JP5338703B2 - エンジンの冷却装置 - Google Patents

エンジンの冷却装置 Download PDF

Info

Publication number
JP5338703B2
JP5338703B2 JP2010029138A JP2010029138A JP5338703B2 JP 5338703 B2 JP5338703 B2 JP 5338703B2 JP 2010029138 A JP2010029138 A JP 2010029138A JP 2010029138 A JP2010029138 A JP 2010029138A JP 5338703 B2 JP5338703 B2 JP 5338703B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cylinder block
engine
cooling
electron density
block
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2010029138A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2011163288A (ja
Inventor
国明 新美
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
Priority to JP2010029138A priority Critical patent/JP5338703B2/ja
Publication of JP2011163288A publication Critical patent/JP2011163288A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5338703B2 publication Critical patent/JP5338703B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Cylinder Crankcases Of Internal Combustion Engines (AREA)

Description

本発明はエンジンの冷却装置に関する。
従来、エンジンでは一般に冷却水による冷却が行われており、例えば特許文献1では、冷却水による冷却を行うライナ付きシリンダブロックが開示されている。
特開2008−63998号公報
ところで、エンジンを冷却するにあたり、高い熱効率を実現するためには、放熱性だけでなく断熱性も重要になってくる。この点、断熱性を考慮した最適な冷却態様は、例えばエンジンの運転状態によって異なってくる。また、最適な冷却態様を実現するにあたっては、例えばエンジンの各部位の冷却状態を最適化する必要もある。これに対して最適な冷却態様を実現するにあたっては、例えばエンジンの各部位を必要な度合いで可変的に部分冷却することが考えられる。そして、この場合には冷却水などの冷却媒体による冷却を行うことが考えられる。しかしながらこの場合でも、例えば冷却媒体による冷却能力には限界があることから、高い熱効率を実現すべく断熱性と放熱性とを両立させるにあたっては、未だ改善の余地が残ると考えられる点で問題があった。
そこで本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、シリンダヘッドの断熱性の確保と両立可能な態様でシリンダブロックの放熱を促進でき、以って高い熱効率の実現に寄与することが可能なエンジンの冷却装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するための本発明は、シリンダが形成されたシリンダブロック、エンジンブロックおよびシリンダヘッドを備えるエンジンと、前記シリンダブロックを前記エンジンブロックおよび前記シリンダヘッドから電気的に絶縁する絶縁体と、前記シリンダブロックの自由電子を移動させることで、前記シリンダブロックの電子密度を制御する電子密度制御手段と、を備え、前記電子密度制御手段が、前記エンジンの運転状態が低回転高負荷である場合に、前記シリンダブロックのうち、上方の部分の電子密度が高くなるように前記シリンダブロックの電子密度を制御するエンジンの冷却装置である。
また本発明は前記シリンダブロックの冷却能力を抑制することなく、前記シリンダヘッドの冷却能力を抑制可能な冷却能力調整手段と、前記冷却能力調整手段を制御することで、前記シリンダヘッドの冷却能力を抑制するための制御を行う制御手段と、をさらに備えた構成であることが好ましい。
本発明によればシリンダヘッドの断熱性の確保と両立可能な態様でシリンダブロックの放熱を促進でき、以って高い熱効率の実現に寄与することができる。
実施例にかかるエンジンの冷却装置(以下、単に冷却装置と称す)の概略構成図である。 冷却装置の要部の概略構成図である。 ECU(Electronic Control Unit:電子制御装置)の概略構成図である。 機関運転状態の分類を模式的に示す図である。 ECUの動作をフローチャートで示す図である。 モード1、2の制御についての説明図であり、(a)でモード1の制御を行った場合の状態を、(b)でモード2の制御を行った場合の状態をそれぞれ示している。 クランク角度に応じた燃焼室の熱伝達率および表面積割合を示す図である。 第1の変形例にかかる冷却装置の要部の概略構成図である。 第2の変形例にかかる冷却装置の要部の概略構成図を(a)で、対応する内側シリンダブロックの断面図を(b)でそれぞれ示す図である。
