JP5897048B2 - 新規アルカン酸誘導体および該化合物を含有する香料組成物 - Google Patents

新規アルカン酸誘導体および該化合物を含有する香料組成物 Download PDF

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Description

本発明は、香料化合物などとして有用な新規アルカン酸誘導体および該化合物を有効成分として含有する香料組成物に関する。
近年、消費者の多様化する嗜好、例えば、化粧品業界においては従来にないユニークな香気を有する香粧品へのニーズ、飲食品業界においては消費者の嗜好に合うおいしさや、天然感を有する香気・香味を有する飲食品へのニーズに応じるため様々な技術開発が求められている。
香粧品または飲食品の一つの原料素材である香料についても、従来から提案されている香料化合物だけでは十分には対応しきれず、従来にないユニークな香気・香味特性を有し、香気・香味特性だけでなく、それらの持続性に優れた香料組成物の開発が喫緊の課題となっている。
このような目的のため、δ−アルキルラクトンを開環した5−ヒドロキシアルカン酸誘導体が使用される。例えば、5−ヒドロキシデカン酸エチルはコーヒーフレーバー(特許文献1)、発酵乳様フレーバー(特許文献2)、乳系フレーバー(特許文献3)、甲殻類のフレーバー(特許文献4)、魚介類のフレーバー(特許文献5)、海藻類のフレーバー(特許文献6)への使用が開示されている。
5−ヒドロキシオクタン酸エチルは、コーヒーフレーバー(特許文献1)、甲殻類のフレーバー(特許文献4)、魚介類のフレーバー(特許文献5)、海藻類のフレーバー(特許文献6)への使用が開示されている。また、5−ヒドロキシドデカン酸エチルは、ココア様組成物(特許文献7)への使用が開示されている。しかしながら、これらの化合物は不安定であり、蒸留等の精製工程において、閉環反応により原料であるδ−アルキルラクトンが生成する問題がある。
また、上記香料化合物の5位の水酸基がエステル化された化合物も香料化合物として知られている、5−アセトキシデカン酸メチルは、コーヒーフレーバー(特許文献1)への使用、5−アセトキシデカン酸エチルはコーヒーフレーバー(特許文献1)、甲殻類のフレーバー(特許文献4)、魚介類のフレーバー(特許文献5)、海藻類のフレーバー(特許文献6)への使用が開示されている。
また、5−アシロキシデカン酸アルキル化合物はミルク感、脂肪感等を増強する化合物としての使用が開示されている(特許文献8)。
しかしながら、上記に掲げたδ−ラクトン環が開環した化合物群は香気的に必ずしも満足できるものではなく新たな誘導体の開発が求められている。
δ−アルキルラクトンから誘導される5−ヒドロシキアルカン酸アルキルの5位の水酸基をアセタール化した化合物の官能特性に関する詳細な研究、香料化合物としての利用に関する記述は知られていない。
特開2006−20526号公報 特開2006−124490号公報 特開2005−15685号公報 特開2005−160402号公報 特開2005−143466号公報 特開2005−143465号公報 特開2006−121958号公報 特許第5048163号公報
本発明の目的は、香粧品または飲食品などに香気・香味を付与することができる新規アルカン酸誘導体、および該化合物を有効成分として含有する香料組成物を提供することである。
本発明者らは、上記の課題を解決するために鋭意研究を行ってきた結果、δ−アルキルラクトンから誘導される5−ヒドロキシアルカン酸エステルの水酸基とアセトアルデヒドとの混合アセタールを形成した化合物である、5−[(1−アルコキシ)エトキシ]アルカン酸アルキル(1)が上品なココナッツ様、ピーチに代表される新鮮な果実様といったユニークな香気特性を有すると共に、この化合物自身あるいはこの化合物を含有する香料組成物を香粧品または飲食品に添加することにより、香気・香味を改良または増強することができることを見いだし、本発明を完成するに至った。
かくして、本発明は
Figure 0005897048
[式(1)中でRはメチルまたはエチル基、Rは炭素数3〜7のアルキル基、Rはエチル、プロピルまたはブチル基を示す。]
式(1)で表される5−[(1−アルコキシ)エトキシ]アルカン酸アルキルを提供するものである。
また、本発明は、式(1)で表される5−[(1−アルコキシ)エトキシ]アルカン酸アルキルを有効成分として含有した香料組成物を提供するものである。
また、本発明は、式(1)で表される5−[(1−アルコキシ)エトキシ]アルカン酸アルキルを含有させた香粧品または飲食品を提供するものである。
