下面に設けられた環状シーリング材(2)と、から構成される装置である。
このような真空熱処理装置は、熱処理室の挿入開口が搬送機構の中間トレイと昇降蓋とによって簡易にかつ確実に密閉されるので、熱処理室は排気能力の小さい真空ポンプによっても高真空度まで排気することが可能であるほか、筒状リフレクタの開口が可動レフレクタと支柱部リフレクタとによって熱的に閉じられて、加熱区画からの輻射熱が遮蔽され、加熱区画より下方にある構成要素の不必要な温度上昇が防がれる。
【0017】
請求項2に従属する請求項3の真空熱処理装置は、昇降蓋が中間トレイを伴って上昇され、被処理物を加熱区画内へ挿入すると共に、環状シーリング材(1)によって昇降蓋と中間トレイとをシールし、同時に環状シーリング材(2)によって中間トレイと環状底板とをシールして熱処理室を密閉し、かつ可動リフレクタと支柱部リフレクタとによって筒状リフレクタの開口を熱的に閉じて、熱処理室の加熱区画が真空下に加熱され被処理物が真空熱処理される装置である。このような真空熱処理装置は、熱処理室の加熱区画への被処理物の挿入と熱処理室の密閉と加熱区画からの輻射熱の遮蔽とを同時に行うことを可能し、被処理物の真空熱処理操作を合理化させる。
【0018】
請求項2に従属する請求項4の真空熱処理装置は、熱処理室の環状底板と、昇降蓋と、可動リフレクタとに冷却手段を有する装置である。このような真空熱処理装置は、可動リフレクタと支柱部リフレクタとによる輻射熱の遮蔽に加え、更に冷却手段によって熱処理室の環状底板と昇降蓋との温度上昇を防ぐので、可動リフレクタの温度上昇による歪みを防ぐと共に、環状底板、中間トレイ、昇降蓋の間に介装する環状シーリング材(1)、(2)に繰返し使用ができシール性に優れたゴム製O−リングの採用を可能にする。
請求項2に従属する請求項5の真空熱処理装置は、可動リフレクタが分割可能な平板状に形成されており、閉時には支柱部リフレクタの外周に対応する位置まで移動されて環状体を形成し、開時には分割されて側方へ移動される装置でである。このような真空熱処理装置は、熱処理室の容積の大きく増大させることなく、加熱区画を熱的に閉じることを可能にする。
【0019】
【発明の実施の形態】
本発明の真空熱処理装置は、上述したように、搬送室または冷却室において加熱区画の直下に停止され、被処理物をトレイと中間トレイを介して積載する搬送台に対して、昇降蓋が下方から上昇され昇降蓋の支柱がトレイの底面を支持して上昇されるに伴い、昇降蓋の外周縁部が環状シーリング材(1)を介し中間トレイを支持して上昇し、被処理物が熱処理室の挿入開口から筒状リフレクタによって形成された加熱区画内へ挿入されて、中間トレイが環状シーリング材(2)を介して熱処理室の環状底板と当接することにより熱処理室が密閉され、かつ筒状リフレクタの開口が可動リフレクタと支柱部リフレクタとによって熱的に閉じられた後、真空下に加熱区画が加熱されて、被処理物が真空熱処理される装置である。加熱温度および真空度は真空熱処理の目的によって異なるが、加熱温度は1000℃から2000℃までの範囲内にあり、その時の真空度は10-2Paから10-4Paまでの範囲内にある。
【0020】
熱処理室の挿入開口を気密に閉じるためには、中間トレイと昇降蓋との間に環状シーリング材(1)を介装させ、更に熱処理室の挿入開口を形成する環状底板と中間トレイとの間に環状シーリング材(2)を介装させることが望ましい。それぞれの間で確実に真空シールを行うためである。また、環状シーリング材(1)と環状シーリング材(2)とを上下で介装させることにより、例えば、昇降蓋や中間トレイに僅かの傾きがあっても、その傾きは2本の環状シーリング材によって分担してカバーされ、十分な真空シールが得られるというメリットもある。
【0021】
環状シーリング材(1)、(2)としては、熱処理時における高温に耐える耐熱性を必要とするので、メタル製中空O−リングを採用し得るほか、ナイフエッヂと柔軟な金属ガスケットとの組み合わせによるメタルシールも採用し得る。最も好ましい環状シーリング材(1)、(2)は弾性変形範囲の大きいゴム製O−リングであるが、耐熱性に劣るので、ゴム製O−リングを採用する場合には、これを介装する構成部材のうち、水冷の困難な中間トレイを除く、熱処理室の環状底板および昇降蓋を水冷してゴム製O−リングの温度上昇を防ぐことが必要である。
【0022】
更には、ゴム製O−リングの温度上昇を防ぐには、上記の水冷以外に、ゴム製O−リングの介装箇所を加熱区画の輻射熱から遮蔽することが望ましい。輻射熱を遮蔽するには、すなわち、筒状リフレクタの開口を塞ぐには、真空熱処理時に加熱区画内へ被処理物を支持して挿入される昇降蓋の複数の支柱で囲われる部分を遮蔽する支柱部リフレクタを設けると共に、支柱部リフレクタの外周部分を遮蔽し、かつ被処理物の挿入時、取出し時には支障とならないように開閉し得る可動リフレクタを設けることが必要である。
【0023】
