JP5901453B2 - 樹脂識別装置および方法 - Google Patents

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Description

この発明は、樹脂のリサイクル技術に関し、特に、リサイクル樹脂を光学的手法により組成ごとに分析して識別する樹脂識別装置および方法に関するものである。
一般に、廃家電における樹脂のリサイクルにおいて、樹脂を手で解体できる部分は限られている。このため、小さな部品や複雑な構成の部品については、機械的に粉砕して、金属または樹脂などを選別したうえで、リサイクル材とする必要がある。
この場合、粉砕して混合された状態から、それぞれの材料を分別することが要求されるので、高度な選別技術が必要となる。このうち、金属は、比重や電気的または磁気的な力により選別可能であるが、樹脂は、電気的または磁気的な力によって選別することができないので、比重や静電気の帯電量などによる分類方法が提案されている。
しかしながら、類似した種類の樹脂については、上記分類方法による識別が困難なので、近赤外帯または中赤外帯の光における樹脂の吸収率、または反射率の波長(波数)依存性の違いに着目した識別方法が提案されている。
ただし、カーボンブラックなどを含有した黒色樹脂を識別する場合には、近赤外帯での吸収率が大きいことから、必要な信号強度が得られないので識別が困難である。したがって、黒色樹脂の識別には、カーボンブラックの吸収による影響が少ない中赤外帯を用いることが望ましい。
個々の粉砕した樹脂片を、中赤外帯を用いて識別する方法としては、コンベアで順次試料を流し、試料の上方から、フーリエ変換型赤外分光光度計を用いて、拡散反射法で測定する技術(赤外分光法)が知られている(たとえば、特許文献1、特許文献2参照)。
しかしながら、上記従来の樹脂識別装置方法(装置)には、以下のような課題がある。
すなわち、中赤外帯を用いた樹脂識別性を確認するために、多種の樹脂について、中赤外帯を用いた反射法による実際の測定結果を解析すると、同種の樹脂であっても、赤外光が不透過の材料(フィラーやカーボンブラックなど)が添加されている樹脂(以下、「不透明樹脂」という)と、上記材料が添加されていない樹脂(以下、「透明樹脂」という)とでは、反射スペクトルの形状が異なることが確認できた。
具体的には、透明樹脂では、特許文献1、2などに示されている樹脂固有のスペクトル、または添加剤などに由来するスペクトルのピーク(以下、「ピーク」とは、「山」の他に「谷」の意味も含むものとする)の他に、新たなピーク(以下、「ゴーストピーク」という)が認められた。
調査の結果、ゴーストピークは、透明樹脂(カーボンブラックやフィラーなどの添加剤を含まない樹脂)の場合に特有であり、そのピーク形状は樹脂の種類(以下、「樹脂種」と略称する)ごとに固有であることが判明した。
また、さらなる調査の結果、ゴーストピークは、樹脂での吸収がほとんど無い波数の赤外光が、樹脂を透過して、試料台で反射し、再び樹脂を透過して検出器に入射することにより、その波数の反射強度が見た目上に強くなることが原因であることが判明した。このとき、わずかに吸収される波数においては、反射強度が下がるので、ゴーストピークは複雑な形状となる。
なお、測定サンプルとなる樹脂が赤外を吸収する添加剤(カーボンブラックなど)を含有している場合には、赤外光が測定サンプルの樹脂を透過することがないので、ゴーストピークが現れることはない。
このようなゴーストピークは、一般的な測定において見られものではない。
一般に行われる透過型の赤外吸収測定においては、10μm程度の厚さのサンプルに赤外光を透過させて、その吸収度合いを測定するが、サンプル樹脂が薄いことから、ほとんどの赤外光が透過し、樹脂に固有の強く吸収する波数のみが吸収されるので、上記ゴーストピークは現れない。
また、薄膜の赤外反射測定においては、10μm程度の厚さのサンプル上から赤外光を透過させ、サンプルの下側の反射層で反射して再びサンプルを透過した赤外光の吸収度合いを測定するが、この場合も、上記透過型の赤外吸収測定と同様の理由から、ゴーストピークは現れない。
また、固体の赤外反射測定においては、サンプルに赤外光を照射し、サンプル最表面で反射した赤外光の波数依存性を測定するが、サンプルが不透明であれば、サンプルを反射せずに透過した赤外光が検出されることはなく、サンプルが大きければ、サンプルを透過した赤外光は、検出器とは全く異なる方向に向かい検出されることがないので、やはりゴーストピークが現れることはない。
