JP2009079505A - エンジンの冷却装置及び車両 - Google Patents

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Kunihiko Hayashi
邦彦 林
Katsuhiko Arisawa
克彦 蟻沢
Hideo Kobayashi
日出夫 小林
Toshihisa Sugiyama
敏久 杉山
Kenichi Yamada
賢一 山田
Akira Michikawauchi
亮 道川内
Akihito Hosoi
章仁 細井
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Abstract

【課題】エンジンの冷却装置において、エアの残留を検知し、さらには、残留するエアを取り除き、エンジンを効率良く冷却することを課題とする。
【解決手段】エンジン2の冷却装置1は、エンジン1の内部に形成されたウォータジャケット4内から抜き取った冷却水を貯留する蓄熱タンク5と、ウォータジャケット4と蓄熱タンク5との間で冷却水を移送する電動ポンプ6と、ウォータジャケット4内の冷却水の液面レベル情報を取得する液面センサ25と、液面センサ25により取得した冷却水の液面レベル情報に基づいて、ウォータジャケット4内のエア残留情報を算出するECU24と、を備えたことにより、ウォータジャケット4内のエアの残留を検知し、エアの残留量を算出する。
【選択図】図1

Description

本発明は、エンジンの冷却装置に関する。
従来、エンジンの冷却装置においてウォータポンプによって圧送される冷却水は、シリンダブロック、シリンダヘッドなどの冷却を必要とする部位へ送られ、このような冷却対象部位から熱を奪う。冷却対象部位から熱を奪った冷却水はラジエータへ送られて、ラジエータにおいて熱を大気中に放出する。このように、エンジンは、エンジン内を循環する冷却水の熱交換により冷却されている。このような冷却水を循環させるエンジンでは、暖機の時間を短縮するため、暖機時にエンジン本体への冷却水の流通を抑制する構成のものがある。このような構成のエンジンでは、冷却水による熱の持ち去りが抑制されるため、暖機の促進が見込まれる。
ところが、このようなエンジンの冷却装置のウォータジャケットは常に冷却水で満たされているため、エンジンの暖機時にシリンダブロック、シリンダヘッドとともにウォータジャケット内の冷却水も温めなければならず、暖機に時間を要していた。このような問題に対し、特許文献1に開示されたエンジンの冷却装置では、暖機運転時にエンジン本体内の冷却水を抜き取り、ウォータジャケット内の冷却水の液面レベルを下げ、冷却水の熱容量を減らすことで、暖機性能が向上するという効果が得られている。
実公平3−26255号公報
特許文献1に開示されているようなエンジンの冷却装置は、暖機が完了すると、電動ポンプを駆動して抜き取った冷却水をウォータジャケットへ戻すとともに、ウォータポンプを駆動して冷却水の循環を始める。このように暖機完了後に冷却水をウォータジャケットへ戻すエンジンでは、冷却水を戻す際にウォータジャケット内にエアが残留することがある。このように、ウォータジャケット内にエアが残留すると、エアの周辺の冷却水が沸騰し、気化した水蒸気による系内の圧力上昇が懸念される。また、エアの残留する部位は冷却水の液面から露出するため高温になり、ひいては、エンジンがオーバーヒートを起こすおそれがある。しかしながら、このようなエアの残存を回避する手段やエアの残存を監視する手段は検討されていない。
そこで、本発明は、エンジンの冷却装置において、エアの残留を検知し、さらには、残留するエアを取り除き、エンジンを効率良く冷却することを課題とする。
かかる課題を解決する本発明のエンジンの冷却装置は、エンジン内部に形成されたウォータジャケット内から抜き取った冷却水を貯留するタンクと、前記ウォータジャケットと前記タンクとの間で冷却水を移送するポンプと、前記ウォータジャケット内の冷却水の液面レベル情報の取得手段と、当該取得手段により取得した冷却水の液面レベル情報に基づいて、前記ウォータジャケット内のエア残留情報を算出する演算手段と、を備えたことを特徴とする(請求項1)。このような構成とすることにより、ウォータジャケット内のエアの残留の検知、エアの残留量の算出を行うことができる。
本発明のエンジンの冷却装置は、ポンプを用いて、エンジンの運転停止後にウォータジャケット内の冷却水を、蓄熱効果を有するタンクへ移送し、保温する。冷却装置は、このように保温されていた冷却水をエンジン始動の際にタンクからウォータジャケットへ供給し、エンジンを温める。その後、エンジンのボア壁の温度が冷却水の温度を超えると、冷却装置は、一旦、冷却水をウォータジャケットからタンクへ排出する。これにより、熱容量を低減し、冷却装置はエンジンの暖機を促進する。このとき、ウォータジャケットから冷却水が排出されると、冷却水が占めていたウォータジャケット内部はエアによって占められる。そして、エンジンの暖機完了後、冷却装置は冷却水を再び前記タンクから前記ウォータジャケットへ供給してエンジンの冷却を行う。このような冷却水の供給時において、ウォータジャケット内のエアは、タンク内へ排出される。ところが、このとき、ウォータジャケット内にエアが残留することがある。ウォータジャケット内にエアが残留している場合には、ウォータジャケット内の冷却水の液面レベルは、ウォータジャケット内が冷却水で満たされている状態よりも低くなる。このため、冷却装置は、ウォータジャケット内の冷却水の液面レベルが満水の状態でなければ、ウォータジャケット内にエアが残留していると判断することができる。また、冷却装置は、液面レベル情報からエアの残留量を算出することができる。
