JP2000196383A - プッシュプル型増幅回路 - Google Patents

プッシュプル型増幅回路

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JP2000196383A JP10370605A JP37060598A JP2000196383A JP 2000196383 A JP2000196383 A JP 2000196383A JP 10370605 A JP10370605 A JP 10370605A JP 37060598 A JP37060598 A JP 37060598A JP 2000196383 A JP2000196383 A JP 2000196383A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】出力電圧及び電流の範囲をより広くする。 【解決手段】電源電位VDDとVSSとの間にPチャン
ネルFET11とNチャンネルFET10とが直列接続
された出力回路と、PチャンネルFET11のゲートと
NチャンネルFET10のゲートとに一端OP及び他端
ONが接続され制御信号VG3に応じてOPとON間の
電位差VPNが調整されるゲート間電位差回路16A
と、電位差VPNを略所定値保ち、入力電圧VIに応じ
てOPとONの電位を変化させる入力回路17と、基準
電流ISを出力する定電流源40と、PチャンネルFE
T11に流れる電流I1とNチャンネルFET10に流
れる電流I2との少ない方である貫通電流に比例した電
流を検出し、検出した電流が基準値ISになるようにゲ
ート間電位差回路16Aに対する制御信号VG3を生成
する貫通電流検出・比較回路30とを備えている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、交流信号を増幅す
るプッシュプル型電力増幅回路に関する。
【0002】
【従来の技術】図9は、従来のAB級のプッシュプル型
電力増幅回路を示しており、例えば音声信号の電力を増
幅してスピーカに供給するためのものである。このプッ
シュプル型電力増幅回路を例えば、携帯電話などの移動
電子機器に用いた場合には、電力効率が高く、消費電力
の無駄ができるだけ少ないいものが要求される。
【0003】この回路の出力段には、電源電位VDDの
導体と電源電位VSSの導体との間にNチャンネルFE
T10とPチャンネルFET11とが直列接続されてい
る。トランジスタ10及び11のゲート電位VG1及び
VG2によりトランジスタ10及び11にそれぞれ流れ
る電流I1及びI2が定まる。
【0004】入力段には、電源電位VDDの導体と電源
電位VSSの導体との間に定電流源12、Nチャンネル
FET13、PチャンネルFET14及びNチャンネル
FET15が直列接続されている。
【0005】NチャンネルFET13は、そのゲート・
ドレイン間が接続され、該ゲートがNチャンネルFET
10のゲートに接続されている。PチャンネルFET1
4は、そのゲート・ドレイン間が接続され、該ゲートが
PチャンネルFET11のゲートに接続されている。N
チャンネルFET13のゲート・ソース間電圧は、その
敷居値電圧Vthnにほぼ等しく、PチャンネルFET
14のソース・ゲート間電圧は、その敷居値電圧Vth
pにほぼ等しい。したがって、トランジスタ10と11
のゲート電位VG1とVG2の差(VG1−VG2)
は、NチャンネルFET15のゲートに印加される、バ
イアス電圧が信号成分に加算された入力電圧VIによら
ずほぼ一定である。トランジスタ13及び14で、制御
入力端間電位差回路16が構成されている。
【0006】定電流源12により、ゲート間電位差回路
16及びNチャンネルFET15にほぼ一定の電流ID
が流れる。NチャンネルFET15のゲート電位VIに
応じて、定電流源12のドレイン・ソース間電圧VDが
変化し、これによりVG1=VDD−VDが定まる。定
電流源12とNチャンネルFET15とで、入力回路1
7が構成されている。
【0007】入力電圧VIがある値から上昇すると、定
電流源12のドレイン電流IDが増加しようとし、定電
流源12のドレイン・ソース間電圧VDが上昇する(図
10(A)参照)。これにより、ゲート電位VG1及び
VG2が低下して、電流I1が減少し、電流I2が増加
する。
【0008】負荷18は、NチャンネルFET10とP
チャンネルFET11との間のノードと、電源電位、例
えば(VDD+VSS)/2の導体との間に接続されて
いる。負荷18には、電流I0=I1−I2が流れる。
I1>I2のとき、すなわちI0>0のとき、VDDか
らトランジスタ10及び11を通ってVSSへ貫通する
電流は、I2である。逆に、I1<I2のとき、すなわ
ちI0<0のとき、VDDからトランジスタ10及び1
1を通ってVSSへ貫通する電流は、I1である。入力
電圧VIに対する電流I1とI2との関係は、図10
(B)に示す如くなる。
【0009】貫通電流は、入力信号に対する出力信号の
直線性を改善するためにある程度必要である。しかし、
これは出力電流I0が小さくなるほど大きくなる(図1
0(B))。また、製造偏差や温度変動により貫通電流
が変化するので、最悪条件下での貫通電流の最小値が所
定値になるように設計しなければならない。このため、
無駄な貫通電流が流れて、消費電力が増大する原因とな
る。特にプッシュプル型電力増幅回路の出力段の貫通電
流は、その値が大きいので無視できない。
【0010】そこで、特開平8−23247号公報に開
示されているプッシュプル型電力増幅回路では、この貫
通電流をモニタ部で検出し、これを定電流源の電流と比
較し、その結果に応答して、貫通電流が所定値になるよ
うに制御している。
【0011】この、プッシュプル型電力増幅回路の出力
段では、図11に示す如く、電源電位VDDの導体と電
源電位VSSの導体との間にNチャンネルFET10と
PチャンネルFET11とが、図9の場合と逆順に直列
接続されている。PチャンネルFET11と、ゲート・
ドレイン間が接続されたPチャンネルFET14とがカ
レントミラー回路を構しているので、PチャンネルFE
T14のソース・ゲート間電圧はほぼその敷居値電圧V
thpに等しい。同様に、NチャンネルFET10と、
ゲート・ドレイン間が接続されたNチャンネルFET1
3とがカレントミラー回路を構しているので、Nチャン
ネルFET13のゲート・ソース間電圧はほぼその敷居
値電圧Vthnに等しい。例えば電源電圧(VDD−V
SS)が3.0Vで上記敷居値電圧Vthp及びVth
nがいずれも0.5Vの場合、トランジスタ11及び1
0のゲート間電位差は、入力信号によらずほぼ3.0−
0.5×2=2.0Vとなる。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかし、電源電圧(V
DD−VSS)が変動した場合には、トランジスタ11
と10のゲート間電位差もこれに追従して変動するの
で、貫通電流を所定値に制御することが困難になる。
【0013】また、トランジスタ14の(ゲート幅W)
/(ゲート長L)に対するトランジスタ11のW/Lを
μとすると、トランジスタ11を流れる電流I1の最大
値がトランジスタ14を流れる電流I1のμ倍に制限さ
れる。トランジスタ11のサイズを大きくするには限度
があるので、トランジスタ11のサイズが制限される
と、電流I1の最大値も制限される。電流I2について
も前記同様である。
【0014】また、図9のプッシュプル型電力増幅回路
では、NチャンネルFET10のゲート・ソース間電圧
で電流I1が制御されるが、ゲート電位VG1を上昇さ
せると出力電圧VOも上昇して、このゲート・ソース間
電圧がNチャンネルFET10の敷居値電圧VthNに
ほぼ等しくなるので、電流I1の最大値が制限される。
電流I2についても前記同様である。
【0015】さらに、図9のプッシュプル型電力増幅回
路では、出力電圧VOの最大値が次のように制限され
る。すなわち、VO≒VDD−VD−VthNが成立
し、定電流源12がその機能を果たすためのドレイン・
ソース間電圧VDの最小値が0.1V程度であり、敷居
値電圧VthNが0.5V程度であるので、出力電圧V
Oの最大値はVDD−0.6V程度である。このとき、
NチャンネルFET10のソース電位が電源電位VSS
よりはるかに高くなっているので、基板バイアス効果に
より敷居値電圧VthNが高くなって、この最大値がさ
らに低下する原因となる。電源電位VDDとVSSとの
間の中間電位に関しプッシュプル型電力増幅回路が略対
称形であることから、同様にして出力電圧VOの最小値
はVSS+0.6V程度である。
【0016】本発明の目的は、このような問題点に鑑
み、出力電流範囲をより広くすることができるプッシュ
プル型電力増幅回路を提供することにある。
【0017】本発明の他の目的は、出力電圧範囲をより
広くすることができるプッシュプル型電力増幅回路を提
供することにある。
【0018】本発明のさらに他の目的は、電源電圧が変
動しても貫通電流が所定値になるように調整することが
可能なプッシュプル型電力増幅回路を提供することにあ
る。
【0019】
【課題を解決するための手段及びその作用効果】請求項
1のプッシュプル型電力増幅回路では、例えば図1に示
す如く、第1電源電位の導体と第2電源電位の導体との
間に第1トランジスタ(11)と、p型とn型が該第1
トランジスタと逆の第2トランジスタ(10)とが直列
接続された出力回路と、該第1トランジスタの制御入力
端と該第2トランジスタの制御入力端とに第1端(O
P)及び第2端(ON)が接続され、制御信号(VG
3)に応じて該第1端と該第2端との間の電位差が調整
される制御入力端間電位差回路(16A)と、該制御入
力端間電位差回路の該第1端と該第2端との電位差を略
所定値保った状態で、入力信号に応じて該第1端と該第
2端との電位を変化させる入力回路(17)とを有す
る。
【0020】このプッシュプル型電力増幅回路によれ
ば、制御端子間電位差回路(16A)の出力電位が出力
回路の第1トランジスタ(11)及び第2トランジスタ
(10)の制御入力端に印加されるので、これら第1ト
ランジスタ(11)及び第2トランジスタ(10)に流
れる電流をカレントミラー回路で伝達するためにこれら
と対になって用いられるトランジスタ(例えば図2のF
ET31及び33、又は図3のFET31及び39)の
ゲート・ドレイン間又はベース・コレクタ間を接続する
必要がない。
【0021】これにより、出力回路の出力電流及び出力
電圧が、このゲート・ドレイン間接続又はベース・コレ
クタ間接続による制限が緩和された分だけ広がる。
【0022】請求項2のプッシュプル型電力増幅回路で
は、請求項1において例えば図1に示す如く、基準値
(IS)を出力する基準回路(40)と、該第1トラン
