JP5886686B2 - 自動注湯装置並びに鋳型に対する注湯方法 - Google Patents

自動注湯装置並びに鋳型に対する注湯方法 Download PDF

Info

Publication number
JP5886686B2
JP5886686B2 JP2012119120A JP2012119120A JP5886686B2 JP 5886686 B2 JP5886686 B2 JP 5886686B2 JP 2012119120 A JP2012119120 A JP 2012119120A JP 2012119120 A JP2012119120 A JP 2012119120A JP 5886686 B2 JP5886686 B2 JP 5886686B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ladle
mold
carriage
line
pouring
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2012119120A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2013244504A (ja
Inventor
信人 今村
信人 今村
久徳 後藤
久徳 後藤
大樹 千田
大樹 千田
孝洋 藤井
孝洋 藤井
Original Assignee
東久株式会社
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 東久株式会社 filed Critical 東久株式会社
Priority to JP2012119120A priority Critical patent/JP5886686B2/ja
Priority to CN201210418957.9A priority patent/CN103418779B/zh
Publication of JP2013244504A publication Critical patent/JP2013244504A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5886686B2 publication Critical patent/JP5886686B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Casting Support Devices, Ladles, And Melt Control Thereby (AREA)

Description

本発明は、自動注湯装置と鋳型に対する注湯方法に係り、特に、複数の鋳型に注湯可能な量の溶湯を収容する取鍋から、複数の鋳型に対して自動的に注湯する装置の改良された構造と、そのような取鍋から鋳型に対して有利に注湯し得る方法とに関するものである。
よく知られているように、多数の鋳造製品を製造する際には、目的とする鋳造製品に対応した形状の空隙部を有する鋳型を、鋳造製品の必要個数と同一の数だけ造型する一方、その造型された鋳型を搬送ラインによって順次搬送しつつ、その搬送途中において、それぞれの鋳型の空隙部内に溶湯を注湯し、その後、搬送ラインの終点で、各鋳型の空隙部内で冷却、固化した鋳造製品を各鋳型内から取り出すといった一連の作業が、一般に行われる。
そして、従来から、上記の如き一連の鋳造工程に対して、省力化や効率化の要望があり、とりわけ、鋳型に対する注湯工程は、劣悪な環境の中で、危険を伴う作業が強いられることとなるため、そのような注湯工程の自動化が強く望まれてきている。そこで、近年では、鋳型に対して溶湯を自動的に注湯する自動注湯装置を用いることによって、注湯作業の自動化が図られているのである。
自動注湯装置には、各種の構造のものがあり、その中の一種として、例えば、特開2006−326657号公報(特許文献1)等に明らかにされるように、複数の鋳型に注湯可能な量の溶湯を収容する取鍋が、多数の鋳型を搬送する搬送ラインの側方において搬送ラインに沿って移動する台車に対して、傾動装置により傾動させられるように搭載されてなるものがある。そして、かかる自動注湯装置にあっては、取鍋内に収容された溶湯が、搬送ラインにて搬送される鋳型の一つ一つに対して、傾動装置による取鍋の自動的な傾動により、取鍋の側壁部に設けられた流出口を通じて、それぞれ自動的に注湯され得るようになっているのである。
ところで、そのような従来の自動注湯装置を用いる場合には、一般に、搬送ラインによる鋳型の搬送と同調して、台車を移動させながら、自動注湯が行われる。即ち、取鍋を傾動させた状態で、台車を、搬送ラインによる鋳型の搬送方向の下流側に、鋳型の搬送速度と同一速度で移動させて、取鍋の流出口を、搬送される鋳型に追従するように変位させる。そして、それにより、搬送ラインにて搬送される多数の鋳型のうちの所定の鋳型に対して、溶湯を、必要な量において確実に注湯する方式が採用されるのである。そうすれば、搬送ラインにて搬送される多数の鋳型に注湯する際に、搬送ラインを一々停止させることなく、搬送ラインを作動させたままで、搬送ライン上の各鋳型に対する注湯を行うことができ、それによって、上記した一連の鋳造工程を、より効率的に且つ迅速に実施することが可能となるのである。
ところが、従来の自動注湯装置では、搬送ラインにて鋳型を搬送しながら注湯を行う際に、取鍋が、台車と共に、搬送ラインに沿って平行移動する。また、搬送ラインが、鋳型の搬送方向の上流に設置された鋳型造型装置による鋳型の造型サイクルに従って、鋳型を間欠的に搬送するようになっている。そのため、従来の自動注湯装置においては、搬送ラインによる鋳型の搬送の開始と停止に合わせて、取鍋と台車の平行移動が開始され、或いは停止されるようになっているのであるが、かかる取鍋の平行移動の開始時と停止時に、溶湯が、取鍋内で揺動してしまう。このような取鍋内での溶湯の揺動は、湯面の波打ち現象を惹起させて、安定した注湯を阻害する恐れがあり、また、取鍋の振動を引き起こして、自動注湯装置に設けられた計量機構による取鍋内の溶湯重量の計量精度に悪影響を及ぼす可能性もあった。しかも、そのような取鍋内での溶湯の揺動は、搬送ラインによる鋳型の搬送速度が増せば増す程、より大きくなる。
従って、従来の自動注湯装置を用いて、一連の鋳造工程を実施する場合にあっては、搬送ラインによる鋳型の搬送速度を増大させて、鋳造サイクルの更なる向上を図ろうとすると、取鍋内で湯面が、より大きく波打つようになって、自動注湯装置に設けられた計量機構による取鍋内の溶湯重量の計量精度が不安定となり、それによって、一つ一つの鋳型への溶湯の注湯量にバラツキが生じる可能性が高くなるといった懸念があったのである。
特開2006−326657号公報
ここにおいて、本発明は、上記した事情を背景にして為されたものであって、その解決課題とするところは、取鍋の側壁部に設けられた流出口を、搬送される鋳型に追従するように変位させる際に、鋳型の搬送速度に拘わらず、取鍋内での溶湯の揺動が可及的に抑制され、それによって、取鍋内の溶湯重量の計量精度のバラツキに起因した一つ一つの鋳型への溶湯の注湯量の不均一化が、より有利に防止され得るように改良された自動注湯装置と鋳型に対する注湯方法とを提供することにある。
そして、本発明者は、上記の課題の解決のために、複数の鋳型に注湯可能な量の溶湯を収容する取鍋が、該鋳型の多数を搬送する搬送ラインの側方において該搬送ラインに沿って移動する台車に対して、傾動手段により傾動させられるように搭載され、該傾動手段による該取鍋の自動的な傾動によって、該取鍋内に収容された該溶湯を、該取鍋の側壁部に設けられた流出口を通じて、該搬送ライン上の該鋳型に対して自動的に注湯し得るように構成された自動注湯装置であって、前記取鍋の前記傾動手段による傾動前の配置状態において該取鍋の底部を貫通して延びる鉛直線上に、該取鍋の回転軸が設けられて、該取鍋が、前記台車に対して、該回転軸回りに回動可能に搭載されていると共に、該取鍋を、前記搬送ラインによる該鋳型の搬送速度と同調して、該回転軸回りに回動させる回動手段が、該台車に設置されていることを特徴とする自動注湯装置を、その要旨とするものである。
なお、本発明の好ましい態様の一つによれば、前記取鍋が、前記搬送ラインに向かって進退可能な状態で、前記台車に搭載されると共に、該取鍋を該搬送ラインに対して前進又は後退させる移動手段が、該台車に設置され、更に、該取鍋が前記回動手段にて前記回転軸回りに回動させられたときの該取鍋の周方向での前記流出口の位置に拘わらず、該搬送ライン上の前記多数の鋳型のうちの注湯されるべき鋳型上での該流出口の位置が一定の位置に維持されるように、該移動手段による該取鍋の前進量又は後退量を制御する制御手段が、該台車に設置される。
また、本発明の有利な態様の一つによれば、前記取鍋と前記傾動手段と前記回動手段と前記移動手段とを、それらの全ての重量(それら全てのものの鉛直方向下向きの荷重)を受けて支持する支持体が設けられると共に、該支持体が、鉛直方向下向きの荷重を検出する、少なくとも一つのロードセルを介して、前記台車に支持されることとなる。
さらに、本発明の望ましい態様の一つによれば、前記ロードセルが、前記支持体と前記台車との間に三つ配置され、それら三つのロードセルを介して、該支持体が、該台車に支持される。
更にまた、本発明の別の有利な態様の一つによれば、前記取鍋が、前記流出口を、前記搬送ライン上の前記鋳型の側方に配置させる位置まで、前記回転軸回りに回動し得るように構成される。
