JP5267967B2 - スピン流熱変換素子及び熱電変換素子 - Google Patents

スピン流熱変換素子及び熱電変換素子 Download PDF

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Description

本発明は、スピン流熱変換素子及び熱電変換素子に関するものであり、特に、スピン流を熱によって発生させるための構成に特徴のあるスピン流熱変換素子及び熱電変換素子に関するものである。
現在の半導体装置等のエレクトロニクス分野においては、電子の有する電荷の自由度を利用しているが、電子は電荷以外にスピンという自由度を有している。
近年、このスピンの自由度、即ち、スピン角運動量の自由度を利用したスピントロニクスが次世代の情報技術の担い手として注目を集めている。
このスピントロニクスでは電子の電荷とスピンの自由度を同時に利用することによって、従来にない機能や特性を得ることを目指しているが、スピントロニクス機能の多くはスピン流によって駆動される。
スピン流はエネルギー散逸が少ないため、効率の良い情報伝達に利用できる可能性が高いが、スピン流の生成方法や検出方法の確立が急務になっている。
この様なスピン流の生成方法としては、電磁誘導による電流に対するものとしてスピンポンピングによるスピン流が提案されており(例えば、非特許文献1参照)、また、光起電力による電流に対するものとしては、円偏光励起によるスピン流が提案されている。
また、スピン流の検出方法についても、本発明者等により逆スピンホール効果によるスピン流の検出方法が提案されており、試料中に純スピン流を注入すると、純スピン流の方向と垂直方向に電流が流れることを見いだしており、この逆スピンホール効果を利用することによって、試料端に電位差が発生するので、この電位差を検出すことによって、純スピン流の流れの有無の検出が可能になる(例えば、非特許文献2参照)。
Phys.Rev.,B19,p.4382,1979 Applied Physics Letters Vol.88,p.182509,2006
しかし、熱起電力による電流に対するスピン流の熱的発生方法が提案されていないのが実情である。
熱によりスピン流を生成できれば、小規模なスピン流源としての利用が可能になるため、熱スピン流は物理的のみならず工学的観点からも非常に重要である。
したがって、本発明は、熱的にスピン流を生成するとともに、その具体的応用を実現することを目的とする。
ここで図1を参照して、本発明における課題を解決するための手段を説明する。
図1参照
上記課題を解決するために、本発明は、熱スピン流変換素子において、全体が強磁性体部材からなる熱スピン流発生部材1と、前記熱スピン流発生部材1に温度勾配を形成する温度勾配形成手段2とを備えたことを特徴とする。
このように、熱スピン流発生部材1に外部磁場を印加した場合或いは熱スピン流発生部材1自体が磁化している場合に、熱スピン流発生部材1に熱勾配を与えるだけで、アップスピン流とダウンスピン流に差ができるので、熱的にスピン流を発生させることができる。 なお、熱スピン流発生部材1としては、アップスピン電子とダウンスピン電子の状態密度が異なる全体が強磁性体からなる強磁性体部材を用いる
この場合、スピン流は物理的な保存量ではないため、このような熱スピン流変換素子をスピン流源とすることによって、熱勾配を与えるだけでスピン流を連続して取り出すことができる。
また、熱により発生させた純スピン流は長距離流せるという従来の拡散的に流れる純スピン流にない大きな特長がある。
即ち、従来の拡散的に流れる純スピン流はナノ領域にしか流れないが、熱により発生させた純スピン流は温度勾配さえあれば熱スピン流発生部材1を長くしても充分に流れるので純スピン流駆動デバイスのスピン流源として重要になる。
