JP5897820B2 - 配線基板 - Google Patents

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本発明は、高速度化した半導体素子などの電子部品が搭載される配線基板に関する。
半導体素子の動作速度の高速化によって、半導体素子をはじめとする電子部品が搭載される配線基板においては、高速信号が配線基板内を伝搬する。高速信号が配線基板内を伝播すると、信号の反射および減衰によって信号品質が劣化し半導体素子やシステムの誤動作を引き起こすといった問題がある。そのため、従来の配線基板では、図6に示すように、信号貫通導体66の周囲を接地貫通導体67で囲んで擬似同軸構造とすることによって配線基板61内の信号配線層63と信号貫通導体66との特性インピーダンスの不連続性を低減するということが行なわれていた。
また、信号貫通導体66の一端に電気的に接続される、配線基板61の外部回路との接続用の電極65と、配線基板61内の接地配線層64との間に発生する容量成分によって特性インピーダンスが低下するという問題点があった。
このような問題点に対して、図6に示すように、信号貫通導体66を取り囲むように接地配線層64に設けられた開口部64aの開口径を電極65の径よりも大きくして、電極65と接地配線層64との重なりをなくすことで不要な容量成分を抑えるようにした配線基板がある(例えば、特許文献1を参照。)。また、電極65に最も近い接地貫通導体67の径を他の貫通導体よりも小さくすることで、実効インダクタンスを増加させ、増加した実効インダクタンスによって不要な容量成分を相殺するようにした配線基板がある(例えば、特許文献2を参照。)。
特開2001−160598号公報 特開2008−251784号公報
しかしながら、擬似同軸構造を有する配線基板において、図6に示す例ように、電極65に最も近い接地配線層64に設けられる開口部64bを大きくすると、開口部64bの外側で接地配線層64に接続されて信号貫通導体66の周囲を取り囲む接地貫通導体67は、信号貫通導体66との距離が離れてしまうこととなり、これによって特性インピーダンスが上昇してしまい、25Gbpsから40Gbpsの高速信号の伝送が困難になるという問題点があった。この対策として大きい開口部を有する接地配線層の上下に位置する絶縁層を貫通する信号貫通導体の直径を大きくして特性インピーダンスを整合させることが考えられるが、1つの絶縁層に異なる径の貫通導体が存在することで以下のような問題点があった。これは、電極に最も近い接地貫通導体の径を他の貫通導体よりも小さくする場合でも同様であった。
例えば、絶縁基板がセラミックスからなる配線基板の場合であれば、配線基板にビア導体を形成する方法としては、絶縁層となるセラミックグリーンシートに形成した貫通孔に、貫通導体となる導体ペーストを充填して焼成するという製造過程を経るのが一般的である。ここで、ビア導体と絶縁基板となるセラミックスとの収縮挙動の違いによる、ビア導体の周辺に発生するクラック等を抑制するために、貫通導体を形成する導体ペーストにセ
ラミック粉末を添加することが行なわれている。しかし、同じ比率でセラミック粉末を添加した導体ペーストを同時に異なる径の貫通孔に充填することから、径の小さい貫通導体は、電気抵抗が大きくなってしまう一方で、径の大きい貫通導体では、熱伝導のよい導体成分の絶対量が多いことから、焼成時に収縮挙動が変わって、また、径の大きい貫通導体は熱膨張の絶対値が大きくなるので、焼成後に冷却された際に貫通導体の周囲にクラックが発生しやすくなる場合があった。
また、配線基板の作製工程においては、異なる径の貫通孔に同一条件で導体を充填しようとすると、貫通導体用の貫通孔への導体の充填不足や、充填過多による充填不良が発生しやすいものであった。絶縁層に貫通導体用の貫通孔を加工する際には、同一条件で異なる径の貫通孔を形成するのが困難な場合があり、また、それぞれの直径に対応する金型や加工条件を準備すると、加工に要する手間やコストが増大するものであった。このようなことから、配線基板の製造歩留まりの低下や製品のコスト増を引き起こすという問題があった。
また、別の対策として、大きい開口部を有する接地配線層の上下に位置する絶縁層を貫通する信号貫通導体を複数の貫通導体で形成して擬似的に信号貫通導体の径を大きくして特性インピーダンスを整合させることが考えられるが、信号貫通導体を形成する複数の貫通導体を加工するための工具や手間が製造コストの上昇を引き起こす問題があった。更に、配線基板製造時の導通検査において、複数の信号貫通導体の内の1つの信号貫通導体が
接続不良によって断線している場合は、特性インピーダンスが変化し、伝送特性が劣化するにも関わらず、残りの信号貫通導体が導通しているため、不良品として判別ができないという問題があった。
本発明の一つの態様によれば、配線基板は、複数の絶縁層が積層された絶縁基板と、絶縁基板の内部または一方主面に形成された信号配線層と、絶縁基板の他方主面に形成された電極と、複数の絶縁層の間に形成され開口部を有する複数の接地配線層と、開口部を通って複数の絶縁層を貫通し一端が信号配線層に電気的に接続され他端が電極に接続されており連結された複数の貫通導体と複数の貫通導体間に設けられた複数の接続導体とを含む信号貫通導体と、信号貫通導体を取り囲むようにして複数の絶縁層を貫通するとともに開口部の外側で接地配線層に接続された複数の接地貫通導体とを備えている。複数の接地
層の開口部のうち少なくとも他方主面に最も近い接地配線層の第1の開口部は、平面視において電極よりも大きい。複数の接続導体のうち第1の開口部に対応して設けられた第1の接続導体は、複数の接地配線層の開口部のうち第1の開口部よりも小さい第2の開口部に対応して設けられた第2の接続導体よりも大きい。第1の開口部と前記第2の開口部との間に、信号貫通導体の長さ方向に沿って複数の第1の接続導体が配置されている。
本発明の一つの態様による配線基板において、複数の接地配線層の開口部のうち少なくとも他方主面に最も近い接地配線層の第1の開口部は、平面視において電極よりも大きく、複数の接続導体のうち第1の開口部に対応して設けられた第1の接続導体は、複数の接地配線層の開口部のうち第1の開口部よりも小さい第2の開口部に対応して設けられた第2の接続導体よりも大きく、第1の開口部と第2の開口部との間に、信号貫通導体の長さ方向に沿って複数の第1の接続導体が配置されていることによって、他方主面に最も近い接地配線層と電極との重なりをなくすことができ、他方主面に最も近い接地配線層と電極との間に発生する不要な容量を低減させることができるとともに、信号貫通導体に第1の接続導体の寄生容量が付加されるため、擬似的に信号貫通導体の径が大きい場合と同じになるので、特性インピーダンスが大きくなることを抑制することができ、電極に近い部位においても特性インピーダンスが整合される。したがって、高周波信号を伝送しても信号の劣化の少ない配線基板となる。
本発明の配線基板の実施の形態の一例を示す断面図である。 図1のA部を拡大して示す断面図である。 (a)は図2のA−A線における断面図であり、(b)は図2のB−B線における断面図である。 本発明の配線基板の実施の形態の他の例の要部を拡大して示す断面図である。 本発明の配線基板の伝送特性を示すグラフである。 従来の配線基板を示す断面図である。
以下、本発明の例示的な実施形態における配線基板について添付の図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の配線基板1を模式的に示すものであり、絶縁基板2の絶縁層2a〜2hの層数や厚み、信号配線層3,接地配線層4,開口部(第2開口部)4a,大開口部(第1開口部)4b,電極5,信号貫通導体6,接地貫通導体7および表層配線層8の大きさや配置については、配線基板1に要求される特性に応じて設定されるものである。また、配線基板1には電源導体層や電源貫通導体も形成されるが、図1においては省略している。
