JP5879147B2 - 貨幣取引装置および貨幣取引方法 - Google Patents
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たとえば、ユーザが、所望の出金額分の貨幣を貨幣取引装置から出金したい場合がある。そして、ユーザが、ばらの状態でなく、まとまって包装された状態だけで貨幣が出金されることを望む場合には、ユーザ自身が、端数(ばらの貨幣)が生じないような出金額を予め計算しておかねばならず、煩わしい。
請求項3記載の発明によれば、レジスターが属するグループを特定可能な情報を受付手段に受け付けさせれば、当該情報から特定されるグループ識別情報に対応付けて記憶手段に記憶された記憶内容(端数を切り捨てるか否か)に基づく判定手段の判定結果に応じて、当該グループ用の出金パターンで、貨幣取引装置から釣銭用貨幣を出金してもらうことができる。
請求項5記載の発明によれば、判定工程での判定結果に応じた所望の出金パターン(包装貨幣およびばらの貨幣を組み合わせた釣銭用貨幣を出金するパターンか、端数を切り捨てて包装貨幣のみからなる釣銭用貨幣を出金するパターン)で、釣銭用貨幣を出金することができるので、出金に関する使い勝手を向上することができる。
図1は、この発明の一実施形態に係る貨幣取引装置1の運用手順を示す図である。
図1に示す貨幣取引装置1は、一つの小売店舗(スーパー等)やショッピンセンター(複数の小売店舗を含む)の事務所(バックヤード)などに設置されている。貨幣取引装置1は、店舗等に備えられたレジスター(POS)において釣銭として準備しておく釣銭用貨幣を適当なタイミングに出金することができる。また、貨幣取引装置1は、店舗における売上金を回収することもできる。そのため、貨幣取引装置1は、売上金入出金機とも呼ばれる。
ここで、ばら硬貨処理部3および包装硬貨処理部4に関連して、硬貨には、ばらの硬貨(以下では、「ばら硬貨」ということがある)と、金種毎に所定数(たとえば50枚)毎にまとめられて紙等で包装された硬貨(以下では、「包装硬貨」ということがある)とがある。
リサイクル部7には、釣銭準備金の紙幣と、売上金に含まれる紙幣とを混合状態で収納するとともに、収納された紙幣を出金することができる。ここでの「リサイクル」とは、元々売上金であった紙幣を釣銭用紙幣にリサイクルすることを意味している。リサイクル部7は、1万円札を収納するためのリサイクルカセット10と、五千円札を収納するためのリサイクルカセット11と、千円札を収納するためのリサイクルカセット12とを含んでいる。リサイクルカセット10〜12のそれぞれでは、収納できる紙幣の枚数に上限がある。
紙幣搬送部9は、リサイクルカセット10〜12から紙幣を回収して回収カセット8まで搬送する機能を有している。
リサイクル部13には、釣銭準備金のばら硬貨と、売上金に含まれるばら硬貨とを混合状態で収納するとともに、収納された硬貨を出金することができる。ここでの「リサイクル」とは、リサイクル部7の場合と同様に、元々売上金であった硬貨を釣銭用硬貨にリサイクルすることを意味している。リサイクル部13は、500円のばら硬貨を収納するためのリサイクルカセット16と、100円のばら硬貨を収納するためのリサイクルカセット17と、50円のばら硬貨を収納するためのリサイクルカセット18と、10円のばら硬貨を収納するためのリサイクルカセット19と、5円のばら硬貨を収納するためのリサイクルカセット20と、1円のばら硬貨を収納するためのリサイクルカセット21とを含んでいる。リサイクルカセット16〜21のそれぞれでは、収納できるばら硬貨の枚数に上限がある。
硬貨搬送部15は、リサイクルカセット16〜21からばら硬貨を回収して回収カセット14まで搬送する機能を有している。
リジェクト部5には、リサイクル部7のリサイクルカセット10〜12や回収カセット8に収納されていた損傷のある紙幣を収納することができる。リジェクト部5に収納された紙幣は、別途交換されたり、返却されたりする。
次に、図1の(1),(2),(3),(4)を参照しながら、貨幣取引装置1の運用について説明する。
(1)まず、店舗の開店前(朝一の時間帯)等のタイミングに、警備会社30の警備員が釣銭準備金(たとえば、1日に店舗全体で必要な金種毎の釣銭)を持って店舗にやってくる。警備員が持参した釣銭準備金は、貨幣取引装置1に入金され、金種毎に分けて(硬貨の場合は、ばら硬貨と包装硬貨とに分けて)、対応するリサイクルカセット10〜12,16〜21や、出金カセット23〜28に収納される。
