JP5894916B2 - ホスウィッチ型熱中性子検出器 - Google Patents
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Description
放射線検出器は、断層撮影などの医療分野、非破壊検査(nondestructive inspection)などの工業分野、所持品検査などの保安分野、高エネルギー物理学などの学術分野等の多彩な応用分野を持っている。
シンチレーターの発光を検出する主流の方法は光子計数法である。光子計数法とは、光検出器によって光子の数を計数して光の量を測定する、感度の高い測光法である。光検出器で光子を受光した際に生じる電気信号を取り出し、増幅器や整形器を通した後に波高分析器で計数する。この時の電気信号の強さを波高と言う。
中性子線はエネルギーに応じて呼称があり、熱中性子(約0.025eV)、熱外中性子(約1eV)、低速中性子(0.03〜100eV)、中速中性子(0.1〜500keV)、高速中性子(500keV以上)に分類される。
中性子線検出器の主な検出対象はエネルギーの低い熱中性子である。高速中性子を検出する場合は、ポリエチレンなどの減速材を用いて、高速中性子を熱中性子まで減速させてから検出する方法が用いられる。例えば、熱中性子検出器を球形ポリエチレン減速材で覆ったレムカウンターやボナー球スペクトロメーターが使用されている。
固体中性子検出用シンチレーターを用いた熱中性子検出器は、代替技術として有力な候補の一つである。固体の熱中性子検出用シンチレーターは、リチウム6(6Li)を含有するものが主であり、6Liと中性子線との6Li(n,α)3H反応により発生する粒子線が有するエネルギーによってシンチレーター内の発光中心(luminescent center)が励起されて生じるシンチレーション光を検出に利用する。
6Li(n,α)3H反応の発生確率は、高速中性子に対しては著しく低いので、3Heガスを用いた中性子線検出器と同様に、主な検出対象はエネルギーの低い熱中性子である。従って、高速中性子を検出するためには、3Heガスを用いた中性子線検出器と同様に、減速材を併用することが必要である。減速材の併用により、熱中性子から高速中性子までの広範囲のエネルギーの中性子線を検出することが可能となる。
なお、本発明における発光量とは、放射線の励起によるシンチレーターの一回の発光における光子数の合計を励起源の放射線のエネルギーで割った値を示す。単位は、例えば、ガンマ線、α線励起の場合はphotons/MeVであり、中性子線励起の場合はphotons/neutronである。
しかし、6Li(n,α)3H反応[6Li+n→α+t+4.8MeV]による、熱中性子を検出する際の核反応から発生するエネルギーが一定であるのに対し、ガンマ線のエネルギーは測定環境によっては著しく高くなる場合がある。このため、どのような固体シンチレーターを用いても、ガンマ線励起時の検出信号の波高(pulse height)の方が熱中性子励起時の検出信号の波高よりも高くなる場合も起こり得る。そのため、固体シンチレーターは、ガンマ線の検出信号をどのように除去して熱中性子の検出信号だけを取り出すかが、共通の課題となっている。
熱中性子を検出対象とするホスウィッチ型検出器の検討例はほとんどないが、特許文献1では光学フィルターを用いアルファ線・ベータ線と熱中性子を弁別するホスウィッチ型検出器が報告されている。
また、本発明者らにより、Ceを含有するLiYF4単結晶(以下、LiYF4:Ceとも言う)とBGOを備えた熱中性子とガンマ線を弁別する新たなホスウィッチ型検出器が提案されている(非特許文献1)。更に、非特許文献1において、実験例はないものの、熱中性子検出用シンチレーターとしてCeを含有するLiCaAlF6単結晶(以下、LiCaAlF6:Ceとも言う)を、ガンマ線検出用シンチレーターとしてBGOを備えたホスウィッチ型検出器が実現できる可能性があると記載されている。
また、非特許文献1においては、熱中性子シンチレーターとしてLiCaAlF6:Ceを、ガンマ線検出用シンチレーターとしてBGOを備えたホスウィッチ型検出器が実現できる可能性があると推測されていた。しかしながら、これは誤りであり、予想に反してLiCaAlF6:CeとBGOの組み合わせではホスウィチ型検出器として動作しないことも判明した。
