JP2015007384A - オイルパンの構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】エア吸いを抑制することができるオイルパンの構造を提供する。【解決手段】内部に潤滑油を貯留する空間51を備えたオイルパン本体5と、このオイルパン本体5の内部空間51を、外室52と、この外室52の上方に重ねられた内室53とに仕切るセパレータ6と、このセパレータ6に設けられ前記外室52と内室53とを連通する連通孔60を前記外室52内の温度に応じて開閉する開閉バルブ7と、オイルポンプに連なって前記オイルパン本体5内の貯留油を吸い込むために前記外室52内におけるセパレータ6の底壁の下方に配された吸込口81とを備えた。【選択図】図2
Description
本発明は、機関の各部の潤滑に使用される潤滑油が貯留されるオイルパンの構造に関する。
内燃機関では、オイルパンに貯留された潤滑油をオイルポンプで汲み上げて機関各部の潤滑等に供している。機関各部に供給された潤滑油は、シリンダブロック直下のクランクケース下方に存在するオイルパンに向けて流下する。そして、再びオイルポンプによって汲み上げられ、機関各部を循環する。
ところで、冷間始動時において潤滑油の温度が十分に上昇していないうちは、潤滑油自体の粘度が高いことによって生じるメカロスが大きく、温度が十分に上昇した後に比べて燃費性能が悪化する。
そこで、機関各部に供給される潤滑油を早期に昇温させて潤滑油の粘度を低減するために、オイルパンの内部空間を内室と外室とに仕切るセパレータを備えた2槽構造のオイルパンが知られている(例えば、下記特許文献1を参照)。この2槽構造のオイルパンは、オイルポンプに連なり貯留油を吸い込むため吸込口が内室内に配されている。そして、冷間始動時には、内室内の貯留油を汲み上げて機関各部に供給し、機関各部の潤滑に供された潤滑油は内室内に流下する。このように外室内の潤滑油を使うことなく内室内の潤滑油のみを循環させて、この内室内の潤滑油を早期に昇温させることができる。したがって、冷間始動時に機関各部に供給される潤滑油を早期に昇温でき、フリクションの低減によって燃費向上に寄与する。一方、内室内の潤滑油の油温が所定値以上となれば、セパレータに設けられたサーモスタットが開弁し、内室と外室の潤滑油が混合されるため、潤滑油の過度の昇温を抑制することができる。
このように内室内に吸込口が配されたものでは、外室の上方にセパレータを介して内室が配されているため、オイルパン内における吸込口の位置が比較的上側に設定されてしまう。そのため、このオイルパンを備えた車両が登坂路等を走行して潤滑油の油面が傾くと、吸込口が潤滑油から外に露出してしまい、当該吸込口から空気を吸い込んでしまう、いわゆるエア吸い状態が生じるおそれがある。
本発明は、エア吸いを抑制することができるオイルパンの構造を提供することを所期の目的とする。
本発明では、内部に潤滑油を貯留する空間を備えたオイルパン本体と、このオイルパン本体の内部空間を、外室と、この外室の上方に重ねられた内室とに仕切るセパレータと、このセパレータに設けられ前記外室と内室とを連通する連通孔を前記外室内の温度に応じて開閉する開閉バルブと、オイルポンプに連なって前記オイルパン本体内の貯留油を吸い込むために前記外室内におけるセパレータの底壁の下方に配された吸込口とを備えたことを特徴とする。
本発明によれば、エア吸いを抑制することができるオイルパンの構造を提供することができる。
本発明の一実施形態を、図面を参照して説明する。図1に、本実施形態における車両用内燃機関の概要を示す。本実施形態における内燃機関は、火花点火式の4ストロークエンジンであり、複数の気筒1(図1には、そのうち一つを図示している)を具備している。各気筒1の吸気ポート近傍には、燃料を噴射するインジェクタ11を設けている。また、各気筒1の燃焼室の天井部に、点火プラグ12を取り付けてある。点火プラグ12は、点火コイルにて発生した誘導電圧の印加を受けて、中心電極と接地電極との間で火花放電を惹起するものである。点火コイルは、半導体スイッチング素子であるイグナイタとともに、コイルケースに一体的に内蔵される。
