JP5856358B1 - 積層フィルム及びフィルム貼り付け方法 - Google Patents

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Abstract

本発明は、埃等の異物が浮遊した一般的な室内環境中で手作業によって貼り付けた場合であっても貼り付け面に異物及び気泡が侵入することを防止できる、一般的なユーザーにとって利用しやすい積層フィルム、及び、それを用いたフィルム貼り付け方法を提供する。本発明は、表面保護フィルムと、異物除去用粘着層と、異物除去用フィルムと、基材貼り付け用粘着層と、機能性フィルムと、を順に有し、上記基材貼り付け用粘着層は、上記異物除去用フィルムとの接合強度よりも上記機能性フィルムとの接合強度が強い積層フィルムである。

Description

本発明は、積層フィルム及びフィルム貼り付け方法に関する。より詳しくは、携帯電話、タブレットPC等のモバイル表示装置の表面への貼り付けに好適な積層フィルム、及び、そのような積層フィルムを家庭、量販店等のユーザーサイドで貼り付けるのに好適なフィルム貼り付け方法に関するものである。
携帯電話、タブレットPC等のモバイル表示装置は、ぶつけたり、引っかいたりして、その表面にダメージが加わりやすいため、従来、ユーザー自らが手作業によってモバイル表示装置の表面に保護フィルムを貼り付けることが一般的に行われている。このように、ユーザー自らがフィルムを製品に貼り付ける場合には、クリーンルーム中や真空中のような管理された環境ではない一般的な室内環境において、フィルムの貼り付け作業が行われる。しかしながら、一般的な室内環境では、製品とフィルムとの間に異物及び気泡が入りこむことを充分に防止しつつ、手作業によってフィルムの貼り付けを行うことは困難であった。
手作業で実施可能であり、かつ一般的な室内環境においても異物及び気泡の侵入防止が可能なフィルムの貼り付け方法としては、石鹸水を使用して、フィルムの貼り付け位置の制御、及び、気泡の除去を実施した後、風乾する方法がある。この方法は、プロのフィルム貼り職人が、店のロゴや宣伝材料を印刷したフィルムをガラス窓に貼り付ける場合等に利用され、貼り付け位置の微調整が可能である等の利点がある。しかしながら、この方法は、石鹸水を用いる、風乾に時間がかかる等の点で、一般的なユーザーには利用しづらい不便なものであった。また、気泡の除去は充分に行えるものの、異物の侵入防止において改善の余地があった。
因みに、工場内でフィルムを製品に貼り付ける状況を主に想定したものであれば、異物や気泡が貼り付け面に入りこむことを防止するための種々の処理方法及び装置が知られている。一般的な方法としては、クリーンルーム中、又は、真空中で貼り付けが行う方法が挙げられる(例えば、特許文献1参照。)。例えば、液晶パネルの実装工程では、大規模なクリーン設備が導入されている。
また、特許文献2には、室温より高い温度の液体を供給し、液晶パネル表面の異物や汚れを除去する方法が開示されている。特許文献3には、異物清掃ローラーによって、偏光板を貼り付ける前の液晶パネル本体の表面を自動清掃する貼り付け装置が開示されている。
更に、異物を粘着層に吸着させて除去する方法も知られている。特許文献4には、半導体ウエハ、ガラス基板等の表面に付着した異物を粘着層面に吸着させて除去する異物除去用粘着テープが開示されている。特許文献5には、搬送部材に貼り合わされて用いられる異物除去シートであって、異物除去層の表面を保護するためのセパレーターが、粘着層によって異物除去層に貼り付けられたものが開示されている。
なお、フィルムを貼り付けるときに周囲に存在する異物が貼り付け面に侵入することを防止するものではないが、特許文献6には、貼り付け前に除去される剥離層を液状の樹脂剤を塗布・固化してなるものとすることによって、製造過程で貼り付け用の層に付着した異物を除去できる画面保護シートが開示されている。この画面保護シートは、貼り付け対象となる画面上の異物を除去する機能は有していない。
同様に、フィルムを貼り付けるときに周囲に存在する異物が貼り付け面に侵入することを防止するものではないが、特許文献4、5に記載された異物除去用の粘着テープ又はシートに類似した構成を有する積層構造体が特許文献7に開示されている。すなわち、特許文献7には、パターン層フィルムの一方の面に粘着層を介して長尺体が貼り付けられ、他方の面に粘着層を介して剥離フィルムが貼り付けられたパターン構造層付き長尺体が開示されている。
特開平7−318919号公報 特開2010−286664号公報 特開平8−50290号公報 特開平8−274058号公報 特開2006−186026号公報 特開2006−119186号公報 特開2012−218353号公報
以上で述べたように、従来では、異物及び気泡の侵入防止が可能なフィルムの貼り付け方法としては、一般的なユーザーにとって利用しやすく、充分な効果が得られるものが存在しなかった。例えば、石鹸水を使用してフィルムを貼り付ける方法では、フィルムを貼り付ける前の状態で、フィルムが貼り付けられる面、及び、フィルムの粘着面がいずれも、一般的な室内環境中に露出されるため、それらの面に異物が付着してしまう。したがって、石鹸水を使用してフィルムを貼り付ける方法では、異物の侵入をより充分に防止できるようにする余地があった。
また、特許文献1の技術では、真空チャンバが用いられる。特許文献2の技術では、室温より高い温度の液体が用いられる。特許文献3の技術では、貼り付け装置による処理の自動化を前提としている。特許文献4、5には、異物除去用の粘着テープ又はシートによって異物を除去することが開示されているだけであり、異物除去用の粘着テープ又はシートを剥がした後に、異物及び気泡の侵入を防止しつつ、製品にフィルムを貼り付ける方法までは開示していない。特許文献6、7の技術は、いずれもフィルムを貼り付けるときに周囲に存在する異物が貼り付け面に侵入することを防止するものではない。
