JP2004222015A - 増幅回路 - Google Patents
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Abstract
【課題】回路構成が簡素でプッシュプル出力可能であって低消費電力を実現する。
【解決手段】2入力の差動増幅器1の出力と第1のバイアス電圧Vbias4とを入力した第1のトランスコンダクタンス増幅器2があり、この第1のトランスコンダクタンス増幅器2の出力を一方の入力に第2のバイアス電圧Vbias3を接続した第2のトランスコンダクタンス増幅器3の他方の入力と出力と第1の出力トランジスタMpのゲートとに接続し、第1の出力トランジスタMpと極性が反対である第2の出力トランジスタMnのゲートに差動増幅器1の出力を接続し、第1および第2の出力トランジスタMp,Mnのドレイン同士を接続してプッシュプル出力とする。これにより、無信号の静動作時にはプッシュプル出力段のバイアス電流を低く抑え、重負荷時においては大きな電流が流すことができ、増幅回路の低消費電力化が可能となる。
【選択図】 図1
【解決手段】2入力の差動増幅器1の出力と第1のバイアス電圧Vbias4とを入力した第1のトランスコンダクタンス増幅器2があり、この第1のトランスコンダクタンス増幅器2の出力を一方の入力に第2のバイアス電圧Vbias3を接続した第2のトランスコンダクタンス増幅器3の他方の入力と出力と第1の出力トランジスタMpのゲートとに接続し、第1の出力トランジスタMpと極性が反対である第2の出力トランジスタMnのゲートに差動増幅器1の出力を接続し、第1および第2の出力トランジスタMp,Mnのドレイン同士を接続してプッシュプル出力とする。これにより、無信号の静動作時にはプッシュプル出力段のバイアス電流を低く抑え、重負荷時においては大きな電流が流すことができ、増幅回路の低消費電力化が可能となる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は増幅回路に関し、特に半導体集積回路に適用され、信号増幅やインピーダンス変換などの用途に使われる、プッシュプル出力を具備した低消費電力化可能な増幅回路に関する。
【0002】
【従来の技術】
プッシュプル出力を有する増幅回路の従来例として、特許文献1にあるような事例がある。
【0003】
特許文献1の図1によれば、演算増幅器などの出力に適用される増幅器の構成を示している。以下の説明で括弧内の符号は文献中の記載の符号を示す。この増幅器では、相補型の構成であるPMOSトランジスタ(QPf)とNMOSトランジスタ(Qnf)がAB級またはB級出力段の最終コンポーネントとしてプッシュプル型に接続され、その接続点がその段の出力端子(OUT)を構成している。2つの相互コンダクタンス増幅回路(Tp,Tn)は、それぞれの出力端子をPMOSトランジスタ(QPf)およびNMOSトランジスタ(Qnf)のゲート端子にそれぞれ接続し、それぞれの反転入力端子は互いに接続されて、この増幅器の入力(IN)を形成し、さらにそれぞれの非反転入力端子は、それぞれフィードバックシステム(Fp,Fn)を介して出力端子OUTに接続されている。
【0004】
この事例において、確実なプッシュプル出力動作を行える利点がある反面、出力からフィードバックシステムと相互コンダクタンス増幅器を介して出力段のMOSトランジスタのゲートにフィードバックを掛けていることにより、演算増幅器に適用したときに安定性の確保ができなくなることや周波数特性が劣化することなどの特性がある。
【0005】
他の事例として特許文献2がある。
この特許文献2の図1に記載の差動増幅器は、差動入力段(38)と、出力段(40)と、同相帰還安定化回路(42)とを具備している。差動入力段(38)は、その増幅素子を構成する2個のトランジスタ(Q1,Q2)に負荷としてトランジスタ(Q3,Q4)をそれぞれ接続して構成されている。出力段(40)は、差動入力段(38)の一方のトランジスタ(Q1)の出力を入力するトランジスタ(Q10)、このトランジスタ(Q10)に負荷として接続したトランジスタ(Q11)、このトランジスタ(Q11)とカレントミラー回路を構成するトランジスタ(Q12)、差動入力段の他方のトランジスタ(Q2)の出力を入力するトランジスタ(Q13)で構成され、トランジスタ(Q12)とトランジスタ(Q13)とがプッシュプル出力回路を構成し、その接続点から出力を取り出すようになっている。また、同相帰還安定化回路(42)は、差動入力段の一方のトランジスタ(Q1)の出力を入力するトランジスタ(Q8)、差動入力段の他方のトランジスタ(Q2)の出力を入力するトランジスタ(Q9)、これらトランジスタ(Q8,Q9)に共通の負荷として接続されてカレントミラー回路を構成するトランジスタ(Q6,Q7)、トランジスタ(Q6)に負荷として接続されると共に差動入力段の負荷を構成するトランジスタ(Q3,Q4)とそれぞれカレントミラー回路を構成するトランジスタQ5で構成されている(特許文献2、図1参照)。
【0006】
この事例では、出力段のプッシュプル出力回路の安定性は確保できるが、この出力段を構成する一方のトランジスタ(Q12)がトランジスタ(Q11)とカレントミラー回路を構成しているため、出力電流がトランジスタ(Q11)のバイアス電流により制限されるという特性を有している。
【0007】
演算増幅器の信号出力を第1の電源と第2の電源との間の全電圧範囲にわたって使用し、また、軽負荷に対応できるよう出力電流を大きくする必要がある場合には、演算増幅器の出力段の構成はPMOSトランジスタとNMOSトランジスタのような相補的な構造のトランジスタを用い、ドレイン(バイポーラではコレクタ)出力でかつAB級動作やB級動作としたプッシュプル出力にすることにより、静動作時の演算増幅器の消費電流を減らすことができ、低消費電力化が可能になる。
【0008】
【特許文献1】
特許第2688477号公報(段落番号〔0004〕〜〔0011〕,図1)
【特許文献2】
特開平8−222972号公報(段落番号〔0010〕〜〔0015〕,図1)
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、プッシュプル出力にした場合に、出力電圧が電源変動や温度変動などの影響を受けない安定した演算増幅器にするには、出力段に用いるPMOSトランジスタやNMOSトランジスタのゲート(バイポーラトランジスタではベース)のバイアス制御手段が難しく、演算増幅器における出力段の回路構成が複雑になり消費電流が増えてしまうことがあるという問題点があった。
【0010】
本発明はこのような点に鑑みてなされたものであり、回路構成が簡素でプッシュプル出力可能であって低消費電力を実現することができる増幅回路を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明では上記問題を解決するために、反転と非反転の差信号を増幅する差動増幅器を有する増幅回路において、前記差動増幅器の出力と第1のバイアス電圧とを入力して前記差動増幅器の出力と前記第1のバイアス電圧との差信号を電流信号に変換して出力をする第1のトランスコンダクタンス増幅器と、出力が前記第1のトランスコンダクタンス増幅器の出力に接続されて出力同士で生じる電圧と第2のバイアス電圧とを入力して差信号を電流信号に変換して出力する第2のトランスコンダクタンス増幅器と、ゲートが前記第2のトランスコンダクタンス増幅器の出力に接続され、ソースが第1の電源に接続された第1の出力トランジスタと、前記第1の出力トランジスタと極性が反対であってゲートが前記差動増幅器の出力に接続され、ソースが第2の電源に接続され、ドレインが前記第1の出力トランジスタのドレインに接続されてプッシュプル出力を構成する第2の出力トランジスタと、前記差動増幅器の出力と前記第1および第2の出力トランジスタのドレイン同士の接続点との間に接続された位相補償素子と、を備えていることを特徴とする増幅回路が提供される。
【0012】
このような増幅回路によれば、簡単な回路構成、動作原理であるプッシュプル出力の増幅回路とすることができ、プッシュプル出力の構成にしたことにより、無信号の静動作時にはプッシュプル出力段のバイアス電流を低く抑え、重負荷時においては大きな電流が流すことができることになり、低消費電力化が可能となる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して詳細に説明する。
図1は本発明による増幅回路の基本的な構成を示す回路図である。
【0014】
本発明による増幅回路は、初段の増幅段に差動増幅器1を備え、2段目の増幅段として、第1のトランスコンダクタンス増幅器2と第2のトランスコンダクタンス増幅器3とを備え、出力段として、互いに反対極性を有してプッシュプル出力を構成し、そのプッシュプル出力をこの増幅回路の出力OUTとする第1の出力トランジスタMpおよび第2の出力トランジスタMnを備え、さらに、差動増幅器1の出力とこの増幅回路の出力OUTとの間に位相補償素子4を備えている。
【0015】