そして、本発明は、上記した課題を解決するために、多数の鋳型を間欠的に搬送する搬送ラインの側方において該搬送ラインに沿って移動する台車上に搭載された取鍋を傾動させることにより、該取鍋内に収容された溶湯を、該取鍋の側壁部に設けられた流出口を通じて、該搬送ライン上の該鋳型に注湯するようにした鋳型に対する注湯方法であって、前記多数の鋳型が前記搬送ラインにて搬送されているときに、前記取鍋の流出口の位置が、該多数の鋳型のうちの注湯されるべき鋳型に追従して、該取鍋の側壁部の周方向に変化するように、該取鍋を、傾動前の該取鍋の底部を貫通して延びる鉛直線上に位置する回転軸回りに、該鋳型の搬送方向と同一方向に回動させながら、該注湯されるべき鋳型に対して、該取鍋の傾動による注湯を行うことを特徴とする鋳型に対する注湯方法をも、また、その要旨とするものである。
なお、本発明の有利な態様の一つよれば、前記搬送ラインによる前記多数の鋳型の搬送が停止しているときに、該搬送ラインによる鋳型の搬送方向の上流側に、前記台車が移動させられると共に、該台車が移動している間に、該台車の移動位置に拘わらず、前記流出口の位置が、該多数の鋳型のうちの注湯されるべき鋳型に対応する位置に維持されるように、該取鍋を、該台車の移動方向とは反対方向に前記回転軸回りに回動させながら、該注湯されるべき鋳型に対して、該取鍋の傾動による注湯が行われることとなる。
また、本発明の好ましい態様の一つによれば、注湯されるべき前記鋳型と、該鋳型に対して、前記搬送ラインによる該鋳型の搬送方向の下流側に隣り合って位置する別の鋳型との境界線を、前記取鍋側に向かって、搬送ラインの側方に延長させた延長線上に、前記回転軸が位置するように、該取鍋を配置した状態において、該取鍋の傾動による該鋳型に対する注湯が行われる。
すなわち、本発明に従う自動注湯装置にあっては、従来装置とは異なって、取鍋を台車と共に搬送ラインに沿って、何等平行移動させることなく、所定の位置に停止させたままで、搬送ラインにて搬送される鋳型に対して流出口が追従するように、取鍋を回動手段にて回動させることにより、搬送ラインにて鋳型を搬送しながら注湯を行うことができる。
しかも、本発明装置では、取鍋が、傾動手段による傾動前の取鍋の配置状態において取鍋の底部を貫通して延びる鉛直線上に設けられた回転軸回りに回動するようになっている。そのため、例えば、所定長さを有するアーム部の一端に取鍋を取り付けて、取鍋を、かかるアーム部の他端部に設けられた回転軸回りに回動させることにより、台車を移動させずに、搬送ラインによる搬送途中の鋳型に対する注湯を行う場合に比して、回転軸回りの回動時の取鍋の搬送ラインに沿った変位量が、十分に小さくされ得るか、若しくはゼロとされ得る。
それ故、本発明装置によれば、搬送ラインによる鋳型の間欠的な搬送に対応して、鋳型への注湯最中に、取鍋の回動が開始し、又は停止したときにも、かかる取鍋の回動の開始時と停止時に、溶湯が、取鍋内で揺動することが有利に解消乃至は抑制され、しかも、搬送ラインによる鋳型の搬送速度の増大に伴って、取鍋内での溶湯の揺動が大きくなるようなことも、可及的に回避され得る。
従って、かくの如き本発明に従う自動注湯装置にあっては、取鍋の側壁部に設けられた流出口を、搬送される鋳型に追従するように変位させる際に、鋳型の搬送速度に拘わらず、取鍋内での溶湯の揺動が可及的に抑制され、それによって、取鍋内の溶湯重量の計量精度のバラツキに起因した一つ一つの鋳型への溶湯の注湯量の不均一化が、より一層有利に防止され得るのである。そして、その結果として、安定した品質の鋳造製品の生産性の向上が、極めて効果的に図られ得ることとなるのである。
そして、本発明に従う鋳型に対する注湯方法にあっても、上記した本発明に従う自動注湯装置において奏される優れた作用・効果と実質的に同一の作用・効果が、極めて有効に享受され得るのである。
本発明に従う構造を有する自動注湯装置の一実施形態を示す、一部切欠図を含む正面説明図である。 図1に示された自動注湯装置の右側面説明図である。 図1に示された自動注湯装置の平面面説明図である。 図1に示された自動注湯装置の使用状態の一例を模式的に示す説明図である。 図1に示された自動注湯装置の使用状態の別の例を模式的に示す説明図である。 図1に示された自動注湯装置を用いた注湯操作の1サイクルの工程を示すブロック説明図である。 従来の自動注湯装置を用いた注湯操作の1サイクルの工程を示すブロック説明図である。
以下、本発明を更に具体的に明らかにするために、本発明の実施の形態について、図面を参照しつつ、詳細に説明する。
先ず、図1乃至図3には、本発明に従う構造を有する自動注湯装置の一実施形態が、その正面形態と右側面形態と平面形態とにおいて、それぞれ示されている。それらの図からも明らかなように、自動注湯装置は、自走可能な台車10と、この台車10に搭載された取鍋12とを有して、構成されている。
より具体的には、図1及び図2に示されるように、台車10は、前後左右にそれぞれ一つずつ位置する四つ(ここでは、三つのみを示す)の車輪14,14,14を有している。そして、かかる台車10が、図示しない造型装置にて造型された鋳型16(図1及び図3に二点鎖線で示す)を順次搬送する搬送ライン18(図1及び図3に二点鎖線で示す)の側方において搬送ライン18の延長方向に並行して敷設された二つの走行用レール20,20(図1乃至図3に二点鎖線で示す)上に、四つの車輪14,14,14を介して載置されている。なお、搬送ライン18は、図示しない造型装置の造型サイクルに合わせて作動するようになっている。即ち、造型装置にて鋳型16が造型される毎に、かかる鋳型16を搬送すべく、図2及び図3の左側から右側に向かって、間欠的に作動するようになっている。
台車10上には、走行用サーボモータ22が固定されている。そして、この走行用サーボモータ22の駆動軸が、四つの車輪14,14,14のうちの二つ(図3には一つのみ示す)の後輪14の車軸に固定されたスプロケット(図示せず)に対して、チェーン24を介して連結されている。かくして、台車10が、走行用サーボモータ22の回転駆動により、搬送ライン18の側方において、二つの走行用レール20,20上を、搬送ライン18に沿って自走するようになっている。
また、台車10上には、走行用サーボモータ22の駆動制御を行うコントローラボックス26が設置されている。このコントローラボックス26に設けられた操作盤28に対するキー操作等を行うことにより、走行用サーボモータ22の回転駆動及び停止や回転駆動時の回転方向と回転量とがそれぞれ設定されて、台車10の走行及び停止や走行時の方向と距離が、任意に制御され得るようになっている。なお、以下からは、台車10の走行方向で、搬送ライン18の延長方向(図2及び図3の左右方向)を、前後方向と言い、台車10の走行方向や搬送ライン18の延長方向と直角な方向(図1の左右方向で、図3の上下方向)を、左右方向と言うこととする。
一方、取鍋12は、従来品と同様な構造を有している。即ち、取鍋12は、図1乃至図3から明らかなように、全体として、ティーポット型を呈し、溶湯を収容する収容部30を有している。ここでは、かかる収容部30が、上方に開口する片側有底円筒状を呈し、数十個の鋳型16に対して注湯可能な量の溶湯を収容し得る大きさとされている。また、収容部30には、その側壁部の周上の一箇所から径方向外方に所定長さで延び出す流出流路32が設けられ、かかる流出流路32の先端開口部が、流出口34とされている。かくして、取鍋12にあっては、流出口34が下側に向かって開口するように傾けられることにより、収容部30内に収容された溶湯が、流出流路32を経て、流出口34から外部に流出するようになっている。
そして、本実施形態の自動注湯装置においては、取鍋12が、台車10に支持された取付枠体38に対して、上下方向に移動可能に且つ傾動可能に取り付けられて、台車10に搭載されている。
より詳細には、取付枠体38は、全体として、上下方向に延びる縦長の長手矩形状を呈し、上下に対向位置する上側及び下側プレート40a,40bと、台車10の走行方向たる前後方向に対向位置する前側及び後側プレート40c(ここでは、後側プレートのみを示す)と、台車の走行方向と直角な左右方向に対向位置する左側及び右側プレート40d(ここでは、右側プレートのみを示す)とを一体的に有している。
図1に示されるように、取付枠体38内には、長尺なボールねじ軸42が、鉛直上下方向に延びるように配置されている。そして、このボールねじ軸42は、取付枠体38の上側及び下側プレート40a,40bに対して、中心軸回りに回転可能に且つ軸方向に移動不能に軸支されている。また、かかるボールねじ軸42の上端部には、従動ギヤ44が固定されている。そして、この従動ギヤ44が、取付枠体38の上部におけるボールねじ軸42の側方に設置された上下移動用サーボモータ46の駆動ギヤ48に噛合している。これにより、ボールねじ軸42が、上下移動用サーボモータ46の駆動ギヤ48の回転駆動に伴って、中心軸回りに回転させられるようになっている。
また、そのようなボールねじ軸42には、雌ねじ部材50が螺合されている。更に、雌ねじ部材50を間に挟んだ両側には、二つの平板状の取付板52,52が互いに対向配置されており、それら二つの取付板52,52は、相互の対向面において、雌ねじ部材50に固定されている。そして、図1及び図2に示されるように、二つの取付板52,52の右側端部が、取付枠体38の右側プレート40dに、それを貫通して上下方向に延びるように設けられた二つの案内スリット54,54を通じて、取付枠体38の外部に、それぞれ突出している。かくして、ボールねじ軸42が回転したときに、雌ねじ部材50に固定された二つの取付板52,52が、各案内スリット54,54の内面と接触して、雌ねじ部材50の回転が阻止されるようになっている。そして、それにより、ボールねじ軸42が左右何れか一方向に回転したときに、その回転に伴って、雌ねじ部材50と二つの取付板52,52が、上下何れか一方向に移動し、また、ボールねじ軸42が左右何れか他方向に回転したときには、その回転に伴って、雌ねじ部材50と二つの取付板52,52が、上下何れか他方向に移動するようになっている。