さらに、本発明は、前記に記載の香料組成物を含有させた香粧品または飲食品を提供するものである。
本発明の5−[(1−アルコキシ)エトキシ]アルカン酸アルキルは、特徴的な香気を有し、他の香料化合物と混合した場合、その香料組成物にユニークな香気特徴を付加し、その香気・香味を改良または増強することができ、また、5−[(1−アルコキシ)エトキシ]アルカン酸アルキルを含有する香料組成物を香粧品、日用品または飲食品などに添加することにより、その対象となる製品にユニークな香気特徴を付加し、また香気・香味を改良または増強する特徴を有し、消費者の嗜好に合うバラエティーに富んだ香粧品、日用品または飲食品を提供することが可能となる。
以下、本発明について更に詳細に説明する。
本発明の化合物である、式(1)で表される5−[(1−アルコキシ)エトキシ]アルカン酸アルキルは、例えば、5−[(1−エトキシ)エトキシ]オクタン酸エチル、5−[(1−エトキシ)エトキシ]ノナン酸エチル、5−[(1−エトキシ)エトキシ]デカン酸エチル、5−[(1−エトキシ)エトキシ]ウンデカン酸エチル、5−[(1−エトキシ)エトキシ]ドデカン酸エチル、5−[(1−プロポキシ)エトキシ]ノナン酸エチル、5−[(1−ブトキシ)エトキシ]デカン酸エチル、5−[(1−プロポキシ)エトキシ]ウンデカン酸メチルなどが挙げられる。好ましくは、5−[(1−エトキシ)エトキシ]ノナン酸エチル、5−[(1−エトキシ)エトキシ]デカン酸エチル、5−[(1−エトキシ)エトキシ]ウンデカン酸エチル、5−[(1−エトキシ)エトキシ]ドデカン酸エチルの香料化合物としての使用が望ましいが、この限りではない。
本発明での化合物である、式(1)で表される5−[(1−アルコキシ)エトキシ]アルカン酸アルキルは、例えば、以下に示す反応経路に従って製造することができる。
Figure 0005897048
[式(1)〜式(3)中でRはメチルまたはエチル基、Rは炭素数3〜7のアルキル基、Rはエチル、プロピルまたはブチル基を示す。]
上記反応の第一工程は、δ−アルキルラクトンに対してエステル交換反応を適用し、分子内エステル結合を開環反応し、ヒドロキシエステルを得る。例えば、金属アルコキシド存在下でメタノールまたはエタノールと反応させる方法を例示することができる。
また、上記反応の第二工程は、第一工程で得られたヒドロキシエステルの水酸基に対してアセタール化反応を適用することができる。例えば、酸触媒の存在下にアセトアルデヒドジアルキルアセタールとの交換反応する方法、より簡便に酸触媒の存在下にアルキルビニルエーテルと反応する方法を挙げることができる。
以下、各工程について詳細を述べるが、本発明を限定するものではない。
第一工程の出発物質として用いられる式(2)のδ−アルキルラクトンは、一般的な方法にしたがって合成されたもの、または市販品のいずれでも良い。市販品としては、δ−オクタラクトン(東京化成工業社製)、δ−ノナラクトン(シグマ−アルドリッチ社製)、δ−デカラクトン(東京化成工業社製)、δ−ウンデカラクトン(シグマ−アルドリッチ社製)、δ−ドデカラクトン(シグマ−アルドリッチ社製)などを挙げることができる。
アルコール溶媒中でナトリウムアルコキシドと反応させ、式(3)で表される5−ヒドロキシアルカン酸アルキルを製造することができる。
使用するアルコールはメタノールまたはエタノールを用い、その使用量はδ−アルキルラクトン1モルあたり、通常1.0〜200.0モル、好ましくは30.0〜80.0モルの範囲内で使用することができる。
ナトリウムアルコキシドはδ−アルキルラクトン1モルあたり、通常0.05〜0.5モル、好ましくは0.1〜0.3モルの範囲内で使用することができる。また、本反応は通常10℃〜50℃、好ましくは15℃〜40℃の範囲内の温度で、通常30分〜24時間、好ましくは30分〜12時間程度行う。
得られた化合物(3)を含む粗製物は塩基性物質の中和、反応溶媒からの抽出等、一般的な後処理方法を適用し、得られた式(3)で表される5−ヒドロキシアルカン酸アルキルを直接、次の工程に使用する。
次の第二工程では、式(3)で表される5−ヒドロキシアルカン酸アルキルを、非プロトン性溶媒中で酸触媒を使用してアルキルビニルエーテルと反応させ、式(1)で表される5−[(1−アルコキシ)エトキシ]アルカン酸アルキルを製造することができる。
第二工程で使用するアルキルビニルエーテルは一般的な方法により合成されたもの、または市販品のいずれでも良い。市販品としてはエチルビニルエーテル(東京化成工業社製)、プロピルビニルエーテル(シグマ−アルドリッチ社製)、ブチルビニルエーテル(東京化成工業社製)などを挙げることができる。