図1に示す例では、絶縁基板2は8層の絶縁層2a〜2hで構成されており、絶縁基板2の内部に信号配線層3,接地配線層4,信号貫通導体6および接地貫通導体7が形成されている。絶縁基板2の主面のうち、一方主面(図1における上面)には表層配線層8が形成され、他方主面(図1における下面)には電極5が形成されている。図1に示す例では、表層配線層8は半導体素子の端子が接続される接続パッドである例で示している。電極5は、はんだ等の接合材やピンを介して外部回路基板等に電気的に接続するためのものである。この表層配線層8と電極5とが、絶縁基板2の内部に形成された信号配線層3,接地配線層4,信号貫通導体6および接地貫通導体7によって接続されている。
図1に示す例では、信号配線層3は絶縁基板2の内部の絶縁層2c,2d間に形成され
ており、この信号配線層3を絶縁層2c,2dを介して挟むようにして、絶縁層2b,2c間および絶縁層2d,2e間に広面積の接地配線層4が形成され、所謂ストリップ線路構造を形成している。このようにストリップ線路構造とすることで、信号配線層3は、信号配線層3の配線幅および信号配線層3と接地配線層4との間に介在する絶縁層2c,2dの厚みを設定することによって、その特性インピーダンスを任意の値、一般的には50Ω、に設定することができる。特性インピーダンスを整合させた信号配線層3によって、良好な伝送特性を有する配線基板1とすることが可能となる。
信号配線層3は、高周波信号を伝送するのに適した構造であればよく、上記のようなストリップ線路に限られるものではない。例えば、2つの平行な線路導体からなる差動線路構造としてもよい。この場合は、2つの線路導体のそれぞれから電極5までの間を本発明の配線基板のような擬似同軸構造とすればよい。また、マイクロストリップ線路やコプレナー線路構造としてもよい。
また、配線基板1の厚み方向への信号の伝送は信号貫通導体6によって行なわれる。信号貫通導体6は、絶縁層2d〜2fに形成される貫通導体6aと絶縁層2d〜2f間に形成される上下の貫通導体6aを接続する第2の接続導体6bと第1の接続導体6cより形成されている。この信号貫通導体6は、一端が信号配線層3に電気的に接続され、絶縁層2d〜2hを貫通して他端が電極5に接続されている。絶縁層2d,2e間、絶縁層2e,2fおよび絶縁層2g,2h間に形成された接地配線層4も貫通するが、接地配線層4
に開口部4aが形成されることで接地配線層4とは絶縁されている。各開口部4aは、信号貫通導体6aの径より大きく、開口部4aの内周は信号貫通導体6の外周面から離間して設けられている。
この開口部4aの外側で接地配線層4に接続するとともに、信号貫通導体6を取り囲むようにして絶縁層2c〜2hを貫通する複数の接地貫通導体7が設けられている。このような、信号貫通導体6とその周囲の複数の接地貫通導体7とによって擬似同軸線路が構成されている。このような擬似同軸構造となっていることで、信号貫通導体6は、その直径および接地貫通導体7と間の距離を設定することによって、信号貫通導体6の特性インピーダンスを任意の値に設定することができる。
