JP5886625B2 - 非晶質炭素膜積層部材及びその製造方法 - Google Patents
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Description
しかし、非晶質炭素膜に接触し摺動する部品のサイズが、例えば0402型(縦幅0.4mm×横幅0.2mm×厚み0.2mm)のチップ抵抗や積層セラミックコンデンサ等の登場など微小化するに従い、従来の非晶質炭素膜の静電気除去能力では不十分となり、静電気による非晶質炭素膜表面への付着・残留などの現象が確認されるようになってきた。
今日では携帯型電子機器が多くなり、使用される部品もどんどん微小化している現状がある。このような状況において、微小部品の生産過程に於ける部品搬送、部品加工のための整列、保管等の工程で部品の貼り付きによる残留が発生することは、性能の異なる部品の異種性能ロットへの混入や、生産ロット間の混入によるトレサビリティーの消失などの問題を惹起させ、生産工程の品質管理に重大な問題を引き起こすようになってきた。
このような低い体積電気抵抗率を有する基材の要求は、電子部品に限定される訳ではなく、機械加工部品、粉体、その他多様なワーク、多様な産業分野に及んでいる。
加えて、特に電子部品においては静電気の蓄積によって部品故障が発生してしまうものも多い。さらには、電子部品の絶縁抵抗測定や静電容量測定、その他電気特性検査に供される電気的な接触端子(プローブ等)などは、その元来の用途用法上、低い電気抵抗率が要求されるものが多い。
そこで、各種基材に被覆される非晶質炭素膜の電気伝導性を向上させる工夫がより一層必要である。
[1]導電性基材上に導電性炭素微粒子が分散固定されてなる非連続な微小領域と、導電性基板上の該領域以外に堆積された非晶質炭素膜からなる連続した領域とを有し、前記の導電性炭素粒子からなる微小領域の表面と、前記の非晶質炭素膜からなる連続した領域の表面とが、同一平面をなしていることを特徴とする非晶質炭素膜積層部材。
[2]前記導電性物質の体積電気抵抗率が10 6 Ω・cmより低い[1]記載の非晶質炭素膜積層部材。
[3]前記導電性炭素粒子が、カーボングラファイト又はカーボンブラックからなる[1]又は[2]に記載の非晶質炭素膜積層部材。
[4]前記非晶質炭素膜を最上層とする、部品搬送用部材、部品整列用部材又は部品保管用部材であることを特徴とする[1]〜[3]のいずれか1項に記載の非晶質炭素膜積層部材。
[5][1]〜[4]のいずれか1項に記載の非晶質炭素膜積層部材の製造方法であって、
(1)導電性基材上に、導電性炭素微粒子を前記の微小領域のみに分散固定する工程と、(2)該導電性炭素微粒子が固定された基板の表面に非晶質炭素を堆積させる工程と、(3)該非晶質炭素膜の表面と導電性炭素微粒子の表面とが同一平面となるように平坦化する工程をこの順に含むことを特徴とする非晶質炭素膜積層部材の製造方法。
[6]前記(1)の工程を、導電性基板上に、所定の開口を有するメッシュ又はスクリーン版を配置し、その上から、導電性炭素粒子を含有する塗布剤を噴霧することにより行うことを特徴とする[5]に記載の非晶質炭素膜積層部材の製造方法。
[7][1]〜[4]のいずれか1項に記載の非晶質炭素膜積層部材の製造方法であって、
(1´)導電性基板上の、前記微小領域以外の領域に非晶質炭素を堆積させる工程と、(2´)導電性基板上の、非晶質炭素が堆積されていない前記微小領域に導電性炭素微粒子を固定させる工程と、(3´)該非晶質炭素膜の表面と導電性炭素微粒子の表面とが同一平面となるように平坦化する工程をこの順に含むことを特徴とする非晶質炭素膜積層部材の製造方法。
[8]前記(1´)の工程を、導電性基板上に所定の開口を有するマスクを配置し、その上から、マスキング材料を塗布、または噴霧して、マスクのネガパターン状にマスキング材料による保護膜を形成した後、マスクを外して、導電性基板表面に非晶質炭素膜を堆積させ、その後、マスキング材料による保護膜部分及び該保護膜上に成膜された非晶質炭素膜を剥離することにより行うことを特徴とする[7]に記載の非晶質炭素膜積層部材の製造方法。