また、このようなエンジンの冷却装置において、前記ウォータジャケット内に貯留するエアを抜き取るエア抜き手段を備え、当該エア抜き手段は、前記演算手段が算出するエア残留情報に基づいて、前記ウォータジャケット内に残留するエアを抜き取る構成とするができる(請求項2)。このような構成とすることにより、ウォータジャケット内に貯留するエアによるウォータジャケット内の圧力上昇やエンジンの高温化を抑制することができる。特に、ウォータジャケット上部は、エンジンの構造上複雑な形状となるため、ポンプを用いて冷却水を供給し、エアをタンクへ押し出すだけでは、エアが抜けにくい。このため、本発明の冷却装置のエア抜き手段により、強制的にエアを抜き取ることでウォータジャケット内の圧力上昇、高温化を抑制することができる。
具体的に、このようなエンジンの冷却装置のエア抜き手段は、前記ウォータジャケット内のエアを吸引する負圧発生装置と、前記ウォータジャケットと前記負圧発生装置との間に配置され、前記ウォータジャケットから吸引されるエアと当該エアと共に吸引される冷却水とを分離する気水分離室と、当該気水分離室内と前記負圧発生装置とが接続する状態と、前記気水分離室内を大気開放する状態とを切替えるスイッチングバルブと、を備え、当該スイッチングバルブは、前記演算手段が算出するエア残留情報に基づいて、前記気水分離室内と前記負圧発生装置とを接続する状態に切替える構成とすることができる。(請求項3)。
また、ウォータジャケット内へ冷却水を供給する場合、ポンプにより送られる冷却水がウォータジャケット内へ供給されるまでの時間差がある。このため、ウォータジャケット内で満水になる前にポンプによる送流を停止しなければ、過度の冷却水がウォータジャケットへ供給されることとなる。本発明のエンジンの冷却装置において、前記ポンプが冷却水を供給してから、前記取得手段が前記ポンプによる冷却水の供給に遅延して変化する液面レベルの情報を取得するまでの時間差を反映させて、前記ポンプの作動状態を制御する制御手段を備えた構成とすることができる(請求項4)。このような構成とすることにより、液面レベル情報とその時点でのポンプが移送した冷却水の量とから、冷却水がウォータジャケットに到達する時刻における液面レベルを推測し、ポンプの作動を制御することができる。これにより、冷却水の過度の供給や不足を回避することができる。また、ポンプの作動時間を減らし、ポンプの電力消費量を低減するので、燃費を向上することができる。
また、本発明のエンジンの冷却装置において、前記ポンプによる冷却水の移送が開始されてからの経過時間と、前記取得手段が取得する冷却水の液面レベル情報とに基づいて、前記ポンプの故障を判断する故障検知手段を備えた構成とすることができる(請求項5)。このような構成とすることにより、ポンプの故障を判断することができる。タンク内からウォータジャケット内へ冷却水を供給する際、所定時間、例えば、30秒経過すると、ウォータジャケット内の冷却水の液面レベルは、ポンプの圧送量から予測される液面レベルに到達する。ところが、このような所定時間が経過しても、予測される液面レベルに到達していなければ、ポンプが故障していると判断することができる。また、ポンプを用いてウォータジャケット内からタンク内へ冷却水を排出する場合にも、ポンプの圧送量から予測される液面レベルの低下がみられなければ、ポンプが故障していると判断することができる。さらに、このような構成とすることにより、ポンプの故障を判断するための圧力センサが不要となり、部品点数を減らすことができる。
さらに、このようなポンプの故障を判断する冷却装置において、前記故障検知手段が前記ポンプの故障を判断すると、前記ポンプの故障について通知する故障通知手段を備えた構成とすることができる(請求項6)。ポンプの故障により、冷却水がウォータジャケット内へ供給されなければ、エンジン内において焼付きなどが生じるおそれがある。このため、ポンプの故障をドライバに通知することにより、危険を回避する運転を促すことができる。また、このような冷却装置を組み込んだエンジンは、冷却装置がポンプの故障を判断すると、エンジンの出力を低下させることができる。
また、本発明のエンジンの冷却装置において、前記ウォータジャケットから前記タンクへの冷却水の排出を開始してからの経過時間と、前記取得手段が取得する冷却水の液面レベル情報とに基づいて、前記ウォータジャケットから前記タンクへの冷却水の排出が異常であると判断する異常検知手段を備えた構成とすることができる(請求項7)。このような構成とすることにより、ウォータジャケット内からタンク内への排出行程において、バルブの故障や配管の詰まり等の異常な状態が生じていると判断することができる。ウォータジャケット内からタンク内へ冷却水の排出が開始されてから、所定時間、例えば、30秒経過すると、ウォータジャケット内の冷却水の液面レベルは、排出されると予測される冷却水の量に応じて低下する。ところが、このような所定時間が経過しても、予測される液面レベルまで低下していなければ、ウォータポンプ内からタンク内へ冷却水が排出される通路において、バルブの故障や配管の詰まり等が生じていることを予測することができる。また、冷却装置は、このような異常な状態を検知した際に、ポンプを作動させて、冷却装置内の冷却水のバランスを変えることとしてもよい。
さらに、このような異常を検知する冷却装置において、前記異常検知手段が前記ウォータジャケットから前記タンクへの冷却水の排出が異常であると判断すると、前記ウォータジャケットから前記タンクへの冷却水の排出が異常であることを通知する通知手段を備えた構成とすることができる(請求項8)。このような構成とすることにより、ユーザに異常な状態を通知し、冷却装置の点検を促すことができる。