吸気を供給するための吸気通路3は、外部から空気を取り入れて各気筒1の吸気ポートへと導く。吸気通路3上には、エアクリーナ31、電子スロットルバルブ32、サージタンク33、吸気マニホルド34を、上流からこの順序に配置している。
排気を排出するための排気通路4は、気筒1内で燃料を燃焼させた結果発生した排気を各気筒1の排気ポートから外部へと導く。この排気通路4上には、排気マニホルド42及び排気浄化用の三元触媒41を配置している。
本実施形態の制御装置たるECU(Electronic Control Unit)0は、プロセッサ、メモリ、入力インタフェース、出力インタフェース等を有したマイクロコンピュータシステムである。
入力インタフェースには、車両の実車速を検出する車速センサから出力される車速信号a、クランクシャフトの回転角度及びエンジン回転数を検出するエンジン回転センサから出力されるクランク角信号b、アクセルペダルの踏込量またはスロットルバルブ32の開度をアクセル開度(いわば、要求負荷)として検出するセンサから出力されるアクセル開度信号c、吸気通路3(特に、サージタンク33)内の吸気温及び吸気圧を検出する温度・圧力センサから出力される吸気温・吸気圧信号d、車載バッテリの電圧を検出するセンサから出力されるバッテリ電圧信号e、内燃機関の冷却水温を検出する水温センサから出力される冷却水温信号f、吸気カムシャフトまたは排気カムシャフトの複数のカム角にてカム角センサから出力されるカム角信号g等が入力される。
出力インタフェースからは、点火プラグ12のイグナイタに対して点火信号i、インジェクタ11に対して燃料噴射信号j、スロットルバルブ32に対して開度操作信号k等を出力する。
ECU0のプロセッサは、予めメモリに格納されているプログラムを解釈、実行し、運転パラメータを演算して内燃機関の運転を制御する。ECU0は、内燃機関の運転制御に必要な各種情報a、b、c、d、e、f、gを入力インタフェースを介して取得し、エンジン回転数を知得するとともに気筒1に充填される吸気量を推算する。そして、それらエンジン回転数及び吸気量等に基づき、要求される燃料噴射量、燃料噴射タイミング(一度の燃焼に対する燃料噴射の回数を含む)、燃料噴射圧、点火タイミングといった各種運転パラメータを決定する。運転パラメータの決定手法自体は、既知のものを採用することが可能である。ECU0は、運転パラメータに対応した各種制御信号i、j、kを出力インタフェースを介して印加する。
また、ECU0は、内燃機関の始動(冷間始動であることもあれば、アイドリングストップからの復帰であることもある)時において、電動機(スタータモータまたはモータジェネレータ)に制御信号sを入力し、電動機によりクランクシャフトを回転させるクランキングを行う。クランキングは、内燃機関が初爆から連爆へと至り、エンジン回転数すなわちクランクシャフトの回転速度が冷却水温等に応じて定まる判定値を超えたときに(完爆したものと見なして)終了する。
本実施形態の内燃機関は、図2に示すように、シリンダブロック13の下部に本発明のオイルパンを適用した二槽式オイルパン10を備えている。この二槽式オイルパン10内における潤滑油が、オイルポンプ(図示せず)にて供給されることによりエンジン各部が潤滑される。潤滑後の潤滑油は、二槽式オイルパン10内に溜まるように構成されている。また、オイルポンプは、内燃機関の駆動により、エンジン回転数に比例して潤滑油の供給が増大するようになっている。
