JP2012145528A - 樹脂種識別装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ゴーストピークを低減して樹脂に起因するピーク有無やピーク形状の判定を容易にし、樹脂へのカーボンブラックやフィラー等の添加剤有無によらず、識別精度のよい(誤判定の少ない)樹脂種識別装置を得る。
【解決手段】試料台(20)上の被判別用の樹脂(1)に赤外光を照射し、反射光強度を検出器(30)で検出して赤外反射光のスペクトル解析を行うことで樹脂種識別を行う樹脂種識別装置であって、試料台(20)は、照射された赤外光のうち、試料台で反射し検出器に向かう赤外光の光強度を所定値以下となるようにする反射光抑制手段を備える。
【選択図】図8

Description

本発明は、樹脂のリサイクルに係わり、特に、リサイクル樹脂を光学的手法により組成毎に識別する樹脂種識別装置に関するものである。
廃家電における樹脂のリサイクルでは、樹脂を手で解体できる部分は、限られている。このため、小さな部品や複雑な構成の部品については、機械的に粉砕して、金属または樹脂等を選別したうえで、リサイクル材とする必要がある。
この場合、粉砕して混合された状態から、それぞれの材料を分別することが要求されるため、高度な選別技術が必要である。このうち、金属は、比重や電気的または磁気的な力により選別される。一方、樹脂は、電気的または磁気的な力による選別ができないため、比重や静電気の帯電量等による分類が提案されている。
しかしながら、類似した樹脂種については、これらの方法では識別が困難になる。このため、近赤外帯または中赤外帯の光における樹脂の吸収率、または反射率の波長(波数)依存性の違いに着目した識別方法が提案されている。
ここで、カーボンブラック等を含有した黒色樹脂を識別する場合には、近赤外帯では吸収が大きく必要な信号強度が得られないため、識別が困難である。そのため、黒色樹脂の識別には、カーボンブラックの吸収の影響が少ない、中赤外帯を用いることが望ましい。
個々の粉砕した樹脂片を、中赤外帯を用いて識別する方法としては、コンベアで順次試料を流し、試料の上方から、フーリエ変換型赤外分光光度計を用いて拡散反射法で測定するもの(赤外分光法)がある(例えば、特許文献1、2参照)。
特開昭60−89732号公報 特開平8−300354号公報
しかしながら、従来技術には、以下のような課題がある。
中赤外帯を用いた樹脂識別性を確認するため、多種の樹脂について、中赤外帯を用いた反射法による測定結果を解析した。すると、同種の樹脂であっても、フィラーやカーボンブラック等のような赤外光が不透過の材料が添加されている樹脂(以下、不透明樹脂と称す)と、添加されていない樹脂(以下、透明樹脂と称す)とでは、反射スペクトルの形状が異なることが確認できた。
具体的には、不透明樹脂では、特許文献等で示されている樹脂固有または添加剤等に由来するスペクトルのピーク(以下、ピークとは、山の他、谷の意味も含む)の他に、新たな原因不明のピーク(以下、ゴーストピークと称す)が認められた。
そして、このゴーストピークのために、識別に用いる、樹脂に起因するピークが歪み、樹脂識別が困難になる場合があることが判明した。特に問題となるのは、PS(Polystyrene)樹脂とABS(Acrylonitrile−Butadiene−Styrene)樹脂を識別する場合である。
PS樹脂とABS樹脂の赤外スペクトルは、酷似しているが、大きく異なる点は、2200cm−1付近のCN結合に起因するピーク(以下、CNピークと称す)の有無である。このCNピークがあるものがABS樹脂、ないものがPS樹脂と判断できる。しかしながら、このCNピーク付近にゴーストピークがある場合には、CNピーク有無の判定が難しくなる。
本発明は、前記のような課題を解決するためになされたものであり、ゴーストピークを低減して樹脂に起因するピーク有無やピーク形状の判定を容易にし、樹脂へのカーボンブラックやフィラー等の添加剤有無によらず、識別精度のよい(誤判定の少ない)樹脂種識別装置を得ることを目的とする。
本発明に係る樹脂種識別装置は、試料台上の被判別用の樹脂に赤外光を照射し、反射光強度を検出器で検出して赤外反射光のスペクトル解析を行うことで樹脂種識別を行う樹脂種識別装置であって、試料台は、照射された赤外光のうち、試料台で反射し検出器に向かう赤外光の光強度を所定値以下となるようにする反射光抑制手段を備えるものである。
本発明によれば、被判別用の樹脂に照射された赤外光のうち、試料台で反射し検出器に向かう赤外光の光強度を所定値以下となるようにする反射光抑制手段を備えることにより、ゴーストピークを低減して樹脂に起因するピーク有無やピーク形状の判定を容易にし、樹脂へのカーボンブラックやフィラー等の添加剤有無によらず、識別精度のよい(誤判定の少ない)樹脂種識別装置を得ることができる。