また、一対の強磁性体部材或いは強磁性体を含有する導電性部材のいずれかからなる熱スピン流発生部材1の一端を導電性部材で結合するとともに、前記一対の熱スピン流発生部材1に互いに逆方向に磁場を印加した状態で、前記一対の熱スピン流発生部材1に同方向の温度勾配を形成して前記一対の熱スピン流発生部材1の他端から熱スピン流を取り出すように構成しても良い。
また、熱スピン流発生部材1の少なくとも主要部がアモルファスであることが望ましく、アモルファス状態の物質は一般に熱伝導率が低いので温度勾配を急峻に形成することができ、それによって、スピン流の生成率が高まる。
また、上述の全体が強磁性体部材からなる熱スピン流変換素子の一端側に逆スピンホール効果部材を設け、前記熱スピン流発生部材1に温度勾配を設けるとともに磁場印加手段により磁場を印加して前記逆スピンホール効果部材においてスピン流を電圧に変換して取り出す熱電変換素子を実現することができる。
即ち、スピン流検出手段としての逆スピンホール効果部材を出力部として設けることによって、熱電変換素子、即ち、ゼーベック効果を用いた熱電対に代わるスピン流を用いた熱電対を実現することができる。
この場合、スピン流−電流変換部材、即ち、逆スピンホール効果部材としては、スピン軌道相互作用の大きなf軌道を有する元素或いはPdのいずれか、特に、Ptが望ましく、それによって、スピン流−電流変換効率を高めることができる。
また、磁場印加手段としては、前記熱スピン流発生部材1に磁気的に結合した反強磁性体部材を用いることが望ましく、微細な検出箇所において局所的に磁界を印加することができ、複数の熱電対を各種の方向に近接して配置して温度分布を測定する場合にも磁界を任意に印加することができる。
また、この場合も熱スピン流発生部材1の少なくとも主要部がアモルファスであることが望ましく、アモルファス状態の物質は一般に熱伝導率が低いので温度勾配を急峻に形成することができ、それによって、出力電圧を大きくすることができる。
本発明によれば、スピン流を熱によって生成しているので、小型のスピン流源を実現することができるとともに、金属接合を用いることなく、単一の全体が強磁性体からなる強磁性体部材で熱電対を実現することができる。
本発明は、全体が強磁性体からなる強磁性体部材に熱勾配を与えてスピン流、即ち、熱スピン流を生成するものであるので、ここで、図2乃至図7を参照して熱スピン流生成原理を説明する。
まず、温度勾配を設けた強磁性体金属中の電子輸送について、スピン依存ボルツマン方程式を緩和時間近似して、下記の式(1)の緩和時間近似したボルツマン方程式を得る。
Figure 0005267967
次いで、式(1)を線形近似したボルツマン方程式の分布関数fから下記の式(2)のフェルミ分布関数表記の電流jc に変換する。
Figure 0005267967
次いで、式(2)の電流jc について、自由電子近似(ε=m* 2 /2)・ゾンマーフェルト展開を行うことにより、熱電流jc は下記の式(3)で表される。
Figure 0005267967
この熱電流jc における状態密度Dと緩和時間τはスピン依存性を有するので、アップスピン電子によるスピン流とダウンスピン電子によるスピン流は、下記の式(4)及び式(5)で表される。
Figure 0005267967
ここで、熱スピン流js は、アップスピン電子によるスピン流とダウンスピン電子によるスピンとの差であるので、下記の式(6)で表される。
Figure 0005267967
但し、式(6)における右辺の状態密度Dと緩和時間τとの積である第1項は、状態密度Dと緩和時間τとの積のエネルギー微分である第2項に比べて非常に小さいので、第2項が支配的になる。
図2参照
図2は、スピン濃度勾配の説明図であり、上述の式(6)の熱スピン流の式とFert−Valetの式からアップスピンの電子の化学ポテンシャルμ↑とダウンスピンの電子の化学ポテンシャルμ↓は低温側と高温側で逆転するのでスピン濃度勾配が生じることになる。