結局、熱中性子とガンマ線を弁別するホスウィッチ型検出器を実現する上での課題は、公知の従来技術では顕在化されて、解決されておらず、新たに課題を解決し、熱中性子とガンマ線を弁別するのに好適なホスウィッチ型検出器の構成を開発する必要があった。
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、ガンマ線と熱中性子の検出信号を弁別し、選択的に熱中性子由来の信号を取得するための熱中性子検出器を提供することを目的とする。
(1)熱中性子シンチレーターの発光量が1500photons/neutronを超える場合に、発光波長において量子効率が約25%の汎用の光電子増倍管でも、熱電子ノイズの影響のほとんどない波高で、熱中性子の検出ピークを得られる。
(2)ガンマ線検出用シンチレーターの光の透過端が、熱中性子シンチレーターの発光波長よりも短波長の場合に、熱中性子の検出信号が得られる。
(3)リチウム6(6Li)、ホウ素10(10B)、およびガドリウム(Gd)から選ばれる元素を合計量で10モル%以上含有しない、有効原子番号Zeffが30以上である無機単結晶シンチレーターを用いた場合に、ガンマ線を吸収しやすくなり、熱中性子とガンマ線との弁別を容易にする。若しくは、6Li、10B、およびGdから選ばれる元素を合計量で10モル%以上含有しない有機固体シンチレーターを用いた場合に、無機単結晶シンチレーターに比べて、十分な大きさを安価に得ることができるため、低いガンマ線吸収効率でも、厚みの効果によってガンマ線吸収率を増加させることができ、容易にガンマ線を弁別できる。
1500photons/neutronを超える発光量を有する熱中性子検出用シンチレーターと、該熱中性子検出用シンチレーターの発光波長よりも短波長に透過端を持つガンマ線検出用シンチレーターとを備え、
上記熱中性子検出用シンチレーターが、ガンマ線検出用シンチレーターでサンドイッチ状に挟まれた構造に構成され、
光検出器が、光電子増倍管であり、
該ガンマ線検出用シンチレーターが、6Li、10B、およびGdから選ばれる元素を10モル%以上含有しない有機固体シンチレーター、若しくは有効原子番号Zeffが30以上であって、6Li、10B、およびGdから選ばれる元素を10モル%以上含有しない無機単結晶シンチレーターであり、
前記電気信号解析部において、熱中性子検出用シンチレーターから発する蛍光とガンマ線検出用シンチレーターから発する蛍光との蛍光寿命の差によってガンマ線と熱中性子とを弁別して熱中性子を検出する
ことを特徴とする前記ホスウィッチ型熱中性子検出器が提供される。
上記ホスウィッチ型熱中性子検出器の発明において、
1)熱中性子検出用シンチレーターが、Euを含有するLiABF6結晶(AはCa、Sr、Ba、Mg、Mn、Ni、Zn、Cdから選ばれる少なくとも一種の元素、BはAl、Ga、Cr、Co、Fe、Ti、Vから選ばれる少なくとも一種の元素)であること、
2)ガンマ線検出用シンチレーターが、有効原子番号Zeffが30以上であって、6Li、10B、およびGdから選ばれる元素を10モル%以上含有しない無機単結晶シンチレーターであること
3)熱中性子検出用シンチレーターが、その周囲を全てガンマ線検出用シンチレーターで覆われている構造であること
が好適である。
光検出器1から得られた電気信号は、電気信号解析部6に入力し、熱中性子検出用シンチレーター及びガンマ線検出用シンチレーターの蛍光寿命に基づいて信号波形の解析を行い、熱中性子とガンマ線との信号を弁別する。また、信号の波高の統計分布を取ることで、波高分布スペクトルを得ることもできる。
使用する熱中性子検出用シンチレーターは、ガンマ線検出用シンチレーターとの組み合わせを考慮して選択しなければならず、詳細は後述する。
発光量が1500photons/neutron以下であると、熱中性子を照射して発光させた場合に、最も高感度な光検出器である光電子増倍管で受光した時、シンチレーターの発光による波高が低いため、光電子増倍管に由来する熱電子ノイズの波高と、シンチレーターの発光による波高とが同程度となり、十分に分離できなくなってしまう。通常、熱電子ノイズは、その波高が低いため波高に閾値を設定して除去されるが、熱中性子検出用シンチレーターの発光の波高が、熱電子ノイズの波高より低い場合は熱電子ノイズの除去の際に一緒に除去されてしまい、測定効率が悪くなる。