アルキルビニルエーテルは5−ヒドロキシアルカン酸アルキル1モルあたり、通常1.0〜5.0モル、好ましくは1.5〜3.5モルの範囲内で使用することができる。反応方法はアルキルビニルエーテルを滴下する方法が好ましく、アルキルビニルエーテルの5−ヒドロキシアルカン酸エチルへの滴下は、0℃〜20℃、好ましくは5℃〜15℃の範囲内の温度で、通常5分〜45分間、好ましくは10分〜30分程度で滴下を行う。反応時間は特に制限はないがエチルビニルエーテル滴下終了後、1時間以上の反応が必要である。反応の終点はGLC分析で判断を行うのが好ましい。
使用する溶媒は非プロトン性溶媒であれば特に限定されず、ヘキサン、トルエン等の炭化水素系溶媒、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル系溶媒を用いることができる。反応は酸触媒を添加することにより進行し、使用する酸触媒としてはベンゼンスルホン酸、パラトルエンスルホン酸およびこれらのピリジン塩、濃硫酸、リン酸等の鉱酸を挙げることができる。好ましくはパラトルエンスルホン酸ピリジン塩を挙げることができる。
得られた式(1)化合物を含有する粗製物はアルカリ性水溶液で洗浄、反応溶媒を回収し5−[(1−アルコキシ)エトキシ]アルカン酸アルキルを単離することができる。得られた式(1)化合物は必要に応じてカラムクロマトグラフィー、減圧蒸留等の手段を用いて精製することができる。
本発明の化合物である、式(1)で表される5−[(1−アルコキシ)エトキシ]アルカン酸アルキルは、上品なココナッツ様、ピーチに代表される新鮮な果実様の香気を有する特徴を利用して、そのまま香粧品または飲食品に配合して特徴的な香気・香味を付与または増強することができるが、他の成分と混合して柑橘系、果実系、ミント系、スパイス系、ナッツ系、ミート系、ミルク系、水産物系、野菜系、茶・コーヒ系、バニラ系等の食品用香料組成物、シトラスノート、フルーティーノート、ウッディノート等を有する香粧品用香料組成物を調製し、該香料組成物を用いて香粧品または飲食品に香気・香味を付与または増強することもできる。
さらに、本発明の式(1)で表される5−[(1−アルコキシ)エトキシ]アルカン酸アルキルを2種以上任意の割合で混合して用いることもでき、また、その他の香料成分と混合して用いることができる。5−[(1−アルコキシ)エトキシ]アルカン酸アルキルと共に含有しうる他の香料成分としては「特許庁、周知慣用技術集(香料)第II部食品香料、頁8−87、平成12年1月14日発行」および「特許庁、周知慣用技術集(香料)第III部香粧品香料、頁49−103頁、平成13年6月15日発行」に記載されている合成香料、天然精油、天然香料、動植物エキス等を挙げることができる。
例えば、ミルセン、カンフェン、リモネン、ターピノレン、セドレン、カリオフィレン、ロンギフォレン、1,3,5−ウンデカトリエンなどの炭化水素類;エタノール、プロパノール、ブタノール、ペンタノール、イソプレノール、ヘキサノール、(Z)−3−ヘキセン−1−オール、ヘプタノール、オクタノール、1−オクテン−3−オール、ノナノール、2,6−ノナジエノール、デカノール、リナロール、ゲラニオール、シトロネロール、ジヒドロミルセノール、メントール、ターピネオール、ファルネソール、ネロリドール、サンタロール、セドロール、ベンジルアルコール、フェニルエチルアルコール、フルフリルアルコール、などのアルコール類;アセトアルデヒド、プロパナール、ブタナール、2−ブテナール、ヘキサナール、(E)−2−ヘキセナール、オクタナール、4−ヘプテナール、2,4−オクタジエナール、ノナナール、2−ノネナール、2,4−ノナジエナール、2,6−ノナジエナール、デカナール、2,4−デカジエナール、ウンデカナール、10−ウンデセナール、2,4−ウンデカジエナール、ドデカナール、シトロネラール、シトラール、ヒドロキシシトロネラール、ベンズアルデヒド、シンナミルアルデヒド、α−アミルシンナミルアルデヒド、バニリン、エチルバニリン、フルフラール、ヘリオトロピンなどのアルデヒド類;2−ヘプタノン、2−オクタノン、3−オクタノン、1−オクテン−3−オン、2−ノナノン、3−ノナノン、8−ノネン−2−オン、2−ウンデカノン、2−トリデカノン、アセトイン、5−ヒドロキシ−4−オクタノン、ジアセチル、2,3−ペンタジオン、2,3−ヘキサジオン、2,3−ヘプタジオン、カルボン、メントン、ヌートカトン、ジヒドロジャスモン、α−イオノン、β−イオノン、メチルイオノン、α−ダマスコン、β−ダマセノン、アセチルセドレン、ラズベリーケトン、p−メトキシアセトフェノン、ベンゾフェノン、マルトール、エチルマルトール、2,5−ジメチル−4−ヒドロキシ−3(2H)−フラノンなどのケトン類;蟻酸エチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソアミル、酢酸デシル、酢酸ドデシル、酢酸リナリル、酢酸ゲラニル、酢酸メンチル、ジヒドロジャスモン酸メチル、酢酸フェネチル、乳酸エチル、酪酸エチル、2−メチル酪酸エチル、3−エチル酪酸エチル、吉草酸メチル、カプロン酸メチル、カプロン酸エチル、ヘプタン酸メチル、ヘプタン酸エチル、カプリル酸エチル、カプリル酸イソアミル、カプリル酸ヘプチル、ノナン酸メチル、ノナン酸エチル、カプリン酸メチル、カプリン酸エチル、ウンデカン酸エチル、ラウリン酸メチル、ラウリン酸エチル、ミリスチン酸エチル、パルミチン酸エチル、サリチル酸メチル、コハク酸ジエチル、セバシン酸ジエチル、5−ヒドロキシヘキサン酸エチル、5−ヒドロキシデカン酸エチル、5−ヒドロキシウンデカン酸エチル、5−ヒドロキシデカン酸プロピル、5−ヒドロキシデカン酸イソプロピル、5−ヒドロキシオクタン酸2−メチルプロピル、5−ヒドロキシ−9−メチルデカン酸エチル、5−アセトキシデカン酸メチル、5−アセトキシデカン酸エチルなどのエステル類;γ−カプロラクトン、γ−ヘプタラクトン、γ−オクタラクトン、γ−ノナラクトン、γ−デカラクトン、7−デセン−4−オリド、3−メチル−4−デセン−4−オリド、3−メチル−5−デセン−4−オリド、γ−ウンデカラクトン、γ−ドデカラクトン、γ−トリデカラクトン、γ−テトラデカラクトン、δ−カプロラクトン、2−ヘキセン−5−オリド、2−ヘプテン−5−オリド、δ−オクタラクトン、2−オクテン−5−オリド、4−メチル−5−オクタノリド、δ−ノナラクトン、2−ノネン−5−オリド、4−メチル−5−ノナノリド、δ−デカラクトン、2−デセン−5−オリド、4−メチル−5−デカノリド、δ−ウンデカラクトン、2−ウンデセン−5−オリド、4−メチル−5−ウンデカノリド、δ−ドデカラクトン、2−ドデセン−5−オリド、4−メチル−5−ドデカノリド、δ−トリデカラクトン、2−トリデセン−5−オリド、4−メチル−5−トリデカノリド、δ−テトラデカラクトン、2−テトラデセン−5−オリド、2−ペンタデセン−5−オリド、2−ヘキサデセン−5−オリド、2−ヘプタデセン−5−オリド、2−オクタデセン−5−オリド、2−ノナデセン−5−オリド、2−エイコセン−5−オリド、ε−デカラクトン、シクロペンタデカノリドに代表される大環状ラクトン類などのラクトン類;ローズオキシド、セドリルメチルエーテル、リナロールオキシド、メントフラン、テアスピランなどのエーテル類;プロピオン酸、酪酸、2−メチル酪酸、吉草酸、イソ吉草酸、カプロン酸、トランス−2−ヘキセン酸、ヘプタン酸、カプリル酸、ノナン酸、5−ヒドロキシノナン酸、カプリン酸、2−デセン酸、4−デセン酸、5−デセン酸、6−デセン酸、9−デセン酸、5−ヒドロキシデカン酸、5−ヒドロキシウンデカン酸、ラウリン酸、5−ヒドロキシドデカン酸、ミリスチン酸、ペンタデカン酸、イソペンタデカン酸、パルミチン酸、ヘプタデカン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸などの脂肪酸類;メチルアントラニレート、トリメチルアミン、インドール、スカトール、ピリジン、イソキノリン、ピラジン、メチルピラジン、ゲラニルニトリルなどの含窒素化合物類;メタンチオール、イソブチルメルカプタン、2,4−ジチアペンタン、ジメチルスルフィド、ジメチルジスルフィド、ジメチルトリスルフィド、ジメチルスルフォキシド、ジメチルスルフォン、メチルスルフォニルメタン、メチルイソチオシアネート、エチルイソチオシアネート、アリルイソチオシアネート、2−メチル−3−ブタンチオール、メチオナール、チオ酢酸エチル、チオ酪酸メチル、3−ブテニルイソチオシアネート、2−メチルチオフェン、ベンゾチアゾール、スルフロール、アセチル乳酸チオメチルエステル、プロピオニル乳酸チオメチルエステル、ブチリル乳酸チオメチルエステル、バレリル乳酸チオメチルエステル、2−メチルブチリル乳酸チオメチルエステル、デシリル乳酸チオメチルエステル、アセチル乳酸チオエチルエステル、プロピオニル乳酸チオエチルエステル、ブチリル乳酸チオエチルエステル、バレリル乳酸チオエチルエステル、イソカプロイル乳酸チオプロピルエステルなどの含硫化合物類など公知の香料化合物;オレンジ、レモン、ベルガモット、マンダリン、ペパーミント、スペアミント、ラベンダー、カモミール、ローズマリー、ユーカリ、セージ、バジル、ローズ、ゼラニウム、ジャスミン、イラン・イラン、アニス、クローブ、ジンジャー、ナツメグ、カルダモン、スギ、ヒノキ、ベチバー、パチョリ、ラブダナムなどの天然抽出物・天然精油;乳脂のリパーゼ分解物;乳タンパク質のプロテアーゼ分解物;乳、濃縮乳、粉乳、ミルクホエー、バター、チーズ、ヨーグルトもしくはこれらの混合物からの乳または乳加工品の分画物などを挙げることができる。