ここで、本発明の原理を説明するための前提として、図17を参照して、一般的な室内環境において、異物除去機能を有しない従来の積層フィルムを貼り付けたときに、製品とフィルムとの間に異物及び気泡が侵入してしまう理由を説明する。
図17は、従来の積層フィルムの貼り付け方法を示した断面模式図である。以下、図17に基づき、従来の積層フィルムの貼り合わせの手順を説明する。図17の(a)は、積層フィルムを貼り付ける前の基材100の状態を示している。クリーンルーム中や真空中のような管理された環境ではない一般的な室内環境中には、埃等の微小な異物200が多数浮遊している。このため、基材100の表面には異物200が付着している。たとえ積層フィルムの貼り付け前に基材100の表面を清掃した場合であっても、清掃完了から貼り合わせまでに時間間隔があると、一般的な室内環境下では基材100の表面に異物200が再び付着することを避けることは困難である。この点について、上述した異物除去用の粘着テープ又はシートによって異物を除去する方法には、対策が開示されていなかった。
図17の(b)は、貼り付け前の従来の積層フィルムの位置合わせの様子を示している。図17の(b)に示した従来の積層フィルムは、光学フィルム217の下面に、粘着層216を介してセパレーターフィルム211が配置された構成を有している。
次に、図17の(c)に示したように、セパレーターフィルム211を剥離し、粘着層216を露出させる。粘着層216の表面は粘着性を示すので、室内環境中に浮遊している異物200が付着しやすい。
そして、図17の(d)に示したように、貼り合わせローラー241によって粘着層216を基材100の表面に密着させることによって、光学フィルム217が基材100に貼り合わされる。このとき、基材100や粘着層216の表面に異物200が付着していると、基材100と光学フィルム217の間に異物200が入り込んでしまうことになる。また、基材100と光学フィルム217の間に気泡が入り込むこともあり得る。基材100が表示装置の画面である場合には、気泡が入り込んだ部分が白い点として見えたり、異物が入り込んだ部分がレンズとして働くことがあるため、表示装置の画面表示が見にくくなってしまう。このため、一般的な室内環境下でも異物や気泡が入り込むことを防止できる積層フィルムの貼り付け方法が求められていた。
本発明は、上記現状に鑑みてなされたものであり、埃等の異物が浮遊した一般的な室内環境中で手作業によって貼り付けた場合であっても貼り付け面に異物及び気泡が侵入することを防止できる、一般的なユーザーにとって利用しやすい積層フィルム、及び、それを用いたフィルム貼り付け方法を提供することを目的とするものである。
本発明者は、貼り付け時に特別な環境管理や設備を必要とせず、一般的な室内環境中で手作業によって貼り付けた場合であっても異物及び気泡の侵入を防止できる機能性フィルム及びフィルム貼り付け方法について種々検討した結果、一般的な室内環境では、空気中に埃等の異物が多数浮遊しており、機能性フィルムを貼り付ける対象である基材上の異物を一旦除去したとしても、機能性フィルムを貼り付ける直前まで基材上及び機能性フィルムの粘着面に異物が付着することに着目した。そこで、本発明者は、基材上の清掃を行うことができる異物除去フィルムを組み込んだ積層フィルムであれば、機能性フィルムの貼り付け直前に基材上の異物を除去し、その後直ちに機能性フィルムを貼り付けることができることを見出した。また、貼り付け方法を工夫することによって、機能性フィルムの粘着面に異物が付着することについても効果的に防止できることを見出した。以上のようにして、本発明者は、上記課題をみごとに解決することができることに想到し、本発明に到達した。
すなわち、本発明の一態様は、表面保護フィルムと、異物除去用粘着層と、異物除去用フィルムと、基材貼り付け用粘着層と、機能性フィルムと、を順に有し、上記基材貼り付け用粘着層は、上記異物除去用フィルムとの接合強度よりも上記機能性フィルムとの接合強度が強い積層フィルムであってもよい。
本発明の別の一態様は、表面保護フィルムと、異物除去用粘着層と、異物除去用フィルムと、基材貼り付け用粘着層と、機能性フィルムと、を順に有し、上記基材貼り付け用粘着層の粘着力は、上記異物除去用粘着層の粘着力よりも強力である積層フィルムであってもよい。
本発明の更に別の一態様は、本発明の積層フィルムに含まれる機能性フィルムを、基材に対して貼り付けるフィルム貼り付け方法であって、下記(1)〜(5)の手順を含むフィルム貼り付け方法であってもよい。
(1)上記積層フィルムから上記表面保護フィルムを剥離し、上記異物除去用粘着層を露出させる
(2)露出した上記異物除去用粘着層を上記基材の表面に密着させ、上記基材に対して上記積層フィルムを貼り付ける
(3)上記基材の上記積層フィルムが貼り付けられた領域の近傍と、上記積層フィルムの最上部の上記機能性フィルムの端部とを接続部材で接続する
(4)上記接続部材によって上記基材と上記機能性フィルムとを接続したまま、上記基材貼り付け用粘着層を上記異物除去用フィルムから剥離する
(5)上記基材の表面から上記異物除去用粘着層を剥離し、上記基材の表面を露出させつつ、露出した上記基板の表面に、上記基材貼り付け用粘着層を密着させ、上記基材に対して上記機能性フィルムを貼り付ける
