JP5282827B2 - エンジンの冷却装置 - Google Patents

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Description

本発明はエンジンの冷却装置に関する。
従来、エンジンでは一般に冷却水による冷却が行われている。また、エンジンでは機関運転中に特にシリンダヘッドの熱負荷が高くなることも知られている。
この点、例えば特許文献1では機関冷間時に暖機を促進するとともに、機関温間時にエンジンを適切に冷却し得るエンジンの冷却装置が開示されている。
具体的にはこのエンジンの冷却装置は、機関冷間時にラジエータに冷却水を流通させることなく、シリンダヘッド、シリンダブロックの順に冷却水を流通させることで暖機を促進している。すなわちこのエンジンの冷却装置は、シリンダヘッドの熱負荷が高いことを利用する態様で機関冷間時に暖機を促進している。
またこのエンジンの冷却装置は機関温間時に、軽負荷である場合にはシリンダヘッド(或いは必要に応じてラジエータ、シリンダヘッドの順)に冷却水を流通させ、高負荷である場合にはラジエータ、シリンダヘッド、シリンダブロックの順に冷却水を流通させることで、エンジンを適切に冷却しようとしている。すなわちこのエンジンの冷却装置は、熱負荷の高いシリンダヘッドの冷却を優先することで、機関温間時に冷却の適切性を確保しようとしている。
特開2004−270652号公報
ところで、図11に示すように、エンジン、とりわけ火花点火式内燃機関では排気損失や冷却損失など正味仕事に使われない熱が多く発生する。そしてエネルギ損失全体の大きな割合を占める冷却損失の低減は、熱効率(燃費)の向上にとって非常に重要な要素である。ところが、冷却損失を低減し、熱を有効に利用することは必ずしも容易ではなく、このことが熱効率向上の妨げとなっている。
冷却損失の低減が困難である理由としては、例えば一般的なエンジンは、局部的に熱伝達の状態を可変にする構成にはなっていないことが挙げられる。すなわち、一般的なエンジンでは構成上、冷却が必要な部位を必要な度合いだけ冷却することが困難なことが挙げられる。具体的にはエンジンの熱伝達の状態を可変にするにあたっては、一般にはエンジンの出力で駆動する機械式ウォータポンプにより、エンジン回転数に応じて冷却水の流量を変更することが行われている。ところが、冷却水の流量を全体的に調節するウォータポンプでは、仮に流量を可変にする可変ウォータポンプを用いた場合であっても、機関運転状態に応じて局部的に熱の伝達状態を可変にすることはできない。
また冷却損失を低減するにあたっては、例えばエンジンの断熱性を高めることも考えられる。そしてこの場合には、図12に示すように大幅な冷却損失の低減を期待できる。ところがこの場合には、エンジンの断熱性を高めることで、同時に燃焼室の内壁温度の上昇する。そしてこの場合には、これに伴い混合気の温度が上昇することで、ノッキングが誘発されるという問題があった。
そこで本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、エンジンの熱伝達の状態を合理的な態様で局部的に可変することで、冷却損失の低減とノック性能とを両立できるエンジンの冷却装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するための本発明は、シリンダブロックおよびシリンダヘッドを備えるエンジンと、前記シリンダブロックに形成された第1の冷却媒体通路と、前記シリンダヘッドに形成された、前記第1の冷却媒体通路が組み込まれる冷却媒体循環経路とは異なる冷却媒体循環経路に組み込まれる第2の冷却媒体通路と、前記第2の冷却媒体通路を流通する冷却媒体の流量を調節する流量調節手段と、前記流量調節手段を制御する制御手段と、を備え、前記第1の冷却媒体通路は、前記シリンダブロックのうち該シリンダブロックに設けられたシリンダの周辺部に第1の部分冷却媒体通路を備え、前記第1の部分冷却媒体通路の上流部は、前記シリンダの壁面のうち筒内に流入した吸気が当たる部分に対応させて設けられているエンジンの冷却装置である。
また本発明は前記制御手段が、前記エンジンの運転状態が低回転高負荷である場合に、前記第2の冷却媒体通路を流通する冷却媒体の流量が制限されるように前記流量調節手段を制御する構成であることが好ましい。
また本発明は前記第1および第2の冷却媒体通路を互いに独立した冷却媒体循環経路に組み込むとともに、前記第2の冷却媒体通路を流通する冷却媒体をオイルとした構成であることが好ましい。
本発明によれば、エンジンの熱伝達の状態を合理的な態様で局部的に可変することで、冷却損失の低減とノック性能とを両立できる。
エンジンの冷却装置(以下、単に冷却装置と称す)1Aを模式的に示す図である。 エンジン50Aを1気筒につき断面で模式的に示す図である。 ECU70Aを模式的に示す図である。 機関運転状態の分類を模式的に示す図である。 ECU70Aの動作をフローチャートで示す図である。 クランク角度に応じた燃焼室55の熱伝達率および表面積割合を示す図である。 負荷に応じた冷却装置1Aの熱効率を筒内圧力最大位置とともに示す図である。なお、図7では比較のため流量調節弁14を備えていない点以外、冷却装置1Aと実質的に同一である冷却装置1Xの場合についても示している。 冷却装置1Bを模式的に示す図である。 ECU70Bの動作をフローチャートで示す図である。 エンジン50Bを1気筒につき断面で模式的に示す図である。 火花点火式内燃機関の一般的なヒートバランスの内訳を全負荷の場合と部分負荷の場合とについてそれぞれ示す図である。 シリンダの内壁温度および熱透過率を通常の構成の場合と断熱性を高めた場合とについてそれぞれ示す図である。なお、図12では断熱性を高めた場合として、シリンダの壁厚増加とともに材質変更を行った場合と、より断熱性の高い空気断熱を行った場合とについてそれぞれ示している。また、通常の構成としては、シリンダブロック下部からシリンダヘッドへ向かって重力に逆らうようにして冷却水を流通させる1系統の冷却水循環経路が設けられた一般的なエンジンの場合を示している。