差動増幅器1は、反転入力IN−と非反転入力IN+と出力とを有し、反転入力IN−および非反転入力IN+に入力された信号の差信号を増幅して出力に出力する。
【0016】
第1のトランスコンダクタンス増幅器2は、差動増幅器1の出力と第1のバイアス電圧Vbias4とに接続された入力を有し、差動増幅器1の出力電圧と第1のバイアス電圧Vbias4との差信号を電流信号に変換して出力をする。第2のトランスコンダクタンス増幅器3は、この出力と第1のトランスコンダクタンス増幅器2の出力とが共に接続された入力と、第2のバイアス電圧Vbias3に接続された入力とを有し、第1のトランスコンダクタンス増幅器2の出力および第2のトランスコンダクタンス増幅器3の出力同士で生じる電圧と第2のバイアス電圧Vbias3との差信号を電流信号に変換して出力する。
【0017】
出力段の第1の出力トランジスタMpは、ゲートが第2のトランスコンダクタンス増幅器3の出力に、ソースが第1の電源VDDに、ドレインがこの増幅回路の出力OUTに接続される。第2の出力トランジスタMnは、ゲートが差動増幅器1の出力に、ソースが第2の電源VSSに、ドレインがこの増幅回路の出力OUTに接続される。第1の出力トランジスタMpおよび第2の出力トランジスタMnは、ドレイン同士が接続されてプッシュプル出力を構成している。
【0018】
次に、小信号モデルでの上記構成の増幅回路の作用について説明する。初段の差動増幅器1で反転入力信号と非反転入力信号との差信号が増幅される。差信号の増幅信号である差動増幅器1の出力信号は、第1のトランスコンダクタンス増幅器2の入力、および第2の出力トランジスタMnのゲートに受け渡される。
【0019】
第1のトランスコンダクタンス増幅器2では、差動増幅器1の出力信号と第1のバイアス電圧Vbias4との差信号をバイアス電流に重畳した電流信号に変換して出力する。差動増幅器1の出力信号電圧をva、第1のトランスコンダクタンス増幅器2のトランスコンダクタンスをgm2とすると、第1のトランスコンダクタンス増幅器2の電流出力信号i2は、次のような式になる。
【0020】
【数1】
i2=gm2×va・・・(1)
なお、第1のバイアス電圧Vbias4は、差動増幅器1の出力のバイアス電圧(動作点)と等しくした方が歪の少ない電流信号に変換できるので、ここではこれらは等しいものとしている。第1のトランスコンダクタンス増幅器2の出力は、第2のトランスコンダクタンス増幅器3の出力と接続し、また第1の出力トランジスタMpのゲートに接続されているので、第1のトランスコンダクタンス増幅器2の電流信号出力i2は、第1のトランスコンダクタンス増幅器2と第2のトランスコンダクタンス増幅器3との並列出力抵抗によって電圧信号に変換され、第1の出力トランジスタMpのゲート信号に受け渡しされる。第1および第2のトランスコンダクタンス増幅器2,3を合わせた全体回路における小信号モデルでの出力抵抗をro23とすると、第1の出力トランジスタMpのゲート信号電圧vgpは次のような式になる。
【0021】
【数2】
vgp=ro23×ia=gm2×ro23×va・・・(2)
これにより、第1の出力トランジスタMpのゲート信号は、第2の出力トランジスタMnのゲート信号と同位相になる。
【0022】
したがって、第1のトランスコンダクタンス増幅器2は、差動増幅器1の出力信号を第1の出力トランジスタMpのゲートへの入力信号として伝達する機能を有している。
【0023】
また、第2のトランスコンダクタンス増幅器3は、第2のバイアス電圧Vbias3と第2のトランスコンダクタンス増幅器3自体の出力とを入力しているため、差動増幅器1の入力が無信号である静動作時、すなわち、第2のトランスコンダクタンス増幅器3に接続されているインピーダンスが単純なもの、もしくは小信号モデルでは、第2のトランスコンダクタンス増幅器3の出力が第2のバイアス電圧Vbias3と仮想短絡状態とみなすことができるため、第2のトランスコンダクタンス増幅器3の出力電圧は、第2のバイアス電圧Vbias3と等しくなる。
【0024】
さらに第2のトランスコンダクタンス増幅器3の出力は、第1の出力トランジスタMpのゲートに接続されているので、第1の出力トランジスタMpのゲート電圧は第2のバイアス電圧Vbias3に直流的にバイアスされる。このため、第1の出力トランジスタMpのゲート・ソース電圧をVGSpとすると、次のことが成り立つ。
【0025】
【数3】
|VGSp|=Vbias3・・・(3)
したがって、第2のトランスコンダクタンス増幅器3は、第1の出力トランジスタMpのゲートを直流的なバイアス電圧Vbias3に保持する機能がある。
つまり、第1の出力トランジスタMpの動作点を、バイアス電圧Vbias3によって第2の出力トランジスタMnとは独立して設定できることになる。
【0026】
増幅回路が静動作している時の出力段である第1および第2の出力トランジスタMp,Mnのバイアス電流について考察する。第1の出力トランジスタMpのゲートは第2のバイアス電圧Vbias3でバイアスされており、このゲート電圧で決まるドレイン電流Ipを流そうとする。一方、第2の出力トランジスタMnのゲートは差動増幅器1の出力動作点電圧でバイアスされており、このゲート電圧で決まるドレイン電流Inを流そうとする。そして、第1および第2の出力トランジスタMp,Mnで流そうとする電流Ip,Inのうち小さい電流値が出力段のバイアス電流となる。なお、発生オフセット電圧を考慮すると第1および第2の出力トランジスタMp,Mnのそれぞれが流す電流はIp=Inとしたほうが望ましい。
【0027】
最後に、差動増幅器1の入力に信号が入力されて出力電圧が振れる大信号モデルの場合について考察する。差動増幅器1の出力電圧vaが第1の電源VDD寄りに変化するときは、第1および第2の出力トランジスタMp,Mnのゲート電圧は、静動作時バイアス電圧と比べて共に第1の電源VDD寄りに変化する。そうすると、第1の出力トランジスタMpのゲート・ソース間電圧は減り、流そうとするドレイン電流Ipは減少して、一方の第2の出力トランジスタMnのゲート・ソース間電圧は増え、流そうとするドレイン電流Inは増加する。出力に抵抗負荷があると、第2の出力トランジスタMnの方が流そうとするドレイン電流Inが多くなるので、増幅回路の出力は電流を引き込む動作をする。
【0028】
逆に、差動増幅器1の出力電圧vaが第2の電源VSS寄りに変化するときは、第1および第2の出力トランジスタMp,Mnのゲート電圧は静動作時バイアス電圧と比べて共に第2の電源VSS寄りに変化する。そうすると、第1の出力トランジスタMpのゲート・ソース間電圧は増え、流そうとするドレイン電流Ipは増加して、一方の第2の出力トランジスタMnのゲート・ソース間電圧は減り、流そうとするドレイン電流Inは減少する。出力に抵抗負荷があると、第1の出力トランジスタMpの方が流そうとするドレイン電流Ipが多くなるので増幅回路の出力は電流を吐き出す動作をする。以上により、増幅回路の出力段はプッシュプル出力動作をすることができる。
【0029】
図2は本発明による増幅回路をMOSトランジスタを用いて具体化した回路図である。なお、図2において、図1に示した構成要素と同じ要素については同じ符号を付してある。
【0030】
初段の差動増幅器1は、ゲートが反転入力IN−に接続されたPMOSトランジスタM4と、ゲートが非反転入力IN+に接続されたPMOSトランジスタM5とを有し、これらのバックゲートは互いに接続されて電源Vsub1に接続されている。PMOSトランジスタM4,M5のドレインは、それぞれNMOSトランジスタM6,M7のドレインに接続され、このうちの一方のNMOSトランジスタM6のゲートは、自身のドレインと他方のNMOSトランジスタM7のゲートに接続され、これらNMOSトランジスタM6,M7のソースは第2の電源VSSに接続されている。また、PMOSトランジスタM4,M5のソースは、互いに接続されると共に、PMOSトランジスタM3のドレインに接続され、そのソースは第1の電源VDDに接続されている。このPMOSトランジスタM3のゲートは、PMOSトランジスタM1のゲートとドレインとに接続され、そのソースは第1の電源VDDに接続され、ドレインにはバイアスBias1がかかっている。
【0031】
このように、この初段の差動増幅器1は、PMOSトランジスタM4,M5が反転および非反転の差動入力を構成し、PMOSトランジスタM3がPMOSトランジスタM1と共にカレントミラー回路を構成してこの差動入力に定電流Ibias1を流す定電流源となり、NMOSトランジスタM6,M7がその差動入力のカレントミラー負荷回路とする構成となっている。
【0032】
2段目の増幅段における第1のトランスコンダクタンス増幅器2は、ゲートにバイアス電圧Vbias4が印加されたNMOSトランジスタM11と、ゲートが差動増幅器1の出力であるPMOSトランジスタM5のドレインに接続され、ドレインが第1の電源VDDに接続されたNMOSトランジスタM12とを有し、これらのバックゲートは互いに接続されて電源Vsub3に接続されている。
