JP5858345B2 - 熱電変換装置 - Google Patents

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Description

本発明は、熱エネルギーを電気エネルギーに変換する装置に関する。
環境・エネルギー問題への取り組みが活発化する中で、熱電変換技術への期待が高まっている。熱は体温、太陽熱、エンジン、工業排熱など様々な場面から回収することができる最も一般的なエネルギー源であることから、低炭素社会におけるエネルギー利用の高効率化や、ユビキタス端末・センサ等への給電といった用途において、熱電変換は今後ますます重要となることが予想される。
熱電変換装置で利用可能な熱源としては、人・動物の体温や、照明(蛍光灯・街灯)、IT機器(ディスプレイ・サーバ)、自動車(エンジン周り、排気管)、公共設備(ごみ焼却場、水道管)、建築物(壁・窓・床)、自然構造物(植物・川・地面)など、多岐にわたる。熱電変換では、これらの熱源に素子を密着させ、生成される温度差を効率的に利用することが求められるが、多くの熱源が曲面や凹凸を有していることから、熱電変換装置の側でも様々な形状の熱源に容易に設置できるようなフレキシブル性(可撓性)を有することが望ましい。
しかし、一般的に、熱電変換装置はpn接合からなる熱電対を多数個並べて相互接続した複雑な構造を有していることから、信頼性などの面でフレキシブル構造の採用は難しかった。
これまで知られているフレキシブルな熱電変換装置の実現方法として、例えば、特開2004−104041号公報(特許文献1)では、フレキシブルな高分子シートを支持体として複数の熱電対を配置する方法が開示されている。また、特開2003−282970号公報(特許文献2)では、断熱材を介して積層されると共に電極で架橋接続されたp型エレメントおよびn型エレメントから成る複数の熱電変換素子にフレキシブルな高分子シートを有する基板に接合した構造が開示されている。さらに、特開2010−199276号公報(特許文献3)では、塗布・印刷による方法でpn接合をパターニングし、フレキシブルな熱電変換装置を形成する方法が記載されている。
以上のような工夫により、フレキシブルな熱電変換装置の実現がなされているが、それでも熱電対を多数接続した構造では、その中の接合や配線が1箇所でも破損してしまうと、熱電発電の機能が損なわれてしまうことから、可撓素子における高信頼動作には依然として課題があった。
また、近年では、磁性材料に温度勾配が印加されることによって、スピン角運動量の流れ(スピン流)を生じるというスピンゼーベック効果が発見されている。特開2009−130070号公報(特許文献4)、特開2009−295824号公報(特許文献5)、Nature Materials 9,894(2010)(非特許文献1)、Appl.Phys.Lett.97,172505(2010)(非特許文献2)には、スピンゼーベック効果によって磁性体中に誘起されたスピン流を、金属電極によって電流(起電力)として取り出す構造が示されている。
このようなスピンゼーベック効果を利用した熱電変換装置の大きな特徴として、基本的には磁性体と電極との接合構造のみで構成することができ、複雑な熱電対構造が不要である点が挙げられる。このため、多数個の熱電対接合を有する従来型の熱電変換装置に比べ、上記の破損といった不具合の発生確率を格段に小さくできる可能性があることから、信頼性の高いフレキシブルな熱電変換装置として期待される。
しかし、特許文献4、5、非特許文献1、2に示された熱電変換装置のように素子構造の簡易化が可能なスピンゼーベック効果を利用したものとしても、信頼性の高いフレキシブル素子化には、さらなる改良の余地があった。即ち、基板上に磁性体膜と電極とを成膜した構造の場合、可撓性を有する基板を採用したとしても、素子を湾曲させる際に磁性体膜と電極とに大きな応力が加わる結果、磁性体膜や電極の破断、およびそれらの接合部分の剥離などにより、熱電変換機能が損なわれる可能性があることが、発明者等の実験によりわかった。
また、仮に破断しない場合であっても、このような大きな応力が磁性体膜や電極に直接加わる結果、例えば磁性体/電極接合におけるスピン流散乱ロスが大きくなり、熱起電力が低下してしまう虞があることもわかった。
それ故、本発明の課題は、信頼性が高いフレキシブルな熱電変換装置を提供することである。
本発明の他の課題は、上記熱電変換装置の製造方法を提供することである。
本発明によれば、基板と、前記基板上に形成され、熱起電力を発生する発電部とを有し、前記発電部は、磁化を有する磁性体層と、スピン軌道相互作用を有する材料から成り、前記磁性体層上に形成された電極層とを有し、前記基板および前記発電部は、可撓性を有する熱電変換装置であって、可撓性を有し、前記基板上に少なくとも前記発電部を覆うように形成されたカバー層をさらに有することを特徴とする熱電変換装置が得られる。
また、本発明によれば、筒状を呈する筒状部材をさらに有し、前記筒状部材は、筒の外側に前記発電部の前記磁性体層の磁化方向が筒の軸方向に沿うようにして前記基板、前記発電部、および前記カバー層が配置される一方、筒の内側に熱源または冷源を流通もしくは滞留させる前記熱電変換装置が得られる。
さらに、本発明によれば、可撓性を有し、熱源または冷源に装着される支持体と、前記支持体にそれぞれ搭載された信号発生装置、無線送信装置、および前記熱電変換装置とを有し、前記信号発生装置は、電気信号を発生し、前記無線送信装置は、前記信号発生装置が発生した電気信号を無線信号として送信し、前記熱電変換装置は、前記信号発生装置および前記無線送信装置のうちの電源供給を要する装置に対する電源として、熱起電力を印加することを特徴とする電子機器が得られる。
図1は、本発明の第1の実施形態の熱電変換装置を示す斜視図である。
図2は、本発明の第1の実施形態の熱電発電動作を示す図である。
図3は、本発明の第1の実施形態における湾曲時の応力負荷状態について説明した図である。
図4は、本発明の実施例1の熱電変換装置を示す斜視図である。
図5は、本発明の第2の実施形態の熱電変換装置を示す斜視図である。
図6は、本発明の第2の実施形態における湾曲時の応力負荷状態について説明した図である。
図7は、本発明の第2の実施形態の熱電発電動作を示す図である。
図8は、本発明の実施例2の熱電変換装置を示す斜視図である。
図9は、本発明の第3の実施形態の熱電変換装置を示す斜視図である。
