JP5897065B2 - 電子機器ユニット - Google Patents
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Description
従って、電子基板10の挿入時に接触部31a・31bと電子基板10とが非接触の状態で挿入されるので、接触部31a・31bのメッキが剥がれ落ちたり、接触部31a・31bの接触部位に電子基板10の構成物が付着して第1端子30a・第2端子30bと電極12a・12bとの間で電気的な接続不良が生じることが抑制されるとしている。
従って、カードエッジコネクタに対して回路基板を繰り返し挿抜しても、従来より電気的な接続信頼性を向上することのでき、回路基板をカードエッジコネクタに挿入する際、又は、カードエッジコネクタから回路基板を引き抜く際に、回路基板のエッジや電極形成面に端子の接点部が接触し、端子表面のメッキ層が剥がれるなど端子が損傷したり、変形したりする恐れがなく、また、剥がれたメッキ屑などにより短絡が生じる恐れがないとされている。
また、電極60の表面に対し接点部31が微摺動することによって、電極60の表面の絶縁皮膜を破ったり、表面の異物を除去するためのワイピングの距離を稼ぐこともできるとするものである。
また、第二実施例である図3によれば、複数のコネクタ側接点3はコネクタ本体1bに固定され、コネクタ本体1b内部で移動可能な可動モールド4bがプリント基板6の端面から押圧されることによってコネクタ本体1b内部で移動し、可動モールド4bに設けられた狭窄部4cによってコネクタ側接点3が基板側接点7(図1)に押圧接触するようになっている。
いずれの場合も、プリント基板6を抜き去ると、スプリング5によって可動モールド4a・4bが押し戻され、コネクタ側接点3と基板側接点7は離間するようになっている。
前述の特許文献1によれば、回動側コネクタハウジング36に設けられた第2コンタクトピン36は、カードエッジ形プリント基板10側のパッド11と、被接続側プリント基板20側のパッド21に対して直列接合するようになっているので、接触信頼性が低下するとともに、回動側コネクタハウジング36の開閉動作に伴って被接続側プリント基板20側のパッド21と第2コンタクトピン36の先端部37との間に摺動摩擦が発生して、接触面の摺動摩耗が発生する問題点がある。
また、回動側コネクタハウジング36の閉鎖状態における第1・第2コンタクトピン35・36とカードエッジ形プリント基板10のパッド11との間の接触圧力は、カードエッジ形プリント基板10によって回動側コネクタハウジング36の下部に設けられた当接部38を押圧する押圧力によって決定され、この押圧力は第1・第2コンタクトピン35・36とカードエッジ形プリント基板10のパッド11との間の接触摩擦抵抗以下の値であるため、十分な押圧力が得られない問題点がある。
また、リング状のバネ部25によって閉鎖方向に付勢されている一対の対向部22・23は、連結部24によって互いに回動可能に保持されているので、図示されないハーネスの端部に折曲力が発生し、ハーネスの断線事故が発生したり、連結部24の回動トルクが不安定となる問題点がある。
なお、この摺動摩擦移動量を低減するためには、スライダ40の支持面41の勾配を大きくすればよいが、この場合には、回路基板12を抜いたときに、スライダ40を初期位置に前進させるのが困難となる問題点がある。
また、前述の特許文献4によれば、図2による第一実施例ではコネクタ側接点3と基板側接点7との間で摺動摩擦は発生しないが、コネクタ側接点3がプリント基板6の挿抜に伴ってコネクタ本体1aの中で移動する必要があるので、リード線2bの折曲折損が発生したり、防水処理を施すことが困難となる問題点がある。
なお、図3による第二実施例では、狭窄部4cによってコネクタ側接点3を基板側接点7に押圧する過程で、コネクタ側接点3と基板側接点7との間で摺動摩擦が発生し、プリント基板6を抜くときも同様に摺動摩耗が発生する問題点がある。
この発明は、前述した回動方式又は直線移動方式の可動部材を備えたカードエッジコネクタの問題点を解消して、接触面の摺動移動量を極力低減して、コネクタの挿抜耐久性を向上するとともに、安定した接触圧力を接触面間に付与することができる電子機器ユニットを提供することを目的とするものである。
前記接触端子は、前記コネクタハウジングに設けられた端子保持部に収納保持され、予め又は後付けで前記外部接続導体に接続される圧入固定部と、前記圧入固定部に対して、U字形又はV字形又はW字形構造の弾性変形部を介して連結された第一部材と、前記第一部材に対して、U字形又はV字形の折返部を介して連結され、当該連結部に導電接触部を有する第二部材と、前記第二部材の終端部において打出補強部を介してL字形又はV字形に折曲連結された押圧折曲部とを備え、
前記回路基板は、外装容器又は取付用ブラケットである外装樹脂体に収納又は固定又は一体成型されているとともに、前記基板側端子は前記外装樹脂体から露出し、この基板側端子が設けられる基板端部の最端部には、前記外装樹脂体と連通する端面被覆樹脂が設けられ、
前記コネクタハウジングは、前記外装樹脂体に設けられた取付基準点を基準位置として装着されるとともに、
前記端面被覆樹脂は、その外側面の位置が前記コネクタハウジングの取付基準点から所定の基準寸法となるように前記外装樹脂体と一体成型されており、
前記コネクタハウジングを、前記外装樹脂体を介して前記回路基板に装着すると、所定の無効移動期間を経てから前記端面被覆樹脂によって前記接触端子の押圧折曲部に回転駆動力が付与されて,前記弾性変形部によって開放初期位置に保持されていた前記導電接触部が前記基板側端子に圧接され,この圧接力は前記第二部材の弾性強度によって規制されるとともに,前記打出補強部は前記回転駆動力に耐える強度を有している。
従って、導電接触部が基板側端子との接触位置に到来するまでの無効移動期間においては、導電接触部は基板側端子から隔離されていて、基板側端子の摺動損傷が皆無となり、端面被服樹脂が押圧折曲部を押返し開始してからも、導電接触部は基板側端子に対して略直角方向に押圧されて、相互の摺動接触が減殺されているので、接触面の摺動損傷が軽減されて接触信頼性が向上し、摺動摩耗粉の発生とこれに伴う周辺回路部における短絡異常、或いは接触不良の発生が防止される効果がある。
なお、接触端子は第一部材と第二部材による折返し構造になっているが、端子保持部と押圧折曲部の押圧機構とが同じ取付部位に配置されて、長手方向の寸法が加算延長されることがない構成となっている。
(1)構成と作用の詳細な説明
まず、この発明の実施の形態1による電子機器ユニットの全体構成図である図1と、図1のもののA視による部分詳細図である図2と、図1のものの取付基準点の説明図である図3について詳細に説明する。
図1において、電子機器ユニット100Aは図示しない電子回路部品が搭載された回路基板130を主体として構成されており、この回路基板130は外装樹脂体110によって一体成型され、この外装樹脂体110から露出している前端部と後端部の少なくとも一方には、銅箔パターンに金メッキを施した複数の基板側端子131が表面側又は裏面側の少なくとも一方の面に設けられている。