NMOSトランジスタM11,M12のソースは、互いに接続されると共に、NMOSトランジスタM13のドレインに接続され、そのソースは第2の電源VSSに接続されている。NMOSトランジスタM13のゲートはNMOSトランジスタM2のゲートとドレインとに接続され、そのソースは第2の電源VSSに接続され、ドレインにはバイアスBias2がかかっている。
【0033】
したがって、この第1のトランスコンダクタンス増幅器2は、NMOSトランジスタM11,M12のゲートを入力とした部分であって、一方のNMOSトランジスタM11のゲートにバイアス電圧Vbias4を印加し、他方のNMOSトランジスタM12のゲートに差動増幅器1の出力を入力し、NMOSトランジスタM11のドレインを出力にする回路を構成している。NMOSトランジスタM13は、NMOSトランジスタM2と共にカレントミラー回路を構成してNMOSトランジスタM11,M12に定電流Ibias2を流す定電流源になっている。
【0034】
また、第2のトランスコンダクタンス増幅器3は、ゲートにバイアス電圧Vbias3が印加されたPMOSトランジスタM9と、ゲートおよびドレインが第1のトランスコンダクタンス増幅器2の出力であるNMOSトランジスタM11のドレインに接続されたPMOSトランジスタM10とを有し、これらのバックゲートは互いに接続されて電源Vsub2に接続されている。PMOSトランジスタM9,M10のソースは、互いに接続されると共に、PMOSトランジスタM8のドレインに接続され、そのソースは第1の電源VDDに接続されている。
PMOSトランジスタM8のゲートはPMOSトランジスタM1のゲートとドレインとに接続されている。
【0035】
したがって、この第2のトランスコンダクタンス増幅器3は、PMOSトランジスタM8を定電流源とし、PMOSトランジスタM9,M10のゲートを入力とした部分であって、一方のPMOSトランジスタM9のゲートにバイアス電圧Vbias3を印加し、他方のPMOSトランジスタM10のゲートとドレインとを接続して出力とする構成になっていて、第1のトランスコンダクタンス増幅器2の出力と第2のトランスコンダクタンス増幅器3の出力とが互いに接続された形になっている。
【0036】
出力段は、PMOSトランジスタMpとNMOSトランジスタMnとからなり、PMOSトランジスタMpのゲートは第2のトランスコンダクタンス増幅器3の出力であるPMOSトランジスタM10のドレインと接続され、NMOSトランジスタMnのゲートは差動増幅器1の出力と接続され、PMOSトランジスタMpおよびNMOSトランジスタMnのドレインの接続点がこの増幅回路の出力となっている。
【0037】
位相補償素子4は、差動増幅器1の出力とこの増幅回路の出力である出力端子OUTとの間に直列に接続された抵抗RcおよびコンデンサCcから構成されている。
【0038】
この増幅回路において、第2のトランスコンダクタンス増幅器3の出力が第2のバイアス電圧Vbias3と仮想短絡状態とみなすことができ、その結果、第1の出力MOSトランジスタMpの動作点を、バイアス電圧Vbias3によって第2の出力MOSトランジスタMnとは独立して設定できることについて詳述する。
【0039】
第1のトランスコンダクタンス増幅器2のNMOSトランジスタM11,M12に入力されるバイアス電圧Vbias4と差動増幅器1の出力の動作点とにより、NMOSトランジスタM11への吸い込み電流I2が定まる。第2のトランスコンダクタンス増幅器3においては、PMOSトランジスタM8によって定まる定電流値を電流I2の2倍とする。PMOSトランジスタM9に流れる電流が電流I2に等しくなるよう回路パラメータ(各トランジスタのサイズなどを調整する。こうすることにより、PMOSトランジスタM10から吐き出す電流は、NMOSトランジスタM11に吸い込まれる電流I2に等しく、PMOSトランジスタM10の状態はPMOSトランジスタM9の状態と等しくなるので、これらのゲート電圧も等しくなり、PMOSトランジスタM10のゲートは自身のドレインに接続されているため、PMOSトランジスタM10のドレインの電圧は第2のバイアス電圧Vbias3と等しくなる。これにより、第1の出力MOSトランジスタMpの動作点は、バイアス電圧Vbias3によって設定されることになる。
【0040】
図3は図2のバイアス電圧源をMOSトランジスタを用いて具体化した回路図である。なお、図3において、図2に示した構成要素と同じ要素については同じ符号を付して、その詳細な説明は省略する。
【0041】
バイアス電圧Vbias3の電圧源は、PMOSトランジスタM14とNMOSトランジスタM15とから構成されている。NMOSトランジスタM15は、ソースが第2の電源VSSに接続され、ゲートがカレントミラー回路を構成するNMOSトランジスタM2のゲートに接続され、定電流源を構成している。PMOSトランジスタM14は、ソースが第1の電源VDDに接続され、ゲートおよびドレインが短絡されてNMOSトランジスタM15のドレインに接続されている。このようにして、このバイアス電圧源は、ゲートとドレインとを短絡したPMOSトランジスタM14にNMOSトランジスタM15からの定電流を流すことにより発生するゲート・ソース間電圧をバイアス電圧Vbias3として出力することができる。
【0042】
一方のバイアス電圧Vbias4の電圧源は、NMOSトランジスタM16とPMOSトランジスタM17とから構成されている。PMOSトランジスタM17は、ソースが第1の電源VDDに接続され、ゲートがカレントミラー回路を構成するPMOSトランジスタM1のゲートに接続され、定電流源を構成している。NMOSトランジスタM16は、ソースが第2の電源VSSに接続され、ゲートおよびドレインが短絡されてPMOSトランジスタM17のドレインに接続されている。このようにして、このバイアス電圧源は、ゲートとドレインを短絡したNMOSトランジスタM16にPMOSトランジスタM17からの定電流を流すことにより発生するゲート・ソース間電圧をバイアス電圧Vbias4として出力する。
【0043】
ここで、この図3に示した回路構成において、増幅回路が静動作になっている時の出力段を構成するPMOSトランジスタMp、NMOSトランジスタMnのバイアス電流の決定方法を述べる。
【0044】
静動作時のPMOSトランジスタMpのゲート電圧は、バイアス電圧Vbias3と同じになるので、PMOSトランジスタMpのゲート・ソース間電圧VgspはPMOSトランジスタM14で発生するゲート・ソース間電圧Vgs14と同じになる。このゲート・ソース間電圧Vgs14は、NMOSトランジスタM15の定電流値とPMOSトランジスタM14のトランジスタサイズで決まるので、PMOSトランジスタMpのサイズを設定することでPMOSトランジスタMpのバイアス電流値を求めることができる。簡単に言うとカレントミラー回路でトランジスタのサイズ比を以って入力電流値に対して出力電流値を求められることと同じである。
【0045】
一方、NMOSトランジスタMnのゲート電圧は、差動増幅器1の出力の動作点電圧となるが、この動作点電圧は差動増幅器のカレントミラー負荷回路であるNMOSトランジスタM6,M7のドレイン電圧と同等となる。つまり、NMOSトランジスタMnのゲート・ソース間電圧Vgsnは、NMOSトランジスタM6のゲート・ソース間電圧Vgs6と同じになる。このゲート・ソース間電圧Vgs6は、NMOSトランジスタM6のバイアス電流とトランジスタサイズで決まるので、NMOSトランジスタMnのトランジスタサイズを設定することによりNMOSトランジスタM6のサイズ比で以ってNMOSトランジスタMnのバイアス電流は決まる。なお、バイアス電圧Vbias4も差動増幅器1の出力の動作点電圧と等しくするのが望ましいので、PMOSトランジスタM17の定電流値を設定しておけばトランジスタサイズ比よりNMOSトランジスタM16のトランジスタサイズを決めることができる。このことにより、NMOSトランジスタM6,M7,M16,Mnは、バイアス(ドレイン)電流比によりトランジスタサイズ比の関係となる。
【0046】
図4は図2のバイアス電圧源をMOSトランジスタを用いて具体化した別な回路図である。なお、図4において、図2に示した構成要素と同じ要素については同じ符号を付して、その詳細な説明は省略する。
【0047】
このバイアス電圧源によれば、第1のトランスコンダクタンス増幅器2のバイアス電圧源を差動増幅器1におけるカレントミラー負荷回路のNMOSトランジスタM6を利用し、カレントミラー負荷回路のNMOSトランジスタM6のゲート・ドレイン間電圧Vgs6をバイアス電圧Vbias4としている。
【0048】
また、第2のトランスコンダクタンス増幅器3のバイアス電圧源は、図3に示した回路例と同様に、PMOSトランジスタM14およびNMOSトランジスタM15によって構成されている。
【0049】
以上の構成により、図3に示した増幅回路と比べて、増幅回路の回路中のバイアス電流経路を1つ削減することができるので、消費電流を少なくすることができる。
【0050】
