JP2008215173A - 車両の制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】内燃機関におけるノックの発生を回避する。
【解決手段】車両10において、ECU100はノック抑制処理を実行する。当該処理において、ECU100は、ノックセンサ226のセンサ出力に基づいてエンジン200にノックが発生しているか否かを判別する。ノックが発生している場合、ECU100は、点火装置202の制御を介して点火時期を遅角しノックを抑制する。一方、ECU100は、ノックが発生している場合、点火時期の遅角と並行して冷却装置300の冷却水流量Qを目標流量Qaに対し流量増加量ΔQだけ増加せしめ、更に冷却水流量Qを増加させている過程で遅角された点火時期を進角する。点火時期を進角してもノックが発生しない場合、ECU100は、流量を増加させることによりノックの発生を回避できるものとして、流量増加量ΔQに基づいて目標流量Qaを更新し記憶することにより学習する。
【選択図】図4
【解決手段】車両10において、ECU100はノック抑制処理を実行する。当該処理において、ECU100は、ノックセンサ226のセンサ出力に基づいてエンジン200にノックが発生しているか否かを判別する。ノックが発生している場合、ECU100は、点火装置202の制御を介して点火時期を遅角しノックを抑制する。一方、ECU100は、ノックが発生している場合、点火時期の遅角と並行して冷却装置300の冷却水流量Qを目標流量Qaに対し流量増加量ΔQだけ増加せしめ、更に冷却水流量Qを増加させている過程で遅角された点火時期を進角する。点火時期を進角してもノックが発生しない場合、ECU100は、流量を増加させることによりノックの発生を回避できるものとして、流量増加量ΔQに基づいて目標流量Qaを更新し記憶することにより学習する。
【選択図】図4
Description
本発明は、冷却水により内燃機関を冷却可能な冷却装置を備えた車両を制御する車両の制御装置の技術分野に関する。
この種の装置として、点火時期と冷却水の流速とを制御するものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に開示された内燃機関の制御装置(以下、「第1の従来技術」と称する)によれば、ノックの発生時に点火時期を遅角し、冷却水の流速を増加させることにより、確実で安全な内燃機関の早期暖機が可能であるとされている。
また、点火時期の遅角量に応じて目標水温を補正する内燃機関の冷却制御装置(以下、「第2の従来技術」と称する)も提案されている(例えば、特許文献2参照)。
尚、ノック強度に基づき、点火時期遅角量及び目標水温を補正する技術も提案されている(例えば、特許文献3参照)。
第1の従来技術では、ノックが発生した場合に、その都度点火時期の遅角と冷却水の流速増加とを行う必要があるため、ノックを抑制することは可能であってもノックの発生を回避することが難しい。
一方、第2の従来の技術では、目標水温が補正されるため、ノックの発生が、その効果の大小は別として場合によっては回避され得るが、冷却水の水温は、例えば当該水温を検出するための水温センサ等の設置位置に応じて変化し易い上、変動も激しい。また、冷却水温は通常内燃機関からの熱供給により上昇し、例えばラジエータ等を介した放熱により低下し得るが、このような定性的な温度制御を超えて正確な水温制御を行うことには実践上の困難が伴い易い。従って結局、第2の従来技術においても、ノックの発生は十分に回避され難い。即ち、第1及び第2の従来技術には、ノックの発生を回避することが少なくとも実践的にみて困難であるという技術的な問題点がある。
本発明は、上述した問題点に鑑みてなされたものであり、内燃機関におけるノックの発生を回避し得る車両の制御装置を提供することを課題とする。
上述した課題を解決するため、本発明に係る車両の制御装置は、混合気に対し点火を行う点火手段を備えた内燃機関、及び該内燃機関を含む被冷却系に対し冷却水を循環供給することにより該被冷却系を冷却可能な冷却装置を備えた車両を制御する車両の制御装置であって、前記循環供給される冷却水の流量が目標流量となるように前記冷却装置を制御する第1の冷却制御手段と、前記内燃機関においてノックが発生した場合に、前記ノックを抑制すべく前記点火に係る点火時期が遅角されるように前記点火手段を制御する第1の点火制御手段と、前記ノックが発生した場合に、前記流量が前記目標流量に対し増加するように前記冷却装置を制御する第2の冷却制御手段と、前記流量が前記目標流量に対し増加している状態において前記点火時期が進角されるように前記点火手段を制御する第2の点火制御手段と、前記点火時期が進角された状態において前記ノックが発生しない場合に、前記流量の増加量に基づいて前記目標流量を学習する学習手段とを具備することを特徴とする。
本発明の車両に備わる「内燃機関」とは、例えば複数の気筒を有し、当該複数の気筒の各々における燃焼室において、例えばガソリン或いは各種アルコール等の燃料と吸入空気との混合体である混合気が燃焼した際に発生する爆発力たる動力を、例えばピストン及びコネクティングロッド等の機械的な伝達経路を経て、例えばクランク軸等の出力軸を介して動力として出力可能な機関を包括する概念であり、例えば2サイクル或いは4サイクルレシプロエンジン等を指す。また特に、本発明における内燃機関には、例えば火花点火装置等の点火手段が備わり、例えば上述した混合気に対し点火を行うことが可能に構成される。
この内燃機関を含む被冷却系は、冷却装置によって冷却される。ここで、「被冷却系」とは、内燃機関を少なくとも含む限りにおいて、例えば動作時に発熱を伴う、或いは外部からの熱輻射に晒される、内燃機関とは異なる部位、機構又は装置(物理的、機械的又は電気的な構成要素の一部が内燃機関と共用されていてもよい趣旨である)を適宜含み得る概念である。
本発明において「冷却装置」とは、このような被冷却系に対し例えばLLC(Long Life Coolant)等の冷却水を、例えば機械式ポンプ又は電動式ポンプ等の吐出手段による例えば物理的、機械的、機構的、電気的又は化学的な作用等により、より具体的には例えばモータ等によって回転駆動されるポンプインペラの回転によって作動流体たる冷却水を吐出すること等により、循環供給することによって当該被冷却系を冷却することが可能な手段を包括する概念である。このような概念により規定される冷却装置では、例えば金属製又は樹脂製の冷却水配管やシリンダ周囲に張り巡らされたウォータジャケット等の物理形態を採り得る循環経路に冷却水が吐出されること等によって、冷却水が循環供給される。この際、主として被冷却系と冷却水との間でなされる熱交換により被冷却系が冷却される。
本発明に係る車両の制御装置によれば、その動作時には、例えばECU(Electronic Control Unit:電子制御ユニット)等の各種処理ユニット、各種コントローラ或いはマイコン装置等各種コンピュータシステム等の形態を採り得る目第1の冷却制御手段の作用により、循環供給される冷却水の流量(以下、適宜「冷却水流量」と称する)が、例えば機関回転数や負荷等内燃機関における所定の運転条件に応じて設定され得る目標流量となるように冷却装置が制御される。