図10は、本発明の第3の実施形態における湾曲時の応力負荷状態について説明した図である。
図11は、本発明の第3の実施形態の熱電発電動作を示す図である。
図12は、本発明の実施例3の熱電変換装置を示す斜視図である。
図13は、本発明の第4の実施形態の熱電変換装置を示す斜視図である。
図14は、本発明の第4の実施形態の熱電変換装置を示す斜視図である。
図15は、本発明の第4の実施形態の熱電変換装置を示す斜視図である。
図16は、本発明の第4の実施形態における湾曲時の応力負荷状態について説明した図である。
図17は、本発明の第4の実施形態の熱電発電動作を示す図である。
図18は、本発明の実施例4の熱電変換装置を示す斜視図である。
図19は、本発明の第5の実施形態の熱電変換装置を示す斜視図である。
図20は、本発明の実施例5の熱電変換装置を示す斜視図である。
図21(a)および(b)は、本発明の実施例6のロール・ツー・ロール方式による熱電変換装置の製造方法を示す図である。
図22は、本発明の実施例7の熱電変換装置を示す斜視図である。
図23は、本発明の実施例7の変形例の熱電変換装置を示す斜視図である。
図24は、本発明の実施例8の熱電変換装置の応用例を示す図である。
本発明による熱電変換装置は、基板と、基板上に形成され、熱起電力を発生する発電部とを有している。発電部は、磁化を有する磁性体層と、スピン軌道相互作用を有する材料から成り、前記磁性体層上に形成された電極層とを有している。基板および発電部は、可撓性を有している。
特に、本発明による熱電変換装置は、可撓性を有し、基板上に少なくとも発電部を覆うように形成されたカバー層をさらに有している。
即ち、本発明による熱電変換装置は、磁化を有する少なくともひとつの磁性体層と、スピン軌道相互作用を有する材料を含む電極とからなる発電部が、基板とカバー層との間に挟まれて配置された熱電変換装置であって、基板とカバー層とが可撓性を有することを特徴とする。また、カバー層の膜厚は、基板の膜厚と同程度で、具体的には60%から150%の範囲内にあることが望ましい。
本発明による熱電変換装置は、信頼性が高い。
即ち、本発明によるフレキシブルな熱電変換装置は、応力が印加されても、磁性体膜、電極の破断や、それらの接合部分の剥離を起こすことがない。また、応力が印加されても、熱起電力が低下することがない。
さらに、印刷プロセスなどの採用により、大面積シート型の素子実装が可能となり、曲面や可動体など、様々な熱源への適用が容易になる。
つまり、このような素子構造により、基板とカバー層の間の中心部に埋め込まれた発電部には大きな応力が掛かることがないため、素子を湾曲させた場合でも、発電部が破損する可能性が大きく低減する。 また、本発明の別の実施形態では、発電部において、電極の上部に第1の磁性体層が配置され、電極の下部に第2の磁性体層が配置される。 このように、電極層の上下を磁性体で挟んだ上下対称構造を採用することにより、破損した際の性能低下リスクが最も高い電極、およびその界面を、湾曲時応力が最も小さい中心部に埋め込むことができることから、フレキシブル素子としての信頼性をさらに高めることができる。 さらに、本発明の別の実施形態では、磁性体層が、空間的に分離した複数の磁性体層片により構成される。また、複数の磁性体の間に、弾性を有する応力吸収材料が埋め込まれていることを特徴とする。
面直方向の温度勾配で発電を行う場合、磁性体層は必ずしも一体としてつながっている必要はないことから、これを複数の磁性体層片に分離して並列配置し、それらの隙間に伸び縮みしやすい有機材料などを埋め込むことにより、可撓性をさらに高めることができる。
<第1の実施形態>
[構成]
次に、本発明の第1の実施形態について図面を参照して説明する。
本発明の第1の実施形態である熱電変換装置の斜視図を示す図1を参照すると、本熱電変換装置は、可撓性を有する基板10と、磁性体層21および電極層22からなる発電部20と、カバー層90とを有する積層構造を呈している。
基板10としては、可撓性を有する有機樹脂基板などを用いる。デバイスの製造時に高熱が加わらない場合や、低温での熱電変換応用では、ポリオレフィンやビニル樹脂などの熱可塑性材料でもよい。しかし、磁性体層や電極の成膜時などに加熱が必要なプロセスを利用する場合や、100℃以上などでの高温熱電変換応用を考慮した場合、可撓性を有する基板10は、ポリイミド基板やポリエステル基板のような熱硬化性樹脂基板や、アクリル基板のように、高温でも変形し難く熱安定性の高い樹脂材料を用いることが、特に望ましい。また、ステンレス鋼(SUS)ホイルなどの金属系の可撓性を有する基板を採用することにより、さらに耐熱性を高めることもできる。可撓性を有する基板10の膜厚tsは、特に限定されないが、フレキシブル素子としての利便性などの観点から、tsは10〜300μm程度が望ましい。
磁性体層21は、膜面に平行な一方向に磁化を有しているものとする。磁性体層21は、熱伝導率の小さな材料ほど効率良く熱電効果を作用するため、本実施形態では磁性絶縁体を用いる。例えば、ガーネットフェライト、スピネルフェライトなどの酸化物磁性材料を適用することができる。
磁性体層21は、有機金属堆積法(MOD法)、ゾルゲル法、エアロゾル・デポジション法(AD法)などの方法により、可撓性を有する基板10上に成膜する。磁性体層21に酸化物磁性材料を用いる場合、可撓性を発現させるために、膜厚tmは100μm以下が望ましい。
また、磁性体層21として保磁力を有する磁性材料を用いれば、一旦外部磁場などで磁化方向を初期化しておくことにより、ゼロ磁場の下でも動作可能な素子が得られる。
電極層22は、逆スピンホール効果を用いて熱起電力を取り出すために、スピン軌道相互作用を有する材料を含んでいる。例えばスピン軌道相互作用の比較的大きなAuやPt、Pd、Irなどの金属材料、またはそれらを含有する合金材料を用いる。また、Cuなどの一般的な金属電極材料に、Au、Pt、Pd、Irなどの材料を0.5〜10%程度ドープするだけでも、同様の効果を得ることができる。
電極層22は、スパッタ、蒸着、めっき法、スクリーン印刷法、インクジェット法などで成膜する。ここで、スピン流を高い効率で電気に変換するために、電極の厚さteは、少なくとも金属材料のスピン拡散長以上に設定するのが好ましい。例えば、Auであれば50nm以上、Ptであれば10nm以上に設定するのが望ましい。尚、熱電効果を電圧信号として利用するセンシング用途などでは、シート抵抗が小さい方が大きな熱起電圧信号が得られることから、膜厚teは、金属材料のスピン拡散長程度に設定することが好ましい。例えば、Auであれば50〜150nm程度に、Ptであれば10〜30nm程度に設定するのが望ましい。また、可撓性を発現させるために、膜厚teは1μm以下が望ましい。
