JP6562413B2 - 流体力学的スピン流装置及び導電性流体の流速測定方法 - Google Patents

流体力学的スピン流装置及び導電性流体の流速測定方法 Download PDF

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本発明は、流体力学的スピン流装置及び導電性流体の流速測定方法に関するものであり、例えば、Hg等の導電性流体の流れに起因して発生するスピン流を熱電効果等のノイズを除去して測定するための流体力学的スピン流装置及び導電性流体の流速測定方法に関するものである。
流体の運動を電気的に検出する方法として、電磁流体力学(Magnetic Hydrodynamics:MHD)的な方法が知られている。磁場を印加した流体に生じる電圧を測定することで、流体の速度と電圧を関連づけることが出来る。
図15は、電磁流体力学の原理の説明図である。流路51にプラズマ52を流し、図において縦方向に磁場を印加すると、ファラデーの電磁誘導の法則に基づいて、プラズマ流れ及び磁場に対して直交する方向(図においては、横方向)に電圧が発生する。
ナノテクノロジーの進展とともに、ラボ・オン・チップ(Lab on a chip:LoC)の様なマイクロスケールの微細流路に流れる流体の運動を局所的に測定することが望まれている。しかし、磁場を印加した状態で微細流路に流れる流体の運動を局所的に測定することは非常に難しいため、磁場を利用しない簡便な流体速度測定法が望まれている。
一方、現在の半導体装置等のエレトロニクス分野においては、電子の有する電荷の自由度を利用しているが、電子は電荷以外にスピンという自由度を有している。近年、このスピンの自由度を利用したスピントロニクスが次世代の情報技術の担い手として注目を集めている。
スピン流は電子のスピン角運動量の流れとして理解されており、スピン流はスピン・軌道相互作用によって電子の軌道運動と結合し、逆スピンホール効果(ISHE)として電気的に検出される。このスピン流は熱力学的には、磁場勾配によって駆動される流れである。
このスピントロニクスでは電子の電荷とスピンの自由度を同時に利用することによって、従来にない機能や特性を得ることを目指しているが、スピントロニクス機能の多くはスピン流によって駆動される。スピン流はエネルギーの散逸が少ないため、効率の良いエネルギー伝達に利用できる可能性が期待されており、スピン流の生成方法や検出方法の確立が急務になっている。
一方、アインシュタイン・ドハース効果やバーネット効果によって知られる様に、物体の回転は磁場と等価であることが知られている(例えば、非特許文献1参照)。一方、本発明者等は鋭意研究の結果、流体運動における速度勾配である渦は、この文脈における回転運動に相当し、回転運動、即ち、実効的な磁場がスピン流を駆動することを発見した(例えば、非特許文献2参照)。具体的には、流体運動から生じるスピン流を逆スピンホール効果によって電圧、即ち、逆スピンホール電圧(EISHE)として測定することで、流体運動を電気的に測定する新原理を発見した。
図16は、流体力学的スピン流装置の原理の説明図である。図に示すように、流路61にHg等の導電性流体62を流すと、磁場を印加しない状態で渦63の勾配に起因してス
ピン64が発生し、スピン圧が導電性流体62の流れる方向と直交する方向に発生する。
図17は、導電性流体による逆スピンホール電圧の測定原理の説明図である。図17(a)は渦の勾配の発生原理の説明図であり、流路61に導電性流体62が流れる場合、流路61の側壁近傍では摩擦により速度vが中心部より遅くなり、この速度に基づいて渦63が発生する。発生した渦63は、流路61の側壁近傍では中央部より大きく、また、中央部を境にして互いに逆回転の渦63になる。なお、渦ωはvを速度ベクトルとするとω≡rot(v)で表される。
図17(b)は、スピン流発生状況の説明図である。図に示すように、渦ωの機械的な回転運動に起因してスピン(σ)64が発生する。ここで、μ↑及びμ↓をそれぞれアップスピン及びダウンスピンの電気化学ポテンシャルとすると、その差分、即ち、スピン圧μ(≡μ↑−μ↓)65に勾配ができ、このスピン圧(μ)65の勾配によりスピン流(j)66が発生する。なお、スピン圧μはωに比例するので、スピン流jもωに比例する。