図5は図1に示した本発明による増幅回路の基本的な構成をMOSトランジスタを用いて具体化した別な構成の回路図である。なお、図5において、図2に示した構成要素と同じ要素については同じ符号を付して、その詳細な説明は省略する。
【0051】
この増幅回路において、差動増幅器1と、第1のトランスコンダクタンス増幅器2と、出力段のPMOSトランジスタMpおよびNMOSトランジスタMnと、位相補償素子4とは、図2に示した増幅回路に示した回路と同じ回路構成である。
【0052】
第2のトランスコンダクタンス増幅器3は、ゲートにバイアス電圧Vbias3が印加されたPMOSトランジスタM9と、ゲートが第1のトランスコンダクタンス増幅器2の出力であるNMOSトランジスタM11のドレインに接続されたPMOSトランジスタM10とを有し、これらのバックゲートは互いに接続されて電源Vsub2に接続されている。PMOSトランジスタM9,M10のソースは、互いに接続されると共に、PMOSトランジスタM8のドレインに接続され、そのソースは第1の電源VDDに接続されている。PMOSトランジスタM8のゲートはPMOSトランジスタM1のゲートとドレインとに接続されている。PMOSトランジスタM9のドレインは第2の電源VSSに接続され、PMOSトランジスタM10のドレインはNMOSトランジスタM20のゲートおよびドレインに接続されている。NMOSトランジスタM20はソースが第2の電源VSSに接続され、ゲートがNMOSトランジスタM21のゲートに接続されている。NMOSトランジスタM21はソースが第2の電源VSSに接続され、ドレインはPMOSトランジスタM22のゲートとドレインとに接続されている。PMOSトランジスタM22はソースが第1の電源VDDに接続され、ゲートがPMOSトランジスタM23のゲートに接続されている。PMOSトランジスタM23はソースが第1の電源VDDに接続され、ドレインが第1のトランスコンダクタンス増幅器2の出力であるNMOSトランジスタM11のドレインに接続されている。
【0053】
したがって、この第2のトランスコンダクタンス増幅器3は、PMOSトランジスタM8を定電流源とし、PMOSトランジスタM9,M10のゲートを入力とし、PMOSトランジスタM10のドレインをNMOSトランジスタM20,M21で構成したカレントミラー回路のNMOSトランジスタM20のゲート・ドレインを接続した部分に接続してPMOSトランジスタM10からの電流信号を折り返すことができるようにし、さらにNMOSトランジスタM21のドレインをPMOSトランジスタM22,M23で構成したカレントミラー回路のPMOSトランジスタM22のゲート・ドレインを接続した部分に接続して電流信号を折り返すことができるようにしている。そして、PMOSトランジスタM23のドレインをトランスコンダクタンス増幅器3の出力として構成し、その出力と第1のトランスコンダクタンス増幅器2の出力であるNMOSトランジスタM11のドレインと出力段のPMOSトランジスタMpのゲートとに接続している。
【0054】
この図5に示した増幅回路は、電源間(VDD−VSS間)にて縦に接続されているトランジスタ数が3個である。一方、図2〜図4に示した増幅回路では、電源間のトランジスタ数は4個であるため、これら図2〜図4に示した増幅回路の場合に比較して、この図5に示した増幅回路は、電源電圧(正確には電源間電圧)を低くすることができる構成になっている。
【0055】
なお、図4、図5の増幅回路に関して、出力段のPMOSトランジスタMp、NMOSトランジスタMnのバイアス電流は、図2の増幅回路と同様な方法で決定することができる。
【0056】
以上、本発明をその好適な実施の形態について説明したが、本発明はこの特定の実施の形態に限定されるものではない。たとえば上述の実施の形態における具体的な回路構成に対して、NMOSトランジスタをPMOSトランジスタに、PMOSトランジスタをNMOSトランジスタにするようにトランジスタの極性をすべて反対にして電源VDDと電源VSSを入れ替えた回路構成も実施可能である。さらに、MOSトランジスタをバイポーラトランジスタなどMOSトランジスタと同じような特性のある能動素子を使用しても実現可能である。
【0057】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明では、2入力の差動増幅器の出力と第1のバイアス電圧とを入力した第1のトランスコンダクタンス増幅器があり、この第1のトランスコンダクタンス増幅器の出力を第2のトランスコンダクタンス増幅器の一方の入力と出力と第1の出力トランジスタのゲートとに接続し、第2のバイアス電圧を第2のトランスコンダクタンス増幅器の他方の入力とし、第1の出力トランジスタと極性が反対である第2の出力トランジスタのゲートに差動増幅器の出力を接続して、第1および第2の出力トランジスタのドレイン同士を接続してプッシュプル出力とする構成にした。これにより、簡単な回路構成、動作原理であるプッシュプル出力の増幅回路とすることができる。プッシュプル出力の構成にしたことにより、無信号の静動作時にはプッシュプル出力段のバイアス電流を低く抑え、重負荷時においては大きな電流が流すことができることになり、増幅回路の低消費電力化が可能となる。
【0058】
また、プッシュプル出力段の第1および第2の出力トランジスタのゲート電圧は、バイアス電圧源でのトランジスタのドレイン電流とトランジスタサイズで決定する電圧を用いることができ、プッシュプル出力段のバイアス電流はバイアス電圧源のトランジスタのトランジスタサイズ比によりカレントミラー回路と同様な原理で決定されるので、製造ばらつきや温度変化などの影響に対して安定した出力を得られる増幅回路となる。
【0059】
さらに、プッシュプル出力段の第1および第2の出力トランジスタの動作点を独立に設定でき、第1および第2の出力トランジスタのゲートヘの入力が同相になり、トランスコンダクタンス増幅器により電流モードで動作させるので、動作速度を上げられる
なお、本発明による増幅回路は、特許文献1に対して、出力からのフィードバックが無いので、安定性、周波数特性に優れ、特許文献2に対しては、出力トランジスタをカレントミラーを使わずに制御できるので、出力トランジスタの出力電流がカレントミラー回路中のバイアス回路により制限されることがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による増幅回路の基本的な構成を示す回路図である。
【図2】本発明による増幅回路をMOSトランジスタを用いて具体化した回路図である。
【図3】図2のバイアス電圧源をMOSトランジスタを用いて具体化した回路図である。
【図4】図2のバイアス電圧源をMOSトランジスタを用いて具体化した別な回路図である。
【図5】図1に示した本発明による増幅回路の基本的な構成をMOSトランジスタを用いて具体化した別な構成の回路図である。
【符号の説明】
1 差動増幅器
2 第1のトランスコンダクタンス増幅器
3 第2のトランスコンダクタンス増幅器
4 位相補償素子
Mp 第1の出力トランジスタ
Mn 第2の出力トランジスタ
【発明の属する技術分野】
本発明は増幅回路に関し、特に半導体集積回路に適用され、信号増幅やインピーダンス変換などの用途に使われる、プッシュプル出力を具備した低消費電力化可能な増幅回路に関する。
【0002】
【従来の技術】
プッシュプル出力を有する増幅回路の従来例として、特許文献1にあるような事例がある。
【0003】
特許文献1の図1によれば、演算増幅器などの出力に適用される増幅器の構成を示している。以下の説明で括弧内の符号は文献中の記載の符号を示す。この増幅器では、相補型の構成であるPMOSトランジスタ(QPf)とNMOSトランジスタ(Qnf)がAB級またはB級出力段の最終コンポーネントとしてプッシュプル型に接続され、その接続点がその段の出力端子(OUT)を構成している。2つの相互コンダクタンス増幅回路(Tp,Tn)は、それぞれの出力端子をPMOSトランジスタ(QPf)およびNMOSトランジスタ(Qnf)のゲート端子にそれぞれ接続し、それぞれの反転入力端子は互いに接続されて、この増幅器の入力(IN)を形成し、さらにそれぞれの非反転入力端子は、それぞれフィードバックシステム(Fp,Fn)を介して出力端子OUTに接続されている。
【0004】
この事例において、確実なプッシュプル出力動作を行える利点がある反面、出力からフィードバックシステムと相互コンダクタンス増幅器を介して出力段のMOSトランジスタのゲートにフィードバックを掛けていることにより、演算増幅器に適用したときに安定性の確保ができなくなることや周波数特性が劣化することなどの特性がある。
【0005】
他の事例として特許文献2がある。
