JPH08245509A - ペンテノエートエステルの製造方法 - Google Patents

ペンテノエートエステルの製造方法

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JPH08245509A
JPH08245509A JP8033690A JP3369096A JPH08245509A JP H08245509 A JPH08245509 A JP H08245509A JP 8033690 A JP8033690 A JP 8033690A JP 3369096 A JP3369096 A JP 3369096A JP H08245509 A JPH08245509 A JP H08245509A
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JP
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butadiene
carbonylation
pentenoic acid
alcohol
palladium
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Application number
JP8033690A
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English (en)
Inventor
Otto E Sielcken
エリク シールケン オットー
Frank P W Agterberg
ペトルス ウィリブロード アグターベルグ フランク
Nicolaas F Haasen
フランシスクス ハーセン ニコラース
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Koninklijke DSM NV
EIDP Inc
Original Assignee
DSM NV
EI Du Pont de Nemours and Co
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Publication date
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07CACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
    • C07C67/00Preparation of carboxylic acid esters
    • C07C67/36Preparation of carboxylic acid esters by reaction with carbon monoxide or formates
    • C07C67/38Preparation of carboxylic acid esters by reaction with carbon monoxide or formates by addition to an unsaturated carbon-to-carbon bond

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ブタジエンのカルボニル化によりペンテノエ
ートエステルを製造する経済的な方法を提供する。 【解決手段】 一酸化炭素、アルコール、ならびにパラ
ジウム、カルボン酸およびホスフィン配位子からなり、
その際ホスフィン配位子は、橋状基が遷移金属のビス
(η−シクロペンタジエニル)配位基である二座ホスフ
ィン配位子でない触媒の存在下でブタジエンまたはブタ
ジエン誘導体のカルボニル化によりペンテノエートエス
テルを製造する方法において、前記前記カルボン酸がペ
ンテン酸であることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、一酸化炭素、アル
コール、ならびにパラジウム、カルボン酸およびホスフ
ィン配位子からなり、その際ホスフィン配位子は、橋状
基が遷移金属のビス(η−シクロペンタジエニル)配位
基である二座ホスフィン配位子でない触媒系の存在下で
ブタジエンまたはブタジエン誘導体のカルボニル化によ
りペンテノエートエステルを製造する方法に関する。
【0002】本発明によるカルボニル化反応は不飽和基
質、ヒドロキシ基を含有する反応体および一酸化炭素と
のすべての反応である。
【0003】
【従来の技術】米国特許第5028734号明細書に
は、パラジウム、置換または非置換の安息香酸および
1,4−ビス(ジフェニルホスフィノ)ブタンのような
多座ホスフィン配位子からなる触媒系を用いてブタジエ
ンのカルボニル化を実施する方法が記載されている。
【0004】米国特許第5028734号明細書の方法
の欠点は、触媒活性カルボン酸をアルコールと反応さ
せ、相当する触媒不活性エステルを形成することであ
る。酸共触媒の損失は不利である、それというのもこの
場合に全体的な触媒活性が低下し、ペンテノエートエス
テルに対する低い選択率を生じるからである。たとえば
連続的な方法においては、触媒活性が長い時間にわたっ
て一定の高い水準に維持されることが重要である。米国
特許第5028734号明細書の触媒系を活性に保つた
めには、多くのカルボン酸の消耗を生じる触媒系に新た
なカルボン酸を添加しなければならない。
【0005】米国特許第5028734号明細書により
カルボン酸として使用するのが有利な酸である置換され
た安息香酸は容易に入手できず、従って高価である。新
たな置換された安息香酸を添加する要求はこの方法を工
業的に大規模な設備に関して経済的に不利なものにす
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、ブタ
ジエンのカルボニル化によりペンタノエートエステルを
製造する経済的に有利な方法を提供することであった。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記課題は、本発明によ