以下、本発明を実施するための形態を図面と共に詳細に説明する。
図1に示す冷却装置1Aは図示しない車両に搭載されており、ウォータポンプ(以下、W/Pと称す)11と、ラジエータ12と、サーモスタット13と、流量調節弁14と、エンジン50Aと、第1から第4の部分流量調節弁61から64までを備えている。W/P11は冷却媒体圧送手段であり、冷却媒体である冷却水を圧送するとともに、圧送する冷却水の流量を可変にする可変W/Pとなっている。W/P11が圧送する冷却水はエンジン50Aに供給される。
エンジン50Aは金属製(ここではアルミ合金製)のシリンダブロック51およびシリンダヘッド52を備えている。シリンダブロック51には第1の冷却媒体通路であるブロック側ウォータジャケット(以下、ブロック側W/Jと称す)511が形成されている。ブロック側W/J511はシリンダブロック51に1系統の冷却系統を形成している。一方、シリンダヘッド52には第2の冷却媒体通路であるヘッド側ウォータジャケット(以下、ヘッド側W/Jと称す)521が形成されている。ヘッド側W/J521はシリンダヘッド52に複数(ここでは4つ)の冷却系統を形成している。W/P11が圧送する冷却水は具体的にはブロック側W/J511およびヘッド側W/J521に供給される。
この点、冷却装置1Aでは複数の冷却水循環経路が形成されている。
冷却水循環経路としては、例えばブロック側W/J511が組み込まれた循環経路であるブロック側循環経路C1がある。このブロック側循環経路C1を流通する冷却水は、W/P11から吐出された後、ブロック側W/J511を流通し、さらにサーモスタット13を介するか、或いはラジエータ12およびサーモスタット13を介してW/P11に戻るようになっている。ラジエータ12は熱交換器であり、流通する冷却水と空気との間で熱交換を行うことで冷却水を冷却する。サーモスタット13はW/P11に入口側から連通する流通経路を切り替える。具体的にはサーモスタット13は、冷却水温が所定値未満の場合にラジエータ12をバイパスする流通経路を連通状態にし、所定値以上の場合にラジエータ12を流通する流通する流通経路を連通状態にする。
また冷却水循環経路としては、例えばヘッド側W/J521が組み込まれた循環経路であるヘッド側循環経路C2がある。このヘッド側循環経路C2を流通する冷却水は、W/P11から吐出された後、流量調節弁14、第1から第4の部分流量調節弁61から64までのうち少なくともいずれか、およびヘッド側W/J521が形成する4系統の冷却系統のうち少なくともいずれかを流通し、さらにサーモスタット13を介するか、或いはラジエータ12およびサーモスタット13を介してW/P11に戻るようになっている。
流量調節弁14はヘッド側循環経路C2のうち、循環経路C1、C2が分岐した後の部分、且つシリンダヘッド52よりも上流側の部分に設けられており、さらに具体的には第1から第4の部分流量調節弁61から64までよりも上流側の部分に設けられている。流量調節弁14は、シリンダヘッド52の冷却能力を調整可能な冷却能力調整手段となっている。この点、流量調節弁14は具体的には、ヘッド側W/J521を流通する冷却水の流量を全体的に調節することで、シリンダヘッド52の冷却能力を全体的に調整可能な冷却能力調整手段となっている。
またこのように設けられた流量調節弁14は、シリンダブロック51の冷却能力を抑制することなく、シリンダヘッド52の冷却能力を抑制可能な冷却能力調整手段となっている。具体的には例えば流量調節弁14は、シリンダブロック51およびシリンダヘッド52にともに冷却水を流通させる高回転高負荷時のシリンダブロック51の冷却能力およびシリンダヘッド52の冷却能力がある場合に、これらの冷却能力に対してシリンダブロック51の冷却能力を抑制することなく、シリンダヘッド52の冷却能力を抑制可能な冷却能力調整手段となっている。
さらにこのように設けられた流量調節弁14は、シリンダヘッド52の冷却能力を抑制するようにヘッド側W/J521を流通する冷却水の流量を調節した場合に、シリンダブロック51の冷却能力を高めるようにブロック側W/J511を流通する冷却水の流量を調節可能な冷却能力調整手段となっている。
第1から第4の部分流量調節弁61から64までは、ヘッド側循環経路C2のうち、流量調節弁14およびシリンダヘッド52の間の部分に、ヘッド側W/J521が形成する4系統の冷却系統に対応させて設けられている。これら部分流量調節弁61から64までは、シリンダヘッド52の冷却能力を調整可能な冷却能力調整手段となっており、さらに具体的にはヘッド側W/J521を流通する冷却水の流量を部分的に調節することで、シリンダヘッド52の冷却能力を部分的に調整可能な冷却能力調整手段となっている。
冷却装置1Aでは、ブロック側循環経路C1を流通する冷却水が、W/P11によって圧送された後、一巡するまでの間にヘッド側W/J521を流通することがないようになっている。また、冷却装置1Aではヘッド側循環経路C2を流通する冷却水が、W/P11によって圧送された後、一巡するまでの間にブロック側W/J511を流通することがないようになっている。すなわち冷却装置1Aでは、ブロック側W/J511とヘッド側W/J521とが互いに異なる冷却媒体循環経路に組み込まれている。