この特許文献2の図1に記載の差動増幅器は、差動入力段(38)と、出力段(40)と、同相帰還安定化回路(42)とを具備している。差動入力段(38)は、その増幅素子を構成する2個のトランジスタ(Q1,Q2)に負荷としてトランジスタ(Q3,Q4)をそれぞれ接続して構成されている。出力段(40)は、差動入力段(38)の一方のトランジスタ(Q1)の出力を入力するトランジスタ(Q10)、このトランジスタ(Q10)に負荷として接続したトランジスタ(Q11)、このトランジスタ(Q11)とカレントミラー回路を構成するトランジスタ(Q12)、差動入力段の他方のトランジスタ(Q2)の出力を入力するトランジスタ(Q13)で構成され、トランジスタ(Q12)とトランジスタ(Q13)とがプッシュプル出力回路を構成し、その接続点から出力を取り出すようになっている。また、同相帰還安定化回路(42)は、差動入力段の一方のトランジスタ(Q1)の出力を入力するトランジスタ(Q8)、差動入力段の他方のトランジスタ(Q2)の出力を入力するトランジスタ(Q9)、これらトランジスタ(Q8,Q9)に共通の負荷として接続されてカレントミラー回路を構成するトランジスタ(Q6,Q7)、トランジスタ(Q6)に負荷として接続されると共に差動入力段の負荷を構成するトランジスタ(Q3,Q4)とそれぞれカレントミラー回路を構成するトランジスタQ5で構成されている(特許文献2、図1参照)。
【0006】
この事例では、出力段のプッシュプル出力回路の安定性は確保できるが、この出力段を構成する一方のトランジスタ(Q12)がトランジスタ(Q11)とカレントミラー回路を構成しているため、出力電流がトランジスタ(Q11)のバイアス電流により制限されるという特性を有している。
【0007】
演算増幅器の信号出力を第1の電源と第2の電源との間の全電圧範囲にわたって使用し、また、軽負荷に対応できるよう出力電流を大きくする必要がある場合には、演算増幅器の出力段の構成はPMOSトランジスタとNMOSトランジスタのような相補的な構造のトランジスタを用い、ドレイン(バイポーラではコレクタ)出力でかつAB級動作やB級動作としたプッシュプル出力にすることにより、静動作時の演算増幅器の消費電流を減らすことができ、低消費電力化が可能になる。
【0008】
【特許文献1】
特許第2688477号公報(段落番号〔0004〕〜〔0011〕,図1)
【特許文献2】
特開平8−222972号公報(段落番号〔0010〕〜〔0015〕,図1)
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、プッシュプル出力にした場合に、出力電圧が電源変動や温度変動などの影響を受けない安定した演算増幅器にするには、出力段に用いるPMOSトランジスタやNMOSトランジスタのゲート(バイポーラトランジスタではベース)のバイアス制御手段が難しく、演算増幅器における出力段の回路構成が複雑になり消費電流が増えてしまうことがあるという問題点があった。
【0010】
本発明はこのような点に鑑みてなされたものであり、回路構成が簡素でプッシュプル出力可能であって低消費電力を実現することができる増幅回路を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明では上記問題を解決するために、反転と非反転の差信号を増幅する差動増幅器を有する増幅回路において、前記差動増幅器の出力と第1のバイアス電圧とを入力して前記差動増幅器の出力と前記第1のバイアス電圧との差信号を電流信号に変換して出力をする第1のトランスコンダクタンス増幅器と、出力が前記第1のトランスコンダクタンス増幅器の出力に接続されて出力同士で生じる電圧と第2のバイアス電圧とを入力して差信号を電流信号に変換して出力する第2のトランスコンダクタンス増幅器と、ゲートが前記第2のトランスコンダクタンス増幅器の出力に接続され、ソースが第1の電源に接続された第1の出力トランジスタと、前記第1の出力トランジスタと極性が反対であってゲートが前記差動増幅器の出力に接続され、ソースが第2の電源に接続され、ドレインが前記第1の出力トランジスタのドレインに接続されてプッシュプル出力を構成する第2の出力トランジスタと、前記差動増幅器の出力と前記第1および第2の出力トランジスタのドレイン同士の接続点との間に接続された位相補償素子と、を備えていることを特徴とする増幅回路が提供される。
【0012】
このような増幅回路によれば、簡単な回路構成、動作原理であるプッシュプル出力の増幅回路とすることができ、プッシュプル出力の構成にしたことにより、無信号の静動作時にはプッシュプル出力段のバイアス電流を低く抑え、重負荷時においては大きな電流が流すことができることになり、低消費電力化が可能となる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して詳細に説明する。
図1は本発明による増幅回路の基本的な構成を示す回路図である。
【0014】
本発明による増幅回路は、初段の増幅段に差動増幅器1を備え、2段目の増幅段として、第1のトランスコンダクタンス増幅器2と第2のトランスコンダクタンス増幅器3とを備え、出力段として、互いに反対極性を有してプッシュプル出力を構成し、そのプッシュプル出力をこの増幅回路の出力OUTとする第1の出力トランジスタMpおよび第2の出力トランジスタMnを備え、さらに、差動増幅器1の出力とこの増幅回路の出力OUTとの間に位相補償素子4を備えている。
【0015】
差動増幅器1は、反転入力IN−と非反転入力IN+と出力とを有し、反転入力IN−および非反転入力IN+に入力された信号の差信号を増幅して出力に出力する。
【0016】
第1のトランスコンダクタンス増幅器2は、差動増幅器1の出力と第1のバイアス電圧Vbias4とに接続された入力を有し、差動増幅器1の出力電圧と第1のバイアス電圧Vbias4との差信号を電流信号に変換して出力をする。第2のトランスコンダクタンス増幅器3は、この出力と第1のトランスコンダクタンス増幅器2の出力とが共に接続された入力と、第2のバイアス電圧Vbias3に接続された入力とを有し、第1のトランスコンダクタンス増幅器2の出力および第2のトランスコンダクタンス増幅器3の出力同士で生じる電圧と第2のバイアス電圧Vbias3との差信号を電流信号に変換して出力する。
【0017】
出力段の第1の出力トランジスタMpは、ゲートが第2のトランスコンダクタンス増幅器3の出力に、ソースが第1の電源VDDに、ドレインがこの増幅回路の出力OUTに接続される。第2の出力トランジスタMnは、ゲートが差動増幅器1の出力に、ソースが第2の電源VSSに、ドレインがこの増幅回路の出力OUTに接続される。第1の出力トランジスタMpおよび第2の出力トランジスタMnは、ドレイン同士が接続されてプッシュプル出力を構成している。
【0018】
次に、小信号モデルでの上記構成の増幅回路の作用について説明する。初段の差動増幅器1で反転入力信号と非反転入力信号との差信号が増幅される。差信号の増幅信号である差動増幅器1の出力信号は、第1のトランスコンダクタンス増幅器2の入力、および第2の出力トランジスタMnのゲートに受け渡される。
【0019】
第1のトランスコンダクタンス増幅器2では、差動増幅器1の出力信号と第1のバイアス電圧Vbias4との差信号をバイアス電流に重畳した電流信号に変換して出力する。差動増幅器1の出力信号電圧をva、第1のトランスコンダクタンス増幅器2のトランスコンダクタンスをgm2とすると、第1のトランスコンダクタンス増幅器2の電流出力信号i2は、次のような式になる。
【0020】
【数1】
i2=gm2×va・・・(1)
なお、第1のバイアス電圧Vbias4は、差動増幅器1の出力のバイアス電圧(動作点)と等しくした方が歪の少ない電流信号に変換できるので、ここではこれらは等しいものとしている。第1のトランスコンダクタンス増幅器2の出力は、第2のトランスコンダクタンス増幅器3の出力と接続し、また第1の出力トランジスタMpのゲートに接続されているので、第1のトランスコンダクタンス増幅器2の電流信号出力i2は、第1のトランスコンダクタンス増幅器2と第2のトランスコンダクタンス増幅器3との並列出力抵抗によって電圧信号に変換され、第1の出力トランジスタMpのゲート信号に受け渡しされる。第1および第2のトランスコンダクタンス増幅器2,3を合わせた全体回路における小信号モデルでの出力抵抗をro23とすると、第1の出力トランジスタMpのゲート信号電圧vgpは次のような式になる。
【0021】
【数2】
vgp=ro23×ia=gm2×ro23×va・・・(2)
これにより、第1の出力トランジスタMpのゲート信号は、第2の出力トランジスタMnのゲート信号と同位相になる。
【0022】
したがって、第1のトランスコンダクタンス増幅器2は、差動増幅器1の出力信号を第1の出力トランジスタMpのゲートへの入力信号として伝達する機能を有している。
【0023】
また、第2のトランスコンダクタンス増幅器3は、第2のバイアス電圧Vbias3と第2のトランスコンダクタンス増幅器3自体の出力とを入力しているため、差動増幅器1の入力が無信号である静動作時、すなわち、第2のトランスコンダクタンス増幅器3に接続されているインピーダンスが単純なもの、もしくは小信号モデルでは、第2のトランスコンダクタンス増幅器3の出力が第2のバイアス電圧Vbias3と仮想短絡状態とみなすことができるため、第2のトランスコンダクタンス増幅器3の出力電圧は、第2のバイアス電圧Vbias3と等しくなる。
【0024】