ここで、目標流量とは、冷却水流量の目標値であり、例えば予め実験的に、経験的に、理論的に或いはシミュレーション等に基づいて、例えば冷却水を必要にして十分な量だけ循環供給し得るように、言い換えれば、被冷却系を十分に冷却し得ると共に、冷却水を循環供給するのに要する物理的、機械的又は電気的なエネルギ資源を可及的に効率良く使用し得るように決定され、然るべき記憶手段に割付マップとして記憶され、例えばその時点の内燃機関の運転条件に対応する値が選択されること等により設定される。或いは、例えば予め実験的に、経験的に、理論的に或いはシミュレーション等に基づいて、例えば冷却水を必要にして十分な量だけ循環供給し得るように、言い換えれば、被冷却系を十分に冷却し得ると共に、冷却水を循環供給するのに要する物理的、機械的又は電気的なエネルギ資源を可及的に効率良く使用し得るように決定されたアルゴリズム、算出式又は論理式等に従ってなされる数値演算や論理演算等に基づいてその都度設定される。
ここで、冷却水流量を目標流量とするための制御態様は、例えば冷却装置の物理的、機械的、機構的又は電気的な構成等に応じて各種の態様を採り得、例えば冷却装置において冷却水流量と一対一、一対多、多対一又は多対多に対応し得る制御量、例えば冷却装置がモータ等を駆動力源として備える電動ポンプ等を備える場合には、例えば、モータ回転数やポンプインペラの回転数(ここで述べる回転数とは、回転速度等、時間概念と対応付けられた回転数も含んでなる概念である)、或いは当該モータ等を駆動するための電流、電圧又は電力のデューティ比等を、目標流量に対応する値に制御することによってなされてもよい。このように、本発明における車両の制御装置において、冷却水流量自体は必ずしもモニタされている必要はなく、冷却水流は、例えば予め実験的に、経験的に、理論的に又はシミュレーション等に基づいて、少なくとも実践上不具合を顕在化させない程度の精度を保ちつつ冷却水流量を代替的に表し得るものとして設定された制御量の制御を介して間接的に制御されてもよい。
一方、本発明に係る車両の制御装置によれば、例えばECU等の各種処理ユニット、各種コントローラ或いはマイコン装置等各種コンピュータシステム等の形態を採り得る第1の点火制御手段が備わり、内燃機関においてノックが発生した場合に、ノックを抑制すべく混合気への点火に係る点火時期が遅角されるように上述した点火手段が制御される。この際、点火時期が遅角されることによって気筒における例えばヘッド壁温等を低下させることが可能となり、ノックが抑制される。
他方、本発明に係る車両の制御装置によれば、例えばECU等の各種処理ユニット、各種コントローラ或いはマイコン装置等各種コンピュータシステム等の形態を採り得る第2の冷却制御手段が備わり、第1の点火制御手段と同様、内燃機関においてノックが発生した場合に、冷却水流量が上述した目標流量に対し増加するように冷却装置が制御される。この際、冷却水流量が増加することによって、被冷却系の、例えば気筒の冷却効率が上昇し、点火時期の遅角と同様、ヘッド壁温の低下等によりノックが抑制される。
この際、目標流量に対する冷却水流量の増加量は、冷却水流量を目標流量に対し増加させることによってノックの抑制が幾らかなりとも図られ得ることに鑑みれば特に限定されないが、好適な一形態としては、例えば予め実験的に、経験的に、理論的に又はシミュレーション等に基づいて、例えば冷却水流量が増加目標まで増加した段階でノックを確実に抑制し得ると共に、冷却水流量を増加するために要する物理的、機械的又は電気的なエネルギ資源が可及的に効率良く使用され得るように決定されていてもよい。
ここで、このような点火時期の遅角と冷却水流量の増加とは、ノック抑制に関して時間的な応答性が相互に異なり易く、冷却水流量の増加によるノック抑制の効果が実践上顕在化するのに要する時間は、総じて点火時期の遅角による当該時間よりも長い。即ち、冷却水流量の増加は、ノック抑制に関しては相対的に遅効性となり易い。従って、ノックをその発生直後から、或いは可及的に迅速に抑制するためには、少なくとも一時的には点火時期を遅角するのが効果的である。一方で、点火時期の遅角は、内燃機関の燃焼エネルギを無駄に捨てているのに等しく、実践的にみれば、少なくとも燃費やドライバビリティといった性能の低下を招き易い。
そこで、本発明に係る車両の制御装置によれば、例えばECU等の各種処理ユニット、各種コントローラ或いはマイコン装置等各種コンピュータシステム等の形態を採り得る第2の点火制御手段が備わり、冷却水流量が目標流量に対し増加している状態において点火時期が進角されるように点火手段が制御される。この際、点火時期が進角されることにより点火時期の遅角によって生じ得る上述した性能の低下は幾らかなりとも解消され得るから、点火時期の進角量は特に限定されないが、好適な一態様としては、点火時期は遅角がなされる以前の点火時期まで進角される。尚、点火時期の応答速度は相対的に速いから、点火時期の設定如何では、例えば次気筒から点火時期の遅角量をゼロとする(即ち、遅角以前の点火時期まで進角する)ことも可能であるが、冷却水流量の変化速度が点火時期の変化速度に対し遅くなり易いことに鑑みれば、点火時期の進角量(即ち、遅角量の減少量)は、可及的に速やかにノックを抑制せしめる必要がある遅角時の遅角量と異なり、徐変されてもよい。
一方、このように点火時期を進角することにより、ノックは増加した冷却水流量により支配的に抑制されることになるが、冷却水流量が少なくともノックを抑制するのに十分であればノックは収束する。或いは、点火時期を遅角した時点で好適にはノックは一度収束しているはずであるから、少なくともこの時点でノックは再発しない。尚、点火時期の遅角、冷却水流量の増加及び点火時期の進角と続く一連の制御における、これら個々の制御の開始タイミング、変化速度及び終了タイミングは、少なくとも冷却水流量の増加量が冷却水流量の増加のみによってノックを抑制し得る程度に担保されている場合にこれら一連の制御の過程でノックが一時的にしろ発生しないように、より具体的には、例えば点火時期の進角速度が相対的にみて速くなり過ぎないように、相互に協調して決定されていてもよい。このように、本発明に係る車両の制御装置によれば、点火時期の遅角と冷却水流量の増加とが相互に協調的に実行されることによって、ノックを迅速且つ効率的に抑制せしめ得る。
ここで特に、発生したノックを抑制するといった概念の下では、折角このように冷却水流量の増加によってノックを抑制し得ても、基本的に冷却水流量は第1の冷却制御手段によって目標流量に制御されるため、未来的に同様の運転条件が訪れた場合には常に、或いは高い頻度で、ノックが発生することになる。即ち、ノックの発生自体を回避することは困難である。そこで、本発明に係る車両の制御装置には更に、例えばECU等の各種処理ユニット、各種コントローラ或いはマイコン装置等各種コンピュータシステム等の形態を採り得る学習手段が備わり、点火時期が進角された状態においてノックが発生しない場合に、冷却水流量の増加量に基づいて前述した目標流量が学習される。
ここで、本発明において「目標流量が学習される」とは、ノック抑制のために冷却水流量が増加せしめられて以降における内燃機関の動作期間において、ノックの発生が幾らかなりとも回避されるように目標流量を適宜に更新し記憶する処理を包括する概念である。学習手段によってなされる学習の態様は、上述した概念の範囲内において冷却水流量の増加量に基づいて行われる限りにおいて何ら限定されず、例えば、目標流量に対する増加量、即ち言わば目標流量の補正量を学習値として記憶しつつ、少なくとも第1の冷却制御手段による冷却水流量の制御に供される段階において目標流量が当該学習値に応じて補正され得るような態様を有していてもよいし、従前の目標流量に対し増加量を加算すること等によって、目標流量自体を学習値として適宜に更新し且つ記憶して、第1の冷却制御手段による制御に供する態様を有していてもよい。