本発明の積層フィルムによれば、基材上に埃等の異物が存在している場合であっても、機能性フィルムの貼り付け直前に基材上の異物を除去し、その後直ちに機能性フィルムを貼り付けることができるので、貼り合わせの界面に異物や気泡が入り込むことを充分に防止できる。また、貼り合わせの際に特別な環境管理や設備を必要とせず、液体も使用しないので、一般的なユーザーにとって利用しやすい。
また、本発明のフィルム貼り付け方法は、本発明の積層フィルムを用いることによって、一般的な室内環境中であっても、異物や気泡が貼り合わせ界面に混入することなく、機能性フィルムを基材に貼り付けることができる。また、従来の石鹸水を用いる貼り合わせ方法とは異なり、液体を使用しない乾式の貼り合せ方法であるので、作業時間を大幅に短縮でき、周辺を汚すことなく作業できる。
実施形態1に係る積層フィルムを示した断面模式図である。 実施形態1に係る積層フィルムを基材上に貼り付ける方法を説明するための断面模式図である。 実施形態1に係る積層フィルムを貼り付けるための機構の一例を示した模式図である。 図3の貼り付け機構に適した貼り付け治具の一例を示した断面模式図である。 図4の貼り付け治具を備えた貼り付け装置の一例を示した平面模式図である。 図5の貼り付け装置によって光学フィルムの貼り付けを行う方法を説明するための断面模式図である。 表面に凹凸がない基材に対する積層フィルムの貼り付けを示した説明図である。 表面に凹凸がある基材に対する積層フィルムの貼り付けを示した説明図である。 実施形態3に係るクッション層を備える積層フィルムの一例を示した断面模式図である。 実施形態3に係るクッション層を備える積層フィルムの別の一例を示した断面模式図である。 異物除去用粘着層によって積層フィルムを基材へ貼り合わせた状態を示す説明図である。 光学フィルムの基材への貼り合わせが完了した状態を示す説明図である。 従来の液晶表示装置の一般的な構成を示した断面模式図である。 実施形態4の液晶表示装置の構成を示した断面模式図である。 曲面基板への貼り合わせ治具の構成を説明する側面模式図である。 実施例1に係る積層フィルムを示した断面模式図である。 従来の積層フィルムの貼り付け方法を示した断面模式図である。
[用語の定義]
本明細書において、各「フィルム」は、その厚さによって限定されるものではなく、「シート」と呼ばれるものであってもよい。
粘着層の粘着力の値は、貼り付け対象や測定方法によって変化するが、本明細書では、粘着層の粘着力の値を評価する場合には、実際の貼り付け対象に関わらず、無アルカリガラスからなる基板を貼り付け対象として用い、以下の測定方法によって得られた値を用いる。但し、易剥離処理が施された表面に対する粘着層の粘着力の値を評価する場合には、同様の易剥離処理が表面に施された無アルカリガラスからなる基板を用いる。なお、粘着力の絶対値は、貼り付け対象によって変化するが、粘着力の大小関係は変化しない傾向がある。
(粘着力の測定方法)
水平に固定した基板上に、幅25mmの短冊状の粘着層付きのフィルムを貼り付ける。このとき、フィルムの一端は基板に貼り付けないようにする。引っ張り試験機(剥離試験治具)のチャックによって基板に貼り付けなかったフィルムの一端を挟み、90度剥離試験(引張り速度0.3m/min)を行う。
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態及び実施例を説明するが、本発明は、以下の実施形態及び実施例に限定されるものではない。また、各実施形態及び実施例の構成は、本発明の要旨を逸脱しない範囲において適宜組み合わされてもよいし、変更されてもよい。なお、各実施形態において、同様の機能を発揮する部材には同じ符号を付している。
[実施形態1]
(1)積層フィルムの構成
図1は、実施形態1に係る積層フィルムを示した断面模式図である。実施形態1に係る積層フィルム20は、セパレーターフィルム(表面保護フィルム)11と、異物除去用粘着層12と、異物除去用フィルム13と、基材貼り付け用粘着層16と、光学フィルム(機能性フィルム)17と、が順に設けられた構成を有する。基材への貼り付け時には、光学フィルム17が積層フィルム20の最上部に位置する。なお、光学フィルム17の基材貼り付け用粘着層16が設けられていない側の表面上に、粘着層、及び、表面保護フィルムが積層されていてもよい。
セパレーターフィルム11は、使用前の異物除去用粘着層12の表面を保護するものである。セパレーターフィルム11としては特に限定されず、例えば、PET(ポリエチレンテレフタレート)フィルム、PEN(ポリエチレンナフタレート)フィルム、アクリルフィルム、COP(シクロオレフィンポリマー)フィルム等の一般的なフィルムを使用できる。
異物除去用粘着層12は、貼り合わせの対象である基材の表面にある異物を吸着するためのものであり、基材貼り付け用粘着層16と比べて粘着力が格段に弱いことが好ましい。異物除去用粘着層12の材料としては、微粘着に分類される粘着材料が好適であり、具体的には、PF−AN422、PF−AN474(以上、リンテック社製)、ZBO−0421(藤森工業社製)等が挙げられる。異物除去用粘着層12の粘着力としては、0.05〜1N/25mm幅であることが好ましい。0.05N/25mm幅未満であると、被着物が剥がれやすいため、作業性が悪くなる。1N/25mm幅を超えると、基材貼り付け用粘着層16よりも粘着力が強くなることがあり、第一のセパレーターフィルム11を剥離し難くなる。
異物除去用フィルム13は、異物除去用粘着層12を支持するためのものである。異物除去用粘着層12と異物除去用フィルム13とは一体的に取り扱われ、異物除去用フィルム13の貼り付け及び剥離は、同時に異物除去用粘着層12の貼り付け及び剥離を意味する。異物除去用フィルム13としては特に限定されず、例えば、PET(ポリエチレンテレフタレート)フィルム、PEN(ポリエチレンナフタレート)フィルム、アクリルフィルム、COP(シクロオレフィンポリマー)フィルム等の一般的なフィルムを使用できる。異物除去用フィルム13は、着色されていてもよい。着色されていると識別しやすいので、貼り付け作業時に、他のフィルムと混同して剥離してしまうおそれが少ない。また、異物除去用フィルム13は、最終的に基材上から除去されるフィルムであることから、着色による不利益はない。