り、カルボン酸がペンテン酸であることにより解決され
る。
【0008】酸共触媒としてペンテン酸を使用すると、
触媒活性が置換された安息香酸を使用する場合に匹敵す
ることが判明した。有利にはカルボン酸としてペンテン
酸だけを使用すると、アルコールと反応して本発明の生
成物(ペンテノエートエステル)が形成される。従って
反応混合物中に特別な副生成物、たとえば米国特許第5
028734号明細書に記載の方法の安息香酸エステル
が形成されない。これはたとえば生じる反応混合物中の
種々の成分の分離がより容易に行われるために有利であ
る。
【0009】もう1つの利点はカルボニル化中に失われ
るペンテン酸を補償するために必要な新たなペンテン酸
がたとえば分離工程でペンテノエートエステルの加水分
解により容易に得られることである。この形成されるエ
ステルの加水分解により新たなカルボン酸を得る方法は
米国特許第5028734号明細書に記載の形式の酸の
状態を使用する場合も可能である。しかしながらペンテ
ン酸を使用する利点は、加水分解されるエステルをたと
えば安息香酸エステルを使用する場合におけるようにペ
ンテノエートエステルから単離する必要がないことであ
る。従ってペンテン酸を使用する方法は経済的に有利な
方法で実施することができる。
【0010】更に少量の水の添加により前記の新たなペ
ンテン酸を供給する必要がないことが判明した。これを
以下に詳細に説明する。
【0011】“ブタジエン誘導体”という語は本発明に
よる方法でカルボニル化する場合に主要生成物としてペ
ンテノエートエステルまたはペンテン酸を生じる化合物
のことである。本願明細書においてはほかに記載されな
い限りブタジエンに関するすべての表現はブタジエン誘
導体を含む。本発明による方法を使用してブタジエンお
よびブタジエン誘導体の混合物をカルボニル化すること
が可能である。ブタジエン誘導体は本発明による方法で
容易にカルボニル化できるにもかかわらず、ブタジエン
がその入手可能性により有利である。ブタジエンは純粋
な形でまたは脂肪族化合物との混合物で使用することが
できる。この混合物の例は蒸気分解法で得られるC4
ット(留分)である。このC4カットはブタジエンに1
−ブテン、2−ブテンおよび/または異性体のブチンを
加えたものからなることができる。
【0012】有利なブタジエン誘導体は以下の一般式に
より表される。
【0013】 CH3−CH=CH−CH2−X (1) CH3−CHX−CH=CH2 (2) 式中、Xは1〜20個の炭素原子を有する有機基または
無機基を表す。適当な有機基の例は−OR4または−O
C(O)R基であり、式中のR4およびRはたとえ
ばC1−C6アルキル基、C2−C6アルケニル基、C6
14アリール基、C7−C14アラルキル基またはC7−C
14アルカリール基であってもよい。これらの基の例はメ
チル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチ
ル、t−ブチル、ペンチル、シクロペンチル、シクロヘ
キシル、ヘキシル、プロペニル、ブテニル、ペンテニ
ル、フェニル、ナフチル、ベンジル、トシルである。ほ
かの適当な有機基または無機基の例は−OH,−H2PO
4,−PR67,−NH−CO−R8,−NH2,および−S
9であり、R6,R7,R8およびR9はR4およびR5に関
して記載されたものを表すことができる。
【0014】ブタジエン誘導体には、たとえば1−メト
キシ2−ブテン、3−メトキシ1−ブテン、1−エトキ
シ2−ブテン、3−エトキシ1−ブテン、異性体のブテ
ニルペンテノエート、1−ブテン3−カーボネート、2
−ブテン1−カーボネート、3−ヒドロキシ1−ブテン
および1−ヒドロキシ2−ブテンが含まれる。アルコキ
シブテン、たとえばメトキシブテンの製造方法は米国特
許第4343120号明細書および米国特許第4590
300号明細書に記載されている。
【0015】本発明の方法に使用されるホスフィン配位
子は単座または多座ホスフィン配位子またはその混合物
であってもよい。
【0016】単座ホスフィン配位子を使用する場合は、
反応を有利には連続的にまたは半連続的に実施し、この
場合に全工程中で反応混合物中のブタジエンとパラジウ
ムのモル比が70:1より小さく、カルボン酸とパラジ
ウムのモル比が10:1より大きく、アルコールまたは
水とブタジエンのモル比が2:1より小さくなるように
反応体の量をほぼ維持する。有利にはブタジエン/パラ
ジウム比は1:1より大きく、より有利には2:1より
高い。前記の方法でカルボニル化を実施する場合にペン
テノエートエステルの高い選択率が得られることが判明
した。
【0017】この低いブタジエン/パラジウム比を達成
するために、ブタジエンを有利にはカルボニル化反応に
カルボニル化中に存在するパラジウム1モル当たり1時
間当たりブタジエン最高で150mlの速度で連続的に
供給する。より有利にはこの速度は160℃以下のカル
ボニル化温度でパラジウム1モル当たり1時間当たりブ
タジエン80モルより低い。
【0018】前記の反応体の量を有利にはほぼ全行程中
維持すべきである。“ほぼ全行程中”という表現は有利
には滞留時間で表現して工程の90%以上である。
【0019】単座ホスフィン配位子を使用する付加的な
利点は、形成されるペンテノエートエステル混合物中の
2−ペンテノエートエステルの量が米国特許第5028
734号明細書に記載の二座ホスフィン配位子を本発明
の方法に使用する場合より低いことである。“低い量”
とは全量のペンテノエートエステルに対して2−ペンテ
ノエートエステル10%未満の量である。これは前記混
合物をたとえば米国特許第5264616号明細書に記
載のロジウムベースの触媒系を用いてペンテノエートエ
ステルをヒドロホルミル化して末端の5−ホルミル吉草
酸エステルを形成することに使用する場合に有利であ
る。混合物中の2−ペンテノエートエステルは米国特許
第5264616号明細書から明らかなように5−ホル
