JP5875302B2 - アルミニウム板材の接合方法 - Google Patents
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Description
本発明では、溶接方法として直流正極性ティグ溶接を選定している。以下に、選定理由について述べる。
消耗電極(溶加材)を用いるミグ溶接方法では、溶接後において溶接ビードが存在するので、平滑な板材を得るには切削等の機械加工が必要となる。また、FSWは局部的な荷重を付加することにより板材に内部応力が残留し、接合後において反りや歪みが発生する。大型の接合装置となると、周辺機器類も大掛かりなものとなり、コスト増加が避けられない。CO2やYAGを用いたレーザ溶接は、近年ではファイバー、ディスク、半導体等の製造に適用されており、いずれのレーザ溶接もアーク溶接に比べて熱歪みの発生が少ないといわれている。レーザ溶接は、非接触工法であって溶接速度も速く自動車の製造ラインにも使用されており、本発明のような薄板製品への適用は十分可能である。しかしながら、溶接機器類や周辺機器類を含めて装置が高額となり、安価な製造には適さない。また、レーザの特徴でもある小さい溶融部は狙い位置がずれると接合不良となるため突合せ部の寸法精度の管理も厳しく行う必要がある。電子ビーム溶接は厚板の深い溶け込みを特徴とする接合方法であるが、真空中のチャンバー内に被接合材を収容して溶接することが必須であり、本発明で用いるような大型の薄板への適用には不向きである。
本発明に用いるアルミニウム板材は、厚さ0.5〜3.0mmを有する。アルミニウム板材の厚さが0.5mm未満では、板材として用いるには薄く強度や剛性などが不足する。更に、板厚全てを溶け込ませた貫通溶接を実施時には、溶け落ちや周囲の熱影響部の変形発生といった問題が生じる。板厚が3.0mmを超えると、薄板の範疇を超える厚さとなり重量も増加するので用いられない。更に、板厚全てを溶け込ませた貫通溶接を実施時には溶接時の入熱を高くする必要があるため、やはり周囲の熱影響部の変形発生といった問題が生じる。従って、本発明では、アルミニウム板材の厚さを0.5〜3.0mmに規定する。
しかしながら、2.0%を超えて添加すると、鋳造中に巨大な金属間化合物を生成し、Al合金の機械的性質を低下させる原因となる。したがって、Mn添加量は2.0%以下とし、好ましくは1.5%以下とする。なお、Mnは選択的添加元素であるが意図的に添加するのではなく、上述の不可避的不純物として含有されていてもよい。
本発明で用いる直流正極性ティグ溶接の条件について、下記に詳述する。
直流正極性ティグ溶接における溶け込みやシールド効果は、溶接電極と被溶接材であるアルミニウム板材の距離によって影響を受けることが判明した。すなわち、溶接電極とアルミニウム板材の距離が1.0mmを超えると、適正な溶け込み状態が得られず、かつ、Heによるシールド効果が得られず、良好な溶接が達成できないことが判明した。そこで、溶接電極とアルミニウム板材の距離を1.0mm以下に設定することにより溶接金属の適正な溶け込みと溶接部におけるシールド効果との両立が可能となる。本発明では、直流正極性ティグ溶接において、溶接電極とアルミニウム板材の電極間距離を1.0mm以下とする。上記効果を更に高めるには、電極間距離を0.5mm以下とするのが好ましい。操作上において溶接電極を移動させる際に、被溶接材であるアルミニウム板材に接触させずに移動させるには、溶接電極とアルミニウム板材とが少なくとも0.1mm離間していることが望ましい。そこで、電極間距離の下限は0.1mmとするのが好ましい。また、上記電極間距離Lとは、溶接電極8の先端中心部81から、厚板材2の表面までの最短距離として規定する。図7に示す例では、厚板材2の上表面21と突合わせ面22とが交わるエッジ部23と溶接電極8の先端中心部81との最短距離、すなわち、溶接電極8の中心線Cのうち先端中心部81からがエッジ部23までの長さが、溶接中における電極間距離となる。なお、溶接電極としては、タングステン電極が好適に用いられる。
ティグ溶接におけるシールドガスとして、純度100%Heを用いると大きな溶け込みが得られることが知られている。しかしながら、ティグ溶接におけるシールドガスとして一般に用いられるArに比べてHeは比重が約1/10と小さいので、Heのプラズマ気流がArのプラズマ気流に比べて弱く、更に、HeはArに比べてシールド性に劣るなど、Arに比べてHeはシールドガスとして不利であった。このように、シールドガスにHeを使用することは汎用的なティグ溶接では実用的ではないとされていた。本発明者は、直流正極性ティグ溶接におけるシールドガスとしてHeを用いる際の適正条件を見出すことによって、ティグ溶接におけるシールドガスとしてのHeの不利な点を克服した。
本発明では、純度75〜100%のHeをシールドガスに用いる。純度が75%未満では、十分な溶け込み効果が得られない。シールドガスとしてのHe純度は、好ましくは90〜100%である。
直流正極性ティグ溶接において、純度75〜100%のHeの流量が5リットル/分未満では、シールドガスによるシールド効果が得られないことが判明した。一方、15リットル/分を超えると、シールド効果は得られるものの、凝固前の溶接金属部にHeが強く押し当たることによって、溶接金属部表面がシールドガスの圧力に押されてへこみ、溶接面の平滑が維持できなくなることが判明した。そこで、シールドガスの流量は5〜15リットル/分に設定することによって溶接部のシールド効果と溶接面の平滑性の両立が可能となる。本発明では、直流正極性ティグ溶接において純度75〜100%のHeの流量を5〜15リットル/分とする。
直流正極性ティグ溶接の溶接時における入熱量について検討した。直流正極性ティグ溶接において、溶接電圧E(V)、電流I(A)、溶接速度v(cm/分)とするとき、溶接部の単位長さ(1cm)当たりに発生する電気的エネルギーHは、H=(60・E・I)/v(ジュール<J>/cm)で表される。この電気的エネルギーHを、組合せたアルミニウム板材の平均の板厚(t1+t2)/2(cm)で割ることにより、アルミニウム板材の単位厚さ当たりの入熱量H‘が得られる。すなわち、H‘=(60・E・I)/{v・(t1+t2)/2}(J/cm2)となる。
直流正極性ティグ溶接の溶接時における溶接電極の傾斜角について検討した。組合せる板厚の差が小さい場合は同板厚に近い条件、すなわち、t2/t1の比が1.0を超え1.3未満の場合には、図7に示す傾斜角θ1は制限されず、例えばθ1を0°とすることで溶接が可能であることが判明した。しかしながら、板厚の差が大きくなると、両板材が適正な溶込み状態になるのが困難となることが判明した。本発明者は、アルミニウム板材の異なる板厚においても適正な溶込み状態を得られる条件を検討した。その結果、t2/t1の比が1.3以上2.5以下の場合において、図7に示すように、薄板材1と厚板材2との突合せ部7上に配置される溶接電極8の先端中心部81を、厚板材2のエッジ部23において、溶接方向に対する左右方向の薄板材側に5〜30°の傾斜角θ1をもって傾斜しつつ溶接を行うことにより、良好な溶込み状態が達成されることを実験的に見出した。すなわち、厚板材2のエッジ部23を通り、かつ、厚板材2の上表面21に対する垂線Tに対して、溶接方向の左右方向における薄板材1側に5〜30°の傾斜角θ1をもって溶接電極8の先端中心部81を傾斜させるものである。