基材貼り付け用粘着層16は、光学フィルム17を基材に対して貼り付けるための粘着層であり、かつ積層フィルム20において異物除去用フィルム13と光学フィルム17とを一体化する役割も有する。基材貼り付け用粘着層16と光学フィルム17とは一体的に取り扱われ、光学フィルム17の貼り付け及び剥離は、同時に基材貼り付け用粘着層16の貼り付け及び剥離を意味する。基材貼り付け用粘着層16の材料としては、基材に強固に粘着する材料が好適であり、具体的には、MO3014(藤森工業社製)、MCF−464、NCF−619(以上、リンテック社製)等が挙げられる。基材貼り付け用粘着層16の粘着力は、異物除去用粘着層の粘着力よりも強力であり、具体的には1〜30N/25mm幅であることが好ましい。1N/25mm幅未満であると、下層である異物除去用粘着層12の粘着力よりも小さくなるため、第一のセパレーターフィルム11の剥離等の際に作業性が悪くなる。30N/25mm幅を超えると、被着物を剥がしにくく、作業性が悪くなる。
また、異物除去用フィルム13の基材貼り付け用粘着層16側の表面には、易剥離処理がなされており、そのため、基材貼り付け用粘着層16は、異物除去用フィルム13との接合強度よりも光学フィルム17との接合強度が強い。
光学フィルム17としては、光学的機能を有するフィルムであれば特に限定されず、例えば、反射防止フィルム、防眩フィルム、位相差フィルムが挙げられる。光学フィルム17の構造は特に限定されず、凹凸形状を表面に有してもよいし、積層構造を有してもよい。凹凸形状を構成する構造体(突起)としては、例えば、円錐状のナノ構造体が挙げられる。凹凸形状を表面に有する光学フィルム17の具体例としては、モスアイ(蛾の目)状の表面構造を有するモスアイフィルムが挙げられる。積層構造を有する光学フィルム17の具体例としては、住友3M社製のDBEFシリーズが挙げられる。光学フィルム17の材料としては、PET(ポリエチレンテレフタレート)、PEN(ポリエチレンナフタレート)、アクリル、COP(シクロオレフィンポリマー)等が挙げられる。
以上で説明した実施形態1に係る積層フィルムによれば、図2に示した貼り合わせ方法を用いることによって、埃等の異物が浮遊した雰囲気中において、基材上に埃等の異物が存在している場合であっても、光学フィルム17を基材に貼り合わせる際に、貼り合わせの界面に異物や気泡が入り込むことを防止できる。
(2)積層フィルムの貼り付け方法
図2は、実施形態1に係る積層フィルムを基材上に貼り付ける方法を説明するための断面模式図である。以下、図2に基づき、実施形態1に係る積層フィルムの貼り合わせの手順を説明する。
(手順1)位置合わせ
積層フィルム20と基材100との位置合わせを行う。この時点で、積層フィルム20の端部の一辺を、テープ30等の接続部材によって基材100に貼り付け、積層フィルム20を基材100に対して固定してもよい。基材100上に比較的大きな異物がある場合や、汚れが付着している場合には、積層フィルム20の貼り付け前に基材100の表面を清掃してもよい。なお、クリーンルーム中又は真空中のように人工的に異物が除去された環境以外では、通常、埃等の異物200が空気中に浮遊しており、図2の(a)に示したように、貼り合わせ対象となる基材100の表面にも異物200が付着している。基材100の種類は特に限定されず、例えば、ガラス板、樹脂フィルムが挙げられる。
(手順2)積層フィルム20の貼り付け
セパレーターフィルム11を剥離し、異物除去用粘着層12を露出させる。その状態で、図2の(b)に示したように、積層フィルム20を基材100に貼り付ける。これによって、異物除去用粘着層12と基材100の表面とが密着し、基材100の表面に付着していた異物200が異物除去用粘着層12に吸着される。上記(1)位置合わせの時点でテープ30による固定を実施していないときには、積層フィルム20の端部の一辺を、基材100の積層フィルム20が貼り付けられた領域の近傍にテープ30によって貼り付け、積層フィルム20を基材100に対して固定する。テープ30は、積層フィルム20の最上部にある光学フィルム17の端部に貼り付けられる。また、セパレーターフィルム11を剥離しながら、露出した異物除去用粘着層12を順次ローラーで押しつけ、基材100への貼り付けを行うことが望ましい。これによって、基材100の表面と異物除去用粘着層12との間に気泡が入ることを防止できるので、基材100の表面全体から異物200を適切に除去することができる。
(手順3)異物除去用フィルム13と光学フィルム17の分離
異物除去用フィルム13上を押さえた状態で、光学フィルム17を上方に引き上げることにより、図2の(c)に示したように、異物除去用フィルム13と光学フィルム17とを引き剥がす。これによって、積層フィルム20は、V字状に開いた状態になる。このとき、基材貼り付け用粘着層16は、光学フィルム17側にある。
(手順4)異物除去用フィルム13の除去及び光学フィルム17の貼り付け