このように、本発明に係る車両の制御装置によれば、学習の態様が如何なるものであっても、点火時期の遅角、冷却水流量の増加及び点火時期の進角を含む一連の制御において、ノックを抑制し得ることが少なくとも実践上明らかとなった冷却水の増加量に基づいて目標流量が学習されるため、それ以降の内燃機関の動作期間において、例えば同一の運転条件が訪れた場合等に、第1の冷却制御手段による冷却水流量の制御(即ち、目標流量への流量制御)によって、ノックの発生自体を回避することが可能となる。即ち、本発明に係る車両の制御装置によれば、ノックの発生を回避することが可能となるのである。尚、冷却水流量は、例えば制御性又は再現性が相対的にみて良好でない冷却水温等他の制御量と異なり、冷却水流量を直接制御するにしても、冷却装置における何らかの制御量を介して間接的に制御するにしても、少なくとも実践上不具合を顕在化させない程度の分解能を維持し易く、制御が容易であって、且つ再現性も良好であり、ノックの発生回避に関して明らかに有利である。
本発明に係る車両の制御装置の一の態様では、前記冷却装置は、前記冷却水を循環供給するための循環経路に前記冷却水を吐出することが可能なポンプを含み、前記第1の冷却制御手段は、前記流量が前記目標流量となるように前記ポンプを制御し、前記第2の冷却制御手段は、前記流量が前記目標流量に対し増加するように前記ポンプを制御する。
この態様によれば、冷却水を循環供給するための循環経路に冷却水を吐出することが可能な、例えば機械式ポンプ又は電動ポンプ等の各種ポンプが冷却装置に含まれ、第1及び第2の冷却制御手段は、上述した制御において、主としてこのポンプにおける、例えば冷却水吐出量を制御することによって(例えば、モータ回転数、ポンプインペラの回転数或いはモータ駆動デューティ等を制御すること等によって)冷却水流量を制御する。このようにポンプの制御により冷却水流量を制御することが可能である場合、冷却水流量を相対的にみて精細に且つ簡便に制御することが可能となり、好適である。尚、ポンプの物理的、機械的、機構的又は電気的な構成は、上述したようにノックの抑制及びノックの発生回避を少なくとも実践上不具合を生じさせることが無い程度に冷却水流量を可変に制御し得る限りにおいて何ら限定されない。
本発明に係る車両の制御装置の他の態様では、前記目標流量は、前記内燃機関における所定の運転条件に対応付けられており、前記第1の冷却制御手段は、前記流量が前記運転条件に対応する目標流量となるように前記冷却装置を制御し、前記学習手段は、前記運転条件に対応付けて前記目標流量を学習する。
この態様によれば、目標流量は、予め機関回転数、アクセル開度、負荷、負荷率或いは要求トルク等、内燃機関において目標流量と対応付けることにより幾らかなり各種性能の向上に寄与し得るものとして定められ得る各種の運転条件、好適にはこれら運転条件を表す指標値に、例えば連続的に、段階的に、又は二値的に対応付けられている。従って、第1の冷却制御手段は、その時点の当該運転条件(又は指標値)に応じた目標流量を、例えば然るべき記憶手段に記憶された割付マップから選択的に取得し、或いは例えば数値演算の結果として取得し、それら取得された目標流量が得られるように、冷却水流量を直接的に、或いは何らかの制御量の制御を介して間接的に制御する。また、必然的に学習手段もこの運転条件に対応付ける形で目標流量を学習する。
従って、この態様によれば、冷却水流量が可及的にみて最適化され、被冷却系の冷却と、上述した各種のエネルギ資源の効率的利用とが両立される。
本発明に係る車両の制御装置の他の態様では、前記学習手段は、前記流量が一の前記目標流量に制御される期間において、前記ノックが発生しない期間の長さに応じて前記学習された目標流量を減少させる。
この態様によれば、冷却水流量が一の目標流量に制御される期間、例えば上述した態様に従えば、内燃機関の運転条件が一の運転条件に該当する期間において、ノックが発生しない期間の長さに応じて学習された目標流量を減少させることができるため、冷却装置を駆動するための物理的、機械的、又は電気的なエネルギ資源を有効に使用し、高い経済効率を実現することが可能である。尚、この際、「学習された目標流量」とあるように、減少の対象は基本的には過去に学習された目標流量であり、このようの減少処理を経た場合の下限値は、好適には初期値としての目標流量、即ち何ら学習制御を経ない状態の目標流量である。
尚、「ノックが発生しない期間の長さ」とは、時間軸上で連続した期間の長さのみに限定されず、例えば時間軸上で不連続な、積算された期間の長さも含む概念である。また、目標流量を減少させる態様は、何ら限定されず、例えば初期値としての目標流量と現時点の目標流量との偏差或いは現時点の目標流量等に対し、予め設定された或いはその都度個別具体的に設定される補正係数に基づいた加算、減算、乗算又は除算等を行うこと等により目標流量が減じられてもよい。
本発明に係る車両の制御装置の他の態様では、前記ノックの度合いを特定する特定手段を更に具備し、前記第2の冷却制御手段は、前記特定された度合いに応じて前記流量が増加するように前記冷却装置を制御する。
この態様によれば、ノックの度合いに応じて、好適にはノックの度合いが大きい場合に大きくなるように、流量の増加量が連続的に、段階的に又は二値的に可変とされるため、冷却水流量を目標流量に対し効率良く増加させることが可能となる。ここで、「ノックの度合い」とは、ノックが大きいか小さいかといった定性的な概念を含み、好適な一形態として例えばノックによる振動の大きさを数値化してなる指標値等によって規定される定量的な度合いを含んでなる概念である。
尚、本発明における「特定」とは、例えば、何らかの検出手段を介して直接的に又は間接的に物理的数値又は物理的数値に対応する例えば電気信号等として検出すること、予め然るべき記憶手段等に記憶されたマップ等から該当する数値を選択する又はそのような選択を介して推定すること、それら検出された物理的数値若しくは電気信号又は選択若しくは推定された数値等から、予め設定されたアルゴリズムや計算式等に従って導出又は推定すること、或いはこのように検出、選択、推定又は導出された値等を単に電気信号等として取得すること等を包括する広い概念である。このような概念の範囲内において、特定手段は、例えばノックセンサ等の検出手段からノックに起因する振動の大きさを表す電気信号を取得し、或いは更に取得した電気信号に対応する数値を予め設定された演算処理に供すること等によって、当該ノックの度合いを特定してもよい。
本発明に係る車両の制御装置の他の態様では、前記内燃機関は複数の気筒を備え、前記第2の冷却制御手段は、前記複数の気筒の各々における前記ノックの発生状態に基づいて前記流量を増加させる。
この態様によれば、例えば複数の気筒の各々に対応付けて設置される又は例えば複数の気筒の一部に対応付けて設置される、例えばノックセンサ等のノック検出手段によるノックの検出結果、或いは、そのような検出結果に更に予め実験的に、経験的に、理論的に又はシミュレーション等に基づいて少なくとも複数の気筒のいずれにおいてノックが発生しているか否かを実践上不具合が顕在化しない程度の精度で断定し得るものとして定められてなるアルゴリズム、算出式又は論理式に従った数値演算又は論理演算等を施すこと等によって特定され得る、複数の気筒の各々におけるノックの発生状態に応じて冷却水流量が増加される。
