JP5338703B2 - エンジンの冷却装置 - Google Patents
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Description
冷却水循環経路としては、例えばブロック側W/J511が組み込まれた循環経路であるブロック側循環経路C1がある。このブロック側循環経路C1を流通する冷却水は、W/P11から吐出された後、ブロック側W/J511を流通し、さらにサーモスタット13を介するか、或いはラジエータ12およびサーモスタット13を介してW/P11に戻るようになっている。ラジエータ12は熱交換器であり、流通する冷却水と空気との間で熱交換を行うことで冷却水を冷却する。サーモスタット13はW/P11に入口側から連通する流通経路を切り替える。具体的にはサーモスタット13は、冷却水温が所定値未満の場合にラジエータ12をバイパスする流通経路を連通状態にし、所定値以上の場合にラジエータ12を流通する流通する流通経路を連通状態にする。
さらにこのように設けられた流量調節弁14は、シリンダヘッド52の冷却能力を抑制するようにヘッド側W/J521を流通する冷却水の流量を調節した場合に、シリンダブロック51の冷却能力を高めるようにブロック側W/J511を流通する冷却水の流量を調節可能な冷却能力調整手段となっている。
ヘッド側W/J521は、具体的には第2の部分冷却媒体通路である複数の部分W/J521a、部分W/J521b、部分W/J521cおよび部分W/J521dを備えている。部分W/J521aは吸気ポート52aの周辺部に、部分W/J521bは排気ポート52bの周辺部に、部分W/J521cは点火プラグ56の周辺部にそれぞれ設けられている。また、部分W/J521dは吸排気弁52a、52b間や、その他の部分を冷却するために設けられている。部分W/J521aから部分W/J524dまではヘッド側W/J521が形成する4系統の冷却系統に別個に組み込まれている。そして、第1の部分流量調節弁61が部分W/J521aに、第2の部分流量調節弁62が部分W/J521bに、第3の部分流量調節弁63が部分W/J521cに、第4の部分流量調節弁64が、部分W/J521dにそれぞれ対応させて設けられている。
また冷却装置1Aは第1の誘電分極32を備えている。第1の誘電分極32は内側シリンダブロック51aの自由電子を移動させることが可能な誘電手段となっており、内側シリンダブロック51aの下端に対応させて設けられている。
制御手段は、具体的には機関運転状態が高負荷である場合に、シリンダヘッド52の冷却能力を抑制するための制御を行うように実現される。
さらに具体的には、制御手段は機関運転状態が低回転高負荷である場合に、流量調節弁14を制御することで、ヘッド側W/J521に基づき発揮される冷却能力を抑制するための制御を行うように実現される。
また制御手段は、機関運転状態が高負荷である場合のほか、他の運転状態においてもエンジン50Aの運転を成立させるための制御を行うように実現される。
また制御手段は、機関運転状態が区分D3に対応する低回転高負荷である場合には、流量調節弁14を閉弁、或いはシリンダヘッド52への冷却水の流通を抑制しつつ、シリンダヘッド52における冷却水の沸騰を抑制可能な態様(以下、沸騰抑制態様と称す)で開弁するための制御を行うように実現される。
また制御手段は、機関運転状態が区分D4に対応する高回転高負荷である場合には、流量調節弁14を全開にするための制御を行うように実現される。
そして冷却装置1Aでは、流量調節弁14が全開でない場合にシリンダヘッド52への冷却水の流通を抑制することで、シリンダヘッド52の冷却能力を抑制していることになる。この点、冷却装置1Aではさらに具体的には、流量調節弁14を閉弁するか、或いは沸騰抑制態様で流量調節弁14を開弁している場合にシリンダヘッド52の冷却能力を抑制していることになる。
また、制御手段は機関運転状態が区分D3に対応する低回転高負荷である場合に、例えば流量調節弁14を全開にするとともに、流量調節弁14に代えて各部分流量調節弁61から64までを閉弁、或いは沸騰抑制態様で開弁するための制御を行うように実現することもできる。また制御手段は機関運転状態が低回転高負荷である場合に、例えば流量調節弁14を全開にするとともに、各部分流量調節弁61から64までのうち、少なくともいずれかの開度(例えば熱負荷の大きい部分に対応する部分流量調節弁62や部分流量調節弁63)を間欠的な態様で全閉状態から小さい開度で開弁するように実現することもできる。これにより、区分D3においてシリンダヘッド52の信頼性を好適に確保することもできる。
具体的には電子密度制御手段は、第1の電源回路65を制御対象として印加電圧を変更することで、第1の誘電分極32の電荷を制御し、これにより内側シリンダブロック51aの自由電子を移動させることで、内側シリンダブロック51aの電子密度を制御するように実現される。
この点、さらに具体的には電子密度制御手段は、第1の誘電分極32を正に帯電させるように第1の電源回路65の印加電圧を変更することで、内側シリンダブロック51aのうち、下方の部分の電子密度が高くなるように内側シリンダブロック51aの電子密度を制御するモード1の制御を行うよう実現される。