異物除去用フィルム13の端部をテープ30から剥がす。次に、異物除去用フィルム13のテープ30側の端部を、基材100と光学フィルム17の間の領域から引っ張り出しつつ、貼り合わせローラーによって、基材100に光学フィルム17を順次押しつける。これによって、基材100と基材貼り付け用粘着層16とが密着し、図2の(d)に示したように、基材100の表面に、基材貼り付け用粘着層16を介して、光学フィルム17が貼り付けられる。異物除去用フィルム13を引っ張り出す際には引き出し棒を用いてもよい。この場合、基材100と光学フィルム17の間の領域に引き出し棒を差し込み、引き出し棒を異物除去用フィルム13に取り付けた後に、引き出し棒を引き抜くことで異物除去用フィルム13を剥離できる。引き出し棒としては、粘着部材(例えば、両面テープ)、フック(鉤部)等の取り付け手段を先端に備えるものが挙げられる。
異物除去用フィルム13を引き剥がすことで、基材100上の異物200は取り除かれ、基材100の表面が清浄な状態となって露出する。そして、貼り合わせ界面に異物が入ることを防止するため、基材100の表面が露出した後直ちに、基材貼り付け用粘着層16を密着させる。貼り合わせ界面に異物が入ることを防止しつつ、光学フィルム17の貼り付けを連続的に行うためには、異物除去用粘着層12の剥離は、異物除去用フィルム13を巻き取りローラーにより巻き取ることによって行われ、かつ基材貼り付け用粘着層16の密着は、貼り付けローラーにより押し当てることによって行われることが好ましい。貼り合わせ界面に異物が入ることを極力防止するためには、異物除去用フィルム13を引き剥がす速度(フィルムの巻き取り速度)と貼り合わせローラーの移動速度(フィルムの貼り付け速度)を同じにすることが好ましい。光学フィルム17の貼り付けを連続的に行う観点からは、異物除去用フィルム13を引き剥がす速度が、貼り合わせローラー41の移動速度と同じか、より速ければよい。
本実施形態では、光学フィルム17をテープ30によって固定した状態で貼り合わせを行うことから、正確に異物200を除去した領域に光学フィルム17を貼り付けることができる。更に、異物200を除去した領域は、異物除去用フィルム13を引き剥がした直後に光学フィルム17によって覆われるので、光学フィルム17の貼り付け前に、周囲から埃等の異物200が付着することも防止される。
本実施形態では、異物200が上から降下して付着することを防止するため、基材貼り付け用粘着層16を上に向けないようにすることが重要である。このため、基材貼り付け用粘着層16を異物除去用フィルム13から剥離する際には、基材100に対して0°以上、90°未満の角度を形成する方向に光学フィルム17を引っ張ることが好ましい。また、光学フィルム17の貼り付け前の異物除去用フィルム13の引き剥がしを素早く行うことが容易であるので、基材貼り付け用粘着層16が露出する時間を短くし、基材貼り付け用粘着層16に異物200が付着することを充分に防止できる。
(手順5)テープの除去
最後に、テープ30を取り外せば、光学フィルム17の基材100への貼り付けが完了する。
以上の貼り付け方法によれば、一般的な室内環境中であっても、異物200や気泡が貼り合わせの界面に混入することなく、光学フィルム17を基材100に貼り付けることができる。また、従来の石鹸水を用いる貼り合わせ方法とは異なり、液体を使用しない乾式の貼り合せ方法であるので、作業時間を大幅に短縮でき、周辺を汚すことなく作業できる。
[実施形態2]
実施形態2では、積層フィルムの貼り付けに関する機構及び治具の説明を行う。図3は、実施形態1に係る積層フィルムを貼り付けるための機構の一例を示した模式図である。図3に示したように、引き剥がしローラー43を回転させることによって異物除去用フィルム13を巻き取って基材100から引き剥がす。それと同時に、貼り合わせローラー41及び42を回転させながら異物除去用フィルム13の側へ移動させることによって、光学フィルム17を基材100に貼り付ける。このとき、引き剥がしローラー43の回転速度は、貼り合わせローラー41及び42の回転速度に対して、等速又はより速く設定される。また、引き剥がしローラー43の配置は、光学フィルム17との接触を避けるため、基材100に接しない最低限の高さにすることが好ましい。光学フィルム17には、ばね、トルクモータ等の張力(テンション)を付与する機構によってテンションが掛けられる。光学フィルム17を引っ張る方向の基材100に対する角度は、異物除去用フィルム13を引き剥がす方向の基材100に対する角度よりも大きくされ、かつ貼り合わせローラー41に光学フィルム17が巻き付かない程度に小さくされる。また、貼り付け前の光学フィルム17の下方に異物が入り込むことを防止する観点から、光学フィルム17を引っ張る角度は、基材100に対する鉛直方向よりも小さいことが好ましい。なお、貼り合わせローラー42を用いずに、平滑な表面を有する机、定盤等の平面で基材100を支持してもよい。
異物除去用フィルム13及び光学フィルム17には、引っ張り用のリード部を設けてもよい。リード部は、各フィルム13、17における本体部分から延伸し、本体部分よりも細くされた部分である。リード部が設けられることによって、各フィルム13、17を引っ張るときに均一なテンションを掛けやすくなり、作業性の向上や、光学フィルム17については貼り合わせの精度を向上できる。リード部は、各フィルム13、17の本体部分と一体的に形成された部分であってもよいし、各フィルム13、17の本体部分に取り付けられたテープ部材(リードテープ)であってもよい。
図4は、図3の貼り合わせ機構に適した貼り付け治具の一例を示した断面模式図である。図3の貼り合わせ機構では、異物除去用フィルム13の巻き取りによる剥離、及び、光学フィルム17の貼り付けを並行して行うが、図4の貼り付け治具を利用すれば、一人の作業者によっても実施可能である。図4に示された貼り付け治具の特徴的な構成を以下に説明する。なお、図4の貼り付け治具において、ローラーAは、図3の貼り合わせローラー41に対応し、ローラーCは、引き剥がしローラー43に対応している。