ただし、サンプルの厚さが数mm程度以下の薄さであれば、サンプル表面で反射する赤外光に加えて、サンプルを透過した後、試料台で反射し、再びサンプルを透過した赤外光も、検出器で検出される特殊な状況下となるので、ゴーストピークが現れる。
この結果、樹脂識別に用いられる(樹脂に起因した)ピークは、上記ゴーストピークによって歪むので、樹脂識別が困難になる可能性があることが判明した。より具体的には、樹脂のゴーストピーク形状が、偶然、他の樹脂の識別に用いる(樹脂種に起因した)ピーク形状に類似した場合に、誤識別する可能性が高くなる。
特に識別が困難になるのは、たとえば、PS(Polystyrene)樹脂と、ABS(Acrylonitrile−Butadiene−Styrene)樹脂とを識別する場合である。
PS樹脂およびABS樹脂の各赤外スペクトルは、酷似しているものの、大きく異なる点としては、波数2200cm−1付近のCN結合に起因したピーク(以下、「CNピーク」という)の有無があげられる。すなわち、CNピークを有するものがABS樹脂であり、CNピークを有さないものがPS樹脂である、と識別することができる。
ただし、透明PS樹脂の場合には、ABS樹脂で現れるCNピークの位置に、CNピークに類似した形状のゴーストピークが存在し、そのゴーストピークにより誤識別しやすいことが実験により分かった。
特開昭60−89732号公報 特開平8−300354号公報
従来の樹脂識別装置および方法は、ゴーストピークによって、樹脂識別用のピークが歪み、樹脂識別が困難になる可能性があるという課題があった。
特に、透明PS樹脂のCNピーク付近にゴーストピークが存在するので、PS樹脂およびABS樹脂の各赤外スペクトルを区別するためのCNピーク有無の判定が難しく、識別精度が低下するという課題があった。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、樹脂へのカーボンブラックやフィラーなどの添加剤の有無によらず、誤判定が少なく識別精度の高い樹脂識別装置および方法を得ることを目的とする。
この発明に係る樹脂識別装置は、試料台上の複数の被識別樹脂に順次に赤外光を照射し、それぞれの赤外反射光のスペクトルを取得する赤外光分析装置と、赤外光分析装置からの赤外反射スペクトルに基づき、複数の被識別樹脂の種類を識別するコントローラと、を備えた樹脂識別装置であって、赤外光分析装置は、取得した赤外反射光のスペクトルに基づき、被識別樹脂に照射した赤外光のうち、被識別樹脂を透過して、試料台で反射し、再び被識別樹脂を透過した特定波長領域の赤外光の有無によって、被識別樹脂が透明樹脂であるか不透明樹脂であるかを判定し、コントローラは、赤外光分析装置による特定波長領域の赤外光の有無判定結果に応じて、識別用の赤外反射スペクトルの波長領域の少なくとも一部が異なる識別アルゴリズムを用いることにより、被識別樹脂の種類を識別するものである。
この発明によれば、ゴーストピークを発生する被識別樹脂と、ゴーストピークを発生しない被識別樹脂とに対し、それぞれスペクトル解析手順を変えることにより、被識別樹脂へのカーボンブラックやフィラーなどの添加剤の有無(ゴーストピークの発生有無)によらず、誤判定が少なく識別精度の高い樹脂識別装置および方法を提供することができる。
この発明の実施の形態1における被識別樹脂(透明および不透明の、PP樹脂板、PS樹脂板およびABS樹脂板)の赤外反射スペクトルを示す説明図である。 図1の赤外反射スペクトルのCH結合に起因したピーク付近を拡大して示す説明図である。 この発明の実施の形態1における被識別樹脂(不透明PS樹脂板および不透明ABS樹脂板)の赤外反射スペクトルを示す説明図である。 この発明の実施の形態1における被識別樹脂(透明PS樹脂板および透明ABS樹脂板)の赤外反射スペクトルを示す説明図である。 この発明の実施の形態1における被識別樹脂(透明PS樹脂フレーク(3種)および透明PS樹脂板)の赤外反射スペクトルを示す説明図である。 この発明の実施の形態1における被識別樹脂(透明ABS樹脂フレーク(3種)および透明PS樹脂板)の赤外反射スペクトルを示す説明図である。 この発明の実施の形態1に係る樹脂識別装置を示す構成図である。 この発明の実施の形態1に係る樹脂識別方法を示すフローチャートである。 この発明の実施の形態1に係る樹脂識別方法の他の例を示すフローチャートである。 この発明の実施の形態1における被識別樹脂(PE樹脂)のゴーストピークを示す説明図である。
実施の形態1.