電子機器ユニット100Aに対して着脱自在に装着されるコネクタハウジング150Aには、予めワイヤハーネス140の一端が接続されている複数の接触端子160Aが圧入固定されていて、このコネクタハウジング150Aを回路基板130の露出端部に嵌合挿入することによって、接触端子160Aの導電接触部が基板側端子131と接触し、ワイヤハーネス140の他端に接続された図示しない外部機器と電子機器ユニット100Aとが電気的に接続されるようになっている。
図2において、側面被覆樹脂111・111と端面被覆樹脂112Aは、露出部における回路基板130の両側面と前端面位置において外装樹脂体110と一体成型された縁取り部である。
また、端子分離樹脂113は、複数の接触端子131の間にあって、端面被覆樹脂112Aと外装樹脂体110とを連通させるように一体成型されている。
図3においては、回路基板130の側面断面図と、回路基板130の平面断面図とを、紙面上下に方向に並べて示している。図3の側面断面図の部分および平面断面図の部分に示されているように、回路基板130の前端部には端面被覆樹脂112Aが設けられ、後端面においてもコネクタハウジング150Aが設けられる場合には後端被覆樹脂114が設けられている。
一方、回路基板130の外形となる縦横寸法の精度は一般には低精度であり、例えば複数基板をミシン目で連結し、電子部品の実装が終わってからミシン目に沿って折曲切断するような多数取り基板の場合であれば、端面位置の寸法精度は期待することができず基準穴132・133からの寸法にはバラツキが発生する。
従って、取付基準点となる抜止め突起117の端面と、回路基板130の前後の実際の寸法である基板位置寸法L1・L2にはバラツキが発生する。
しかし、取付基準点となる抜止め突起117の端面と、端面被覆樹脂112A(又は後端被覆樹脂114)の最端面までの距離である基準寸法L0は、金型寸法によって一義的に決定されるので、バラツキの少ない高精度寸法が得られるようになっている。
また、接続端子160Aの一端に接続されているワイヤハーネスに替わって、配線用基板を用い、この配線基板に対して取付固定されたコネクタハウジングに対して回路基板を挿入する型式のものであってもよい。
しかし、以下の説明では、回路基板130は外装樹脂体110によって略全体が樹脂封止されていて、一端の露出部にコネクタハウジング150Aが設けられ、ワイヤハーネス140によって外部機器と接続される形式のものについて説明する。
図4において、コネクタハウジング150Aの弾性フック部材157の先端係止部分は、外装樹脂体110の抜止め突起117から十分離れた位置にあって、回路基板130の基板側端子131に対してコネクタハウジング150Aを挿入開始した状態が示されている。
コネクタハウジング150Aは、筒状周壁部材151と底壁部材152によって構成され、筒状周壁部材151には弾性フック部材157が設けられ、底壁部材152には接触端子160Aが圧入固定される端子保持部156Aと、後述の押圧部材155Aおよび押圧ばね154Aが挿入される中央凹部153とが設けられている。
なお、押圧部材155Aは、その断面が砲弾形状をなし、図4の紙面の表方向から裏方向に延長された柱状の樹脂成型品であり、押圧ばね154Aは望ましくは2個に分割されて、柱状の押圧部材155Aを均等に図の左方向に押圧し、押圧部材155Aは中央凹部153の内壁に沿って左右に摺動するようになっている。
接触端子160Aは、図7(A)で示すとおり、コネクタハウジング150Aの端子保持部156Aに収納保持され、外部接続導体140が後付け接続される圧入固定部161Aと、この圧入固定部161Aに対して、W字形構造の弾性変形部162Aを介して連結された第一部材163Aと、この第一部材163Aに対して、V字形の折返部を介して連結され、この連結部に導電接触部165Aを有する第二部材164Aと、この第二部材164Aの終端部において打出補強部167Aを介してL字形に折曲連結された押圧折曲部168Aとを備え、この押圧折曲部168Aの先端にはさらに、円弧状の押圧接触面169Aが設けられている。
コネクタハウジング150Aの挿入完了状態の断面図である図5において、接触端子160Aの最先端に位置する押圧接触面169A(図7参照)は、回路基板130の端面被覆樹脂112Aの外面に当接し、この当接面を支点にして押圧折曲部168A(図7参照)の中間部が押圧部材155Aの砲弾形状の先端面から押し付けられ、その結果として第二部材164A(図7参照)が回路基板130の基板面と平行する位置に反時計方向に回動し、導電接触部165Aが基板側端子131と接触導通するようになっている。
また、図5の状態において、接触端子160Aの弾性変形部162A(図7参照)は、導電接触部165Aと基板側端子131との接触面圧力を減殺する方向に作用しているが、弾性変形部162Aは接触端子160Aを図4の開放状態に復帰させるためのものであって、回動機構によるトルク損失がないので接触端子160Aの重さに耐えるだけの軽量のものであればよい。
従って、押圧ばね154Aによる押圧力は、押圧折曲部168Aによって直交変換されて導電接触部165Aにおける接触面圧力として効率的に有効活用され、導電接触部165Aと基板側端子131との間で平面方向に摺動させる分力も発生しないようになっている。
図5のものの矢視C−Cによる部分詳細図である図6(B)において、回路基板130の表裏の基板側端子131は千鳥足状に交互に配列されており、これに伴って接触端子160Aも表裏に交互配置されることによって押圧折曲部168Aの長さ寸法を確保することができるようになっている。
接触端子160Aの側面図である図7(A)において、前述した圧入固定部161Aはワイヤハーネス140のキャップ状端子が圧入される配線保持部161a・161bと、接触端子160A全体をコネクタハウジング150Aの端子保持部156Aに固定するための端子保持部161cとによって構成されている。
同様に、第一部材163Aと第二部材164Aとの折返連結部は、V字形の替わりにU字形にすることもできる。
また、コイルばねで示された押圧ばね154Aに替わって、各接触端子160A毎に個別に設けられた板ばね式の押圧ばねを、コネクタハウジング150Aの底壁部材152側に圧入固定しておくようにしてもよい。
この場合には、第二部材164Aと押圧折返部168Aには弾性は不要であり、補強リブ166Aを全体に延長して剛体にしておくことも可能である。
また、図4における押圧ばね154Aと押圧部材155Aは中央凹部153によって保持する替わりに、図8で後述するような円柱突起部158で保持するようにしてもよい。
以上の説明で明らかなとおり、この発明の実施の形態1による電子機器ユニット100Aは、回路基板130の端部両面の少なくとも一方の面に設けられた複数の基板側端子131に対し、一端にワイヤハーネス又は配線用基板である外部接続導体140が接続され、他端に前記基板側端子131と電気的に接触する複数の接触端子160Aを備えたコネクタハウジング150Aが設けられ、当該コネクタハウジング150Aが前記回路基板130に対して着脱自在に装着された電子機器ユニット100Aであって、
