JP5861267B2 - メタクリル酸製造用触媒の製造方法 - Google Patents
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Description
(a)触媒成分の原料化合物を含む溶液又はスラリーを調製する工程と、
(b)前記溶液又はスラリーを濃縮する工程と、
(c)前記濃縮した溶液又はスラリーを乾燥して触媒前駆体乾燥物を調製する工程と、
(d)前記触媒前駆体乾燥物を成形し、焼成する工程と、
を含み、
前記工程(a)で、前記アンモニアとの銅錯体を前記溶液又はスラリーに混合することを特徴とする。
また、本発明に係るメタクリル酸製造用触媒の製造方法は、メタクロレインを分子状酸素により気相接触酸化してメタクリル酸を製造する際に用いられる、少なくともリン、モリブデン、バナジウムおよび銅を含むメタクリル酸製造用触媒の製造方法であって、銅原料としてアンモニアとの銅錯体を用い、
(a)触媒成分の原料化合物を含む溶液又はスラリーを調製する工程と、
(b)前記溶液又はスラリーを濃縮する工程と、
(c)前記濃縮した溶液又はスラリーを乾燥して触媒前駆体乾燥物を調製する工程と、
(d)前記触媒前駆体乾燥物を成形し、焼成する工程と、
を含み、
前記工程(b)で、前記アンモニアとの銅錯体を前記濃縮した溶液又はスラリーに混合することを特徴とする。
本発明に係るメタクリル酸製造用触媒は、メタクロレインを分子状酸素により気相接触酸化してメタクリル酸を製造する際に用いられる、少なくともリン、モリブデン、バナジウムおよび銅を含む触媒であって、後述する本発明に係るメタクリル酸製造用触媒の製造方法により製造される。該触媒の触媒組成は、少なくともリン、モリブデン、バナジウムおよび銅を含めば特に限定されないが、下記式(1)で示される触媒組成を有することが好ましい。なお、該触媒組成は触媒調製時の各原料の仕込み量をもとに算出した値とする。
(前記式(1)中、P、Mo、V、Cu及びOは、それぞれリン、モリブデン、バナジウム、銅及び酸素を示す。Xはアンチモン、ビスマス、砒素、ゲルマニウム、ジルコニウム、テルル、銀、セレン、ケイ素、タングステン及びホウ素からなる群より選ばれる少なくとも1種類の元素を示す。Yは鉄、亜鉛、クロム、マグネシウム、タンタル、コバルト、マンガン、バリウム、ガリウム、セリウム及びランタンからなる群より選ばれる少なくとも1種類の元素を示す。Zはカリウム、ルビジウム及びセシウムからなる群より選ばれる少なくとも1種類の元素を示す。a、b、c、d、e、f、g及びhは、各元素の原子比率を表し、b=12のとき、a=0.55〜1.5、c=0.01〜3、d=0.01〜2、e=0〜3、f=0〜3、g=0.01〜3であり、hは、前記各成分の原子価を満足するのに必要な酸素の原子比率である。)。
本発明に係るメタクリル酸製造用触媒の製造方法は、メタクロレインを分子状酸素により気相接触酸化してメタクリル酸を製造する際に用いられる、少なくともリン、モリブデン、バナジウムおよび銅を含むメタクリル酸製造用触媒の製造方法であって、銅原料として銅錯体を用いることを特徴とする。
(a)触媒成分の原料化合物を含む溶液又はスラリーを調製する工程
(b)前記溶液又はスラリーを濃縮する工程
(c)前記濃縮した溶液又はスラリーを乾燥して触媒前駆体乾燥物を調製する工程
(d)前記触媒前駆体乾燥物を成形し、焼成する工程。
工程(a)では、触媒成分の原料化合物を含む溶液又はスラリーを調製する。
工程(b)では、工程(a)で調製した溶液又はスラリーを濃縮する。
工程(c)では、工程(b)において濃縮した溶液又はスラリーを乾燥して触媒前駆体乾燥物を調製する。
工程(d)では、工程(c)で得られた触媒前駆体乾燥物を成形し、焼成する。
本発明に係るメタクリル酸の製造方法は、本発明に係るメタクリル酸製造用触媒の存在下、メタクロレインを分子状酸素により気相接触酸化してメタクリル酸を製造する方法である。
メタクリル酸(MAA)の選択率(%)=(C/B)×100
メタクリル酸(MAA)の単流収率(%)=(C/A)×100
ここで、Aは供給したメタクロレインのモル数、Bは反応したメタクロレインのモル数、Cは生成したメタクリル酸のモル数である。
硝酸銅・3水和物を純水に溶解させ、25%アンモニア水を加えた。エタノールに前記硝酸銅とアンモニア水との混合溶液を注いだ。吊鐘型ろ過器に設置された0.5μm程度のセルロースフィルターにより該溶液を減圧濾過した。得られた沈殿物(ケーキ)を50℃で一晩真空乾燥して、粉末状のテトラアンミン銅を得た。
三酸化モリブデン100部に水1000部を加えて、85質量%リン酸水溶液7部、五酸化バナジウム1.7部、三酸化アンチモン1部、硝酸銅1.4部を加えて分散・溶解させた。その後、85質量%リン酸水溶液を添加しなかったこと以外は、実施例1と同様に触媒を得て、反応を行った。その結果、メタクロレイン反応率は72.1%、メタクリル酸選択率は90.0%、メタクリル酸単流収率は64.9%であった。
