JP2010285894A - 内燃機関の冷却装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】エンジン冷却システム1は、第1流路21と、第2流路22と、第3流路23と、ウォータポンプ24と、主サーモスタット25と、副サーモスタット26と、バイパス流路27とを備えることで、ウォータポンプ24が停止している場合であっても、エンジン100内やEGRクーラ14の冷却水を循環させることができる。よって、ポンプ停止時においても冷媒の循環を確保することでオーバーヒートを抑制することができる。
【選択図】 図1
Description
ウォータポンプの稼動が故障等により停止すると、冷却水が循環されないために内燃機関の冷却能力が著しく低下する。そのため、内燃機関がオーバーヒートして損傷する場合がある、といった問題がある。
この場合、EGRクーラを循環する冷却水の量が不足すると、排気ガス中のNOx量の増加に伴って還流されるEGRガス量が増加した時にEGRクーラ内の冷却水が沸騰するおそれがある。冷却水が沸騰すると、EGRクーラ内の圧力が大きく上昇するために、EGR装置や冷却系が故障、破損する場合がある、といった問題点がある。
しかしながら、特許文献2〜4の技術では、EGRクーラ内の冷却水を循環させることが困難であることから、EGRクーラ内の冷却水が沸騰することを適切に抑制することができない、といった問題点がある。
このような構成とすることにより、冷媒を循環させるポンプが停止している場合であっても、内燃機関内やEGRクーラ内の冷媒を自然対流によって循環させることができる。
このような構成とすることで、自然対流による冷媒の流れが発生することから、冷媒を循環させるポンプが停止している場合であっても、内燃機関内やEGRクーラ内の冷媒を循環させることができる。
このような構成とすることで、冷媒を循環させるポンプが稼動している場合に、ラジエータにて冷却された冷媒を主サーモスタットを経由させて内燃機関側へ循環させることができる。よって、冷媒の温度制御が不能になることを抑制することができる。
このような構成とすることで、第1サーモスタットによる冷媒の温度制御を第2サーモスタットが妨げることを抑制することができる。
このような構成とすることで、内燃機関の暖機状態に応じてEGRクーラを循環する冷媒の量を調節することができる。よって、暖気状態に応じたEGRクーラの冷却能力に調整することができることから、適切な温度のEGRガスを吸気側に還流させることができる。
このような構成とすることで、EGRクーラの温度が第1しきい値以上の場合に、ラジエータの冷却能力を向上させてEGRクーラを循環する冷媒を適切に冷却することができる。よって、EGRクーラの冷却能力が低下することを抑制しつつ内燃機関の暖機性を向上させることができる。
吸気ポートから燃焼室内へ流入した混合ガスは、ピストンの上昇運動により燃焼室内で圧縮される。ECU10は、クランク角センサからのピストンの位置、および吸気カム角センサからのカム軸回転位相の情報に基づき、点火タイミングを決定しイグナイタに信号を送る。イグナイタはECU10の信号に従って、指示された点火タイミングでバッテリからの電力を点火プラグに通電する。点火プラグはバッテリからの電力により点火し、圧縮混合ガスを着火させて、燃焼室内を膨張させピストンを下降させる。この下降運動がコネクティングロッドを介してクランクシャフトの軸回転に変更されることにより、エンジン100は動力を得る。
そして、ウォータジャケットには冷却水の温度を測定するための水温センサ31が設けられており、ウォータジャケット内部の冷却水温の検出結果をECU10へ送信する。ECU10は、水温センサ31が検出した冷却水温をエンジン100の温度と認識する。この場合、水温センサ31は、エンジン100内部の比較的高温な冷却水の温度を検出できるような位置に設けられることが望ましく、例えば冷却水の出口付近(第2流路22との接続部付近)に設けることができる。
排気ガス導入通路13は、EGRクーラ14をバイパスするバイパス通路(図示しない)を備えている。バイパス通路は、還流させるEGRガス温度が低温の場合にEGRガスを流通させることで、EGRクーラ14を経由させずにEGRガスを吸気側へ還流させる。これによって、EGRガスが必要以上に低温化することを抑制することができることから、エンジン100の燃焼が悪化するのを抑制することができる。
また、EGRクーラ14には、EGRクーラ温度センサ32が設けられており、EGRクーラ14内部の冷却水の温度を検出し、検出結果をECU10へ送信する。ECU10は、EGRクーラ温度センサ32が検出した冷却水温をEGRクーラ14の温度と認識する。この場合、EGRクーラ温度センサ32は、EGRクーラ14内部の冷却水の温度に代えて、EGRクーラ14の温度を直接検出してもよい。
