JP5859525B2 - 流体弁 - Google Patents

Description

本発明は、流体循環用の弁に関する。この流体は、自動車エンジンの排気ガス、エンジンの吸気側に向かう外気、または外気と排気ガスの混合物であってもよい。

また、この弁は、吸気ライン、またはエンジンの排気と吸気との間の排ガス再循環ラインに沿って設置し、計量弁として使用することもできる。

流体を流す流路を画定しているボディと、流体が流路内を循環するのを阻止する閉位置と、流体が流路内を循環するのを可能にする開位置との間を動くことができるフラップとを備えている弁は公知である。

このタイプの弁では、フラップが閉位置にあるとき、満足な流体密封を行うことが難しい。その理由は、許容される漏洩流量が非常に小さいからである。多くの解決手段が、これまでに提案されている。

例えば、流路の内壁に、フラップに対する複雑な接触面を設けることは公知である。また、流路の内壁との接触を改善するように、フラップをシールの周りにぴったり合わせること、またはフラップの先端部を機械加工することも公知である。

別の問題は、フラップを閉位置から動かすために、フラップに加える必要がある動力に関するものである。弁のエネルギー消費を減らすためには、この力を抑えておく必要があるにもかかわらず、シール性を改善するために実施されている従来の解決手段は、摩擦を発生して、必要な動力を増加するものである。

本発明は、上記の状況を改善するものである。そのため、本発明は、流体を流す流路を有するボディと、流体が流路内を循環するのを阻止する閉位置と、流体が流路内を循環するのを可能にする開位置との間を動くことができるフラップとを備える流体循環弁を提供するものである。

本発明においては、弁は、流体通過用の少なくとも１つの開口部を有するシールを備えており、フラップは、閉位置にあるとき、このシールの１つ以上の開口部を閉じることができるようになっている。このように、シールを介在させることによって、シール性を改善することができるとともに、発生する摩擦量を抑制することができる。

種々の実施形態においては、次のようになっている。
−シールは、弁のボディに密封するように固定され、流路に対して横方向に、特に直交するように設けられている。
−フラップは、第１の羽根および第２の羽根を備えており、これらの羽根は、フラップが閉位置にあるとき、シールのそれぞれの側に位置させられる。フラップは、中間域を備え、この中間域は、第１の羽根と第２の羽根を連結しており、シールの開口部を通過する。
−シールは、平面域を備えており、この平面域は、フラップが閉位置にあるとき、フラップの第１の羽根の面の中の、平面になっており、第１の羽根の接触面と呼ぶ１つの面によって、第１の羽根が接触しに来る面と、第２の羽根の面の中の、平面になっており、第２の羽根の接触面と呼ぶ１つの面によって、第２の羽根が接触しに来る反対側の面を有している。シールに設けられている流体通過用の開口部は、この平面域の領域に位置している。
−フラップの第１の羽根の接触面、および第２の羽根の接触面は、互いに離れている２つの平行面上にある。
−これらの平行面は、平面域におけるシールの厚さに相当する寸法だけ離れている。
−フラップの第２の羽根は、その平らな接触面の反対側の面を有し、中間域は、第１の羽根の接触面とこの反対側の面との間に傾斜面を有している。
−フラップが連結されている軸は、フラップの中間域の近くに設けられており、第１の羽根は、フラップが連結されている軸の方向に、中間域が延びている寸法を超えて、少なくとも中間域と第１の羽根との間の連結域の領域において、両側に延びている寸法を有している。
−シールの開口部は、フラップが閉位置にあるとき、羽根に面して延びている。
−シールは、スリーブによってボディに固定されている。
−ボディは、シールに対する停止部を有しており、スリーブは、シールを停止部に押し付けておくように構成されている。
−停止部は、流路の長手方向軸に対して、横方向の面、特に直交する面に設けられている平らな環状面を有しており、シールは、停止部のこの環状面に押し付けるようになっている平らな周辺端部を有している。
−ボディは、スリーブを受容することができる円筒孔を有している。
−スリーブは、フラップの中心を外れているフラップ連結軸から見て、シールの反対側に位置している。
−連結軸を中心にフラップを駆動する駆動軸を備えている。
−フラップは、駆動軸を受容することができる２つのブッシングを備えている。
−弁のボディに形成されている、駆動軸を通過させるハウジングに設けられている、駆動軸の回転を案内する少なくとも１つの軸受を備えており、この軸受は、流路に突き出ている。