前記接触端子160Aは、前記コネクタハウジング150Aに設けられた端子保持部156Aに収納保持され、後付けで前記外部接続導体140に接続される圧入固定部161Aと、前記圧入固定部161Aに対して、W字形構造の弾性変形部162Aを介して連結された第一部材163Aと、前記第一部材163Aに対して、V字形の折返部を介して連結され、当該連結部に導電接触部165Aを有する第二部材164Aと、前記第二部材164Aの終端部において打出補強部167Aを介してL字形に折曲連結された押圧折曲部168Aとを備えている。
前記コネクタハウジング150Aは、前記外装樹脂体110に設けられた取付基準点を基準位置として装着されるとともに、
前記端面被覆樹脂112Aは、その外側面の位置が前記コネクタハウジング150Aに対する取付基準点から所定の基準寸法L0となるように前記外装樹脂体110と一体成型されており、
前記コネクタハウジング150Aを、前記外装樹脂体110を介して前記回路基板130に装着すると、所定の無効移動期間を経てから前記端面被覆樹脂112Aによって前記接触端子160Aの押圧折曲部168Aに回転駆動力が付与されて,前記弾性変形部162Aによって開放初期位置に保持されていた前記導電接触部165Aが前記基板側端子131に圧接され,この圧接力は前記第二部材164Aの弾性強度によって規制されるとともに,前記打出補強部167Aは前記回転駆動力に耐える強度を有している。
特に、実施の形態1による場合には、導電接触部165Aが基板側端子131に接触した状態において、接触端子160Aの第二部材164Aが回路基板130の基板面と平行になり、導電接触部165Aは基板側端子131に対して直角方向に圧接されるので、導電接触部165Aと基板側端子131との間での摩擦摺動が発生しない顕著な特徴があるが、回路基板130の表裏に設けられた基板側端子131は交互に千鳥配置しなければ、回路基板130の端面に押圧折曲部168Aを一列に並べることができない構成となっている。
前記筒状周壁部材151には、前記外装樹脂体110における取付基準点となる抜止め突起117と係合する弾性フック部材157が設けられ、
前記底壁部材152には、ワイヤハーネスである前記外部接続導体140への接続リード端子が引出される貫通穴、又は、配線用基板である前記外部接続導体140への接続リード端子が引出される貫通穴、が設けられ、
前記底壁部材152にはさらに、前記接触端子160Aの前記圧入固定部161Aが嵌合保持される前記端子保持部156Aと、押圧ばね154Aによって押出される関係に付勢されている押圧部材155Aが収納される中央凹部153又は円柱突起部158とが設けられ、
前記接触端子160Aの前記第二部材164Aから、略直角のL字形に折曲られた前記押圧折曲部168Aの先端位置には、前記端面被覆樹脂112Aから押返される円弧状の押圧接触面169Aが設けられ、
前記押圧部材155Aの円弧状端面は、前記接触端子160Aの前記押圧接触面169Aと前記打出補強部167Aとの間にある押圧面に当接し、
前記コネクタハウジング150Aを、前記外装樹脂体110を介して前記回路基板130に装着すると、所定の無効移動期間を経てから前記端面被覆樹脂112Aによって前記接触端子160Aの前記押圧接触面169Aが押返され、前記押圧部材155Aの円弧状端面を支点として前記第二部材164Aが回動して、前記導電接触部165Aが前記基板側端子131に圧接されるようになっている。
従って、導電接触部は基板側端子に対して直角方向に圧接されて摺動滑りが発生せず、圧接圧力は押圧ばねによって規制された所定圧力が得られる特徴がある。
前記導電接触部165Aと前記基板側端子131とが、前記押圧ばね154Aによって押圧接触した状態において、前記弾性変形部162Aによって減殺される接触圧力P0と、前記押圧ばね154Aによる接触圧力P1と、有効接触圧力P1−P0との関係は、P1−P0>P0となっている。
従って、自然状態において接触端子が隔開退避していて、コネクタハウジングの装着時には簡単に端面被覆樹脂を乗越えて接触端子を挿入することができ、押圧ばねの押圧力を有効活用して導電接触部を基板側端子に圧接することができる特徴がある。
これは、後述の実施の形態2の場合も同様である。
従って、端面被覆樹脂は剥離することなく外装樹脂体と一体成型することができる特徴がある。
また、端子分離樹脂を設けると、接触端子の位置を安定させることができる特徴がある。
これは、後述の実施の形態2〜4の場合も同様である。
前記接触端子160Aは、導電性とばね性に優れている真鍮で代表される銅合金に対し、折曲加工後において金又は金を主成分とする耐酸化性素材を被覆したものである。
従って、コネクタハウジングの着脱に伴って、導電接触部と基板側端子との間に摺動摩擦が発生しないことによって、酸化膜を除去するワイピング効果が得られなくても、酸化膜の発生自体が防止されており、摺動摩擦を極力抑制して接触面の損傷を防止して、接触信頼性を向上維持することができる特徴がある。
これは、後述の実施の形態2〜4の場合も同様である。
前記導電接触部165Aは、前記第一部材163Aと前記第二部材164Aとの折返し連結部に設けられた打出し円弧面となっており、
前記接触端子160Aの弾性強度は、前記補強リブ166Aに関する前記第二部材164Aにある部分の長さと、リブの折曲高さ又は打出深さとによって、調整されている。
従って、薄い板材である接触端子を用いていても、押圧折返部を押圧又は押返したときに、導電接触部と基板側端子との間に必要とされる接触押圧力を付与することができる特徴がある。
また、導電接触部は円弧状に加工されているので、基板側端子に対する接触損傷の発生を防止することができる特徴がある。
これは、後述の実施の形態2〜4の場合も同様である。
(1)構成と作用の詳細な説明
以下、この発明の実施の形態2による電子機器ユニットにおいて、コネクタハウジングの挿入開始状態の断面図である図8と、挿入途中状態の断面図である図9と、挿入完了状態の断面図である図10と、図8の接触端子の側面図及び展開図である図11について、図1〜図7のものとの相違点を中心にして詳細に説明する。
なお、各図において、同一符号は同一又は相当部分を示している。
図8において、コネクタハウジング150Bの弾性フック部材157の先端係止部分は、外装樹脂体110の抜止め突起117から十分離れた位置にあって、回路基板130の基板側端子131に対してコネクタハウジング150Bを挿入開始した状態が示されている。
コネクタハウジング150Bは、筒状周壁部材151と底壁部材152によって構成され、筒状周壁部材151には弾性フック部材157が設けられ、底壁部材152には接触端子160Bが圧入固定される端子保持部156Bと、後述の押圧部材155Bおよび押圧ばね154Bが挿入される円柱突起部158とが設けられている。
また、この実施の形態では、コネクタハウジング150Bに対して押圧ばね154Bと押圧部材155Bを挿入してから、予めワイヤハーネス140(図1参照)が接続されている接触端子160Bが図8の左方から右方に挿入され、コネクタハウジング150Bに対して一体化された構成が得られるようになっている。
ただし、ワイヤハーネス140が長く、左方からの挿入が非能率である場合には、図4のものと同様に、一端にキャップ状端子を有するワイヤハーネス140を接触端子160Bに設けた配線保持部に圧入するようにしてもよい。