ラジエータファン12は、ラジエータ11とエンジン100との間に配置され、ラジエータ11からエンジン100の方向へ空気の流れを作ることでラジエータ11を冷却する。ラジエータファン12は、ECU10の指令に従ってファンの回転を調整することで、ラジエータ11の冷却能力を制御する。ラジエータファン12は、エンジン100の回転と同期させることでファンを回転させても良いし、電動モータ等によってファンを回転させても良い。エンジン100の回転と同期させる場合には、回転の伝達部にクラッチ機構等の可変伝達機構を用いることで、ファンの回転を任意に調整できる構成とする。また、ラジエータファン12は、ラジエータ11とエンジン100との間に限られず、ラジエータ11を冷却できる任意の位置に配置することができる。
この場合、第1流路21は、EGRクーラ14よりも下方に設置され、第2流路22は、EGRクーラ14よりも上方に設置される構成を採用する。このような構成とすることで、エンジン100やEGRクーラ14にて加熱されて密度(比重)が小さくなった冷却水がより上方の第2流路22方向へ移動し、ラジエータ11にて冷却されて密度(比重)が大きくなった冷却水がより下方の第1流路21方向へ移動する。よって、自然対流による冷却水の流れが発生することから、ウォータポンプ24の稼動が停止している場合であっても、エンジン100内やEGRクーラ14内の冷却水が循環することができる。
そして、第3流路23は、ウォータポンプ24の出口直後で第1流路21から分岐する構成を採用する。このような構成とすることで、自然対流によってラジエータ11を通過して冷却された冷却水がエンジン100内部の冷却水と混合することを抑制することができることから、暖機性向上効果が低下することを抑制することができる。
主サーモスタット25には、エンジン100のウォータジャケット上方、およびEGRクーラ14の下流側の第3流路23と連通した冷却水の流路が接続されており、加熱された冷却水の一部がラジエータ11を経由せずに主サーモスタット25に供給される。これによって、エンジン100やEGRクーラ14が高温の場合に、より確実に主サーモスタット25の弁開度を向上させて冷却水の流量を増加させることができる。
なお、主サーモスタット25は、本発明の第1サーモスタットに相当する。
この場合、副サーモスタット26は、主サーモスタット25よりも低温の第3温度(例えば、85[℃])で開弁する構成とする。このような構成とすることで、エンジン100の暖機の際に副サーモスタット26が先に開弁することから、主サーモスタット25による冷却水の温度制御を副サーモスタット26が妨げることを抑制することができる。更に、ウォータポンプ24が故障等により稼動できない場合に、エンジン100内部の冷却水温が上昇することで副サーモスタット26が早期に開弁する。それによって、エンジン100からラジエータ11方向への冷却水の自然対流が生じることから、エンジン100内部の冷却水が循環するためにエンジン100が冷却される。
なお、副サーモスタット26は、本発明の第2サーモスタットに相当する。
このバイパス流路27を設けることによって、主サーモスタット25が第1流路21を閉鎖している場合であっても、主サーモスタット25を経由させずに冷却水を流通させることができる。よって、主サーモスタット25が閉弁し、かつウォータポンプ24の稼動が停止している場合であっても、第3流路23、ラジエータ11、第1流路21からバイパス流路27の間で自然対流による冷却水の流れが発生する(図2(b)参照)。そのため、エンジン100の暖機中にEGRクーラ14が高温となった場合に、EGRクーラ14内の冷却水が循環することができることから、EGRクーラ14がオーバーヒートすることを抑制することができる。
この場合、バイパス流路27の上流側の分岐部は主サーモスタット25の直前から分岐させる構成を採用する。このような構成とすることにより、バイパス流路27を通じて循環する冷却水の温度が主サーモスタット25周辺に伝導しやすいことから、循環する冷却水温が高い場合に主サーモスタット25の開弁を促進させることができる。よって、ラジエータ11の冷却能力が不足している場合等に、主サーモスタット25を早期に開弁させて循環する冷却水の流量を増加させることで、エンジン100の冷却能力を向上させることができる。
一方弁27aとしては、ウォータポンプ24の負圧によって閉弁し、負圧がない場合に自身の重みによって開弁する重力弁等を適用することができる。この場合、冷却水の自然対流によっては閉弁しない程度の適度な重みを有する重力弁を適用する。
