JP5304573B2 - エンジンの暖機促進システム - Google Patents
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Description
したがって、可変ウォータポンプと当該熱交換手段とが設けられたエンジンにおいては、機関暖機時に可変ウォータポンプの駆動を基本的に停止する一方で、熱交換手段で冷却水が回収した熱をエンジンで放熱させるように可変ウォータポンプを適宜駆動させることも考えられる。この場合には、当該熱交換手段の過熱を抑制するとともにエンジンの暖機をさらに促進できると考えられる。
また暖機促進システム1Aは排気マニホールド21および触媒22を備えている。これらの構成21、22は排気系を構成している。
また暖機促進システム1AはEGRクーラ30Aと過給機40とエンジン50とを備えている。EGRクーラ30Aおよび過給機40は吸排気系にまたがるように設けられている。具体的にはEGRクーラ30Aは吸気マニホールド14および排気マニホールド21に連通している。過給機40のコンプレッサ部401は吸気系に、タービン部402は排気系にそれぞれ設けられている。
エンジン50はシリンダヘッド51とシリンダブロック52とを備えている。なお、図1ではシリンダブロック52の内部構造を示すため、シリンダヘッド51をシリンダブロック52から離した状態で示している。シリンダブロック52には複数(ここでは4つ)のシリンダ521が形成されている。シリンダブロック52のうち、複数のシリンダ521の周辺部にはウォータジャケット(以下、W/Jと称す)522が形成されている。吸気は具体的には各シリンダ521に分配して供給される。そして、各シリンダ521内では混合気の燃焼が行われる。
ラジエータ62、オイルクーラ63およびヒータコア64は熱交換器となっている。具体的にはラジエータ62は冷却水と空気との間で熱交換をし、冷却水を冷却する。オイルクーラ63は冷却水とオイルとの間で熱交換をし、オイルを冷却する。ヒータコア64は冷却水と空気との間で熱交換をし、空気を暖める。
サーモスタット65は電動W/P61に入口側から連通する流通経路を開閉する。具体的にはサーモスタット65は、冷却水温THW1が第1の所定値未満の場合に閉弁し、第1の所定値以上の場合に開弁することで流通経路を開閉する。
流量調節弁66はラジエータ62およびサーモスタット65をバイパスする流通経路を流通する冷却水の流量を調節する。この点、流量調節弁66は例えば冷却水温THW1が第1の所定値未満の場合には開弁し、第1の所定値以上の場合には閉弁することで流通経路を開閉する。
例えばラジエータ62を含む経路としては、電動W/P61が圧送した冷却水がシリンダブロック52、シリンダヘッド51を流通した後、ラジエータ62に流入し、その後サーモスタット65を介して電動W/P61に戻る経路がある。
また例えばオイルクーラ63を含む経路としては、電動W/P61が圧送した冷却水がシリンダブロック52流通後、オイルクーラ63に流入し、その後ラジエータ62、サーモスタット65を介して電動W/P61に戻る経路がある。
また例えばヒータコア64を含む経路としては、電動W/P61が圧送した冷却水が、シリンダブロック52流通後、EGRクーラ30Aおよび過給機40を流通し、その後ヒータコア64を介して電動W/P61に戻る経路がある。
この点、冷却水がシリンダブロック52を流通する際、冷却水は具体的には第1の冷却水通路であるW/J522を流通するようになっている。したがって、電動W/P61はW/J522が組み込まれた冷却水循環経路に冷却水を圧送するようになっている。
熱交換部33は両端部31、32間に設けられている。熱交換部33は排気通路部331と冷却水通路部332とを備えている。排気通路部331は一端部31から他端部32に向かって排気を流通させる複数の排気通路を形成し、冷却水通路部332は排気通路部331を取り囲む冷却水通路を形成している。
冷却水入口部34は熱交換部33の一端側に設けられており、冷却水通路部332に連通している。冷却水入口部34はシリンダブロック52に接続される。冷却水出口部35は熱交換部33の他端側に設けられており、冷却水通路部332に連通している。冷却水出口部35は過給機40に接続される。
バイパス通路部36は両端部31、32間に設けられている。バイパス通路部36は熱交換部33の排気の流通をバイパスさせるバイパス手段であり、具体的には排気通路部331が形成する排気通路のバイパス通路を形成している。
切替弁37は他端部32に設けられている。切替弁37はアクチュエータ371と弁体372とを備えている。切替弁37は排気通路部331が形成する排気通路とバイパス通路部36が形成するバイパス通路との間で、排気が流通する通路を切り替える。
そしてシリンダブロック52に接続される冷却水入口部34は、さらに具体的には冷却水通路部332が形成する冷却水通路とW/J522とを概ね水平に連通するようになっている。この点、冷却水通路部332は、第1の冷却水通路であるW/J522の下流側に組み込まれる第2の冷却水通路を形成している。
またこのように構成されたEGRクーラ30Aを排気が流通する際、排気は具体的には熱交換部33またはバイパス通路部36を流通するようになっている。そして、排気が熱交換部33を流通する際に、還流される排気と冷却水との間で熱交換が行われるようになっている。
また、冷却水入口部34はW/J522と、冷却水通路部332が形成する冷却水通路とを連通する連通部となっている。