以下、本発明を実施するための形態を図面と共に詳細に説明する。
図1に示す冷却装置1Aは図示しない車両に搭載されており、ウォータポンプ(以下、W/Pと称す)11と、ラジエータ12と、サーモスタット13と、流量調節弁14と、エンジン50Aと、第1から第4の部分流量調節弁61から64までを備えている。W/P11は冷却媒体圧送手段であり、冷却媒体である冷却水を圧送するとともに、圧送する冷却水の流量を可変にする可変W/Pとなっている。W/P11が圧送する冷却水はエンジン50Aに供給される。
エンジン50Aはシリンダブロック51Aおよびシリンダヘッド52を備えている。シリンダブロック51Aには第1の冷却媒体通路であるブロック側ウォータジャケット(以下、ブロック側W/Jと称す)511Aが形成されている。ブロック側W/J511Aはシリンダブロック51Aに1系統の冷却系統を形成している。一方、シリンダヘッド52には第2の冷却媒体通路であるヘッド側ウォータジャケット(以下、ヘッド側W/Jと称す)521が形成されている。ヘッド側W/J521はシリンダヘッド52に複数(ここでは4つ)の異なる冷却系統を形成している。W/P11が圧送する冷却水は具体的にはブロック側W/J511Aおよびヘッド側W/J521に供給される。
この点、冷却装置1Aでは複数の冷却水循環経路が形成されている。
冷却水循環経路としては、例えばブロック側W/J511Aが組み込まれた循環経路であるブロック側循環経路C1がある。このブロック側循環経路C1を流通する冷却水は、W/P11から吐出された後、ブロック側W/J511Aを流通し、さらにサーモスタット13を介するか、或いはラジエータ12およびサーモスタット13を介してW/P11に戻るようになっている。ラジエータ12は熱交換器であり、流通する冷却水と空気との間で熱交換を行うことで冷却水を冷却する。サーモスタット13はW/P11に入口側から連通する流通経路を切り替える。具体的にはサーモスタット13は、冷却水温が所定値未満の場合にラジエータ12をバイパスする流通経路を連通状態にし、所定値以上の場合にラジエータ12を流通する流通する流通経路を連通状態にする。
また冷却水循環経路としては、例えばヘッド側W/J521が組み込まれた循環経路であるヘッド側循環経路C2がある。このヘッド側循環経路C2を流通する冷却水は、W/P11から吐出された後、流量調節弁14、第1から第4の部分流量調節弁61から64までのうち少なくともいずれか、およびヘッド側W/J521が形成する4系統の冷却系統のうち少なくともいずれかを流通し、さらにサーモスタット13を介するか、或いはラジエータ12およびサーモスタット13を介してW/P11に戻るようになっている。
流量調節弁14はヘッド側循環経路C2のうち、循環経路C1、C2が分岐した後の部分、且つシリンダヘッド52よりも上流側の部分に設けられており、さらに具体的には第1から第4の部分流量調節弁61から64までよりも上流側の部分に設けられている。流量調節弁14は、シリンダヘッド52の冷却能力を調整可能な冷却能力調整手段となっている。この点、流量調節弁14は具体的には、ヘッド側W/J521を流通する冷却水の流量を全体的に調節することで、シリンダヘッド52の冷却能力を全体的に調整可能な冷却能力調整手段となっている。
またこのように設けられた流量調節弁14は、シリンダブロック51Aの冷却能力を抑制することなく、シリンダヘッド52の冷却能力を抑制可能な冷却能力調整手段となっている。具体的には例えば流量調節弁14は、シリンダブロック51Aおよびシリンダヘッド52にともに冷却水を流通させる高回転高負荷時のシリンダブロック51Aの冷却能力およびシリンダヘッド52の冷却能力がある場合に、これらの冷却能力に対してシリンダブロック51Aの冷却能力を抑制することなく、シリンダヘッド52の冷却能力を抑制可能な冷却能力調整手段となっている。
さらにこのように設けられた流量調節弁14は、シリンダヘッド52の冷却能力を抑制するようにヘッド側W/J521を流通する冷却水の流量を調節した場合に、シリンダブロック51Aの冷却能力を高めるようにブロック側W/J511Aを流通する冷却水の流量を調節可能な冷却能力調整手段となっている。
第1から第4の部分流量調節弁61から64までは、ヘッド側循環経路C2のうち、流量調節弁14およびシリンダヘッド52の間の部分に、ヘッド側W/J521が形成する4系統の冷却系統に対応させて設けられている。これら部分流量調節弁61から64までは、シリンダヘッド52の冷却能力を調整可能な冷却能力調整手段となっており、さらに具体的にはヘッド側W/J521を流通する冷却水の流量を部分的に調節することで、シリンダヘッド52の冷却能力を部分的に調整可能な冷却能力調整手段となっている。
冷却装置1Aでは、ブロック側循環経路C1を流通する冷却水が、W/P11によって圧送された後、一巡するまでの間にヘッド側W/J521を流通することがないようになっている。また、冷却装置1Aではヘッド側循環経路C2を流通する冷却水が、W/P11によって圧送された後、一巡するまでの間にブロック側W/J511Aを流通することがないようになっている。すなわち冷却装置1Aでは、ブロック側W/J511Aとヘッド側W/J521とが互いに異なる冷却媒体循環経路に組み込まれている。
次にエンジン50Aについてさらに具体的に説明する。図2に示すように、シリンダブロック51Aにはシリンダ51aが形成されている。シリンダ51aにはピストン53が設けられている。シリンダブロック51Aには断熱性の高いガスケット54を介してシリンダヘッド52が固定されている。ガスケット54はその高い断熱性でシリンダブロック51Aからシリンダヘッド52への熱伝達を抑制する。シリンダ51a、シリンダヘッド52およびピストン53は、燃焼室55を形成している。シリンダヘッド52には燃焼室55に吸気を導く吸気ポート52aと、燃焼室55から燃焼ガスを排出する排気ポート52bが形成されている。シリンダヘッド52には、燃焼室55の上部略中央に臨むようにして点火プラグ56が設けられている。