直流正極性ティグ溶接の溶接時における電極の前進角について検討した。組合せる板厚の差が小さい場合は同板厚に近い条件、すなわち、t2/t1の比が1.0を超え1.3未満の場合には、図8に示す前進角θ2は制限されず、例えばθ2を0°とすることで溶接が可能であることが判明した。しかしながら、板厚の差が大きくなると、両板材が適正な溶込み状態になるのが困難となることが判明した。本発明者は、アルミニウム板材の異なる板厚においても適正な溶込み状態を得られる条件を検討した。その結果、t2/t1の比が1.3以上2.5以下の場合において、図8に示すように、薄板材1と厚板材2との突合せ部7上に配置される溶接電極8の先端中心部81を、厚板材2のエッジ部23において、溶接方向(図8の矢印で示す)の後進側に5〜15°の前進角θ2をもって傾斜しつつ溶接を行うことにより、良好な溶込み状態が達成されることを実験的に見出した。すなわち、厚板材2のエッジ部23を通り、かつ、厚板材2の上表面21に対する垂線Tに対して、溶接方向の後進側に5〜15°の前進角θ2をもって溶接電極8の先端中心部81を傾斜させるものである。
被溶接材に、薄板材として厚さ(t1)1.5mmのアルミニウム平板(JIS A1050P−H12)と、厚板材として厚さ(t2)2.0mmのアルミニウム平板(Al−1.0%Si−0.7%Cu P−T4)を用意した。板厚比(t2/t1)は1.3である。それぞれの幅は250mm、長さは1000mmであった。それぞれの被溶接材の長辺同士を突合せた。これらの被溶接材を、溶加材を用いない直流正極性ティグ溶接法を用いて幅500mm、長さ1000mmの接合体とした。溶接の前処理として酸化皮膜の一般的な除去を行い、溶接条件は板厚全てが溶ける完全溶け込み条件を選定した。すなわち、溶接電圧17V、溶接電流140A、溶接速度120cm/分、接合電極であるタングステン電極と被溶接材との電極間距離0.5mmとし、シールドガスは純度100%のHeを流量10リットル/分で流した。タングステン電極の傾斜角(θ1)は15°、前進角(θ2)は5°とした。このときのアルミニウム板材の単位厚さ当たりの入熱量(H‘)として、薄板材と厚板材の厚さの算術平均である(t1+t2)/2に対する単位厚さ当たりの入熱量(H‘)を上記式より計算すると、6800(J/cm2)となった。
被溶接材に、薄板材として厚さ(t1)1.0mmのアルミニウム平板(JIS A1100P−O)と、厚板材として厚さ(t2)1.5mmのアルミニウム平板(JIS
Al050P−H12)を用意した。板厚比(t2/t1)は1.5である。それぞれの幅は250mm、長さは1000mmであった。それぞれの被溶接材の長辺同士を突合せた。これらの被溶接材を、溶加材を用いない直流正極性ティグ溶接法を用いて幅500mm、長さ1000mmの接合体とした。溶接の前処理として酸化皮膜の一般的な除去を行い、溶接条件は板厚全てが溶ける完全溶け込み条件を選定した。すなわち、溶接電圧17V、溶接電流120A、溶接速度100cm/分、接合電極であるタングステン電極と被溶接材との電極間距離0.6mmとし、シールドガスは純度10%Ar−90%Heの混合ガスを流量8リットル/分で流した。タングステン電極の傾斜角(θ1)は15°、前進角(θ2)は5°とした。このときのアルミニウム板材の単位厚さ当たりの入熱量(H‘)として、薄板材と厚板材の厚さの算術平均である(t1+t2)/2に対する単位厚さ当たりの入熱量(H‘)を上記式より計算すると、9800(J/cm2)となった。
被溶接材に、薄板材として厚さ(t1)1.0mmのアルミニウム平板(JIS A1100P−O)と、厚板材として厚さ(t2)2.0mmのアルミニウム平板(Al−1.0%Si−0.7%Cu P−T4)を用意した。板厚比(t2/t1)は2.0である。それぞれの幅は250mm、長さは1000mmであった。それぞれの被溶接材の長辺同士を突合せた。これらの被溶接材を、溶加材を用いない直流正極性ティグ溶接法を用いて幅500mm、長さ1000mmの接合体とした。溶接の前処理として酸化皮膜の一般的な除去を行い、溶接条件は板厚全てが溶ける完全溶け込み条件を選定した。すなわち、溶接電圧16V、溶接電流130A、溶接速度95cm/分、接合電極であるタングステン電極と被溶接材との電極間距離0.3mmとし、シールドガスは純度100%のHeを流量12リットル/分で流した。タングステン電極の傾斜角(θ1)は30°、前進角(θ2)は15°とした。このときのアルミニウム板材の単位厚さ当たりの入熱量(H‘)として、薄板材と厚板材の厚さの算術平均である(t1+t2)/2に対する単位厚さ当たりの入熱量(H‘)を上記式より計算すると、8800(J/cm2)となった。
被溶接材に、薄板材として厚さ(t1)1.0mmのアルミニウム平板(JIS A3003P−H12)と、厚板材として厚さ(t2)2.0mmのアルミニウム平板(JIS A5052P−H32)を用意した。板厚比(t2/t1)は2.0である。それぞれの幅は250mm、長さは1000mmであった。それぞれの被溶接材の長辺同士を突合せた。これらの被溶接材を、溶加材を用いない直流正極性ティグ溶接法を用いて幅500mm、長さ1000mmの接合体とした。溶接の前処理として酸化皮膜の一般的な除去を行い、溶接条件は板厚全てが溶ける完全溶け込み条件を選定した。すなわち、溶接電圧20V、溶接電流120A、溶接速度100cm/分、接合電極であるタングステン電極と被溶接材との電極間距離0.5mmとし、シールドガスは純度100%のHeを流量7リットル/分で流した。タングステン電極の傾斜角(θ1)は25°、前進角(θ2)は10°とした。このときのアルミニウム板材の単位厚さ当たりの入熱量(H‘)として、薄板材と厚板材の厚さの算術平均である(t1+t2)/2に対する単位厚さ当たりの入熱量(H‘)を上記式より計算すると、9600(J/cm2)となった。
被溶接材に、薄板材として厚さ(t1)1.0mmのアルミニウム平板(JIS A3003P−H12)と、厚板材として厚さ(t2)1.6mmのアルミニウム平板(JIS A5182P−O)を用意した。板厚比(t2/t1)は1.6である。それぞれの幅は250mm、長さは1000mmであった。それぞれの被溶接材の長辺同士を突合せた。これらの被溶接材を、溶加材を用いない直流正極性ティグ溶接法を用いて幅500mm、長さ1000mmの接合体とした。溶接の前処理として酸化皮膜の一般的な除去を行い、溶接条件は板厚全てが溶ける完全溶け込み条件を選定した。すなわち、溶接電圧17V、溶接電流130A、溶接速度120cm/分、接合電極であるタングステン電極と被溶接材との電極間距離0.7mmとし、シールドガスは純度100%のHeを流量10リットル/分で流した。タングステン電極の傾斜角(θ1)は15°、前進角(θ2)は10°とした。このときのアルミニウム板材の単位厚さ当たりの入熱量(H‘)として、薄板材と厚板材の厚さの算術平均である(t1+t2)/2に対する単位厚さ当たりの入熱量(H‘)を上記式より計算すると、8500(J/cm2)となった。
