しかしながら、上記従来の装置においては、変速中における点火時期が進角側に設定されることになるので、混合気の燃焼温度が上昇し、燃焼室壁面を通して冷却水に伝達される熱量が増大してしまう。その結果、冷却水温が更に上昇してしまうことを効果的に抑制できない怖れがある。
一方、混合気に含まれる燃料の量を増大させることにより混合気の空燃比を理論空燃比よりもリッチ側の空燃比へと移行することにより、燃焼に伴う発熱量を減少させ、以って、冷却水温の過度の上昇を抑制することも考えられる。しかしながら、燃焼に伴う発熱量を十分に低下させるためには、燃料量を大幅に増大する必要があるので、混合気の空燃比がリッチ側になり過ぎ、その結果、失火が発生するという怖れもある。
以上のことから、発明者は、冷却水温が必要以上に高い温度になった場合、冷却水温を迅速に低下させるためには、「燃焼室に供給される混合気の量、従って、燃焼室に供給される空気(外気、新気)の量」を低下させることが有効であるとの知見を得た。
ところで、冷却水、機関のシリンダヘッド及びシリンダブロック等は熱容量が大きいので、冷却水温は機関の発熱量が増大した時点から遅れて上昇を開始する。従って、発明者は、冷却水温が常に一定の温度に到達した時点から混合気の量を低下させる制御を行うと、冷却水温が過度に上昇してしまうことを抑制できない場合があるという知見を得た。本発明は、上述した知見に基づいて為されたものであって、その目的の一つは、冷却水温が過度に高くなることを回避することができる内燃機関の制御装置を提供することにある。
本発明の内燃機関の制御装置(以下、「本発明の装置」とも称呼する。)は、ラジエータと、スロットル弁駆動装置と、スロットル弁制御手段と、を備えた内燃機関に適用される。
前記ラジエータは、周知のラジエータであり、前記内燃機関の冷却水と外気との間で熱交換させることにより同冷却水を冷却するように構成されている。
スロットル弁駆動装置は、前記機関の吸入空気量を変更するための「前記機関の吸気通路に配設されたスロットル弁」の実際の開度である実スロットル弁開度を指示信号に応答して変更するように構成されている。
前記スロットル弁制御手段は、前記実スロットル弁開度が「前記機関の運転状態(例えば、機関の負荷及び機関回転速度等)に基づいて決定される通常目標スロットル弁開度」に一致するように前記スロットル弁駆動装置に指示信号を送出するように構成されている。
更に、本発明の装置は、
「前記冷却水の実際の温度」である冷却水温を取得する冷却水温取得手段と、
「前記冷却水温の単位時間あたりの増大量」を表す冷却水温上昇率を取得する上昇率取得手段と、
を備える。
そして、本発明における前記スロットル弁制御手段は、
前記取得された冷却水温が、前記取得された冷却水温上昇率が大きいほど小さくなる冷却水温閾値より高い場合、前記実スロットル弁開度が「前記通常目標スロットル弁開度よりも小さい発熱量抑制スロットル弁開度」に一致するように、前記スロットル弁駆動装置に指示信号を送出するように構成されている。
前述したように、冷却水、機関のシリンダヘッド及びシリンダブロック等は大きな熱容量を有しているので、冷却水温は機関の発熱量が増大した時点から遅れて上昇を開始する。従って、冷却水温が一定の温度に到達した時点から混合気の量を低下させる制御を行うと、場合によっては冷却水温が過度に上昇してしまうことを抑制できない場合がある。
これに対し、上記本発明の装置によれば、冷却水温が「冷却水温上昇率が大きいほど小さくなる冷却水温閾値」より高くなった場合に、実スロットル弁開度が発熱量抑制スロットル弁開度に一致させられる。換言すると、本発明の装置は、冷却水温上昇率が大きいほど、より早いタイミングからスロットル弁開度を減少させることにより、吸入空気量(従って、混合気量)を低下させ、機関の発熱量(従って、冷却水が機関から受ける熱量)を低下せしめる。この結果、冷却水温が過度に上昇してしまうことを抑制することができる。
更に、前記スロットル弁制御手段は、前記取得された冷却水温が前記冷却水温閾値より高くなっている期間において、前記発熱量抑制スロットル弁開度を「所定の上限スロットル弁開度初期値」から「所定のスロットル弁閉じ速度」にて減少させるように構成されることが好適である。
これによれば、実スロットル弁開度が「所定の上限スロットル弁開度初期値」から「所定のスロットル弁閉じ速度」にて次第に減少させられる。
従って、実スロットル弁開度は、「所定のスロットル弁閉じ速度」にて次第に減少させられる。その結果、オーバーヒートを回避する際に急激なトルク変動が発生することを回避することができる。更に、上限スロットル弁開度初期値を、例えば、その値以上の領域で実スロットル弁開度が変化しても「吸入空気量が大きく変化しないので機関の発生トルクが大きく変化し得ないような比較的大きい値(以下、「サチュレーション開度」とも称呼する。)」の近傍に設定しておけば、実スロットル弁開度が上限スロットル弁開度初期値へと減少させられたときに発生するトルク変動をも比較的小さくすることができる。なお、実スロットル弁開度は、前記取得された冷却水温が前記冷却水温閾値より高くなった時点の開度から所定のスロットル弁閉じ速度にて次第に減少させられてもよい。この場合、前記取得された冷却水温が前記冷却水温閾値より高くなった時点の実スロットル弁開度が、前記上限スロットル弁開度初期値に相当する。
この場合、前記スロットル弁制御手段は、
(1)「前記取得された冷却水温が前記冷却水温閾値より高くなった時点」から「スロットル弁開度の上限値である上限スロットル弁開度」を「前記上限スロットル弁開度初期値から前記スロットル弁閉じ速度にて減少させる」とともに、
(2)「前記通常目標スロットル弁開度」が「前記上限スロットル弁開度」よりも大きいとき、前記実スロットル弁開度が「前記発熱量抑制スロットル弁開度としての前記上限スロットル弁開度」に一致するように、前記スロットル弁駆動装置に指示信号を送出するように構成されることが好ましい。
これによれば、「前記取得された冷却水温」が「前記冷却水温閾値」より高くなった時点(第1時点)において「通常目標スロットル弁開度(即ち、その第1時点における実スロットル弁開度)」が「上限スロットル弁開度初期値」よりも大きければ、実スロットル弁開度は直ちに上限スロットル弁開度初期値へと減少させられる。
従って、上述したように、上限スロットル弁開度初期値をサチュレーション開度の近傍に設定しておけば、実スロットル弁開度が上限スロットル弁開度初期値へと減少させられたときに発生するトルク変動を小さくすることができる。更に、実スロットル弁開度は、その後、所定のスロットル弁閉じ速度にて次第に減少させられる。従って、オーバーヒートを回避する際に急激なトルク変化が発生することを回避することができる。
一方、「前記取得された冷却水温が前記冷却水温閾値より高くなった時点(第1時点)における通常目標スロットル弁開度(即ち、その第1時点における実スロットル弁開度)」が「前記上限スロットル弁開度初期値」以下であると、「通常目標スロットル弁開度(従って、その通常目標スロットル弁開度に一致させられている実スロットル弁開度)」が「前記上限スロットル弁開度初期値から所定のスロットル弁閉じ速度にて減少させられる上限スロットル弁開度」よりも大きくなったとき(第2時点)、実スロットル弁開度は「前記発熱量抑制スロットル弁開度としての前記上限スロットル弁開度」に一致させられる。換言すると、実スロットル弁開度は、「通常目標スロットル弁開度」が「次第に減少する上限スロットル弁開度」よりも大きい限り、その上限スロットル弁開度に一致させられ、所定のスロットル弁閉じ速度にて次第に減少させられる。この結果、オーバーヒートを回避する際に吸入空気量(従って、混合気量)が徐々に低下するので、「大きなトルク変化に起因するショック」が発生することを回避することができる。
更に、前記スロットル弁制御手段は、
前記冷却水温上昇率が大きいほど前記スロットル弁閉じ速度が大きくなるように、前記スロットル弁閉じ速度を設定するように構成されることが好適である。
例えば、冷却水温が緩慢に上昇した場合、冷却水温上昇率はそれほど大きくならない。従って、冷却水温閾値は低下しないので、冷却水温が冷却水温閾値を越えるタイミングは遅くなる。この場合、冷却水温が冷却水温閾値を越えた直後から高負荷運転が開始されると、冷却水温は極めて高温になる可能性がある。
そこで、上記構成のように、「冷却水温上昇率が大きいほどスロットル弁閉じ速度が大きくなるようにスロットル弁閉じ速度を設定する」。これによれば、冷却水温が冷却水温閾値を越えた直後から高負荷運転が開始されるような状況であっても、冷却水温の過度な上昇を抑制することができるので、オーバーヒートが発生する可能性をより低くすることができる。
更に、前記スロットル弁制御手段は、
前記上限スロットル弁開度初期値を、「前記取得された冷却水温が前記冷却水温閾値より高くなった時点における前記機関の回転速度」が低いほど小さくなる値、に設定するように構成されることが好適である。
機関に吸入される空気の量(吸入空気量)は、例えば、機関回転速度が低い場合、スロットル弁開度が全開スロットル弁開度WOT(100%)よりも相当に小さい値(サチユレーション開度)に到達したときに実質的に最大値となる。換言すると、スロットル弁開度がサチユレーション開度以上の領域において変化しても、吸入空気量(従って、機関の発生トルク及び機関の発熱量)は殆ど変化しない。このサチユレーション開度は機関回転速度が低いほど小さくなる。
従って、前記取得された冷却水温が前記冷却水温閾値より高くなった時点以降において、スロットル弁開度をサチユレーション開度以上の領域において減少させたとしても、機関発熱量は低下しないので、冷却水温を速やかに低下させることができない。
そこで、上記構成のように、前記上限スロットル弁開度初期値を前記機関の回転速度が低いほど小さくなる値に設定する。これにより、前記取得された冷却水温が前記冷却水温閾値より高くなった時点にて、スロットル弁開度はサチユレーション開度にまで一気に減少させられる。或いは、その時点以降において、スロットル弁開度は「サチユレーション開度よりも小さい領域」において減少させられることが確実になる。この結果、吸入空気量が速やかに且つ確実に減少するので、機関発熱量も確実に減少する。従って、冷却水温の上昇を確実且つ速やかに抑制することができる。
更に、前記スロットル弁制御手段は、
前記機関の回転速度が低いほど前記スロットル弁閉じ速度が小さくなるように前記スロットル弁閉じ速度を設定するように構成されることが好適である。
スロットル弁開度が単位時間あたり一定量だけ変化した場合、吸入空気量は機関回転速度が低いほど大きく変化する。換言すると、スロットル弁開度に対する吸入空気量の感度は機関回転速度が低いほど高い。従って、冷却水温の上昇を抑制するために、機関回転速度に依存しないスロットル弁閉じ速度にてスロットル弁開度を減少させると、機関回転速度が低い場合に機関が発生するトルクの変動量(トルク減少幅)が大きくなる。その結果、ドライバビリティが悪化する怖れがある。
これに対し、上記構成によれば、スロットル弁閉じ速度が、機関の回転速度が低いほど小さくなるように設定される。従って、スロットル弁開度に対する吸入空気量の感度が高い低回転速度運転時において、機関発生トルクの変動量が過大になることを回避することができる。従って、ドライバビリティが悪化することを回避することができる。
更に、前記スロットル弁制御手段は、
「前記取得された冷却水温が前記冷却水温閾値より高くなった時点」以降において、
条件A:「前記取得される冷却水温」が「前記冷却水温閾値よりも高い限界冷却水温閾値」に到達するか、又は、
条件B:「前記取得される冷却水温上昇率」が「許容上昇率閾値」よりも大きくなった場合、
前記スロットル弁閉じ速度を増大する(更に大きくする)ように構成されることが好適である。即ち、条件A又は条件Bが成立した場合、スロットル弁閉じ速度を「条件A又は条件Bが成立する直前のスロットル弁閉じ速度」よりも大きくする。
この場合、前記スロットル弁制御手段は、条件Aが成立するか否か及び条件Bが成立するか否かの両方を監視し且つ条件A及び条件Bの少なくとも一方が成立したときにスロットル弁閉じ速度を増大するように構成されてもよい。更に、前記スロットル弁制御手段は、条件Aのみが成立するか否かを監視し且つ条件Aが成立したときにスロットル弁閉じ速度を増大するように構成されてもよい。或いは、前記スロットル弁制御手段は、条件Bのみが成立するか否かを監視し且つ条件Bが成立したときにスロットル弁閉じ速度を増大するように構成されてもよい。
機関の運転状況によっては、一定のスロットル弁閉じ速度にてスロットル弁開度を減少させるだけでは、冷却水温の上昇を充分に抑制できず、冷却水温が「冷却水温閾値よりも高く且つそれ以上温度が上昇することは機関のオーバーヒートを招く可能性が極めて高い温度(限界冷却水温閾値)」に到達してしまう場合があり得る。
そこで、上記構成を採用すれば、一定のスロットル弁閉じ速度にてスロットル弁開度を減少させるだけでは冷却水温の上昇を充分に抑制できない状況において、スロットル弁開度が「更に大きなスロットル弁閉じ速度」にて減少させられることにより吸入空気量及び機関発熱量を一層迅速に減少させることができるので、冷却水温が限界冷却水温閾値を大幅に上回ることを回避することができる。
代替として、前記スロットル弁制御手段は、
前記取得された冷却水温が前記冷却水温閾値より高くなった時点以降において、
条件C:「前記取得される冷却水温」が「前記冷却水温閾値よりも高い限界冷却水温閾値」に到達するか、又は、
条件D:「前記取得される冷却水温上昇率」が「許容上昇率閾値」よりも大きくなった場合、
前記実スロットル弁開度が「前記発熱量抑制スロットル弁開度としての全閉スロットル弁開度」に一致するように、前記スロットル弁駆動装置に指示信号を送出するように構成されることが好適である。なお、全閉スロットル弁開度は、機関がアイドリング運転をしている際に必要とされる開度である。
上述したように、機関の運転状況によっては、一定のスロットル弁閉弁速度にてスロットル弁開度を減少させるだけでは、冷却水温の上昇を充分に抑制できず、冷却水温が「機関のオーバーヒートを招く可能性が極めて高い温度(限界冷却水温閾値)」に到達してしまう場合があり得る。
そこで、上記構成を採用すれば、一定のスロットル弁閉じ速度にてスロットル弁開度を減少させるだけでは冷却水温の上昇を充分に抑制できない状況であっても、スロットル弁開度が全閉スロットル弁開度に直ちに減少させられることにより吸入空気量及び機関発熱量を確実且つ直ちに減少させることができるので、冷却水温が限界冷却水温閾値を大幅に上回ることを回避することができる。
なお、この場合においても、前記スロットル弁制御手段は、条件Cが成立するか否か及び条件Dが成立するか否かの両方を監視し且つ条件C及び条件Dの少なくとも一方が成立したときに実スロットル弁開度を全閉スロットル弁開度に一致させるように構成されてもよい。更に、前記スロットル弁制御手段は、条件Cのみが成立するか否かを監視し且つ条件Cが成立したときに実スロットル弁開度を全閉スロットル弁開度に一致させるように構成されてもよい。或いは、前記スロットル弁制御手段は、条件Dのみが成立するか否かを監視し且つ条件Dが成立したときに実スロットル弁開度を全閉スロットル弁開度に一致させるように構成されてもよい。
ところで、ラジエータの冷却効率が低い場合、ラジエータの冷却効率が高い場合に比較して冷却水温の上昇率は大きくなる。
そこで、前記スロットル弁制御手段は、前記ラジエータの冷却効率が低いほど前記冷却水温閾値を低下させる(ラジエータの冷却効率が任意の所定効率より低いと推定される場合には同所定効率より高いと推定される場合に比較して冷却水温閾値を低下させる)ように構成されることが好適である。
これによれば、ラジエータの冷却効率が低いほど、早いタイミングにてスロットル弁開度を減少させ始めることができるので、冷却水温が過度に高くなることをより確実に回避することができる。
同様の理由により、前記スロットル弁制御手段は、前記ラジエータの冷却効率が低いほど前記スロットル弁閉じ速度を大きくするように構成されることも望ましい。
これによれば、ラジエータの冷却効率が低いほどスロットル弁開度がより速く減少するので、冷却水温が過度に高くなることをより確実に回避することができる。
このようにラジエータの冷却効率が低いほど、冷却水温閾値を低下させるか及び/又はスロットル弁閉じ開度を増大させる装置において、前記スロットル弁制御手段は、外気温度を取得するとともに、前記取得された外気温度が高いほど前記ラジエータの冷却効率がより低いと推定するように構成され得る。外気温度が高いほど冷却水と外気との間の熱交換量が低下するためにラジエータの冷却効率が低くなるからである。