まず、この発明の実施の形態1に係る樹脂識別装置および方法について説明する前に、実験1の解析結果に基づく図1〜図4の説明図と、実験2の解析結果に基づく図5および図6の説明図とを参照しながら、この発明の実施の形態1における基本的な技術思想およびゴーストピークについて詳細に説明する。
[実験1]
図1はこの発明の実施の形態1における被識別樹脂(透明および不透明の、PP樹脂板、PS樹脂板およびABS樹脂板)の赤外反射スペクトルを示す説明図であり、横軸は波数[cm−1]、縦軸は赤外光の反射強度を示している。
また、図1においては、それぞれ、不透明樹脂の反射スペクトルを細線で示し、透明樹脂の反射スペクトルを太線で示している。
なお、図1中の「不透明樹脂」とは、カーボンブラックが1%添加されたものであり、「透明樹脂」とは、カーボンブラックやフィラーなどが添加されていないものである。
図1において、各々の添加剤の有無をコントロールした樹脂板を用いているのは、各樹脂種のみに起因した反射スペクトルを得るためである。
なお、実際に識別対象となる樹脂フレーク(Flake:薄片)においては、その表面凹凸、サイズ、添加剤の影響などにより、反射スペクトルのピーク形状が歪んだり、別のピークが現れたりする可能性がある。
したがって、実験1においては、まず、添加剤および形状をコントロールした理想的な樹脂板を用いて、基本機能を確認する。その後、実験2(後述する)において、実際の樹脂フレークの場合でも同様に成立するか否かを確認する。
実際の樹脂フレークの識別においては、樹脂フレークの赤外反射スペクトルを、各々の樹脂の理想的な赤外反射スペクトル(樹脂板のスペクトル)と比較することになる。
実験1における具体的な測定装置としては、たとえば日本電子製FT−IR5500を用い、赤外光検出器としては、MCT(HgCdTe)検出器を用いた。また、測定条件としては、分解能4cm−1で10回積算し、光学系としては、反射測定用の冶具を用い、入射角および反射角は、いずれも10度とした。さらに、試料台としては、ステンレス製のものを用いた。
図1に示すように、透明および不透明の、PP樹脂板、PS樹脂板およびABS樹脂板の赤外反射スペクトルには、いずれも、波数3000cm−1付近および1500cm−1付近において、CH結合に起因した複数のCHピークCHp1、CHp2が認められる。
また、2400cm−1付近に大気中のCO2に起因した吸収ピークP3、1300〜1800cm−1、3500〜4000cm−1付近に大気中の水分に起因した細かなピークP4、P5がいずれにも認められる。
図2は図1内のCHピークCHp1(3000cm−1)付近を拡大して示す説明図である。
図2から明らかなように、PP樹脂板、PS樹脂板およびABS樹脂板のいずれにおいても、透明と不透明とで、3000cm−1付近のピークは同形である。また、PS樹脂板およびABS樹脂板のCHピークCHp1(3000cm−1)付近の反射スペクトルは酷似している。
よって、3000cm−1付近のピーク形状から、PP樹脂であるか、PS樹脂またはABS樹脂であるか、を識別可能なことが分かる。
また、図1から明らかなように、PS樹脂板とABS樹脂板との赤外反射スペクトルの顕著な相違点は、2200cm−1付近に現れるCN結合に起因したCNピークCNpの有無である。
図3は図1内の2200cm−1のCNピークCNp付近を拡大して示す説明図であり、不透明PS樹脂板および不透明ABS樹脂板の赤外反射スペクトルを示している。
図3において、不透明ABS樹脂板の赤外反射スペクトルには、CNピークCNpが認められるのに対し、不透明PS樹脂板の赤外反射スペクトルには、CNピークが認められない。
図4は図3と同様にCNピークCNp付近を拡大して示す説明図であり、透明PS樹脂板および透明ABS樹脂板の赤外反射スペクトルを示している。
図4においても、透明ABS樹脂板の赤外反射スペクトルには、CNピークCNpが認められる。
ただし、この場合、透明PS樹脂板の赤外反射スペクトルにおいても、CN結合が現れる波数(2200cm−1)付近で、本来は生じないショルダ(1点鎖線枠参照)が認められる。特に、被識別樹脂が樹脂フレークの場合には、ベースラインの変動が大きくなることが多いので、ショルダ部をCNピークと誤判定する可能性がある。
よって、実験1の結果、図4内のショルダに起因して、透明PS樹脂と透明ABS樹脂との識別精度が低下するという問題が発生することが明らかになった。
なお、ショルダとは、CNピークCNpほど明確に尖端形状を有していないものの、明らかに変曲点を有する形状(なで肩のライン部)を意味する。
[実験2]
図5はこの発明の実施の形態1における被識別樹脂の赤外反射スペクトルを示す説明図であり、透明PS樹脂フレークの赤外反射スペクトルの例(3種)と、透明PS樹脂板の赤外反射スペクトルとを示している。
図5において、透明PS樹脂フレークの赤外反射スペクトル(細線参照)には、3種のいずれにも、3500cm−1付近および2000cm−1付近に、透明PS樹脂板の赤外反射スペクトル(太線参照)と相似形状のゴーストピークGp1、Gp2が認められる。