ジスタ(11)と該第2トランジスタ(10)とを貫通
する貫通電流に比例した電流を検出し、検出した電流が
該基準値になるように該制御入力端間電位差回路(16
A)に対する該制御信号(VG3)を生成するための貫
通電流検出・比較回路(30)とをさらに有する。
【0023】このプッシュプル型電力増幅回路によれ
ば、出力回路の貫通電流に比例した電流が基準値になる
ように制御されるので、無駄な消費電力が削減される。
【0024】請求項3のプッシュプル型電力増幅回路で
は、請求項1において例えば図1に示す如く、上記入力
回路(17)は、上記制御入力端間電位差回路(16
A)の上記第1端(OP)と上記第1電源電位の導体と
の間に接続され、所定電位が制御入力端に供給されるト
ランジスタを備えた定電流源(12)と、該制御入力端
間電位差回路(16A)の上記第2端(ON)と上記第
2電源電位の導体との間に接続され、制御入力端に入力
信号(VI)が供給されるトランジスタ(15)とを有
する。
【0025】このプッシュプル型電力増幅回路によれ
ば、第1又は第2電源電位が変動しても、出力回路の第
1トランジスタと第2トランジスタの制御入力端間電位
差がほぼ一定になる。
【0026】請求項4のプッシュプル型電力増幅回路で
は、請求項2において例えば図2に示す如く、上記制御
入力端間電位差回路(16A)は、上記第1端と上記第
2端との間に接続され制御入力端に上記制御信号(VG
3)が供給されるトランジスタを有する。
【0027】このプッシュプル型電力増幅回路によれ
ば、制御端子間電位差回路の構成が簡単になる。
【0028】請求項5のプッシュプル型電力増幅回路で
は、請求項2乃至4のいずれか1つにおいて例えば図2
に示す如く、上記基準回路(40)は、所定電位が制御
入力端に供給されるトランジスタであり、上記貫通電流
検出・比較回路(30)は、上記出力回路の上記第1ト
ランジスタ(11)とカレントミラー回路を構成するよ
うに接続された第3トランジスタ(31)と、該出力回
路の上記第2トランジスタ(10)とカレントミラー回
路を構成するように接続された第4トランジスタ(3
3)と、該第3トランジスタと該第4トランジスタとの
間に接続された第5トランジスタ(32)と、該第5ト
ランジスタとカレントミラー回路を構成するように接続
され、該基準回路の該トランジスタと直列接続された第
6トランジスタ(34)とを有する。
【0029】請求項6のプッシュプル型電力増幅回路で
は、請求項5において例えば図2に示す如く、上記貫通
電流検出・比較回路(30)はさらに、上記第6トラン
ジスタ(34)と直列接続され、上記出力回路の上記第
2トランジスタ(10)とカレントミラー回路を構成す
るように接続された第7トランジスタ(35)を有す
る。
【0030】このプッシュプル型電力増幅回路によれ
ば、第5トランジスタ(32)と第6トランジスタ(3
4)とで構成されるカレントミラー回路の電流比例精度
が向上する。
【0031】請求項7のプッシュプル型電力増幅回路で
は、請求項2乃至4のいずれか1つにおいて例えば図3
に示す如く、上記基準回路(40)は、所定電位が制御
入力端に供給されるトランジスタであり、上記貫通電流
検出・比較回路(30A)は、上記出力回路の上記第1
トランジスタ(11)とカレントミラー回路を構成する
ように接続された第3トランジスタ(31)と、該第3
トランジスタ(31)と直列接続された第4トランジス
タ(31A)と、該第4トランジスタ(31A)とカレ
ントミラー回路を構成するように接続された第5トラン
ジスタ(37)と、該出力回路の上記第2トランジスタ
(10)とカレントミラー回路を構成するように接続さ
れた第6トランジスタ(39)と、該第6トランジスタ
(39)と該基準回路(40)の該トランジスタとの間
に接続され、該第4トランジスタ(31A)とカレント
ミラー回路を構成するように接続された第7トランジス
タ(38)と、該第5トランジスタと該基準回路(4
0)の該トランジスタとの間に接続され、該第2トラン
ジスタ(10)とカレントミラー回路を構成するように
接続された第8トランジスタ(36)とを有する。
【0032】このプッシュプル型電力増幅回路によれ
ば、貫通電流に比例した電流を検出する回路の検出誤差
が少なくなる方向に2つの検出値が平均化されるので、
より正確に貫通電流が所定値になるように制御される。
【0033】請求項8のプッシュプル型電力増幅回路で
は、請求項1乃至7のいずれか1つにおいて例えば図1
に示す如く、上記第1電源電位は上記第2電源電位より
高く、上記出力回路は、該第1電源電位の導体に上記第
1トランジスタとしてのPチャンネルFETの一端が接
続され、該第2電源電位の導体に上記第2トランジスタ
としてのNチャンネルFETの一端が接続されている。
【0034】請求項9のプッシュプル型電力増幅回路で
は、請求項8において例えば図1に示す如く、上記入力
回路(17)の上記定電流源(12)のトランジスタは
PチャンネルFETであり、上記制御入力端間電位差回
路(16A)の上記第2端(ON)と上記第2電源電位
の導体との間に接続されたトランジスタ(15)はNチ
ャンネルFETである。
【0035】請求項10のプッシュプル型電力増幅回路
では、請求項8又は9において例えば図2に示す如く、
上記基準回路(40)は、所定電位がゲートに供給され
るPチャンネルFETであり、上記貫通電流検出・比較
回路(30)の上記第3トランジスタ(31)はPチャ
ンネルFETであり、該貫通電流検出・比較回路(3
0)の上記第4〜7トランジスタ(33、32、34及
び35)はいずれもNチャンネルFETである。
【0036】請求項11のプッシュプル型電力増幅回路
では、請求項8又は9において例えば図3に示す如く、
上記基準回路(40)は、所定電位がゲートに供給され
るPチャンネルFETであり、上記貫通電流検出・比較
回路(30A)の上記第3トランジスタ(31)はPチ
ャンネルFETであり、該貫通電流検出・比較回路(3
0A)の上記第4〜8トランジスタ(31A、37、3
9、38及び36)はいずれもNチャンネルFETであ
る。
【0037】請求項12のプッシュプル型電力増幅回路
では、請求項10又は11において例えば図2又は図3
に示す如く、上記制御入力端間電位差回路(16A)の
トランジスタは、NチャンネルFETである。
【0038】請求項13のプッシュプル型電力増幅回路
では、請求項10又は11において例えば図4に示す如
く、上記制御入力端間電位差回路(16A)のトランジ
スタは、PチャンネルFETであり、該制御入力端間電
位差回路は該PチャンネルFETに直列接続された抵抗
をさらに有する。
【0039】請求項14のプッシュプル型電力増幅回路
では、請求項8又は9において例えば図6に示す如く、
上記基準回路(40A)は、所定電位がゲートに供給さ
れるNチャンネルFETであり、上記貫通電流検出・比
較回路(30B)の上記第3トランジスタ(31A)は
NチャンネルFETであり、該貫通電流検出・比較回路
(30B)の上記第4〜7トランジスタ(33A、32
A、34A及び35A)はいずれもPチャンネルFET
である。
【0040】請求項15のプッシュプル型電力増幅回路
では、請求項8又は9において例えば図7に示す如く、
上記基準回路(40A)は、所定電位がゲートに供給さ
れるNチャンネルFETであり、上記貫通電流検出・比
較回路(30C)の上記第3トランジスタ(31B)は
NチャンネルFETであり、該貫通電流検出・比較回路
(30C)の上記第4〜8トランジスタ(31C、37
A、39A、38A及び36A)はいずれもPチャンネ
ルFETである。
【0041】請求項16のプッシュプル型電力増幅回路
では、請求項14又は15において例えば図6又は図7
に示す如く、上記制御入力端間電位差回路(16)のト
ランジスタは、PチャンネルFETである。
【0042】請求項17のプッシュプル型電力増幅回路
では、請求項14又は15において例えば図Xに示す如
く、上記制御入力端間電位差回路(16C)のトランジ
スタは、NチャンネルFETであり、該制御入力端間電
位差回路は該NチャンネルFETに直列接続された抵抗
をさらに有する。
【0043】請求項18のプッシュプル型電力増幅回路
では、請求項1乃至7のいずれかにおいて例えば図5に
示す如く、上記第1電源電位は上記第2電源電位より低
く、上記出力回路は、該第1電源電位の導体に上記第1
トランジスタとしてのNチャンネルFET(10)の一
端が接続され、該第2電源電位の導体に上記第2トラン
ジスタとしてのPチャンネルFET(11)の一端が接
続されている。
【0044】請求項19のプッシュプル型電力増幅回路
では、請求項18において例えば図5に示す如く、上記
入力回路(17A)の上記定電流源(12A)のトラン
ジスタはNチャンネルFETであり、上記制御入力端間
電位差回路(16A)の上記第2端(OP)と上記第2
電源電位の導体との間に接続されたトランジスタ(15
A)はPチャンネルFETである。
【0045】
【発明の実施の形態】以下、図面に基づいて本発明の実
施形態を説明する。
【0046】[第1実施形態]図1は、本発明の第1実
施形態のAB級プッシュプル型電力増幅回路を示す。こ
の回路は例えば、集積回路内に備えられ、携帯電話など
の移動電子機器に用いられる。以下において、FETは
MOSFET又は接合型FET等である。
【0047】この回路の出力段は、図11と同様に、N
チャンネルFET10が電源電位VSS側でありPチャ
ンネルFET11が電源電位VDD側(VDD>VS
S)である。入力回路17は、図9のそれと同一であ
る。
【0048】定電流源12とNチャンネルFET15と
の間に接続されたゲート間電位差回路16Aは、これに
ほぼ一定の電流が流れるとき、その出力端OPとONと
の間の電圧がほぼ一定であり、かつ、ゲート間電位差調
整回路20により微調整可能となっている。出力端OP
はPチャンネルFET11のゲートに接続され、出力端
ONはNチャンネルFET10のゲートに接続されてい
る。
【0049】例えば、電源電位VDD及びVSSはそれ
ぞれ3.0V及び0Vであり、NチャンネルFET15
に流れる電流は、入力電圧VI(バイアス電圧が信号成
分に加算された電圧)の交流成分振幅が0のとき1m
A、入力電圧VIが最大値のとき1.5mA、入力電圧
VIが最小値のとき0.5mAである。
【0050】入力電圧VIがある値より上昇すると、定
電流源12のドレイン電流IDが増加しようとし、定電
流源12のドレイン・ソース間電圧VDが上昇する(図
10(A)参照)。これにより、ゲート電位VG1及び
VG2が低下して、電流I1が増加し、電流I2が減少
する。このとき、PチャンネルFET11の内部抵抗が
減少しNチャンネルFET10の内部抵抗が増加して出
力電圧VOが上昇する。
【0051】逆に、入力電圧VIがある値より低下する