ブロック側W/J511Aは、具体的には第1の部分冷却媒体通路である部分W/J511aを備えている。部分W/J511aは具体的にはシリンダ51aの周辺部に設けられている。そして部分W/J511aの上流部Pはシリンダ51aの壁面のうち、筒内に流入した吸気が当たる部分に対応させて設けられている。この点、エンジン50Aは本実施例では筒内に正タンブル流を生成するエンジンとなっており、筒内に流入した吸気が当たる部分は、さらに具体的にはシリンダ51aの壁面上部、且つ排気側の部分となっている。
ヘッド側W/J521は、具体的には第2の部分冷却媒体通路である複数の部分W/J521a、部分W/J521b、部分W/J521cおよび部分W/J521dを備えている。部分W/J521aは吸気ポート52aの周辺部に、部分W/J521bは排気ポート52bの周辺部に、部分W/J521cは点火プラグ56の周辺部にそれぞれ設けられている。また、部分W/J521dは吸排気ポート52a、52b間や、その他の部分を冷却するために設けられている。部分W/J521aから部分W/J524dまではヘッド側W/J521が形成する4系統の冷却系統に別個に組み込まれている。そして、第1の部分流量調節弁61が部分W/J521aに、第2の部分流量調節弁62が部分W/J521bに、第3の部分流量調節弁63が部分W/J521cに、第4の部分流量調節弁64が、部分W/J521dにそれぞれ対応させて設けられている。
さらに冷却装置1Aは図3に示すECU(Electronic Control Unit:電子制御装置)70Aを備えている。ECU70AはCPU71、ROM72、RAM73等からなるマイクロコンピュータと入出力回路75、76とを備えている。これらの構成は互いにバス74を介して接続されている。ECU70Aには、エンジン50Aの回転数を検出するためのクランク角センサ81や、吸入空気量を計測するためのエアフロメータ82や、アクセル開度を検出するためのアクセル開度センサ83や、冷却水の温度を検知する水温センサ84などの各種のセンサ・スイッチ類が電気的に接続されている。この点、エンジン50Aの負荷はエアフロメータ82やアクセル開度センサ83の出力に基づきECU70Aで検出される。またECU70AにはW/P11や流量調節弁14や第1から第4までの部分流量調節弁61から64までなどの各種の制御対象が電気的に接続されている。
ROM72はCPU71が実行する種々の処理が記述されたプログラムやマップデータなどを格納するための構成である。CPU71がROM72に格納されたプログラムに基づき、必要に応じてRAM73の一時記憶領域を利用しつつ処理を実行することで、ECU70Aでは各種の制御手段や判定手段や検出手段や算出手段などが機能的に実現される。
この点、ECU70Aでは例えば、シリンダヘッド52の冷却能力を抑制するための制御を行う制御手段が機能的に実現される。
制御手段は、具体的には機関運転状態が高負荷である場合に、シリンダヘッド52の冷却能力を抑制するための制御を行うように実現される。
さらに具体的には、制御手段は機関運転状態が低回転高負荷である場合に、流量調節弁14を制御することで、ヘッド側W/J521に基づき発揮される冷却能力を抑制するための制御を行うように実現される。
また制御手段は、機関運転状態が高負荷である場合のほか、他の運転状態においてもエンジン50Aの運転を成立させるための制御を行うように実現される。
この点、機関運転状態は具体的にはエンジン50Aの回転数および負荷のほか、冷間運転時であるか否か、または機関始動時であるか否かに応じて図4に示す6つの区分D1からD6までに分類されている。そして制御手段が制御を行うにあたっては、具体的には以下に示すように区分D1からD6まで毎に満たすべき要求を設定するとともに、設定した要求を満たすための制御指針を定めている。
まず、機関運転状態が区分D1に対応するアイドル状態である場合には、吸気昇温による燃焼速度向上、および触媒活性のための排気昇温という2つの要求を設定している。またこれに応じた吸気ポート52aとシリンダ51a上部との昇温、および排気ポート52bの昇温という2つの制御指針を定めている。
この点、吸気ポート52aの昇温を図るにあたっては、例えば流量調節弁14または部分流量調節弁61を閉弁、或いは小さな開度で開弁することができる。
また、シリンダ51a上部の昇温を図るにあたっては、例えばW/P11を停止、或いは低吐出量で駆動することができる。
また、排気ポート52bの昇温を図るにあたっては、例えば流量調節弁14または部分流量調節弁62を閉弁、或いは小さな開度で開弁することができる。
また機関運転状態が、区分D2に対応する軽負荷である場合には、熱効率向上(冷却損失低減)、および吸気昇温による燃焼速度向上という2つの要求を設定している。またこれに応じたシリンダヘッド52の断熱、および吸気ポート52aとシリンダ51a上部との昇温という2つの制御指針を定めている。
この点、シリンダヘッド52の断熱を図るにあたっては、例えば流量調節弁14または各部分流量調節弁61から64までを閉弁、或いは小さな開度で開弁することができる。また吸気ポート52aの昇温を図るにあたっては、例えば流量調節弁14または部分流量調節弁61を閉弁、或いは小さな開度で開弁することができる。またシリンダ51a上部の昇温を図るにあたっては、例えばW/P11を停止、或いは低吐出量で駆動することができる。