次にエンジン50Aについてさらに具体的に説明する。図2に示すように、シリンダブロック51は具体的には内側に位置する内側シリンダブロック51aと、外側に位置する外側シリンダブロック51bとを備えている。内側シリンダブロック51aにはシリンダ51aaが形成されている。この点、内側シリンダブロック51aが本発明におけるシリンダブロックに相当しており、本発明におけるシリンダブロックの土台となる構成である外側シリンダブロック51bが、本発明におけるエンジンブロックに相当している。シリンダ51aaにはピストン53が設けられている。シリンダブロック51には断熱性の高いガスケット54を介してシリンダヘッド52が固定されている。ガスケット54はその高い断熱性でシリンダブロック51からシリンダヘッド52への熱伝達を抑制する。シリンダ51aa、シリンダヘッド52およびピストン53は、燃焼室55を形成している。シリンダヘッド52には燃焼室55に吸気を導く吸気ポート52aと、燃焼室55から燃焼ガスを排出する排気ポート52bが形成されている。シリンダヘッド52には、燃焼室55の上部略中央に臨むようにして点火プラグ56が設けられている。
ブロック側W/J511は、具体的には第1の部分冷却媒体通路である部分W/J511aを備えている。部分W/J511aは具体的にはシリンダ51aaの径方向において、内側および外側シリンダブロック51a、51b間に形成されることで、シリンダ51aaの周辺部に設けられている。
ヘッド側W/J521は、具体的には第2の部分冷却媒体通路である複数の部分W/J521a、部分W/J521b、部分W/J521cおよび部分W/J521dを備えている。部分W/J521aは吸気ポート52aの周辺部に、部分W/J521bは排気ポート52bの周辺部に、部分W/J521cは点火プラグ56の周辺部にそれぞれ設けられている。また、部分W/J521dは吸排気弁52a、52b間や、その他の部分を冷却するために設けられている。部分W/J521aから部分W/J524dまではヘッド側W/J521が形成する4系統の冷却系統に別個に組み込まれている。そして、第1の部分流量調節弁61が部分W/J521aに、第2の部分流量調節弁62が部分W/J521bに、第3の部分流量調節弁63が部分W/J521cに、第4の部分流量調節弁64が、部分W/J521dにそれぞれ対応させて設けられている。
またエンジン50Aは、内側シリンダブロック51aを電気的に絶縁する絶縁体31を備えている。絶縁体31は具体的には内側シリンダブロック51aおよびシリンダヘッド52間と、内側および外側シリンダブロック51a、51b間とに設けられており、これによりシリンダヘッド52および外側シリンダブロック51bから内側シリンダブロック51aを電気的に絶縁している。またシリンダ51aaの径方向において内側および外側シリンダブロック51a、51b間に設けられた絶縁体31は、内側シリンダブロック51aに密接して設けられており、これによりさらに部分W/J511aを流通する冷却水から内側シリンダブロック51aを電気的に絶縁している。絶縁体31には例えばシリンダブロック51と同等の熱伝導性を備えるセラミック等の材料を適用できる。
また冷却装置1Aは第1の誘電分極32を備えている。第1の誘電分極32は内側シリンダブロック51aの自由電子を移動させることが可能な誘電手段となっており、内側シリンダブロック51aの下端に対応させて設けられている。
さらに冷却装置1Aは図3に示すECU70Aを備えている。ECU70AはCPU71、ROM72、RAM73等からなるマイクロコンピュータと入出力回路75、76とを備えている。これらの構成は互いにバス74を介して接続されている。ECU70Aには、エンジン50Aの回転数を検出するためのクランク角センサ81や、吸入空気量を計測するためのエアフロメータ82や、アクセル開度を検出するためのアクセル開度センサ83や、冷却水の温度を検知する水温センサ84などの各種のセンサ・スイッチ類が電気的に接続されている。この点、エンジン50Aの負荷はエアフロメータ82やアクセル開度センサ83の出力に基づきECU70Aで検出される。またECU70AにはW/P11や流量調節弁14や、第1から第4までの部分流量調節弁61から64や、第1の誘電分極32における電荷の状態を変更する電荷状態変更手段である第1の電源回路65などの各種の制御対象が電気的に接続されている。この点、第1の誘電分極32は第1の電源回路65に接続されており、第1の誘電分極32における電荷の状態は、第1の電源回路65の印加電圧を変更することで変更される。
ROM72はCPU71が実行する種々の処理が記述されたプログラムやマップデータなどを格納するための構成である。CPU71がROM72に格納されたプログラムに基づき、必要に応じてRAM73の一時記憶領域を利用しつつ処理を実行することで、ECU70Aでは各種の制御手段や判定手段や検出手段や算出手段などが機能的に実現される。
この点、ECU70Aでは例えば、シリンダヘッド52の冷却能力を抑制するための制御を行う制御手段が機能的に実現される。
制御手段は、具体的には機関運転状態が高負荷である場合に、シリンダヘッド52の冷却能力を抑制するための制御を行うように実現される。
さらに具体的には、制御手段は機関運転状態が低回転高負荷である場合に、流量調節弁14を制御することで、ヘッド側W/J521に基づき発揮される冷却能力を抑制するための制御を行うように実現される。
