JP5894977B2 - グランドパッキン - Google Patents
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Description
前記紐状体2の側面2a〜2dにて露呈されている前記ヤーン1の交差角度αが、四つの前記側面2a〜2dのうちの互いに隣り合う側面どうしで異なる状態に編組されていることを特徴とする。
従って、ポンプのグランド部に装填する場合には、ステム(軸)と接触する面である内周面の平面度が従来に比べて改善され、シール性能を向上させることができる。つまり、更なる工夫によって、より漏洩し難いものとしてシール性を改善させることができる。
そして、グランドパッキンの側周面は、紐状体における交差角度の小さい側面で形成されるから、側周面での露出ヤーン長は長いものとなり、紐状体を丸めてグランドパッキンとする際に、側周面における径内側への撓みにより比較的明確な凹凸となる盛り上がりが生じる。この凹凸な盛り上がりが隣のグランドパッキンの側周面と咬み合いこととなり、互いに回り止め作用を生じるという効果も奏することができる。
本発明によるグランドパッキンGは、図1〜図3に示すように、複数のヤーン1を編組しての紐状体2によりなるとともに、角形の断面を有して断面におけるヤーン1の方向が対角線に平行となるように、かつ、ヤーン1の移動経路数が4に設定されている。そして、紐状体2の側面2a,2b,2c,2dにて露呈されているヤーン1の交差角度αが、四つの側面2a〜2dのうちの互いに隣り合う側面どうしで異なる角度a≠bに編組されている。
ヤーン1としては、アクリル系繊維、好ましくはアクリロニトリル酢酸ビニル共重合体からなる繊維を加撚りしてなるものが挙げられるが、これ以外でも良い。また、PTFEなどの固形潤滑剤や液体潤滑剤をヤーン1に含浸させても良い。
この紐状体2の製造は、36本の編み糸ボビン(ヤーン1が巻かれたボビン)3〜6が、複数の爪車(図示省略)などを介して、図5に示す移動経路w1〜w4を形成すべく設定された複数の所定経路上を順次移動するように構成された編組機(図示省略)を用いて行われる。
また、四つの側面22a〜22dのうち、互いに対向する2つの側面どうし(第1側面22aと第3側面22c、第2側面22bと第4側面22d)は互いに同じ模様(形状)となり、互いに隣り合う2つの側面(例:第1側面22aと第2側面22b)は互いに異なる模様(形状)となる。
図3(b)において、交差角度αは、角度c>角度dであり、第3側面2cと第4側面2dにおいて、互いに重合交差する箇所どうしの間におけるヤーン1の長さL(以下、露出ヤーン長Lと称する)は、第3側面2cの長さLcよりも第4側面2dの長さLdの方が明確に長い(Lc<Ld)ものとなっている。
sin(d)=(W/2)/L
つまり、L=W/{2sin(d/2)}
従って、角度d(ヤーンの交差角度α)を小さくすれば、露出ヤーン長Lは大きくなることが判る。
この場合、第2側面2bや第4側面2dは、ステム9の軸心P方向に向く状態、即ち、グランド押え10の端面10a又は隣のグランドパッキンGの第2側面2b又は第4側面2dに接触する状態になる。この場合、露出ヤーン長Lは、第1側面2aの長さ=第3側面2cの長さ<第2側面2bの長さ=第4側面2dの長さ、となる。
このように連続するヤーン1が角部13に配置されていることにより、角部13が保護されることや、ヤーン1が解けることが防止されるという作用効果が得られる。また、図4に示すように、ポンプのグランド部8にシール装置Sとして用いる場合、紐状体2を丸めて環状形状のグランドパッキンGとして挿入するが、この際に、角部13の撓みによる変形が防止される作用効果も得られる。
なお、図5や図6において、各移動経路w1〜w4は直線移動と半円移動との組み合わせに単純化して描いてあるが、実際は、図9〜図18に示すように、多数の歯車列12,7の組み合わせによる経路であり、各移動経路w1〜w4は、それぞれ円弧移動を交互に繰り返すような移動経路(移動軌跡)となる。図9〜図18においては、第2移動経路w2を実線で、かつ、第3移動経路w3を破線でそれぞれ示すものとする。
