JP5887914B2 - スタータ - Google Patents
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Description
例えば、図6に示すように、スタータ100は、モータ102の駆動トルクが伝達される出力軸103と、出力軸103とともに回転するピニオン104を有するとともに、出力軸103の外周に装着され、出力軸103に対して軸方向に摺動自在に支持されるピニオン移動体105と、ピニオン移動体105に装着され、シフトレバー106が係合するレバー係合部材107を備える。
そして、シフトレバー106の駆動によってピニオン移動体105が出力軸上で反モータ側に押し出される。
しかしながら、スナップリングはピニオン移動体105と共に回転するため、ピニオン移動体105が高速回転する際に、遠心力の作用により、スナップリングの開口が開き、スナップリングがピニオン移動体105から脱落する虞がある。
請求項1に記載のスタータは、トルクを発生するモータと、このモータの回転軸と同一軸線上に配置されて、モータの駆動トルクが伝達される出力軸と、出力軸とともに回転するピニオンを有するとともに、出力軸の外周に装着され、出力軸に対して軸方向に摺動自在に支持されるピニオン移動体と、電磁石の吸引力によりシフトレバーを駆動し、このシフトレバーを介して、ピニオン移動体を出力軸に対して反モータ方向へ押し出す電磁ソレノイドと、ピニオン移動体の外周に相対回転自在に嵌合し、シフトレバーが係合するレバー係合部材と、レバー係合部材のピニオン移動体に対する軸方向への移動を規制するストッパとを備える。
また、ストッパは、周方向の1箇所に開口を有するリング状を呈し、開口が広がるように弾性変形させながら嵌合部に装着されている。
そして、レバー係合部材とストッパとの間には、互いの係合により、ストッパの回転を所定角度範囲に規制し、遠心力による開口の拡開を抑制する規制部が設けられている。
請求項2に記載のスタータによれば、規制部は、ストッパの回転を規制する。すなわち、規制部はストッパがピニオン移動体と共に一切回転しないようにストッパの回転方向の移動を規制する。
これによれば、ストッパがピニオン移動体と連れ回りしないため、遠心力によってストッパが変形及び脱落する虞がなくなる。
請求項3に記載のスタータによれば、ストッパとレバー係合部材との間には、径方向に延びる凹凸形状によってストッパとレバー係合部材とが係合する凹凸係合部が設けられている。
そして、凹凸係合部が、規制部として機能し、ストッパとレバー係合部材とが回転方向に面接触可能に形成されている。
請求項4に記載のスタータによれば、凹凸係合部は、ストッパの開口の径方向反対側に設けられている。
ストッパの組み付け時に開口を開くと、ストッパは変形するが、開口の径方向反対側の部分は最も開口による変形量が小さい箇所である。
そこで、開口の径方向反対側に凹凸係合部を設けることで、変形による凹凸係合部の干渉を気にすることなく、ストッパの組み付けを容易にすることができる。
請求項5に記載のスタータによれば、規制部は、回転方向の1箇所のみに設けられている。
これによれば、最低限の規制部でストッパの回転を止める構造となるため、構造を簡素化でき、製造コストを低減することができる。
請求項6に記載のスタータによれば、規制部は、回転方向の複数箇所に設けられている。
これによれば、複数個の規制部でストッパの回転を止めるため、1つ当たりの規制部に加わる負荷が小さくなり、耐久性を向上させることができる。
実施例1を図1、図2(a)を用いて説明する。
スタータ1は、図1に示す様に、トルクを発生するモータ2、このモータ2の回転を減速する減速装置3、この減速装置3の出力側にクラッチ4を介して連結される出力軸5、この出力軸5の外周に嵌合するとともに、軸方向反モータ側(図示左側)の端部にピニオン6を有するピニオン移動体7、電磁石の吸引力によってシフトレバー8を駆動し、このシフトレバー8を介して、ピニオン移動体7を出力軸5に対して押し出す働きを有すると共に、後述するメイン接点を開閉してモータ2の通電電流を断続する電磁スイッチ9等より構成される。なお、以下の説明では、クラッチ4より軸方向モータ側(図示右側)を後端側、軸方向反モータ側を前端側と定義し、電磁スイッチ9の作動によってピニオン移動体7が出力軸5に対して押し出される方向(図示左方向)を反モータ方向、ピニオン移動体7が押し戻される方向をモータ方向と定義する。
減速装置3は、電機子軸2bの反整流子側(図示左側)に形成される太陽歯車3aと、この太陽歯車3aと同心に配置されるリング状の内歯車3bと、太陽歯車3aと内歯車3bとに噛み合う複数(例えば3個)の遊星歯車3cとで構成され、太陽歯車3aの回転に伴って、遊星歯車3cが自転運動と公転運動を行う遊星歯車減速機である。