図1は、本発明の非晶質炭素膜積層部材を模式的に記載した図であり、(a)は、その断面図であり、(b)は、微小電子部品の電極と点在する導電性炭素微粒子との関係が分かるように示した平面図であって、本発明の非晶質炭素膜積層部材における、導電性炭素微粒子が分散固定されてなる非連続な微小領域の露出表面を示している。図中、10は、導電性基材、20は、導電性炭素微粒子が分散固定されてなる非連続な微小領域、30は、非晶質炭素膜からなる連続した領域、40は、積層セラミックコンデンサ、40aは、積層セラミックコンデンサの両端部側に形成された電極、をそれぞれ示している。
図1(a)に示されているように、本発明の非晶質炭素膜積層部材において、導電性炭素微粒子の微小領域(20)の下側は、導電性基材(10)上に接触している、または電気的導通が確保されていることが重要である。
図1(b)では、0402型の積層セラミックコンデンサ(40)を搬送する部材として用いる例を示している。該図に示すとおり、非連続な微小領域(20)の露出表面は、200μmの範囲内で、耐磨耗性が損なわれない範囲の比表面積に収まっていることが好ましい。
このように、本発明の非晶質炭素膜積層部材における非連続な微小領域(20)の露出表面は、扱う微小電子部品などの大きさによって、変化させることができる。また、扱う微小電子部品を共用する場合、最も微小の電子部品の大きさに合わせておけば良い。
また、導電性基板には、その表面に直接、導電性炭素微粒子が固定され、且つ非晶質炭素膜が堆積されていても良いが、導電性を有するものであれば、接着層などの中間層を有するものであってもよい。
当該膜中にSiを含有する場合、その含有量は概ね1〜45原子%、好ましくは4〜30原子%であり、当該膜中に酸素を含有する場合、その含有量は概ね0.1〜50原子%、好ましくは4〜40原子%であり、当該膜中に窒素を含有する場合、その含有量は0.1〜20原子%、好ましくは、0.5〜15原子%である。
また、本発明の一実施形態にかかるa−C:H膜の膜厚は特に限定されないが、少なくとも50nm〜10μmであるのが好ましく、更に好ましくは0.5〜3μmである。50nmより薄い膜になると膜の連続性がなくなり、10μmより厚くなると膜の応力剥離が起こるようになるため、この範囲内にするのが好ましい。成膜時間や安定性を考慮すると、0.5〜3μmの範囲にするのが、本発明の適用に最適である。
第一の方法は、(1)導電性基材上に、導電性炭素微粒子を前記の微小領域のみに分散固定する工程と、(2)該導電性炭素微粒子が固定された基板の表面に非晶質炭素を堆積させる工程と、(3)該非晶質炭素膜の表面と導電性炭素微粒子の表面とが同一平面となるように平坦化する工程とからなる方法である。
使用されるスクリーン又はメッシュの開口の大きさは、10〜500μmであり、また、用いられるスクリーン又はメッシュの材質は、被接触物である微小部品等の形状に応じた必要間隔で、飛び飛びの開口パターンを有していれば良く、ステンレス鋼(SUS)、あるいはNi、銅、アルミニウムその他の金属やそれらの合金、また、乳剤やポリエステルその他の樹脂、ゴム、紙、セルロースや合成繊維、無機材料等、素材は特に限定されない。スプレー塗布剤などを噴霧し、塗布材が十分乾燥し、初期の導電性炭素粒子と基材の密着が取れた段階で、導電性微粒子と基材の接触をより確実にする為、バレンなどで導電性炭素粒子をその上部から基材方向に軽く圧縮することも可能である。
その後の前記(3´)の工程は、前記(3)の工程と同様である。
また、スプレー噴霧物ではパターン転写時に加熱を伴わないため、被覆物と基材の熱線膨張係数の相違によるパターンの位置ズレを起こすことも無い。
さらに、スプレー塗布は、真空プロセスではなく、開放された常圧の空間で実施されるので、例えば立体形状を有する基材の任意の面、部分を選択的に、該面に最も適切で必要なパターンの被覆で、任意の方向から順次表面処理行うことが可能となる。
(実施例1、2)
1)基材上への非晶質炭素膜の形成
試料として、四角形の板状ステンレス鋼(オーステナイト系)SUS304 2B材 幅20mm×長さ80mm 厚さ0.6mmの試料を準備した。