一方、図1及び図3に示されるように、取鍋12は、取付枠体38の右側に、流出流路32を収容部30の側壁部から右側に突出させた状態で、配置されている。そして、かかる取鍋12が、雌ねじ部材50に固定された二つの取付板52,52の取付枠体38から外部に突出する右側端部に対して、それぞれ、取付ブラケット56,56を介して取り付けられている。かくして、取鍋12が、上下移動用サーボモータ46の回転駆動に伴うボールねじ軸42の右方向又は左方向の回転によって、上方又は下方に取付枠体38と一体移動するように、取付枠体38に取り付けられているのである。
また、図1乃至図3から明らかなように、取鍋12の収容部30の外周面における周上の二箇所には、回動軸58,58が、台車10の移動方向たる前後方向において水平に延びる水平線:P上に位置するように、それぞれ一体的に突設されている。そして、それら二つの回動軸58,58のうち、取鍋12の収容部30の外周面から前方に向かって突出する回転軸58が、二つの取付ブラケット56,56のうち、取鍋12の前側に位置する取付ブラケット56に対して、また、取鍋12の収容部30の外周面から後方に向かって突出する回転軸58が、取鍋12の後側に位置する取付ブラケット56に対して、それぞれ、回動可能に取り付けられている。これによって、取鍋12が、取付枠体38に対して、二つの取付ブラケット56,56を介して、前後方向において水平に延びる二つの回転軸58,58回りに回動乃至は傾動可能に取り付けられているのである。
また、取付枠体38の後側には、電動シリンダ60が配置されている。この電動シリンダ60は、ボールねじ軸からなるピストンロッド62を有し、このピストンロッド62が、先端を右側に向けて、左右方向において突出乃至引込作動され得るように配置されている。一方、取鍋12の後側に位置する取付ブラケット56には、左側に向かって延びる二つの平板状の固定板64,64が、互いに所定の間隔を隔てて対向位置するように固定されている。
そして、電動シリンダ60が、その基端側部位において、二つの固定板64,64の間に挟まれて位置した状態で、それら二つの固定板64,64に対して、前後方向において水平に延びる回転軸回りに回動可能に支持されている。また、電動シリンダ60のピストンロッド62の先端側部位が、取鍋12の後側に位置する取付ブラケット56に対して一体回動可能に固定された連結板66に、前後方向において水平に延びる回転軸回りに回転可能に取り付けられている。
かくして、図1に二点差線で示されるように、電動シリンダ60が、上下移動用サーボモータ46の回転駆動に伴って、上下方向に、取鍋12と一体移動するようになっている。また、取鍋12と一体移動した電動シリンダ60のピストンロッド62の右方向への突出作動により、取鍋12が、回動軸58,58回りに回動して、流出口34が下方に向かって開口するように、自動的に傾動するように構成されている。即ち、取鍋12が、取付枠体38に対して、回動軸58,58回りに回動可能に取り付けられている。
従って、本実施形態の自動注湯装置では、取鍋12が、電動シリンダ60の突出作動に伴って自動的に傾動させられることより、取鍋12の収容部30内に収容された溶湯が流出口34から流出して、鋳型16に対する注湯が行われるようになっている。このことから明らかなように、本実施形態では、電動シリンダ60と連結板66とにて、傾動手段が構成されている。
そして、図示されてはいないものの、上下移動用サーボモータ46と電動シリンダ60は、コントローラ26に電気的に接続されて、それら上下移動用サーボモータ46と電動シリンダ60の駆動が、コントローラ26にて制御されるようになっている。これにより、図1に実線と二点鎖線で示されるように、取鍋12が傾動する際に、取鍋12の傾動角度が増大するに従って、取鍋12が少しずつ上昇させられて、鋳型16への注湯時における流出口34の鋳型16に対する高さ位置が、適正な位置に調節され得るようになっている。その結果、取鍋12の傾動による鋳型16への注湯時に、流出口34が鋳型16に接触することなく、注湯作業がスムーズに実施され得るようになっている。
また、上記のように、取付枠体38に対して上下動可能に且つ傾動可能に取り付けられた取鍋12は、台車10に対して、左右方向に進退可能に且つ鉛直方向に延びる回転軸回りに回動(旋回)可能に搭載されている。
より具体的には、図1及び図2から明らかなように、取鍋12が取り付けられた取付枠体38は、保持体68に保持されている。この保持体68は、全体として、略横長矩形状を呈し、左右方向長さが、台車10の左右方向の幅と略同一の大きさとされている一方、前後方向の幅が、台車10の前後方向長さよりも小さな大きさとされている。また、かかる保持体68の上面には、二つの案内レール70,70が、前後方向に所定の間隔を隔てて、左右方向において真っ直ぐに平行に延びるように一体形成されている。一方、取付枠体38の下側プレート40bの下面には、下方に開口する二つの案内溝72,72が、前後方向に所定の間隔を隔てて、左右方向において真っ直ぐに平行に延びるように設けられている。そして、取付枠体38が、二つの案内溝72,72内に、保持体68の二つの案内レール70,70を摺動可能に嵌入させた状態で、保持体68の上面上に載置されて、保持されている。
また、保持体68の上面における二つの案内レール70,70の間に位置する部分には、ラック74が、二つの案内レール70,70と平行に延びるように設置されている。一方、取付枠体38の下側プレート40b上には、進退移動用サーボモータ76が、固定されている。この進退移動用サーボモータ76は、駆動軸が、下側プレート40bを貫通して、下方に延び出しており、かかる駆動軸に対して、ピニオン78が取り付けられている。そして、このピニオン78が、保持体68の上面に設けられたラック74に噛合している。
かくして、進退移動用サーボモータ76の回転駆動に伴って、取付枠体38が、保持体68の二つの案内レール70,70にて案内されつつ、左右方向に移動するようになっている。そして、それにより、図1に二点鎖線と実線で示されるように、取鍋12が、取付枠体38と共に、搬送ライン18にて搬送される鋳型16側に向かって前進(接近)する右方向と、鋳型16から後退(離間)する左方向に、それぞれ移動可能とされている。なお、図示されてはいないものの、進退移動用サーボモータ76は、コントローラ26に対して電気的に接続されて、コントローラ26にて駆動制御されるようになっている。
また、取付枠体38と取鍋12とを進退移動可能に保持する保持体68は、保持体68の下方に位置する、支持体としての支持枠体80を介して、台車10に支持されている。図1乃至図3に示されるように、この支持枠体80は、全体として、略三角形の枠状形態を呈し、三角形の一辺が、前記二つの走行用レール20,20に沿って前後方向に延びるように位置して、台車10の上方に配置されている。そして、かかる支持枠体80の内側には、保持体68に固定された軸部材82が、取鍋12の底部36の鉛直下方に位置して、支持枠体80に支持されている。
かかる軸部材82は、支持枠体80の内側に固定された固定ブラケット84により、支持枠体80に対して、傾動前の取鍋12(収容部30)の底部36を貫通して延びる鉛直線:Q上に位置する回転軸:R回りに回動可能に支持されている。また、軸部材82の上端部には、スプロケット86が外挿固定されている。そして、そのような軸部材82の上端面に対して、保持体68が固定されている。なお、本実施形態では、回転軸:Rが、取鍋12の底部36の中心よりも左側に偏倚した部分を貫通して延びる鉛直線:Q上に位置している。
また、支持枠体80の内側には、回動用サーボモータ88が固設されている。更に、この回動用サーボモータ88の駆動軸にはスプロケット90が外挿固定されている。そして、かかる回動用サーボモータ88の駆動軸に固定されたスプロケット90と、軸部材82に外挿固定されたスプロケット86との間に、チェーン92が架け渡されている。
かくして、回動用サーボモータ88の回転駆動に伴って、チェーン92が回転駆動し、それにより、軸部材82が、回動用サーボモータ88の回転方向に対応した方向において、回転軸:R回りに回動(旋回)するようになっている。また、そのような軸部材82の回動により、保持体68と、それに保持された取付枠体38とが、更には、取付枠体38に取り付けられた取鍋12が、回転軸:R回りに一体回動するようになっている。即ち、支持枠体80を支持する台車10に対して、取鍋12が、回転軸:R回りに回動可能に搭載されているのである。そして、図示されてはいないものの、回動用サーボモータ88が、コントローラ26に対して電気的に接続されて、回動用サーボモータ88の回転駆動が、コントローラ26にて制御されるようになっている。
なお、ここでは、取鍋12の流出流路32を、搬送ライン18の延出方向と平行に前方側に向けて位置させた、図3に二点鎖線:Aで示される取鍋12の回動位置が、取鍋12の回動範囲内における前方側への回動限度位置とされている一方、流出流路32を、搬送ライン18の延出方向と平行に後方側に向けて位置させた、図3に二点鎖線:Bで示される取鍋12の回動位置が、取鍋12の回動範囲内における後方側への回動限度位置とされている。つまり、取鍋12は、図3に二点鎖線:A,Bで示される前方側及び後方側の二つの回動限度位置の間で、回動可能とされているのである。
また、本実施形態では、そのような取鍋12の回動範囲内において、流出流路32を斜め前方に向けて位置させた、図3に二点鎖線:Cで示される取鍋12の回動位置が、取鍋12の回動範囲内における前方側回動基準位置とされている一方、流出流路32を搬送ライン18の延出方向に対して直角な方向に延び出させた、図3に実線で示される取鍋12の回動位置が、取鍋12の回動範囲内における回動中間位置とされている。更に、流出流路32を斜め後方に向けて位置させた、図3に二点鎖線:Dで示される取鍋12の回動位置が、取鍋12の回動範囲内における後方側回動基準位置とされている。