また制御手段は、機関運転状態が高負荷である場合のほか、他の運転状態においてもエンジン50Aの運転を成立させるための制御を行うように実現される。
この点、機関運転状態は具体的にはエンジン50Aの回転数および負荷のほか、冷間運転時であるか否か、または機関始動時であるか否かに応じて図4に示す6つの区分D1からD6までに分類されている。そして冷却装置1Aでは、全体的な制御の整合性や簡素化などを考慮し、制御手段がW/P11については、基本的にエンジン50Aの回転数に応じて、回転数が高くなるほど吐出量が多くなるようにW/P11を駆動するための制御を行うとともに、各部分流量調節弁61から64までについては、基本的に全開にするための制御を行うように実現される。一方、流量調節弁14については、さらに具体的には以下に示す制御を行うよう実現される。
すなわち制御手段は、機関運転状態が区分D1に対応するアイドル状態である場合と、機関運転状態が区分D2に対応する軽負荷である場合と、区分D5に対応する機関冷間時と、区分D6に対応する機関始動時においては、流量調節弁14を閉弁するための制御を行うように実現される。
また制御手段は、機関運転状態が区分D3に対応する低回転高負荷である場合には、流量調節弁14を閉弁、或いはシリンダヘッド52への冷却水の流通を抑制しつつ、シリンダヘッド52における冷却水の沸騰を抑制可能な態様(以下、沸騰抑制態様と称す)で開弁するための制御を行うように実現される。
また制御手段は、機関運転状態が区分D4に対応する高回転高負荷である場合には、流量調節弁14を全開にするための制御を行うように実現される。
この点、機関運転状態が区分D3に対応する低回転高負荷である場合に、流量調節弁14を沸騰抑制態様で開弁するための制御を行うにあたっては、制御手段は具体的には例えばあらゆる条件において冷却水の沸騰を抑制できる必要最小限の開度で流量調節弁14を開弁することや、シリンダヘッド52を流通する冷却水の温度を検出或いは推定するとともに、当該冷却水の温度に基づいて流量調節弁14を間欠的に開弁することや、所定の回転数以上で流量調節弁14を開弁することなどができる。これによりシリンダヘッド52の冷却能力を抑制するにあたり、冷却水の沸騰を抑制しつつ、流量調節弁14が必要以上に開弁されることを抑制できる。
そして冷却装置1Aでは、制御手段の制御のもと、区分D3において流量調節弁14がこのようにシリンダヘッド52を流通する冷却水の流量を低下させることで、エンジン50Aを流通する冷却水の流量を局部的に低下させる。
そして冷却装置1Aでは、流量調節弁14が全開でない場合にシリンダヘッド52への冷却水の流通を抑制することで、シリンダヘッド52の冷却能力を抑制していることになる。この点、冷却装置1Aではさらに具体的には、流量調節弁14を閉弁するか、或いは沸騰抑制態様で流量調節弁14を開弁している場合にシリンダヘッド52の冷却能力を抑制していることになる。
なお、冷却装置1Aでは、全体的な制御の整合性や簡素化などを考慮した結果、区分D1、D2、D5およびD6において、制御手段が流量調節弁14を閉弁するための制御を行うように実現されている。但しこれに限られず、制御手段は区分D1、D2、D5およびD6において、W/P11、流量調節弁14および各部分流量調節弁61から64までを適宜制御することで互いに異なる制御を行うように実現されてもよい。これにより区分D1、D2、D5およびD6において、さらにエンジン50Aの運転を好適に成立させることもできる。
また、制御手段は機関運転状態が区分D3に対応する低回転高負荷である場合に、例えば流量調節弁14を全開にするとともに、流量調節弁14に代えて各部分流量調節弁61から64までを閉弁、或いは沸騰抑制態様で開弁するための制御を行うように実現することもできる。また制御手段は機関運転状態が低回転高負荷である場合に、例えば流量調節弁14を全開にするとともに、各部分流量調節弁61から64までのうち、少なくともいずれかの開度(例えば熱負荷の大きい部分に対応する部分流量調節弁62や部分流量調節弁63)を間欠的な態様で全閉状態から小さい開度で開弁するように実現することもできる。これにより、区分D3においてシリンダヘッド52の信頼性を好適に確保することもできる。
ECU70Aでは、さらに例えば内側シリンダブロック51aの自由電子を移動させることで、内側シリンダブロック51aの電子密度を制御する電子密度制御手段が機能的に実現される。
具体的には電子密度制御手段は、第1の電源回路65を制御対象として印加電圧を変更することで、第1の誘電分極32の電荷を制御し、これにより内側シリンダブロック51aの自由電子を移動させることで、内側シリンダブロック51aの電子密度を制御するように実現される。
この点、さらに具体的には電子密度制御手段は、第1の誘電分極32を正に帯電させるように第1の電源回路65の印加電圧を変更することで、内側シリンダブロック51aのうち、下方の部分の電子密度が高くなるように内側シリンダブロック51aの電子密度を制御するモード1の制御を行うよう実現される。
また電子密度制御手段は、第1の誘電分極32を負に帯電させるように第1の電源回路65の印加電圧を変更することで、内側シリンダブロック51aのうち、上方の部分の電子密度が高くなるように内側シリンダブロック51aの電子密度を制御するモード2の制御を行うよう実現される。