ミル吉草酸エステルの選択率に関して反対の効果を有す
る。
【0020】単座ホスフィン配位子は有利には以下の一
般式(3):
【0021】
【化2】
【0022】で表される化合物であり、式中のR1,R2
およびR3はそれぞれ場合により置換された有機基を表
す。この有機基はC1−C20アルキル基、C2−C20アル
ケニル基、C6 18アリール基または4〜12個の炭
素原子を有する環式基であってもよく、この環式基の環
は1個以上のヘテロ原子、たとえば窒素を有する。アル
キル基には特にメチル、エチル、イソプロピル、t−ブ
チル、シクロヘキシルまたはシクロオクチルが含まれ
る。典型的なアルケニル基はブテニル基である。ヘテロ
原子を有する典型的な環式基には特に6−メチル−2−
ピリジルおよび4,6−ジメチル−2−ピリジルが含ま
れる。有利には少なくとも1個の有機基R1,R2および
3はC6−C16アリール基およびより有利にはC6−C
14アリール基である。アリール基にはたとえばナフチ
ル、フェニル、ベンジル、クメニル、メシチル、トリル
およびキシリルが含まれる。有機基はたとえばハロゲン
原子、たとえばCl,BrまたはFによりまたはC1−C
6アルキル基、C6−C18アリール基、C1−C6アルコキ
シ基、カルボキシ基、カルボアルコキシ基、アシル基、
トリハロゲンメチル基、シアノ基、ジアルキルアミノ
基、スルホニルアルキル基またはアルキルアルカノイル
オキシ基により置換されていてもよい。置換基は電子排
除特性または電子供与特性を有する基であってもよい。
【0023】単座ホスフィン配位子にはたとえばトリ−
p−トリルホスフィン、トリ−p−メトキシフェニルホ
スフィン、ジフェニルペンチルホスフィンまたはジメチ
ルフェニルホスフィンが含まれる。有利にはトリフェニ
ルホスフィンを使用する、それというのもこの化合物が
容易に入手できるからである。
【0024】方法を簡単にするためにペンテン酸のほか
にその他のカルボン酸が存在しないことが有利である。
その他のカルボン酸はアルコールと反応してエステル生
成物を形成することがあり、これがほかの処理を複雑に
する。触媒系の損失した酸の代わりに使用するために必
要な新たなペンテン酸は、有利には分離工程でカルボニ
ル化中に形成されるペンテノエートエステルの一部を加
水分解してペンテン酸を形成することにより製造するこ
とができる。こうして得られたペンテン酸を引き続くカ
ルボニル化に使用し、前記カルボニル化の触媒系に再利
用することができる。
【0025】この分離した加水分解は、たとえば水の存
在下でペンテノエートエステルを酸性イオン交換樹脂と
接触させることにより行うことができる。この接触はた
とえばオン・パーパス(on purpose)ユニット工程(特
別に設計された工程または装置)内でまたは反応器から
放出される反応混合物のほかの1種の成分からペンテノ
エートエステルを分離するために使用される1つの蒸留
カラム内で行うことができる。
【0026】カルボニル化反応への水の添加が連続法で
の安定したペンテン酸濃度を生じることが判明した。水
の量はカルボニル化中にペンテン酸の触媒活性水準を維
持するために十分でなければならない。必要な水の量は
カルボニル化中にエステル化により消費されるペンテン
酸の量に依存する。エステル化の速度は選択される反応
条件に依存し、反応器から放出される反応混合物の分析
により容易に決定することができる。
【0027】有利な多座ホスフィン配位子は以下の一般
式(4):
【0028】
【化3】
【0029】で表され、式中のnは2〜6であり、R5
は遷移金属の二価のビス(η−シクロペンタジエニル)
配位基でない2〜20個の炭素原子を有する多価の(原
子価はnである)有機橋状基を表し、R4およびR6はそ
れぞれ場合により置換された有機基を表す。有利には式
(4)においてnは2である。R4およびR6に関する有
機基はR1,R2およびR3に記載されたと同じものを表
す。式(4)における有機基の置換基は単座ホスフィン
配位子に記載されたと同じものを表す。
【0030】R5は有利には燐原子に直接結合する原子
の鎖がC原子,S原子,O原子,N原子および/またはS
i原子からなり、有利にはC原子のみからなる有機基で
ある。
【0031】二価の有機橋状基にはC2−C10アルキリ
デン基、たとえばエチレン、トリメチレン、テトラメチ
レン、ペンタメチレンまたはトランス−1,2−シクロ
ブテンおよびC6−C20二価アリーレン基、たとえばジ
ナフチルまたはジフェニルが含まれる。
【0032】二座ホスフィン配位子には、特に1,3−
ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン、1,4−ビス
(ジフェニルホスフィノ)ブタン、2,3−ジメチル−
1,4−ビス(ジフェニルホスフィノ)ブタン、1,4−
ビス(ジシクロヘキシルホスフィノ)ブタン、1,3−
ビス(ジ−p−トリルホスフィノ)プロパン、1,4−
ビス(ジ−p−メトキシフェニルホスフィノ)ブタン、
2,3−ビス(ジフェニルホスフィノ)−2−ブテン、
1,3−ビス(ジフェニルホスフィノ)−2−オキソプ
ロパン、2−メチル−2−(メチルジフェニルホスフィ
ノ)−1,3−ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパ
ン、2,2′−ビス(ジフェニルホスフィノ)ビフェニ
ル、2,3−ビス(ジフェニルホスフィノ)ナフタレ
ン、1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)シクロヘキ
サン、2,2−ジメチル−4,5−ビス(ジフェニルホス
フィノ)ジオキソラン、2,3−o−イソプロピリデン
−2,3−ジヒドロキシ−1,4−ビス(ジフェニルホス
フィノ)ブタン(DIOP)、トランス−1,2−ビス
(ジ(m−メチルフェニル)−ホスフィンメチル)シク
ロブタン、トランス−[(ビシクロ[2.2.1]−ヘプ
タン−2,3−ジイル)ビス(メチレン)]−ビス[ジ
フェニルホスフィン]、トランス−[(ビシクロ[2.