そして、図3から明らかなように、本実施形態においては、取鍋12の回動位置が、前方側回動基準位置と後方側回動基準位置との間の回動範囲内での如何なる位置にあっても、傾動状態とされた取鍋12の流出口34が、搬送ライン18上の注湯されるべき鋳型16の上部の一定箇所、具体的には、鋳型16の上方において湯口17に対応する箇所に位置するように、取鍋12の鋳型16に対する前進乃至は後退位置が、コントローラ26による駆動制御の下での進退移動用サーボモータ76の駆動により、鋳型16の位置と取鍋12の回動位置に応じて、適宜に調節されるようになっている。
すなわち、取鍋12の回動位置が前方側回動基準位置とされているときには、取鍋12が、搬送ライン18上の鋳型16に対して前進させられる。また、取鍋12の回動位置が、前方側回動基準位置から中間回動位置に達するまでの間は、取鍋12が、その回動量の増加に応じて、少しずつ、搬送ライン18上の鋳型16から後退させられる。そして、取鍋12の回動位置が、中間回動位置から後方側回動基準位置に達するまでの間は、取鍋12が、その回動量に増加に応じて、少しずつ、搬送ライン18上の鋳型16に向かって再び前進させられるようになっているのである。このことから明らかなように、ここでは、進退移動用サーボモータ76とラック74とピニオン78とによって、移動手段が構成され、また、コントローラ26にて制御手段が構成されている。
また、図1に示されるように、取鍋12が上方に移動しながら傾動したときに如何なる傾動位置にあっても、取鍋12の流出口34が、搬送ライン18上の注湯されるべき鋳型16の上方において湯口17に対応する箇所に位置するように、取鍋12の鋳型16に対する前進乃至は後退位置が、コントローラ26による駆動制御の下での進退移動用サーボモータ76の駆動により、取鍋12の傾動角度等に応じて、適宜に調節されるようになっている。
そして、本実施形態の自動注湯装置においては、特に、取鍋12を前方側回動基準位置から回動中間位置を経て、後方側回動基準位置まで回動させるときに、コントローラ26による回動用サーボモータ76の回転駆動制御により、取鍋12が、搬送ライン18による鋳型16の搬送速度と同一の速度で、同調して回動するようになっている。即ち、取鍋12の回動速度と、搬送ライン18による鋳型16の搬送速度とが、互いに同一とされているのである。
かくして、搬送ライン18にて鋳型16が搬送されるときに、取鍋12(収容部30)の周方向における流出口34の位置を、搬送される鋳型16に追従して、取鍋12の周方向に変化させることができるようになっている。そして、それにより、搬送ライン18にて搬送途中の鋳型16に対して、取鍋12を回動させながら自動的に注湯することが可能となっているのである。なお、取鍋12を後方側回動基準位置から前方側回動基準位置に向かって回動させる際には、取鍋12が、それとは逆方向に回動するときよりも十分に大きな速度で回動するようになっている。このことから明らかなように、ここでは、回動用サーボモータ88と軸部材82とそれらに取り付けられたスプロケット86,90とチェーン92とコントローラ26とによって、回動手段が構成されている。
そして、本実施形態では、図2及び図3に示されるように、三角形状を呈する支持枠体80が、三角形の三つの頂点に対応する被支持部位(図3に、S1,S2,S3 にて示す)において、台車10に支持されている。それら三つの被支持部位:S1,S2,S3 と台車10の上面との間には、三つの計量支持部94,94,94がそれぞれ配置されている。
また、図示されてはいないものの、三つの計量支持部94,94,94には、コントローラ26に対して電気的に接続されて、鉛直方向下向きの荷重を圧縮荷重として測定する公知のロードセルが内蔵されて、かかるロードセルが、支持枠体80の三つの被支持部位:S1,S2,S3 と台車10の上面との間に介装されている。即ち、ここでは、取鍋12と取付枠体38と保持体68を始めとして、支持枠体80に支持乃至は固設された全ての部材と、支持枠体80とが、三つのロードセルを介して、台車10に対して、三点支持により支持されている。かくして、前記したような取鍋12の傾動によって、収容部30内から流出口34を通じて流出した溶湯の重量が、三つのロードセルにより、公知の減算方式にて測定されるようになっている。
ところで、かくの如き構造とされた本実施形態の自動注湯装置を用いて、搬送ライン18にて搬送される多数の鋳型16の一つ一つに溶湯を連続的に自動注湯する際には、走行用サーボモータ22と上下移動用サーボモータ46と進退移動用サーボモータ76と回動用サーボモータ88と電動シリンダ60とを、コントローラ26による駆動制御の下で駆動させつつ、例えば、以下のようにして、その作業が進められる。
すなわち、先ず、取鍋12を、非傾動状態で、回動初期位置に位置させて、例えば、数十個の鋳型16に注湯可能な量の溶湯を、取鍋12の収容部30内に収容する。なお、ここでは、通常、取鍋12の回動初期位置が、流出流路32を斜め前方に向けた前方側回動基準位置とされる。即ち、図4の(a)に実線で示される取鍋12の回動位置が、取鍋12の回動初期位置とされるのである。このとき、注湯されるべき鋳型16と、それに対して鋳型16の搬送ライン18による搬送方向の下流側に隣り合って位置する鋳型16との境界線を、取鍋12側に向かって、搬送ライン18の側方に延長させた延長線:T上に、取鍋12の回転軸:R、つまり、取鍋12の底部36を貫通して延びる延直線:Q上に位置する回転軸:Rが位置するように、台車10及び取鍋12が配置される。換言すれば、注湯されるべき鋳型16と、それに対して鋳型16の搬送方向下流側に隣接する別の鋳型16との境界位置から、搬送ライン18の側方に向かって、鋳型16の搬送方向に対して垂直に延びる垂線:T上に、回転軸:Rが位置するように、台車10及び取鍋12が配置されるのである。また、前述したように、取鍋12の流出口34が、鋳型16の湯口17に対応位置するように、取鍋12が鋳型16に向かって前進した位置とされる。
そして、搬送ライン18の作動が停止している場合には、台車10を、図4の(a)に示される位置で停止させた状態において、取鍋12を、図4の(a)に示されるような回動初期位置に位置させたままで、電動シリンダ60を突出作動させて、取鍋12を、例えば、図1に二点鎖線で示される位置まで傾動させる。これによって、取鍋12の収容部30の溶湯を、流出口34から、湯口17を通じて、鋳型16内に注湯する。このとき、前記したように、流出口34の鋳型16への接触防止のために、取鍋12が、上昇させられる。また、取鍋12の流出口34が、常に、鋳型16の湯口17に対応位置するように、取鍋12の傾動角度に応じて、前進乃至は後退させられる。そして、三つの計量支持部94,94,94に内蔵されたロードセルによる重量測定値が、一つの鋳型16内に注湯されるべき溶湯の重量分だけ減少した時点で、取鍋12の傾動を所定角度だけ戻す。これにより、取鍋12から鋳型16内への注湯を停止するのである。
ここにおいて、前記したように、搬送ライン18は、鋳型16の搬送方向の上流に設置された鋳型造型機(図示せず)による鋳型16の造型サイクルに合わせて作動するようになっている。即ち、搬送ライン18は、鋳型造型機にて鋳型16が新たに造型される毎に、予め定められた時間だけ作動して、搬送ライン18上の鋳型16を搬送し、かかる予め定められた時間が経過した時点から、また新たに鋳型16が造型されるまでの所定時間の間は、搬送ライン18による鋳型16の搬送が停止する。このように、搬送ライン18は、鋳型16の搬送とその搬送停止とを繰返しながら、間欠的に作動するようになっているのである。
従って、本実施形態の自動注湯装置を用いて、間欠的に作動する搬送ライン18上の多数の鋳型16のそれぞれに対する注湯を行う際には、以下のようにして、その作業が進められることとなる。
例えば、上記したように、作動停止状態の搬送ライン18上の一つの鋳型16に対して自動注湯を行っている最中に、搬送ライン18の作動が開始して、注湯途中の鋳型16の、図4の白抜き矢印方向への搬送が開始されたときには、図4の(a)に示されるように、注湯されるべき鋳型16と、それに対して鋳型16の搬送ライン18による搬送方向の下流側に隣り合って位置する別の鋳型16との境界線の延長線:T上に、取鍋12の回転軸:Rが、位置するように、台車10及び取鍋12を配置する。そして、そのような配置位置から台車10を何等移動させることなく、傾動した取鍋12を、図4の(a)に示されるような前方側回動基準位置に位置させた状態から、図4の(b)に示されるような回動中間位置を経て、図4の(c)に示されるような後方側回動基準位置に達するまで、搬送ライン18による鋳型16の搬送速度と同一の回動速度で回動させる。
すなわち、取鍋12(収容部30)の周方向における流出口34の位置が、搬送途中の鋳型16に追従して、取鍋12の周方向に変化するように、傾動状態とされた取鍋12を、取鍋12の底部36を貫通して延びる延直線:Q上に位置する回転軸:R回りに、鋳型16の搬送方向と同一方向(ここでは、反時計回りの方向)に、鋳型16の搬送速度と同一速度で回動させる。そうして、搬送ライン18にて搬送途中の鋳型16に対する自動注湯を継続的に実施するのである。