更に、ラジエータの冷却効率が低いほど、冷却水温閾値を低下させるか及び/又はスロットル弁閉じ開度を増大させる装置において、前記スロットル弁制御手段は、「前記ラジエータを通過する外気の速度(即ち、ラジエータ通風速度)」に応じたパラメータを「通風速度パラメータ」として取得するとともに、「その取得された通風速度パラメータにより表されるラジエータ通風速度」が低いほど、前記ラジエータの冷却効率がより低いと推定するように構成され得る。ラジエータを通過する外気の速度が低いほど冷却水と外気との間の熱交換量が低下するためにラジエータの冷却効率が低くなるからである。
ところで、一般に、内燃機関が搭載された車両の変速機の実際の変速段が低速段(例えば、1速は2速よりも低速段であり、2速は3速よりも低速段である。)であるほど車速は低い。そのため、変速機の実際の変速段が低速段であるほどラジエータ通過風量は低下する。更に、一般に、変速機の実際の変速段が低速段であるほど機関回転速度が高くなるので、機関が1回転する期間においてラジエータを通過する外気の量(ラジエータ通過風量/回転)が低下する。従って、ラジエータの冷却効率は、変速機の実際の変速段が低速段であるほど低下する。
そこで、前記スロットル弁制御手段は、
「前記機関が搭載された車両の変速機の変速段(変速位置)」を「前記通風速度パラメータ」として取得するとともに、「前記取得された変速段が低速段である場合」には「前記取得された変速段が高速段である場合」に比較して、前記ラジエータ通風速度がより低いと推定するように構成されることが好適である。
ところで、変速機の変速段(変速位置)が「所定の変速段」から「その変速段よりも低い変速段」へと変更された直後(シフトダウン直後)においては、機関回転速度が上昇し、機関が1回転する期間においてラジエータを通過する外気の量(ラジエータ通過風量/回転)が一時的に小さくなる。更に、このシフトダウンによって車速も低下することが多いので、ラジエータを単位時間あたりに通過する外気の量自体も低下することが多い。従って、シフトダウン直後の所定期間、ラジエータの冷却効率が一時的に低下し、それによって冷却水温が急激に上昇する場合がある。
そこで、前記スロットル弁制御手段は、
「前記機関が搭載された車両の変速機」の変速段が「所定の変速段」から「同所定の変速段よりも低速段側の変速段」へと変化した変速実行時点(シフトダウン時点)から、所定時間が経過するまでの期間において、前記冷却水温閾値を「前記変速実行時点の直前の冷却水温閾値よりも低い値」に設定するように構成されることが好適である。
これによれば、シフトダウン後に冷却水温が過度に上昇してしまうことを回避することができる。
ところで、内燃機関は、冷却水以外にも「温度が過度に高くならないように温度制御すべき部材(「エンジン構成部材」又は「高温回避必要部材」とも称呼する。)」を有する。このようなエンジン構成部材の代表例は、排気通路に配設された触媒及び空燃比センサ、並びに、エキゾーストマニホールド等である。これらの部材の温度は、例えば、燃料供給量を増大する(機関に供給される混合気の空燃比を理論空燃比よりもリッチ側の空燃比に設定する)ことにより低下させることができる。
しかしながら、燃料供給量を増大した場合、冷却水温は迅速には低下しない。冷却水温が高くなることは機関オーバーヒート状態を招くから、極力回避しなければならない。その一方、実スロットル弁開度を減少させることにより吸入空気量(従って、混合気量)を減少させれば、機関の発熱量が迅速に低下するから、冷却水温のみならず他のエンジン構成部材の温度も低下させることができる。以上のことから、冷却水温を「実スロットル弁開度を減少させること」により低下させることは、燃料増量等によってエンジン構成部材の温度を低下させることよりも優先されるべきである。
そこで、本発明の他の内燃機関の制御装置は、
内燃機関の冷却水と外気との間で熱交換させることにより同冷却水を冷却するラジエータと、
前記機関の吸気通路に配設され前記機関の吸入空気量を変更するためのスロットル弁の実際の開度である実スロットル弁開度を第1指示信号に応答して変更するように構成されたスロットル弁駆動装置と、
前記実スロットル弁開度を、前記機関の運転状態に基づいて決定される通常目標スロットル弁開度に一致させるための信号を前記第1指示信号として前記スロットル弁駆動装置に送出するスロットル弁制御手段と、
第2指示信号に応じた量の燃料を前記機関に供給する燃料供給手段と、
前記機関の運転状態に基づいて決定される通常燃料供給量の燃料を前記機関に供給するための信号を前記第2指示信号として前記燃料供給手段に送出する燃料供給量制御手段と、
を備えた内燃機関の制御装置であって、
前記冷却水の実際の温度である冷却水温を取得する冷却水温取得手段と、
前記冷却水温以外のエンジン構成部材の温度を取得するエンジン構成部材温度取得手段と、
を備え、
前記スロットル弁制御手段は、
前記取得された冷却水温が所定の冷却水温閾値より高くなった場合、前記取得されたエンジン構成部材の温度が所定の構成部材温度閾値より高いか否かに関わらず前記冷却水温を優先して低下させるように、前記実スロットル弁開度を、前記通常目標スロットル弁開度よりも小さい発熱量抑制スロットル弁開度に一致させる信号を前記第1指示信号として前記スロットル弁駆動装置に送出するように構成され、
前記燃料供給量制御手段は、
前記取得された冷却水温が前記冷却水温閾値以下であり且つ前記取得されたエンジン構成部材の温度が前記構成部材温度閾値より高い場合、前記通常燃料供給量よりも多い量の燃料を前記機関に供給するための信号を前記第2指示信号として前記燃料供給手段に送出するように構成される。
これによれば、機関オーバーヒート状態をより確実に回避するとともにエンジン構成部材の温度をも低下させることができる。なお、この発明における「冷却水温閾値及び発熱量抑制スロットル弁開度」は、上述した発明のように種々のパラメータにより変更してもよい。
この場合、
前記燃料供給量制御手段は、
前記取得された冷却水温が前記冷却水温閾値以下であり且つ前記取得されたエンジン構成部材の温度が前記構成部材温度閾値より高い場合、前記機関に供給される混合気の空燃比を、理論空燃比よりも小さい空燃比であって前記機関の出力トルクが最大となる空燃比である出力空燃比よりも小さい空燃比に一致させるための信号を、前記第2指示信号として前記燃料供給手段に送出するように構成されることが好適である。
理論空燃比は一般に14.7前後であり、出力空燃比は一般に12.5前後である。機関に供給される混合気の空燃比(機関の空燃比)を、この出力空燃比よりも小さい空燃比(出力空燃比よりも更にリッチ側の空燃比)に一致させると、冷却水温及び排気系部品等の温度を効果的に低下させることができる。しかしながら、そのような過濃な空燃比(出力空燃比よりも小さい空燃比)は大幅な燃費の悪化を招く。従って、冷却水温が所定の冷却水温閾値より高くなった場合、スロットル弁開度を小さくする方が、燃費の観点からも有利である。
以下、本発明の各実施形態に係る内燃機関の制御装置について図面を参照しながら説明する。
<第1実施形態>
先ず、本発明の第1実施形態に係る内燃機関の制御装置(以下、単に「第1装置」と称呼する。)について説明する。
(構成)
図1は、第1装置が適用される内燃機関10の概略構成を示している。機関10は、4サイクル・火花点火式・多気筒(本例において4気筒)・ガソリン燃料機関である。機関10は、本体部20、吸気系統30及び排気系統40を備えている。機関10は、自動変速機100を搭載した車両の動力源として同車両に搭載されている。
機関10の本体部20は、シリンダブロック部とシリンダヘッド部とを備えている。本体部20は、ピストン頂面、シリンダ壁面及びシリンダヘッド部の下面からなる複数(4個)の燃焼室(第1気筒#1乃至第4気筒#4)21を備えている。
シリンダヘッド部には、各燃焼室(各気筒)21に「空気及び燃料からなる混合気」を供給するための吸気ポート22と、各燃焼室21から排ガス(既燃ガス)を排出するための排気ポート23と、が形成されている。吸気ポート22は図示しない吸気弁により開閉され、排気ポート23は図示しない排気弁により開閉されるようになっている。
シリンダヘッド部には複数(4個)の点火プラグ24が固定されている。各点火プラグ24は、その火花発生部が各燃焼室21の中央部であってシリンダヘッド部の下面近傍位置に露呈するように配設されている。各点火プラグ24は、点火信号に応答して火花発生部から点火用火花を発生するようになっている。
シリンダヘッド部には更に複数(4個)の燃料噴射弁(インジェクタ)25が固定されている。燃料噴射弁25は、各吸気ポート22に一つずつ設けられている。燃料噴射弁25は、噴射指示信号に応答し、正常である場合に「その噴射指示信号に含まれる指示噴射量の燃料」を対応する吸気ポート22内に噴射するようになっている。このように、複数の気筒21のそれぞれは、他の気筒とは独立して燃料供給を行う燃料噴射弁25を備えている。
更に、シリンダヘッド部には、吸気弁制御装置26が設けられている。この吸気弁制御装置26は、インテークカムシャフト(図示せず)とインテークカム(図示せず)との相対回転角度(位相角度)を油圧により調整・制御する周知の構成を備えている。吸気弁制御装置26は、指示信号(駆動信号)に基いて作動し、吸気弁の開弁タイミング(吸気弁開弁タイミング)を変更することができるようになっている。
吸気系統30は、インテークマニホールド31、吸気管32、エアフィルタ33、スロットル弁34及びスロットル弁アクチュエータ34a(スロットル弁駆動装置)を備えている。
インテークマニホールド31は、各吸気ポート22に接続された複数の枝部と、それらの枝部が集合したサージタンク部と、を備えている。吸気管32はサージタンク部に接続されている。インテークマニホールド31、吸気管32及び複数の吸気ポート22は、吸気通路を構成している。エアフィルタ33は吸気管32の端部に設けられている。スロットル弁34はエアフィルタ33とインテークマニホールド31との間の位置において吸気管32に回動可能に取り付けられている。スロットル弁34は、回動することにより吸気管32が形成する吸気通路の開口断面積を変更し、吸入空気量を変更するようになっている。スロットル弁アクチュエータ34aは、DCモータからなり、指示信号(駆動信号)に応答してスロットル弁34を回動させるようになっている。
排気系統40は、エキゾーストマニホールド41、エキゾーストパイプ(排気管)42及び上流側触媒43を備えている。
エキゾーストマニホールド41は、各排気ポート23に接続された複数の枝部41aと、それらの枝部41aが集合した集合部(排気集合部)41bと、からなっている。エキゾーストパイプ42は、エキゾーストマニホールド41の集合部41bに接続されている。エキゾーストマニホールド41、エキゾーストパイプ42及び複数の排気ポート23は、排ガスが通過する通路を構成している。なお、本明細書において、エキゾーストマニホールド41の集合部41b及びエキゾーストパイプ42を、便宜上、「排気通路」とも称呼する。
上流側触媒43は周知の「酸素吸蔵・放出機能(酸素吸蔵機能)を有する三元触媒」である。上流側触媒43はエキゾーストパイプ42に配設(介装)されている。なお、図示しない下流側触媒(上流側触媒43と同様の三元触媒)が、上流側触媒43よりも下流においてエキゾーストパイプ42に配設(介装)されている。
第1装置は、熱線式エアフローメータ51、外気温センサ52、スロットルポジションセンサ(スロットル弁開度検出センサ)53、クランク角センサ(クランクポジションセンサ)54、インテークカムポジションセンサ55、冷却水温センサ56、アクセル開度センサ57及び車速センサ58を備えている。
熱線式エアフローメータ51は、吸気管32内を流れる吸入空気の質量流量を検出し、その質量流量(機関10の単位時間あたりの吸入空気量)Gaを表す信号を出力するようになっている。
外気温センサ52は、外気(大気)の温度を検出し、外気温(大気温)THAを表す信号を出力するようになっている。
スロットルポジションセンサ53は、スロットル弁34の開度を検出し、スロットル弁開度TAを表す信号を出力するようになっている。スロットルポジションセンサ53によって検出されるスロットル弁開度TAは実スロットル弁開度とも称呼される。
クランク角センサ54は、機関10のクランク軸が10度回転する毎に幅狭のパルスを有するとともに同クランク軸が360°回転する毎に幅広のパルスを有する信号を出力するようになっている。この信号は、後述する電気制御装置60によって機関回転速度NEに変換される。
インテークカムポジションセンサ55は、インテークカムシャフトが所定角度から90度、次いで90度、更に180度回転する毎に一つのパルスを出力するようになっている。電気制御装置60は、クランク角センサ54及びインテークカムポジションセンサ55からの信号に基いて、特定気筒(例えば第1気筒#1)の圧縮上死点を基準とした絶対クランク角を取得するようになっている。
冷却水温センサ56は、内燃機関10の冷却水の温度を検出し、冷却水温THWを表す信号を出力するようになっている。
アクセル開度センサ57は、運転者によって操作されるアクセルペダルAPの操作量を検出し、アクセルペダルAPの操作量Accpを表す信号を出力するようになっている。
車速センサ58は、機関10が搭載された車両の速度(車速SPD)を表す信号を出力するようになっている。
電気制御装置60は、「CPU、ROM、RAM、バックアップRAM(又は、EEPROM等の不揮発性メモリ)、並びに、ADコンバータを含むインターフェース等」からなる「周知のマイクロコンピュータ」である。
バックアップRAMは、機関10を搭載した車両の図示しないイグニッション・キー・スイッチの位置(オフ位置、始動位置及びオン位置等の何れか)に関わらず、車両に搭載されたバッテリから電力の供給を受けるようになっている。バックアップRAMは、バッテリから電力の供給を受けている場合、CPUの指示に応じてデータを格納する(データが書き込まれる)とともに、そのデータを読み出し可能となるように保持(記憶)するようになっている。
電気制御装置60のインターフェースは、前記センサ51〜58と接続され、CPUにセンサ51〜58からの信号を供給するようになっている。更に、そのインターフェースは、CPUの指示に応じて、各気筒の点火プラグ24、各気筒の燃料噴射弁25、吸気弁制御装置26、スロットル弁アクチュエータ34a等に指示信号(駆動信号)等を送出するようになっている。
更に、電気制御装置60は、実スロットル弁開度TAと車速SPDと周知の変速線図とに基づいて変速段(変速位置)を決定し、その変速段が実現されるように自動変速機100の油圧制御回路の電磁弁にインターフェースを介して指示信号(変速信号、駆動信号)等を送出するようになっている。電気制御装置60は、この指示信号に基づいて「自動変速機100により達成される変速段(1速〜5速)」を表す変速段(シフト位置信号)Shiftを取得するようになっている。この場合、変速段Shiftの値は1乃至5のうちの整数Nであり、整数Nが小さいほど低速段(1速に近い変速段)を表し、整数Nが大きいほど高速段(5速に近い変速段)を表す。
内燃機関10は、オーバーヒートを回避するために「図2に概略構成を示した冷却系統70」によって冷却されるようになっている。この冷却系統70は、排気側冷却通路71aと吸気側冷却通路71bとからなる第1通路71、第2通路72、第3通路73、第4通路74、第5通路75、ウォーターポンプ76、冷却経路切換装置77及びラジエータ(冷却水冷却装置、放熱装置)80を備えている。
吸気側冷却通路71aは、本体部20(シリンダブロック部及びシリンダヘッド部)の内部であって燃焼室21よりもインテークマニホールド31側の部分を通過する冷却通路を形成している。即ち、吸気側冷却通路71aは、吸気ポートの周囲及び燃焼室21を冷却するために、入口部Q1から流入した冷却水を通流させた後に出口部Q2から排出する冷却通路を構成している。
排気側冷却通路71bは、本体部20の内部であって燃焼室21よりもエキゾーストマニホールド41側の部分を通過する冷却通路を形成している。即ち、排気側冷却通路71bは、排気ポートの周囲及び燃焼室21を冷却するために、入口部Q1から流入した冷却水を通流させた後に出口部Q2から排出する冷却通路を構成している。
第2通路72の一端は出口部Q2に接続されている。第2通路72の他端は冷却経路切換装置77の入口部77aに接続されている。
第3通路73の一端は冷却経路切換装置77の第1出口部77bに接続されている。第3通路73の他端は第4通路74の入口部Q3に接続されている。第3通路73はラジエータ80内を通過している。
第4通路74の他端は第1通路71の入口部Q1に接続されている。第4通路74にはウォーターポンプ76が介装されている。ウォーターポンプ76は機関10により回転させられる。従って、ウォーターポンプ76の回転速度は機関回転速度NEが高いほど高くなる。