また内側シリンダブロック51aの電子密度を制御するにあたり、電子密度制御手段は具体的には、エンジン50Aの回転数および負荷に応じて内側シリンダブロック51aの電子密度を制御するように実現される。
具体的には電子密度制御手段は機関運転状態が高負荷でない場合(区分D1、D2、D5およびD6に対応する運転状態である場合)には、モード1の制御を行うように実現される。
また電子密度制御手段は機関運転状態が低回転高負荷、および高回転高負荷である場合(区分D3およびD4に対応する運転状態である場合)には、モード2の制御を行うように実現される。
次にECU70Aで行われる処理を図5に示すフローチャートを用いて説明する。ECU70Aは機関始動時であるか否かを判定する(ステップS1)。肯定判定であれば、ECU70AはW/P11の駆動を開始するとともに(ステップS3)、流量調節弁14を閉弁し(ステップS21)、さらにモード1の制御を行う(ステップS22)。これにより、図6(a)に示すように内側シリンダブロック51aでは、下方の部分の電子密度が高くなる。一方、ステップS1で否定判定であれば、ECU70Aは機関冷間時であるか否かを判定する(ステップS5)。機関冷間時であるか否かは、例えば冷却水温が所定値(例えば75℃)以下であるか否かで判定できる。ステップS5で肯定判定であれば、ステップS21に進む。一方、ステップS5で否定判定であれば、ECU70Aはエンジン50Aの回転数および負荷を検出する(ステップS11)。
続いてECU70Aは検出した回転数および負荷に対応する区分を判定する(ステップS12からS14まで)。具体的には対応する区分が区分D1であれば、ステップS12の肯定判定からステップS21に進み、対応する区分が区分D2であれば、ステップS13の肯定判定からステップS21に進む。一方、対応する区分が区分D3であれば、ステップS14の肯定判定からステップS31に進む。このときECU70Aは流量調節弁14を閉弁、或いは沸騰抑制態様で開弁するとともに(ステップS31)、モード2の制御を行う(ステップS32)。これにより、図6(b)に示すように内側シリンダブロック51aでは、上方の部分の電子密度が高くなる。また対応する区分が区分D4であれば、ステップS14の否定判定からステップS41に進み、ECU70Aは流量調節弁14を全開にするとともに(ステップS41)、モード2の制御を行う(ステップS42)。
次に冷却装置1Aの作用効果について説明する。ここで、エンジン50Aのクランク角度に応じた燃焼室55の熱伝達率および表面積割合は、図7に示すようになっている。図7に示すように熱伝達率は、圧縮行程上死点付近で高まることがわかる。そして表面積割合については、圧縮行程上死点付近でシリンダヘッド52とピストン53の表面積割合が大きくなることがわかる。したがって冷却損失については、シリンダヘッド52の温度の影響力が大きいことがわかる。一方、ノッキングについては圧縮端温度に依存するところ、圧縮端温度に影響する吸気圧縮行程ではシリンダ51aaの表面積割合が大きいことがわかる。したがってノッキングについてはシリンダ51aaの温度の影響力が大きいことがわかる。
これに対して、冷却装置1Aではかかる知見に基づき、機関運転状態が低回転高負荷である場合に、流量調節弁14を閉弁、或いは沸騰抑制態様で開弁する。そしてこれにより、ヘッド側W/J521を流通する冷却水の流量を制限することで、シリンダヘッド52の冷却能力を抑制でき、以ってエネルギー損失のうち、大きな割合を占める冷却損失を低減できる。
一方、この場合にはノッキングの発生が懸念される。これに対して冷却装置1Aでは、シリンダブロック51の冷却能力を抑制することなく、シリンダヘッド52の冷却能力を抑制可能な流量調節弁14を制御することで、ヘッド側W/J521を流通する冷却水の流量を制限する。このため冷却装置1Aではこれによりシリンダ51aaの冷却を維持でき、以ってノッキングの発生も抑制できる。
すなわち冷却装置1Aでは、上述した知見に基づく合理的な態様で熱伝達の状態を局部的に可変することでシリンダヘッド52の断熱(冷却損失の低減)を図ることができ、同時にシリンダブロック51の冷却を図ることで、ノッキングの発生も抑制できる。そして、このようにして冷却損失の低減とノック性能とを両立させることで、冷却装置1Aは熱効率を向上させることができる。
また冷却装置1Aでは、流量調節弁14が、シリンダヘッド52の冷却能力を抑制するようにヘッド側W/J521を流通する冷却水の流量を調節した場合に、シリンダブロック51の冷却能力を高めるようにブロック側W/J511を流通する冷却水の流量を調節可能になっている。このため冷却装置1Aではこれによって吸気をより一層冷却でき、ノッキングの発生をさらに好適に抑制できる。
また冷却装置1Aは、主に低回転高負荷時に熱効率の向上を図ることができる一方で、他の運転状態においてもエンジン50Aの運転を成立させることができる。この点、高回転高負荷時には信頼性確保やノッキングの低減のほか、例えば排気温度の低下による触媒の熱負荷低減を図ることもできる。このため冷却装置1Aは特定の運転状態だけでなく、通常行われるエンジン50Aの運転全体として見ても熱効率の向上を図ることができる。
さらに冷却装置1Aでは、低回転高負荷時にモード2の制御を行うことで、内側シリンダブロック51aのうち、上方の部分の電子密度を高める。そしてこれにより、冷却装置1Aは内側シリンダブロック51aのうち、燃焼により発生した熱を多く受熱する上方の部分の熱伝導性を高めることができ、以って内側シリンダブロック51aの放熱を促進することができる。また冷却装置1Aはこのようにして内側シリンダブロック51aのみを対象とした放熱の促進を可能にするため、シリンダヘッド52の断熱性の確保と両立させることもできる。