このように、本実施形態の自動注湯装置を用いて、搬送ライン18による搬送途中の鋳型16への自動注湯を行う際には、注湯されるべき鋳型16と、それに対して鋳型16の搬送ライン18による搬送方向の下流側に隣り合って位置する別の鋳型16との境界線の延長線:T上に、取鍋12の回転軸:Rを位置させる箇所において、台車10を停車させた状態において、単に、取鍋12の底部36を貫通して延びる鉛直線:Q上に位置する回転軸:R回りに回動させるだけで済む。それ故、取鍋12を鋳型16と共に搬送ライン18に沿って平行移動させながら、搬送途中の鋳型16への自動注湯を行う場合とは異なって、或いは取鍋12の収容部30の側方において上下方向に延びる回転軸回りに取鍋12を回動させる場合とも異なって、取鍋12は、搬送ライン18に沿った前後方向に、何等移動することがない。従って、収容部30内の溶湯が、取鍋12の前後方向への移動により揺動して、波打つようなことが、極めて有利に解消乃至は十分に抑制される。しかも、取鍋12の回動速度が、鋳型16の搬送速度と同一とされているものの、取鍋12が、底部36を貫通して延びる鉛直線:Q上に位置する回転軸:R回りに回動させられるようになっているため、鋳型16の搬送速度の増大に伴って、取鍋12の回動速度が上昇しても、それによって、直ちに、収容部30内の溶湯の揺動量が大きくなってしまうことも、有利に回避されることとなる。
なお、本実施形態の自動注湯装置を用いた自動注湯操作では、取鍋12の回動位置や、傾動位置、更には注湯されている鋳型16の搬送位置に拘わらず、取鍋12の流出口34が、注湯されている鋳型16の湯口17に常に対応位置するように、取鍋12の鋳型16に対する前進乃至は後退移動が行われるが、そのような取鍋12の進退移動量は、搬送ライン18による搬送途中の鋳型16への自動注湯を行う際に、取鍋12を鋳型16と共に搬送ライン18に沿って平行移動させる移動量に比して、十分に小さくされている。そのため、取鍋12の進退移動による収容部30内の溶湯の揺動も、効果的に抑制される。
そして、上記の操作による鋳型16への注湯が完了したら、搬送ライン18上において、注湯が完了した鋳型16よりも、鋳型16の搬送方向上流側に位置する別の鋳型16の湯口17に対して、流出口34を対応位置させる回動位置にまで、取鍋12を前方側に向かって回動させる。その後、かかる別の鋳型16に対する注湯を実施するのである。
なお、搬送ライン18の作動開始に合わせて、取鍋12の回動を開始させることは、例えば、鋳型造型機による鋳型16の造型サイクルに合わせた搬送ライン18の作動開始の時間をコントローラ26に記憶させておき、コントローラ26に内蔵されたタイマーによる計測時間に基づいて、回動用サーボモータ88の駆動をコントローラ26にて制御することにより、実現される。また、搬送ライン18の周辺に、搬送ライン18の作動と停止とを検出する、例えば、センサカメラ等の検出装置を設置し、この検出装置からコントローラ26に出力される検出信号等に応じて、回動用サーボモータ88の駆動をコントローラ26にて制御することによっても、搬送ライン18の作動開始と取鍋12の回動開始のタイミングとを一致させることができる。更に、以下に示す鋳型16に対する自動注湯操作においても、搬送ライン18の作動開始と取鍋12の回動開始のタイミングとを一致させる方式や、搬送ライン18の作動停止と取鍋12の回動停止のタイミングとを一致させる方式として、上記のコントローラ26に内蔵されたタイマーを利用する方式や搬送ライン18の作動と停止を検出する検出装置を用いた方式等が、適宜に採用される。
一方、上記のようにして、取鍋12を回動させながら、搬送ライン18による搬送途中の鋳型16への自動注湯を行っているときに、搬送ライン18が停止した場合には、その時点で、取鍋12の回動を停止させる。その後、取鍋12の回動停止状態のままで、鋳型16への自動注湯を継続的に実施するのである。
そして、作動停止状態の搬送ライン18上の鋳型への注湯の終了後に、未だ、搬送ライン18の作動が停止しているときには、以下の手順に従って、また、図5に示されるようにして、台車10を、搬送ライン18の上流側(図5の左側)に、搬送ライン18に沿って移動させつつ、自動注湯が完了した鋳型16よりも上流側に、それと隣り合って位置する別の鋳型16に対する自動注湯を行う。
すなわち、作動停止状態の搬送ライン18上に位置する鋳型16への自動注湯が終了したら、図5の(a)に示されるように、注湯が終了した鋳型16よりも上流側に、それと隣り合って位置する鋳型16の湯口17に対して、流出口34が対応する位置(ここでは、前方側回動基準位置)まで、取鍋12を前方側(ここでは、時計回りの方向)に回動させる。このときの取鍋12の前方側への回動は、後方側への回動よりも十分に大きな速度で行われる。このとき、図5の(a)に示されるように、注湯されるべき鋳型16と、それに対して鋳型16の搬送ライン18による搬送方向の下流側に隣り合って位置する別の鋳型16との境界線の延長線:T上に取鍋12の回転軸:Rを位置させる箇所に、台車10と取鍋12が配置される。
それに引き続いて、図5の(b)に示されるように、台車10を、搬送ライン18に沿って、黒矢印で示される前方側(搬送ライン18の上流側方向)に徐々に移動させる。また、そうして台車10を移動させながら、取鍋12を傾動させて、収容部30内に溶湯を流出口34から流出させると共に、取鍋12を、前方側回動基準位置の側から後方側回動基準位置の側に向かって、回転軸:R回りに回動させる。このとき、台車10の移動位置に拘わらず、流出口34が、注湯最中の鋳型16の湯口17に対して常に対応位置するように、取鍋12の回動速度を台車10の移動速度と同一の速度とする。
その後、図5の(c)に示されるように、取鍋12の回動位置が、後方側回動基準位置に達したら、取鍋12の回動を停止させる。また、それと同時に、或いはそれよりも前に、台車10の前方側への移動を停止させる。更に、好適には、取鍋12の回動停止と同時に、或いはそれよりも前に、鋳型16への所定量の溶湯の注湯を完了させる。
そして、上記の如き鋳型16への自動注湯が完了したら、搬送ライン18上において、注湯が完了した鋳型16よりも、鋳型16の搬送方向上流側に位置する別の鋳型16の湯口17に対して、流出口34を対応位置させる回動位置にまで、取鍋12を前方側に向かって、再び回動させる。その後、かかる別の鋳型16に対する注湯を実施するのである。
このように、本実施形態の自動注湯装置を用いて、搬送ライン18の作動停止状態下で、台車10を前方側に移動させながら、鋳型16に対する自動注湯を実施する場合には、図6に示される如く、台車10が、搬送ライン18に沿って、前方側の所定位置にまで移動(取鍋移動)する間に、取鍋12の流出口34が、注湯されるべき鋳型16の湯口17上から変位しないように、取鍋12を回転軸:R回りに回動させる回動操作(取鍋回動)が行われる。また、それと同時に、そのような取鍋12の回動操作を行いながら、取鍋12の自動傾動による鋳型16に対する注湯操作(注湯)が、台車10の移動が完了するまでの間に実施される。そして、そのような鋳型16に対する注湯操作が完了したら、収容部30内に収容される溶湯重量を、三つのロードセルとコントローラ26にて減算方式にて測定して、コントローラ26に記憶させる操作(重量記憶)が行われた後、次に注湯すべき別の鋳型16の湯口17に流出口34を対応位置させるために、取鍋12の回動操作(取鍋戻し)が実施される。その後、かかる別の鋳型16に注湯が可能となる傾動角度にまで、取鍋12を傾動させる操作(空傾動)が行われる。そうして、注湯操作の1サイクルが完了するのである。
これに対して、取鍋12の回動が不能とされた従来の自動注湯装置を用いて、搬送ライン18の作動停止状態下で、台車10を前方に移動させて、鋳型16に対する自動注湯を行う場合には、図7に示されるように、先ず、取鍋12の空傾動操作が実施され、その後、注湯操作が行われる。次に、重量記憶操作が実施された後、台車10を、搬送ライン18に沿って、前方側の所定位置にまで移動させる台車移動操作が行われる。そうして、注湯操作の1サイクルが完了するのである。
従って、本実施形態の自動注湯装置を用いれば、従来の自動注湯装置を用いる場合とは異なって、台車10の移動操作と鋳型16に対する注湯操作とを同時に並行して行うことができる。そして、その分だけ、注湯操作の1サイクルに要する時間を、有利に短縮することが可能となるのである。
以上の説明から明らかなように、本実施形態の自動注湯装置によれば、取鍋12を、搬送ライン18に沿った前後方向に殆ど移動させることなく、取鍋12の底部36を貫通して延びる延直線:Q上の回転軸:R回りに取鍋12を回動させることによって、搬送ライン18による搬送途中の鋳型16に対する自動注湯を安定的に行うことができる。そして、それ故、搬送途中の鋳型16に対する自動注湯を行う際に、取鍋12の収容部30内の溶湯が揺動することが可及的に解消される。また、搬送ライン18による鋳型16の搬送速度の増大に伴って、収容部30内での溶湯の揺動量が大きくなることも可及的に回避され得る。それ故、そのような取鍋12の収容部30内での溶湯の揺動や、それにより生ずる波打ち現象等によって、取鍋12内の溶湯重量の計量精度が不安定となってしまうことが、効果的に防止され得る。
従って、かくの如き本実施形態の自動注湯装置を用いれば、搬送ライン18を一々停止させることなしに、搬送ライン18上の多数の鋳型16のそれぞれに対して、予め定められた量の溶湯を、十分に高い精度で、均一に自動注湯することができる。その上、搬送ライン18による鋳型16の搬送速度が上昇しても、取鍋12内の溶湯重量の計量精度のバラツキに起因した鋳型16への溶湯の注湯量の不均一化が、より一層有利に防止され得るのである。そして、その結果として、安定した品質の鋳造製品の生産性の向上が、極めて効果的に図られ得ることとなるのである。
また、かかる自動注湯装置においては、搬送ライン18による鋳型16の搬送停止時に、台車10の移動操作と鋳型16に対する注湯操作とを同時に並行して行うことができ、それによって、注湯操作の1サイクルに要する時間を、有利に短縮することができる。これによっても、目的とする鋳造製品の生産性が、より一層有利に高められ得る。