カバー層90には、可撓性を有する有機樹脂材料などを用いる。カバー層90は、塗布プロセスや印刷プロセスに適する材料が好ましい。アクリル系樹脂やポリエステル、ポリイミドなどを用いる。100度以下の低温領域の用途では、ポリエチレンやポリプロピレンなどのポリオレフィンやビニル樹脂といった熱可塑性樹脂を用いてもよい。
詳しくは後述するが、素子の耐応力性を確保するため、カバー層90の膜厚tcは、可撓性を有する基板10の厚さtsとほぼ等しくなるよう設計する。具体的には、カバー層90の膜厚tcは、可撓性を有する基板10の厚さtsの60%から150%の範囲にあることが望ましい。
尚、前述のように、高温加熱を伴うプロセスでは、可撓性を有する基板10は、カバー層90以上の熱安定性を有する材料を用いるものする。その場合、熱電発電の際は、可撓性を有する基板10を高温側に、カバー層90を低温側になるよう温度差を印加することが望ましい。
尚、本発明による熱電変換装置において、基板が金属から成る場合は、基板上に磁性体層、磁性体層上に電極層、電極層上に樹脂から成るカバー層が構成される。または、電極層上に絶縁処理を施した上で、金属から成るカバー層が構成されてもよい。あるいは、金属製の基板に絶縁処理を施した上で、基板上に電極層、電極層上に磁性体層、磁性体層上に樹脂または金属から成るカバー層が構成されてもよい。
[熱起電力の生成作用]
図2に示されるように、熱電変換装置に対して、面に対して垂直方向に温度勾配が印加されると、磁性体層21におけるスピンゼーベック効果により、この温度勾配方向に角運動量の流れ(スピン流)が誘起される。
この磁性体層21において生成されたスピン流は、近接する電極層22へと流れ込み、この電極層22における逆スピンホール効果によって、磁性体層21の磁化方向に対して垂直方向の電流(起電力)へと変換される。つまり、磁性体層21と電極22とで構成される発電部20において、印加される温度差から熱起電力が生成される。
[信頼性(耐応力性)向上策]
本発明では、フレキシブルな熱電変換装置としての素子信頼性(耐応力性)を確保するために、曲げ応力に対する保護が必要な発電部20を上部のカバー層90と、下部の可撓性を有する基板10の間の中間部に埋め込んだ構造を採用している。特に、効果的に応力を吸収するために、可撓性を有する基板10とカバー層90の厚さは同程度とする。
このように素子を構成することにより、例えば図3に示されるように素子を折り曲げた場合に、上部のカバー層90には引っ張り応力が掛かり、下部の基板10には圧縮応力が掛かる一方で、中心部の発電部20には比較的応力が掛かり難くなる。この結果、湾曲時の破損リスクが大きく低減され、信頼性(耐応力性)の高いフレキシブルな熱電変換装置が得られる。
図4を参照すると、本発明の実施例1による熱電変換装置においては、磁性体層21としてはYサイトの一部をBiで置換したイットリウム鉄ガーネット(以降、Bi:YIGと記す。組成はBiY2Fe5O12)膜を用いる。電極層22にはPtを用いる。ここで、磁性体層21(Bi:YIG膜)の厚さはtm=50μm、電極層22(Pt電極)の厚さはte=20nmとする。可撓性を有する基板10としてはポリイミド基板を、カバー層90としてはアクリル樹脂を用い、これらの膜厚は共にts=tc=100μmとする。
Bi:YIGからなる磁性体層21は、AD法によって成膜する。Bi:YIG原料には、直径300nmのBi:YIG微粒子を用いる。このBi:YIG微粒子をエアロゾル発生容器に詰めておき、ポリイミド基板10は成膜チャンバ内のホルダーに固定する。この状態で成膜チャンバとエアロゾル発生容器との間に圧力差を生じさせることにより、Bi:YIG微粒子が成膜チャンバ内へと引き込まれ、ノズルを通して基板10上に吹き付けられる。このときの基板10での衝突エネルギーによって微粒子が粉砕・再結合し、基板10(ポリイミド基板)上にBi:YIG多結晶が形成される。図示しない基板ステージを2次元的にスキャンすることにより、基板10上に均一な磁性体層21(Bi:YIG膜)を膜厚20μmで成膜する。
その後、必要に応じて磁性体層21の表面を研磨した後、厚さ20nmの電極層22(Pt電極)をスパッタ法によって成膜する。
最後に、アクリル材料としてポリメタクリル酸メチルを溶かした有機溶液を電極層22(Pt電極)上に塗布し、100℃程度の高温で乾燥させ、カバー層90を形成する。
<第2の実施形態>
本発明の第2の実施形態である熱電変換装置を示す図5を参照すると、本熱電変換装置は、磁性体層として、電極層32の一方の層表面に形成された第1の磁性体層(下部磁性体層)31Lと、電極層32の他方の層表面に形成された第2の磁性体層(上部磁性体層)31Uとを含んでいる。
磁性体、電極層32や、可撓性を有する基板10、カバー層90の材料などは、第1の実施形態と同じものを用いることができる。第1の実施形態と同様に、カバー層90の膜厚tcは、可撓性を有する基板10の厚さtsとほぼ等しくなるよう設計する。
即ち、第1の実施形態との違いは、発電部30が、上部磁性体層31U/電極層32/下部磁性体層31Lの積層構造によって構成されている点である。このとき、上部磁性体層31Uは、下部磁性体層31Lと同程度の膜厚を有することが望ましい。具体的には、上部磁性体層31Uの膜厚tmuは、下部磁性体層31Lの膜厚tmlの60%から150%の範囲にあることが望ましい。
このような上下対称構造を採用することにより、第1の実施形態に比べて以下のような性能向上が可能となる。
(1)電極層32が上下対称な積層構造の中心に埋め込まれているため、曲げに対してよりロバストになる。
(2)電極層32の上下に磁性体が配置されることにより、両磁性体からのスピンゼーベック効果を利用することができ、より高効率な熱電発電が可能になる。
まず、上記の利点(1)の高信頼性について説明する。磁性体層に対して面直方向の温度勾配を利用する場合、磁性体層の一部に仮にクラックが生じても、面直方向(クラック面に平行な方向)に流れるスピン流は大きな影響を受けず、熱電発電性能は大きく低下しない。それに対し、電極層32が破断してしまうと、回路的にオープン(開放)になることから、電極層32の面内方向に流れる電流が取り出せなくなり、熱電変換は不可能となる。また同様に、電極/磁性体の接合界面が破損・剥離した場合にも、磁性体からスピン流が取り出せなくなり、熱電変換は不可能となる。このため、電極層32と、その界面の耐応力性を確保することがフレキシブル動作において最も重要となる。本実施形態はこのような設計指針に基づいて構成されており、上下対称な積層構造の中心に電極層32が位置していることから、図6に示されるように、湾曲時に電極層32にかかる応力は小さくなり、上記の電極破断や回路開放の可能性を抑えることができる。