本発明の5−[(1−アルコキシ)エトキシ]アルカン酸アルキルを含有する香料組成物には、必要に応じて、香料組成物において通常使用されている、例えば、水、エタノールなどの溶剤;エチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、グリセリン、ヘキシレングリコール、ベンジルベンゾエート、トリエチルシトレート、ジエチルフタレート、ハーコリン、脂肪酸トリグリセライド、脂肪酸ジグリセリド等の香料保留剤を含有することができる。
本発明の5−[(1−アルコキシ)エトキシ]アルカン酸アルキルは、それ自身特徴的な香気を有するが、経時変化により、強い脂肪感、ミルク様、ココナッツ様、ピーチ様、クリーム感等の香気・香味を有するδ−アルキルラクトンを生成するため、δ−アルキルラクトンのプレカーサーとしての用途も有する。
本発明の5−[(1−アルコキシ)エトキシ]アルカン酸アルキルは、上記記載のようにそれ自身単独で、または、5−[(1−アルコキシ)エトキシ]アルカン酸アルキルを含有させた香料組成物を調製して、香粧品または飲食品に上記の香気特性を付与すると共に、飲食品に対しては風味またはコク味を改良または増強することもできる。
本発明の5−[(1−アルコキシ)エトキシ]アルカン酸アルキルを含有させた香料組成物によって香気・香味を改良または増強することができる飲食品の具体例として、例えば、コーラ飲料、果汁入り炭酸飲料、乳類入り炭酸飲料などの炭酸飲料類;果汁飲料、野菜飲料、スポーツドリンク、ハチミツ飲料、豆乳、ビタミン補給飲料、ミネラル補給飲料、栄養ドリンク、滋養ドリンク、乳酸菌飲料、乳飲料などのソフト飲料類;緑茶、紅茶、ウーロン茶、ハーブティー、ミルクティー、コーヒー飲料などの嗜好飲料類;チューハイ、カクテルドリンク、発泡酒、果実酒、薬味酒などのアルコール飲料類;バター、チーズ、ミルク、ヨーグルトなどの乳製品;アイスクリーム、ラクトアイス、氷菓、ヨーグルト、プリン、ゼリー、デイリーデザートなどのデザート類及びそれらを製造するためのミックス類;キャラメル、キャンディー、錠菓、クラッカー、ビスケット、クッキー、パイ、チョコレート、スナックなどの菓子類及びそれらを製造するためのケーキミックスなどのミックス類;パン、スープ、各種インスタント食品などの一般食品類;を挙げることができるが何ら限定されるものではない。
本発明の5−[(1−アルコキシ)エトキシ]アルカン酸アルキルを含有させた香料組成物によって香気を改良または増強することができる香粧品の具体例としては、例えば、フレグランス製品、基礎化粧品、仕上げ化粧品、頭髪化粧品、日焼け化粧品、薬用化粧品、ヘアケア製品、石鹸、身体洗剤、浴用剤、洗剤、柔軟仕上げ剤、漂白剤、エアゾール剤、消臭・芳香剤、忌避剤、口腔用組成物、皮膚外用剤、医薬品などを挙げることができるが何ら限定されるものではない。
本発明の5−[(1−アルコキシ)エトキシ]アルカン酸アルキルの配合量は、例えば、香料組成物中に0.01%(1.0×10ppm)〜10%(1.0×10ppm)、好ましくは0.1%(1.0×10ppm)〜5.0%(5.0×10ppm)の範囲を例示することができる。
使用対象となる製品への香料組成物の配合量はその目的あるいは対象の種類によっても異なるが、5−[(1−アルコキシ)エトキシ]アルカン酸アルキルが全体量に対して0.1ppb〜1×10ppm、好ましくは、10ppb〜1000ppmの範囲を例示することができる。これらの範囲内では、香粧品または飲食品に対し上品なココナッツ様、ピーチに代表される新鮮な果実様を有する特徴を有した香気・香味を付与または増強する優れた効果を有する。
以下、本発明を実施例によりさらに具体的に説明する。なお、本発明はこれらに限定されるものではない。
実施例において反応粗製物、精製物の測定は次の分析機器を用いて行なった。
GC測定:GC−2014(島津製作所社製)およびクロマトパックC−R8A(島津製作所社製)
GCカラム:ジーエルサイエンス社製TC−1(長さ30m、内径0.53mm、液層膜厚1.50マイクロメータ)
GC/MS測定:5973N(Agilent社製)
GCカラム:ジーエルサイエンス社製TC−1701(長さ30m、内径0.25mm、液層膜厚0.25マイクロメータ)
NMR測定:ECX−400A(JEOL RESONANCE社製)。
実施例1:5−ヒドロキシノナン酸エチルの合成