添付の図面を参照して、全く限定しない単なる例として挙げる以下の説明を検討することにより、本発明をより良く理解しうると思う。

本発明の弁の一実施形態を示す、縦断面図である。 図１の弁を概略的に示す側面図である。 隠れている部分の詳細を示すために、フラップが閉位置にある状態の、図１および図２の弁のシールおよびフラップの斜視図である。 図３と同じであるが、フラップが開位置にある状態の斜視図である。

図１に示すように、本発明の弁は、流体を流す流路６０を有するボディ５０と、流体が流路内を循環するのを阻止する閉位置と、流体が流路内を循環するのを可能にする開位置との間を動くことができるフラップ１とを備えている。図１は、フラップの先端から見ており、フラップ１は閉位置にある。この弁は、流体用の第１および第２の吸／排気口７０を有しており、吸／排気口は、流路６０の各側に位置している。

本発明においては、この弁は、流体通過用の少なくとも１つの開口部５（図４に示す）を有するシール２をさらに備えており、フラップ１は、閉位置にあるとき、シールの１つ以上の開口部５を閉じることができるようになっている。

これにより、良好なシールが行われるとともに、摩擦は抑えられている。

シール２は、例えば弁のボディ５０に密封するように取り付けられている。シール２は、流路６０に対して直交しており、シールの開口部５は、フラップが開位置にあるとき、流体が流路６０に沿って流れるのを可能にしている。

そのため、図の実施形態においては、シール２は、スリーブ５１によってボディに固定されている。例えば、ボディ５０は、シール２を止めるための停止部６１を画定していてもよく、スリーブ５１は、シール２を停止部６１に押し付けておくように構成されている。言い換えると、シール２は、弁のスリーブ５１とボディ５０との間に挟まれている。

接触性および密封性を改善するために、停止部６１は、流路６０の長手方向軸と直交する面に設けられている平らな環状面を有し、シール２は、停止部６１の環状面に押し付けられるようになっている平らな周辺端部６３を有している。後で述べるように、シールは、その全体にわたって平らであってもよい。

ボディは、例えば、圧力嵌めによって、スリーブ５１を受容することができる円筒孔６４を有しており、円筒孔６４もスリーブ５１も、対応する環状断面を有している。

スリーブ５１は、給／排気孔７０の１つと、停止部６１との間に延びており、流体を流す流路６０の第１の部分を画定している。流路の他方の部分は、他方の給／排気孔７０からシール２の方向にわずかに収斂している。

スリーブ５１は、フラップ１の中心を外れるようになっているフラップ１の連結心軸１６から見て、シール２の反対側に位置している。

これに関連して、この弁は、連結心軸１６を中心にフラップを駆動する駆動軸２１を備えていてもよく、フラップ１は、駆動軸２１を受容する２つのブッシュ６５を備えている。これらのブッシュ６５は、例えば、フラップの残りの部分と一体に作られている。これらブッシュは、特に正反対の位置で向かい合っている。

この弁は、ボディ５０に形成されている、駆動軸２１を挿通しうるハウジング６７に設けられている、駆動軸２１の回転を案内する少なくとも１つの軸受６６をさらに備えている。この軸受６６は、フラップ１の両側に設けられている。軸受６６は、特にブッシング６５と接触するように、流路６０に突き出ていてもよい。

図の実施形態においては、弁は、ボディ５０に駆動軸２１を連結するための玉軸受７１、フラップを絶対安全な位置に駆動する復帰ばね７２、および／または図示していないピニオンを含む装置によって、駆動モータに接続されるようになっている歯車７３をさらに備えている。

図２〜図４に示すように、この実施形態においては、フラップ１は、例えば、第１の羽根３および第２の羽根４を備えている。これらの羽根３、４は、フラップ１が閉位置にあるとき、シール２のそれぞれの側に配置されている。

フラップ１は、中間域６も備えており、この中間域６は、第１の羽根３と第２の羽根４を連結し、シールの開口部５の輪郭領域７、７’において、例えばぴったりと合うように、シールの開口部５を通過するようになっている。

このようにして、シールの開口部５の周囲のシールを達成することができるとともに、シールの開口部とフラップの輪郭との間に大きな隙間を残すことなしに、フラップは、その開位置と閉位置との間を動くことができる。

