JP2008232004A - 内燃機関の制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】冷却水路を流れる冷却水が核沸騰した状態に維持することにより、排気ガスの熱を効率的に回収することができる内燃機関の排気熱回収装置を提供する。
【解決手段】排気熱回収装置は、内燃機関1に設けられて冷却水を導く冷却水路12と、冷却水路12に冷却水を流通させるための電動ポンプ13とを有し、冷却水路12を流れる冷却水と内燃機関1から排出された排気ガスとの間で熱交換を行い、冷却水路12内の水圧を検出する水圧センサ23の検出結果に基づいて冷却水が核沸騰した状態で冷却水路12内を流通するように電動ポンプ13を制御する。
【選択図】図1

Description

本発明は、電動ウォータポンプの駆動により内燃機関の冷却水路に冷却水を循環させる内燃機関の制御装置に関する。
運転中であった内燃機関が停止した場合、その停止時に残存する熱が気筒内に伝播して気筒内の温度が上昇する。内燃機関の停止後に再始動する場合、その停止から再始動までの期間が比較的短いと、気筒内が高温状態のままであるので再始動時の燃焼が不安定になり易い。そこで、停止した内燃機関を冷却して再始動に備えるため、内燃機関の停止中に電動ウォータポンプにて冷却水路に冷却水を循環させる制御装置が知られている。例えば、そのような制御装置として、内燃機関の停止中に電動ウォータポンプを駆動するとともに、電磁駆動型のサーモバルブを操作してラジエータに冷却水を通過させるものがある(特許文献1)。その他本発明に関連する先行技術文献として特許文献2〜4が存在する。
特開2005−344646号公報 特開2005−90236号公報 特開2006−214279号公報 特開2005−36729号公報
特許文献1の制御装置は、電磁駆動型のサーモバルブを用いているため、そのサーモバルブと電動ウォータポンプとをそれぞれ操作することにより冷却水の循環の状態を適宜制御できる。しかし、内燃機関の停止中はバッテリへの充電が期待できないため内燃機関の停止中の消費電力をできる限り少なくすべきであるが、電磁駆動型のサーモバルブを用いた場合はその動作に必要な電力消費が嵩む。また、電磁駆動型のサーモバルブは一般に高価なためコストアップを招く。
そこで、本発明は内燃機関の停止中に電力消費を抑えつつ効果的に冷却を行うことができる内燃機関の制御装置を提供することを目的とする。
本発明の内燃機関の制御装置は、内燃機関の冷却水路に冷却水を循環させる電動ウォータポンプと、前記冷却水路に設けられたラジエータと、前記冷却水路を開閉するバルブ部と冷却水の温度に応答して前記バルブ部を開弁させる感温部とが組み合わされた状態で前記冷却水路内に配置され、前記バルブ部の開弁により前記冷却水路を開いて前記ラジエータへ冷却水を通過させるサーモバルブと、前記内燃機関の停止中に冷却水が前記冷却水路を循環するように前記電動ウォータポンプを駆動する冷却制御手段と、を備え、前記冷却制御手段は、前記内燃機関の停止中において冷却水が前記サーモバルブの前記弁体が開弁する温度に満たない間、前記電動ウォータポンプの駆動を禁止することにより、上述した課題を解決する(請求項1)。
この制御装置によれば、冷却水の温度に応答してバルブ部を開弁させるサーモバルブを用いているので、冷却水路の開閉に電力が不要であり消費電力の増加を抑えることができる。また、このサーモバルブとして、入手が容易な周知のサーモバルブを利用できるのでコストアップを抑制できる。また、サーモバルブが開弁していないときには冷却効果が期待できないので電動ウォータポンプの駆動が禁止されるため、消費電力を抑えた効果的な冷却を実現できる。
本発明の制御装置の一態様において、前記冷却制御手段は、前記内燃機関の停止中において冷却水の温度が高いほど前記冷却水路を循環する冷却水の流量が大きくなるように前記電動ウォータポンプを制御してもよい(請求項2)。冷却水の温度が高い場合はそれだけ内燃機関が持つ熱量が大きいことが予測される。この態様によれば、冷却水の温度に応じて冷却水の流量が増えるので内燃機関の停止後の温度上昇を効果的に抑制できる。
本発明の制御装置の一態様において、前記冷却制御手段は、前記内燃機関の停止時からの経過時間に応じて前記冷却水路を循環する冷却水の流量が変化するように前記電動ウォータポンプを制御してもよい(請求項3)。内燃機関が停止してからの温度は定常的に変化するものではなく、停止時からの時間経過に応じてその変化の具合が変わる。この態様によれば時間的な温度変化に合わせて冷却水の流量を変化させることができるので、効率的な冷却が実現できる。この態様において、前記冷却制御手段は、前記経過時間が長くなるほど前記冷却水路を循環する冷却水の流量が減少するように前記電動ウォータポンプを制御してもよい(請求項4)。内燃機関の停止後の初期は内燃機関が持つ熱量と冷却水の熱量との差が大きく熱交換効果が高い。その反面、経過時間が長くなるにつれ熱交換効果が低下する。従って、熱交換効果が高いときには冷却水の流量を大きく、熱交換効果が低いときには冷却水の流量を小さくすることが、消費電力を抑制する観点から効率的である。この態様によれば、そのような熱交換効果の変化に冷却水の流量の変化が合致するので効率的な冷却が実現できる。
本発明の制御装置の一態様において、前記電動ウォータポンプの動力源として設けられたバッテリと、前記ラジエータに送風する電動ファンとを更に備え、前記冷却制御手段は、前記内燃機関の停止中において前記バッテリの充電状態を考慮して前記電動ウォータポンプ及び前記電動ファンの少なくとも一方を制御してもよい(請求項5)。この態様によれば、バッテリの充電状態を考慮して電動ウォータポンプ及び電動ファンの少なくとも一方が制御されるので、例えばバッテリの残量不足を回避することができる。
