JPWO2020129184A1 - Ab級アンプおよびオペアンプ - Google Patents

Ab級アンプおよびオペアンプ Download PDF

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Abstract

AB級アンプ(A200)は、第1の入力電流(IIM)および第2の入力電流(IIP)を受けて、第1の電圧(Vgpn)および第2の電圧(Vgpp)に変換する能動負荷段(AL210)と、能動負荷段(AL210)から第1の電圧(Vgpn)および第2の電圧(Vgpp)を受けて動作し、出力端子(VO)に電流を出力するドライバアンプ(A230)とを備える。ドライバアンプ(A230)は、第1の基準電位端子(V1)および第2の基準電位端子(V2)の間に直列接続される第1のトランジスタ(M231)および第2のトランジスタ(M232)を有し、第1のトランジスタ(M231)および第2のトランジスタ(M232)の接続点を出力端子(VO)に接続する。第1のトランジスタ(M231)は第1の電圧(Vgpn)をゲートに受けて第1の電流を流し、第2のトランジスタ(M232)は第2の電圧(Vgpp)をゲートに受けて第2の電流を流すように構成される。AB級アンプ(A200)はさらに、第1の電流および第2の電流の各々の絶対値がドライバアンプ(A230)の静止電流以上となるように、第1の電圧(Vgpn)および第2の電圧(Vgpp)にフィードバックをかけるように構成されたミニマムセレクタ(MS220)を備える。

Description

本開示は、AB級アンプおよびオペアンプに関する。
オペアンプの静止状態における静止電流を抑制しつつ、オペアンプの負荷駆動状態において、静止電流を超える電流を負荷に供給するための回路構成として、フィードバック型AB級アンプを出力段に用いる技術が知られている(例えば、非特許文献1を参照)。
非特許文献1に記載されるフィードバック型AB級アンプは、直列接続された第1および第2のトランジスタからなるドライバアンプと、反転入力端子に入力される第1の入力電流と非反転入力端子に入力される第2の入力電流との差を増幅し、第1および第2のトランジスタのゲートに入力するゲート電圧を生成する能動負荷と、第1および第2のトランジスタに流れる電流が規定値を下回らないように、第1および第2のトランジスタのゲート電圧にフィードバックをかけるミニマムセレクタとを有する。
"COMPACT LOW-VOLTAGE AND HIGH-SPEED CMOS, BiCMOS AND BIPOLAR OPERATIONAL AMPLIFIERS", P.79, Klaas-Jan de Langen他、Kluwer Academic Publishers
しかしながら、非特許文献1に記載されるオペアンプでは、ドライバアンプを構成する第1および第2のトランジスタの一方のトランジスタが負荷駆動状態である場合に、静止状態である他方のトランジスタを流れる電流が、オペアンプの静止状態における静止電流よりも小さい最小電流に制御される。
このような構成において、最小電流の値を小さくすると、オペアンプの歪みが悪化することになり、通信またはセンシングにおけるアナログ信号処理において、信号の品位が劣化することが懸念される。一方、信号の品位を確保するために最小電流の値を大きくすると、静止電流の値も大きくなるため、消費電流を増大させてしまうことになる。このように、非特許文献1に記載されるオペアンプは、最小電流の値に関して、信号の品位と消費電流との間にトレードオフを有している。
それゆえ、本開示の目的は、ドライバアンプを構成するトランジスタに流れる電流がドライバアンプの静止電流を下回らないようなAB級アンプおよびそれを用いたオペアンプを提供することである。
本開示に係るAB級アンプは、第1の入力電流を受ける第1の入力端子と、第2の入力電流を受ける第2の入力端子と、出力端子と、第1の基準電位端子と、第2の基準電位端子と、第1の入力電流および第2の入力電流を受けて、第1の電圧および第2の電圧に変換する能動負荷段と、能動負荷段から第1の電圧および第2の電圧を受けて動作し、出力端子に電流を出力するドライバアンプとを備える。ドライバアンプは、第1の基準電位端子および第2の基準電位端子の間に直列接続される第1のトランジスタおよび第2のトランジスタを有し、第1のトランジスタおよび第2のトランジスタの接続点を出力端子に接続するように構成される。第1のトランジスタは第1の電圧をゲートに受けて第1の電流を流し、第2のトランジスタは第2の電圧をゲートに受けて第2の電流を流すように構成される。AB級アンプはさらに、第1の電流および第2の電流の各々の絶対値がドライバアンプの静止電流以上となるように、第1の電圧および第2の電圧にフィードバックをかけるように構成されたミニマムセレクタをさらに備える。
本開示によれば、ドライバアンプを構成するトランジスタに流れる電流がドライバアンプの静止電流を下回らないようなAB級アンプおよびそれを用いたオペアンプを提供することができる。
実施の形態1に係るオペアンプの構成を示す図である。 実施の形態1に係るオペアンプにおいて、ドライバアンプのトランジスタのドレイン電流IDSと出力電流との関係を説明するための図である。 実施の形態1に係るオペアンプの第1構成例を示す図である。 実施の形態1に係るオペアンプの第2構成例を示す図である。 実施の形態1の変更例に係るオペアンプの構成を示す図である。 図5に示すオペアンプの構成例を示す図である。 実施の形態2に係るオペアンプの構成を示す図である。 図7に示すオペアンプの構成例を示す図である。 実施の形態2の変更例に係るオペアンプの構成を示す図である。 図9に示すオペアンプの構成例を示す図である。 参考例1に係るオペアンプの構成を示す図である。 参考例2に係るオペアンプの構成を示す図である。 参考例2に係るオペアンプにおいて、ドライバアンプのトランジスタのドレイン電流と出力電流との関係を説明するための図である。
以下、本開示の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。なお、以下では図中の同一または相当部分には同一符号を付してその説明は原則的に繰返さないものとする。以下の説明では、トランジスタがMOS(Metal Oxide Semiconductor)トランジスタで構成される場合について説明する。
参考例1.
最初に、参考例に係るオペアンプの構成およびその課題について説明する。
図11は、参考例1に係るオペアンプの構成を示す図である。参考例1に係るオペアンプは、A級アンプを備えたフォールデッド・カスコード型のオペアンプであり、差動入力端子VIP,VIMに入力される電位差を増幅して出力端子VOに出力するように構成される。
参考例1に係るオペアンプは、差動入力段A100と、出力段200と、基準電位端子V1,V2とを備える。本願明細書では、基準電位端子V1を「第1の基準電位端子V1」とし、基準電位端子V2を「第2の基準電位端子V2」とする。第1の基準電位端子V1の電位が第2の基準電位端子V2の電位よりも低い。
差動入力段A100は、差動入力端子VIP,VIMと、トランジスタM0,M1,M2とを有する。差動入力段A100は、非反転入力端子VIPに入力される第1の電位と反転入力端子VIMに入力される第2の電位との差を電流の差に変換する。
トランジスタM0,M1,M2はN型MOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)である。トランジスタM0のソースは第2の基準電位端子V2に接続される。トランジスタM0のゲートは制御電圧Vbp1を受ける。トランジスタM0は定電流源を構成する。
トランジスタM1のソースはトランジスタM0のドレインに接続され、トランジスタM1のドレインは出力段A200の第1の入力端子IIMに接続される。トランジスタM1のゲートは非反転入力端子VIPに接続され、第1の電位VIPを受ける。トランジスタM2のソースはトランジスタM0のドレインに接続され、トランジスタM2のドレインは出力段A200の第2の入力端子IIPに接続される。トランジスタM2のゲートは反転入力端子VIMに接続され、第2の電位VIMを受ける。トランジスタM1,M2は差動対を構成する。
出力段A200は、入力端子IIP,IIMと、出力端子VOと、能動負荷段AL210と、ドライバアンプA230とを有する。第1の入力端子IIMはトランジスタM1に流れる電流を受ける。第2の入力端子IIPはトランジスタM2に流れる電流を受ける。
能動負荷段AL210は、トランジスタM201,M202と、トランジスタM203,M204と、トランジスタM205,M206,M207,M208とを有する。トランジスタM201,M202,M205,M206はN型MOSFETである。トランジスタM203,M204,M207,M208はP型MOSFETである。トランジスタM201,M202は定電流源を構成する。トランジスタM203,M204はカレントミラー回路を構成する。カレントミラー回路は、差動入力段A100で生じた電流の差分をドライバアンプA230に出力する。トランジスタM205,M206,M207,M208はカスコード回路を構成する。カスコード回路は差動対(トランジスタM1,M2)の出力抵抗を増加することで、差動入力段の利得を増加する。
トランジスタM203、トランジスタM207、トランジスタM205およびトランジスタM201は、第2の基準電位端子V2および第1の基準電位端子V1の間に直列に接続される。トランジスタM204、トランジスタM208、トランジスタM206およびトランジスタM202は、第2の基準電位端子V2および第1の基準電位端子V1の間に直列に接続される。トランジスタM207およびトランジスタM208のゲートは、バイアス電圧Vbp2を受ける。トランジスタM205およびトランジスタM206のゲートは、バイアス電圧Vbn2を受ける。トランジスタM201およびトランジスタM202のゲートは、バイアス電圧Vbn1を受ける。
トランジスタM205のソースとトランジスタM201のドレインとの接続点は第2の入力端子IIPに接続される。トランジスタM206のソースとトランジスタM202のドレインとの接続点は第1の入力端子IIMに接続される。トランジスタM208のドレインとトランジスタM206のドレインとの接続点はドライバアンプA230のトランジスタM232のゲートに接続される。
ドライバアンプA230は、トランジスタM231,M232を有する。トランジスタM232およびトランジスタM231は、第2の基準電位端子V2および第1の基準電位端子V1の間に直列に接続される。トランジスタM232のドレインおよびトランジスタM231のドレインの接続点は出力端子VOに接続される。トランジスタM232はソース接地増幅段を構成する。トランジスタM231は電流引き込み負荷を構成する。ドライバアンプA230はゲインおよびドライブ能力を高める役割を有する。
トランジスタM231は「第1のトランジスタ」の一実施例に対応し、トランジスタM232は「第2のトランジスタ」の一実施例に対応する。
参考例2.
