JP5865815B2 - 演算増幅器 - Google Patents
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Description
この演算増幅器は、差動増幅回路1、出力増幅回路2、および位相補償回路3から構成される。差動増幅回路1は、差動信号NIN、PINが入力されるNMOSトランジスタM1、M2と、電流ミラー(能動負荷)を構成するPMOSトランジスタM3、M4と、電流源として機能するNMOSトランジスタM5と、を備えている。出力増幅回路2は、PMOSトランジスタM6およびNMOSトランジスタM7からなる。差動増幅回路1の出力端(ノードN1)は、出力増幅回路2の入力端に接続されている。
位相補償回路3は、直列接続された抵抗Rc1およびキャパシタCc1で構成され、その一端側がノードN1に接続され、その他端側が出力増幅回路2の出力端子4に接続されている。
この回路は、入力電圧Vinを抵抗R1、R2の比率によって決まる増幅率で増幅し、この増幅した電圧を出力電圧Voutとして取り出すようになっている。ここで、RLは負荷抵抗である。
次に、この図9に示す定電圧出力回路において、電源電圧VDDが変化したときの動作について説明する。
まず、電源電圧VDDが上昇した場合、MOSトランジスタM6のゲート・ソース間電圧Vgsが大きくなりMOSトランジスタM6に流れる電流が増加するため、出力電圧Vout、帰還電圧Vfbも上昇する。帰還電圧Vfbが上昇すると、差動増幅回路1は電流I1をキャパシタCc1にチャージし、ノードN1の電位が上昇してMOSトランジスタM6のゲート・ソース間電圧Vgsが小さくなる。この結果、MOSトランジスタM1のゲート・ソース間電圧Vgsは電源電圧VDDが上昇する前の大きさとほぼ等しくなり、出力電圧Voutもほぼ一定に保たれる。
ここで、電源電圧VDDの変化量と定常状態での出力電圧Voutの変化量との比が直流での電源電圧除去比(PSRRdc)である。
この場合には、電源電圧VDDの変動に応じて帰還電圧Vfbが変動し、差動増幅回路1が電流I1をキャパシタCc1に供給することにより、ノードN1が電源電圧VDDに追従し、MOSトランジスタM6のゲート・ソース間電圧Vgsを保つように制御が働く。ノードN1の電圧が電源電圧VDDに追従するために、キャパシタCc1に供給すべき電流I1は、電源電圧VDDの変動する周波数に比例しているため、電流I1を供給するために必要な帰還電圧Vfbすなわち出力電圧Voutの変動も周波数に比例することになる。したがって、交流での電源電圧除去比(PSRRac)は周波数の増加につれて劣化する特性となる。
=(1/Ro2)×(VDD−Vout)−{1/(R1+R2)}×Vout
……(1)
={Ro1/(Ro1×Cc1×s+1)}×gm1×{R1/(R1+R2)}
×Vout……(2)
×{(Ro1×gm1)/(Ro1×Cc1×s+1)}
……(3)
この演算増幅器は、図7に示す演算増幅器においてさらに電流供給回路5を追加したものであって、図12に示すように、差動増幅回路1と、この差動増幅回路1の後段に直列に接続される出力増幅回路2と、入出力特性の位相補償を行う位相補償回路3と、この位相補償回路3に交流電流を供給する電流供給回路5と、から構成されている。
MOSトランジスタM11およびM12はカスコード接続されてバイアス電流源を構成し、このバイアス電流源は上記のノードN1と電源電圧VSSの端子との間に接続される。また、PMOSトランジスタM13は、ノードN1と電源電圧VDDの端子との間に接続される。そして、MOSトランジスタM11、M12、M13の各ゲートには、MOSトランジスタM11、M12がカスコード接続で構成される電流源、また、MOSトランジスタM13が電流源とみなせる適当なバイアス電圧が与えられる。
図12に示す演算増幅器を用いた定電圧出力回路は、基本的には、電源電圧VDDの変動に応じてノードN1の電圧が変動してPMOSトランジスタM6のゲート・ソース間電圧Vgsを一定に保つために、キャパシタCc1に流れる電流I1を電源電圧VDDの端子から抵抗Rc2とキャパシタCc2を通って流れる電流I2によって供給するようにした。これにより、差動増幅回路1が出力する電流Idiffを小さくして電源電圧除去比の改善を図ることができる。
したがって、抵抗Rc1およびキャパシタCc1の直列接続が抵抗Rc2およびキャパシタCc2の直列接続と等価なインピーダンスであるとき、電流I1と電流I2はほぼ等しくなっている。電流I2は、NMOSトランジスタM11のソースに流れ込む経路と、NMOSトランジスタM12のドレインに流れ込む経路に分かれる。しかし、NMOSトランジスタM11のソースのインピーダンスはNMOSトランジスタM12のドレインのインピーダンスに比べて十分に小さいため、電流I2のほとんどはNMOSトランジスタM11のソース側に流れる。