図3は、冷却水温と各部品の稼動領域との関係の一例を示している。ECU10は、水温センサ31の検出結果に基づいて、エンジン100の冷却水温が所定温度未満の場合に、ウォータポンプ24の電磁クラッチを分断させる。この制御を実行することで、エンジン100の暖機中にウォータジャケット内部の冷却水が循環するのを抑制することができることから、エンジン100の暖機性を向上させることができる。ここで、電磁クラッチを分断させるか否かを判断するための所定温度は、ウォータポンプ24の稼動開始温度(第1温度)未満の任意の冷却水温を適用するが、例えば85[℃]に設定することができる。また、第1温度とは、エンジン100の冷却を優先すべき任意の冷却水温を適用するが、例えば90[℃]に設定することができる。
ECU10は、エンジン100の冷却水温が第1温度以上となった場合に、ウォータポンプ24の電磁クラッチを係合させて、冷却水の循環を開始させる。
図4は、冷却水温に基づくEGRガス還流量の制御例を示している。ECU10は、水温センサ31の検出結果に基づいて、エンジン100の冷却水温が所定温度未満の場合に、EGRガスの還流を停止させる。内燃機関が低温の際にEGRガスを還流させると、EGRガスが低温であるために内燃機関の燃焼が悪化してしまう。そのため、冷却水温が所定温度に満たない場合にEGRガスの還流を停止させることで、エンジン100の燃焼が悪化することを抑制することができる。ここで、EGRガスの還流を停止させるか否かを判断するための所定温度は、エンジン100の燃焼が悪化しないと判断できる任意の冷却水温を適用するが、例えば40[℃]に設定することができる。
暖機性向上制御中は主サーモスタット25が閉弁し、かつウォータポンプ24の稼動が停止しているために、冷却水温が所定温度以上となってEGRガスの還流が開始されると、徐々にEGRクーラ14の温度が上昇してゆく。ここで、EGRクーラ14の温度が上昇すると、第3流路23、ラジエータ11、第1流路21からバイパス流路27の間で自然対流による冷却水の流れが発生することから、EGRクーラ14内の冷却水が循環する。そのため、EGRクーラ14内に低温の冷却水が流入することから、EGRクーラ14がオーバーヒートすることを抑制することができる(図2(a)(b)参照)。
ECU10は、水温センサ31の検出結果に基づいて、エンジン100の冷却水温が所定温度未満の場合に、ラジエータファン12の運転を停止させる。この制御を実行することで、冷却水の温度が過度に低下することを抑制することができる。ここで、ラジエータファン12の運転を停止させるか否かを判断するための所定温度は、ラジエータファン12の運転開始温度(第4温度)未満の任意の冷却水温を適用することができるが、例えば90[℃]に設定することができる。また、第4温度とは、ラジエータ11の冷却能力に応じて任意の冷却水温を適用することができるが、例えば95[℃]に設定することができる。
ECU10は、エンジン100の冷却水温が第4温度以上となった場合に、ラジエータファン12の運転を開始させる。また、ECU10は、EGRクーラ温度センサ32の検出結果に基づいて、EGRクーラ14の温度が第1しきい値以上となった場合、すなわちEGRクーラ14の冷却が必要であると判断する場合に、ラジエータファン12の運転を開始させる。これにより、エンジン100やEGRクーラ14を循環する冷却水をより低温に冷却することができることから、エンジン100やEGRクーラ14がオーバーヒートするのを抑制することができる。ここで、第1しきい値とは、EGRクーラ14がオーバーヒートする可能性があると判断できる任意の冷却水温を適用するが、例えば100[℃]に設定することができる。
ECU10は、ステップS5の処理を終えると、次のステップS6へ進む。
ECU10は、ステップS7の処理を終えると、制御の処理を終了する。
ECU10は、ステップS9の処理を終えると、次のステップS10へ進む。
ECU10は、ステップS11の処理を終えると、次のステップS12へ進む。
ECU10は、ステップS13の処理を終えると、制御の処理を終了する。
更に、エンジン冷却システム2は、第3流路23にEGRサーモスタット28を備えることで、エンジン100の暖機状態に応じてEGRクーラ14を循環する冷却水の流量を調整することができる。よって、適切な温度のEGRガスを吸気側に還流させることができるうえに、EGRクーラ14がオーバーヒートすることを抑制することができる。