本発明の制御装置の一態様において、前記内燃機関の気筒内の温度が模擬された変数の値を記憶する記憶手段と、前記内燃機関が運転中から停止へ切り替わった時の冷却水の温度が高いほど大きな値となるように前記変数の値を増加させ、その後前記電動ウォータポンプの駆動状態を考慮して前記変数の値を減少させ、かつ増減後の前記変数の値を前記記憶手段へ記憶させる変数管理手段と、を更に備え、前記冷却制御手段は、前記変数の値が大きいほど前記冷却水路を循環する冷却水の流量が大きくなるように前記電動ウォータポンプを制御してもよい(請求項6)。冷却水の温度と内燃機関の気筒内の温度との間にはズレがある。この態様によれば、気筒内の温度が模擬された変数の値に基づいて電動ウォータポンプが制御されるので、例えば冷却水の温度に応じて電動ウォータポンプを制御する場合よりも正確かつ的確な冷却が可能となる。これにより、過冷却が防止されて消費電力も抑えることができる。
本発明の制御装置の一態様において、前記内燃機関は複数の気筒を備えた4ストローク1サイクルの火花点火型内燃機関として構成されており、前記内燃機関の停止中における前記電動ウォータポンプの駆動状態に基づいて前記複数の気筒への冷却が十分か否かを判定する冷却判定手段と、前記冷却判定手段の判定結果に基づいて前記内燃機関の再始動時に火花点火を開始する気筒を前記複数の気筒のなかから特定する点火開始気筒特定手段と、前記点火開始気筒特定手段が特定した気筒から火花点火が開始されるように火花点火を制御する点火制御手段と、を更に備えてもよい(請求項7)。この態様によれば、気筒への冷却が十分であるか否かによって再始動が開始される気筒が特定されるので、気筒への冷却が不十分なまま再始動することを原因とした始動性の悪化を回避できる。
この態様においては、前記点火開始気筒特定手段は、前記冷却判定手段が前記複数の気筒への冷却が十分であると判定した場合、前記内燃機関の停止中に吸気行程又は圧縮行程にある気筒を、前記内燃機関の再始動時に火花点火を開始する気筒として特定してもよい(請求項8)。この場合には、内燃機関の再始動時に膨張行程にある気筒から火花点火を開始する場合よりも早期に再始動することができる。
特に、前記内燃機関は車両の走行用動力源として搭載されており、前記車両が停止状態であることを含む所定の停止条件が成立した場合に前記内燃機関を停止させ、かつ停止状態の前記車両を発進させるドライバーの意思が反映された所定の操作に応じて前記内燃機関を再始動させる停止始動制御手段を更に備える場合(請求項9)には、吸気行程又は圧縮行程にある気筒から火花点火を開始することが効果的である。即ち、早期の再始動が実現されることにより、停止状態の車両を発進させるドライバーの意思と内燃機関の再始動の開始時期とのズレが少なくなる。つまり、ドライバーによる発進意思が反映された所定操作後に速やかに再始動できるため、ドライバーが始動遅れを感じることを防止できる。
気筒への冷却が十分か否かは種々の方法で判断することができる。例えば、前記冷却判定手段は、前記内燃機関の停止後に前記電動ウォータポンプが駆動された駆動時間に基づいて前記複数の気筒への冷却が十分か否かを判定してもよい(請求項10)。電動ウォータポンプの駆動時間は長いほど、内燃機関の停止中に多くの冷却水が循環したことになる。従って、その駆動時間に基づいて気筒に対する冷却状態を見積もることができる。
また、前記電動ウォータポンプの動力源として設けられたバッテリを更に備え、前記冷却判定手段は、前記内燃機関の停止中における前記バッテリの充電量の減少量に基づいて前記複数の気筒への冷却が十分か否かを判定してもよい(請求項11)。この場合は、電動ウォータポンプの駆動状態の変化に左右されずに気筒への冷却状態を正確に把握することができる。つまり、電動ウォータポンプが一定の吐出量で駆動される場合はもとより、その吐出量が時間的に変化する場合でも冷却状態を正確に把握することができる。
また、前記内燃機関の気筒内の温度が模擬された変数の値を記憶する記憶手段と、前記内燃機関が運転中から停止へ切り替わった時の冷却水の温度が高いほど大きな値となるように前記変数の値を増加させ、その後前記電動ウォータポンプの駆動状態を考慮して前記変数の値を減少させ、かつ増減後の前記変数の値を前記記憶手段へ記憶させる変数管理手段と、を更に備え、前記冷却判定手段は、前記変数の値に基づいて前記複数の気筒への冷却が十分か否かを判定してもよい(請求項12)。この場合は、気筒内の温度が模擬された変数の値に基づいて気筒への冷却が十分か否かが判定されるため、冷却状態の把握が更に正確なものとなる。
以上説明したように、本発明によれば、冷却水の温度に応答してバルブ部を開弁させるサーモバルブを用いているので、冷却水路の開閉に電力が不要であり消費電力の増加を抑えることができる。また、このサーモバルブとして、入手が容易な周知のサーモバルブを利用できるのでコストアップを抑制できる。また、サーモバルブが開弁していないときには冷却効果が期待できないので電動ウォータポンプの駆動が禁止されるため、消費電力を抑えた効果的な冷却を実現できる。
(第1の形態)
図1は本発明の制御装置が適用された内燃機関の一形態を模式的に示した全体構成図である。内燃機関1は不図示の車両に走行用動力源として搭載される4ストローク1サイクルの火花点火型内燃機関として構成されている。また内燃機関1は4つの気筒2が一方向に並べられた直列4気筒型の内燃機関である。各気筒2には不図示のピストンが往復動自在に設けられ、各気筒2のピストンの位相はクランク角にして180℃Aずつずらされている。そのため4つの気筒2のうちいずれか一つの気筒2は必ず吸気行程にあり、他のいずれか一つの気筒2は必ず膨張行程にある。内燃機関1は、気筒2毎に設けられたインジェクタ3による燃料噴射により各気筒2内に混合気を導入し、その混合気に気筒2毎に設けられた点火プラグ4の火花により点火する。点火プラグ4による火花の発生及びその時期は、バッテリ5の電圧がイグナイタ6にて昇圧されて適時に供給されることにより実施される。各気筒2の点火順序は、気筒2の並び方向の一端から他端に向かって#1〜#4の気筒番号を付して各気筒2を区別すると、#1、#3、#4、#2の順序に設定されている。
内燃機関1にはその冷却又は暖機を行うための冷却装置10が設けられる。冷却装置10は冷却水を導く冷却水路12と、冷却水路12に冷却水を循環させるための電動ウォータポンプ13とを有している。電動ウォータポンプ13はバッテリ5を電源とし、内燃機関1の運転状態に拘わらず動作できるように構成されている。つまり内燃機関1が停止している場合でも電動ウォータポンプ13を駆動できる。