本実施形態の二槽式オイルパン10の構造は、内部に潤滑油を貯留する空間51を備えたオイルパン本体5と、このオイルパン本体5の内部空間51を、外室52と、この外室52の上方に重ねられた内室53とに仕切るセパレータ6と、このセパレータ6に設けられ前記外室52と内室53とを連通する連通孔60を前記外室52内の温度に応じて開閉する開閉バルブたるサーモスタット7と、オイルポンプに連なって前記オイルパン本体5内の貯留油を吸い込むために前記外室52内におけるセパレータ6の底壁61の下方に配されたストレーナ8の吸込口81とを備えたものである。
前記セパレータ6は、前記オイルパン本体5を上下方向に並ぶ複数の空間たる外室52と内室53とに仕切るものである。前記セパレータ6は、前記オイルパン本体5の上方であって当該オイルパン本体5の底壁54とほぼ平行に設けられる底壁61と、この底壁61の周縁部から立ち上がる周壁63とを備えた凹型をなすものである。前記外室52は、内室53よりも潤滑油容量が大きく設定されており、具体的には、内室53の容量が1.5リットル、外室52の容量が2.0リットルに設計してある。前記外室52は、シリンダブロック13の内部と連通されている。そして、前記底壁61には、前記外室52の潤滑油と内室53の潤滑油とが流通可能な連通孔60が設けられており、この連通孔60にはサーモスタット7が取り付けられている。
前記サーモスタット7は、外室52内の油温に応じて開閉動作して前記外室52と内室53とを連通または隔離するものである。前記サーモスタット7は、外室52の油温を検出するべく外室52に臨む感温部71と、この感温部71が検出する温度に応じて前記連通孔60を開閉する弁体72と、この弁体72が接離動作する弁座73とを備えた通常のものである。詳述すれば、前記サーモスタット7は、前記感温部71を介して検出される潤滑油の油温が低いときには弁体72が弁座73に接して流路を塞ぐか、わずかな潤滑油しか通過させない状態とするとともに、潤滑油の油温が高くなるにつれ前記弁体72と弁座73との隙間を増大させることで、より多くの潤滑油を通過させ得るものである。このサーモスタット7の具体的な構成は既存のものと同様であるため、本実施形態では具体的な説明を省略する。
前記ストレーナ8は、オイルポンプの上流側に配されるものである。具体的には、前記ストレーナ8は、前記セパレータ6の底壁61を貫通して内室53から外室52にいたるもので、下端部に位置する潤滑油の吸込口81が前記外室52内に配されている。本実施形態では、前記吸込口81は、前記セパレータ6の底壁61の下面62側、かつ、前記サーモスタット7の近傍に配置されている。
また、本実施形態のオイルパン本体5の底壁54には、潤滑油ドレイン91が設けられており、この潤滑油ドレイン91にドレインプラグ92が取り付けられている。より具体的には、この潤滑油ドレイン91は、セパレータ6の連通孔60の下方に設けられている。
次に、潤滑油の作動を説明する。
機関の潤滑や冷却に用いられる潤滑油は、オイルパン10に貯留され、オイルポンプによって内燃機関各部に供給される。内燃機関各部を循環した潤滑油は、下方のオイルパン10内に滴下し、この滴下された潤滑油が再度オイルポンプによって内燃機関各部に供給される。この循環中に潤滑油は、内燃機関各部から熱を受け取って各部を冷却したり、内燃機関各部で油膜を形成して各部品間の潤滑を促進するとともに部品の酸化を防止したりする。
詳述すれば、まず始動前は、図2に示すように、外室52及び内室53内の潤滑油はともに冷えた状態となっている。この状態では、外室52と内室53とが、内室53の上端部分で連通した状態となっており、油面の高さも外室52と内室53とでほぼ同じである。前記サーモスタット7は、潤滑油が低温状態であるため閉じている。