さらに第2のトランスコンダクタンス増幅器3の出力は、第1の出力トランジスタMpのゲートに接続されているので、第1の出力トランジスタMpのゲート電圧は第2のバイアス電圧Vbias3に直流的にバイアスされる。このため、第1の出力トランジスタMpのゲート・ソース電圧をVGSpとすると、次のことが成り立つ。
【0025】
【数3】
|VGSp|=Vbias3・・・(3)
したがって、第2のトランスコンダクタンス増幅器3は、第1の出力トランジスタMpのゲートを直流的なバイアス電圧Vbias3に保持する機能がある。
つまり、第1の出力トランジスタMpの動作点を、バイアス電圧Vbias3によって第2の出力トランジスタMnとは独立して設定できることになる。
【0026】
増幅回路が静動作している時の出力段である第1および第2の出力トランジスタMp,Mnのバイアス電流について考察する。第1の出力トランジスタMpのゲートは第2のバイアス電圧Vbias3でバイアスされており、このゲート電圧で決まるドレイン電流Ipを流そうとする。一方、第2の出力トランジスタMnのゲートは差動増幅器1の出力動作点電圧でバイアスされており、このゲート電圧で決まるドレイン電流Inを流そうとする。そして、第1および第2の出力トランジスタMp,Mnで流そうとする電流Ip,Inのうち小さい電流値が出力段のバイアス電流となる。なお、発生オフセット電圧を考慮すると第1および第2の出力トランジスタMp,Mnのそれぞれが流す電流はIp=Inとしたほうが望ましい。
【0027】
最後に、差動増幅器1の入力に信号が入力されて出力電圧が振れる大信号モデルの場合について考察する。差動増幅器1の出力電圧vaが第1の電源VDD寄りに変化するときは、第1および第2の出力トランジスタMp,Mnのゲート電圧は、静動作時バイアス電圧と比べて共に第1の電源VDD寄りに変化する。そうすると、第1の出力トランジスタMpのゲート・ソース間電圧は減り、流そうとするドレイン電流Ipは減少して、一方の第2の出力トランジスタMnのゲート・ソース間電圧は増え、流そうとするドレイン電流Inは増加する。出力に抵抗負荷があると、第2の出力トランジスタMnの方が流そうとするドレイン電流Inが多くなるので、増幅回路の出力は電流を引き込む動作をする。
【0028】
逆に、差動増幅器1の出力電圧vaが第2の電源VSS寄りに変化するときは、第1および第2の出力トランジスタMp,Mnのゲート電圧は静動作時バイアス電圧と比べて共に第2の電源VSS寄りに変化する。そうすると、第1の出力トランジスタMpのゲート・ソース間電圧は増え、流そうとするドレイン電流Ipは増加して、一方の第2の出力トランジスタMnのゲート・ソース間電圧は減り、流そうとするドレイン電流Inは減少する。出力に抵抗負荷があると、第1の出力トランジスタMpの方が流そうとするドレイン電流Ipが多くなるので増幅回路の出力は電流を吐き出す動作をする。以上により、増幅回路の出力段はプッシュプル出力動作をすることができる。
【0029】
図2は本発明による増幅回路をMOSトランジスタを用いて具体化した回路図である。なお、図2において、図1に示した構成要素と同じ要素については同じ符号を付してある。
【0030】
初段の差動増幅器1は、ゲートが反転入力IN−に接続されたPMOSトランジスタM4と、ゲートが非反転入力IN+に接続されたPMOSトランジスタM5とを有し、これらのバックゲートは互いに接続されて電源Vsub1に接続されている。PMOSトランジスタM4,M5のドレインは、それぞれNMOSトランジスタM6,M7のドレインに接続され、このうちの一方のNMOSトランジスタM6のゲートは、自身のドレインと他方のNMOSトランジスタM7のゲートに接続され、これらNMOSトランジスタM6,M7のソースは第2の電源VSSに接続されている。また、PMOSトランジスタM4,M5のソースは、互いに接続されると共に、PMOSトランジスタM3のドレインに接続され、そのソースは第1の電源VDDに接続されている。このPMOSトランジスタM3のゲートは、PMOSトランジスタM1のゲートとドレインとに接続され、そのソースは第1の電源VDDに接続され、ドレインにはバイアスBias1がかかっている。
【0031】
このように、この初段の差動増幅器1は、PMOSトランジスタM4,M5が反転および非反転の差動入力を構成し、PMOSトランジスタM3がPMOSトランジスタM1と共にカレントミラー回路を構成してこの差動入力に定電流Ibias1を流す定電流源となり、NMOSトランジスタM6,M7がその差動入力のカレントミラー負荷回路とする構成となっている。
【0032】
2段目の増幅段における第1のトランスコンダクタンス増幅器2は、ゲートにバイアス電圧Vbias4が印加されたNMOSトランジスタM11と、ゲートが差動増幅器1の出力であるPMOSトランジスタM5のドレインに接続され、ドレインが第1の電源VDDに接続されたNMOSトランジスタM12とを有し、これらのバックゲートは互いに接続されて電源Vsub3に接続されている。
NMOSトランジスタM11,M12のソースは、互いに接続されると共に、NMOSトランジスタM13のドレインに接続され、そのソースは第2の電源VSSに接続されている。NMOSトランジスタM13のゲートはNMOSトランジスタM2のゲートとドレインとに接続され、そのソースは第2の電源VSSに接続され、ドレインにはバイアスBias2がかかっている。
【0033】
したがって、この第1のトランスコンダクタンス増幅器2は、NMOSトランジスタM11,M12のゲートを入力とした部分であって、一方のNMOSトランジスタM11のゲートにバイアス電圧Vbias4を印加し、他方のNMOSトランジスタM12のゲートに差動増幅器1の出力を入力し、NMOSトランジスタM11のドレインを出力にする回路を構成している。NMOSトランジスタM13は、NMOSトランジスタM2と共にカレントミラー回路を構成してNMOSトランジスタM11,M12に定電流Ibias2を流す定電流源になっている。
【0034】
また、第2のトランスコンダクタンス増幅器3は、ゲートにバイアス電圧Vbias3が印加されたPMOSトランジスタM9と、ゲートおよびドレインが第1のトランスコンダクタンス増幅器2の出力であるNMOSトランジスタM11のドレインに接続されたPMOSトランジスタM10とを有し、これらのバックゲートは互いに接続されて電源Vsub2に接続されている。PMOSトランジスタM9,M10のソースは、互いに接続されると共に、PMOSトランジスタM8のドレインに接続され、そのソースは第1の電源VDDに接続されている。
PMOSトランジスタM8のゲートはPMOSトランジスタM1のゲートとドレインとに接続されている。
【0035】
したがって、この第2のトランスコンダクタンス増幅器3は、PMOSトランジスタM8を定電流源とし、PMOSトランジスタM9,M10のゲートを入力とした部分であって、一方のPMOSトランジスタM9のゲートにバイアス電圧Vbias3を印加し、他方のPMOSトランジスタM10のゲートとドレインとを接続して出力とする構成になっていて、第1のトランスコンダクタンス増幅器2の出力と第2のトランスコンダクタンス増幅器3の出力とが互いに接続された形になっている。
【0036】
出力段は、PMOSトランジスタMpとNMOSトランジスタMnとからなり、PMOSトランジスタMpのゲートは第2のトランスコンダクタンス増幅器3の出力であるPMOSトランジスタM10のドレインと接続され、NMOSトランジスタMnのゲートは差動増幅器1の出力と接続され、PMOSトランジスタMpおよびNMOSトランジスタMnのドレインの接続点がこの増幅回路の出力となっている。
【0037】
位相補償素子4は、差動増幅器1の出力とこの増幅回路の出力である出力端子OUTとの間に直列に接続された抵抗RcおよびコンデンサCcから構成されている。
【0038】
この増幅回路において、第2のトランスコンダクタンス増幅器3の出力が第2のバイアス電圧Vbias3と仮想短絡状態とみなすことができ、その結果、第1の出力MOSトランジスタMpの動作点を、バイアス電圧Vbias3によって第2の出力MOSトランジスタMnとは独立して設定できることについて詳述する。
【0039】
第1のトランスコンダクタンス増幅器2のNMOSトランジスタM11,M12に入力されるバイアス電圧Vbias4と差動増幅器1の出力の動作点とにより、NMOSトランジスタM11への吸い込み電流I2が定まる。第2のトランスコンダクタンス増幅器3においては、PMOSトランジスタM8によって定まる定電流値を電流I2の2倍とする。PMOSトランジスタM9に流れる電流が電流I2に等しくなるよう回路パラメータ(各トランジスタのサイズなどを調整する。こうすることにより、PMOSトランジスタM10から吐き出す電流は、NMOSトランジスタM11に吸い込まれる電流I2に等しく、PMOSトランジスタM10の状態はPMOSトランジスタM9の状態と等しくなるので、これらのゲート電圧も等しくなり、PMOSトランジスタM10のゲートは自身のドレインに接続されているため、PMOSトランジスタM10のドレインの電圧は第2のバイアス電圧Vbias3と等しくなる。これにより、第1の出力MOSトランジスタMpの動作点は、バイアス電圧Vbias3によって設定されることになる。