熱中性子が入射することが想定される方向に対する厚みは、熱中性子との核反応を起こす確率から決めることが好ましい。例えば、6Liを95%濃縮したLiCaAlF6の場合、0.025eVの熱中性子に対して6Liの吸収断面積が940バーンであることから、厚み2mmで約80%、厚み4mmで約95%の熱中性子と核反応を起こすことが計算される。そのため、90%以上の熱中性子を検出するには約4mm以上の厚みがあることが好ましい。
従って、ガンマ線検出用シンチレーター3は、熱中性子検出用シンチレーターの発光波長よりも短波長に透過端を持つことが必要である。例えば発光波長260nmのLiCaAlF6:Prと透過端の波長が300nmのBGOとの組み合わせは、本発明では使用できない。なお、物質の光の透過スペクトルを測定した場合、短波長では吸収が生じて透過できなくなるが、光が透過できる限界の波長が透過端である。
具体例を挙げると、前者の有機固体シンチレーターとしては、有機蛍光物質をポリビニルトルエン、ポリメチルメタアウリレート、ポリスチレンなどの透明プラスチック母材中に含有させたプラスチックシンチレーターが代表例である。該プラスチックシンチレーターは、例えば、サンゴバン社製BC400シリーズ、NEテクノロジー社製NE102Aなどの市販品を利用できる。
後者の無機単結晶シンチレーターとしては、BGO、Tlを含有するヨウ化ナトリウム単結晶(NaI:Tl)、ヨウ化セシウム単結晶(CsI)、Ceを含有するLu2SiO5単結晶(Lu2SiO5:Ce)、Ceを含有するLu1.8Y0.2SiO5単結晶(Lu1.8Y0.2SiO5:Ce)、Ceを含有する臭化ランタン単結晶(LaBr:Ce)、フッ化セリウム単結晶(CeF3)等が挙げられる。
無機単結晶シンチレーターの場合は、単結晶育成の困難さから、有機固体シンチレーターに比べ、安価に大きなシンチレーターを作製するのが難しい。このため、厚みが薄くてもガンマ線を十分に吸収できる物質である必要がある。具体的には、有効原子番号Zeffが30以上の無機単結晶が好ましい。
本発明において、有効原子番号とは、下式〔1〕で定義される指標であって、有効原子番号が大きいほど、光電吸収(photoelectric absorption)という、物質とガンマ線との相互作用が起こりやすい。光電吸収が起きた場合に得られる発光が、ガンマ線検出に用いられる。
本発明者らの検討によると、Zeffが30以上の無機単結晶であると、比較的容易に光電吸収が起こりやすく、ガンマ線の検出に好適に用いることができる。
有効原子番号Zeff=(ΣWiZi 4)1/4 〔1〕
(式中、Wi及びZiは、それぞれシンチレーターを構成する元素のうちのi番目の元素の質量分率及び原子番号である)
蛍光寿命が概ね一桁以上異なると、弁別がしやすくなり、好適である。具体的には数十ナノ秒と数百ナノ秒、数十ナノ秒と数マイクロ秒、数百ナノ秒と数マイクロ秒、等の組み合わせである。両者の蛍光寿命が異なることが重要で、ガンマ線検出用シンチレーターと熱中性子検出用シンチレーターのどちらの蛍光寿命が長くてもよい。その際、前記した、ガンマ線検出用シンチレーターが、熱中性子検出用シンチレーターの発光波長よりも短波長に透過端を持つことを満たす組み合わせを選択する必要がある。
電気信号解析部6には従来公知のホスウィッチ型検出器の読み出し回路が使用できる。光検出器1からの信号を取得し、発光の減衰時定数の差異を区別する機能を有する回路を用いる。得られた信号は波高の統計分布を取ることで、波高分布スペクトルを描画することができる。
本発明のホスウィッチ型検出器のシンチレーターとしては、熱中性子検出用シンチレーターとしてLiCaAlF6:Euを、ガンマ線検出用シンチレーターとしてBGOを用いた。
LiCaAlF6:Euは発光量がリチウムガラスの約3倍の約20000photons/neutronで十分であり、発光波長370nmである。BGOの透過端は300nmであって、LiCaAlF6:Euの発光波長より短波長である。BGOは有効原子番号が74の無機単結晶シンチレーターである。