PP樹脂のゴーストピークを示す赤外反射スペクトルの説明図である。 PS樹脂のゴーストピークを示す赤外反射スペクトルの説明図である。 ABS樹脂のゴーストピークを示す赤外反射スペクトルの説明図である。 各種不透明樹脂板の赤外反射スペクトルを示す説明図である。 各種透明樹脂板の赤外反射スペクトルを示す説明図である。 測定対象である樹脂フレーク周辺における赤外光の様子を示した説明図である。 試料台として黒体スプレーを塗布したアルミ板を用いた場合の各種透明樹脂板の赤外反射スペクトルを示す説明図である。 試料台としてアルミナ板を用いた場合の各種透明樹脂板の赤外反射スペクトルを示す説明図である。 各種試料台からの赤外反射スペクトルの比較結果を示す説明図である。 各種試料台からの赤外反射スペクトルの比較結果を示す説明図である。 本発明の実施の形態1における樹脂種識別装置の全体図である。 本発明の実施の形態3における被判別用の樹脂フレークとコンベアの一部を示す断面図である。 本発明の実施の形態3における被判別用の樹脂フレークとコンベアの一部を示す別の断面図である。
本発明の実施の形態を説明する前に、ゴーストピークについて、実験1により、以下に詳細に説明する。また、本発明の測定条件等について、実験2、3により、以下に詳細に説明する。
[実験1]
図1は、PP樹脂のゴーストピークを示す赤外反射スペクトルの説明図である。具体的には、カーボンブラックを1%添加したPP樹脂板(以下、不透明PP樹脂板と称す)と、カーボンブラックを添加していないPP樹脂板(以下、透明PP樹脂板と称す)の赤外反射スペクトルを示したものである。
なお、測定装置としては、日本電子製FT−IR5500を用い、検出器としては、MCT検出器を用いた。また、測定条件は、分解能16cm−1で10回積算した。また、光学系としては、反射測定用の冶具を用い、入射角、反射角は、いずれも10度とした。
図1に示すように、透明PP樹脂板、不透明PP樹脂板のいずれも、3000cm−1付近および1500cm−1付近に、PP樹脂のCH結合に起因する複数の吸収ピークが認められる。また、2400cm−1付近に大気中のCO2に起因する吸収ピーク、1300〜1800、3500〜4000cm−1付近に大気中の水分に起因する細かなピークがいずれにも認められる。
一方、透明PP樹脂板では、2000cm−1付近および3500cm−1付近に、不透明PP樹脂板にはない、ブロードでかつ大きなピークが認められる。この透明樹脂特有のピークがゴーストピークである。
次に、同様の条件で測定した、PS樹脂板およびABS樹脂板の赤外反射スペクトルについて説明する。図2は、PS樹脂のゴーストピークを示す赤外反射スペクトルの説明図である。具体的には、カーボンブラックを1%添加したPS樹脂板(以下、不透明PS樹脂板と称す)と、カーボンブラックを添加していないPS樹脂板(以下、透明PS樹脂板と称す)の赤外反射スペクトルを示したものである。
また、図3は、ABS樹脂のゴーストピークを示す赤外反射スペクトルの説明図である。具体的には、カーボンブラックを1%添加したABS樹脂板(以下、不透明ABS樹脂板と称す)と、カーボンブラックを添加していないABS樹脂板(以下、透明ABS樹脂板と称す)の赤外反射スペクトルを示したものである。
図2、図3に示すように、透明PS樹脂板および透明ABS樹脂板においても、ブロードでかつ大きなゴーストピークがあることがわかる。また、ゴーストピークの両サイド付近には、樹脂固有の微細なピークがあることが確認できる。
次に、このゴーストピークが、識別に悪影響を与える例を、具体的に説明する。図4aは、各種不透明樹脂板の赤外反射スペクトルを示す説明図であり、図4bは、各種透明樹脂板の赤外反射スペクトルを示す説明図である。具体的には、先の図1〜図3に示した赤外反射スペクトルを、CNピークの波数付近の横軸を拡大するとともに、各種不透明樹脂板をまとめたものが図4aであり、各種透明樹脂板をまとめたものが図4bである。
図4a中の不透明ABS樹脂板では、2200cm−1付近にCNピークが認められる。一方、図4a中の不透明PP樹脂板および不透明PS樹脂板では、2200cm−1付近にCNピークが認められない。
これに対して、図4b中の透明ABS樹脂板にも、CNピークが認められるが、透明ABS樹脂板では、先の図4aにおける不透明ABS樹脂板と比較して、CNピーク付近の変動が大きい。また、本来、CNピークを有しない透明PS樹脂板にも、2200cm−1付近の変動が大きい。この変動により、CNピーク有無の判定が困難になる。