本発明の配線基板においては、図1および図2に示す例のように、少なくとも電極5が形成された、絶縁基板2の他方主面に最も近い接地配線層4の開口部4aは、平面視の大きさが電極5よりも大きい大開口部4bである。平面視で電極5が大開口部4b内に位置するようにすることで、少なくとも最下層の接地配線層4と電極5との重なりがなくなるので、これらの間に発生する不用な容量を抑えることができる。図1および図2に示す例では、最下層の接地配線層4の開口部4aのみを大開口部4bとしているが、絶縁層2e〜2fの厚みや比誘電率によっては、電極5からさらに離れた接地配線層4の開口部4aも大開口部4bとして、接地配線層4と電極5との間に発生する不用な容量をさらに抑えるようにしてもよい。通常は、少なくとも最下層の接地配線層4の開口部4aを大開口部4bとすれば、不要な容量成分を特性インピーダンスに影響を与えない程度にすることができるので、図1および図2に示す例のように擬似同軸線路構造は、その途中までは通常の開口部(第2の開口部)4aと貫通導体6aと第2の接続導体6bを有し、電極5に近い側では大開口部(第1の開口部)4bと貫通導体6aと第1の接続導体6cを有するものとなる。このようにすることで、配線基板1の内部における電極5から離れた部分では、大開口部4bを設けるスペースが必要でないので、その分だけ周囲の配線の配置の自由度が高くなる。
そして、本発明の配線基板においては、大開口部4bを有する接地配線層4の上下に位置する絶縁層2f〜2hを貫通する貫通導体6a、言い換えれば大開口部4bの外側で接地配線層4に接続される接地貫通導体7に囲まれる貫通導体6aは、第2の接続導体6bの直径よりも直径の大きい第1の接続導体6cを介して接続されていることを特徴とす
るものである。接地配線層4に大開口部4bを設けると、大開口部4bの外側で接地配線層4に接続される接地貫通導体7とそれらに囲まれた貫通導体6aとの間の距離が大きくなるので、貫通導体6aの特性インピーダンスが大きくなってしまうが、貫通導体6aを第2の接続導体6bの直径よりも直径の大きい第1の接続導体6cを介して接続することで、貫通導体6aに第1の接続導体6cの寄生容量が付加されるため、擬似的に貫通導体6aの直径を太くしたことになるので、信号貫通導体6の特性インピーダンスが大きくなることを抑制することができる。結果として電極5に近い部位においても特性インピーダンスが整合された、高周波信号を伝送することのできる配線基板1となる。このとき、大開口部4bを有する接地配線層4の上下に位置する絶縁層2f〜2hを貫通する信号貫通導体6の特性インピーダンスは、第1の接続導体6cの直径および貫通導体6aと接地貫通導体7との間の距離によって任意の値に設定することができる。
図3(a)に示す例では、電極5が形成された配線基板1の他方主面から離れた位置においては、接地配線層4の開口部4aを通る貫通導体6aは第2の接続導体6bが接続されており、図3(b)に示す例のように、電極5が形成された、絶縁基板2の他方主面に最も近い接地配線層4に形成された大開口部4bを通る貫通導体6aは第2の接続導体6bよりも直径の大きい第1の接続導体6cが接続されている。
図3に示す例のように、開口部4aは円形状であり、開口部4aの外側に開口部4aに沿って、複数の接地貫通導体7が平面視して貫通導体6aを中心とする同心円上に配列されているのが好ましい。大開口部4bを有する接地配線層4の上下に位置する絶縁層2f〜2hにおいては、大開口部4bの外側に貫通導体6aを中心とする同心円状に配列される。このようにしたときには、信号貫通導体6を中心として同心円状に接地貫通導体7が配列されることから、伝送される信号の漏洩を全ての方向に対して抑制することができるので、伝送する信号の損失がさらに低減された配線基板となる。同心円状に配列とは、同心円上に等間隔で配置することである。
接地貫通導体7は、貫通導体6aを取り囲むように配置するために、貫通導体6aの周囲に少なくとも3つ配置するのが好ましく、より好ましくは、図3(a)に示す例のように、貫通導体6aの周囲に4つ以上の接地貫通導体7を配置するのが好ましい。また、同心円状に配列された接地貫通導体7は、近接する2つの接地貫通導体7・7間の距離が信号貫通導体6によって伝送される信号の波長の1/4以下となるようにすると、信号が接地貫通導体7・7間を通って漏洩するのを抑制することができるので好ましい。