図12は、参考例2に係るオペアンプの構成を示す図である。参考例2に係るオペアンプは、フィードバック型AB級アンプを備えたオペアンプである。
図12を参照して、参考例2に係るオペアンプは、図11に示す参考例1に係るオペアンプと比較して、出力段A200の構成が異なる。参考例2の出力段A200は、能動負荷段AL210と、ミニマムセレクタMS220と、ドライバアンプA230とを有する。参考例2の能動負荷段AL210では、参考例1の能動負荷段AL210においてカスコード回路を構成するトランジスタM208がトランジスタM2081およびトランジスタM2082に分割されるとともに、トランジスタM206がトランジスタM2061およびトランジスタM2062に分割されている。トランジスタM2081のドレインおよびトランジスタM2061のドレインの接続点であるノードND1は、トランジスタM231のゲートに接続される。トランジスタM2082のドレインおよびトランジスタM2062のドレインの接続点であるノードND2は、トランジスタM232のゲートに接続される。
トランジスタM2081およびトランジスタM2082は差動対を構成し、トランジスタM2061およびトランジスタM2062は能動負荷を構成する。差動対および能動負荷は差動アンプを構成する。差動アンプは、ミニマムセレクタMS220にて生成されるバイアス制御電圧Vbabを制御するための「バイアス制御アンプ」として機能する。
ミニマムセレクタMS220は、トランジスタM232(ソース接地増幅段)に流れる電流およびトランジスタM231(電流引き込み負荷)に流れる電流のうち絶対値の小さい方を選択し、選択した電流に応じたバイアス制御電圧Vbabを生成する。ミニマムセレクタMS220は、選択した電流の絶対値が規定値を下回らないように、バイアス制御電圧Vbabにフィードバックをかける役割を担う。
具体的には、ミニマムセレクタMS220は、トランジスタM220,M221,M222と、トランジスタM223,M224とを有する。トランジスタM220,M221,M222はN型MOSFETである。トランジスタM223,M224はP型MOSFETである。
トランジスタM223、トランジスタM221およびトランジスタM220は、第2の基準電位端子V2および第1の基準電位端子V1の間に直列に接続される。より具体的には、第2の基準電位端子V2は、トランジスタM223のソースに接続される。トランジスタM223のドレインは、トランジスタM221のドレインに接続される。トランジスタM221のソースはトランジスタM220のドレインに接続される。トランジスタM220のソースは第1の基準電位端子V1に接続される。トランジスタM223のドレインおよびトランジスタM221のドレインの接続点、およびトランジスタM223のゲートは能動負荷段AL210のトランジスタM2082のゲートに接続される。トランジスタM2082のゲートは、ミニマムセレクタMS220にて生成されたバイアス制御電圧Vbabを受ける。トランジスタM220のゲートはトランジスタM231のゲートに接続される。トランジスタM220は、トランジスタM231のレプリカである。
トランジスタM224およびトランジスタM222は、第2の基準電位端子V2および第1の基準電位端子V1の間に直列に接続される。より具体的には、第2の基準電位端子V2は、トランジスタM224のソースに接続される。トランジスタM224のドレインはトランジスタM222のドレインに接続される。トランジスタM222のソースは第1の基準電位端子V1に接続される。トランジスタM224のゲートはトランジスタM232のゲートに接続される。トランジスタM224は、トランジスタM232のレプリカである。トランジスタM222のドレインおよびゲートはトランジスタM221のゲートに接続される。トランジスタM221およびトランジスタM222はカレントミラー回路を構成する。
ミニマムセレクタMS220は、レプリカトランジスタM220,M224により、トランジスタM232に流れる電流(以下、「ドレイン電流IDS232」とも称する)と、トランジスタM231に流れる電流(以下、「ドレイン電流IDS231」とも称する)とをモニタする。トランジスタM221,M222からなるカレントミラー回路は、ドレイン電流IDS232およびドレイン電流IDS231のうち絶対値が小さい方を選択する。以下の説明では、選択されたドレイン電流IDSを「最小ドレイン電流IDSmin」とも称する。すなわち、IDSmin=min(|IDS231|,|IDS232|)である。
ミニマムセレクタMS220は、最小ドレイン電流IDSminを、ダイオード接続されたトランジスタM223に流すことにより、最小ドレイン電流IDSminに応じたバイアス制御電圧Vbabを生成する。ミニマムセレクタMS220は、生成したバイアス制御電圧Vbabを能動負荷段AL210内のバイアス制御アンプへ出力する。
バイアス制御アンプは、上述したように、トランジスタM2081およびトランジスタM2082からなる差動対を有する。トランジスタM2081のゲートは、基準電圧Vbp2を受ける。トランジスタM2082のゲートは、バイアス制御電圧Vbabを受ける。基準電圧Vbp2は、オペアンプが負荷を駆動していない状態(以下、「静止状態」とも称する)におけるアイドリング電流(以下、「静止電流IQ」とも称する)に対応する電圧に設定される。
バイアス制御電圧Vbabが基準電圧Vbp2より大きい場合、すなわち最小ドレイン電流IDSminが静止電流IQより小さい場合、バイアス制御アンプは、ノードND1の電位を上昇させるとともに、ノードND2の電位を低下させる。すなわち、トランジスタM231のゲート電圧を低下させるとともに、トランジスタM232のゲート電圧を上昇させる。これにより、バイアス制御電圧Vbabを基準電圧Vbp2に抑える制御がなされる。
一方、バイアス制御電圧Vbabが基準電圧Vbp2より小さい場合、すなわち最小ドレイン電流IDSminが静止電流IQより小さい場合、差動アンプは、ノードND1の電位を低下させるとともに、ノードND2の電位を上昇させる。すなわち、トランジスタM231のゲート電圧を上昇させるとともに、トランジスタM232のゲート電圧を低下させる。これにより、バイアス制御電圧Vbabを基準電圧Vbp2に引き上げる制御がなされる。
以上説明したように、バイアス制御アンプは、バイアス制御電圧Vbabが基準電圧Vbp2に等しくなるように、トランジスタM231およびトランジスタM232のゲート電圧を生成するように構成される。これによると、オペアンプが静止状態である場合、ドレイン電流IDS231およびドレイン電流IDS232の絶対値はともに静止電流IQに等しくなるように制御される。
その一方で、オペアンプが負荷を駆動している状態(以下、「負荷駆動状態」とも称する)であるときには、トランジスタM231およびトランジスタM232のいずれか一方のトランジスタが負荷駆動状態となり、そのドレイン電流IDSの絶対値が静止電流IQよりも大きくなる。したがって、ミニマムセレクタMS220は、負荷駆動状態でない他方のトランジスタのドレイン電流IDSを最小ドレイン電流IDSminとして検出する。バイアス制御アンプは、上述した静止状態と同じメカニズムにより、バイアス制御電圧Vbabが基準電圧Vbp2に等しくなるように、トランジスタM231およびトランジスタM232のゲート電圧を生成する。その結果、他方のトランジスタは最小電流状態に制御される。ただし、最小電流状態のドレイン電流IDSは、静止電流IQよりも小さい値となる。以下、最小電流状態におけるドレイン電流IDSを「最小電流IM」とも称する。
図13は、参考例2に係るオペアンプにおいて、ドライバアンプA230のトランジスタM231,M232のドレイン電流IDSと出力電流IOとの関係を説明するための図である。図13には、トランジスタM231のドレイン電流の絶対値|IDS231|およびトランジスタM232のドレイン電流の絶対値|IDS232|の特性曲線が示される。図13の縦軸はドレイン電流の絶対値|IDS|を示し、横軸は出力端子VOからの出力電流IOを示す。出力電流IOは、出力端子VOから電流が流出する方向を正とし、出力端子VOに電流が流入する方向と負とする。
図13に示すように、オペアンプが静止状態である場合、すなわち出力電流IO=0である場合、トランジスタM231,M232のドレイン電流の絶対値|IDS|はともに静止電流IQを示している。
一方、トランジスタM231およびM232のいずれか一方のトランジスタが負荷駆動状態である場合、他方のトランジスタは最小電流状態に制御される。このとき、他方のトランジスタのドレイン電流の絶対値|IDS|は、静止電流IQよりも小さい最小電流IMに制御される。
以上説明したように、参考例2に係るオペアンプは、ドライバアンプA230のトランジスタM231およびトランジスタM232に流れるドレイン電流IDSをモニタし、ドレイン電流IDSが最小電流IMを下回らないようにフィードバックをかけることにより、AB級動作を保証する。
(参考例2に係るオペアンプの課題)
図13に示したように、参考例2に係るオペアンプでは、ドライバアンプA230を構成するトランジスタM231,M232のいずれか一方のトランジスタが負荷駆動状態である場合、静止状態である他方のトランジスタのドレイン電流IDSの絶対値は、静止電流IQよりも小さい最小電流IMに制御される。
このような構成において、最小電流IMの値を小さくすると、オペアンプの歪みが悪化することになり、通信またはセンシングにおけるアナログ信号処理において、信号の品位が劣化することが懸念される。その一方で、信号の品位を確保するために最小電流IMの値を大きくすると、静止電流IQの値も大きくなるため、消費電流を増大させてしまう。このように、最小電流IMの値に関して、信号の品位と消費電流とはトレードオフを有する。
また、参考例2に係るオペアンプは、AB級動作を実現するための構成要素として、複数のカレントミラー回路を有している。カレントミラー回路においては、通常、オリジナルトランジスタ(1次側のトランジスタ)と、レプリカトランジスタ(2次側のトランジスタ)とのミラー比を極力1に近づける必要がある。なお、ミラー比とは、オリジナルトランジスタのドレイン電流とレプリカトランジスタのドレイン電流との比である。
参考例2に係るオペアンプでは、負荷駆動状態での出力電流IOを確保するために、ドライバアンプA230を構成するトランジスタM231,M232のアスペクト比を大きく設定する必要がある。トランジスタのアスペクト比とは、トランジスタのゲート幅Wとゲート長Lとの比W/Lを意味する。トランジスタのアスペクト比を大きくするに従って、トランジスタのサイズが大きくなる。サイズが大きいトランジスタM231,M232をオン状態にバイアスするためには、オペアンプの静止状態において、トランジスタM231,M232に静止電流IQを流しておく必要がある。よって、AB級動作の制御の精度、すなわちトランジスタM231,M232のドレイン電流IDSの検出精度を確保するためには、レプリカトランジスタM220,M224のサイズ大きくすることが求められる。
ただし、レプリカトランジスタのサイズを大きくすると、そのゲート容量が増大するため、オペアンプの周波数特性が悪化することが懸念される。よって、オペアンプの周波数特性を確保するためには、レプリカトランジスタのサイズを極力小さくすることが望ましい。また、カレントミラー回路の消費電流を抑えるためには、レプリカトランジスタのドレイン電流を小さくすること、すなわちカレントミラー回路のミラー比を極力ゼロに近づけることが望ましい。このように、カレントミラー回路において、AB級動作の制御の精度、周波数特性および消費電流は互いにトレードオフを有する。
以上に述べたように、参考例2に係るオペアンプには、信号の品位、AB級動作の制御の精度、周波数特性、および消費電流の間にトレードオフが存在するため、これら全てを両立させることが難しいという課題がある。
そこで、本実施の形態では、参考例2に係るオペアンプが有するトレードオフを改善することができる新規なオペアンプの構成を提供する。以下、本実施の形態に係るオペアンプの構成例について、図面を参照しながら詳細に説明する。
実施の形態1.