冷却水の循環経路が複数の気筒を直列に繋ぐ場合等には、冷却水により冷却を受ける順序が後である程、冷却水の温度は上昇し易く、冷却効果が減少し易い。従って、複数の気筒のいずれにおいてノックが発生したかを含み得る、当該各々におけるノックの発生状態は、ノックの発生要因を冷却水流量の制御によって除去し得るか否かを判断する指標となり得る。即ち、この態様によれば、冷却水流量を増加させることによりノックを顕著に抑制及び回避することが、或いは幾らかなりとも抑制及び回避することが可能であると判断し得る場合に限って、或いはそのような場合に優先して、冷却水流量を増加させることが可能となり、効率的である。
尚、この態様では、前記第2の冷却制御手段は、前記各々のうち前記ノックが発生した気筒よりも前記冷却水を基準とした下流側に位置する気筒において前記ノックが発生しない場合に、前記流量が増加しないように前記冷却装置を制御してもよい。
ノックが発生した気筒があっても、冷却水を基準として規定される方向概念における下流側に位置する気筒においてノックが発生していなければ、即ち、ノックが発生した気筒よりも冷却水による冷却効率の悪い気筒においてノックが発生していなければ、冷却水流量を増加せしめた所で顕著な効果は期待し難い。このような場合を冷却水流量の増加条件から除外することにより、冷却装置を駆動するための物理的、機械的又は電気的なエネルギ資源を有効に利用することが可能となり、経済効率を一層担保することが可能となる。
本発明のこのような作用及び他の利得は次に説明する実施形態から明らかにされる。
<発明の実施形態>
以下、適宜図面を参照して本発明の好適な実施形態について説明する。
<第1実施形態>
<実施形態の構成>
始めに、図1を参照して、本発明の第1実施形態に係る車両10の構成について説明する。ここに、図1は、車両10の構成を概念的に表してなる概略構成図である。
以下、適宜図面を参照して本発明の好適な実施形態について説明する。
<第1実施形態>
<実施形態の構成>
始めに、図1を参照して、本発明の第1実施形態に係る車両10の構成について説明する。ここに、図1は、車両10の構成を概念的に表してなる概略構成図である。
図1において、車両10は、ECU100、エンジン200及び冷却装置300を備える。
ECU100は、図示せぬCPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)等を備え、車両10の動作全体を制御することが可能に構成された、本発明に係る「車両の制御装置」の一例である。ECU100は、ROMに格納された制御用のプログラムに従って、後述するノック抑制処理を実行することが可能に構成される。
エンジン200は、本発明に係る「内燃機関」の一例たるガソリンエンジンである。ここで、図2を参照し、エンジン200の詳細な構成について説明する。ここに、図2は、エンジン200の模式図である。尚、図2において、図1と重複する箇所には同一の符合を付してその説明を適宜省略することとする。
図2において、エンジン200は、気筒201内において燃焼室に点火プラグ(符号省略)の一部が露出してなる点火装置202(即ち、本発明に係る「点火手段」の一例)による点火動作を介して混合気を燃焼せしめると共に、係る燃焼による爆発力に応じて生じるピストン203の往復運動を、コネクティングロッド204を介してクランクシャフト205の回転運動に変換することが可能に構成されている。また、クランクシャフト205近傍には、クランクシャフト205の回転位置(即ち、クランク角)を検出するクランクポジションセンサ206が設置されている。クランクポジションセンサ206は、ECU100と電気的に接続されており、ECU100は、クランクポジションセンサ206によって検出されたクランク角に基づいて、点火装置202の点火時期等を制御することが可能に構成されている。また、ECU100は、クランクシャフト205の回転位置に基づいてエンジン200の機関回転数Neを算出することが可能に構成されている。尚、エンジン200では、紙面と垂直な方向に4本の気筒201が直列に配されてなる直列4気筒エンジンであるが、個々の気筒201の構成は相互に等しいため、図2においては一の気筒201についてのみ説明を行うこととする。
エンジン200において、外部から吸入された空気は吸気管207を通過し、吸気ポート213において、インジェクタ214から噴射された燃料と混合されて前述の混合気となる。燃料は、燃料タンク215に貯留されており、フィードポンプ217の作用により、デリバリパイプ216を介してインジェクタ214に圧送供給されている。インジェクタ214は、ECU100と電気的に接続されており、この供給される燃料を、ECU100の制御に従って吸気ポート213に噴射することが可能に構成されている。尚、燃料を噴射する噴射手段の形態は、図示するような所謂吸気ポートインジェクタの構成を採らずともよく、例えば、フィードポンプ或いは他の低圧ポンプにより圧送される燃料の圧力を更に高圧ポンプによって昇圧せしめ、高温高圧の気筒201内部へ燃料を直接噴射することが可能に構成された、所謂直噴インジェクタ等の形態を有していてもよい。
気筒201内部と吸気管207とは、吸気バルブ218の開閉によって連通状態が制御されている。気筒201内部で燃焼した混合気は排気となり吸気バルブ218の開閉に連動して開閉する排気バルブ219の開弁時に排気ポート220を介して排気管221に導かれる。
一方、吸気管207上には、クリーナ208が配設されており、外部から吸入される空気が浄化される構成となっている。また、クリーナ208の下流側(シリンダ側)には更に、エアフローメータ209が配設されている。エアフローメータ209は、ホットワイヤー式と称される形態を有しており、吸入された空気の質量流量を直接検出することが可能に構成されている。尚、エアフローメータ209は、ECU100と電気的に接続されており、検出された吸入空気の質量流量は、ECU100によって絶えず、或いは一定又は不定の周期で把握される構成となっている。
吸気管207におけるエアフローメータ209の下流側には、気筒201内部へ吸入される空気に係る吸入空気量を調節するスロットルバルブ210が配設されている。このスロットルバルブ210には、スロットルポジションセンサ212が電気的に接続されており、その開度たるスロットル開度を検出することが可能に構成されている。
スロットバルブモータ211は、ECU100と電気的に接続され、スロットルバルブ210を駆動することが可能に構成されたモータである。ECU100は、車両10に備わるアクセルポジションセンサ11(図1参照)によって検出される、不図示のアクセルペダルの操作量(以下、適宜「アクセル開度Acc」等と称する)に基づいて、スロットルバルブモータ211の駆動状態を制御することが可能に構成されており、これによりスロットルバルブ210の開閉状態(即ち、スロットル開度)が制御される構成となっている。尚、スロットルバルブ210は、上述したように一種の電子制御式スロットルバルブであり、スロットル開度は、ECU100により運転者の意思(即ち、アクセル開度)とは無関係に制御され得る。