さらに、上記の利点(2)として、高効率化が可能になる。このような構造に対して、図7に示されるように面直方向の温度勾配を印加すると、上部磁性体層31Uおよび下部磁性体層31Lのそれぞれにおいてスピンゼーベック効果によるスピン流が誘起される。これらのスピン流は、近接する電極層32においてそれぞれ同符号の起電力生成に寄与する(起電力を強めあう)ことから、第1の実施形態に比べて倍の熱電発電効果が得られる。
図8に、本実施形態の具体的な実施例を示した。下部磁性体層31L、上部磁性体層31UにはどちらもBi:YIGを用い、電極層32にはPtを用いる。下部磁性体層31L、上部磁性体層31U(Bi:YIG膜)の厚さはtml=tmu=50μm、電極層32(Pt電極)の厚さはte=20nmとする。可撓性を有する基板10としては厚さ100μmのポリイミド基板を、カバー層90としては厚さ100μmのアクリル樹脂を用いる。製造方法などは、第1の実施形態と同様のプロセスを採用することができる。
<第3の実施形態>
本発明の第3の実施形態である熱電変換装置を示す図9を参照すると、本熱電変換装置は、基板10上に複数の発電部(下部発電部40L、上部発電部40U)が積層されている。
即ち、本熱電変換装置において、高信頼化・高効率化のために電極層の上下に磁性体層を配置するという基本的な設計方法は、上記の第2の実施形態と共通している。第2の実施形態との違いは、素子作製プロセスの簡略化のため、同様の方法で作製された下部発電部40Lと上部発電部40Uとを、それぞれの電極面において導電性接着材料などで貼り合わせることにより、熱電変換装置を構成する点にある。
つまり、発電部40を構成する2つの下部発電部40Lと上部発電部40Uとは、それぞれの電極層42Lと電極層42Uとが貼り合われることにより、単一の電極層が構成されている。この電極層の一方の層面には下部発電部40Lの磁性体層41Lが、一方の層面には上部発電部40Uの磁性体層41Uが形成されることになる。
このような構造を採用することにより、上記の実施形態と同様と同様の構造、即ち、図10に示されるように、電極/磁性体の接合界面に応力が掛かり難い構造が実現される。さらに、図11に示される通り、下部発電部40Lと上部発電部40Uとの両方から熱起電力を効率的に取り出すことができる。
本熱電変換装置の製造方法を示す図12を参照すると、可撓性を有する基板10およびカバー層90には共に、耐熱性の高いステンレス鋼(SUS)ホイルを用いる。厚さはそれぞれ100μmとする。これら基板10、カバー層90(SUSホイル)を用いて、下部発電部40Lと上部発電部40Uとを、以下に示す互いに同様のプロセスによって作製する。
(1)まず、基板10、カバー層90(SUSホイル)上に、有機金属分解法(MOD法)によって磁性体層41L、41Uとして厚さ500nmのBi:YIG膜を成膜する。Bi:YIG溶液には、例えば、株式会社高純度化学研究所製のMOD溶液を用いる。この溶液中では、適切なモル比率(Bi:Y:Fe=1:2:5)からなる磁性金属原材料が酢酸エステルに5%の濃度で溶解されている。この溶液をスピンコート(回転数500rpm、30s回転)で基板10、カバー層90(SUSホイル)上に塗布し、150℃のホットプレートで5分間乾燥させた後、電気炉中で600℃の高温で14時間焼結させる。これにより、基板10、カバー層90(SUSホイル)上にそれぞれ、膜厚約500nmの磁性体層41L、41U(Bi:YIG膜)が形成される。
(2)次に、それぞれの上に、電極層42L、42Uとして、銅にイリジウムを少量ドープした厚さ100nmのCu1−xIrxを、スクリーン印刷法によって成膜する。ここでは、Irを1%ドープした電極材料Cu0.99Ir0.01を用いる。スクリーン印刷用のインク(ペースト)としては、Cu0.99Ir0.01合金を粒径約50nmに微粒子化した粉末を、バインダと混合させたものを用いる。
(3)最後に、(1)、(2)で作製した下部発電部40Lと上部発電部40Uとを、電極層42Lと電極層42Uとを貼り合わせることにより、固定する。固定には、両電極層の界面に薄く延ばされた銀ペーストを用いる。
以上のプロセスにより、高信頼・高効率な熱電変換装置が容易に構成される。
<第4の実施形態>
本発明の第4の実施形態である熱電変換装置は、磁性体層は、空隙部を置いて層方向に分離した複数の磁性体層片によって構成されている。あるいは、弾性を有する材料が空隙部内に埋め込まれて成る応力吸収層をさらに有している。
前述のように、磁性体層中では、スピン流は素子に対して面直方向に流れることから、必ずしも層全体が一体としてつながっている必要はなく、複数の、互いに分離した磁性体によって構成されていてもよい。また、それら複数の磁性体間は、空隙部が存在したり、弾性を有する材料を介して隔離されていたりしてもよい。磁性体層にこのような適切な構造を設けることにより、さらに可撓性を高めることができる。
複数の磁性体の配置方法や、それらの隔離方法としては、用途に応じて様々な形態を採用することができる。ここではそのような構造の一例として、図13〜図15に示す形態を説明する。
図13を参照すると、本熱電変換装置において、電極層52と共に発電部50を構成する磁性体層51は、磁性体層51内で「井の字」形状(図示せず)を呈する空隙部512を置いて層方向に分離した複数の磁性体層片によって構成されている。尚、磁性体層51中の空隙部512の形状や数量については、単一の「井の字」形状に限らず、熱電変換装置の所望される撓みの形状や度合いに有利な形状、数量であればよい。
磁性体層51の層方向に分離した複数の磁性体層片間に空隙部512を設けられている。