したがって、熱勾配を設けた強誘電体金属の高温側にはアップスピンが蓄積し、一方、強誘電体金属の低温側にはダウンスピンが蓄積するスピン蓄積が始まることになる。
このようなスピン流が発生すると、逆スピンホール効果を利用することによって、スピン流を検出することができるので、図3乃至図7を参照してその検証実験を説明する。
図3参照
図3は、逆スピンホール効果を用いた熱スピン流検出系の構成説明図であり、ステンレス基盤11上に一対のCuブロック12,13を設け、一方のCuブロックには断熱材14を介してCu板15を設け、このCu板15と他方のCuブロック13との間に試料20を架橋する。
また、Cu板15の他端にはヒータ16を設け、このヒータ16により試料20の一端を加熱するとともに、熱浴により一定温度になっている試料20の他端の間に温度勾配を形成する。
なお、この温度勾配は、試料20の一端と他端とにそれぞれ近接配置した一対の熱電対により測定した両端の温度差となる。
図4参照
図4は、試料の概略的構成図であり、サファイア基板21上に、例えば、長さが7mmで幅が4mmで厚さが10nmのNi81Fe19膜22の一端に例えば、長さが4mm、幅が100μm、厚さが10nmのPt電極23を設けたものである。
この場合の基板としては、Siより熱伝導率が低く、温度勾配の形成し易いサファイア基板を用いている。
図5参照
図5は、熱スピン流検出原理の説明図であり、上図はPt電極23を設けた側を高温側とした場合であり、下図はPt電極23を設けた側を低温側とした場合である。
固定磁場Hを印加しておくことによって、温度勾配▽TによりNi81Fe19膜22で発生した熱スピン流js が、上図の場合にはアップスピンによる熱スピン流24が、下図に場合にはダウンスピンによる熱スピン流25がPt電極23に注入された場合、Ptのスピン軌道相互作用によりスピン流js が電流jc に変換される。
この時、電流jc はスピン流js の方向と垂直方向に流れるが、夫々のPt電極23の両端に注入されるスピン流のスピンの向きに応じた方向に電位差Vが発生することになる。
この時発生する電位差Vの向きは、印加した固定磁場Hの方向によって逆向きになるので、ある固定磁場Hにおける電位差Vと方向を反転させた固定磁場Hにおける電位差Vを測定することによって、熱スピン流の存在を検出することができる。
なお、磁場を反転させても電位差Vの向きが反転しない場合には、熱スピン流ではなく、ノイズということになる。
図6参照
図6は、測定結果の説明図であり、左図は試料の低温側の測定結果を示すグラフであり、中図は試料の高温側の測定結果を示すグラフであり、右図はNi81Fe19に直接電極を設けて電位差を測定した場合のグラフである。
なお、この場合、印加磁場Hとしては、Ni81Fe19が飽和する150〔Oe〕までの磁界を印加して測定しているが、各温度差において−150〔Oe〕から+150〔Oe〕まで変化させた場合の出力(太線)と+150〔Oe〕から−150〔Oe〕まで変化させた場合の出力(細線)を重ねて表示している。
左図から明らかなように、高温側において検出電位差Vの温度差依存性が見られ、例えば、温度差ΔTが21Kの場合に約8μVの電位差が検出された。
この電位差Vは、印加磁場の方向を反転すると方向が逆になっているので、熱スピン流による電位差とすることができる。
また、低温側においては、高温側程でないものの、検出電位差Vの温度差依存性が見られ、例えば、温度差ΔTが21Kの場合に約5μVの電位差が検出された。
この時、ゼロ磁場付近の出力電圧にヒステリシスが見られるが、ヒステリシスがあるということが出力電圧の変化が強磁性体金属層の磁化反転によるものであることを示している。
なお、右図に示すように、スピン軌道相互作用の大きなPt電極を設けない場合には、明白な電位差は検出されなかった。
このことは、Pt電極を設けなかったため、逆スピンホール効果の原理によりスピン流の発生を検出できなかっただけであり、熱スピン流が発生しなかったことを意味しない。
図7参照