三酸化モリブデン100部に水1000部を加えて、85質量%リン酸水溶液7部、五酸化バナジウム1.7部、三酸化アンチモン1部を加えて分散・溶解させた。続いて硝酸セシウム12部、硝酸アンモニウム20部、硝酸ジルコニウム0.15部、硝酸鉄1.7部を加えて還流下で3時間加熱攪拌し濃縮した。その後、さらにテトラアンミン銅1.7部を加えて蒸発乾固した。得られた固形物を130℃で16時間乾燥し、触媒前駆体乾燥物とした。該触媒前駆体乾燥物を加圧成形した。成形品をさらに破砕し、篩を用いて0.85〜1.70mmのものを分取し、空気流通下380℃で5時間焼成して触媒を得た。その結果、メタクロレイン反応率は79.3%、メタクリル酸選択率は88.6%、メタクリル酸単流収率は70.2%であった。
三酸化モリブデン100部に水1000部を加えて、85質量%リン酸水溶液7部、五酸化バナジウム1.7部、三酸化アンチモン1部を加えて分散・溶解させた。続いて硝酸セシウム12部、硝酸アンモニウム20部、硝酸ジルコニウム0.15部、硝酸鉄1.7部を加えて還流下で3時間加熱攪拌し、濃縮した。その後、さらに硝酸銅1.4部を加えて蒸発乾固した。これ以降は実施例2と同様に触媒を得て、反応を行った。その結果、メタクロレイン反応率は65.7%、メタクリル酸選択率は90.2%、メタクリル酸単流収率は59.2%であった。
三酸化モリブデン100部に水1000部を加えて、五酸化バナジウム1.7部、三酸化アンチモン1部を加えて分散・溶解させた。続いて硝酸セシウム12部、硝酸アンモニウム20部、硝酸ジルコニウム0.15部、硝酸鉄1.7部、85質量%リン酸水溶液7部を加えて還流下で3時間加熱攪拌し、濃縮した。その後、これを蒸発乾固した。得られた固形物を130℃で16時間乾燥し、触媒前駆体乾燥物とした。該触媒前駆体乾燥物の半分量である62部とテトラアンミン銅0.85部(三酸化モリブデン酸100部に対してテトラアンミン銅1.7部に相当)とを擂潰器内で30分間混合した。混合粉を加圧成形し、破砕し、篩を用いて0.85〜1.70mmのものを分取し、空気流通下380℃で5時間焼成して触媒を得た。その結果、メタクロレイン反応率は75.1%、メタクリル酸選択率は89.6%、メタクリル酸単流収率は67.2%であった。
三酸化モリブデン100部に水1000部を加えて、五酸化バナジウム1.7部、三酸化アンチモン1部を加えて分散・溶解させた。続いて硝酸セシウム12部、硝酸アンモニウム20部、硝酸ジルコニウム0.15部、硝酸鉄1.7部、85質量%リン酸水溶液7部を加えて還流下で3時間加熱攪拌し、濃縮した。その後、これを蒸発乾固した。得られた固形物を130℃で16時間乾燥し、触媒前駆体乾燥物とした。該触媒前駆体乾燥物の半分量である62部と硝酸銅0.7部(三酸化モリブデン100部に対して硝酸銅1.4部に相当)とを擂潰器内で30分間混合した。これ以降は参考例1と同様に触媒を得て、反応を行った。その結果、メタクロレイン反応率は44.2%、メタクリル酸選択率は90.2%、メタクリル酸単流収率は39.9%であった。
Claims (3)
- メタクロレインを分子状酸素により気相接触酸化してメタクリル酸を製造する際に用いられる、少なくともリン、モリブデン、バナジウムおよび銅を含むメタクリル酸製造用触媒の製造方法であって、銅原料としてアンモニアとの銅錯体を用い、
(a)触媒成分の原料化合物を含む溶液又はスラリーを調製する工程と、
(b)前記溶液又はスラリーを濃縮する工程と、
(c)前記濃縮した溶液又はスラリーを乾燥して触媒前駆体乾燥物を調製する工程と、
(d)前記触媒前駆体乾燥物を成形し、焼成する工程と、
を含み、
前記工程(a)で、前記アンモニアとの銅錯体を前記溶液又はスラリーに混合することを特徴とするメタクリル酸製造用触媒の製造方法。 - メタクロレインを分子状酸素により気相接触酸化してメタクリル酸を製造する際に用いられる、少なくともリン、モリブデン、バナジウムおよび銅を含むメタクリル酸製造用触媒の製造方法であって、銅原料としてアンモニアとの銅錯体を用い、
(a)触媒成分の原料化合物を含む溶液又はスラリーを調製する工程と、
(b)前記溶液又はスラリーを濃縮する工程と、
(c)前記濃縮した溶液又はスラリーを乾燥して触媒前駆体乾燥物を調製する工程と、
(d)前記触媒前駆体乾燥物を成形し、焼成する工程と、
を含み、
前記工程(b)で、前記アンモニアとの銅錯体を前記濃縮した溶液又はスラリーに混合することを特徴とするメタクリル酸製造用触媒の製造方法。 - 請求項1又は2に記載の方法でメタクリル酸製造用触媒を製造し、該メタクリル酸製造用触媒の存在下、メタクロレインを分子状酸素により気相接触酸化してメタクリル酸を製造するメタクリル酸の製造方法。
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