支柱部リフレクタは支柱の長さ方向に多段に設けることが好ましい。しかし、支柱が加熱区画内に挿入された時点において、その中の少なくとも一段は筒状リフレクタの開口の外側に存在することが望ましい。また、可動リフレクタは支柱部リフレクタの外周側を遮蔽するものであるから、可動リフレクタは環状体を分割して開閉するものとなるが、その分割形状や開閉方法は限定されない。例えば環状体を2分割したものでもよく、3分割したものでもよい。また等分割されていなくてもよい。更には、開閉方法として側方へ移動させてもよく、また外周側に支点を設けて下方へ回動させてもよい。
【0024】
更には、真空熱処理時に熱処理室内へ不活性ガスを導入する配管を設けることが望ましい。真空熱処理時に被処理物からガスが放出される場合には、不活性ガスは熱処理室内における放出ガスの分圧を低下させ、被処理物からの放出ガスの脱離を促進する。また、たとえ極微量の空気であっても、その空気の存在下の加熱によって被処理物が劣化されるような場合には、不活性ガスの雰囲気下での加熱によって被処理物の熱劣化を抑制することができる。不活性ガスとしてはアルゴンやヘリウムのような希ガスまたは窒素ガスを採用し得る。
【0025】
なお、上記において熱処理室の挿入開口を密閉することにより、熱処理室を真空排気するに際して排気能力の小さい真空ポンプの使用が可能となるが、搬送室はその上流側または下流側に接続される処理室との間で被処理物を受け渡しする時に真空排気されるので、排気能力の小さい真空ポンプの使用を可能とするためには、搬送室も可及的に容積も小さくすることが望ましい。
【0026】
【実施例】
以下、本発明の真空熱処理装置を実施例によって、図面を参照し、具体的に説明する。
【0027】
(実施例1)
図1は実施例1の真空熱処理装置1の断面図であり、熱処理室11と搬送室41とが上下に配置されている。すなわち、床面を掘り下げたピット9の段差面に立てられた支柱8に搬送室41が支持されており、搬送室41の天井部の連通開口44の周囲に熱処理室11が設置されている。熱処理室11は鋼板による二重壁構造とされた鏡蓋12と側壁13とがフランジで気密に接合されて形成されており、二重壁の間は冷却水が循環されて冷却されている。熱処理室11の側壁13の下端部は連通開口44の周囲に固定された円環状底部15と一体化されており、円環状底部15の中央は熱処理室11への挿入開口16となっている。また、円環状底部15の内部は冷却水路17となっており、円環状底部15の上面および内周側面には底面リフレクタ14が張り合わされている。また、後述の図4において拡大して示すが、円環状底部15の下面の内周縁部には環状シーリング材(2)としての耐熱性のフッ素ゴム製O−リング19が一部を露出させて嵌め込まれている。そして、熱処理室11には複数種の真空ポンプを含む真空排気系20が接続されている。
【0028】
熱処理室11内においては、ブラケット21に固定された下開きの円筒状リフレクタ24によって加熱区画25が形成されており、円筒状リフレクタ24の下端の円環状底面23によって加熱区画25への挿入開口26が形成されている。円筒状リフレクタ24には、その内面に近接して篭型ヒータ−22が取り付けられており、熱処理室11の側壁13に取り付けられた水冷給電端子27に接続されている。また、加熱温度の制御のために、側壁13に取り付けられた導入端子28から円筒状リフレクタ24を貫通して加熱区画25内へ熱電対が挿入されている。更には、加熱区画25内へ外部から不活性ガス導入管29が挿入されており、その下端のノズル29nの開口からは下方へ向けて不活性ガスが吹き出されるようになっている。
【0029】
そして、円筒状リフレクタ24の直下には両側方へ開閉可能な可動レフレクター34、34’が取り付けられており、後述の昇降蓋76の支柱73に設けられた支柱部リフレクター74と共に、加熱区画25の挿入開口26を塞ぐようになっている。すなわち、熱処理室11の側壁13に断面が横長の長方形の枝管18、18’が対向して設けられており、詳しくは後述する図5を参照して、その内部に設けられた2本のレール上の車輪付きの台車の上面に貼られた可動リフレクタ34、34’がエアシリンダ31、31’を駆動源として水平方向に開閉される。なお、図1においては、上記のレールやエアシリンダ31、31’を固定するブラケット等は図示を省略されている。そして、後述の図5に示すように、可動リフレクタ34、34’は閉じた状態で円環状となるが、その時の外径は円筒状リフレクタ24の外径とほぼ同一であり、内径は被処理物Gが加熱区画25内へ挿入される時の後述の6本の支柱73に外接する大きさである。また、被処理物Gが加熱区画25内へ挿入され取り出される時には、支障とならないように可動リフレクタ34、34’はそれぞれエアシリンダ31、31’によって枝管18、18’内へ引き込まれる。
【0030】
搬送室41には、その右側の図示を省略した準備室と接続するためのフランジ45に密閉可能な仕切り扉46が取り付けられており、左側の図示を省略した冷却室と接続するためのフランジ47に密閉可能な仕切り扉48が取り付けられている。また、搬送室41内には、図1における[2]−[2]線方向の断面図である図2も参照して、チェインコンベア53が電動機57でギヤ駆動される駆動スプロケット55と従動スプロケット56に巻装されており、チェインコンベア53に係合された方形の厚板状の搬送台62が図1において右方から左方へ搬送される。