さらに、かかる自動注湯装置では、台車10の移動操作と鋳型16に対する注湯操作とを同時に実施可能であるため、従来装置に比して、注湯操作の1サイクルに要する時間を長引かせることなく、台車10の移動速度を有利に遅くすることができる。これによって、台車10を移動させながら、鋳型16に対する注湯を行う際にも、取鍋12内の溶湯の揺動を効果的に抑制することが可能となり、その結果、鋳型16への注湯量の均一化が有利に実現できるのである。
そして、本実施形態の自動注湯装置にあっては、取鍋12と、取付枠体38と、取鍋12を取付枠体38に取り付けるための取付ブラケット56等の部材と、取鍋12を鋳型16に向かって前進乃至は後退させるのに設けられた、進退移動用サーボモータ76とピニオン78とラック74を含む進退移動機構と、取鍋12を傾動させるのに設けられた、電動シリンダ60と連結板66を含む傾動機構と、取鍋12を上下動させるのに設けられた、上下移動用サーボモータ46とボールねじ軸42と雌ねじ部材50を含む昇降機構と、取鍋12を、鉛直方向に延びる回転軸:R回りに回動させるために設けられた、回動用サーボモータ88と軸部材82と二つのスプロケット86,90とチェーン92とを含む回動機構の全ての荷重が、支持枠体80にて支持されている。また、そのような支持枠体80が、保持体68の下側において、複数の計量支持部94のそれぞれに内蔵されたロードセルを介して、台車10に支持されている。
すなわち、本実施形態装置では、取鍋12が、進退移動したり、上下動したり、傾動したり、回動したりしても、取鍋12と一体移動しないように構成された支持枠体80が、複数の計量支持部94のそれぞれに内蔵されたロードセルを介して、支持枠体80の下側に位置する台車10に支持されて、そのようなロードセルにて、支持枠体80とそれに支持される全ての部材の重量が、測定されるようになっている。
従って、本実施形態の自動注湯装置にあっては、例えば、溶湯が収容された取鍋12の重量をロードセルにて直接に測定する場合とは異なって、取鍋12が進退移動したり、傾動したり、回動したりしたとき、特に、そのような取鍋12の動作の開始時や停止時に、取鍋12に対して左右前後の水平方向やねじり方向等に掛かる荷重が、ロードセルによる荷重測定に悪影響を及ぼすことが有利に回避され得る。そして、その結果、複数の鋳型16の一つ一つへの注湯時に、各鋳型16への溶湯の注湯量が不均一となってしまうようなことが、効果的に防止乃至は抑制され得るのである。
また、かかる自動注湯装置では、支持枠体80が、三つのロードセルを介して、台車10に対して三点支持で支持されるようになっている。それ故、支持枠体80を、台車10に対して、一つ、又は二つ、或いは四つのロードセルを介して、台車10に支持させる場合とは異なって、支持枠体80が転倒したりしないように、支持枠体80を支えるための余分なサポート部材等を何等用いることなく、全てのロードセルに対して、支持枠体80とそれに支持される部材及び装置の荷重が、必ず掛けられる。これによって、ロードセルによる荷重測定の精度、ひいては取鍋12内の溶湯重量の計量精度の向上が、効果的に図られ得るのである。
さらに、本実施形態の自動注湯装置においては、取鍋12の前方側回動限度位置や後方側回動限度位置が、流出流路32を搬送ライン18の延出方向と平行な前後方向に延び出させた位置となっている。それ故、例えば、注湯操作の終了後に、取鍋12の収容部30内に残存した溶湯を取り出す際や、注湯操作の途中で、収容部30内に溶湯の種類を交換するために、収容部30内の溶湯を取り出す際に、台車10を特別な位置にまで移動させることなく、搬送ライン18の側方の任意の位置で、取鍋12の回動位置を前方側回動限度位置又は後方側回動限度位置とすることによって、収容部30内の溶湯を容易に且つ確実に取り出すことができる。これによって、注湯操作の効率化と迅速化が、有利に実現可能となるのである。
加えて、本実施形態の自動注湯装置を用いる場合には、注湯されるべき鋳型16と、搬送ライン18による鋳型16の搬送方向の下流側に隣り合って位置する別の鋳型16との境界線の延長線:T上に、取鍋12の回転軸:Rが位置するように、取鍋12と台車10を配置した状態において、取鍋12の傾動による鋳型16に対する注湯が行われる。これによって、鋳型16の搬送ライン18による搬送に追従して、取鍋12を回転軸:R回りに回動させる場合にあっても、また、台車10を移動させながら、取鍋12を回転軸:R回りに回動させる場合にあっても、取鍋12の回動量を十分に小さくできると共に、鋳型16の搬送方向に沿った取鍋12の移動量も、極めて効果的に小さくできるか、或いはゼロと為すことができる。そして、その結果として、取鍋12内の溶湯の揺動を更に一層効果的に抑制することが可能となり、以て、鋳型16への注湯量の均一化がより有利に実現できるのである。
以上、本発明の具体的な構成について詳述してきたが、これはあくまでも例示に過ぎないのであって、本発明は、上記の記載によって、何等の制約をも受けるものではない。
例えば、前記実施形態では、取鍋12の回転軸:Rが、非傾動状態の取鍋12の底部36の中心よりも左側に偏倚した部分を貫通して延びる鉛直線:Q上に位置していた。しかしながら、取鍋12の回転軸:Rは、非傾動状態の取鍋12の底部36を貫通して延びる鉛直線:Q上に設けられておれば、その位置が、具体的に限定されるものではない。従って、取鍋12の回転軸:Rが、非傾動状態の取鍋12の底部36の中心を貫通して延びる鉛直線:Q上や、かかる中心よりも右側や前側、或いは後側に偏倚した底部36部分を貫通して延びる鉛直線:Q上に設けられていても良い。そして、それらの中でも、取鍋12の回転軸:Rは、非傾動状態の取鍋12の底部36の中心を貫通して延びる鉛直線:Q上設けられていることが望ましい。それによって、取鍋12の回動による溶湯の揺動の発生が、より一層効果的に解消乃至は抑制され得る。
また、取鍋12を回転軸:R回りに回動させる回動手段の構造も、前記実施形態に示されるものに、何等限定されるものではない。即ち、油圧シリンダや空気圧シリンダ、電動シリンダ等のアクチュエータを利用したり、或いは電動モータとギヤ機構(例えば、ピニオンとラック等)やリンク機構等を組み合わせて、回動手段を構成することもできる。
さらに、傾動手段や移動手段も、油圧シリンダや空気圧シリンダ、電動シリンダ等のアクチュエータを利用したり、或いは電動モータとねじ送り機構を組み合わせたり、電動モータとギヤ機構(例えば、ピニオンとラック等)やリンク機構等を組み合わせたりして、傾動手段や移動手段を構成することもできる。
更にまた、取鍋12を上下動させる昇降機構も、油圧シリンダや空気圧シリンダ、電動シリンダ等のアクチュエータを利用したり、或いは電動モータとギヤ機構(例えば、ピニオンとラック等)やリンク機構等を組み合わせたりして、昇降機構を構成することもできる。
また、支持枠体80と台車10との間に介装される計量支持部94とそれに内蔵されるロードセルの個数は、適宜に変更可能である。
さらに、支持枠体80と台車10との間に介在して、支持枠体80とそれに支持される全ての部材や装置の重量を検出するロードセルは、引張荷重を検出する構造のものを用いても良い。その場合には、支持枠体80が、台車10に固定された所定のブラケットに対して、ロードセルを介して懸吊された状態で支持されることとなる。
また、前記実施形態では、流出流路32を、搬送ライン18の延出方向と平行に前方側に向けて配置させた取鍋12の回動位置、即ち、流出口34を、搬送ライン18の延出方向と平行な前方に向かって開口させた取鍋12の回動位置が、前方側回動限度位置とされる一方、流出流路32を、搬送ライン18の延出方向と平行に後方側に向けて配置させた取鍋12の回動位置、即ち、流出口34を、搬送ライン18の延出方向と平行な後方に向かって開口させた取鍋12の回動位置が、後方側回動限度位置とされて、取鍋12が、そのような前方側及び後方側回動限度位置の間の範囲内において、回転軸:R回りに回動可能とされていたが、取鍋12の回転軸:R回りの回動範囲は、特に限定されるものではない。しかしながら、取鍋12は、少なくとも、流出口34を、搬送ライン18上の鋳型10の側方に配置させる位置、具体的には、鋳型10の搬送方向と直角な方向に対向位置する側面(特に、台車10の配置側の側面)よりも側方に配置させる位置まで、回転軸:R回りに回動可能とされていることが望ましい。
そうすれば、取鍋12が回動不能とされた従来の自動注湯装置とは異なって、収容部30内の溶湯を取り出す作業を行う際に、例えば、搬送ライン18の後端から更に後方側で、鋳型16の存在しない箇所にまで、台車10を移動させなくとも、搬送ライン18の側方の任意の位置で、単に、流出口34が鋳型16の側方に配置される位置まで取鍋12を回動させることによって、収容部30内の溶湯の取出し作業を、搬送ライン18や鋳型16に邪魔されることなく、容易に且つ迅速に行うことが可能となるのである。なお、流出口34が搬送ライン18上の鋳型10の側方に配置される位置にまで取鍋12を回動させて、取鍋12内の溶湯を取り出す作業を実施する際には、一般に、取鍋12の回動位置が、流出流路32を搬送ライン18の延出方向と平行に前方側や後方側に向けて配置させた位置[例えば、図4の(a)に二点鎖線で示される位置]とされる。
その他、一々列挙はしないが、本発明は、当業者の知識に基づいて種々なる変更、修正、改良等を加えた態様において実施され得るものであり、また、そのような実施態様が、本発明の趣旨を逸脱しない限り、何れも、本発明の範囲内に含まれるものであることは、言うまでもないところである。
10 台車 12 取鍋
16 鋳型 18 搬送ライン
22 走行用サーボモータ 26 コントローラ
30 収容部 34 流出口
36 底部 60 電動シリンダ
66 連結板 70 案内レール
72 案内溝 74 ラック
76 進退移動用サーボモータ 78 ピニオン
80 支持枠体 82 軸部材
88 回動用サーボモータ 94 計量支持部