そこで、本発明は上記未解決の問題に着目してなされたものであり、PSRRdcおよびPSRRacの両特性の向上を図ることの可能な演算増幅器を提供することを目的としている。
前記第1および第2の位相補償部を構成する回路は互いに等価であってよい。
前記極性反転回路は、ゲインが−1であってよい。
前記第1および第2の位相補償部は、直列に接続されたキャパシタおよび抵抗を有していてよい。
前記第2の位相補償部は直列に接続されたキャパシタおよび抵抗を有し、前記極性反転回路は、前記第2の位相補償部が有する前記キャパシタと前記抵抗との間に設けられていてよい。
(第1実施形態)
まず、第1実施形態を説明する。
図1および図2は、本発明の第1実施形態に係る演算増幅器101の一例を示したものであって、図2は図1の詳細を示したものである。
図2に示すように、全差動増幅回路11は、差動信号NIN、PINが入力されるNMOSトランジスタM101、M102と、電流ミラー(能動負荷)を構成するPMOSトランジスタM103およびM104と、電流源として機能するNMOSトランジスタM105と、コモンモードフィードバックを形成する抵抗R101、R102とコンデンサC101、C102とを備えている。
そして、それぞれ直列接続された、MOSトランジスタM108およびM106と、MOSトランジスタM109およびM107と、が電源電圧VDDの端子とMOSトランジスタM110との間に並列に接続され、MOSトランジスタM110の他端は、電源電圧VSSの端子に接続される。
そして、差動増幅回路12の出力端N12が、演算増幅器101の出力端子Toutに接続される。つまり、差動増幅回路12の出力信号が演算増幅器101の出力信号OUTとして出力される。
位相補償回路14は、直列接続された抵抗Rc12およびキャパシタCc12で構成され、抵抗Rc12側の端部が全差動増幅回路11の差動信号NOUTの出力端N11nに接続され、キャパシタCc12側の端部が差動増幅回路12の出力端N12と演算増幅器101の出力端子Toutとの間に設けられたノードNoutに接続されている。
そして、MOSトランジスタM11のゲートとノードNoutとが接続される。
極性反転回路15の出力端N15は、前述のように、位相補償回路13のキャパシタCc11の一端に接続され、つまり、極性反転回路15の出力端N15は、位相補償回路13を介して全差動増幅回路11の出力端N11pに接続される。この極性反転回路15は、ゲインを「−1倍」にするために、NMOSトランジスタM11とPMOSトランジスタM12の相互コンダクタンスgm11およびgm12を同じ値にすることが望ましい。
その結果、電源電圧除去比は図3に示すように、図13に示す従来の演算増幅器におけるPSRRdcを示す特性図において、PSRRdcを上にシフトしたグラフとなり、全帯域でPSRRを改善することができる。
次に第2実施形態を説明する。
図4および図5は、本発明の第2実施形態に係る演算増幅器102の一例を示したものであって、図5は図4の詳細を示したものである。なお、上記第1実施形態における演算増幅器101と同一部には同一符号を付与している。
図4に示すように、この演算増幅器102は、全差動増幅回路(A1)11と、この全差動増幅回路11の後段に直列に接続される差動増幅回路(A2)12と、入出力特性の位相補償を行う位相補償回路13および14、さらに17と、極性を反転させる極性反転回路15と、出力増幅回路(A3)16と、位相補償回路17に交流電流を供給する電流供給回路18と、を備えている。
位相補償回路17は、直列接続された抵抗Rc13およびキャパシタCc13で構成され、抵抗Rc13側の端部が、電流供給回路18の後述のノードN18と接続され、キャパシタCc13側の端部が演算増幅器102の出力端子Toutに接続される。
NMOSトランジスタM115およびM116は、カスコード接続されてバイアス電流源を構成し、このバイアス電流源はノードN18と電源電圧VSSの端子との間に接続される。前記ノードN18は、電流供給回路18と差動増幅回路12との接続点であって、差動増幅回路12の出力信号OUT1が与えられる。