また、本発明の車両は、以上説明したようなエンジンの冷却装置と、エンジンのボア壁温度及び/又は冷却水温度を計測する温度計測手段と、ハイブリッド駆動装置と、を備え、前記取得手段により取得された冷却水の液面レベル情報と、前記温度計測手段により計測された温度情報とに基づいて、暖機が進行してからエンジンを始動することができる(請求項9)。このような構成とすることにより、排気改善や燃費向上を行うことができる。ハイブリッド駆動装置を備えた車両は、バッテリとモータを備えているので、走行開始からエンジンを始動させなくとも、バッテリとモータにより走行することができる。このため、エンジンは、暖機が進行してから始動することができる。これにより、エンジンの始動直後の燃焼ガス内に含まれる有害成分の排出量を減少することができる。また、暖機による温度の上昇に伴い潤滑性が向上するので、エンジンの燃費を向上することができる。
本発明のエンジンの冷却装置は、ウォータジャケット内の冷却水の液面レベル情報に基づいて、ウォータジャケット内のエアの残留を検知し、残留するエアを取り除くことにより、ウォータジャケット内の圧力上昇や高温化を抑制し、エンジンを効率よく冷却することができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態を図面と共に詳細に説明する。
本発明の実施例1について図面を参照しつつ説明する。図1は本実施例の冷却装置1を組み込んだエンジン2の概略構成を示した説明図である。エンジン2は、エンジン本体3を備えている。エンジン本体3はシリンダヘッド3aとシリンダブロック3bとを備えている。これらシリンダヘッド3a及びシリンダブロック3bの内部には、ウォータジャケット4が形成されている。
シリンダヘッド3a側のウォータジャケット4内には、冷却水の液面レベル情報を取得する液面センサ25が配置されている。この液面センサ25は、本発明の取得手段に相当する。図2は液面センサ25の周囲を拡大して示した説明図である。液面センサ25は、ブラケット25a、アーム25b、軸25c、フロート25d、ストッパ25eを備えている。ブラケット25aからウォータジャケット4内部へ向かって突き出したアーム25bの先端側に、軸25cが鉛直方向下向きに接続されている。また、液面センサ25には、フロート25dが軸25cに遊嵌されている。フロート25dは、冷却水に浮き、冷却水の上昇、下降に伴って、軸25cに沿って移動する。さらに、軸25cの先端には、ストッパ25eが接続されており、フロート25dの離脱を防いでいる。このような液面センサ25はウォータジャケット4の天井面4aにフロート25dが到達するように形成されている。
また、軸25cの内部にはリードスイッチが内蔵されている。また、フロート25dの内部にはマグネットが内装されており、フロート25dの移動により、軸25cのリードスイッチの動作位置が変化する。液面センサ25は、このようなリードスイッチの動作位置の変化から得られる電気信号を、電気的に接続されたECU(Electronic Control Unit)24へ送信する。このECU24は本発明の演算手段に相当する。ECU24は、液面センサ25から受け取った電気信号を基に、冷却水の液面レベル情報を算出し、この液面レベル情報に基づいて、ウォータジャケット4内のエア残留情報を算出する。ところで、エアは冷却水より軽いため、ウォータジャケット4に貯留する冷却水の上側にエアの層が貯留する。このため、ECU24は、算出した液面レベルが、ウォータジャケット4内が冷却水で満水の状態の液面レベルと比較して低ければ、エアが貯留していると判断する。また、ECU24は取得した液面レベル情報から算出される液面レベルと、満水の状態の液面レベルとの差に基づいて、エアの残留量を算出する。
また、図1に示すように、冷却装置1は、蓄熱タンク5、電動ポンプ6、リザーブタンク7、第一通路8、第二通路9、水溜室10を備えている。蓄熱タンク5は、本発明のタンクに相当する。蓄熱タンク5は、開口部を下に向けて配置され、ウォータジャケット4内の冷却水を収容できる容積を有している。また、この蓄熱タンク5は、天板5aがウォータジャケット4の底面4bよりも下側になるように配置されている。要は冷却水がウォータジャケット4から自由落下し、蓄熱タンク5へ流入するように蓄熱タンク5が配置されている。
電動ポンプ6は、ウォータジャケット4内の底部と前記蓄熱タンク5内とを接続する第三通路11に配置されている。この電動ポンプ6は、電気で駆動される圧送ポンプで、蓄熱タンク5内の冷却水をウォータジャケット4内へ圧送する。また、電動ポンプ6は、作動していない場合でも冷却水を流通することができるように構成されている。すなわち、電動ポンプ6は第三通路11を遮断しないため、電動ポンプ6が停止している場合に、冷却水は第三通路11内をウォータジャケット4から蓄熱タンク5へ向けて流通することができる。また、第三通路11のウォータジャケット4と電動ポンプ6との間に第一電磁弁20が配置されている。
リザーブタンク7は、ウォータジャケット4よりも上側に配置され、エアと冷却水とを貯留する。リザーブタンク7内には、第一通路8と第二通路9とが接続されている。第一通路8は、蓄熱タンク5内とリザーブタンク7内とを接続している。第二通路9は、前記ウォータジャケット4内の上部と前記リザーブタンク7内とを接続している。また、第一通路8は、第二通路9よりもリザーブタンク7内の上側で、リザーブタンク7内の空気層に開口するように接続されている。また、リザーブタンク7の底部に第五通路12が接続されている。この第五通路12の他端は、ウォータジャケット4内に接続されている。