第5通路75の一端は冷却経路切換装置77の第2出口部77cに接続されている。第5通路75の他端は第4通路74の入口部Q3に接続されている。即ち、第5通路75は、ラジエータ80をバイパスするバイパス通路を構成している。
冷却経路切換装置77は、サーモスタットと、このサーモスタットにより作動される切替弁と、を内蔵している。このサーモスタットは、冷却水温THWが暖機完了冷却水温閾値Tcoldth以下であるとき、冷却水がラジエータ80内を通過しないように(即ち、冷却水が第5通路75を通過するように)、冷却経路切換装置77の入口部77aと第2出口部77cとを連通させるように切替弁を作動させる。更に、このサーモスタットは、冷却水温THWが暖機完了冷却水温閾値Tcoldthよりも高いとき、冷却水がラジエータ80内を通過するように、冷却経路切換装置77の入口部77aと第1出口部77bとを連通させるように切替弁を作動させる。
ラジエータ80は、冷却水と大気との間にて熱交換を生じさせることにより、ラジエータ80(第3経路73)内を通過する冷却水を冷却するようになっている。
このような構成を有する冷却系統70において、冷却経路切換装置77が入口部77aと第1出口部77bとを連通すると、ウォーターポンプ76によって圧送される冷却水は、排気側冷却通路71a及び吸気側冷却通路71b、第2通路72、第3通路73並びに第4通路74からなる経路内を循環する。従って、冷却水はラジエータ80によって冷却される。
これに対し、冷却系統70において、冷却経路切換装置77が入口部77aと第2出口部77cとを連通すると、ウォーターポンプ76によって圧送される冷却水は、排気側冷却通路71a及び吸気側冷却通路71b、第2通路72、第5通路75並びに第4通路74からなる経路内を循環する。従って、冷却水はラジエータ80を通過しないので、冷却水の温度がラジエータ80によって必要以上に低下させられない。
(作動)
次に、本制御装置の実際の作動について説明する。
<燃料噴射量制御>
第1装置のCPUは、図3に示した燃料噴射量Fiの計算及び燃料噴射の指示を行うルーチンを、所定の気筒のクランク角が吸気上死点前の所定クランク角度(例えば、BTDC90°CA)となる毎に、その気筒(以下、「燃料噴射気筒」とも称呼する。)に対して繰り返し実行するようになっている。従って、所定のタイミングになると、CPUはステップ300から処理を開始し、以下に述べるステップ310乃至ステップ340の処理を順に行い、ステップ395に進んで本ルーチンを一旦終了する。
ステップ310:CPUは、「エアフローメータ51により計測された吸入空気量Ga、機関回転速度NE及びルックアップテーブルMapMc」に基いて「燃料噴射気筒に吸入される空気量」である「筒内吸入空気量Mc」を取得する。筒内吸入空気量Mcは、各吸気行程に対応されながらRAM内に記憶される。筒内吸入空気量Mcは、周知の空気モデル(吸気通路における空気の挙動を模した物理法則に従って構築されたモデル)により算出されてもよい。
ステップ320:CPUは、筒内吸入空気量Mcを上流側目標空燃比abyfrで除することにより基本燃料噴射量Fbaseを求める。上流側目標空燃比abyfrは、特殊な場合を除き理論空燃比stoichに設定されている。
ステップ330:CPUは、基本燃料噴射量Fbaseをメインフィードバック量DFiにより補正することにより、最終燃料噴射量Fiを算出する。メインフィードバック量DFiは、図示しない上流側空燃比センサの出力値により表される実際の空燃比が上流側目標空燃比abyfrに一致するように基本燃料噴射量Fbaseを補正する補正量である。
ステップ340:CPUは、最終燃料噴射量(指示噴射量)Fiの燃料が「燃料噴射気筒に対応して設けられている燃料噴射弁25」から噴射されるように、その燃料噴射弁25に指示信号を送出する。
以上により、機関に供給される混合気の空燃比は上流側目標空燃比abyfr(一般には理論空燃比)に一致させられる。なお、CPUは、メインフィードバック量DFiを「下流側空燃比センサの出力値に基づいて補正するフィードバック制御(周知のサブフィードバック)」を更に実行してもよい。
<機関発熱量抑制制御(オーバーヒート回避制御、スロットル弁開度制御)>
更に、CPUは、所定時間tsが経過する毎に図4及び図5にフローチャートにより示した「機関発熱量抑制制御ルーチン」を実行するようになっている。
従って、所定のタイミングになると、CPUは図4のステップ400から処理を開始し、以下に述べるステップ405乃至ステップ425の処理を順に行ってステップ430に進む。
ステップ405:CPUは、冷却水温センサ56により検出される冷却水温THWを取得する。
ステップ410:CPUは、「ステップ405にて取得した冷却水温THW」から「所定時間(本ルーチンの実行時間間隔)ts前の冷却水温THWである前回冷却水温THWold」を減じることにより、冷却水温上昇率ΔTHWを取得する。冷却水温上昇率ΔTHWは、冷却水温THWの単位時間あたりの増大量を表す。
ステップ415:CPUは、「ステップ405にて取得した冷却水温THW」を「前回冷却水温THWold」として格納する。
ステップ420:CPUは、ステップ410にて取得した冷却水温上昇率ΔTHWに基づいて冷却水温閾値Tth1を決定する。より具体的に述べると、CPUは図4のステップ420内に示したテーブルMapTth1(ΔTHW)に「ステップ410にて取得した冷却水温上昇率ΔTHW」を適用することにより、冷却水温閾値Tth1を取得する。
このテーブルMapTth1(ΔTHW)によれば、冷却水温閾値Tth1は冷却水温上昇率ΔTHWが大きいほど小さくなるように求められる。この冷却水温閾値Tth1は、冷却水温THWが冷却水温閾値Tth1を超えた場合、機関10の発熱量を速やかに低下させないと機関10がオーバーヒートする可能性がある値に設定されている。但し、冷却水温上昇率ΔTHWが所定値ΔTHW1以下であるとき、冷却水温閾値Tth1は初期冷却水温閾値Tth1intに設定される。なお、冷却水温閾値Tth1は、暖機完了冷却水温閾値Tcoldthよりも当然に所定温度だけ高い。
ステップ425:CPUは、アクセル開度センサ57により検出されるアクセルペダル操作量Accpに基づいて暫定目標スロットル弁開度TAtgtzを決定する。より具体的に述べると、CPUは、図4のブロックB1内に示したテーブルMapTAtgtz(Accp)に、実際のアクセルペダル操作量Accpを適用することにより、暫定目標スロットル弁開度TAtgtzを取得する。このテーブルMapTAtgtz(Accp)によれば、暫定目標スロットル弁開度TAtgtzはアクセルペダル操作量Accpが大きいほど大きくなるように求められる。暫定目標スロットル弁開度TAtgtzは「機関10の運転状態(運転パラメータ、ここでは機関に対する要求負荷を表すアクセルペダル操作量Accp)に基づいて決定される通常目標スロットル弁開度」である。なお、CPUは、機関回転速度NE及び変速段Shift等の他の運転パラメータをも考慮して暫定目標スロットル弁開度TAtgtzを求めてもよい。
次に、CPUはステップ430に進み、「ステップ405にて取得した冷却水温THW」が「ステップ420にて決定した冷却水温閾値Tth1」よりも高いか否かを判定する。
ここで、現時点においては機関10が搭載された車両のイグニッション・キー・スイッチがオフからオンへと変更された後に冷却水温THWが冷却水温閾値Tth1を超えていないと仮定する。この仮定によれば、CPUはステップ430にて「No」と判定し、図5に示したステップ505に進む(「A」を参照。)。
CPUは図5に示したステップ505に進むと、フラグXTAの値が「1」であるか否かを判定する。このフラグXTAの値は、冷却水温THWが冷却水温閾値Tth1を超えたときに「1」に設定される(後述する図4のステップ435を参照。)。更に、フラグXTAの値は、後述する図5のステップ525にて「0」に設定されるとともに、機関10が搭載された車両のイグニッション・キー・スイッチがオフからオンへと変更されたときに実行されるイニシャルルーチンにおいて「0」に設定されるようになっている。
従って、上述した仮定に従えば、フラグXTAの値は「0」である。よって、CPUはステップ505にて「No」と判定してステップ540に進み、目標スロットル弁開度TAtgtに暫定目標スロットル弁開度TAtgtzを設定する。その後、CPUは図4のステップ475へと進む(「B」を参照。)。
CPUは図4のステップ475にて、実スロットル弁開度TAが目標スロットル弁開度TAtgtに一致するように、スロットル弁アクチュエータ34aに指示信号(駆動信号)を送出する。現時点における目標スロットル弁開度TAtgtは、アクセルペダル操作量Accpが大きいほど増大する暫定目標スロットル弁開度TAtgtzである(ブロックB1を参照。)。従って、ステップ475の処理が行われると、実スロットル弁開度TAが暫定目標スロットル弁開度TAtgtzに一致させられるので、実スロットル弁開度TAはアクセルペダル操作量Accpに応じて変化する。即ち、現段階におけるステップ475の処理により、「実スロットル弁開度TA」が「機関10の運転状態(アクセルペダル操作量Accp)」に基づいて決定される「通常目標スロットル弁開度(即ち、暫定目標スロットル弁開度TAtgtz)」に一致するように、「スロットル弁駆動装置(スロットル弁アクチュエータ34a)」に指示信号が送出される。
次に、高負荷運転(例えば、アクセルペダル操作量Accpが非常に大きい状態での運転)が継続される等の理由により、冷却水温THWが冷却水温閾値Tth1を超えたと仮定する。この場合、CPUは図4のステップ400乃至ステップ425の処理の後にステップ430に進み、そのステップ430にて「Yes」と判定する。そして、CPUは、以下に述べるステップ435乃至ステップ455の処理を順に行ってステップ460に進む。
ステップ435:CPUはフラグXTAの値を「1」に設定する。
ステップ440:CPUは、基本閉弁速度(基本スロットル弁閉弁速度)kta1を冷却水温上昇率ΔTHWに基づいて決定する。基本閉弁速度Δkta1は、機関10の発熱量を低下させるためにスロットル弁34を閉じる際の速度の基本値である。
より具体的に述べると、CPUは図4のブロックB2内に示したテーブルMapΔkta1(ΔTHW)に、ステップ410にて取得された実際の冷却水温上昇率ΔTHWを適用することにより、基本閉弁速度Δkta1を取得する。このテーブルMapΔkta1(ΔTHW)によれば、基本閉弁速度Δkta1は冷却水温上昇率ΔTHWが大きいほど大きくなるように決定される。
ステップ445:CPUは、閉弁速度水温補正係数kthwを「冷却水温THW及び冷却水温閾値Tth1」に基づいて決定する。閉弁速度水温補正係数kthwは基本閉弁速度Δkta1を補正するための値(係数)である。
より具体的に述べると、CPUは図4のブロックB3内に示したテーブルMapkthw(THW,Tth1)に「ステップ405にて取得した実際の冷却水温THW」及び「ステップ420にて決定された冷却水温閾値Tth1」を適用することにより、閉弁速度水温補正係数kthwを取得する。このテーブルMapkthw(THW,Tth1)によれば、閉弁速度水温補正係数kthwは冷却水温THWが高くなるほど1.0以上の範囲において大きくなるように求められる。但し、冷却水温THWが冷却水温閾値Tth1以下である場合、閉弁速度水温補正係数kthwは1.0となるように求められる。換言すると、閉弁速度水温補正係数kthwは、冷却水温THWと冷却水温閾値Tth1との差(=THW−Tth1)ΔTが0以下のときに1.0であり、差ΔTが0よりも大きい範囲において増大するにつれて1.0から次第に増大する値となる。
ステップ450:CPUは、基本閉弁速度Δkta1を閉弁速度水温補正係数kthwによって補正することにより、スロットル弁閉弁速度(スロットル弁閉じ速度)ΔTA1を決定する。より具体的に述べると、CPUは基本閉弁速度Δkta1と閉弁速度水温補正係数kthwの積をスロットル弁閉弁速度ΔTA1として設定する。
この結果、スロットル弁閉弁速度ΔTA1は、冷却水温上昇率ΔTHWが大きいほど大きくなり、且つ、冷却水温THWが高いほど大きくなるように、求められる。
ステップ455:CPUは上限スロットル弁開度TAmaxをスロットル弁閉弁速度ΔTA1だけ減少させる。即ち、CPUは下記の(1)式に従って上限スロットル弁開度TAmaxを更新する。なお、以下において添え字(k+1)が付されたパラメータは更新後のパラメータを示し、添え字(k)が付されたパラメータは更新直前のパラメータを示す。なお、上限スロットル弁開度TAmaxは、上述したイニシャルルーチンにおいて「100%(即ち、スロットル弁開度の最大値である全開スロットル弁開度WOT」に設定されるようになっている。即ち、本例における上限スロットル弁開度TAmaxの初期値(上限スロットル弁開度初期値TAwot)は100%である。但し、上限スロットル弁開度TAmaxの初期値は100%よりも小さい一定値(例えば、80%程度)に設定されてもよい。更に、ステップ430にて初めて「Yes」と判定された場合、CPUはステップ455をスキップ(省略)してもよい。
TAmax(k+1)=TAmax(k)−ΔTA1 … (1)
次に、CPUはステップ460に進んで、上限スロットル弁開度TAmaxが暫定目標スロットル弁開度TAtgtzよりも大きいか否かを判定する。このとき、上限スロットル弁開度TAmaxが暫定目標スロットル弁開度TAtgtzよりも大きければ、CPUはステップ460にて「Yes」と判定してステップ465に進み、目標スロットル弁開度TAtgtに暫定目標スロットル弁開度TAtgtzを設定する。
その後、CPUはステップ475へと進み、実スロットル弁開度TAが目標スロットル弁開度TAtgtに一致するように、スロットル弁アクチュエータ34aに指示信号を送出する。従って、この場合、実スロットル弁開度TAが暫定目標スロットル弁開度TAtgtzに一致させられる。
これに対し、ステップ460の処理の実行時点において、上限スロットル弁開度TAmaxが暫定目標スロットル弁開度TAtgtz以下であると、CPUはそのステップ460にて「No」と判定してステップ470に進み、目標スロットル弁開度TAtgtに上限スロットル弁開度TAmaxを設定する。
その後、CPUはステップ475へと進み、実スロットル弁開度TAが目標スロットル弁開度TAtgtに一致するように、スロットル弁アクチュエータ34aに指示信号を送出する。従って、この場合、実スロットル弁開度TAが上限スロットル弁開度TAmaxに一致させられる。即ち、実スロットル弁開度TAは「通常目標スロットル弁開度である暫定目標スロットル弁開度TAtgtz」よりも小さい「発熱量抑制スロットル弁開度である上限スロットル弁開度TAmax」へと減少させられる。
この状態において所定時間tsが経過し、CPUが再び図4のステップ400から処理を開始すると、冷却水温THWが冷却水温閾値Tth1よりも高い限り、CPUはステップ405乃至ステップ460と、ステップ465及びステップ470の何れか一方と、ステップ475と、の処理を実行する。この結果、上限スロットル弁開度TAmaxは、所定時間tsの経過毎にスロットル弁閉弁速度(スロットル弁開度減少幅)ΔTA1だけ減少させられ、暫定目標スロットル弁開度TAtgtzがその上限スロットル弁開度TAmaxよりも大きい限り、目標スロットル弁開度TAtgtは上限スロットル弁開度TAmaxに一致させられる。従って、実スロットル弁開度TAは所定時間tsの経過毎にスロットル弁閉弁速度ΔTA1だけ減少して行く。
これにより、実スロットル弁開度TAが次第に小さくなるので、機関10の吸入空気量Ga(及び、筒内吸入空気量Mc)が低下し、それに伴って混合気量が低下する。このとき、混合気の空燃比は一定(上流側空燃比abyfs、即ち、理論空燃比stoich)である。従って、機関10の発熱量が低下する。この結果、冷却水温THWは速やかに低下し、所定の時間が経過すると冷却水温閾値Tth1以下になる。
このとき、CPUが図4のステップ400から処理を開始すると、CPUはステップ405乃至ステップ425に続くステップ430にて「No」と判定し、図5のステップ505へと進む。
この時点において、フラグXTAは「1」に設定されている(図4のステップ435を参照。)。従って、CPUはステップ505にて「Yes」と判定してステップ510に進み、上限スロットル弁開度TAmaxをスロットル弁開弁速度(スロットル弁開き速度、スロットル弁開度増大幅)ΔTA2だけ増大させる。即ち、CPUは下記の(2)式に従って上限スロットル弁開度TAmaxを更新する。なお、スロットル弁開弁速度ΔTA2は一定値(所定値)であるが、冷却水温THWが高いほど小さくなるように定められてもよい。
TAmax(k+1)=TAmax(k)+ΔTA2 (2)