【0031】
搬送台62には、その中央部に大径穴62hが形成されており、その大径穴62hの周囲の座ぐりにリング状の中間トレイ63が載置され、中間トレイ63の中央部に形成されている中径穴63hの周囲の座ぐりにトレイ64が重ねて載置される。そして、そのトレイ64上に被処理物Gが積載されて搬送されてくる。搬送台62の大径穴62hの直径は後述する昇降蓋76の外周縁に設けられた円環状凸部76rが挿通可能な大きさとされ、中間トレイ63の中径穴63hの直径は円環状凸部76rの内側に配置された6本の支柱73が挿通可能な大きさとされている。
【0032】
また、チェインコンベア53の途中には、搬送されてくる搬送台62を検出するための光センサ52の素子52a、52bが搬送室41を横断して設置されており、光センサ52が搬送台62を検出するとチェインコンベア53の搬送速度を減速させ、トレイ64上の被処理物Gが加熱区画25の直下に位置するように停止させる。そして、図示を省略したエアシリンダによって、チェインコンベア53の下方から搬送台62の前端側へストッパ58が突き上げられ、搬送台62の後端側へはエアシリンダ54によってストッパ59が回動されて立ち上げられ搬送台62を係止するようになっている。なお、図1、および後述の図3には、光センサ52、ストッパ58、59、および付随する部材類は図示を省略している。
【0033】
図1へ戻り、搬送室41のチェインコンベア53より下方の部分には、昇降蓋76とその上面に立設された6本の支柱73を共に収容するための収容空間41Uが設けられており、収容空間41Uを含む搬送室41の容積は熱処理室11の1.3倍程度とされている。昇降蓋76はその底面側の接続フランジ78に取り付けられたロッド82によって昇降される。すなわち、ロッド82は搬送室41の底面フランジ49の軸シール42を介して搬送室41の外へ導出されており、ピット9内に設置されたエアシリンダ81によって昇降される。また、接続フランジ78のロッド82の両側には後述の冷却水ジャケット77への給排水パイプ83が取り付けられており、搬送室41の底面フランジ49の軸シール43を挿通してピット9内へ延在している。そして、給排水パイプ83はロッド82の昇降と同時に昇降され、ガイドシャフトとしても働く。
【0034】
昇降蓋76は、後述の図4も参照して、冷却水ジャケット77を有し、上面は無機物繊維からなるマット状の断熱材72とそのカバーによって覆われている。そして、前述したように、昇降蓋76の外周縁部の円環状凸部76rの内側には6本の支柱73が同一円周上に立設されている。そして、円環状凸部76rの上面には環状シーリング材(1)としてのフッ素ゴム製O−リング79が一部を露出させて嵌め込まれている。また、6本の支柱73の外接円の円内には支柱部リフレクタ74が支持ボルト75によって昇降蓋76と平行に5段に架張されている。
【0035】
図1の状態からロッド82が昇降蓋76を上昇させると、支柱73の先端が中間トレイ63の中径穴63hを挿通し、トレイ64の底面を支持して被処理物Gを上昇させるが、その途中において昇降蓋76の円環状凸部76rが中間トレイ63を支持し上昇する。そして、被処理物Gはトレイ64と共に熱処理室11の挿入開口16、開放されている可動リフレクタ34、34’の間、円筒状リフレクタ24の開口26を経由して加熱区画25へ挿入されるが、図1と同様な断面図である図3に示すように、被処理物Gが加熱区画25内の所定の位置に達し、中間トレイ63が熱処理室11の円環状底部15の底面に当接して、熱処理室11の挿入開口16が中間トレイ63と昇降蓋76とによって密閉された時点で昇降蓋76の上昇が停止されて、可動リフレクタ34、34’が閉じられる。
【0036】
図4は図3の状態、すなわち、被処理物Gが加熱区画25内へ挿入されて熱処理室11が密閉された時の状態を示す部分拡大図であり、熱処理室11の円環状底部15が中間トレイ63と昇降蓋76、およびそれらの間に介装されたフッ素ゴム製O−リング19、79とによって密閉されていることを示す。円環状底部15はその冷却水路17によって冷却され、昇降蓋76は冷却水ジャケット77によって冷却されているので、フッ素ゴム製O−リング19、79は耐熱性ではあるが、温度上昇が防がれることにより劣化せず、シール性を長期間にわたって発揮する。また、フッ素ゴム製O−リング19、79が上下に位置して介装されているので、中間トレイ63や昇降蓋76に若干の傾きがあり、何れか一方のO−リングだけではシールが困難な場合にも、傾きを分担して吸収し熱処理室11を確実に密閉する。
【0037】