大開口部4bを通る貫通導6aに接続される第の接続導体6cは、図4(a)および(b)に示す例のように、四角形や六角形のような多角形状でも構わない。設計の観点においては、第の接続導体6cは、円形状であることが好ましい。
の接続導体6cは、第の接続導体6bよりも大きい最大外形寸法を有している。設計の観点においては、第の接続導体6cは、第の接続導体6bよりも大きい面積を有している方が良い。
複数の第の接続導体6c間の距離は、インピーダンス整合の観点から、伝送される信号の波長の1/4以下である。
信号貫通導体6(貫通導体6a)や接地貫通導体7等の貫通導体は、配線基板1を作製する際の上下の絶縁層2a〜2hの位置ずれよる断線を防止するために、第1の接続導体6cおよび第2の接続導体6bの径は、上下の絶縁層2d〜2h間の貫通導体6aの径よりも大きいのが好ましい。
このような擬似同軸構造の信号貫通導体6の特性インピーダンスの値は、伝送する信号の周波数が10GHz以上である場合には、要求される伝送特性に応じて一般的な50Ωよりも高い60〜70Ω程度に設定するのが好ましい。これは、電極5の特性インピーダンスは、接地配線層4と電極5との間に発生する容量によって50Ωよりも低い値となるため、擬似同軸構造の信号貫通導体6の特性インピーダンスを50Ωよりも高い値にすることによって、擬似同軸構造の信号貫通導体6から電極5にかけての平均の特性インピーダンスを50Ωに近づけることで伝送特性を改善することができるからである。同様に、差動配線の場合においては、一般的な100Ωよりも高い120〜140Ω程度に設定することで10GHz以上の
周波数で伝送特性を改善することができる。
具体的には、差動配線を用いた絶縁基板2の比誘電率が5.8であり、信号貫通導体6お
よび接地貫通導体7の直径が75μmである場合には、1つの信号貫通導体6を取り囲むように信号貫通導体6の中心から半径250μmの同心円上に等間隔に4つの直径75μmの接
地貫通導体7を配列(信号貫通導体6と接地貫通導体7との間の距離は175μm)するこ
とで差動インピーダンスを50Ωとすることができる。このとき、第2の接続導体6bの直径は175um、接地導体4の開口部4aの直径は500μmとすればよい。
絶縁基板2の他方主面に形成された電極5の直径が800μmであり、他方主面から100μmの位置にある接地配線層4に直径が1800μmの大開口部4bを設けて不要な容量を低減させた場合に、図6に示す例のような、大開口部64bを有する接地配線層64の上下に位置
する絶縁層62f〜62hを貫通する貫通導体66aを直径75μm、第1の接続導体66bの直径
を125umとして、この信号貫通導体6の中心から半径900μmの同心円上に等間隔に4つの接地貫通導体7を配列(信号貫通導体6と4つの各接地貫通導体7それぞれとの間の距離は825μm)とした、従来の配線基板における擬似同軸構造の信号貫通導体66の差動イン
ピーダンスの値は、90Ω程度と大きいものとなってしまう。
これに対して、図1に示す例のように、上記と同様の大開口部4bを有する接地配線層4および接地貫通導体7で、大開口部4bを有する接地配線層4の上下に位置する絶縁層2f〜2hを貫通する信号貫通導体6の直径を75μm、第1の接続導体6cの直径を300
μmとして配置した、本発明の配線基板における擬似同軸構造の信号貫通導体6の特性インピーダンスの値は63Ω程度となり、大開口部4bを設けても特性インピーダンスの上昇を抑制することができる。
また、上記本発明の配線基板および従来の配線基板の、擬似同軸構造の信号貫通導体(6)の電気特性をシミュレーションによって算出した。図5はそのシミュレーション結果における伝送特性のうち、反射特性(S11)を示すグラフであり、縦軸は反射量を、横軸は周波数を示している。また、図5において、実線は本発明の配線基板の特性を示し、破線は従来の配線基板の特性を示している。