次に、CPUはステップ515に進み、上限スロットル弁開度TAmaxが100%(全開スロットル弁開度WOT)以下であるか否かを判定する。このとき、上限スロットル弁開度TAmaxが100%以下であれば、CPUはステップ515にて「Yes」と判定してステップ535に進む。
そして、CPUはステップ535にて、上限スロットル弁開度TAmaxが暫定目標スロットル弁開度TAtgtzよりも大きいか否かを判定する。このとき、上限スロットル弁開度TAmaxが暫定目標スロットル弁開度TAtgtzよりも大きければ、CPUはステップ535にて「Yes」と判定してステップ540に進み、目標スロットル弁開度TAtgtに暫定目標スロットル弁開度TAtgtzを設定する。これに対し、ステップ535の処理の実行時点において、上限スロットル弁開度TAmaxが暫定目標スロットル弁開度TAtgtz以下であると、CPUはそのステップ535にて「No」と判定してステップ545に進み、目標スロットル弁開度TAtgtに上限スロットル弁開度TAmaxを設定する。その後、CPUは図4のステップ475へと進む。
以上の処理(図5のステップ505、ステップ510及びステップ515の処理)により、上限スロットル弁開度TAmaxは所定時間tsの経過毎にスロットル弁開弁速度ΔTA2だけ増大せしめられる。従って、暫定目標スロットル弁開度TAtgtzがそのように定められる上限スロットル弁開度TAmaxよりも大きければ、実スロットル弁開度TAはスロットル弁開弁速度ΔTA2にて増大して行く(ステップ535乃至ステップ545の処理を参照。)。
このような状態が継続すると、上限スロットル弁開度TAmaxは100%以上になる。この場合、CPUはステップ515にて「No」と判定し、以下に述べるステップ520乃至ステップ530の処理を順に行ってステップ535に進む。
ステップ520:CPUは、上限スロットル弁開度TAmaxに100%(全開スロットル弁開度WOT)を設定する。
ステップ525:CPUは、フラグXTAの値を「0」に設定する。
ステップ530:CPUは、初期値設定済フラグXTAmaxの値を「0」に設定する。なお、初期値設定済フラグXTAmaxは本実施例では使用されないので、本実施例においてステップ530は省略されてもよい。
その後、CPUはステップ535に進む。この場合、上限スロットル弁開度TAmaxは100%に設定されているから、暫定目標スロットル弁開度TAtgtzは常に上限スロットル弁開度TAmaxよりも小さい。従って、CPUはステップ535にて「Yes」と判定してステップ540に進み、目標スロットル弁開度TAtgtに暫定目標スロットル弁開度TAtgtzを設定し、その後、図4のステップ475へと進む。以上が、第1装置の作動である。
なお、冷却水温THWが冷却水温閾値Tth1を超えたことにより実スロットル弁開度TAが減少され、それによって冷却水温THWが冷却水温閾値Tth1よりも低くなった状態であって、且つ、フラグXTAが「1」である状態(即ち、上限スロットル弁開度TAmaxが100%にまで増大していない段階)において、冷却水温THWが冷却水温閾値Tth1よりも再び高くなると、CPUは図4のステップ430にて「Yes」と判定してステップ435以降の処理を実行する。従って、このような場合、上限スロットル弁開度TAmaxは100%よりも小さい値から減少を開始する。
以上、説明したように、第1装置は、
内燃機関10の冷却水と外気との間で熱交換させることにより同冷却水を冷却するラジエータ(80)と、
前記機関の吸入空気量を変更するために前記機関の吸気通路に配設されたスロットル弁(34)の実際の開度である実スロットル弁開度を指示信号に応答して変更するように構成されたスロットル弁駆動装置(34a)と、
前記実スロットル弁開度が前記機関の運転状態(機関負荷であるアクセルペダル操作量Accp及び機関回転速度NE等)に基づいて決定される通常目標スロットル弁開度(暫定目標スロットル弁開度TAtgtz)に一致するように前記スロットル弁駆動装置に指示信号を送出するスロットル弁制御手段(図4のステップ425、図5のステップ540、及び、図4のステップ475等)
を備えた内燃機関の制御装置であって、
前記冷却水の実際の温度である冷却水温THWを取得する冷却水温取得手段(冷却水温センサ56及び図4のステップ405)と、
前記冷却水温の単位時間あたりの増大量を表す冷却水温上昇率ΔTHWを取得する上昇率取得手段(図4のステップ410及びステップ415)と、
を備え、
前記スロットル弁制御手段は、
前記取得された冷却水温THWが、「前記取得された冷却水温上昇率ΔTHWが大きいほど小さくなる冷却水温閾値Tth1」より高くなった場合(図4のステップ420及びステップ430での「Yes」との判定を参照。)、前記実スロットル弁開度TAが「前記通常目標スロットル弁開度(暫定目標スロットル弁開度TAtgtz)よりも小さい発熱量抑制スロットル弁開度(上限スロットル弁開度TAmax)」に一致するように前記スロットル弁駆動装置に指示信号を送出するように構成されている(ステップ440乃至ステップ445、ステップ460、ステップ470及びステップ475)。
従って、第1装置は、冷却水温上昇率ΔTHWが大きいほど、より早いタイミング(冷却水温THWがより低い値である時点)からスロットル弁開度を減少させることができる。その結果、第1装置は、適切な時点から吸入空気量(従って、混合気量)を低下させることができるので、機関10の発熱量(従って、冷却水が機関10から受ける熱量)を低下させることができる。よって、第1装置は、冷却水温THWが過度に上昇してしまうことを効果的に抑制することができる。
図6は、第1装置の作動及び効果を示したタイムチャートである。図6に示した例においては、時刻t1において機関の負荷(実スロットル弁開度)が急激に増大し、機関10が発生する熱量(機関10の発熱量)が急増している。これに伴い、冷却水温THWも時刻t1以降において上昇し始める。
仮に、冷却水温THWが初期冷却水温閾値Tth1intを超えた時点(時刻t3)以降においても、実線L1により示したように、実スロットル弁開度TAを小さくしないと(機関発熱量を高い値のまま放置すると)、実線C1により示したように、冷却水温THWは上昇を続ける。その結果、機関10はオーバーヒート状態となる。
一方、冷却水温THWが初期冷却水温閾値Tth1intを超えた時点(時刻t3)以降において、一点鎖線L2により示したように、実スロットル弁開度TAを小さくすることによって機関発熱量を低下させた場合、一点鎖線C2により示したように、冷却水温THWは時刻t4まで上昇を続け、時刻t4以降において低下し始める。しかしながら、この場合、時刻t4における冷却水温THWは過度に高い温度THWohに到達しているので、機関10はオーバーヒート状態又はオーバーヒート状態に極めて近い状態となる。このように、冷却水温THWが低下し始める時点(時刻t4)が機関発熱量を低下させた時点(時刻t3)より遅れるのは、機関10のシリンダヘッド部、シリンダブロック部及び冷却水等が大きな熱容量を有しているからである。
これに対し、第1装置によれば、時刻t1以降において冷却水温上昇率ΔTHWが大きくなることに伴って冷却水温閾値Tth1が初期冷却水温閾値Tth1intよりも小さい値に設定される。従って、破線C3により示したように、時刻t3よりも前の時点である時刻t2にて冷却水温THWが冷却水温閾値Tth1を越えるので、破線L3により示したように、その時刻t3以降において実スロットル弁開度TAを小さくすることにより、機関発熱量を早い段階から減少させることができる。その結果、破線C3により示したように、冷却水温THWの上昇速度が時刻t2以降において小さくなるので、冷却水温THWは最大でも初期冷却水温閾値Tth1int近傍の値にまでしか高くならない。即ち、第1装置によれば、「機関10はオーバーヒート状態又はオーバーヒート状態に極めて近い状態となること」を確実に回避することができる。
更に、前記スロットル弁制御手段は、前記取得された冷却水温THWが前記冷却水温閾値Tth1より高くなっている期間において(図4のステップ430における「Yes」との判定を参照。)、前記発熱量抑制スロットル弁開度を「所定の上限スロットル弁開度初期値TAwot(本例において、全開スロットル弁開度WOT=100%)」から「所定のスロットル弁閉じ速度(スロットル弁閉弁速度ΔTA1)」にて減少させるように構成されている(図4のステップ440乃至ステップ460、ステップ470及びステップ475を参照。)。
これによれば、スロットル弁閉弁速度ΔTA1にて次第に減少させられる。従って、少なくとも、実スロットル弁開度TAがスロットル弁閉弁速度ΔTA1にて次第に減少させられている期間、急激なトルク変動が発生することを回避することができる。
更に、前記スロットル弁制御手段は、
(1)「前記取得された冷却水温THWが前記冷却水温閾値Tth1より高くなった時点(図4のステップ430における「Yes」との判定を参照。)」から「スロットル弁開度の上限値である上限スロットル弁開度TAmax」を「前記上限スロットル弁開度初期値TAwot(100%、全開スロットル弁開度WOT)から前記スロットル弁閉弁速度ΔTA1にて減少させる」とともに(ステップ440乃至ステップ455)、
(2)「前記通常目標スロットル弁開度(暫定目標スロットル弁開度TAtgtz)」が「前記上限スロットル弁開度TAmax」よりも大きいとき(ステップ460における「No」との判定を参照。)、前記実スロットル弁開度TAが「前記発熱量抑制スロットル弁開度としての前記上限スロットル弁開度TAmax」に一致するように、前記スロットル弁駆動装置34aに指示信号を送出するように構成されている(ステップ460、ステップ470及びステップ475)。
これによれば、冷却水温THWが冷却水温閾値Tth1より高くなった時点(第1時点)において「通常目標スロットル弁開度(即ち、その第1時点における暫定目標スロットル弁開度TAtgtzと等しくなるように設定されている実スロットル弁開度TA)」が上限スロットル弁開度初期値TAwotよりも大きければ、実スロットル弁開度TAは直ちに上限スロットル弁開度初期値TAwotへと減少させられる。
但し、第1装置において、上限スロットル弁開度初期値TAwotは100%(全開スロットル弁開度WOT)に設定されているので、前記第1時点において実スロットル弁開度TAが上限スロットル弁開度初期値TAwotに設定されることはなく、実スロットル弁開度TAは、その後、実スロットル弁開度TAが「減少する上限スロットル弁開度TAmax」よりも大きくなった時点から、スロットル弁閉弁速度ΔTA1にて次第に小さくなる。この結果、オーバーヒートを回避する際に吸入空気量(従って、混合気量)が徐々に低下するので、「大きなトルク変化に起因するショック」が発生することを回避することができる。
一方、前記第1時点における通常目標スロットル弁開度(即ち、その第1時点における暫定目標スロットル弁開度TAtgtzと等しくなるように設定されている実スロットル弁開度TA)」が「前記上限スロットル弁開度TAmax」以下であると、「通常目標スロットル弁開度(暫定目標スロットル弁開度TAtgtz)」が「上限スロットル弁開度初期値TAwotからスロットル弁閉弁速度ΔTA1にて減少させられる上限スロットル弁開度TAmax」よりも大きくなったとき(第2時点)、実スロットル弁開度TAは「発熱量抑制スロットル弁開度としての上限スロットル弁開度TAmax」に一致させられる。
換言すると、実スロットル弁開度TAは、「通常目標スロットル弁開度(暫定目標スロットル弁開度TAtgtz)」が「次第に減少する上限スロットル弁開度TAmax」よりも大きい限り、その上限スロットル弁開度TAmaxに一致させられ、スロットル弁閉弁速度ΔTA1にて次第に減少させられることになる。
従って、この場合、実スロットル弁開度TAは「実スロットル弁開度TAと上限スロットル弁開度TAmaxとが一致した時点」からスロットル弁閉弁速度ΔTA1にて次第に減少するので、大きなトルクショックが発生することを回避することができる。
これに対し、上限スロットル弁開度TAmaxの初期値(上限スロットル弁開度初期値)が100%よりも小さい所定値に設定されている場合、その上限スロットル弁開度初期値を「その値以上の領域でスロットル弁開度が変化しても機関10の発生トルクが大きく変動し得ないような比較的大きい値である上述したサチュレーション開度」の近傍に設定しておくことが好ましい。
これによれば、前記第1時点において実スロットル弁開度TAが上限スロットル弁開度TAmax(この時点においては上限スロットル弁開度初期値)よりも大きいことに起因して、実スロットル弁開度TAが上限スロットル弁開度初期値へと減少させられた場合であっても、そのときに発生するトルク変動を小さくすることができる。
更に、前記スロットル弁制御手段は、
冷却水温上昇率ΔTHWが大きいほどスロットル弁閉弁速度ΔTA1が大きくなるように、スロットル弁閉弁速度ΔTA1を設定するように構成されている(図4のステップ440及びステップ450)。
例えば、冷却水温THWが緩慢に上昇した場合、冷却水温上昇率ΔTHWはそれほど大きくならない。従って、冷却水温閾値Tth1は低下しないので、冷却水温THWが冷却水温閾値Tth1を越えるタイミングは遅くなる。この場合、冷却水温THWが冷却水温閾値Tth1を越えた直後から高負荷運転が開始されると、冷却水温THWは極めて高温になる可能性がある。
そこで、第1装置のように、「冷却水温上昇率ΔTHWが大きいほどスロットル弁閉弁速度ΔTA1が大きくなるようにスロットル弁閉弁速度ΔTA1を設定する」。これによれば、冷却水温THWが冷却水温閾値Tth1を越えた直後から高負荷運転が開始されるような状況であっても、実スロットル弁開度TAが速やかに小さくなるので、冷却水温THWの過度な上昇を抑制することができる。その結果、オーバーヒートが発生する可能性をより低くすることができる。
<第2実施形態>
次に、本発明の第2実施形態に係る内燃機関の制御装置(以下、単に「第2装置」と称呼する。)について説明する。
第2装置は、上限スロットル弁開度初期値TAwotを機関回転速度NEに基づいて変更する点においてのみ第1装置と相違している。従って、以下、この相違点を中心として説明する。
第2装置のCPUは、図4に代わる図7と、図5と、においてフローチャートにより示した「機関発熱量抑制制御ルーチン」を所定時間tsが経過する毎に実行するようになっている。なお、図7において図4に示したステップと同一の処理を行うためのステップには、図4のそのようなステップに付された符号と同一の符号が付されている。これらのステップについての詳細な説明は省略される。
所定のタイミングになると、CPUは図7のステップ700から処理を開始し、ステップ405乃至ステップ425の処理を行った後、ステップ430に進む。このとき、冷却水温THWが冷却水温閾値Tth1以下であると、CPUはステップ430にて「No」と判定し図5のステップ505へと進む(「A」を参照。)。そして、CPUは図5のステップ505及びステップ540の処理を実行した後に図7のステップ475へと戻る(「B」を参照。)。
以上の処理により、「実スロットル弁開度TA」が「機関10の運転状態」に基づいて決定される「通常目標スロットル弁開度(即ち、暫定目標スロットル弁開度TAtgtz)」に一致するように、「スロットル弁駆動装置(スロットル弁アクチュエータ34a)」に指示信号が送出される。
次に、機関10の高負荷運転が継続される等の理由により、冷却水温THWが冷却水温閾値Tth1を超えたと仮定する。この場合、CPUは図7のステップ400乃至ステップ425の処理の後にステップ430に進み、そのステップ430にて「Yes」と判定する。そして、CPUは、上述したステップ435乃至ステップ450の処理を順に実行する。これにより、フラグXTAの値が「1」に設定されるとともに、スロットル弁閉弁速度ΔTA1が決定される。
次いで、CPUはステップ710に進み、上限スロットル弁開度初期値TAwotを機関回転速度NEに基づいて決定する。より具体的に述べると、CPUは図7のブロックB4内に示したテーブルMapTAwot(NE)に実際の機関回転速度NEを適用することにより、上限スロットル弁開度初期値TAwotを取得する。
このテーブルMapTAwot(NE)によれば、上限スロットル弁開度初期値TAwotは機関回転速度NEが大きくなるほど大きくなるように決定される。上限スロットル弁開度初期値TAwotは、その上限スロットル弁開度初期値TAwot以上の開度においてスロットル弁開度を変更しても吸入空気量が実質的に変化しないために機関発熱量及び機関発生トルクの何れもが実質的に変化しないような値(サチュレーション開度)に設定される。