図5は図3における[5]−[5]線方向の断面図であり、可動リフレクタ34、34’が閉じられている場合を示す。また、図6は可動リフレクタ34、34’が開かれている場合、すなわち、図1の状態を示す。可動リフレクタ34、34’は対称に設けられているので、一方の可動リフレクタ34に付いてその構成を説明し、他方の可動リフレクタ34’の対応する構成要素には(’)付きの同じ符号を付する。図5において、熱処理室11の側壁13に設けられた枝管18内に熱処理室11のほぼ中心部まで2本のレール33が設けられており、そのレール33上を走行する車輪36wを備えた台車36の上面に半円環形状の可動リフレクタ34が貼り合わされている。台車36の側端部にはシャフト37が取り付けられており、シャフト37は枝管18のフランジ18fに固定されたベローズ付きの水冷軸受38を挿通して熱処理室11の外部へ取り出されている。なお詳細は図示せずとも、水冷軸受38に使用されている水はシャフト37内からフレキシブルチューブ35を経由して台車36内へ循環されており、台車36を冷却するようになっている。他方、フランジ18fに固定されたブランケット30にエアシリンダ31が固定されており、エアシリンダ31のロッド32とシャフト37とがカップリング39によって連結されている。すなわち、可動リフレクタ34はエアシリンダ31を駆動源として開閉される。
【0038】
図5に示すように、可動リフレクタ34、34’が閉じられた円環状態においては、その外径は一点鎖線で示す円筒状リフレクタ24の外径とほぼ同一とされ、その内径は被処理物Gと共に加熱区画25内へ挿入されている昇降蓋76の支柱73に設けられた支柱部リフレクタ74の外径とほぼ同一とされている。そのことによって、図3に示されているように、円筒状リフレクタ24の開口26は可動リフレクタ34、34’と支柱部リフレレクタ74とによって熱的に閉じられる。そして、図6を参照して、被処理物Gの挿入時、取り出し時には、可動リフレクタ34、34’が障害とならないように、エアシリンダ31、31’のロッド32、32’がシャフト37、37’をそれぞれ外側方へ引き出すので、可動リフレクタ34、34’はそれぞれ側方の枝管18、18’内へ引き込まれ、円筒状リフレクタ24の下方は開放される。
【0039】
実施例1の真空熱処理装置1は以上のように構成されるが、次にその作用を説明する。なお、図1を参照し、可動リフレクタ34、34’が開放され、昇降蓋76が下降された真空熱処理装置1において、熱処理室11と搬送室41は真空排気系20によって排気されて所定の真空度にあり、また、熱処理室11の鏡蓋12と側壁13の二重壁の間、水冷給電端子27、円環状底部15の冷却水路17、昇降蓋76の冷却水ジャケット77、可動リフレクタ34、34’の台車36、36’内、水冷軸受け38、38’等は所定通りに水冷されており、導入端子28から加熱区画25内へ挿入されている熱電対、搬送室41の光センサ52も作動状態にあるものとする。
【0040】
搬送台62に中間トレイ63が載置され、その上へ重ねて載置されたトレイ64上の被処理物Gが、右側に隣接する準備室から仕切り扉46を経由して搬送室41内へ搬入され、チェインコンベア53によって右方から左方へ搬送される。そして、図2を参照して、搬送台62の前端部が光センサ52の素子52a、52bによって検出されると、チェインコンベア53は減速され、被処理物Gが加熱区画25の直下に位置するとチェインコンベア53は停止される。続いて、搬送台62の前端側にストッパー58が下方から突き出され、エアシリンダ54によって後端側にストッパー59が回動され持ち上げられて搬送台62が固定される。
【0041】
図1を参照し、続いて昇降用のエアシリンダ81が起動されてロッド82が上昇され昇降蓋76と支柱73を上昇させる。支柱73は搬送台62の大径穴62hおよび中間トレイ63の中径穴63hを挿通してトレイ64の底面に当接し、これを支持し持ち上げて被処理物Gを熱処理室11の挿入開口16から円筒状リフレクタ24の開口26を経て加熱区画25内へ挿入する。その途中において、昇降蓋76の外周縁部の円環状凸部76rが搬送台62の大径穴62hを挿通し、続いてフッ素ゴム製O−リング79を介して中間トレイ63の底面を支持し持ち上げる。そして、図3に示すように、被処理物Gが加熱区画25内の所定の位置へ挿入されると共に、図4に詳細を示すように、昇降蓋76の円環状凸部76rがOリング79を介して中間トレイ63を支持した状態において、中間トレイ63がフッ素ゴム製O−リング19を介して熱処理室11の円環状底部15の下面と当接して押圧されることにより、熱処理室11の挿入開口16が中間トレイ63と昇降蓋76とによって密閉される。
【0042】