2.2]オクタン−2,3−ジイル)ビス(メチレン)]
−ビス[ジフェニルホスフィン]、トランス−1,2−
ビス(ジフェニルホスフィノ−メチル)シクロブタン
(DPMCB)、トランス−1,2−ビス(ジフェニル
−ホスフィンメチル)トランス−3,4−ビス(フェニ
ル)シクロブタンおよび2,2′−ビス(ジフェニルホ
スフィノ)−1,1′−ビナフチル(BINAP)が含
まれる。
【0033】ホスフィン配位子とパラジウムのモル比は
本発明の方法に使用される特定のホスフィン配位子に依
存する。この比は有利には1:1〜20:1である。多
座ホスフィン配位子に関してこの比は有利には1:1〜
10:1である。多座ホスフィン配位子を使用する場合
はこの比は有利には5:1より大きい。この比が高すぎ
る場合は触媒系の触媒作用は弱く、副生成物、たとえば
ビニルシクロヘキサンおよび高分子量生成物を形成する
ことがある。多座および単座ホスフィン配位子の両方が
カルボニル化中に同時に存在してもよい。
【0034】適当な液相が形成される量で過剰の1種の
反応体または(副)生成物を使用できるにもかかわら
ず、付加的な溶剤として原則的にすべての不活性溶剤が
適当である。(副)生成物の例はペンテノエートエステ
ル、C9−エステルおよび高沸点の副生成物である。溶
剤としてペンテン酸を使用することもできる。不活性溶
剤の例はスルホキシドおよびスルホン、たとえばジメチ
ルスルホキシド、ジイソプロピルスルホン、芳香族の溶
剤、たとえばベンゼン、トルエン、キシレン、エステ
ル、たとえば酢酸メチル、吉草酸メチル、ペンテノエー
トエステルおよびブチロラクトン、ケトン、たとえばア
セトンまたはメチルイソブチルケトン、エーテル、たと
えばアニソール、トリオキサノン、ジフェニルエーテル
およびジイソプロピルエーテルおよびこれらの溶剤の混
合物である。付加的な溶剤として有利にはジフェニルエ
ーテルを使用する。
【0035】パラジウムは反応混合物中に不均一なパラ
ジウム化合物としてまたは均一なパラジウム化合物とし
て存在してもよい。しかしながら均一系が有利である。
パラジウムはその場で二座配位子を有する錯体を形成す
るので、最初のパラジウム化合物の選択は一般に重要で
ない。均一なパラジウム化合物には、たとえば硝酸、ス
ルホン酸、12個以下の炭素原子を有するアルカンカル
ボン酸またはハロゲン(F,Cl,Br,I)化水素のパ
ラジウム塩が含まれる。金属パラジウムを使用すること
もできる。典型的な均一なパラジウム化合物にはPdC
2,PdBr2,PdI2,NaPdI4,K2PdL4,Pd
Cl2(ベンゾニトリル)2およびビス(アリルパラジウ
ムクロリド)が含まれる。適当なハロゲン不含のパラジ
ウム化合物のもう1つの群はパラジウム錯体、たとえば
パラジウムアセチルアセトネート(Pd(aca
c)2)、Pd(II)アセテート、硝酸パラジウム
(Pd(NO32),o−トリルホスフィンパラジウム
およびジ−パラジウム−トリス−(ジベンジリデンアセ
トン)Pd2(dba)3である。不均一パラジウム化合
物の例はイオン交換体、たとえばカルボン酸基を含有す
るイオン交換体上のパラジウム化合物である。カルボン
酸基を含有するイオン交換体は、アンバーライト(Ambe
rlite) IRC 50およびアンバーライト IRC 84(Rohm und
Haas)の商品名で市販されている。ほかの不均一触媒は
パラジウムが固定化されたホスフィンと錯体を形成する
(ホスフィンは触媒系の配位子である)担体触媒上の固
定化したホスフィンである。担体にはポリスチレン、ポ
リアクリルアミドまたはシリカが含まれる。
【0036】反応混合物中のパラジウム濃度は反応器体
積の単位当たりの反応速度が大きくなるために可能な限
り高いのが有利である。均一触媒系の上限は一般に反応
混合物中のパラジウムの可溶性により決定され、たとえ
ば前記の使用される特定のパラジウム化合物に依存す
る。この上限は当業者により容易に決定することができ
る。しかしながら本発明の方法は固体のパラジウム化合
物の存在下で均一触媒系を用いて実施してもよい。
【0037】ブタジエンのカルボニル化中に形成される
ペンテノエートエステルは実際には2−,3−および4
−ペンテノエートエステルの混合物である。本発明の方
法に使用されるペンテン酸は2−,3−または4−ペン
テン酸またはこれらの異性体のペンテン酸の任意の2種
または3種の混合物であってもよい。2−および3−ペ
ンテン酸およびエステルはそのシスおよびトランス配置
で存在する。
【0038】ペンテン酸とパラジウムのモル比は有利に