(2)次いで、店舗内の各レジスター(以下では、「レジ」と略して呼ぶ)Rの担当者(レジ係)が、事務所に行って、担当するレジRに必要な釣銭用貨幣を貨幣取引装置1から出金してもらい、釣銭用貨幣をレジRにセットする。ここで、図1には、レジ1、レジ2、レジ3…という複数のレジRが図示されているが、末尾の数字は、「レジNo」と呼ばれ、この実施形態では、各レジRを特定するレジスター識別情報である。また、この実施形態では、一つの店舗に複数台のレジRが存在する場合に限らず、たとえば、ある店舗にレジ1があって別の店舗にレジ2があるような場合も想定している。
(3)そして、閉店後等のタイミングに、レジRの担当者は、自分が担当するレジR内の貨幣(全額とは限らない)を売上金として事務所に持って行き、貨幣取引装置1に入金する。入金された売上金は、金種毎に分けて、対応するリサイクルカセット10〜12,16〜21に収納される。なお、包装硬貨は、売上金として貨幣取引装置1に入金されないものとする。そのため、この実施形態の包装硬貨処理部4は、包装硬貨を出金することができるものの、包装硬貨を受け取ることができない。
(4)そして、所定のタイミング(毎日の閉店後や、数日に1回の閉店後等)に、警備会社30の警備員が店舗にやってくる。このとき、店舗における貨幣取引装置1の担当者(貨幣取引装置1の管理人)が、紙幣搬送部9を駆動させてリサイクルカセット10〜12の紙幣(全額とは限らない)を回収カセット8に移し替え、硬貨搬送部15を駆動させてリサイクルカセット16〜21の硬貨(全額とは限らない)を回収カセット14に移し替える。回収カセット8および14は貨幣取引装置1から引き出され、各回収カセットの中身(貨幣)が警備員に受け取られて警備会社30に回収される。
図2は、貨幣取引装置1の外観を示す斜視図である。
図2を参照して、貨幣取引装置1は、全体が略ボックス状をなしている。貨幣取引装置1において、前述した紙幣処理部2、ばら硬貨処理部3および包装硬貨処理部4は、正面側から見て、左側からこの順番で並んでいる。紙幣処理部2、ばら硬貨処理部3および包装硬貨処理部4のそれぞれは、左右にやや薄くて奥行きのある縦長ボックス形状である。
また、貨幣取引装置1は、紙幣処理部2の上面に載置されたターミナル40と、ばら硬貨処理部3の上面に載置されたジャーナルプリンタ41とを含んでいる。
図3を参照して、貨幣取引装置1は、制御部50(受付手段、判定手段、出金手段)を備えている。制御部50は、前述したターミナル40に含まれる。制御部50は、CPUおよびそのプログラム等を記憶したROM、RAM等で構成されており、プログラムに従って演算処理等の所定の処理を実行する。
制御部50は、送受信部51を介して、警備会社30(図1参照)のコンピュータ52や、貨幣取引装置1の上位機器(店舗の本部コンピュータ等)53や、前述した各レジRと通信することができる。
図4を参照して、釣銭用貨幣の出金を受けたい担当者は、自分が担当するレジRから、必要な情報が印字されたレシートを発行してもらい、このレシートを持って事務所の貨幣取引装置1まで行く。そして、担当者は、貨幣取引装置1において操作部43を操作して、釣銭用貨幣の出金を受ける日(「釣銭日」ということにする)を選択する。実際に選択された釣銭日は、釣銭用貨幣の出金を受ける当日になる。
担当者が出金予定明細を入力し(ステップS5)、入力が完了した旨の指示(表示部42の画面の切替指示も兼ねる)を入力すると(ステップS6)、制御部50は、操作部43において当該出金予定明細を受け付けたことになり、表示部42に、在高明細画面を表示する(ステップS7)。ここでの「在高」とは、今回入力したレジNoのレジRにおける金種毎の貨幣の残高(現時点での残り枚数)であり、担当者が持参したレシートに記録されている。
在高入力時用または在高非入力時用の最終出金明細画面の表示後、担当者は、最終出金明細の内容を確認した上で、承認するか、承認せずに修正するかを操作部43によって入力する(ステップS13)。
図5は、図4の出金処理をさらに詳しく説明するためのフローチャートである。
ステップS3と同様にレジNoが入力されて(ステップS21)、ステップS5と同様に出金予定明細が入力されると(ステップS22)、制御部50は、ステップS8と同様に、在高入力があるか否かを確認する(ステップS23)。