まず、95%6LiF 269.7g、CaF2 784.0g、AlF3 903.5g、EuF3 42.8gをそれぞれ秤量し、よく混合して得られた混合原料を坩堝に充填した。原料を充填した坩堝を、可動ステージ上に設置し、その周囲にヒーター、及び断熱材を順次セットした。次にLiCaAlF6単結晶を6×6×30mm3の直方体形状で30mmの辺がc軸方向に沿うように切断、研削、研磨したものを種結晶とし、自動直径制御装置の先端に取り付けた。油回転ポンプ及び油拡散ポンプからなる真空排気装置を用いて、チャンバー内を5.0×10−4Paまで真空排気した後、四フッ化メタン−アルゴン混合ガスをチャンバー内に大気圧まで導入し、ガス置換を行った。
育成中、液面高さが一定となるよう調整するため可動ステージを適宜動かし、高周波コイルの出力を適宜調整しながら連続的に引き上げ、約70mmの長さとなったところで液面から切り離し、約48時間かけて冷却することで、直径55mm、長さ約70mmの、Euを含有するLiCaAlF6結晶を得た。
LiCaAlF6:Eu、並びにBGOから得られた信号を、縦軸に強度、横軸に時間をプロットした図を図3に示す。横軸の単位は1clock=160ナノ秒とした。「△」線が、LiCaAlF6:Euから得られた熱中性子に起因するスペクトルであり、「●」線が、BGOから得られたガンマ線に起因するスペクトルであり、明確に蛍光寿命の異なる波形が得られた。
図3から明らかに認識できるように、A値=波高(10clockでの波高)とB値=波高(20clockでの波高)を比較した場合、LiCaAlF6:Euから得られた熱中性子に起因するスペクトルでは、両値にほとんど差がない。一方、BGOから得られたガンマ線に起因するスペクトルでは、A値はB値の少なくとも二倍はある。従って、A値がB値の1.5倍を超える信号をBGO由来のガンマ線の信号として処理を行った。
得られたエネルギースペクトルから、上記処理で得られたBGO由来の信号を、ガンマ線の信号として選択的に除去した。信号選択除去をした場合と、しない場合の各波高分布スペクトルを図4に示す。図4より、熱中性子の検出ピークが明瞭に分離でき、ホスウィッチ型検出器として熱中性子とガンマ線を弁別できていることが分かる。
2 熱中性子検出用シンチレーター
3 ガンマ線検出用シンチレーター
4 反射材
5 遮光材
6 電気信号解析部
Claims (4)
- 二種類のシンチレーター、光検出器および電気信号解析部を有するホスウィッチ型熱中性子検出器において、
1500photons/neutronを超える発光量を有する熱中性子検出用シンチレーターと、該熱中性子検出用シンチレーターの発光波長よりも短波長に透過端を持つガンマ線検出用シンチレーターとを備え、
上記熱中性子検出用シンチレーターが、ガンマ線検出用シンチレーターでサンドイッチ状に挟まれた構造に構成され、
光検出器が、光電子増倍管であり、
該ガンマ線検出用シンチレーターが、6Li、10B、およびGdから選ばれる元素を10モル%以上含有しない有機固体シンチレーター、若しくは有効原子番号Zeffが30以上であって、6Li、10B、およびGdから選ばれる元素を10モル%以上含有しない無機単結晶シンチレーターであり、
前記電気信号解析部において、熱中性子検出用シンチレーターから発する蛍光とガンマ線検出用シンチレーターから発する蛍光との蛍光寿命の差によってガンマ線と熱中性子とを弁別して熱中性子を検出する
ことを特徴とする前記ホスウィッチ型熱中性子検出器。 - 熱中性子検出用シンチレーターが、Euを含有するLiABF6単結晶(AはCa、Sr、Ba、Mg、Mn、Ni、Zn、Cdから選ばれる少なくとも一種の元素、BはAl、Ga、Cr、Co、Fe、Ti、Vから選ばれる少なくとも一種の元素)であることを特徴とする請求項1に記載のホスウィッチ型熱中性子検出器。
- ガンマ線検出用シンチレーターが、有効原子番号Zeffが30以上であって、6Li、10B、およびGdから選ばれる元素を10モル%以上含有しない無機単結晶シンチレーターであることを特徴とする請求項1に記載のホスウッチ型熱中性子検出器。
- 熱中性子検出用シンチレーターが、その周囲の全部をガンマ線検出用シンチレーターで覆われた構造となすことを特徴とする請求項1に記載のホスウッチ型熱中性子検出器。
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