次いで、図3、図5に示すように、エアシリンダ31、31’によって可動リフレクタ34、34’が両側から閉じられ、円筒状リフレクタ24の挿入開口26の直下が可動リフレクタ34、34’と支柱部リフレクタ74とによって熱的に閉じられる。そして、加熱区画25の篭型ヒータ−22に三相交流が通電されて、例えば、高温度熱処理の場合には1800℃〜2000℃の温度、±10℃以内の温度精度で加熱され、熱処理室11は最高10-4Paの真空度まで真空排気される。この真空熱処理時、熱処理室11は密閉されているので排気能力の小さい真空ポンプを使用しても所定の真空度まで容易に排気することができる。そして、被処理物Gから放出されるガスがある場合、そのガスは真空ポンプによってその排気ラインへ除去される。また、円筒状リフレクタ24が熱的に閉じられているので、上記のような温度精度での加熱が可能であるほか、加熱区画25からの輻射熱が効果的に遮蔽されることから、図4に示した熱処理室11の挿入開口16を密閉する中間トレイ63と昇降蓋76の温度上昇が防がれ、これらは水冷されていることもあって、フッ素ゴム製のOリング19、79は劣化することなく長期間にわたってシール性を発揮する。また、中間トレイ63や昇降蓋76の材料に高価な耐熱性金属のタングステンやモリブデンを必要とせず、一般的なステンレス鋼の使用が可能となりコストを低下させる。
【0043】
被処理物Gから例えばワックスをガスとして除去する場合、また不活性ガス中で熱処理を行うことが必要な場合には、上記の真空熱処理時に、不活性ガス導入管29のノズル29nから例えばアルゴンガスが導入される。勿論、アルゴンガスに替えてヘリウムガスを導入してもよく、場合によっては窒素ガス、その他を導入してもよい。アルゴンガスの導入は熱処理室11内における被処理物Gからの放出ガス成分の分圧を低下させるので、脱ガスが効果的に進行させる。また、不活性ガス中での熱処理は被処理物Gの加熱劣化を抑制する。この不活性ガスを吹き込む場合にも、熱処理室11は密閉されており、アルゴンガスが搬送室41へ流れ込むことはないので、アルゴンガスの消費量が節減される。
【0044】
所定の真空熱処理時間が経過すると、篭型ヒータ22への通電が停止され、不活性ガスが使用されている場合には吹き込みも停止される。次いで図6に示すように、可動リフレクタ34、34’が両側方へ開かれた後、エアシリンダ81によってロッド82が若干下降されることにより、熱処理室11の円環状底部15と中間トレイ63との間に隙間ができて熱処理室11と搬送室41との圧力差が解消される。昇降蓋76は更に下降され、被処理物Gがトレイ64、中間トレイ63と共に搬送台62上へ降ろされた後、支柱73と昇降蓋76は更に最下点まで下降される。この時、搬送室41は熱処理室11と共に真空排気されるが、搬送室41の容積も小さくされているので、搬送室41は容易に高真空度に到達する。その後、搬送台62のストッパ58、59による係止が解除されて、搬送室41の左側のフランジ47の仕切り扉48が開かれ、チェインコンベア53が起動されることにより、被処理物Gは搬送台62と共に仕切り扉48を経由して左方に隣接する冷却室へ搬出される。
【0045】
すなわち、実施例1の真空熱処理装置1は、熱処理室11内に加熱区画25を画成する円筒状リフレクタ24の開口26を可動リフレクタ34、34’と支柱部リフレクタ74とによって熱的に閉じることが可能であるので、真空熱処理を高い温度精度で施すことができ、更には、熱処理室11の挿入開口16を中間トレイ63、昇降蓋76およびフッ素ゴム製O−リング19、79によって完全に密閉することが可能であるので、排気能力の小さい真空ポンプによって高真空度に排気することができるほか、真空熱処理時に不活性ガスを導入する場合にも少量のガス量で目的を達成し得る。また、搬送室41の容積が熱処理室11の容積と同程度のオーダに狭小化されているので、熱処理室11と搬送室41との連通時においても、排気能力の小さい真空ポンプによって高真空度に排気することができる。
【0046】
(実施例2)
図7は実施例1における熱処理室11と冷却室91とが上下に配置された金属焼入れ用の真空熱処理装置2の断面図である。すなわち、床面を掘り下げたピット9の段差面に支柱8が立てられており、その支柱8に冷却室91が支持されている。そして、冷却室91の天井部の連通開口94の周囲に設けられた低い円筒状のアダプタ91A上に、実施例1において使用したものと同様な構成の熱処理室11が設置されている。従って、熱処理室11と、その挿入開口16を塞ぐ昇降蓋76、および昇降蓋76に関連する各種の構成要素には実施例1の場合と同じ符号を付して、それらの説明は省略する。
【0047】
冷却室91の連通開口94はエアシリンダ93によって水平方向に往復動される円板状のゲート板93Pを備えたゲート弁92によって開閉される。また冷却室91にはファンモータ95が外付けされており、その軸に取り付けられたファン95Fが冷却室91に設けられた風洞97内において回転され、風洞97の外周には冷媒チューブ98が巻装されている。また、ファンモータ95と反対側には被処理物Jの搬入・取出扉99が取り付けられている。
【0048】
図7は搬入・取出扉99から搬入された一点鎖線で示す位置へ搬入された被処理物Jが昇降蓋76の支柱73に支持されて上昇され、連通開口94、熱処理室11の挿入開口16、円筒状リフレクタ24内の二点鎖線で示す位置へ挿入されると共に、可動リフレクタ34、34’が閉じられ、熱処理室11の挿入開口16が中間トレイ63と昇降蓋76とによって密閉された状態を示す。この状態において、最終的に真空度10-2Pa、温度1200℃とする真空熱処理が行われる。