【0040】
図3は図2のバイアス電圧源をMOSトランジスタを用いて具体化した回路図である。なお、図3において、図2に示した構成要素と同じ要素については同じ符号を付して、その詳細な説明は省略する。
【0041】
バイアス電圧Vbias3の電圧源は、PMOSトランジスタM14とNMOSトランジスタM15とから構成されている。NMOSトランジスタM15は、ソースが第2の電源VSSに接続され、ゲートがカレントミラー回路を構成するNMOSトランジスタM2のゲートに接続され、定電流源を構成している。PMOSトランジスタM14は、ソースが第1の電源VDDに接続され、ゲートおよびドレインが短絡されてNMOSトランジスタM15のドレインに接続されている。このようにして、このバイアス電圧源は、ゲートとドレインとを短絡したPMOSトランジスタM14にNMOSトランジスタM15からの定電流を流すことにより発生するゲート・ソース間電圧をバイアス電圧Vbias3として出力することができる。
【0042】
一方のバイアス電圧Vbias4の電圧源は、NMOSトランジスタM16とPMOSトランジスタM17とから構成されている。PMOSトランジスタM17は、ソースが第1の電源VDDに接続され、ゲートがカレントミラー回路を構成するPMOSトランジスタM1のゲートに接続され、定電流源を構成している。NMOSトランジスタM16は、ソースが第2の電源VSSに接続され、ゲートおよびドレインが短絡されてPMOSトランジスタM17のドレインに接続されている。このようにして、このバイアス電圧源は、ゲートとドレインを短絡したNMOSトランジスタM16にPMOSトランジスタM17からの定電流を流すことにより発生するゲート・ソース間電圧をバイアス電圧Vbias4として出力する。
【0043】
ここで、この図3に示した回路構成において、増幅回路が静動作になっている時の出力段を構成するPMOSトランジスタMp、NMOSトランジスタMnのバイアス電流の決定方法を述べる。
【0044】
静動作時のPMOSトランジスタMpのゲート電圧は、バイアス電圧Vbias3と同じになるので、PMOSトランジスタMpのゲート・ソース間電圧VgspはPMOSトランジスタM14で発生するゲート・ソース間電圧Vgs14と同じになる。このゲート・ソース間電圧Vgs14は、NMOSトランジスタM15の定電流値とPMOSトランジスタM14のトランジスタサイズで決まるので、PMOSトランジスタMpのサイズを設定することでPMOSトランジスタMpのバイアス電流値を求めることができる。簡単に言うとカレントミラー回路でトランジスタのサイズ比を以って入力電流値に対して出力電流値を求められることと同じである。
【0045】
一方、NMOSトランジスタMnのゲート電圧は、差動増幅器1の出力の動作点電圧となるが、この動作点電圧は差動増幅器のカレントミラー負荷回路であるNMOSトランジスタM6,M7のドレイン電圧と同等となる。つまり、NMOSトランジスタMnのゲート・ソース間電圧Vgsnは、NMOSトランジスタM6のゲート・ソース間電圧Vgs6と同じになる。このゲート・ソース間電圧Vgs6は、NMOSトランジスタM6のバイアス電流とトランジスタサイズで決まるので、NMOSトランジスタMnのトランジスタサイズを設定することによりNMOSトランジスタM6のサイズ比で以ってNMOSトランジスタMnのバイアス電流は決まる。なお、バイアス電圧Vbias4も差動増幅器1の出力の動作点電圧と等しくするのが望ましいので、PMOSトランジスタM17の定電流値を設定しておけばトランジスタサイズ比よりNMOSトランジスタM16のトランジスタサイズを決めることができる。このことにより、NMOSトランジスタM6,M7,M16,Mnは、バイアス(ドレイン)電流比によりトランジスタサイズ比の関係となる。
【0046】
図4は図2のバイアス電圧源をMOSトランジスタを用いて具体化した別な回路図である。なお、図4において、図2に示した構成要素と同じ要素については同じ符号を付して、その詳細な説明は省略する。
【0047】
このバイアス電圧源によれば、第1のトランスコンダクタンス増幅器2のバイアス電圧源を差動増幅器1におけるカレントミラー負荷回路のNMOSトランジスタM6を利用し、カレントミラー負荷回路のNMOSトランジスタM6のゲート・ドレイン間電圧Vgs6をバイアス電圧Vbias4としている。
【0048】
また、第2のトランスコンダクタンス増幅器3のバイアス電圧源は、図3に示した回路例と同様に、PMOSトランジスタM14およびNMOSトランジスタM15によって構成されている。
【0049】
以上の構成により、図3に示した増幅回路と比べて、増幅回路の回路中のバイアス電流経路を1つ削減することができるので、消費電流を少なくすることができる。
【0050】
図5は図1に示した本発明による増幅回路の基本的な構成をMOSトランジスタを用いて具体化した別な構成の回路図である。なお、図5において、図2に示した構成要素と同じ要素については同じ符号を付して、その詳細な説明は省略する。
【0051】
この増幅回路において、差動増幅器1と、第1のトランスコンダクタンス増幅器2と、出力段のPMOSトランジスタMpおよびNMOSトランジスタMnと、位相補償素子4とは、図2に示した増幅回路に示した回路と同じ回路構成である。
【0052】
第2のトランスコンダクタンス増幅器3は、ゲートにバイアス電圧Vbias3が印加されたPMOSトランジスタM9と、ゲートが第1のトランスコンダクタンス増幅器2の出力であるNMOSトランジスタM11のドレインに接続されたPMOSトランジスタM10とを有し、これらのバックゲートは互いに接続されて電源Vsub2に接続されている。PMOSトランジスタM9,M10のソースは、互いに接続されると共に、PMOSトランジスタM8のドレインに接続され、そのソースは第1の電源VDDに接続されている。PMOSトランジスタM8のゲートはPMOSトランジスタM1のゲートとドレインとに接続されている。PMOSトランジスタM9のドレインは第2の電源VSSに接続され、PMOSトランジスタM10のドレインはNMOSトランジスタM20のゲートおよびドレインに接続されている。NMOSトランジスタM20はソースが第2の電源VSSに接続され、ゲートがNMOSトランジスタM21のゲートに接続されている。NMOSトランジスタM21はソースが第2の電源VSSに接続され、ドレインはPMOSトランジスタM22のゲートとドレインとに接続されている。PMOSトランジスタM22はソースが第1の電源VDDに接続され、ゲートがPMOSトランジスタM23のゲートに接続されている。PMOSトランジスタM23はソースが第1の電源VDDに接続され、ドレインが第1のトランスコンダクタンス増幅器2の出力であるNMOSトランジスタM11のドレインに接続されている。
【0053】
したがって、この第2のトランスコンダクタンス増幅器3は、PMOSトランジスタM8を定電流源とし、PMOSトランジスタM9,M10のゲートを入力とし、PMOSトランジスタM10のドレインをNMOSトランジスタM20,M21で構成したカレントミラー回路のNMOSトランジスタM20のゲート・ドレインを接続した部分に接続してPMOSトランジスタM10からの電流信号を折り返すことができるようにし、さらにNMOSトランジスタM21のドレインをPMOSトランジスタM22,M23で構成したカレントミラー回路のPMOSトランジスタM22のゲート・ドレインを接続した部分に接続して電流信号を折り返すことができるようにしている。そして、PMOSトランジスタM23のドレインをトランスコンダクタンス増幅器3の出力として構成し、その出力と第1のトランスコンダクタンス増幅器2の出力であるNMOSトランジスタM11のドレインと出力段のPMOSトランジスタMpのゲートとに接続している。
【0054】
この図5に示した増幅回路は、電源間(VDD−VSS間)にて縦に接続されているトランジスタ数が3個である。一方、図2〜図4に示した増幅回路では、電源間のトランジスタ数は4個であるため、これら図2〜図4に示した増幅回路の場合に比較して、この図5に示した増幅回路は、電源電圧(正確には電源間電圧)を低くすることができる構成になっている。
【0055】
なお、図4、図5の増幅回路に関して、出力段のPMOSトランジスタMp、NMOSトランジスタMnのバイアス電流は、図2の増幅回路と同様な方法で決定することができる。
【0056】
以上、本発明をその好適な実施の形態について説明したが、本発明はこの特定の実施の形態に限定されるものではない。たとえば上述の実施の形態における具体的な回路構成に対して、NMOSトランジスタをPMOSトランジスタに、PMOSトランジスタをNMOSトランジスタにするようにトランジスタの極性をすべて反対にして電源VDDと電源VSSを入れ替えた回路構成も実施可能である。さらに、MOSトランジスタをバイポーラトランジスタなどMOSトランジスタと同じような特性のある能動素子を使用しても実現可能である。
