JP5900787B2 - 内燃機関の冷却制御装置 - Google Patents
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Description
シリンダブロック02内の冷却水通路08とシリンダヘッド04内の冷却水通路012とが直列に配設されて第1冷却経路を形成している。
また、シリンダヘッド04内の冷却水通路012には燃焼室05壁面に沿って仕切り壁019を設けると共に、冷却水パイプ020を仕切り壁019の内側(燃焼室側)に開口させ、吸気ポート06側の燃焼室壁を積極的に冷却する第2冷却経路を形成して、耐ノック性を向上させる技術が開示されている。
一方、吸気ポート06側の冷却水通路012には第2冷却経路からの冷却水が噴射されて、燃焼室壁を積極的に冷却するようになっているが、排気ポート07と吸気ポート06を冷却する冷却水通路は連通しており、吸気ポート06周辺を冷却するには限界があり、吸気ポート内の空気を十分に冷却できない不具合が生じる。
但し、この実施形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは特に特定的な記載がない限り、この発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。
図1を参照して内燃機関(以降エンジンと称す)の冷却構造の概略を説明する。図1はエンジン1の概略全体構成図であり、シリンダブロック2の上にシリンダヘッド3が取付けられている。
シリンダヘッド3には、シリンダヘッド3の吸気ポート32の周囲を冷却する冷却水が循環する吸気ポート冷却水通路7が設けられ、該吸気ポート冷却水通路7はエンジン1の外部に配設されたラジエータおよびウォータポンプ(詳細は後述する)と接続し、冷却水を前記吸気ポート32の周囲を循環せしめる第1冷却水回路5を形成している。
ピストン25の頂部25aとシリンダライナ23とシリンダヘッド3とに囲まれた部分とで、吸気ポート32から吸入された空気と燃料(ガソリン)とが混合して燃焼する燃焼室28を形成している。
尚、空気と燃料の混合ガスはシリンダヘッド3に設けられた点火プラグ(図示省略)によって燃焼する。
燃焼室28における爆発的燃焼によって、ピストン25が下方に押され、コネクチングロッド26によって図示省略のクランクシャフトに伝達され、クランクシャフトによって往復運動が回転運動に変換される。
そして、空気と燃料とが燃焼室28にて繰返し燃焼するのに伴い、シリンダライナ23及びシリンダブロック2が熱せられるので、それを冷却するためシリンダブロック2のピストン25が摺動する範囲で、且つ、シリンダライナ23周方向に冷却水を通すシリンダブロック冷却水通路21が形成されている。
図3にシリンダヘッド3の概略冷却構造を示す。図3は直列3気筒エンジンの冷却水路を示したもので、冷却水路を解りやすくするため、シリンダヘッド3を透かして冷却水路を実線で表わしたものである。
シリンダヘッド3の冷却構造は、既述の通り排気ポート31の周囲を冷却する冷却水が循環する排気ポート冷却水通路8と、吸気ポート32周囲を冷却する冷却水が循環する吸気ポート冷却水通路7が配設されている。
排気ポート冷却水通路8には、排気ポート31の外周部に環状に形成された冷却水通路81,82(図1は当該部が断面図となっているので、説明を容易にするため別符号にしたが、実際は連通した冷却水通路である。以後、冷却水通路は同様に表示する。)と、排気バルブ33の外周部に、冷却水通路83が形成されている。
そして、排気ポート冷却水通路8の第1冷却水導出部85から外部へ導出される。
尚、図中の冷却水通路81,82,83及び第1冷却水導出部85を破線(図1参照)で接続してあるのは、各冷却水通路が連通した冷却水通路であることを示すものである。
そして、吸気ポート冷却水通路7を循環した冷却水は第3冷却水導出部74からシリンダヘッドの外部へ導出される。
尚、本実施例では、吸気ポート冷却水通路7の一部を、吸気ポート32内に露出させて形成された吸気冷却水通路72によって構成することにより、吸気ポート32内を流れる吸気をより効果的に冷却することができる。
なお、この吸気冷却水通路72は、吸気ポート32を通過する吸気(空気)を冷却水通路71,73によって所望温度に冷却可能な場合には設けなくてよい。
また、電動ポンプ52は、第1冷却水温度検出手段57、第2冷却水回路6のサーモスタット62の上流側に位置した第2冷却水温度検出手段58、および吸気温度センサ29、電動ポンプ52の停止時間検出手段(図示省略)の検出結果に基づいて制御手段53からの信号で作動、停止が制御されるようになっている。詳細な制御方法については後述する。