被溶接材に、薄板材として厚さ(t1)1.0mmのアルミニウム平板(JIS A3003P−H12)と、厚板材として厚さ(t2)2.0mmのアルミニウム平板(JIS A6022P−T4)を用意した。板厚比(t2/t1)は2.0である。それぞれの幅は250mm、長さは1000mmであった。それぞれの被溶接材の長辺同士を突合せた。これらの被溶接材を、溶加材を用いない直流正極性ティグ溶接法を用いて幅500mm、長さ1000mmの接合体とした。溶接の前処理として酸化皮膜の一般的な除去を行い、溶接条件は板厚全てが溶ける完全溶け込み条件を選定した。すなわち、溶接電圧17V、溶接電流100A、溶接速度100cm/分、接合電極であるタングステン電極と被溶接材との電極間距離0.3mmとし、シールドガスは純度25%Ar−75%Heの混合ガスを流量8リットル/分で流した。タングステン電極の傾斜角(θ1)は25°、前進角(θ2)は15°とした。このときのアルミニウム板材の単位厚さ当たりの入熱量(H‘)として、薄板材と厚板材の厚さの算術平均である(t1+t2)/2に対する単位厚さ当たりの入熱量(H‘)を上記式より計算すると、6800(J/cm2)となった。
被溶接材に、薄板材として厚さ(t1)0.5mmのアルミニウム平板(JIS A3004P−H32)と、厚板材として厚さ(t2)1.0mmのアルミニウム平板(JIS A1100P−O)を用意した。板厚比(t2/t1)は2.0である。それぞれの幅は250mm、長さは1000mmであった。それぞれの被溶接材の長辺同士を突合せた。これらの被溶接材を、溶加材を用いない直流正極性ティグ溶接法を用いて幅500mm、長さ1000mmの接合体とした。溶接の前処理として酸化皮膜の一般的な除去を行い、溶接条件は板厚全てが溶ける完全溶け込み条件を選定した。すなわち、溶接電圧17V、溶接電流60A、溶接速度120cm/分、接合電極であるタングステン電極と被溶接材との電極間距離0.5mmとし、シールドガスは純度10%Ar−90%Heの混合ガスを流量10リットル/分で流した。タングステン電極の傾斜角(θ1)は25°、前進角(θ2)は10°とした。このときのアルミニウム板材の単位厚さ当たりの入熱量(H‘)として、薄板材と厚板材の厚さの算術平均である(t1+t2)/2に対する単位厚さ当たりの入熱量(H‘)を上記式より計算すると、6800(J/cm2)となった。
被溶接材に、薄板材として厚さ(t1)0.5mmのアルミニウム平板(JIS A3004P−H32)と、厚板材として厚さ(t2)0.8mmのアルミニウム平板(Al−1.0%Si−0.7%Cu P−T4)を用意した。板厚比(t2/t1)は1.6である。それぞれの幅は250mm、長さは1000mmであった。それぞれの被溶接材の長辺同士を突合せた。これらの被溶接材を、溶加材を用いない直流正極性ティグ溶接法を用いて幅500mm、長さ1000mmの接合体とした。溶接の前処理として酸化皮膜の一般的な除去を行い、溶接条件は板厚全てが溶ける完全溶け込み条件を選定した。すなわち、溶接電圧17V、溶接電流50A、溶接速度120cm/分、接合電極であるタングステン電極と被溶接材との電極間距離0.7mmとし、シールドガスは純度100%のHeを流量10リットル/分で流した。タングステン電極の傾斜角(θ1)は15°、前進角(θ2)は10°とした。このときのアルミニウム板材の単位厚さ当たりの入熱量(H‘)として、薄板材と厚板材の厚さの算術平均である(t1+t2)/2に対する単位厚さ当たりの入熱量(H‘)を上記式より計算すると、6500(J/cm2)となった。
被溶接材に、薄板材として厚さ(t1)0.8mmのアルミニウム平板(JIS A5052P−H32)と、厚板材として厚さ(t2)2.0mmのアルミニウム平板(JIS A5052P−H32)を用意した。板厚比(t2/t1)は2.5である。それぞれの幅は250mm、長さは1000mmであった。それぞれの被溶接材の長辺同士を突合せた。これらの被溶接材を、溶加材を用いない直流正極性ティグ溶接法を用いて幅500mm、長さ1000mmの接合体とした。溶接の前処理として酸化皮膜の一般的な除去を行い、溶接条件は板厚全てが溶ける完全溶け込み条件を選定した。すなわち、溶接電圧19V、溶接電流100A、溶接速度95cm/分、接合電極であるタングステン電極と被溶接材との電極間距離0.3mmとし、シールドガスは純度100%のHeを流量8リットル/分で流した。タングステン電極の傾斜角(θ1)は30°、前進角(θ2)は15°とした。このときのアルミニウム板材の単位厚さ当たりの入熱量(H‘)として、薄板材と厚板材の厚さの算術平均である(t1+t2)/2に対する単位厚さ当たりの入熱量(H‘)を上記式より計算すると、8600(J/cm2)となった。
被溶接材に、薄板材として厚さ(t1)0.8mmのアルミニウム平板(JIS A5052P−H32)と、厚板材として厚さ(t2)2.0mmのアルミニウム平板(JIS A5182P−O)を用意した。板厚比(t2/t1)は2.5である。それぞれの幅は250mm、長さは1000mmであった。それぞれの被溶接材の長辺同士を突合せた。これらの被溶接材を、溶加材を用いない直流正極性ティグ溶接法を用いて幅500mm、長さ1000mmの接合体とした。溶接の前処理として酸化皮膜の一般的な除去を行い、溶接条件は板厚全てが溶ける完全溶け込み条件を選定した。すなわち、溶接電圧17V、溶接電流100A、溶接速度100cm/分、接合電極であるタングステン電極と被溶接材との電極間距離0.3mmとし、シールドガスは純度100%のHeを流量12リットル/分で流した。タングステン電極の傾斜角(θ1)は25°、前進角(θ2)は10°とした。このときのアルミニウム板材の単位厚さ当たりの入熱量(H‘)として、薄板材と厚板材の厚さの算術平均である(t1+t2)/2に対する単位厚さ当たりの入熱量(H‘)を上記式より計算すると、7300(J/cm2)となった。
被溶接材に、薄板材として厚さ(t1)0.8mmのアルミニウム平板(JIS A5052P−H32)と、厚板材として厚さ(t2)1.0mmのアルミニウム平板(JIS A6022P−T4)を用意した。板厚比(t2/t1)は1.3である。それぞれの幅は250mm、長さは1000mmであった。それぞれの被溶接材の長辺同士を突合せた。これらの被溶接材を、溶加材を用いない直流正極性ティグ溶接法を用いて幅500mm、長さ1000mmの接合体とした。溶接の前処理として酸化皮膜の一般的な除去を行い、溶接条件は板厚全てが溶ける完全溶け込み条件を選定した。すなわち、溶接電圧17V、溶接電流110A、溶接速度120cm/分、接合電極であるタングステン電極と被溶接材との電極間距離0.7mmとし、シールドガスは純度100%のHeを流量10リットル/分で流した。タングステン電極の傾斜角(θ1)は15°、前進角(θ2)は5°とした。このときのアルミニウム板材の単位厚さ当たりの入熱量(H‘)として、薄板材と厚板材の厚さの算術平均である(t1+t2)/2に対する単位厚さ当たりの入熱量(H‘)を上記式より計算すると、10400(J/cm2)となった。
被溶接材に、薄板材として厚さ(t1)0.8mmのアルミニウム平板(JIS A5052P−H32)と、厚板材として厚さ(t2)1.2mmのアルミニウム平板(A5182P−O)を用意した。板厚比(t2/t1)は1.5である。それぞれの幅は250mm、長さは1000mmであった。それぞれの被溶接材の長辺同士を突合せた。これらの被溶接材を、溶加材を用いない直流正極性ティグ溶接法を用いて幅500mm、長さ1000mmの接合体とした。溶接の前処理として酸化皮膜の一般的な除去を行い、溶接条件は板厚全てが溶ける完全溶け込み条件を選定した。すなわち、溶接電圧25V、溶接電流40A、溶接速度120cm/分、接合電極であるタングステン電極と被溶接材との電極間距離0.9mmとし、シールドガスは純度100%のHeを流量10リットル/分で流した。タングステン電極の傾斜角(θ1)は15°、前進角(θ2)は5°とした。このときのアルミニウム板材の単位厚さ当たりの入熱量(H‘)として、薄板材と厚板材の厚さの算術平均である(t1+t2)/2に対する単位厚さ当たりの入熱量(H‘)を上記式より計算すると、5000(J/cm2)となった。