端数切捨設定に関して、制御部50は、前述したように入力された出金予定明細および在高に基づいて最終出金明細を算出するのだが、在高が入力された場合には、金種毎の最終出金明細では包装硬貨(棒金)が優先して含まれるように算出する。たとえば、10円硬貨についての最終出金明細が120枚であれば、制御部50は、(50枚綴りの)包装硬貨2本と20枚のばら硬貨との組み合わせによって120枚の最終出金明細が構成されるように、包装硬貨とばら硬貨との組み合わせを算出する。つまり、制御部50は、入力された出金予定明細および在高から、出金する金種および出金額(金種毎の最終出金明細)を受け付ける(実際には算出する)とともに、当該金種および出金額から、必要な包装硬貨の数と、端数分のばら硬貨の数とを算出する。
端数切捨設定がありかなしかという設定内容(換言すれば、出金時に端数を切り捨てるか否かという設定内容)は、各レジRのレジNoに対応付けて、前述した記憶部6において予め記憶されている(図1参照)。つまり、記憶部6では、この貨幣取引装置1から釣銭用貨幣を出金する店舗等のレジR毎に、端数切捨設定がありかなしかという設定内容が登録されている。また、担当者による操作部43の操作によって、端数切捨設定をありかなしのいずれかに変更することができる。操作部43の操作に応じて、制御部50が、記憶部6において該当するレジNoの端数切捨設定をありかなしのいずれかに変更する。つまり、制御部50は、操作部43の操作に応じて、出金額に端数(ばら硬貨)がある場合に当該端数を切り捨てるか否かのいずれかを、レジR毎に切り替えて設定して、記憶部6に登録する。当該端数を切り捨てる設定が、「端数切捨設定あり」のことであり、当該端数を切り捨てない設定が、「端数切捨設定なし」のことである。
在高入力がない場合には(ステップS23でNO)、制御部50は、金種毎に、出金予定明細で指定された本数(包装硬貨の場合)や枚数(ばら硬貨の場合)の硬貨をそのまま出金する(ステップS27)。このように出金予定明細通りに硬貨を出金する出金パターンを、出金パターン[c]ということにする。
図6〜図11は、貨幣取引装置1における出金処理の第1例〜第6例を示す模式図である。
次に、前述した出金パターン[a]、[b]、[c]について、図6〜図11を参照しながら、具体例をあげて説明する。なお、図6〜図11では、説明の便宜上、所定の一金種の硬貨(500円、100円、50円、10円、5円、1円のいずれかの硬貨)に着目して説明しているが、複数金種の硬貨が出金される場合には、図6〜図11の処理は、金種毎に行われる。
まず、第1例について説明する。図6を左側から参照して、担当者が操作部43を操作することによって、表示部42の出金予定明細画面には、ばら硬貨が390枚という出金予定明細が表示されたとする(前述したステップS4およびステップS22)。その後、担当者が操作部43を操作することによって、同一金種についての在高についてばら硬貨が201枚であるという内容の在高明細画面が表示部42に表示されたとする(前述したステップS7)。
そして、端数切捨設定ありの場合には、出金パターン[a]として、39枚のばら硬貨は切り捨てられて包装硬貨3本だけが出金されるという内容の最終出金明細画面が表示部42に表示され(前述したステップS10)、貨幣取引装置1では、出金パターン[a]による出金が実行される(前述したステップS16およびS25)。
次に、第2例について説明する。図7を左側から参照して、担当者が操作部43を操作することによって、表示部42の出金予定明細画面には、50枚綴りの包装硬貨2本および20枚のばら硬貨という出金予定明細が表示されたとする(前述したステップS4およびステップS22)。その後、担当者が操作部43を操作することによって、同一金種についての在高についてばら硬貨が40枚であるという内容の在高明細画面が表示部42に表示されたとする(前述したステップS7)。
そして、端数切捨設定ありの場合には、出金パターン[a]として、30枚のばら硬貨は切り捨てられて包装硬貨1本だけが出金されるという内容の最終出金明細画面が表示部42に表示され(前述したステップS10)、貨幣取引装置1では、出金パターン[a]による出金が実行される(前述したステップS16およびS25)。