接触端子160Bは、図11(A)で示すとおり、コネクタハウジング150Bの端子保持部156Bに収納保持され、外部接続導体140となるワイヤハーネスが予め接続される圧入固定部161Bと、この圧入固定部161Bに対して、U字形構造の弾性変形部162Bを介して連結された第一部材163Bと、この第一部材163Bに対して、U字形の折返部を介して連結され、この連結部に導電接触部165Bを有する第二部材164Bと、この第二部材164Bの終端部において打出補強部167Bを介してV字形に折曲連結された押圧折曲部168Bとを備えている。
コネクタハウジング150Bの挿入途中状態の断面図である図9において、コネクタハウジング150Bを、回路基板130に装着すると、所定の無効移動期間を経てから端面被覆樹脂112Bの端面と押圧折曲部168Bの最先端である第一当接位置とが当接するとともに、押圧折曲部168Bの中間部である第二当接位置と押圧部材155Bの台形底辺とが当接する。
さらにコネクタハウジング150Bを移動させると第二当接位置を支点として接触端子160Bが反時計方向に回動開始する。
このとき、押圧部材155Bによる押圧力は複数の接触端子160Bに分散して付与されるが、例えば押圧折曲部168BのV字折曲角度のバラツキなどによって個々の導電接触部165Bと基板側端子131との接触面圧力は変化し、その変化量を抑制するために第二部材164Bと押圧折曲部168Bとは適度な弾性を有するように調整されている。
また、図10の状態において、接触端子160Bの弾性変形部162B(図11参照)は、導電接触部165Bと基板側端子131との接触面圧力を減殺する方向に作用しているが、弾性変形部162Bは接触端子160Bを図8の開放状態に復帰させるためのものであって、回動機構によるトルク損失がないので接触端子160Bの重さに耐えるだけの軽量のものであればよい。
従って、押圧ばね154Bによる押圧力は、押圧折曲部168Bによって略直交変換されて導電接触部165Bにおける接触面圧力として効率的に有効活用され、導電接触部165Bと基板側端子131との間で平面方向に摺動させる分力も大幅に抑制されたものとなっている。
接触端子160Bの展開図である図11(B)において、巻込円弧部180・181はワイヤハーネス140の端部を保持したり、心線部のカシメ接続が行われる円弧部であり、弾性円弧部182は弾性変形部162Bを構成する円弧部であり、折返円弧部183は第一部材163Bと第二部材164Bとの間に設けられた円弧部である。
以上の説明では、弾性変形部162BはU字形としたが、これに替わってV字形又はW字形の弾性変形部とすることができる。
同様に、第一部材163Bと第二部材164Bとの折返連結部は、U字形の替わりにV字形にすることもできる。
また、接触端子160Aの弾性変形部162Bは、自然状態において図10に示すとおりに基板側端子131を圧接する方向のばね力を発生し、コネクタハウジング150Bを抜くと、押圧ばね154Bによって押圧折曲部168Bが押されて、接触端子160Bの全体が時計方向に回動して、図8で示す開放位置になるようにすることも可能である。
以上の説明で明らかなとおり、この発明の実施の形態2による電子機器ユニット100Bは、
回路基板130の端部両面の少なくとも一方の面に設けられた複数の基板側端子131に対し、一端にワイヤハーネス又は配線用基板である外部接続導体140が接続され、他端に前記基板側端子131と電気的に接触する複数の接触端子160Bを備えたコネクタハウジング150Bが設けられ、当該コネクタハウジング150Bが前記回路基板130に対して着脱自在に装着された電子機器ユニット100Bであって、
前記接触端子160Bは、前記コネクタハウジング150Bに設けられた端子保持部156Bに収納保持され、先付けで前記外部接続導体140に接続される圧入固定部161Bと、前記圧入固定部161Bに対して、U字形構造の弾性変形部162Bを介して連結された第一部材163Bと、前記第一部材163Bに対して、U字形の折返部を介して連結され、当該連結部に導電接触部165Bを有する第二部材164Bと、前記第二部材164Bの終端部において打出補強部167Bを介してV字形に折曲連結された押圧折曲部168Bとを備えている。
前記端面被覆樹脂112Aは、その外側面の位置が前記コネクタハウジング150Aに対する取付基準点から所定の基準寸法L0となるように前記外装樹脂体110と一体成型されており、
前記コネクタハウジング150Bを、前記外装樹脂体110を介して前記回路基板130に装着すると、所定の無効移動期間を経てから前記端面被覆樹脂112Bによって前記接触端子160Bの押圧折曲部168Bに回転駆動力が付与されて,前記弾性変形部162Bによって開放初期位置に保持されていた前記導電接触部165Bが前記基板側端子131に圧接され,この圧接力は前記第二部材164Bの弾性強度によって規制されるとともに,前記打出補強部167Bは前記回転駆動力に耐える強度を有している。
特に、実施の形態2による場合には、端面被覆樹脂112Bの上下方向(回路基板130の厚さ方向)の寸法が大きく、上下の接触端子160Aを同じ位置に並べて配置しても、相互の押圧折曲部168Bが干渉しないので、回路基板130の表裏に設けられた基板側端子131は交互に千鳥配置する必要がない特徴がある。
前記筒状周壁部材151には、前記外装樹脂体110における取付基準点となる抜止め突起117と係合する弾性フック部材157が設けられ、
前記底壁部材152には、ワイヤハーネスである前記外部接続導体140への接続リード端子が引出される貫通穴、又は、配線用基板である前記外部接続導体140への接続リード端子が引出される貫通穴、が設けられ、
前記底壁部材152にはさらに、前記接触端子160Bの前記圧入固定部161Bが嵌合保持される前記端子保持部156Bと、押圧ばね154Bによって押出される関係に付勢されている押圧部材155Bが挿入される円柱突起部158又は中央凹部153とが設けられ、
前記接触端子160Bの前記第二部材164Bから、V字形に折曲られた前記押圧折曲部168Bの先端は、前記端面被覆樹脂112Bから押返される第一当接位置となり、
前記押圧部材155Bの断面は台形形状となっていて、この台形底辺は前記押圧折曲部168Bを押圧する第二当接位置となり、
前記コネクタハウジング150Bを、前記外装樹脂体110を介して前記回路基板130に装着すると、所定の無効移動期間を経てから前記端面被覆樹脂112Bによって前記押圧折曲部168Bの第一当接位置が押返され、前記押圧部材155Bの第二当接位置を支点として前記第二部材164Bが回動して、前記導電接触部165Bが前記基板側端子131に圧接されるようになっている。
従って、導電接触部は基板側端子に対して略直角方向に圧接されて摺動滑りが発生せず、圧接圧力は押圧ばねによって規制された所定圧力が得られる特徴がある。
(1)構成と作用の詳細な説明