図1は、実施の形態1に係るオペアンプの構成を示す図である。以下の説明では、端子の名称と信号の名称とを同一とする。また、電圧および電流の表記について、接頭字が大文字(V,I等)のものは大信号(直流信号)であることを表し、接頭字が小文字(v,i等)のものは小信号(交流信号)であることを表すものとする。
図1を参照して、実施の形態1に係るオペアンプは、差動入力段A100と、出力段A200とを備える。出力段A200は、フィードバック型AB級アンプであり、能動負荷段AL210と、ミニマムセレクタMS220と、ドライバアンプA230とを有する。
差動入力段A100は、非反転入力端子VIPに第1の電位VIPを受け、反転入力端子VIMに第2の電位VIMを受ける。差動入力段A100は、第1の電位VIPおよび第2の電位VIMを、第1の入力電流IIMおよび第2の入力電流IIPに変換する。
能動負荷段AL210は、差動入力段A100から出力される第1の入力電流IIMを第1の入力端子IIMに受け、第2の入力電流IIPを第2の入力端子IIPに受ける。能動負荷段AL210は、入力電流IIP,IIMを電圧信号Vgpp,Vgpnに変換する。
出力段A230において、トランジスタM232のゲートは電圧信号Vgppを受け、トランジスタM231のゲートは電圧信号Vgpnを受ける。電圧信号Vgpnは「第1の電圧」に対応し、電圧信号Vgppは「第2の電圧」に対応する。トランジスタM231,M232の各々は、ゲートに印加された電圧信号に応じて増幅した電流を出力端子VOに出力する。
ミニマムセレクタMS220は、出力段A230を構成するトランジスタM231およびトランジスタM232の各々が負荷駆動状態であるか静止状態であるかを検出する。ミニマムセレクタMS220は、静止状態であるトランジスタのバイアス状態を検出し、検出したバイアス状態に基づいてバイアス制御電圧Vbabを生成するように構成される。
図1に示すように、実施の形態1に係るオペアンプは、図12に示す参考例2に係るオペアンプと比較して、ミニマムセレクタMS220の構成が異なる。差動入力段A100、能動負荷段AL210およびドライバアンプA230の各々の構成は、実施の形態1および参考例2と同じであるため説明は繰り返さない。
ミニマムセレクタMS220は、電圧比較器A221と、第1のトランスコンダクタンスアンプA242と、第2のトランスコンダクタンスアンプA243と、能動負荷AL244とを有する。
電圧比較器A221は、反転入力端子に基準電圧Vref0を受け、非反転入力端子にトランジスタM231のゲート電圧Vgpnを受ける。基準電圧Vrefn0は「第3の基準電圧」に対応する。電圧比較器A221は、ゲート電圧Vgpnと基準電圧Vrefn0とを比較し、比較結果に基づいて第1の選択制御信号SEL1および第2の選択制御信号SEL2を生成する。
具体的には、ゲート電圧Vgpn>基準電圧Vrefn0のとき、電圧比較器A221は、第1の選択制御信号SEL1をオン状態にするとともに、第2の選択制御信号SEL2をオフ状態にする。一方、ゲート電圧Vgpn≦基準電圧Vrefn0のときには、電圧比較器A221は、第2の選択制御信号SEL2をオン状態にするとともに、第1の選択制御信号SEL1をオフ状態にする。
第1のトランスコンダクタンスアンプA242は、第1の選択制御信号SEL1を受ける。第1の選択制御信号SEL1がオン状態であるとき(すなわちVgpn>Vrefn0のとき)、第1のトランスコンダクタンスアンプA242は動作する。第1のトランスコンダクタンスアンプA242は、反転入力端子にトランジスタM231のゲート電圧Vgpnを受け、非反転入力端子に基準電圧Vrefn1を受ける。基準電圧Vrefn1は「第1の基準電圧」に対応する。基準電圧Vrefn1は、トランジスタM231のドレイン電流IDS231の絶対値がIQになるときのゲート電圧Vgpnに対応する電圧に設定される。第1のトランスコンダクタンスアンプA242は、第1の選択制御信号SEL1がオン状態のとき、ゲート電圧Vgpnと基準電圧Vrefn1との電圧差を電流に変換して出力する。
第2のトランスコンダクタンスアンプA243は、第2の選択制御信号SEL2を受ける。第2の選択制御信号SEL2がオン状態であるとき(すなわちVgpn≦Vrefn0のとき)、第2のトランスコンダクタンスアンプA243は動作する。第2のトランスコンダクタンスアンプA243は、反転入力端子にトランジスタM232のゲート電圧Vgppを受け、非反転入力端子に基準電圧Vrefp1を受ける。基準電圧Vrefp1は「第2の基準電圧」に対応する。基準電圧Vrefp1は、トランジスタM232のドレイン電流IDS232の絶対値がIQになるときのゲート電圧Vgppに対応する電圧に設定される。第2のトランスコンダクタンスアンプA243は、第2の選択制御信号SEL2がオン状態のとき、ゲート電圧Vgppと基準電圧Vrefp1との電圧差を電流に変換して出力する。
能動負荷AL244は、第1のトランスコンダクタンスアンプA242の出力電流と、第2のトランスコンダクタンスアンプA243の出力電流とを合算し、合算した電流をバイアス制御電圧Vbabに変換する。
上記構成において、ミニマムセレクタMS200は、トランジスタM231のゲート電圧Vgpn>基準電圧Vrefn0の場合、トランジスタM231が負荷駆動状態であり、トランジスタM232が静止状態であると判定する。この場合、第2の選択制御信号SEL2がオン状態となる。したがって、第2のトランスコンダクタンスアンプA243は、第2の選択制御信号SEL2を受けて動作し、トランジスタM232のゲート電圧Vgppと基準電圧Vrefp1との電圧差を電流に変換して出力する。能動負荷AL244は、第2のトランスコンダクタンスアンプA43の出力電流に応じたバイアス制御電圧Vbabを生成する。生成したバイアス制御電圧Vbabは、能動負荷段AL210のトランジスタM2082のゲートに入力される。
能動負荷段AL210において、トランジスタM2081およびトランジスタM2082は差動対を構成し、トランジスタM2061およびトランジスタM2062は能動負荷を構成する。差動対および能動負荷は差動アンプを構成する。差動アンプは、ミニマムセレクタMS220にて発生するバイアス制御電圧Vbabを制御するためのバイアス制御アンプとして機能する。具体的には、トランジスタM2081のゲートは、基準電圧Vbp2を受ける。基準電圧Vbp2は「第4の基準電圧」に対応する。トランジスタM2082のゲートは、バイアス制御電圧Vbabを受ける。基準電圧Vbp2は接地電圧に設定されている。バイアス制御アンプは、バイアス制御電圧Vbabが基準電圧Vbp2に等しくなるように、電圧信号Vgpp,Vgpnを生成する。これにより、バイアス制御電圧Vbabは、トランジスタM232のゲート電圧Vgppが基準電圧Vrefp1になるように制御される。その結果、トランジスタM232のドレイン電流IDS232の絶対値を静止電流IQに一致させることができる。
これに対して、ミニマムセレクタAL244は、トランジスタM231のゲート電圧Vgpn≦基準電圧Vrefn0の場合、トランジスタM231が静止状態であり、トランジスタM232が負荷駆動状態であると判定する。この場合、第1の選択制御信号SEL1がオン状態となる。したがって、第1のトランスコンダクタンスアンプA242は、第1の選択制御信号SEL1を受けて動作し、トランジスタM231のゲート電圧Vgpnと基準電圧Vrefn1との電圧差を電流に変換して出力する。能動負荷AL244は、第1のトランスコンダクタンスアンプA242の出力電流に応じたバイアス制御電圧Vbabを生成する。
バイアス制御アンプにおいて、トランジスタM2081のゲートは基準電圧Vbp2を受け、トランジスタM2082のゲートはバイアス制御電圧Vbabを受ける。バイアス制御アンプは、バイアス制御電圧Vbabが基準電圧Vbp2に等しくなるように、電圧信号Vgpp,Vgpnを生成する。これにより、バイアス制御電圧Vbabは、トランジスタM231のゲート電圧Vgpnが基準電圧Vrefn1になるように制御される。その結果、トランジスタM231のドレイン電流IDS231の絶対値を静止電流IQに一致させることができる。
図2は、実施の形態1に係るオペアンプにおいて、ドライバアンプA230のトランジスタM231,M232のドレイン電流IDSと出力電流IOとの関係を説明するための図である。図2には、トランジスタM231のドレイン電流の絶対値|IDS231|およびトランジスタM232のドレイン電流の絶対値|IDS232|の特性曲線が示される。図2の縦軸はドレイン電流の絶対値|IDS|を示し、横軸は出力端子VOからの出力電流IOを示す。出力電流IOは、出力端子VOから電流が流出する方向を正とし、出力端子VOに電流が流入する方向と負とする。
図2に示すように、オペアンプが静止状態である場合(出力電流IO=0の場合)、ドライバアンプA230を構成するトランジスタM231,M232のドレイン電流IDSの絶対値はともに静止電流IQとなる。また、トランジスタM231およびトランジスタM232のいずれか一方のトランジスタが負荷駆動状態である場合(出力電流IO≠0の場合)、静止状態である他方のトランジスタのドレイン電流の絶対値|IDS|は静止電流IQに制御される。
これによると、トランジスタM231およびトランジスタM232のドレイン電流の絶対値|IDS|が静止電流IQを下回ることがない。したがって、実施の形態1では、静止電流IQを、参考例2における静止電流IQに比べてより小さい値に設定することができる。具体的には、静止電流IQを、参考例2における最小電流IMと同程度の値に設定することができる。
これによれば、オペアンプが静止状態であるときの消費電流を低減することができる。また、参考例2における最小電流IMが静止電流IQと同程度にまで引き上げられるため、信号の品位を確保することが可能となる。よって、消費電流および信号の品位のトレードオフを改善することができる。