また機関運転状態が、区分D3に対応する低回転高負荷である場合には、ノッキングの低減、および熱効率向上(冷却損失低減)という要求を設定している。またこれに応じた吸気ポート52aとシリンダ51a上部との冷却、およびシリンダヘッド52の断熱という制御指針を定めている。
この点、吸気ポート52aの冷却を図るにあたっては、例えば流量調節弁14または部分流量調節弁61を全開、或いは大きな開度で開弁することができる。またシリンダ51a上部の冷却を図るにあたっては、例えばW/P11を機関運転時に適用される最大吐出量、或いは高吐出量で駆動することができる。シリンダヘッド52の断熱を図るにあたっては、例えば流量調節弁14または各部分流量調節弁61から64までを閉弁、或いは小さな開度で開弁することができる。
また機関運転状態が、区分D4に対応する高回転高負荷である場合には、信頼性確保、およびノッキングの低減という2つの要求を設定している。またこれに応じた点火プラグ56周りと吸排気ポート52a、52b間と排気ポート52bとの冷却、および吸気ポート52aの冷却という2つの制御指針を定めている。
この点、点火プラグ56周りと吸排気ポート52a、52b間と排気ポート52bとの冷却を図るにあたっては、例えば流量調節弁14、または部分流量調節弁63、部分流量調節弁64および部分流量調節弁62を全開にすることができる。
また吸気ポート52aの冷却を図るにあたっては、例えば流量調節弁14、または部分流量調節弁61を全開にすることができる。
またW/P11については、例えば機関運転時に適用される最大吐出量で駆動することができる。
また区分D5に対応する機関冷間時には、機関暖機促進、および吸気昇温による燃焼速度向上という2つの要求を設定している。またこれに応じたシリンダヘッド52の熱伝達促進、および吸気ポート52aとシリンダ51a上部との昇温という2つの制御指針を定めている。
この点、シリンダヘッド52の熱伝達促進を図るにあたっては、シリンダヘッド52での冷却水の受熱の寄与が大きいことを考慮して、例えば熱負荷の大きい部分に対応する部分流量調節弁62、63を大きな開度で開弁することができる。
また吸気ポート52aの昇温を図るにあたっては、例えば流量調節弁14、または部分流量調節弁61を閉弁、或いは小さな開度で開弁することができる。またシリンダ51a上部の昇温を図るにあたっては、例えばW/P11を停止、或いは低吐出量で駆動することができる。
また区分D6に対応する機関始動時には、着火性向上、および燃料気化促進という2つの要求を設定している。またこれに応じた吸気ポート52aの昇温、および点火プラグ56周りとシリンダ51a上部との昇温という2つの制御指針を定めている。
この点、吸気ポート52aの昇温を図るにあたっては、例えば流量調節弁14、または部分流量調節弁61を閉弁、或いは小さな開度で開弁することができる。
また点火プラグ56周りの昇温を図るにあたっては、例えば流量調節弁14、または部分流量調節弁63を閉弁、或いは小さな開度で開弁することができる。
またシリンダ51a上部の昇温を図るにあたっては、例えばW/P11を停止、或いは低吐出量で駆動することができる。
これに対して冷却装置1Aでは、全体的な制御の整合性や簡素化などを考慮し、制御手段がW/P11については、基本的にエンジン50Aの回転数に応じて、回転数が高くなるほど吐出量が多くなるようにW/P11を駆動するための制御を行うとともに、各部分流量調節弁61から64までについては、基本的に全開にするための制御を行うように実現される。一方、流量調節弁14については、さらに具体的には以下に示す制御を行うよう実現される。
すなわち制御手段は、機関運転状態が区分D1に対応するアイドル状態である場合と、機関運転状態が区分D2に対応する軽負荷である場合と、区分D5に対応する機関冷間時と、区分D6に対応する機関始動時においては、流量調節弁14を閉弁するための制御を行うように実現される。
また制御手段は、機関運転状態が区分D3に対応する低回転高負荷である場合には、流量調節弁14を閉弁、或いはシリンダヘッド52への冷却水の流通を抑制しつつ、シリンダヘッド52における冷却水の沸騰を抑制可能な態様(以下、沸騰抑制態様と称す)で開弁するための制御を行うように実現される。
また制御手段は、機関運転状態が区分D4に対応する高回転高負荷である場合には、流量調節弁14を全開にするための制御を行うように実現される。
この点、機関運転状態が区分D3に対応する低回転高負荷である場合に、流量調節弁14を沸騰抑制態様で開弁するための制御を行うにあたっては、制御手段は具体的には例えばあらゆる条件において冷却水の沸騰を抑制できる必要最小限の開度で流量調節弁14を開弁することや、シリンダヘッド52を流通する冷却水の温度を検出或いは推定するとともに、当該冷却水の温度に基づいて流量調節弁14を間欠的に開弁することや、所定の回転数以上で流量調節弁14を開弁することなどができる。これによりシリンダヘッド52の冷却能力を抑制するにあたり、冷却水の沸騰を抑制しつつ、流量調節弁14が必要以上に開弁されることを抑制できる。
そして冷却装置1Aでは、制御手段の制御のもと、区分D3において流量調節弁14がこのようにシリンダヘッド52を流通する冷却水の流量を低下させることで、エンジン50Aを流通する冷却水の流量を局部的に低下させる。
そして冷却装置1Aでは、流量調節弁14が全開でない場合にシリンダヘッド52への冷却水の流通を抑制することで、シリンダヘッド52の冷却能力を抑制していることになる。この点、冷却装置1Aではさらに具体的には、流量調節弁14を閉弁するか、或いは沸騰抑制態様で流量調節弁14を開弁している場合にシリンダヘッド52の冷却能力を抑制していることになる。
なお、冷却装置1Aでは、全体的な制御の整合性や簡素化などを考慮した結果、区分D1、D2、D5およびD6において、制御手段が流量調節弁14を閉弁するための制御を行うように実現されている。但しこれに限られず、制御手段は例えば上述した制御指針に基づいてW/P11、流量調節弁14および各部分流量調節弁61から64までを適宜制御することで、区分D1、D2、D5およびD6において互いに異なる制御を行うように実現されてもよい。これにより区分D1、D2、D5およびD6において、さらにエンジン50Aの運転を好適に成立させることもできる。