また、切替弁37は熱交換部33の排気の流通を許可、禁止することが可能な流通制限手段となっている。同時に切替弁37は熱交換部33をバイパスする排気の流通を許可、禁止することが可能なバイパス流通制限手段となっている。
この点、ECU70Aでは具体的には例えばエンジン50の暖機時に電動W/P61の駆動を停止する停止制御手段が実現される。
またECU70Aでは、例えばエンジン50の暖機時に熱交換部33の排気の流通を許可するように切替弁37を制御する流通制御手段が実現される。
また暖機促進システム1Aでは、冷却水を自然対流させることで、冷却水が熱交換部33で回収した排気の熱をエンジン50の暖機促進に利用している。このため暖機促進システム1Aでは、エネルギの有効利用を図りつつエンジン50の更なる暖機の促進を図ることができる。また暖機促進システム1Aでは、冷却水経路Pを流通する冷却水の流れによって、冷却水が熱交換部33で回収した排気の熱をヒータコア64でも利用することができる。このため暖機促進システム1Aでは、これによりさらにエネルギの有効利用を図ることができる。
さらに暖機促進システム1Aでは、シリンダ521の周囲に設けられたW/J522および熱交換部33間で冷却水の自然対流を行う。このため暖機促進システム1Aでは、エンジンフリクションの大きな要因であるピストン・シリンダ間の油膜の温度を効果的に上昇させることができる点で、効率的に暖機促進を図ることもできる。
図9に示すようにEGRクーラ30Bは、複数(ここでは4つ)の冷却水入口部34を備えている点以外、EGRクーラ30Aと実質的に同一となっている。
暖機促進システム1Bにおいても、実施例1で前述したようにECU70Aの動作が行われる。この点、暖機促進システム1Bでは、機関暖機時にW/J522と熱交換部33内の冷却水通路との間で、複数の冷却水入口部34を介した冷却水の自然対流が発生することになる。このため暖機促進システム1Bでは、自然対流による冷却水の移動がよりスムースに行われ、以って実効性の高い態様で更なるエンジン50の暖機促進を図ることができる。また暖機促進システム1Bでは、これにより冷却水経路Pを流通する冷却水の流れをより活発にできることから、さらに好適に熱交換部33の過熱の抑制やエネルギの有効利用を図ることもできる。
ECU70Bでは、流通制御手段が、機関暖機時に熱交換部33における冷却水の温度THW2が第2の所定値未満である場合に熱交換部33の排気の流通を許可し、第2の所定値以上である場合に熱交換部33の排気の流通を禁止するように切替弁37を制御するよう実現される。
このとき同時に流通制御手段は、機関暖機時に冷却水温THW2が第2の所定値未満である場合にバイパス通路部36の排気の流通を禁止し、第2の所定値以上である場合に、バイパス通路部36の排気の流通を許可するように切替弁37を制御するよう実現される。
温度推定手段は冷却水温THW2を推定するように実現される。具体的には温度推定手段は、冷却水温THW2と相関関係を有する各種のパラメータ(例えば燃料噴射量、エンジン負荷率、アクセル開度、吸入空気量、吸気温、EGR率など)に基づいて熱交換部33における冷却水の温度を推定する。なお、冷却水温THW2は例えば温度センサなどの検知手段を利用して直接検出されてもよい。
例えば上述した実施例では、電動W/P61が可変ウォータポンプである場合について説明した。しかしながら本発明においては必ずしもこれに限られず、可変ウォータポンプは例えば少なくとも冷却水の流量をゼロにすることが可能なクラッチ機構付きのウォータポンプであってもよい。
またこれに関連し、上述した実施例では構成上、合理的であることから切替弁37が流通制限手段であると同時にバイパス流通制限手段である場合について説明した。しかしながら本発明においては必ずしもこれに限られず、流通制限手段とバイパス流通制限手段とは個別に構成されてもよい。またこの場合、これらそれぞれに対応する流通制御手段が、例えば流通制御手段とバイパス流通制御手段として個別に構成されてもよい。
30 EGRクーラ
31 一端部
32 他端部
33 熱交換部
34 冷却水入口部
35 冷却水出口部
36 バイパス通路部
37 切替弁
40 過給機
50 エンジン
51 シリンダヘッド
52 シリンダブロック
521 シリンダ
522 W/J
61 電動W/P
62 ラジエータ
70 ECU
Claims (1)
- 第1の冷却水通路が形成されたシリンダブロックを備えるエンジンと、
前記第1の冷却水通路が組み込まれた冷却水循環経路に冷却水を圧送するとともに、圧送する冷却水の流量を可変にする可変ウォータポンプと、
前記冷却水循環経路において、前記第1の冷却水通路の下流側に組み込まれる第2の冷却水通路が形成されるとともに、前記エンジンに還流される排気と前記エンジンの冷却水との間での熱交換を行う熱交換手段と、
前記第1の冷却水通路と前記第2の冷却水通路とを連通する複数の連通部と、
前記エンジンの暖機時に前記可変ウォータポンプの駆動を停止する停止制御手段と、
前記熱交換手段の排気の流通を許可、禁止することが可能な流通制限手段と、
前記エンジンの暖機時に、前記熱交換手段における冷却水の温度が所定値未満である場合に、前記熱交換手段の排気の流通を許可し、前記熱交換手段における冷却水の温度が所定値以上である場合に、前記熱交換手段の排気の流通を禁止するように前記流通制限手段を制御する流通制御手段と、
を備えるエンジンの暖機促進システム。
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