500mL四口フラスコに、δ−ノナラクトン(シグマ−アルドリッチ社製、15.6g、0.10mol)および99%エタノール(270.0g)を仕込み、氷水冷下攪拌しながら、25℃〜30℃/30分の条件下でナトリウムエトキシド(シグマ−アルドリッチ社製、21%エタノール溶液、5.5g、0.017mol)を滴下する。室温下終夜攪拌後、中和のため氷酢酸(1.0g、0.017mol)を添加し減圧濃縮する。得られた残渣に15%食塩水(100g)を加え、エーテル(100g)にて抽出し、得られた有機層を5%炭酸水素ナトリウム水溶液(100g)、15%食塩水(100g)で順次洗浄する。無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧濃縮することにより、無色油状の粗製物として、5−ヒドロキシノナン酸エチル(19.8g)が得られた。粗製収率98%。
実施例2:5−[(1−エトキシ)エトキシ]ノナン酸エチル(本発明品1)
300mL四口フラスコに実施例1の粗製物(19.8g)、トルエン(85g)およびパラトルエンスルホン酸ピリジン塩(0.5g、2ミリモル)を仕込む。氷水冷下に攪拌しながら、エチルビニルエーテル(14.4g、0.2モル)を5℃〜15℃/15分で滴下する。氷水冷下に4時間攪拌後、室温下に16時間放置する。反応液を5%ソーダ灰水溶液(170g)にて中和後、5%食塩水(170g)を用い洗浄、有機層に無水硫酸マグネシウム粉末を加え乾燥し、ろ過後減圧下に溶媒を回収し粗製物(34.0g)を得る。枝下10cm蒸留装置で蒸留精製し5−[(1−エトキシ)エトキシ]ノナン酸エチル(20.6g、b.p.130℃/0.11kPa)を収率75%で得た。得られた5−[(1−エトキシ)エトキシ]ノナン酸エチルをGLC分析した結果、化学純度は98.5%であった。
GLC分析条件:カラム:TC−1(30m×0.53mm)、昇温条件:100℃〜300℃、20.0℃/min昇温、キャリアガス:窒素、線速度:60cm/sec、保持時間:5.8min)。
5−[(1−エトキシ)エトキシ]ノナン酸エチルの物性データ
H−NMR(400MHz、CDCl):δppm
δ4.66−4.57(m,1H),3.99−3.94(m,2H),3.53−3.43(m,2H),3.42−3.33(m,1H),2.23−2.19(t,1H),2.16−2.13(t,1H),1.90−1.72(m,1H),1.71−1.62(m,1H),1.61−1.33(m,5H),1.32−1.18(m,6H),1.17−1.06(m,3H),0.99−0.93(t,3H),0.92−0.84(m,3H)。
13C−NMR(100MHz、CDCl):δppm
172.92, 172.82, 98.80, 98.76, 75.71, 75.66,
59.97, 59.91, 59.78, 59.67, 34.78, 34.48,
34.46, 34.46, 34.15, 33.69, 27.95, 27.60,
23.29, 23.25, 21.35, 20.86, 20.77, 20.77,
15.65, 15.64, 14.29, 14.29, 14.29, 14.28。
実施例3:5−ヒドロキシデカン酸エチルの合成
500mL四口フラスコに、δ−デカラクトン(東京化成工業社製、17.0g、0.10mol)および99%エタノール(270.0g)を仕込み、氷水冷下攪拌しながら、25℃〜30℃/30分の条件下でナトリウムエトキシド(シグマ−アルドリッチ社製、21%エタノール溶液、5.5g、0.017mol)を滴下する。室温下終夜攪拌後、中和のため氷酢酸(1.1g、0.018mol)を添加し減圧濃縮する。得られた残渣に5%食塩水(100g)を加え、エーテル(100g)にて抽出し、得られた有機層を5%炭酸水素ナトリウム水溶液(100g)、15%食塩水(100g)で順次洗浄する。無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧濃縮することにより、無色油状の粗製物として、5−ヒドロキシデカン酸エチル(21.2g)が得られた。粗製収率98%。
実施例4:5−[(1−エトキシ)エトキシ]デカン酸エチル(本発明品2)
300mL四口フラスコに実施例3の粗製物(21.2g)、トルエン(85g)およびパラトルエンスルホン酸ピリジン塩(0.5g、2ミリモル)を仕込む。氷水冷下に攪拌しながら、エチルビニルエーテル(14.4g、0.2モル)を5℃〜15℃/15分で滴下する。氷水冷下に4時間攪拌後、室温下に16時間放置する。反応液を5%ソーダ灰水溶液(170g)にて中和後、5%食塩水(170g)を用い洗浄、有機層に無水硫酸マグネシウム粉末を加え乾燥し、ろ過後減圧下に溶媒を回収し粗製物(32.5g)を得る。枝下10cm蒸留装置で蒸留精製し5−[(1−エトキシ)エトキシ]デカン酸エチル(22.8g、b.p.128℃/0.12kPa)を収率79%で得た。得られた5−[(1−エトキシ)エトキシ]デカン酸エチルをGLC分析した結果、化学純度は97.8%であった。