出力軸5には、図1に示す様に、外周面に雄ヘリカルスプライン5aが形成されている。
そして、ピニオン移動体7は、出力軸5の外周にヘリカルスプライン嵌合しており、出力軸5はピニオン移動体7を貫通し、先端がハウジング16に軸受けされている。すなわち、本実施例のスタータ1はピニオン6の軸方向両側で軸受けされる両持ちタイプである。
レバー係合部材20は、樹脂により形成されており、小径筒部7aの外周に嵌合するカラー21と、カラー21と一体に樹脂成形されてシフトレバー8の端部が係合するレバー係合部22とを有する。
カラー21は、小径筒部7aが貫通する貫通穴を有するリング部21aと、リング部21aの外周縁から軸方向後端側へ筒状に延びる筒部21bとを有する。
そして、リング部21aの軸方向前端側への移動は、ピニオン6の後端面により規制されている。
次に、スタータ1の作動を説明する。
ユーザにより始動スイッチ(図示せず)が閉操作されると、バッテリより電磁スイッチ9のソレノイドの励磁コイルに通電されて電磁石が形成され、その電磁石に吸引されてプランジャが移動する。
このプランジャの動きがシフトレバー8及びレバー係合部材20を介してピニオン移動体7に伝達される。これにより、ピニオン移動体7は、ヘリカルスプラインの作用で出力軸上を回転しながら反モータ方向へ押し出され、ピニオン6がリングギヤGに噛み合わされる。
そして、電磁スイッチ9においてメイン接点が閉じると、バッテリより電力の供給を受けてモータ2にトルクが発生する。モータ2の発生トルクは、減速装置3で増幅された後、クラッチ4を介して出力軸5に伝達され、さらに、出力軸5からピニオン移動体7に伝達されることで、ピニオン移動体7が回転する。これにより、モータ2の発生トルクがピニオン6からリングギヤGに伝達されて、エンジンをクランキングする。
本実施例によれば、レバー係合部材20は、スナップリング25と係合してスナップリング25の回転を所定角度範囲に規制する規制部を有する。
具体的には、スナップリング25とレバー係合部材20との間には、径方向に延びる凹凸形状によって係合する凹凸係合部30が設けられており、この凹凸係合部30が規制部として機能する。
しかし、本実施例では、凹凸係合部30によりスナップリング25はレバー係合部材20に対して静止状態となる。レバー係合部材20は、ピニオン移動体7と相対回転自在に配されるとともに、シフトレバー8が係合しているため、ピニオン移動体7が回転しても回転しない。
このため、スナップリング25は、ピニオン移動体7が回転しても、レバー係合部材20により回転を規制される。
本実施例によれば、レバー係合部材20のストッパとして機能するスナップリング25は、ピニオン移動体7が回転しても、レバー係合部材20により回転を規制される。
このため、スナップリング25に遠心力が加わりにくくなるため、遠心力によるスナップリング25の変形は抑制され、スナップリング25の脱落の虞がなくなる。
これによれば、スナップリング25の回転規制は面接触によりなされるため、点接触の場合と比べ、磨耗が少なく、耐久性に優れる。
例えば、凸部31がスナップリング25の開口25aから回転方向90度の位置に設けられている場合、開口25aを開いたときに、レバー係合部材20に対する凸部31の位置が回転方向に大きく変化してしまう。このため、レバー係合部材20の凹部32をある程度大きくしなければ、スナップリング25の装着作業時に、スナップリング25とレバー係合部材20とが干渉してしまう事態が生じる。
これによれば、最低限の規制部でスナップリング25の回転を止める構造となるため、構造を簡素化でき、製造コストを低減することができる。
実施例2を、実施例1とは異なる点を中心に図2(b)を用いて説明する。
本実施例では、凹凸係合部30は、回転方向の複数箇所に設けられている。
すなわち、スナップリング25は、図2(b)に示すように、開口25aの径方向反対側に2つの凸部31を有している。そして、スナップリング25の開口縁において径方向に突出している突出部25bも1つの凸部31とみなす。すなわち、3つの凸部31を有している。ここで、それぞれの凸部31を第1凸部31a、第2凸部31b、第3凸部31cと呼ぶ。
なお、スナップリング25において、第1凸部31aと第2凸部31bとの間の空間(凹部32)を第4凹部32dとすると、第1凹部32aと第2凹部32bとの間の壁部(凸部31)が第4凹部32dに係合する第4凸部31dとなり、第4凹部32dと第4凸部31dによっても凹凸係合部30が形成されている。
すなわち、本実施例では合計4箇所に凹凸係合部30が設けられている。
これによれば、ピニオン移動体7の回転時にスナップリング25は凹凸係合部30で回転方向への係止がされる所定角度まで連れ回るが、それ以上は回転しない。このため、スナップリング25に遠心力は加わりにくく、遠心力によるスナップリング25の変形は抑制され、スナップリング25の脱落の虞がなくなる。