は10:1より大きく、より有利には20:1より大き
い。上限は理論的には存在しない。ペンテン酸はこの反
応において溶剤として用いることができる。実際に上限
は実際のパラジウム濃度の選択により決定する。パラジ
ウム濃度は有利にはすでに述べたように可能な限り高
い。本発明の方法においてペンテン酸が実際には全くカ
ルボニル化されないことが判明した。
【0039】アルコールはたとえば分子当たり1個以上
のOH基を含有する1〜20個の炭素原子を有する有機
化合物である。この有機化合物は脂肪族、脂環式または
芳香族化合物であってもよい。これらの化合物にはたと
えばフェノール、クレゾール、t−ブチルカテコールお
よびシクロヘキサノールが含まれる。有利にはアルコー
ルは脂肪族基Rが直鎖または分枝鎖状のアルキル基であ
る脂肪族アルコールである。有利にはアルキル基は1〜
6個の炭素原子を有する。これらの脂肪族アルコールは
式ROHで表されるアルカノールであってもよく、これ
にはメタノール、エタノール、プロパノール、イソプロ
パノール、ブタノール、t−ブタノール、ペンタノール
およびヘキサノールが例として挙げられる。最も有利に
はアルコールとしてメタノールまたはエタノールを使用
する。置換されたアルコール、たとえばエーテル置換さ
れたアルコールを使用することもでき、エチレングリコ
ールのメチルエーテルが例として挙げられる。
【0040】アルコールとブタジエンのモル比は広い範
囲で変動することができ、一般に10:1〜1:10で
ある。有利には反応混合物中のアルコール濃度をできる
だけ低く維持し、一方アルコールの量はブタジエンに対
して少なくとも化学量論的量である。アルコールの低い
濃度は大量の、たとえば付加的な溶剤またはカルボニル
化反応により形成される(副)生成物の存在下でカルボ
ニル化を実施することにより達成される。アルコールと
ブタジエンのモル比は有利には少なくとも1:1であ
り、有利には3:1より小さく、より有利には1.5:
1より小さい。
【0041】カルボニル化の温度は有利には25℃〜2
00℃である。より有利にはこの温度は80℃〜160
℃である。圧力はあまり重要でなく、一般に1MPa〜
20MPaであり、有利には2MPa〜10MPaであ
る。
【0042】一酸化炭素を純粋の形でまたは不活性ガ
ス、たとえば窒素、希ガスまたは二酸化炭素で希釈して
使用することができる。一般に5%より多い水素は好ま
しくない、それというのもこれがカルボニル化条件下で
ブタジエンの水素化を生じることがあるからである。一
酸化炭素の量はカルボニル化反応にブタジエンに対して
少なくとも化学量論的量の一酸化炭素が供給される場合
は重要でない。
【0043】カルボニル化はバッチ法で、半連続的にま
たは連続的に実施することができる。工業的な大規模の
工程においては連続的作業方法を使用することが有利で
ある。単座ホスフィン配位子を使用する場合は前記のよ
うに連続法が特に有利である。連続的に作動することに
より新たなブタジエンを触媒系にブタジエンの転化速度
に匹敵する速度で供給することができる。有利にはアル
コールを連続的に触媒系に前記のようにブタジエンに対
する有利な比で供給する。この方法で1時間当たりパラ
ジウム1モル当たりのブタジエンの合理的な転化および
ペンテノエートエステルに対する高い収率が達成され
る。この作動形式の例は連続的に撹拌される連続したタ
ンク反応器(CSTR)であり、ここでは触媒系、溶
剤、ブタジエンおよびアルコールを第一の反応器に本発
明の方法による有利な比で供給する。一酸化炭素をすべ
ての反応器に供給する。第一の反応器の流出物を第二の
反応器に供給する。新たなブタジエンおよびアルコール
を第二の反応器に適当な量および比で供給する。この操
作を引き続く反応器に対して繰り返す。連続したCST
Rの代わりにたとえばチューブ反応器を使用することが
でき、これにブタジエンおよびアルコールをチューブに
沿って中間の位置に供給する。
【0044】多座ホスフィン配位子からなる触媒系を用
いて実施する場合は前記の連続的方法を有利に使用する
ことができる。
【0045】本発明は、前記の本発明の方法によるブタ
ジエンまたはブタジエン誘導体のカルボニル化によりペ
ンテノエートエステルを製造する連続的方法に関し、こ
の方法は以下の工程を実施することからなる。
【0046】(a)一酸化炭素、アルカノール、触媒系
およびブタジエンまたはブタジエン誘導体を連続的に反
応器に供給し、反応器でカルボニル化を実施し、(b)
反応器の流出物から未反応の一酸化炭素、未反応のブタ