Hgは大きなスピン軌道相互作用を有する、即ち、逆スピンホール効果部材であるので、図17(c)に示すように、流路61の入口側と出口側との間に逆スピンホール効果に基づいて逆スピンホール電圧EISHEが発生する。発生する逆スピンホール電圧EISHEは、eを素電荷、σを導電性流体の電気伝導度、プランク定数hを2πで割ったものをディラック定数、θSHEをスピンホール角とすると、下記の式で表される。
Figure 0006562413
なお、上記の式においては、逆スピンホール電圧EISHE、スピン流J及びスピンσをベクトル記号で表している。
図18は、流路を管状にした場合のω、μ及びjの状況の説明図であり、図18(a)は斜視図であり、図18(b)は、管軸に直交する断面図である。図18(a)は、導電性流体62をほぼ1/4の象限に限定してω、μ及びjを示したものである。図に示すように、流路61を管状にした場合にも、導電性流体62の管軸方向の速度vは、管壁近傍で中央部より遅くなるため、管壁近傍のω(63)がより大きくなってω(63)の勾配が発生する。それに伴って、スピン圧(μ)65にも同じ方向に勾配ができ、スピン流(j)66がスピン圧(μ)65の勾配方向に流れ、その結果、逆スピンホール電圧が流路のz軸方向に生じる。この時、スピン流(jS)66によって運ばれるスピンは、管のθ方向に偏極している。
図18(b)は、管軸に直交する断面図であり、スピン圧(μ)65は円周方向を周回するように発生し、スピン流(J)66は、スピン圧(μ)65の周回に合せて動径方向に流れる。なお、図におけるδは、流速が管壁との摩擦の影響を受ける粘性サブレイヤーの範囲を表している。
Physical Review B87,180402(R),2013 www.jst.go.jp/kisoken/crest/research/nenpou/h24/12_saito.pdf
しかし、導電性流体は運動を駆動する圧力等によって、容易に温度や体積が変化する。
そのため熱力学的な温度変化によって生じるノイズを伴い、純粋な流体運動に由来するスピン流による起電力の測定は容易ではない。
したがって、本発明は、熱力学的なノイズを除去して、純粋な流体運動に由来する起電力を測定することを目的とする。
開示する一観点からは、第1の導電性流体収容部と、第2の導電性流体収容部と、前記第1の導電性流体収容部と前記第2の導電性流体収容部との間に接続された絶縁性材料からなる管状流路部材と、前記管状流路部材に設けられ、前記管状流路部材中のスピン軌道相互作用有する導電性流体に生じたスピン流に起因する起電力を検出する少なくとも一対の電極とを有し、前記管状流路部材は、その管壁に前記電極を収容する少なくとも2か所のスリット部を有し、前記スリット部は、前記管壁の残部に前記導電性流体と前記電極とを電気的に接触させるピンホールを有することを特徴とする流体力学的スピン流装置が提供される。
また、開示する別の観点からは、第1の導電性流体収容部と、第2の導電性流体収容部と、前記第1の導電性流体収容部と前記第2の導電性流体収容部との間に接続された絶縁性材料からなる円筒状の管状流路部材と、前記第1の導電性流体収容部に設けられ、スピン軌道相互作用有する導電性流体に生じたスピン流に起因する起電力を検出する第1の電極と、前記第2の導電性流体収容部に設けられ、前記導電性流体に生じた起電力を検出する第2の電極とを有することを特徴とする流体力学的スピン流装置が提供される。
また、開示するさらに別の観点からは、絶縁性材料からなる管状流路部材にスピン軌道相互作用有する導電性流体を流して乱流状態を生成する工程と、前記導電性流体に発生した起電力を検出する工程と、測定した前記起電力に基づいて前記導電性流体の流速を算定する工程とを有することを特徴とする導電性流体の流速測定方法が提供される。
開示の流体力学的スピン流装置及び導電性流体の流速測定方法によれば、熱力学的なノイズを除去して、純粋な流体運動に由来する起電力を測定することができ、それによって、微細流路内の流体速度を電気的に測定することが可能になる。