次にECU70Aで行われる処理を図5に示すフローチャートを用いて説明する。ECU70Aは機関始動時であるか否かを判定する(ステップS1)。肯定判定であれば、ECU70AはW/P11の駆動を開始するとともに(ステップS3)、流量調節弁14を閉弁する(ステップS21A)。一方、ステップS1で否定判定であれば、ECU70Aは機関冷間時であるか否かを判定する(ステップS5)。機関冷間時であるか否かは、例えば冷却水温が所定値(例えば75℃)以下であるか否かで判定できる。ステップS5で肯定判定であれば、ステップS21Aに進む。一方、ステップS5で否定判定であれば、ECU70Aはエンジン50Aの回転数および負荷を検出する(ステップS11)。
続いてECU70Aは検出した回転数および負荷に対応する区分を判定する(ステップS12からS14まで)。具体的には対応する区分が区分D1であれば、ステップS12の肯定判定からステップS21に進み、対応する区分が区分D2であれば、ステップS13の肯定判定からステップS21に進む。一方、対応する区分が区分D3であれば、ステップS14の肯定判定からステップS31Aに進む。このときECU70Aは流量調節弁14を閉弁、或いは沸騰抑制態様で開弁する(ステップS31A)。また対応する区分が区分D4であれば、ステップS14の否定判定からステップS41Aに進む。このときECU70Aは流量調節弁14を全開にする(ステップS41A)。
次に冷却装置1Aの作用効果について説明する。ここで、エンジン50Aのクランク角度に応じた燃焼室55の熱伝達率および表面積割合は、図6に示すようになっている。図6に示すように熱伝達率は、圧縮行程上死点付近で高まることがわかる。そして表面積割合については、圧縮行程上死点付近でシリンダヘッド52とピストン53の表面積割合が大きくなることがわかる。したがって冷却損失については、シリンダヘッド52の温度の影響力が大きいことがわかる。一方、ノッキングについては圧縮端温度に依存するところ、圧縮端温度に影響する吸気圧縮行程ではシリンダ51aの表面積割合が大きいことがわかる。したがってノッキングについてはシリンダ51aの温度の影響力が大きいことがわかる。
これに対して、冷却装置1Aではかかる知見に基づき、機関運転状態が低回転高負荷である場合に、流量調節弁14を閉弁、或いは沸騰抑制態様で開弁する。そしてこれにより、ヘッド側W/J521を流通する冷却水の流量を制限することで、シリンダヘッド52の冷却能力を抑制でき、以って冷却損失を低減できる。
一方、この場合にはノッキングの発生が懸念される。これに対して冷却装置1Aでは、シリンダブロック51Aの冷却能力を抑制することなく、シリンダヘッド52の冷却能力を抑制可能な流量調節弁14を制御することで、ヘッド側W/J521を流通する冷却水の流量を制限する。このため冷却装置1Aではこれによりシリンダ51aの冷却を維持でき、以ってノッキングの発生も抑制できる。
すなわち冷却装置1Aでは、上述した知見に基づく合理的な態様で熱伝達の状態を局部的に可変することでシリンダヘッド52の断熱(冷却損失の低減)を図ることができ、同時にシリンダブロック51Aの冷却を図ることで、ノッキングの発生も抑制できる。そして、このようにして冷却損失の低減とノック性能とを両立させることで、図7に示すように熱効率を向上させることができる。
また冷却装置1Aでは、部分W/J511aの上流部Pをシリンダ51aの壁面のうち、筒内に流入した吸気が当たる部分に対応させて設けている。このため冷却装置1Aではこれによって吸気を効果的に冷却でき、以ってノッキングの発生を好適に抑制できる。
また冷却装置1Aでは、流量調節弁14が、シリンダヘッド52の冷却能力を抑制するようにヘッド側W/J521を流通する冷却水の流量を調節した場合に、シリンダブロック51Aの冷却能力を高めるようにブロック側W/J511Aを流通する冷却水の流量を調節可能になっている。このため冷却装置1Aではこれによって吸気をより一層冷却でき、ノッキングの発生をさらに好適に抑制できる。
また冷却装置1Aは、主に低回転高負荷時に熱効率の向上を図ることができる一方で、他の運転状態においてもエンジン50Aの運転を成立させることができる。この点、高回転高負荷時には信頼性確保やノッキングの低減のほか、例えば排気温度の低下による触媒の熱負荷低減を図ることもできる。このため冷却装置1Aは特定の運転状態だけでなく、通常行われるエンジン50Aの運転全体として見ても熱効率の向上を図ることができる。
なお、制御手段は機関運転状態が低回転高負荷である場合に、例えば流量調節弁14を全開にするとともに、流量調節弁14に代えて各部分流量調節弁61から64までを沸騰抑制態様で開弁するための制御を行うように実現することもできる。また制御手段は機関運転状態が低回転高負荷である場合に、例えば流量調節弁14を全開にするとともに、各部分流量調節弁61から64までのうち、少なくともいずれかの開度(例えば熱負荷の大きい部分に対応する部分流量調節弁62や部分流量調節弁63)を間欠的な態様で全閉状態から小さい開度で開弁するように実現することもできる。これによりシリンダヘッド52の信頼性を好適に確保できる。
図8に示すように本実施例にかかる冷却装置1Bは、ヘッド側循環経路C2の代わりに、冷却媒体としてオイルを流通させるとともにヘッド側W/J521が組み込まれたオイル循環経路C3が形成されている点と、流量調節弁14の代わりにオイルポンプ21を備えるとともに、オイルクーラ22をさらに備えている点と、後述するようにECU70Aの代わりにECU70Bを備えている点以外、冷却装置1Aと実質的に同一のものとなっている。