また電子密度制御手段は、第1の誘電分極32を負に帯電させるように第1の電源回路65の印加電圧を変更することで、内側シリンダブロック51aのうち、上方の部分の電子密度が高くなるように内側シリンダブロック51aの電子密度を制御するモード2の制御を行うよう実現される。
具体的には電子密度制御手段は機関運転状態が高負荷でない場合(区分D1、D2、D5およびD6に対応する運転状態である場合)には、モード1の制御を行うように実現される。
また電子密度制御手段は機関運転状態が低回転高負荷、および高回転高負荷である場合(区分D3およびD4に対応する運転状態である場合)には、モード2の制御を行うように実現される。
一方、この場合にはノッキングの発生が懸念される。これに対して冷却装置1Aでは、シリンダブロック51の冷却能力を抑制することなく、シリンダヘッド52の冷却能力を抑制可能な流量調節弁14を制御することで、ヘッド側W/J521を流通する冷却水の流量を制限する。このため冷却装置1Aではこれによりシリンダ51aaの冷却を維持でき、以ってノッキングの発生も抑制できる。
また冷却装置1Aは、主に低回転高負荷時に熱効率の向上を図ることができる一方で、他の運転状態においてもエンジン50Aの運転を成立させることができる。この点、高回転高負荷時には信頼性確保やノッキングの低減のほか、例えば排気温度の低下による触媒の熱負荷低減を図ることもできる。このため冷却装置1Aは特定の運転状態だけでなく、通常行われるエンジン50Aの運転全体として見ても熱効率の向上を図ることができる。
このため冷却装置1Aは、高い熱効率を実現するにあたって、特にシリンダヘッド52の断熱性を高めるとともに、シリンダブロック51の冷却を図る必要がある低回転高負荷時に、シリンダヘッド52の断熱性の確保と両立可能な態様で内側シリンダブロック51aの放熱を促進でき、以って高い熱効率の実現に寄与することができる。
また冷却装置1Aは、例えば既に高圧のバッテリや可変昇圧システムを備えたハイブリッド車両に容易に適用でき、この場合に高い熱効率を実現することで、電圧印加によるエネルギーロスを差し引いても、車両全体としてのエネルギー効率の向上を図るようにすることもできる。
例えば上述した実施例では、内側シリンダブロック51aの電子密度を制御するにあたり、第1の誘電分極32および第1の電源回路65を備える冷却装置1Aの場合について説明した。しかしながら、本発明においては必ずしもこれに限られず、冷却装置は例えば以下に示す冷却装置1Bや冷却装置1Cのように構成されてもよい。
すなわちECU70Bでは、電子密度制御手段が、内側シリンダブロック51aの電子密度を制御するにあたって、第1の電源回路65に加えてさらに第2の電源回路66を制御対象として印加電圧を変更することで、内側シリンダブロック51aの電子密度を制御するように実現される。
またECU70Bでは、電子密度制御手段が、第1および第2の電源回路65、66を制御対象として、内側シリンダブロック51aのうち、上方或いは下方の部分の電子密度が高くなるように内側シリンダブロック51aの電子密度を制御する場合に、第2の電源回路66のほうが第1の電源回路65よりも印加電圧の大きさが相対的に高くなるように第1および第2の電源回路65、66をさらに制御することで、内側シリンダブロック51aのうち、上方或いは下方の部分において、排気側の部分のほうが吸気側の部分よりも相対的に電子密度が高まるように内側シリンダブロック51aの電子密度をさらに制御するように実現される。
冷却装置1Cによれば、排気側のほうが吸気側よりも温度が高まることに対し、さらにシリンダ51aaの冷却の均一性を高めることができる点で好適である。
11 W/P
14 流量調節弁
31 絶縁体
32 第1の誘電分極
33 第2の誘電分極
50A、50B エンジン
51、51´ シリンダブロック
511 ブロック側W/J
51a、51a´ 内側シリンダブロック
51aa シリンダ
51b 外側シリンダブロック
52 シリンダヘッド
521 ヘッド側W/J
65 第1の電源回路
66 第2の電源回路
70A,70B ECU
Claims (2)
- シリンダが形成されたシリンダブロック、エンジンブロックおよびシリンダヘッドを備えるエンジンと、
前記シリンダブロックを前記エンジンブロックおよび前記シリンダヘッドから電気的に絶縁する絶縁体と、
前記シリンダブロックの自由電子を移動させることで、前記シリンダブロックの電子密度を制御する電子密度制御手段と、を備え、
前記電子密度制御手段が、前記エンジンの運転状態が低回転高負荷である場合に、前記シリンダブロックのうち、上方の部分の電子密度が高くなるように前記シリンダブロックの電子密度を制御するエンジンの冷却装置。 - 請求項1記載のエンジンの冷却装置であって、
前記シリンダブロックの冷却能力を抑制することなく、前記シリンダヘッドの冷却能力を抑制可能な冷却能力調整手段と、
前記冷却能力調整手段を制御することで、前記シリンダヘッドの冷却能力を抑制するための制御を行う制御手段と、をさらに備えたエンジンの冷却装置。
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