図14を参照すると、本熱電変換装置において、電極層62と共に発電部60を構成する磁性体層61は、磁性体層61内で「井の字」形状(図示せず)を呈する空隙部を置いて層方向に分離した複数の磁性体層片によって構成されている。本熱電変換装置はさらに、弾性を有する材料が空隙部内に埋め込まれて成る、磁性体層61層内で「井の字」形状(図示せず)を呈する応力吸収層612をさらに有している。尚、磁性体層61中の応力吸収層612の形状や数量についても、単一の「井の字」形状に限らず、熱電変換装置の所望される撓みの形状や度合いに有利な形状、数量であればよい。即ち、本熱電変換装置においては、図13に示された熱電変換装置の空隙部の代わりに、湾曲の際の応力を吸収可能な応力吸収層612が形成されている。応力吸収層612は、弾性の高い材料によって形成される。
図13または図14に示された構造を採用することにより、空隙部または応力吸収層の部分を中心にして素子が曲がりやすくなり、磁性体層片部分には大きな応力が掛からなくなることから、より可撓性の高い熱電変換装置が実現される。
あるいは、図15に示された熱電変換装置は、第2の実施形態と同様に、電極層72の両層面上に第1の磁性体層(下部磁性体層)71L、第2の磁性体層(上部磁性体層)71Uが配置された発電部70を有している。そして、下部磁性体層71L、上部磁性体層71Uはそれぞれ、磁性体層内で「井の字」形状(図示せず)を呈する空隙部を置いて層方向に分離した複数の磁性体層片によって構成されている。本熱電変換装置はさらに、弾性を有する材料が各空隙部内に埋め込まれて成る、各磁性体層内で「井の字」形状(図示せず)を呈する下部応力吸収層712L、上部応力吸収層712Uをさらに有している。尚、各磁性体層中の下部応力吸収層712L、L部応力吸収層712Uの形状や数量についても、単一の「井の字」形状に限らず、熱電変換装置の所望される撓みの形状や度合いに有利な形状、数量であればよい。
以下、図15に示された熱電変換装置について、より詳しく説明する。下部磁性体層71L、上部磁性体層71Uには第2の実施形態と同様の磁性材料を用いることができる。複数の磁性体層片部分には大きな曲げ応力が掛からないことから、それぞれの膜厚tmu、tmlは第2の実施形態に比べて厚くすることもできる。
下部応力吸収層712L、上部応力吸収層712Uとしては、弾性の高い材料が望ましい。ポリエステル、ポリプロピレンや、シリコーン樹脂などを用いることができる。このように伸び縮みしやすい材料を用いれば、図16に示されるように素子を曲げた場合でも、下部応力吸収層712Lおよび上部応力吸収層712Uのうちの一方が延伸され、他方が圧縮されることにより、素子全体に掛かる応力を吸収することができる。
このような構造に対して図17のように温度勾配を印加すると、第2の実施形態と同様に、上下の磁性体層に誘起されるスピン流が、電極層72において同符号の起電力を生成することから、効率的な熱電変換が可能となる。
尚、図16においては、説明の便宜上、図15、図17と空隙部の形状または数量を違えて描いている。
図18に、本実施形態の具体的な実施例を示した。下部磁性体層71L、上部磁性体層71UにはどちらもBi:YIGを用い、電極層72にはPtを用いる。下部磁性体層71L、上部磁性体層71U(Bi:YIG膜)の厚さはtml=tmu=50μm、電極層72(Pt電極)の厚さはte=20nmとする。可撓性を有する基板10としては厚さ100μmのポリイミド基板を、カバー層90としては厚さ100μmのアクリル樹脂、下部応力吸収層712L、上部応力吸収層712Uとしてはシリコーン樹脂をそれぞれ用いる。製造方法は、第1の実施形態もしくは後述する第6の実施形態と同様のプロセスを採用することができる。
<第5の実施形態>
前述のように、熱電変換装置に可撓性を持たせるためには、発電部はある膜厚以下になるよう制限される。しかし、発電部の膜厚が不十分な場合、用途によっては発電部への温度差の印加が難しくなり、高効率な熱電発電ができなくなる場合がある。そこで、そのような用途では、可撓性を有するスペーサー層を間に挟んで複数の発電部を具備することにより、この問題を解決することができる。
図19を参照すると、本発明の第5の実施形態としての熱電変換装置は、基板10上に複数の発電部80A〜80Cが積層されている。複数の発電部80A〜80C間には、可撓性を有する材料から成るスペーサー層85が形成されている。複数の発電部80A〜80Cはそれぞれ、第2の実施形態と同様に、電極層82の両層面上に第1の磁性体層(下部磁性体層)81L、第2の磁性体層(上部磁性体層)81Uが配置されている。
ここで、可撓性を確保するため、発電部80A〜80Cそれぞれの厚さは、100μm以下が望ましい。スペーサー層85としては、弾性の高い材料を用いる。例えば、PETやPENなどのポリエステルや、ポリプロピレン、シリコーン樹脂などを採用することができる。スペーサー層85の膜厚は、300μm以下が望ましい。
このような構造を採用することにより、発電部80A〜80Cそれぞれの厚さを制限して可撓性を確保すると同時に、多層化によって高い効率を有する熱電発電が可能となる。
図20を参照すると、実施例5の熱電変換装置においては、下部磁性体層81L、上部磁性体層81UにはどちらもBi:YIGを用い、電極層82にはPtを用いる。下部磁性体層81L、上部磁性体層81U(Bi:YIG膜)の厚さはtml=tmu=50μm、電極層82(Pt電極)の厚さはte=20nmとする。可撓性を有する基板10としては厚さ100μmのポリイミド基板を、カバー層90としては厚さ100μmのアクリル樹脂を、スペーサー層85としては厚さ50μmのポリエチレンテレフタレート(PET)をそれぞれ用いる。製造方法は、第1の実施形態もしくは後述する第6の実施形態と同様のプロセスを採用することができる。
尚、各発電部としては、図19、図20に示された構造に限られず、第1の実施形態や第3の実施形態のような構造を採用することもできる。
<第6の実施形態>
[ロール・ツー・ロール方式による製造方法]
本発明による熱電変換装置は、低コストな大量生産技術として、基板としてロール状のフィルム体を繰り出しつつ、発電部と、カバー層とを順次形成した後に、再びロール状に巻き取るロール・ツー・ロール方式によって大面積のものを製造することができる。製造されたロール状の熱電変換装置は、必要に応じた長さ分を切り出して使用される。
ここで、発電部の形成工程は、基板としてのフィルム体または磁性体層上に、金属を含有するインクを印刷法によって塗布し、乾燥させて電極層として形成する工程と、電極層または基板としてのフィルム体上に、磁性体材料を含有する流体を有機金属堆積法、ゾルゲル法、またはエアロゾル・デポジション法によって供給し、乾燥させて磁性体層として形成する工程とを含んでいる。
