JPH10231265A - α,β−不飽和アルデヒド類の製造方法 - Google Patents
α,β−不飽和アルデヒド類の製造方法Info
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- JPH10231265A JPH10231265A JP5198097A JP5198097A JPH10231265A JP H10231265 A JPH10231265 A JP H10231265A JP 5198097 A JP5198097 A JP 5198097A JP 5198097 A JP5198097 A JP 5198097A JP H10231265 A JPH10231265 A JP H10231265A
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Abstract
反応させて不飽和アルデヒドを製造する方法を提供す
る。 【解決手段】 パラジウム触媒の存在下にアセチレン性
化合物と一酸化炭素及び水素との反応を行う方法。
Description
デヒド類を製造する方法に関するものである。詳しく
は、新規な触媒の存在下に、アセチレン性化合物に一酸
化炭素及び水素を反応させるヒドロホルミル化反応によ
り、対応するα,β−不飽和アルデヒド類を製造する方
法に関するものである。
素を反応させて炭素が1つ多いアルデヒドを生成させる
ヒドロホルミル化反応は既知の反応であり、工業的にも
利用されているアルデヒド類の製造方法である。従来、
この反応を工業的に行うには、コバルト又はロジウムを
含む均一系触媒が用いられている。一方、アセチレン性
化合物と一酸化炭素及び水素との反応に上記のコバルト
又はロジウム触媒を用いた報告例もあるが、コバルト触
媒を用いた場合にはアセチレン化合物の三重結合の還元
反応が進行し、対応する飽和炭化水素が得られたり、飽
和のアルコールが得られる。ロジウム触媒を用いた場合
には、ホルミル基が導入された場合においても、期待さ
れるα,β−不飽和アルデヒドではなく、飽和のアルデ
ヒドが選択的に得られる(“New Synthese
s with Carbon Monoxide”,E
d.by Falbe,Springer−Verla
g(1980))。また、ロジウムを特殊な2座ホスフ
ァイトで修飾した錯体を用い、内部アセチレン性化合物
のヒドロホルミル化反応によりα,β−不飽和アルデヒ
ドを製造する方法が報告されている(J.R.John
son,G.D.Cuny,and S.L.Buch
wald,Angew.Chem.Int.Ed.En
gl.,34,1760(1995))。
ト触媒によりアセチレン性化合物を工業的に対応する
α,β−不飽和アルデヒド類に変換する方法は知られて
いない。また、ロジウム触媒を用いる場合には、特殊で
高価な配位子を使用する必要があり、実用的とは言えな
い。従って本発明は、より安価な触媒系を用いて、アセ
チレン性化合物のヒドロホルミル化反応により対応する
α,β−不飽和アルデヒド類を効率的に製造する方法を
提供しようとするものである。
第6族ないし第11族から選ばれる2種以上の金属を含
む触媒系の存在下に、アセチレン性化合物に一酸化炭素
及び水素を反応させて、対応する不飽和アルデヒドを製
造する方法を提案した(特願平8−322767号参
照)。本発明者はさらに検討の結果、周期表の第6族な
いし第11族の元素としてパラジウムを用いた場合に
は、他の金属元素を併用しなくても、アセチレン性化合
物に一酸化炭素及び水素を反応させて対応する不飽和ア
ルデヒドを生成する反応の触媒として有効に作用するこ
とを見出し、本発明を完成した。すなわち本発明によれ
ば、パラジウム触媒の存在下にアセチレン性化合物に一
酸化炭素及び水素を反応させて対応する不飽和アルデヒ
ドを製造することができる。
ると、本発明において反応原料として使用されるアセチ
レン性化合物とは、分子内にアセチレン性三重結合を少
なくとも一つ有する有機化合物であれば特に制限はな
く、例えば、アセチレン、プロピン、1−ブチン、2−
ブチン、1−ペンチン、2−ペンチン、3−メチルブチ
ン、1−ヘキシン、2−ヘキシン、3−ヘキシン、3,
3−ジメチル−1−ブチン等のヘキシン類、1−ヘプチ
ン、2−ヘプチン、3−ヘプチン等のヘプチン類、1−
オクチン、2−オクチン、3−オクチン、4−オクチン
等のオクチン類、1−ノニン、2−ノニン、4−ノニン
等のノニン類、1−デシン、5−デシン等のデシン類、
シクロドデシンのようなシクロアルキン類、フェニルア
セチレン、p−メトキシフェニルアセチレン、トリメチ
ルシリルアセチレン、ジフェニルアセチレン、トリメチ