冷却水路12は内燃機関1の機関本体1a及びラジエータ14が経路内に配置された環状の循環通路15を有している。その循環通路15は電動ウォータポンプ13から吐き出された冷却水を機関本体1aの各部を冷却する内部通路15aと、機関本体1aから排出された冷却水をラジエータ14の入口14aに導くリターン通路15bと、ラジエータ14の出口14bから排出された冷却水をサーモバルブとしてのサーモスタット16を介して電動ウォータポンプ13に導くラジエータ出口通路15cと、内部通路15aの出口側から分岐してラジエータ14を迂回するバイパス通路15dとを含んでいる。
また、冷却水路12は内部通路15aの出口側から分岐するバルブ冷却通路16を有しており、そのバルブ冷却通路16は吸気量を調整するスロットルバルブ7及び吸気系への排気還流量を調整するEGRバルブ8をそれぞれ冷却する。内部通路15aの出口側には冷却水の温度(水温)に応じた信号を出力する水温センサ31が設けられている。バイパス通路15dには暖房用のヒータコア18及びEGRガスを冷却するEGRクーラ9がそれぞれ設けられる。ラジエータ14の背面には2機の電動ファン19が設けられて、これらの電動ファン19が適宜操作されることによりラジエータ14に送風され、ラジエータ14内を流れる冷却水の冷却が促進される。また、ラジエータ14にはその内圧を調整するリザーブタンク20が設けられる。
図2はサーモスタット16の詳細を示している。図2に示すように、サーモスタット16は周知のワックスペレット型のサーモスタットとして構成される。サーモスタット16は、ラジエータ出口通路15cを開閉するバルブ部16aと、水温に応答してバルブ部16aを開弁させる感温部16bとを有しており、バルブ部16aと感温部16bとは組み合わされた状態でラジエータ出口通路15c内に配置される。水温が所定の設定温度未満の場合、バルブ部16aはスプリング16cの弾性力によって実線で示す閉弁位置に保持されている。それにより、ラジエータ出口通路15cは閉鎖され、冷却水のラジエータ14への通過が制限される。一方、水温が設定温度以上の場合、感温部16bが内蔵するワックス(不図示)の体積が膨張することにより、スプリング16cの弾性力に打ち勝って感温部16bの全長が延びる。これにより、感温部16bに固定されたバルブ部16aは破線で示すように開弁される。バルブ16aが開弁されることでラジエータ出口通路15cが開通し、冷却水が矢印で示すように出口通路15c内を流れる。それにより、冷却水のラジエータ14への通過が許可される。このサーモスタット16により、循環通路15は冷却水がラジエータ14を迂回して循環する経路とラジエータ14を通過して循環する経路との間で水温に応じて経路が切り替えられる。
図1に示すように、内燃機関1にはその運転状態を適正に制御するためのエンジンコントロールユニット(ECU)30が設けられる。ECU30はマイクロプロセッサ及びその動作に必要なROM、RAM等の周辺装置を備えたコンピュータとして構成される。ECU30には、上述した水温センサ31の出力信号の他、内燃機関1のクランク角に応じた信号を出力するクランク角センサ32の出力信号も入力される。更にこれらのセンサ以外にも、アクセルペダルの操作量を検出するアクセルペダルセンサ、内燃機関1を搭載する車両の車速を検出する車速センサ、ブレーキペダルの操作を検出するブレーキペダルセンサ等の各種センサからの出力信号も入力されるが図示を省略する。
ECU30はROMに記録されたプログラムに従って内燃機関1の運転状態を制御するために必要な各種の処理を実行する。一例として、ECU30は吸入空気量や空燃比を各種センサの出力信号から検出して、所定の空燃比が得られるようにインジェクタ3の燃料噴射量を制御する。また、ECU30はイグナイタ6を含む点火回路の操作により点火プラグ4から適正な時期に火花が発生するように点火時期を制御する。更に、ECU30は運転中の内燃機関1の機関温度が適正に保持されるように電動ウォータポンプ13及び電動ファン19をそれぞれ制御する。
また、ECU30は、車両が停止状態になる等の各種要件を含む所定の停止条件が成立した場合に内燃機関1を停止させ、かつ停止状態の車両を発進させるドライバーの意思が反映された所定の操作に応じて内燃機関1を再始動させる、いわゆるアイドルストップ制御を内燃機関1に対して実行する。これによって、ECU30は本発明に係る停止始動制御手段として機能する。内燃機関1を停止させるための停止条件や再始動させるための再始動条件はアイドルストップ制御に関する公知技術と同様に設定してもよい。ドライバーの意思が反映された所定の操作としては、例えばアクセルペダルが踏まれることやブレーキペダルが離されること等が設定される。これらの操作は上述したアクセルペダルセンサやブレーキペダルセンサの出力信号に基づいて検出できる。また、停止条件に関しては、車両が停止しかつ機関回転数(回転速度)がアイドル回転数になることをもって停止条件の成立を判断することができる。これら停止条件及び再始動条件の成立を判断するために、水温(機関温度)やバッテリの充電状態等の種々の要素も加味されてよいが、これらは公知技術であるので詳しい説明は省略する。
本形態は、アイドルストップ制御により内燃機関1が停止してから再始動するまでの電動ウォータポンプ13及び電動ファン19の制御に特徴がある。以下、図3及び図4を参照しながらその特徴点を中心に説明する。
図3及び図4はECU30が実行する冷却制御の制御ルーチンの一例を示すフローチャートである。これらの図に示す制御ルーチンのプログラムはECU30のROMに記録されており、適時に読み出されて所定間隔で繰り返し実行される。ECU30は、まずステップS1において、上述したアイドルストップ制御によって内燃機関1が停止中であるか否かを判定する。内燃機関1が停止中の場合はステップS2に進み、そうでない場合は以後の処理をスキップして今回のルーチンを終了する。ステップS2では水温センサ31からの信号を参照して水温Twを取得する。