また、各ゴーストピークGp1、Gp2のピーク強度は、3000cm−1付近のCHピークCHp1の強度よりも大きいことが分かる。
図6はこの発明の実施の形態1における被識別樹脂の赤外反射スペクトルを示す説明図であり、透明ABS樹脂フレークの赤外反射スペクトルの例(3種)と、透明ABS樹脂板の赤外反射スペクトルとを示している。
図6において、透明ABS樹脂フレークの赤外反射スペクトル(細線参照)の場合も、図5と同様に、2000cm−1付近に、透明ABS樹脂板の赤外反射スペクトル(太線参照)と相似形状のゴーストピークGp2が認められる。
また、図6においても、ゴーストピークGp2のピーク強度は、3000cm−1付近のCHピークCHp1や、2200cm−1付近のCNピークCNp(小さすぎるので、図6の縦軸のスケールでは確認困難)の強度よりも大きいことが分かる。
図5、図6から明らかなように、実験2の結果、透明PS樹脂フレークおよび透明ABS樹脂フレークのゴーストピークの形状は、透明PS樹脂板および透明ABS樹脂板のピーク形状と相似であることが分かった。
以上のことから、透明PS樹脂フレークおよび透明ABS樹脂フレークは、ゴーストピークのピーク形状に基づき、PSとABSとを識別することができる。
実験2(図5、図6)における測定装置としては、前述(図1〜図4)の実験1と同様に、たとえば日本電子製FT−IR5500を用い、赤外光検出器としては、MCT(HgCdTe)検出器を用いた。
また、光学系としては反射測定用の冶具を用い、入射角および反射角は、いずれも10度とした。また、試料台としては、ステンレス製(半光沢)のものを用いた。
この場合、ステンレス製の試料台に代えて、半光沢の圧延アルミニウム板(材質A5052)を用いても、ゴーストピークを含め、ほぼ同様の赤外反射スペクトルが得られることを確認している。
また、試料台をアルミミラーに変更することにより、さらに強いゴーストピークが得られることも確認している。逆に、試料台として、赤外反射率の低い材料(たとえば、アルミナ)を用いると、ゴーストピークが小さくなることを確認している。
以上のことから、透明樹脂板(または、透明樹脂フレーク)を透過可能な特定波数の赤外光は、透明樹脂板(または、透明樹脂フレーク)を透過して、試料台の表面で反射し、再び透明樹脂板(または、透明樹脂フレーク)を透過して、検出器で捕らえられることにより、ゴーストピークGp1、Gp2として検出されることが分かる。
よって、ゴーストピークGp1、Gp2の形状は、樹脂種に固有なものと考えられ、ゴーストピークGp1、Gp2を用いて樹脂種を識別可能なことは明らかである。
以下、上述した実験1、2の結果を考慮したうえで、図7を参照しながら、この発明の実施の形態1に係る樹脂識別装置について説明する。
図7はこの発明の実施の形態1に係る樹脂識別装置の全体を概略的に示す構成図である。
図7において、樹脂識別装置は、樹脂フレーク1(被識別樹脂)を破線矢印のように供給する供給装置10と、樹脂フレーク1を1点鎖線矢印のように搬送するコンベア20と、コンベア20上の樹脂フレーク1に赤外光L1を照射する赤外光分析装置30と、赤外光分析装置30の分析結果に基づき樹脂フレーク1の種類を識別するコントローラ40と、を備えている。
ここでは、赤外光分析装置にとして、フーリエ変換型赤外分光装置(FT−IR)を用いる。なお、図7では図示を省略するが、赤外光分析装置30は、赤外光L1を出射する出射部と、樹脂フレーク1からの赤外反射光L2を受光する受光部(検出器)とを備えている。また、樹脂フレーク1を載置するコンベア20の表面20aは、試料台として機能する。
まず、供給装置10は、複数の樹脂フレーク1(被識別樹脂)を順次にコンベア20上に供給する。
このとき、コンベア20上への樹脂フレーク1の供給は、個々の樹脂フレーク1が重なることなく、かつ所定隙間を隔てて、一直線上に並ぶように行われる。なお、隣接する樹脂フレーク1は、相互に間隔を隔てていればよく、間隔が一定でなくてもよい。
コンベア20は、樹脂フレーク1を赤外光分析装置30の真下まで搬送し、赤外光分析装置30は、樹脂フレーク1に赤外光L1を照射し、赤外反射光L2の強度を解析してスペクトルを取得する。
最後に、コントローラ40は、赤外光分析装置30が取得した赤外反射光のスペクトルを、あらかじめ取得しておいた各々の樹脂種の赤外反射光L2の標準スペクトルと比較することにより、樹脂フレーク1の樹脂種を判定する。
なお、ここでは特に図示していないが、コントローラ40による識別結果に基づき、エアーの噴き出しなどを行い、コンベア20の軌道から目的種以外の樹脂フレーク1を排除して、樹脂を選別することも可能である。
また、コントローラ40の判定結果に基づいて樹脂の混在比を確認する場合には、図7に示した基本構成のみで事足りる。たとえば、母集団から1000個の樹脂フレーク1を抽出し、その混在比を調べることができる。
すなわち、樹脂種を分別した樹脂フレーク1(樹脂フレーク群)を母集団とすれば、その純度(不純物となる樹脂フレーク1の数)を知ることができる。