以下、この発明の実施の形態3による電子機器ユニットにおいて、コネクタハウジングの挿入開始状態の断面図である図12と、挿入途中状態の断面図である図13と、挿入完了状態の断面図である図14と、図12の矢視D−Dによる部分詳細図である図15と、図14の矢視E−E線による部分詳細図である図16と、接触端子の側面図及び展開図である図17について、図1〜図7のものとの相違点を中心にして詳細に説明する。
なお、各図において、同一符号は同一又は相当部分を示している。
図12において、コネクタハウジング150Cの弾性フック部材157の先端係止部分は、外装樹脂体110の抜止め突起117から十分離れた位置にあって、回路基板130の基板側端子131に対してコネクタハウジング150Cを挿入開始した状態が示されている。
コネクタハウジング150Cは、筒状周壁部材151と底壁部材152によって構成され、筒状周壁部材151には弾性フック部材157が設けられ、底壁部材152には接触端子160Cが圧入固定される端子保持部156Cと、後述の押圧部材155Cおよび押圧ばね154Cが挿入される円柱突起部158とが設けられている。
また、この実施の形態では、予めワイヤハーネス140(図1参照)が接続されている接触端子160Cが図12の左方から右方に挿入されてから、コネクタハウジング150Cに対して押圧ばね154Cと押圧部材155Cとが挿入されて、コネクタハウジング150Cに対して一体化された構成が得られるようになっている。
ただし、コネクタハウジング150Cの底壁部材152に、押圧折曲部168Cを貫通
するための窓穴を設けた場合には、接触端子160Cを図12の右方から左方に挿入する
ことができ、長尺のワイヤハーネス140を有する場合には作業性が向上する。
あるいは、図4において説明したとおり、一端にキャップ状端子を有するワイヤハーネス140を接触端子160Cに設けた配線保持部に圧入するようにしてもよい。
接触端子160Cは、図17(A)で示すとおり、コネクタハウジング150Cの端子保持部156Cに収納保持され、外部接続導体140となるワイヤハーネスが予め接続される圧入固定部161Cと、この圧入固定部161Cに対して、U字形構造の弾性変形部162Cを介して連結された第一部材163Cと、この第一部材163Cに対して、U字形の折返部を介して連結され、この連結部に導電接触部165Cを有する第二部材164Cと、この第二部材164Cの終端部において打出補強部167Cを介してV字形に折曲連結された押圧折曲部168Cとを備え、この押圧折曲部168Cの先端には円弧状の押圧接触面169Cが設けられている。
コネクタハウジング150Cの挿入途中状態の断面図である図13において、コネクタハウジング150Cを、回路基板130に装着すると、所定の無効移動期間を経てから端面被覆樹脂112Cの端面と押圧部材155Cの対向端面が当接して、押圧部材155Cの背面が押圧折曲部168Cの押圧接触面169Cに当接する。
さらにコネクタハウジング150Cを移動させると押圧接触面169Cを支点として接触端子160Cが反時計方向に回動開始する。
また、図14の状態において、接触端子160Cの弾性変形部162C(図17参照)は、導電接触部165Cと基板側端子131との接触面圧力を減殺する方向に作用しているが、弾性変形部162Cは接触端子160Cを図12の開放状態に復帰させるためのものであって、回動機構によるトルク損失がないので接触端子160Cの重さに耐えるだけの軽量のものであればよい。
従って、押圧折曲部168Cに作用する押圧力はV字形折曲部によって略直交変換されて導電接触部165Cにおける接触面圧力として効率的に有効活用され、導電接触部165Cと基板側端子131との間で平面方向に摺動させる分力も大幅に抑制されたものとなっている。
なお、この実施の形態においては、押圧ばね154Cはコネクタハウジング150Cを抜いたときに、押圧部材155Cを図12で示した初期位置に復帰させるためのものである。
図14のものの矢視E−Eによる第一例の部分詳細図である図16(A)において、回路基板130の表裏の基板側端子131は表裏の同一位置に生成されている。
図14のものの矢視E−Eによる第二例の部分詳細図である図16(B)において、回路基板130の表裏の基板側端子131は表裏の位置が千鳥足状にずれている。
これは、押圧部材155Cの上下方向(回路基板130の厚さ方向)の寸法が大きく、上下の接触端子160Cを同じ位置に並べて配置しても、相互の押圧折曲部168Cが干渉しないので、回路基板130の表裏に設けられた基板側端子131は交互に千鳥配置してもしなくてもよいためである。
接触端子160Cの展開図である図17(B)において、巻込円弧部180・181はワイヤハーネス140の端部を保持したり、心線部のカシメ接続が行われる円弧部であり、弾性円弧部182は弾性変形部162Cを構成する円弧部であり、折返円弧部183は第一部材163Cと第二部材164Cとの間に設けられた円弧部である。
なお、この実施の形態における弾性変形部162CがU字形であることには重要な意義があり、図13の状態でコネクタハウジング150Cを右方から左方に押し込もうとしたときに、接触端子160Cの先端部が押圧部材155Cを介して端面被覆樹脂112Cから押返されて、弾性変形部162Cが座屈変形しないようになっている。
しかし、接触端子160Cはその取付位置を中心にして、反時計方向には容易に回動して、図14で示された位置で導電接触部165Cが基板側端子131に当接するようになっている。なお、押圧ばね154Cと押圧部材155Cは円柱突起部158によって保持する替わりに、図4で示したような中央凹部153で保持するようにしてもよい。
以上の説明で明らかなとおり、この発明の実施の形態3による電子機器ユニット100Cは、回路基板130の端部両面の少なくとも一方の面に設けられた複数の基板側端子131に対し、一端にワイヤハーネス又は配線用基板である外部接続導体140が接続され、他端に前記基板側端子131と電気的に接触する複数の接触端子160Cを備えたコネクタハウジング150Cが設けられ、当該コネクタハウジング150Cが前記回路基板130に対して着脱自在に装着された電子機器ユニット100Cであって、
前記接触端子160Cは、前記コネクタハウジング150Cに設けられた端子保持部156Cに収納保持され、先付けで前記外部接続導体140に接続される圧入固定部161Cと、前記圧入固定部161Cに対して、U字形構造の弾性変形部162Cを介して連結された第一部材163Cと、前記第一部材163Cに対して、U字形の折返部を介して連結され、当該連結部に導電接触部165Cを有する第二部材164Cと、前記第二部材164Cの終端部において打出補強部167Cを介してV字形に折曲連結された押圧折曲部168Cとを備えている。
前記端面被覆樹脂112Cは、その外側面の位置が前記コネクタハウジング150Cに対する取付基準点から所定の基準寸法L0となるように前記外装樹脂体110と一体成型されており、
前記コネクタハウジング150Cを、前記外装樹脂体110を介して前記回路基板130に装着すると、所定の無効移動期間を経てから前記端面被覆樹脂112Cによって前記接触端子160Cの押圧折曲部168Cに回転駆動力が付与されて,前記弾性変形部162Cによって開放初期位置に保持されていた前記導電接触部165Cが前記基板側端子131に圧接され,この圧接力は前記第二部材164Cの弾性強度によって規制されるとともに,前記打出補強部167Cは前記回転駆動力に耐える強度を有している。