水溜室10は、第一通路8上に配置され、第一通路8に流入した冷却水を貯留するようになっている。蓄熱タンク5側の第一通路8の端部8aは、蓄熱タンク5の底面から蓄熱タンク5の上方に向かって挿入されており、蓄熱タンク5内の空気層に開口するように設置されている。水溜室10は、蓄熱タンク5より下方になるように第一通路8に配置されている。また、この水溜室10内には、第一通路8の開口部8b及び8cは、水溜室10内の上側に形成され、水溜室10内の空気層に開口している。すなわち、第一通路8の開口部8b及び8cは、水溜室10に溜まる冷却水の水面から露出するように形成されている。このように、水溜室10は、第一通路8の最下部に配置されているので、仮に、第一通路8内に冷却水が浸入することがあった場合に、浸入した冷却水は、水溜室10へ流入し貯留される。これにより、第一通路8内では冷却水がエアの流通を妨害することがないため、エアの流通する通路が確保される。
また、冷却装置1は第四通路13を備えている。第四通路13は、水溜室10の底部10aと第三通路11内とを接続している。また、第四通路13は、第三通路11よりも小径に形成されている。さらに、第四通路13には、第三通路11側から水溜室10側へ向かう冷却水を遮断する逆止弁14が配置されている。逆止弁14が開弁すると水溜室10に貯留された冷却水が第三通路11側へ排出される。
さらに、冷却装置1は、ラジエータ15、ウォータポンプ16を備えている。ラジエータ15には、第一冷却水通路17と第二冷却水通路18とが接続されている。第一冷却水通路17の他端は、第二通路9に接続している。第二冷却水通路18の他端は、第五通路12に接続している。第一冷却水通路18の第二通路9側には、サーモスタット19が配置されている。サーモスタット19は、冷却水の温度がエンジン2の暖機が完了する温度となると開弁状態となる開閉弁である。第二冷却水通路18には、第二電磁弁21が配置されている。
ウォータポンプ16は、クランクシャフト(図示しない)の回転を駆動源とする機械式のポンプである。ウォータポンプ16は、第五通路のウォータジャケット4側に配置され、ウォータジャケット4内へ冷却水を圧送する。
さらに、冷却装置1は、バキュームポンプ26、気水分離室27、VSV(Vacuum Switching Valve)28を備えている。バキュームポンプ26は、ブレーキブースタ等の負圧を要する装置を備えるディーゼルエンジンに組み込まれるもので、本発明の負圧発生装置に相当する。バキュームポンプ26は、シリンダヘッド3aの上側に配置されている。バキュームポンプ26とウォータジャケット4内とは第六通路29により接続されている。バキュームポンプ26は、シリンダヘッド3aに組みつけられたカムシャフト(図示しない)により駆動されることにより、負圧を発生させ、ウォータジャケット4内のエアを吸引する。また、第六通路29のウォータジャケット4側は、ウォータジャケット4の天井面4aに接続している。
気水分離室27は、ウォータジャケット4とバキュームポンプ26とを接続する第六通路29上に、リザーブタンク7内の水面よりも上側になるように配置されている。気水分離室27は、バキュームポンプ26がウォータジャケット4内から吸引するエアとこのエアと共に吸引される冷却水とを貯留し、貯留したエアと冷却水とを分離する。
VSV28は第六通路29上のバキュームポンプ26と気水分離室27との間に配置された三方弁である。このVSV28は本発明のスイッチングバルブに相当する。VSV28は、ECU24と電気的に接続している。VSV28がECU24から電気信号を受信すると、内部に備えられているコイルが電磁石となり、この電磁石がスプリングにより付勢されていた可動鉄片を引きつけて、流路が切替わる。このVSV28は、非通電の状態で、気水分離室27内とバキュームポンプ26とを接続する流路を形成し、ECU24から電気信号を受信すると、気水分離室27内を大気開放する流路を形成する。
さらに、冷却装置1は、第七通路30、第三電磁弁31、第四電磁弁32を備えている。第七通路30は、気水分離室27の底部27aとリザーブタンク7内とを接続している。第七通路30のリザーブタンク側端部は第一通路8の接続口より下側でリザーブタンク7に接続している。この第七通路30は、気水分離室27で分離した冷却水をリザーブタンク7へ戻す通路である。
第三電磁弁31は、第七通路30上に配置されている。第三電磁弁31は、ECU24と電気的に接続されており、ECU24から電気信号を受けて開閉を切替える。第三電磁弁31が開弁すると、気水分離室27内の冷却水がリザーブタンク7へ流通する。
第四電磁弁32は、第六通路29上のウォータジャケット4と気水分離室27との間に配置されている。第四電磁弁32は、ECU24と電気的に接続されており、ECU24から電気信号を受けて開閉を切替える。第四電磁弁31が開弁すると、ウォータジャケット4内のエアと冷却水とが気水分離室27へ流通する。
また、冷却装置1は、壁温センサ22、水温センサ23を備えている。壁温センサ22は、シリンダブロック3bに配置され、シリンダブロック3bの温度を測定する。壁温センサ22は、ECU24と電気的に接続されており、壁温センサ22で測定されたエンジン本体3の温度情報をECU24へ送信する。水温センサ23は、ウォータジャケット4内に配置され、ウォータジャケット4内の冷却水の温度を測定する。水温センサ23は、ECU24と電気的に接続されており、水温センサ23で測定された冷却水の温度情報をECU24へ送信する。