上記試料を平置きした後、試料の縦方向に半分だけ被覆されるように、ステンレス鋼SUS製の#60金属メッシュ(線径0.12mm、目開0.3mm)を、試料面上に配置し、グラファイトの微粒子を含有するスプレー塗布剤(株式会社オーテック製、商品名:ブラックルブ、電気伝導率:10−3Ω・cm)を噴霧した。この試料を15分間、室温で自然乾燥させた後、金属メッシュを除去し、ホットプレート上にて約200℃で10分間加熱した。
金属メッシュで被覆された部分は、特に、粒径1μm以上のグラファイト微粒子或いは粒子の二次粒子が、試料の表面に点在している状態が観察できた。また、金属メッシュにて被覆されていない部分は、グラファイトが連続面として試料表面を覆い、試料表面が露出していないことが確認できた。
該試料において、金属メッシュを被覆して、表面にグラファイトを点在させた試料部分を実施例1用試料とした。また、金属メッシュにて被覆せず、グラファイトが連続的に試料表面を覆っている部分を比較例1用試料とした。
さらに、別途、表面にグラファイト含有塗布剤を噴霧していない状態の実施例1、比較例1作成に使用したものと同じ試料を準備し、これを比較例2用試料とした。
・成膜装置:高圧DCパルスプラズマCVD装置
・真空度:7×10−4Pa
・原料ガス:トリメチルシラン 流量:30SCCM ガス圧:2Pa
・印加電圧:−4kVまで
・膜厚:500nm
先ず、図3は、実施例1用試料の金属メッシュにて被覆した部分の状態を観察したCCD拡大写真を示すものである((a)倍率500倍、(b)倍率2000倍)。これらの写真から、特にグラファイトの周辺へ影響を与えること無く、非晶質炭素膜が成膜されていることがわかる。
また、図4に、比較例1用試料の金属メッシュにて被覆しない部分の状態を観察したCCD拡大写真を示す((a)倍率500倍、(b)倍率2000倍)。図4から、基材を覆うように全面にグラファイト膜が存在することが確認でき。その上に非晶質炭素膜が成膜されたと推定できる。
非晶質炭素膜形成後、実施例1用試料の表面と比較例1用試料の表面を、不織布にて全面が覆われたバレンを使用して乾拭きし、その表面状態を確認した。拭き取りに使用したバレンの不織布の摩擦面からは黒い粉状のものが観察され、形成した非晶質炭素膜に埋没することなく非晶質炭素膜表層表面(水平面)より上に凸となった部分のグラファイトがバレンにより非晶質炭素膜表層表面と水平面になるまでの部分が摩滅され、平坦化していることが確認された。
図5は、実施例1用試料の金属メッシュにて被覆した部分の状態を観察したCCD拡大写真である〔(a)倍率500倍、(b)倍率2000倍〕。
特に実施例1のような部分的に導電性のグラファイトが点在する試料の電気抵抗を計測するため、また、測定用の金属端子が薄膜である非晶質炭素膜を基材側に貫通しないよう、実施例1の試料表面との電気抵抗測定接触部には本来の被測定物との接触部である金属製端子部分表層に、導電性ゴム((株)JSRマイクロテック製ショートゴム、幅10mm×長さ16mm×厚さ1.35mm)を設けた。図11にその概要を示す。
本測定では、本来得たい被測定物の電気抵抗以外に、
・導電性ゴムと被測定物の接触抵抗
・導電性ゴムの抵抗
・金属電極と導電性ゴムの接触抵抗
・金属電極の抵抗
・リード線と金属電極の接触抵抗
・リード線の抵抗
といったものが発生し、測定値に影響を及ぼす可能性がある。これらの影響を排除する為電気抵抗は4端子法により測定している。抵抗測定器はAgilent社製34420Aを使用した。
上記方法で実施例1と同様の試料の電気抵抗を5回計測した平均抵抗値は、2.92Ωであり、基材と非晶質炭素膜表面の電気的導通が確保されていることが確認できた。
以上の説明において、グラファイト部分が点在し、このグラファイト部分を取り囲む周囲の非晶質炭素膜の構造が工業的に実施できるのかを試すため、新東科学製、摩擦磨耗試験装置トライボギアHHS-2000を用いて、摩擦磨耗試験を実施した。摩擦磨耗試験の実験条件として、荷重は20gと100gとの2点間の傾斜加圧で実施した。また、試験雰囲気は、大気中とし、圧子移動速度は5mm/秒であり、圧子移動距離は、20mm、サンプリンググレートは、25Hzまでとした。試料及びその他の条件は、以下に記述する。
試料は、実施例1の試料と、ステンレス鋼SUSの試料に非晶質炭素膜のみ成膜した比較例2の試料の2種とし、それぞれについて上記の条件で摩擦磨耗試験を行った。