EGRサーモスタット28は、第3流路23のよりEGRクーラ14に隣接した位置に設けられており、EGRクーラ14の温度に基づいて第3流路23の連通を制御する。EGRサーモスタット28は、主サーモスタット25と同様の構造を有し、EGRクーラ14の温度、すなわちEGRクーラ14内部の冷却水の温度に応じてその弁開度を変化させることで、第3流路23を流通する冷却水の流量を調節する。それによって、EGRクーラ14を循環する冷却水の流量を調節し、EGRクーラ14の冷却能力を制御する。
この場合、EGRサーモスタット28は、副サーモスタット26よりも低温であって、EGRガスの冷却を開始する冷却水温(例えば、60[℃])から徐々に開弁する構成とする。このような構成とすることで、エンジン100の暖機制御においてEGRガスの還流が開始された場合に、エンジン100の暖機状態、すなわち還流されるEGRガス温度に応じてEGRサーモスタット28が開弁する。よって、EGRクーラ14を循環する冷却水の流量を適切に調節することができることから、EGRガスの過冷却または冷却不足を抑制することができる(図11参照)。
なお、EGRサーモスタット28は、本発明の第3サーモスタットに相当する。
本実施例のエンジン冷却システム2は、第3流路23にEGRサーモスタット28を備えることで、エンジン100の暖機状態に応じてEGRクーラ14を循環する冷却水の流量を調整することができる。
ECU10は、ステップS20の処理を終えると、次のステップS21へ進む。
ECU10は、ステップS22の処理を終えると、次のステップS23へ進む。
ECU10は、ステップS24の処理を終えると、次のステップS25へ進む。
ECU10は、ステップS26の処理を終えると、制御の処理を終了する。
10 ECU
11 ラジエータ
12 ラジエータファン
13 排気ガス導入通路
14 EGRクーラ
21 第1流路
22 第2流路
23 第3流路
24 ウォータポンプ(冷媒ポンプ)
25 主サーモスタット(第1サーモスタット)
26 副サーモスタット(第2サーモスタット)
27 バイパス流路
27a 一方弁
31 水温センサ
32 EGRクーラ温度センサ
100 エンジン
Claims (6)
- 内燃機関のEGRガスを冷却するEGRクーラを備える内燃機関の冷却装置であって、
ラジエータを循環した冷媒を前記内燃機関に向けて流通させる第1流路と、
前記内燃機関を循環した冷媒を前記ラジエータに向けて流通させる第2流路と、
前記第1流路に設けられ、前記内燃機関が第1温度以上の場合に稼動することで前記冷媒を循環させる冷媒ポンプと、
前記ラジエータと前記冷媒ポンプとの間の前記第1流路に設けられ、前記内燃機関が第2温度以上の場合に開弁することで前記第1流路を冷媒を流通可能とする第1サーモスタットと、
前記内燃機関と前記ラジエータとの間の前記第2流路に設けられ、前記内燃機関が第3温度以上の場合に開弁することで前記第2流路を冷媒を流通可能とする第2サーモスタットと、
前記冷媒ポンプの出口側の前記第1流路から分岐して前記EGRクーラを経由して前記第2流路に合流し、前記冷媒の一部を前記EGRクーラを循環させる第3流路と、
前記ラジエータと前記第1サーモスタットとの間の前記第1流路から分岐して前記第1サーモスタットと前記冷媒ポンプとの間の前記第1流路に合流し、前記冷媒を前記第1サーモスタットをバイパスさせて流通させるバイパス流路と、
を備えることを特徴とする内燃機関の冷却装置。 - 前記第1流路は、前記EGRクーラよりも下方に設けられ、かつ、前記第2流路は、前記EGRクーラよりも上方に設けられることを特徴とする請求項1記載の内燃機関の冷却装置。
- 前記バイパス流路は、前記冷媒ポンプが稼動していない場合にのみ前記冷媒を流通させることを特徴とする請求項1または2記載の内燃機関の冷却装置。
- 前記第2サーモスタットは、前記第1サーモスタットよりも低温で開弁することを特徴とする請求項1から3のいずれか1項記載の内燃機関の冷却装置。
- 前記EGRクーラと前記第2流路との間の前記第3流路に設けられ、前記EGRクーラが所定の温度以上の場合に開弁することで前記第3流路を連通させる第3サーモスタットを備え、
前記第3サーモスタットは、前記第2サーモスタットよりも低温で開弁することを特徴とする請求項1から4のいずれか1項記載の内燃機関の冷却装置。 - 前記内燃機関が第4温度以上の場合に前記ラジエータを冷却するラジエータ冷却手段を備え、
前記ラジエータ冷却手段は、前記内燃機関が第4温度未満であって、前記EGRクーラの温度が第1しきい値以上の場合に、前記ラジエータを冷却することを特徴とする請求項1から5のいずれか1項記載の内燃機関の冷却装置。
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