ECU24は、電動ポンプ6、第一電磁弁20、第二電磁弁21と電気的に接続されている。ECU24は、壁温センサ22や水温センサ23から取得される温度情報に基づいて、第一電磁弁20や第二電磁弁21の開閉状態を決定し、これらの弁へ信号を送信する。また、ECU24は、壁温センサ22や水温センサ23から取得される温度情報に基づいて、電動ポンプ6の作動を決定し、電動ポンプ6へ作動信号を送信する。
さらに、ECU24は、本発明の制御装置に相当し、電動ポンプ6による冷却水の供給から液面センサ25がこの電動ポンプ6による冷却水の供給に遅延して変化する液面レベルの情報を取得するまでの時間差を反映させて、電動ポンプ6の運転及び停止を制御する。ウォータジャケット4内へ冷却水を供給する場合、電動ポンプ6により送られる冷却水がウォータジャケット4内へ供給されるまでは時間差がある。このため、ウォータジャケット4内で満水になる前にポンプによる送流を停止しなければ、過度の冷却水がウォータジャケット4内へ供給されることとなる。ECU24は、液面レベル情報とその時点での電動ポンプ6が移送した冷却水の量とから、冷却水がウォータジャケット4内に到達する時刻における液面レベルを推測し、電動ポンプ6の作動状態を制御する。これにより、冷却水の過度の供給や不足を回避する。また、ポンプの作動時間を減らし、ポンプの電力消費量を低減するので、燃費を向上させる。
また、ECU24は、本発明の故障検知手段及び異常検知手段に相当する。ECU24は、冷却水の移送が開始されてからの経過時間と、液面センサ25が取得するウォータジャケット4内の冷却水の液面レベル情報とに基づいて、電動ポンプ6の故障を判断する。また、ECU24は、ウォータジャケット4内から蓄熱タンク5への冷却水の排出を開始してからの経過時間と、液面センサ25が取得するウォータジャケット4内の冷却水の液面レベル情報とに基づいて、ウォータジャケット4から蓄熱タンク5への冷却水の排出が異常であると判断する。
また、冷却装置1は警告灯33を備えている。警告灯33は本発明の故障通知手段及び、異常通知手段に相当する。ECU24は、電動ポンプ6の故障を判断すると、警告灯33を点灯し、電動ポンプ6の故障をドライバに通知する。また、ECU24は、ウォータジャケット4内から蓄熱タンク5内への冷却水の排出が異常であると判断すると、警告灯33を点灯し、冷却水の排出が異常であることをドライバに通知する。
次に、エンジン2の冷却装置1の始動前から暖機完了までの動作の概要を説明する。図3は、始動前から暖機完了までのウォータジャケット4と蓄熱タンク5との間の冷却水の供給状態を示した説明図である。図3(a)はエンジン2の始動前の状態(「初期」状態)を示し、図3(b)はエンジン2においてイグニションをONとすることによって蓄熱タンク5からウォータジャケット4へ冷却水を供給している状態(「供給」状態)を示し、図3(c)はクランキングを行い、エンジン2を始動させた状態(「始動」状態)を示している。図3(d)はエンジン2の始動後に、再び、ウォータジャケット4から蓄熱タンク5へ冷却水を抜き取る状態(「排水」状態)を示し、図3(e)はエンジン2の暖機が完了して、蓄熱タンク5からウォータジャケット4へ冷却水が再度供給された状態(「暖機後」状態)を示し、図3(f)は、エンジン2を停止した後に、ウォータジャケット4から蓄熱タンク5へ冷却水を抜き取る状態(「回収」状態)を示している。
図4は、エンジン2の始動前から停止後に亘るシリンダブロックの壁温及び冷却水温度の温度変化を示した説明図である。図4の縦軸は温度、横軸は時間を示し、細線がシリンダブロックの壁温の変化を表し、太線が冷却水温度の変化を表している。図4の横軸上に示した「初期」、「供給」、「始動」、「排水」、「暖機後」、「回収」におけるエンジン2の状態は、それぞれ図3(a)の「初期」状態、図3(b)の「供給」状態、図3(c)の「始動」状態、図3(d)の「排水」状態、図3(e)の「暖機後」状態、図3(f)の「回収」状態に対応させて示されている。
次に、時間とともに変化するウォータジャケット4と蓄熱タンク5との冷却水の移送の様子をエンジン1の始動前から停止後に亘って詳細に説明する。まず、「初期」状態において、冷却装置1は、冷却水を蓄熱タンク5内に貯留している。このような冷却水は、高温の状態で蓄熱タンク5内へ回収されており、蓄熱タンク5内でエンジン2の始動まで保温されている。このとき、ウォータジャケット4内の冷却水はほぼ空の状態となっており、エアで満たされている。このような「初期」状態から、イグニションがONとされると「供給」状態に進む。
「供給」状態では、ECU24が電動ポンプ6を作動させる。電動ポンプ6の作動によって、冷却水が蓄熱タンク5からウォータジャケット4へ移送される。このとき、蓄熱タンク5で保温されていた冷却水は、電動ポンプ6の作動により、第三通路11を通って、ウォータジャケット4内へ供給される。また、ウォータジャケット4内に貯留していたエアは、第一通路8及び第二通路9を通り、蓄熱タンク5へ排出される。
この「供給」状態において、冷却装置1は、電動ポンプ6を作動させてから、30秒後の液面レベル情報を取得する。このとき、ECU24は、ウォータジャケット4内の冷却水の液面レベルが電動ポンプ6の圧送量から予測される液面レベルに到達しているかどうかを判断する。ここで、冷却装置1は、電動ポンプ6の圧送量を予め算出しておき、電動ポンプ6の作動から30秒後の液面レベルを予測する。ECU24は、ウォータジャケット4内の冷却水の液面レベルが電動ポンプ6の圧送量から予測される液面レベルに到達していないと判断した場合、電動ポンプ6が故障していると判断する。ECU24は、このように判断すると、警告灯33を表示し、ドライバに電動ポンプ6の故障を通知する。