被溶接材に、薄板材として厚さ(t1)0.8mmのアルミニウム平板(JIS A5052P−H32)と、厚板材として厚さ(t2)1.0mmのアルミニウム平板(A5182P−O)を用意した。板厚比(t2/t1)は1.3である。それぞれの幅は250mm、長さは1000mmであった。それぞれの被溶接材の長辺同士を突合せた。これらの被溶接材を、溶加材を用いない直流正極性ティグ溶接法を用いて幅500mm、長さ1000mmの接合体とした。溶接の前処理として酸化皮膜の一般的な除去を行い、溶接条件は板厚全てが溶ける完全溶け込み条件を選定した。すなわち、溶接電圧25V、溶接電流30A、溶接速度120cm/分、接合電極であるタングステン電極と被溶接材との電極間距離0.5mmとし、シールドガスは純度100%のHeを流量8リットル/分で流した。タングステン電極の傾斜角(θ1)は10°、前進角(θ2)は10°とした。このときのアルミニウム板材の単位厚さ当たりの入熱量(H‘)として、薄板材と厚板材の厚さの算術平均である(t1+t2)/2に対する単位厚さ当たりの入熱量(H‘)を上記式より計算すると、4200(J/cm2)となった。
被溶接材に、薄板材として厚さ(t1)1.0mmのアルミニウム平板(JIS A5182P−O)と、厚板材として厚さ(t2)2.0mmのアルミニウム平板(Al−1.0%Si−0.7%Cu P−T4)を用意した。板厚比(t2/t1)は2.0である。それぞれの幅は250mm、長さは1000mmであった。それぞれの被溶接材の長辺同士を突合せた。これらの被溶接材を、溶加材を用いない直流正極性ティグ溶接法を用いて幅500mm、長さ1000mmの接合体とした。溶接の前処理として酸化皮膜の一般的な除去を行い、溶接条件は板厚全てが溶ける完全溶け込み条件を選定した。すなわち、溶接電圧17V、溶接電流120A、溶接速度120cm/分、接合電極であるタングステン電極と被溶接材との電極間距離0.6mmとし、シールドガスは純度100%のHeを流量10リットル/分で流した。タングステン電極の傾斜角(θ1)は25°、前進角(θ2)は15°とした。このときのアルミニウム板材の単位厚さ当たりの入熱量(H‘)として、薄板材と厚板材の厚さの算術平均である(t1+t2)/2に対する単位厚さ当たりの入熱量(H‘)を上記式より計算すると、6800(J/cm2)となった。
被溶接材に、薄板材として厚さ(t1)1.0mmのアルミニウム平板(JIS A5182P−O)と、厚板材として厚さ(t2)1.2mmのアルミニウム平板(A5182P−O)を用意した。板厚比(t2/t1)は1.2である。それぞれの幅は250mm、長さは1000mmであった。それぞれの被溶接材の長辺同士を突合せた。これらの被溶接材を、溶加材を用いない直流正極性ティグ溶接法を用いて幅500mm、長さ1000mmの接合体とした。溶接の前処理として酸化皮膜の一般的な除去を行い、溶接条件は板厚全てが溶ける完全溶け込み条件を選定した。すなわち、溶接電圧25V、溶接電流32A、溶接速度120cm/分、接合電極であるタングステン電極と被溶接材との電極間距離0.5mmとし、シールドガスは純度10%Ar−90%Heの混合ガスを流量10リットル/分で流した。タングステン電極の傾斜角(θ1)は10°、前進角(θ2)は5°とした。このときのアルミニウム板材の単位厚さ当たりの入熱量(H‘)として、薄板材と厚板材の厚さの算術平均である(t1+t2)/2に対する単位厚さ当たりの入熱量(H‘)を上記式より計算すると、3600(J/cm2)となった。
被溶接材に、薄板材として厚さ(t1)1.0mmのアルミニウム平板(JIS A5182P−O)と、厚板材として厚さ(t2)1.6mmのアルミニウム平板(JIS
A5182P−O)を用意した。板厚比(t2/t1)は1.6である。それぞれの幅は250mm、長さは1000mmであった。それぞれの被溶接材の長辺同士を突合せた。これらの被溶接材を、溶加材を用いない直流正極性ティグ溶接法を用いて幅500mm、長さ1000mmの接合体とした。溶接の前処理として酸化皮膜の一般的な除去を行い、溶接条件は板厚全てが溶ける完全溶け込み条件を選定した。すなわち、溶接電圧17V、溶接電流95A、溶接速度70cm/分、接合電極であるタングステン電極と被溶接材との電極間距離0.7mmとし、シールドガスは純度100%のHeを流量7リットル/分で流した。タングステン電極の傾斜角(θ1)は15°、前進角(θ2)は10°とした。このときのアルミニウム板材の単位厚さ当たりの入熱量(H‘)として、薄板材と厚板材の厚さの算術平均である(t1+t2)/2に対する単位厚さ当たりの入熱量(H‘)を上記式より計算すると、10600(J/cm2)となった。
被溶接材に、薄板材として厚さ(t1)1.0mmのアルミニウム平板(JIS A5182P−O)と、厚板材として厚さ(t2)1.5mmのアルミニウム平板(JIS
A1050P−H12)を用意した。板厚比(t2/t1)は1.5である。それぞれの幅は250mm、長さは1000mmであった。それぞれの被溶接材の長辺同士を突合せた。これらの被溶接材を、溶加材を用いない直流正極性ティグ溶接法を用いて幅500mm、長さ1000mmの接合体とした。溶接の前処理として酸化皮膜の一般的な除去を行い、溶接条件は板厚全てが溶ける完全溶け込み条件を選定した。すなわち、溶接電圧17V、溶接電流120A、溶接速度120cm/分、接合電極であるタングステン電極と被溶接材との電極間距離0.6mmとし、シールドガスは純度100%のHeを流量10リットル/分で流した。タングステン電極の傾斜角(θ1)は15°、前進角(θ2)は10°とした。このときのアルミニウム板材の単位厚さ当たりの入熱量(H‘)として、薄板材と厚板材の厚さの算術平均である(t1+t2)/2に対する単位厚さ当たりの入熱量(H‘)を上記式より計算すると、8200(J/cm2)となった。
被溶接材に、薄板材として厚さ(t1)1.0mmのアルミニウム平板(JIS A5182P−O)と、厚板材として厚さ(t2)2.0mmのアルミニウム平板(JIS
A5182P−O)を用意した。板厚比(t2/t1)は2.0である。それぞれの幅は250mm、長さは1000mmであった。それぞれの被溶接材の長辺同士を突合せた。これらの被溶接材を、溶加材を用いない直流正極性ティグ溶接法を用いて幅500mm、長さ1000mmの接合体とした。溶接の前処理として酸化皮膜の一般的な除去を行い、溶接条件は板厚全てが溶ける完全溶け込み条件を選定した。すなわち、溶接電圧17V、溶接電流140A、溶接速度90cm/分、接合電極であるタングステン電極と被溶接材との電極間距離0.5mmとし、シールドガスは純度100%のHeを流量8リットル/分で流した。タングステン電極の傾斜角(θ1)は25°、前進角(θ2)は15°とした。このときのアルミニウム板材の単位厚さ当たりの入熱量(H‘)として、薄板材と厚板材の厚さの算術平均である(t1+t2)/2に対する単位厚さ当たりの入熱量(H‘)を上記式より計算すると、10600(J/cm2)となった。