続くステップS3では、今回のルーチンによる演算がアイドルストップ制御による内燃機関1の停止後の初回に該当するか否かを判定し、初回に該当する場合はステップ4に進んでバッテリ5の充電状態としての充電量SOCを算出する。初回に該当しない場合はステップS4をスキップしてステップS5に進む。ステップS5では充電量SOCが電動ウォータポンプ(以下、EWPと略称する場合がある。)13の駆動を許容できる値として設定されたEWP駆動許可値以上か否かを判定する。EWP駆動許可値は電動ウォータポンプ13を駆動してもバッテリ5の残量が不足するおそれがない値に設定される。充電量SOCがEWP駆動許可値未満の場合はバッテリ5の残量が不足するおそれがあるので、ステップS10に進んで電動ウォータポンプ13を停止、つまりその駆動を禁止する。一方、充電量SOCがEWP駆動許可値以上の場合はステップS6に進み、冷却水の温度(水温)Twがサーモスタット16のバルブ部16aが開弁する温度として設けられる開判定値以上か否かを判定する。この開判定値はサーモスタット16の設定温度と等しい値か又はそれよりも高い値に設定される。
水温Twが開判定値に満たない場合はサーモスタット16のバルブ部16aが閉弁位置にあるため、冷却水のラジエータ14への通過が制限されている。従って、その場合は十分な冷却効果が期待できないので、ステップS10に進み電動ウォータポンプ13の駆動を禁止し、以後の処理をスキップして今回のルーチンを終了する。
一方、水温Twが開判定値以上の場合はサーモスタット16のバルブ部16aが開弁されているので、ステップS7に進んで電動ウォータポンプ13を駆動するための駆動デューティー比を算出する。駆動デューティー比は水温Twが高いほど大きな値、つまり単位時間当たりのONの割合が大きくなるように算出される。その算出は水温Twを変数として駆動デューティー比を与えるマップをECU30のROMに記憶させておき、そのマップをECU30が参照することにより実現できる。
次に、ステップS8において、ECU30はステップS7で算出した駆動デューティー比にて電動ウォータポンプ13を駆動する。これにより、水温Twが高いほど電動ウォータポンプ13の吐出量が増えるため冷却水路12を循環する冷却水の流量が大きくなる。続くステップS9では電動ウォータポンプ13の駆動に伴うバッテリ消費量C1を算出する。その消費量C1は、駆動デューティー比が大きいほど大きくなるように算出される。その算出は、駆動デューティー比を変数として消費量C1を与えるマップをECU30のROMに記憶させておき、そのマップを参照することにより実現できる。
次に、ステップS11において、充電量SOCが電動ファン(以下FANと略称する場合がある。)19の駆動を許容できる値として設定されたFAN駆動許可値以上か否かを判定する。FAN駆動許可値は電動ファン19を駆動してもバッテリ5の残量が不足するおそれがない値に設定される。なお、FAN駆動許可値と上述したEWP駆動許可値との大小関係は、電動ファン19及び電動ウォータポンプ13のそれぞれの仕様に応じて定められるが、本形態ではFAN駆動許可値≧EWP駆動許可値となるように大小関係が設定されている。充電量SOCがFAN駆動許可値未満の場合は電動ファン19の駆動によってバッテリ5の残量が不足するおそれがあるため、ステップS15に進んで電動ファン19を停止する。
一方、充電量SOCがFAN駆動許可値以上の場合は、ステップS12に進んで水温TwがFAN駆動判定値以上か否かを判定する。FAN駆動判定値は電動ファン19の駆動による冷却効果とその駆動による消費電力とを比較考量して、消費電力に見合った冷却効果が得られるように定められる。例えば、冷却水の循環のみで十分な冷却効果を得られる冷却水の温度範囲の上限がFAN駆動判定値として設定される。従って、水温TwがFAN駆動判定値未満の場合は、電動ファン19の駆動が無駄になるおそれがあるので、ステップS15に進んで電動ファン19を停止させる。電動ファン19を停止させた場合はバッテリ5の電力を消費しないので、続くステップS16において、電動ファン19の駆動に伴うバッテリ消費量C2の算出に当たり、消費量C2に0が代入される。一方、水温TwがFAN駆動判定値以上の場合は電動ファン19の駆動によって冷却効果が促進するので、ステップS13において電動ファン19が駆動される。続くステップS14では電動ファン19の駆動に伴うバッテリ消費量C2を算出する。この場合は、消費量C2に所定値が代入される。
ステップS17では、電動ウォータポンプ13及び電動ファン19のそれぞれの駆動に伴うバッテリ消費量の総量(総消費量)Cを算出する。即ち、消費量C1と消費量C2とを合算したものを総消費量Cとする。次に、ステップS18において、バッテリ充電量SOCを更新して今回のルーチンを終了する。つまり、今回のルーチンで使用した充電量SOCからステップS18で算出した総消費量Cを減算したものを、次回のルーチンで使用する充電量SOCとする。
第1の形態によれば、水温Twに応答してバルブ部16aを開弁させるサーモスタット16を用いているので、冷却水路12(ラジエータ出口通路15c)の開閉に電力が不要であり消費電力の増加を抑えることができる。サーモスタット16は入手が容易な周知のものであるのでコストアップを抑制できる。また、サーモスタット16が開弁していないときには冷却効果が期待できないので電動ウォータポンプ13の駆動が禁止される。このため、消費電力を抑えた効果的な冷却を実現できる。また、バッテリ5の充電量に基づいて電動ウォータポンプ13及び電動ファン19のそれぞれの駆動の許否が決定されるため、これらの駆動に伴うバッテリ5の残量不足を回避できる。第1の形態において、ECU30は図3及び図4の制御ルーチンを実行することにより本発明に係る冷却制御手段として機能する。
(第2の形態)
次に本発明の第2の形態を図5〜図7を参照しながら説明する。本形態は冷却制御の内容を除いて第1の形態と同一構成を有している。本形態の物理的構成については図1及び図2がそれぞれ参照される。図5及び図6は本形態に係る冷却制御の制御ルーチンの一例を示したフローチャートである。これらの図において、図3及び図4と共通の処理については同一の符号を付して説明を省略する。本形態はアイドルストップ制御による内燃機関1の停止時からの経過時間に応じて駆動デューティー比を変化させることをその特徴としている。即ち、図5及び図6に示すように、ステップS21ではステップS7で算出した駆動デューティー比に停止時からの経過時間に応じて設定される補正係数を乗じることで駆動デューティー比を補正し、その補正後の駆動デューティー比にて電動ウォータポンプ13を駆動する(ステップS8)。