と、定電流源12のドレイン電流IDが減少しようと
し、定電流源12のドレイン・ソース間電圧VDが減少
する。これにより、ゲート電位VG1及びVG2が上昇
して、電流I1が減少し、電流I2が増加する。このと
き、PチャンネルFET11の内部抵抗が増加しNチャ
ンネルFET10の内部抵抗が減少して出力電圧VOが
低下する。
【0052】ゲート間電位差回路16Aの出力端OP及
びONの電位が出力回路のPチャンネルFET11及び
NチャンネルFET10のゲートに印加されるので、貫
通電流検出・比較回路30において、これらトランジス
タに流れる電流をカレントミラー回路で伝達するために
これらと対になって用いられるトランジスタのゲート・
ドレイン間を接続する必要がない。これにより、出力回
路の出力電流I0及び出力電圧VOが、このゲート・ド
レイン間接続による制限が緩和された分だけ広がる。
【0053】次に、出力電圧VOの上昇限度を考える。
この場合、ゲート電位VG1及びVG2が最低になって
いる。一方では、NチャンネルFET10がカットオフ
状態に近づくため、電流I2はほとんど無視できる値に
なり、他方では、電流I1が最大となる。出力電圧VO
の上昇限度は、ゲート電位VG1で制限されない。ただ
し、電流I1が流れるためにはPチャンネルFET11
のソース・ドレイン間にある最低限の電圧が必要であ
る。この電圧は、定電流源12がその機能を果たすため
のドレイン・ソース間電圧VDの最小値0.1V程度と
ほぼ等しい。
【0054】したがって、図9の回路よりも、基板バイ
アス効果に因って定常状態の敷居値電圧、例えば0.5
Vより上昇した敷居値電圧VthN、例えば0.8Vだ
け、出力電圧の上限が上がる。出力電圧VOの下限につ
いても同様に、例えば0.8Vだけ下がる。また、(V
G1−VG2)の最低必要電圧は0.1V程度であるの
で、VG1は(VSS+0.1)V付近まで下げること
ができ、これにより、電流I1はPチャンネルFET1
1の特性の限界値まで大きくとることができる。
【0055】ゲート電位VG3の制御により、ゲート間
電位差回路16Aの出力端OPとON間の電圧、すなわ
ちゲート間電圧(VG1−VG2)はほぼ一定になる。
これにより、ゲート間電位差調整回路20のゲート間電
位差回路16Aに対する調整動作が、電源電位VDDの
上昇に殆ど影響されない。
【0056】次に、ゲート間電位差調整回路20につい
て説明する。
【0057】ゲート間電位差調整回路20は、貫通電流
検出・比較回路30と、回路30に基準値を供給する基
準回路40とからなる。回路30の入力端IP及びIN
はそれぞれ、PチャンネルFET11及びNチャンネル
FET10のゲートに接続されている。貫通電流検出・
比較回路30の出力は、ゲート間電位差回路16Aの制
御入力端に供給される。
【0058】回路30は、トランジスタ11と10に流
れる電流I1とI2との小さい方の値Min(I1,I
2)である貫通電流に比例した電流Min(I1/μ,
I2/μ)を検出し、これを基準回路40の出力電流I
Sと比較する。μは定数である。回路30は、検出した
貫通電流が基準値になるようにゲート間電位差回路16
Aを制御して、出力端OPとONとの間の電位差VPN
を微調整する。
【0059】より具体的には、Min(I1/μ,I2
/μ)>ISであれば、電位差VPNが増大して、ゲー
ト電位VG1が上昇しゲート電位VG2が低下する。こ
れにより、電流I1及びI2が減少して、Min(I1
/μ,I2/μ)が基準電流ISに近づこうとする。逆
に、Min(I1/μ,I2/μ)<ISであれば、電
位差VPNが減少して、ゲート電位VG1が低下しゲー
ト電位VG2が上昇する。これにより、電流I1及びI
2が増加して、貫通電流Min(I1,I2)がμ・I
Sに近づこうとする。従って、貫通電流Min(I1,
I2)がほぼμ・ISになる。
【0060】次に、ゲート間電位差回路16A及びゲー
ト間電位差調整回路20の構成例を、図2を参照して説
明する。
【0061】ゲート間電位差回路16Aは、能動負荷素
子としてのNチャンネルFETである。
【0062】貫通電流検出・比較回路30では、電源電
位VDDの導体と電源電位VSSの導体との間にPチャ
ンネルFET31とNチャンネルFET32及び33と
が直列接続されている。PチャンネルFET31及びN
チャンネルFET33のゲートはそれぞれ図1のPチャ
ンネルFET11及びNチャンネルFET10のゲート
に接続されており、トランジスタ31と11とでカレン
トミラー回路が構成され、トランジスタ33と10とで
カレントミラー回路が構成されている。トランジスタ3
1及び33の上記比W/Lはそれぞれトランジスタ11
及び10のそれの1/μであり、PチャンネルFET3
1に電流I1/μが流れようとし、NチャンネルFET
33に電流I2/μが流れようとする。トランジスタ3
1、32及び33が直列接続されているので、この列の
トランジスタには両者の小さい方の電流Min(I1/
μ,I2/μ)、すなわち貫通電流に比例した電流が流
れる。
【0063】電源電位VDDとVSSとの間にはさら
に、基準回路40と、貫通電流検出・比較回路30のN
チャンネルFET34及び35とが直列に接続されてい
る。NチャンネルFET32は、電流Min(I1/
μ,I2/μ)をNチャンネルFET34に流させるた
めのものであって、NチャンネルFET32のゲート・
ドレイン間が接続され、このゲートがNチャンネルFE
T34のゲートに接続されている。NチャンネルFET
32と34とが完全なカレントミラー回路を構成するた
めには、NチャンネルFET32と34のソース電位が
互いに等しくなければならない。NチャンネルFET3
5は、この条件をほぼ満たすようにするためにNチャン
ネルFET33と対応して備えられたものであり、Nチ
ャンネルFET35のゲートが図10のNチャンネルF
ET10のゲートに接続されて、トランジスタ35と1
0とでカレントミラー回路が構成されている。Nチャン
ネルFET34には電流Min(I1/μ,I2/μ)
が流れようとし、NチャンネルFET35には電流I2
/μが流れようとするので、NチャンネルFET34と
35にはやはり両者の少ない方の電流Min(I1/
μ,I2/μ)が流れようとする。
【0064】基準回路40は定電流源であり、図1の定
電流源12と同様に構成され、基準電流ISを流そうと
する。
【0065】定電流源40とNチャンネルFET34と
の間のノードに、NチャンネルFET16Aのゲートが
接続されており、その電位VG3は次のように変化す
る。
【0066】IS<Min(I1/μ,I2/μ)であ
れば、基準電流ISが増加しようとして定電流源40の
ドレイン・ソース間電圧が上昇するので(図10(A)
参照)、ゲート電位VG3が低下してNチャンネルFE
T16Aの内部抵抗が増加する。これにより、図1のゲ
ート電位VG1が上昇しゲート電位VG2が下降して、
貫通電流Min(I1,I2)が減少し、Min(I1
/μ,I2/μ)が基準電流ISに近づこうとする。
【0067】逆に、IS>Min(I1/μ,I2/
μ)であれば、基準電流ISが減少しようとして定電流
源40のドレイン・ソース間電圧が低下するので、ゲー
ト電位VG3が上昇してNチャンネルFET16Aの内
部抵抗が減少する。これにより、図1のゲート電位VG
1が低下しゲート電位VG2が上昇して、貫通電流Mi
n(I1,I2)が増加し、Min(I1/μ,I2/
μ)が基準電流ISに近づこうとする。
【0068】このようにして、貫通電流Min(I1,
I2)がμ・基準電流ISになるように制御される。
【0069】この貫通電流(バイアス電流)は、消費電
力節約のために、プッシュプル型電力増幅回路の動作を
満足させる最低源の値であることが好ましく、この値が
設計値にされる。
【0070】[第2実施形態]図3は、図1のプッシュ
プル型電力増幅回路に用いられる本発明の第2実施形態
のゲート間電位差回路16A及びゲート間電位差調整回
路20Aを示す。
【0071】貫通電流検出・比較回路30Aでは、電源
電位VDDとVSSとの間にPチャンネルFET31と
NチャンネルFET31Aとが直列接続され、Pチャン
ネルFET31に流れる電流をNチャンネルFET31
Aに流している。PチャンネルFET31のゲートは図
1のPチャンネルFET11に接続されており、Pチャ
ンネルFET31とPチャンネルFET11とでカレン
トミラー回路が構成され、PチャンネルFET31に電
流I1/μが流れる。
【0072】電源電位VDDとVSSとの間にはさら
に、定電流源40と、回路30AのNチャンネルFET
36と37とが直列接続され、定電流源40と、回路3
0AのNチャンネルFET38と39とが直列接続され
ている。トランジスタ31Aと37のゲート間が接続さ
れ、トランジスタ31Aのゲート・ドレイン間が接続さ
れて、NチャンネルFET31Aと37とがカレントミ
ラー回路を構成している。今、トランジスタ31Aと3
7のカレントミラー伝達比率を1とすると、これによ
り、トランジスタ37には電流I1/μが流れようとす
る。NチャンネルFET39のゲートは図1のNチャン
ネルFET10のゲートに接続され、NチャンネルFE
T10と39とがカレントミラー回路を構成している。
これにより、NチャンネルFET39には電流I2/μ
が流れようとする。
【0073】さらに、トランジスタ31Aと38のゲー
ト間が接続されて、トランジスタ38と31Aとで不完
全なカレントミラー回路が構成され、NチャンネルFE
T36と図1のNチャンネルFET10とのゲート間が
接続されてトランジスタ10と36とからなる不完全な
カレントミラー回路が構成されている。これにより、ト
ランジスタ38及び36にはそれぞれほぼI1/μ及び
I2/μの電流が流れようとする。トランジスタ36と
37とが直列接続されているので、トランジスタ36と
37にはほぼMin(I1/μ,I2/μ)が流れよう
とする。同様に、トランジスタ38と39とが直列接続
されているので、トランジスタ38と39にはほぼMi
n(I1/μ,I2/μ)が流れようとする。したがっ
て、定電流源40と電源電位VSSの導体との間には、
図2の場合と同様に、貫通電流に比例した電流2・Mi
n(I1/μ,I2/μ)が流れようとする。
【0074】NチャンネルFET36〜39のクロス接
続及びその動作は、上記公報に記載されているものと同
じである。
【0075】図2ではNチャンネルFET32のソース
電位とNチャンネルFET34のソース電位とが完全に
は同一にならないので、不完全なカレントミラー回路で
あるが、図3ではこの不完全さが、誤差が少なくなる方
向に平均化されるので、図2の場合よりも正確に貫通電
流が2μ・ISになるように制御される。
【0076】[第3実施形態]図4は、図1のプッシュ