次に、第3例について説明する。図8を左側から参照して、担当者が操作部43を操作することによって、表示部42の出金予定明細画面には、50枚綴りの包装硬貨2本という出金予定明細が表示されたとする(前述したステップS4およびステップS22)。その後、担当者が操作部43を操作することによって、同一金種についての在高についてばら硬貨が40枚であるという内容の在高明細画面が表示部42に表示されたとする(前述したステップS7)。
そして、端数切捨設定ありの場合には、出金パターン[a]として、10枚のばら硬貨は切り捨てられて包装硬貨1本だけが出金されるという内容の最終出金明細画面が表示部42に表示され(前述したステップS10)、貨幣取引装置1では、出金パターン[a]による出金が実行される(前述したステップS16およびS25)。
このように、第1例〜第3例では、担当者が在高を入力している場合を想定しているのだが、これらの場合には、包装硬貨が優先して組み込まれるように釣銭用貨幣(最終出金明細)が定められていることがわかる。
以上のように、この貨幣取引装置1では、担当者の要望に応じて、釣銭用貨幣として、ばら硬貨だけを出金したり、包装硬貨だけを出金したり、包装硬貨とばら硬貨とを組み合わせたものを出金したりすることがレジR毎に応じて自動でできる。つまり、貨幣取引装置1では、レジR毎に、釣銭用貨幣の出金パターンが切り替えられるようになっていて、端数(ばら硬貨)の扱い方を指定することができる。
このように、この貨幣取引装置1であれば、レジR毎に出金パターンを細やかに設定できることから、制御部50の制御によって、レジR毎に、その時その時に最適な出金パターン(出金パターン[a]〜[c]のいずれか)で釣銭用貨幣が出金されるので、無駄が少ない。
さらに、ユーザは、操作部43を操作すれば、記憶部6において、レジR毎に、出金パターン[a]、[b]を任意に変更できるので、出金に関する使い勝手をさらに向上することができる。
次に、貨幣取引装置1における売上金の入金処理について説明する。図12は、貨幣取引装置1において行われる入金処理の一例を示すフローチャートである。
制御部50は、入金処理の選択があると(ステップS31)、レジNoを入力するための画面(前述したレジNo入力画面)を表示部42に表示する(ステップS32)。レジNo入力画面の表示後に、担当者が操作部43を操作して、自分が担当するレジRのレジNoを入力する(ステップS33)。
明細画面が表示された後、担当者が、開放された入出金口31や入金口34(図2参照)に売上金(現金)を投入する(ステップS38)。入出金口31および入金口34は、担当者の操作部43の操作による指示入力に応じて閉鎖される。貨幣取引装置1は、投入された現金を計数する計数機構(図示せず)を有しており、先程投入された現金は、入出金口31および入金口34の閉鎖後に、計数機構によって計数される。
そして、担当者がレジRから回収してきた金券(商品券等)の枚数や金額といった必要項目を入力することによって(ステップS40)、金券の情報を含んだ入金明細(入金総額の明細)が項目画面に表示される。ただし、金券類は貨幣取引装置1には入金できず、金庫等で別に管理される。
承認する旨の入力があった場合には(ステップS42でYES)、担当者は、入金を完了させるために操作部43を操作する。詳しくは、担当者は、操作部43における完了ボタン(図示せず)を押下する(ステップS43)。制御部50は、この完了押下を受け付けて、最終的な入金内容に沿って売上金を入金収納する動作を開始する(ステップS44)。これにより、貨幣取引装置1には、先程入出金口31や入金口34から入金された売上金が、当該入金内容に沿って、リサイクルカセット10〜12および16〜21において対応する金種のリサイクルカセットに振り分けられて収納される。
次に、リサイクルカセット10〜12や16〜21(図1参照)に収納された売上金を回収カセット8,14(図1参照)に送り込んで回収する処理について説明する。この処理には、第1処理〜第3処理がある。これらの処理には、貨幣取引装置1が設置された事務所の管理人が立ち会うことが多い。
第1処理では、図13を参照して、制御部50が、リサイクルカセット10〜12や16〜21(つまり、リサイクル部7,13)における貨幣の収納量が一定以上になったか否かを監視している(ステップS51)。なお、制御部50は、前述した計数機構(図示せず)による計数によって、リサイクル部7,13における金種毎の貨幣の収納量を常に把握しており、釣銭用貨幣の出金や売上金の入金に応じて、当該収納量を更新して記憶している。