ジエンおよび未反応のアルコールを1個以上の分離工程
で分離し、この反応体を工程(a)に戻し、ペンテノエ
ートエステルを単離し、(c)工程(a)の触媒系を含有
する工程(b)の残留混合物を戻し、(d)分離工程でペ
ンテノエートエステルの一部をペンテン酸に加水分解
し、ペンテン酸を工程(a)に戻す。
【0047】有利には工程(b)の残留混合物の一部を
混合物から分離し、循環反応混合物中に高沸点の副生成
物の形成を回避するためにドレイン(パージ)に供給す
る。一般にパージ流はたとえばパラジウムおよび/また
はホスフィン配位子を回収するために再処理する。
【0048】工程(a)は種々の方法で、たとえば前記
のような連続的に撹拌されるタンク反応器内でまたはバ
ブルカラムで生成物を同時に液相から除去することによ
り実施することができる。
【0049】工程(c)の反応混合物から一酸化炭素、
ブタジエン、アルコールおよびアルキルペンテノエート
の分離は種々の方法で実施することができる。一般には
一酸化炭素をまず反応混合物からたとえば簡単な気−液
分離ユニット内で分離する。ブタジエン、アルコールお
よびペンテノエートエステルを反応混合物から1工程で
分離し、引き続きペンテノエートエステルをブタジエン
およびアルコールから単離することができる。有利には
ブタジエンおよびアルコールを反応混合物から分離工程
で分離し、引き続きペンテノエートエステルを残留する
反応混合物から単離する。種々の化合物の分離を種々の
方法で、たとえば簡単なフラッシュ操作によりまたは蒸
留により実施することができる。ユニット操作が最も適
当である選択性はたとえば分離される化合物の物理的特
性に依存する。
【0050】ペンテン酸またはペンテノエートエステル
はたとえばε−カプロラクタムおよびアジピン酸の製造
に中間化合物として、ナイロン−6およびナイロン−
6,6の製造に原料としてそれぞれ有利に使用すること
ができる。
【0051】
【実施例】本発明を以下の実施例により説明する。本発
明は実施例に限定されない。例に記載される転化率(co
nv.)、選択率(sel.)および活性(act.)は以下のよ
うに表される。
【0052】
【数1】
【0053】活性=1時間当たりPd1モル当たりの転
化したブタジエンの量(モル) 前記の転化率、選択率および活性の定義において、“転
化したブタジエン”という語は、カルボニル化反応条件
下で任意の方法で反応して2−,3−および4−ペンテ
ノエートを生成できない(副)生成物を反応して形成す
るブタジエンの量である。これらの(副)生成物はたと
えばブテン、ビニルシクロヘキセンおよび高沸点の生成
物、たとえばC9−高級炭化水素(heavies)(たとえば
ノナジエノエート)および高沸点の生成物である。反応
してペンテノエートを生じることができる中間生成物は
このリストから除外される。
【0054】例I Hastelloy Cからなる50mlParrオー
トクレーブに、連続的にPd(II)アセテート0.1
24g(0.552ミリモル)、1,4−ビス(ジフェニ
ルホスフィノ)ブタン0.957g(2.242ミリモ
ル)、3−ペンテン酸0.784g(7.84ミリモル)
および溶剤としてジフェニルエーテル10.13gを充
填した。オートクレーブを閉鎖し、一酸化炭素4.0M
Paで3回パージした。引き続きCO1.0MPaの圧
力下で1250rpmの速度で撹拌しながらメタノール
3.65g(114ミリモル)、ブタジエン5.805g
(108ミリモル)およびノナン0.480g(GC生
成物分析の国内基準)の混合物を圧力下で注入容器から
オートクレーブに注入した。6.0MPaのCO圧力下
で反応混合物の温度が140℃に上昇した。2.0時間
後反応を中断し、ブタジエンおよび反応生成物をガスク
ロマトグラフィー法により分析した。
【0055】転化率は75%であった。メチルペンテノ
エートに対する選択率は79%であり、活性は58hr
−1であった。3−ペンテン酸の46%がメチルエステ
ルに転化した。
【0056】比較例A 3−ペンテン酸の代わりに2,4,6−トリメチル安息香
酸を使用してPd当たり7モル当量で例Iを繰り返し
た。3.8時間後反応を中断した。
【0057】転化率は86%であった。メチルペンテノ
エートに対する選択率は87%であり、活性は39hr
−1であった。トリメチル安息香酸の23%がメチルエ
ステルに転化した。
【0058】例II Hastelloy Cからなる150mlParrオ
ートクレーブに、連続的にPd(II)アセテート0.