排気管221には、三元触媒223及び床下触媒224が設置されている。三元触媒223は、エンジン200から排出されるCO(一酸化炭素)、HC(炭化水素)、及びNOx(窒素酸化物)を夫々浄化することが可能な触媒である。また床下触媒224は、車両10のフロア下に設置された三元触媒であり、三元触媒223によって除去しきれない例えばNOx等を顕著に除去し得るように構成されている。
排気管221における三元触媒223の上流側には、空燃比センサ222が配設されている。空燃比センサ222は、排気ポート220を介して排出される排気ガスから、エンジン200の空燃比を検出することが可能に構成されている。空燃比センサ222は、ECU100と電気的に接続されており、検出された空燃比は、ECU100によって絶えず、或いは一定又は不定の周期で把握される構成となっている。また、気筒201を収容するシリンダブロックに設置されたウォータジャケットには、主としてエンジン200を冷却するために循環供給される冷却水の温度(冷却水温)を検出するための水温センサ225が配設されている。水温センサ225は、ECU100と電気的に接続されており、検出された冷却水温は、ECU100によって絶えず、或いは一定又は不定の周期で把握される構成となっている。
また、気筒201を収容するシリンダブロックには、ノックセンサ226が設置されている。ノックセンサ226は、シリンダブロック表面の振動のレベルを検出することにより、エンジン200におけるノック強度を検出することが可能に構成された、共振式のノックセンサである。尚、シリンダブロック表面の振動レベルは、ノックの発生時にのみ高くなる訳ではなく、例えば吸排気バルブの着座振動等も相応に大きい振動要因となる。このような通常発生し得る振動をノックと誤検出しないように、ノックセンサ226には、ノック判定用のプロセッサが内蔵されており、各気筒の圧縮上死点付近でノック特有の振動を検出した場合にのみノックと判定することが可能に構成されている。従って、ノックセンサ226では、ノックの度合いを表すノック強度の検出に加え、4本の気筒201のいずれにおいてノックが発生したかについての判定も行うことが可能に構成されている。また、ノックセンサ226は、ECU100と電気的に接続されており、これら検出されたノック強度や、ノック発生気筒に関する情報は、ECU100に所定の周期で出力される構成となっている。尚、ノックセンサの構成としては、上述したプロセッサ等を備えておらずともよく、検出されたシリンダブロック表面の振動レベルに関する情報のみがECU100に提供されてもよい。ECU100は、各気筒における圧縮上死点をクランク角に基づいて正確に把握することが可能であり、この場合、ノックセンサ226によって提供される振動レベルの情報に基づいて、ECU100がノックの発生の有無、ノック強度及びいずれの気筒においてノックが発生しているかについての判断を行ってもよい。
図1に戻り、冷却装置300は、主として電動ウォータポンプ(以下、適宜「電動W/P」と称する)310、冷却水循環路320、サーモスタット330及びラジエータ350を備えた、本発明に係る「冷却装置」の一例である。
電動W/P310は、本発明に係る「ポンプ」の一例たる渦巻き式の電動ポンプである。電動W/P310は、不図示モータの回転力によって冷却水を吸引し、モータの回転数に応じた量の冷却水を吐出することが可能に構成されている。尚、本発明に係るポンプの態様は電動W/P310に限定されず、例えばクランクシャフト205と連結され、クランクシャフト205の回転駆動力の一部を利用して回転可能であると共に、当該回転に係る回転数を、例えば物理的な係合手段における係合力を二値的に、段階的に又は連続的に可変に制御することにより夫々二値的に、段階的に又は連続的に制御することが可能に構成された機械式のポンプ等であってもよい。
電動W/P310において、モータは、不図示の電力供給源(例えば、車載用12Vバッテリ、或いは他のバッテリ)等から電力の供給を受け、不図示のモータ駆動系を介して供給される制御電圧(又は電流)のデューティ比に応じて、その回転数が増減制御される構成となっている。また、このモータ駆動系は、ECU100と電気的に接続された状態にあり、ECU100によって上述したデューティ比を含む動作状態が制御される構成となっている。即ち、電動W/P310は、ECU100によってその動作状態が制御される構成となっている。
冷却水循環路320は、シリンダブロック周囲に張り巡らされた前述したウォータジャケットを含み、電動W/P310によって吐出される冷却水の供給経路を規定する、例えば金属製或いは樹脂製の配管部材である。また、冷却水循環路320は、サーモスタット330においてラジエータ350へと分岐する分岐管340と、ラジエータ350からサーモスタット330へ戻る分岐管360を含んで構成される。
サーモスタット330は、冷却水温を安定せしめるために設けられた、温度調節手段である。サーモスタット330の内部には、ラジエータ350に連通する前述した分岐管340及び360と冷却水循環路320の本管との間の連通状態を制御するための制御弁が設けられており、サーモスタット330は、係る制御弁の弁体の開閉状態を制御することにより、ラジエータ350に流入する冷却水の流量を調節することが可能に構成される。尚、サーモスタット330は、ECU100と電気的に接続されており、その動作はECU100により上位に制御される構成となっている。尚、係る制御弁は、例えば冷却水温が所定値未満である場合に全閉となるように、また冷却水温が当該所定値以上である場合には全開となるように制御される構成となっている。
尚、サーモスタット330により制御弁が閉じられた場合には、サーモスタット330における冷却水の流れは図示破線のようになる。一方で、サーモスタット330により制御弁が開弁された場合には、サーモスタット330における冷却水の流れは図示実線の如くになる。
ラジエータ350は、分岐管340及び360と連通してなる複数のウォータパイプが配列してなると共に、当該ウォータパイプの外周に多数の波板状のフィンを備え、当該ウォータパイプ内を冷却水が流れる際に、当該フィンを介した大気との熱交換により、即ち冷却水の熱を外界に放熱することによって、冷却水を相対的に冷却することが可能に構成されている。
<実施形態の動作>
<冷却水流量の基本制御>
冷却装置300における冷却水流量Qは、ECU100が電動W/P310の冷却水吐出量を可変とすることにより制御される。この際、ECU100は、基本的に冷却水流量Qが目標流量Qaとなるように、電動W/P310を制御する。この目標流量Qaは、ECU100において例えばRAM等に更新可能に記憶されてなる流量マップMPQに設定されている。ここで、図3を参照し、流量マップMPQについて説明する。ここに、図3は、流量マップMPQの構成を概念的に表してなる概略構成図である。
<冷却水流量の基本制御>
冷却装置300における冷却水流量Qは、ECU100が電動W/P310の冷却水吐出量を可変とすることにより制御される。この際、ECU100は、基本的に冷却水流量Qが目標流量Qaとなるように、電動W/P310を制御する。この目標流量Qaは、ECU100において例えばRAM等に更新可能に記憶されてなる流量マップMPQに設定されている。ここで、図3を参照し、流量マップMPQについて説明する。ここに、図3は、流量マップMPQの構成を概念的に表してなる概略構成図である。