また、破砕後に混合された樹脂フレーク1(樹脂フレーク群)を母集団とすれば、その樹脂種ごとの混在比を知ることができ、以降の分別工程条件の最適化や最終製品の樹脂種ごとの量を前もって知ることができる。
この発明の実施の形態1において、試料台に相当するコンベア表面20aは、少なくとも、ゴーストピークのある波数の赤外光の反射率が高い材料(具体的には、ステンレス、アルミなどの金属)である。ここで、「反射率が高い」とは、識別対象物である樹脂フレーク1の反射率よりも高いことを意味する。
これにより、ゴーストピークの強度を増幅して検出することが可能となる。
次に、図8を参照しながら、図7に示したこの発明の実施の形態1に係る樹脂識別装置のスペクトル解析手順(樹脂識別方法)について説明する。
図8はこの発明の実施の形態1に係る樹脂識別方法を示すフローチャートであり、樹脂フレーク1(被識別樹脂)の赤外反射スペクトルから樹脂種を識別するためのコントローラ40によるスペクトル解析手順を示している。
図8においては、具体例として、PP樹脂、PS樹脂、ABS樹脂の3種類の樹脂フレークが混在した場合に、個々の樹脂フレーク1の赤外反射スペクトルに基づき、樹脂種を判定する場合を示している。
この場合、前述のように、透明または不透明PP樹脂、透明または不透明PS樹脂、透明または不透明ABS樹脂において、波数2700〜3000cm−1付近にCHに起因したCHピークCHp1が現れ、透明または不透明ABS樹脂において、波数2200cm−1付近にCNに起因したCNピークCNpが現れる。
また、波数3200〜3700cm−1付近において、透明PS樹脂によるゴーストピークGp1が現れ、波数1700〜2200cm−1付近において、透明PP樹脂、透明PS樹脂および透明ABS樹脂によるゴーストピークGp2が現れる。
図8において、コントローラ40は、まず、樹脂フレーク1(被識別樹脂)からの赤外反射スペクトルのうちのゴーストピークGp2(2000cm−1付近)の有無を判定し(ステップS1)、ゴーストピークGp2が無し(すなわち、樹脂フレーク1が不透明)と判定されれば、続いて、CHピークCHp1(2700〜3000cm−1付近)の比較を行う(ステップS6)。
一方、ステップS1においてゴーストピークGp2が有り(樹脂フレーク1が透明)と判定された場合には、まず、ゴーストピークGp2の形状を、透明PP樹脂の標準スペクトル(たとえば、図1内の透明PP樹脂板のスペクトル)と比較するとともに、標準PSまたは標準ABS(透明PS樹脂または透明PPABS樹脂の標準スペクトル)と比較して、それぞれ両者の類似性を判定する(ステップS2)。
ステップS2において、ゴーストピークGp2が標準PP(透明PP樹脂の標準スペクトル)と一致すれば、樹脂フレーク1は透明PP樹脂であると判定する(ステップS11)。
また、ゴーストピークGp2が標準PSまたは標準ABS(透明PS樹脂または透明ABS樹脂の標準スペクトル)と一致すると判定されれば、続いて、ゴーストピークGp1(3500cm−1付近)の比較を行う(ステップS3)。
ステップS3においては、ゴーストピークGp1の形状を、透明PS樹脂の標準スペクトル(たとえば、図1内の透明PS樹脂板のスペクトル)および透明ABS樹脂の標準スペクトル(たとえば、図1内の透明ABS樹脂板のスペクトル)と比較し、ゴーストピークGp1が標準PSと一致すれば、PSと判定する(ステップS4)。
また、ゴーストピークGp1が標準ABSと一致すれば、ABSと判定する(ステップS5)。
すなわち、前述のように、透明PS樹脂および透明ABS樹脂のゴーストピークGp2の標準スペクトル形状が互いに類似しているので、コントローラ40は、ステップS2において、樹脂フレーク1からの赤外反射スペクトルが、透明PP樹脂に一致する場合と、透明PS樹脂または透明ABS樹脂に一致する場合とに分け、さらに、ステップ3において、樹脂フレーク1からの赤外反射スペクトルが、透明PS樹脂に一致するか、または透明ABS樹脂に一致するかを判定する。
なお、類似性の比較に際しては、樹脂フレーク1の赤外反射スペクトルと、それぞれの標準赤外反射スペクトルとについて、ゴーストピークGp2の範囲内で共分散の値を求め、各値の大きさからピークの類似性を定量化して比較する方法が適用される。
このとき、適切な閾値を設け、閾値を超えたものの中で最も類似するものを、一致したものと見なし、いずれも閾値を下回った場合を「ゴーストピークGp2無し」と見なすことができる。また、類似性を定量化する方法としては、共分散に限らず、標準偏差を用いてもよい。
具体的な分類の仕方としては、ステップS1において、透明PPの標準スペクトルとの共分散が、ある閾値を超えた場合に透明PPと一致していると判定することができる。
また、透明PSまたは透明PSの標準スペクトルとの共分散が、ある閾値を超えた場合に、PS樹脂またはABS樹脂に一致していると判定することができる。
樹脂フレーク1からの赤外反射スペクトルのゴーストピークGp2が標準PP樹脂と一致した場合には、PP樹脂と判定する(ステップS11)。
また、ゴーストピークGp2が標準PS樹脂または標準ABS樹脂と一致した場合には、ステップS3に移行し、ゴーストピークGp1について、透明PS樹脂の標準スペクトルとの共分散と、透明ABS樹脂の標準スペクトルとの共分散を求め、これらの共分散の値の比較より、より類似した方を、その樹脂種と判定する。