また、実施の形態1に係るオペアンプにおいて、ミニマムセレクタMS220はカレントミラー回路を有していない。そのため、参考例2で示したミラー比およびAB級動作の制御精度のトレードオフを考慮する必要がない。さらに、レプリカトランジスタのゲート容量による周波数特性の劣化という課題も生じることがない。よって、実施の形態1に係るオペアンプによると、参考例2に係るオペアンプが有する、信号の品位、AB級動作の制御の精度、周波数特性および消費電流の間のトレードオフを改善することができる。
(実施の形態1に係るオペアンプの構成例)
次に、実施の形態1に係るオペアンプの具体的な構成例について説明する。以下の説明では、主に図1に示したミニマムセレクタMS220の構成例を説明する。
(オペアンプの第1構成例)
図3は、実施の形態1に係るオペアンプの第1構成例を示す図である。
図3を参照して、第1構成例に係るオペアンプにおいて、ミニマムセレクタMS220は、トランジスタM220,M221,M222と、トランジスタM223,M224と、トランジスタM225,M226と、トランジスタM227,M228とを有する。トランジスタM220,M221,M222,M223,M224,M225,M226はN型MOSFETである。トランジスタM227,M228はP型MOSFETである。
電圧比較器A221は、トランジスタM220,M221,M222を有する。トランジスタM221およびトランジスタM222は差動対を構成する。トランジスタM220は定電流源を構成する。トランジスタM220のゲートは、バイアス電圧Vbn1を受ける。トランジスタM222のゲートは、トランジスタM231のゲート電圧Vgpnを受ける。トランジスタM221のゲートは、基準電圧Vgrefn0を受ける。
差動対は、トランジスタM231のゲート電圧Vgpnと、基準電圧Vgrefn0とを比較し、その比較結果に基づいて、トランジスタM221およびトランジスタM222に対し、トランジスタM220から供給されるバイアス電流を振り分ける。具体的には、Vgpn<Vgrefn0の場合、トランジスタM221がオンし、そのドレインから第1のトランスコンダクタンスアンプA242にバイアス電流IDS221を供給する。一方、Vgpn>Vgrefn0の場合、トランジスタM222がオンし、そのドレインから第2のトランスコンダクタンスアンプA243にバイアス電流IDS222を供給する。
ここで、定電流源であるトランジスタM220により供給されるバイアス電流をIbiasとすると、バイアス電流IDS221,IDS222は次式(1),(2)でそれぞれ表わすことができる。
IDS221=Ibias [Vgpn<Vrefn0] …(1−1)
IDS222=Ibias/2 [Vgpn=Vrefn0] …(1−2)
IDS221=0 [Vgpn>Vrefn0] …(1−3)
IDS222=0 [Vgpn<Vrefn0] …(2−1)
IDS222=Ibias/2 [Vgpn=Vrefn0] …(2−2)
IDS222=Ibias [Vgpn>Vrefn0] …(2−3)
第1のトランスコンダクタンスアンプA242は、トランジスタM223,M224を有する。トランジスタM223およびトランジスタM224は差動対を構成する。トランジスタM223のゲートは、トランジスタM231のゲート電圧Vgpnを受ける。トランジスタM224のゲートは、基準電圧Vrefn1を受ける。
第1のトランスコンダクタンスアンプA242の差動対はトランジスタM221によりバイアスされる。差動対はトランジスタM221からバイアス電流IDS221が供給されたときに動作し、トランジスタM231のゲート電圧Vgpnと基準電圧Vrefn1との電位差を増幅する。トランジスタM223は次式(3)で表わされるバイアス制御電流ids223を出力する。トランジスタM224は次式(4)で表わされるバイアス制御電流ids224を出力する。
ids223= gm11・vgpn …(3)
ids224=−gm11・vgpn …(4)
ここで、gm11は第1のトランスコンダクタンスアンプA242のトランスコンダクタンス(電流利得)である。IDS221=0の場合、gm11=0となり、それ以外の場合、gm11はバイアス電流IDS221の値に応じて決定される。また、vgpnはトランジスタM231の小信号成分であり、vgpn=Vgpn−Vrefn1で表わされるものとする。
同様に、第2のトランスコンダクタンスアンプA243は、トランジスタM225,M226を有する。トランジスタM225およびトランジスタM226は差動対を構成する。トランジスタM225のゲートは、基準電圧Vrefn2を受ける。トランジスタM226のゲートは、トランジスタM232のゲート電圧Vgppを受ける。
第2のトランスコンダクタンスアンプA243の差動対はトランジスタM222によりバイアスされる。差動対はトランジスタM222からバイアス電流IDS222が供給されたときに動作し、トランジスタM232のゲート電圧Vgppと基準電圧Vrefn2との電位差を増幅する。トランジスタM225は次式(5)で表わされるバイアス制御電流ids225を出力する。トランジスタM226は次式(6)で表わされるバイアス制御電流ids226を出力する。
ids225=gm12・vgpp …(5)
ids226=−gm12・vgpp …(6)
ここで、gm12は第2のトランスコンダクタンスアンプA243のトランスコンダクタンス(電流利得)である。IDS222=0の場合、gm12=0となり、それ以外の場合、gm12はバイアス電流IDS222の値に応じて決定される。また、vgppはトランジスタM232の小信号成分であり、vgpp=Vgpp−Vrefn2で表わされるものとする。
式(3),(4),(5),(6)でそれぞれ表わされるバイアス制御電流ids223,ids224,ids225,ids226は、能動負荷AL244に供給される。能動負荷AL244は、トランジスタM227,M228を有する。トランジスタM227およびトランジスタM228はカレントミラー回路を構成する。能動負荷AL244は、次式(7),(8),(9)に従って、バイアス制御電流に基づいてバイアス制御電圧Vbabを生成する。
vbab=ims・rms …(7)
ims=(ids223+ids25)−(ids224+ids226)
=2・(gm11・vgpn+gm12・vgpp) …(8)
rms=rds228//rds224//rds226 …(9)
ここで、rds228はトランジスタM228のドレインーソース間抵抗であり、rds224はトランジスタM224のドレインーソース間抵抗であり、rds226はトランジスタM226のドレインーソース間抵抗である。式(9)中の符号“//”は並列接続を意味する。
能動負荷AL244により生成されたバイアス制御電圧Vbabは、能動負荷段AL210のバイアス制御アンプのトランジスタM2082のゲートに入力される。トランジスタM2081のゲートは、基準電圧Vbp2を受ける。基準電圧Vbp2は接地電圧である。トランジスタM2081およびトランジスタM2082はバイアス制御アンプの差動対を構成する。トランジスタM2081は次式(10)で表わされるドレイン電流ids2081を出力する。トランジスタM2082は次式(11)で表わされるドレイン電流ids2082を出力する。
ids2081=gm2・vbab/2 …(10)
ids2082=−gm2・vbab/2 …(11)
ここで、gm2はトランジスタM2081,M2082で構成される差動段のトランスコンダクタンス(電流利得)である。gm2はトランジスタM204により差動対に供給される電流IDS204の値に応じて決定される。また、式(7)に示すvbabは、バイアス制御信号の大信号成分Vbabと基準電圧Vbp2とを用いて次式(12)で表わされるものとする。
vbab=Vbab−Vbp2 …(12)
バイアス制御アンプの差動対から出力されたドレイン電流ids2081およびドレイン電流ids2082は、バイアス制御アンプの能動負荷に供給される。能動負荷はトランジスタM2061,M2062により構成される。能動負荷は、ドレイン電流ids2081,ids208をドライバアンプA230のトランジスタM231,M232のゲート電圧vgpn_o,vgpp_oに変換する。ゲート電圧vgpn_o,vgpp_oは次式(13),(14)で与えられる。
vgpn_o=ids2082・rbc
=−gm2・vbab・rbc/2
=−gm2・(gm11・vgpn+gm12・vgpp)・rms・rbc …(13)
vgpp_o=ids2081・rbc
=gm2・vbab・rbc/2
=gm2・(gm11・vgpn+gm12・vgpp)・rms・rbc …(14)
次に、上述した式(13),(14)を用いて、実施の形態1に係るオペアンプにおけるドライバアンプA230のドレイン電流IDS231,IDS232を説明する。
<オペアンプが静止状態である場合>
最初に、オペアンプが静止状態である場合のドレイン電流IDSを考える。
ミニマムセレクタMS220において、電圧比較器A221を構成するトランジスタM221およびトランジスタM222がともにオン状態であり、gm11およびgm12が略等しいと仮定する。gm11およびgm12の値をgm1と置くと、gm11およびgm12は次式(15)で表わされる。
gm11≒gm12=gm1 …(15)
式(15)を用いると、式(13),(14)はそれぞれ式(16),(17)に書き換えることができる。
vgpn_o=−gm1・gm2・(vgpn+vgpp)・rms・rbc …(16)
vgpp_o=gm1・gm2・(vgpn+vgpp)・rms・rbc …(17)
さらに、[gm1・gm2・rms・rbc]が十分大きく無限大とみなせるものとすると、vgpn_oおよびvgpp_oが有限値をとるためには、次式(18)を満たす必要がある。
vgpn=vgpp=0 …(18)
すなわち、このとき、次式(19),(20)に示すように、ゲート電圧Vgpn,Vgppは、基準電圧Vrefn1,Vrefn2にそれぞれ等しくなる。
Vgpn=Vrefn1 …(19)
