JP2008303775A - 内燃機関の冷却装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】冷却水の沸騰を正確に検出可能な内燃機関の冷却装置を提供する。
【解決手段】内燃機関の冷却装置は、電動ウォーターポンプを利用して冷却水管路及びエンジン内部に冷却水を循環させる。冷却水管路の一部には冷却水の水位を検出する水位検出手段が設けられる。例えば、水位検出手段は、冷却水を溜めるリザーブタンクに設けることができる。冷却水が沸騰すると冷却水の水位が急激に上昇する。沸騰検知手段は、冷却水の水位の上昇率を検出し、これに基づいて冷却水の沸騰を検知する。
【選択図】図2
【解決手段】内燃機関の冷却装置は、電動ウォーターポンプを利用して冷却水管路及びエンジン内部に冷却水を循環させる。冷却水管路の一部には冷却水の水位を検出する水位検出手段が設けられる。例えば、水位検出手段は、冷却水を溜めるリザーブタンクに設けることができる。冷却水が沸騰すると冷却水の水位が急激に上昇する。沸騰検知手段は、冷却水の水位の上昇率を検出し、これに基づいて冷却水の沸騰を検知する。
【選択図】図2
Description
本発明は、冷却水を循環させて内燃機関を冷却する内燃機関の冷却装置に関する。
電動ウォーターポンプにより内燃機関とラジエータとの間で冷却水を循環させる内燃機関の冷却装置の例が特許文献1に記載されている。この特許文献1では、冷却水温センサにより冷却水の沸騰が検知されると、電動ウォーターポンプの駆動量を増大させて冷却水の温度を低下させる。また、内燃機関の冷却装置に関連のある先行技術文献として、特許文献2乃至4が挙げられる。
上記のように、水温センサにより冷却水の沸騰を検出する方法では、以下のような問題がある。第1には、沸騰の判定に用いる水温の閾値の設定が難しい。内燃機関の暖機運転時には電動ウォーターポンプを停止するか微小流動で駆動して暖機の促進を図るが、安全を見て閾値を低く設定すると暖機の促進効果が低下してしまう。一方、閾値を高く設定しすぎると冷却水が沸騰しやすくなる。
第2には、上記のような内燃機関の暖機運転時などに電動ウォーターポンプを停止させると、強制対流でなくなるため水温センサの応答が遅くなる。その結果、水温検出が不正確となるとともに、沸騰の判定に用いる閾値を低めに設定していても沸騰が発生する可能性がある。
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、冷却水の沸騰を正確かつ迅速に検出可能な内燃機関の冷却装置を提供することを目的とする。
本発明の1つの観点では、エンジン冷却用の電動ウォーターポンプを有する内燃機関の冷却装置は、冷却水管路の一部に設けられ、冷却水の水位を検出する水位検出手段と、検出された水位の上昇率に基づいて冷却水の沸騰を検知する沸騰検知手段と、を備える。
上記の内燃機関の冷却装置は、電動ウォーターポンプを利用して冷却水管路及びエンジン内部に冷却水を循環させる。冷却水管路の一部には冷却水の水位を検出する水位検出手段が設けられる。例えば、水位検出手段は、冷却水を溜めるリザーブタンクに設けることができる。冷却水が沸騰すると冷却水の水位が急激に上昇する。沸騰検知手段は、冷却水の水位の上昇率を検出し、これに基づいて冷却水の沸騰を検知する。このように冷却水の水位の上昇率に基づいて冷却水の沸騰を検知する手法は、冷却水の温度に基づいて沸騰を検知する手法に比べて応答が早いので、その分、電動ウォーターポンプの消費電力を低減することができる。
上記の内燃機関の冷却装置の一態様は、前記沸騰検知手段が冷却水の沸騰を検知したときに、前記電動ウォーターポンプの駆動量を増加させる制御手段を備える。冷却水の沸騰が検知されたときには、電動ウォーターポンプの駆動量を増加させ、冷却水の流量を増加させて冷却水の温度を低下させる。
上記の内燃機関の冷却装置の他の一態様は、冷却水の温度を検出する冷却水温センサと、冷却水の温度に基づいて冷却水の沸騰を検知する水温判定手段と、前記水温判定手段により冷却水の沸騰が検知されてから一定時間が経過しても前記沸騰検知手段により冷却水の沸騰が検知されない場合、冷却水管路に漏れが発生していると判定する判定手段と、を備える。