比較例2のステンレス鋼SUS304の試料に非晶質炭素膜のみをコートしたものは、5往復付近から摩擦係数が0.5μ程度まで上昇するが、その後は安定し、右肩にやや低下傾向で100往復が終了している。
また、図6(b)に示す摩擦摩耗試験のボールの軌跡のCCD写真(倍率500倍)の観察によると、ボールの軌跡も変色はあるが、基材であるステンレス鋼SUS表面は露出していない。
実施例1の試料は、前述の比較例2の試料の通常の非晶質炭素膜の成膜分と同等の摩擦係数で安定していることが確認できる。
この結果より、基材上に非晶質炭素膜と供に分散させたグラファイトが、摩擦・磨耗用途においても、その導電性の付与と引き換えに非晶質炭素膜固有の特徴である耐磨耗性や低摩擦係数をもつことを犠牲にしていないことが確認できる。
また、図7(b)に示す摩擦摩耗試験のボールの軌跡のCCD写真(倍率500倍)の観察によると、ボールの軌跡も基材であるステンレス鋼SUSの表面等は露出していないことが確認できる。
図8に、実施例1の試料の摩擦摩耗試験のボールの軌跡上に点在するグラファイト部分のCCD拡大写真(倍率5000倍)を示す。ボールの軌跡上に存在するグラファイト部分についても、剥離、特にグラファイト部分のみの抜け、剥離が生じている部分は観察できない。
本発明の効果を確認するため、周囲にツバ状の部品搬送ガイド(壁)のある「丸盆」形状で、該ツバの内径80mmΦのステンレス鋼(SUS304)製鏡面仕上げ(Ra:0.05μm)の部品搬送用ボールフィーダーのワークの搬送面(ツバの内側、内径80mmΦ部分)に、下記の方法にてグラファイトの点在構造を持った非晶質炭素膜を作成した。
本試料を15分間、室温で自然乾燥させた後、金属メッシュを除去しホットプレート上にて約170℃で10分間加熱した。これを、実施例2の基材とする。
次に、比較例2と同様の比較用試料として、実施例2と同じ内径80mmΦのステンレス鋼(SUS304)製鏡面仕上げ(Ra:0.05μm)部品搬送用フィーダを準備し、比較例3の基材とする。
・成膜装置:高圧DCパルスプラズマCVD装置
・真空度:7×10−4Pa
・原料ガス:アセチレン 流量:30SCCM ガス圧:2Pa
・印加電圧:−4kVまで
・膜厚:500nm
その結果、実施例2のフィーダ表面に積層セラミックコンデンサ付着は認められなかった。
上記と同様の方法で比較例3(非晶質炭素膜を形成したもの)についても積層セラミックコンデンサ20個を25rpmで10分間回転搬送させた後、取り外して非晶質炭素膜の面が90゜の傾斜(垂直)になるよう配設し、フィーダ上に静電気付着する0402形状の積層セラミックコンデンサの付着残留している部品数を数えた。比較例3の非晶質炭素膜を塗布したのみのフィーダ表面には14個の部品付着が確認できた。
連続して、0402形状の積層セラミックコンデンサ(約0.1mg)20個を25rpmにて回転させ、3万回転時点にてフィーダ表面の状態を観察した。
実施例2には0402形状のコンデンサの静電気付着、および積層セラミックコンデンサ電極からのSnめっき(酸化スズ)による凝着付着は確認されなかった。
上記の評価結果から、基材上に非晶質炭素膜と供に形成される分散したグラファイト部分は、静電気除去、凝着物発生による部品張り付き防止に必要充分な電気伝導性、耐凝着防止性を保持しているのが確認できる。
0402形状の積層セラミックコンデンサ(縦幅0.4mm×横幅0.2mm×厚み0.2mm)の投影面積の一番大きい立体面が完全に収容されない大きさの線径を持つマスクとして、フォトマスクでパターニングされ、エッチングで開口処理させ作成したメシュ格子状のステンレス鋼SUS304製マスク、開口200μm、線径100μm、板厚50μmを準備した。
四角形で縦10cm、横10cm、厚さ5mmのアルミニウム合金(A2017)製で一部に切削加工にて凹状のスリット加工が円弧状に施された部品搬送用フィーダーのスリット含むワークの搬送面に、上記マスクを固定し、水性の塗料スプレー(大日本塗料製 サンデーペイント水性スプレー白)で塗料を噴霧した。
塗料のスプレー噴霧後ステンレス鋼SUSマスクを外すと、マスクのネガパターン状に塗料パターンがフィーダ表面上に確認できた。また、スリット底部にも飛び飛びの塗料パターンが確認できた。
