JP3526980B2 - 真空・ガス雰囲気熱処理炉 - Google Patents

真空・ガス雰囲気熱処理炉

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JP3526980B2
JP3526980B2 JP23078695A JP23078695A JP3526980B2 JP 3526980 B2 JP3526980 B2 JP 3526980B2 JP 23078695 A JP23078695 A JP 23078695A JP 23078695 A JP23078695 A JP 23078695A JP 3526980 B2 JP3526980 B2 JP 3526980B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は被処理物を真空中で又は
ガス雰囲気中で熱処理するための熱処理炉に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術及びその問題点】焼結部品のような被処理
物は予熱室、脱ガス室、焼結室などの内部へ順に挿入し
て、真空中で又は所定のガス雰囲気中において熱処理さ
れる。
【0003】(第1従来例)図4は従来のローラコンベ
ヤ式の真空・ガス雰囲気熱処理炉100の全体を示す縦
断面図であり、それぞれに入口107と出口108とを
備えた準備室110、これと同様な脱ガス室120、焼
結室130、及び冷却室140が連接されており、各室
はそれぞれに真空排気系を持ち、かつアルゴン、窒素な
どの不活性ガスが導入可能になっている。また、冷却室
140には電動機141で駆動されるファン142と冷
却器143が設けられている。被処理物101は搬送台
103上にトレイ102と共に載置され、各室内に設け
られたローラ104上を図4において左方から右方へ搬
送される。トレイ102、搬送台103、およびローラ
104は耐熱性のカーボンまたはカーボン系の材料であ
るCCM(カーボン繊維主体の成型品の商品名)で形成
されている。また、準備室110、脱ガス室120、焼
結室130の下方にはエアシリンダ105が設けられて
おり、熱処理の間、被処理物101はトレイ102、搬
送台103と共に各室の底面を挿通するエアシリンダ1
05のピストンロッド106によって持ち上げられてロ
ーラ104から上方へ離隔され、ローラ104は熱変形
するのを防ぐために常時回転される。または、ローラの
耐荷重及び熱変形を無視して被処理物はローラ上に置か
れる。
【0004】第1従来例のローラコンベヤ式の真空・ガ
ス雰囲気熱処理炉100では、ローラ104が加熱ゾー
ン内にあるので、ローラ104まで高温度に加熱するこ
とになり熱エネルギ的に不経済であるほか、同一材料の
搬送台103がローラ104上を搬送されることにより
双方の摩耗が大きい。また、トレイ102、搬送台10
3は冷却室140から大気中へ搬出され、次に準備室1
10へ搬入されるまでの間は大気に接触しており、材料
がカーボンまたはカーボン系のCCMであるため大気中
の水分を吸着し、準備室110へ搬入され加熱された時
に大量のガスを放出するので、大容量の真空排気系を必
要とするほか、被処理物101の熱処理にも悪影響を及
ぼす。また、その熱処理は大気中の湿度の影響を受け易
い。
【0005】(第2従来例)ローラコンベヤ式とは異な
り、局部加熱室を設けてローラを加熱ゾーンから分離す
る方式が実公平4−24397号、特公平5−1747
2号、特公平6−33940号の各公報に開示されてい
る。例えば、特公平6−33940号公報に係る「局部
加熱室を有する真空炉」の実施例においては、真空炉の
一部を構成する図5のような脱ワックス室204が示さ
れている。すなわち、局部加熱室230は取付具231
によって真空容器202に取り付けられており、その内
部には充分な空間を有して下面は開放されている。局部
加熱室230は例えば黒鉛等の断熱材料で形成され、し
かもフェルト状に形成されて通気性を有している。局部
加熱室230内には電熱線232が取り付けられてい
る。
【0006】局部加熱室230内には区画容器233が
配設され、その内部には被処理物256を存置させるに