図7は図5及び図6のステップS21の処理内容を説明する説明図である。図7に示すように、駆動デューティー比に乗じる補正係数Kはアイドルストップ制御による内燃機関1の停止時からの経過時間が長くなるほど小さくなるように設定される。このため、駆動デューティー比は内燃機関1の停止初期ほど大きくなり、冷却水路12を循環する冷却水の流量は停止時からの経過時間が長くなるほど減少する。このように、内燃機関1の停止時からの経過時間に応じて冷却水の流量を変化させるのは、内燃機関1の停止後の初期ほど機関本体1aの熱量と冷却水の熱量の差が大きく熱交換効果つまり冷却効果が高いためである。冷却効果に合わせて駆動デューティー比が変わるので、冷却効果が高いときには冷却水の流量を大きく、冷却効果が低いときには冷却水の流量を小さくできる。これにより、電力消費の無駄を抑えた効率的な冷却を実現できる。
第2の形態においては、水温Twに応じて算出した駆動デューティー比を停止時からの経過時間に応じて補正しているが、内燃機関1の停止時からの経過時間のみを考慮して駆動デューティー比を算出することも可能である。また、上記とは対照的に、内燃機関1の停止時からの経過時間が長くなるほど、冷却水路を循環する冷却水の流量が増加するように電動ウォータポンプ13を制御することもできる。第2の形態において、ECU30は図5及び図6の制御ルーチンを実行することにより本発明に係る冷却制御手段として機能する。
(第3の形態)
次に本発明の第3の形態を図8及び図9を参照しながら説明する。本形態は冷却制御の内容を除いて第1の形態と同一構成を有している。本形態の物理的構成については図1及び図2がそれぞれ参照される。図8及び図9は本形態に係る冷却制御の制御ルーチンの一例を示したフローチャートである。これらの図において、図3及び図4と共通の処理については同一の符号を付して説明を省略する。本形態は内燃機関1の気筒内の温度が模擬された制御カウンタを利用して冷却制御を行う点に特徴がある。
図8及び図9に示すように、ステップS31〜ステップS39の処理が図3及び図4に対して追加ないし変更されている。ステップS31では変数としての制御カウンタNを初期化する。この例ではカウンタNに0を代入する。次に、ステップS32で制御カウンタNの加算項Niを算出する。加算項Niは内燃機関1が運転中から停止へ切り替わった時の水温Twが高いほど大きくなるように算出される。その時の水温Twが高いほど機関本体1aが持つ熱量が大きく気筒2内の温度はすぐに高温になるためである。このような水温Twと気筒2内の温度との相関関係は実験的に特定できる。そのため、加算項Niの算出はその時の水温Twを変数として加算項Niを与えるマップをECU30のROMに記憶させておき、そのマップをECU30が参照することにより実現できる。次に、ステップS33では内燃機関1の停止後の制御カウンタNの初期値を算出する。ここでは、ステップS32で算出した加算項Niが制御カウンタNに代入される。これにより、制御カウンタNは内燃機関1が運転中から停止へ切り替わった時の冷却水の温度Twが高いほど大きな値となるようにその値が増加することとなる。
この形態では、制御カウンタNの値に応じて電動ウォータポンプ13が制御される。即ち、ステップS34では制御カウンタNの値が大きいほど駆動デューティー比を大きく設定し、続くステップS8においてその駆動デューティー比にて電動ウォータポンプ13が駆動される。これにより、制御カウンタNの値が大きいほど冷却水路12を循環する冷却水の流量が大きくなる。ステップS35では、ステップS34で算出した駆動デューティー比に基づいて制御カウンタNの減算項Nd1を算出する。駆動デューティー比が大きいほど電動ウォータポンプ13の吐出量が大きくなって冷却効果が高まるため、ここでは駆動デューティー比が大きいほどその減算項Nd1の値が大きくなるように算出される。この減算項Nd1の算出は、駆動デューティー比を変数として減算項Nd1を与えるマップをECU30のROMに記憶させておき、そのマップをECU30が参照することにより実現できる。
ステップS36では、制御カウンタNの値に基づいて電動ファン19の駆動の可否を判定する。即ち、制御カウンタNの値がFAN駆動判定値以上か否かを判定し、制御カウンタNの値がFAN駆動判定値以上の場合にはステップS13で電動ファン19を駆動し、制御カウンタNの値がFAN駆動判定値未満の場合はステップS15で電動ファン19を停止する。ステップS37及びステップS38では、このような電動ファン19の駆動状態に応じて制御カウンタNの減算項Nd2がそれぞれ算出される。即ち、ステップS37では電動ファン19が駆動された場合はそれに応じた減算項Nd2が算出される。ここでは減算項Nd2に所定値が代入される。電動ファン19が停止された場合は電動ファン19による冷却効果がないため、ステップS38では減算項Nd2に0が代入される。
ステップS39では電動ウォータポンプ13及び電動ファン19の駆動状態を考慮して制御カウンタNを更新する。即ち、今回のルーチンで使用した制御カウンタNの値から上述の処理で算出した減算項Nd1、Nd2をそれぞれ減算し、減算後のものを次回のルーチンで使用する制御カウンタNの値とする。更新後の制御カウンタNの値はECU30のRAMに適宜記憶される。これにより、ECU30は本発明に係る記憶手段として機能する。
第3の形態によれば、内燃機関1の気筒2内の温度が模擬された制御カウンタNを利用して冷却制御が行われる。水温Twと気筒2内の温度との間にはズレがあるため、水温Twに応じて冷却制御を行う場合よりも正確かつ的確な冷却が可能となる。これにより、過冷却が防止されてバッテリ5の負担も抑えることができる。第3の形態において、ECU30は図8及び図9の制御ルーチンを実行することにより本発明に係る冷却制御手段として、図8及び図9のステップS31〜ステップS33、ステップS35及びステップS37〜ステップS39を実行することにより本発明に係る変数管理手段として、それぞれ機能する。