また、複数個の凹凸係合部30でスナップリング25の回転を止めるため、1つ当たりの凹凸係合部30に加わる負荷が小さくなり、耐久性を向上させることができる。
実施例3を、実施例1とは異なる点を中心に図3を用いて説明する。
本実施例のスタータ1は、片持ちタイプであり、ピニオン移動体7が、出力軸5の外周にスプライン嵌合するチューブ体34と、チューブ体34と別体のピニオン6とから構成されており、チューブ体34が軸受35を介してハウジング16に支持されている。
ピニオン移動体7は、軸受35に支持される位置よりも軸方向前端側にピニオン6を有しており、軸受35に支持される位置よりも軸方向前端側のチューブ体34の外周にレバー係合部材20が取り付けられている。
また、ピニオン摺動部34aの後端側にピニオン摺動部34aよりも径大となる段部34bが設けられており、ピニオン6は、段部34bとピニオン6との間に設けられるピニオンスプリング36によって前端側へ付勢されている。
スナップリング25とレバー係合部材20の係合関係は、実施例1と同様である。
ユーザにより始動スイッチ(図示せず)が閉操作されると、バッテリより電磁スイッチ9のソレノイドの励磁コイルに通電されて電磁石が形成され、その電磁石に吸引されてプランジャが移動する。
このプランジャの動きがシフトレバー8及びレバー係合部材20を介してピニオン移動体7に伝達される。これにより、ピニオン移動体7は、ヘリカルスプラインの作用で出力軸上を回転しながら反モータ方向へ押し出される。この時、ピニオン6がリングギヤGに噛み合わず、ピニオン6の端面がリングギヤGの端面に当接すると、ピニオン6の移動は停止し、ピニオンスプリング36を押し縮めながらチューブ体34のみ押し出される。
実施例1〜3では、レバー係合部材20の軸方向後端側への移動を規制するためにスナップリング25を用いたが、軸方向前端側への移動を規制するためにもスナップリング25を用いてもよい。
また、図4(b)に示すように、突出部25bの回転方向における一方の端面25xと他方の端面25yとをそれぞれ係止する係止面39x、39yをレバー係合部材20に設けることで、スナップリング25の回転を規制してもよい。
2 モータ
5 出力軸
6 ピニオン
7 ピニオン移動体
7a 小径筒部(嵌合部)
8 シフトレバー
20 レバー係合部材
25 スナップリング(ストッパ)
25a 開口
30 凹凸係合部
Claims (6)
- トルクを発生するモータと、
このモータの回転軸と同一軸線上に配置されて、前記モータの駆動トルクが伝達される出力軸と、
前記出力軸とともに回転するピニオンを有するとともに、前記出力軸の外周に装着され、前記出力軸に対して軸方向に摺動自在に支持されるピニオン移動体と、
電磁石の吸引力によりシフトレバーを駆動し、このシフトレバーを介して、前記ピニオン移動体を前記出力軸に対して反モータ方向へ押し出す電磁ソレノイドと、
前記ピニオン移動体の外周に相対回転自在に嵌合し、前記シフトレバーが係合するレバー係合部材と、
前記レバー係合部材の前記ピニオン移動体に対する軸方向への移動を規制するストッパとを備えるスタータであって、
前記レバー係合部材は樹脂により形成されており、
前記ピニオン移動体は外周に前記レバー係合部材が嵌合する嵌合部を有し、
前記ストッパは、周方向の1箇所に開口を有するリング状を呈し、前記開口が広がるように弾性変形させながら前記嵌合部に装着されており、
前記レバー係合部材と前記ストッパとの間には、互いの係合により、前記ストッパの回転を所定角度範囲に規制し、遠心力による前記開口の拡開を抑制する規制部が設けられていることを特徴とするスタータ。 - 請求項1に記載のスタータにおいて、
前記規制部は、前記ストッパの回転を規制することを特徴とするスタータ。 - 請求項1または2に記載のスタータにおいて、
前記ストッパと前記レバー係合部材との間には、径方向に延びる凹凸形状によって前記ストッパと前記レバー係合部材とが係合する凹凸係合部が設けられており、
前記凹凸係合部が、前記規制部として機能し、前記ストッパと前記レバー係合部材とが回転方向に面接触可能に形成されていることを特徴とするスタータ。 - 請求項3に記載のスタータにおいて、
前記凹凸係合部は、前記ストッパの前記開口の径方向反対側に設けられていることを特徴とするスタータ。 - 請求項1〜4のいずれか1つに記載のスタータにおいて、
前記規制部は、回転方向の1箇所のみに設けられていることを特徴とするスタータ。 - 請求項1〜4のいずれか1つに記載のスタータにおいて、
前記規制部は、回転方向の複数箇所に設けられていることを特徴とするスタータ。
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