充分な空間を有し、下面は開放されている。区画容器2
33はガスの流通を実質上阻止する材料で形成される。
例えば局部加熱室230内の温度が上限で1150℃程
度までの場合には周知の耐熱性の金属材料が用いられ、
それ以上の場合にはセラミックスやカーボンが用いられ
る。区画容器233は局部加熱室230の下方への延出
部233aを有し、取付片234で真空容器202に固
定した受片235に着脱自在に止着されている。区画容
器233内には断熱材で内鍔状に形成された受部材23
6が取り付けられており、延出部233aの下端にはフ
ランジ237が周設状に止着されている。また、局部加
熱室230の下方には上昇手段238が設けられてお
り、真空容器202の底部大気側に取り付けたシリンダ
のピストンロッドを以って構成され、先端に受座241
が固定されている。上昇手段238は搬送ローラ220
上を搬送されてきた台250を上昇させ下降させる。
【0007】被処理物256は台250に乗載される。
台250には区画蓋257が取り付けられ、ガスの流通
を実質上阻止する材料で形成されている。また、その面
積は区画容器233における下面の開放部を塞ぐに充分
な大きさであり、周囲にはフランジ237に密着させる
ためのシール用のリングが備わっている。区画蓋257
の上面から耐熱材料製の支柱252が立設されており、
上端には被処理物256を支えるための受桟253が備
わっている。支柱252の中間部には通気性のある耐熱
材料製の閉塞板254が取り付けられており、その上面
には局部加熱室230と同様の断熱材255が備えられ
ている。上記の断熱材255付き閉塞板254は局部加
熱室230を熱的に密閉できるよう、自体の周縁上面が
受部材236の下面に当接できるようになっている。
【0008】そして、その作用を説明するに、真空状態
にある脱ワックス室204の搬送ローラ220に至った
台250は上昇する上昇手段238の受座241によっ
て持ち上げられる。受桟253に乗っている被処理物2
56は図5に示すように、局部加熱室230内における
区画容器233内の存置空間に位置する。また、閉塞板
254は局部加熱室230の下面の開放部を閉ざし、区
画蓋251は区画容器233の下面の開放部を閉ざす。
【0009】その後、電熱線233に通電がなされ、そ
れから放射される輻射熱によって被処理物256が所定
時間、所定の温度で加熱される。加熱が完了すれば、上
昇手段238が下降せられて、被処理物256を乗せた
台250は実線位置から一点鎖線で示すように搬送ロー
ラ220に載せられ、同様に構成されている次の焼結室
へ搬送される。
【0010】第2従来例においては、搬送ローラ220
が加熱ゾーンから分離されたことによって、搬送ローラ
220に高温対策が不要となり、不必要な箇所を加熱し
ないのでエネルギ効率も向上されるが、なお、熱処理に
障害となる水分等の吸着の点でいまだ問題が残されてい
る。すなわち、被処理物256のキャリヤを構成する台
250は搬送ローラ220と同一材料のカーボンまたは
カーボン系材料で作成され、他の構成材料である支柱2
52、受桟253、閉塞板254も耐熱材料としてカー
ボン系材料で形成されることが多い。また、閉塞板25
4の上面の断熱材料255は局部加熱室230と同じ黒
鉛が使用される。これらカーボン系の材料は大気中へ搬
出された時には容易に大量の水分を吸着するので、再度
の使用時に大量のガスを放出し、大容量の真空排気系を
必要とする。更には、最も決定的な弱点は局部加熱室2
30内へ挿入される断熱材料255、受桟253、およ
び支柱252の一部はキャリヤとして大気中に搬出さ
れ、断熱材料255は特に水分を吸着するので、再び局
部加熱室230内で真空下に加熱された時にガスを放出
し、被処理物256の熱処理の品質を極度に低下させて
しまうことにある。
【0011】
【発明が解決しようとする問題点】本発明は上述の問題
に鑑みてなされ、真空下またはガス雰囲気下の熱処理時
にガス放出量が小さく、大容量の真空排気系を必要とし
ない真空・ガス雰囲気熱処理炉を提供することを目的と
する。また、被処理物についての高品質の熱処理が可能
な真空・ガス雰囲気熱処理炉を提供することを目的とす