ルシリルフェニルアセチレン、1−トリメチルシリル−
1−オクチン、1−トリメチルシリル−5−クロロ−1
−ペンチン、1,7−オクタジイン、シクロドデカ−
1,6−ジイン、ジプロパルジルエーテル、プロパルジ
ルアセテート、アセチレンジカルボン酸ジメチルエステ
ル等が用いられる。本発明で触媒調製に用いられるパラ
ジウム化合物は、次の一般式(1)で表される。
の価数は、0価ないし4価である。上記式(1)中、X
は同一または相互に異なる任意の無機若しくは有機の基
又は陰性原子を表し、nは0〜4の整数を表す。nの値
が0の場合にはパラジウム金属そのものを表す。金属は
そのままでも、又は担体に担持させて用いてもよい。担
体としては、例えばシリカ、ゼオライト、活性炭、モン
モリロナイト等が用いられる。
等の金属塩形成基が挙げられ、陰性原子としては酸素、
ハロゲン等が挙げられる。有機基としては、炭素数が通
常1〜30の各種の基が挙げられる。例えば、炭化水素
基、カルボニル基、アルコキシ基、カルボキシル基、β
−ジケトナート基、β−ケトカルボキシル基、β−ケト
エステル基及びアミド基等が用いられる。炭化水素基と
しては、置換基を有してもよいアルキル基、シクロアル
キル基、アリール基、アルキルアリール基、アラルキル
基、アルケニル基、シクロペンタジエニル基等が挙げら
れる。置換基としては、アルキル基、シクロアルキル
基、アルコキシ基、ジアルキルアミノ基、炭素数6〜2
0のアリール基、アリロキシ基等が挙げられる。
体からなる錯体も好適に使用することができる。電子供
与体としては、炭素−炭素不飽和結合を有する化合物、
窒素、酸素、リン、硫黄、又は砒素を含有する化合物の
中から選択されたものが用いられる。炭素−炭素不飽和
結合を有する化合物としては、オレフィン性化合物、ジ
エン類、アセチレン性化合物などが用いられ、例えばエ
チレン、1,5−シクロオクタジエン、ブタジエン、ア
セチレンジカルボン酸ジメチル、ジベンジリデンアセト
ン、ノルボルナジエン、ジシクロペンタジエン等が用い
られる。
ン、アミド等が用いられ、例えば、アセトニトリル、ベ
ンゾニトリル、ピリジン、ジメチルピリジン、2,2′
−ビピリジン、フェナンスロリン、ジメチルホルムアミ
ド、N−メチルホルムアミド、アニリン、ニトロベンゼ
ン、ジエチルアミン、イソプロピルアミン、ヘキサメチ
ルジシラザン、ピロリドン等が用いられる。
テル、ケトン、アルコール、アルデヒド等が用いられ、
例えば、エチルアセテート、メチルアセテート、テトラ
ヒドロフラン、ジオキサン、ジエチルエーテル、ジメト
キシエタン、ジグライム、トリグライム、アセトン、メ
チルエチルケトン、メタノール、エタノール、アセトア
ルデヒド等が用いられる。
スホルアミド、ヘキサメチルホスホラストリアミド、ト
リエチルホスファイト、トリフェニルホスファイト、ト
リブチルホスフィンオキシド、トリフェニルホスフィ
ン、トリブチルホスフィン、トリメチルホスフィン、メ
チルジフェニルホスフィン、ジフェニルメチルホスフィ
ン、トリシクロヘキシルホスフィン、トリ(o−トリ
ル)ホスフィン、トリ(p−トリル)ホスフィン、1,
2−ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン、1,3−ビ
ス(ジフェニルホスフィノ)プロパン、1,4−ビス
(ジフェニルホスフィノ)ブタン、1,5−ビス(ジフ
ェニルホスフィノ)ペンタン、1,2−ビス(ジメチル
ホスフィノ)エタン、ジフェニルホスフィノフェロセ
ン、2,2′−ビス(ジフェニルホスフィノ)−1,
1′−ビナフタレン等が用いられる。
メチルスルホキシド、テトラメチレンスルホン、チオフ
ェン、ジメチルスルフィド等が用いられ、砒素含有化合
物としては、トリフェニルアルシン、トリメチルアルシ
ン等が用いられる。触媒調製に用いられるパラジウム化
合物のいくつかを下記に例示する。
ム、硝酸パラジウム、硫酸パラジウム、臭化パラジウ
ム、ヨウ化パラジウム、酸化パラジウム、トリフルオロ
酢酸パラジウム、カリウムヘキサクロロパラデート、ナ
トリウムヘキサクロロパラデート、ジ−μ−クロロビス
(π−アリル)ジパラジウム、ビス(π−アリル)パラ
ジウム、ジクロロ(2,2′−ビピリジン)パラジウ
ム、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウ
ム、ジクロロビス(トリシクロヘキシルホスフィン)パ
ラジウム、ジクロロビス(トリメチルホスフィン)パラ
ジウム、ジクロロビス(トリブチルホスフィン)パラジ
ウム、ジクロロビス(ジメチルフェニルホスフィン)パ
ラジウム、ジクロロビス(ジフェニルメチルホスフィ
ン)パラジウム、ジクロロビス{トリ(o−トリル)ホ