【0049】
所定の真空熱処理が完了すると、可動リフレクタ34、34’が開かれ、昇降蓋76と共に被処理物Jが一点鎖線で示す下方の所定の位置まで下降され、ゲート弁92のゲート板93Pがエアシリンダ93によって押し出されて、冷却室91の天井部の連通開口94を閉じる。そして、冷却室91内へ例えば加圧窒素ガスが導入され、ファン95Fが回転されることにより、加圧窒素ガスは循環され冷却されるが、その加圧窒素ガスの冷風によって被処理物Jが所定の温度まで冷却されると、装入・取出扉99を解放して被処理物Jが取り出される。
【0050】
このように真空熱処理装置2においては、真空熱処理時に、可動リフレクタ34、34’と支柱部リフレクタ74とによって熱処理室11の加熱区画25からの輻射熱が遮蔽されると共に、熱処理室11の挿入開口16が、中間トレイ63と水冷の昇降蓋76、フッ素ゴム製O−リング19、79によって密閉されることにより、高い温度精度で、かつ排気能力の小さい真空ポンプによっても高い真空度で真空熱処理が行われる。
【0051】
(実施例3)
実施例1においては、熱処理室11を搬送室41とが上下に並べられ、搬送室41の両側に準備室と冷却室が配置された真空熱処理装置1を示したが、この熱処理室11と搬送室41との組み合わせを単位として連接して連続式の真空熱処理装置とすることが可能である。図8は熱処理室11と搬送室41との組み合わせの3単位が水平方向に連設され最後尾に冷却室が接続された真空熱処理装置3の断面図である。すなわち、熱処理室11は左側から順に、脱ワックス室111 、第1燒結室112 、第2燒結室113 とされ、かつ、それぞれの搬送室411 、412 、413 および冷却室414 は仕切り扉42 、43 、44 を介して接続されており、脱ワックス室111 の搬送室411 には搬入扉41 、冷却室414 には搬出扉45 が取り付けられたものである。そして、冷却室414 以外の3単位の熱処理室111 〜113 と搬送室411 〜413 は実施例1の熱処理室11、搬送室41と同様に構成されているので、主要な構成要素についてのみ符号を付してそれらの説明は省略する。
【0052】
冷却室414 には上流側の搬送室411 、422 413 におけると同様なチェインコンベア534 が設けられており、外付けされたファンモータ85によって冷却室414 の天井部のファン85Fが回転され、図示せずとも外部から導入される加圧不活性ガスを循環させる。また、冷却室414 の上部には加圧不活性ガスを冷却するための熱交換器88が設けられている。そのほか、冷却室414 には真空排気系204 が接続されている。なお、実施例1の図1に示した真空熱処理装置1における熱処理室11の可動リフレクタ34、34’は被処理物Gの流れる方向を開閉方向とするものであったが、図8の真空熱処理装置3においては、熱処理室としての脱ワックス室111 、第1燒結室112 、第2燒結室113 に冷却室414 を連接するものであるために、各熱処理室における可動リフレクタの開閉方向は被処理物Sの流れる方向とは直角な方向としている。従って、図8においては開閉を駆動するエアシリンダは図示されず、可動リフレクタ341 〜343 のみを簡略化した形で示している
【0053】
真空熱処理装置3は例えばタンタルの微粉末を樟脳のようなバインダと共に加圧成形した被処理物Sからを先ずバインダを除去し、すなわち、脱ワックスし、続いてタンタルの微粉末を燒結するような場合に使用される。すなわち、真空熱処理装置3の稼動時における真空度と加熱温度は、例えば、脱ワックス室111 は500〜600℃、102 〜10-1Pa、第1燒結室112 は1400〜1500℃、10-3Pa、第2燒結室113 は1800℃〜2000℃、10-4Paとするような条件下に被処理物Sが連続的に真空熱処理される。真空熱処理の完了後、被処理物Sは冷却室414 へ移され、10-3Pa程度の真空度において約100℃まで冷却してから、導入される圧力0.5kg/cm2 G程度のアルゴンガスが熱交換器88で冷却されファン85Fによって循環されて更に冷却される。
【0054】
このような真空熱処理装置3の脱ワックス室111 、第1燒結室112 、第2燒結室113 においては、それぞれ密閉下に脱ワックスされ、燒結されるので、それぞれの真空排気系201 、202 、203 は排気能力が大きくなくとも所定の真空度を得ることが可能である。また、密閉されているので例えば脱ワックス中における搬送室411 のワックスによる汚染、ないしは搬送室411 と連通されることによる搬送室412 のワックスによる汚染が防がれるので、その汚染に基づく燒結製品の品質劣化が解消される。
【0055】
本実施の形態による真空熱処理装置は以上のように構成され作用するが、勿論、本発明はこれらに限られることなく、本発明の技術的思想に基づいて種々の変形が可能である。
【0056】