GLC分析条件:カラム:TC−1(30m×0.53mm)、昇温条件:100℃〜300℃、20.0℃/min昇温、キャリアガス:窒素、線速度:60cm/sec、保持時間:5.9min)。
5−[(1−エトキシ)エトキシ]デカン酸エチルの物性データ
H−NMR(400MHz、CDCl):δppm
δ4.68−4.62(q,1H),4.00−3.93(m,2H),3.55−3.45(m,2H), 3.42−3.32(m,1H),2.24−2.18(t,1H),2.18−2.12(t,1H), 1.88−1.72(m,1H),1.71−1.62(m,1H),1.61−1.36(m,5H), 1.34−1.21(m,8H),1.11−1.10(m,3H),0.99−0.93(t,J=1.8Hz,3H),0.92−0.86(m,3H)。
13C−NMR(100MHz、CDCl):δppm
172.92,172.82,98.81,98.77,75.74,75.70,59.98,59.92,59.78,59.68,35.05,34.49,34.47,34.46,34.41,33.70,32.45,32.43,25.48,25.10,23.05,23.01,21.36,20.86,20.78,20.77,15.65,15.65,14.29,14.29,14.28,14.25。
実施例5:5−ヒドロキシウンデカン酸エチルの合成
500mL四口フラスコに、δ−ウンデカラクトン(シグマ−アルドリッチ社製、18.4g、0.10mol)および99%エタノール(270.0g)を仕込み、氷水冷下攪拌しながら、25℃〜30℃/30分の条件下でナトリウムエトキシド(シグマ−アルドリッチ社製、21%エタノール溶液、5.5g、0.017mol)を滴下する。室温下終夜攪拌後、中和のため氷酢酸(1.0g、0.017mol)を添加し減圧濃縮する。得られた残渣に15%食塩水(100g)を加え、エーテル(100g)にて抽出し、得られた有機層を5%炭酸水素ナトリウム水溶液(100g)、15%食塩水(100g)で順次洗浄する。無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧濃縮することにより、無色油状の粗製物として、5−ヒドロキシウンデカン酸エチル(19.6g)が得られた。粗製収率85%。
実施例6:5−[(1−エトキシ)エトキシ]ウンデカン酸エチル(本発明品3)
300mL四口フラスコに実施例5の粗製(21.2g)、トルエン(85g)およびパラトルエンスルホン酸ピリジン塩(0.5g、2ミリモル)を仕込む。氷水冷下に攪拌しながら、エチルビニルエーテル(14.4g、0.2モル)を5℃〜15℃/15分で滴下する。氷水冷下に4時間攪拌後、室温下に16時間放置する。反応液を5%ソーダ灰水溶液(170g)にて中和後、5%食塩水(170g)を用い洗浄、有機層に無水硫酸マグネシウム粉末を加え乾燥し、ろ過後減圧下に溶媒を回収し粗製物(35.4g)を得る。枝下10cm蒸留装置で蒸留精製し5−[(1−エトキシ)エトキシ]ウンデカン酸エチル(23.2g、b.p.132℃/0.12kPa)を収率77%で得た。得られた5−[(1−エトキシ)エトキシ]ウンデカン酸エチルをGLC分析した結果、化学純度は96.9%であった。
GLC分析条件:カラム:TC−1(30m×0.53mm)、昇温条件:100℃〜300℃、20.0℃/min昇温、キャリアガス:窒素、線速度:60cm/sec、保持時間:6.6min)。
5−[(1−エトキシ)エトキシ]ウンデカン酸エチルの物性データ
H−NMR(400MHz、CDCl):δppm
δ4.68−4.64(m,J=5.2Hz,1H),3.99−3.94(m,2H),3.55−3.44(m,2H), 3.42−3.34(m,1H),2.24−2.20(t,1H),2.17−2.14(t,1H), 1.94−1.73(m,1H),1.72−1.63(m,1H),1.62−1.35(m,5H), 1.34−1.18(m,10H),1.17−1.08(m,3H),1.00−0.93(m,3H), 0.92−0.83(m, 3H)。
13C−NMR(100MHz、CDCl):δppm
172.93,172.83,98.81,98.77,75.75,75.71,59.98,
59.92,59.79,59.69,35.11,34.49,34.49,34.49,
34.47,33.71,32.27,32.22,29.97,29.95,25.79,