すなわち、コントローラ40は、ステップS3において、樹脂フレーク1の赤外反射スペクトルのうちのゴーストピークGp1(3500cm−1付近)について、標準PSと一致すれば、樹脂フレーク1がPS樹脂であると判定し(ステップS4)、標準ABSと一致すれば、樹脂フレーク1がABS樹脂であると判定する(ステップS5)。
ステップS1において、ゴーストピークGp2(2000cm−1付近)についての判定結果が、PP樹脂、PS樹脂、ABS樹脂のいずれとも一致しない(樹脂フレーク1が不透明)場合には、ステップS6に移行し、樹脂フレーク1の赤外反射スペクトルのうちのCHピークCHp1(2700〜3000cm−1付近)について、PP樹脂、PS樹脂またはABS樹脂と類似性を比較する。
ステップS6において、樹脂フレーク1のCHピークCHp1が標準PP樹脂と一致すると判定された場合には、樹脂フレーク1はPP樹脂であると判定する(ステップS7)。
また、ステップS6において、樹脂フレーク1のCHピークCHp1が、標準PS樹脂または標準ABS樹脂と一致すると判定された場合には、続いて、CNピークCNp(2200cm−1付近)の比較を行う(ステップS8)。
ステップS8において、コントローラ40は、樹脂フレーク1のCNピークCNpと、標準PS樹脂および標準ABS樹脂との類似性を比較し、より類似した方の樹脂が樹脂フレーク1の樹脂種であると判定する。
すなわち、ステップS8において、樹脂フレーク1のCNピークCNpが標準PSと一致すると判定されれば、樹脂フレーク1がPS樹脂であると判定し(ステップS9)、標準ABSと一致すれば、樹脂フレーク1がABS樹脂であると判定する(ステップS10)。
この結果、樹脂フレーク1が透明または不透明のいずれの場合も、ゴーストピークGp2(2000cm−1付近)の有無判定(ステップS1)と、ゴーストピークGp1(3500cm−1付近)の比較(ステップS3)と、CHピークCHp1(3000cm−1付近)の比較(ステップS6)と、CNピークCNp(2200cm−1付近)の比較(ステップS8)とにより、樹脂フレーク1の樹脂種を高精度に識別することができる。
なお、図8に示した処理ルーチンは、この発明の実施の形態1に係る樹脂識別装置のスペクトル解析手順(樹脂識別方法)の一例に過ぎず、たとえば、図9に示す処理ルーチンを適用しても、PP樹脂、PS樹脂およびABS樹脂の識別が可能である。
図9において、前述(図8参照)と同様の処理については、前述と同一符号が付されている。
図9においては、まず、樹脂フレーク1の赤外反射スペクトルを、CHピークCHp1(3000cm−1付近)について、PP樹脂、PS樹脂、ABS樹脂の赤外反射標準スペクトルと比較し(ステップS6)、標準PP樹脂と一致した場合には、樹脂フレーク1がPP樹脂であると判定する(ステップS7)。
一方、ステップS6において、CHピークCHp1での樹脂フレーク1の赤外反射スペクトルが、標準PS樹脂または標準ABS樹脂と一致した場合には、続いて、ゴーストピークGp2(2000cm−1付近)の有無を、ゴーストピークGp2との類似性に基づき判定する(ステップS1)。
ステップS1において、ゴーストピークGp2が有り(樹脂フレーク1が透明)と判定された場合には、続いて、ゴーストピークGp1(3500cm−1付近)の類似性に基づく比較判定を行う(ステップS3)。
ステップS3において、樹脂フレーク1の赤外反射スペクトルのうちのゴーストピークGp1が標準PS樹脂と一致すれば、樹脂フレーク1がPS樹脂であると判定し(ステップS4)、標準ABSと一致すれば、樹脂フレーク1がABS樹脂であると判定する(ステップS5)。
一方、ステップS1において、樹脂フレーク1の赤外反射スペクトルにゴーストピークGp2が無し(樹脂フレーク1が不透明)と判定された場合には、続いて、CNピークCNp(2200cm−1付近)の類似性に基づく比較判定を行う(ステップS8)。
すなわち、樹脂フレーク1の赤外反射スペクトルのうちのCNピークCNpが標準PS樹脂と一致すれば、樹脂フレーク1がPS樹脂であると判定し(ステップS9)、標準ABSと一致すれば、樹脂フレーク1がABS樹脂であると判定する(ステップS10)。
これにより、前述と同様に、標準樹脂スペクトルとの類似性に基づき、樹脂フレーク1がPS樹脂かABS樹脂かを高精度に識別することができる。
なお、この発明の実施の形態1による識別手順は、図8または図9の処理ルーチンに限定されることはなく、樹脂種の識別精度を向上させるために、上記波数での比較判定に加え、他の波数を含めて、赤外反射スペクトルと標準樹脂との類似性を判定してもよい。
また、樹脂フレーク1(被識別樹脂)がPP樹脂、PS樹脂またはABS樹脂の3種の場合について説明したが、これらに限定されることはなく、他の樹脂種の識別にも適用可能なことは言うまでもない。
この発明の趣旨は、樹脂識別工程において、ゴーストピークGp2(2000cm−1付近)を用いて被識別樹脂の透明性または不透明性を判定し、それぞれの場合において、最適な識別方法(類似性判定処理)を適用した工程を含むことにある。