被溶接材に、薄板材として厚さ(t1)1.2mmのアルミニウム平板(JIS A5182P−O)と、厚板材として厚さ(t2)1.6mmのアルミニウム平板(A5182P−O)を用意した。板厚比(t2/t1)は1.3である。それぞれの幅は250mm、長さは1000mmであった。それぞれの被溶接材の長辺同士を突合せた。これらの被溶接材を、溶加材を用いない直流正極性ティグ溶接法を用いて幅500mm、長さ1000mmの接合体とした。溶接の前処理として酸化皮膜の一般的な除去を行い、溶接条件は板厚全てが溶ける完全溶け込み条件を選定した。すなわち、溶接電圧25V、溶接電流50A、溶接速度120cm/分、接合電極であるタングステン電極と被溶接材との電極間距離0.6mmとし、シールドガスは純度20%Ar−80%Heの混合ガスを流量9リットル/分で流した。タングステン電極の傾斜角(θ1)は25°、前進角(θ2)は15°とした。このときのアルミニウム板材の単位厚さ当たりの入熱量(H‘)として、薄板材と厚板材の厚さの算術平均である(t1+t2)/2に対する単位厚さ当たりの入熱量(H‘)を上記式より計算すると、4500(J/cm2)となった。
被溶接材に、薄板材として厚さ(t1)1.6mmのアルミニウム平板(JIS A5182P−O)と、厚板材として厚さ(t2)2.5mmのアルミニウム平板(JIS
A5083P−O)を用意した。板厚比(t2/t1)は1.6である。それぞれの幅は250mm、長さは1000mmであった。それぞれの被溶接材の長辺同士を突合せた。これらの被溶接材を、溶加材を用いない直流正極性ティグ溶接法を用いて幅500mm、長さ1000mmの接合体とした。溶接の前処理として酸化皮膜の一般的な除去を行い、溶接条件は板厚全てが溶ける完全溶け込み条件を選定した。すなわち、溶接電圧17V、溶接電流125A、溶接速度95cm/分、接合電極であるタングステン電極と被溶接材との電極間距離0.7mmとし、シールドガスは純度100%のHeを流量12リットル/分で流した。タングステン電極の傾斜角(θ1)は15°、前進角(θ2)は5°とした。このときのアルミニウム板材の単位厚さ当たりの入熱量(H‘)として、薄板材と厚板材の厚さの算術平均である(t1+t2)/2に対する単位厚さ当たりの入熱量(H‘)を上記式より計算すると、6500(J/cm2)となった。
被溶接材に、薄板材として厚さ(t1)1.0mmのアルミニウム平板(JIS A6022P−T4)と、厚板材として厚さ(t2)1.2mmのアルミニウム平板(JIS
A5083P−O)を用意した。板厚比(t2/t1)は1.2である。それぞれの幅は250mm、長さは1000mmであった。それぞれの被溶接材の長辺同士を突合せた。これらの被溶接材を、溶加材を用いない直流正極性ティグ溶接法を用いて幅500mm、長さ1000mmの接合体とした。溶接の前処理として酸化皮膜の一般的な除去を行い、溶接条件は板厚全てが溶ける完全溶け込み条件を選定した。すなわち、溶接電圧17V、溶接電流90A、溶接速度85cm/分、接合電極であるタングステン電極と被溶接材との電極間距離0.5mmとし、シールドガスは純度100%のHeを流量8リットル/分で流した。タングステン電極の傾斜角(θ1)は0°、前進角(θ2)は0°とした。このときのアルミニウム板材の単位厚さ当たりの入熱量(H‘)として、薄板材と厚板材の厚さの算術平均である(t1+t2)/2に対する単位厚さ当たりの入熱量(H‘)を上記式より計算すると、9800(J/cm2)となった。
被溶接材に、薄板材として厚さ(t1)1.2mmのアルミニウム平板(JIS A6022P−T4)と、厚板材として厚さ(t2)2.0mmのアルミニウム平板(JIS
A5182P−O)を用意した。板厚比(t2/t1)は1.7である。それぞれの幅は250mm、長さは1000mmであった。それぞれの被溶接材の長辺同士を突合せた。これらの被溶接材を、溶加材を用いない直流正極性ティグ溶接法を用いて幅500mm、長さ1000mmの接合体とした。溶接の前処理として酸化皮膜の一般的な除去を行い、溶接条件は板厚全てが溶ける完全溶け込み条件を選定した。すなわち、溶接電圧18V、溶接電流120A、溶接速度110cm/分、接合電極であるタングステン電極と被溶接材との電極間距離0.5mmとし、シールドガスは純度100%のHeを流量12リットル/分で流した。タングステン電極の傾斜角(θ1)は20°、前進角(θ2)は15°とした。このときのアルミニウム板材の単位厚さ当たりの入熱量(H‘)として、薄板材と厚板材の厚さの算術平均である(t1+t2)/2に対する単位厚さ当たりの入熱量(H‘)を上記式より計算すると、7400(J/cm2)となった。
被溶接材に、薄板材として厚さ(t1)1.2mmのアルミニウム平板(JIS A6022P−T4)と、厚板材として厚さ(t2)2.0mmのアルミニウム平板(JIS
A6022P−T4)を用意した。板厚比(t2/t1)は1.7である。それぞれの幅は250mm、長さは1000mmであった。それぞれの被溶接材の長辺同士を突合せた。これらの被溶接材を、溶加材を用いない直流正極性ティグ溶接法を用いて幅500mm、長さ1000mmの接合体とした。溶接の前処理として酸化皮膜の一般的な除去を行い、溶接条件は板厚全てが溶ける完全溶け込み条件を選定した。すなわち、溶接電圧18V、溶接電流140A、溶接速度100cm/分、接合電極であるタングステン電極と被溶接材との電極間距離0.5mmとし、シールドガスは純度20%Ar−80%Heの混合ガスを流量8リットル/分で流した。タングステン電極の傾斜角(θ1)は20°、前進角(θ2)は10°とした。このときのアルミニウム板材の単位厚さ当たりの入熱量(H‘)として、薄板材と厚板材の厚さの算術平均である(t1+t2)/2に対する単位厚さ当たりの入熱量(H‘)を上記式より計算すると、9500(J/cm2)となった。
被溶接材に、薄板材として厚さ(t1)0.8mmのアルミニウム平板(Al−1.0%Si−0.7%Cu P−T4)と、厚板材として厚さ(t2)1.5mmのアルミニウム平板(JIS A1050P−H12)を用意した。板厚比(t2/t1)は1.9である。それぞれの幅は250mm、長さは1000mmであった。それぞれの被溶接材の長辺同士を突合せた。これらの被溶接材を、溶加材を用いない直流正極性ティグ溶接法を用いて幅500mm、長さ1000mmの接合体とした。溶接の前処理として酸化皮膜の一般的な除去を行い、溶接条件は板厚全てが溶ける完全溶け込み条件を選定した。すなわち、溶接電圧17V、溶接電流100A、溶接速度120cm/分、接合電極であるタングステン電極と被溶接材との電極間距離0.7mmとし、シールドガスは純度100%のHeを流量10リットル/分で流した。タングステン電極の傾斜角(θ1)は25°、前進角(θ2)は15°とした。このときのアルミニウム板材の単位厚さ当たりの入熱量(H‘)として、薄板材と厚板材の厚さの算術平均である(t1+t2)/2に対する単位厚さ当たりの入熱量(H‘)を上記式より計算すると、7400(J/cm2)となった。
被溶接材に、薄板材として厚さ(t1)0.8mmのアルミニウム平板(Al−1.0%Si−0.7%Cu P−T4)と、厚板材として厚さ(t2)1.0mmのアルミニウム平板(JIS A5182P−O)を用意した。板厚比(t2/t1)は1.3である。それぞれの幅は250mm、長さは1000mmであった。それぞれの被溶接材の長辺同士を突合せた。これらの被溶接材を、溶加材を用いない直流正極性ティグ溶接法を用いて幅500mm、長さ1000mmの接合体とした。溶接の前処理として酸化皮膜の一般的な除去を行い、溶接条件は板厚全てが溶ける完全溶け込み条件を選定した。すなわち、溶接電圧17V、溶接電流90A、溶接速度120cm/分、接合電極であるタングステン電極と被溶接材との電極間距離0.6mmとし、シールドガスは純度100%のHeを流量10リットル/分で流した。タングステン電極の傾斜角(θ1)は15°、前進角(θ2)は5°とした。このときのアルミニウム板材の単位厚さ当たりの入熱量(H‘)として、薄板材と厚板材の厚さの算術平均である(t1+t2)/2に対する単位厚さ当たりの入熱量(H‘)を上記式より計算すると、8500(J/cm2)となった。
