JP5896721B2 - 多機能ペン - Google Patents
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Description
また、シャープペンシルリフィルの芯繰出機構は上述のように軸筒内の周縁寄りに位置している。そのため、通常のシャープペンシルのように後端から芯を補給することは困難なである。よって、軸筒を分解して、シャープペンシルリフィルを一旦ノック操作機構から取り外してから、そのリフィルの後端より芯を補給する必要があった。この手順を芯補給のたびに繰り返すのは煩雑であった。それを解消して多機能ペンにおいても後端より芯補給が可能とする技術が特許文献4及び特許文献5に開示されている。ただし、これらの特許文献4及び特許文献5のいずれにおいても、確かに芯は後端から補給可能ではあるものの、芯を補給する孔は軸心から外れた周縁寄りに設けられていた。これは、通常のシャープペンシルで後端の中心孔に芯を補給する手順に慣れているユーザーにとってはとまどいを引き起こすものであり、スムーズな補給動作が阻害されるものでもあった。
また、本願においては、上記の第1の発明の課題に加え、後端からの芯補給も容易とすることを第2の課題とする。
上記の第1の課題に鑑み、本願における第1の発明は、シャープペンシルとして機能するシャープペンシルリフィル30と、ボールペンとして機能する複数本のボールペンリフィル50とが軸筒10に収納される多機能ペンPであって、
前記軸筒10内部には、前記シャープペンシルリフィル30及び前記複数本のボールペンリフィル50の前後方向への移動を誘導するために各々に対応する誘導孔21が設けられたガイドスペーサ20が設けられ、
前記シャープペンシルリフィル30の後端は、前記軸筒10内の後方に設けられたシャープペンシルノック機構40に連結され、該シャープペンシルノック機構40の前後方向の移動によって該シャープペンシルリフィル30の筆記先端31が該軸筒10先端の開口部11から出没するとともに、
前記各ボールペンリフィル50の後端は、前記軸筒10内の後方に設けられたボールペンノック棒60に連結され、該ボールペンノック棒60の前後方向の移動によって該ボールペンリフィル50の筆記先端51が前記開口部11から出没するように形成され、
前記軸筒10内部には、前記シャープペンシルリフィル30の筆記先端31が前記開口部11から突出している状態を維持するために前記シャープペンシルノック機構40を係止するための軸筒側係止部15が設けられ、
前記シャープペンシルノック機構40には、前記軸筒側係止部15と係合するためのノック機構側係止部45が設けられ、
前記シャープペンシルノック機構40と前記ガイドスペーサ20との間には、前記シャープペンシルリフィル30を後方へ付勢するスプリング41が介在し、
前記各ボールペンノック棒60と前記ガイドスペーサ20との間には、前記ボールペンリフィル50を後方へ付勢するスプリング61がそれぞれ介在し、
前記シャープペンシルリフィル30及びシャープペンシルノック機構40の前記軸筒10内の平面位置は、前記軸筒10内で前記複数本のボールペンリフィル50及びボールペンノック棒60の平面位置よりも軸心寄りであり、
前記シャープペンシルノック機構40の後端はノック部42として前記軸筒10後端の開口部12から突出しているとともに、
前記シャープペンシルノック機構40の側面には前記複数のボールペンノック棒60の方向へ突出するシャープペンシル解除カム43が設けられており、
前記シャープペンシル解除カム43は、前後方向に延びる突条として形成され、その先端及び後端が各々斜めに削がれていることでそれぞれ先端解除斜面43a及び後端解除斜面43bとして形成されるととともに、これら先端解除斜面43a及び後端解除斜面43bの間は真っ直ぐな稜線43cとして形成され、
前記ボールペンノック棒60の各々には、外方へ突出するスライド突起62と、他のボールペンノック棒60の方向へ突出するボールペン解除カム63が設けられれており、