特に、実施の形態3による場合には、押圧部材155Cの上下方向(回路基板130の厚さ方向)の寸法が大きく、上下の接触端子160Cを同じ位置に並べて配置しても、相互の押圧折曲部168Cが干渉しないので、回路基板130の表裏に設けられた基板側端子131は交互に千鳥配置する必要がない特徴があるとともに、端面被覆樹脂112Cの上下方向の寸法は小さくてもよいので、上下の接触端子160Cの弾性力が不均衡である場合に、端面被覆樹脂112Cに対して回動方向の荷重が加わって、回路基板130との成形部分が破損するのを防止することができるようになっている。
前記筒状周壁部材151には、前記外装樹脂体110における取付基準点となる抜止め突起117と係合する弾性フック部材157が設けられ、
前記底壁部材152には、ワイヤハーネスである前記外部接続導体140への接続リード端子が引出される貫通穴、又は、配線用基板である前記外部接続導体140への接続リード端子が引出される貫通穴、が設けられ、
前記底壁部材152にはさらに、前記接触端子160Cの前記圧入固定部161Cが嵌合保持される前記端子保持部156Cと、押圧ばね154Cによって押出される関係に付勢されている押圧部材155Cが挿入される円柱突起部158又は中央凹部153とが設けられ、
前記接触端子160Cの前記第二部材164Cから、V字形に折曲られた前記押圧折曲部168Cの先端位置には、前記押圧部材155Cの背面から押返される円弧状の押圧接触面169Cが設けられ、
前記コネクタハウジング150Cを、前記外装樹脂体110を介して前記回路基板130に装着すると、所定の無効移動期間を経てから前記端面被覆樹脂112Cと前記押圧部材155Cの表面が当接し、前記押圧部材155Cの背面によって前記押圧接触面169Cが押返されて、前記導電接触部165Cが前記基板側端子131に圧接されるようになっている。
従って、導電接触部は基板側端子に対して略直角方向に圧接されて摺動滑りが発生せず、圧接圧力は接触端子全体の弾性によって規制された所定圧力が得られる特徴がある。
なお、導電接触部と基板側端子との間の接触圧力は、接触端子の全体の弾性によって決定され、押圧ばねは押圧部材の初期位置を決定するためのものとなっている。
また、電子機器ユニットの実働運転時に、コネクタハウジングが振動によって前後移動した場合に、コネクタハウジング側から押圧折曲部に押圧力が付与されることがなく、導電接触部と基板側端子との間の摺動摩擦を軽減することができる特徴がある。
前記弾性変形部162Cの外周面は、前記圧入固定部161Cと、前記筒状周壁部材151の内壁面に当接し、前記押圧折曲部168Cが前記端面被覆樹脂112Cによって押返されたときには、前記弾性変形部162Cは容易に湾曲して、前記第一部材163Cと前記第二部材164Cが前方回動するが、前記弾性変形部162Cが圧縮されて後退変形しないように構成されており、
前記導電接触部165Cと前記基板側端子131とが、押圧接触した状態において、前記弾性変形部162Cによって減殺される接触圧力P0と、前記接触端子160Cの弾性によって制限される接触圧力P1と、有効接触圧力P1−P0との関係は、P1−P0>P0となっている。
従って、自然状態において接触端子が隔開退避していて、コネクタハウジングの装着時には簡単に端面被覆樹脂を乗越えて接触端子を挿入することができ、押圧ばねの押圧力を有効活用して導電接触部を基板側端子に圧接することができる特徴がある。
また、弾性変形部による減殺押圧力は小さくても、弾性変形部が座屈によって後退変形して、導電接触部と基板側端子との接触点が移動し、摺動摩擦が発生するのを防止することができる特徴がある。
これは、後述の実施の形態4についても同様である。
(1)構成と作用の詳細な説明
以下、この発明の実施の形態4による電子機器ユニットにおいて、コネクタハウジングの挿入開始状態の断面図である図18と、挿入途中状態の断面図である図19と、挿入完了状態の断面図である図20について、図1〜図7のものとの相違点を中心にして詳細に説明する。
なお、この実施の形態で使用される接触端子160Dは、図17で示された接触端子160Cと同一のものであり、各図において、同一符号は同一又は相当部分を示している。
図18において、コネクタハウジング150Dの弾性フック部材157の先端係止部分は、外装樹脂体110の抜止め突起117から十分離れた位置にあって、回路基板130の基板側端子131に対してコネクタハウジング150Dを挿入開始した状態が示されている。
コネクタハウジング150Dは、筒状周壁部材151と底壁部材152によって構成され、筒状周壁部材151には弾性フック部材157が設けられ、底壁部材152には接触端子160Dが圧入固定される端子保持部156Dが設けられている。
ただし、ワイヤハーネス140が長尺寸法である場合には、図12のものと同様に右方から左方に挿入するか、キャップ状端子を有するワイヤーハーネスを用いることができる。
また、回路基板130の端面に設けられた端面被覆樹脂112Dには幅広部118が設けられている。
接触端子160Dは、図17(A)で示したとおりであるが、コネクタハウジング150Dの端子保持部156Dに収納保持され、外部接続導体140となるワイヤハーネスが予め接続される圧入固定部161Dと、この圧入固定部161Dに対して、U字形構造の弾性変形部162Dを介して連結された第一部材163Dと、この第一部材163Dに対して、U字形の折返部を介して連結され、この連結部に導電接触部165Dを有する第二部材164Dと、この第二部材164Dの終端部において打出補強部167Dを介してV字形に折曲連結された押圧折曲部168Dとを備え、この押圧折曲部168Dの先端には円弧状の押圧接触面169Dが設けられている。
コネクタハウジング150Dの挿入途中状態の断面図である図19において、コネクタハウジング150Dを、回路基板130に装着すると、所定の無効移動期間を経てから端面被覆樹脂112Dに設けられた幅広部118の外面が、接触端子160Dの先端部である押圧接触面169Dに当接する。さらにコネクタハウジング150Dを移動させると押圧接触面169Dを支点として接触端子160Dが反時計方向に回動開始する。
また、図20の状態において、接触端子160Dの弾性変形部162D(図17・図18参照)は、導電接触部165Dと基板側端子131との接触面圧力を減殺する方向に作用しているが、弾性変形部162Dは接触端子160Dを図18の開放状態に復帰させるためのものであって、回動機構によるトルク損失がないので接触端子160Dの重さに耐えるだけの軽量のものであればよい。
従って、押圧折曲部168Dに作用する押圧力はV字形折曲部によって略直交変換されて導電接触部165Dにおける接触面圧力として効率的に有効活用され、導電接触部165Dと基板側端子131との間で平面方向に摺動させる分力も大幅に抑制されたものとなっている。
しかし、図20の状態において、上下の接触端子160Dの弾性力にバラツキがあると、幅広部118を回動させようとするトルクが加わるので、回路基板130の端面における樹脂成型部が破断しないように強度を高めておく必要がある。