(1)ローラーA、B及びCは、いずれも回転軸が側板51に固定されている。したがって、ローラーA、B及びCは、手動によっても、基材100に対して同等な速度で移動させることができる。また、互いに同じ方向かつ同じ速度で回転させるため、ローラーA、B及びCは、ベルト、チェーン等によって互いに接続されることが好ましい。ローラーAは、ローラーCと同じ大きさである。
(2)ローラーAは、フリー回転ローラーである。ローラーAは、その回転軸がバネ53を介してカバー52に接続されており、カバー52に対して吊り下げられている。貼り付け前の積層フィルムをローラーAの下に通すときには、カバー52が持ち上げられ、ローラーAは、基材100との隙間が空くように基材100の上方に配置される。また、光学フィルム17の貼り付けのときには、上からカバー52を手で押す等の方法によってローラーAを光学フィルム17に押し当て加圧する。
(3)ローラーBは、ブレーキローラーであり、一定のテンションを掛けると巻き取ったフィルムを送り出すことができる。ローラーBには、貼り付けるための最大長さの補助テープを最初に巻いて、この補助テープの端に、光学フィルム17の端(リード部)を接続させる。光学フィルム17への取り付け作業中は、作業しやすいように補助テープは延ばしておき、その後にテンションを掛ける。このため、ローラーBは、カム構造等のローラーの回転を一方向に規制する機構を備え、ローラーBを回すことで、初期テンションを掛ける。但し、初期テンションを掛けるのは、光学フィルム17の端を基材100に接触させた後であることが好ましい。
(4)ローラーCは、上記のようにローラーAと繋がっており、かつ、トルクに対して一定のテンションが掛かるようにローラーの軸にブレーキ機構をつけたブレーキローラーである。ローラーCについても、ローラーBと同様にして、異物除去用フィルム13に取り付け、テンションを掛ける。ローラーCに巻かれる補助テープは、異物除去用フィルム13の引張り部分(図4中の右側)に貼り合わされる。ローラーCもローラーの回転を一方向に規制する機構を備える。
(5)光学フィルム17とローラーBを繋ぎ、異物除去用フィルム13とローラーCを繋いだ後、光学フィルム17の下面側の基材貼り付け用粘着層16が露出した端部を基材100に重ね、その上をローラーAで押し込んで両者を密着させる。押し込んだ状態で、ローラーC、ローラーBの順に、テンションが掛かる方向に手で回転させ、光学フィルム17、異物除去用フィルム13の順にテンションを掛ける。両フィルム13、17にテンションが掛かったところで、ローラーAが回転しないように手でカバー52を押さえてローラーAによる加圧を維持しながら、貼り付け治具を図4中の左方向へゆっくりと移動させ、光学フィルム17の貼り付けをする。
(6)カバー52は、透明体、又は、一部が透明体で構成されている。カバー52と側板51とはピンによって接続されており、これによってカバー52は回転フリーな状態で側板51に対して固定されている。カバー52は、貼り付け治具の本体部分に対して着脱可能に構成されている。すなわち、カバー52は、側板51、ローラーA、B及びCと容易に分離でき、かつ一体化できる。したがって、必要に応じて貼り付け治具からカバー52を取り外して作業を行ってもよい。また、カバー52に穴を開け、この穴から窒素ガス等の異物を含まないガスを導入してもよい。カバー52の穴からガスを導入しながら貼り付けを実施すれば、貼り合わせ界面に異物が入ることをより効果的に防止できる。
図5は、図4の貼り付け治具を備えた貼り付け装置の一例を示した平面模式図である。図5に示した貼り付け装置では、基材100を固定し、図4の貼り付け治具106をガイドレール103に沿って移動させる。これによって、光学フィルム17を精度よく貼り付けることができる。光学フィルム17を貼り付ける対象である基材100が、携帯機器等の小型のものである場合に好適に用いることができる。
図5に示した貼り付け装置の構成及び使用方法について、以下に説明する。基材100は、テーブル107上の固定台102に載置され、固定される。貼り付け治具106は、ガイドレール103に沿って移動できるように、接続治具105を介して、ガイドレール103上を移動するスライダー104と連結されている。固定台102の端とガイドレール103とが平行に配置され、ガイドレール103に対して接続治具105が直角に配置されている。スライダー104がガイドレール103上を移動することにより、接続治具105及び貼り付け治具106がガイドレール103と平行方向に直線的に移動できる。ガイドレール103は、1本のみ設けてもよく、図5に示したように、固定台102の両側に2本設けてもよい。
図6は、図5の貼り付け装置によって光学フィルムの貼り付けを行う方法を説明するための断面模式図である。図6に示したように、固定台102上に基材100を固定し、その上に積層フィルム20を載せ、貼り付け治具106の一部である貼り合わせローラー41で積層フィルム20を基材100に圧着することにより、光学フィルム17の貼り合わせを行うことができる。
[実施形態3]