オイルポンプ21とオイルクーラ22とはオイル循環経路C3に組み込まれている。オイルポンプ21は可変オイルポンプであり、オイルを圧送するとともにオイルの流量を可変にする。オイルクーラ22は熱交換器であり、ヘッド側W/J521を流通したオイルと空気との間で熱交換を行うことでオイルを冷却する。
オイル循環経路C3では、オイルポンプ21が圧送したオイルがヘッド側W/J521を流通した後、オイルクーラ22を介してオイルポンプ21に戻るようになっている。このため冷却装置1Bでは、ブロック側循環経路C1とオイル循環経路C3とが互いに独立した冷却媒体循環経路となっている。そして、このようにブロック側循環経路C1と独立したオイル循環経路C3に設けられたオイルポンプ21は、シリンダヘッド52の冷却能力を調整可能な冷却能力調整手段であるとともに、シリンダブロック51Aの冷却能力を抑制することなく、シリンダヘッド52の冷却能力を抑制可能な冷却能力調整手段となっている。
ECU70Bは流量調節弁14の代わりにオイルポンプ21が制御対象として電気的に接続されている点と、制御手段が流量調節弁14の代わりにオイルポンプ21を制御するように実現される点以外、ECU70Aと実質的に同一のものとなっている。このためECU70Bについては図示省略する。オイルポンプ21を制御するにあたり、ECU70Bでは制御手段が具体的には以下に示す制御を行うように実現される。
制御手段は、機関運転状態が区分D1に対応するアイドル状態である場合と、機関運転状態が区分D2に対応する軽負荷である場合と、区分D5に対応する機関冷間時と、区分D6に対応する機関始動時においては、オイルポンプ21を停止するための制御を行うように実現される。
また制御手段は機関運転状態が区分D3に対応する低回転高負荷である場合には、オイルポンプ21を停止、或いはシリンダヘッド52へのオイルの流通を抑制しつつ、シリンダヘッド52の信頼性を確保可能な態様(以下、信頼性確保態様と称す)でオイルを圧送するようにオイルポンプ21を駆動するための制御を行うよう実現される。
また制御手段は、機関運転状態が区分D4に対応する高回転高負荷である場合には、機関運転時に適用される最大吐出量でオイルポンプ21を駆動するための制御を行うように実現される。
この点、機関運転状態が区分D3に対応する低回転高負荷である場合に、信頼性確保態様でオイルを圧送するようにオイルポンプ21を駆動するための制御を行うにあたっては、制御手段は具体的には例えばあらゆる条件においてシリンダヘッド52の信頼性を確保できる必要最小限の吐出量でオイルポンプ21を駆動することや、シリンダヘッド52を流通するオイルの温度を検出或いは推定するとともに、当該オイルの温度に基づいてオイルポンプ21を間欠的に駆動することや、所定の回転数以上でオイルポンプ21を駆動することなどができる。これによりシリンダヘッド52の冷却能力を抑制するにあたり、シリンダヘッド52の信頼性を確保しつつ、オイルポンプ21が必要以上に駆動されることを抑制できる。
そして冷却装置1Bでは、制御手段の制御のもと、区分D3においてオイルポンプ21がこのようにシリンダヘッド52を流通するオイルの流量を低下させることで、エンジン50Aを流通するオイルの流量を局部的に低下させる。
そして冷却装置1Bでは、オイルポンプ21が機関運転時に適用される最大吐出量で駆動されていない場合に、シリンダヘッド52の冷却能力を抑制していることになる。この点、冷却装置1Bではさらに具体的には、オイルポンプ21を停止するか、或いは信頼性確保態様でオイルを圧送するようにオイルポンプ21を駆動する場合にシリンダヘッド52の冷却能力を抑制していることになる。
なお、冷却装置1Bでも、制御手段が例えば実施例1で前述した制御指針に基づいて、区分D1、D2、D5およびD6において、W/P11、オイルポンプ21および各部分流量調節弁61から64までを適宜制御することで、互いに異なる制御を行うように実現されてもよい。これにより冷却装置1Bでも、区分D1、D2、D5およびD6において、さらにエンジン50Aの運転を好適に成立させることができる。
次にECU70Bの動作を図9に示すフローチャートを用いて説明する。なお、本フローチャートは、ステップS21Aの代わりにステップS21Bが、ステップS31Aの代わりにステップS31Bが、ステップS41Aの代わりにステップS41Bが設けられている点以外、図5に示すフローチャートと同一のものとなっている。このためここで特にこれらのステップについて説明する。ステップS3に続き、或いはステップS5、S12、S13で肯定判定であった場合には、ECU70Bはオイルポンプ21を停止する(ステップS21B)。またステップS14で肯定判定であった場合には、ECU70Bはオイルポンプ21を停止、或いは信頼性確保態様でオイルを圧送するようにオイルポンプ21を駆動する(ステップS31B)。またステップS14で否定判定であった場合には、ECU70Bは機関運転時に適用される最大吐出量でオイルポンプ21を駆動する(ステップS41B)。
次に冷却装置1Bの作用効果について説明する。冷却装置1Bでは、ヘッド側W/J521に流通させる冷却媒体をオイルとしたことで、冷却媒体を冷却水とした場合よりも熱伝達の抑制を図ることができる。またオイルは冷却水よりも沸点が高いことから、冷却装置1Bでは高負荷時に冷却媒体が沸騰することも抑制できる。このため冷却装置1Bでは、低回転高負荷の運転領域をより拡大することができ、以って冷却損失の低減をさらに好適に図ることができる。
なお、冷却装置1Bはさらに以下に示すように変形されてもよい。すなわち、冷却装置1Bは、さらにヘッド側W/J521のうち、部分W/J521aを組み込んだヘッド側循環経路C2を形成するように変形されてもよい。またこの場合には、さらに実施例1と同様に流量調節弁14を設けるとともに、実施例1と同様に制御手段が流量調節弁14を制御するようにしてもよい。これにより、シリンダヘッド52の冷却にオイルを用いた場合でも、シリンダヘッド52における吸気の冷却については冷却水で冷却を行うことができ、この結果、シリンダヘッド52の冷却にオイルを用いた場合のノッキングの発生を好適に抑制できる。