前記各ボールペン解除カム63は、前後方向に延びる突条として形成され、その先端及び後端が各々斜めに削がれていることでそれぞれ先端解除斜面63a及び後端解除斜面63bとして形成されるととともに、これら先端解除斜面63a及び後端解除斜面63bの間は真っ直ぐな稜線63cとして形成され、
前記軸筒10の外周の後端部分には、前後方向に延びるスリットであって、その中で前記スライド突起62が前後方向に摺動可能なスライドスリット13が、前記ボールペンリフィル50のボールペンノック棒60の各々に対応して設けられ、
前記各スライドスリット13の前端には、他のスライドスリット13の方向へ切り欠かれた、前記スライド突起62が係合する係合切欠13aが設けられているとともに、
前記シャープペンシル解除カム43は前記ボールペンリフィル50の前記スライド突起62と前記軸筒10の前記係合切欠13aとの係合を解除するものであり、
前記ボールペン解除カム63は、前記シャープペンシルリフィル30の前記ノック機構側係止部45と前記軸筒10の前記軸筒側係止部15との係合又は他の前記ボールペンリフィル50の前記スライド突起62と該軸筒10の前記係合切欠13aとの係合を解除するものであることを特徴とする。
「ガイドスペーサ20」とは、軸筒10内部のほぼ中心部分に嵌挿される略円筒状の部材であって、シャープペンシルリフィル30及び複数本のボールペンリフィル50にそれぞれ対応した「誘導孔21」をこれらリフィルと同数だけ有しているものである。
「軸筒側係止部15」と「ノック機構側係止部45」とは、互いにそれぞれ軸筒10側の構造及びシャープペンシルノック機構40が備える構造であって、互いに係合可能な形状を有することで、シャープペンシルの筆記状態を保つためのものである。軸筒側係止部15はたとえば、軸筒10内部の肉厚を異ならせることで長手方向に沿って設けられた段状のレール様構造の所定位置に、周方向に沿って設けられた段部、凹部又は凸部として形成することができる。また、ノック機構側係止部45はたとえば、この段部、凹部又は凸部として設けられた軸筒側係止部15と係合し得る段部、凸部又は凹部としてそれぞれ形成することができる。
「シャープペンシル解除カム43」及び「ボールペン解除カム63」とは、シャープペンシルリフィル30のノック機構側係止部45と軸筒10の軸筒側係止部15との係合状態又はボールペンリフィル50のスライド突起62と軸筒10の係合切欠13aとの係合状態を互いに解除可能な構造をいう。具体的には、シャープペンシルリフィル30が筆記可能な状態となっている場合、シャープペンシル解除カム43に、複数のボールペンリフィル50のうちのいずれかのボールペン解除カム63が作用することで、ノック機構側係止部45と軸筒側係止部15との係合状態が解除されることとなっている。また、いずれかのボールペンリフィル50が筆記可能な状態となっている場合、そのボールペン解除カム63に、他のボールペンリフィル50のボールペン解除カム63又はシャープペンシルリフィル30のシャープペンシル解除カム43が作用することで、スライド突起62と係合切欠13aとの係合状態が解除されることとなっている。
また、前記シャープペンシルノック機構40を前記ノック部42の押圧により前方へ移動させることで該シャープペンシルリフィル30を前方へ移動させると、前記ノック機構側係止部45と前記軸筒側係止部15が互いに係合することで、該シャープペンシルリフィル30の筆記先端31が前記開口部11から突出した状態で前記スプリング41を圧縮しつつ係止した状態となり、この状態においては、前記シャープペンシル解除カム43の稜線43cは平面視で前記複数本のボールペンリフィル50の方向寄りに移動している。
前記一のボールペンノック棒60の前記スライド突起62を前方へ移動させることで該ボールペンリフィル50を前方へ移動させると、該スライド突起62は前記係合切欠13aと係合することで、該ボールペンリフィル50の筆記先端51が前記開口部11から突出した状態で前記スプリング61を圧縮しつつ係止した状態となり、この状態においては、前記ボールペン解除カム63の稜線63cは平面視で前記他のボールペンリフィル50の方向寄りに移動している。