図7は、図6における出力特性を温度差依存性の観点から整理したグラフであり、高温側においても、低温側においても出力電圧は温度差ΔTに対してほぼリニアに変化していることが分かる。
このように、強磁性金属に温度勾配を設けることによって、小規模のスピン流源とすることができ、また、発生する熱スピン流js の大きさを強磁性金属に加える温度勾配によりほぼリニアに制御することができることが分かる。
また、このことを逆の観点から見ると、Pt電極の電位差VによりNi81Fe19の温度差ΔTKを知ることができ、例えば、熱浴で一定温度T0 Kになっている他端に対して温度差がΔTKの一端側の温度は(T0 +ΔT)Kということになり、所定の部位を測定するための熱電変換素子、即ち、熱電対として使用することができる。
ここで、図8を参照して、本発明の実施例1の熱スピン流変換素子を説明する。
図8参照
図8は、本発明の実施例1の熱スピン流変換素子の概略的斜視図であり、シリコン基板31の表面に設けた熱酸化膜32の表面に、例えば、長さが7mm、幅が4mm、厚さが10nmのNi81Fe19膜33をマスクを用いた選択スパッタ法によって成膜したものであり、Ni81Fe19膜33の一端側に例えばCu製のヒートシンク34を設けて低温側とし、他端側の近傍にヒータ35を設けて高温側としたものである。
この場合、ヒータ35により加熱を行うと、ヒートシンク34を設けた側とヒータ35を設けた側の間に温度勾配が形成され、熱スピン流js が温度勾配の方向に発生し、アップスピンが高温側に蓄積し、ダウンスピンが低温側に蓄積する。
この蓄積したスピンを電気的接続により取り出すことによって、熱スピン源を構成することになる。
このように、強磁性体に熱勾配を形成するだけで熱スピン流を生成することができ、スピン流回路、スピン流計算機、或いは、スピンメモリ等のスピントロニクスデバイスのための小型スピン流源を構成することができる。
次に、図9を参照して、本発明の実施例2の熱スピン流変換素子を説明する。
図9参照
図9は、本発明の実施例2の熱スピン流変換素子の概略的斜視図であり、サファイア基板41の表面に、マスクスパッタ法を用いて例えば、長さが5mm、幅が2mmのTa膜431 ,432 、PdPtMn膜441 ,442 、及び、NiFe膜451 ,452 を順次堆積して一対の熱スピン流変換部421 ,422 を形成する。
但し、PdPtMn膜441 ,442 の成膜工程において、磁化方向Mが互いに逆になるように外部磁場を印加した状態で成膜する。
次いで、一対の熱スピン流変換部421 ,422 の一端をスピン拡散長の長いCuからなる接続部46で接続するとともに、一対の熱スピン流変換部421 ,422 の他端にそれぞれCuからなる出力端子471 ,472 を設ける。
また、接続部46は、Cu製のヒートシンク48に当接させて低温側とし、一対の出力端子471 ,472 の近傍にヒータ49を設けて高温側としたものである。
この場合、ヒータ49により加熱を行うと、接続部46側と出力端子471 ,472 側の間に温度勾配が形成され、熱スピン流js が温度勾配の方向に発生するが、磁化方向Mによって一対の熱スピン流変換部421 ,422 における熱スピン流js が逆になるので、負荷を出力端子471 ,472 に接続すると閉回路を構成して負荷にスピン流を注入することができる。
次に、図10を参照して、本発明の実施例3の熱スピン流変換素子を利用した熱電対を説明する。
図10参照
図10は、本発明の実施例3の熱スピン流変換素子を利用した熱電対の概略的斜視図であり、サファイア基板51の表面に、マスクスパッタ法を用いて例えば、長さが10mm、幅が5mmのTa膜53、PdPtMn膜54、及び、NiFe膜55を順次堆積して一対の熱スピン流変換部52を形成する。
但し、PdPtMn膜54の成膜工程において、PdPtMn膜54の長手方向が磁化方向Mになるように外部磁場を印加した状態で成膜する。