図3において、流量マップMPQは、縦軸及び横軸に夫々アクセル開度Acc(即ち、「負荷」の一例)及び機関回転数NEを配してなる座標系上にマトリクス状に目標流量Qaが配されることにより形成される。図3では、目標流量Qaとして、Qa1,Qa2(Qa2>Qa1),・・・,QaN(QaN>Qa(N−1)),・・・,Qa13(Qa13>Qa12)までの目標流量が設定されている。これら各目標流量の大小関係から明らかなように、当該マップにおいて相互に等しい目標流量を結んでなる等流量線(図示破線参照)は、図3における左下方から右上方にかけて相互に等間隔に配列する。即ち、図3に示すマップにおける右上方部分(即ち、高回転高負荷に相当する運転領域)において、目標流量Qaは最も高い値となる。ECU100は、その時点におけるエンジン200のアクセル開度Accと機関回転数NEとに応じて定まる一の目標流量Qaを、目標流量として設定する。例えば、現時点のエンジン200の機関回転数NEが図示NE1とNE2(NE2>NE1)との間にあり、また現時点のアクセル開度Accが図示Acc1とAcc2(Acc2>Acc1)との間にある場合、目標流量Qaは図示Qa7(網掛け部分参照)に設定される。
一方、ECU100は更に、冷却水流量Qと上述したモータを駆動するためのデューティ比とを対応付けてなるマップを所有しており、流量マップMPQに基づいて設定された目標流量Qaに対応するデューティ比を選択して、モータ駆動系等の駆動制御を介して電動W/P310を駆動させる。この結果、冷却装置300における冷却水流量Qは、目標流量Qaに制御される。
<ノック抑制処理の詳細>
ECU100は、ノック抑制処理を実行することによって、エンジン200におけるノックを抑制することが可能に構成される。ここで、図4を参照し、ノック抑制処理の詳細について説明する。ここに、図4は、ノック抑制処理のフローチャートである。
ECU100は、ノック抑制処理を実行することによって、エンジン200におけるノックを抑制することが可能に構成される。ここで、図4を参照し、ノック抑制処理の詳細について説明する。ここに、図4は、ノック抑制処理のフローチャートである。
図4において、ECU100は、ノックセンサ226からの入力される電気信号に基づいてノックが発生したか否かを判別する(ステップS101)。ノックが発生していない場合(ステップS101:NO)、ECU100は、ステップS101に係る処理を繰り返し実行して処理を実質的に待機させる。一方で、ノックが発生した場合(ステップS101:YES)、ECU100は、点火装置202の点火時期を遅角する(ステップS102)。
本実施形態において、点火時期は、予めROMに記憶された点火時期マップに、エンジン200の運転条件(例えば、機関回転数及び負荷)に対応付ける形で設定されてなるベース点火時期に制御されている。ECU100は、ノックの発生が検出されて以降、最初に爆発工程を迎える気筒の点火時期を、このベース点火時期から、例えば予め実験的に、経験的に、理論的に又はシミュレーション等に基づいてノックを確実に抑制し得るように定められてなる遅角量DLだけ遅角させてなるノック抑制用の点火時期まで一気に遅角する。その結果、好適にはノックが抑制される。
一方、点火時期を遅角させると、ECU100は、冷却装置300における冷却水流量Qを、上述した目標流量Qaに対し流量増加量ΔQだけ増加させる(ステップS103)。ここで、流量増加量ΔQの値は、予め実験的に、経験的に、理論的に又はシミュレーション等に基づいて、ノック抑制の効果に明確な差が現れるように、且つ冷却装置を駆動するためのエネルギ資源(本実施形態では、即ちバッテリ等の電力資源等)を可及的に効率良く使用し得るように決定された固定又は可変な値であり、ROMに予め記憶されている。ECU100は、この目標流量Qaにこの流量増加量ΔQを加えてなる一時的な目標流量に対応するデューティ比をマップから選択し、冷却水流量Qがこの一時的な目標流量となるように電動W/P310の駆動状態を変化させる。
冷却水流量Qを増加させると、ECU100は、遅角中の点火時期を進角させる(ステップS104)。本実施形態では、ECU100は、点火時期をベース点火時期まで徐変する。尚、徐変に係る変化速度は、特に限定されないが、冷却水流量Qを目標流量QaからΔQだけ増加させるべく制御上の変更がなされても、実際に冷却水流量Qが変化するまでには時間的な応答遅延があるため、点火時期の進角速度は、望ましくはノックの再発を招かないように、冷却水流量Qの変化速度に協調して決定される。
ここで、点火時期をベース点火時期まで進角させた後、ECU100は、再びノックの発生の有無を判別する(ステップS105)。ここで、ノックが発生していれば(ステップS105:NO)、ECU100は、処理をステップS102に戻し、点火時期の遅角から始まる一連の処理を繰り返す。一方で、ノックが発生しなければ(ステップS105:YES)、ECU100は、目標流量Qaを、従前の目標流量に対し流量増加量ΔQを加算してなる値に更新することによって目標流量Qaを学習する(ステップS106)。即ち、ECU100は、図3に示した流量マップMPQにおける、現時点で採用されている目標流量Qa(例えば、前述したQa7)を、Qa+ΔQ(例えば、Qa7+ΔQ)に更新する。目標流量Qaの学習が終了すると、処理はステップS101に戻され、一連の処理が繰り返される。
尚、学習の態様はこれに限定されず、例えばECU100が学習用のマップを別途保持していてもよい。この場合、学習用のマップは、流量マップMPQと同様のマトリクスを有し、或いは流量マップMPQよりも精細なマトリクスを有し、マトリクスを構成する個々のブロックのうち、現時点で目標流量Qaの設定に供されているエンジン200の運転条件に対応するブロックに、学習値として流量増加量ΔQの値を書き込んでもよい。この場合、目標流量Qaの設定時には、流量マップMPQとこの学習用のマップとが参照され、学習値が設定されていれば適宜目標流量Qaに学習値ΔQを加算して、最終的に目標流量Qaが設定されてもよい。いずれにしても、目標流量Qaは、この流量増加量ΔQに基づいて学習される。尚、目標流量Qaの更新は、必ずしも従前の目標流量Qaに対し流量増加量ΔQを加算することによってのみなされずともよく、目標流量Qaは、流量増加量ΔQに基づいた各種数値演算の結果として、流量増加量ΔQを単に加算するよりも大きい値に更新されてもよいし小さい値に更新されてもよい。
尚、このような点火時期進角後のノックの判別は、必ずしも点火時期が遅角以前の点火時期(ここでは、ベース点火時期)まで進角された(即ち、遅角量がゼロとなった)時点でなされずともよく、点火時期が進角される過程でなされてもよい。このような進角中においてノックが発生した場合には、速やかに点火時期が遅角せしめられてもよい。また、進角中においてノックが発生しない場合には目標とする進角量まで進角がなされるまで適宜当該判別を繰り返し、目標流量Qaの学習は、進角が完了した時点でなされるのが好適である。
次に、図5を参照し、このようなノック抑制処理を視覚的に説明する。ここに、図5は、ノック抑制処理の実行過程におけるノックと相関する要素の時間変化を概念的に表すチャートである。
図5において、縦軸の系列は上段から順に、ノックセンサ226の出力たるノックセンサ出力、点火時期遅角量DL、冷却水流量Q、シリンダヘッドの壁温たるヘッド壁温Thead及び目標流量Qaが表されており、横軸には共通で時間が採られている。