387g(1.73ミリモル)、1,4−ビス(ジフェニ
ルホスフィノ)ブタン2.86g(6.70ミリモル)、
3−ペンテン酸1.20g(12ミリモル)およびノナ
ン0.56g(GC生成物分析の国内基準)および溶剤
としてジフェニルエーテル32.40gを充填した。オ
ートクレーブを閉鎖し、一酸化炭素4.0MPaで3回
パージした。引き続きCO5.0MPaの圧力下で反応
混合物の温度が140℃に上昇し、その後ブタジエン、
メタノールおよび3−ペンテン酸の供給を、1時間当た
りそれぞれ130ミリモル,171ミリモルおよび7.8
ミリモルの一定の速度でGilsom model30
2ポンプを使用して開始した。2.8時間後反応を中断
し、ブタジエンおよび反応生成物をガスクロマトグラフ
ィー法により分析した。
【0059】転化率は79%であり、メチルペンテノエ
ートに対する選択率は82%であった。活性は50hr
−1であり、3−ペンテン酸の70%がメチルエステル
に転化した。
【0060】例III Pd当たり10当量の濃度で配位子としてトリフェニル
ホスフィンを使用して、および3−ペンテン酸10当量
を添加した後でそれぞれ1時間当たり40および48モ
ル/Pdモルの速度でブタジエンおよびメタノールを供
給することにより例IIを繰り返した。メタノールと一
緒に1時間当たりパラジウム当たり3−ペンテン酸4当
量をオートクレーブに供給した。5時間後反応を中断し
た。
【0061】転化率は81%であり、メチルペンテノエ
ートに対する選択率は88%であった。活性は29hr
−1であった。3−ペンテン酸の全量の44%がメチル
−3−ペンテノエートに転化した。
【0062】比較例B Hastelloy Cからなる50mlParrオー
トクレーブに、連続的にPd(II)アセテート0.0
5g(0.22ミリモル)、トリフェニルホスフィン0.
61g(2.32ミリモル)、2,4,6−トリメチル安
息香酸0.26g(1.6ミリモル)および溶剤としてジ
フェニルエーテル27.0gを充填した。オートクレー
ブを閉鎖し、一酸化炭素4.0MPaで3回パージし
た。引き続きCO1.0MPaの圧力下で1250rp
mの速度で撹拌しながらメタノール3.76g(118
ミリモル)、ブタジエン5.14g(95.3ミリモル)
およびノナン0.45g(GC生成物分析の国内基準)
の混合物を圧力下で注入容器からオートクレーブに注入
した。6.0MPaのCO圧力下で反応混合物の温度が
150℃に上昇した。5.0時間後反応を中断し、ブタ
ジエンおよび反応生成物をガスクロマトグラフィー法に
より分析した。
【0063】転化率は85%であった。メチルペンテノ
エートに対する選択率は21%であり、活性は16hr
−1であった。トリメチル安息香酸の9%がメチルエス
テルに転化した。
【0064】例IV Hastelloy Cからなる150mlParrオ
ートクレーブに、連続的にパラジウムアセテート0.4
3g(1.94ミリモル)、トリフェニルホスフィン5.
0g(19ミリモル)、3−ペンテン酸8.5g(85
ミリモル)およびノナン0.80g(GC生成物分析の
国内基準)を充填した。オートクレーブを閉鎖し、一酸
化炭素4.0MPaで3回パージした。引き続きCO4.