(第4の形態)
次に本発明の第4の形態を図10〜図13を参照して説明する。この形態は上述した第1〜第3の形態に係る冷却制御のいずれかと好適に組み合わされ、アイドルストップ制御によって内燃機関1が停止した後に実行される再始動制御にその特徴がある。図10は本形態に係る再始動制御の制御ルーチンの一例を示すフローチャートである。このルーチンのプログラムはECU30のROMに記録されており、適時に読み出されて所定間隔で繰り返し実行される。ECU30は、まずステップS41でアイドルストップ制御によって内燃機関1が停止中であるか否かを判定する。内燃機関1が停止中の場合はステップS42に進み、そうでない場合は以後の処理をスキップして今回のルーチンを終了する。
ステップS42では、再始動の際に膨張行程よりも前の行程(吸気行程又は圧縮行程)にある気筒2から燃料噴射及び火花点火を開始できるか否か、即ち、このような行程にある気筒2から再始動を開始する早期始動の可否を判定する。早期始動の可否は図10と並行して実行される第1〜第3の形態のいずれかの冷却制御の進行状況、換言すれば電動ウォータポンプ13の駆動状態に基づいて内燃機関1の気筒2への冷却が十分か否かという観点から行われる。気筒2への冷却が不十分でありながら上記の早期始動を行うと、燃料噴射後の圧縮行程において気筒2内の温度が上がりすぎて火花点火前に自着火する危険があるためである。逆に、気筒2への冷却が十分であれば自着火を起こすことなく早期始動ができるので、ドライバーによる発進意思が反映された所定操作後に速やかに再始動できドライバーが始動遅れを感じることを防止できる。ステップS42の具体的処理の詳細は後述する。
ステップS43では、ステップS42の処理の結果、早期始動が可能か否かを判定し、早期始動が可能であればステップS44に進んで早期始動フラグをONにセットし、早期始動が不可能であればステップS45に進んで早期始動フラグをOFFにセットする。早期始動フラグはECU30のRAMの所定領域に割り当てられている。続くステップS46では、再始動要求の有無を判定する。再始動要求は上述したドライバーによる発進意思が反映された所定の操作が行われて再始動条件が成立した場合を意味する。再始動要求がない場合は、以後の処理をスキップして今回のルーチンを終了する。一方、再始動要求がある場合は、ステップS47に進んで早期始動フラグを参照し、早期始動フラグがONであればステップS48に進み、早期始動フラグがOFFであればステップS50に進む。
ステップS48では、早期始動の準備として、#1〜#4の4つの気筒2のなかから吸気行程にある気筒(吸気行程気筒)を特定する。その吸気行程気筒の特定は周知のようにクランク角センサ32の出力信号を参照することにより実施される。続くステップS49では、ECU30は特定された吸気行程気筒から燃料噴射及び火花点火が開始されるようにインジェクタ3及びイグナイタ6をそれぞれ制御する。その後、今回のルーチンを終了する。一方、ステップS50では、早期始動が不可能であるので、通常の再始動を行うため#1〜#4の4つの気筒2のなかから膨張行程にある気筒(膨張行程気筒)を特定する。その特定は吸気行程気筒の場合と同様に行われる。次に、ステップS51において、ECU30は膨張行程気筒から燃料噴射及び火花点火が開始されるようにインジェクタ3及びイグナイタ6をそれぞれ制御する。その後、今回のルーチンを終了する。
次に、上述した早期始動判定の詳細を説明する。この処理には複数のバリエーションがあり、これらのうちのいずれかを採用して図10の再始動制御を実行できる。まず、そのバリエーションの第1の例を説明する。図11は第1の例に係る早期始動可否判定のルーチンを示している。ECU30は、まずステップS51で電動ウォータポンプ13の駆動時間Tdを算出する。駆動時間Tdは内燃機関1の停止後の電動ウォータポンプ13の駆動時間の積算値である。即ち、駆動時間Tdは電動ウォータポンプ13の駆動状態に相当し、駆動時間Tdを検討することによって冷却制御の進行状態を把握することが可能になる。そのため、続くステップS52では、駆動時間Tdが、気筒2への十分な冷却が行われたと判断できる閾値として設けられた早期始動許可値以上か否かを判定する。駆動時間Tdが早期始動許可値以上の場合はステップS53で早期始動可能であると判断し、駆動時間Tdが早期始動許可値未満の場合はステップS54で早期始動不可能であると判断する。つまり、ステップS53におけるECU30による早期始動可能であるとの判断は気筒2への冷却が十分であるとの判断に相当する。
次に、図12を参照して第2の例を説明する。図12は第2の例に係る早期始動判定のルーチンを示している。ECU30は、まずステップS61で、内燃機関1の停止後からのバッテリ5の充電量SOCの減少量ΔSOCを算出する。その減少量ΔSOCは、図3及び図4等に示した総消費量Cの積算値に相当する。減少量ΔSOCが大きい場合はそれだけ電動ウォータポンプ13や電動ファン19が駆動されたことになるので、その減少量ΔSOCを検討することにより冷却制御の進行状態を把握することが可能になる。そのため、続くステップS62では、減少量ΔSOCが気筒2への十分な冷却が行われたと判断できる閾値として設けられた早期始動許可値以上か否かを判断し、減少量ΔSOCが早期始動許可値以上の場合はステップS63で早期始動可能であると判断し、減少量ΔSOCが早期始動許可値未満の場合はステップS64で早期始動不可能であると判断する。つまり、ステップS63におけるECU30による早期始動可能であるとの判断は気筒2への冷却が十分であるとの判断に相当する。第2の例は電動ウォータポンプ13の駆動状態の変化、つまり駆動デューティー比の変化に左右されずに冷却制御の進行状態を正確に把握することができる。
