JP5888006B2 - 電子線照射量決定方法 - Google Patents
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Description
〔第1評価点を設定する工程および第2評価点を設定する工程〕
本発明において、第1評価点は設計パターンの輪郭線上に設定される。この一方で、第2評価点は、設計パターンの輪郭線(コーナーである角部を含む)の外側(非露光部)に設定される。これらの第1および第2の評価点において、照射される電子線の蓄積エネルギーが求められ、当該蓄積エネルギーの評価が行われる。
本発明において第1評価点であるPonを設定するための手法は、従来より実施されていた手法に準じて行うことができる。
本発明において第2評価点であるPoutを設定するための手法は以下のとおりである。第2評価点であるPoutは、前述したように設計パターンの輪郭線の外側(露光をしていない非パターン部)に、設けられる。
第1評価点判定操作は、通常、従来より行なわれている手法と同様であり、例えば、上記数式(1)を用いて求められた第1評価点Ponにおける蓄積エネルギーEonの値が、予め設定されている第1評価点判定基準値Edev(収束条件)を満たすか否かの判断が行われる。
(第2評価点判定操作)
第2評価点判定操作は、前述したように第2評価点Poutにおける蓄積エネルギーEoutの評価であって、前記第1評価点における蓄積エネルギーEonを基準として前記第1評価点から前記第2評価点に至るまでの前記レジスト面内における蓄積エネルギーのコントラストを考慮することによって行われる。具体的な蓄積エネルギーのコントラストは、第1評価点における蓄積エネルギーEonをベースにして求めることができる。なお、本発明でいうコントラストとは、広義に解釈される用語として用いており、コントラストは、比率で設定する場合および変化率で設定する場合、いずれも含まれるものである。
本発明の照射量補正工程を有する電子線照射量決定方法のフローの一例を図8を参照しつつ説明する。なお、図8に示されるフロー全体をいわゆる近接効果補正と称することができる。
(1)ステップS1
ステップS1において、設計パターンに基づく露光パターンの設定が行われる。
基本として、設計パターンを得るべく露光パターンが定められる。
設計パターンと露光パターンとは実質的に同様なパターンに設定してもよい。
ステップS2において、露光パターンを構成している図形の分割が行われる。分割手法として、その一例が図1(A)や、図1(B)に示されるが、これらの図面に示される形態に限定されるものではなく、露光ショットの大きさや、後述する各評価点における適切な評価が行えること等を考慮して分割手法を適宜決定することができる。
ステップS3において、第1評価点であるPonの設定が行われる。
ステップS4において、各露光ショットの最適露光量を算出する操作が行なわれる。
各露光ショットとは、図形分割された各々一区画のことであり、この一区画内には均一な露光量が与えられる。
ステップS5において、第1評価点Ponにおける蓄積エネルギーを算出する操作が行なわれる。
ステップS6において、第1評価点判定操作が行なわれる。すなわち、第1評価点Ponにおける蓄積エネルギーEonが、予め設定されている第1評価点判定基準値Edev(収束条件)を満たすか否かの判断が行われる。つまり、設計パターンの輪郭線上の各評価点Ponにおける蓄積エネルギーEonが収束条件を満たすか否かの判断が行われ、全ての評価点Ponにおいて収束条件を満たす場合(Yesの場合)、次なるステップS7に進むことができる。
ステップS7において、第2評価点であるPoutの設定が行われる。
具体的な手法としては、前述した「第2評価点であるPoutの設定手法」を参考にされたい。第2評価点であるPoutは、前述したように設計パターンの輪郭線上に配置されている第1評価点であるPonに対応して設計パターンの輪郭線の外側に設けられ、1つの第1評価点Ponに対して1つの第2評価点Poutが設定される。
ステップS8において、第2評価点Poutにおける蓄積エネルギーを算出する操作が行なわれる。
前述したようにEID(Energy Intensity Distribution)関数と呼ばれる2つのガウス分布の和で表わされる式を用いて第2評価点Poutにおける蓄積エネルギーを算出する操作が行なわれる。蓄積エネルギーを算出する操作自体、従来より行なわれていたものを用いることができる。
ステップS9において、第2評価点判定操作が行なわれる。前述したように第2評価点判定操作は、第2評価点Poutにおける蓄積エネルギーEoutの評価であって、第1評価点における蓄積エネルギーEonを基準として前記第1評価点から前記第2評価点に至るまでの前記レジスト面内における蓄積エネルギーのコントラストを考慮することによって行われる。具体的な蓄積エネルギーのコントラストは、第1評価点における蓄積エネルギーEonをベースにして求めることができる。第2評価点判定基準値(収束条件)の与え方は、上述した「第2評価点判定基準値(収束条件)の与え方の例示」を参照されたい。
次いで、本発明の照射量補正工程を有する電子線照射量決定方法の他のフローを図9を参照しつつ説明する。なお、図8と同様に図9に示されるフロー全体をいわゆる近接効果補正と称することができる。
特に、上記ステップS4で示される各露光ショットの最適露光量を算出する操作に関連するものであって、設計パターンの輪郭線の近傍における蓄積エネルギーのコントラストを向上させるための手法について、以下2つのケースに分けて説明する。
「間隔が小さい場合」とは、上記の「幅、間隔が大きい場合」における隣接する設計パターンの間隔を満たさず、小さい場合である。このような場合、隣り合うパターンの前方散乱、ビームブラーによる蓄積エネルギーの干渉によって、設計パターンの輪郭線における蓄積エネルギーコントラストが低下する傾向にある。
図14には、上述した本発明の電子線照射量決定方法を実施するためのシステム100(ブロック図)の一例が示される。処理ユニット101内には、入力部102、記憶部103、近接効果補正計算部104、描画フォーマット変換部105、出力部106が備えられており、処理ユニット101の外部には入力装置99、出力装置110が接続されている。