このため冷却装置1Aは、高い熱効率を実現するにあたって、特にシリンダヘッド52の断熱性を高めるとともに、シリンダブロック51の冷却を図る必要がある低回転高負荷時に、シリンダヘッド52の断熱性の確保と両立可能な態様で内側シリンダブロック51aの放熱を促進でき、以って高い熱効率の実現に寄与することができる。
また冷却装置1Aは、例えば既に高圧のバッテリや可変昇圧システムを備えたハイブリッド車両に容易に適用でき、この場合に高い熱効率を実現することで、電圧印加によるエネルギーロスを差し引いても、車両全体としてのエネルギー効率の向上を図るようにすることもできる。
上述した実施例は本発明の好適な実施の例である。但し、これに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変形実施可能である。
例えば上述した実施例では、内側シリンダブロック51aの電子密度を制御するにあたり、第1の誘電分極32および第1の電源回路65を備える冷却装置1Aの場合について説明した。しかしながら、本発明においては必ずしもこれに限られず、冷却装置は例えば以下に示す冷却装置1Bや冷却装置1Cのように構成されてもよい。
図8に示す冷却装置1Bは、第1の電源回路65に接続されるとともに、内側シリンダブロック51aの自由電子を移動させることが可能なように内側シリンダブロック51aの上端に対応させて設けられた第2の誘電分極33をさらに備えている点以外、冷却装置1Aと実質的に同一のものとなっている。冷却装置1Bでは、第1および第2の誘電分極32、33の電荷が、第1の電源回路65の印加電圧を変更することで制御され、このとき第1および第2の誘電分極32、33の極性それぞれは互いに反対になるようになっている。すなわち、第1の誘電分極32が正に帯電する場合には第2の誘電分極33が負に帯電し、第1の誘電分極32が負に帯電する場合には第2の誘電分極33が正に帯電するようになっている。冷却装置1Bによれば、冷却装置1Aと比較して内側シリンダブロック51aの電子密度をより好適に制御することができる。
また図9に示す冷却装置1Cは、第2の電源回路66をさらに備えている点と、第1の電源回路65に接続される第1および第2の誘電分極32、33、および第2の電源回路66に接続される第1および第2の誘電分極32、33を備えている点と、第1の電源回路65に接続される第1および第2の誘電分極32、33を吸気側に設けるとともに、第2の電源回路66に接続される第1および第2の誘電分極32、33を排気側に設けている点と、エンジン50Aの代わりにエンジン50Bを備えている点と、ECU70Aの代わりにECU70B(図示省略)を備えている点以外、冷却装置1Aと実質的に同一のものとなっている。
エンジン50Bは、シリンダブロック51の代わりに、シリンダブロック51aに対してさらに全体が吸気側の部分と排気側の部分とに2分割された内側シリンダブロック51a´を有するシリンダブロック51´を備えている点と、内側シリンダブロック51a´を吸気側の部分と排気側の部分とに2分割するようにして設けられた絶縁体31をさらに備えている点以外、エンジン50Aと実質的に同一のものとなっている。
またECU70Bは、第2の電源回路66が制御対象としてさらに電気的に接続される点と、電子密度制御手段がさらに以下に示すように実現される点以外、ECU70Aと実質的に同一のものとなっている。
すなわちECU70Bでは、電子密度制御手段が、内側シリンダブロック51aの電子密度を制御するにあたって、第1の電源回路65に加えてさらに第2の電源回路66を制御対象として印加電圧を変更することで、内側シリンダブロック51aの電子密度を制御するように実現される。
またECU70Bでは、電子密度制御手段が、第1および第2の電源回路65、66を制御対象として、内側シリンダブロック51aのうち、上方或いは下方の部分の電子密度が高くなるように内側シリンダブロック51aの電子密度を制御する場合に、第2の電源回路66のほうが第1の電源回路65よりも印加電圧の大きさが相対的に高くなるように第1および第2の電源回路65、66をさらに制御することで、内側シリンダブロック51aのうち、上方或いは下方の部分において、排気側の部分のほうが吸気側の部分よりも相対的に電子密度が高まるように内側シリンダブロック51aの電子密度をさらに制御するように実現される。
冷却装置1Cによれば、排気側のほうが吸気側よりも温度が高まることに対し、さらにシリンダ51aaの冷却の均一性を高めることができる点で好適である。
また例えばECU70Aなど上述した各ECUによって機能的に実現される各種の手段は、その他の電子制御装置や専用の電子回路などのハードウェアやこれらの組み合わせによって実現されてもよい。
1A、1B、1C 冷却装置
11 W/P
14 流量調節弁
31 絶縁体
32 第1の誘電分極
33 第2の誘電分極
50A、50B エンジン
51、51´ シリンダブロック
511 ブロック側W/J
51a、51a´ 内側シリンダブロック
51aa シリンダ
51b 外側シリンダブロック
52 シリンダヘッド
521 ヘッド側W/J
65 第1の電源回路
66 第2の電源回路
70A,70B ECU