また、カバー層の形成工程は、基板としてのフィルム体上に少なくとも発電部を覆うように、樹脂を含むインクを印刷法によって塗布し、乾燥させてカバー層として形成する。
図21(a)および(b)を参照して、図14に示された第4の実施形態の熱電変換装置のロール・ツー・ロール方式の製造方法を説明する。
本製造方法においては、製造ラインの入口から基板10としてロール状のフィルム体を繰り出しつつ、発電部60(工程(1)〜(3))と、カバー層90(工程(4))とを順次形成した後に、製造ラインの出口にて再びロール状に巻き取られる。
(1)基板10としてのポリイミドから成るフィルム体上に、Au、Pt等を含有するインクを印刷法によって塗布し、乾燥させて電極層62として形成する。
(2)電極層62上の応力吸収層612をすべき「井の字」形状の領域に、弾性を有する材料を含有するインクを印刷法によって塗布し、乾燥させて応力吸収層612として形成する。
(3)電極層62上の磁性体層61をすべき領域のうちの応力吸収層612が形成された残部領域に、磁性体材料を含有する流体をAD法によって供給し、乾燥させて複数の磁性体層片として形成する。
工程(2)、(3)により、磁性体層61が形成される。また、工程(1)〜(3)により、発電部60が形成される。
(4)基板10としてのフィルム体上に少なくとも発電部60を覆うように、樹脂を含むインクを印刷法によって塗布し、乾燥させてカバー層90として形成する。
工程(4)により、カバー層90が形成される。また、工程(1)〜(4)により、大面積の熱電変換装置が形成される。製造された熱電変換装置は、再びロール状に巻き取られる。
尚、上述の方法とは順番を違えて、基板10上に応力吸収層612および複数の磁性体層片から成る磁性体層61を形成した後に、磁性体層61上に電極層62を形成し、その後にカバー層90を形成してもよい。
<第7の実施形態>
本発明のフレキシブルな熱電変換装置は、基板、発電部、およびカバー層の可撓性故に、筒状部材の外周面に実装することが可能となる。即ち、本発明の第7の実施形態の熱電変換装置は、筒状部材をさらに有している。
詳しくは、本熱電変換装置は、筒状を呈する筒状部材をさらに有している。筒状部材は、筒の外側に発電部の磁性体層の磁化方向が筒の軸方向に沿うようにして基板、発電部、およびカバー層が配置される一方、筒の内側に熱源または冷源を流通もしくは滞留させる。
図22を参照すると、本発明の実施例7の熱電変換装置は、筒状を呈する筒状部材7をさらに有している。筒状部材7は、筒の外側に発電部の磁性体層の磁化方向が筒の軸方向に沿うようにして基板、発電部、およびカバー層から成る可撓性を有する熱電変換素子1が配置される一方、筒の内側に熱源または冷源を流通もしくは滞留させる。熱起電力は、筒状部材7の周方向に流れる電流として、熱電変換素子1の電極層に生ずる。
また、図23を参照すると、本発明の実施例7の変形例の熱電変換装置も、筒状を呈する筒状部材7をさらに有している。筒状部材7は、筒の外側に発電部の磁性体層の磁化方向が筒の軸方向に沿うようにして基板、発電部、およびカバー層から成る可撓性を有する熱電変換素子1’が配置される一方、筒の内側に熱源または冷源を流通もしくは滞留させる。熱起電力は、筒状部材7の周方向に流れる電流として、熱電変換素子1’の電極層に生ずる。特に、基板、発電部、およびカバー層から成る可撓性を有する熱電変換素子1’は、筒状部材7の周方向に複数回巻回されている。この場合、熱起電力が有効に加算され、第4の実施形態で示した発電部30の多層化と同様の高い熱電効果が得られる。尚、複数巻回されることによって重なり合う熱電変換装置同士の熱接触を向上させるため、熱電変換素子1’のカバー層もしくは基板の表面に、緩み止めとしても機能する高熱伝導度の粘着体を形成することが望ましい。
尚、筒状部材7をとして、柔らかいスリーブを採用すれば、人をも含む動物の腕、脚、頭部、胴などに装着する人の腕に巻くことが可能である。
<第8の実施形態>
本発明の第8の実施形態は、本発明による熱電変換装置の応用例である。
本発明本発明による熱電変換装置の応用例としての電子機器は、可撓性を有し、熱源または冷源に取り外し可能に装着される支持体と、支持体に搭載された信号発生装置、無線送信装置、および熱電変換装置とを有している。信号発生装置は、電気信号を発生する。無線送信装置は、信号発生装置が発生した電気信号を無線信号として送信する。
熱電変換装置は、信号発生装置および無線送信装置のうちの電源供給を要する装置(通常、少なくとも無線送信装置)に対する電源として、熱起電力を印加する。
したがって、支持体が熱源または冷源に装着されることにより、電源不要の信号発生装置および無線送信装置を有する、いわば自律的な電子機器を構築できる。この電子機器は、電源の確保や交換が困難な場所や状況下で使用可能である。しかも、この電子機器は支持体および熱電変換装置がフレキシブルであるため、熱源または冷源として、人をも含む動物の身体など変位体、変動体に対しても、装着可能であると共に、熱源または冷源からの温度エネルギーを継続して受けることによって正常に動作可能である。
図24を参照すると、本発明の実施例8の電子機器は、体温駆動のバンド型ヘルスケアセンサである。
本発明本発明による熱電変換装置の応用例としての電子機器は、可撓性を有し、熱源として人の腕に取り外し可能に装着される支持体としてのバンド8と、信号発生装置(本例では、センサ装置)としての体温計2、脈拍計3、血圧計4と、無線送信装置5と、本発明による熱電変換装置である熱電変換素子1”とを有している。体温計2、脈拍計3、血圧計4、無線送信装置5、および熱電変換素子1”は、バンド8に搭載されている。バンド8にはマジックテープまたはベルクロテープ(いずれも、商標または登録商標)等の面ファスナー6が備えられており、ヘルスケアセンサは、人の腕の径に応じて適切な装着力で取り外し可能に装着される。
熱電変換素子1”は、本発明による熱電変換装置と実質的に同一の構成である。即ち、熱電変換素子1”は、基板と、発電部とを有している。発電部は、磁化を有する磁性体層と、スピン軌道相互作用を有する材料から成り、磁性体層上に形成された電極層とを有している。基板および発電部は、可撓性を有している。さらに、可撓性を有し、基板上に少なくとも発電部を覆うように形成されたカバー層を有している。
体温計2、脈拍計3、血圧計4は、体温情報、脈拍情報、血圧情報を電気信号としてそれぞれ出力するセンサ装置である。尚、体温計2は、本発明による熱電変換装置を利用して構成されてもよい。