本発明の実施の形態の流体力学的スピン流装置の説明図である。 本発明の実施例1の流体力学的スピン流装置の説明図である。 測定状態を示す概略的斜視図である。 測定例の説明図である。 起電力Vの平均流速υ依存性の説明図である。 帯電の影響を測定した測定結果の説明図である。 熱電効果の影響の説明図である。 本発明の実施例2の流体力学的スピン流装置の説明図である。 熱電効果依存性の説明図である。 Hgを流した状態における測定結果の説明図である。 平均流速υのパルス圧力ΔP依存性の説明図である。 起電力Vの摩擦流速υ依存性の説明図である。 起電力Vのパルス圧力ΔP依存性の説明図である。 本発明の実施例2の流体力学的スピン流装置の起電力Vの流速υ依存性の説明図である。 電磁流体力学の原理の説明図である。 流体力学的スピン流装置の原理の説明図である。 導電性流体による逆スピンホール電圧の測定原理の説明図である。 流路を管状にした場合のω、μ及びjの状況の説明図である。
ここで、図1を参照して、本発明の実施の形態の流体力学的スピン流装置を説明する。図1は本発明の実施の形態の流体力学的スピン流装置の説明図であり、第1の導電性流体収容部1と、第2の導電性流体収容部2と、第1の導電性流体収容部1と第2の導電性流体収容部2との間に接続された内径がφで長さがLの管状流路部材3とを有している。管状流路部材3は、その管壁に少なくとも2か所の流路に達しないスリット部4,5を有しており、このスリット部4,5に、導電性流体6に生じた起電力を検出する少なくとも一対の電極7,8を収容する。スリット部4,5は、管壁の残部に導電性流体6と電極7,8とを電気的に接触させるピンホールを有している。導電性流体6は、ピンホールを介してスリット部4,5に導かれ、電極7,8と接触する。そのため電極7,8が管状流路部材3内部における導電性流体6の流れを乱すことがない。なお、導電性流体6は、帯電防止のために、流路の入口側で電気的に短絡させておく。
大きな起電力を得るためには、電極7,8の間隔を大きく取れば良い。その場合は、管状流路部材3の内部における導電性流体6の流れが延伸方向に対して一様であり、局所的な起電力EISHEが直列になることが必要である。そのために管状流路部材3の断面は一様であることが望ましい。また、管状流路部材3の内壁は導電性流体6の流れを乱さないために、平滑であることが望ましく、そのために、内壁を絶縁樹脂等でコートしても良い。
管状流路部材3は、管状流路部材3と導電性流体6との間の熱電効果を回避して純粋にスピン流に起因する起電力を測定するために、石英管等の絶縁体であることが望ましい。また、導電性流体6としては、Hg或いはGaInSn等の大きなスピン軌道相互作用を有する液体金属であることが望ましい。スピン軌道相互作用と導電性とを有する液体であれば良く、イオン液体等の導電性液体や、磁性流体等の磁性体でスピン軌道相互作用を持つものを用いても良い。
また、電極7,8の材料は任意であるが、導電性流体6と電極7,8の間には異種金属接合による熱起電力が生じるので、この熱による効果を減らすためには、導電性流体6とのゼーベック係数差が0.1μV/K以下の導電体が望ましい。導電性流体6としてHgを用いた場合には、Hgとの反応性が低く、ゼーベック係数差が0.06μV/KであるPt等が望ましく、導電性流体6に生じる起電力を安定して測定することができる。
或いは、電極7,8は、夫々、第1の導電性流体収容部1及び第2の導電性流体収容部に設けても良く、電極7,8の存在が管状流路部材3における導電性流体6の流れを乱すことがないので、精度の高い測定が可能になる。
この場合、第1の導電性流体収容部1に管状流路部材3よりインピーダンスの高い第1の接続流路部を設け、この第1の接続流路部に電極6を設け、また、第2の導電性流体収容部2に管状流路部材3よりインピーダンスの高い第2の接続流路部を設け、この第2の接続流路部に電極7を設けても良い。
この流体力学的スピン流装置を用いて導電性流体6の流速を測定するためには、管状流路部材3に導電性流体6を流して乱流状態を生成し、導電性流体6に発生した起電力を検出し、測定した起電力に基づいて導電性流体6の流速を算定すれば良い。
なお、導電性流体の流速を算定する際には、後述するように、下記の式に基づいて算出
すれば良い。
Figure 0006562413
このように、本発明の実施の形態においては、導電性流体3の流れを乱さないように電極7,8を設けているので、精度の高い測定を行うことができる。また、導電性流体6の圧縮等による熱に起因した熱電効果を実質的に解除しているので、純粋なスピン流に起因する起電力を精度良く測定することができる。