この状態から冷間始動直後は、図3に示すように、外室52内の潤滑油がストレーナ8の吸込口81から吸い上げられ、内燃機関各部に供給される。そして、機関各部を循環した潤滑油は外室52内に滴下される。すなわち、冷間始動直後から外室52の油温が所定値以上になるまでは、外室52内の潤滑油のみが機関各部を循環する。なお、図3では潤滑油の流れを矢印で模式的に示している。
このように、本実施形態の二槽式オイルパン10では、冷間始動時は内室53内の潤滑油を使用することなく少ない外槽油量を循環させることで、潤滑油の昇温が促進される。そして、潤滑油の昇温により潤滑油粘度が速やかに低下するため、この昇温された潤滑油を内燃機関各部に供給することで、メカロスの低減が促される。すなわち、エンジン冷間始動時の暖機性能を高めることができるため、内燃機関の燃費の向上が促される。
一方、潤滑油が過剰に熱せられると潤滑油の劣化を早めてしまう。そのため、本実施形態では、外室52内に配置された前記サーモスタット7の感温部71が、前記外室52の潤滑油が所定値以上となったことを検出した際に前記弁体72を開くようにしている。弁体72が開かれると、図4に示すように、内室53内の冷えた状態の潤滑油がサーモスタット7を通じて外室52内に流入し、内室53内の潤滑油と外室52内の潤滑油とが混合される。前記サーモスタット7はストレーナ8の吸込口81の近傍に位置しているので、サーモスタット7が開弁して前記外室52へ流入した潤滑油はすぐに吸込口81から吸い上げられ、シリンダブロック13内を循環する。なお、図4では潤滑油の流れを矢印で模式的に示している。
このような循環がしばらく続くと、内室53内の潤滑油と外室52内の潤滑油との混合が促進され、先に昇温した外室52内の潤滑油が過度に昇温されることなしに適度な温度となる。
以上に述べたように、本実施形態の二槽式オイルパン10の構造によれば、ストレーナ8の吸込口81がセパレータ6の下方に設けられているので、登坂路走行時や加減速時または旋回時等、車両が傾いたり、車両の旋回に伴う遠心力が加わったりして潤滑油の油面が前後左右に傾いたとしても、前記吸込口81が油中から露出してしまうことを防止できる。詳述すれば、外室52の潤滑油が揺れ動くのを防止するための屋根状をなすバッフルプレートの役割を、前記セパレータ6の底壁61が果たすこととなるため、前記セパレータ6の底壁61と前記ポンプ本体5の底壁54との間に空気が入り込まないようにすることができる。したがって、部品追加等なしでエア吸いを低減することができるとともに、エア吸いに伴って生じる不具合、具体的には、オイルポンプから吐出される潤滑油の吐出圧の低下、及びそれに伴う潤滑部材の潤滑性の悪化等の不具合の発生を有効に防止することができる。
また、本実施形態のオイルパン10は、ストレーナ8の吸込口81をセパレータ6の下側に設けるようにしたので、従来のようなストレーナの吸込口が内室に配されたものに比べて、より下方に吸込口81を配置することができる。詳述すれば、従来のものは、オイルパン本体の底壁上方に重なったセパレータのさらに上方に吸込口が配されていたため、オイルパン本体内における吸込口の位置が高くならざるを得なかった。そのため、潤滑油の油面が変動した場合には、エア吸いが生じてしまう可能性があったが、本実施形態によれば、吸込口81をオイルパン本体5の底壁54により近い位置に設定できるので、登坂路を走行する等して油面が傾いてもストレーナ8の吸込口81が油面から露出することを抑制し得る。
なお、従来のものは、オイルパン本体の底壁上方に重なったセパレータのさらに上方に吸込口が配される構造であるため、エア吸いを抑制するべく、セパレータの底壁とオイルパン本体の底壁との間の上下寸法が小さくなるように設定されていた。さらに、従来のものは、冷間始動時に潤滑油を主として循環させる内室の容積を外室の容積よりも大きく確保する必要があり、この事情によってもセパレータの底壁とオイルパン本体の底壁との間の空間が狭くならざるを得なかった。そのため、特にセパレータとオイルパン本体との間における潤滑油の循環が阻害されて潤滑油が過熱してしまう、という問題も生じ得た。