プル型電力増幅回路に用いられる本発明の第3実施形態
のゲート間電位差回路16B及びゲート間電位差調整回
路20Aを示す。
【0077】ゲート間電位差回路16Bは、Pチャンネ
ルFET161のソース及びドレインにそれぞれ、抵抗
162及び163が接続され、PチャンネルFET16
1のゲート電位VG3がゲート間電位差調整回路20A
により制御される。抵抗162及び163の抵抗値をそ
れぞれR1及びR2とすると、図1のドレイン電流ID
がPチャンネルFET161に流れているとき、(Pチ
ャンネルFET161の内部抵抗値)<<(R1+R
2)となるように設計される。
【0078】PチャンネルFET161のゲート電位V
G3が低下してトランジスタ161の内部抵抗が減少す
ると、ドレイン電流IDが僅かな量ΔIDだけ増加し、
PチャンネルFET161のドレイン・ソース間電圧低
下量よりもΔID・(R1+R2)の方が大きくなるよ
うに設計パラメータが決定されている。これにより、ゲ
ート電位VG3が低下すると図1のゲート電位VG1が
上昇しゲート電位VG2が下降して、貫通電流Min
(I1,I2)が減少する。ゲート電位VG3が上昇し
た場合には、前記と逆の動作になる。
【0079】このようにして、貫通電流Min(I1,
I2)が2μ・ISになるように制御される。
【0080】[第4実施形態]図5は、本発明の第4実
施形態のAB級プッシュプル型電力増幅回路を示す。
【0081】この回路は、入力回路17Aについて、図
1の定電流源12とFET15とを入れ替え、定電流源
12とFET15について、PチャンネルFETとNチ
ャンネルFETとを入れ替えた構成になっている。
【0082】入力電圧VIの交流信号成分と出力電圧V
Oの交流信号成分との関係は、図1の場合と位相が同じ
になる。
【0083】ゲート間電位差調整回路20は図2の回路
20に限定されず、図3の回路20A又は図6の回路2
0Bであってもよいことは勿論である。
【0084】[第5実施形態]図6は、図1中のゲート
間電位差回路及びゲート間電位差調整回路の他の構成例
を第5実施形態として示す。
【0085】この回路は、図2のFETの全てについ
て、PチャンネルFETとNチャンネルFETとを入れ
替え、かつ、VDDとVSSとを入れ替えた構成になっ
ている。入れ替え後のFETにはそれぞれ類似の符号1
6、31A〜35A及び40Aを付している。
【0086】Min(I1/μ,I2/μ)>ISであ
れば、電位VG3が上昇し、PチャンネルFETの内部
抵抗が増加してゲート電位VG1が上昇しかつゲート電
位VG2が下降する。これにより、電流I1及びI2が
減少して、貫通電流Min(I1,I2)がμ・ISに
近づこうとする。逆に、Min(I1/μ,I2/μ)
<ISであれば、電位VG3が低下して、ゲート電位V
G1が下降しゲート電位VG2が上昇する。これによ
り、電流I1及びI2が増加して、貫通電流Min(I
1,I2)がμ・ISに近づこうとする。従って、貫通
電流Min(I1,I2)がほぼμ・ISになる。
【0087】[第6実施形態]図7は、図1中のゲート
間電位差回路及びゲート間電位差調整回路のさらに他の
構成例を第6実施形態として示す。
【0088】この回路は、図3のFETの全てについ
て、PチャンネルFETとNチャンネルFETとを入れ
替え、かつ、VDDとVSSとを入れ替えた構成になっ
ている。入れ替え後のFETにはそれぞれ類似の符号を
付している。
【0089】この回路の動作は、図3及び図6について
の上記説明から容易に理解できるので、その説明を省略
する。
【0090】[第7実施形態]図8は、図1中のゲート
間電位差回路及びゲート間電位差調整回路のさらに他の
構成例を第7実施形態として示す。
【0091】ゲート間電位差回路16Cは、Nチャンネ
ルFET161Aのソース及びドレインにそれぞれ、抵
抗163及び162が接続され、NチャンネルFET1
61Aのゲート電位VG3が図6と同一のゲート間電位
差調整回路20Cにより制御される。
【0092】この回路の動作は、図4についての上記説
明から容易に理解できるので、その説明を省略する。
【0093】なお、本発明には外にも種々の変形例が含
まれる。
【0094】例えばトランジスタは、FETに限定され
ず、バイポーラトランジスタであってもよい。バイポー
ラトランジスタの場合には、各図において、Nチャンネ
ルFET及びPチャンネルFETをそれぞれNPNトラ
ンジスタ及びPNPトランジスタで置き換えた構成とな
る。
【0095】また、ゲート間電位差回路は、ダイオード
のようなレベルシフト回路を被制御用トランジスタと直
列接続した構成であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態のプッシュプル型電力増
幅回路を示す図である。
【図2】図1中のゲート間電位差回路及びゲート間電位
差調整回路の構成例を示す図である。
【図3】本発明の第2実施形態のゲート間電位差回路及
びゲート間電位差調整回路を示す図である。
【図4】本発明の第3実施形態のゲート間電位差回路及
びゲート間電位差調整回路を示す図である
【図5】本発明の第4実施形態のプッシュプル型電力増
幅回路を示す図である。
【図6】図1中のゲート間電位差回路及びゲート間電位
差調整回路の他の構成例を第5実施形態として示す図で
ある。
【図7】図1中のゲート間電位差回路及びゲート間電位
差調整回路のさらに他の構成例を第6実施形態として示
す図である。
【図8】図1中のゲート間電位差回路及びゲート間電位
差調整回路のさらに他の構成例を第7実施形態として示
す図である。
【図9】従来のプッシュプル型電力増幅回路を示すブロ
ック図である。
【図10】(A)は定電流源のドレイン・ソース間電圧
に対するドレイン電流を示す図であり、(B)は図9の
入力電圧に対する出力電流を示す線図である。
【図11】従来の他のプッシュプル型電力増幅回路の出
力段を示すブロック図である。
【符号の説明】
10、13、15、31A、32〜39、 Nチャンネ
ルFET 11、14、31、161、31C、32A、34A
PチャンネルFET 12、12A、40、40A 定電流源 16、16A〜16C ゲート間電位差回路 162、163 抵抗 17、17A 入力回路載 20、20A〜20C ゲート間電位差調整回路 30、30A〜30C 貫通電流検出・比較回路 IS 基準電流 IP、IN 入力端 OP、ON 出力端
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成11年12月28日(1999.12.
28)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 プッシュプル型増幅回路
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、交流信号を増幅す
るプッシュプル型増幅回路に関する。
【0002】
【従来の技術】図9は、従来のAB級のプッシュプル
幅回路を示しており、例えば音声信号を増幅してスピ
ーカに供給するためのものである。このプッシュプル
幅回路を例えば、携帯電話などの移動電子機器に用い
た場合には、電力効率が高く、消費電力の無駄ができる
だけ少ないいものが要求される。
【0003】この回路の出力段には、電源電位VDDの
導体と電源電位VSSの導体との間にNチャンネルFE
T10とPチャンネルFET11とが直列接続されてい
る。トランジスタ10及び11のゲート電位VG1及び
VG2によりトランジスタ10及び11にそれぞれ流れ
る電流I1及びI2が定まる。
【0004】入力段には、電源電位VDDの導体と電源
電位VSSの導体との間に定電流源12、Nチャンネル
FET13、PチャンネルFET14及びNチャンネル
FET15が直列接続されている。
【0005】NチャンネルFET13は、そのゲート・
ドレイン間が接続され、該ゲートがNチャンネルFET
10のゲートに接続されている。PチャンネルFET1
4は、そのゲート・ドレイン間が接続され、該ゲートが
PチャンネルFET11のゲートに接続されている。N
チャンネルFET13のゲート・ソース間電圧は、その
敷居値電圧Vthnにほぼ等しく、PチャンネルFET
14のソース・ゲート間電圧は、その敷居値電圧Vth
pにほぼ等しい。したがって、トランジスタ10と11
のゲート電位VG1とVG2の差(VG1−VG2)
は、NチャンネルFET15のゲートに印加される、バ
イアス電圧が信号成分に加算された入力電圧VIによら
ずほぼ一定である。トランジスタ13及び14で、ゲー
間電位差回路16が構成されている。
【0006】定電流源12により、ゲート間電位差回路
16及びNチャンネルFET15にほぼ一定の電流ID
が流れる。NチャンネルFET15のゲート電位VIに
応じて、定電流源12のドレイン・ソース間電圧VDが
変化し、これによりVG1=VDD−VDが定まる。定
電流源12とNチャンネルFET15とで、入力回路1
7が構成されている。
【0007】入力電圧VIがある値から上昇すると、定
電流源12のドレイン電流IDが増加しようとし、定電
流源12のドレイン・ソース間電圧VDが上昇する(図
10(A)参照)。これにより、ゲート電位VG1及び
VG2が低下して、電流I1が減少し、電流I2が増加
し、出力電圧VOが低下する。
【0008】負荷18は、NチャンネルFET10とP
チャンネルFET11との間のノードと、電源電位、例
えば(VDD+VSS)/2の導体との間に接続されて
いる。負荷18には、電流I0=I1−I2が流れる。
I1>I2のとき、すなわちI0>0のとき、VDDか
らトランジスタ10及び11を通ってVSSへ貫通する
電流は、I2である。逆に、I1<I2のとき、すなわ
ちI0<0のとき、VDDからトランジスタ10及び1
1を通ってVSSへ貫通する電流は、I1である。入力
電圧VIに対する電流I1とI2との関係は、図10
(B)に示す如くなる。
【0009】貫通電流は、入力信号に対する出力信号の
直線性を改善するためにある程度必要である。しかし、
これは一般に出力電流I0が小さくなるほど大きくなる
傾向にある(図10(B))。また、製造偏差や温度変
動により貫通電流が変化するので、最悪条件下での貫通
電流の最小値が所定値以上になるように設計しなければ
ならない。このため、条件によっては、無駄な貫通電流
が流れて、消費電力が増大する原因となる。特にプッシ
ュプル型増幅回路の出力段の貫通電流は、その値が大き
いので無視できない。
【0010】そこで、特開平8−23247号公報に開
示されているプッシュプル型増幅回路では、この貫通電
流を、カレントミラー回路を用いたモニタ部で検出し、
これを定電流源の電流と比較し、その結果に応答して、
貫通電流が所定値になるように制御している。