Vgpp=Vrefn2 …(20)
ここで、ゲート電圧Vgpnが基準電圧Vrefn1に等しいときのトランジスタM231のドレイン電流IDS231、および、ゲート電圧Vgppが基準電圧Vrefn2に等しいときのトランジスタM232のドレイン電流IDS232がともにIQとなるとすると、ドレイン電流IDS231,IDS232は次式(21)で与えられる。
IDS231=IDS232=IQ …(21)
このようにして、オペアンプが静止状態である場合、ドライバアンプA230において、トランジスタM231のドレイン電流IDS231(静止電流)およびトランジスタM232のドレイン電流IDS232(静止電流)はともにIQに制御される。
<トランジスタM231が負荷駆動状態である場合>
次に、オペアンプが出力端子VOに電流を引き込む方向に負荷を駆動している場合のドレイン電流IDSを考える。すなわち、トランジスタM231が負荷駆動状態であり、トランジスタM232が静止状態である場合であり、の出力電流IO<0となる。
トランジスタM231のゲート電圧Vgpnが基準電圧Vgpnより大きいため、電圧比較器A221では、トランジスタM221がオフし、トランジスタM222がオンする。gm11=0であり、gm12=gm1(ただし、gm1≠0)とすると、式(13)および式(14)は、次式(22)および式(23)にそれぞれ置き換えられる。
vgpn_o=−gm1・gm2・vgpp・rms・rbc …(22)
vgpp_o=gm1・gm2・vgpp・rms・rbc …(23)
さらに、[gm1・gm2・rms・rbc]が十分大きく無限大とみなせるものとすると、vgpn_oおよびvgpp_oが有限値をとるためには、次式(24)を満たす必要がある。
vgpp=0 …(24)
すなわち、このとき、次式(25)に示すように、ゲート電圧Vgppは基準電圧Vrefn2に等しくなる。
Vgpp=Vrefn2 …(25)
ここで、ゲート電圧Vgppが基準電圧Vrefn2に等しいときのトランジスタM232のドレイン電流IDS232=IQとすると、ドレイン電流IDS232は次式(26)で与えられる。
IDS232=IQ …(26)
このようにして、トランジスタM231が負荷駆動状態である場合、トランジスタM232のドレイン電流IDS232(静止電流)はIQに制御される。
<トランジスタM232が負荷駆動状態である場合>
次に、オペアンプが出力端子VOから電流を出力する方向に負荷を駆動している場合のドレイン電流IDSを考える。すなわち、トランジスタM231が静止状態であり、トランジスタM232が負荷駆動状態である場合であり、出力電流IO>0となる。
トランジスタM232のゲート電圧Vgppが基準電圧Vgppより小さいため、電圧比較器A221では、トランジスタM221がオンし、トランジスタM222がオフする。gm11=gm1(ただし、gm1≠0)であり、gm12=0とすると、上述したトランジスタM231が負荷駆動状態である場合と同様の考察により、次式(27)および式(28)が導出される。
vgpn=0 …(27)
Vgpn=Vrefn1 …(28)
ここで、ゲート電圧Vgpnが基準電圧Vrefn1に等しいときのトランジスタM231のドレイン電流IDS231=IQとすると、ドレイン電流IDS231は次式(29)で与えられる。
IDS231=IQ …(29)
このようにして、トランジスタM232が負荷駆動状態である場合、トランジスタM231のドレイン電流IDS231(静止電流)はIQに制御される。
以上説明したように、実施の形態1に係るオペアンプによれば、ドライバアンプA230の負荷駆動状態によらず、トランジスタM231およびトランジスタM232のドレイン電流IDSの絶対値をともに静止電流IQ以上の値となるように制御することができる。
また、ミニマムセレクタMS220における電圧比較器A221、トランスコンダクタンスアンプA242,A243および能動負荷AL244を構成するトランジスタのサイズはいずれも、カレントミラー回路を構成するトランジスタに比べて小さくすることができる。
さらに、ミニマムセレクタMS220におけるバイアス電流は、ドライブアンプA230を構成するトランジスタのサイズおよび静止電流に無関係に設定することができる。そのため、寄生容量を抑えつつ良好なAB級動作、低消費電流および良好な周波数特性を実現することができる。
なお、第1構成例において、トランジスタM223,M224,M225,M226の閾値電圧の絶対値は、トランジスタM220,M221,M222の閾値電圧の絶対値よりも小さくする構成とすることができる。これによると、ミニマムセレクタMS220の動作電圧範囲が広くなるため、信号の品位および周波数特性を向上させることができる。
(オペアンプの第2構成例)
図4は、実施の形態1に係るオペアンプの第2構成例を示す図である。
図4を参照して、第2構成例に係るオペアンプは、図3に示す第1構成例に係るオペアンプと比較して、ミニマムセレクタMS220の構成が異なる。
具体的には、第2構成例に係るミニマムセレクタMS220は、第1構成例に係るミニマムセレクタMS220に比較して、能動負荷AL244の構成が異なる。図4に示すように、能動負荷AL244を構成するトランジスタM227およびトランジスタM228の各々は、ゲートおよびドレインが接続された、いわゆるダイオード接続となっている。このようにすると、ミニマムセレクタMS220の電圧利得が低下するため、AB級動作の制御の精度が低下するものの、ミニマムセレクタMS220の周波数特性を向上させることが可能となる。
(実施の形態1に係るオペアンプのその他の構成例)
(1)上述した第1の構成例および第2の構成例では、電圧比較器A221の基準電圧Vrefn0(第3の基準電圧)と、第1のトランスコンダクタンスアンプA242の基準電圧Vrefn1(第1の基準電圧)とを別の電圧としていたが、同じ電圧としてもよい。
(2)ミニマムセレクタMS220から能動負荷段AL210に供給されるバイアス制御電圧Vbabを、増幅器を介して供給する構成としてもよい。
(3)電圧比較器A221において、ドライバアンプA230のトランジスタM231のゲート電圧Vgpn(第1の電圧)と基準電圧Vrefn0(第3の基準電圧)とを比較することによりドライバアンプA230の負荷駆動状態を検出する構成について説明したが、トランジスタM232のゲート電圧Vgpp(第2の電圧)に基づいてドライバアンプA230の負荷駆動状態を検出する構成としてもよい。
(4)図4に示すミニマムセレクタMS220において、能動負荷段AL210が有するバイアス制御アンプのトランジスタM2081のゲート電位を、ミニマムセレクタMS220のトランジスタM228のドレイン電圧に代えて、トランジスタM227のドレイン電圧を供給する構成としてもよい。
(5)電圧比較器A221、第1のトランスコンダクタンスアンプA242および第2のトランスコンダクタンスアンプA243の各々において、差動対を構成するトランジスタに、低閾値のMOSFET、または閾値がゼロである、いわゆるネイティブトランジスタを用いることで、電源電圧の低いアプリケーションに適用可能なオペアンプを提供することができる。
(6)実施の形態1に係るオペアンプは、図5および図6に示されるような全差動オペアンプにも適用することができる。図5は、実施の形態1の変更例に係るオペアンプの構成を示す図である。図6は、図5に示すオペアンプの構成例を示す図である。
図5および図6を参照して、実施の形態1の変更例に係るオペアンプは、差動入力段A100と、出力段A200と、コモンモード・フィードバック回路A400とを備える。本変更例に係る出力段A200は、実施の形態1に係る出力段A200に対して、ミニマムセレクタMS320およびドライバアンプA330を追加したものである。
ミニマムセレクタMS320は、ミニマムセレクタMS220と同じ構成を有する。ミニマムセレクタMS320は、電圧比較器A321と、第1のトランスコンダクタンスアンプA342と、第2のトランスコンダクタンスアンプA343と、能動負荷AL344とを有する。ミニマムセレクタMS220は「第1のミニマムセレクタ」の一実施例に対応し、ミニマムセレクタMS320は「第2のミニマムセレクタ」の一実施例に対応する。
ドライバアンプA330は、ドライバアンプA230と同じ構成を有する。ドライバアンプA230は第1の出力端子VOPに第1の出力電流を出力する。ドライバアンプA330は第2の出力端子VOMに第2の出力電流を出力する。ドライバアンプA230は「第1のドライバアンプ」の一実施例に対応し、ドライバアンプA330は「第2のドライバアンプ」の一実施例に対応する。ドライバアンプA230において、トランジスタM231は「第1のトランジスタ」に対応し、トランジスタM232は「第2のトランジスタ」に対応する。ドライバアンプA330において、トランジスタM231は「第3のトランジスタ」に対応し、トランジスタM232は「第4のトランジスタ」に対応する。
能動負荷段AL210は、ミニマムセレクタMS220から供給されるバイアス制御電圧Vbabpを制御するための第1のバイアス制御アンプと、ミニマムセレクタMS320から供給されるバイアス制御電圧Vbabnを制御するための第2のバイアス制御アンプとを有する。
第2のバイアス制御アンプは、第1のバイアス制御アンプと同一の構成を有する。具体的には、第2のバイアス制御アンプでは、実施の形態1におけるトランジスタM207がトランジスタM2071およびトランジスタM2082に分割されるとともに、トランジスタM205がトランジスタM2051およびトランジスタM2052に分割されている。トランジスタM2071のドレインおよびトランジスタM2051のドレインの接続点であるノードND3は、トランジスタM232のゲートに接続される。トランジスタM2072のドレインおよびトランジスタM2052のドレインの接続点であるノードND4は、トランジスタM231のゲートに接続される。トランジスタM2071およびトランジスタM2072は差動対を構成し、トランジスタM2051およびトランジスタM2052は能動負荷を構成する。差動対および能動負荷は差動アンプを構成する。差動アンプは、ミニマムセレクタMS320にて発生するバイアス制御電圧Vbabnを制御するためのバイアス制御アンプとして機能する。