ここで、図2乃至図7を参照して、本発明の実施例1の流体力学的スピン流装置を説明する。図2は本発明の実施例1の流体力学的スピン流装置の説明図であり、図2(a)は要部透視斜視図であり、図2(b)は管軸に沿った断面図であり、図2(c)は、管軸に直交する断面図である。図2(a)に示すように、流路部12の内径がφの石英管11にダイヤモンドカッターを用いて幅が300μmで中空部に達しないスリット13,14を長さLの間隔で設ける。このスリット13,14と流路部12との間に残留した管壁に、鋭利な先端をもつ金属製のニードルを刺してピンホール15,16を設ける。ピンホール15,16の径は管内の流れに影響を与えない程度に小さく、かつ使用する導電性流体3が通過できる十分な大きさであるように、適宜ニードルを利用して調整する。このスリット13,14に直径が100μmのPtワイヤ17,18を挿入し、スリット13,14からの液漏れを防ぐために、管外壁を絶縁性薄膜19で覆ったのち、接着剤20で封止する。なお、ここでは、絶縁性薄膜19としてカプトンテープを用いる。また、図示は省略するが、石英管11の両端には、Hg収容槽が設けられている。
図3は、測定状態を示す概略的斜視図であり、石英管11の入口側からΔPのパルス圧力でHg21が注入される。石英管11にHg21が注入されると、ピンホール(15,16)からHg21がスリット13,14に供給されて、Ptワイヤ17,18と接触して電気的に導通する。Hg21は石英管11の入口側で接地されている。
石英管11の流路部12にHg21が流れると、図17で説明した原理によって、水銀には動径方向に速度勾配を生じる。この速度勾配によって、動径方向(r方向)に渦勾配が発生し、この渦勾配によりスピン流が生成される。このスピン流は偏角方向(θ方向)に偏極している。Hg21は大きなスピン軌道相互作用があるので、このスピン流によって延伸方向(z方向)に逆スピンホール効果による起電力EISHEが生じる。生じた起電力EISHEは石英管11に配設したPtワイヤ17,18で測定する。
図4は、測定例の説明図であり、ここでは、石英管11の内径φを0.4mmとし、スリット間隔Lを80mmとし、パルス圧力ΔPを時間Δtだけ印加した場合を示している。図4(a)は、Hg21の平均流速υが2.7m/sであり、Δt=5.9秒の場合を示している。図に示すように、図3の左側からHgを注入した場合には、正の起電力が発生し、図3の右側からHgを注入した場合には、負の起電力が発生する。
図4(b)は、平均流速υの圧力ΔP依存性の説明図であり、平均流速υはパルス圧力ΔPで調整することができる。この測定結果は、石英管11内のHg21の流動状態が、Re(=υφ/ν:但し、νは動粘度)をレイノルズ数とした場合、4000<Re<10000の乱流条件を満たした乱流状態にあることを示している。
パルス圧力ΔPによってHg21を駆動すると、圧縮によって温度上昇が生じる。他にも石英管11の外部からの擾乱によって、石英管11に空間的な熱分布が生じる。Hg21と石英管11との間に熱電効果が発生すると、流体運動に由来する電圧に対するノイズとなるが、石英管11は絶縁体であるため、熱電効果は抑制される。
図4(c)は、起電力Vのパルス圧力ΔP依存性の説明図であり、パルス圧力ΔPが高いほど高い電圧Vが得られる。なお、この測定においては、各パルス圧力ΔPによって移動する流量を一定としており、パルス圧力ΔPによる圧力印加時間Δtは、パルス圧力ΔPが低いほど長くなる傾向にある。
図5は、起電力Vの平均流速υ依存性の説明図であり、ここでは、摩擦流速υを用いる。なお、摩擦流速υは、石英管11の内壁に近い幅がδの粘性サブレイヤーにおいてはrを流路部12の動径方向の位置、ωθ(r)を乱流の渦度とすると、
ωθ(r)=υ /ν
で表される。一方、それ以外の領域においては、rを流路部12の半径、κをカルマン定数とすると、
ωθ(r)=υ/[κ(r−r)]
で表される。なお、本実施例では、δは1μm〜10μm程度である。
スピン圧は、スピン−回転結合によるωθ(r)によって発生するが、ωθ(r)の値が上述のように動径方向で異なるために、スピン圧の勾配が形成されてスピン流が流れ、このスピン流がHg21の有する大きなスピン軌道相互作用により起電力Vに変換される。
図5(a)は、(φ=0.4mm、L=80mm)、(φ=0.4mm、L=400mm)及び(φ=1.0mm、L=400mm)の場合を示している。図に示すように、起電力Vの摩擦流速υ依存性は、石英管11の内径φ及びスリット間隔Lに依存する。管が細く且つスリット間隔が長いほど勾配が大きくなることが分かる。