スフィン}パラジウム、ジクロロビス{トリ(p−トリ
ル)ホスフィン}パラジウム、ジクロロ{1,2−ビス
(ジフェニルホスフィノ)エタン}パラジウム、ジクロ
ロ{1,3−ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン}
パラジウム、ジクロロ{1,4−ビス(ジフェニルホス
フィノ)ブタン}パラジウム、ジクロロ{1,5−ビス
(ジフェニルホスフィノ)ペンタン}パラジウム、ジク
ロロ(フェロセニルホスフィン)パラジウム、ヨウド
(フェニル)ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウ
ム、(π−アリル)ビス(トリフェニルホスフィン)パ
ラジウムヘキサフルオロホスフェート、(π−アリル)
ビス(トリシクロヘキシルホスフィン)パラジウムヘキ
サフルオロホスフェート、ジクロロビス(アセトニトリ
ル)パラジウム、ジクロロビス(ベンゾニトリル)パラ
ジウム、ジクロロ(1,5−シクロオクタジエン)パラ
ジウム、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジ
ウム、テトラキス(トリフェニルホスファイト)パラジ
ウム、ビス(トリシクロヘキシルホスフィン)パラジウ
ム、トリス(トリフェニルホスフィン)(カルボニル)
パラジウム、テトラキス(アセトニトリル)パラジウム
ビス(テトラフルオロボレート)、トリス(ジベンジリ
デンアセトン)ジパラジウム等が挙げられる。
位子を含むパラジウム化合物が好ましく、例えばジクロ
ロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム、ジクロ
ロビス(トリシクロヘキシルホスフィン)パラジウム、
ジクロロビス(トリメチルホスフィン)パラジウム、ジ
クロロビス(トリブチルホスフィン)パラジウム、ジク
ロロビス(ジメチルフェニルホスフィン)パラジウム、
ジクロロビス(ジフェニルメチルホスフィン)パラジウ
ム、ジクロロビス{トリ(o−トリル)ホスフィン}パ
ラジウム、ジクロロビス{トリ(p−トリル)ホスフィ
ン}パラジウム、ジクロロ{1,2−ビス(ジフェニル
ホスフィノ)エタン}パラジウム、ジクロロ{1,3−
ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン}パラジウム、
ジクロロ{1,4−ビス(ジフェニルホスフィノ)ブタ
ン}パラジウム、ジクロロ{1,5−ビス(ジフェニル
ホスフィノ)ペンタン}パラジウム、ジクロロ(フェロ
セニルホスフィン)パラジウム、テトラキス(トリフェ
ニルホスフィン)パラジウム、テトラキス(トリフェニ
ルホスファイト)パラジウム、ビス(トリシクロヘキシ
ルホスフィン)パラジウム、トリス(トリフェニルホス
フィン)(カルボニル)パラジウム、(π−アリル)ビ
ス(トリフェニルホスフィン)パラジウムヘキサフルオ
ロホスフェート、(π−アリル)ビス(トリシクロヘキ
シルホスフィン)パラジウムヘキサフルオロホスフェー
ト等を用いるのが好ましい。
の代りに、リン化合物とパラジウム化合物をそれぞれ別
々にヒドロホルミル化反応の反応帯域へ供給して、反応
の場でリン化合物とパラジウム化合物との錯体を形成さ
せてもよい。リン化合物としては、例えばトリメチルホ
スフィン、トリエチルホスフィン、トリイソプロピルホ
スフィン、トリブチルホスフィン、トリシクロヘキシル
ホスフィンのようなトリ(アルキル)ホスフィン類、ト
リフェニルホスフィン、トリ(o−トリル)ホスフィ
ン、トリ(p−トリル)ホスフィン、トリキシリルホス
フィンのようなトリ(アリール)ホスフィン類、ジメチ
ルフェニルホスフィン、ジフェニルメチルホスフィンの
ような混合ホスフィン類、1,2−ビス(ジフェニルホ
スフィノ)エタン、1,3−ビス(ジフェニルホスフィ
ノ)プロパン、1,4−ビス(ジフェニルホスフィノ)
ブタン、1,5−ビス(ジフェニルホスフィノ)ペンタ
ン、ジクロロ(フェロセニルホスフィン)パラジウム、
1,2−ビス(ジメチルホスフィノ)エタンのようなビ
スホスフィン類、トリメチルホスファイト、トリエチル
ホスファイト、トリフェニルホスファイト、トリナフチ
ルホスファイト等のホスファイト類、トリフェニルホス
フィンオキシド、トリシクロヘキシルホスフィンオキシ
ドのようなホスフィンオキシド類が用いられる。これら
のうち、ホスフィン類を用いるのが好ましい。
ウム原子に対しリン原子として0.1〜20倍、特に1
〜10倍用いるのが好ましい。反応系に添加するパラジ
ウム化合物の量は、触媒活性及び経済性等を考慮して決
定すればよいが、通常ヒドロホルミル化反応帯域におけ
る濃度がパラジウム金属換算で液相1リットルに対し、