一方、ECU24がウォータジャケット4内の冷却水の液面レベルが電動ポンプ6の圧送量から予測される液面レベルに到達していると判断した場合、ウォータジャケット4内に冷却水を継続して供給する。ウォータジャケット4内が冷却水で満水になると、ECU24は、電動ポンプ6を停止し、第一電磁弁20を閉弁状態とする。この「供給」状態において、ウォータジャケット4内へ供給された冷却水は、エンジン本体3よりも温度が高いので、エンジン本体3を暖機する。
「供給」状態において、冷却水がウォータジャケット4内へ供給され、しばらく経過した後、例えば、30秒後に、冷却装置1はエンジン2の「始動」状態へ進む。このように冷却水の供給とエンジン2の始動との間に時間差を設けることにより、エンジン本体3の温度が上昇してからエンジン2を始動することができる。これにより、エンジン2の始動直後の燃焼ガス内に含まれる有害成分の排出量を減少することができる。また、温度の上昇に伴い潤滑性が向上するので、エンジン2の燃費を改善することができる。
「始動」状態では、スタータ(図示しない)を回転させて、エンジン2を始動させる。エンジン2が始動して、しばらく経過すると、燃焼熱により、エンジン本体3は冷却水よりも高温となる。ECU24は、壁温センサ22と水温センサ23から取得する温度情報から、エンジン本体3の温度がウォータジャケット4内の冷却水の温度を超えたと判断すると、「排水」状態に進む。
「排水」状態では、再び、ウォータジャケット4から蓄熱タンク5へ冷却水を抜き取る。エンジン2が始動して、エンジン本体3の温度が冷却水の温度よりも高温となると、冷却水からエンジン本体3への熱の伝達が無くなるだけでなく、却ってエンジン2の燃焼から発生する熱量が冷却水に奪われることになるため、シリンダブロック5の暖機遅延の一因となる。このため、「排水」状態では、冷却水をウォータジャケット4から蓄熱タンク5へ抜き取り、暖機時間を短縮させる。
「排水」状態では、ECU24は、第一電磁弁20を開弁状態とする。これにより、ウォータジャケット4内と蓄熱タンク5内とが連通する。このとき、電動ポンプ6は駆動されていないので、冷却水をウォータジャケット4内へ向けて圧送していない。また、蓄熱タンク5はウォータジャケット4よりも下側に配置されているので、ウォータジャケット4内の冷却水は自由落下により蓄熱タンク5へ排出される。また、蓄熱タンク5内に貯留していたエアは、第一通路8及び第二通路9を通り、ウォータジャケット4内へ供給される。また、このとき、ウォータポンプ16は駆動されているが、第二電磁弁21は閉弁状態のため、リザーブタンク7内の冷却水は、ウォータジャケット4内に供給されていない。
この「排水」状態において、冷却装置1は、第一電磁弁20を開弁状態としてから、30秒後のウォータジャケット4内の液面レベル情報を取得する。このとき、ECU24は、排出される冷却水の量を予測して、ウォータジャケット4内の冷却水の液面レベルが低下しているかどうかを判断する。ECU24がウォータジャケット4内の冷却水の液面レベルが低下していないと判断した場合、冷却装置1は、冷却水の圧力バランスを変えるために、数秒間、電動ポンプ6を作動させる。電動ポンプ6の作動後にECU24は、ウォータジャケット4内の液面レベル情報を取得する。このとき、ECU24は、ウォータジャケット4内の冷却水の液面レベルが低下していないと判断した場合、第一電磁弁20の故障や第三通路11内の通路が詰まっている等の異常な状態が生じていると判断する。さらに、ECU24はこのような判断をするとともに、警告灯33を表示し、ドライバに異常な状態を通知する。
一方、ECU24は、ウォータジャケット4内の冷却水の液面レベルが低下していると判断した場合、ウォータジャケット4内の冷却水の排出を継続する。このように、「排水」状態において、ウォータジャケット4内の冷却水が排出されることにより、エンジン2は、蓄熱タンク5へ抜き取った冷却水に相当する熱容量が減少する。これにより、エンジン本体3の暖機が促進される。
「排水」状態において、ECU24が、壁温センサ22から取得されるエンジン本体3の温度が暖機完了の温度に到達したと判断すると、冷却装置1は、蓄熱タンク5内の冷却水をウォータジャケット4へ再度供給する。ここでの冷却水及びエアの流れは「供給」状態と共通する。また、ECU24は、「供給」状態の場合と同様に、液面レベル情報に基づいて、電動ポンプ6の故障の有無を判断する。この判断結果に基づいてECU24の取る処理は、「供給」状態の場合と共通である。
冷却装置1は、この冷却水の供給が完了すると、「暖機後」状態へ進む。図1の説明図において、「暖機後」状態では、冷却水の温度が暖機完了と判断される温度に到達し、サーモスタット19が開弁状態となり、第一冷却水通路17へ冷却水が流通する。さらにECU24は、第二電磁弁21を開弁状態として、第五通路12内に冷却水を流通させる。これにより、第二冷却水通路18内の冷却水も流れ、ラジエータ15内を冷却水が流通する。すなわち、「暖機後」状態は、ウォータジャケット4とラジエータ15とを冷却水が循環する。このようにエンジン2の暖機後では、ラジエータ15で冷却された冷却水がエンジン2内を循環し、エンジン本体3を運転状態に適した温度に冷却する。
このような「暖機後」状態において、ECU24は、液面センサ25から取得する液面レベル情報に基づいて、ウォータジャケット4内においてエアの残留情報を算出する。すなわち、ウォータジャケット4内の液面レベル情報に基づいて、ウォータジャケット4内にエアが残留しているか否かを判断する。