【0011】この、プッシュプル型増幅回路の出力段で
は、図11に示す如く、電源電位VDDの導体と電源電
位VSSの導体との間にNチャンネルFET10とPチ
ャンネルFET11とが、図9の場合と逆順に直列接続
されている。PチャンネルFET11と、ゲート・ドレ
イン間が接続されたPチャンネルFET14とがカレン
トミラー回路を構しているので、PチャンネルFET1
4のソース・ゲート間電圧はほぼその敷居値電圧Vth
pに等しい。同様に、NチャンネルFET10と、ゲー
ト・ドレイン間が接続されたNチャンネルFET13と
がカレントミラー回路を構しているので、Nチャンネル
FET13のゲート・ソース間電圧はほぼその敷居値電
圧Vthnに等しい。例えば電源電圧(VDD−VS
S)が3.0Vで上記敷居値電圧Vthp及びVthn
がいずれも0.5Vの場合、トランジスタ11及び10
のゲート間電位差は、入力信号によらずほぼ3.0−
0.5×2=2.0Vとなる。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかし、電源電圧(V
DD−VSS)が変動した場合には、トランジスタ11
と10のゲート間電位差もこれに追従して変動するの
で、貫通電流を所定値に制御することが困難になる。
【0013】また、トランジスタ14の(ゲート幅W)
/(ゲート長L)に対するトランジスタ11のW/Lを
μとすると、トランジスタ11を流れる電流I1の最大
値がトランジスタ14を流れる最大電流のμ倍に制限さ
れる。トランジスタ11のサイズを大きくするには限度
があるので、トランジスタ11のサイズが制限される
と、電流I1の最大値も制限される。電流I2について
も前記同様である。
【0014】また、図9のプッシュプル型増幅回路で
は、NチャンネルFET10のゲート・ソース間電圧で
電流I1が制御されるが、ゲート電位VG1を上昇させ
ると出力電圧VOも上昇して、このゲート・ソース間電
圧がNチャンネルFET10の敷居値電圧VthNにほ
ぼ等しくなるので、電流I1の最大値が制限される。電
流I2についても前記同様である。
【0015】さらに、図9のプッシュプル型増幅回路で
は、出力電圧VOの最大振幅が次のように制限される。
すなわち、VO≒VDD−VD−VthNが成立し、定
電流源12がその機能を果たすためのソース・ドレイン
間電圧VDの最小値が例えば0.1V程度であり、敷居
値電圧VthNが0.5V程度であるので、出力電圧V
Oの最大値はVDD−0.6V程度である。このとき、
NチャンネルFET10のソース電位が電源電位VSS
よりはるかに高くなっているので、基板バイアス効果に
より敷居値電圧VthNが高くなって、この最大値がさ
らに低下する原因となる。電源電位VDDとVSSとの
間の中間電位に関しプッシュプル型増幅回路が略対称形
であることから、同様にして出力電圧VOの最小値はV
SS+0.6V程度である。
【0016】本発明の目的は、このような問題点に鑑
み、出力電流範囲をより広くすることができるプッシュ
プル型増幅回路を提供することにある。
【0017】本発明の他の目的は、出力電圧範囲をより
広くすることができるプッシュプル型増幅回路を提供す
ることにある。
【0018】本発明のさらに他の目的は、電源電圧が変
動しても貫通電流が所定値になるように調整することが
可能なプッシュプル型増幅回路を提供することにある。
【0019】
【課題を解決するための手段及びその作用効果】以下、
単に「信号」とは、電圧信号又は電流信号である。請求
項1のプッシュプル型増幅回路では、例えば図1に示す
如く、第1電源電位の導体と第2電源電位の導体との間
に第1トランジスタ(11)と、導電型が該第1トラン
ジスタと逆の第2トランジスタ(10)とが直列接続さ
れた出力回路と、該第1トランジスタの制御入力端と該
第2トランジスタの制御入力端とに第1端(OP)及び
第2端(ON)が接続され、制御信号(VG3)に応じ
て該第1端と該第2端との間の電位差が調整される制御
入力端間電位差回路(16A)と、該制御入力端間電位
差回路の該第1端と該第2端との電位差を略所定値保っ
た状態で、入力信号に応じて該第1端と該第2端との電
位を変化させる入力回路(17)とを有する。
【0020】このプッシュプル型増幅回路によれば、
1トランジスタの制御入力端と第1又は第2電源電位の
導体との間、すなわち第1トランジスタのゲート・ソー
ス間又はベース・エミッタ間に、ダイオード接続された
トランジスタを接続する必要がなく、かつ、第2トラン
ジスタの制御入力端と第2又は第1電源電位の導体との
間、すなわち第2トランジスタのゲート・ソース間又は
ベース・エミッタ間に、ダイオード接続されたトランジ
スタを接続する必要がない。また、増幅回路の出力が第
1トランジスタ及び第2トランジスタのドレイン又はコ
レクタから得られるので、この出力の電位と第1電源電
位との差の絶対値又はこの出力の電位と第2電源電位と
の差の絶対値の最小値を0.1V程度まで小さくするこ
とができる。
【0021】 これにより、第1及び第2トランジスタの
制御入力端のとり得る電位範囲の制限が緩和されて、
ッシュプル増幅回路の出力電流及び出力電圧の範囲が広
がる。
【0022】請求項2のプッシュプル型増幅回路では、
請求項1において例えば図1に示す如く、基準値(I
S)を出力する基準回路(40)と、該第1トランジス
タ(11)と該第2トランジスタ(10)とを貫通する
貫通電流に比例した電流を検出し、検出した電流が該基
準値になるように該制御入力端間電位差回路(16A)
に対する該制御信号(VG3)を生成するための貫通電
流検出・比較回路(30)とをさらに有する。
【0023】このプッシュプル型増幅回路によれば、出
力回路の貫通電流に比例した電流が基準値になるように
制御されるので、無駄な消費電力が削減される。
【0024】請求項3のプッシュプル型増幅回路では、
請求項1において例えば図1に示す如く、上記入力回路
(17)は、上記制御入力端間電位差回路(16A)の
上記第1端(OP)と上記第1電源電位の導体との間に
接続され、所定電位が制御入力端に供給されるトランジ
スタを備えた定電流源(12)と、該制御入力端間電位
差回路(16A)の上記第2端(ON)と上記第2電源
電位の導体との間に接続され、制御入力端に入力信号
(VI)が供給される入力トランジスタ(15)とを有
する。
【0025】このプッシュプル型増幅回路によれば、第
1又は第2電源電位が変動しても、出力回路の第1トラ
ンジスタと第2トランジスタの制御入力端間電位差がほ
ぼ一定になる。
【0026】請求項4のプッシュプル型増幅回路では、
請求項2において例えば図2に示す如く、上記制御入力
端間電位差回路(16A)は、上記第1端と上記第2端
との間に接続され制御入力端に上記制御信号(VG3)
が供給されるトランジスタを有する。
【0027】このプッシュプル型増幅回路によれば、制
御端子間電位差回路の構成が簡単になる。
【0028】請求項5のプッシュプル型増幅回路では、
請求項おいて例えば図2に示す如く、上記基準回路
(40)は、所定電位が制御入力端に供給されるトラン
ジスタであり、上記貫通電流検出・比較回路(30)
は、上記出力回路の上記第1トランジスタ(11)とカ
レントミラー回路を構成するように接続された第3トラ
ンジスタ(31)と、該出力回路の上記第2トランジス
タ(10)とカレントミラー回路を構成するように接続
された第4トランジスタ(33)と、該第3トランジス
タと該第4トランジスタとの間に接続された第5トラン
ジスタ(32)と、該第5トランジスタとカレントミラ
ー回路を構成するように接続され、該基準回路の該トラ
ンジスタと直列接続された第6トランジスタ(34)と
を有する。
【0029】請求項6のプッシュプル型増幅回路では、
請求項5において例えば図2に示す如く、上記貫通電流
検出・比較回路(30)はさらに、上記第6トランジス
タ(34)と直列接続され、上記出力回路の上記第2ト
ランジスタ(10)とカレントミラー回路を構成するよ
うに接続された第7トランジスタ(35)を有する。
【0030】このプッシュプル型増幅回路によれば、第
5トランジスタ(32)と第6トランジスタ(34)と
で構成されるカレントミラー回路の電流比例精度が向上
する。
【0031】請求項7のプッシュプル型増幅回路では、
請求項おいて例えば図3に示す如く、上記基準回路
(40)は、所定電位が制御入力端に供給されるトラン
ジスタであり、上記貫通電流検出・比較回路(30A)
は、上記出力回路の上記第1トランジスタ(11)とカ
レントミラー回路を構成するように接続された第3トラ
ンジスタ(31)と、該第3トランジスタ(31)と直
列接続された第4トランジスタ(31A)と、該第4ト
ランジスタ(31A)とカレントミラー回路を構成する
ように接続された第5トランジスタ(37)と、該出力
回路の上記第2トランジスタ(10)とカレントミラー
回路を構成するように接続された第6トランジスタ(3
9)と、該第6トランジスタ(39)と該基準回路(4
0)の該トランジスタとの間に接続され、該第4トラン
ジスタ(31A)とカレントミラー回路を構成するよう
に接続された第7トランジスタ(38)と、該第5トラ
ンジスタと該基準回路(40)の該トランジスタとの間
に接続され、該第2トランジスタ(10)とカレントミ
ラー回路を構成するように接続された第8トランジスタ
(36)とを有する。
【0032】このプッシュプル型増幅回路によれば、貫
通電流に比例した電流を検出する回路の検出誤差が少な
くなる方向に2つの検出値が平均化されるので、より正
確に貫通電流が所定値になるように制御される。
【0033】請求項8のプッシュプル型増幅回路では、
請求項1乃至7のいずれか1つにおいて例えば図1に示
す如く、上記第1電源電位は上記第2電源電位より高
く、上記出力回路は、該第1電源電位の導体に上記第1
トランジスタとしてのPチャンネルFETの一端が接続
され、該第2電源電位の導体に上記第2トランジスタと
してのNチャンネルFETの一端が接続されている。
【0034】請求項9のプッシュプル型増幅回路では、
請求項において例えば図1に示す如く、上記入力回路
(17)の上記定電流源(12)のトランジスタはPチ
ャンネルFETであり、上記入力トランジスタ(15)
はNチャンネルFETである。
【0035】請求項10のプッシュプル型増幅回路で
は、請求項において例えば図2に示す如く、上記基準
回路(40)は、所定電位がゲートに供給されるPチャ
ンネルFETであり、上記第3トランジスタ(31)は
PチャンネルFETであり、上記第4〜7トランジスタ
(33、32、34及び35)はいずれもNチャンネル
FETである。
【0036】請求項11のプッシュプル型増幅回路で
は、請求項において例えば図3に示す如く、上記基準
回路(40)は、所定電位がゲートに供給されるPチャ