非晶質炭素膜の成膜条件は、真空度、1×10−3Paに減圧し、アルゴンガスプラズマで5分間クリーニングを行った後、シリコンを含む非晶質炭素膜中間層、及び、アセチレンガス原料による非晶質炭素膜を、ガス圧2Pa、ガス流量40SCCM、印加電圧―5Kvにて計40分間成膜を行った。
図9に、表面を観察したCCD拡大写真を示す。
図10に、表面を観察したCCD拡大写真を示す。図中、白い部分が基材のアルミニウム合金であり、黒い部分が非晶質炭素膜である。
グラファイトのスプレーが十分固化したのを確認し、その表面を不織布で擦り、ネガパターン(写真の白い部分)に封止したグラファイトのみを残し、非晶質炭素膜上(写真の黒い部分)のグラファイトを除去した非晶質炭素膜とグラファイトの複合体を作成した。これを、実施例3のフィーダーとする。
また、比較用の非晶質炭素膜を塗布しただけの比較例4のフィーダについても、同様にして、ボールフィーダー上に静電気付着する0402の積層セラミックコンデンサの付着残留している数を数えた。
また、連続して、0402形状の積層セラミックコンデンサ20個を20rpmにて回転させ、1万回転時点にてフィーダ表面の状態を観察したが、実施例3のフィーダにおいては、0402形状の積層セラミックコンデンサの静電気付着および、Snめっき(酸化スズ)による凝着付着はなかった。
20:導電性炭素微粒子が分散固定されてなる非連続な微小領域
30:非晶質炭素膜からなる連続した領域
40:積層セラミックコンデンサ
40a:積層セラミックコンデンサの両端部側に形成された電極
Claims (8)
- 導電性基材上に導電性炭素微粒子が分散固定されてなる非連続な微小領域と、導電性基板上の該領域以外に堆積された非晶質炭素膜からなる連続した領域とを有し、前記の導電性炭素粒子からなる微小領域の表面と、前記の非晶質炭素膜からなる連続した領域の表面とが、同一平面をなしていることを特徴とする非晶質炭素膜積層部材。
- 前記導電性炭素微粒子の体積電気抵抗率が106Ω・cmより低い請求項1に記載の非晶質炭素膜積層部材。
- 前記導電性炭素粒子が、カーボングラファイト又はカーボンブラックからなる請求項1又は2に記載の非晶質炭素膜積層部材。
- 前記非晶質炭素膜を最上層とする、部品搬送用部材、部品整列用部材又は部品保管用部材であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の非晶質炭素膜積層部材。
- 請求項1〜4のいずれか1項に記載の非晶質炭素膜積層部材の製造方法であって、
(1)導電性基材上に、導電性炭素微粒子を前記の微小領域のみに分散固定する工程と、(2)該導電性炭素微粒子が固定された基板の表面に非晶質炭素を堆積させる工程と、(3)該非晶質炭素膜の表面と導電性炭素微粒子の表面とが同一平面となるように平坦化する工程をこの順に含むことを特徴とする非晶質炭素膜積層部材の製造方法。 - 前記(1)の工程を、導電性基板上に、所定の開口を有するメッシュ又はスクリーン版を配置し、その上から、導電性炭素粒子を含有する塗布剤を噴霧することにより行うことを特徴とする請求項5に記載の非晶質炭素膜積層部材の製造方法。
- 請求項1〜4のいずれか1項に記載の非晶質炭素膜積層部材の製造方法であって、
(1´)導電性基板上の、前記微小領域以外の領域に非晶質炭素を堆積させる工程と、(2´)導電性基板上の、非晶質炭素が堆積されていない前記微小領域に導電性炭素微粒子を固定させる工程と、(3´)該非晶質炭素膜の表面と導電性炭素微粒子の表面とが同一平面となるように平坦化する工程をこの順に含むことを特徴とする非晶質炭素膜積層部材の製造方法。 - 前記(1´)の工程を、導電性基板上に所定の開口を有するマスクを配置し、その上から、マスキング材料を塗布、または噴霧して、マスクのネガパターン状にマスキング材料による保護膜を形成した後、マスクを外して、導電性基板表面に非晶質炭素膜を堆積させ、その後、マスキング材料による保護膜部分及び該保護膜上に成膜された非晶質炭素膜を剥離することにより行うことを特徴とする請求項7に記載の非晶質炭素膜積層部材の製造方法。
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