実際の樹脂フレークの分析では、単位時間当たりの分析量を増やすための分析の高速度化によるS/N比(樹脂起因のピーク高さに対するノイズの大きさ)の低下、あるいは、より小さな破片での信号強度の低下等により、判定がより難しくなり、樹脂識別精度が低下する(すなわち、誤判定が増える)原因になることが明らかになった。
次に、ゴーストピークが発生する原因について説明する。測定対象となる樹脂フレークを試料台に乗せ、FT−IR(フーリエ変換型赤外分光)分析装置を用いて、反射法による光学系にて測定する場合を考える。すなわち、光源から出射され、干渉計を通過した赤外光を樹脂フレークに照射し、その反射光強度を検出器で検出する。
図5は、測定対象である樹脂フレーク周辺における赤外光の様子を示した説明図であり、ゴーストピークが発生する概念を示している。樹脂固有の特定の波長で樹脂が光を吸収する場合には、その波長での反射率は小さくなる。そのため、反射率の波数依存性のスペクトルについて、あらかじめ取得しておいた標準樹脂のスペクトルとの比較から、樹脂種を判定することができる。
しかしながら、樹脂での吸収が少ない(数mm厚の樹脂を透過する)波数の赤外光の場合には、表面で一部反射、一部は樹脂で吸収されるが、残りは樹脂を透過する。さらに、試料台で反射した赤外光は、再び樹脂を通過し、検出器の方向に向かう。そのため、この波数の光は、他の波長より明るく検出される。これが、ゴーストピークである。
樹脂の吸収が少ないほど、ゴーストピークは大きくなり、逆に、樹脂の吸収が大きいほど、ゴーストピークは小さくなる。このため、ゴーストピークには、樹脂種固有のパターンが生じる。
樹脂にフィラーやカーボンブラック等の光を吸収または散乱する添加剤を含有している場合には、この限りではない。光は、樹脂を透過しないため、上述した現象は起こらず、ゴーストピークは現れない。
そこで、本発明の趣旨は、この樹脂を通過して試料台(またはコンベア)から反射する赤外光を、試料台(またはコンベア)の工夫により検出器へ向かわせないことにより、ゴーストピークを抑えた反射スペクトルを取得し、樹脂種の識別精度を向上させることにある。
[実験2]
次に、データ収集を行った際の条件について、詳細に説明する。
試料台としては、黒体スプレー(TASCO JAPAN製 黒体スプレー、THI−1B)を塗布したアルミ板を用いた。
測定条件は、先の実験1と同じである。具体的には、測定装置としては、日本電子製FT−IR5500を用い、検出器としては、MCT検出器を用いた。また、測定条件は、分解能16cm−1で10回積算した。また、光学系としては、反射測定用の冶具を用い、入射角、反射角はいずれも10度とした。
また、サンプルとしては、先の実験1で用いた、透明PP樹脂板、透明PS樹脂板、透明ABS樹脂板を用いた。
図6aは、試料台として黒体スプレーを塗布したアルミ板を用いた場合の各種透明樹脂板の赤外反射スペクトルを示す説明図である。図6aに示す反射スペクトルからも明らかなように、試料台として黒体スプレーを塗布したアルミ板を用いることで、先の図4aと比較して、ゴーストピークが大幅に低減できていることが確認できる。
また、図6bは、試料台としてアルミナ板を用いた場合の各種透明樹脂板の赤外反射スペクトルを示す説明図である。黒体スプレーを塗布したアルミ板の試料台を用いた図6aの結果に比べ、ゴーストピークの影響は若干残るものの、先の図4bと比較して、ゴーストピークの影響が大幅に低減できていることが分かる。
このような図6a、図6bに示された効果は、ゴーストピークの発生原因である、試料台からの赤外の反射を抑えた結果得られたものである。なお、試料台からの赤外の反射が小さいほど、効果が高いこととなる。
[実験3]
測定条件は、先の実験1、2と同じである。具体的には、測定装置としては、日本電子製FT−IR5500を用い、検出器としては、MCT検出器を用いた。また、測定条件は、分解能16cm−1で10回積算した。また、光学系としては、反射測定用の冶具を用い、入射角、反射角はいずれも10度とした。
また、試料台としては、従来のSUS(ステンレス鋼)製試料台、および本発明で用いられるアルミナ板、黒体スプレー塗布アルミ板、黒ベルベット(山崎ビロード製、ロイヤルベルベット)をそれぞれ設置した。図7a、図7bは、各種試料台からの赤外反射スペクトルの比較結果を示す説明図である。具体的には、サンプルは乗せず、各種試料台からの赤外反射スペクトルを取得した結果をまとめたものであり、図7bは、図7aの縦軸を拡大したものに相当している。
図7bに示すように、波数が750〜4000cm−1にかけて、黒ベルベットは、ほとんど反射しない。次いで、黒体スプレー塗布アルミ板、アルミナ板の順で、反射率は小さい結果となっている。
実施の形態1.