次に、CPUはステップ720に進み、初期値設定済フラグXTAmaxの値が「0」であるか否かを判定する。この初期値設定済フラグXTAmaxの値は、上述したイニシャルルーチンにおいて「0」に設定されるようになっている。また、初期値設定済フラグXTAmaxの値は、上限スロットル弁開度TAmaxが上限スロットル弁開度初期値TAwotに設定されるか、又は、上限スロットル弁開度TAmaxが暫定目標スロットル弁開度TAtgtzに設定されたとき、後述するステップ760にて「1」に設定されるようになっている。
従って、現時点において、初期値設定済フラグXTAmaxの値は「0」であるので、CPUはステップ720にて「Yes」と判定してステップ730に進み、上限スロットル弁開度初期値TAwotが暫定目標スロットル弁開度TAtgtz以上であるか否かを判定する。そして、上限スロットル弁開度初期値TAwotが暫定目標スロットル弁開度TAtgtz以上であれば、CPUはステップ730にて「Yes」と判定してステップ740に進み、上限スロットル弁開度TAmaxに暫定目標スロットル弁開度TAtgtzを設定する。その後、CPUはステップ760に進む。
これに対し、ステップ730の処理の実行時点において、上限スロットル弁開度初期値TAwotが暫定目標スロットル弁開度TAtgtzよりも小さいと、CPUはそのステップ730にて「No」と判定してステップ750に進み、上限スロットル弁開度TAmaxに上限スロットル弁開度初期値TAwotを設定する。その後、CPUはステップ760に進む。
CPUはステップ760にて初期値設定済フラグXTAmaxの値を「1」に設定し、ステップ455にて上限スロットル弁開度TAmaxを更新する。その後、CPUはステップ460以降の処理を実行する。
この結果、冷却水温THWが冷却水温閾値Tth1を上回った直後の時点(第1時点)において、上限スロットル弁開度初期値TAwotが暫定目標スロットル弁開度TAtgtz以上であれば、上限スロットル弁開度TAmaxは暫定目標スロットル弁開度TAtgtzに一致せしめられ、上限スロットル弁開度TAmaxはその暫定目標スロットル弁開度TAtgtzからスロットル弁閉弁速度ΔTA1にて減少させられる。この結果、前記第1時点において上限スロットル弁開度初期値TAwotが暫定目標スロットル弁開度TAtgtz以上であるならば、実スロットル弁開度TAは「第1時点の実スロットル弁開度TAである暫定目標スロットル弁開度TAtgtz」から減少させられる。従って、吸入空気量及び機関発熱量は直ちに低下する。
一方、冷却水温THWが冷却水温閾値Tth1を上回った直後の時点(第1時点)において、上限スロットル弁開度初期値TAwotが暫定目標スロットル弁開度TAtgtzよりも小さいと、実スロットル弁開度TAを「第1時点の実スロットル弁開度TAである暫定目標スロットル弁開度TAtgtz」から減少させ始めたのでは吸入空気量及び機関発熱量は直ちに低下しない。
そこで、CPUは、上述したように、前記第1時点において、上限スロットル弁開度初期値TAwotが暫定目標スロットル弁開度TAtgtzよりも小さいと、上限スロットル弁開度TAmaxに上限スロットル弁開度初期値TAwotを設定する。これにより、実スロットル弁開度TAは、上限スロットル弁開度初期値TAwotまで一気に低下させられ、その後、その値からスロットル弁閉弁速度ΔTA1にて減少させられる。この結果、冷却水温THWが冷却水温閾値Tth1を上回った直後の時点から、吸入空気量及び機関発熱量は直ちに低下する。
なお、この状態において、次にCPUが図7に示したルーチンの処理を行うと、初期値設定済フラグXTAmaxの値が「1」に設定されているから、CPUはステップ720にて「No」と判定してステップ455に直接進むようになる。
その後、冷却水温THWが低下して冷却水温閾値Tth1を下回ると、CPUはステップ430に進んだとき「No」と判定して図5のステップ505に進み、そのステップ505以降の処理を実行し、再び、図7のステップ475に戻る。なお、この処理により、上限スロットル弁開度TAmaxが100%以上となったとき、初期値設定済フラグXTAmaxの値がステップ530にて「0」に設定される。
以上、説明したように、第2装置は、冷却水温THWが冷却水温閾値Tth1より高くなった時点にて、上限スロットル弁開度初期値TAwotを「機関回転速度NEが低いほど小さくなる値」に設定するように構成されたスロットル弁制御手段を備える(図7のステップ710乃至ステップ750等を参照。)。
機関の吸入空気量は、例えば、機関回転速度が低い場合、スロットル弁開度が全開スロットル弁開度WOT(100%)よりも相当に小さい値(サチユレーション開度)に到達したときに実質的に最大値となる。換言すると、実スロットル弁開度TAがサチユレーション開度以上の領域において変化しても、吸入空気量(従って、機関発熱量)は殆ど変化しない。このサチユレーション開度は機関回転速度が低いほど小さくなる。
従って、冷却水温THWが冷却水温閾値Tth1より高くなった時点において、スロットル弁開度をサチユレーション開度以上の領域において低下させたとしても、機関発熱量は低下しないので、冷却水温THWを速やかに低下させることができない。
そこで、第2装置のように、冷却水温THWが冷却水温閾値Tth1より高くなった時点にて、上限スロットル弁開度初期値TAwotを「機関回転速度NEが低いほど小さくなる値」に設定する。これにより、実スロットル弁開度TAはサチユレーション開度にまで一気に低下させられるとともに、それ以降において、サチユレーション開度よりも小さい領域においてスロットル弁閉弁速度ΔTA1にて減少させられる。その結果、吸入空気量が速やかに且つ確実に減少するので、機関発熱量も確実に減少するから、冷却水温THWの上昇を速やかに抑制することができる。
なお、CPUは、ステップ760の処理の実行後、ステップ455を実行することなくステップ460以降に進んでもよい。
<第3実施形態>
次に、本発明の第3実施形態に係る内燃機関の制御装置(以下、単に「第3装置」と称呼する。)について説明する。
第3装置は、スロットル弁閉弁速度ΔTA1を機関回転速度NEにも基づいて変更する点においてのみ第2装置と相違している。従って、以下、この相違点を中心として説明する。
第3装置のCPUは、図7の「破線G1により囲まれた複数のステップ(ステップ435〜ステップ450、及び、ステップ710)」を「図8に示した複数のステップ」に置換したルーチンと、図5に示したルーチンと、からなる「機関発熱量抑制制御ルーチン」を所定時間tsが経過する毎に実行するようになっている。なお、図8において図4又は図7に示したステップと同一の処理を行うためのステップには、図4又は図7のそのようなステップに付された符号と同一の符号が付されている。これらのステップについての詳細な説明は省略される。
より具体的に述べると、冷却水温THWが冷却水温閾値Tth1を超えることによってCPUが図7のステップ430にて「Yes」と判定すると、CPUは図8のステップ435乃至ステップ445の処理を実行する。これにより、フラグXTAの値が「1」に設定され、基本閉弁速度Δkta1が決定され、且つ、閉弁速度水温補正係数kthwが決定される。
次に、CPUはステップ810に進み、閉弁速度回転補正係数kNEを決定する。より具体的に述べると、CPUは図8のブロックB5内に示したテーブルMapkNE(NE)に実際の機関回転速度NEを適用することにより、閉弁速度回転補正係数kNEを取得する。このテーブルMapkNE(NE)によれば、閉弁速度回転補正係数kNEは機関回転速度NEが低くなるほど1.0以下の範囲内において小さくなるように設定される。
次に、CPUはステップ820に進み、基本閉弁速度Δkta1を「閉弁速度水温補正係数kthw及び閉弁速度回転補正係数kNE」によって補正することにより、スロットル弁閉弁速度ΔTA1を決定する。より具体的に述べると、CPUは基本閉弁速度Δkta1と閉弁速度水温補正係数kthwと閉弁速度回転補正係数kNEとの積をスロットル弁閉弁速度ΔTA1として設定する。
この結果、スロットル弁閉弁速度ΔTA1は、冷却水温上昇率ΔTHWが大きいほど大きくなり、冷却水温THWが高いほど大きくなり、且つ、機関回転速度NEが低いほど小さくなるように、求められる。
次に、CPUはステップ710に進み、上限スロットル弁開度初期値TAwotを決定し、図7のステップ720以降に進む。
このように、第3装置は、機関回転速度NEが低いほどスロットル弁閉弁速度ΔTA1が小さくなるようにスロットル弁閉弁速度ΔTA1を設定するスロットル弁制御手段を備える(図8のステップ810及びステップ820)。
スロットル弁開度が単位時間あたり一定量だけ変化した場合、吸入空気量は機関回転速度NEが低いほど大きく変化する。即ち、スロットル弁開度に対する吸入空気量の感度は機関回転速度NEが低いほど高い。従って、冷却水温THWの上昇を抑制するために、機関回転速度NEに依存しないスロットル弁閉弁速度ΔTA1にて実スロットル弁開度TAを減少させると、機関回転速度NEが低い場合に機関10の発生するトルクの変動量が大きくなる。その結果、ドライバビリティが悪化する怖れがある。
これに対し、第3装置によれば、スロットル弁閉弁速度ΔTA1が、機関回転速度NEが低いほど小さくなるように設定される。従って、スロットル弁開度に対する吸入空気量の感度が高い低回転速度運転時において、機関10の発生トルクの変動量が過大になることを回避することができる。従って、ドライバビリティが悪化することを回避することができる。
<第4実施形態>
次に、本発明の第4実施形態に係る内燃機関の制御装置(以下、単に「第4装置」と称呼する。)について説明する。
第4装置は、冷却水温THWが冷却水温閾値Tth1を超えることによって実スロットル弁開度TAを減少させ始めた後であっても、更に、冷却水温THWが所定の高温に達するか又は「許容レベルを超える上昇率」にて上昇を続けた場合、スロットル弁閉弁速度ΔTA1を更に大きくする点においてのみ第2装置と相違している。従って、以下、この相違点を中心として説明する。
第4装置のCPUは、図7の「一点鎖線G2により囲まれた複数のステップ(ステップ720乃至ステップ760、及び、ステップ455)」を「図9に示した複数のステップ」に置換したルーチンと、図5に示したルーチンと、からなる「機関発熱量抑制制御ルーチン」を所定時間tsが経過する毎に実行するようになっている。なお、図9において図4及び図7等の既に説明した図面に示したステップと同一の処理を行うためのステップには、それらの図のそのようなステップに付された符号と同一の符号が付されている。これらのステップについての詳細な説明は省略される。
より具体的に述べると、CPUは、図7のステップ710にて上限スロットル弁開度初期値TAwotを決定した後、図9のステップ720乃至ステップ760のうちの適切なステップの処理を実行してステップ910へと進む。そして、CPUはステップ910にて、冷却水温THWが限界冷却水温閾値(高側冷却水温閾値)Tth2よりも低いか否かを判定する。限界冷却水温閾値Tth2は、冷却水温閾値(低側冷却水温閾値)Tth1よりも所定温度T1だけ高い温度である。このとき、冷却水温THWが限界冷却水温閾値Tth2よりも低ければ、CPUはステップ910にて「Yes」と判定し、直接ステップ455へと進む。
これに対し、CPUがステップ910の処理を実行する時点において、冷却水温THWが限界冷却水温閾値Tth2以上となっていると、CPUはそのステップ910にて「No」と判定してステップ920に進み、スロットル弁閉弁速度ΔTA1を増大させる。より具体的に述べると、CPUはステップ920にて、それ以前までに決定されていたスロットル弁閉弁速度ΔTA1を「1.0よりも大きい定数k(例えば、k=2.0)」倍することにより、スロットル弁閉弁速度ΔTA1を増大させる。その後、CPUはステップ455に進む。
そして、CPUはステップ455にて上限スロットル弁開度TAmaxをスロットル弁閉弁速度ΔTA1だけ減少させ、図7のステップ460へと進む。
なお、第4装置の変形例として、図9のステップ910を、冷却水温上昇率ΔTHWが所定の許容上昇率閾値ΔTHWlimitthよりも小さいか否かを判定するステップに置換し、そのステップにて、冷却水温上昇率ΔTHWが許容上昇率閾値ΔTHWlimitthよりも小さいと判定される場合にはステップ455へと進み、冷却水温上昇率ΔTHWが許容上昇率閾値ΔTHWlimitth以上であると判定される場合にはステップ920へと進むようにプログラムを構成してもよい。更に、図9のステップ910とステップ455との間に、「冷却水温上昇率ΔTHWが所定の許容上昇率閾値ΔTHWlimitthよりも小さいか否かを判定するステップ」を追加し、そのステップにて冷却水温上昇率ΔTHWが許容上昇率閾値ΔTHWlimitthよりも小さいと判定される場合にはステップ455へと進み、冷却水温上昇率ΔTHWが許容上昇率閾値ΔTHWlimitth以上であると判定される場合にはステップ920へと進むようにプログラムを構成してもよい。
以上、説明したように、第4装置及びその変形例は、冷却水温閾値Tth1が冷却水温閾値Tth1(低側冷却水温閾値Tth1)より高くなった時点以降において、
(条件A)冷却水温THWが「冷却水温閾値Tth1よりも高い限界冷却水温閾値Tth2」に到達するか、又は、
(条件B)冷却水温上昇率ΔTHWが許容上昇率閾値ΔTHWlimitthよりも大きくなった場合、
スロットル弁閉弁速度ΔTA1を(前記条件A及び前記条件Bがいずれも成立しない場合に比較して)更に大きくするように構成されている(ステップ920)。
機関10の運転状況によっては、通常のスロットル弁閉弁速度ΔTA1にて実スロットル弁開度TAを低下させるだけでは、冷却水温THWの上昇を充分に抑制できず、冷却水温THWが「冷却水温閾値Tth1よりも高く且つそれ以上温度が上昇することは機関のオーバーヒートを招く可能性が極めて高い温度(限界冷却水温閾値Tth2)」に到達してしまう場合があり得る。
そこで、第4装置及びその変形例は、上記条件A又は条件Bの何れかが成立すると、スロットル弁閉弁速度ΔTA1を増大せしめる。この結果、通常のスロットル弁閉弁速度ΔTA1にて実スロットル弁開度TAを低下させるだけでは冷却水温THWの上昇を充分に抑制できない場合であっても、吸入空気量及び機関発熱量を一層迅速に減少させることができるので、冷却水温THWが限界冷却水温閾値Tth2を大幅に上回ることを回避することができる。
なお、第7装置は、前記条件Aが成立するか否か及び前記条件Bが成立するか否かの両方を監視し且つ前記条件A及び前記条件Bの少なくとも一方が成立したときにスロットル弁閉弁速度ΔTA1を増大するように構成されてもよい。更に、第7装置は、上記フローチャートにより示したように、前記条件Aのみが成立するか否かを監視し且つ前記条件Aが成立したときにスロットル弁閉弁速度ΔTA1を増大するように構成されてもよい。或いは、第7装置は、前記条件Bのみが成立するか否かを監視し且つ前記条件Bが成立したときにスロットル弁閉弁速度ΔTA1を増大するように構成されてもよい。
<第5実施形態>
次に、本発明の第5実施形態に係る内燃機関の制御装置(以下、単に「第5装置」と称呼する。)について説明する。
第5装置は、冷却水温THWが冷却水温閾値Tth1を超えることによって実スロットル弁開度TAを減少させ始めた後であっても、更に、冷却水温THWが所定の高温に達するか又は「許容レベルを超える上昇率」にて上昇を続けた場合、スロットル弁開度を「全閉スロットル弁開度(スロットル弁34が完全に閉じられてアイドル運転が実行されるようになるときのスロットル弁開度であるアイドル運転時スロットル弁開度)」にまで一気に減少させる点においてのみ第2装置と相違している。従って、以下、この相違点を中心として説明する。
第5装置のCPUは、図7の「一点鎖線G3により囲まれた複数のステップ」を「図10に示した複数のステップ」に置換したルーチンと、図5に示したルーチンと、からなる「機関発熱量抑制制御ルーチン」を所定時間tsが経過する毎に実行するようになっている。なお、図10において既に説明したステップと同一の処理を行うためのステップには、それらのステップに付された符号と同一の符号が付されている。これらのステップについての詳細な説明は省略される。
より具体的に述べると、CPUは、図7のステップ710にて上限スロットル弁開度初期値TAwotを決定した後、図10のステップ720乃至ステップ760のうちの適切なステップの処理を実行してステップ910へと進む。そして、CPUはステップ910にて、冷却水温THWが限界冷却水温閾値Tth2よりも低いか否かを判定する。このとき、冷却水温THWが限界冷却水温閾値Tth2よりも低ければ、CPUはステップ910にて「Yes」と判定し、ステップ455以降へと進む。