本発明の配線基板のシミュレーションモデルでは、信号配線層3は、差動配線であり配線幅が55μm、配線間の距離が175umで厚みが10μmであって、その上下に厚さ100μmの絶縁層2c,2dを介して接地配線層4を配置することで、差動インピーダンスが100Ω
であるストリップ線路とした。この信号配線層3から0.2mmまでは上記した、1つの直
径75μmの信号貫通導体6と、直径500μmの開口部4aを有する接地配線層4と、直径125μmの第2の接続導体6bとからなる第1の擬似同軸構造として、そこから電極5まで
の0.6mmは、上記した、直径75μmの信号貫通導体6と第1の接続通導体6cと、直径
が1800μmの大開口部4bを有する接地配線層4とからなる第2の擬似同軸構造とした。
これに対して従来の配線基板のシミュレーションモデルは、信号配線層3から電極5までは図6に示す例のような構造で、上記本発明のモデルに対して、信号貫通導体66を信号配線層63から電極65まで直径75μmの貫通導体66aと直径125μmの第1の接続導体66bとした以外は同じにした。
から、従来の配線基板は、信号貫通導体の特性インピーダンス値が、信号配線層3の50Ωに対して90Ωと非常に高いものであるため、15GHz以上で反射損失が劣化し、22
GHz以上で−15B以上となっているのに対して、本発明の配線基板は、30GHz程度まで反射損失が−15B以下となっていることがわかる。通常、反射損失が−15dB以下であると、信号を伝送するのに問題がないとされる。
このようなことから、本発明の配線基板は、電極5に近い部位においても特性インピーダンスが整合された、高周波信号を伝送することのできる配線基板であるといえる。
絶縁基板2の絶縁層2a〜2hは、酸化アルミニウム質焼結体,窒化アルミニウム質焼結体,炭化珪素質焼結体,窒化珪素質焼結体,ムライト質焼結体またはガラスセラミックス等のセラミック材料、あるいは、ポリイミド,エポキシ樹脂,フッ素樹脂,ポリノルボルネンまたはベンゾシクロブテン等の有機樹脂材料、あるいはセラミック材料の粉末を有機樹脂材料中に分散して成る複合絶縁材料等の電気絶縁材料から成るものである。
絶縁層2a〜2hは、例えばセラミックグリーンシート積層法や、アディティブ法等の基板形成手段によって形成される。
絶縁基板2が、例えば酸化アルミニウム質焼結体から成る場合であれば、まず、酸化アルミニウム,酸化珪素,酸化カルシウムまたは酸化マグネシウム等の原料粉末に適当な有機バインダーや溶剤等を添加混合して泥漿状となし、これをドクターブレード法等のシート形成方法によってシート状となすことによって絶縁層2a〜2hとなるセラミックグリーンシートを得る。このセラミックグリーンシートを適当な大きさに切断して、上下に積層して積層体を作製し、この積層体を還元雰囲気中で約1600℃の温度で焼成することによって複数の絶縁層2a〜2hが積層された絶縁基板2が製作される。
絶縁基板2がエポキシ樹脂から成る場合であれば、例えば、まず、ガラス繊維を織り込んだ布にエポキシ樹脂を含浸させて成るガラスエポキシ樹脂から成る基板を最下層の絶縁層2hとし、その上面に液状の熱硬化性や感光性のエポキシ樹脂前駆体をスピンコート法もしくはカーテンコート法等により被着させ、これを加熱あるいは紫外線等の光を照射することで硬化処理することによって絶縁層2gを形成する。さらにこの上に必要な層数に応じて繰り返し絶縁層2a〜2fを形成することで複数の絶縁層2a〜2を形成することができる。
信号配線層3,接地配線層4,電極5,信号貫通導体6(接続導体6b,6c),接地
貫通導体7,および表層配線層8等の配線導体は、絶縁基板2がセラミック材料から成る場合であれば、例えばタングステン(W),モリブデン(Mo),モリブデン−マンガン(Mo−Mn),銅(Cu),銀(Ag)または銀−パラジウム(Ag−Pd)等の金属粉末によるメタライズで形成することができ、絶縁基板2が有機樹脂材料から成る場合であれば、例えば銅(Cu),銀(Ag),ニッケル(Ni),クロム(Cr),チタン(Ti),金(Au)またはニオブ(Nb)やそれらの合金等の金属材料から成る薄膜等で形成することができる。