上述した実験1〜3の内容を踏まえた上で、本発明の樹脂種識別装置の好適な実施の形態につき、図面を用いて説明する。
図8は、本発明の実施の形態1における樹脂種識別装置の全体図である。本実施の形態1における樹脂種識別装置は、供給装置10、コンベア20、赤外光分析装置30、およびコントローラ40を備えて構成されている。ここで、赤外光分析装置30としては、フーリエ変換型赤外分光法(FT−IR)を適用している。
供給装置10は、被判別用の樹脂フレーク1を順にコンベア20上に供給する。コンベア20は、樹脂フレーク1を赤外光分析装置30の下まで搬送する。赤外光分析装置30は、樹脂フレーク1に赤外光を照射し、赤外反射光のスペクトルを取得する。
そして、コントローラ40は、赤外光分析装置30が取得した赤外反射光のスペクトルに基づいて、樹脂種を判定する機能を兼ねている。なお、特に図示していないが、コントローラ40による判別結果を元に、エアーの噴き出し等を行い、樹脂を選別することも可能である。
また、本判定結果を元に、樹脂の混在比を確認する場合には、この図8に示した基本構成で事足りる。たとえば、母集団より1000個の樹脂フレーク1を抽出し、その混在比を調べる。樹脂種を分別した樹脂フレーク(群)1を母集団とすれば、その純度(不純物となる樹脂フレーク1の数)を知ることができる。また、破砕後の混合フレークを母集団とすれば、その樹脂種毎の混在比を知ることができ、以降の分別工程条件の最適化や最終製品の樹脂種毎の量を前もって知ることができる。
ここで、本実施の形態1は、試料台に相当するコンベア表面21を、少なくとも、ゴーストピークのある波数の赤外光の反射率が所定値以下となる材料(具体的には、アルミナ板、アルマイト板、ベルベット、黒体スプレー塗布板、赤外光吸光シート(シグマサイバーテック製、スーパーブラックIR)、カーボングラファイトなど)で覆うことを技術的特徴としている。そして、このような材料は、試料台(コンベア)で反射し検出器に向かう赤外光の光強度を所定値以下となるようにする反射光抑制手段に相当する。
CNピークについて、ゴーストピークの影響を除くには、コンベア表面21を覆う材料としては、少なくともCNピーク付近の波数、たとえば2100〜2300cm−1の波数帯において、赤外を吸収する材料であればよい。
また、先の図7a、図7bに示したように、2200cm−1における反射率が、従来のSUSと比較して10%以下であるアルミナ板を用いた場合に、CNピーク付近のゴーストピークの影響が低減されている。このことから、従来のSUSよりも10%以下の反射率の材料でコンベア表面21を覆うことができれば、十分な効果が得られることがわかる。
以上のように、実施の形態1によれば、コンベア表面を、少なくともゴーストピークのある波数の赤外光の反射率が所定値以下となる材料で覆うことにより、ゴーストピークの低減を実現している。この結果、樹脂に起因するピーク有無やピーク形状の判定を容易にし、樹脂へのカーボンブラックやフィラー等の添加剤有無によらず、識別精度のよい(誤判定の少ない)樹脂種識別装置を得ることができる。
実施の形態2.
先の実施の形態1では、試料台(コンベア)からの赤外の反射を抑えるために、コンベア表面21で赤外光を吸収する構造を用いる場合について説明した。これに対して、本実施の形態2では、コンベアとして、金属メッシュを用いて、反射光の低減を図る場合について説明する。そして、このような金属メッシュは、試料台(コンベア)で反射し検出器に向かう赤外光の光強度を所定値以下となるようにする反射光抑制手段に相当する。
コンベアとして金属メッシュを用いた場合に反射光が低減する理由としては、メッシュの開口部からは、反射光がないことに加え、金属メッシュの断面形状が円または楕円のため、平面に比べて検出器に向かう反射光が少ないことが挙げられる。従って、反射光の低減効果を得やすくするためには、開口率が大きく、細いワイヤでできたコンベヤが望ましい。
以上のように、実施の形態2によれば、コンベア表面を、少なくともゴーストピークのある波数の赤外光の反射率が所定値以下となる材料で覆う代わりに、コンベア(試料台)を金属メッシュで構成することにより、ゴーストピークの低減を実現している。この結果、先の実施の形態1と同様に、樹脂に起因するピーク有無やピーク形状の判定を容易にし、樹脂へのカーボンブラックやフィラー等の添加剤有無によらず、識別精度のよい(誤判定の少ない)樹脂種識別装置を得ることができる。
実施の形態3.