25.42,23.05,23.02,21.36,20.87,20.78,20.78,
15.66,15.66,14.29,14.29,14.29,14.29。
実施例7:香気評価
5−[(1−エトキシ)エトキシ]ノナン酸エチル(本発明品1)、5−[(1−エトキシ)エトキシ]デカン酸エチル(本発明品2)、5−[(1−エトキシ)エトキシ]ウンデカン酸エチル(本発明品3)それぞれの0.1%エタノール溶液について、よく訓練された5名のパネラーにより香気評価を行った。香気評価は30mlサンプル瓶に前記0.1%エタノール溶液を用意し、瓶口の香気およびその溶液を含浸させたにおい紙により行った。5名の平均的な香気評価を表1に示す。
Figure 0005897048
実施例8:ピーチ様調合香料組成物への添加効果
ピーチ様の調合香料組成物として表2の各成分(質量パーミル)を調合した。表2のピーチ様調合香料組成物(比較品1)に本発明品1、本発明品2および本発明品3を3.0g添加して、新規なピーチ様の調合香料組成物として本発明品4〜6を調製した。これら、本発明品1、2、3を添加した本発明品4〜本発明品6と無添加の比較品1を、よく訓練されたパネラー10名により官能評価を行った。
その結果、パネラー名全員が、本発明品4、本発明品5および本発明品6は、比較品1に比べて、上品な天然感が強調され、熟成したピーチ様香気であると評価した。
Figure 0005897048
実施例9:ミルク様調合香料組成物への添加効果
ミルク様の調合香料組成物として表3の各成分(質量パーミル)を調合した。表3のミルク様調合香料組成物(比較品2)に本発明品1、本発明品2および本発明品3を2.0g添加して、新規なミルク様の調合香料組成物として本発明品7〜9を調製した。これら、本発明品1、2、3を添加した本発明品7〜本発明品9と無添加の比較品2を、よく訓練されたパネラー10名により官能評価を行った。
その結果、パネラー名全員が、本発明品7、本発明品8および本発明品9は、比較品2に比べて、良好なミルク感が強調され、クリーミーであると評価した。
Figure 0005897048
実施例10:グリーンフルーティーノート調合香料組成物への添加効果
グリーンフルーティーノートの調合香料組成物として表4の各成分(質量パーミル)を調合した。表4のグリーンフルーティーノート調合香料組成物(比較品3)に本発明品1、本発明品2または本発明品3を5.0g添加して、新規なフルーティーノート調合香料組成物として本発明品10〜12を調製した。これら、本発明品1、2、3を添加した本発明品10〜本発明品12と無添加の比較品3を、よく訓練されたパネラー10名により官能評価を行った。
その結果、パネラー名全員が、本発明品10、本発明品11および本発明品12は、比較品3に比べて、良好な上品なフルーティーノートが強調され、瑞々しい香気が付与されたと評価した。
Figure 0005897048
実施例11:ミルク様調合香料組成物のミルクティーへの添加効果
実施例9で得られたミルク様調合香料組成物(比較品2、本発明品7、本発明品8および本発明品9)を表5の処方に従い調製されたミルクティーに添加し、常法によりミルクティー飲料を調製した。比較品2、本発明品7、本発明品8および本発明品9を添加したミルクティーをそれぞれ比較品4、本発明品13、本発明品14および本発明品15とした。これらのミルクティーを、よく訓練されたパネラー20名により官能評価を行った。
その結果、パネラー20名全員が、本発明品13、本発明品14および本発明品15は比較品4と比べて、良好な乳脂肪感、ボディー感があり、良好であると評価した。
Figure 0005897048

Claims (4)

  1. 下記式(1)
    Figure 0005897048
    [式(1)中でR1はメチルまたはエチル基、R2は炭素数3〜7のアルキル基、R3はエチル、プロピルまたはブチル基を示す。]
    で表される5−[(1−アルコキシ)エトキシ]アルカン酸アルキル。
  2. 下記式(1)
    Figure 0005897048
    [式(1)中でR1はメチルまたはエチル基、R2は炭素数3〜7のアルキル基、R3はエチル、プロピルまたはブチル基を示す。]
    で表される5−[(1−アルコキシ)エトキシ]アルカン酸アルキルを有効成分として含有することを特徴とする香料組成物。
  3. 請求項1に記載の化合物を含有させることを特徴とする香粧品または飲食品。
  4. 請求項2に記載の香料組成物を含有させることを特徴とする香粧品または飲食品。
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