無線送信装置5は、導電体がパターン印刷されて成るフレキシブルな配線を介して体温計2、脈拍計3、血圧計4と接続されている。また、導電体がパターン印刷されて成るフレキシブルなアンテナを備えている。そして、無線送信装置5は、体温計2、脈拍計3、血圧計4からの電気信号を必要に応じて一時的に記憶すると共に、適切な変調をかけた上で、無線電波信号としてアンテナから送信する。尚、無線送信装置5は、電波ではなく、赤外線等の搬送媒体を利用した無線送信を行う装置であってもよい。尚、本発明による電子機器において、無線送信装置5のような無線信号送信回路だけではなく、無線信号受信回路をも設けることにより、ホスト機器との間で双方向通信を行えるようにしてもよい。
尚、体温計2、脈拍計3、血圧計4ならびに無線送信装置5はいずれも、電源供給を必要とする。一方、熱電変換素子1”の電極層は、体温計2、脈拍計3、血圧計4ならびに無線送信装置5の電源を受けるべき箇所に、導電体がパターン印刷されて成るフレキシブルな配線を介して接続されている。よって、熱電変換素子1”は、体温計2、脈拍計3、血圧計4ならびに無線送信装置5に対する電源として、人の腕の体温を熱源として発生する熱起電力を印加するようになっている。
本ヘルスケアセンサを腕に巻き付けることにより、熱電変換素子1”によって体温に基づき熱電発電が行われ、その電力を用いて、体温計2、脈拍計3、血圧計4ならびに無線送信装置5が動作し、無線電波信号の形で送信された体温情報、脈拍情報、血圧情報を、無線受信装置を備えた図示しない健康管理のための電子機器(ホスト機器)が受信および復調し、体温情報、脈拍情報、血圧情報を取得し、必要に応じた情報処理を行う。
尚、熱源としては、人に限らず、家畜、野生動物などの動物であってもよい。特に、野生動物は行動範囲が広い場合が多く、電源の確保や交換が困難な場所や状況下で使用可能な本発明による電源不要な電子機器は有益である。
以上説明した幾つかの実施形態、実施例に限定されることなく、本発明は、特許請求の範囲に記載された技術範囲内であれば、種々の変形が可能であることは云うまでもない。
尚、以上説明した実施例の一部または全部は、以下の付記のようにも記載され得るが、以下には限られない。
(付記1)基板と、前記基板上に形成され、熱起電力を発生する発電部とを有し、前記発電部は、磁化を有する磁性体層と、スピン軌道相互作用を有する材料から成り、前記磁性体層上に形成された電極層とを有し、前記基板および前記発電部は、可撓性を有し、
可撓性を有し、前記基板上に少なくとも前記発電部を覆うように形成されたカバー層をさらに有することを特徴とする熱電変換装置。
(付記2)前記カバー層の膜厚が、前記基板の膜厚の60〜150%の範囲内にある付記1の熱電変換装置。
(付記3)前記磁性体層は、保磁力を有する付記1または2の熱電変換装置。
(付記4)前記磁性体層として、前記電極層の一方の層表面に形成された第1の磁性体層と、前記電極層の他方の層表面に形成された第2の磁性体層とを含む付記1〜3のいずれかの熱電変換装置。
(付記5)前記基板上に複数の前記発電部が積層された付記1〜4のいずれかの熱電変換装置。
(付記6)可撓性を有する材料から成り、前記複数の発電部間に形成されたスペーサー層をさらに有する付記5の熱電変換装置。
(付記7)前記磁性体層は、空隙部を置いて層方向に分離した複数の磁性体層片によって構成されている付記1〜6のいずれかの熱電変換装置。
(付記8)弾性を有する材料が前記空隙部内に埋め込まれて成る応力吸収層をさらに有する付記7の熱電変換装置。
(付記9)筒状を呈する筒状部材をさらに有し、
前記筒状部材は、筒の外側に前記発電部の前記磁性体層の磁化方向が筒の軸方向に沿うようにして前記基板、前記発電部、および前記カバー層が配置される一方、筒の内側に熱源または冷源を流通もしくは滞留させる付記1〜8のいずれかの熱電変換装置。
(付記10)前記基板、前記発電部、および前記カバー層は、前記筒状部材の周方向に1巻回よりも多く巻回される付記9の熱電変換装置。
(付記11)可撓性を有し、熱源または冷源に装着される支持体と、前記支持体にそれぞれ搭載された信号発生装置、無線送信装置、および付記1〜10のいずれかの熱電変換装置とを有し、
前記信号発生装置は、電気信号を発生し、
前記無線送信装置は、前記信号発生装置が発生した電気信号を無線信号として送信し、
前記熱電変換装置は、前記信号発生装置および前記無線送信装置のうちの電源供給を要する装置に対する電源として、熱起電力を印加することを特徴とする電子機器。
(付記12)熱源または冷源は、動物であり、
前記信号発生装置は、動物の体温、脈拍、および血圧の少なくともいずれかを検知して検知結果を示す電気信号を発生するものである付記11の電子機器。
(付記13)前記無線送信装置は、アンテナを含み、前記信号発生装置が発生した電気信号を無線電波信号として送信する付記11または12の電子機器。
(付記14)付記1〜8のいずれかの熱電変換装置の製造方法において、
前記基板としてロール状のフィルム体を繰り出しつつ、前記発電部と、前記カバー層とを順次形成した後に、再びロール状に巻き取る熱電変換装置の製造方法であって、
前記発電部の形成工程は、
前記基板としての前記フィルム体または前記磁性体層上に、金属を含有するインクを印刷法によって塗布し、乾燥させて前記電極層として形成する工程と、
前記電極層または前記基板としての前記フィルム体上に、磁性体材料を含有する流体を有機金属堆積法、ゾルゲル法、またはエアロゾル・デポジション法によって供給し、乾燥させて前記磁性体層として形成する工程とを含み、
前記カバー層の形成工程は、前記基板としての前記フィルム体上に少なくとも前記発電部を覆うように、樹脂を含むインクを印刷法によって塗布し、乾燥させて前記カバー層として形成することを特徴とする熱電変換装置の製造方法。
(付記15)付記8の熱電変換装置の製造方法において、
前記基板としてロール状のフィルム体を繰り出しつつ、前記発電部と、前記カバー層とを順次形成した後に、再びロール状に巻き取る熱電変換装置の製造方法であって、
前記発電部の形成工程は、
前記基板としての前記フィルム体または前記磁性体層上に、金属を含有するインクを印刷法によって塗布し、乾燥させて前記電極層として形成する工程と、
前記電極層または前記基板としての前記フィルム体上に、磁性体材料を含有する流体を有機金属堆積法、ゾルゲル法、またはエアロゾル・デポジション法によって供給し、乾燥させて前記磁性体層として形成する工程とを含み、
前記磁性体層の形成工程は、