0.05mg〜100g、好ましくは1mg〜50gの
範囲から選ばれる。
は不存在下のいずれでも行うことができる。溶媒として
は、例えばヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタン、オク
タン等の脂肪族炭化水素、ベンゼン、トルエン、キシレ
ン等の芳香族炭化水素、クロロホルム、塩化メチレン、
四塩化炭素、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン等のハ
ロゲン化炭化水素、テトラヒドロフラン、エーテル、ジ
オキサン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシ
ド、N,N′−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロ
リドン、N,N,N′,N′−テトラメチル尿素等の非
プロトン性極性溶媒、アセトン、メチルエチルケトン、
アセトフェノン等のケトン類、メタノール、エタノー
ル、イソプロパノール等のアルコール類等が用いられ
る。これらのうち、ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化
水素が好ましい。また、超臨界二酸化炭素や超臨界フル
オロホルムのような、超臨界条件下の媒体中で反応を行
うこともできる。
塩基性塩のような塩基性化合物が存在すると、反応速度
が向上する点で好ましい。アミン類としては、メチルア
ミン、エチルアミン、イソプロピルアミン、アニリンの
ような1級アミン化合物、ジメチルアミン、ジエチルア
ミン、ジイソプロピルアミン、ジブチルアミン、ピロー
ル、2,5−ジメチルピロール、ピロリジン、ピペリジ
ン、モルホリンのような2級アミン化合物、トリエチル
アミン、トリブチルアミン、N,N,N′,N′−テト
ラメチルエチレンジアミン、キヌクリジン、プロトンス
ポンジのような3級アミン化合物、ピリジン、キノリ
ン、イソキノリン、2,2′−ビピリジン、フェナンス
ロリン、ピリミジン等の含窒素芳香環化合物などが用い
られる。塩基性塩としては、炭酸ナトリウム、炭酸カリ
ウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウムのような
炭酸塩、フッ化カリウム等の無機塩、酢酸ナトリウム、
2−エチルヘキサン酸カリウム、安息香酸ナトリウム等
のカルボン酸塩が用いられる。またナトリウムメトキシ
ド、カリウム−t−ブトキシド等のアルコキシドや水酸
化ナトリウム、水酸化カルシウム等の水酸化物を用いる
こともできる。これらのうち、アミン類を用いるのが好
ましい。
物1モルに対し、0.01ないし100モルとなるよう
に用いられる。好ましくはアセチレン性化合物1モルに
対し0.1ないし50モル、特に0.5ないし10モル
となるように用いられる。本発明によるヒドロホルミル
化反応は、通常のオレフィンのヒドロホルミル化と同様
の条件で行うことができる。反応温度は室温〜350
℃、好ましくは50〜250℃の範囲から選ばれ、反応
圧力は、常圧〜300気圧、好ましくは5〜200気
圧、特に10〜150気圧の範囲から選ばれる。反応系
に供給する水素と一酸化炭素のモル比(H2 /CO)は
通常、20/1〜1/20、好ましくは6/1〜1/6
の範囲から選択される。反応は連続式でも回分式でも行
うことができ、反応装置としては、撹拌型反応槽や気泡
塔型反応槽など常用のものを用いることができる。反応
装置から抜出した反応液は、蒸留して生成したアルデヒ
ドを留出させる。パラジウム触媒を含む蒸留残渣は、触
媒液として反応系に循環することができる。
明するが、本発明はその要旨を越えない限り、以下の実
施例によって限定されるものではない。 実施例1 内容積50ミリリットルのステンレス製オートクレーブ
に、撹拌子及び0.1ミリモルのジクロロビス(トリシ
クロヘキシルホスフィン)パラジウムを入れ、内部を窒
素置換した。次いで窒素雰囲気下、これに5ミリモルの
4−オクチン、3ミリモルのトリエチルアミン及び5ミ
リリットルのベンゼンを入れオートクレーブを密閉し
た。ついでオートクレーブに一酸化炭素ガスを分圧が3
5kg/cm2 になるまで圧入し、さらに水素ガスを同
じく分圧が35kg/cm2 になるまで圧入した。これ
を150℃に昇温し、6時間反応を継続した。反応終了
後、オートクレーブを室温まで冷やし、内部のガスを放
出したのち液相を捕集し、ガスクロマトグラフを用いて
分析した。その結果、4−オクチンの転化率は84%で
あり、4−ホルミル−4−オクテンが83%、2−プロ
ピルヘキサナールが<1%の収率で生成していた。さら
に、(Z)−4−オクテンが<1%生成していた。