実施形態3では、表面に段差を有する基材に対して、機能性フィルムを貼り付ける場合について説明する。表面に段差を有する基材としては、表示部の周囲にフレーム部(外枠)を備える表示装置が挙げられる。このような表示装置では、表示部とフレーム部の境界に段差があり、矩形状の表示部の周囲4辺がいずれも段差となっている場合もある。特に、ノートパソコンの画面、モニター、テレビ等の中型〜大型の表示装置において、段差が存在することが多い。図7に示したように、表示部(前面板であってもよい)100Aの上面とフレーム部100Bの上面との間に段差がなく、表面に凹凸がない基材については、貼り合わせローラー141で押さえつけることによって実施形態1の積層フィルムを貼り付けることは容易である。しかしながら、図8に示したように、基材の外周に出っ張りが存在すると、実施形態1の積層フィルムのシート構成では、押しつける積層フィルムの厚さよりも外周の出っ張りの高さの方が大きくなる。貼り合わせローラー141の幅は、一般的に、押しつける基材の幅よりも広いため、外周の出っ張りがあると、貼り合わせローラー141が当たり、ワークの表面を押さえつけることができずに、貼り付けがうまくいかない場合がある。図7は、表面に凹凸がない基材に対する積層フィルムの貼り付けを示した説明図であり、図8は、表面に凹凸がある基材に対する積層フィルムの貼り付けを示した説明図である。
実施形態3の積層フィルムは、表面に凹凸がある基材に対して機能性フィルムを貼り付けるために、実施形態1の光学フィルム(機能性フィルム)17の、基材貼り付け用粘着層16と接する側とは反対側に、弾性体からなるクッション層(緩衝層)を有する。図9は、実施形態3に係るクッション層を備える積層フィルムの一例を示した断面模式図であり、図10は、実施形態3に係るクッション層を備える積層フィルムの別の一例を示した断面模式図である。図9の積層フィルム21は、光学フィルム17の一方の面に粘着層26を介してクッション層27が直接積層された構成を有する。図10の積層フィルム22は、光学フィルム17の一方の面に粘着層28を介してセパレーターフィルム29が積層され、更にセパレーターフィルム29の粘着層28とは反対側に、粘着層26を介してクッション層27が積層された構成を有する。
上記クッション層27は、柔軟性を有し、かつ剥離したときにフィルム形状を維持できる程度の硬さを有するものが好適である。クッション層27の材質としては、樹脂材料の発泡体が好適であり、樹脂材料としては、ウレタン系樹脂、ブタジエン系樹脂等が好適に用いられる。クッション層27としては、例えば、日本発条社製のウレタンフォーム(商品名:ニッパレイ、5mm厚)を用いることができる。
上記クッション層27の厚みは、基材表面に存在する段差の大きさに応じて適宜設定され、光学フィルム17を基材100へ貼り合わせたときにクッション層27がフレーム部100Bの上端(基材表面の段差の上端)から突出することが好ましい。すなわち、図11に示した異物除去用粘着層12によって積層フィルムを基材100へ貼り合わせた状態ではなく、その後に基材100の表面から異物除去用粘着層12を剥離するとともに基材貼り付け用粘着層16を密着させ、図12に示した光学フィルム17の基材100への貼り合わせが完了した状態となったときに、光学フィルム17、粘着層28及びクッション層27の厚みの合計(図9の場合)又は光学フィルム17、粘着層28、セパレーターフィルム29、粘着層26及びクッション層27の厚みの合計(図10の場合)が、フレーム部100Bの厚みを超えることが好ましい。図11は、異物除去用粘着層によって積層フィルムを基材へ貼り合わせた状態を示す説明図であり、図12は、光学フィルムの基材への貼り合わせが完了した状態を示す説明図である。また、光学フィルム17を基材100へ貼り合わせたときにクッション層27の50%以上がフレーム部100Bの上端から突出する構造となるように設計されることがより好ましい。クッション層27は、通常、基材貼り付け用粘着層16、光学フィルム17、粘着層26、粘着層28及びセパレーターフィルム29と比べたときに最も厚く設計され、例えば、0.5mm〜10mm程度に設定される。また、上記粘着層26及び28の材質としては、光学材料に適した粘着材料を使用することが好ましい。
図9の形態では上記光学フィルム17以下の各層、図10の形態では上記セパレーターフィルム29以下の各層を、基材100の貼り付け部のサイズに応じて裁断し、貼り合わせずれを考慮した糊代を残しつつ、上記各層のサイズよりも少し小さく裁断されたクッション層27を貼り合わせる。製品のロールが大きくなるが、ロール・トゥー・ロールで作製した後で、クッション層27を同時に裁断してもよい。
ディスプレイ(シャープ社製:モニターディスプレイLL−171G−W)を使用して、貼り合わせ実験を行った。光学フィルム17等のフィルムのカッティングは、周囲よりそれぞれ3mm内側とした。フレーム部100Bとディスプレイの段差は、約2mmであった。貼り合わせ時には、積層フィルムが約+3.5mm外枠よりも上方に、はみ出していた。貼り合わせローラーで圧力を掛けたときにはクッション層27を通して光学フィルム17に圧力が伝わり、異物混入なく、また、貼り合わせ圧力不足によるムラや気泡の抱き込みもなく、貼り合わせができた。
[実施形態4]
実施形態4では、フレーム部(外枠)が段差を形成している表示装置の形態について、液晶表示装置を例示して説明する。
図13は、従来の液晶表示装置の一般的な構成を示した断面模式図である。図13に示したように、従来の液晶表示装置では、液晶パネル300の表示面とフレーム部100Bとの境界に段差が形成されており、液晶パネル300の観察面側の画像表示領域に、偏光板301を介して積層された光学フィルム302Aは、液晶パネル300の画像表示領域に対応して開口されたフレーム部100Bの開口部分よりも大きくされており、光学フィルム302Aの端面がフレーム部100Bの開口部分に位置しないように設計されている。このような構成では、光学フィルム302Aを交換する際にフレーム部100Bを取り外す必要があり、フレーム部100Bを破壊することが必要になる場合もあった。