また、Gp2に限らず、ゴーストピークを用いて被識別樹脂の透明性または不透明性を判定し、それぞれの場合において、最適な識別方法(類似性判定処理)を適用した工程を含むことにある。
たとえば、透明樹脂におけるゴーストピークの発生は、PP樹脂、PS樹脂、ABS樹脂に限らず、透明PE(ポリエチレン:polyethylene)樹脂、透明PC(ポリカーボネート:Polycarbonate)樹脂、その他の多くの種類の樹脂で確認されている。
図10はPE樹脂の場合の反射強度特性を示す説明図であり、太線特性は不透明PE樹脂の反射スペクトル、細線特性は透明PS樹脂の反射スペクトルを示している。
図10において、透明PS樹脂の反射スペクトルには、2000cm−1付近に顕著なゴーストピークが発生している。
このように、被識別樹脂がPE樹脂であって透明樹脂または不透明樹脂を含み、図10に示したゴーストピークが発生する場合においても、前述と同様に、適切な波数における識別手順を設定して、標準樹脂との類似性比較処理を適用することにより、樹脂種を識別することができる。
また、前述の実験の通り、ゴーストピークを用いた樹脂識別は、ステンレスの試料台を用いて効果を確認した他、圧延アルミニウム合金(A5052)を試料台に用いても、ほぼ同等の効果が得られることを確認している。
また、鏡面ガラス上にアルミ蒸着したものを試料台として用いた場合には、透明な樹脂フレーク1の反射スペクトルに現れるゴーストピークがより強調される。
他の具体例としては、図7内のコンベア20の表面20aに、進行方向(1点鎖線矢印)に幅の狭い金属板を貼り付ける方法や、コンベア20の材質として、金属メッシュを用いる方法などがある。
また、図7においては、一方方向(1点鎖線矢印)に流れるコンベア20を一例として示しているが、コンベア20の代わりに、中心軸の回りに回転する金属円板(図示せず)を用いてもよい。
この場合、図7との相違点は、コンベア20が両端部の軸を旋回する縦回し構造であるのに対し、金属円板が横回し構造であることのみである。ただし、金属円板の場合には、一周した樹脂フレーク1が繰り返し戻ってくるので、樹脂フレーク1の識別が完了した時点で、エアブローなどですべての樹脂フレークを除去する必要がある。
以上のように、この発明の実施の形態1(図7)に係る樹脂識別装置は、コンベア表面20a(試料台)上の複数の樹脂フレーク1(被識別樹脂)に赤外光L1を照射し、複数の樹脂フレーク1からの赤外反射光L2の強度を検出して赤外反射光のスペクトル解析を行う赤外光分析装置30と、赤外光分析装置30からのスペクトル解析結果に基づき複数の樹脂フレーク1の種類を識別するコントローラ40と、を備えている。
コントローラ40における樹脂識別手順(図8、図9)は、複数の樹脂フレーク1が、互いに同一種類であるにも関わらず、特定波長の赤外光を透過する第1の樹脂と、特定波長の赤外光を透過しない第2の樹脂との両方を含む場合に、第1の樹脂の識別手順と第2の樹脂の識別手順とが互いに異なる。
コンベア表面20a(試料台)は、表面の赤外反射率が、樹脂フレーク1の赤外反射率よりも高くなるように、ステンレスまたはアルミニウム合金からなる。
コントローラ40は、赤外光分析装置30からのスペクトル解析結果に基づき、被識別樹脂の種類を識別する。
この発明の実施の形態1(図7〜図9)に係る樹脂識別方法は、コンベア表面20a上の複数の樹脂フレーク1に赤外光L1を照射し、複数の樹脂フレーク1からの赤外反射光L2の強度を検出して赤外反射光のスペクトル解析を行うことにより複数の樹脂フレーク1の種類を識別する樹脂識別方法であって、複数の樹脂フレーク1が、互いに同一種類であるにも関わらず、特定波長の赤外光を透過する第1の樹脂と、特定波長の赤外光を透過しない第2の樹脂との両方を含む場合に、第1の樹脂の識別手順と第2の樹脂の識別手順とが互いに異なる。
第1および第2の樹脂の識別手順(図8、図9)は、スペクトル解析結果に含まれる樹脂フレーク1の赤外反射スペクトルに基づき、ゴーストピークGp2の有無を判定するゴーストピーク判定ステップ(ステップS1)を備えている。
第1の樹脂の識別手順は、ステップS1により、赤外反射スペクトルにゴーストピークGp2が無いと判定された場合に、第1の樹脂の固有ピーク(CNピークCNp)に基づき樹脂フレーク1の種類を識別する第1の識別ステップ(ステップS8)を備えている。
なお、「樹脂に固有のピーク」とは、カーボンブラックやフィラーなどの添加剤の有無によらず、赤外反射光L2のスペクトルに認められる樹脂種に固有のピークを意味し、かつ、ここで言うところのゴーストピークを含まない。
また、第2の樹脂の識別手順は、ステップS1により、赤外反射スペクトルにゴーストピークGp2が有ると判定された場合に、別のゴーストピークGp1を用いて樹脂フレーク1の種類を識別する第2の識別ステップ(ステップS3)を備えている。
ゴーストピークGp2は、赤外反射スペクトルの波数2000cm−1付近の領域に相当し、別のゴーストピークGp1は、赤外反射スペクトルの波数3500cm−1付近の領域に相当する。