に、撹拌子及び0.05ミリモルのジコバルトオクタカ
ルボニル(Co2 (CO)8 )を入れ、内部を窒素置換
した。次いで窒素雰囲気下、これに5ミリモルの4−オ
クチン及び5ミリリットルのベンゼンを入れ、オートク
レーブを密閉した。ついでオートクレーブに水素ガス及
び一酸化炭素ガスをそれぞれの分圧が25kg/cm2
になるまで圧入した。これを150℃に昇温し、24時
間反応を継続した。反応終了後、オートクレーブを室温
まで冷やし、内部のガスを放出したのち液相を捕集し、
ガスクロマトグラフを用いて分析した。その結果、4−
オクチンの転化率は74%であり、4−ホルミル−4−
オクテンが2%の収率で生成していた。2−プロピルヘ
キサナールは生成していなかった。またZ−4−オクテ
ンが39%の収率で生成していた。
ンを用い、反応時間を5時間とした以外は、全て実施例
1と同様に反応を行った。その結果、ジフェニルアセチ
レンの転化率は94%であり、α−フェニルシンナムア
ルデヒドが77%、スチルベンが15%、1,2−ジフ
ェニルエタンが2%の収率で生成していた。
て、アセチレン性化合物のヒドロホルミル化反応によ
り、対応するα,β−不飽和アルデヒド類を効率的に製
造することが出来る。
Claims (4)
- 【請求項1】 パラジウム触媒の存在下に、アセチレン
性化合物を一酸化炭素及び水素と反応させて、対応する
α,β−不飽和アルデヒド類を生成させることを特徴と
するα,β−不飽和アルデヒド類の製造方法。 - 【請求項2】 パラジウム触媒がリン配位子を含むこと
を特徴とする請求項1に記載のα,β−不飽和アルデヒ
ド類の製造方法。 - 【請求項3】 塩基性化合物の存在下に、アセチレン性
化合物に一酸化炭素及び水素を反応させることを特徴と
する請求項1又は2に記載のα,β−不飽和アルデヒド
類の製造方法。 - 【請求項4】 塩基性化合物がアミン類であることを特
徴とする請求項3に記載のα,β−不飽和アルデヒド類
の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5198097A JP3959776B2 (ja) | 1996-12-20 | 1997-03-06 | α,β−不飽和アルデヒド類の製造方法 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP34147696 | 1996-12-20 | ||
JP8-341476 | 1996-12-20 | ||
JP5198097A JP3959776B2 (ja) | 1996-12-20 | 1997-03-06 | α,β−不飽和アルデヒド類の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10231265A true JPH10231265A (ja) | 1998-09-02 |
JP3959776B2 JP3959776B2 (ja) | 2007-08-15 |
Family
ID=26392577
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP5198097A Expired - Lifetime JP3959776B2 (ja) | 1996-12-20 | 1997-03-06 | α,β−不飽和アルデヒド類の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3959776B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN111943820A (zh) * | 2019-05-16 | 2020-11-17 | 四川大学 | 一种无合成气的简易高效合成α,β-不饱和醛的方法 |
-
1997
- 1997-03-06 JP JP5198097A patent/JP3959776B2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN111943820A (zh) * | 2019-05-16 | 2020-11-17 | 四川大学 | 一种无合成气的简易高效合成α,β-不饱和醛的方法 |
CN111943820B (zh) * | 2019-05-16 | 2022-02-01 | 四川大学 | 一种无合成气的简易高效合成α,β-不饱和醛的方法 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP3959776B2 (ja) | 2007-08-15 |
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