これに対し、CPUがステップ910の処理を実行する時点において、冷却水温THWが限界冷却水温閾値Tth2以上となっていると、CPUはそのステップ910にて「No」と判定してステップ1010に進み、目標スロットル弁開度TAtgtを全閉スロットル弁開度(0%、アイドル運転時スロットル弁開度)TAidleに設定する。その後、CPUはステップ475に進む。これにより、実スロットル弁開度TAは直ちに全閉スロットル弁開度TAidleに一致するように減少させられる。
なお、第5装置の変形例として、図10のステップ910を、冷却水温上昇率ΔTHWが所定の許容上昇率閾値ΔTHWlimitthよりも小さいか否かを判定するステップに置換し、そのステップにて、冷却水温上昇率ΔTHWが許容上昇率閾値ΔTHWlimitthよりも小さいと判定される場合にはステップ455以降へと進み、冷却水温上昇率ΔTHWが許容上昇率閾値ΔTHWlimitth以上であると判定される場合にはステップ1010へと進むようにプログラムを構成してもよい。また、図10のステップ910とステップ455の間に、冷却水温上昇率ΔTHWが所定の許容上昇率閾値ΔTHWlimitthよりも小さいか否かを判定するステップを追加し、そのステップにて、冷却水温上昇率ΔTHWが許容上昇率閾値ΔTHWlimitthよりも小さいと判定される場合にはステップ455以降へと進み、冷却水温上昇率ΔTHWが許容上昇率閾値ΔTHWlimitth以上であると判定される場合にはステップ1010へと進むようにプログラムを構成してもよい。
以上、説明したように、第5装置及びその変形例は、冷却水温閾値Tth1が冷却水温閾値Tth1(低側冷却水温閾値Tth1)より高くなった時点以降において、
(条件C)冷却水温THWが「冷却水温閾値Tth1よりも高い限界冷却水温閾値Tth2」に到達するか、又は、
(条件D)冷却水温上昇率ΔTHWが許容上昇率閾値ΔTHWlimitthよりも大きくなった場合、
実スロットル弁開度TAを直ちに全閉スロットル弁開度TAidleに一致させるように構成されている。
上述したように、機関10の運転状況によっては、通常のスロットル弁閉弁速度ΔTA1にて実スロットル弁開度TAを低下させるだけでは、冷却水温THWの上昇を充分に抑制できず、冷却水温THWが上記限界冷却水温閾値Tth2に到達してしまう場合があり得る。
そこで、第5装置及びその変形例は、上記条件C又は上記条件Dの何れかが成立すると、スロットル弁開度を直ちに全閉スロットル弁開度TAidleにまで減少させる。この結果、通常のスロットル弁閉弁速度ΔTA1にて実スロットル弁開度TAを低下させるだけでは冷却水温THWの上昇を充分に抑制できない場合であっても、吸入空気量及び機関発熱量を確実且つ直ちに減少させることができるので、冷却水温THWが限界冷却水温閾値Tth2を大幅に上回ることを回避することができる。
<第6実施形態>
次に、本発明の第6実施形態に係る内燃機関の制御装置(以下、単に「第6装置」と称呼する。)について説明する。
第6装置は、ラジエータの冷却効率が低いほど冷却水温閾値Tth1を低下させる点においてのみ第2装置と相違している。従って、以下、この相違点を中心として説明する。
第6装置のCPUは、「図7のステップ405乃至420」を「図11に示した複数のステップ」に置換したルーチンと、図5に示したルーチンと、からなる「機関発熱量抑制制御ルーチン」を所定時間tsが経過する毎に実行するようになっている。なお、図11において既に説明したステップと同一の処理を行うためのステップには、それらのステップに付された符号と同一の符号が付されている。これらのステップについての詳細な説明は省略される。
より具体的に述べると、CPUは、図7のステップ700から処理を開始すると、図11のステップ405乃至ステップ415の処理を実行する。その後、CPUは、以下に述べるステップ1110乃至ステップ1150の処理を順に行い、その後、図7のステップ425へと戻る。
ステップ1110:CPUは、ステップ410にて取得した冷却水温上昇率ΔTHWに基づいて冷却水温基本閾値Tth1iを決定する。より具体的に述べると、CPUは図11のステップ1110内に示したテーブルMapTth1i(ΔTHW)に「ステップ410にて取得した冷却水温上昇率ΔTHW」を適用することにより、冷却水温基本閾値Tth1iを取得する。このテーブルMapTth1i(ΔTHW)は、図4又は図7のステップ420において使用するテーブルMapTth1(ΔTHW)と同じテーブルである。従って、冷却水温基本閾値Tth1iは、冷却水温上昇率ΔTHWが大きいほど小さくなるように求められる。
ステップ1120:CPUは、外気温センサ52により検出される外気温THAを取得する。
ステップ1130:CPUは、ステップ1120にて取得した外気温THAに基づいて外気温補正係数kTHAを決定する。より具体的に述べると、CPUは図11のステップ1130内に示したテーブルMapkTHA(THA)に「ステップ1120にて取得した外気温THA」を適用することにより、外気温補正係数kTHAを取得する。このテーブルMapkTHA(THA)によれば、外気温補正係数kTHAは外気温THAが所定外気温閾値よりも低いとき1.0であり、外気温THAが所定外気温閾値以上の範囲において高くなるほど1.0から次第に小さくなるように決定される。
ステップ1140:CPUは、変速段Shiftに基づいて通過風速補正係数kfを決定する。より具体的に述べると、CPUは図11のステップ1140内に示したテーブルMapkf(Shift)に「変速段Shift」を適用することにより、通過風速補正係数kfを取得する。このテーブルMapkf(Shift)によれば、変速段Shiftが高速段を表す値になるほど(5速に近づくほど)通過風速補正係数kfが1.0に向けて大きくなるように決定される。
ステップ1150:CPUは、冷却水温基本閾値Tth1iを、外気温補正係数kTHA及び通過風速補正係数kfを用いて補正することにより、冷却水温閾値Tth1を決定する。即ち、CPUは、冷却水温基本閾値Tth1iと外気温補正係数kTHAと通過風速補正係数kfとの積を冷却水温閾値Tth1として求める。その後、CPUは図7のステップ425へと戻る。
ところで、ラジエータ80の冷却効率が低い場合、ラジエータ80の冷却効率が高い場合に比較して冷却水温THWの上昇率は大きくなる。ラジエータ80の冷却効率は、外気温THAが高いほど低くなる。従って、外気温THAが高いほど冷却水温THWが過度に上昇する可能性が高くなる。更に、ラジエータ80の冷却効率は、変速段Shiftが低速段になるほど(1速に近づくほど)低くなる。これは、変速位置が低速段になるほど一般に車速は低くなり、ラジエータ80を通過する外気の速さ(ラジエータ通過風速)が低下するからである。また、変速位置が低速段になるほど機関回転速度NEが増大するので、機関1回転あたりにラジエータ80を通過する外気の量が低下するからである。従って、変速段Shiftが低速段になるほど冷却水温THWが過度に上昇する可能性が高くなる。
そこで、上述したように、第6装置は、冷却水温基本閾値Tth1iを、外気温補正係数kTHA及び通過風速補正係数kfにより補正することによって、ラジエータ80の冷却効率が低いほど冷却水温閾値Tth1を低下させている。
従って、第6装置は、ラジエータ80の冷却効率が低いほど「より早いタイミング」にて実スロットル弁開度TAを減少させることができるので、冷却水温THWが過度に高くなることをより確実に回避することができる。
更に、第6装置は、図11のステップ1130において、外気温THAが高いほど外気温補正係数kTHAがより小さくなるように外気温補正係数kTHAを求めている。換言すると、第6装置は、外気温THAが高いほどラジエータ80の冷却効率が低いと推定し、従って、外気温THAが高いほど冷却水温閾値Tth1を低下させている。
これによれば、外気温THAが高い場合であっても、冷却水温THWが過度に高くなることをより確実に回避することができる。
加えて、第6装置は、図11のステップ1140において、変速段Shiftが低速段の場合には、変速段Shiftがその低速段よりも高速段側である場合(高速段である場合)に比較して通過風速補正係数kfが小さくなるように通過風速補正係数kfを求めている。換言すると、第6装置は、変速段Shiftが低いほどラジエータ80の冷却効率が低いと推定し、従って、変速段Shiftが低いほど冷却水温閾値Tth1を低下させている。
これによれば、変速位置が低速段側に設定されていて、ラジエータ通過風速が小さい場合であっても、冷却水温THWが過度に高くなることをより確実に回避することができる。
なお、第6装置は、通過風速補正係数kfによることなく外気温補正係数kTHAのみによって冷却水温基本閾値Tth1iを補正して冷却水温閾値Tth1を求めても良い。更に、第6装置は、外気温補正係数kTHAによることなく通過風速補正係数kfのみによって冷却水温基本閾値Tth1iを補正して冷却水温閾値Tth1を求めても良い。
加えて、第6装置は、通過風速補正係数kfを求めるパラメータとして、変速段Shiftに代え、車速センサ58により検出される車速SPDを採用してもよい。この場合、車速SPDが大きくなるほど通過風速補正係数kfが大きくなるように、通過風速補正係数kfを決定すればよい。
なお、以上から明らかなように、変速段Shift及び車速SPDは、ラジエータを通過する外気の速度(即ち、ラジエータ通風速度)に応じたパラメータ、即ち、通風速度パラメータである。従って、第7装置は、その取得された通風速度パラメータにより表されるラジエータ通風速度が低いほど、ラジエータ80の冷却効率がより低いと推定するように構成されている。更に、第7装置は、機関10が搭載された車両の変速機(100)の変速段Shiftを前記通風速度パラメータとして取得するとともに、前記取得された変速段Shiftが低速段である場合には同変速段Shiftが高速段である場合に比較して前記ラジエータ通風速度が低い(ラジエータ80の冷却効率がより低い)と推定するように構成されていると言うこともできる。
<第7実施形態>
次に、本発明の第7実施形態に係る内燃機関の制御装置(以下、単に「第7装置」と称呼する。)について説明する。
第7装置は、ラジエータの冷却効率が低いほどスロットル弁閉弁速度ΔTA1を大きくする点においてのみ第2装置と相違している。従って、以下、この相違点を中心として説明する。
第7装置のCPUは、図7の「破線G1により囲まれた複数のステップ(ステップ435〜ステップ450、及び、ステップ710)」を「図12に示した複数のステップ」に置換したルーチンと、図5に示したルーチンと、からなる「機関発熱量抑制制御ルーチン」を所定時間tsが経過する毎に実行するようになっている。なお、図12において図4又は図7に示したステップと同一の処理を行うためのステップには、図4又は図7のそのようなステップに付された符号と同一の符号が付されている。これらのステップについての詳細な説明は省略される。
より具体的に述べると、冷却水温THWが冷却水温閾値Tth1を超えることによってCPUが図7ステップ430にて「Yes」と判定すると、CPUは図12のステップ435乃至ステップ445の処理を実行する。これにより、フラグXTAの値が「1」に設定され、基本閉弁速度Δkta1が決定され、且つ、閉弁速度水温補正係数kthwが決定される。
次に、CPUはステップ1210に進み、閉弁速度外気温補正係数k2THAを決定する。より具体的に述べると、CPUは図12のブロックB6内に示したテーブルMapk2THA(THA)に「外気温センサ52から取得される実際の外気温THA」を適用することにより、閉弁速度外気温補正係数k2THAを取得する。このテーブルMapk2THA(THA)によれば、閉弁速度外気温補正係数k2THAは外気温THAが所定外気温以下のとき1.0に設定され、外気温THAが所定外気温以上の範囲において高くなるほど1.0以上の範囲において大きくなるように設定される。
次に、CPUはステップ1220に進み、閉弁速度通過風速補正係数k2fを決定する。より具体的に述べると、CPUは図12のブロックB7内に示したテーブルMapk2f(Shift)に実際の変速段Shiftを適用することにより、閉弁速度通過風速補正係数k2fを取得する。このテーブルMapk2f(Shift)によれば、閉弁速度通過風速補正係数k2fは変速段Shiftが高速段になるほど(5速に近づくほど)1.0に向けて小さくなるように決定される。
次に、CPUはステップ1230に進み、基本閉弁速度Δkta1を「閉弁速度水温補正係数kthw、閉弁速度外気温補正係数k2THA及び閉弁速度通過風速補正係数k2f」によって補正することにより、スロットル弁閉弁速度ΔTA1を決定する。より具体的に述べると、CPUは基本閉弁速度Δkta1と閉弁速度水温補正係数kthwと閉弁速度外気温補正係数k2THAと閉弁速度通過風速補正係数k2との積をスロットル弁閉弁速度ΔTA1として設定する。
次に、CPUはステップ710に進み、上限スロットル弁開度初期値TAwotを決定し、図7のステップ720以降に進む。
ところで、上述したように、ラジエータ80の冷却効率が低くなるほど冷却水温THWは上昇し易くなる。従って、外気温THAが高くなるほど冷却水温THWは上昇し易くなり、変速段Shiftが低速段になるほど冷却水温THWは上昇し易くなる。
そこで、第7装置は、基本閉弁速度Δkta1を「閉弁速度外気温補正係数k2THA及び閉弁速度通過風速補正係数k2f」により補正することによって、ラジエータ80の冷却効率が低いほどスロットル弁閉弁速度ΔTA1を大きくしている。
従って、第7装置は、ラジエータ80の冷却効率が低いほどスロットル弁開度をより速く小さい値へと変更できるので、機関10の発熱量をより早いタイミングにて低減することができる。その結果、第7装置は、冷却水温THWが過度に高くなることをより確実に回避することができる。
更に、第7装置は、図12のステップ1210において、外気温THAが高いほど閉弁速度外気温補正係数k2THAがより大きくなるように閉弁速度外気温補正係数k2THAを求めている。換言すると、第7装置は、外気温THAが高いほどラジエータ80の冷却効率が低いと推定し、従って、外気温THAが高いほどスロットル弁閉弁速度ΔTA1を増大させている。
これによれば、外気温THAが高くなるほどスロットル弁開度が迅速に小さくなって機関10の発熱量も迅速に減少させられる。よって、外気温THAが高い場合であっても、冷却水温THWが過度に高くなることをより確実に回避することができる。
加えて、第7装置は、図12のステップ1220において、変速段Shiftが低速段の場合には高速段の場合に比較して閉弁速度通過風速補正係数k2fが大きくなるように閉弁速度通過風速補正係数k2fを求めている。換言すると、第7装置は、変速段Shiftが低いほどラジエータ80の冷却効率が低いと推定し、従って、変速段Shiftが低いほどスロットル弁閉弁速度ΔTA1を増大させている。
これによれば、変速段(変速位置)が低速段側であるほどスロットル弁開度が迅速に小さくなって機関10の発熱量も迅速に減少させられる。よって、変速段が低速段にある場合であっても、冷却水温THWが過度に高くなることをより確実に回避することができる。
なお、第7装置は、閉弁速度通過風速補正係数k2fによることなく閉弁速度外気温補正係数k2THAのみによって基本閉弁速度Δkta1を補正してスロットル弁閉弁速度ΔTA1を求めても良い。更に、第7装置は、閉弁速度外気温補正係数k2THAによることなく閉弁速度通過風速補正係数k2fのみによって基本閉弁速度Δkta1を補正してスロットル弁閉弁速度ΔTA1を求めても良い。
加えて、第7装置は、閉弁速度通過風速補正係数k2fを求めるパラメータとして、変速段Shiftに代え、車速センサ58により検出される車速SPDを採用してもよい。この場合、車速SPDが小さくなるほど閉弁速度通過風速補正係数k2fが大きくなるように、閉弁速度通過風速補正係数k2fを決定すればよい。
なお、以上から明らかなように、変速段Shift及び車速SPDは、ラジエータを通過する外気の速度(即ち、ラジエータ通風速度)に応じたパラメータ、即ち、通風速度パラメータである。また、第7装置は、機関10が搭載された車両の変速機(100)の変速段Shiftを前記通風速度パラメータとして取得するとともに、前記取得された変速段Shiftが低速段である場合には同変速段Shiftが高速段である場合に比較して前記ラジエータ通風速度が低い(ラジエータ80の冷却効率がより低い)と推定するように構成されていると言うこともできる。
<第8実施形態>
次に、本発明の第8実施形態に係る内燃機関の制御装置(以下、単に「第8装置」と称呼する。)について説明する。
第8装置は、「自動変速機100の変速段(変速位置)が所定の変速段から同所定の変速段よりも低速段側の変速段へと変化した変速実行時点」から所定時間が経過するまでの期間において、冷却水温閾値Tth1をその変速実行時点の直前の値よりも所定値Thh(例えば、3℃)低い値に設定する点においてのみ第1装置と相違している。従って、以下、この相違点を中心として説明する。