時刻T0において、ノックセンサ出力が、ノックが発生していない旨を表すNKLからノックが発生している旨を表すNKH1に変化したとする。このノックセンサ出力を受けて、時刻T0において(実際は無論相応の時間遅延を経て)点火時期が遅角量DL1に従って迅速に遅角される。また、点火時期の遅角と並行し、冷却水流量Qは、目標流量Qa(ここではQa7とする)に対する増加が図られる。但し、図示破線として例示する設定値(即ち、電動W/P310への指示値)に対し、図示実線として例示される実応答(即ち、冷却水流量Q)の応答は遅延する。
一方、ヘッド壁温Theadは、点火時期の遅角により時刻T0におけるThead1から徐々に低下する。この結果、ノックは、点火時期が実際に遅角されてより相応の時間経過を経た時刻T1において収束する。ノックが収束したと判断され得る時間が経過すると、或いはノックセンサ出力に基づいてノックの収束が明らかとなると、ECU100は点火時期の進角を開始する。この際、冷却水流量Qは、徐々に増加している過程であり、点火時期の進角は、この冷却水流量Qの変化と協調する形で徐変される。本実施形態では、冷却水流量Qは実際にモニタリングされている訳ではないから、点火時期の進角は、予め冷却水流量Qの応答を予測する形で行われる。或いは冷却水流量Qの応答を予測して設定された変化特性に従って行われる。尚、冷却水流量Qが実際にモニタリングされている場合には、冷却水流量Qの実応答を反映する形で、点火時期の進角がなされてもよい。
ヘッド壁温Theadは、このような冷却水流量Qの増加に伴い、点火時期が進角されても低下を継続し、冷却水流量Qが増加後の目標値であるQa7+ΔQ1に到達した時刻T2において、Thead0(Thead0<Thead1)に収束して維持される。また時刻T2においては、点火時期の進角も終了し、点火時期遅角量DLはゼロに戻される。従って、この時点で目標流量Qaの学習条件が満たされ、ECU100は、目標流量Qaを学習する。即ち、時刻T2において、目標流量がQa7からQa7+ΔQ1に更新される。
以上説明したように、本実施形態に係るノック抑制処理によれば、ノックの発生時には点火時期の遅角により迅速且つ効果的にノックの抑制が図られ、またノック抑制効果が顕在化し得る程度に冷却水流量が増加すると、速やかに点火時期が進角され、ノックの抑制を冷却水流量の増加によって継続しつつ点火時期遅角の継続によるエネルギロスの抑制が図られる。この際、増加せしめられた冷却水流量、即ち、ノックを抑制し得る冷却水流量が、新たに冷却水の目標流量として学習されるため、次回、同一の運転条件(本実施形態では、流量マップMPQに準じた運転条件の範囲が同一となる状況)が訪れた際には、予め冷却水流量が、このノックを抑制し得る目標流量Qaに従って既に増加されている形となり、例えばヘッド壁温の上昇が抑制されること等によって、ノックそのものが回避される。即ち、本実施形態によれば、ノックの抑制のみならず、ノックを回避することが可能となるのである。
尚、本実施形態におけるノック抑制処理では、目標流量Qaはノックの発生時に増加側に学習されるだけであり、場合によっては、冷却水流量が無用に大きく設定された状態が継続する可能性がある。そのような事態に対処するため、ECU100は、内燃機関の一の運転条件においてノックが発生しない期間の長さが所定値以上となった場合に、目標流量Qaを例えば一定若しくは不定の量又は一定若しくは不定の比率で減少側に学習してもよい。この際、減少の態様は比較的自由であってよいが、初期値としての目標流量Qa、即ち、予め流量マップMPQに設定されている目標流量Qaは、ノックのみを勘案して決定されるものではないから、好適な一態様として、当該初期値が下限値として設定されてもよい。即ち、減少側の学習は、好適には少なくとも一回学習された目標流量Qaに対し行われてもよい。
尚、目標流量Qaを減少せしめるべきか否かの判断に供される上述した期間の長さは、必ずしも連続した期間でなくてもよく、時間軸上で不連続な積算時間であってもよい。
<第2実施形態>
第1実施形態では、ノック抑制処理において、ノックが発生しているか否かの二値状態が参照されたが、ノックセンサ226によってノック強度を少なくとも多段階に検出することが可能である点に鑑みれば、第1実施形態と異なる態様を採ることも可能である。ここで、図6を参照し、このような本発明の第2実施形態について説明する。ここに、図6は、本発明の第2実施形態に係るノック抑制処理の実行過程におけるノックと相関する要素の時間変化を概念的に表すチャートである。尚、同図において、図5と重複する箇所には同一の符号を付してその説明を適宜省略することとする。
第1実施形態では、ノック抑制処理において、ノックが発生しているか否かの二値状態が参照されたが、ノックセンサ226によってノック強度を少なくとも多段階に検出することが可能である点に鑑みれば、第1実施形態と異なる態様を採ることも可能である。ここで、図6を参照し、このような本発明の第2実施形態について説明する。ここに、図6は、本発明の第2実施形態に係るノック抑制処理の実行過程におけるノックと相関する要素の時間変化を概念的に表すチャートである。尚、同図において、図5と重複する箇所には同一の符号を付してその説明を適宜省略することとする。
図6において、縦軸の系列は、上段から順にノックセンサ出力、点火時期遅角量DL及び流量増加量ΔQとなっている。
時刻T3において、ノックの発生が検出されたとする。この際、ECU100は、ノックセンサ出力が第1実施形態と同様に図示KNH1である場合には、点火時期遅角量をDL1に設定し点火時期を遅角させ、また流量増加量をΔQ1に設定して、冷却水流量Qの増加を図る。
一方で、ノックセンサ出力が図示KNH2(KNH2<KNH1)である場合には、ECU100は、点火時期遅角量をDL2(DL2<DL1)に設定し点火時期を遅角させ、また流量増加量をΔQ2(ΔQ2<ΔQ1)に設定し、冷却水流量Qの増加を図る。
このように、第2実施形態によれば、ノック強度が大きい場合に大きくなるように、ノックセンサ226によって検出されるノック強度に応じて点火時期遅角量DL及び流量増加量ΔQが設定される。従って、比較的軽微なノックに対し不必要なまでに点火時期を遅角することによるエネルギ損失が、また不必要なまでに冷却水流量を増加させることによるエネルギ資源の無駄な利用が、夫々抑制され、ノックの抑制を効率的且つ効果的に図りつつ車両10の燃費をより向上させること等が可能となる。
尚、本実施形態では、ノック強度に応じて点火時期遅角量DLも可変に制御されるが、点火時期が遅角される期間は、時間的に見て冷却水流量が増加される期間よりも短いから、点火時期の遅角量はノック強度に応じて可変でなくてもよい。
<第3実施形態>
エンジン200に備わるノックセンサ226によれば、ECU100は、ノック強度のみならず、4本の気筒201のいずれにおいてノックが発生したかについても特定することができる。そこで、図7を参照し、このような気筒毎のノックの発生状態を利用した、本発明の第3実施形態について説明する。ここに、図7は、本発明の第3実施形態に係るノック抑制処理のフローチャートである。尚、同図において、図4と重複する箇所には同一の符号を付してその説明を適宜省略することとする。