Claims (8)

  1. 複数の鋳型に注湯可能な量の溶湯を収容する取鍋が、それら鋳型を順次搬送する搬送ラインの側方において該搬送ラインに沿って移動可能とされた台車に対して、傾動手段により傾動させられるように搭載され、該傾動手段による該取鍋の自動的な傾動によって、該取鍋内に収容された溶湯を、該取鍋の側壁部に設けられた流出経路の流出口を通じて、該搬送ライン上の鋳型に対して自動的に注湯し得るように構成された自動注湯装置であって、
    前記取鍋の前記傾動手段による傾動前の配置状態において該取鍋の底部を貫通して延びる鉛直線上に、該取鍋の回転軸が設けられて、該取鍋が、前記台車に対して、該回転軸回りに回動可能に搭載されていると共に、該取鍋を、前記搬送ラインにおける該鋳型の前記台車に対する相対的な搬送速度に対応して、該回転軸回りに回動させる回動手段が、該台車に設置されていることを特徴とする自動注湯装置。
  2. 前記取鍋が、前記搬送ラインに向かって進退可能な状態で、前記台車に搭載されていると共に、該取鍋を該搬送ラインに対して前進又は後退させる移動手段が、該台車に設置され、更に、該取鍋が前記回動手段にて前記回転軸回りに回動させられたときに、該取鍋の前記流出口、該搬送ライン上の注湯されるべき鋳型一定箇所に位置るように、該移動手段による該取鍋の前進量又は後退量を制御する制御手段が、該台車に設置されている請求項1に記載の自動注湯装置。
  3. 前記取鍋と前記傾動手段と前記回動手段と前記移動手段とを、それらの全ての重量を受けて支持する支持体が設けられると共に、該支持体が、鉛直方向下向きの荷重を検出する、少なくとも一つのロードセルを介して、前記台車に支持されている請求項2に記載の自動注湯装置。
  4. 前記ロードセルが、前記支持体と前記台車との間に三つ配置され、それら三つのロードセルを介して、該支持体が、該台車に支持されている請求項3に記載の自動注湯装置。
  5. 前記取鍋が、前記流出流路が前記搬送ラインの延出方向と平行となる位置まで、前記回転軸回りに回動可能とされている請求項1乃至請求項4のうちの何れか1項に記載の自動注湯装置。
  6. 多数の鋳型を間欠的に搬送する搬送ラインの側方において該搬送ラインに沿って移動可能とされた台車上に搭載された取鍋を傾動させることにより、該取鍋内に収容された溶湯を、該取鍋の側壁部に設けられた流出口を通じて、該搬送ライン上の該鋳型に注湯するようにした鋳型に対する注湯方法であって、
    前記多数の鋳型が前記搬送ラインにて搬送されているときに、前記台車を停止させる一方、前記取鍋の流出口の位置が、該多数の鋳型のうちの注湯されるべき鋳型に追従して、該取鍋の側壁部の周方向に変化するように、該取鍋を、傾動前の該取鍋の底部を貫通して延びる鉛直線上に位置する回転軸回りに、該鋳型の搬送方向と同一方向に回動させながら、該注湯されるべき鋳型に対して、該取鍋の傾動による注湯を行うことを特徴とする鋳型に対する注湯方法。
  7. 多数の鋳型を間欠的に搬送する搬送ラインの側方において該搬送ラインに沿って移動可能とされた台車上に搭載された取鍋を傾動させることにより、該取鍋内に収容された溶湯を、該取鍋の側壁部に設けられた流出口を通じて、該搬送ライン上の該鋳型に注湯するようにした鋳型に対する注湯方法であって、
    前記搬送ラインによる前記多数の鋳型の搬送が停止しているときに、該搬送ラインによる鋳型の搬送方向の上流側に、前記台車を移動させると共に、該台車を移動させている間に、該台車の移動位置に拘わらず、前記流出口の位置が、該多数の鋳型のうちの注湯されるべき鋳型に対応する位置に維持されるように、該取鍋を、該台車の移動方向とは反対方向に前記回転軸回りに回動させながら、該注湯されるべき鋳型に対して、該取鍋の傾動による注湯を行うようにしたことを特徴とする鋳型に対する注湯方法。
  8. 前記取鍋の傾動による前記鋳型に対する注湯を行うに先立ち、注湯の終了した鋳型と、次に注湯される鋳型との境界線を、取鍋側に向かって、搬送ラインの側方に延長させた延長線上に、前記回転軸が位置するように、該取鍋配置された後、該搬送ラインにおける鋳型の前記台車に対する相対的な搬送速度に対応して、該取鍋が該回転軸回りに回動せしめられるようになっている請求項又は請求項に記載の鋳型に対する注湯方法。
JP2012119120A 2012-05-25 2012-05-25 自動注湯装置並びに鋳型に対する注湯方法 Active JP5886686B2 (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012119120A JP5886686B2 (ja) 2012-05-25 2012-05-25 自動注湯装置並びに鋳型に対する注湯方法
CN201210418957.9A CN103418779B (zh) 2012-05-25 2012-10-26 自动浇注装置以及向铸模进行浇注的浇注方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012119120A JP5886686B2 (ja) 2012-05-25 2012-05-25 自動注湯装置並びに鋳型に対する注湯方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2013244504A JP2013244504A (ja) 2013-12-09
JP5886686B2 true JP5886686B2 (ja) 2016-03-16