次いで、低温側にPt電極56を設けて、このPt電極56の両端に端子571 ,572 を設けることによってスピン流を利用した熱電対、即ち、サーモスピンカップルが形成される。
ここで、Pt電極56を設けていない側を測定対象熱源に当接或いは近接させることによって、Pt電極56を設けた側との間に熱勾配が形成されて熱スピン流が発生し、発生した熱スピン流がPt電極56に注入されると逆スピンホール効果によってPt電極56の両端に電位差が発生するので、この電位差を端子571 ,572 を介して検出することによって、測定対象熱源の温度を推定することが可能になる。
この場合、測定精度を高めるためには、Pt電極56を設けた低温側を恒温媒体に当接させて測定することが望ましい。
次に、図11を参照して、本発明の実施例4の熱スピン流変換素子を利用した熱電対を説明する。
図11参照
図11は、本発明の実施例3の熱スピン流変換素子を利用した熱電対の構成説明図であり、上図は作成段階における熱電対の概略的斜視図であり、下図は使用状態に於ける概略的斜視図である。
耐熱性繊維フィルム61の表面に、SiO2 膜62を設けたのち、マスクスパッタ法を用いて例えば、長さが7mm、幅が200mmのTa膜64、PdPtMn膜65、及び、NiFe膜66を順次堆積して熱スピン流変換部63とする。
但し、PdPtMn膜65の成膜工程において、PdPtMn膜65の長手方向が磁化方向Mになるように外部磁場を印加した状態で成膜する。
次いで、低温側に幅が100μmのPt電極67を設けて、このPt電極67の両端に端子681 ,682 を設けることによってスピン流を利用した熱電対、即ち、サーモスピンカップルが形成される。
なお、この場合の耐熱性繊維フィルム61は、500℃以上の耐熱性があれば良く、例えば、ガラス繊維フィルム、セラミック複合繊維フィルム、シリカ繊維フィルム、或いは、アルミナ繊維フィルムを用いる。
ここで、下図に示すように耐熱性繊維フィルム61が内側になるようにロールケーキ状に巻回して小型化する。
この熱電対においても、Pt電極67を設けていない側を測定対象熱源に当接或いは近接させることによって、Pt電極67を設けた側との間に熱勾配が形成されて熱スピン流が発生し、発生した熱スピン流がPt電極67に注入されると逆スピンホール効果によってPt電極67の両端に電位差が発生するので、この電位差を端子681 ,682 を介して検出することによって、測定対象熱源の温度を推定することが可能になる。
この実施例4においては、熱スピン流変換部の幅を広く形成しているが、逆スピン電圧は試料の幅が広くなるほど大きくなるので、高感度で温度を検出することができる。
また、幅を広くしてもロールケーキ状に巻回すれば良いので、巻回数を増やすだけで、全体構成を大型化することなく、高感度温度計を構成することができる。
また、観点を変えれば、巻回数を増やすことによって高電圧が出力されるということは、熱電変換を利用した高電圧発生器としても使用することができる。
以上、本発明の実施の形態及び各実施例を説明したが、本発明は実施の形態及び各実施例に記載された構成・条件に限られるものではなく、各種の変更が可能である。
例えば、上記の各実施例においては、スピン注入電極としてPtを用いているが、Ptに限られるものではなく、どの様な導電体を用いても良いが、効率の点からは、Ptと同様にスピン軌道相互作用の大きなPdや、Ptと同様にf軌道を有するAu等の元素が望ましい。
また、上記の実施の形態及び各実施例においては強磁性体としてNiFeを用いているが、NiFeに限られるものではなく、Ni、Co、CoFe、CoNiFe等の他の強磁性体を用いても良いものである。
また、上記の実施の形態及び各実施例においては強磁性体の結晶状態について言及していないが、多結晶より高抵抗なアモルファスであることが望ましく、それによって、熱伝導率が低くなるので、強磁性体に温度勾配を形成することが容易になる。