0MPaの圧力下で反応混合物の温度が140℃に上昇
し、その後ブタジエンを1時間当たり83ミリモルで供
給し、メタノールを1時間当たり83ミリモルで供給し
た。1時間後水2.3g(126ミリモル)を圧力下で
オートクレーブに注入した。圧力が6.0MPaに上昇
し、ブタジエンおよびメタノールの供給を最初の1時間
と同じ速度で継続した。添加2時間後反応を中断し、オ
ートクレーブの含有物をガスクロマトグラフィー法によ
り分析した。
【0065】転化率は80%であった。メチルペンテノ
エートに対する選択率は82%であった。3−ペンテン
酸の5%のみがメチル−3−ペンテノエートに転化し
た。
【0066】例V 例IVを繰り返した、ただし水をメタノールと一緒にそ
れぞれ1時間当たり54ミリモルおよび78ミリモルの
速度で連続的に供給した。ブタジエン供給は1時間当た
り78ミリモルであった。4時間後反応を中断した。
【0067】転化率は75%であり、メチルペンテノエ
ートに対する選択率は79%であった。3−ペンテン酸
の(ネット)エステル化は認められなかった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 オットー エリク シールケン オランダ国 シッタート フリークストラ ート 4 (72)発明者 フランク ペトルス ウィリブロード ア グターベルグ オランダ国 ニュースタット ゲルダース オーファークワルティール 9 (72)発明者 ニコラース フランシスクス ハーセン オランダ国 リムブリヒト リントイェス ハーグ 20

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一酸化炭素、アルコール、ならびにパラ
    ジウム、カルボン酸およびホスフィン配位子からなり、
    その際ホスフィン配位子は、橋状基が遷移金属のビス
    (η−シクロペンタジエニル)配位基である二座ホスフ
    ィン配位子でない触媒系の存在下でブタジエンまたはブ
    タジエン誘導体のカルボニル化によりペンテノエートエ
    ステルを製造する方法において、前記カルボン酸がペン
    テン酸であることを特徴とするペンテノエートエステル
    の製造方法。
  2. 【請求項2】 ペンテン酸とパラジウムのモル比が1
    0:1より大きい請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 アルコールとブタジエンまたはブタジエ
    ン誘導体とのモル比が1:1〜3:1である請求項1ま
    たは2記載の方法。
  4. 【請求項4】 アルコールがメタノールまたはエタノー
    ルである請求項1から3までのいずれか1項記載の方
    法。
  5. 【請求項5】 ペンテン酸エステルの一部をペンテン酸
    に加水分解し、こうして得られたペンテン酸をカルボニ
    ル化反応に再利用する請求項1から4までのいずれか1
    項記載の方法。
  6. 【請求項6】 カルボニル化中にペンテン酸の触媒活性
    水準を維持するために十分な量の水量が存在する請求項
    1から5までのいずれか1項記載の方法。
  7. 【請求項7】 ホスフィン配位子が単座ホスフィン配位
    子であり、カルボニル化を連続的にまたは半連続的に実
    施し、カルボニル化中に反応体の量をブタジエンまたは
    ブタジエン誘導体とパラジウムのモル比が70:1より
    小さく、アルコールとブタジエンまたはブタジエン誘導
    体のモル比が2:1より小さい程度にほぼ維持する請求
    項1から6までのいずれか1項記載の方法。
  8. 【請求項8】 ホスフィン配位子が式: 【化1】 [式中、nは2〜6であり、R5は2〜20個の炭素原
    子を有する多価有機橋状基を表し、該基中の燐原子に直
    接結合する原子の鎖はC原子,S原子,O原子,N原子お
    よび/またはSi原子からなり、R4およびR6はそれぞ
    れ置換されてもよい有機基を表す]の多座ホスフィン配
    位子である請求項1から7までのいずれか1項記載の方
    法。
  9. 【請求項9】 一酸化炭素、メタノールおよびエタノー
    ルからなる群から選択されるアルコールおよび触媒系の
    存在下で反応混合物中でブタジエンおよびブタジエン誘
    導体からなる群から選択される少なくとも1個の員のカ
    ルボニル化を実施し、その際前記触媒系がパラジウム、
    ホスフィン配位子およびペンテン酸の組み合わせである
    ことからなるペンテノエートエステルの製造方法におい
    て、前記カルボニル化中にペンテン酸とパラジウムのモ
    ル比が10:1より大きく、アルコールとブタジエンま
    たはブタジエン誘導体のモル比が1:1〜3:1である
    ことを特徴とするペンテノエートエステルの製造方法。
  10. 【請求項10】 (a)一酸化炭素、アルコール、触媒
    系およびブタジエンまたはブタジエン誘導体を連続的に
    反応器に供給し、該反応器中でカルボニル化を実施し、
    (b)未反応の一酸化炭素、未反応のブタジエンおよび
    未反応のアルコールを1個以上の分離工程で反応器の流
    出物から分離し、この反応体を工程(a)に戻し、かつ
    ペンテノエートエステルを単離し、(c)触媒系を含有
    する工程(b)の残留混合物を工程(a)に戻し、(d)
    ペンテノエートエステルの一部を分離工程でペンテン酸
    に加水分解し、工程(a)に戻すことからなる請求項9記
    載の方法。
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