つまり、この第2実施形態は、差動増幅回路12と出力増幅回路16と位相補償回路17と電流供給回路18とを一つの差動増幅回路とみなすと、この差動増幅回路と全差動増幅回路11との接続点である差動信号POUTの出力端N11pと、この差動増幅回路の出力端であるノードNoutとの間に第1の位相補償部としての位相補償回路14が接続され、第2の位相補償部としての位相補償回路13は、極性反転回路15と直列に接続されて、全差動増幅回路11と差動増幅回路との接続点である差動信号NOUTの出力端N11nと、差動増幅回路の出力端であるノードNoutとの間に接続される。
また従来技術で述べたように、電源電圧が交流的に変化した場合にPMOSトランジスタM114のゲート・ソース間電圧Vgsを一定に保つために、キャパシタCc13に流れる電流I13を電源電圧VDDの端子から抵抗Rc14とキャパシタCc14を通って流れる電流I14によって供給するようにした。これにより、差動増幅回路1が出力する電流Idiffを小さくして電源電圧除去比の改善を図ることができる。
なお、上記第1実施形態における演算増幅器101では、極性反転回路15を全差動増幅回路11の出力端N11pと出力端子Toutとの間に設けているのに対し、第2実施形態における演算増幅器102では、極性反転回路15を全差動増幅回路11の出力端N11nと出力端子Toutとの間に設けているが、極性反転回路15は、全差動増幅回路11の出力端N11p側およびN11n側のいずれの側に設けてもよい。
例えば図6(a)に示すように、全差動増幅回路11の出力端側に極性反転回路15を設け、極性反転回路15と演算増幅器101の出力端Toutとの間に、位相補償回路13を設けることも可能である。また、図6(b)に示すように、位相補償回路13を構成する抵抗(Rc11)とキャパシタ(Cc11)との間に、極性反転回路15を設けてもよい。第2実施形態についても同様に、極性反転回路15を全差動増幅回路11の出力端側に設けてもよく、また、位相補償回路13を構成する抵抗とキャパシタとの間に設けてもよい。
2、16 出力増幅回路
3、13、14、17 位相補償回路
4 出力端子
5、18 電流供給回路
11 全差動増幅回路
15 極性反転回路
101、102 演算増幅器
Claims (7)
- 全差動増幅回路と、
この全差動増幅回路の後段に直列に接続され、第1の入力端と第2の入力端と出力端とを有する2入力1出力の差動増幅回路と、
前記全差動増幅回路の差動出力の一方の出力端と前記2入力1出力の差動増幅回路が有する前記第1の入力端との接続点である第1の接続点と、前記2入力1出力の差動増幅回路の出力端と、の間に接続され、入出力特性の位相補償を行う第1の位相補償部と、
前記差動出力の他方の出力端と前記2入力1出力の差動増幅回路が有する前記第2の入力端との接続点である第2の接続点と、前記2入力1出力の差動増幅回路の出力端と、の間に接続され、入出力特性の位相補償を行う第2の位相補償部と、
前記第2の接続点と前記2入力1出力の差動増幅回路の出力端との間に前記第2の位相補償部と直列に接続され、前記第2の位相補償部による位相補償用の信号の極性を前記第1の位相補償部による位相補償用の信号の極性と逆にするための極性反転回路と、
を備えることを特徴とする演算増幅器。 - 前記第1および第2の位相補償部のインピーダンスは互いに等しいことを特徴とする請求項1に記載の演算増幅器。
- 前記第1および第2の位相補償部を構成する回路は互いに等価であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の演算増幅器。
- 前記極性反転回路は、ゲインが−1であることを特徴とする請求項1から請求項3のうちの何れか1項に記載の演算増幅器。
- 前記第1および第2の位相補償部は、直列に接続されたキャパシタおよび抵抗を有することを特徴とする請求項1から請求項4のうちの何れか1項に記載の演算増幅器。
- 前記直列に接続される極性反転回路および前記第2の位相補償部は、前記全差動増幅回路側に前記第2の位相補償部が接続され前記差動増幅回路の出力端側に前記極性反転回路が接続されるか、または、前記全差動増幅回路側に前記極性反転回路が接続され前記出力端側に前記第2の位相補償部が接続されることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の演算増幅器。
- 前記第2の位相補償部は直列に接続されたキャパシタおよび抵抗を有し、
前記極性反転回路は、前記第2の位相補償部が有する前記キャパシタと前記抵抗との間に設けられることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の演算増幅器。
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