このように、樹脂フレーク1の赤外反射スペクトルにおけるゴーストピークの有無に基づき、樹脂フレーク1の透明性または不透明性を判定し、透明または不透明の個々の判定結果ごとに、最適な識別手順(アルゴリズム)を用いる。
すなわち、ゴーストピークGp2が無い場合には、樹脂に固有のピークにより樹脂種を識別し、ゴーストピークGp2が有る場合には、少なくともゴーストピークGp1を用いて樹脂種を識別することにより、誤判定を回避して識別精度を向上させることができる。
したがって、この発明の実施の形態1によれば、ゴーストピークGp2を発生する被識別樹脂と、ゴーストピークGp2を発生しない被識別樹脂とに対し、それぞれスペクトル解析手順を変えることにより、被識別樹脂へのカーボンブラックやフィラーなどの添加剤の有無(ゴーストピークの有無)によらず、誤判定が少なく識別精度の高い樹脂識別装置および方法を提供することができる。
1 樹脂フレーク(被識別樹脂)、10 供給装置、20 コンベア、20a コンベア表面(試料台)、30 赤外光分析装置、40 コントローラ、CHp1 CHピーク、CNp CNピーク、Gp1 別のゴーストピーク、Gp2 ゴーストピーク、L1 赤外光、L2 赤外反射光、S1 ゴーストピーク判定ステップ、S3 第2の識別ステップ、S8 第1の識別ステップ。

Claims (7)

  1. 試料台上の複数の被識別樹脂に順次に赤外光を照射し、それぞれの赤外反射光のスペクトルを取得する赤外光分析装置と、
    前記赤外光分析装置からの赤外反射スペクトルに基づき、前記複数の被識別樹脂の種類を識別するコントローラと、
    を備えた樹脂識別装置であって、
    前記赤外光分析装置は、
    取得した赤外反射光のスペクトルに基づき、被識別樹脂に照射した赤外光のうち、前記被識別樹脂を透過して、前記試料台で反射し、再び前記被識別樹脂を透過した特定波長領域の赤外光の有無によって、前記被識別樹脂が透明樹脂であるか不透明樹脂であるかを判定し、
    前記コントローラは、
    前記赤外光分析装置による前記特定波長領域の赤外光の有無判定結果に応じて、識別用の赤外反射スペクトルの波長領域の少なくとも一部が異なる識別アルゴリズムを用いることにより、前記被識別樹脂の種類を識別することを特徴とする樹脂識別装置。
  2. 前記赤外光分析装置は、
    前記特定波長領域と、
    前記被識別樹脂を透過して、前記試料台で反射し、再び前記被識別樹脂を透過した特定波長領域の赤外光が有ると判定したときに用いる識別用の波長領域と、
    前記被識別樹脂を透過して、前記試料台で反射し、再び前記被識別樹脂を透過した特定波長領域の赤外光が無いと判定したときに用いる識別用の波長領域と、
    の赤外光を、前記複数の被識別樹脂に照射することを特徴とする請求項1に記載の樹脂識別装置。
  3. 前記試料台の赤外反射率は、前記被識別樹脂の赤外反射率よりも高いことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の樹脂識別装置。
  4. 前記試料台の表面は、ステンレスまたはアルミニウム合金からなることを特徴とする請求項3に記載の樹脂識別装置。
  5. 試料台上の複数の被識別樹脂に順次に赤外光を照射し、それぞれの赤外反射光のスペクトル基づき、前記複数の被識別樹脂の種類を識別する樹脂識別方法であって、
    被識別樹脂を透過して、前記試料台で反射し、再び前記被識別樹脂を透過した特定波長領域の赤外光スペクトルのピーク有無によって、前記被識別樹脂が透明樹脂であるか不透明樹脂であるかを判定する判定ステップを備え、
    前記判定ステップによるピーク有無の判定結果に応じて、識別用の赤外光スペクトルの波長領域の全部または一部が異なることを特徴とする樹脂識別方法。
  6. 前記複数の被識別樹脂に照射される識別用の赤外光は、
    前記特定波長領域と、
    前記被識別樹脂を透過して、前記試料台で反射し、再び前記被識別樹脂を透過した特定波長領域の赤外光が有ると判定したときに用いる識別用の波長領域と、
    前記被識別樹脂を透過して、前記試料台で反射し、再び前記被識別樹脂を透過した特定波長領域の赤外光が無いと判定したときに用いる識別用の波長領域と、
    を有することを特徴とする請求項5に記載の樹脂識別方法。
  7. 前記被識別樹脂は、少なくともABS樹脂またはPS樹脂を含み、
    前記特定波長領域は、ABSとPSとを識別するために、少なくとも波数2000〜2300cm−1の領域の一部を含み、
    前記特定波長領域において、前記被識別樹脂を透過して、前記試料台で反射し、再び前記被識別樹脂を透過した赤外光が有ると判定したときに、
    波数3200〜3600cm−1の領域の少なくとも一部の、前記被識別樹脂の赤外反射スペクトル形状を、あらかじめ準備したPSまたはABSの標準スペクトル形状と比較することにより識別することを特徴とする請求項5に記載の樹脂識別方法。
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