図5(b)は起電力Vをr /Lで規格化し、摩擦流速υをrで規格化した起電力Vの流速υ依存性の説明図であり、流路部12の半径r及びスリット間隔Lが異なった条件でもユニバーサル(普遍的)な依存性が得られることが分かる。なお、図5(b)の右下の挿入図は、平均速度υと摩擦速度υの相関の説明図であり、石英管11の内径φ依存性が見られる。
以上の測定結果からは、起電力は電導性流体の延伸方向に発現するので、地磁気に起因して発生する電磁流体力学効果は無視できることが分かる。即ち、電磁流体力学効果は、電導性流体の延伸方向に直交する方向、即ち、横方向に発現するので、渦によって生成されたスピン流による起電力とは関係ないことが分かる。
次に、図6を参照して、石英管11の管壁とHg21の間の電気化学反応による帯電の影響を検討する。図6は帯電の影響を測定した測定結果の説明図であり、ここでは内径φを1.0mmでスリット間隔Lを400mmとし、石英管11の内壁を樹脂でコートしている。なお、樹脂コートにより、石英管11の内壁の凹凸は5μm〜40μm程度になった。
図6に示すように、樹脂コートした場合にも樹脂コートしない場合と同様な結果が得られた。この測定結果から、石英管11の管壁とHg21の間の電気化学反応による帯電の影響は無視できることが確認された。
次に、図7を参照して、熱電効果の影響を検討する。図7は熱電効果の影響の説明図であり、図7(a)は測定系の装置構成の説明図であり、図7(b)及び図7(c)は測定結果の説明図である。図7(a)に示すように、長さLをA:Bに分割し、分割位置にPtワイヤ22を挿入するとともに、各Ptワイヤの近傍において熱電対23〜25を石英
管11に挿入して温度を測定する。なお、ここでは、中央の熱電対24を他の熱電対23,25より深く挿入して僅かに流路を変調している。ここでは平均流速υを2.3m/sとし、パルス圧力ΔPの印加時間を7.0秒にしている。
図7(b)に示すように、入口側の幅がAの領域では、パルス圧力ΔPの印加に伴って、温度上昇が見られるとともに、起電力が得られた。一方、出口側の幅がBの領域では、図7(c)に示すように、温度降下が見られたが、起電力は同じように得られた。したがって、図7(b)と図7(c)の比較からは、起電力の正負は温度勾配に依存しないことが確認された。
また、図7(b)に示すように、温度勾配ΔT(=T−T)は、Hg21の注入を停止したΔt以降においても数秒間の間、温度勾配を維持していることが見られる。このことも、起電力Vと温度勾配ΔTが相関を有していないことを示している。
このように、本発明の実施例1においては、測定に用いる電極としてHgと反応が少なく、ゼーベック係数差が0.06μV/KのPtワイヤを用い、且つ、PtワイヤがHgの流れを乱さないように設置しているとともに、流路部材として絶縁体の石英管を用いているので、熱電効果に影響を排して純粋に渦によって発生したスピン流に基づく起電力を精度良く測定することができる。
次に、図8乃至図14を参照して、本発明の実施例2の流体力学的スピン流装置を説明する。図8は、本発明の実施例2の流体力学的スピン流装置の説明図であり、石英製のHg収容槽31,32の間に石英製の流路管33を接続するとともに、Hg収容槽31,32にはそれぞれ石英製の電極用細管34,35を接続してトライアングル形状(トライアングル・セットアップ)にしている。ここでは、流路管33の内径φを0.4mmとし、また、長さLを102mmとしている。
電極用細管34,35はその先端に微小な穴を設けて、その穴にPtワイヤ36,37を挿入して電圧を測定する。この場合、電極用細管34,35に満たされるHg38自体が探針となる。また、流路管33の入口側には熱電対39を設ける。電極用細管34,35はその先端に微小な穴を設けているので、そのインピーダンスは流路管33のインピーダンスより大幅に大きく、パルス圧力ΔPでHg38を駆動する時に、流体の熱力学的な変化が電極用細管34,35の先端に届かない。そのため熱的な影響や、測定のための電極用細管34,35に依存した影響を完全に除外することができて、純粋に流体の運動に由来する電圧を測定することができる。