ンネルFETであり、上記第3トランジスタ(31)は
PチャンネルFETであり、上記第4〜8トランジスタ
(31A、37、39、38及び36)はいずれもNチ
ャンネルFETである。
【0037】請求項12のプッシュプル型増幅回路で
は、請求項10又は11において例えば図2又は図3に
示す如く、上記制御入力端間電位差回路(16A)のト
ランジスタは、NチャンネルFETである。
【0038】請求項13のプッシュプル型増幅回路で
は、請求項10又は11において例えば図4に示す如
く、上記制御入力端間電位差回路(16B)のトランジ
スタは、PチャンネルFETであり、該制御入力端間電
位差回路はこのPチャンネルFETに直列接続された抵
抗をさらに有する。
【0039】請求項14のプッシュプル型増幅回路で
は、請求項において例えば図6に示す如く、上記基準
回路(40A)は、所定電位がゲートに供給されるNチ
ャンネルFETであり、上記第3トランジスタ(31
A)はNチャンネルFETであり、上記第4〜7トラン
ジスタ(33A、32A、34A及び35A)はいずれ
もPチャンネルFETである。
【0040】請求項15のプッシュプル型増幅回路で
は、請求項において例えば図7に示す如く、上記基準
回路(40A)は、所定電位がゲートに供給されるNチ
ャンネルFETであり、上記第3トランジスタ(31
B)はNチャンネルFETであり、上記第4〜8トラン
ジスタ(31C、37A、39A、38A及び36A)
はいずれもPチャンネルFETである。
【0041】請求項16のプッシュプル型増幅回路で
は、請求項14又は15において例えば図6又は図7に
示す如く、上記制御入力端間電位差回路(16)のトラ
ンジスタは、PチャンネルFETである。
【0042】請求項17のプッシュプル型増幅回路で
は、請求項14又は15において例えば図に示す如
く、上記制御入力端間電位差回路(16C)のトランジ
スタは、NチャンネルFETであり、該制御入力端間電
位差回路はこのNチャンネルFETに直列接続された抵
抗をさらに有する。
【0043】請求項18のプッシュプル型増幅回路で
は、請求項1乃至7のいずれかにおいて例えば図5に示
す如く、上記第1電源電位は上記第2電源電位より低
く、上記出力回路は、該第1電源電位の導体に上記第1
トランジスタとしてのNチャンネルFET(10)の一
端が接続され、該第2電源電位の導体に上記第2トラン
ジスタとしてのPチャンネルFET(11)の一端が接
続されている。
【0044】請求項19のプッシュプル型増幅回路で
は、請求項1又は9において例えば図5に示す如く、上
記入力回路(17A)の上記定電流源(12A)のトラ
ンジスタはNチャンネルFETであり、上記入力トラン
ジスタ(15A)はPチャンネルFETである。
【0045】
【発明の実施の形態】以下、図面に基づいて本発明の実
施形態を説明する。
【0046】[第1実施形態]図1は、本発明の第1実
施形態のAB級プッシュプル型増幅回路を示す。この回
路は例えば、集積回路内に備えられ、携帯電話などの移
動電子機器に用いられる。以下において、FETはMO
SFET又は接合型FET等である。
【0047】この回路の出力段は、図11と同様に、N
チャンネルFET10が電源電位VSS側でありPチャ
ンネルFET11が電源電位VDD側(VDD>VS
S)である。入力回路17は、図9のそれと同一であ
る。
【0048】定電流源12とNチャンネルFET15と
の間に接続されたゲート間電位差回路16Aは、これに
ほぼ一定の電流が流れるとき、その出力端OPとONと
の間の電圧がほぼ一定であり、かつ、ゲート間電位差調
整回路20により微調整可能となっている。出力端OP
はPチャンネルFET11のゲートに接続され、出力端
ONはNチャンネルFET10のゲートに接続されてい
る。
【0049】例えば、電源電位VDD及びVSSはそれ
ぞれ3.0V及び0Vであり、NチャンネルFET15
に流れる電流は、入力電圧VI(バイアス電圧が信号成
分に加算された電圧)の交流成分振幅が0のとき1m
A、入力電圧VIが最大値のとき1.5mA、入力電圧
VIが最小値のとき0.5mAである。
【0050】入力電圧VIがある値より上昇すると、定
電流源12のドレイン電流IDが増加しようとし、定電
流源12のドレイン・ソース間電圧VDが上昇する(図
10(A)参照)。これにより、ゲート電位VG1及び
VG2が低下して、電流I1が増加し、電流I2が減少
する。このとき、PチャンネルFET11の内部抵抗が
減少しNチャンネルFET10の内部抵抗が増加して出
力電圧VOが上昇する。
【0051】逆に、入力電圧VIがある値より低下する
と、定電流源12のドレイン電流IDが減少しようと
し、定電流源12のドレイン・ソース間電圧VDが減少
する。これにより、ゲート電位VG1及びVG2が上昇
して、電流I1が減少し、電流I2が増加する。このと
き、PチャンネルFET11の内部抵抗が増加しNチャ
ンネルFET10の内部抵抗が減少して出力電圧VOが
低下する
【0053】 次に、出力電圧VOの上昇限度を考える。
この場合、ゲート電位VG1及びVG2が最低になって
いる。一方では、NチャンネルFET10がカットオフ
状態に近づくため、電流I2はほとんど無視できる値に
なり、他方では、電流I1が最大となる。出力電圧VO
の上昇限度は、ゲート電位VG1で制限されない。ただ
し、電流I1が流れるためにはPチャンネルFET11
のソース・ドレイン間にある最低限の電圧が必要であ
る。この電圧は、定電流源12がその機能を果たすため
のドレイン・ソース間電圧VDの最小値0.1V程度と
ほぼ等しい。
【0054】したがって、図9の回路よりも、基板バイ
アス効果に因って定常状態の敷居値電圧例えば0.5
より上昇した敷居値電圧VthN、例えば0.8V
だけ、出力電圧の上限が上がる。出力電圧VOの下限に
ついても同様に、例えば0.8Vだけ下がる。また、
(VG1−VG2)の最低必要電圧は0.1V程度であ
るので、VG1は(VSS+0.1)V付近まで下げる
ことができ、これにより、電流I1はPチャンネルFE
T11の特性の限界値まで大きくとることができる。
【0055】ゲート電位VG3の制御により、ゲート間
電位差回路16Aの出力端OPとON間の電圧、すなわ
ちゲート間電圧(VG1−VG2)はほぼ一定になる。
これにより、ゲート間電位差調整回路20のゲート間電
位差回路16Aに対する調整動作が、電源電位VDDの
上昇に殆ど影響されない。
【0056】次に、ゲート間電位差調整回路20につい
て説明する。
【0057】ゲート間電位差調整回路20は、貫通電流
検出・比較回路30と、回路30に基準値を供給する基
準回路40とからなる。回路30の入力端IP及びIN
はそれぞれ、PチャンネルFET11及びNチャンネル
FET10のゲートに接続されている。貫通電流検出・
比較回路30の出力は、ゲート間電位差回路16Aの制
御入力端に供給される。
【0058】回路30は、トランジスタ11と10に流
れる電流I1とI2との小さい方の値Min(I1,I
2)である貫通電流に比例した電流Min(I1/μ,
I2/μ)を検出し、これを基準回路40の出力電流I
Sと比較する。μは回路設計において決定される定数で
ある。回路30は、検出した貫通電流が基準値になるよ
うにゲート間電位差回路16Aを制御して、出力端OP
とONとの間の電位差VPNを微調整する。
【0059】より具体的には、Min(I1/μ,I2
/μ)>ISであれば、電位差VPNが増大して、ゲー
ト電位VG1が上昇しゲート電位VG2が低下する。こ
れにより、電流I1及びI2が減少して、Min(I1
/μ,I2/μ)が基準電流ISに近づこうとする。逆
に、Min(I1/μ,I2/μ)<ISであれば、電
位差VPNが減少して、ゲート電位VG1が低下しゲー
ト電位VG2が上昇する。これにより、電流I1及びI
2が増加して、貫通電流Min(I1,I2)がμ・I
Sに近づこうとする。従って、貫通電流Min(I1,
I2)がほぼμ・ISになる。
【0060】次に、ゲート間電位差回路16A及びゲー
ト間電位差調整回路20の構成例を、図2を参照して説
明する。
【0061】ゲート間電位差回路16Aは、能動負荷素
子としてのNチャンネルFETである。
【0062】貫通電流検出・比較回路30では、電源電
位VDDの導体と電源電位VSSの導体との間にPチャ
ンネルFET31とNチャンネルFET32及び33と
が直列接続されている。PチャンネルFET31及びN
チャンネルFET33のゲートはそれぞれ図1のPチャ
ンネルFET11及びNチャンネルFET10のゲート
に接続されており、トランジスタ31と11とでカレン
トミラー回路が構成され、トランジスタ33と10とで
カレントミラー回路が構成されている。トランジスタ3
1及び33の上記比W/Lはそれぞれトランジスタ11
及び10のそれの1/μであり、PチャンネルFET3
1に電流I1/μが流れようとし、NチャンネルFET
33に電流I2/μが流れようとする。トランジスタ3
1、32及び33が直列接続されているので、結果とし
て、この列のトランジスタには両者の小さい方の電流M
in(I1/μ,I2/μ)、すなわち貫通電流Min
(I1,I2)に比例した電流が流れる。
【0063】電源電位VDDとVSSとの間にはさら
に、基準回路40と、貫通電流検出・比較回路30のN
チャンネルFET34及び35とが直列に接続されてい
る。NチャンネルFET32は、電流Min(I1/
μ,I2/μ)をNチャンネルFET34に流させるた
めのものであって、NチャンネルFET32のゲート・
ドレイン間が接続され、このゲートがNチャンネルFE
T34のゲートに接続されている。NチャンネルFET
32と34とが完全なカレントミラー回路を構成するた
めには、NチャンネルFET32と34のソース電位が
互いに等しくなければならない。NチャンネルFET3
5は、この条件をほぼ満たすようにするためにNチャン
ネルFET33と対応して備えられたものであり、Nチ
ャンネルFET35のゲートが図のNチャンネルFE
T10のゲートに接続されて、トランジスタ35と10
とでカレントミラー回路が構成されている。Nチャンネ
ルFET34には電流Min(I1/μ,I2/μ)が
流れようとし、NチャンネルFET35には電流I2/
μが流れようとするので、NチャンネルFET34と3
5にはやはり両者の少ない方の電流Min(I1/μ,
I2/μ)が流れようとする。
【0064】基準回路40は定電流源であり、図1の定
電流源12と同様に構成され、基準電流ISを流そうと
する。
【0065】定電流源40とNチャンネルFET34と
の間のノードに、NチャンネルFET16Aのゲートが
接続されており、その電位VG3は次のように変化す
る。
【0066】IS<Min(I1/μ,I2/μ)であ
れば、基準電流ISが増加しようとして定電流源40の