図10(A)は、本発明の実施例として表示した設計パターンの平面図であって、寸法100μm×100μmの正方形の大図形パターン200と、この正方形の大図形パターン200の一辺に沿って、20nmの間隔を空けた状態で幅20nm、長さ100μmの長細い長方形の小図形パターン300を隣設させた状態を示す平面図である。
図11(A)は、比較例として表示した設計パターンの平面図であって、寸法100μm×100μmの正方形の大図形パターン200と、この正方形の大図形パターン200の一辺に沿って、20nmの間隔を空けた状態で幅20nm、長さ100μmの長細い長方形の小図形パターン300を隣設させた状態を示す設計パターンの平面図である。
上記の実施例および比較例で示される露光量変調に基づいて電子線シュミレーションソフト(みずほ情報総研株式会社、 FabMeister-EL)を用いて、図12(A)に示されるαーβ間における蓄積エネルギーの分布を計算した。その計算結果を図12(B)に示した。図12(A)は、上述した図10(A)および図11(A)と同様の図面であって、寸法100μm×100μmの正方形の大図形パターン200と、この正方形の大図形パターン200の一辺に沿って、20nmの間隔を空けた状態で幅20nm、長さ100μmの長細い長方形の小図形パターン300を隣設させた状態を示す設計パターンの平面図である。
11…輪郭線
Pon…第1評価点
Pout…第2評価点
Claims (8)
- 電子線感応性のレジストに対して設計パターンに基いて電子線を照射する際に、電子線の照射量を決定する方法であって、
設計パターンの輪郭線上に、照射される電子線の蓄積エネルギーを評価する第1評価点を設定する工程と、
設計パターンの輪郭線の外側に、照射される電子線の蓄積エネルギーを評価する第2評価点を設定する工程と、
前記第1評価点および前記第2評価点におけるそれぞれの蓄積エネルギーを求め、これらの蓄積エネルギーを評価して、当該評価に基づいて、電子線の照射量を補正する照射量補正工程と、を有し、
前記照射量補正工程は、前記第2評価点における蓄積エネルギーの評価であって、前記第1評価点における蓄積エネルギーを基準として前記第1評価点から前記第2評価点に至るまでの前記レジスト面内における蓄積エネルギーのコントラストを考慮した第2評価点判定基準値に基づく第2評価点判定操作を含むとともに、前記第2評価点判定操作よって第2評価点判定基準値を満たさないと判断された場合に操作される最適露光量算出操作、を含むことを特徴とする電子線照射量決定方法。 - 前記照射量補正工程は、前記第1評価点における蓄積エネルギーの評価であって、前記第1評価点における蓄積エネルギーが第1評価点判定基準値(収束条件)を満たすか否かの第1評価点判定操作を含み、
当該第1評価点における蓄積エネルギーの評価は、前記第2評価点における蓄積エネルギーの評価の前に行われる請求項1に記載の電子線照射量決定方法。 - 前記照射量補正工程は、前記第1評価点判定操作よって第1評価点判定基準値を満たさないと判断された場合に操作される最適露光量算出操作、を含む請求項2に記載の電子線照射量決定方法。
- 前記第2評価点は設計パターンの輪郭線の接線に対する法線上に配置され、
前記第1評価点および前記第2評価点は前記法線上に存在する請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の電子線照射量決定方法。 - 前記設計パターンは多角形であり、多角形の頂角の2等分線上に前記第1評価点および前記第2評価点が配置される請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の電子線照射量決定方法。
- 電子線感応性のレジストに対して設計パターンに基いて電子線を照射する方法であって、
設計パターンの輪郭線上に、照射される電子線の蓄積エネルギーを評価する第1評価点を設定する工程と、
設計パターンの輪郭線の外側に、照射される電子線の蓄積エネルギーを評価する第2評価点を、1つの前記第1評価点に対して1つの前記第2評価点がレジストパターン寸法誤差の所定の許容値以下の距離で位置するように、設定する工程と、
前記第1評価点および前記第2評価点におけるそれぞれの蓄積エネルギーを求め、前記第1評価点から前記第2評価点に至るまでの前記レジスト面内における蓄積エネルギーのコントラストが所定の許容値を満たす条件下で電子線を前記レジストに照射する電子線照射工程と、を有する電子線照射方法。 - 電子線感応性のレジストに対して設計パターンに基いて電子線を照射する際に、電子線の照射量を決定するシステムであって、
設計パターンの輪郭線上および設計パターンの輪郭線の外側に、照射される電子線の蓄積エネルギーを評価する第1評価点および第2評価点を、1つの前記第1評価点に対して1つの前記第2評価点がレジストパターン寸法誤差の所定の許容値以下の距離で位置するように、それぞれ設定する評価点設定部と、
前記第1評価点および前記第2評価点におけるそれぞれの蓄積エネルギーを求め、前記第1評価点から前記第2評価点に至るまでの前記レジスト面内における蓄積エネルギーのコントラストに基づいて電子線の照射量を適宜補正する照射量補正部と、を有する電子線照射量の決定システム。 - 前記照射量補正部は、露光量の算出操作部、蓄積エネルギー算出部、および蓄積エネルギーのコントラストの算出部を含み、
前記蓄積エネルギーのコントラストが所望の値に達していない場合には、前記露光量の算出操作部において露光量の算出操作が再度行なわれ、
その後、蓄積エネルギー算出部において前記第1評価点および前記第2評価点におけるそれぞれの蓄積エネルギーが求められ、前記蓄積エネルギーの変化割合の算出部において前記第1評価点から前記第2評価点に至るまでの前記レジスト面内における蓄蓄積エネルギーのコントラストが求められる請求項7に記載の電子線照射量の決定システム。
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