る。
【0012】
【問題点を解決するための手段】以上の目的は、一端部
に被処理物の入口、他端部に出口が設けられ、内部には
前記入口から前記出口に至る連接された前記被処理物の
搬送機構を有し、かつ開閉扉によって画成された複数の
区画からなる横型の搬送室と、前記区画の上部にそれぞ
れ挿入用開口を介して設けられた単数または複数の熱処
理室と、該熱処理室それぞれの下方に設けられ前記搬送
機構上にある前記被処理物を上昇させて前記挿入用開口
から前記熱処理室内へ挿入し、かつ前記挿入用開口を塞
ぐ昇降機構とからなる真空・ガス雰囲気熱処理炉におい
て、前記被処理物は前記昇降機構が挿通可能な開口を有
する搬送台の開口上に重ねて設置され開口を有するトレ
イ受台上にトレイと共に載置されて前記搬送機構で搬送
され、前記昇降機構は前記搬送台の開口内を昇降される
金属製の昇降台と、前記トレイ受台の開口内を昇降可能
に前記昇降台上に立設され前記トレイを支持するための
複数の支柱と、前記昇降台の前記トレイ側に設けられた
断熱材とからなり、前記昇降台と一体的な前記支柱が上
昇され前記被処理物を前記トレイと共に支持して前記挿
入用開口から前記熱処理室内へ挿入する時に、前記昇降
台が上昇時に同伴する前記トレイ受台と共に前記挿入用
開口を塞ぐように構成されており前記出口から大気側
へ搬出され、循環されて、前記入口から前記真空・ガス
雰囲気熱処理炉内へ搬入され繰り返し使用される前記搬
送台、前記トレイ受台、および前記トレイが金属製とさ
れていることを特徴とする真空・ガス雰囲気熱処理炉に
よって達成される。
【0013】
【作用】熱処理の完了後に大気中へ搬出される搬送台、
トレイ受台、トレイは何れも金属製であり、水分の吸着
はカーボン系の材料に比して僅かであり、かつ、被処理
物と共に熱処理室内へ挿入される構成部品のうち、熱処
理完了後に大気中へ搬出されるのは金属製のトレイのみ
で、支柱、水分を吸着し易い断熱材は常に搬送室内にあ
り、大気中に搬出されないので水分を吸着せず、ガス放
出源にはならない。従って、高い品質の熱処理が可能と
なる。
【0014】
【実施例】以下、本発明の実施例による真空・ガス雰囲
気熱処理炉について、図面を参照して説明する。
【0015】図1は真空・ガス雰囲気熱処理炉10の側
面図であり、搬送室5の一端に被処理物Hの搬入口6、
他端に搬出口9が設けられている。上部には予熱室1と
脱ガス室2、焼結室3が設けられ、搬送室5は予熱室1
と脱ガス室2との中間位置、及び焼結室3の下流側位置
において開閉扉7、8によって気密に仕切られる搬送室
1 、搬送室52 、及び冷却室4に画成されている。ま
た、予熱室1、脱ガス室2、焼結室3、及び搬送室5
1 、搬送室52 、冷却室4はそれぞれ真空排気系に接続
されており、かつ予熱室1、搬送室51 、冷却室4には
アルゴンガス(Ar)と窒素ガス(N2 )の導入配管が
接続され、脱ガス室2、焼結室3にはアルゴンガスの導
入配管が接続されている。また、搬入口6を持つ搬送室
1 と搬出口9を持つ冷却室4は図示せずとも大気の導
入が可能になっている。
【0016】搬送室5内にはチェインベルト221 、2
2 、223 、224 が連接されており、搬入口6から
搬入される被処理物Hを搬送する。更には、予熱室1、
脱ガス室2、焼結室3の下方にはチェインベルト22
1 、222 、223 上に停止した被処理物Hを上方へ持
ち上げるためのエアシリンダ411 、412 、413
設けられている。予熱室1、脱ガス室2、焼結室3はほ
ぼ同様に構成されているので、予熱室1を図2、図3に
示す。すなわち、図2は予熱室1の縦断面図であり、図
3は図2における[3]−[3]線方向の断面図であ
る。
【0017】予熱室1は搬送室5の頂部に設けられた開
口5hの上に設置され、予熱室1の底板13aには搬送
室5と連通する開口が形成されている。予熱室1内には
被処理物Hを収容する熱処理室11が断熱材12によっ
て画成されている。なお、予熱室1の頂部の鏡板と断熱
材12の天井部は取りはずし可能とされており、内部の
点検、修理を容易ならしめている。断熱材12の下端部
は底板13aの内周に接して被処理物Hを挿入する開口