図14は、貨幣取引装置1における売上金回収に係る第2処理を示すフローチャートである。
次に、制御部50は、算出した売上金が、最も高額の金種の貨幣(ここでは、1万円札)の何枚分に相当するのかを算出する(ステップS62)。当該何枚という枚数を、最少(最小)構成枚数ということにする。ここでは、制御部50は、算出した売上金に応じた最も高額の金種の貨幣の最少構成枚数を算出する(ステップS62)。
最少構成枚数が在高枚数よりも多い場合(ステップS63でYES)、制御部50は、リサイクル部7または13から回収カセット8や14に回収する同一金種の貨幣の枚数(「回収指定枚数」ということにする)を在高枚数とする(ステップS64)。
以上のように、最も高額の金種についての回収指定枚数が決まると、制御部50は、先程算出した売上金から、回収指定枚数に当該金種の額を乗じて得た値(「指定金種データ」ということにする)を差し引き(減算し)、売上金を更新する(ステップS66)。
たとえば、売上金データが、21万9867円であるとする。この場合、1万円札について算出された最少構成枚数は、21枚である(ステップS62)。これに対し、1万円札の在高枚数が21枚以上あれば(ステップS63でNO)、1万円札についての回収指定枚数は、最少構成枚数と同じ21枚であるが(ステップS65)、在高枚数がたとえば20枚であれば(ステップS63でNO)、1万円札についての回収指定枚数は、在高枚数と同じ20枚となる(ステップS64)。そして、ステップS66において減算された後の売上金は、回収指定枚数が最少構成枚数と同じだった場合(ステップS65の場合)には、9867円(=21万9867円−21万円)であり、回収指定枚数が在高枚数と同じになった場合(ステップS64の場合)には、1万9867円(=21万9867円−20万円)である(ステップS67でYES)。
図15は、貨幣取引装置1における売上金回収に係る第3処理を示すフローチャートである。
第3処理は、店舗の閉店時等に行われる。第3処理では、図15を参照して、第2処理において金種毎に回収指定枚数が決定された後、制御部50が、紙幣搬送部9や硬貨搬送部15を駆動させて、回収指定枚数の貨幣を金種毎に回収カセット8,14へ搬送して回収する(ステップS71)。
しかし、搬送する貨幣の中に損傷した貨幣があった場合には、当該貨幣は、回収カセット8,14でなく、前述したリジェクト部5(図1参照)に搬送される。この場合、当該貨幣と同一金種の貨幣に余裕がなければ、当該同一金種について回収指定枚数の貨幣の全てを回収カセット8や14に回収できない。そこで、この場合には(ステップS72でNO)、制御部50は、リジェクト部5に搬送された貨幣(ここでは、紙幣のみ)の総額を、他の金種の貨幣を何枚用いることで補えるか否かを計算(代替計算)する(ステップS74)。ここで、当該他の金種として、損傷した貨幣の次に高額の金種が選ばれる。そして、代替計算結果に基づいて、補足分の貨幣をリサイクル部7や13から払い出して回収カセット8,14に回収する(ステップS71)。
たとえば、前述した実施形態では、ばら硬貨と包装硬貨との関係について説明しているが、紙幣においても、ばらの紙幣と、所定枚数毎にまとめて包装された(帯封される場合も含む)紙幣とが存在するので、本願発明は、硬貨に限らず、貨幣全般(硬貨および紙幣の両方)に対しても適用可能である。
また、レジNoや出金予定明細や在高を担当者が手入力する際、操作部43だけにアクセスされる場合もあれば、操作部43およびカードリーダ44(ICカード等にレジNo、出金予定明細および在高いずれかが記憶されている場合)の両方(操作部43およびカードリーダ44のまとまり)または一方にアクセスされる場合もある。つまり、操作部43およびカードリーダ44の単品またはこれらのまとまりにおいて、レジNo、出金予定明細おび在高を受け付けることができる。
また、担当者(貨幣取引装置1の操作者)を特定する識別情報(操作者識別情報)がある場合には、各担当者の識別情報に対応付けて、出金時に端数を切り捨てるか否か(端数切捨設定のありなし)を予め記憶部6に設定(記憶)しておいてもよい。この場合、前述したIDカードに識別情報が記憶されていて、出金処理時に担当者が自分のIDカードをカードリーダ44(図2参照)に読み取らせると、制御部50は、当該識別情報を受け付けることができる。制御部50は、記憶部6において当該識別情報に対応付けられた記憶内容(端数切捨設定のありなし)を参照する。そして、制御部50は、この記憶内容に基づいて、包装硬貨とともに端数を出金するか否か(端数を切り捨てるか否か)を判断(判定)して、出金パターンを切り替え、当該出金パターンに沿って釣銭用貨幣を出金する。