図10(b)は、第2,第3編み糸ボビン4,5のそれぞれが、図10(a)に示す第3位置から普通歯車12の1/5回転分移動した第4位置を示している。
図11(a)は、第2,第3編み糸ボビン4,5のそれぞれが、図10(b)に示す第4位置から普通歯車12の1/5回転分移動した第5位置を示している。
図11(b)は、第2,第3編み糸ボビン4,5のそれぞれが、図11(a)に示す第5位置から普通歯車12の1/5回転分移動した第6位置を示している。この第5位置から第6位置への移動により、第2,第3編み糸ボビン4,5は互いに交差する。
図12(b)は、第2,第3編み糸ボビン4,5のそれぞれが、図12(a)に示す第7位置から普通歯車12の1/5回転分移動した第8位置を示している。
図13(a)は、第2,第3編み糸ボビン4,5のそれぞれが、図12(b)に示す第8位置から普通歯車12の1/5回転分移動した第9位置を示している。
図13(b)は、第2,第3編み糸ボビン4,5のそれぞれが、図13(a)に示す第9位置から普通歯車12の1/5回転分移動した第10位置を示している。第6位置において交差した第2,第3編み糸ボビン4,5は、その第6位置の反対側(裏側)である第10位置に来たとき、第6位置におけるヤーン1の交差角度αが大きく〔例:図3(b)に示す角度c〕なる。第10位置は、第6位置から4ステップ(4/5回動)移動した位置であり、露出ヤーン長Lは比較的短いものとなる。
図14(b)は、第2,第3編み糸ボビン4,5のそれぞれが、図14(a)に示す第11位置から角歯車7の1/4回転分移動した第12位置を示している。
図15(a)は、第2,第3編み糸ボビン4,5のそれぞれが、図14(b)に示す第12位置から普通歯車12の1/5回転分移動した第13位置を示している。
図15(b)は、第2,第3編み糸ボビン4,5のそれぞれが、図15(a)に示す第13位置から普通歯車12の1/5回転分移動した第14位置を示している。
図16(b)は、第2,第3編み糸ボビン4,5のそれぞれが、図16(a)に示す第15位置から普通歯車12の1/5の1/4回転分移動した第16位置を示している。
図17(a)は、第2,第3編み糸ボビン4,5のそれぞれが、図16(b)に示す第16位置から普通歯車12の1/5回転分移動した第17位置を示している。
図17(b)は、第2,第3編み糸ボビン4,5のそれぞれが、図17(a)に示す第17位置から普通歯車12の1/5回転分移動した第18位置を示している。
図18(b)は、第2,第3編み糸ボビン4,5のそれぞれが、図18(a)に示す第19位置から普通歯車12の1/5の1/4回転分移動した第20位置を示している。
そして、図18(b)に示す第20位置から、第2,第3編み糸ボビン4,5のそれぞれが普通歯車12の1/5回転分移動すると、図9(a)に示す第1位置に戻る。この第1位置〜第20位置の移動が、第3側面2cにおける各移動経路w2,w3の1サイクルである。
これら図19〜図28においても、図9〜図18と同様に、各移動経路w1〜w4は、それぞれ円弧移動を交互に繰り返すような移動経路(移動軌跡)であり、第2移動経路w2は実線、第3移動経路w3は破線、ということも図9〜図18と同様とする。
図20(b)は、第2,第3編み糸ボビン4,5のそれぞれが、図20(a)に示す第3位置から普通歯車12の1/5回転分移動した第4位置を示している。この第3位置から第4位置への移動により、第2,第3編み糸ボビン4,5は互いに交差する。
図21(a)は、第2,第3編み糸ボビン4,5のそれぞれが、図20(b)に示す第4位置から普通歯車12の1/5回転分移動した第5位置を示している。
図21(b)は、第2,第3編み糸ボビン4,5のそれぞれが、図21(a)に示す第5位置から普通歯車12の1/5回転分移動した第6位置を示している。
図22(b)は、第2,図22(a)に示す第7位置から、第2編み糸ボビン4は普通歯車12の1/5回転分、第3編み糸ボビン5は角歯車7の1/4回転分それぞれ移動した第8位置を示している。