図9は、熱電効果依存性の説明図であり、Hgを流動させない状態において流路管33の入口側と出口側に室温(r.t.)にΔTの温度差温度を設けた場合の測定結果の説明図である。流路管33として絶縁体流路管を用いた場合には、ΔTが0℃〜0.5℃の範囲では出力電圧はほぼ0である。一方、流路管33として金属流路管を用いた場合には、出力電圧に大きな温度差ΔT依存性が見られた。また、右上の挿入図からも明らかなように、流路管33として絶縁体流路管を用いた場合には、0℃〜20℃の温度差の範囲内では、熱電効果による起電力は顕著には表れなかった。このことは、流体力学的スピン流の測定時に、熱電効果が完全に排除されることを示している。
図10は、Hgを流した状態における測定結果の説明図であり、図10(a)は実施例2のトライアングル・セットアップの測定結果の説明図であり、図10(b)は実施例1の単純セットアプの測定結果の説明図である。図10(a)と図10(b)との対比からは、流速依存性及び出力電圧の大きさが同じような測定結果が得られた。
次に、図11乃至図13を参照して、導電性流体としてGaInSnを用いた場合の測定結果を説明する。なお、ここでは、GaInSnとして、Ga62In25Sn13を用いた。図11は、平均流速υのパルス圧力ΔP依存性の説明図であり、Hgの場合より若干依存性が高くなっている。図12は起電力Vの摩擦流速υ依存性の説明図であり、Hgの場合より依存性が小さくなっている。なお、図12の左上の挿入図は、GaInSnにおける平均流速υと摩擦流速υの相関の説明図であり、Hgとは若干異なった傾向が見られた。
図13は、起電力Vのパルス圧力ΔP依存性の説明図であり、Hgの場合と同様にパルス圧力ΔPが高いほど高い電圧Vが得られる。なお、この測定においては、図4(c)に示された実施例1の測定とは異なり、圧力印加時間Δtを10秒に固定して行った。
図14は、本発明の実施例2の流体力学的スピン流装置の起電力Vの流速υ依存性の説明図である。ここでも起電力をr /Lで規格化し、流速として摩擦速度υをrで規格化して示している。ここでも、図5(b)に示した結果と同様にユニバーサルな依存性が見られた。
本発明の実施例2においては、電極用細管34,35を設けてそこに満たされるHg38を探針としているので、熱電効果に影響されない測定が可能になる。
次に、本発明の実施例3の導電性流体の流速測定方法を説明するが、起電力測定方法は実施例1と同様であり、2本のPtワイヤ間の起電力を測定して、測定した起電力からのフィッティングにより、導電性流体の摩擦速度が分かるので、そこから平均流速を得ることが出来る。
本発明者は鋭意検討した結果、起電力Vの摩擦速度υ依存性を下式により表すことができることを究明した。
Figure 0006562413
なお、上式において、
≡[4|e|/κ・(h/2π)]×(θSHE・λ・ξ/σ
Reδ≡υ・δ・ν
であり、λはスピンの拡散長、ξは角運動量移送に起因する流体粘度に関する係数である。
この式を基にして、上述の図5(b)の測定結果についてフィッティングを行う。フィッティングの結果は、パラメータθSHE・λ・ξの値は、5.9×10−25J・S/mとなる。但し、ここでは、θSHE〜10−2、λ〜10−8mと仮定し、ξを6×10−7J・s/mと評価する。また、Hgについては、電気伝導度をσ=1.01×10(Ω・m)−1、動粘度をν=1.2×10−7/s、ニュートン粘度をμ=1.6×10−3J・S/mとしている。
このフィッティング結果に基づいて、測定した起電力Vから摩擦速度υが算出される。この摩擦速度υから、図5(b)の挿入図等のυ−υの相関関係から平均速度υが得られる。
このように、本発明の実施例3においては、上記の起電力V−摩擦速度υ相関関係式を用いることによって、導電性流体の流速を精度良く求めることができる。この結果を応用すれば、パイプ中を流れる高速プラズマ流等の導電性流体の流速を測定することが可能
になる。
1 第1の導電性流体収容部
2 第2の導電性流体収容部
3 管状流路部材
4,5 スリット部
6 導電性流体
7,8 電極
11 石英管
12 流路部
13,14 スリット
15,16 ピンホール
17,18 Ptワイヤ
19 絶縁性薄膜
20 接着剤
21 Hg
31,32 Hg収容槽
33 流路管
34,35 電極用細管
36,37 Ptワイヤ
38 Hg
39 熱電対
51 流路
52 プラズマ
61 流路
62 導電性流体
63 渦
64 スピン
65 スピン圧
66 スピン流

Claims (15)

  1. 第1の導電性流体収容部と、
    第2の導電性流体収容部と、