この態様では、冷却水の水位の上昇率に基づいて沸騰を検知するとともに、冷却水の水温に基づいて沸騰を検知する。水温に基づいて沸騰が検知されているにも拘わらず、水位の上昇率に基づいて沸騰が検知されない、即ち水位が上昇していないということは、冷却水管路中で冷却水の漏れなどの不具合が発生していると推測することができる。
以下、図面を参照して本発明の好適な実施の形態について説明する。
本発明の実施形態に係る内燃機関の冷却装置の概略構成を図1に示す。図1において、実線の矢印は冷却水の流れを示し、破線の矢印は信号の流れを示す。
内燃機関の制御装置は、主要な構成要素として、内燃機関(エンジン)1と、電動ウォーターポンプ10と、ラジエータ12と、リザーブタンク14と、ECU(Electric Control Unit)16とを備える。
エンジン1の吸気通路2には、エアクリーナ6とスロットルバルブ3が設けられている。スロットルバルブ3はバルブ駆動モータ4により駆動され、スロットルポジションセンサ5はスロットル開度を検出してECU16へ供給する。
エンジン1は、シリンダヘッド1a、シリンダブロック1b及びオイルパン1cを備え、内部には図示しないウォータージャケットが設けられている。シリンダブロック1bから流入した冷却水はエンジン1の内部を通過し、シリンダヘッド1aから流出する。また、エンジン1には、クランクシャフト7の回転角を検出するクランク角センサ8、冷却水の水温を検出する水温センサ9などが設けられている。
エンジン1とラジエータ12とはラジエータ通路22により接続され、冷却水管路を構成している。エンジン1への冷却水流入口の近傍には電動ウォーターポンプ10が設置されている。電動ウォーターポンプ10は、エンジン1、ラジエータ12及びラジエータ通路22により構成される冷却水管路に冷却水を循環させる。
ラジエータ通路22には、ラジエータ12を迂回するバイパス通路21が接続されている。バイパス通路21の第1の端部はエンジン1のウォータージャケット出口とラジエータ12との間に接続されており、第2の端部はラジエータ12と電動ウォーターポンプ10との間に接続されている。バイパス通路21の第2の端部とラジエータ通路22との接続部には流量制御弁(サーモスタット)11が設けられており、冷却水温に応じてラジエータ12からの冷却水の流量を調整する。
ラジエータ12には加圧型のラジエータキャップ13が設けられている。ラジエータキャップ13は、エンジン1の運転中に冷却水温が上昇し、内圧が規定値を超えて上がった場合にプレッシャバルブを開いて冷却水をリザーブタンク14に逃がす。こうして、ラジエータ12内を規定圧力に保っている。
リザーブタンク14内には液面センサ15が設けられており、液面水位を示す信号をECU16に供給する。ECU16は、液面センサ15からの出力信号に基づいて、リザーブタンク内の液面水位の上昇率が予め決められた閾値を超えた場合に、冷却水が沸騰していると判定し、電動ウォーターポンプ10の作動を開始する又は流量を増大するように制御する。
上記の構成において、液面センサ15は本発明における水位検出手段として機能し、ECU16は沸騰検知手段、制御手段、水温検知手段及び判定手段として機能し、水温センサ9は冷却水温センサとして機能する。
次に、本実施形態による冷却水の沸騰の検知方法について詳しく説明する。エンジン始動時の暖機運転中において、電動ウォーターポンプ10を完全に停止した場合、冷却水温の上昇に伴ってラジエータ通路22などの冷却水管路の内圧が上昇するため、ラジエータキャップ13が開弁する。これにより、冷却水がリザーブタンク14へ流出し、リザーブタンク14内の液面水位が上昇する。冷却水管路のいずれかの箇所で冷却水が沸騰すると、冷却水管路の内圧が急激に上昇するため、リザーブタンク14内の液面水位も急上昇する。そこで、液面センサ15によりリザーブタンク14内の冷却水の液面水位を検出し、ECU16は、液面水位が急激に上昇したときに冷却系管路のいずれかの箇所で冷却水の沸騰が発生していると判定する。具体的には、ECU16は、液面センサ15が検出する液面水位の上昇率が予め決められた所定の閾値を超えた場合に沸騰が発生していると判定する。液面水位の上昇率は、液面センサ15が出力する、液面水位を示す信号の微分などにより得ることができる。