但し、幅広部118の上下方向(回路基板130の厚さ方向)の寸法が大きく、上下の接触端子160Dを同じ位置に並べて配置しても、相互の押圧折曲部168Dが干渉しないので、回路基板130の表裏に設けられた基板側端子131は交互に千鳥配置しなくてもよい利点がある。
また、この実施の形態における弾性変形部162DがU字形であることには重要な意義があり、図19の状態でコネクタハウジング150Dを右方から左方に押し込もうとしたときに、接触端子160Dの先端部が幅広部118から押返されて、弾性変形部162Dが座屈変形しないようになっている。
しかし、接触端子160Dはその取付位置を中心にして、反時計方向には容易に回動して、図20で示された位置で導電接触部165Dが基板側端子131に当接するようになっている。
以上の説明で明らかなとおり、この発明の実施の形態4による電子機器ユニット100Dは、回路基板130の端部両面の少なくとも一方の面に設けられた複数の基板側端子131に対し、一端にワイヤハーネス又は配線用基板である外部接続導体140が接続され、他端に前記基板側端子131と電気的に接触する複数の接触端子160Dを備えたコネクタハウジング150Dが設けられ、当該コネクタハウジング150Dが前記回路基板130に対して着脱自在に装着された電子機器ユニット100Dであって、
前記接触端子160Dは、前記コネクタハウジング150Dに設けられた端子保持部156Dに収納保持され、先付けで前記外部接続導体140に接続される圧入固定部161Dと、前記圧入固定部161Dに対して、U字形構造の弾性変形部162Dを介して連結された第一部材163Dと、前記第一部材163Dに対して、U字形の折返部を介して連結され、当該連結部に導電接触部165Dを有する第二部材164Dと、前記第二部材164Dの終端部において打出補強部167Dを介してV字形に折曲連結された押圧折曲部168Dとを備えている。
前記コネクタハウジング150Dは、前記外装樹脂体110に設けられた取付基準点を基準位置として装着されるとともに、
前記コネクタハウジング150Dを、前記外装樹脂体110を介して前記回路基板130に装着すると、所定の無効移動期間を経てから前記端面被覆樹脂112Dによって前記接触端子160Dの押圧折曲部168Dに回転駆動力が付与されて,前記弾性変形部162Dよって開放初期位置に保持されていた前記導電接触部165Dが前記基板側端子131に圧接され,この圧接力は前記第二部材164Dの弾性強度によって規制されるとともに,前記打出補強部167Dは前記回転駆動力に耐える強度を有している。
特に、実施の形態4による場合には、端面被覆樹脂112Dに設けられた幅広部118の上下方向(回路基板130の厚さ方向)の寸法が大きく、上下の接触端子160Dを同じ位置に並べて配置しても、相互の押圧折曲部168Dが干渉しないので、回路基板130の表裏に設けられた基板側端子131は交互に千鳥配置する必要がない特徴があるとともに、コネクタハウジング150Dの内部構造が単純化できるようになっている。
前記筒状周壁部材151には、前記外装樹脂体110における取付基準点となる抜止め突起117と係合する弾性フック部材157が設けられ、
前記底壁部材152には、ワイヤハーネスである前記外部接続導体140への接続リード端子が引出される貫通穴、又は、配線用基板である前記外部接続導体140への接続リード端子が引出される貫通穴、が設けられ、
前記底壁部材152にはさらに、前記接触端子160Dの前記圧入固定部161Dが嵌合保持される前記端子保持部156Dが設けられ、
前記端面被覆樹脂112Dには前記回路基板130の厚さ方向に延長された幅広部118が設けられ、
前記接触端子160Dの前記第二部材164Dから、V字形に折曲られた前記押圧折曲部168Dの先端位置には、前記幅広部118から押返される円弧状の押圧接触面169Dが設けられ、
前記コネクタハウジング150Dを、前記外装樹脂体110を介して前記回路基板130に装着すると、所定の無効移動期間を経てから前記端面被覆樹脂112Dの前記幅広部118が前記押圧接触面169Dに当接し、当該押圧接触面169Dが押返されて、前記導電接触部165Dが前記基板側端子131に圧接されるようになっている。
従って、導電接触部は基板側端子に対して略直角方向に圧接されて摺動滑りが発生せず、圧接圧力は接触端子全体の弾性によって規制された所定圧力が得られる特徴がある。
また、電子機器ユニットの実働運転時に、コネクタハウジングが振動によって前後移動した場合に、コネクタハウジング側から押圧折曲部に押圧力が付与されることがなく、導電接触部と基板側端子との間の摺動摩擦を軽減することができる特徴がある。
ただし、図12・図18の場合には、コネクタハウジング150C・150Dの底壁部材152に押圧折曲部168C・168Dを貫通するための窓穴を設けることによって、接触端子160C・160Dを図12・図18の右方から左方に挿入することもできる。
、L0 基準寸法。
Claims (10)
- 回路基板の端部両面の少なくとも一方の面に設けられた複数の基板側端子に対し、一端にワイヤハーネス又は配線用基板である外部接続導体が接続され、他端に前記基板側端子と電気的に接触する複数の接触端子を備えたコネクタハウジングが設けられ、当該コネクタハウジングが前記回路基板に対して着脱自在に装着された電子機器ユニットであって、 前記接触端子は、前記コネクタハウジングに設けられた端子保持部に収納保持され、予め又は後付けで前記外部接続導体に接続される圧入固定部と、前記圧入固定部に対して、U字形又はV字形又はW字形構造の弾性変形部を介して連結された第一部材と、前記第一部材に対して、U字形又はV字形の折返部を介して連結され、当該連結部に導電接触部を有する第二部材と、前記第二部材の終端部において打出補強部を介してL字形又はV字形に折曲連結された押圧折曲部とを備え、
前記回路基板は、外装容器又は取付用ブラケットである外装樹脂体に収納又は固定又は一体成型されているとともに、前記基板側端子は前記外装樹脂体から露出し、この基板側端子が設けられる基板端部の最端部には、前記外装樹脂体と連通する端面被覆樹脂が設けられ、
前記コネクタハウジングは、前記外装樹脂体に設けられた取付基準点を基準位置として装着されるとともに、
前記端面被覆樹脂は、その外側面の位置が前記コネクタハウジングの取付基準点から所定の基準寸法となるように前記外装樹脂体と一体成型されており、
前記コネクタハウジングを、前記外装樹脂体を介して前記回路基板に装着すると、所定の無効移動期間を経てから前記端面被覆樹脂によって前記接触端子の押圧折曲部に回転駆動力が付与されて,前記弾性変形部によって開放初期位置に保持されていた前記導電接触部が前記基板側端子に圧接され,この圧接力は前記第二部材の弾性強度によって規制されるとともに,前記打出補強部は前記回転駆動力に耐える強度を有している
ことを特徴とする電子機器ユニット。 - 前記コネクタハウジングは、筒状周壁部材と底壁部材によって構成され、
前記筒状周壁部材には、前記外装樹脂体における取付基準点となる抜止め突起と係合する弾性フック部材が設けられ、