エンジン200に備わるノックセンサ226によれば、ECU100は、ノック強度のみならず、4本の気筒201のいずれにおいてノックが発生したかについても特定することができる。そこで、図7を参照し、このような気筒毎のノックの発生状態を利用した、本発明の第3実施形態について説明する。ここに、図7は、本発明の第3実施形態に係るノック抑制処理のフローチャートである。尚、同図において、図4と重複する箇所には同一の符号を付してその説明を適宜省略することとする。
図7において、ECU100は、ノックが発生した旨が判別された場合(ステップS101:YES)、冷却水流量Qを増加させるべきか否かを判別する(ステップS201)。エンジン200では、4本の気筒201(ここでは、便宜的に第1気筒201A、第2気筒201B、第3気筒201C及び第4気筒201Dと表現する)に対し、冷却水循環路320が直列に配された構造となっており、冷却水は冷却水循環路320を循環供給される過程において、第1気筒201A、第2気筒201B、第3気筒201C及び第4気筒201Dの順で、各気筒を順次冷却する構成となっている。従って、相対的に下流側にある気筒(例えば、第4気筒201D等)は、相対的に上流側にある気筒(例えば、第1気筒201A等)と較べて、相対的に高温の冷却水により冷却される。また、冷却水循環路320の流路損失等により、相対的に下流側にある気筒(例えば、第4気筒201D等)では、相対的に上流側にある気筒(例えば、第1気筒201A等)と較べて冷却水の流速が遅くなり、冷却効率が低下し易い。即ち、定性的には、より下流側にある気筒程ノックが発生し易い状況にある。
従って、例えば相対的にみて上流側にある、第1気筒201Aや第2気筒201Bにのみノックが発生しているような状況或いはそれに準じる状況では、冷却条件のより厳しい下流側の気筒においてノックが発生していないことに鑑みれば、冷却水流量Qを増加せしめた所で顕著な効果が望めない可能性が高い。そこで、ステップS201に係る判別処理では、発生したノックを冷却水流量Qの増加によって解消し得るか否か、言い換えれば、冷却水流量Qを増加せしめるべきか否かが、各気筒におけるノックの発生頻度及びノック強度に基づいて総合的に判別される。
冷却水流量Qを増加せしめるべき旨の判別がなされた場合(ステップS201:YES)、ECU100は、第1実施形態と同様に、ステップA102からステップS106に至る処理過程を経て目標流量Qaを学習する。一方、例えば、第1気筒201Aでノックが発生している場合、或いは所定の期間における第1気筒201A及び第2気筒201Bにおけるノックの発生頻度が他の気筒と較べて相対的に高い場合を含む概念としての、上流側の気筒におけるノックの発生状態が下流側におけるノックの発生状態と比較して悪い(即ち、ノックが発生し易い)場合等、冷却水流量Qを増加せしめるべきでない旨の判別がなされた場合(ステップS201:NO)、ECU100は、ステップS102に係る点火時期の遅角制御のみを実行し、処理をステップS101に戻す。即ち、冷却水流量Qの増量を禁止する。
このように、第3実施形態によれば、冷却水流量Qを増加することにより、ノックを抑制することが、ひいてはノックを回避することが可能である旨の判断を、少なくとも合理的な何らかの理由を伴って下し得る場合に限り、冷却水流量Qが増加せしめられ、且つ目標流量Qaの学習が行われる。従って、目標流量Qaを無駄に増加することによるエネルギ資源の無駄な利用が防止され、効率的且つ効果的である。
本発明は、上述した実施例に限られるものではなく、請求の範囲及び明細書全体から読み取れる発明の要旨或いは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う車両の制御装置もまた本発明の技術的範囲に含まれるものである。
10…車両、100…ECU、200…エンジン、202…点火装置、226…ノックセンサ、300…冷却装置、310…電動W/P、320…冷却水循環路、330…サーモスタット、340…分岐管、350…ラジエータ、360…分岐管。
Claims (7)
- 混合気に対し点火を行う点火手段を備えた内燃機関、及び該内燃機関を含む被冷却系に対し冷却水を循環供給することにより該被冷却系を冷却可能な冷却装置を備えた車両を制御する車両の制御装置であって、
前記循環供給される冷却水の流量が目標流量となるように前記冷却装置を制御する第1の冷却制御手段と、
前記内燃機関においてノックが発生した場合に、前記ノックを抑制すべく前記点火に係る点火時期が遅角されるように前記点火手段を制御する第1の点火制御手段と、
前記ノックが発生した場合に、前記流量が前記目標流量に対し増加するように前記冷却装置を制御する第2の冷却制御手段と、
前記流量が前記目標流量に対し増加している状態において前記点火時期が進角されるように前記点火手段を制御する第2の点火制御手段と、
前記点火時期が進角された状態において前記ノックが発生しない場合に、前記流量の増加量に基づいて前記目標流量を学習する学習手段と
を具備することを特徴とする車両の制御装置。 - 前記冷却装置は、前記冷却水を循環供給するための循環経路に前記冷却水を吐出することが可能なポンプを含み、
前記第1の冷却制御手段は、前記流量が前記目標流量となるように前記ポンプを制御し、
前記第2の冷却制御手段は、前記流量が前記目標流量に対し増加するように前記ポンプを制御する
ことを特徴とする請求項1に記載の車両の制御装置。 - 前記目標流量は、前記内燃機関における所定の運転条件に対応付けられており、
前記第1の冷却制御手段は、前記流量が前記運転条件に対応する目標流量となるように前記冷却装置を制御し、
前記学習手段は、前記運転条件に対応付けて前記目標流量を学習する
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の車両の制御装置。 - 前記学習手段は、前記流量が一の前記目標流量に制御される期間において、前記ノックが発生しない期間の長さに応じて前記学習された目標流量を減少させる
ことを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の車両の制御装置。 - 前記ノックの度合いを特定する特定手段を更に具備し、
前記第2の冷却制御手段は、前記特定された度合いに応じて前記流量が増加するように前記冷却装置を制御する
ことを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の車両の制御装置。 - 前記内燃機関は複数の気筒を備え、
前記第2の冷却制御手段は、前記複数の気筒の各々における前記ノックの発生状態に基づいて前記流量を増加させる
ことを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の車両の制御装置。 - 前記第2の冷却制御手段は、前記各々のうち前記ノックが発生した気筒よりも前記冷却水を基準とした下流側に位置する気筒において前記ノックが発生しない場合に、前記流量が増加しないように前記冷却装置を制御する
ことを特徴とする請求項6に記載の車両の制御装置。
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- 2007-03-02 JP JP2007053183A patent/JP2008215173A/ja active Pending
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