また、本発明に係る多機能ペンPにおいては、前記ボールペンリフィル50は2本設けられているとともに、前記軸筒10のスライドスリット13の係合切欠13aは、互いの方向へ向かって切り欠かれ、前記各ボールペンノック棒60のボールペン解除カム63は互いの方向へ向かって突出していることが望ましい。
上記の第2の課題に鑑み、本願における第2の発明は、上記第1の発明の特徴に加え、前記ノック部42の後端の中心に、前記シャープペンシルリフィル30の筆記先端31と連通する芯補充孔44が設けられていることを特徴とする。
また、本願における第2の発明においては、上記のとおり、筆記状態及び非筆記状態を通じてシャープペンシルリフィルがほぼ軸心ないし軸心寄りの位置を占めることとなっているので、ノック部の後端の中心に芯補充孔を設けることができる。よって、通常のシャープペンシルと同様の感覚できわめて容易に芯の補充が可能となっている。
(1)外観
本発明の実施の形態に係る多機能ペンPは、図1に示すような外観を呈する。すなわち、軸筒10は、前方に位置する先軸16と、後方に位置する後軸17とが、互いに螺合して形成される(図1(A)〜(C))。軸筒10内部には、後述するように、1本のシャープペンシルリフィル30及び2本のボールペンリフィル50,50が内蔵されている。そして、軸筒10の先端及び後端にはそれぞれ開口部11,12が設けられている。軸筒10先端の開口部11(図1(A)〜(D))は、該シャープペンシルリフィル30の筆記先端31又は該ボールペンリフィル50,50の筆記先端51,51のいずれかが筆記のために突出し、また没入するためのものである。一方、軸筒10後端の開口部12からは、シャープペンシルリフィル30の繰り出し操作及び芯繰り出しのためのノック操作に用いられる、ノック42部が突出している(図1(A)〜(C)、(E))。非筆記状態においては、図1(E)に示すように、ノック部42は軸筒10後端の開口部12の中でやや正面側に偏心している。
軸筒10の背面における後端付近には、前後方向の一対のスリットが設けられている。これをスライドスリット13,13と称する(図1(A)、(B))。各スライドスリット13,13の前端部分は互いに向かって切り欠かれており、この部分を係合切欠13a,13aと称する(図1(A)、(B))。これらのスライドスリット13a,13aの中には、後述のボールペンノック棒60,60の一部であるスライド突起62,62が前後に移動可能に位置している(図1(B)、(C))。
図2は、図1の多機能ペンPを各断面図で示したものである。
軸筒10内には、1本のシャープペンシルリフィル30及び2本のボールペンリフィル50,50が内蔵されている(図2(A)〜(C))。また、軸筒10内のほぼ中間(やや後端寄り)には、ガイドスペーサ20が嵌挿されている(図2(A)、(B))。このガイドスペーサ20には、図2(C)に示すように、前記1本のシャープペンシルリフィル30及び2本のボールペンリフィル50,50の前後方向への移動を誘導するための3個の誘導孔21,21,21が設けられている。具体的には、これらの誘導孔21,21,21のうち、ほぼ軸心側に位置する1個がシャープペンシルリフィル30を挿通させ誘導するためのシャープペンシル挿通孔24である。また、これより背面側に位置する2個が、ボールペンリフィル50,50を挿通させ誘導するためのボールペン挿通孔28,28である。また、シャープペンシル挿通孔24の正面(図2(A)中における上方。以下同)寄りには、後方に突出する小突起が形成されており、これをシャープペンシルスプリング受け25と称する(図2(A)、(C))。ガイドスペーサ20の構造の詳細についてはさらに後述する。
シャープペンシルノック機構40の後端の正面側からは、前記ガイド突起48が突出し、軸筒10後端付近のガイドスリット18の中に位置している(図2(A)、(D))。
シャープペンシルノック機構40の先端側であって、シャープペンシルリフィル30より正面寄りの位置からはスプリング押し棒47が突出している(図2(A))。このスプリング押し棒47と、先述のガイドスペーサ20のシャープペンシルスプリング受け25との間には、スプリング41が介装され、これによりシャープペンシルノック機構40は常に後方へ付勢されている(図2(A))。すなわち、シャープペンシルノック機構40を後方へ付勢するスプリング41には、シャープペンシルリフィル30自体は挿通されていない。これにより、圧縮されたスプリング41がシャープペンシルリフィル30と干渉することが回避できている。
ボールペンリフィル50,50の後端はそれぞれ、軸筒10内後方に位置するボールペンノック棒60,60に連結されている(図2(B))。各ボールペンノック棒60,60の先端と、ガイドスペーサ20の後端面との間には、ボールペンリフィル50,50が挿入されているスプリング61,61が介装されている(図2(B))。このスプリング61,61によりボールペンノック棒60,60は常に後方へ付勢されている。
(3)ガイドスペーサ20
ガイドスペーサ20は、図3に示すように、略円筒状の外観を呈し、先述の誘導孔21,21,21として、ほぼ軸心に位置するシャープペンシル挿通孔24と、2個のボールペン挿通孔28,28(ただし、図中では1個だけ視認できる)とが設けられている。
そして、シャープペンシル挿通孔24の両側から後端へ、柱状のリフィルガイド22,22が後方へ突出している。このリフィルガイド22,22の後端の、ボールペンリフィル50,50に面した側(すなわち背面側)は斜めに削ぎ落とされた形状の傾斜面を形成している。この傾斜面を、固定カム23と称する。この固定カム23は,シャープペンシルノック機構40の移動を誘導するための構成であるが、詳しくは後述する。
図2に示す非筆記状態においては、シャープペンシル解除カム43及びボールペン解除カム63,63はいずれも、軸筒10内部の最後方に位置している。この状態では、図4の断面図に示すように、シャープペンシル解除カム43の稜線43cと、2つのボールペン解除カム63,63の各稜線63c,63cとは互いに近接した位置を保持している。この状態において、シャープペンシルリフィル30は軸心よりやや正面寄り(同図中における上方寄り)に偏心した位置にある。
(5)シャープペンシルリフィル30の繰り出し
以下、本実施形態に係る多機能ペンPにおけるシャープペンシルリフィル30の繰り出しについて、図5の一部側面断面図、図6及び図7を適宜参照しつつ説明する。
また、軸筒10内側に一対設けられているガイドレール14,14(図2(D)、図4参照)は、図5(A)に示すように、軸筒10後端縁から所定距離を隔てたところで背面側にずれている。この所定距離とは、シャープペンシルリフィル30の繰り出しに要する距離である。このずれた部分により形成された段差が、軸筒側係止部15,15としての係合段差15,15である(ただし、図中では手前側のみを表している。)。
そして、前記所定距離だけ移動したところで、図5(B)に示すように、移動カム46と固定カム23とが互いの傾斜面を接するようにして当接することとなる。それと同時に、ノック機構側係止部45,45は、係合段差15,15のところでガイドレール14,14からは一旦外れることとなる。この状態からさらに押圧を続けると、移動カム46は固定カム23の傾斜面に沿って背面側へ滑り、それによりシャープペンシルノック機構40がシャープペンシルリフィル30とともに軸心側へ移動し始める。
(6)ボールペンリフィル50の繰り出し
図6に示すシャープペンシルリフィル30の筆記状態から、ボールペンノック棒60,60のスライド突起62,62のいずれかを操作すると、スライド突起62は軸筒10のスライドスリット13に沿って、スプリング61を圧縮しつつ、前方へ移動する。
この状態においては、図9に示すように、繰り出されたボールペンリフィル50側のボールペン解除カム63は、もう一方のボールペン解除カム63及びシャープペンシル解除カム43の前方へ位置することとなっている。
そして、この状態では、図8(E)に示すように、ボールペンリフィル30はガイドスペーサ20の位置で屈曲した状態を取りつつ筆記先端31は軸心に位置している。このとき、ガイドスペーサ20の後方におけるボールペンスプリング受け26の後方内壁26b(図3参照)が、屈曲したボールペンリフィル30により軸心方向に押しつけられたスプリング61が逃げるためのスペースとして確保されており、この状態におけるスプリング61の損傷が回避できることとなっている。
10 軸筒 11 先端の開口部 12 後端の開口部
13 スライドスリット 13a 係合切欠 14 ガイドレール
15 軸筒側係止部(係合段差) 16 先軸
17 後軸 18 ガイドスリット
20 ガイドスペーサ 21 誘導孔 22 リフィルガイド
23 固定カム 24 シャープペンシル挿通孔
25 シャープペンシルスプリング受け 26 ボールペンスプリング受け
26a 前方内壁 26b 後方内壁 27 スプリング受け段差
28 ボールペン挿通孔
30 シャープペンシルリフィル 31 筆記先端
40 シャープペンシルノック機構 41 スプリング
42 ノック部 42a ノックキャップ 43 シャープペンシル解除カム
43a 先端解除斜面 43b 後端解除斜面 43c 稜線
44 芯補充孔 45 ノック機構側係止部 46 移動カム
47 スプリング押し棒 48 ガイド突起
50 ボールペンリフィル 51 筆記先端
60 ボールペンノック棒 61 スプリング 62 スライド突起
63 ボールペン解除カム 63a 先端解除斜面 63b 後端解除斜面
63c 稜線
Claims (4)
- シャープペンシルとして機能するシャープペンシルリフィルと、ボールペンとして機能する複数本のボールペンリフィルとが軸筒に収納される多機能ペンであって、
前記軸筒内部には、前記シャープペンシルリフィル及び前記複数本のボールペンリフィルの前後方向への移動を誘導するために各々に対応する誘導孔が設けられたガイドスペーサが設けられ、
前記シャープペンシルリフィルの後端は、前記軸筒内の後方に設けられたシャープペンシルノック機構に連結され、該シャープペンシルノック機構の前後方向の移動によって該シャープペンシルリフィルの筆記先端が該軸筒先端の開口部から出没するとともに、
前記各ボールペンリフィルの後端は、前記軸筒内の後方に設けられたボールペンノック棒に連結され、該ボールペンノック棒の前後方向の移動によって該ボールペンリフィルの筆記先端が前記開口部から出没するように形成され、
前記軸筒内部には、前記シャープペンシルリフィルの筆記先端が前記開口部から突出している状態を維持するために前記シャープペンシルノック機構を係止するための軸筒側係止部が設けられ、
前記シャープペンシルノック機構には、前記軸筒側係止部と係合するためのノック機構側係止部が設けられ、
前記シャープペンシルノック機構と前記ガイドスペーサとの間には、前記シャープペンシルリフィルを後方へ付勢するスプリングが介在し、
前記各ボールペンノック棒と前記ガイドスペーサとの間には、前記ボールペンリフィルを後方へ付勢するスプリングがそれぞれ介在し、
前記シャープペンシルリフィル及びシャープペンシルノック機構の前記軸筒内の平面位置は、前記軸筒内で前記複数本のボールペンリフィル及びボールペンノック棒の平面位置よりも軸心寄りであり、
前記シャープペンシルノック機構の後端はノック部として前記軸筒後端の開口部から突出しているとともに、
前記シャープペンシルノック機構の側面には前記複数のボールペンノック棒の方向へ突出するシャープペンシル解除カムが設けられており、
前記シャープペンシル解除カムは、前後方向に延びる突条として形成され、その先端及び後端が各々斜めに削がれていることでそれぞれ先端解除斜面及び後端解除斜面として形成されるととともに、これら先端解除斜面及び後端解除斜面の間は真っ直ぐな稜線として形成され、
前記ボールペンノック棒の各々には、外方へ突出するスライド突起と、他のボールペンノック棒の方向へ突出するボールペン解除カムが設けられれており、
前記各ボールペン解除カムは、前後方向に延びる突条として形成され、その先端及び後端が各々斜めに削がれていることでそれぞれ先端解除斜面及び後端解除斜面として形成されるととともに、これら先端解除斜面及び後端解除斜面の間は真っ直ぐな稜線として形成され、
前記軸筒の外周の後端部分には、前後方向に延びるスリットであって、その中で前記スライド突起が前後方向に摺動可能なスライドスリットが、前記ボールペンリフィルのボールペンノック棒の各々に対応して設けられ、
前記各スライドスリットの前端には、他のスライドスリットの方向へ切り欠かれた、前記スライド突起が係合する係合切欠が設けられているとともに、
前記シャープペンシル解除カムは前記ボールペンリフィルの前記スライド突起と前記軸筒の前記係合切欠との係合を解除するものであり、
前記ボールペン解除カムは、前記シャープペンシルリフィルの前記ノック機構側係止部と前記軸筒の前記軸筒側係止部との係合又は他の前記ボールペンリフィルの前記スライド突起と該軸筒の前記係合切欠との係合を解除するものであることを特徴とする多機能ペン。 - 前記シャープペンシルリフィルの筆記先端及び前記複数のボールペンリフィルの筆記先端がいずれも軸筒内に没入している状態においては、前記シャープペンシル解除カム及び前記複数のボールペン解除カムの各稜線は互いに近接した位置にあり、
前記シャープペンシルノック機構を前記ノック部の押圧により前方へ移動させることで該シャープペンシルリフィルを前方へ移動させると、前記ノック機構側係止部と前記軸筒側係止部が互いに係合することで、該シャープペンシルリフィルの筆記先端が前記開口部から突出した状態で前記スプリングを圧縮しつつ係止した状態となり、この状態においては、前記シャープペンシル解除カムの稜線は平面視で前記複数本のボールペンリフィルの方向寄りに移動しており、
この状態で、いずれかの前記ボールペンノック棒の前記スライド突起を前方へ移動させると、前記ボールペン解除カムの先端解除斜面が、前記シャープペンシル解除カムの後端解除斜面と当接することで、前記ノック機構側係止部と前記軸筒側係止部との係合が解かれ、該シャープペンシルリフィルは前記スプリングの付勢力により後方へ移動することでその筆記先端は前記開口部内へ没入し、
前記一のボールペンノック棒の前記スライド突起を前方へ移動させることで該ボールペンリフィルを前方へ移動させると、該スライド突起は前記係合切欠と係合することで、該ボールペンリフィルの筆記先端が前記開口部から突出した状態で前記スプリングを圧縮しつつ係止した状態となり、この状態においては、前記ボールペン解除カムの稜線は平面視で前記他のボールペンリフィルの方向寄りに移動しており、
この状態で、前記他のボールペンノック棒の前記スライド突起を前方へ移動させるか又は前記シャープペンシルノック機構の前記ノック部を押圧するかにより、前記ボールペン解除カムの先端解除斜面又は前記シャープペンシル解除カムの先端解除斜面が、該一のボールペンノック棒の前記ボールペン解除カムの後端解除斜面と当接することで、該一のボールペンノック棒のスライド突起と前記係合切欠との係合が解かれ、該一のボールペンリフィルは前記スプリングの付勢力により後方へ移動することでその筆記先端は前記開口部内へ没入することを特徴とする請求項1記載の多機能ペン。 - 前記ボールペンリフィルは2本設けられているとともに、
前記軸筒のスライドスリットの係合切欠は、互いの方向へ向かって切り欠かれ、
前記各ボールペンノック棒のボールペン解除カムは互いの方向へ向かって突出していることを特徴とする請求項1又は2記載の多機能ペン。 - 前記ノック部の後端の中心に、前記シャープペンシルリフィルの筆記先端と連通する芯補充孔が設けられていることを特徴とする請求項1、2又は3記載の多機能ペン。
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