開口部５は、フラップが図２および図３に示す閉位置にあるときは、羽根３、４に面して延びている。

フラップが図４に示す開位置にあるときは、第１の羽根３および第２の羽根４は、流体が通過できるようにするために、シールに対して横方向に、シール２のそれぞれの側に１つの羽根が延びている。フラップ１は、例えば、その全開口位置において、シール２に直交する。

図の種々の実施形態においては、シール２は、平面域８を備えており、この平面域８は、フラップが閉位置にあるとき、フラップの第１の羽根３の面の中の、平面になっており、第１の羽根の接触面１０によって、第１の羽根３が接触しに来る面９、および／または第２の羽根４の面の中の、平面になっており、第２の羽根の接触面１２によって、第２の羽根４が接触しに来る反対側の面１１を有している。シール２に設けられている流体通過用の開口部５は、この平面域８の領域に位置している。これにより、１つ以上の羽根の領域における対面接触によって、シールが達成されている。

既に述べたように、平面域８は、シールの周辺部まで延びていてもよい。言い換えると、シールは、完全に平らである。

フラップの第１の羽根の接触面１０および第２の羽根の接触面１２は、例えば、平面域８のシールの厚さに相当する寸法だけ、互いに離れている２つの平行面に延びている。これにより、面対面タイプの接触を確実に行うことができる。

第１の羽根３は、その接触面１０の反対側の面１３を有し、第２の羽根４は、その接触面１２の反対側の面１４を有している。これら２つの反対側の面１３、１４は、例えば、平面であり、中間域６は、第１の羽根３の接触面１０と第２の羽根４の反対側の面１４との間に傾斜面１５を有している。この傾斜面１５は、流体がフラップの表面を流れるのを促進する。

既に述べているように、弁は、フラップ１が連結されている連結軸１６を備えていてもよく、この連結軸１６は、フラップ１の中心から外れており、例えば、フラップの中間域６の近くに位置している。

フラップの連結軸１６の方向において、第１の羽根は、中間域６が延びている寸法ｙ’を超えて、少なくとも中間域と第１の羽根３との連結域の領域において、両側に延びている寸法ｙを有している。従って、第１の羽根３の接触面１０は、シールの開口部５の周辺の第１の部分において、シール２と接触する環状で角張った形態の接触域１７を有していてもよい。

図の実施形態においては、第１の羽根３が有している接触域１７は、輪郭領域７、７’の領域において、中間域６に沿っても延びている。この場合、これは、流体の密封性を高め、シールの開口部５の輪郭と重ならない中間域６を有することができる。

開口部５は、例えば、隣り合って設けられている２つの矩形から成り、これら２つの矩形の一方は、フラップの連結軸１６の方向において、他方より短い寸法を有し、これらの矩形のそれぞれの、一辺は、円弧状をなしている。第２の羽根４は、角胴形を有して円弧状に延び、開口部５の小さい方の矩形部を備える部分を閉鎖するのに対して、第１の羽根３は、角胴形を有して円弧状に延び、開口部の大きい方の矩形部を備える部分を閉鎖する。第２の羽根４は、その対応する接触域１８が、開口部５の小さい方の矩形部の、回転軸と直交する方向の辺に沿って、かつ矩形部から延びている円弧状部に沿って位置している、シールの開口部５の縁に追随するように、開口部５を越えて延びている。第１の羽根３は、その対応する接触域１７が、開口部５の大きい方の矩形部の、回転軸に直角方向の辺に沿って、かつ矩形部から延びている円弧状部に沿って位置している、開口部５の縁に追随するように、開口部５を越えて延びている。中間域６は、中間域を作っている大きい方の矩形部の対向する２つの辺の部分において、開口部５の輪郭に面するように設けられている。既に述べたように、第１の羽根３の接触域１７は、輪郭領域７、７’において、中間域６に沿って延びている。

フラップ１は、連結軸２１用のハウジング２０を有しており、このハウジング２０は、前述のブッシュ６５の形態をなしている。この連結軸２１は、符号２２を付してある矢印で示すように、連結軸１６を中心に回転可能に連結されている。

このハウジングは、例えば、フラップの第１の羽根３の接触面１０の反対側の面１３、および第２の羽根４の接触面１２から延びている中間域の拡張部２３にある。

図２〜図４の実施形態においては、フラップのハウジング２０は、貫通ハウジングであり、連結軸２１は、ハウジング２０の両側より突出している。連結軸２１は、公知の手法で拡張部２３に連結されている。