第8装置のCPUは、「図4のステップ405乃至ステップ430」を「図13に示した複数のステップ」に置換したルーチンと、図5に示したルーチンと、からなる「機関発熱量抑制制御ルーチン」を所定時間tsが経過する毎に実行するようになっている。なお、図13において図4に示したステップと同一の処理を行うためのステップには、図4のそのようなステップに付された符号と同一の符号が付されている。これらのステップについての詳細な説明は省略される。
所定のタイミングになると、CPUは図13のステップ1300から処理を開始し、ステップ405乃至ステップ415の処理を実行する。これにより、冷却水温THWと冷却水温上昇率ΔTHWが取得される。
次いで、CPUはステップ1310に進み、冷却水温上昇率ΔTHWに基づいて冷却水温基本閾値Tth1iを決定する。このステップ1310の処理は、上述した図11のステップ1110と同様であるので、その説明を省略する。次に、CPUはステップ1320に進む。
ところで、CPUは、電気制御装置60から自動変速機100の油圧制御回路の電磁弁へと送出される変速信号に基づいてシフトダウン(高速段から低速段への変速)が実行されたか否かを監視している。そして、CPUは、ステップ1320に進んだとき、現時点が直近のシフトダウンから所定時間以内であるか否かを判定する。
現時点が直近のシフトダウンから所定時間以内でなければ、CPUはステップ1320にて「No」と判定してステップ1330に進み、ステップ1310にて決定した冷却水温基本閾値Tth1iを冷却水温閾値Tth1として採用する。その後、CPUはステップ425以降へと進む。
これに対し、CPUがステップ1320に進んだ時点が直近のシフトダウンから所定時間以内であると、CPUはそのステップ1320にて「Yes」と判定してステップ1340に進み、冷却水温基本閾値Tth1iから所定値Thh(例えば、3℃)減じた値を冷却水温閾値Tth1として採用する。その後、CPUはステップ425以降へと進む。この他の作動は第1装置と同様である。
自動変速機100の変速段が「所定の変速段」から「その変速段よりも低い変速段」へと変更された直後(シフトダウン直後)においては、機関回転速度NEが上昇し、機関10が1回転する期間あたりにラジエータ80を通過する外気の量(ラジエータ通過風量/回転)が一時的に小さくなる。更に、このシフトダウンによって車速も低下することが多いので、ラジエータ通過風量自体も低下することが多い。従って、シフトダウン直後の期間、ラジエータ80の冷却効率が一時的に低下し、冷却水温THWが急激に上昇する場合がある。
これに対し、上述した第8装置は、自動変速機100の変速位置が所定の変速段から同所定の変速段よりも低速段側の変速段へと変化した変速実行時点(シフトダウン時点)から所定時間が経過するまでの期間において、冷却水温閾値Tth1をその変速実行時点の直前の値よりも所定値Thhだけ低い値に設定するように構成されたスロットル弁制御手段を備えている。
従って、第8装置は、シフトダウン後において冷却水温THWが「通常の冷却水温閾値Tth1よりも低い冷却水温閾値Tth1」に到達した時点(上回った時点)から実スロットル弁開度TAを減少させることができる。その結果、シフトダウン後に冷却水温THWが過度に上昇してしまうことを回避することができる。
<第9実施形態>
次に、本発明の第9実施形態に係る内燃機関の制御装置(以下、単に「第9装置」と称呼する。)について説明する。
第9装置は、冷却水温THWが冷却水温閾値Tth1よりも高くなったためにスロットル弁開度を減少させる際、そのスロットル弁開度の減少に起因して機関10のトルクの変化量(減少量)が大きくなると予測される場合には、スロットル弁開度を減少させる前に警報を発生し、その後、スロットル弁開度を減少させる点においてのみ第1装置と相違している。従って、以下、この相違点を中心として説明する。
第9装置のCPUは、「図4のステップ460乃至ステップ475」を「図14に示した複数のステップ」に置換したルーチンと、図5に示したルーチンと、からなる「機関発熱量抑制制御ルーチン」を所定時間tsが経過する毎に実行するようになっている。更に、第7装置のCPUは、図15及び図16に示したルーチンを所定時間が経過する毎に実行するようになっている。なお、図14において図4に示したステップと同一の処理を行うためのステップには、図4のそのようなステップに付された符号と同一の符号が付されている。これらのステップについての詳細な説明は省略される。
冷却水温THWが冷却水温閾値Tth1を超えていない場合、CPUは第1装置と同様に作動する。これに対し、冷却水温THWが冷却水温閾値Tth1を初めて超えた場合、CPUは図4のステップ405乃至ステップ455の処理を実行した後、図14に示したステップ460に進み、上限スロットル弁開度TAmaxが暫定目標スロットル弁開度TAtgtzよりも大きいか否かを判定する。
このとき、上限スロットル弁開度TAmaxが暫定目標スロットル弁開度TAtgtzよりも大きければ、CPUはステップ460にて「Yes」と判定し、ステップ465及びステップ475の処理を実行した後に図4のステップ495に戻る。この結果、暫定目標スロットル弁開度TAtgtzが目標スロットル弁開度TAtgtに設定されるので、実スロットル弁開度TAは暫定目標スロットル弁開度TAtgtzに一致させられる。この場合の作動は第1装置と同じである。
これに対し、ステップ460の判定時において暫定目標スロットル弁開度TAtgtzが上限スロットル弁開度TAmax以上であると、CPUはそのステップ460にて「No」と判定してステップ1410に進み、禁止フラグXkinshiの値が「1」であるか否かを判定する。この禁止フラグXkinshiの値は、上述したイニシャルルーチンにおいて「0」に設定されるようになっている。
従って、この段階において(即ち、冷却水温THWが初めて冷却水温閾値Tth1を超えた場合)、禁止フラグXkinshiの値は「0」である。よって、CPUはステップ1410にて「No」と判定してステップ1420に進み許可フラグXkyokaの値が「0」であるか否かを判定する。この許可フラグXkyokaの値も、上述したイニシャルルーチンにおいて「0」に設定されるようになっている。
従って、CPUはステップ1420にて「Yes」と判定してステップ1430に進み、目標スロットル弁開度TAtgtに上限スロットル弁開度TAmaxを設定する(目標スロットル弁開度TAtgtを上限スロットル弁開度TAmaxに一致させる)ことによって機関10の発生トルクの低下量ΔTQの大きさが所定のトルク閾値ΔTQth以上となるか否かを判定する。
より具体的に述べると、CPUはステップ1430の処理を以下のように実行する。
・CPUは、現時点の実スロットル弁開度TAと現時点の機関回転速度NEとをテーブルMapTQ(TA,NE)に適用して現時点のトルクTQcを求める。
・CPUは、上限スロットル弁開度TAmaxと現時点の機関回転速度NEとをテーブルMapTQ(TA,NE)に適用してスロットル弁開度変更後のトルクTQeを推定する。
・CPUは、トルクTQcからトルクTQeを減じることによりトルク低下量ΔTQを算出する。
・CPUは、トルク低下量ΔTQ(又はトルク低下量ΔTQの絶対値)とトルク閾値ΔTQthとを比較する。
このとき、トルクの低下量ΔTQが所定のトルク閾値ΔTQthよりも小さければ、実スロットル弁開度TAを上限スロットル弁開度TAmaxに変更しても、車両に大きなショックは発生しない。そこで、この場合、CPUはステップ1430にて「No」と判定してステップ470に進み、目標スロットル弁開度TAtgtに上限スロットル弁開度TAmaxを設定する。
その後、CPUはステップ475へと進み、実スロットル弁開度TAが目標スロットル弁開度TAtgtに一致するように、スロットル弁アクチュエータ34aに指示信号を送出する。従って、この場合、実スロットル弁開度TAが上限スロットル弁開度TAmaxに一致させられる。即ち、実スロットル弁開度TAは「通常目標スロットル弁開度である暫定目標スロットル弁開度TAtgtz」よりも小さい「発熱量抑制スロットル弁開度である上限スロットル弁開度TAmax」へと直ちに減少させられる。
これに対し、CPUがステップ1430の処理を実行するとき、トルクの低下量ΔTQが所定のトルク閾値ΔTQthよりも大きい場合、実スロットル弁開度TAを上限スロットル弁開度TAmaxに変更すると機関発生トルクの低下量の大きさが過大となって車両にショックが発生し、運転者に違和感を与える虞がある。
そこで、この場合、CPUはステップ1430にて「Yes」と判定してステップ1440に進み、禁止フラグXkinshiの値を「1」に設定する。その後、CPUはステップ465及びステップ475へと進む。従って、暫定目標スロットル弁開度TAtgtzが目標スロットル弁開度TAtgtに設定されるので、実スロットル弁開度TAは暫定目標スロットル弁開度TAtgtzに一致させられる。即ち、実スロットル弁開度TAは直ちには減少させられない。
この状態においては、実スロットル弁開度TAが減少させられない。従って、「冷却水温THWが冷却水温閾値Tth1よりも高い状態」が一般には継続する。更に、ここで、暫定目標スロットル弁開度TAtgtzが上限スロットル弁開度TAmax以上である状態が継続すると仮定する。
この場合、次にCPUが図4のステップ430に到達すると、CPUはそのステップ430にて「Yes」と判定し、続く図14のステップ460にて「No」と判定する。この場合、禁止フラグXkinshiの値は「1」に設定されているので、CPUはステップ1410にて「Yes」と判定し、ステップ465及びステップ475の処理を実行する。このように、禁止フラグXkinshiの値が「1」である限り、目標スロットル弁開度TAtgtは暫定目標スロットル弁開度TAtgtzに一致させられる。従って、実スロットル弁開度TAが機関発熱量を抑制するための開度(上限スロットル弁開度TAmax)に一致させられない。
ところで、CPUは所定のタイミングにて図15のステップ1500から処理を開始し、続くステップ1510にて禁止フラグXkinshiの値が「1」であるか否かを判定している。そして、禁止フラグXkinshiの値が「0」であれば、CPUはステップ1510にて「No」と判定し、ステップ1595に直接進んで本ルーチンを一旦終了する。
これに対し、先に説明した図14のステップ1440にて禁止フラグXkinshiの値が「1」に設定されと、CPUは図15のステップ1510の処理を実行する際にそのステップ1510にて「Yes」と判定し、ステップ1520にて図示しない警報装置(ランプ及び/又はブザー等)に指示信号を送出することにより、近い将来においてスロットル弁開度が減少せしめられることによりトルクショックが発生する可能性が高いことを運転者に報知する。
次に、CPUはステップ1530に進み、禁止フラグXkinshiの値が「0」から「1」に変化した時点から所定時間が経過したか否かを判定する。現時点においては、図14のステップ1440にて禁止フラグXkinshiの値は「1」に変更された直後である。従って、CPUはステップ1530にて「No」と判定し、ステップ1595に直接進んで本ルーチンを一旦終了する。
この結果、禁止フラグXkinshiの値は「1」に維持されるので、CPUは図14のステップ1410にて「Yes」と判定し、ステップ465以降に進むので、目標スロットル弁開度TAtgtは暫定目標スロットル弁開度TAtgtzに一致させられる。従って、実スロットル弁開度TAが機関発熱量を抑制するための開度(上限スロットル弁開度TAmax)に一致させられない状態が継続する。
この状態において、禁止フラグXkinshiの値が「0」から「1」に変化した時点から所定時間が経過すると、CPUが図15のステップ1530に進んだとき、CPUはそのステップ1530にて「Yes」と判定してステップ1540に進み、禁止フラグXkinshiの値を「0」に設定する。次に、CPUはステップ1550にて許可フラグXkyokaの値を「1」に設定し、ステップ1595に進んで本ルーチンを一旦終了する。
これにより、CPUが図14のステップ1410に進むと、CPUはそのステップ1410にて「No」と判定してステップ1420に進み、そのステップ1420にても「No」と判定する。そして、CPUはステップ470に進み、目標スロットル弁開度TAtgtに上限スロットル弁開度TAmaxを設定する。
その後、CPUはステップ475へと進み、実スロットル弁開度TAが目標スロットル弁開度TAtgtに一致するように、スロットル弁アクチュエータ34aに指示信号を送出する。従って、この場合、実スロットル弁開度TAが上限スロットル弁開度TAmaxに一致させられる。即ち、実スロットル弁開度TAは「通常目標スロットル弁開度である暫定目標スロットル弁開度TAtgtz」よりも小さい「発熱量抑制スロットル弁開度である上限スロットル弁開度TAmax」へと減少させられる。このような処理は、禁止フラグXkinshiの値が「0」であり、且つ、許可フラグXkyokaの値が「1」である限り継続する。
その後、このようにして実スロットル弁開度TAが上限スロットル弁開度TAmaxへと減少させられることにより、冷却水温THWは冷却水温閾値Tth1以下に低下すると、CPUは図4のステップ430にて「No」と判定して図5のステップ505以降に進む。従って、上限スロットル弁開度TAmaxは図5のステップ510の処理により次第に増大し、所定時間が経過するとステップ520の処理により100(%)に設定される。
ところで、CPUは、所定時間が経過する毎に図16に示したルーチンを実行するようになっている。従って、従って、所定のタイミングになると、CPUは図16のステップ1600から処理を開始してステップ1610に進み、上限スロットル弁開度TAmaxが100(%)以上であるか否かを判定し、上限スロットル弁開度TAmaxが100(%)以上であればステップ1620に進んで許可フラグXkyokaの値を「0」に設定する。なお、上限スロットル弁開度TAmaxが100(%)より小さいと、CPUはステップ1610にて「No」と判定し、ステップ1695に直接進んで本ルーチンを一旦終了する。
以上、説明したように、第9装置は、冷却水温THWが冷却水温閾値Tth1よりも高くなったためにスロットル弁開度を上限スロットル弁開度TAmaxに一致させる必要が生じた際、機関10のトルクの変化量(減少量)が大きくなると予測される場合には(図14のステップ1430における「Yes」との判定を参照。)、先ず、スロットル弁開度を上限スロットル弁開度TAmaxへと減少させる前に警報を発生し(図15のステップ1520)、所定時間の経過後、スロットル弁開度を上限スロットル弁開度TAmaxへと一致させる(図14のステップ1420、ステップ470及びステップ475、並びに、図15のステップ1550)。この結果、運転者は「機関発生トルクが減少すること」を事前に知ることができるので、「運転者に違和感を与えること」を回避することができる。
<第10実施形態>
次に、本発明の第10実施形態に係る内燃機関の制御装置(以下、単に「第10装置」と称呼する。)について説明する。
第10装置のCPUは、所定時間が経過する毎に図17にフローチャートにより示した「EGR制御ルーチン」を更に実行するようになっている点のみにおいて第1装置と相違している。従って、以下、この相違点を中心として説明する。
所定のタイミングになると、CPUは図17のステップ1700から処理を開始してステップ1710に進み、上限スロットル弁開度TAmaxが暫定目標スロットル弁開度TAtgtzよりも小さいか否かを判定する。
このとき、上限スロットル弁開度TAmaxが暫定目標スロットル弁開度TAtgtzよりも小さいと、実スロットル弁開度TAは上限スロットル弁開度TAmaxへと一致させられることにより、機関10の発熱量が抑制させられている。そこで、この場合、CPUはステップ1710にて「Yes」と判定してステップ1720に進み、発熱量抑制用EGR制御を実行する。具体的には、CPUは、図示しないEGR通路に配設されたEGR制御弁を実スロットル弁開度TAの大きさに関わらず開弁する。その後、CPUはステップ1795に進んで本ルーチンを一旦終了する。
これに対し、CPUが図17のステップ1710に進んだとき、上限スロットル弁開度TAmaxが暫定目標スロットル弁開度TAtgtz以上であると、CPUはそのステップ1710にて「No」と判定してステップ1730に進み通常EGR制御を実行する。具体的には、CPUは、実スロットル弁開度TAがEGR許容開度閾値TAegr以上である場合にはEGR制御弁を閉弁し、実スロットル弁開度TAがEGR許容開度閾値TAegrより小さい場合にEGR制御弁を開弁する。