部13が形成されている。また、熱処理室11内には加
熱のための電熱ヒータ14が取り付けられており、所定
の温度に加熱する。
【0018】図3も参照して、搬送室5内には電動機2
1によって駆動されるチェインベルト22が駆動スプロ
ケット23と従動スプロケット24に巻装されており、
トレイ受台32を介して搬送台33に積載されているト
レイ31上の被処理物Hを搬送する。すなわち、搬送台
33は中央部に円形の開口34を設けた正方形の板状を
しており、搬送台33の開口34上に重ねて円環状のト
レイ受台32の外周部が置かれ、トレイ受台32の内周
部に被処理物Hを載置するトレイ31の外周部が置かれ
ている。そして、搬送台33は搬送方向へ向かって左右
の両端部でチェインベルト22に係合されて搬送され
る。搬送台33の両側にはガイド板25が設置されてい
る。また、搬送台33が予熱室1の直下に停止した時
に、位置を固定させるためのストッパ26が搬送台33
の前後に設けられており、駆動源27によって回動され
て一点鎖線で示す寝た姿勢の解除ポジションと実線で示
す立った姿勢の停止ポジションを取る。なお、チェイン
ベルト22の下流側に設けられているロール28は搬送
台33の脱ガス室2への送り込みを介助する。
【0019】予熱室1の下方、搬送室5の外側底面には
昇降装置としてのエアシリンダ41が設置されており、
そのピストンロッド42がシール部材43を通して搬送
室5内へ貫通され、先端に昇降台44が取り付けられて
いる。昇降台44は搬送台33の円形の開口34を挿通
可能な面形状を有し、昇降台44の上面には被処理物H
を載置するトレイ31を支持するための金属製の4本の
支柱45がトレイ受台32の円環内を挿通可能に立設さ
れている。また、昇降台44の上面と支柱45の中間部
には熱処理室11を画成する断熱材12と同一の断熱材
46、47が取り付けられている。
【0020】そして、エアシリンダ41によって昇降台
44が上昇される時、昇降台44は搬送台33の円形の
開口34を挿通したあとトレイ受台32を伴って上昇
し、支柱45はトレイ受台32の円環内を挿通して上昇
するが、被処理物Hが熱処理室11内へ挿入された時
に、昇降台44はトレイ受台32と共に開口部13を塞
ぎ、断熱材46、47が熱処理室11の断熱材12と共
に被処理物Hの周囲を覆い、かつ開口部13を断熱する
ようになっている。なお、この時、昇降台44とトレイ
受台32との間はメタルコンタクトまたはシーリング材
48によって、また、トレイ受台32と予熱室1の底板
との間はメタルコンタクトまたはシーリング材49によ
って気密にシールされ、予熱室1の底板上は冷却水の通
路19とされて、シール箇所を冷却するようになってい
る。そして、密閉された状態で予熱室1は図示しない真
空排気系により10-5Torrの圧力まで排気される。
【0021】予熱室1に続く脱ガス室2、焼結室3は圧
力200〜10-2Torrの減圧下、温度1150℃程
度に加熱されるが、前述したように基本的には予熱室1
と同様に構成されているので、それらの説明は省略す
る。冷却室4は電動機51によってファン52を回転さ
せ、内部の加圧ガスを熱交換器53によって冷却し被処
理物Hに吹き付けて冷却するようになっている。
【0022】実施例の真空・ガス雰囲気熱処理炉10は
以上のように構成されるが、次にその作用について説明
する。
【0023】図1を参照し、真空・ガス雰囲気熱処理炉
10の運転は、搬入口6を開け、開閉扉7、8、搬出口
9を閉じた状態で、予熱室1と搬送室51 とを大気圧と
し、脱ガス室2、焼結室3とその下方の搬送室52 と冷
却室4とを真空として開始される。被処理物Hを積載し
た搬送台33が搬入口6から搬送室51 へ搬入され、搬
入口6が閉じられて搬送室51 と予熱室1とが真空排気
される。これと同時に、図2、図3を参照し、搬送台3
3はチェインベルト221 に係合されて予熱室1の直下
に至り、ガイド板25に挟持された状態で停止され、ス
トッパ26が立てられて、図2の一点鎖線で示す位置に
固定される。
【0024】この状態において、エアシリンダ41が作
動されピストンロッド42が上昇して、立設されている
支柱45と共に昇降台44が上昇され、支柱45はトレ