例えば本実施の形態においては、加熱区画25を円筒状リフレクタ24によって画成したが、角筒状リフレクタを採用してもよい。
また本実施の形態においては、被処理物と支持する昇降蓋をエアシリンダ81によって昇降するロッド82によって昇降させるものとしたが、エアシリンダ以外の機構、例えばボールねじ機構によってによってロッドを昇降させるようにしてもよい。
また本実施の形態の実施例2においては、熱処理室11と窒素ガスの冷風による冷却室91とが上下に配置された例を示したが、ガスによる冷却室に替えて、被処理物を油中に浸漬して冷却するような冷却室を設けてもよい。
また実施例1においては、搬送機構の中間トレイ63を昇降蓋76の円環状凸部76rによって上昇させる場合を示したが、円環状凸部76rではなく、全く別な機構によって中間トレイ63を上昇させるようにしてもよい。
【0057】
また実施例1においては、昇降蓋76に伴われて上昇する搬送機構の中間トレイ63と、昇降蓋76とによって熱処理室11の挿入開口16を密閉する場合を説明したが、搬送台62に中間トレイ63を持たない真空熱処理装置とすることも可能である。例えば、実施例1とは異なる搬送機構において、実施例1の中間トレイ63を二つ割りにして両側方への開閉を可能とした可動支持部材63a’、63b’によってトレイ64を支持し、実施例1の中間トレイ63と昇降蓋76とを一体化させた形状の昇降蓋76’に設けられた実施例1と同様な支柱73の先端が搬送機構上のトレイ64の底面に当接して上昇し始める同時に、円環状支持部材63a’、63b’を両側方へ移動させ、それらの間を昇降蓋76’が通過し上昇するようにしてもよい。この例では、熱処理室11の環状底部15の下面または昇降蓋76’の外周縁部の上面に、環状シーリング材、例えばフッ素ゴム製0−リングが設けられる。所定の真空熱処理の完了後、昇降蓋76’が下降され離隔された円環状支持部材63a’、63b’の間を通過した時点で円環状支持部材63a’、63b’を閉じることにより、昇降蓋76’とその支柱73はトレイ64を円環状支持部材63a’、63b’上に残して最下点まで下降される。可動リフレクタ34、34’が実施例1の場合と同様に設けられることは言うまでもない。勿論、これ以外の機構であってもよい。
【0058】
【発明の効果】
本発明の真空熱処理装置は以上に説明したような形態で実施され、次に述べるような効果を奏する。
【0059】
請求項1の真空熱処理装置によれば、熱処理室の挿入開口が環状シーリング材を介する昇降蓋によって密閉され、熱処理室の真空排気に際して搬送室または冷却室は排気されないので、排気能力の小さい真空ポンプを使用しても所定の高真空度が得られ、真空熱処理装置の製造コスト、ランニングコストを低下させる。また、可動リフレクタと支柱部リフレクタによって筒状リフレクタの開口が熱的に閉じられるので、加熱区画内で温度精度の高い真空熱処理が可能となるほか、輻射熱が遮蔽される部分においては高価な耐熱性金属に替えて一般的な鉄鋼材、ステンレス鋼材を採用することを可能にし、この面からも真空熱処理装置の製造コストを低下させる。
【0060】
請求項2の真空熱処理装置によれば、熱処理室の挿入開口が昇降蓋と搬送機構の中間プレートとによって密閉され、その密閉は位置的に上下となる環状シーリング材(1)と環状シーリング材(2)とを介して行われるので、密閉が簡易にかつ確実に行われるほか、昇降蓋に若干の傾きがある場合にも、その傾きを吸収して確実に密閉される。従って、熱処理室の真空排気に際して搬送室または冷却室は排気されないので、排気能力の小さい真空ポンプを使用しても所定の高真空度が得られ、真空熱処理装置の製造コスト、ランニングコストを低下させる。また、可動リフレクタと支柱部リフレクタによって筒状リフレクタの開口が熱的に閉じられるので、加熱区画内で温度精度の高い真空熱処理が可能となるほか、輻射熱が遮蔽される部分においては高価な耐熱性金属に代えて一般的な鉄鋼材、ステンレス鋼材を採用することを可能にし、この面からも真空熱処理装置の製造コストを低下させる。
【0061】
請求項3の真空熱処理装置によれば、熱処理室の加熱区画への被処理物の挿入と、熱処理室の密閉と、加熱区画からの輻射熱の遮蔽とを同時に行うことを可能し、被処理物の真空熱処理操作が合理化され、真空熱処理のランニングコストを削減すると共に生産性を向上させる。
【0062】
請求項4の真空熱処理装置によれば、可動リフレクタと支柱部リフレクタとによる加熱区画からの輻射熱の遮蔽に加えて、冷却手段によって熱処理室の環状底板と昇降蓋との温度上昇が防がれるので、それらより下方の構造材料に耐熱性金属を不要とし、それらの間に介装させる環状シーリング材(1)、(2)として繰り返しの使用に耐え、長期間にわたって優れたシール性を保持するゴム製O−リングの使用を可能として、真空熱処理装置の製造コスト、ランニングコストを大幅に低下させる。また、可動リフレクタの温度上昇が防止され歪みの発生が抑制されるので、可動リフレクタの円滑は開閉が長期にわたって保証される。