以上、説明したように、第10装置は、冷却水温THWが冷却水温閾値Tth1を上回ったとき、スロットル弁開度を上限スロットル弁開度TAmaxにまで減少させ、それにより、機関発熱量を低減させる。この結果、吸入空気の燃焼室21への充填効率が低下するので、点火時期を遅角しなくてもノッキングの発生を防止することができる。更に、充填効率の低下に伴って吸気管負圧が発生する(スロットル弁34よりも下流の吸気通路内圧力が大気圧よりも低下する。)。従って、EGR制御弁を開弁することにより、EGRガスを燃焼室21へ導入することができる。このEGRガスの導入により、燃焼温度が低下し、以って、排気温度を更に低下させることができる。この結果、冷却水が排気ポート近傍から受ける熱量が低下するので、冷却水温THWをより一層効果的に低下させることができる。加えて、EGRガスの導入により、ポンピングロスが低下するから、燃費が向上し、二酸化炭素(CO2)排出量を低減することもできる。なお、図17のステップ1710を、冷却水温THWが冷却水温閾値Tth1よりも高くなったか否かを判定するステップに置換してもよい。
<第11実施形態>
次に、本発明の第11実施形態に係る内燃機関の制御装置(以下、単に「第11装置」と称呼する。)について説明する。
第11装置のCPUは、所定時間tvが経過する毎に「図4及び図5に示したルーチン」に代えて図18にフローチャートにより示した「温度制御ルーチン」を実行するようになっている点のみにおいて第1装置と相違している。従って、以下、この相違点を中心として説明する。なお、第11装置のCPUは、通常時、図4のステップ425、ステップ465及びステップ475からなる処理を順に行う別ルーチンを実行することにより、実スロットル弁開度TAを通常スロットル弁開度(暫定目標スロットル弁開度TAtgtz)に一致させるように構成されている。
所定のタイミングになると、CPUは図18のステップ1800から処理を開始してステップ1805に進み、冷却水温センサ56により検出される冷却水温THWを取得する。次に、CPUはステップ1810に進み、図示しない潤滑油温センサにより検出される機関10の潤滑油の温度(潤滑油温)THOilを取得する。
次いで、CPUはステップ1820に進み、潤滑油温THOilが潤滑油温閾値THOilthよりも低いか否かを判定する。潤滑油温閾値THOilthは、一定値であってもよく、「潤滑油温THOilの単位時間あたりの変化量(潤滑油温上昇率)ΔTHOil」が大きくなるほど低くなる値であってもよい。
このとき、潤滑油温THOilが潤滑油温閾値THOilth以上であると、CPUはステップ1820にて「No」と判定してステップ1825に進み、潤滑油温低下制御を実行する。潤滑油温低下制御は以下の(a)〜(c)の一つ以上の制御を含む。
(a)CPUは、自動変速機100の変速段を現時点の変速段よりも高速段側の変速段に変更する。これにより、機関回転速度NEが低下するので潤滑油温THOilが低下する。
(b)CPUは、スロットル弁開度を現時点のスロットル弁開度よりも減少させる。より具体的には、目標スロットル弁開度TAtgtを現時点の値より所定値ΔTAOilだけ減少させる。ステップ1825は、潤滑油温THOilが潤滑油温閾値THOilth以上である限り、所定時間tvが経過する毎に実行される。従って、所定値ΔTAOilは、スロットル弁閉弁速度でもある。所定値ΔTAOilは、一定値であってもよく、潤滑油温上昇率ΔTHOilが大きくなるほど大きくなる値であってもよい。これにより、実スロットル弁開度TAが減少させられるので、吸入空気量が低下し、従って、機関発熱量が低下する。この結果、潤滑油温THOilが低下する。
(c)CPUは、燃料噴射量(燃料供給量)を増加させ、機関に供給される混合気の空燃比を理論空燃比よりもリッチ側の空燃比に設定する。より具体的に述べると、CPUは上流側目標空燃比abyfrを理論空燃比stoichよりも小さい値(リッチ側の値)Arich1に設定する。この結果、図3に示したルーチンが実行されることにより機関に供給される混合気の空燃比がリッチ空燃比になるので、燃焼温度及び排気温度が低下し、潤滑油温THOilが低下する。
CPUはステップ1825の処理を実行した後、ステップ1895に直接進んで本ルーチンを一旦終了する。
一方、CPUがステップ1820の処理を実行する時点において、潤滑油温THOilが潤滑油温閾値THOilthよりも低いと、CPUはそのステップ1820からステップ1830へと進む。なお、このとき、潤滑油温低下制御が実行されていれば、その潤滑油温制御を終了させる。
CPUは、ステップ1830にて、冷却水温THWが冷却水温閾値Tth1よりも高いか否かを判定する。冷却水温閾値Tth1は、一定値であってもよく、前述した各実施形態のように所定のパラメータに応じて変更させられる値(例えば、冷却水温上昇率ΔTHWが大きくなるほど低くなる値)であってもよい。
このとき、CPUは、冷却水温THWが冷却水温閾値Tth1よりも高いと、CPUはステップ1830にて「Yes」と判定してステップ1835に進み、冷却水温低下制御を実行し、その後、ステップ1895に進んで本ルーチンを一旦終了する。冷却水温低下制御は以下の(d)及び(e)の一つ以上の制御を含む。
(d)CPUは、スロットル弁開度を現時点のスロットル弁開度よりも減少させる。より具体的には、目標スロットル弁開度TAtgtを現時点の値より所定値ΔTA1だけ減少させる。ステップ1835は、冷却水温THWが冷却水温閾値Tth1以上である限り、所定時間tvが経過する毎に実行される。従って、所定値ΔTA1は、スロットル弁閉弁速度ΔTA1でもある。所定値ΔTA1は、一定値であってもよく、冷却水温上昇率ΔTHWが大きくなるほど大きくなる値であってもよい。また、このスロットル弁制御は、上述した各実施形態のように実行されてもよい。
従って、このスロットル弁制御は、冷却水温THWが冷却水温閾値Tth1より高くなった場合、実スロットル弁開度TAを、通常目標スロットル弁開度(暫定目標スロットル弁開度TAtgtz)よりも小さい発熱量抑制スロットル弁開度(例えば、上限スロットル弁開度TAmax)に一致させる第1信号をスロットル弁駆動装置(34a)に送出する制御でもある。
更に、スロットル弁閉弁速度ΔTA1は、上述した各実施形態のように、機関回転速度NE、外気温THA及び変速段Shift等の種々のパラメータにより変更されてもよい。これにより、実スロットル弁開度TAが減少させられるので、吸入空気量が低下し、従って、機関発熱量が低下する。この結果、冷却水温THWが低下する。
(e)CPUは、燃料噴射量(燃料供給量)を増加させ、機関に供給される混合気の空燃比を理論空燃比よりもリッチ側の空燃比に設定する。より具体的に述べると、CPUは上流側目標空燃比abyfrを理論空燃比stoichよりも小さい値(リッチ側の値)Arich2に設定する。この結果、図3に示したルーチンが実行されることにより機関に供給される混合気の空燃比がリッチ空燃比になるので、燃焼温度及び排気温度が低下し、冷却水温THWが低下する。
CPUがステップ1830の処理を実行する時点において、冷却水温THWが冷却水温閾値Tth1以下であると、CPUはそのステップ1830において「No」と判定し、以下に述べるステップ1840及びステップ1845の処理を順に行い、ステップ1850に進む。なお、このとき、冷却水温低下制御が実行されていれば、その冷却水温低下制御を終了させる。
ステップ1840:CPUは上流側触媒43の温度TCCROを取得する。上流側触媒43の温度TCCROは、冷却水温THW以外の「エンジン構成部材の温度」である。具体的には、CPUは実スロットル弁開度TAと機関回転速度NEとから排気温度を推定し、その排気温度に基づいて(その排気温度に対して一次遅れ処理を施すことにより)上流側触媒43の温度TCCROを推定する。なお、CPUは、上流側触媒43に設けられた温度センサから温度TCCROを取得してもよい。このステップは、エンジン構成部材温度取得手段を構成する。
ステップ1845:CPUはエキゾーストマニホールド41の表面に配設された図示しない温度センサからエキゾーストマニホールド41の表面温度Texmaniを取得する。表面温度Texmaniも、冷却水温THW以外の「エンジン構成部材の温度」である。従って、このステップも、エンジン構成部材温度取得手段を構成する。
次に、CPUはステップ1850にて、上流側触媒43の温度TCCROが触媒温度閾値TCCROthよりも高いか否かを判定する。このとき、上流側触媒43の温度TCCROが触媒温度閾値TCCROthよりも高いと、CPUはステップ1850にて「Yes」と判定してステップ1855に進み、上流側触媒53の温度を低下させるための「触媒温度低下増量」を実施する。より具体的に述べると、CPUは上流側目標空燃比abyfrを理論空燃比stoichよりも小さい値(リッチ側の値)Aotpに設定する。この結果、図3に示したルーチンが実行されることにより機関に供給される混合気の空燃比がリッチ空燃比になるので、上流側触媒53の温度が低下する。なお、値Aotpは、機関10に供給される混合気の空燃比が、理論空燃比よりも小さい空燃比であって「機関10の出力トルクが最大となる空燃比」である出力空燃比よりも小さい空燃比になるように設定されている。
これに対し、CPUがステップ1850の処理を実行する時点において、上流側触媒43の温度TCCROが触媒温度閾値TCCROth以下であると、CPUはそのステップ1850にて「No」と判定してステップ1860に進む。なお、このとき、触媒温度低下増量が実施されていれば、その増量を終了するように(上流側目標空燃比abyfrを理論空燃比stoichに設定する。)。
CPUはステップ1860にて、エキゾーストマニホールド41の表面温度Texmaniが表面温度閾値Texmanithよりも高いか否かを判定する。
このとき、表面温度Texmaniが表面温度閾値Texmanithよりも高いと、CPUはステップ1860にて「Yes」と判定してステップ1865に進み、「エキゾーストマニホールド41の表面温度を低下させるための増量」を実施する。より具体的に述べると、CPUは上流側目標空燃比abyfrを理論空燃比stoichよりも小さい値(リッチ側の値)Aexmに設定する。この結果、図3に示したルーチンが実行されることにより機関に供給される混合気の空燃比がリッチ空燃比になるので、排気温度が低下し、それによりエキゾーストマニホールド41の表面温度が低下する。なお、値Aexmは、機関10に供給される混合気の空燃比が、理論空燃比よりも小さい空燃比であって「機関10の出力トルクが最大となる空燃比」である出力空燃比よりも小さい空燃比になるように設定されている。
これに対し、CPUがステップ1860の処理を実行する時点において、表面温度Texmaniが表面温度閾値Texmanith以下であると、CPUはそのステップ1860にて「No」と判定し、ステップ1895に直接進んで本ルーチンを一旦終了する。なお、このとき、「エキゾーストマニホールド41の表面温度を低下させるための増量」が実施されていれば、その増量を終了するように(上流側目標空燃比abyfrを理論空燃比stoichに設定する。)。また、前述した値Arich1及び値Arich2は、値Aotp及び値Aexmよりも大きい値に設定されている。
以上、説明したように、第11装置は、
潤滑油温THOilと、他の冷却すべき部材の温度(例えば、上流側触媒53の温度TCCRO及びエキゾーストマニホールド41の表面温度Texmani等)と、を取得するとともに、潤滑油温THOilが潤滑油温閾値THOilth以上であると(ステップ1820を参照。)、他の冷却すべき部材の温度を低下させるための制御(例えば、ステップ1855及びステップ1865の処理)に優先して、潤滑油温THOilを低下させる制御(ステップ1825の処理)を実行する。これにより、機関の破損のもたらす潤滑油温THOilの上昇をいち早く抑制することができる。
また、第11装置は、
冷却水温THWと、他の冷却すべき部材の温度(例えば、上流側触媒53の温度TCCRO及びエキゾーストマニホールド41の表面温度Texmani等)と、を取得するとともに、冷却水温THWが冷却水温閾値Tth1以上であると、他の冷却すべき部材の温度を低下させるための制御(例えば、ステップ1855及びステップ1865の処理)に優先して、冷却水温閾値Tth1を低下させる制御(ステップ1835の処理)を実行する。これにより、機関の破損のもたらす冷却水温THWの上昇をいち早く抑制することができる。
更に、第11装置は、
「ラジエータ(80)と、
機関10の吸入空気量を変更するために前記機関の吸気通路に配設されたスロットル弁の実際の開度である実スロットル弁開度を第1指示信号に応答して変更するように構成されたスロットル弁駆動装置(34a)と、
前記実スロットル弁開度を、前記機関の運転状態に基づいて決定される通常目標スロットル弁開度(暫定目標スロットル弁開度TAtgtz)に一致させるための信号を前記第1指示信号として前記スロットル弁駆動装置(34a)に送出するスロットル弁制御手段と、
第2指示信号に応じた量の燃料を前記機関に供給する燃料供給手段(25)と、
前記機関の運転状態に基づいて決定される通常燃料供給量の燃料(上流側目標空燃比abyfrを理論空燃比に一致させる量の燃料)を前記機関10に供給するための信号を前記第2指示信号として前記燃料供給手段に送出する燃料供給量制御手段(図3のルーチン)と、
を備えた内燃機関の制御装置であって、
前記冷却水の実際の温度である冷却水温THWを取得する冷却水温取得手段(図18のステップ1805)と、
冷却水温THW以外のエンジン構成部材の温度を取得するエンジン構成部材温度取得手段(図18のステップ1840及びステップ1845)と、
を備え、
前記スロットル弁制御手段は、
前記取得された冷却水温THWが所定の冷却水温閾値Tth1より高くなった場合、前記取得されたエンジン構成部材の温度(例えば、触媒温度TCCRO)が所定の構成部材温度閾値(例えば、TCCROth)より高いか否かに関わらず前記冷却水温を優先して低下させるように、前記実スロットル弁開度TAを、「前記通常目標スロットル弁開度よりも小さい発熱量抑制スロットル弁開度」に一致させる信号を前記第1指示信号として前記スロットル弁駆動装置に送出するように構成され(ステップ1830及びステップ1835)、
前記燃料供給量制御手段は、
前記取得された冷却水温THWが前記冷却水温閾値Tth1以下であり且つ前記取得されたエンジン構成部材の温度が前記構成部材温度閾値より高い場合、「前記通常燃料供給量よりも多い量の燃料(上流側目標空燃比abyfrを理論空燃比よりもリッチ側の空燃比(例えば、出力空燃比)に一致させる量の燃料)を前記機関10に供給するための信号」を、前記第2指示信号として前記燃料供給手段に送出するように構成された装置(ステップ1830での「No」との判定、及び、ステップ1850及びステップ1855、又は、ステップ1830での「No」との判定、及び、ステップ1860及びステップ1865、並びに、図3のルーチンを参照。)。」
でもある。
なお、第11装置において、ステップ1820及びステップ1825のステップを省略してもよい。更に、第11装置において、ステップ1830及びステップ1835のステップを省略してもよい。この場合、CPUがステップ1820にて「Yes」と判定したとき、CPUがステップ1840に進むようにプログラムを構成しておく。加えて、第11装置において、CPUがステップ1825の処理を実行した後、CPUがステップ1830に進むようにプログラムを構成することもできる。
以上、説明したように、本発明の各実施形態に係る内燃機関の制御装置は、「冷却水温THWが過度に高くなってオーバーヒートが発生すること」をより確実に回避することができる。
本発明は上記実施形態に限定されることはなく、本発明の範囲内において種々の変形例を採用することができる。例えば、図4のステップ420に示したように、冷却水温閾値Tth1は冷却水温上昇率ΔTHWに基づいて変化する値であったが、冷却水温閾値Tth1は一定値であってもよい。逆に、図4のステップ420に示したように、冷却水温閾値Tth1は冷却水温上昇率ΔTHWに基づいて変化する値に設定される場合、基本閉弁速度Δkta1は冷却水温上昇率ΔTHWに依らない一定値であってもよい。
また、実スロットル弁開度は、前記取得された冷却水温THWが前記冷却水温閾値Tth1より高くなった時点の開度から所定のスロットル弁閉じ速度(スロットル弁閉弁速度ΔTA1)にて次第に減少させられてもよい。この場合、前記取得された冷却水温が前記冷却水温閾値より高くなった時点の実スロットル弁開度TAが、前記上限スロットル弁開度初期値TAwotに相当する。