ここで、液面水位の上昇率に基づいて冷却水の沸騰を検出することの利点について説明する。前述のように、冷却水の沸騰を冷却水温に基づいて検出する手法は応答が遅いという欠点がある。特に、暖機運転時などに電動ウォーターポンプ10を停止又は微小な駆動としている場合には応答遅れが顕著となる。この点、液面水位の上昇率は応答が早いため、迅速に冷却水の沸騰を検知できる。
一方、リザーブタンク14内の水位自体を所定値と比較し、水位が所定値を超えた場合に冷却水が沸騰したと判定する手法も提案されている。しかし、実際には冷却水が沸騰するときの水位はいつも一定であるとは限らない。即ち、冷却系における沸騰の発生箇所、発生原因、エンジンの運転状態などによって、沸騰が発生したときのリザーブタンク14内の水位は異なる場合がある。これに対して、沸騰が発生したときには前述のようにリザーブタンクの液面水位が急激に上昇するので、本実施形態のように、水位の上昇率を利用する方法は、水位自体を利用する方法と比べて判定の精度、信頼度が高い。
図2に、本実施形態による電動ウォーターポンプの制御例を示す。図2(a)はエンジン回転数を示し、図2(b)は冷却水温を示し、図2(c)は液面水位を示し、図2(d)は冷却水流量を示している。この例はエンジンの暖機中における制御例であり、基本的には電動ウォーターポンプ10を停止して冷却水の流れを止めている。よって、図2(d)に示すように、通常状態では冷却水流量はゼロになっている。
エンジン始動後の暖機過程において図2(a)に示すようにエンジン回転数が変化し、図2(b)及び図2(c)に示すように、冷却水温及びリザーブタンク14内の液面水位が上昇する。なお、破線Tで示す冷却水温は実水温であり、実線で示す冷却水温は水温センサにより検出される検出値である。図示のように、実水温と水温センサの検出値とは誤差を有している。
図2(b)に示すように、各時刻t1、12、t3、t4において冷却水温(実水温T)が沸点に達すると、図2(c)に示すように液面水位は急上昇する。図2(c)の液面水位のグラフの傾きが液面水位の上昇率を示している。各時刻t1、t2、t3、t4では液面水位の上昇率が一時的に大きくなっており、その結果グラフの傾きが大きくなっている。ECU16は、液面センサ15の出力に基づいて液面水位の上昇率を算出し、それが所定の閾値を超えたときに、冷却水の沸騰が生じていると判定する。本例では、ECU16は各時刻t1、t2、t3、t4で冷却水が沸騰したと判定し、それに応答して電動ウォーターポンプ10を駆動して冷却水の流れを生じさせている。このため、図2(d)に示すように、時刻t1、t2、t3、t4の直後に冷却水の流れが生じている。
図3に本実施形態による電動ウォーターポンプの制御フローチャートを示す。なお、この処理はエンジン始動後の暖機過程においてECU16により実行される。
まず、ECU16は、液面センサ15の出力に基づいて、リザーブタンク14の液面水位を検出し(ステップS101)、液面水位に基づいて液面水位の上昇率を算出する(ステップS102)。液面水位の上昇率の計算は、図2(c)に示す液面水位のグラフの傾きを計算することに相当し、液面水位信号の微分値を計算するなどの手法により行われる。
次に、ECU16は、計算された液面水位の上昇率が所定の閾値以上であるか否かを判定する(ステップS103)。ここで、所定の閾値は、冷却水が沸騰したときに発生する急激な液面水位上昇に相当する値に予め設定される。液面水位の上昇率が閾値以上である場合(ステップS103;Yes)、ECU16は電動ウォーターポンプ10を作動し、冷却水を循環させる(ステップS104)。一方、液面水位の上昇率が閾値未満である場合(ステップS103;No)、ECU16は冷却水の沸騰は発生していないと判定し、電動ウォーターポンプ10を作動させることなく処理を終了する。
以上の制御により、エンジン始動から暖機過程において、冷却損失、電動ウォーターポンプ消費電力を最大限抑制することができ、効率よく早期暖機が可能となる。また、ハイブリッドエンジンなどにおける間欠運転において、暖機後にエンジンを再始動させた直後は、冷却水温が沸点に達するまで電動ウォーターポンプ10の始動を遅延させることができるので、省電力化が可能となる。さらに、デッドソーク時(暖機後エンジンを切った状態)にエンジン壁面からの熱により冷却水温が上昇して沸騰した場合にも、電動ウォーターポンプ10を一時的に作動させて、リザーブタンク14からの冷却水のオーバーフローを防止することができるという利点もある。