前記底壁部材には、ワイヤハーネスである前記外部接続導体への接続リード端子が引出される貫通穴、又は、配線用基板である前記外部接続導体への接続リード端子が引出される貫通穴、が設けられ、
前記底壁部材にはさらに、前記接触端子の前記圧入固定部が嵌合保持される前記端子保持部と、押圧ばねによって押出される関係に付勢されている押圧部材が収納される中央凹部又は円柱突起部とが設けられ、
前記接触端子の前記第二部材から、略直角のL字形に折曲られた前記押圧折曲部の先端位置には、前記端面被覆樹脂から押返される円弧状の押圧接触面が設けられ、
前記押圧部材の円弧状端面は、前記接触端子の前記押圧接触面と前記打出補強部との間にある押圧面に当接し、
前記コネクタハウジングを、前記外装樹脂体を介して前記回路基板に装着すると、所定の無効移動期間を経てから前記端面被覆樹脂によって前記接触端子の前記押圧接触面が押返され、前記押圧部材の円弧状端面を支点として前記第二部材が回動して、前記導電接触部が前記基板側端子に圧接される
ことを特徴とする請求項1に記載の電子機器ユニット。 - 前記コネクタハウジングは、筒状周壁部材と底壁部材によって構成され、
前記筒状周壁部材には、前記外装樹脂体における取付基準点となる抜止め突起と係合する弾性フック部材が設けられ、
前記底壁部材には、ワイヤハーネスである前記外部接続導体への接続リード端子が引出される貫通穴、又は、配線用基板である前記外部接続導体への接続リード端子が引出される貫通穴が、設けられ、
前記底壁部材にはさらに、前記接触端子の前記圧入固定部が嵌合保持される前記端子保持部と、押圧ばねによって押出される関係に付勢されている押圧部材が挿入される円柱突起部又は中央凹部とが設けられ、
前記接触端子の前記第二部材から、V字形に折曲られた前記押圧折曲部の先端は、前記端面被覆樹脂から押返される第一当接位置となり、
前記押圧部材の断面は台形形状となっていて、この台形底辺は前記押圧折曲部を押圧する第二当接位置となり、
前記コネクタハウジングを、前記外装樹脂体を介して前記回路基板に装着すると、所定の無効移動期間を経てから前記端面被覆樹脂によって前記押圧折曲部の第一当接位置が押返され、前記押圧部材の第二当接位置を支点として前記第二部材が回動して、前記導電接触部が前記基板側端子に圧接される
ことを特徴とする請求項1に記載の電子機器ユニット。 - 前記弾性変形部は、前記接触端子の全体を解放初期位置に保持し、前記押圧折曲部が前記端面被覆樹脂によって押返されるまでの、コネクタハウジングの無効移動期間において、前記導電接触部と前記基板側端子とが接触するのを回避し、
前記導電接触部と前記基板側端子とが、前記押圧ばねによって押圧接触した状態において、前記弾性変形部によって減殺される接触圧力P0と、前記押圧ばねによる接触圧力P1と、有効接触圧力P1−P0との関係は、P1−P0>P0となっている
ことを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の電子機器ユニット。 - 前記コネクタハウジングは、筒状周壁部材と底壁部材によって構成され、
前記筒状周壁部材には、前記外装樹脂体における取付基準点となる抜止め突起と係合する弾性フック部材が設けられ、
前記底壁部材には、ワイヤハーネスである前記外部接続導体への接続リード端子が引出される貫通穴、又は、配線用基板である前記外部接続導体への接続リード端子が引出される貫通穴が、設けられ、
前記底壁部材にはさらに、前記接触端子の前記圧入固定部が嵌合保持される前記端子保持部と、押圧ばねによって押出される関係に付勢されている押圧部材が挿入される円柱突起部又は中央凹部とが設けられ、
前記接触端子の前記第二部材から、V字形に折曲られた前記押圧折曲部の先端位置には、前記押圧部材の背面から押返される円弧状の押圧接触面が設けられ、
前記コネクタハウジングを、前記外装樹脂体を介して前記回路基板に装着すると、所定の無効移動期間を経てから前記端面被覆樹脂と前記押圧部材の表面が当接し、前記押圧部材の背面によって前記押圧接触面が押返されて、前記導電接触部が前記基板側端子に圧接される
ことを特徴とする請求項1に記載の電子機器ユニット。 - 前記コネクタハウジングは、筒状周壁部材と底壁部材によって構成され、
前記筒状周壁部材には、前記外装樹脂体における取付基準点となる抜止め突起と係合する弾性フック部材が設けられ、
前記底壁部材には、ワイヤハーネスである前記外部接続導体への接続リード端子が引出される貫通穴、又は、配線用基板である前記外部接続導体への接続リード端子が引出される貫通穴、が設けられ、
前記底壁部材にはさらに、前記接触端子の前記圧入固定部が嵌合保持される前記端子保持部が設けられ、
前記端面被覆樹脂には前記回路基板の厚さ方向に延長された幅広部が設けられ、
前記接触端子の前記第二部材から、V字形に折曲られた前記押圧折曲部の先端位置には、前記幅広部から押返される円弧状の押圧接触面が設けられ、
前記コネクタハウジングを、前記外装樹脂体を介して前記回路基板に装着すると、所定の無効移動期間を経てから前記端面被覆樹脂の前記幅広部が前記押圧接触面に当接し、当該押圧接触面が押返されて、前記導電接触部が前記基板側端子に圧接される
ことを特徴とする請求項1に記載の電子機器ユニット。 - 前記弾性変形部は、前記接触端子の全体を解放初期位置に保持し、前記押圧折曲部が前記端面被覆樹脂によって押返されるまでの、コネクタハウジングの無効移動期間において、前記導電接触部と前記基板側端子とが接触するのを回避するとともに、
前記弾性変形部の外周面は、前記圧入固定部と、前記筒状周壁部材の内壁面に当接し、前記押圧折曲部が前記端面被覆樹脂によって押返されたときには、前記弾性変形部は容易に湾曲して、前記第一部材と前記第二部材が前方回動するが、前記弾性変形部が圧縮されて後退変形しないように構成されており、
前記導電接触部と前記基板側端子とが、押圧接触した状態において、前記弾性変形部によって減殺される接触圧力P0と、前記接触端子の弾性によって制限される接触圧力P1と、有効接触圧力P1−P0との関係は、P1−P0>P0となっている
ことを特徴とする請求項5又は請求項6に記載の電子機器ユニット。 - 前記端面被覆樹脂は、前記回路基板の側面端部に設けられた側面被覆樹脂、および、前記複数の基板側端子の間に設けられた複数の端子分離樹脂、の少なくとも一方によって前記外装樹脂体と連通していることを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載の電子機器ユニット。
- 前記基板側端子は、銅箔パターンの表面に対し、金又は金を主成分とする耐酸化性素材を被覆したものであるとともに、
前記接触端子は、導電性とばね性に優れている真鍮で代表される銅合金に対し、折曲加工後において金又は金を主成分とする耐酸化性素材を被覆したものである
ことを特徴とする請求項1から8のいずれか1項に記載の電子機器ユニット。 - 前記接触端子は、側面補強リブ又は中央補強リブが設けられているとともに、
前記導電接触部は、前記第一部材と前記第二部材との連結部に設けられた円弧面となっている
ことを特徴とする請求項1から9のいずれか1項に記載の電子機器ユニット。
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