絶縁基板2がセラミック材料から成る場合であれば、上記した絶縁基板2を作製する工程において、セラミックグリーンシートに金型による打ち抜き加工やレーザー加工によって信号貫通導体6(接続導体6b,6c)および接地貫通導体7用の貫通孔を形成して、
この貫通孔を上記金属の粉末に適当な有機バインダーや溶剤等を添加混合して得た金属ペーストで充填しておき、セラミックグリーンシートの表面には信号配線層3,接地配線層4,電極5および表層配線層8の所定のパターンで金属ペーストを印刷塗布しておいて、セラミックグリーンシートとともに焼成することによって形成することができる。
絶縁基板2が有機樹脂材料から成る場合であれば、上記のように形成する絶縁層2a〜2hと、銅層を無電解めっき法や蒸着法等の薄膜形成技術およびフォトリソグラフィ技術を採用することによって形成して成る配線導体とを交互に作製すればよい。例えば、感光性樹脂を用いて貫通孔を有する絶縁層2a〜2hを形成し、絶縁層2a〜2h上に所定パターン形状のマスクを形成して、スパッタリング法,真空蒸着法またはメッキ法によって貫通孔内および絶縁層2a〜2hの表面に所定形状の金属薄膜を形成すればよい。または、マスクを形成せずに絶縁層2a〜2hの上面の全面に金属薄膜を形成した後に、所定形状のマスクを形成して不要な部分をエッチングによって除去する方法で形成してもよい。あるいは、例えば銅から成る金属箔を所定形状に加工して絶縁層2a〜2h上に転写することで信号配線層3,接地配線層4,電極5および表層配線層8を形成してもよい。また、信号貫通導体6(接続導体6b,6c)および接地貫通導体7は、上記金属の粉末とバ
インダーとから成るペーストを貫通孔に充填することで形成してもよい。
1:配線基板
2:絶縁基板
2a〜2h:絶縁層
3:信号配線層
4:接地配線層
4a:開口部
4b:大開口部
5:電極
6:信号貫通導体
6a:貫通導体
6b:第の接続導体
6c:第の接続導体
7:接地貫通導体
8:表層配線層

Claims (2)

  1. 複数の絶縁層が積層された絶縁基板と、
    該絶縁基板の内部または一方主面に形成された信号配線層と、
    前記絶縁基板の他方主面に形成された電極と、
    前記複数の絶縁層の間に形成され、開口部を有する複数の接地配線層と、
    前記開口部を通って複数の前記絶縁層を貫通し、一端が前記信号配線層に電気的に接続され他端が前記電極に接続されており、連結された複数の貫通導体と該複数の貫通導体間に設けられた複数の接続導体とを含む信号貫通導体と、
    該信号貫通導体を取り囲むようにして前記複数の絶縁層を貫通するとともに、前記開口部の外側で前記接地配線層に接続された複数の接地貫通導体とを備えており、
    前記複数の接地配線層の前記開口部のうち少なくとも前記他方主面に最も近い前記接地配線層の第1の開口部は、平面視において前記電極よりも大きく、
    前記複数の接続導体のうち前記第1の開口部に対応して設けられた第1の接続導体は、前記複数の接地配線層の前記開口部のうち前記第1の開口部よりも小さい第2の開口部に対応して設けられた第2の接続導体よりも大きく、
    前記第1の開口部と前記第2の開口部との間に、前記信号貫通導体の長さ方向に沿って複数の前記第1の接続導体が配置されていることを特徴とする配線基板。
  2. 前記開口部は円形状であり、前記複数の接地貫通導体は、平面視して前記信号貫通導体を中心とする同心円上に配列されていることを特徴とする請求項1記載の配線基板。
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