コモンモード・フィードバック回路A400は、抵抗R401,R402と、アンプA410とを有する。抵抗R401および抵抗R402は、出力端子VOPおよび出力端子VOMの間に直列に接続される。抵抗R401および抵抗R402の接続点はアンプA410の反転入力端子に接続される。アンプA410の反転入力端子は、出力端子VOPの電圧VOPおよび出力端子VOMの電圧VOMの中間の電圧を受ける。アンプA410の非反転入力端子は基準電圧VCMを受ける。アンプA410は、電圧VOMおよび電圧VOPの中間電圧と基準電圧VCMとの電位差を増幅して出力する。アンプA410の出力電圧vcmfbは、能動負荷段AL210のトランジスタM204およびトランジスタM203のゲートに入力される。コモンモード・フィードバック回路A400は、中間電圧が基準電圧VCMとなるように能動負荷段AL210を制御する。
本変更例に係るオペアンプにおいても、実施の形態1に係るオペアンプと同様に、ドライバアンプA230の負荷駆動状態によらず、トランジスタM231およびトランジスタM232のドレイン電流IDSはともに静止電流IQ以上の値となるように制御することができるとともに、ドライバアンプA330の負荷駆動状態によらず、トランジスタM231およびトランジスタM232のドレイン電流IDSはともに静止電流IQ以上の値となるように制御することができる。
(7)図1〜図6に示した構成例に限らず、各差動対をレール・トゥ・レール構成とする、あるいは、極性を操作することができる。また、N型MOSFETとP型MOSFETとを入れ替えるとともに、正電源および負電源を入れ替えることができる。さらに、各トランジスタをカスコード構成とする、あるいは、トランジスタを分割または統合する構成とすることができる。また、コモンモード・フィードバック回路として他の構成を適用することができる。これらの構成のいずれにおいても、実施の形態1に係るオペアンプと同様の作用効果を得ることができる。
実施の形態2.
図7は、実施の形態2に係るオペアンプの構成を示す図である。図8は、図7に示すオペアンプの構成例を示す図である。
図7を参照して、実施の形態2に係るオペアンプは、図1に示す実施の形態1に係るオペアンプと比較して、ミニマムセレクタMS220の構成が異なる。実施の形態2のミニマムセレクタMS220は、実施の形態1のミニマムセレクタMS220から能動負荷AL244を除去したものである。
実施の形態2のミニマムセレクタMS220では、第1のトランスコンダクタンスアンプA242の出力端子は、能動負荷段AL210のバイアス制御アンプの出力部であるトランジスタM2081のドレイン、およびドライバアンプA230のトランジスタM232のゲートに接続される。第2のトランスコンダクタンスアンプA243の出力端子は、能動負荷段AL210のバイアス制御アンプの出力部であるトランジスタM2082のドレイン、およびドライバアンプA230のトランジスタM231のゲートに接続される。差動対を構成するトランジスタM2081およびトランジスタM2082のゲートは基準電圧Vbp2を受ける。
第1のトランスコンダクタンスアンプA242の出力電流と第2のトランスコンダクタンスアンプA243の出力電流とを合計した電流Ibabp1はトランジスタM232のゲートに入力される。第1のトランスコンダクタンスアンプA242の出力電流と第2のトランスコンダクタンスアンプA243の出力電流とを合計した電流Ibabp2はトランジスタM231のゲートに入力される。
実施の形態2に係るオペアンプによれば、ミニマムセレクタMS220を単一の導電型のトランジスタ(図8ではN型MOSFET)で構成することができる。したがって、実施の形態1に係るオペアンプよりも簡易かつ小面積で、実施の形態1と同様の作用効果を実現するオペアンプを実現することができる。
なお、実施の形態2に係るオペアンプにおいても、図9および図10に示されるような全差動オペアンプに適用することが可能である。図9は、実施の形態2の変更例に係るオペアンプの構成を示す図である。図10は、図9に示すオペアンプの構成例を示す図である。
図9および図10を参照して、実施の形態2の変更例に係るオペアンプは、差動入力段A100と、出力段A200と、コモンモード・フィードバック回路A400とを備える。本変更例に係る出力段A200は、実施の形態2に係る出力段A200に対して、ミニマムセレクタMS320およびドライバアンプA330を追加したものである。
ミニマムセレクタMS320は、ミニマムセレクタMS220と同じ構成を有する。ミニマムセレクタMS320は、電圧比較器A321と、第1のトランスコンダクタンスアンプA342と、第2のトランスコンダクタンスアンプA343と、能動負荷AL344とを有する。ミニマムセレクタMS220は「第1のミニマムセレクタ」の一実施例に対応し、ミニマムセレクタMS320は「第2のミニマムセレクタ」の一実施例に対応する。
ミニマムセレクタMS220において、第1のトランスコンダクタンスアンプA242の出力電流と第2のトランスコンダクタンスアンプA243の出力電流とを合計した電流Ibabp1はトランジスタM232のゲートに入力される。第1のトランスコンダクタンスアンプA242の出力電流と第2のトランスコンダクタンスアンプA243の出力電流とを合計した電流Ibabp2はトランジスタM231のゲートに入力される。
ミニマムセレクタMS320において、第1のトランスコンダクタンスアンプA342の出力電流と第2のトランスコンダクタンスアンプA343の出力電流とを合計した電流Ibabp1はトランジスタM232のゲートに入力される。第1のトランスコンダクタンスアンプA342の出力電流と第2のトランスコンダクタンスアンプA343の出力電流とを合計した電流Ibabp2はトランジスタM231のゲートに入力される。
ドライバアンプA330は、ドライバアンプA230と同じ構成を有する。ドライバアンプA230は第1の出力端子VOPに第1の出力電流を出力する。ドライバアンプA330は第2の出力端子VOMに第2の出力電流を出力する。ドライバアンプA230は「第1のドライバアンプ」の一実施例に対応し、ドライバアンプA330は「第2のドライバアンプ」の一実施例に対応する。ドライバアンプA230において、トランジスタM231は「第1のトランジスタ」に対応し、トランジスタM232は「第2のトランジスタ」に対応する。ドライバアンプA330において、トランジスタM231は「第3のトランジスタ」に対応し、トランジスタM232は「第4のトランジスタ」に対応する。
本変更例において、能動負荷段AL210では、実施の形態2におけるトランジスタM207がトランジスタM2071およびトランジスタM2082に分割されるとともに、トランジスタM205がトランジスタM2051およびトランジスタM2052に分割されている。トランジスタM2071のドレインおよびトランジスタM2051のドレインの接続点であるノードND3は、トランジスタM232のゲートに接続される。トランジスタM2072のドレインおよびトランジスタM2052のドレインの接続点であるノードND4は、トランジスタM231のゲートに接続される。トランジスタM2071およびトランジスタM2072は差動対を構成し、トランジスタM2051およびトランジスタM2052は能動負荷を構成する。差動対および能動負荷は差動アンプを構成する。
コモンモード・フィードバック回路A400は、抵抗R401,R402と、アンプA410とを有する。抵抗R401および抵抗R402は、出力端子VOPおよび出力端子VOMの間に直列に接続される。抵抗R401および抵抗R402の接続点はアンプA410の反転入力端子に接続される。アンプA410の反転入力端子は、出力端子VOPの電圧VOPおよび出力端子VOMの電圧VOMの中間の電圧を受ける。アンプA410の非反転入力端子は基準電圧VCMを受ける。アンプA410は、電圧VOMおよび電圧VOPの中間電圧と基準電圧VCMとの電位差を増幅して出力する。アンプA410の出力電圧vcmfbは、能動負荷段AL210のトランジスタM204およびトランジスタM203のゲートに入力される。コモンモード・フィードバック回路A400は、中間電圧が基準電圧VCMとなるように能動負荷段AL210を制御する。
本変更例に係るオペアンプにおいても、実施の形態2に係るオペアンプと同様に、ドライバアンプA230の負荷駆動状態によらず、トランジスタM231およびトランジスタM232のドレイン電流IDSはともに静止電流IQ以上の値となるように制御することができるとともに、ドライバアンプA330の負荷駆動状態によらず、トランジスタM231およびトランジスタM232のドレイン電流IDSはともに静止電流IQ以上の値となるように制御することができる。
なお、実施の形態1で示した他の構成例および変更例を、実施の形態2に係るオペアンプにも適用することが可能である。
また、以上で説明した実施の形態1,2およびその変更例について、明細書内で言及されていない組み合わせを含めて、不整合や矛盾が生じない範囲内で、各実施の形態で説明された構成を適宜組み合わせることは出願当初から予定されている。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて請求の範囲によって示され、請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