Claims (2)

  1. シリンダが形成されたシリンダブロック、エンジンブロックおよびシリンダヘッドを備えるエンジンと、
    前記シリンダブロックを前記エンジンブロックおよび前記シリンダヘッドから電気的に絶縁する絶縁体と、
    前記シリンダブロックの自由電子を移動させることで、前記シリンダブロックの電子密度を制御する電子密度制御手段と、を備え、
    前記電子密度制御手段が、前記エンジンの運転状態が低回転高負荷である場合に、前記シリンダブロックのうち、上方の部分の電子密度が高くなるように前記シリンダブロックの電子密度を制御するエンジンの冷却装置。
  2. 請求項1記載のエンジンの冷却装置であって、
    前記シリンダブロックの冷却能力を抑制することなく、前記シリンダヘッドの冷却能力を抑制可能な冷却能力調整手段と、
    前記冷却能力調整手段を制御することで、前記シリンダヘッドの冷却能力を抑制するための制御を行う制御手段と、をさらに備えたエンジンの冷却装置。


JP2010029138A 2010-02-12 2010-02-12 エンジンの冷却装置 Expired - Fee Related JP5338703B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010029138A JP5338703B2 (ja) 2010-02-12 2010-02-12 エンジンの冷却装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010029138A JP5338703B2 (ja) 2010-02-12 2010-02-12 エンジンの冷却装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2011163288A JP2011163288A (ja) 2011-08-25
JP5338703B2 true JP5338703B2 (ja) 2013-11-13