[変形例]
上記の制御の実行時に、水温センサ9からの出力に基づいて冷却水の沸騰を検出することにより、冷却系の診断を行うことができる。具体的には、上記のように、リザーブタンク14内の液面水位の上昇率に基づいて冷却水の沸騰を検出することに加え、水温センサ9により冷却水の温度を検出して冷却水の沸騰を検出する。そして、水温センサにより沸騰が検出されてから一定時間が経過しても液面水位の上昇度に基づいて沸騰が検出されない場合には、冷却水管路のどこかに漏れが発生していると推定することができる。
上記の制御の実行時に、水温センサ9からの出力に基づいて冷却水の沸騰を検出することにより、冷却系の診断を行うことができる。具体的には、上記のように、リザーブタンク14内の液面水位の上昇率に基づいて冷却水の沸騰を検出することに加え、水温センサ9により冷却水の温度を検出して冷却水の沸騰を検出する。そして、水温センサにより沸騰が検出されてから一定時間が経過しても液面水位の上昇度に基づいて沸騰が検出されない場合には、冷却水管路のどこかに漏れが発生していると推定することができる。
1 エンジン(内燃機関)
2 吸気通路
9 水温センサ
10 電動ウォーターポンプ
12 ラジエータ
14 リザーブタンク
15 液面センサ
16 ECU
21 バイパス通路
22 ラジエータ通路
2 吸気通路
9 水温センサ
10 電動ウォーターポンプ
12 ラジエータ
14 リザーブタンク
15 液面センサ
16 ECU
21 バイパス通路
22 ラジエータ通路
Claims (3)
- エンジン冷却用の電動ウォーターポンプを有する内燃機関の冷却装置であって、
冷却水管路の一部に設けられ、冷却水の水位を検出する水位検出手段と、
検出された水位の上昇率に基づいて冷却水の沸騰を検知する沸騰検知手段と、を備えることを特徴とする内燃機関の冷却装置。 - 前記沸騰検知手段が冷却水の沸騰を検知したときに、前記電動ウォーターポンプの駆動量を増加させる制御手段を備えることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の冷却装置。
- 冷却水の温度を検出する冷却水温センサと、
冷却水の温度に基づいて冷却水の沸騰を検知する水温判定手段と、
前記水温判定手段により冷却水の沸騰が検知されてから一定時間が経過しても前記沸騰検知手段により冷却水の沸騰が検知されない場合、冷却水管路に漏れが発生していると判定する判定手段と、を備えることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の冷却装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007151145A JP2008303775A (ja) | 2007-06-07 | 2007-06-07 | 内燃機関の冷却装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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Publication Number | Publication Date |
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Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2007151145A Withdrawn JP2008303775A (ja) | 2007-06-07 | 2007-06-07 | 内燃機関の冷却装置 |
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Country | Link |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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-
2007
- 2007-06-07 JP JP2007151145A patent/JP2008303775A/ja not_active Withdrawn
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