    前記第1の導電性流体収容部と前記第2の導電性流体収容部との間に接続された絶縁性材料からなる管状流路部材と、
    前記管状流路部材に設けられ、前記管状流路部材中のスピン軌道相互作用を有する導電性流体に生じたスピン流に起因する起電力を検出する少なくとも一対の電極と
    を有し、
    前記管状流路部材は、その管壁に前記電極を収容する少なくとも2か所のスリット部を有し、
    前記スリット部は、前記管壁の残部に前記導電性流体と前記電極とを電気的に接触させるピンホールを有することを特徴とする流体力学的スピン流装置。
  2. 前記導電性流体が、液体金属であることを特徴とする請求項1に記載の流体力学的スピン流装置。
  3. 前記液体金属が、Hg或いはGaInSnのいずれかであることを特徴とする請求項2に記載の流体力学的スピン流装置。
  4. 前記導電性流体が、磁性体であることを特徴とする請求項1に記載の流体力学的スピン流装置。
  5. 前記管状流路部材が、絶縁性材料からなることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の流体力学的スピン流装置。
  6. 前記電極のゼーベック係数と導電性流体のゼーベック係数の差が0.1μV/K以下であることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の流体力学的スピン流装置。
  7. 第1の導電性流体収容部と、
    第2の導電性流体収容部と、
    前記第1の導電性流体収容部と前記第2の導電性流体収容部との間に接続された円筒状の絶縁性材料からなる管状流路部材と、
    前記第1の導電性流体収容部に設けられ、スピン軌道相互作用を有する導電性流体に生じたスピン流に起因する起電力を検出する第1の電極と、
    前記第2の導電性流体収容部に設けられ、前記導電性流体に生じた起電力を検出する第2の電極と
    を有することを特徴とする流体力学的スピン流装置。
  8. 前記導電性流体が、液体金属であることを特徴とする請求項7に記載の流体力学的スピン流装置。
  9. 前記液体金属が、Hg或いはGaInSnのいずれかであることを特徴とする請求項8に記載の流体力学的スピン流装置。
  10. 前記導電性流体が、磁性体であることを特徴とする請求項8に記載の流体力学的スピン流装置。
  11. 前記管状流路部材が、絶縁性材料からなることを特徴とする請求項7乃至請求項10の
    いずれか1項に記載の流体力学的スピン流装置。
  12. 前記電極のゼーベック係数と導電性流体のゼーベック係数の差が0.1μV/K以下であることを特徴とする請求項7乃至請求項11のいずれか1項に記載の流体力学的スピン流装置。
  13. 前記第1の導電性流体収容部は、前記管状流路部材よりインピーダンスの高い第1の接続流路部を有するともに、
    前記第1の電極が前記第1の接続流路部に設けられ、
    前記第2の導電性流体収容部は、前記管状流路部材よりインピーダンスの高い第2の接続流路部を有するともに、
    前記第2の電極が前記第2の接続流路部に設けられていることを特徴とする請求項7乃至請求項12のいずれか1項に記載の流体力学的スピン流装置。
  14. 絶縁性材料からなる管状流路部材にスピン軌道相互作用有する導電性流体を流して乱流状態を生成する工程と、
    前記導電性流体に発生した起電力を検出する工程と、
    測定した前記起電力に基づいて前記導電性流体の流速を算定する工程と
    を有することを特徴とする導電性流体の流速測定方法。
  15. 前記導電性流体の流速を算定する工程において、
    下記の式に基づいて算出することを特徴とする請求項14に記載の導電性流体の流速測定方法。
    Figure 0006562413
    但し、C≡[4|e|/κ・(h/2π)]×(θSHE・λ・ξ/σ
    Reδ≡υ・δ・ν
    であり、eは素電荷、κは導電性流体のカルマン定数、hはプランク定数、θSHEはスピンホール角、λはスピンの拡散長、ξは角運動量移送に起因する流体粘度に関する係数、υは導電性流体の摩擦速度、δは導電性流体の粘性サブレイヤーの厚さ、σは導電性流体の電気伝導度、νは導電性流体の動粘度である。
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