ドレイン・ソース間電圧が上昇するので(図10(A)
参照)、ゲート電位VG3が低下してNチャンネルFE
T16Aの内部抵抗が増加する。これにより、図1のゲ
ート電位VG1が上昇しゲート電位VG2が下降して、
貫通電流Min(I1,I2)が減少し、Min(I1
/μ,I2/μ)が基準電流ISに近づこうとする。
【0067】逆に、IS>Min(I1/μ,I2/
μ)であれば、基準電流ISが減少しようとして定電流
源40のドレイン・ソース間電圧が低下するので、ゲー
ト電位VG3が上昇してNチャンネルFET16Aの内
部抵抗が減少する。これにより、図1のゲート電位VG
1が低下しゲート電位VG2が上昇して、貫通電流Mi
n(I1,I2)が増加し、Min(I1/μ,I2/
μ)が基準電流ISに近づこうとする。
【0068】このようにして、貫通電流Min(I1,
I2)がμ・ISになるように制御される。
【0069】この貫通電流(バイアス電流)は、消費電
力節約のために、プッシュプル型増幅回路の動作を満足
させる最低の値であることが好ましく、この値が設計
値にされる。
【0070】[第2実施形態]図3は、図1のプッシュ
プル型増幅回路に用いられる本発明の第2実施形態のゲ
ート間電位差回路16A及びゲート間電位差調整回路2
0Aを示す。
【0071】貫通電流検出・比較回路30Aでは、電源
電位VDDとVSSとの間にPチャンネルFET31と
NチャンネルFET31Aとが直列接続され、Pチャン
ネルFET31に流れる電流をNチャンネルFET31
Aに流している。PチャンネルFET31のゲートは図
1のPチャンネルFET11に接続されており、Pチャ
ンネルFET31とPチャンネルFET11とでカレン
トミラー回路が構成され、PチャンネルFET31に電
流I1/μが流れる。
【0072】電源電位VDDとVSSとの間にはさら
に、定電流源40と、回路30AのNチャンネルFET
36と37とが直列接続され、定電流源40と、回路3
0AのNチャンネルFET38と39とが直列接続され
ている。トランジスタ31Aと37のゲート間が接続さ
れ、トランジスタ31Aのゲート・ドレイン間が接続さ
れて、NチャンネルFET31Aと37とがカレントミ
ラー回路を構成している。今、トランジスタ31Aと3
7のカレントミラー伝達比率を1とすると、これによ
り、トランジスタ37には電流I1/μが流れようとす
る。NチャンネルFET39のゲートは図1のNチャン
ネルFET10のゲートに接続され、NチャンネルFE
T10と39とがカレントミラー回路を構成している。
これにより、NチャンネルFET39には電流I2/μ
が流れようとする。
【0073】さらに、トランジスタ31Aと38のゲー
ト間が接続されて、トランジスタ38と31Aとで不完
全なカレントミラー回路が構成され、NチャンネルFE
T36と図1のNチャンネルFET10とのゲート間が
接続されてトランジスタ10と36とからなる不完全な
カレントミラー回路が構成されている。これにより、ト
ランジスタ38及び36にはそれぞれほぼI1/μ及び
I2/μの電流が流れようとする。トランジスタ36と
37とが直列接続されているので、トランジスタ36と
37にはほぼMin(I1/μ,I2/μ)が流れよう
とする。同様に、トランジスタ38と39とが直列接続
されているので、トランジスタ38と39にはほぼMi
n(I1/μ,I2/μ)が流れようとする。したがっ
て、定電流源40と電源電位VSSの導体との間には、
図2の場合と同様に、貫通電流に比例した電流2・Mi
n(I1/μ,I2/μ)が流れようとする。
【0074】NチャンネルFET36〜39のクロス接
続及びその動作は、上記公報に記載されているものと同
じである。
【0075】図2ではNチャンネルFET32のソース
電位とNチャンネルFET34のソース電位とが完全に
は同一にならないので、不完全なカレントミラー回路で
あるが、図3ではこの不完全さが、誤差が少なくなる方
向に平均化されるので、図2の場合よりも正確に貫通電
がμ・ISになるように制御される。
【0076】[第3実施形態]図4は、図1のプッシュ
プル型増幅回路に用いられる本発明の第3実施形態のゲ
ート間電位差回路16B及びゲート間電位差調整回路2
0Aを示す。
【0077】ゲート間電位差回路16Bは、Pチャンネ
ルFET161のソース及びドレインにそれぞれ、抵抗
162及び163が接続され、PチャンネルFET16
1のゲート電位VG3がゲート間電位差調整回路20A
により制御される。抵抗162及び163の抵抗値をそ
れぞれR1及びR2とすると、図1のドレイン電流ID
がPチャンネルFET161に流れているとき、(Pチ
ャンネルFET161の内部抵抗値)<<(R1+R
2)となるように設計される。
【0078】PチャンネルFET161のゲート電位V
G3が低下してトランジスタ161の内部抵抗が減少す
ると、ドレイン電流IDが僅かな量ΔIDだけ増加し、
PチャンネルFET161のドレイン・ソース間電圧低
下量よりもΔID・(R1+R2)の方が大きくなるよ
うに設計パラメータが決定されている。これにより、ゲ
ート電位VG3が低下すると図1のゲート電位VG1が
上昇しゲート電位VG2が下降して、貫通電流Min
(I1,I2)が減少する。ゲート電位VG3が上昇し
た場合には、前記と逆の動作になる。
【0079】このようにして、貫通電流Min(I1,
I2)がμ・ISになるように制御される。
【0080】[第4実施形態]図5は、本発明の第4実
施形態のAB級プッシュプル型増幅回路を示す。
【0081】この回路は、入力回路17Aについて、図
1の定電流源12とFET15とを入れ替え、定電流源
12とFET15について、PチャンネルFETとNチ
ャンネルFETとを入れ替えた構成になっている。
【0082】入力電圧VIの交流信号成分と出力電圧V
Oの交流信号成分との関係は、図1の場合と位相が変わ
らない
【0083】ゲート間電位差調整回路20は図2の回路
20に限定されず、図3の回路20A又は後述する図6
の回路20Bであってもよい。
【0084】[第5実施形態]図6は、図1中のゲート
間電位差回路及びゲート間電位差調整回路の他の構成例
を第5実施形態として示す。
【0085】この回路は、図2のFETの全てについ
て、PチャンネルFETとNチャンネルFETとを入れ
替え、かつ、VDDとVSSとを入れ替えた構成になっ
ている。入れ替え後のFETにはそれぞれ類似の符号1
6、31A〜35A及び40Aを付している。
【0086】Min(I1/μ,I2/μ)>ISであ
れば、電位VG3が上昇し、PチャンネルFET16
内部抵抗が増加してゲート電位VG1が上昇しかつゲー
ト電位VG2が下降する。これにより、電流I1及びI
2が減少して、貫通電流Min(I1,I2)がμ・I
Sに近づこうとする。逆に、Min(I1/μ,I2/
μ)<ISであれば、電位VG3が低下して、ゲート電
位VG1が下降しゲート電位VG2が上昇する。これに
より、電流I1及びI2が増加して、貫通電流Min
(I1,I2)がμ・ISに近づこうとする。従って、
貫通電流Min(I1,I2)がほぼμ・ISになる。
【0087】[第6実施形態]図7は、図1中のゲート
間電位差回路及びゲート間電位差調整回路のさらに他の
構成例を第6実施形態として示す。
【0088】この回路は、図3のFETの全てについ
て、PチャンネルFETとNチャンネルFETとを入れ
替え、かつ、VDDとVSSとを入れ替えた構成になっ
ている。入れ替え後のFETにはそれぞれ類似の符号を
付している。
【0089】この回路の動作は、図3及び図6について
の上記説明から容易に理解できるので、その説明を省略
する。
【0090】[第7実施形態]図8は、図1中のゲート
間電位差回路及びゲート間電位差調整回路のさらに他の
構成例を第7実施形態として示す。
【0091】ゲート間電位差回路16Cは、Nチャンネ
ルFET161Aのソース及びドレインにそれぞれ、抵
抗163及び162が接続され、NチャンネルFET1
61Aのゲート電位VG3が図と同一のゲート間電位
差調整回路20Cにより制御される。
【0092】この回路の動作は、図4についての上記説
明から容易に理解できるので、その説明を省略する。
【0093】なお、本発明には外にも種々の変形例が含
まれる。
【0094】例えばトランジスタは、FETに限定され
ず、バイポーラトランジスタであってもよい。バイポー
ラトランジスタの場合には、各図において、Nチャンネ
ルFET及びPチャンネルFETをそれぞれNPNトラ
ンジスタ及びPNPトランジスタで置き換えた構成とな
る。
【0095】また、ゲート間電位差回路は、ダイオード
のようなレベルシフト回路を被制御用トランジスタと直
列接続した構成であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態のプッシュプル型増幅回
路を示す図である。
【図2】図1中のゲート間電位差回路及びゲート間電位
差調整回路の構成例を示す図である。
【図3】本発明の第2実施形態のゲート間電位差回路及
びゲート間電位差調整回路を示す図である。
【図4】本発明の第3実施形態のゲート間電位差回路及
びゲート間電位差調整回路を示す図である
【図5】本発明の第4実施形態のプッシュプル型増幅回
路を示す図である。
【図6】図1中のゲート間電位差回路及びゲート間電位
差調整回路の他の構成例を第5実施形態として示す図で
ある。
【図7】図1中のゲート間電位差回路及びゲート間電位
差調整回路のさらに他の構成例を第6実施形態として示
す図である。
【図8】図1中のゲート間電位差回路及びゲート間電位
差調整回路のさらに他の構成例を第7実施形態として示
す図である。
【図9】従来のプッシュプル型増幅回路を示すブロック
図である。
【図10】(A)は定電流源のドレイン・ソース間電圧
に対するドレイン電流を示す図であり、(B)は図9の
入力電圧に対する出力電流を示す線図である。
【図11】従来の他のプッシュプル型増幅回路の出力段
を示すブロック図である。
【符号の説明】 10、13、15、31A、32〜39、 Nチャンネ
ルFET 11、14、31、161、31C、32A、34A
PチャンネルFET 12、12A、40、40A 定電流源 16、16A〜16C ゲート間電位差回路 162、163 抵抗 17、17A 入力回 18 負荷 20、20A〜20C ゲート間電位差調整回路 30、30A〜30C 貫通電流検出・比較回路40、40A 基準回路 IS 基準電流 IP、IN 入力端 OP、ON 出力端
【手続補正2】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図1
【補正方法】変更
【補正内容】
【図1】
【手続補正3】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図5