エンジン1が始動されると、第1ウォータポンプ63の駆動により第2冷却水回路6内の冷却水の循環が開始される。冷却水温度HBが閾値H0よりも低い場合、サーモスタット62は閉状態であるため、冷却水はシリンダブロック冷却水通路21、排気ポート冷却水通路8、第6配管64、サーモスタット62、バイパス用配管67、第1ウォータポンプ63、第5配管68で構成される回路を循環する。つまり、冷却水温度HBが閾値H0よりも低い場合、冷却水は第2ラジエータ61によって冷却されないため、エンジン1の暖機が促進される。
エンジン1が継続的に運転され冷却水温度HBが閾値H0以上になると、サーモスタット62は開状態となり、冷却水はシリンダブロック冷却水通路21、排気ポート冷却水通路8、第6配管64、サーモスタット62、第7配管65、第2ラジエータ61、第4配管66、第1ウォータポンプ63、バイパス用配管67、第5配管68で構成される回路を循環する。この結果、冷却水は第2ラジエータ61によって冷却され、エンジン1がオーバヒートしないように適切に冷却することができる。
まず、エンジン1が始動されると制御手段53は停止時間検出手段(図示省略)によって電動ポンプ52の停止時間TSのカウントを開始する(ステップS1)。
次に、第2冷却水温度検出手段58による第2冷却水回路内の冷却水温度HBの検出処理を実行し(ステップS2)、冷却水温度HBが閾値H1よりも低いか否かを判定する(ステップS3)。冷却水温度HB<閾値H1の場合、ステップS3の判定結果はYesとなり、ステップS4に進む。ステップS3の判定結果がNoの場合、ステップS10に進み、電動ポンプ52の作動処理を実行する。ステップS10以降の処理については後述する。
ステップS4に戻って説明を続ける。ステップS4では、ステップS1でカウントを開始した電動ポンプの停止時間TSが閾値T0を越えたか否かを判定する。停止時間TS<閾値T0の場合、ステップS4の判定結果はYesとなり、ステップS5に進む。ステップS4の判定結果がNoの場合、ステップS10に進む。
ステップS5では、吸気温度センサ29による吸気温度Mの検出処理を実行し、次いで、吸気温度Mが閾値M0よりも低いか否かを判定する(ステップS6)。吸気温度M<閾値M0の場合、ステップS6の判定結果はYesとなり、ステップS7に進む。ステップS6の判定結果がNoの場合、ステップS10に進む。
ステップS7では、第1冷却水温度検出手段57による第1冷却水回路内の冷却水温度HAの検出処理を実行し、次いで、冷却水温度HAが閾値H2よりも低いか否かを判定する(ステップS8)。冷却水温度HA<閾値H2の場合、ステップS8の判定結果はYesとなり、ステップS2に戻る。ステップS8の判定結果がNoの場合、ステップS10に進む。
次に、ステップS10以降の処理について説明する。上述の通り、ステップS3、ステップS4、ステップS6、及びステップS8のいずれかの判定結果がNoであった場合、制御手段53は電動ポンプ52の作動制御を実行する(ステップS10)。
電動ポンプ52の作動を受けて、制御手段53は停止時間検出手段(図示省略)による電動ポンプ52の停止時間TSのカウントをリセットする(ステップS11)。次いで、第1冷却水回路内の冷却水温度HAの検出処理を実行し(ステップS12)、冷却水温度HAが閾値H2よりも低いか否かを判定する(ステップS13)。電動ポンプ52の作動によって冷却水温度HAが閾値H2よりも低くなった場合、ステップS13の判定結果はYesとなり、制御手段53は電動ポンプ52の作動を停止し、ステップS1に戻る。ステップS13の判定結果がNoの場合、ステップS11に戻り、以降エンジン1が停止するか、冷却水温度HAが閾値H2よりも低くなるまで制御手段53は電動ポンプ52の作動処理を実行する。
また、第2冷却水温度検出手段58によって検出された第2冷却水回路6内の冷却水温度HBが閾値H1より小さい場合でも、電動ポンプ52の停止時間TSがエンジン1の始動から所定時間T0を超えた場合は電動ポンプ52を作動させるようにしている。したがって、例えば始動直後の高負荷運転により吸気ポート32周囲の局所的な温度上昇が起こった場合でも、適切に吸気ポート32周囲の冷却を開始することができる。
また、第2冷却水回路6内の冷却水温度HBと電動ポンプ52の停止時間TSが共に閾値以下の場合でも、吸気ポート32内に流入する吸気の温度Mが閾値M0よりも高い場合は電動ポンプ52を作動させるようにしている。したがって、吸気温度を直接検出してその温度に基づいて制御するので、吸気ポート32周囲の局所的な温度上昇をより確実に防止して、適切な吸気ポート32周囲の冷却を行うことができる。