イ受台32の円環内を挿通し、トレイ31の底面に当接
してこれを持ち上げる。これに遅れて昇降台44は搬送
台33の円形の開口34を挿通し、トレイ受台32を持
ち上げ同伴して上昇され、トレイ受台32と昇降台44
とが予熱室1の開口部13を塞いで停止される。このよ
うにして予熱室1が密閉され、トレイ31に載置されて
いる被処理物Hが熱処理室11内に挿入される。
【0025】その後、電熱ヒータ14に通電されて、例
えば真空度10-5Torr、温度800℃に加熱され
る。所定の時間が経過後、エアシリンダ41によって昇
降台44が下降され、被処理物Hを載置したトレイ31
はトレイ受台32と共に再び搬送台33上に積載され
る。そして、搬送室51 の開閉扉7が開けられ、ストッ
パ26が解除されてチェインベルト221 が駆動され、
搬送台33は被処理物Hを積載して、次の搬送室52
向けて搬送される。
【0026】搬送台33が搬送室52 へ搬入されると開
閉扉7は閉じられ、チェインベルト222 によって脱ガ
ス室2の直下に停止され位置決めされると、エアシリン
ダ412 によって昇降台442 が上昇され、前記の予熱
室1の場合と同様、脱ガス室2の熱処理室11内で被処
理物Hが例えば10-2Torrの真空下で所定の時間、
1000℃に加熱され脱ガスされる。同様にして、焼結
室3では例えば10-2Torrの真空下に被処理物Hが
所定の時間、1150℃に加熱されて焼結される。そし
て、焼結が完了すると、開閉扉8が開けられ、被処理物
Hを積載した搬送台33はチェインベルト223 からチ
ェインベルト224 へ移って冷却室4へ搬送され、開閉
扉8は閉じられる。その後、冷却ガスが例えば1.9k
g/cm2 Gの圧力に導入され、ファン52と冷却器5
3の作動によって被処理物Hが冷却される。所定の温度
まで冷却されると、冷却室4は大気圧とされ、搬出口9
が開かれて、被処理物Hは搬送台33、トレイ受台3
2、トレイ31と共に大気中へ搬出される。
【0027】すなわち、実施例の真空・ガス雰囲気熱処
理路10においては、図2を参照して、熱処理室11内
へ挿入される構成部材のうち、搬送室5から搬出されて
長時間大気に接触するのは水分吸着量の小さい金属製の
トレイ31のみであり、トレイ31を支える支柱45、
水分を吸着し易い断熱材46、47は常に搬送室5内に
あり大気中へ搬出されることはないので水分を吸着せ
ず、従って、これらが被処理物Hと共に熱処理室11へ
挿入され減圧下に加熱されてもガスを殆ど放出しない。
また、トレイ31のほか、搬送室5から大気中へ搬出さ
れる搬送台33、トレイ受台32のすべてを金属製とし
て水分の吸着を極力抑制していることもあり、熱処理中
にガスが殆ど放出されないので、被処理物Hの熱処理の
品質が極めて向上する。更には、搬送機構のローラ10
4が加熱ゾーン内に存在する第1従来例に比して、実施
例の搬送機構は熱処理室11と隔離されているので温度
が上昇せず、そのため消耗し難くかつ搬送精度が高い。
従ってまた、チェインベルト22のような極めてシンプ
ルな搬送機構を採用し得る。
【0028】以上、本発明の実施例について説明した
が、もちろん、本発明はこれに限られることなく、本発
明の技術的思想に基いて種々の変形が可能である。
【0029】例えば、本実施例では、被処理物Hを大気
中から直接に予熱室1と一体的な搬送室51 へ搬入した
が、大気との遮断をより高めるように搬送室51 の前に
予備真空室を設けるようにしても良い。
【0030】また、本実施例では、熱処理室11の開口
部13を塞さぐシールリング48、49を採用したが、
メタルエッジでシールするようにしてもよい。また、熱
処理室11の加熱に電熱ヒータ14を採用したが、これ
以外の500〜1000℃の温度に耐え、かつ不純物を
放出しないものである限りにおいて、如何なる加熱源を
採用してもよい。また、本実施例では、搬送機構にチェ
インベルト22を採用したが、ローラコンベヤも採用し
得る。
【0031】また本実施例においては、真空・ガス雰囲
気熱処理炉に導入するガスをアルゴン、窒素としたが、
必要に応じてこれ以外のガスを導入してもよい。また、
本実施例においてはトレイ31、トレイ受台32等を円