請求項5の真空熱処理装置によれば、可動リフレクタが平板状で閉時には支柱部リフレクタの外周に対応する位置まで移動されて環状体を形成し、開時には分割されて側方へ移動されるものであり、その設置によって熱処理室の容積の大きく増大させないので、熱処理室の排気に能力の大きい真空ポンプを必要とせず、可動リフレクタを設置したことによる製造コスト、ランニングコストを上昇させない。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1の真空熱処理装置の断面図であり、被処理物が下方にある状態を示す。
【図2】図1における[2]−[2]線方向の断面図である。
【図3】図1と同様な断面図であり、被処理物が熱処理室内へ挿入された状態を示す。
【図4】図3の部分拡大図であり、中間トレイと昇降蓋とによる熱処理室の密閉状態を示す。
【図5】図3における[5]−[5]線方向の断面図であり、可動リフレクタが閉じられた状態を示す。
【図6】図5と同様な断面図であり、可動リフレクタが開かれた状態を示す。
【図7】実施例2の真空熱処理装置の熱処理室と搬送室の断面図である。
【図8】実施例3の真空熱処理装置の断面図である。
【図9】従来例1の真空熱処理装置の断面図である。
【図10】従来例2の真空熱処理装置の断面図である。
【図11】従来例3の真空熱処理装置の断面図である。
【符号の説明】
1 真空熱処理装置
11 熱処理室
15 円環状底部
16 挿入開口
19 フッ素ゴム製O−リング
24 円筒状リフレクタ
25 加熱区画
26 開口
29 不活性ガス導入管
34 可動リフレクタ
34’ 可動リフレクタ
41 搬送室
53 チェインコンベア
62 搬送台
63 中間トレイ
64 トレイ
73 支柱
74 支柱部リフレクタ
79 フッ素ゴム製O−リング
81 エアシリンダ
82 ロッド

Claims (5)

  1. 真空排気可能な熱処理室と、
    前記熱処理室と挿入開口を介して接合された搬送室または冷却室と、
    前記熱処理室の内部に加熱区画を形成し下方に開口を有する筒状リフレクタと、
    前記搬送室または前記冷却室内に配置され、被処理物を積載したトレイを搬送する搬送機構と、
    前記トレイを下方から支持する1本または複数本の支柱を備え、上昇されて被処理物を前記加熱区画内へ挿入すると共に前記挿入開口を塞ぐ昇降蓋と、
    前記支柱に前記昇降蓋と平行に設けられた複数の支柱部リフレクタと、
    前記筒状リフレクタの下方に位置し、前記支柱部リフレクタの存在下に、前記筒状リフレクタの前記開口を熱的に閉じるように作動する可動リフレクタと、
    前記昇降蓋の上面の前記支柱より外側となる外周縁部、または前記熱処理室の前記挿入開口を形成する環状底板の下面に設けられた環状シーリング材と、から構成される
    ことを特徴とする真空熱処理装置。
  2. 真空排気可能な熱処理室と、
    前記熱処理室と挿入開口を介して接合された搬送室または冷却室と、
    前記熱処理室の内部に加熱区画を形成し下方に開口を有する筒状リフレクタと、
    前記搬送室または前記冷却室内に配置され、被処理物が積載されるトレイおよび前記トレイを支持し搬送する中間トレイを備えた搬送機構と、
    前記トレイを下方から支持する1本または複数本の支柱を備え、上昇されて被処理物を前記加熱区画内へ挿入し、上昇される前記中間トレイと共に前記熱処理室の前記挿入開口を塞ぐ昇降蓋と、
    前記支柱に前記昇降蓋と平行に設けられた複数の支柱部リフレクタと、
    前記筒状リフレクタの下方に位置し、前記支柱部リフレクタの存在下に、前記筒状リフレクタの前記開口を熱的に閉じるように作動する可動リフレクタと、
    前記昇降蓋の上面の前記支柱より外側となる外周縁部に設けられた環状シーリング材(1)と前記熱処理室の前記挿入開口を形成する環状底板の下面に設けられた環状シーリング材(2)と、から構成される
    ことを特徴とする真空熱処理装置。
  3. 前記昇降蓋が前記中間トレイを伴って上昇され、被処理物を前記加熱区画内へ挿入すると共に、前記環状シーリング材(1)によって前記昇降蓋と前記中間トレイとをシールし、同時に前記環状シーリング材(2)によって前記中間トレイと前記環状底板とをシールして前記熱処理室を密閉し、かつ前記可動リフレクタと前記支柱部リフレクタとによって前記筒状リフレクタの前記開口を熱的に閉じて、前記加熱区画が真空下に加熱され被処理物が真空熱処理される
    請求項2に記載の真空熱処理装置。
  4. 前記熱処理室の前記環状底板と前記昇降蓋と前記可動リフレクタとに冷却手段を有する
    請求項2または請求項3に記載の真空熱処理装置。
  5. 前記可動リフレクタが分割可能な平板状に形成されており、閉時には前記支柱部リフレクタの外周に対応する位置まで移動されて環状体を形成し、開時には分割されて側方へ移動される
    請求項2から請求項4までの何れかに記載の真空熱処理装置。
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