ECU24は、ウォータジャケット4内にエアの残留を判断すると、第四電磁弁32を開弁状態にする。図5は、第四電磁弁32が開弁状態となった場合の気水分離室27の周囲を拡大して示した説明図である。図5中の実線で示した通路は冷却水の流通する通路を示し、破線で示した通路は、エアの流通する通路を示している。また、点線で示した通路は、流れの停止している通路を示している。
このとき、VSV28は、非通電の状態であり、気水分離室27内とバキュームポンプ26とを接続した状態となっている。このため、バキュームポンプ25により発生させた負圧により、ウォータジャケット4内の上部に残留したエアが気水分離室27に導入される。これにより、ウォータジャケット4内に残留したエアが排出される。このように気水分離室27にエアを導入する際に、このエアと共に冷却水を吸引することがある。気水分離室27内は、このように流入するエアと冷却水とを分離する。
ECU24は、第四電磁弁32を開弁状態とした後も、液面センサ25から液面レベル情報を取得し、ウォータジャケット4内のエアの残留情報を算出する。ECU24は、このように算出するエアの残留情報からウォータジャケット4内にエアの残留がないと判断すれば、エアの排出が完了したとみなし、第四電磁弁32を閉弁状態にする。図6は、第四電磁弁32を閉弁状態にした後の気水分離室27の周囲を拡大して示した説明図である。図6中の実線で示した通路は冷却水の流通する通路を示し、破線で示した通路は、エアの流通する通路を示している。また、点線で示した通路は、流れの停止している通路を示している。
ECU24は、第四電磁弁32を閉弁状態にすると、第三電磁弁31を開弁状態とし、VSV28に通電し、気水分離室27内を大気開放する。これにより、気水分離室27内の冷却水はリザーブタンク7へ戻され、エアがエンジン外部へ排出される。このようにウォータジャケット4内に残留したエアを抜き取ることにより、エアの残留に起因したウォータジャケット4内の圧力上昇、高温化を抑制することができる。
次に、「暖機後」状態での運転を終え、エンジン2が停止すると、「回収」状態へ進む。「回収」状態では、冷却装置1は、電動ポンプ6を駆動して、ウォータジャケット4内の加熱された状態の冷却水を蓄熱タンク5へ移送する。移送された冷却水は蓄熱タンク5において次のエンジン始動まで保温される。ここでの冷却水及びエアの流れは「排水」状態と共通する。また、ECU24は、「排水」状態の場合と同様に、液面レベル情報に基づいて、第一電磁弁20の故障や第三通路11内の通路が詰まっているなどの異常な状態の有無を判断する。この判断結果に基づいてECU24は、警告灯33を表示し、ユーザに通知する。
以上のように、本発明の冷却装置1は、液面センサ25により、ウォータジャケット4内の冷却水の液面レベル情報を取得し、エアの残留情報を算出する。冷却装置1は、ウォータジャケット4内にエアの残留を検知すると、バキュームポンプ26の吸引により、ウォータジャケット4内のエアを排出する。これにより、ウォータジャケット内の圧力上昇、高温化を抑制することができる。
次に、本発明の実施例2について図面を参照しつつ説明する。図7は、本実施例の車両50の概略構成を示した説明図である。車両50は、冷却装置1を組み込んだエンジン2とハイブリッド駆動装置51と備えている。冷却装置1を組み込んだエンジン2は、実施例1と同一であるため、同一の構成要素については、図面中、同一の参照番号を付し、その詳細な説明は省略する。
ハイブリッド駆動装置51は、ハイブリッドコンピュータ52、モータ/ジェネレータ53、ハイブリッド用バッテリ54、インバータ55を備えている。ハイブリッドコンピュータ52は、ECU24と接続されており、ECU24から各種の情報を取得する。さらに、ハイブリッドコンピュータ52は、モータ/ジェネレータ53、ハイブリッド用バッテリ54、インバータ55のそれぞれと電気的に接続され、これらを制御する。モータ/ジェネレータ53は、ハイブリッド用バッテリ54から電力を供給されて駆動され、その駆動力が車輪へ伝達される。インバータ55は、交流電流で駆動されるモータ/ジェネレータ53と直流電流を蓄電するハイブリッド用バッテリ54との間の電流を変換する変換機である。
このような車両50は、走行開始時にハイブリッド駆動装置51により、駆動され走行することができる。すなわち、ハイブリッド駆動装置51は、ハイブリッド用バッテリ54に蓄電された電力を用いてモータ/ジェネレータ53を駆動し、車両50を走行させる。車両50は、このようにハイブリッド駆動装置51の動力により走行する間に、エンジン2を暖機させる。ECU24は、液面センサ25から取得される液面レベル情報と、壁温センサ22、水温センサ23から取得される壁温や水温の情報に基づいて、エンジン2の暖機が進行した後にスタータを回転させ、エンジン2を始動する。エンジン2が始動した後、ECU24、ハイブリッドコンピュータ52は、効率良く車両50が走行するように駆動系を制御する。このように、エンジン2は、暖機進行後に始動するため、始動直後の燃焼ガス内に含まれる有害成分の排出量を減少することができる。また、暖機による温度の上昇に伴い潤滑性が向上するので、エンジンの燃費を向上することができる。
上記実施例は本発明を実施するための例にすぎず、本発明はこれらに限定されるものではなく、これらの実施例を種々変形することは本発明の範囲内であり、さらに本発明の範囲内において、他の様々な実施例が可能であることは上記記載から自明である。