形状としたが方形状としてもよい。
【0032】
【発明の効果】以上述べたように、本発明の真空・ガス
雰囲気熱処理炉によれば、熱処理室へ挿入される構成部
品のうち、搬送室から搬出されて大気に長時間接触する
のは金属製のトレイのみであり、支柱、断熱材は常に搬
送室内にあるので水分を吸着せず、従って被処理物と共
に熱処理室内で真空下に加熱されても放出するガス量は
極めて少なく、また、上記トレイのほか、搬送室から大
気中へ搬出される搬送台、トレイ受台の全てを金属製と
し水分の吸着を極力少なくするようにしていることも相
俟って、極めて品質の高い熱処理が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例の真空・ガス雰囲気熱処理炉の縦断面図
である。
【図2】実施例における予熱室の縦断面図である。
【図3】図ににおける[3]−[3]線方向の断面図で
ある。
【図4】第1従来例の縦断面図である。
【図5】第2従来例における脱ワックス室の縦断面図で
ある。
【符号の説明】
1 予熱室 2 脱ガス室 3 焼結室 4 冷却室 5 搬送室 10 真空・ガス雰囲気熱処理炉 11 熱処理室 12 断熱材 22 チェインベルト 31 トレイ 32 トレイ受台 33 搬送台 41 エアシリンダ 44 昇降台 45 支柱 46 断熱材 47 断熱材 H 被処理物
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−87461(JP,A) 特開 平6−58678(JP,A) 特開 昭63−273782(JP,A) 実開 平3−3698(JP,U) 実開 平6−73692(JP,U) 実開 平6−10795(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F27B 9/02 F27B 9/04 F27B 9/10 F27B 9/30

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一端部に被処理物の入口、他端部に出口
    が設けられ、内部には前記入口から前記出口に至る連接
    された前記被処理物の搬送機構を有し、かつ開閉扉によ
    って画成された複数の区画からなる横型の搬送室と、前
    記区画の上部にそれぞれ挿入用開口を介して設けられた
    単数または複数の熱処理室と、該熱処理室それぞれの下
    方に設けられ前記搬送機構上にある前記被処理物を上昇
    させて前記挿入用開口から前記熱処理室内へ挿入し、か
    つ前記挿入用開口を塞ぐ昇降機構とからなる真空・ガス
    雰囲気熱処理炉において、 前記被処理物は前記昇降機構が挿通可能な開口を有する
    搬送台の開口上に重ねて設置され開口を有するトレイ受
    上にトレイと共に載置されて前記搬送機構で搬送さ
    れ、前記昇降機構は前記搬送台の開口内を昇降される金
    属製の昇降台と、前記トレイ受台の開口内を昇降可能に
    前記昇降台上に立設され前記トレイを支持するための複
    数の支柱と、前記昇降台の前記トレイ側に設けられた断
    熱材とからなり、前記昇降台と一体的な前記支柱が上昇
    され前記被処理物を前記トレイと共に支持して前記挿入
    用開口から前記熱処理室内へ挿入する時に、前記昇降台
    が上昇時に同伴する前記トレイ受台と共に前記挿入用開
    口を塞ぐように構成されており前記出口から大気側へ
    搬出され、循環されて、前記入口から前記真空・ガス雰
    囲気熱処理炉内へ搬入され繰り返し使用される前記搬送
    台、前記トレイ受台、および前記トレイが金属製とされ
    ていることを特徴とする真空・ガス雰囲気熱処理炉。
  2. 【請求項2】 前記搬送機構が前記搬送室内の少なくと
    も前記熱処理室それぞれの直下となる位置に配置され、
    前記被処理物が載置された前記搬送台を搬送するチェイ
    ンベルトとその駆動源とからなる請求項1に記載の真空
    ・ガス雰囲気熱処理炉。
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