【補正方法】変更
【補正内容】
【図5】
【手続補正4】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図9
【補正方法】変更
【補正内容】
【図9】
【手続補正5】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図10
【補正方法】変更
【補正内容】
【図10】
【手続補正6】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図11
【補正方法】変更
【補正内容】
【図11】

Claims (19)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1電源電位の導体と第2電源電位の導
    体との間に第1トランジスタ(11)と、p型とn型が
    該第1トランジスタと逆の第2トランジスタ(10)と
    が直列接続された出力回路と、 該第1トランジスタの制御入力端と該第2トランジスタ
    の制御入力端とに第1端(OP)及び第2端(ON)が
    接続され、制御信号(VG3)に応じて該第1端と該第
    2端との間の電位差が調整される制御入力端間電位差回
    路(16A)と、 該制御入力端間電位差回路の該第1端と該第2端との電
    位差を略所定値保った状態で、入力信号に応じて該第1
    端と該第2端との電位を変化させる入力回路(17)
    と、 を有することを特徴とするプッシュプル型電力増幅回
    路。
  2. 【請求項2】 基準値(IS)を出力する基準回路(4
    0)と、 該第1トランジスタ(11)と該第2トランジスタ(1
    0)とを貫通する貫通電流に比例した電流を検出し、検
    出した電流が該基準値になるように該制御入力端間電位
    差回路(16A)に対する該制御信号(VG3)を生成
    するための貫通電流検出・比較回路(30)と、 をさらに有することを特徴とする請求項1記載のプッシ
    ュプル型電力増幅回路。
  3. 【請求項3】 上記入力回路(17)は、 上記制御入力端間電位差回路(16A)の上記第1端
    (OP)と上記第1電源電位の導体との間に接続され、
    所定電位が制御入力端に供給されるトランジスタを備え
    た定電流源(12)と、 該制御入力端間電位差回路(16A)の上記第2端(O
    N)と上記第2電源電位の導体との間に接続され、制御
    入力端に入力信号(VI)が供給されるトランジスタ
    (15)と、 を有することを特徴とする請求項1記載のプッシュプル
    型電力増幅回路。
  4. 【請求項4】 上記制御入力端間電位差回路(16A)
    は、上記第1端と上記第2端との間に接続され制御入力
    端に上記制御信号(VG3)が供給されるトランジスタ
    を有することを特徴とする請求項2記載のプッシュプル
    型電力増幅回路。
  5. 【請求項5】 上記基準回路(40)は、所定電位が制
    御入力端に供給されるトランジスタであり、 上記貫通電流検出・比較回路(30)は、 上記出力回路の上記第1トランジスタ(11)とカレン
    トミラー回路を構成するように接続された第3トランジ
    スタ(31)と、 該出力回路の上記第2トランジスタ(10)とカレント
    ミラー回路を構成するように接続された第4トランジス
    タ(33)と、 該第3トランジスタと該第4トランジスタとの間に接続
    された第5トランジスタ(32)と、 該第5トランジスタとカレントミラー回路を構成するよ
    うに接続され、該基準回路の該トランジスタと直列接続
    された第6トランジスタ(34)と、 を有することを特徴とする請求項2乃至4のいずれか1
    つに記載のプッシュプル型電力増幅回路。
  6. 【請求項6】 上記貫通電流検出・比較回路(30)は
    さらに、上記第6トランジスタ(34)と直列接続さ
    れ、上記出力回路の上記第2トランジスタ(10)とカ
    レントミラー回路を構成するように接続された第7トラ
    ンジスタ(35)を有することを特徴とする請求項5記
    載のプッシュプル型電力増幅回路。
  7. 【請求項7】 上記基準回路(40)は、所定電位が制
    御入力端に供給されるトランジスタであり、 上記貫通電流検出・比較回路(30A)は、 上記出力回路の上記第1トランジスタ(11)とカレン
    トミラー回路を構成するように接続された第3トランジ
    スタ(31)と、 該第3トランジスタ(31)と直列接続された第4トラ
    ンジスタ(31A)と、 該第4トランジスタ(31A)とカレントミラー回路を
    構成するように接続された第5トランジスタ(37)
    と、 該出力回路の上記第2トランジスタ(10)とカレント
    ミラー回路を構成するように接続された第6トランジス
    タ(39)と、 該第6トランジスタ(39)と該基準回路(40)の該
    トランジスタとの間に接続され、該第4トランジスタ
    (31A)とカレントミラー回路を構成するように接続
    された第7トランジスタ(38)と、 該第5トランジスタと該基準回路(40)の該トランジ
    スタとの間に接続され、該第2トランジスタ(10)と
    カレントミラー回路を構成するように接続された第8ト
    ランジスタ(36)と、 を有することを特徴とする請求項2乃至4のいずれか1
    つに記載のプッシュプル型電力増幅回路。
  8. 【請求項8】 上記第1電源電位は上記第2電源電位よ
    り高く、 上記出力回路は、該第1電源電位の導体に上記第1トラ
    ンジスタとしてのPチャンネルFETの一端が接続さ
    れ、該第2電源電位の導体に上記第2トランジスタとし
    てのNチャンネルFETの一端が接続されていることを
    特徴とする請求項1乃至7のいずれか1つに記載のプッ
    シュプル型電力増幅回路。
  9. 【請求項9】 上記入力回路(17)の上記定電流源
    (12)のトランジスタはPチャンネルFETであり、 上記制御入力端間電位差回路(16A)の上記第2端
    (ON)と上記第2電源電位の導体との間に接続された
    トランジスタ(15)はNチャンネルFETである、 ことを特徴とする請求項8記載のプッシュプル型電力増
    幅回路。
  10. 【請求項10】 上記基準回路(40)は、所定電位が
    ゲートに供給されるPチャンネルFETであり、 上記貫通電流検出・比較回路(30)の上記第3トラン
    ジスタ(31)はPチャンネルFETであり、該貫通電
    流検出・比較回路(30)の上記第4〜7トランジスタ
    (33、32、34及び35)はいずれもNチャンネル
    FETである、ことを特徴とする請求項8又は9記載の
    プッシュプル型電力増幅回路。
  11. 【請求項11】 上記基準回路(40)は、所定電位が
    ゲートに供給されるPチャンネルFETであり、 上記貫通電流検出・比較回路(30A)の上記第3トラ
    ンジスタ(31)はPチャンネルFETであり、該貫通
    電流検出・比較回路(30A)の上記第4〜8トランジ
    スタ(31A、37、39、38及び36)はいずれも
    NチャンネルFETである、 ことを特徴とする請求項8又は9記載のプッシュプル型
    電力増幅回路。
  12. 【請求項12】 上記制御入力端間電位差回路(16
    A)のトランジスタは、NチャンネルFETであること
    を特徴とする請求項10又は11記載のプッシュプル型
    電力増幅回路。
  13. 【請求項13】 上記制御入力端間電位差回路(16
    A)のトランジスタは、PチャンネルFETであり、該
    制御入力端間電位差回路は該PチャンネルFETに直列
    接続された抵抗をさらに有することを特徴とする請求項
    10又は11記載のプッシュプル型電力増幅回路。
  14. 【請求項14】 上記基準回路(40A)は、所定電位
    がゲートに供給されるNチャンネルFETであり、 上記貫通電流検出・比較回路(30B)の上記第3トラ
    ンジスタ(31A)はNチャンネルFETであり、該貫
    通電流検出・比較回路(30B)の上記第4〜7トラン
    ジスタ(33A、32A、34A及び35A)はいずれ
    もPチャンネルFETである、 ことを特徴とする請求項8又は9記載のプッシュプル型
    電力増幅回路。
  15. 【請求項15】 上記基準回路(40A)は、所定電位
    がゲートに供給されるNチャンネルFETであり、 上記貫通電流検出・比較回路(30C)の上記第3トラ
    ンジスタ(31B)はNチャンネルFETであり、該貫
    通電流検出・比較回路(30C)の上記第4〜8トラン
    ジスタ(31C、37A、39A、38A及び36A)
    はいずれもPチャンネルFETである、 ことを特徴とする請求項8又は9記載のプッシュプル型
    電力増幅回路。
  16. 【請求項16】 上記制御入力端間電位差回路(16)
    のトランジスタは、PチャンネルFETであることを特
    徴とする請求項14又は15記載のプッシュプル型電力
    増幅回路。
  17. 【請求項17】 上記制御入力端間電位差回路(16
    C)のトランジスタは、NチャンネルFETであり、該
    制御入力端間電位差回路は該NチャンネルFETに直列
    接続された抵抗をさらに有することを特徴とする請求項
    14又は15記載のプッシュプル型電力増幅回路。
  18. 【請求項18】 上記第1電源電位は上記第2電源電位
    より低く、 上記出力回路は、該第1電源電位の導体に上記第1トラ
    ンジスタとしてのNチャンネルFET(10)の一端が
    接続され、該第2電源電位の導体に上記第2トランジス
    タとしてのPチャンネルFET(11)の一端が接続さ
    れていることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1
    つに記載のプッシュプル型電力増幅回路。
  19. 【請求項19】 上記入力回路(17A)の上記定電流
    源(12A)のトランジスタはNチャンネルFETであ
    り、 上記制御入力端間電位差回路(16A)の上記第2端
    (OP)と上記第2電源電位の導体との間に接続された
    トランジスタ(15A)はPチャンネルFETである、 ことを特徴とする請求項18記載のプッシュプル型電力
    増幅回路。
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