また、本発明のエンジン2の冷却装置1は、「排水」状態後の冷却水の再供給時に、液面センサ25が取得する液面レベル情報からウォータジャケット4内の冷却水が満水の状態に近づいたと判断したら、第四電磁弁32を開弁し、ウォータジャケット4内のエアを吸引する構成とすることができる。これにより、ウォータジャケット4のエア抜きを促進することができる。
実施例1の冷却装置を組み込んだエンジンの概略構成を示した説明図である。 実施例1の冷却装置における液面センサの周囲を拡大して示した説明図である。 始動前から暖機完了までのウォータジャケット内と第一タンク内との冷却水の供給状態を示した説明図であって、(a)は「初期」状態を示し、(b)は「供給」状態を示し、(c)は「始動」状態を示し、(d)は「排水」状態を示し、(e)は「暖機後」状態を示し、(f)は「回収」状態を示した説明図である。 エンジンの始動前から停止後に亘るシリンダブロックの壁温及び冷却水温度の温度変化を示した説明図である。 第四電磁弁が開弁状態となった場合の気水分離室の周囲を拡大して示した説明図である。 第四電磁弁が開弁した後に閉弁状態となった場合の気水分離室の周囲を拡大して示した説明図である。 本発明の車両の概略構成を示した説明図である。
符号の説明
1 冷却装置
2 エンジン
3 エンジン本体
4 ウォータジャケット
5 蓄熱タンク
6 電動ポンプ
7 リザーブタンク
8 第一通路
9 第二通路
10 水溜室
11 第三通路
12 第五通路
13 第四通路
14 逆止弁
15 ラジエータ
16 ウォータポンプ
24 ECU
25 液面センサ
25a ブラケット
25b アーム
25c 軸
25d フロート
25e ストッパ
26 バキュームポンプ
27 気水分離室
28 VSV
29 第六通路
30 第七通路
31 第三電磁弁
32 第四電磁弁
33 警告灯
50 車両
51 ハイブリッド駆動装置

Claims (9)

  1. エンジン内部に形成されたウォータジャケット内から抜き取った冷却水を貯留するタンクと、
    前記ウォータジャケットと前記タンクとの間で冷却水を移送するポンプと、
    前記ウォータジャケット内の冷却水の液面レベル情報の取得手段と、
    当該取得手段により取得した冷却水の液面レベル情報に基づいて、前記ウォータジャケット内のエア残留情報を算出する演算手段と、
    を備えたことを特徴とするエンジンの冷却装置。
  2. 請求項1記載のエンジンの冷却装置において、
    前記ウォータジャケット内に残留するエアを抜き取るエア抜き手段を備え、
    当該エア抜き手段は、前記演算手段が算出するエア残留情報に基づいて、前記ウォータジャケット内に残留するエアを抜き取ることを特徴とするエンジンの冷却装置。
  3. 請求項1記載のエンジンの冷却装置において、
    前記ウォータジャケット内に残留するエアを抜き取るエア抜き手段を備え、
    当該エア抜き手段は、前記ウォータジャケット内のエアを負圧により吸引する吸引装置と、
    前記ウォータジャケットと前記吸引装置との間に配置され、前記ウォータジャケットから吸引されるエアと当該エアと共に吸引される冷却水とを分離する気水分離室と、
    当該気水分離室内と前記負圧発生装置とが接続する状態と、前記気水分離室内を大気開放する状態とを切替えるスイッチングバルブと、を備え、
    当該スイッチングバルブは、前記演算手段が算出するエア残留情報に基づいて、前記気水分離室内と前記負圧発生装置とが接続する状態に切替えることを特徴とするエンジンの冷却装置。
  4. 請求項1記載のエンジンの冷却装置において、
    前記ポンプが冷却水を供給してから、前記取得手段が前記ポンプによる冷却水の供給に遅延して変化する液面レベルの情報を取得するまでの時間差を反映させて、前記ポンプの作動状態を制御する制御手段を備えたことを特徴とするエンジンの冷却装置。
  5. 請求項1記載のエンジンの冷却装置において、
    前記ポンプによる冷却水の移送が開始されてからの経過時間と、前記取得手段が取得する冷却水の液面レベル情報とに基づいて、前記ポンプの故障を判断する故障検知手段を備えたことを特徴とするエンジンの冷却装置。
  6. 請求項5記載のエンジンの冷却装置において、
    前記故障検知手段が前記ポンプの故障を判断すると、前記ポンプの故障について通知する故障通知手段を備えたことを特徴とするエンジンの冷却装置。
  7. 請求項1記載のエンジンの冷却装置において、
    前記ウォータジャケットから前記タンクへの冷却水の排出を開始してからの経過時間と、前記取得手段が取得する冷却水の液面レベル情報とに基づいて、前記ウォータジャケットから前記タンクへの冷却水の排出が異常であると判断する異常検知手段を備えたことを特徴とするエンジンの冷却装置。
  8. 請求項7記載のエンジンの冷却装置において、
    前記異常検知手段が前記ウォータジャケットから前記タンクへの冷却水の排出が異常であると判断すると、前記ウォータジャケットから前記タンクへの冷却水の排出が異常であることを通知する異常通知手段を備えたことを特徴とするエンジンの冷却装置。
  9. 請求項1乃至8のいずれか一項記載のエンジンの冷却装置と、
    エンジンのボア壁温度及び/又は冷却水温度を計測する温度計測手段と、
    ハイブリッド駆動装置と、を備え、
    前記取得手段により取得された冷却水の液面レベル情報と、前記温度計測手段により計測された温度情報とに基づいて、暖機が進行してからエンジンを始動することを特徴とする車両。
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