次に、図13を参照して第3の例を説明する。この例は、早期始動の可否を判定するに当たり、第3の形態と同様に気筒2内の温度が模擬された制御カウンタを利用する。まず、ステップS71で内燃機関1の停止後の初回演算に該当する場合は、ステップS72に進み、初回演算に該当しない場合はステップS72〜ステップS74をスキップしてステップS75に進む。ステップS72では変数としての制御カウンタRを初期化する。この例ではカウンタRに0を代入する。次に、ステップS73では、制御カウンタRの加算項Riを算出する。加算項Riは内燃機関1が運転中から停止へ切り替わった時の水温Twが高いほど大きくなるように算出される。次に、ステップS74では内燃機関1の停止後の制御カウンタRの初期値を算出する。ここでは、ステップS72で算出した加算項Riが制御カウンタRに代入される。これにより、制御カウンタRは内燃機関1が運転中から停止へ切り替わった時の冷却水の温度Twが高いほど大きな値となるようにその値が増加することとなる。ステップS72〜ステップS74の処理は、第3の形態に係る制御カウンタNに関する処理と同様である。
ステップS75では電動ウォータポンプ13の駆動中か否かを判定し、駆動中であるときはステップS76に進んで、制御カウンタRの減算項Rd1を算出する。この減算項Rd1は電動ウォータポンプ13の駆動デューティー比が大きいほど大きな値となるように算出される。電動ウォータポンプ13の駆動中でない場合はステップS77に進んで、制御カウンタRの減算項Rd1に0を代入してステップS78に進む。
ステップS78では電動ファン19の駆動中か否かを判定し、駆動中であるときはステップS76に進んで、制御カウンタRの減算項Rd2を算出する。ここでは所定値が減算項Rd2に代入される。電動ファン19の駆動中でないときはステップS80に進んで減算項Rd2に0が代入されてステップS81に進む。ステップS81では制御カウンタRを更新する。即ち、前回のルーチンの判定で使用した制御カウンタRの値から減算項Rd1、Rd2のそれぞれの値を減算したものを、今回のルーチンの判定で使用する制御カウンタRとする。更新後の制御カウンタRの値はECU30のRAMに適宜記憶される。これにより、ECU30は本発明に係る記憶手段として機能する。
次に、ステップS82において、制御カウンタRの値が気筒2への十分な冷却が行われたと判断できる閾値として設けられた早期始動許可値以上か否かを判定し、制御カウンタRの値が早期始動許可値以上の場合はステップS83で早期始動可能であると判断し、制御カウンタRの値が早期始動許可値未満の場合はステップS84で早期始動不可能であると判断する。つまり、ステップS83におけるECU30による早期始動可能であるとの判断は気筒2への冷却が十分であるとの判断に相当する。第3の例は気筒2内の温度が模擬された制御カウンタRにより早期始動の可否を判断しているため冷却制御の進行状態の把握が更に正確なものとなる。なお、第3の例の場合、第3の形態(図8及び図9)と組み合わせて図10の再始動制御を実施する際には制御カウンタNを制御カウンタRとして利用することができる。その場合は、制御カウンタNの制御が図8及び図9のルーチンで別途行われるので、制御カウンタRを制御する処理(図13のステップS71〜ステップS81)が不要になる利点がある。
第4の形態によれば、図10の制御が実行されることで、気筒2への冷却が十分な場合に早期始動が行われるのでドライバーが始動遅れを感じることを可能な限り防止することができる。第4の形態において、ECU30は図10のステップS42の処理、即ち図11〜図13のいずれかのルーチンを実行することにより、本発明に係る冷却判定手段として、図10のステップS48又はステップS50の処理を実行することにより本発明に係る点火開始気筒特定手段として、図10のステップS49又はステップS51の処理を実行することにより本発明に係る点火制御手段として、それぞれ機能する。
本発明は上記の各形態に限定されず、本発明の要旨の範囲内で種々の形態にて実施できる。以上の各形態では、アイドルストップ制御が実行されることを前提としているが、本発明の適用対象はアイドルストップ制御を実行することを必ずしも前提としない。内燃機関の通常の停止(例えばイグニッションスイッチをオフにすることによる停止)からの再始動においても本発明を適用することができる。また、特に、内燃機関のエンジンストール等の予期しない停止に関しては、停止後から再始動までの間に気筒内の温度上昇が抑えられるので、再始動が速やかになる利点がある。
また、以上の各形態では、バッテリの充電状態としてバッテリの充電量を算出しているが、これをバッテリの電圧に置き換えることもできる。バッテリの充電量とバッテリの電圧との間には、バッテリの充電量が減少するとその減少に伴って電圧が降下する相関関係があるためである。
第3の形態又は第4の形態では、変数としての制御カウンタを用いているが、この制御カウンタを増減させる方法は、これらの形態で説明した加減算に限定されるものではない。例えば、電動ウォータポンプや電動ファンの駆動状態に応じて変化する係数を制御カウンタに乗じることにより制御カウンタを増減させてもよい。
第4の形態では、早期始動の形態として吸気行程気筒から点火を開始するものを例示したが、早期始動の他の形態としては圧縮行程気筒から点火を開始するものでもよい。圧縮行程気筒から点火を開始するためには、吸気行程気筒から点火を開始する場合よりも許可条件を厳格にする必要がある。即ち、吸気行程気筒から点火を開始する場合の早期始動許可値をAとし、圧縮行程気筒から点火を開始する場合の早期始動許可値をBとした場合、これらの許可値の間にはA<Bの関係が成立する。但し、圧縮行程気筒から点火を開始するためには点火前にその気筒内に混合気が供給されていなければならない。従って、直噴型の内燃機関に本発明を適用する場合を除き、早期始動を試みる圧縮行程気筒のピストン位置が下死点付近、言い換えればその圧縮行程気筒の吸気弁が開弁している状態であることを上記の許可条件に加える必要がある。
本発明の制御装置が適用された内燃機関の一形態を模式的に示した全体構成図。 図1のサーモスタットの詳細を示した図。 第1の形態に係る冷却制御の制御ルーチンの一例を示すフローチャート。 図3の続きを示すフローチャート。 第2の形態に係る冷却制御の制御ルーチンの一例を示すフローチャート。 図5の続きを示すフローチャート。 図5及び図6のステップS21の処理内容を説明する説明図。 第3の形態に係る冷却制御の制御ルーチンの一例を示すフローチャート。 図8の続きを示すフローチャート。 第4の形態に係る再始動制御の制御ルーチンの一例を示すフローチャート。 図10の早期始動可否判定の第1の例を示したフローチャート。 図10の早期始動可否判定の第2の例を示したフローチャート。 図10の早期始動可否判定の第3の例を示したフローチャート。