【0057】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明では、2入力の差動増幅器の出力と第1のバイアス電圧とを入力した第1のトランスコンダクタンス増幅器があり、この第1のトランスコンダクタンス増幅器の出力を第2のトランスコンダクタンス増幅器の一方の入力と出力と第1の出力トランジスタのゲートとに接続し、第2のバイアス電圧を第2のトランスコンダクタンス増幅器の他方の入力とし、第1の出力トランジスタと極性が反対である第2の出力トランジスタのゲートに差動増幅器の出力を接続して、第1および第2の出力トランジスタのドレイン同士を接続してプッシュプル出力とする構成にした。これにより、簡単な回路構成、動作原理であるプッシュプル出力の増幅回路とすることができる。プッシュプル出力の構成にしたことにより、無信号の静動作時にはプッシュプル出力段のバイアス電流を低く抑え、重負荷時においては大きな電流が流すことができることになり、増幅回路の低消費電力化が可能となる。
【0058】
また、プッシュプル出力段の第1および第2の出力トランジスタのゲート電圧は、バイアス電圧源でのトランジスタのドレイン電流とトランジスタサイズで決定する電圧を用いることができ、プッシュプル出力段のバイアス電流はバイアス電圧源のトランジスタのトランジスタサイズ比によりカレントミラー回路と同様な原理で決定されるので、製造ばらつきや温度変化などの影響に対して安定した出力を得られる増幅回路となる。
【0059】
さらに、プッシュプル出力段の第1および第2の出力トランジスタの動作点を独立に設定でき、第1および第2の出力トランジスタのゲートヘの入力が同相になり、トランスコンダクタンス増幅器により電流モードで動作させるので、動作速度を上げられる
なお、本発明による増幅回路は、特許文献1に対して、出力からのフィードバックが無いので、安定性、周波数特性に優れ、特許文献2に対しては、出力トランジスタをカレントミラーを使わずに制御できるので、出力トランジスタの出力電流がカレントミラー回路中のバイアス回路により制限されることがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による増幅回路の基本的な構成を示す回路図である。
【図2】本発明による増幅回路をMOSトランジスタを用いて具体化した回路図である。
【図3】図2のバイアス電圧源をMOSトランジスタを用いて具体化した回路図である。
【図4】図2のバイアス電圧源をMOSトランジスタを用いて具体化した別な回路図である。
【図5】図1に示した本発明による増幅回路の基本的な構成をMOSトランジスタを用いて具体化した別な構成の回路図である。
【符号の説明】
1 差動増幅器
2 第1のトランスコンダクタンス増幅器
3 第2のトランスコンダクタンス増幅器
4 位相補償素子
Mp 第1の出力トランジスタ
Mn 第2の出力トランジスタ
Claims (5)
- 反転と非反転の差信号を増幅する差動増幅器を有する増幅回路において、
前記差動増幅器の出力と第1のバイアス電圧とを入力して前記差動増幅器の出力と前記第1のバイアス電圧との差信号を電流信号に変換して出力をする第1のトランスコンダクタンス増幅器と、
出力が前記第1のトランスコンダクタンス増幅器の出力に接続されて出力同士で生じる電圧と第2のバイアス電圧とを入力して差信号を電流信号に変換して出力する第2のトランスコンダクタンス増幅器と、
ゲートが前記第2のトランスコンダクタンス増幅器の出力に接続され、ソースが第1の電源に接続された第1の出力トランジスタと、
前記第1の出力トランジスタと極性が反対であってゲートが前記差動増幅器の出力に接続され、ソースが第2の電源に接続され、ドレインが前記第1の出力トランジスタのドレインに接続されてプッシュプル出力を構成する第2の出力トランジスタと、
前記差動増幅器の出力と前記第1および第2の出力トランジスタのドレイン同士の接続点との間に接続された位相補償素子と、を備えていることを特徴とする増幅回路。 - 前記第1のトランスコンダクタンス増幅器は、ソースを前記第2の電源に接続して定電流源として機能する第1のNMOSトランジスタと、ソースを前記第1のNMOSトランジスタのドレインに接続し、ゲートを前記第1のバイアス電圧の入力とし、ドレインを前記第1のトランスコンダクタンス増幅器の出力とした第2のNMOSトランジスタと、ソースを前記第1のNMOSトランジスタのドレインに接続し、ゲートに前記差動増幅器の出力を入力し、ドレインを前記第1の電源に接続した第3のNMOSトランジスタとを具備し、
前記第2のトランスコンダクタンス増幅器は、ソースを前記第1の電源に接続して定電流源として機能する第1のPMOSトランジスタと、ソースを前記第1のPMOSトランジスタのドレインに接続し、ゲートを前記第2のバイアス電圧の入力とし、ドレインを前記第2の電源に接続した第2のPMOSトランジスタと、ソースを前記第1のPMOSトランジスタのドレインに接続し、ゲートおよびドレインを前記第1のトランスコンダクタンス増幅器の出力である前記第2のNMOSトランジスタのドレインに共に接続した第3のPMOSトランジスタとを具備し、
前記第1の出力トランジスタをPMOSトランジスタとし、前記第2の出力トランジスタをNMOSトランジスタとしたことを特徴とする請求項1記載の増幅回路。 - 前記第1のバイアス電圧の電圧源は、ソースを前記第1の電源に接続して定電流源として機能する第4のPMOSトランジスタと、ソースを前記第2の電源に接続し、ゲートおよびドレインを前記第4のPMOSトランジスタのドレインに共に接続して前記第4のPMOSトランジスタのドレイン電流によりゲートとソースとの間に発生した電圧を前記第1のバイアス電圧として出力する第4のNMOSトランジスタとを具備し、
前記第2のバイアス電圧の電圧源は、ソースを前記第2の電源に接続して定電流源として機能する第5のNMOSトランジスタと、ソースを前記第1の電源に接続し、ゲートおよびドレインを前記第5のNMOSトランジスタのドレインに共に接続して前記第5のNMOSトランジスタのドレイン電流によりゲートとソースとの間に発生した電圧を前記第2のバイアス電圧として出力する第5のPMOSトランジスタとを具備していることを特徴とする請求項2記載の増幅回路。 - 前記差動増幅器は、それぞれのソースを前記第2の電源に接続してNMOSトランジスタで構成するカレントミラー負荷回路を具備し、
前記第1のバイアス電圧の電圧源は、前記カレントミラー負荷回路のゲートとドレインとを接続しているNMOSトランジスタのドレイン電圧を前記第1のバイアス電圧とし、
前記第2のバイアス電圧の電圧源は、ソースを前記第2の電源に接続して定電流源として機能する第5のNMOSトランジスタと、ソースを前記第1の電源に接続し、ゲートおよびドレインを前記第5のNMOSトランジスタのドレインに共に接続して前記第5のNMOSトランジスタのドレイン電流によりゲートとソースとの間に発生した電圧を前記第2のバイアス電圧として出力する第5のPMOSトランジスタとを具備していることを特徴とする請求項2記載の増幅回路。 - 前記第1のトランスコンダクタンス増幅器は、ソースを前記第2の電源に接続して定電流源として機能する第1のNMOSトランジスタと、ソースを前記第1のNMOSトランジスタのドレインに接続し、ゲートを前記第1のバイアス電圧の入力とし、ドレインを前記第1のトランスコンダクタンス増幅器の出力とした第2のNMOSトランジスタと、ソースを前記第1のNMOSトランジスタのドレインに接続し、ゲートに前記差動増幅器の出力を入力し、ドレインを前記第1の電源に接続した第3のNMOSトランジスタとを具備し、
前記第2のトランスコンダクタンス増幅器は、ソースを前記第1の電源に接続して定電流源として機能する第1のPMOSトランジスタと、ソースを前記第1のPMOSトランジスタのドレインに接続し、ゲートを前記第2のバイアス電圧の入力とし、ドレインを前記第2の電源に接続した第2のPMOSトランジスタと、ソースを前記第1のPMOSトランジスタのドレインに接続し、ゲートを前記第1のトランスコンダクタンス増幅器の出力である前記第2のNMOSトランジスタのドレインに接続した第3のPMOSトランジスタと、各ソースを前記第2の電源に接続し、ゲートおよびドレインが接続されている一方のゲートおよびドレインを前記第3のPMOSトランジスタのドレインに接続して入力とし、他方のドレインを出力としたNMOSトランジスタで構成の第1のカレントミラー回路と、各ソースを前記第1の電源に接続し、ゲートおよびドレインが接続されている一方のゲートおよびドレインを前記第1のカレントミラー回路の出力に接続して入力とし、他方のドレインを前記第1のトランスコンダクタンス増幅器の出力に接続して出力としたPMOSトランジスタで構成の第2のカレントミラー回路とを具備し、
前記第1の出力トランジスタをPMOSトランジスタとし、前記第2の出力トランジスタをNMOSトランジスタとしたことを特徴とする請求項1記載の増幅回路。
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