すなわち、ヘッド側W/J521のうち、部分W/J521aについては、シリンダヘッド52の冷却効果とともに吸気の冷却効果も有することから、流量調節弁14が、部分W/J521aを流通する冷却水の流量と、ブロック側W/J511を流通する冷却水の流量とを同傾向で調整可能なように、ヘッド側W/J521のうち、部分W/J521aを組み込んだ冷却水循環経路をさらに形成してもよい。これによりノッキングの発生を好適に抑制できる。これは実施例1においても同様である。
また、制御手段は機関運転状態が低回転高負荷である場合に、オイルポンプ21を例えば信頼性確保態様、或いは所定の吐出量で駆動するとともに、各部分流量調節弁61から64までを実施例1で前述した沸騰抑制態様で開弁するための制御を行うように実現することもできる。また制御手段は機関運転状態が低回転高負荷である場合に、オイルポンプ21を例えば信頼性確保態様、或いは所定の吐出量で駆動するとともに、各部分流量調節弁61から64までのうち、少なくともいずれかの開度(例えば熱負荷の大きい部分に対応する部分流量調節弁62や部分流量調節弁63)を間欠的な態様で全閉状態から小さい開度で開弁するように実現することもできる。これによりシリンダヘッド52の信頼性を好適に確保できる。
本実施例にかかる冷却装置1Cは、エンジン50Aの代わりに図10に示すエンジン50Bを備えている点以外、冷却装置1Aと実質的に同一のものとなっている。このため冷却装置1Cについては図示省略する。なお、冷却装置1Bに対して、エンジン50Aの代わりにエンジン50Bを適用することも可能である。
エンジン50Bはシリンダブロック51Aの代わりに、ブロック側W/J511B(図示省略)が形成されたシリンダブロック51Bを備えている点以外、エンジン50Aと実質的に同一のものとなっている。ブロック側W/J511Bは、部分W/J511aの代わりに部分W/J511bを備えている点以外、ブロック側W/J511Aと実質的に同一のものとなっている。部分W/J511bは、入口部Qがシリンダ51aの壁面上部、且つ排気側の部分に対応させて設けられるとともに、シリンダ51aの周辺部にシリンダ51aの上部から下部に向かって螺旋状に形成されている。部分W/J511bは例えばシリンダ51aの周辺部に円筒状の空間を形成するとともに、当該空間に螺旋状の内溝が形成されたスリーブを挿入することで形成できる。
次に冷却装置1Cの作用効果について説明する。冷却装置1Cでは、部分W/J511bに冷却水を流通させることで、筒内に流入する吸気が当たる部分であるシリンダ51aの壁面上部、且つ排気側の部分を優先的に冷却できる。また冷却装置1Cでは、冷却水が部分W/J511bを矢印Fで示すように螺旋状に流通することで、シリンダ51aの上部に下部よりも温度の低い冷却水を供給できるとともに、シリンダ51aの上部側から下部側に向かって冷却水の流量を低下させることができる。このため冷却装置1Cでは、これにより吸気の冷却に効果的なシリンダ51aの上部を優先的に冷却することができる。そしてこれにより冷却装置1Cは吸気の冷却をさらに効果的に図ることができ、以ってノッキングの発生をさらに好適に抑制することができる。
上述した実施例は本発明の好適な実施の例である。但し、これに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変形実施可能である。
例えば上述した実施例では、各エンジン50の運転を成立させるにあたって好適であることなどから、W/P11が冷却媒体圧送手段である場合について説明した。しかしながら本発明においては必ずしもこれに限られず、冷却媒体圧送手段は例えばエンジンの出力で駆動する機械式W/Pであってもよい。
また例えば上述した実施例では、各エンジン50の運転を成立させるにあたって好適であることなどから、冷却能力調整手段として、シリンダヘッド52の冷却能力を全体的に調整可能な流量調節弁14またはオイルポンプ21と、シリンダヘッド52の冷却能力を部分的に調整可能な部分流量調節弁61から64までをともに備える場合について説明した。
しかしながら本発明においては必ずしもこれに限られず、冷却装置は例えばシリンダヘッドの冷却能力を全体的に調整可能な冷却能力調整手段と、部分的に調整可能な複数の冷却能力調整手段のうち、いずれか一方のみを備えていてもよい。この点、例えばシリンダヘッドの冷却能力を部分的に調整可能な複数の冷却能力調整手段を備えた場合に、当該複数の冷却能力調整手段をさらにシリンダヘッドの冷却能力を全体的に調整する冷却能力調整手段として機能させてもよい。
また上述した実施例では、機関運転状態が区分D3に対応する低回転高負荷である場合に、制御手段が、実施例1では流量調節弁14を閉弁、或いは沸騰抑制態様で開弁するための制御を、実施例2ではオイルポンプ21を停止、或いは信頼性確保態様でオイルを圧送するようにオイルポンプ21を駆動するための制御を行うことで、シリンダヘッド52の冷却能力として、ヘッド側W/J521に基づき発揮される冷却能力を抑制するための制御を行う場合について説明した。
しかしながら本発明においては必ずしもこれに限られず、冷却装置が例えば第2の冷却媒体通路から抜き取った冷却媒体を貯留する貯留手段と、この貯留手段と第2の冷却媒体通路との間で冷却媒体を移送する冷却媒体圧送手段とをさらに備えるとともに、制御手段が、当該冷却媒体圧送手段を制御することで、機関運転状態が低回転高負荷である場合に、少なくとも一時的にシリンダヘッドから冷却媒体を抜き取るための制御を行うようにしてもよい。かかる貯留手段および冷却媒体圧送手段に相当する構成としては、具体的には例えば特開2009−79505号公報に記載の蓄熱タンクおよび電動ポンプがある。これにより冷却損失をさらに好適に低減させることができる。