Family

ID=49644445

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012119120A Active JP5886686B2 (ja) 2012-05-25 2012-05-25 自動注湯装置並びに鋳型に対する注湯方法

Country Status (2)

Country Link
JP (1) JP5886686B2 (ja)
CN (1) CN103418779B (ja)

Families Citing this family (16)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN103801682B (zh) * 2013-12-06 2015-12-30 焦作市大明创基科技开发有限公司 一种自动浇铸装置
JP5959564B2 (ja) * 2014-04-01 2016-08-02 新東工業株式会社 取鍋搬送台車およびそれを使用した溶湯搬送ライン
CN103990785B (zh) * 2014-06-12 2016-04-20 邹大群 一种电动液压浇铸机
CN105903944A (zh) * 2016-04-01 2016-08-31 江西瑞林装备有限公司 移动浇注装置
JP6810409B2 (ja) 2017-02-20 2021-01-06 新東工業株式会社 自動注湯装置の制御方法、自動注湯装置、制御プログラム、及び、制御プログラムを記憶するコンピュータ読み取り可能な記録媒体
CN107626913A (zh) * 2017-11-16 2018-01-26 苏州石川制铁有限公司 一种实现精细计量管理的浇注机称重装置
KR101980082B1 (ko) * 2018-09-14 2019-05-20 (주)상진기공 래들 회전 장치
CN109604574B (zh) * 2018-10-24 2020-10-20 广德亚太汽车智能制动系统有限公司 一种间歇式传动组件及其应用的浇包倾倒装置
CN109332671B (zh) * 2018-10-24 2020-08-07 广德亚太汽车智能制动系统有限公司 一种间歇式提升浇包装置
CN109175342B (zh) * 2018-11-08 2024-06-07 山东杰创机械有限公司 一种双侧浇注系统
CN109590455A (zh) * 2018-12-20 2019-04-09 宁国市华丰耐磨材料有限公司 一种可移动式铁水自动浇注装置
JP7218240B2 (ja) * 2019-04-26 2023-02-06 新東工業株式会社 注湯装置及び注湯システム
CN110695348A (zh) * 2019-12-03 2020-01-17 邳州市政隆建设有限公司 一种多功能铸造机
CN111331121A (zh) * 2020-03-16 2020-06-26 宁夏新顺成特种合金有限公司 一种新型孕育块浇筑车
JP7380452B2 (ja) * 2020-07-01 2023-11-15 新東工業株式会社 鋳型処理システム及び鋳型処理方法
CN111745150B (zh) * 2020-08-15 2024-06-21 永红保定铸造机械有限公司 一种浇注系统用浇注机

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH04190960A (ja) * 1990-11-22 1992-07-09 Daido Steel Co Ltd 懸垂型注湯搬送装置
CN1080154C (zh) * 1997-06-27 2002-03-06 哈勃工程股份有限公司 浇铸设备中控制浇铸包以较低浇铸高度运动的方法和装置
JPH11333559A (ja) * 1998-05-25 1999-12-07 Honda Motor Co Ltd 注湯装置
JP4721775B2 (ja) * 2005-05-27 2011-07-13 東久株式会社 鋳造用自動注湯装置並びに鋳型に対する注湯方法
TWI466740B (zh) * 2007-02-15 2015-01-01 Sintokogio Ltd 自動注入方法及裝置
JP2011020176A (ja) * 2009-06-16 2011-02-03 Sintokogio Ltd 自動注湯方法およびその設備

Also Published As

Publication number Publication date
JP2013244504A (ja) 2013-12-09
CN103418779A (zh) 2013-12-04
CN103418779B (zh) 2016-12-21

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5886686B2 (ja) 自動注湯装置並びに鋳型に対する注湯方法
KR101119391B1 (ko) 자동 주탕 방법 및 장치
KR101314755B1 (ko) 자동 주탕기의 제어 방법 및 그 제어 시스템
JP5640020B2 (ja) 溶解炉を搭載した注湯装置
KR101765288B1 (ko) 정밀주조용 정량주입장치
WO2010146908A1 (ja) 自動注湯機への溶湯供給方法およびその設備
JP4721775B2 (ja) 鋳造用自動注湯装置並びに鋳型に対する注湯方法
SU805938A3 (ru) Устройство дл заливки металла вфОРМы
JP3251573B2 (ja) 鋳造用自動注湯装置
KR100558313B1 (ko) 주물용탕 자동 주입장치
JPH08174194A (ja) 鋳造装置
JPH1190616A (ja) 自動注湯装置
JPH09108823A (ja) 注湯方法及び装置
JP6379804B2 (ja) ラドル給湯装置による計量方法
JP7276026B2 (ja) 鋳造用の給湯装置および給湯方法
JPH07323364A (ja) ダイカストマシンの給湯装置
JP2928118B2 (ja) 鋳造装置
JPH0471774A (ja) 取鍋交換装置
JPH0471770A (ja) 注湯方法およびその装置
JPH05192764A (ja) 鋳造システム
JPH0471773A (ja) 鋳造装置
KR20130094943A (ko) 다이캐스팅 장치용 무빙 후드
JPH0471772A (ja) 鋳造装置における取鍋支持機構
JPS62110857A (ja) 溶融金属給湯装置
TH94866A (th) อุปกรณ์และวิธีการเทแบบอัตโนมัติ

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20150121

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20151026

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20151110

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20160108

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20160209

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20160212

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5886686

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250