被溶接材に、薄板材として厚さ(t1)0.8mmのアルミニウム平板(Al−1.0%Si−0.7%Cu P−T4)と、厚板材として厚さ(t2)2.0mmのアルミニウム平板(Al−1.0%Si−0.7%Cu P−T4)を用意した。板厚比(t2/t1)は2.5である。それぞれの幅は250mm、長さは1000mmであった。それぞれの被溶接材の長辺同士を突合せた。これらの被溶接材を、溶加材を用いない直流正極性ティグ溶接法を用いて幅500mm、長さ1000mmの接合体とした。溶接の前処理として酸化皮膜の一般的な除去を行い、溶接条件は板厚全てが溶ける完全溶け込み条件を選定した。すなわち、溶接電圧18V、溶接電流130A、溶接速度110cm/分、接合電極であるタングステン電極と被溶接材との電極間距離0.5mmとし、シールドガスは純度100%のHeを流量9リットル/分で流した。タングステン電極の傾斜角(θ1)は25°、前進角(θ2)は15°とした。このときのアルミニウム板材の単位厚さ当たりの入熱量(H‘)として、薄板材と厚板材の厚さの算術平均である(t1+t2)/2に対する単位厚さ当たりの入熱量(H‘)を上記式より計算すると、9100(J/cm2)となった。
被溶接材に、薄板材として厚さ(t1)1.0mmのアルミニウム平板(JIS A5182P−O)と、厚板材として厚さ(t2)1.6mmのアルミニウム平板(JIS
A5182P−O)を用意した。板厚比(t2/t1)は1.6である。それぞれの幅は250mm、長さは1000mmであった。それぞれの被溶接材の長辺同士を突合せた。これらの被溶接材を、溶加材を用いない直流正極性ティグ溶接法を用いて幅500mm、長さ1000mmの接合体とした。溶接の前処理として酸化皮膜の一般的な除去を行い、溶接条件は板厚全てが溶ける完全溶け込み条件を選定した。すなわち、溶接電圧18V、溶接電流85A、溶接速度110cm/分、接合電極であるタングステン電極と被溶接材との電極間距離0.7mmとし、シールドガスは純度100%のHeを流量10リットル/分で流した。タングステン電極の傾斜角(θ1)は20°、前進角(θ2)は15°とした。このときのアルミニウム板材の単位厚さ当たりの入熱量(H‘)として、薄板材と厚板材の厚さの算術平均である(t1+t2)/2に対する単位厚さ当たりの入熱量(H‘)を上記式より計算すると、6400(J/cm2)となった。
被溶接材に、薄板材として厚さ(t1)0.8mmのアルミニウム平板(JIS A5052P−H32)と、厚板材として厚さ(t2)2.5mmのアルミニウム平板(JIS A5083P−O)を用意した。板厚比(t2/t1)は3.1である。それぞれの幅は250mm、長さは1000mmであった。それぞれの被溶接材の長辺同士を突合せた。これらの被溶接材を、溶加材を用いない直流正極性ティグ溶接法を用いて幅500mm、長さ1000mmの接合体とした。溶接の前処理として酸化皮膜の一般的な除去を行い、溶接条件は板厚全てが溶ける完全溶け込み条件を選定した。すなわち、溶接電圧19V、溶接電流140A、溶接速度90cm/分、接合電極であるタングステン電極と被溶接材との電極間距離0.3mmとし、シールドガスは純度100%のHeを流量12リットル/分で流した。タングステン電極の傾斜角(θ1)は30°、前進角(θ2)は15°とした。このときのアルミニウム板材の単位厚さ当たりの入熱量(H‘)として、薄板材と厚板材の厚さの算術平均である(t1+t2)/2に対する単位厚さ当たりの入熱量(H‘)を上記式より計算すると、10700(J/cm2)となった。
被溶接材に、薄板材として厚さ(t1)1.0mmのアルミニウム平板(JIS A6022P−T4)と、厚板材として厚さ(t2)1.2mmのアルミニウム平板(JIS
A6022P−T4)を用意した。板厚比(t2/t1)は1.2である。それぞれの幅は250mm、長さは1000mmであった。それぞれの被溶接材の長辺同士を突合せた。これらの被溶接材を、溶加材を用いない直流正極性ティグ溶接法を用いて幅500mm、長さ1000mmの接合体とした。溶接の前処理として酸化皮膜の一般的な除去を行い、溶接条件は板厚全てが溶ける完全溶け込み条件を選定した。すなわち、溶接電圧18V、溶接電流130A、溶接速度110cm/分、接合電極であるタングステン電極と被溶接材との電極間距離1.5mmとし、シールドガスは純度20%Ar−80%Heの混合ガスを流量8リットル/分で流した。タングステン電極の傾斜角(θ1)は0°、前進角(θ2)は0°とした。このときのアルミニウム板材の単位厚さ当たりの入熱量(H‘)として、薄板材と厚板材の厚さの算術平均である(t1+t2)/2に対する単位厚さ当たりの入熱量(H‘)を上記式より計算すると、11600(J/cm2)となった。
被溶接材に、薄板材として厚さ(t1)0.8mmのアルミニウム平板(Al−1.0%Si−0.7%Cu P−T4)と、厚板材として厚さ(t2)1.5mmのアルミニウム平板(JIS A1050P−H12)を用意した。板厚比(t2/t1)は1.9である。それぞれの幅は250mm、長さは1000mmであった。それぞれの被溶接材の長辺同士を突合せた。これらの被溶接材を、溶加材を用いない直流正極性ティグ溶接法を用いて幅500mm、長さ1000mmの接合体とした。溶接の前処理として酸化皮膜の一般的な除去を行い、溶接条件は板厚全てが溶ける完全溶け込み条件を選定した。すなわち、溶接電圧19V、溶接電流150A、溶接速度100cm/分、接合電極であるタングステン電極と被溶接材との電極間距離0.7mmとし、シールドガスは純度100%Heを流量7リットル/分で流した。タングステン電極の傾斜角(θ1)は25°、前進角(θ2)は15°とした。このときのアルミニウム板材の単位厚さ当たりの入熱量(H‘)として、薄板材と厚板材の厚さの算術平均である(t1+t2)/2に対する単位厚さ当たりの入熱量(H‘)を上記式より計算すると、14900(J/cm2)となった。
被溶接材に、薄板材として厚さ(t1)1.0mmのアルミニウム平板(JIS A1100P−O)と、厚板材として厚さ(t2)1.5mmのアルミニウム平板(JIS
A1050P−H12)を用意した。板厚比(t2/t1)は1.5である。それぞれの幅は250mm、長さは1000mmであった。それぞれの被溶接材の長辺同士を突合せた。これらの被溶接材を、溶加材を用いない直流正極性ティグ溶接法を用いて幅500mm、長さ1000mmの接合体とした。溶接の前処理として酸化皮膜の一般的な除去を行い、溶接条件は板厚全てが溶ける完全溶け込み条件を選定した。すなわち、溶接電圧17V、溶接電流35A、溶接速度120cm/分、接合電極であるタングステン電極と被溶接材との電極間距離0.7mmとし、シールドガスは純度20%Ar−80%Heの混合ガスを流量7リットル/分で流した。タングステン電極の傾斜角(θ1)は15°、前進角(θ2)は5°とした。このときのアルミニウム板材の単位厚さ当たりの入熱量(H‘)として、薄板材と厚板材の厚さの算術平均である(t1+t2)/2に対する単位厚さ当たりの入熱量(H‘)を上記式より計算すると、2400(J/cm2)となった。