A100 差動入力段、A200 出力段(AB級アンプ)、A230,A330 ドライバアンプ、MS220,MS320 ミニマムセレクタ、VIP 非反転入力端子、VIM 反転入力端子、V1 第1の基準電位端子、V2 第2の基準電位端子、AL210 能動負荷段、AL244,AL344 能動負荷、A221,A321 電圧比較器、A242,A342 第1のトランスコンダクタンスアンプ、A243,A343 第2のトランスコンダクタンスアンプ、A410 アンプ、R401,R402 抵抗、M0,M1,M2,M201〜M208,M2051,M2052,M2061,M2062,M2071,M2072,M2081,M2082,M220〜M228,M231,M232 トランジスタ、A400 コモンモード・フィードバック回路、IIP,IIM 入力端子、VO,VOP,VOM 出力端子。
参考例1に係るオペアンプは、差動入力段A100と、出力段200と、基準電位端子V1,V2とを備える。本願明細書では、基準電位端子V1を「第1の基準電位端子V1」とし、基準電位端子V2を「第2の基準電位端子V2」とする。第1の基準電位端子V1の電位が第2の基準電位端子V2の電位よりも低い。
ドライバアンプA230において、トランジスタM232のゲートは電圧信号Vgppを受け、トランジスタM231のゲートは電圧信号Vgpnを受ける。電圧信号Vgpnは「第1の電圧」に対応し、電圧信号Vgppは「第2の電圧」に対応する。トランジスタM231,M232の各々は、ゲートに印加された電圧信号に応じて増幅した電流を出力端子VOに出力する。
電圧比較器A221は、反転入力端子に基準電圧Vref0を受け、非反転入力端子にトランジスタM231のゲート電圧Vgpnを受ける。基準電圧Vrefn0は「第3の基準電圧」に対応する。電圧比較器A221は、ゲート電圧Vgpnと基準電圧Vrefn0とを比較し、比較結果に基づいて第1の選択制御信号SEL1および第2の選択制御信号SEL2を生成する。
上記構成において、ミニマムセレクタMS200は、トランジスタM231のゲート電圧Vgpn>基準電圧Vrefn0の場合、トランジスタM231が負荷駆動状態であり、トランジスタM232が静止状態であると判定する。この場合、第2の選択制御信号SEL2がオン状態となる。したがって、第2のトランスコンダクタンスアンプA243は、第2の選択制御信号SEL2を受けて動作し、トランジスタM232のゲート電圧Vgppと基準電圧Vrefp1との電圧差を電流に変換して出力する。能動負荷AL244は、第2のトランスコンダクタンスアンプA43の出力電流に応じたバイアス制御電圧Vbabを生成する。生成したバイアス制御電圧Vbabは、能動負荷段AL210のトランジスタM2082のゲートに入力される。
これに対して、ミニマムセレクタMS200は、トランジスタM231のゲート電圧Vgpn≦基準電圧Vrefn0の場合、トランジスタM231が静止状態であり、トランジスタM232が負荷駆動状態であると判定する。この場合、第1の選択制御信号SEL1がオン状態となる。したがって、第1のトランスコンダクタンスアンプA242は、第1の選択制御信号SEL1を受けて動作し、トランジスタM231のゲート電圧Vgpnと基準電圧Vrefn1との電圧差を電流に変換して出力する。能動負荷AL244は、第1のトランスコンダクタンスアンプA242の出力電流に応じたバイアス制御電圧Vbabを生成する。
電圧比較器A221は、トランジスタM220,M221,M222を有する。トランジスタM221およびトランジスタM222は差動対を構成する。トランジスタM220は定電流源を構成する。トランジスタM220のゲートは、バイアス電圧Vbn1を受ける。トランジスタM222のゲートは、トランジスタM231のゲート電圧Vgpnを受ける。トランジスタM221のゲートは、基準電圧Vrefn0を受ける。
差動対は、トランジスタM231のゲート電圧Vgpnと、基準電圧Vrefn0とを比較し、その比較結果に基づいて、トランジスタM221およびトランジスタM222に対し、トランジスタM220から供給されるバイアス電流を振り分ける。具体的には、Vgpn<Vrefn0の場合、トランジスタM221がオンし、そのドレインから第1のトランスコンダクタンスアンプA242にバイアス電流IDS221を供給する。一方、Vgpn>Vrefn0の場合、トランジスタM222がオンし、そのドレインから第2のトランスコンダクタンスアンプA243にバイアス電流IDS222を供給する。
IDS221=Ibias [Vgpn<Vrefn0] …(1−1)
IDS22=Ibias/2 [Vgpn=Vrefn0] …(1−2)
IDS221=0 [Vgpn>Vrefn0] …(1−3)
IDS222=0 [Vgpn<Vrefn0] …(2−1)
IDS222=Ibias/2 [Vgpn=Vrefn0] …(2−2)
IDS222=Ibias [Vgpn>Vrefn0] …(2−3)
第1のトランスコンダクタンスアンプA242は、トランジスタM223,M224を有する。トランジスタM223およびトランジスタM224は差動対を構成する。トランジスタM223のゲートは、トランジスタM231のゲート電圧Vgpnを受ける。トランジスタM224のゲートは、基準電圧Vrefn1を受ける。
同様に、第2のトランスコンダクタンスアンプA243は、トランジスタM225,M226を有する。トランジスタM225およびトランジスタM226は差動対を構成する。トランジスタM225のゲートは、基準電圧Vrefp1を受ける。トランジスタM226のゲートは、トランジスタM232のゲート電圧Vgppを受ける。
第2のトランスコンダクタンスアンプA243の差動対はトランジスタM222によりバイアスされる。差動対はトランジスタM222からバイアス電流IDS222が供給されたときに動作し、トランジスタM232のゲート電圧Vgppと基準電圧Vrefp1との電位差を増幅する。トランジスタM225は次式(5)で表わされるバイアス制御電流ids225を出力する。トランジスタM226は次式(6)で表わされるバイアス制御電流ids226を出力する。
ids225=gm12・vgpp …(5)
ids226=−gm12・vgpp …(6)
ここで、gm12は第2のトランスコンダクタンスアンプA243のトランスコンダクタンス(電流利得)である。IDS222=0の場合、gm12=0となり、それ以外の場合、gm12はバイアス電流IDS222の値に応じて決定される。また、vgppはトランジスタM232の小信号成分であり、vgpp=Vgpp−Vrefp1で表わされるものとする。
vbab=ims・rms …(7)
ims=(ids223+ids25)−(ids224+ids226)
=2・(gm11・vgpn+gm12・vgpp) …(8)
rms=rds228//rds224//rds226 …(9)
ここで、rds228はトランジスタM228のドレインーソース間抵抗であり、rds224はトランジスタM224のドレインーソース間抵抗であり、rds226はトランジスタM226のドレインーソース間抵抗である。式(9)中の符号“//”は並列接続を意味する。
vbab=Vbab−Vbp2 …(12)
バイアス制御アンプの差動対から出力されたドレイン電流ids2081およびドレイン電流ids2082は、バイアス制御アンプの能動負荷に供給される。能動負荷はトランジスタM2061,M2062により構成される。能動負荷は、ドレイン電流ids2081,ids208をドライバアンプA230のトランジスタM231,M232のゲート電圧vgpn_o,vgpp_oに変換する。ゲート電圧vgpn_o,vgpp_oは次式(13),(14)で与えられる。
vgpn=vgpp=0 …(18)
すなわち、このとき、次式(19),(20)に示すように、ゲート電圧Vgpn,Vgppは、基準電圧Vrefn1,Vrefp1にそれぞれ等しくなる。
Vgpn=Vrefn1 …(19)
Vgpp=Vrefp1 …(20)
ここで、ゲート電圧Vgpnが基準電圧Vrefn1に等しいときのトランジスタM231のドレイン電流IDS231、および、ゲート電圧Vgppが基準電圧Vrefp1に等しいときのトランジスタM232のドレイン電流IDS232がともにIQとなるとすると、ドレイン電流IDS231,IDS232は次式(21)で与えられる。
トランジスタM231のゲート電圧Vgpnが基準電圧Vrefn0より大きいため、電圧比較器A221では、トランジスタM221がオフし、トランジスタM222がオンする。gm11=0であり、gm12=gm1(ただし、gm1≠0)とすると、式(13)および式(14)は、次式(22)および式(23)にそれぞれ置き換えられる。
vgpp=0 …(24)
すなわち、このとき、次式(25)に示すように、ゲート電圧Vgppは基準電圧Vrefp1に等しくなる。
Vgpp=Vrefp1 …(25)
ここで、ゲート電圧Vgppが基準電圧Vrefp1に等しいときのトランジスタM232のドレイン電流IDS232=IQとすると、ドレイン電流IDS232は次式(26)で与えられる。
トランジスタM232のゲート電圧Vgppが基準電圧Vrefn0より小さいため、電圧比較器A221では、トランジスタM221がオンし、トランジスタM222がオフする。gm11=gm1(ただし、gm1≠0)であり、gm12=0とすると、上述したトランジスタM231が負荷駆動状態である場合と同様の考察により、次式(27)および式(28)が導出される。
第2のバイアス制御アンプは、第1のバイアス制御アンプと同一の構成を有する。具体的には、第2のバイアス制御アンプでは、実施の形態1におけるトランジスタM207がトランジスタM2071およびトランジスタM202に分割されるとともに、トランジスタM205がトランジスタM2051およびトランジスタM2052に分割されている。トランジスタM2071のドレインおよびトランジスタM2051のドレインの接続点であるノードND3は、トランジスタM232のゲートに接続される。トランジスタM2072のドレインおよびトランジスタM2052のドレインの接続点であるノードND4は、トランジスタM231のゲートに接続される。トランジスタM2071およびトランジスタM2072は差動対を構成し、トランジスタM2051およびトランジスタM2052は能動負荷を構成する。差動対および能動負荷は差動アンプを構成する。差動アンプは、ミニマムセレクタMS320にて発生するバイアス制御電圧Vbabnを制御するためのバイアス制御アンプとして機能する。