またかかる貯留手段、冷却媒体圧送手段および制御手段は、機関運転状態がアイドル状態、または軽負荷である場合や、機関冷間時にも適用されてもよい。さらにこの場合、貯留手段として第1および第2の冷却媒体通路から抜き取った冷却媒体を貯留する第1および第2の貯留手段を備えるとともに、冷却媒体圧送手段として、第1の貯留手段と第1の冷却媒体通路との間で冷却媒体を移送する第1の冷却媒体圧送手段と、第2の貯留手段と第2の冷却媒体通路との間で冷却媒体を移送する第2の冷却媒体圧送手段とを備えてもよい。このとき、第1および第2の冷却媒体通路に共通の冷却媒体を流通させる場合には、第1および第2の貯留手段を1つの貯留手段とするとともに、第1および第2の冷却媒体圧送手段を1つの冷却媒体圧送手段としてもよい。
これにより、燃焼速度の向上や冷却損失の低減や機関暖機促進などをさらに図ることができ、以ってエンジンの運転をさらに好適に成立させることができる。
また上述した実施例1では、機関運転状態がアイドル状態である場合と機関始動時に、制御手段が流量調節弁14を閉弁するための制御を行うように実現される場合について説明した。
しかしながら本発明においては必ずしもこれに限られず、冷却装置が例えば第1および第2の冷却媒体通路に蓄熱冷却媒体を供給可能な蓄熱冷却媒体供給手段をさらに備えるとともに、機関運転状態がアイドル状態であるか或いは機関始動時であり、且つ蓄熱冷却媒体の温度が冷却媒体の温度よりも高い場合に、制御手段が当該蓄熱冷却媒体供給手段から蓄熱冷却媒体を供給するための制御を行ってもよい。かかる蓄熱冷却媒体供給手段に相当する構成としては、具体的には例えば特開2009−208569号公報に記載の熱交換部がある。
さらにこの場合、制御手段は例えばシリンダヘッドの冷却能力を部分的に調整する冷却能力調整手段のうち、点火プラグや排気ポートや吸気ポートに対応させて設けられた冷却能力調整手段を制御することで、蓄熱冷却媒体の流量を増大させるための制御を行ってもよい。
これにより、機関暖機促進や未燃HCの低減やエンジン着火性の向上をさらに好適に図ることなどができ、この結果、エンジンの運転をさらに好適に成立させることができる。
また上述した実施例2では、オイル循環経路C3にシリンダヘッド52とオイルポンプ21とオイルクーラ22とが組み込まれている場合について説明した。
しかしながら本発明においては必ずしもこれに限られず、オイル循環経路は、例えばオイル循環経路のうち、シリンダヘッドの出口側とオイルクーラの入口側との間の部分にピストンにオイルを噴射するオイルジェットをさらに組み込むとともに、オイルジェットをバイパスするバイパス経路を形成し、さらにオイルジェットを経由する経路とバイパス経路とを切替可能な切替手段を組み込んだ循環経路であってもよい。この場合には、機関運転状態がアイドル状態である場合に、制御手段が、オイルジェットを経由する経路が流通経路になるように切替手段の制御を行うようにすることができる。
そしてこれにより、シリンダヘッドで受熱したオイルをオイルジェットから噴射可能になり、以って機関暖機促進をさらに好適に図ることができる点で、エンジンの運転をさらに好適に成立させることができる。
また上述した実施例2では、ヘッド側W/J521を組み込んだ冷却媒体循環経路に流通させる冷却媒体がオイルである場合について説明した。しかしながら本発明においては必ずしもこれに限られず、第2の冷却媒体通路が組み込まれるとともに、冷却媒体流通経路が第1の冷却媒体通路を組み込んだ冷却媒体循環経路と独立した冷却媒体循環経路には、例えば第1の冷却媒体通路と同じ冷却媒体を流通させてもよい。
また、制御手段は主に各エンジン50を制御する各ECU70で実現することが合理的であるが、例えばその他の電子制御装置や専用の電子回路などのハードウェアやこれらの組み合わせによって実現されてもよい。また制御手段は、例えば複数の電子制御装置や複数の電子回路等のハードウェアや電子制御装置と電子回路等のハードウェアとの組み合わせによって分散制御的に実現されてもよい。
1 冷却装置
11 W/P
12 ラジエータ
13 サーモスタット
14 流量調節弁
21 オイルポンプ
50 エンジン
51 シリンダブロック
511 ブロック側W/J
52 シリンダヘッド
521 ヘッド側W/J
61、62、63、64 部分流量調節弁
70 ECU

Claims (3)

  1. シリンダブロックおよびシリンダヘッドを備えるエンジンと、
    前記シリンダブロックに形成された第1の冷却媒体通路と、
    前記シリンダヘッドに形成された、前記第1の冷却媒体通路が組み込まれる冷却媒体循環経路とは異なる冷却媒体循環経路に組み込まれる第2の冷却媒体通路と、
    前記第2の冷却媒体通路を流通する冷却媒体の流量を調節する流量調節手段と、
    前記流量調節手段を制御する制御手段と、を備え、
    前記第1の冷却媒体通路は、前記シリンダブロックのうち該シリンダブロックに設けられたシリンダの周辺部に第1の部分冷却媒体通路を備え、
    前記第1の部分冷却媒体通路の上流部は、前記シリンダの壁面のうち筒内に流入した吸気が当たる部分に対応させて設けられているエンジンの冷却装置。
  2. 請求項1記載のエンジンの冷却装置であって、
    前記制御手段が、前記エンジンの運転状態が低回転高負荷である場合に、前記第2の冷却媒体通路を流通する冷却媒体の流量が制限されるように前記流量調節手段を制御するエンジンの冷却装置。
  3. 請求項2記載のエンジンの冷却装置であって、
    前記第1および第2の冷却媒体通路を互いに独立した冷却媒体循環経路に組み込むとともに、前記第2の冷却媒体通路を流通する冷却媒体をオイルとしたエンジンの冷却装置。
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