被溶接材に、薄板材として厚さ(t1)1.2mmのアルミニウム平板(JIS A6022P−T4)と、厚板材として厚さ(t2)2.0mmのアルミニウム平板(JIS
A6022P−T4)を用意した。板厚比(t2/t1)は1.7である。それぞれの幅は250mm、長さは1000mmであった。それぞれの被溶接材の長辺同士を突合せた。これらの被溶接材を、溶加材を用いない直流正極性ティグ溶接法を用いて幅500mm、長さ1000mmの接合体とした。溶接の前処理として酸化皮膜の一般的な除去を行い、溶接条件は板厚全てが溶ける完全溶け込み条件を選定した。すなわち、溶接電圧17V、溶接電流120A、溶接速度100cm/分、接合電極であるタングステン電極と被溶接材との電極間距離0.5mmとし、シールドガスは純度100%Heを流量20リットル/分で流した。タングステン電極の傾斜角(θ1)は20°、前進角(θ2)は15°とした。このときのアルミニウム板材の単位厚さ当たりの入熱量(H‘)として、薄板材と厚板材の厚さの算術平均である(t1+t2)/2に対する単位厚さ当たりの入熱量(H‘)を上記式より計算すると、7700(J/cm2)となった。
被溶接材に、薄板材として厚さ(t1)1.0mmのアルミニウム平板(JIS A3003P−H12)と、厚板材として厚さ(t2)2.0mmのアルミニウム平板(JIS A5052P−H32)を用意した。板厚比(t2/t1)は2.0である。それぞれの幅は250mm、長さは1000mmであった。それぞれの被溶接材の長辺同士を突合せた。これらの被溶接材を、溶加材を用いない直流正極性ティグ溶接法を用いて幅500mm、長さ1000mmの接合体とした。溶接の前処理として酸化皮膜の一般的な除去を行い、溶接条件は板厚全てが溶ける完全溶け込み条件を選定した。すなわち、溶接電圧17V、溶接電流110A、溶接速度95cm/分、接合電極であるタングステン電極と被溶接材との電極間距離0.3mmとし、シールドガスは純度100%Heを流量3リットル/分で流した。タングステン電極の傾斜角(θ1)は25°、前進角(θ2)は15°とした。このときのアルミニウム板材の単位厚さ当たりの入熱量(H‘)として、薄板材と厚板材の厚さの算術平均である(t1+t2)/2に対する単位厚さ当たりの入熱量(H‘)を上記式より計算すると、7900(J/cm2)となった。
被溶接材に、薄板材として厚さ(t1)1.0mmのアルミニウム平板(JIS A6022P−T4)と、厚板材として厚さ(t2)1.2mmのアルミニウム平板(JIS
A6022P−T4)を用意した。板厚比(t2/t1)は1.2である。それぞれの幅は250mm、長さは1000mmであった。それぞれの被溶接材の長辺同士を突合せた。これらの被溶接材を、溶加材を用いない直流正極性ティグ溶接法を用いて幅500mm、長さ1000mmの接合体とした。溶接の前処理として酸化皮膜の一般的な除去を行い、溶接条件は板厚全てが溶ける完全溶け込み条件を選定した。すなわち、溶接電圧17V、溶接電流120A、溶接速度120cm/分、接合電極であるタングステン電極と被溶接材との電極間距離0.7mmとし、シールドガスは純度100%Arを流量7リットル/分で流した。タングステン電極の傾斜角(θ1)は0°、前進角(θ2)は0°とした。このときのアルミニウム板材の単位厚さ当たりの入熱量(H‘)として、薄板材と厚板材の厚さの算術平均である(t1+t2)/2に対する単位厚さ当たりの入熱量(H‘)を上記式より計算すると、9300(J/cm2)となった。
被溶接材に、薄板材として厚さ(t1)1.2mmのアルミニウム平板(JIS A6022P−T4)と、厚板材として厚さ(t2)2.0mmのアルミニウム平板(JIS
A6022P−T4)を用意した。板厚比(t2/t1)は1.7である。それぞれの幅は250mm、長さは1000mmであった。それぞれの被溶接材の長辺同士を突合せた。これらの被溶接材を、溶加材を用いない直流正極性ティグ溶接法を用いて幅500mm、長さ1000mmの接合体とした。溶接の前処理として酸化皮膜の一般的な除去を行い、溶接条件は板厚全てが溶ける完全溶け込み条件を選定した。すなわち、溶接電圧18V、溶接電流120A、溶接速度95cm/分、接合電極であるタングステン電極と被溶接材との電極間距離0.5mmとし、シールドガスは純度20%Ar−80%Heの混合ガスを流量8リットル/分で流した。タングステン電極の傾斜角(θ1)は0°、前進角(θ2)は0°とした。このときのアルミニウム板材の単位厚さ当たりの入熱量(H‘)として、薄板材と厚板材の厚さの算術平均である(t1+t2)/2に対する単位厚さ当たりの入熱量(H‘)を上記式より計算すると、8500(J/cm2)となった。
被溶接材に、薄板材として厚さ(t1)0.5mmのアルミニウム平板(JIS A3004P−H32)と、厚板材として厚さ(t2)1.0mmのアルミニウム平板(JIS A1100P−O)を用意した。板厚比(t2/t1)は2.0である。それぞれの幅は250mm、長さは1000mmであった。それぞれの被溶接材の長辺同士を突合せた。これらの被溶接材を、溶加材を用いない直流正極性ティグ溶接法を用いて幅500mm、長さ1000mmの接合体とした。溶接の前処理として酸化皮膜の一般的な除去を行い、溶接条件は板厚全てが溶ける完全溶け込み条件を選定した。すなわち、溶接電圧17V、溶接電流100A、溶接速度120cm/分、接合電極であるタングステン電極と被溶接材との電極間距離0.3mmとし、シールドガスは純度100%のHeを流量8リットル/分で流した。タングステン電極の傾斜角(θ1)は35°、前進角(θ2)は15°とした。このときのアルミニウム板材の単位厚さ当たりの入熱量(H‘)として、薄板材と厚板材の厚さの算術平均である(t1+t2)/2に対する単位厚さ当たりの入熱量(H‘)を上記式より計算すると、11300(J/cm2)となった。
被溶接材に、薄板材として厚さ(t1)1.2mmのアルミニウム平板(JIS A6022P−T4)と、厚板材として厚さ(t2)2.0mmのアルミニウム平板(JIS
A6022P−T4)を用意した。板厚比(t2/t1)は1.7である。それぞれの幅は250mm、長さは1000mmであった。それぞれの被溶接材の長辺同士を突合せた。これらの被溶接材を、溶加材を用いない直流正極性ティグ溶接法を用いて幅500mm、長さ1000mmの接合体とした。溶接の前処理として酸化皮膜の一般的な除去を行い、溶接条件は板厚全てが溶ける完全溶け込み条件を選定した。すなわち、溶接電圧17V、溶接電流120A、溶接速度95cm/分、接合電極であるタングステン電極と被溶接材との電極間距離0.5mmとし、シールドガスは純度20%Ar−80%Heの混合ガスを流量7リットル/分で流した。タングステン電極の傾斜角(θ1)は20°、前進角(θ2)は0°とした。このときのアルミニウム板材の単位厚さ当たりの入熱量(H‘)として、薄板材と厚板材の厚さの算術平均である(t1+t2)/2に対する単位厚さ当たりの入熱量(H‘)を上記式より計算すると、8100(J/cm2)となった。