前記電極層または前記基板としての前記フィルム体上の前記応力吸収層をすべき領域に、弾性を有する材料を含有するインクを印刷法によって塗布し、乾燥させて前記応力吸収層として形成する工程と、
前記電極層または前記基板としての前記フィルム体上の前記磁性体層をすべき領域のうちの前記応力吸収層が形成された残部領域に、磁性体材料を含有する流体を有機金属堆積法、ゾルゲル法、またはエアロゾル・デポジション法によって供給し、乾燥させて前記複数の磁性体層片として形成する工程とを含み、
前記カバー層の形成工程は、前記基板としての前記フィルム体上に少なくとも前記発電部を覆うように、樹脂を含むインクを印刷法によって塗布し、乾燥させて前記カバー層として形成することを特徴とする熱電変換装置の製造方法。
この出願は、2011年6月9日に出願された日本出願特願第2011−129308号を基礎とする優先権を主張し、その開示のすべてをここに取り込む。

Claims (15)

  1. 基板と、前記基板上に形成され、熱起電力を発生する発電部とを有し、前記発電部は、磁化を有する磁性体層と、スピン軌道相互作用を有する材料から成り、前記磁性体層上に形成された電極層とを有し、前記基板および前記発電部は、可撓性を有し、
    可撓性を有し、前記基板上に少なくとも前記発電部を覆うように形成されたカバー層をさらに有することを特徴とする熱電変換装置。
  2. 前記カバー層の膜厚が、前記基板の膜厚の60〜150%の範囲内にある請求項1に記載の熱電変換装置。
  3. 前記磁性体層は、保磁力を有する請求項1または2に記載の熱電変換装置。
  4. 前記磁性体層として、前記電極層の一方の層表面に形成された第1の磁性体層と、前記電極層の他方の層表面に形成された第2の磁性体層とを含む請求項1乃至3のいずれか一項に記載の熱電変換装置。
  5. 前記基板上に複数の前記発電部が積層された請求項1乃至4のいずれか一項に記載の熱電変換装置。
  6. 可撓性を有する材料から成り、前記複数の発電部間に形成されたスペーサー層をさらに有する請求項5に記載の熱電変換装置。
  7. 前記磁性体層は、空隙部を置いて層方向に分離した複数の磁性体層片によって構成されている請求項1乃至6のいずれか一項に記載の熱電変換装置。
  8. 弾性を有する材料が前記空隙部内に埋め込まれて成る応力吸収層をさらに有する請求項7に記載の熱電変換装置。
  9. 筒状を呈する筒状部材をさらに有し、
    前記筒状部材は、筒の外側に前記発電部の前記磁性体層の磁化方向が筒の軸方向に沿うようにして前記基板、前記発電部、および前記カバー層が配置される一方、筒の内側に熱源または冷源を流通もしくは滞留させる請求項1乃至8のいずれか一項に記載の熱電変換装置。
  10. 前記基板、前記発電部、および前記カバー層は、前記筒状部材の周方向に1巻回よりも多く巻回される請求項9に記載の熱電変換装置。
  11. 可撓性を有し、熱源または冷源に装着される支持体と、前記支持体にそれぞれ搭載された信号発生装置、無線送信装置、および請求項1乃至10のいずれか一項に記載の熱電変換装置とを有し、
    前記信号発生装置は、電気信号を発生し、
    前記無線送信装置は、前記信号発生装置が発生した電気信号を無線信号として送信し、
    前記熱電変換装置は、前記信号発生装置および前記無線送信装置のうちの電源供給を要する装置に対する電源として、熱起電力を印加することを特徴とする電子機器。
  12. 熱源または冷源は、動物であり、
    前記信号発生装置は、動物の体温、脈拍、および血圧の少なくともいずれかを検知して検知結果を示す電気信号を発生するものである請求項11に記載の電子機器。
  13. 前記無線送信装置は、アンテナを含み、前記信号発生装置が発生した電気信号を無線電波信号として送信する請求項11または12に記載の電子機器。
  14. 請求項1乃至8のいずれか一項に記載の熱電変換装置の製造方法において、
    前記基板としてロール状のフィルム体を繰り出しつつ、前記発電部と、前記カバー層とを順次形成した後に、再びロール状に巻き取る熱電変換装置の製造方法であって、
    前記発電部の形成工程は、
    前記基板としての前記フィルム体または前記磁性体層上に、金属を含有するインクを印刷法によって塗布し、乾燥させて前記電極層として形成する工程と、
    前記電極層または前記基板としての前記フィルム体上に、磁性体材料を含有する流体を有機金属堆積法、ゾルゲル法、またはエアロゾル・デポジション法によって供給し、乾燥させて前記磁性体層として形成する工程とを含み、
    前記カバー層の形成工程は、前記基板としての前記フィルム体上に少なくとも前記発電部を覆うように、樹脂を含むインクを印刷法によって塗布し、乾燥させて前記カバー層として形成することを特徴とする熱電変換装置の製造方法。
  15. 請求項8に記載の熱電変換装置の製造方法において、
    前記基板としてロール状のフィルム体を繰り出しつつ、前記発電部と、前記カバー層とを順次形成した後に、再びロール状に巻き取る熱電変換装置の製造方法であって、
    前記発電部の形成工程は、
    前記基板としての前記フィルム体または前記磁性体層上に、金属を含有するインクを印刷法によって塗布し、乾燥させて前記電極層として形成する工程と、
    前記電極層または前記基板としての前記フィルム体上に、磁性体材料を含有する流体を有機金属堆積法、ゾルゲル法、またはエアロゾル・デポジション法によって供給し、乾燥させて前記磁性体層として形成する工程とを含み、
    前記磁性体層の形成工程は、
    前記電極層または前記基板としての前記フィルム体上の前記応力吸収層をすべき領域に、弾性を有する材料を含有するインクを印刷法によって塗布し、乾燥させて前記応力吸収層として形成する工程と、
    前記電極層または前記基板としての前記フィルム体上の前記磁性体層をすべき領域のうちの前記応力吸収層が形成された残部領域に、磁性体材料を含有する流体を有機金属堆積法、ゾルゲル法、またはエアロゾル・デポジション法によって供給し、乾燥させて前記複数の磁性体層片として形成する工程とを含み、
    前記カバー層の形成工程は、前記基板としての前記フィルム体上に少なくとも前記発電部を覆うように、樹脂を含むインクを印刷法によって塗布し、乾燥させて前記カバー層として形成することを特徴とする熱電変換装置の製造方法。
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