しかしながら、セパレータ6の下方にストレーナ8の吸込口81を設けて外室52の潤滑油を先に昇温させるものであれば、セパレータ6の下方のスペース、すなわち、外室52の一部であって前記セパレータ6の底壁61とオイルパン本体5の底壁54との間の空間55を上下方向に大きく設定することが許容され、この空間55を大きく設定した場合には潤滑油の循環を促進することができる。また、サーモスタット7近傍の流量が増えることで、サーモスタット7の感温性もよくなり、冷間始動時における潤滑油の過熱を防止できる。
また、本実施形態のオイルパン10は、冷間始動時に外室52内の潤滑油のみを循環させるので、潤滑油を早期に昇温させることができる。そして、潤滑油が内燃機関の冷間始動直後の粘度の高い冷えた状態からできるだけ早期に昇温されることによって、内燃機関各部のフリクションを軽減してエネルギー損失を低減でき、燃費向上に寄与する。一方、潤滑油が所定の温度以上となれば、サーモスタット7が開き、外室52内の潤滑油と内室53内の潤滑油とが混合されるため、実動油量を多くして潤滑油の過度の昇温を防止することができる。すなわち、冷間始動時は、サーモスタット7を全閉し、外室52内の潤滑油のみを循環させるとともに、暖機完了後は、サーモスタット7を全開し、内室53内及び外室52内の潤滑油を循環させるようにしているため、潤滑油の過熱及び/または劣化を有効に回避し得るとともに、内燃機関の運転状態に応じて、より燃費向上が見込める温度の潤滑油を内燃機関各部に供給することができる。
なお、暖機完了後の内室53内と外室52内との潤滑油を合わせた量の潤滑油を循環させる場合であっても、例えば高負荷状態での運転を行うことによって潤滑油が過度に昇温されてしまう場合がある。しかしながら、本実施形態の二槽式オイルパン10は、内燃機関の各部から滴下した高温の潤滑油が外室52内に戻るようにしてあるため、当該オイルパン本体5の外壁面で放熱させることができる。すなわち、従来の内室内に潤滑油を戻すようにしたものに比べて、本実施形態のオイルパン10は潤滑油の熱を大気中へ放出しやすく、潤滑油の放熱性が良好である。そのため、油温の過度の上昇を抑制することができる。
特に、潤滑油の交換時には、本実施形態のセパレータ6の内室53が外室52よりも小さくなるように設定されているので、内室が外室よりも大きく設定された従来のものよりも、セパレータ6の内外壁面の表面積が小さくなり、潤滑油の交換時にこれらの壁面に付着して残存する潤滑油の量を少なくすることができる。
さらに、本実施形態のストレーナ8は、吸込口81が前記サーモスタット7の近傍に設定されているため、サーモスタット7が開弁した後、内室53から外室52内に流入した潤滑油は、効率よく吸込口81から吸い上げられる。そのため、外室52と内室53との間における潤滑油の循環が良好なものとなる。なお、前記サーモスタット7が、セパレータ6の底壁61の連通孔60に取り付けられているので、内室53と外室52との間で潤滑油の交換ができる。すなわち、このサーモスタット7は潤滑油入れ替え用のバルブとしても機能する。また、前記連通孔60を介して内室53内に貯留した潤滑油かすや塵等を外室52へ排出させることもできる。
なお、本発明は以上に詳述した実施形態に限られるものではない。
ストレーナは、セパレータを貫通するもののみならず、例えば、図5に示すようにセパレータを貫通しないものであってもよい。なお、図5では、上述した実施形態と同一または対応する部分には同一の符号を付して詳細な説明を省略する。このストレーナ8は、吸込口81側が屈曲形状をなすものであり、前記吸込口81は、オイルポンプに連なってオイルパン本体5内の貯留油を吸い込むために前記外室52内におけるセパレータ6の底壁61の下方、すなわち、外室52の一部であって、セパレータ6の底壁61とオイルパン本体5の底壁54との間に形成される空間55に配されている。具体的には、このストレーナ8は、凹型をなすセパレータ6の周壁63の外側を経由して底壁61の下面62側に前記吸込口81が配されたものであり、開閉バルブたるサーモスタット7が前記吸込口81の直上に設けられている。このようなものであれば、上述した実施形態と同一またはこれに準じた効果が得られる。