第１の羽根３、第２の羽根４、中間域６、およびその拡張部２３は、１つのコンポーネントとして、特に一体成形品として形成されている。

第１の羽根３は、例えば、第２の羽根４より大きい表面積を有している。この第１の羽根３は、流路６０の収斂する側、すなわち、スリーブ５１を収容している側の反対側に設けられている。

１ フラップ
２ シール
３ 第１の羽根
４ 第２の羽根
５ 開口部
６ 中間域
７、７’ 輪郭領域
８ 平面域
９ （シールの）面
１０、１２ 接触面
１１ （シールの）反対側の面
１３、１４ （羽根の）反対側の面
１５ 傾斜面
１６ 連結軸
１７、１８ 接触域
２０ （フラップの）ハウジング
２１ 連結軸
２２ 矢印
２３ （フラップの）拡張部
５０ ボディ
５１ スリーブ
６０ 流路
６１ 停止部
６２ 環状面
６３ 周辺端部
６４ 円筒孔
６５ ブッシュ
６６ 軸受
６７ （本体の）ハウジング
７０ 給／排気口
７１ 玉軸受
７２ 復帰ばね
７３ 歯車
ｙ、ｙ’ 寸法

Claims (9)

1. 流体循環弁であって、
   流体を流す流路（６０）を有するボディ（５０）と、
   流体が前記流路内を循環するのを阻止する閉位置と、流体が前記流路内を循環するのを可能にする開位置との間を動くことができるフラップ（１）とを備え、
   流体通過用の少なくとも１つの開口部（５）を有するシール（２）をさらに備えており、
   前記フラップは、閉位置にあるとき、前記シールの前記１つ以上の開口部（５）を閉じることができるようになっており、
   前記フラップ（１）は、第１の羽根（３）および第２の羽根（４）を備え、両羽根（３）（４）は、前記フラップ（１）が閉位置にあるとき、前記シール（２）のそれぞれの側に１つの羽根が配置され、前記フラップ（１）は、中間域（６）を備え、この中間域（６）は、前記第１の羽根（３）と第２の羽根（４）を連結し、かつ前記シールの開口部（５）を通過するようになっており、
   前記フラップ（１）が連結されている軸は、前記フラップ（１）の中間域（６）近くに設けられており、前記第１の羽根（３）は、前記フラップ（１）が連結されている軸の方向に、前記中間域（６）が延びている寸法を超えて、少なくとも前記中間域（６）と前記第１の羽根（３）との間の連結域の領域において、両側に延びている寸法を有していることを特徴とする弁。
2. 前記開口部（５）は、前記フラップが閉位置にあるとき、前記羽根（３）（４）に面するようになっていることを特徴とする請求項１に記載の弁。
3. 前記シール（２）は、スリーブ（５１）によって前記ボディに固定されていることを特徴とする請求項１または２に記載の弁。
4. 前記ボディ（５０）は、前記シール（２）のための停止部（６１）を有しており、前記スリーブ（５１）は、前記シール（２）を前記停止部（６１）に押し付けておくように構成されていることを特徴とする請求項３に記載の弁。
5. 前記停止部は、前記流路（６０）の長手方向軸と直交する面に設けられている平らな環状面を有し、前記シール（２）は、前記停止部（６１）の環状面（６２）に押し付けられるようになっている平らな周辺端部（６３）を有していることを特徴とする請求項４に記載の弁。
6. 前記ボディは、前記スリーブ（５１）を受容することができる円筒孔（６４）を有していることを特徴とする請求項３〜５のいずれか１項に記載の弁。
7. 前記スリーブ（５１）は、前記フラップ（２）の中心を外れている、前記フラップ（２）の連結軸（１６）から見て、前記シール（２）の反対側に位置していることを特徴とする請求項３〜６のいずれか１項に記載の弁。
8. 連結軸（１６）を中心に前記フラップを駆動する駆動軸（２１）を備え、前記フラップ（２）は、前記駆動軸（２１）を受容することができる２つのブッシュ（６５）を備えていることを特徴とする請求項１〜７のいずれか１項に記載の弁。
9. 前記弁の前記ボディ（５０）に形成されている、前記駆動軸（２１）を通過させるハウジング（６７）に設けられている、駆動軸（２１）の回転を案内する少なくとも１つの軸受（６６）を備え、前記軸受（６６）は、前記流路（６０）に突き出していることを特徴とする請求項８に記載の弁。

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