なお、強磁性体をアモルファス状態にするためには、成膜時の基板温度を室温等の低温にすれば良い。
また、上記の実施例2乃至実施例4においては、反強磁性層としてPdPtMnを用いているが、IrMn等の他の反強磁性体を用いても良いものであり、IrMnを用いる場合には、強磁性体層の上に反強磁性層を設ける構成とすることができる。
本発明の活用例としては、熱電対が典型的なものであるが、熱電対に限られるものでなく、スピン流回路、スピン流計算機、或いは、スピンメモリ等のスピントロニクスデバイスのための小型スピン流源としても適用されるものである。
本発明の原理的構成の説明図である。 スピン濃度勾配の説明図である。 逆スピンホール効果を用いた熱スピン流検出系の構成説明図である。 試料の概略的構成図である。 熱スピン流検出原理の説明図である。 測定結果の説明図である。 図6における出力特性を温度差依存性の観点から整理したグラフである。 本発明の実施例1の熱スピン流変換素子の概略的斜視図である。 本発明の実施例2の熱スピン流変換素子の概略的斜視図である。 本発明の実施例3の熱スピン流変換素子を利用した熱電対の概略的斜視図である。 本発明の実施例4の熱スピン流変換素子を利用した熱電対の構成説明図である。
符号の説明
1 熱スピン流発生部材
2 温度勾配形成手段
11 ステンレス基盤
12,13 Cuブロック
14 断熱材
15 Cu板
16 ヒータ
20 試料
21 サファイア基板
22 Ni81Fe19
23 Pt電極
24,25 熱スピン流
31 シリコン基板
32 熱酸化膜
33 Ni81Fe19
34 ヒートシンク
35 ヒータ
41 サファイア基板
421 ,422 熱スピン流変換部
431 ,432 Ta膜
441 ,442 PdPtMn膜
451 ,452 NiFe膜
46 接続部
471 ,472 出力端子
48 ヒートシンク
49 ヒータ
51 サファイア基板
52 熱スピン流変換部
53 Ta膜
54 PdPtMn膜
55 NiFe膜
56 Pt電極
571 ,572 端子
61 耐熱性繊維フィルム
62 SiO2
63 熱スピン流変換部
64 Ta膜
65 PdPtMn膜
66 NiFe膜
67 Pt電極
681 ,682 端子

Claims (7)

  1. 全体が強磁性体部材からなる熱スピン流発生部材と、前記熱スピン流発生部材に温度勾配を形成する温度勾配形成手段とを備えたことを特徴とする熱スピン流変換素子。
  2. 一対の強磁性体部材或いは強磁性体を含有する導電性部材のいずれかからなる熱スピン流発生部材の一端を導電性部材で結合するとともに、前記一対の熱スピン流発生部材に互いに逆方向に磁場を印加した状態で、前記一対の熱スピン流発生部材に同方向の温度勾配を形成して前記一対の熱スピン流発生部材の他端から熱スピン流を取り出すことを特徴とする熱スピン流変換素子。
  3. 前記熱スピン流発生部材の少なくとも主要部がアモルファスであることを特徴とする請求項1または2に記載の熱スピン流変換素子。
  4. 全体が強磁性体部材からなる熱スピン流発生部材の少なくとも一端側に逆スピンホール効果部材を設け、前記熱スピン流発生部材に温度勾配を設けるとともに磁場印加手段により磁場を印加して前記逆スピンホール効果部材においてスピン流を電圧に変換して取り出すことを特徴とする熱電変換素子。
  5. 前記逆スピンホール効果部材が、f軌道を有する元素或いはPdのいずれかからなることを特徴とする請求項4記載の熱電変換素子。
  6. 前記磁場印加手段が、前記熱スピン流発生部材に磁気的に結合した反強磁性体部材であることを特徴とする請求項4または請求項5に記載の熱電変換素子。
  7. 前記熱スピン流発生部材の少なくとも主要部がアモルファスであることを特徴とする請求項4乃至請求項6のいずれか1項に記載の熱電変換素子。
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