また、図6に示すようにセパレータが、外室と内室とを連通する連通孔を備えたものであってもよい。なお、図6では、上述した実施形態と同一または対応する部分には同一の符号を付して詳細な説明を省略する。このセパレータ6は、底壁61と、この底壁61の上方に設けられる周壁63とを備えており、前記周壁63に外室52と内室53とを連通する小径の連通孔64を設けている。この連通孔64は、機関の運転状態にかかわらず常時潤滑油が流通可能なものである。このようなものであれば、サーモスタット7の状態にかかわらず、外室52と内室53の潤滑油を循環させることができ、特にサーモスタット7が開弁状態であれば、潤滑油の撹拌作用を促進させることができる。また、潤滑油の交換時は、サーモスタット7を開弁する必要なしに内室53内の潤滑油を外室52へ流出させることができる。なお、連通孔を設ける位置、数や形状等は図示したものに限られず種々変更可能である。
内室及び外室の寸法については、ストレーナの吸込口が配される外室の方が、前記吸込口の配されない内室よりも容量が大きく設定されているものが好ましいが、上述した大きさには限られず、種々変更可能である。
開閉バルブは、セパレータの底壁に設けられるものには限られないが、上述した実施形態のようにセパレータの底壁に設けられるものであれば、当該開閉バルブを介して内室の潤滑油を下方に流出させることができる。
また、開閉バルブが、ストレーナの吸込口上部、または、吸込口が向く方向に設けられたものであれば、上述した実施形態と同様に、開閉バルブが開弁した後、内室から外室内に流入した潤滑油が効率よく吸込口から吸い上げられ、オイルパン内の潤滑油の循環を良好なものとすることができる。
開閉バルブは、外室内の温度に応じて開閉できるものであれば、どのようなものであってもよく、ワックスタイプまたはベローズタイプのサーモスタットの他、バイメタルや形状記憶合金素子を用いたもの、またはダイヤフラム式のもの等であってもよい。
さらに、開閉バルブは、中央演算装置により制御されるソレノイドバルブで構成してもよく、例えば、外室内の温度を検出する温度センサからECUに入力される外室油温信号に基づいて開閉バルブを開閉させるようにしてもよい。
その他各部の具体的構成は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。
本発明は、車両等に搭載される内燃機関に取り付けられるオイルパンの構造に適用できる。
10…オイルパン
5…オイルパン本体
51…空間
52…外室
53…内室
6…セパレータ
60…連通孔
61…底壁
7…サーモスタット(開閉バルブ)
81…吸込口
5…オイルパン本体
51…空間
52…外室
53…内室
6…セパレータ
60…連通孔
61…底壁
7…サーモスタット(開閉バルブ)
81…吸込口
Claims (1)
- 内部に潤滑油を貯留する空間を備えたオイルパン本体と、
このオイルパン本体の内部空間を、外室と、この外室の上方に重ねられた内室とに仕切るセパレータと、
このセパレータに設けられ前記外室と内室とを連通する連通孔を前記外室内の温度に応じて開閉する開閉バルブと、
オイルポンプに連なって前記オイルパン本体内の貯留油を吸い込むために前記外室内におけるセパレータの底壁の下方に配された吸込口と
を備えたことを特徴とするオイルパンの構造。
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