本変更例において、能動負荷段AL210では、実施の形態2におけるトランジスタM207がトランジスタM2071およびトランジスタM202に分割されるとともに、トランジスタM205がトランジスタM2051およびトランジスタM2052に分割されている。トランジスタM2071のドレインおよびトランジスタM2051のドレインの接続点であるノードND3は、トランジスタM232のゲートに接続される。トランジスタM2072のドレインおよびトランジスタM2052のドレインの接続点であるノードND4は、トランジスタM231のゲートに接続される。トランジスタM2071およびトランジスタM2072は差動対を構成し、トランジスタM2051およびトランジスタM2052は能動負荷を構成する。差動対および能動負荷は差動アンプを構成する。

Claims (9)

  1. 第1の入力電流を受ける第1の入力端子と、
    第2の入力電流を受ける第2の入力端子と、
    出力端子と、
    第1の基準電位端子と、
    第2の基準電位端子と、
    前記第1の入力電流および前記第2の入力電流を受けて、第1の電圧および第2の電圧に変換する能動負荷段と、
    前記能動負荷段から前記第1の電圧および前記第2の電圧を受けて動作し、前記出力端子に電流を出力するドライバアンプとを備え、
    前記ドライバアンプは、前記1の基準電位端子および前記第2の基準電位端子の間に直列接続される第1のトランジスタおよび第2のトランジスタを有し、前記第1のトランジスタおよび前記第2のトランジスタの接続点を前記出力端子に接続するように構成され、
    前記第1のトランジスタは前記第1の電圧をゲートに受けて第1の電流を流し、前記第2のトランジスタは前記第2の電圧をゲートに受けて第2の電流を流すように構成され、
    前記第1の電流および前記第2の電流の各々の絶対値が前記ドライバアンプの静止電流以上となるように、前記第1の電圧および前記第2の電圧にフィードバックをかけるように構成されたミニマムセレクタをさらに備える、AB級アンプ。
  2. 前記ミニマムセレクタは、
    前記第2のトランジスタが負荷駆動状態であり、かつ、前記第1のトランジスタが静止状態である場合、前記第1の電圧と第1の基準電圧との電圧差に基づいてバイアス制御電圧を生成する一方で、
    前記第1のトランジスタが負荷駆動状態であり、かつ、前記第2のトランジスタが静止状態である場合、前記第2の電圧と第2の基準電圧との電圧差に基づいて前記バイアス制御電圧を生成するように構成され、
    前記能動負荷段は、前記バイアス制御電圧に応じて、静止状態のトランジスタを流れる電流が前記静止電流となるように前記第1の電圧および前記第2の電圧を制御する、請求項1に記載のAB級アンプ。
  3. 前記ミニマムセレクタは、
    前記第1の電圧が第3の基準電圧よりも小さい場合に第1の選択制御信号を出力し、前記第1の電圧が前記第3の基準電圧より大きい場合に第2の選択制御信号を出力するように構成された電圧比較器と、
    前記第1の選択制御信号を受けて動作し、前記第1の電圧と前記第1の基準電圧との電圧差を電流に変換するように構成された第1のトランスコンダクタンスアンプと、
    前記第2の選択制御信号を受けて動作し、前記第2の電圧と前記第2の基準電圧との電圧差を電流に変換するように構成された第2のトランスコンダクタンスアンプと、
    前記第1のトランスコンダクタンスアンプの出力電流および前記第2のトランスコンダクタンスアンプの出力電流を合算した電流を、前記バイアス制御電圧に変換して前記能動負荷段に出力するように構成された能動負荷とを有し、
    前記能動負荷段は、前記バイアス制御電圧が第4の基準電圧に一致するように、前記第1の電圧および前記第2の電圧を制御するように構成された差動アンプを有する、請求項2に記載のAB級アンプ。
  4. 前記電圧比較器は、定電流源を構成する第3のトランジスタと、前記第1の電圧をゲートに受ける第4のトランジスタと、前記第3の基準電圧をゲートに受け、前記第4のトランジスタと差動対を構成する第5のトランジスタを有し、
    前記第1のトランスコンダクタンスアンプは、前記第1の電圧をゲートに受ける第6のトランジスタと、前記第1の基準電圧をゲートに受け、前記第6のトランジスタと差動対を構成する第7のトランジスタとを有し、
    前記第2のトランスコンダクタンスアンプは、前記第2の電圧をゲートに受ける第8のトランジスタと、前記第2の基準電圧をゲートに受け、前記第8のトランジスタと差動対を構成する第9のトランジスタとを有し、
    前記第6のトランジスタ、前記第7のトランジスタ、前記第8のトランジスタおよび前記第9のトランジスタの閾値電圧の絶対値は、前記第3のトランジスタ、前記第4のトランジスタおよび前記第5のトランジスタの閾値電圧の絶対値よりも小さい、請求項3に記載のAB級アンプ。
  5. 前記能動負荷は、第10のトランジスタおよび第11のトランジスタからなるカレントミラー回路を有し、
    前記第4のトランジスタ、前記第5のトランジスタ、前記第6のトランジスタ、前記第7のトランジスタ、前記第8のトランジスタおよび前記第9のトランジスタの各々は第1導電型トランジスタであり、
    前記第10のトランジスタおよび前記第11のトランジスタの各々は第2導電型トランジスタである、請求項4に記載のAB級アンプ。
  6. 前記ミニマムセレクタは、
    前記第1の電圧が第3の基準電圧よりも小さい場合に第1の選択制御信号を出力し、前記第1の電圧が前記第3の基準電圧より大きい場合に第2の選択制御信号を出力するように構成された電圧比較器と、
    前記第1の選択制御信号を受けて動作し、前記第1の電圧と前記第1の基準電圧との電圧差を電流に変換するように構成された第1のトランスコンダクタンスアンプと、
    前記第2の選択制御信号を受けて動作し、前記第2の電圧と前記第2の基準電圧との電圧差を電流に変換するように構成された第2のトランスコンダクタンスアンプとを有し、
    前記第1のトランスコンダクタンスアンプの出力電流および第2のトランスコンダクタンスアンプの出力電流を合算した電流を、前記第1のトランジスタおよび前記第2のトランジスタのゲートに入力する、請求項1に記載のAB級アンプ。
  7. 非反転入力端子および反転入力端子を有し、前記非反転入力端子の第1の電位と前記反転入力端子の第2の電位との差を前記第1の入力電流および前記第2の入力電流に変換する差動入力段と、
    前記第1の入力電流および前記第2の入力電流の差を増幅して、前記出力端子に電流を出力する出力段とを備え、
    前記出力段は、請求項1〜6のいずれか1項に記載のAB級アンプで構成される、オペアンプ。
  8. 第1の入力電流を受ける第1の入力端子と、
    第2の入力電流を受ける第2の入力端子と、
    第1の出力電流を出力する第1の出力端子と、
    第2の出力電流を出力する第2の出力端子と、
    第1の基準電位端子と、
    第2の基準電位端子と、
    前記第1の入力電流を受けて、第1の電圧および第2の電圧に変換するとともに、前記第2の入力電流を受けて、第3の電圧および第4の電圧に変換する能動負荷段と、
    前記能動負荷段から前記第1の電圧および前記第2の電圧を受けて動作し、前記第1の出力端子に前記第1の出力電流を出力する第1のドライバアンプと、
    前記能動負荷段から前記第3の電圧および前記第4の電圧を受けて動作し、前記第2の出力端子に前記第2の出力電流を出力する第2のドライバアンプとを備え、
    前記第1のドライバアンプは、前記1の基準電位端子および前記第2の基準電位端子の間に直列接続される第1のトランジスタおよび第2のトランジスタを有し、前記第1のトランジスタおよび前記第2のトランジスタの接続点を前記第1の出力端子に接続するように構成され、
    前記第2のドライバアンプは、前記1の基準電位端子および前記第2の基準電位端子の間に直列接続される第3のトランジスタおよび第4のトランジスタを有し、前記第3のトランジスタおよび前記第4のトランジスタの接続点を前記第2の出力端子に接続するように構成され、
    前記第1のトランジスタは前記第1の電圧をゲートに受けて第1の電流を流し、前記第2のトランジスタは前記第2の電圧をゲートに受けて第2の電流を流すように構成され、
    前記第3のトランジスタは前記第3の電圧をゲートに受けて第3の電流を流し、前記第4のトランジスタは前記第4の電圧をゲートに受けて第4の電流を流すように構成され、
    前記第1の電流および前記第2の電流の各々の絶対値が前記第1のドライバアンプの静止電流以上となるように、前記第1の電圧および前記第2の電圧にフィードバックをかけるように構成された第1のミニマムセレクタと、
    前記第3の電流および前記第4の電流の各々の絶対値が前記第2のドライバアンプの静止電流以上となるように、前記第3の電圧および前記第4の電圧にフィードバックをかけるように構成された第2のミニマムセレクタとをさらに備える、AB級アンプ。
  9. 非反転入力端子および反転入力端子を有し、前記非反転入力端子の第1の電位と前記反転入力端子の第2の電位との差を前記第1の入力電流および前記第2の入力電流に変換する差動入力段と、
    前記第1の入力電流を増幅して、前記第1の出力端子に前記第1の出力電流を出力するとともに、前記第2の入力電流を増幅して、前記第2の出力端子に前記第2の出力電流を出力するように構成された出力段と、
    前記第1の出力端子の電圧および前記第2の出力端子の電圧の中間の電圧が基準電圧となるように前記出力段を制御するコモンモード・フィードバック回路とを備え、
    前記出力段は、請求項8に記載のAB級アンプで構成される、オペアンプ。
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