被溶接材に、薄板材として厚さ(t1)0.5mmのアルミニウム平板(JIS A3004P−H32)と、厚板材として厚さ(t2)1.0mmのアルミニウム平板(JIS A1100P−O)を用意した。板厚比(t2/t1)は2.0である。それぞれの幅は250mm、長さは1000mmであった。それぞれの被溶接材の長辺同士を突合せた。これらの被溶接材を、溶加材を用いない直流正極性ティグ溶接法を用いて幅500mm、長さ1000mmの接合体とした。溶接の前処理として酸化皮膜の一般的な除去を行い、溶接条件は板厚全てが溶ける完全溶け込み条件を選定した。すなわち、溶接電圧17V、溶接電流100A、溶接速度120cm/分、接合電極であるタングステン電極と被溶接材との電極間距離0.3mmとし、シールドガスは純度100%のHeを流量8リットル/分で流した。タングステン電極の傾斜角(θ1)は25°、前進角(θ2)は25°とした。このときのアルミニウム板材の単位厚さ当たりの入熱量(H‘)として、薄板材と厚板材の厚さの算術平均である(t1+t2)/2に対する単位厚さ当たりの入熱量(H‘)を上記式より計算すると、11300(J/cm2)となった。
被溶接材に、薄板材として厚さ(t1)0.3mmのアルミニウム平板(JIS A1100P−O)と、厚板材として厚さ(t2)0.7mmのアルミニウム平板(JIS A3003P−H12)を用意した。板厚比(t2/t1)は2.3である。それぞれの幅は250mm、長さは1000mmであった。溶接の前処理として酸化皮膜の一般的な除去を行った。それぞれの被溶接材の長辺同士を突合せ溶加材を用いない直流正極性ティグ溶接法を用いて幅500mm、長さ1000mmの接合体とした。接合電極であるタングステン電極と被溶接材との電極間距離0.5mmとし、シールドガスは純度100%のHeを流量10リットル/分で流した。タングステン電極の傾斜角(θ1)は25°、前進角(θ2)は15°とした。この状態にて、溶接条件として板厚全てが溶ける完全溶け込み条件の選定を試みたが、用いた薄板材が薄過ぎたため溶け落ちが発生し適正溶接条件が見出せず良好な接合体は得られなかった。
被溶接材に、薄板材として厚さ(t1)1.6mmのアルミニウム平板(JIS A5182P−O)と、厚板材として厚さ(t2)3.2mmのアルミニウム平板(JIS A5083P−O)を用意した。板厚比(t2/t1)は2.0である。それぞれの幅は250mm、長さは1000mmであった。それぞれの被溶接材の長辺同士を突合せた。これらの被溶接材を、溶加材を用いない直流正極性ティグ溶接法を用いて幅500mm、長さ1000mmの接合体とした。溶接の前処理として酸化皮膜の一般的な除去を行い、溶接条件は板厚全てが溶ける完全溶け込み条件を選定した。すなわち、溶接電圧17V、溶接電流120A、溶接速度120cm/分、接合電極であるタングステン電極と被溶接材との電極間距離0.7mmとし、シールドガスは純度100%のHeを流量10リットル/分で流した。タングステン電極の傾斜角(θ1)は25°、前進角(θ2)は15°とした。このときのアルミニウム板材の単位厚さ当たりの入熱量(H‘)として、薄板材と厚板材の厚さの算術平均である(t1+t2)/2に対する単位厚さ当たりの入熱量(H‘)を上記式より計算すると、4300(J/cm2)となった。
被溶接材に、薄板材として厚さ(t1)1.6mmのアルミニウム平板(JIS A5182P−O)と、厚板材として厚さ(t2)2.0mmのアルミニウム平板(JIS A2014P−T4)を用意した。板厚比(t2/t1)は1.3である。それぞれの幅は250mm、長さは1000mmであった。溶接の前処理として酸化皮膜の一般的な除去を行った。それぞれの被溶接材の長辺同士を突合せ溶加材を用いない直流正極性ティグ溶接法を用いて幅500mm、長さ1000mmの接合体とした。接合電極であるタングステン電極と被溶接材との電極間距離0.5mmとし、シールドガスは純度20%Ar−80%Heの混合ガスを流量8リットル/分で流した。タングステン電極の傾斜角(θ1)は15°、前進角(θ2)は5°とした。この状態にて、溶接条件として板厚全てが溶ける完全溶け込み条件の選定を試みたが、本組合せの場合、溶接部に割れが発生し適正溶接条件が見出せず良好な接合体は得られなかった。
溶接部の表面状態は、目視観察によって評価した。目視により、外観の欠陥が無く平滑性が得られていた場合を合格とした。目視により、ピット状の欠陥、溶け込み不足、割れ、平滑性を損なう程の激しい凹凸のいずれかが観察された場合を不合格とした。
溶接部の引張特性は、作製した溶接材より溶接部が中央となるようにJIS5号引張試験片を、それぞれ3本切り出して引張試験を行い、引張強さ、耐力、伸びの値を計測し、破断の形態を観察した。評価は継手効率が70%を超えた場合を合格、70%未満を不合格とした。ここで、継手効率は、(溶接材の引張り強さ/破断した母材の引張強さ)×100(%)として算出した。なお、溶接部で破断した場合は、薄板材の母材強度を用いて、継手効率を算出した。
溶接部の断面状態は、目視観察によって評価した。目視により、欠陥が観察されなかった場合を合格とした。目視により、気泡状の欠陥、裏面側の未接合部、割れのいずれかが観察された場合を不合格とした。
溶接部における表面状態、引張特性及び断面状態のいずれもが合格の場合を、総合評価が合格(○)とした。表面状態、引張特性及び断面状態の少なくともいずれかが不合格の場合を、総合評価が不合格(×)とした。
2…アルミニウム材(厚板材)
21…厚板材の上表面
22…厚板材の突合せ面
23…厚板材のエッジ部
3…溶接部の表面
4…溶接部の断面
5…溶接部の断面における気孔状の欠陥
6…溶接部の断面における割れ状の欠陥
7…突合せ部
8…溶接電極
81…溶接電極の先端中心部
C…溶接電極の中心線
L…電極間距離
T…厚板材のエッジ部を通り、かつ、厚板材の上表面に対して垂直な線
θ1…溶接電極の傾斜角
θ2…溶接電極の前進角
Claims (3)
- 厚さ0.5〜3.0mmを有し隣接するアルミニウム板材の厚さが異なる複数のアルミニウム板材を接合する方法であって、当該複数のアルミニウム板材が、Mg:6.0mass%未満を含有し残部Al及び不可避的不純物からなるアルミニウム合金で構成され、隣接するアルミニウム板材の薄板材厚さt1と厚板材厚さt2が1.3≦t2/t1≦2.5を満たし、溶接電極の先端中心部と厚板材の表面との電極間距離を1.0mm以下とし、純度75〜100%で流量5〜15リットル/分のHeを溶接電極のシールドガスとして用い溶加材を用いず、隣接するアルミニウム板材の薄板材と厚板材との平均板厚さ(t1+t2)/2に対して、溶接時における単位板厚当たりの入熱量を2500〜12000(J/cm2)とし、溶接電極の先端中心部が厚板材の突合せ部のエッジ部において、溶接方向に対する左右方向の薄板材側に5〜30°の傾斜角θ1を成し、かつ、溶接方向の後進側に5〜15°の前進角θ2を成し、これら薄板材と厚板材の端面同士を突合わせて突合せ部を直流正極性ティグ溶接法にて接合することを特徴とするアルミニウム板材の接合方法。
- 前記アルミニウム合金が、Si:2.0mass%以下、Fe:1.0mass%以下、Cu:1.5mass%以下及びMn:2.0mass%以下から選択される1種又は2種以上を更に含有する、請求項1に記載のアルミニウム板材の接合方法。
- 前記アルミニウム合金が、Cr:0.2mass%以下、Zn:0.3mass%以下及びTi:0.2mass%以下から選択される1種又は2種以上を更に含有する、請求項1又は2に記載のアルミニウム板材の接合方法。
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