Family

ID=44594249

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2010029138A Expired - Fee Related JP5338703B2 (ja) 2010-02-12 2010-02-12 エンジンの冷却装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5338703B2 (ja)

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0643241U (ja) * 1992-11-24 1994-06-07 日産自動車株式会社 内燃機関の冷却装置
BR9701062A (pt) * 1997-02-24 1998-11-10 Gen Motors Brasil Ltda Sistema independente de arrefecimento de motores alternativos de combustão interna
JP2004301099A (ja) * 2003-04-01 2004-10-28 Mitsubishi Electric Corp 燃料噴射装置
JP3975399B2 (ja) * 2003-04-22 2007-09-12 アイシン精機株式会社 車両用エンジン冷却装置
JP2006200388A (ja) * 2005-01-18 2006-08-03 Toyota Motor Corp 内燃機関
JP4474338B2 (ja) * 2005-07-08 2010-06-02 トヨタ自動車株式会社 シリンダライナ及びエンジン

Also Published As

Publication number Publication date
JP2011163288A (ja) 2011-08-25

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5494672B2 (ja) エンジンの冷却装置
JP5282827B2 (ja) エンジンの冷却装置
JP5338916B2 (ja) エンジンの冷却装置
WO2012120668A1 (ja) エンジンの制御装置
JP5527427B2 (ja) エンジンの冷却装置
JP4581837B2 (ja) 内燃機関の冷却装置
JP5541371B2 (ja) エンジンの冷却装置
KR20130017841A (ko) 수냉식 터보차져 시스템 및 이의 운영방법
JP6225950B2 (ja) 内燃機関の冷却装置
JP5051306B2 (ja) エンジンの冷却装置
JP5338703B2 (ja) エンジンの冷却装置
JP5577788B2 (ja) エンジンの冷却装置
US9551270B2 (en) Control device for coolant flow in an internal combustion engine
JP5299517B2 (ja) エンジンの冷却装置
JP2011094537A (ja) エンジンの冷却装置
WO2019138582A1 (ja) 冷却システム及び冷却システムの制御方法
JP5488522B2 (ja) エンジンの制御装置
Choudhary et al. The effect of engine temperature on multi cylinder SI engine performance with gasoline as a fuel

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20120614

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20130626

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20130709

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20130722

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 5338703

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees