JP5895292B2 - 官能化アルケンのアルコキシカルボニル化方法 - Google Patents

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Description

発明の詳細な説明
[発明の分野]
本発明は、任意選択により官能化されたアルケンのカルボニル化方法に関する。
[発明の背景]
国際公開第01/10551号パンフレットには、Pd触媒系を使用したカルボニル化反応が開示されている。そのようなカルボニル化反応に伴う問題は、触媒系が時間の経過により不活性化する傾向があることである。触媒を繰り返し、または連続的に使用する方法では特に、Pd触媒の不活性化が問題となり得る。この問題は、イオン性Pdの金属Pdへの還元によるものと理解される。そのようなプロセスはPd黒の生成とも称される。活性の低下を補償するためには、Pd触媒を追加しなければならない。Pd黒は反応器の壁に付着し得る。
不活性化、またはPd黒の生成を克服するために、国際公開第0110551号パンフレットでは、高分子分散剤の存在下にカルボニル化プロセスを実施することが提案されている。高分子安定剤を使用することの欠点は、それ自体は化学的変換に必須でなく、また、その使用は余分のコストを意味することである。高分子分散剤を使用することの他の欠点は、それをカルボニル化生成物から分離しなければならないことである。
[詳細な説明]
本発明は、任意選択により官能化されたアルケンをカルボニル化する方法であって、
(a)(i)任意選択により官能化されたアルケン、(ii)Pd源および配位子を含む触媒系、(iii)pKa<3の酸から誘導される陰イオン源、(iv)一酸化炭素、および(v)水酸基含有化合物を、アルケンカルボニル化生成物が生成される条件下で反応させる工程を含み、アルケンカルボニル化生成物の存在下に行われる方法をここに開示する。
本発明との関連においては、「アルケンカルボニル化生成物」は、エステルカルボニル化生成物などの、任意選択により官能化されたアルケンの生成物を含むものであると理解される。
任意選択により官能化されたアルケンのカルボニル化のための、CSTRを使用した連続流通式反応器の模式図である。
本発明の方法は、連続法であってもよい。連続反応器は任意の形式のものが適している。適切な反応器形式の例としては、連続撹拌槽反応器(CSTR)および栓流が挙げられる。CSTR反応器では、一度定常状態に達すれば、反応器内の成分の濃度はもはや変化しない:反応物質は抜き出され、基質が、反応器内でそれらが同じ濃度を維持するように加えられる。栓流反応器、例えば充填層反応器(PBR)では、転化率は滞留時間に依存し、それは次に、反応器内のその位置の関数になる。栓流反応器は、生成物がさらなる反応を起こしやすいときに選択されることが多い。アルケンカルボニル化生成物が反応性に富むならば、PFR反応器が好ましい。アルケンカルボニル化生成物の反応性があまり高くないとき、例えば、ジメチルアジペートの場合には、CSTR反応器、または一連のCSTR反応器が好ましい。
連続法では、触媒系、アルケンおよびアルケンカルボニル化生成物の濃度は、プロセスを通して変わらない。アルケンカルボニル化生成物が存在しないのは、この技術分野で知られている連続法の立ち上げ段階のみであり、それはまだ製造されていないからである。本発明の方法では、この立ち上げ段階が、カルボニル化生成物が最初から存在すべきであるという点で、極めて重要である。
連続法でのカルボニル化生成物の定常状態量は、反応器の形式に依存し得るものであり、触媒系が安定化し、かつ十分な収率が得られるように選択することが好ましい。連続法の開始時、すなわちプロセスが連続段階に入る前は、アルケンカルボニル化生成物はまだ生成されていない。この状況は、例えば連続法が初めて開始されるとき、または、例えばプロセスが、例えばメンテナンスのための停止後に、再開されるときに起こり得る。立ち上げまたは再開始段階では、まだアルケンカルボニル化生成物が存在しないため、触媒系はアルケンカルボニル化生成物によって安定化されることができない。したがって、連続法ではアルケンカルボニル化生成物を最初に存在させることが必須である。プロセスが一旦連続段階、すなわち定常状態段階に入れば、安定剤としてアルケンカルボニル化生成物を添加することは最早必要ない。当業者であれば、単に連続段階でアルケンカルボニル化生成物濃度を調節するだけで、いかなる安定剤を加える必要もなく、触媒系の適切、所望の安定化に達し得る。対照的に、高分子分散剤などの他の安定剤を使用するときは、これらはアルケンカルボニル化生成物を回収する際にプロセスから除去され得るので、連続的に添加する必要があり得る。
本発明の方法は、繰り返しバッチ法であって、好ましくはさらに
(b)アルケンカルボニル化生成物の存在下に、アルケンカルボニル化生成物から触媒系を回収する工程、および
(c)工程(a)の触媒系の少なくとも一部を、工程(b)で得られた触媒系とする、工程(a)を繰り返す工程
を含む繰り返しバッチ法であってよい。
本発明の繰り返しバッチ法は、2回以上の連続プロセスを含むことが好ましい。本発明の繰り返しバッチ法は、3回以上の連続プロセスを含むことが好ましく、4回以上の連続プロセス、5回以上の連続プロセス、6回以上の連続プロセス、7回以上の連続プロセス、8回以上の連続プロセスを含むことがより好ましい。
工程(b)および(c)を含む繰り返しバッチ法は、回収工程(b)において、さほど厳密な分離を行う必要がないという利点を有する。発明者らは、アルケンカルボニル化生成物に対する本発明の触媒系の安定化効果が、前記アルケンカルボニル化生成物の存在下に触媒系を回収することにより、繰り返しバッチ法に適用し得るとわかった。通常、触媒安定剤を使用する方法では、当業者であれば、前記触媒を回収する際、できる限り多くの安定剤を維持しようと努めるであろう。しかしながら、実際には、反応生成物からの触媒系の回収率は決して100%にならず、触媒安定剤のいくらかは失われるであろう。例えば、反応が揮発性化合物の生成に関与するとき、そしてこれらの化合物を蒸留によって除去する場合がこれに当たり得る。そのような場合、触媒安定剤もまた蒸発によって除去され得る。対照的に、本発明の方法の工程(b)における回収は、さほど効率的である必要はなく、実際、触媒系と共にアルケンカルボニル化生成物が存在することが有利である。したがって、回収工程(b)はより容易であり、かつ/またはより少ない費用で済むものとなり得る。回収はまた、有利には、簡単で安価な分離技術を使用し、かつ/またはあまり熟練していない操作者により行い得る。別の利点は、工程(b)で得られた触媒系を工程(a)のカルボニル化反応で使用することにより、アルケンカルボニル化生成物を余分に添加する必要がなくなることで、これはコストと時間の節約になり得る。アルケンカルボニル化生成物の存在下に触媒系を回収することは、自明ではないであろう。例えば、国際公開第01/68583号パンフレットにおいては、カルボニル化反応は過剰メタノール下で行われているため、当然、当業者がメタノールの存在下に触媒系を回収するであろう。さらに、国際公開第01/68583号パンフレットには、触媒系の回収について記載されていない。
アルケンカルボニル化生成物:Pdの比は、乾燥重量基準で、少なくとも500:1である。この方法におけるアルケンカルボニル化生成物:Pdの比は、全て乾燥重量基準で、好ましくは少なくとも900:1であり、より好ましくは少なくとも1750:1である。
工程(b)において「アルケンカルボニル化生成物から触媒系を回収する」とは、アルケンカルボニル化生成物から触媒系を完全に分離することを必ずしも意味しないということは理解されるであろう。完全な回収は、触媒系がアルケンカルボニル化生成物を欠いていることを意味するであろう。そして、これは触媒系の不活性化をもたらし得る。アルケンカルボニル化生成物から触媒系を回収することは、工程(b)の目的ではあるが、触媒系が常に少なくともいくらかのアルケンカルボニル化生成物を含むことが必須である。
工程(b)の触媒系の回収において、カルボニル化生成物:Pdの比は、乾燥重量基準で少なくとも500:1である。
工程(a)の触媒系の少なくとも10%(w/w)が、工程(b)で得られた触媒系であり得る。工程(a)の触媒系の、より好ましくは、少なくとも20%w/w、少なくとも30%(w/w)、より好ましくは、少なくとも40%(w/w)、50%(w/w)、より一層好ましくは、少なくとも60%(w/w)、少なくとも70%(w/w)、より一層好ましくは、少なくとも80%(w/w)、少なくとも90%(w/w)が、工程(b)で得られた触媒系であり得る。最も好ましくは、工程(a)のすべての触媒系が、工程(b)で得られた触媒系である。
本発明の方法の配位子は、式I:
>P−R−P<R (I)
(ここで、PおよびPはリン原子を表し、R、R、RおよびRは独立に、同一または異なる、任意選択により置換された有機基であって、第3級炭素原子であってこれを介して有機基はリン原子と結合している第3級炭素原子を含有し、かつ任意選択により1種または複数種のヘテロ原子を含む有機基を表し、RはPとPに架かり、かつ1種または複数種の炭素原子および任意選択により1種または複数種のヘテロ原子を含む架橋基を表す)で表される二座ジホスフィン配位子であり得る。
式Iで表わされる二座ジホスフィン配位子は、R−X−R(ここで、RおよびRは独立に、任意選択により置換されたアルキレン基を表し、Xは任意選択により置換された芳香族基を表す)を含んでもよい。言い換えれば、RはR−X−Rを表し得る。
したがって、配位子は、式II:
>P−R−X−R−P<R (II)
(ここで、P、P、R、R、R、R、R、RおよびXは上記の通り定義される)で表される二座ジホスフィン配位子であり得る。
もしくはRが表す、またはRおよびRが表す、任意選択により置換されたアルキレン基は低級アルキレン基である。本発明との関連では、「低級アルキレン基」は、4個以下のC原子を有する、より好ましくは3個以下のC原子を有する、より一層好ましくは2個以下のC原子を有するアルキレン基として定義され、最も好ましくは低級アルキレン基はメチレン基である。RおよびRのC原子数は必ずしも同じでない。例えば、Rが2個のC原子を有し、他方のRが1個のC原子を有してもよく、あるいはその逆であってもよい。Rおよび/またはRが表すアルキレン基は置換されていないことが好ましい。
式Iまたは式IIで表わされる二座ジホスフィンにおけるR、R、RおよびRは、tert−ブチル基であってよく、RおよびRはメチレン基であってよく、かつ/またはRもしくはXはオルトフェニレンもしくはオルトナフタレンであってよい。Rおよび/またはRはメチレン基であることが好ましい。適切な配位子はα,α’−ビス(ジ−tert−ブチルホスフィノ)キシレンである。
式Iで表わされる二座ジホスフィンにおいて、Rによって形成され、PとPに架かる架橋の長さ、または式IIで表わされる二座ジホスフィンにおいて、RおよびRに架かるXの架橋の長さは、1〜20個の原子、より好ましくは2〜10個の原子、より一層好ましくは2〜6個の原子であり得る。
国際公開第01/68583号パンフレットには、Pdおよび二座ジホスフィン配位子を含む触媒系を使用してエチレン性不飽和化合物をカルボニル化する方法が記載されている。国際公開第01/68583号パンフレットは、エステルカルボニル化生成物(例えば、アルケンカルボニル化生成物)が溶媒として存在する中で、カルボニル化反応が行われ得ることを示唆している。国際公開第01/68583号パンフレットの目的は、直鎖状カルボニル化生成物の選択性を増大させることにある。エステルカルボニル化生成物は、直鎖状カルボニル化生成物の選択性を増大させるために使用できる、多くの適切な非プロトン性溶媒の中の1つである。しかしながら、国際公開第01/68583号パンフレットは、連続法または繰り返しバッチ法については触れておらず、国際公開第01/68583号パンフレットの全ての実施例は、単一バッチ反応について言及したものである。さらに、国際公開第01/68583号パンフレットはエステルカルボニル化生成物が存在することによるPd触媒系の安定化効果の可能性にも触れていない。
水酸基を含む化合物はアルカノールであってよく、好ましくはメタノールである。
本発明の方法は、任意選択により、別途追加した溶媒、好ましくは非プロトン性溶媒の存在下に行われる。適切な溶媒としては、例えばメチルブチルケトンなどのケトン類;例えばアニソール(メチルフェニルエーテル)、2,5,8−トリオキサノナン(ジグリム)、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、2−メチル−テトラヒドロフラン、ジフェニルエーテル、ジイソプロピルエーテル、およびジエチレングリコールのジメチルエーテルなどのエーテル類;例えばエチルアセテート、メチルアセテート、ジメチルアジペート、およびブチロラクトンなどのエステル類、例えばジメチルアセトアミド、およびN−メチルピロリドンなどのアミド類;ならびに、例えばジメチルスルホキシド、ジイソプロピルスルホン、スルホラン(テトラヒドロチオフェン−2,2−ジオキシド)2−メチルスルホラン、および2−メチル−4−エチルスルホランなどのスルホキシド類およびスルホン類が挙げられる。298.15Kおよび1barにおける誘電率が50未満、より好ましくは3〜8の範囲の非プロトン性溶媒が、非常に適している。
ヒドロキシ基含有化合物がアルカノールの場合、好ましい非プロトン性溶媒は、アルケン、一酸化炭素およびアルカノールのエステルカルボニル化生成物である。
pKaが3.0未満の酸(水溶液中、18℃で測定)から誘導される陰イオン源は、非配位性陰イオンが好ましい。これは、パラジウムとこのアニオンとの間で共有結合性相互作用が殆どまたは全く起こらないことを意味する。
適切な陰イオンの例としては、リン酸、硫酸、スルホン酸、およびトリフルオロ酢酸などのハロゲン化カルボン酸の陰イオンが挙げられる。
スルホン酸、例えば、トリフルオロメタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸および2,4,6−トリメチルベンゼンスルホン酸、2−ヒドロキシプロパン−2−スルホン酸、tert−ブチルスルホン酸、メチルスルホン酸などが、特に好ましい。酸はまた、スルホン酸基を含有するイオン交換樹脂であり得る。
pKaが3.0未満の酸から誘導される、特に好ましい陰イオン源は、メチルスルホン酸、tert−ブチルスルホン酸および/または2,4,6−トリメチルベンゼンスルホン酸である。
本発明の方法に適切なPd源としては、例えば、パラジウムとハロゲン酸、硝酸、硫酸またはスルホン酸との塩などのパラジウムの塩;例えば、一酸化炭素、ジベンジリデンアセトン(dba)またはアセチルアセトネートなどのジエンなどとのパラジウム錯体、パラジウムナノ粒子、または炭素、ケイ素もしくはイオン交換体などの固体担体材料と結合したパラジウムが挙げられる。パラジウムとカルボン酸との塩、適切には、酢酸、プロピオン酸、ブタン酸もしくは2−エチル−ヘキサン酸の塩、またはトリクロロ酢酸およびトリフルオロ酢酸などの置換カルボン酸の塩などの、炭素原子数が12個までのカルボン酸との塩を使用することが好ましい。非常に適切な源は酢酸パラジウム(II)である。
Pd源は、ハロゲン化パラジウム、カルボン酸パラジウムまたはPd2(dba)3からなる群から選択し得る。
アルケンはエテンであってもよい。エテンのメトキシカルボニル化生成物、メチルプロプリオネートをさらにホルムアルデヒドと反応させて、メチルメタクリレートを生成させることができる。本発明は、既存のメチルメタクリレート製造方法のコストを下げることができる。
本発明のカルボニル化方法は、アルコキシカルボニル化、好ましくはメトキシカルボニル化を含み得る。
本発明の方法において、アルケンは任意選択により官能化される。官能化は、ヒドロキシル基、アミンまたはアミド、およびカルボン酸またはそのエステルを含み得る。好ましい官能化アルケンはカルボン酸官能化アルケンである。好ましいアルケンカルボニル化生成物はエステルカルボニル化生成物である。
アルケンカルボニル化生成物は、好ましくは4〜20個、より好ましくは5〜8個、より一層好ましくは6個のC原子を有する。
適切なカルボン酸官能化アルケンは、ペンテン酸エステルまたはそのエステル、好ましくはペンテン酸メチルエステルである。ペンテン酸またはペンテン酸エステルのアルコキシカルボニル化により、モノエステル(アジピン酸モノメチルエステル)またはジエステル(アジピン酸ジメチルエステル)などのアジピン酸エステルを生成することができ、これらはアジピン酸(1,6−ヘキサン二酸)製造の重要な中間体として使用することができ、アジピン酸自体は、とりわけポリアミド−6,6またはポリアミド−4,6などのポリアミド製造のための重要な前駆体である。さらに、アジピン酸のエステルは、可塑剤、潤滑剤、溶媒に、そして各種ポリウレタン樹脂に使用し得る。アジピン酸の他の用途としては、食品酸味料としての使用、接着剤、殺虫剤、なめし、および染色の用途がある。エステルカルボニル化生成物は、高級エステル、例えば三、四、五およびポリエステルも含むと理解される。
実際のカルボニル化反応は、本発明の方法の工程(a)で生じる。
本発明の方法は、アルケンカルボニル化生成物が最初から存在する中で行われる。驚いたことに、発明者らは、本発明の方法においてアルケンカルボニル化生成物を最初に存在させることにより、前記触媒系の安定がもたらされ得ることを見出した。反応はアルケンカルボニル化生成物の生成を伴うものであることから、このことはより一層驚くべきことである。それにもかかわらず、工程(a)の反応過程単独で生成するアルケンカルボニル化生成物は、最初に存在させたアルケンカルボニル化生成物と同程度には触媒系を安定させ得ないようである。カルボニル化プロセスの開始時には、アルケンカルボニル化生成物は全く、または殆ど存在していない。したがって、本発明の方法を実施するには、繰り返しバッチ法であろうが、連続法であろうが、あるいは他のどのような方法であろうが、工程(a)で少なくとも1回は、アルケンカルボニル化生成物を反応媒体に加えなければならない。特に工業規模の化学的転換反応に反応生成物を加えることは自明ではないであろう。逆に、通常、反応生成物は、可能な限り多くの製品を販売しようとするため、可能な限り効率的に回収される。本発明の方法を使用すれば、最初にカルボニル化生成物が存在しない中で実施する繰り返しまたは連続のカルボニル化法と較べて、Pd黒の生成、および/または触媒系の不活性化が少なくなり得る。Pd黒の生成は、触媒の不活性化の指標である。
安定剤はアルケンカルボニル化生成物そのものであることから、本発明の方法は、安定剤を添加する必要がないという点で特に有利である。
プロセスの最初に存在させるアルケンカルボニル化生成物は、必ずしも本発明の方法で生成されるアルケンカルボニル化生成物ではない。
プロセスの最初に存在させるアルケンカルボニル化生成物は、本発明の方法で生成されるアルケンカルボニル化生成物と同じものであってもよい。例として、本発明の方法が、メタノールおよびCOを使用して、アジピン酸メチルエステルを製造する、ペンテン酸メチルのメトキシカルボニル化に関するものであれば、そのような方法は、アジピン酸メチルエステルが最初に存在する中で行い得る。
プロセスの最初に存在させるアルケンカルボニル化生成物は、本発明の方法で生成されるアルケンカルボニル化生成物とは異なるアルケンカルボニル化生成物であってもよい。例として、本発明の方法が、メタノールおよびCOを使用して、メチルプロプリオネートを製造する、エテンのメトキシカルボニル化に関するものであれば、そのような方法は、最初にアジピン酸メチルエステルが存在する中で行い得る。あるいは、本発明の方法がメタノールおよびCOを使用して、アジピン酸メチルエステルを製造する、ペンテン酸メチルのメトキシカルボニル化に関するものであれば、そのような方法は、メチルプロプリオネートが最初に存在する中で行い得る。
プロセスの最初に存在させるアルケンカルボニル化生成物は、本発明の方法で生成されるアルケンカルボニル化生成物の少なくとも一部を含み得る。本発明の方法で生成されるアルケンカルボニル化生成物と同じものを含むか、または同じものを、最初に存在するアルケンカルボニル化生成物として使用することは、追加の安定剤を加えなくともよいという点で有利であり得る。最初に存在するアルケンカルボニル化生成物として、本発明の方法で生成されるアルケンカルボニル化生成物とは異なるアルケンカルボニル化生成物を使用することは、そのような最初に存在させるアルケンカルボニル化生成物が反応を阻害しないか、または阻害する程度が低くなり得るという点で有利であり得る。
一実施形態では、アルケンカルボニル化生成物は、アルケンカルボニル化生成物がまだ生成されていないときに一度だけ、例えばプロセスの立ち上げ時に、プロセスに添加される。プロセスの進行とともに、アルケンカルボニル化生成物が生成され、それは触媒系を安定化させ得る。
プロセスの最初に存在させるアルケンカルボニル化生成物は、本発明の方法で生成されるアルケンカルボニル化生成物を少なくとも10%w/w、より好ましくは少なくとも20%w/w、少なくとも30%w/w、より好ましくは少なくとも40%w/w、少なくとも50%w/w、より一層好ましくは少なくとも60%w/w、少なくとも70%w/w、より一層好ましくは少なくとも80%w/w、少なくとも90%w/w含み得る。最初に存在させるアルケンカルボニル化生成物は、本発明の方法で生成されるアルケンカルボニル化生成物であることが最も好ましい。
本方法は、アルケンカルボニル化生成物を添加する工程を含み得る。プロセスにアルケンカルボニル化生成物を加えることによって、アルケンカルボニル化生成物を確実に最初に存在させ得る。
アルケンカルボニル化生成物は、工程(a)のカルボニル化反応に任意の方法で加え得る。アルケンカルボニル化生成物はアルケンとともに加え得る。アルケンカルボニル化生成物はまた、工程(a)のカルボニル化反応に触媒系とともに加え得る。触媒系の添加後にカルボニル化生成物を加えないことが重要である。この場合、触媒系の不活性化が生じ得るからである。アルケンカルボニル化生成物は、触媒系の添加前にプロセスに加え得る。
したがって、本発明は、カルボン酸官能化アルケンまたはそのエステルのアルコキシカルボニル化方法であって、
− 反応媒体にアルケンカルボニル化生成物を添加する工程;
− その後、任意選択により官能化されたアルケン;Pd源および配位子を含む触媒系、pKa<3の酸から誘導される陰イオン源、一酸化炭素、および水酸基含有化合物を順不同で前記反応媒体に添加する工程、および
− 前記成分を、アルケンカルボニル化生成物が生成する条件下に置く工程
を含む方法を提供する。
本発明はさらに、任意選択により官能化されたアルケンのカルボニル化方法における、Pd源および配位子を含む触媒系を安定化させるための、エステルカルボニル化生成物の使用を提供する。
図1:任意選択により官能化されたアルケンのカルボニル化のための、CSTRを使用した連続流通式反応器の模式図である。反応器に、任意選択により官能化されたアルケン;Pd源および配位子を含む触媒系、pKa<3の酸から誘導される陰イオン源、COおよび水酸基含有化合物を供給する。カルボニル化生成物の一部は連続的に、例えば蒸留によって除去され、一方、CO、水酸基含有化合物および残留アルケンは反応器に戻される。アルケンカルボニル化生成物の、触媒を含有する残りの部分は、反応器に戻される。
[実施例]
バッチ反応を、160mLの、Parr製、ハスタロイ(Hastalloy)Cオートクレーブ中で実施した。乾燥メタノールはシグマ アルドリッチ(Sigma Aldrich)から購入した。配位子、α,α’−ビス(ジ−tert−ブチルホスフィノ)キシレンはStremから購入した。Pd(OAc)はシグマ アルドリッチから購入した。全ての市販薬品は、そのまま使用した。ペンテン酸メチル(全異性体の混合物)は自製した。触媒溶液は、窒素を満たしたグローブボックス内で調製した。物質移動の制限を避けるために、気体駆動式撹拌機を使用した。
[実施例1]
[バッチ法におけるDMAによる安定化]
窒素雰囲気下のオートクレーブに、Pd(OAc)(9mg、0.04mmol)、α,α’−ビス(ジ−tert−ブチルホスフィノ)キシレン(80mg、0.2mmol)、メタンスルホン酸(38mg、0.4mmol)、ペンテン酸メチル(MP、全異性体の混合物)、メタノール、および任意選択によりアジピン酸ジメチル(DMA)の溶液を仕込んだ。量を下記の表に示す。オートクレーブを100℃に加熱し、COで20barまで加圧した。結果を下記の表に要約する。転化率20%でターンオーバー頻度(TOF)を測定した(mol MP/mol Pd/h)。反応開始時にアジピン酸ジメチルを加えない場合は、反応終了時にPd黒が観測され、触媒の劣化があることを示す。さらに、安定剤としてDMAを加えても、触媒活性には殆ど影響しない。結果は表1を参照されたい。
Figure 0005895292

[実施例2]
[触媒の再利用:繰り返しバッチ法]
窒素雰囲気下のオートクレーブに、Pd(OAc)(9mg、0.04mmol)、α,α’−ビス(ジ−tert−ブチルホスフィノ)キシレン(80mg、0.2mmol)、メタンスルホン酸(38mg、0.4mmol)、ペンテン酸メチル(MP、全異性体の混合物)、メタノール、および任意選択によりアジピン酸ジメチル(「最初からのDMA」)の溶液を仕込む。
オートクレーブを100℃に加熱し、COで20barまで加圧する。所望の転化率に達したとき、反応器を室温にまで冷却し、COを放出させる。メタノール、残留MP、および生成したDMAの大部分(通常、60〜80%)を蒸留する(MPとDMAは減圧下で)。その後、新しいMPのメタノール溶液を残留触媒のDMA溶液に加える(すなわち、DMA存在下。オートクレーブを再度100℃に加熱し、COで20barまで加圧する。この一連の操作を数回繰り返す。結果を表2に示す。DMAが、最初もその後の反応工程でも存在しない場合、Pd黒が生成する(+)。DMAが最初は存在せず(すなわち、反応混合物に添加されていない)、その後の反応工程で存在する場合、Pd黒がいくらか生成する(±)。しかし、DMAが最初に加えられ、その後の工程でも存在する場合、PD黒は生成しない(−)。
Figure 0005895292

[実施例3]
[触媒の再利用:連続流通式]
窒素雰囲気下のCSTR反応器に、Pd(OAc)、α,α’−ビス(ジ−tert−ブチルホスフィノ)キシレン、メタンスルホン酸、ペンテン酸メチル(MP、全異性体の混合物)、メタノール、および任意選択によりアジピン酸ジメチル(DMA)の溶液を仕込む。反応器を100℃に加熱し、COで20barまで加圧する。カルボニル化生成物、アジピン酸ジメチル(DMA)の一部を連続的に、例えば蒸留によって除去し、一方、CO、MeOHおよび残留MPは反応器に戻す。DMAを反応器に加えない場合、Pd黒が生成する。Pd黒は生成しない。反応器にDMAを加えると、PD黒の量は減少した。
[実施例4]
[ノナン酸メチルによる安定化]
窒素雰囲気下のオートクレーブに、Pd(OAc)(9mg、0.04mmol)、α,α’−ビス(ジ−tert−ブチルホスフィノ)キシレン(80mg、0.2mmol)、メタンスルホン酸(38mg、0.4mmol)、オクテン、メタノール、および任意選択によりノナン酸メチルの溶液を仕込む。オートクレーブを100℃に加熱し、COで20barまで加圧する。反応開始時にノナン酸メチルを加えない場合は、反応終了時にPd黒が観測され、触媒の劣化があることを示す。ノナン酸メチルを反応器に加えると、PD黒の量は減少した。さらに、安定剤としてノナン酸メチルを加えても、触媒活性に殆ど影響しない。
[実施例5]
[コハク酸ジメチルによる安定化]
窒素雰囲気下のオートクレーブに、Pd(OAc)(9mg、0.04mmol)の溶液、α,α’−ビス(ジ−tert−ブチルホスフィノ)キシレン(80mg、0.2mmol)、メタンスルホン酸(38mg、0.4mmol)、アクリル酸メチル、メタノール、および任意選択によりコハク酸ジメチルの溶液を仕込む。オートクレーブを加熱し、COで20barまで加圧する。反応開始時にコハク酸ジメチルを加えない場合は、反応終了時にPd黒が観測され、触媒の劣化があることを示す。コハク酸ジメチルを反応器に加えると、Pd黒の量は減少した。さらに、安定剤としてコハク酸ジメチルを加えても、触媒活性に殆ど影響しない。

Claims (12)

  1. ペンテン酸エステルをアルコキシカルボニル化する方法であって、
    (a)(i)ペンテン酸エステル、(ii)Pd源および配位子を含む触媒系、(iii)リン酸イオン、硫酸イオン、スルホン酸イオンおよびハロゲン化カルボン酸イオンからなる群より選ばれる1種の陰イオンを生じさせる陰イオン源、(iv)一酸化炭素、および(v)水酸基含有化合物を、アジピン酸エステルが生成される条件下で反応させる工程を含み、アジピン酸エステルが最初から存在する中で行われる方法。
  2. アジピン酸エステルを添加する工程を含む請求項1に記載の方法。
  3. 前記アジピン酸エステルが、前記触媒系の添加前、または前記触媒系とともに添加される請求項2に記載の方法。
  4. 前記配位子が、式II:
    >P−R−X−R−P<R (II)
    (式中、PおよびPはリン原子を表し、R、R、RおよびRは独立に、同一または異なる、任意選択により置換された有機基であって、第3級炭素原子であってこれを介して前記有機基が前記リン原子と結合している第3級炭素原子、を含有する有機基を表すことができ、RおよびRは独立に、任意選択により置換された低級アルキレン基を表し、かつXは任意選択により置換された芳香族基を表す)で表される二座ジホスフィン配位子である請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
  5. およびRがメチレン基を表し、R、R、RおよびRがtert−ブチル基を表す請求項4に記載の方法。
  6. 前記配位子がα,α’−ビス(ジ−tert−ブチルホスフィノ)キシレンである請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
  7. 連続法である請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。
  8. 繰り返しバッチ法であって、前記繰り返しバッチ法が、さらに
    (b)前記アジピン酸エステルの存在下に、前記アジピン酸エステルから前記触媒系を回収する工程、および
    (c)工程(a)の前記触媒系の少なくとも一部が、工程(b)で得られた前記触媒系である、工程(a)を繰り返す工程
    を含む請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。
  9. 工程(a)の前記触媒系の少なくとも10%(w/w)が、工程(b)で得られた前記触媒系である請求項8に記載の方法。
  10. 前記ペンテン酸エステルがペンテン酸メチルエステルである請求項1〜9のいずれか一項に記載の方法。
  11. 前記Pd源が、ハロゲン化パラジウム、カルボン酸パラジウムまたはPd(dba)からなる群から選択される請求項1〜10のいずれか一項に記載の方法。
  12. ペンテン酸エステルアルコキシカルボニル化のための連続法または繰り返しバッチ法における、Pd源および配位子を含む触媒系を安定化させるための、アジピン酸エステルの使用。
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