また、端数切捨設定は、金種毎に定められていて記憶部6に記憶されていてもよい。たとえば、使用頻度が高い金種(たとえば、10円硬貨)については、端数切捨設定ありとして、使用頻度が低い金種(たとえば、50円硬貨)については、端数切捨設定なしする。このような金種毎の端数切捨設定(端数切捨設定のありなしの切り替え)は、ユーザが操作部43を操作することに応じて、制御部50が実行し、記憶部6に登録する。そして、同一のレジNoのレジR用に釣銭用貨幣を出金する場合でも、制御部50は、出金するように指定された金種(ユーザからの出金指示を受け付けた金種)に基づいて、前述した出金パターン[a]〜[c]のいずれかに応じた出金を金種毎に異ならせて実行してもよい。そうすれば、金種毎に、ユーザが所望する出金パターンで、貨幣取引装置1から釣銭用貨幣を出金してもらうことができる。
6 記憶部
7 リサイクル部
13 リサイクル部
22 出金部
43 操作部
44 カードリーダ
50 制御部
61 入出金機構
62 入出金機構
63 出金機構
100 収納庫
R レジスター(レジ)
Claims (5)
- 釣銭用貨幣を出金するための貨幣取引装置であって、
ばらの貨幣と、金種毎に所定数の貨幣をまとめた包装貨幣とを収納する収納手段と、
出金する金種および出金額を特定可能な情報を受け付ける受付手段と、
出金額に端数がある場合に当該端数を切り捨てるか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段によって前記端数を切り捨てないと判定された場合には、包装貨幣およびばらの貨幣を組み合わせた釣銭用貨幣を前記収納手段から出金可能とし、前記判定手段によって前記端数を切り捨てると判定された場合には、端数を切り捨てて包装貨幣のみからなる釣銭用貨幣を前記収納手段から出金する出金手段と、
を含むことを特徴とする、貨幣取引装置。 - 出金された釣銭用貨幣が使用されるレジスターを特定するレジスター識別情報に対応付けて、出金時に端数を切り捨てるか否かを記憶する記憶手段を備え、
前記受付手段は、前記金種および出金額を特定可能な情報に加えて、前記レジスター識別情報を受け付け可能とし、
前記判定手段は、前記受付手段が受け付けた前記レジスター識別情報に対応付けられた前記記憶手段の記憶内容に基づいて、端数を切り捨てるか否かを判定することを特徴とする、請求項1記載の貨幣取引装置。 - 出金された釣銭用貨幣が使用されるレジスターが属するグループを特定するグループ識別情報に対応付けて、出金時に端数を切り捨てるか否かを記憶する記憶手段を備え、
前記受付手段は、前記金種および出金額を特定可能な情報に加えて、前記グループを特定可能な情報を受け付け可能とし、
前記判定手段は、前記受付手段が受け付けた情報から特定される前記グループ識別情報に対応付けられた前記記憶手段の記憶内容に基づいて、端数を切り捨てるか否かを判定することを特徴とする、請求項1記載の貨幣取引装置。 - 操作者を特定する操作者識別情報に対応付けて、出金時に端数を切り捨てるか否かを記憶する記憶手段を備え、
前記受付手段は、前記金種および出金額を特定可能な情報に加えて、前記操作者識別情報を受け付け可能とし、
前記判定手段は、前記受付手段が受け付けた前記操作者識別情報に対応付けられた前記記憶手段の記憶内容に基づいて、端数を切り捨てるか否かを判定することを特徴とする、請求項1記載の貨幣取引装置。 - 釣銭用貨幣を出金するための貨幣取引方法であって、
出金する金種および出金額を特定可能な情報を受け付ける受付工程と、
出金額に端数がある場合に当該端数を切り捨てるか否かを判定する判定工程と、
前記判定工程において前記端数を切り捨てないと判定された場合には、包装貨幣およびばらの貨幣を組み合わせた釣銭用貨幣を収納手段から出金可能とし、前記判定工程において前記端数を切り捨てると判定された場合には、端数を切り捨てて包装貨幣のみからなる釣銭用貨幣を前記収納手段から出金する出金工程と、
を含むことを特徴とする、貨幣取引方法。
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