符号の説明
1 内燃機関
5 バッテリ
12 冷却水路
13 電動ウォータポンプ
14 ラジエータ
16 サーモスタット(サーモバルブ)
16a バルブ部
16b 感温部
19 電動ファン
30 ECU(冷却制御手段、記憶手段、変数管理手段、停止始動制御手段、冷却判定手段、点火開始気筒特定手段、点火制御手段)

Claims (12)

  1. 内燃機関の冷却水路に冷却水を循環させる電動ウォータポンプと、前記冷却水路に設けられたラジエータと、前記冷却水路を開閉するバルブ部と冷却水の温度に応答して前記バルブ部を開弁させる感温部とが組み合わされた状態で前記冷却水路内に配置され、前記バルブ部の開弁により前記冷却水路を開いて前記ラジエータへ冷却水を通過させるサーモバルブと、前記内燃機関の停止中に冷却水が前記冷却水路を循環するように前記電動ウォータポンプを駆動する冷却制御手段と、を備え、
    前記冷却制御手段は、前記内燃機関の停止中において冷却水が前記サーモバルブの前記弁体が開弁する温度に満たない間、前記電動ウォータポンプの駆動を禁止することを特徴とする内燃機関の制御装置。
  2. 前記冷却制御手段は、前記内燃機関の停止中において冷却水の温度が高いほど前記冷却水路を循環する冷却水の流量が大きくなるように前記電動ウォータポンプを制御することを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の制御装置。
  3. 前記冷却制御手段は、前記内燃機関の停止時からの経過時間に応じて前記冷却水路を循環する冷却水の流量が変化するように前記電動ウォータポンプを制御することを特徴とする請求項1又は2に記載の内燃機関の制御装置。
  4. 前記冷却制御手段は、前記経過時間が長くなるほど前記冷却水路を循環する冷却水の流量が減少するように前記電動ウォータポンプを制御することを特徴とする請求項3に記載の内燃機関の制御装置。
  5. 前記電動ウォータポンプの動力源として設けられたバッテリと、前記ラジエータに送風する電動ファンとを更に備え、
    前記冷却制御手段は、前記内燃機関の停止中において前記バッテリの充電状態を考慮して前記電動ウォータポンプ及び前記電動ファンの少なくとも一方を制御することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の内燃機関の制御装置。
  6. 前記内燃機関の気筒内の温度が模擬された変数の値を記憶する記憶手段と、前記内燃機関が運転中から停止へ切り替わった時の冷却水の温度が高いほど大きな値となるように前記変数の値を増加させ、その後前記電動ウォータポンプの駆動状態を考慮して前記変数の値を減少させ、かつ増減後の前記変数の値を前記記憶手段へ記憶させる変数管理手段と、を更に備え、
    前記冷却制御手段は、前記変数の値が大きいほど前記冷却水路を循環する冷却水の流量が大きくなるように前記電動ウォータポンプを制御することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の内燃機関の制御装置。
  7. 前記内燃機関は複数の気筒を備えた4ストローク1サイクルの火花点火型内燃機関として構成されており、
    前記内燃機関の停止中における前記電動ウォータポンプの駆動状態に基づいて前記複数の気筒への冷却が十分か否かを判定する冷却判定手段と、前記冷却判定手段の判定結果に基づいて前記内燃機関の再始動時に火花点火を開始する気筒を前記複数の気筒のなかから特定する点火開始気筒特定手段と、前記点火開始気筒特定手段が特定した気筒から火花点火が開始されるように火花点火を制御する点火制御手段と、を更に備えることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の内燃機関の制御装置。
  8. 前記点火開始気筒特定手段は、前記冷却判定手段が前記複数の気筒への冷却が十分であると判定した場合、前記内燃機関の停止中に吸気行程又は圧縮行程にある気筒を、前記内燃機関の再始動時に火花点火を開始する気筒として特定することを特徴とする請求項7に記載の内燃機関の制御装置。
  9. 前記内燃機関は車両の走行用動力源として搭載されており、
    前記車両が停止状態であることを含む所定の停止条件が成立した場合に前記内燃機関を停止させ、かつ停止状態の前記車両を発進させるドライバーの意思が反映された所定の操作に応じて前記内燃機関を再始動させる停止始動制御手段を更に備えることを特徴とする請求項8に記載の内燃機関の制御装置。
  10. 前記冷却判定手段は、前記内燃機関の停止後に前記電動ウォータポンプが駆動された駆動時間に基づいて前記複数の気筒への冷却が十分か否かを判定することを特徴とする請求項7〜9のいずれか一項に記載の内燃機関の制御装置。
  11. 前記電動ウォータポンプの動力源として設けられたバッテリを更に備え、
    前記冷却判定手段は、前記内燃機関の停止中における前記バッテリの充電量の減少量に基づいて前記複数の気筒への冷却が十分か否かを判定することを特徴とする請求項7〜9のいずれか一項に記載の内燃機関の制御装置。
  12. 前記内燃機関の気筒内の温度が模擬された変数の値を記憶する記憶手段と、前記内燃機関が運転中から停止へ切り替わった時の冷却水の温度が高いほど大きな値となるように前記変数の値を増加させ、その後前記電動ウォータポンプの駆動状態を考慮して前記変数の値を減少させ、かつ増減後の前記変数の値を前記記憶手段へ記憶させる変数管理手段と、を更に備え、
    前記冷却判定手段は、前記変数の値に基づいて前記複数の気筒への冷却が十分か否かを判定することを特徴とする請求項7〜9のいずれか一項に記載の内燃機関の制御装置。
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