さらに、冷却水温度HBと停止時間TSと吸気温度Mがいずれも閾値以下の場合でも、第1冷却水温度検出手段57によって検出される冷却水温度HAが閾値H2以上のときは電動ポンプ52を作動させるようにしている。したがって、例えばアイドリングストップ機能を有する車両のように、エンジンの自動停止と再始動が繰り返し行われるような車両では、エンジン1の始動直後に吸気ポート32周囲の温度のみが十分に高くなっているような場合がありうるが、そのような場合でも吸気ポート32周囲の冷却を適切に行うことができる。
また、電動ポンプ52が駆動している場合は、第1冷却水回路5の冷却水の温度は均一であるため、第1冷却水温度検出手段57によって検出される温度HAに基づいて電動ポンプの作動を制御することで、吸気ポート32周囲の冷却を適切に行うことができる。
尚、上記各閾値は、予め実験などから設定したマップから求めてもよいし、運転状況に応じて適宜変更してもよい。
本発明の第2実施形態にかかる冷却構造の概略全体構成図を図2に示す。
本第2実施形態はエンジン本体側の構造、第1冷却水回路5、第2冷却水回路6は、第1実施形態と同じため、同一符号を付して、その作用についての説明は省略する。
第2実施形態は、第1実施形態に示した電動ポンプ52に代えて、エンジン1のクランクシャフト(図示省略)の駆動力によって駆動される第2ウォータポンプ91が設けられている点が相違する。
このように、第2実施形態によると、前記第1実施形態と同様に、吸気ポート32内を通過する吸気(空気)を効率よく冷却でき、高圧縮比化されたエンジンのノッキングを防止して、燃料消費率の向上を図ることが可能となる。
さらに、第2実施形態においては、電磁クラッチ92へのON、OFF信号を出力するだけで、電動ポンプ52を作動させる電力が不要であるため、電力消費を節約することができる。
2 シリンダブロック
3 シリンダヘッド
5 第1冷却水回路
6 第2冷却水回路.
7 吸気ポート冷却水通路
8 排気ポート冷却水通路
21 シリンダブロック冷却水通路
23 シリンダライナ
25 ピストン
26 コネクチングロッド
28 燃焼室
29 吸気温度センサ
31 排気ポート
32 吸気ポート
51 第1ラジエータ
52 電動ポンプ(第1冷却水循環装置)
53 制御手段
57 第1冷却水温度検知手段
58 第2冷却水温度検出手段
61 第2ラジエータ
62 サーモスタット
63 第1ウォータポンプ(第2冷却水循環装置)
91 第2ウォータポンプ(第1冷却水循環装置)
92 電磁クラッチ
Claims (5)
- 内燃機関のシリンダヘッド内の吸気ポート周囲に設けられる吸気ポート冷却水通路を含む第1冷却水回路と、
前記内燃機関のシリンダブロックに設けられるシリンダブロック冷却水通路と前記シリンダヘッド内の排気ポート周囲に設けられる排気ポート冷却水通路とを含み、前記第1冷却水回路とは独立に形成される第2冷却水回路と、
前記第1冷却水回路内の冷却水を循環させる第1冷却水循環装置と、
前記第2冷却水回路内の冷却水の温度を検出する第2冷却水温度検出手段と、
前記第1冷却水循環装置の作動を制御する制御手段と、
を備える内燃機関の冷却制御装置であって、
前記制御手段は、前記第1冷却水循環装置が停止している場合に、前記第2冷却水温度検出手段によって検出された温度に基づいて、前記第1冷却水循環装置を作動させることを特徴とする内燃機関の冷却制御装置。 - 前記第1冷却水回路内の冷却水の温度を検出する第1冷却水温度検出手段を備え、前記制御手段は、前記第1冷却水循環装置が駆動している場合に、前記第1冷却水温度検出手段によって検出された温度に基づいて、前記第1冷却水循環装置を制御することを特徴とする請求項1記載の内燃機関の冷却制御装置。
- 前記制御手段は、前記第1冷却水循環装置の停止中に前記第2冷却水温度検出手段によって検出された温度が所定値未満で、かつ、所定条件が成立した場合、前記第1冷却水循環装置を強制作動させる強制作動手段を備えることを特徴とする請求項1または2記載の内燃機関の冷却制御装置。
- 前記第1冷却水循環装置の停止時間を計測する停止時間計測手段を備え、前記強制作動手段は、前記停止時間計測手段によって計測された停止時間が所定時間を越えたことを含む前記所定条件が成立した場合、前記第1冷却水循環装置を強制作動させることを特徴とする請求項3記載の内燃機関の冷却制御装置。
- 前記吸気ポート内に流入する吸気の温度を検出する吸気温度検出手段を備え、前記強制作動手段は、前記吸気温度検出手段によって検出された吸気温度が所定値を超えたことを含む前記所定条件が成立した場合、前記第1冷却水循環装置を強制作動させることを特徴とする請求項3記載の内燃機関の冷却制御装置。
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