図23(a)は、第2,第3編み糸ボビン4,5のそれぞれが、図22(b)に示す第8位置から普通歯車12の1/5回転分移動した第9位置を示している。
図23(b)は、第2,第3編み糸ボビン4,5のそれぞれが、図23(a)に示す第9位置から普通歯車12の1/5回転分移動した第10位置を示している。
図24(b)は、第2,第3編み糸ボビン4,5のそれぞれが、図24(a)に示す第11位置から角歯車7の1/4回転分移動した第12位置を示している。
第4位置において交差した第2,第3編み糸ボビン4,5は、その第4位置の反対側(裏側)である第12位置に来たとき、より内側に向かう姿勢となる。これ即ち、第4位置におけるヤーン1の交差角度αが小さく〔例:図3(b)に示す角度d〕なる。第12位置は、第4位置から8ステップ(8/5回動)移動した位置である。この交差角度dは、第3側面2cの第6位置による交差角度cよりも小さく、従って、露出ヤーン長Lは第3側面2cの場合よりも明確に長くなる。
図25(b)は、第2,第3編み糸ボビン4,5のそれぞれが、図25(a)に示す第13位置から普通歯車12の1/5回転分移動した第14位置を示している。
図26(a)は、第2,第3編み糸ボビン4,5のそれぞれが、図25(b)に示す第14位置から普通歯車12の1/5回転分移動した第15位置を示している。
図26(b)は、第2,第3編み糸ボビン4,5のそれぞれが、図26(a)に示す第15位置から普通歯車12の1/5の1/4回転分移動した第16位置を示している。
図27(b)は、第2,第3編み糸ボビン4,5のそれぞれが、図27(a)に示す第17位置から、第2編み糸ボビン4は普通歯車12の1/5回転分、第3編み糸ボビン5は角歯車7の1/4回転分それぞれ移動した第18位置を示している。
図28(a)は、第2,第3編み糸ボビン4,5のそれぞれが、図27(b)に示す第18位置から普通歯車12の1/5回転分移動した第19位置を示している。
図28(b)は、第2,第3編み糸ボビン4,5のそれぞれが、図28(a)に示す第19位置から普通歯車12の1/5の1/4回転分移動した第20位置を示している。
そして、図28(b)に示す第20位置から、第2,第3編み糸ボビン4,5のそれぞれが普通歯車12の1/5回転分移動すると、図19(a)に示す第1位置に戻る。この第1位置〜第20位置の移動が、第4側面2dにおける各移動経路w2,w3の1サイクルである。
また、第3側面2cに相隣る第2及び第4側面2b,2d(側周面)においては、交差角度αを従来の角度(90度)より小さい角度b,d(図3参照)にすることができ、従って、露出ヤーン長Lを従来よりも長くすることができる。
2 紐状体
2a〜2d 第1〜第4側面
13 角部
α ヤーンの交差角度
Claims (5)
- 複数のヤーンを編組しての紐状体によりなるとともに、角形の断面を有して前記断面における前記ヤーンの方向が対角線に平行となるように、かつ、前記ヤーンの移動経路数が4に設定されているグランドパッキンであって、
前記紐状体の側面にて露呈されている前記ヤーンの交差角度が、四つの前記側面のうちの互いに隣り合う側面どうしで異なる状態に編組されているグランドパッキン。 - 四つの前記側面のうち、内周面となる側面の前記交差角度が、これに相隣る側周面となる側面の前記交差角度よりも大となるように前記紐状体を丸めてなる請求項1に記載のグランドパッキン。
- 四つの前記側面のうちの互いに対向する側面どうしにおいては、前記ヤーンの交差角度が互いに同じに設定されている請求項1又は2に記載のグランドパッキン。
- 前記紐状体における隣り合う前記側面どうしで形成される角部には、前記隣り合う側面どうしのうちの一方の前記側面から他方の前記側面へ連続するヤーンが配置されている請求項1〜3の何れか一項に記載のグランドパッキン。
- 前記ヤーンは潤滑剤が含浸されたものである請求項1〜4の何れか一項に記載のグランドパッキン。
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