先の実施の形態1では、試料台(コンベア)からの赤外の反射を抑えるために、赤外光を吸収することのできるコンベア表面21の材料について説明した。これに対して、本実施の形態3では、コンベア表面21の材料ではなく、コンベア20の形状を工夫することで、樹脂フレークを透過した赤外光を、検出器に向かわせないようにし、赤外の反射を抑える場合について説明する。そして、このようなコンベア形状は、試料台(コンベア)で反射し検出器に向かう赤外光の光強度を所定値以下となるようにする反射光抑制手段に相当する。
図9は、本発明の実施の形態3における被判別用の樹脂フレーク1とコンベア20の一部を示す断面図である。図9に示すように、コンベア表面21は、谷が90度の溝で覆われている。コンベア20は、図9の右から左に、あるいは左から右に移動する。樹脂フレーク1を透過した赤外光は、コンベア表面21で2回反射し、赤外光の入射方向に向かうため、赤外光分析装置30内に設けられた検出器には入らないこととなる。
谷のピッチは、図9に示すように、樹脂フレーク1に比べて十分小さくてもよい。ただし、波長に比べて谷の深さが十分浅いと、鏡面と同じように反射し、効果が得られないため、谷のピッチは、中赤外の波長に比べて十分大きい必要があり、100μm以上必要である。
また、図10は、本発明の実施の形態3における被判別用の樹脂フレーク1とコンベア20の一部を示す別の断面図である。この図10に示すように、谷毎に樹脂フレーク1を1個入れて測定するような谷のピッチとすることも可能である。
ここで、コンベア20の材料は、金属でもよいが、先の実施の形態1で説明した赤外線を吸収する材料と組み合わせることで、ゴーストピークを低減するための、より高い効果を得ることができる。
以上のように、実施の形態3によれば、コンベアの表面材料を工夫する代わりに、樹脂フレークを透過した赤外光を検出器に向かわせないようにコンベアの表面形状を工夫することにより、ゴーストピークの低減を実現している。この結果、先の実施の形態1、2と同様に、樹脂に起因するピーク有無やピーク形状の判定を容易にし、樹脂へのカーボンブラックやフィラー等の添加剤有無によらず、識別精度のよい(誤判定の少ない)樹脂種識別装置を得ることができる。
1 樹脂フレーク、10 供給装置、20 コンベア、21 コンベア表面、30 赤外光分析装置、40 コントローラ。

Claims (6)

  1. 試料台上の被判別用の樹脂に赤外光を照射し、反射光強度を検出器で検出して赤外反射光のスペクトル解析を行うことで樹脂種識別を行う樹脂種識別装置であって、
    前記試料台は、照射された前記赤外光のうち、前記試料台で反射し前記検出器に向かう赤外光の光強度を所定値以下となるようにする反射光抑制手段を備える
    ことを特徴とする樹脂種識別装置。
  2. 請求項1に記載の樹脂種識別装置において、
    前記反射光抑制手段は、赤外光の反射率が所定値以下となる材料で前記試料台の表面を覆うことで構成されている
    ことを特徴とする樹脂種識別装置。
  3. 請求項2に記載の樹脂種識別装置において、
    前記反射光抑制手段に用いられる前記材料は、波数が2100〜2200cm−1における赤外反射率がステンレス鋼の10%以下である
    ことを特徴とする樹脂種識別装置。
  4. 請求項1に記載の樹脂種識別装置において、
    前記反射光抑制手段は、金属メッシュでできた試料台で構成されている
    ことを特徴とする樹脂種識別装置。
  5. 請求項1に記載の樹脂種識別装置において、
    前記反射光抑制手段は、表面の谷が90度の溝で覆われた試料台で構成されている
    ことを特徴とする樹脂種識別装置。
  6. 請求項5に記載の樹脂種識別装置において、
    前記反射光抑制手段は、前記谷のピッチが100μm以上として構成されている
    ことを特徴とする樹脂種識別装置。
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