図14は、実施形態4の液晶表示装置の構成を示した断面模式図である。図14の構成では、フレーム部100Bの突出部分の頂部と液晶パネル300の表面との間に、例えば、0.1〜20mmの高さの段差が形成されている。そして、フレーム部100Bの開口部の幅をAと定義し、開口部内に配置された光学フィルム302Bの幅をBと定義したときに、A−B>0の関係を満たすように、液晶パネル300の最表面に光学フィルム302Bが配置されている。このような構成とすることによって、外枠100Bを外すことなく光学フィルム302Bを貼り替えすることができる。その結果、液晶パネル300の表面に取り付けた光学フィルム302Bが損傷した場合に交換することや、液晶パネル300の表面に取り付けた光学フィルム302Bを随時最先端の光学フィルムに交換することが容易になる。例えば、モスアイ(蛾の目)構造を有するフィルム等の低反射フィルム、防眩(AG)フィルム、偏光板、円偏光板、防汚フィルム、ハードコート(HC)フィルム、SAMフィルム等の任意の光学フィルムにおいて、貼り替えを簡易化することができる。なお、実施形態4の表示装置としては、液晶表示装置を例示したが、有機EL表示装置(OLED)、MEMS(Micro Electro−Mechanical System=微小電子機械システム)シャッター方式の表示装置等の薄型表示装置(FDP)であってもよく、タッチパネル付きの表示装置であってもよい。
なお、光学フィルム302Bを平面視したときの形状は、一般的には、表示エリアとほぼ同形状の長方形が好ましいが、貼り替えのために、手で引き剥がすための持ち手部分があってもいい。持ち手部分は、光学フィルム302Bの表示エリアに対応する部分(表示部分)の長辺又は短辺の一部に、出っ張り部分を設けることによって形成できる。出っ張り部分の形状としては、長方形、正方形、半円形、台形、これらの角を丸めた形状を使用することができる。更に、光学フィルム302Bの表示部分と持ち手部分の境界線上には、凹み線(切れ込み線)があってもよい。凹み線は、直線状であってもよく、断続的な点線状であってもよい。
[実施形態5]
実施形態5では、基材の貼り付け面が曲面である場合のフィルム貼り付け方法について説明する。フィルムの貼り付けには、一般的にシリコン系微粘着材料からなる弱粘着層が使用される。このシリコン系の弱粘着層は、粘(接)着力が弱いものの、界面から空気を押し出すと密着状態となり、特に平坦なガラス板への貼り付けには適しているが、貼り付け面が曲面の場合には、フィルムの弾性力のために、端部で剥離が生じてしまう。また、高分子(樹脂材料)の表面や、凹凸表面を有するフィルム(例えば、AGフィルム)の表面等に貼り付けた場合にも、剥離が生じてしまう。樹脂材料の場合、弱いC−H結合の多い、ハイドロホービックな表面では、粘着材料の密着力が低下する。微粘着材料は、密着力が低い設計であるため、少しの密着力の低下が、剥離へとつながる。凹凸表面では、微粘着材料の変形量が少なく凹凸に追随できないため、気泡を引き込みやすくなり、応力の掛り易い、周辺部分から剥離が始まる。
これに対して、強粘着層を用いれば、剥離を抑制することができる。一方で、強粘着層を用いると、貼り直しが困難であるため、貼り付け時に異物を噛み込むと除去することができない。そこで、本発明の積層フィルムを使用することで、異物の混入を防止しつつ、機能性フィルムの貼り付けに強粘着層を用いることができる。したがって、本発明の積層フィルムによれば、曲面への貼り付けを可能にすることができる。
本発明の積層フィルムを用いた曲面への貼り付けプロセスは、基本的には、実施形態1と同様であるが、図15に示した貼り合わせ治具が好適に用いられる。図15は、曲面基板への貼り合わせ治具の構成を説明する側面模式図である。図15に示したように、貼り合わせ治具は、曲面貼り合わせロール142と円柱形状の支持ドラム143とが対向して配置された構造を有する。曲面貼り合わせロール142は、スプリング等の弾性体、又は、ピストンと結合されており、一定圧力で上下(図15中の矢印方向)に駆動する。また、支持ドラム143上には、フィルムの貼り付け対象であるカーブドディスプレイ(Curved Display)等の曲面基板144が配置される。支持ドラム143は、曲面基板144の曲率に合わせて選択されるが、曲面貼り合わせロール142を駆動系と切り離し、回転方向にフリーにすることで、又は、調整用の治具を用いて両者の曲率の差を解消してもよい。フィルムの貼り付けは、支持ドラム143上に曲面基板144を配置した状態で、異物除去用フィルム13及び光学フィルム17を含む積層フィルムを、曲面貼り合わせロール142と支持ドラム143との間に通すことでおこなわれる。
なお、図15の貼り合わせ治具を用いる場合、支持ドラム143及び曲面基板144の曲率は、30mmφ以上であることが好ましい。上記曲率が30mmφ未満であると、貼り合わせ後のフィルムが剥離するおそれがある。例えば、上記曲率が30mmφ未満とされた厚さ80μmのトリアセチルセルロース(TAC)層上に、強粘着剤(リンテック社製、MO3014)を貼り付け、40℃で24時間保管した場合に、光学フィルム17の端部に剥がれが生じた。
[実施例1]
実施例1として、実施形態1に係る積層フィルムを実際に製造した例を示す。図16は、実施例1の積層フィルムを示した断面模式図である。実施例1の積層フィルムは、図16に示した構成を有し、各層の材質及び厚さは、以下のとおりである。
セパレーターフィルム11:PETフィルム、厚さ38μm
異物除去用粘着層12:藤森工業社製、(商品名)ZBO−0421、厚さ21μm
異物除去用フィルム13:PETフィルム、厚さ38μm
基材貼り付け用粘着層16:リンテック社製、(商品名)MO3014、厚さ50μm
光学フィルム17:モスアイフィルム、厚さ70μm
粘着層31:モスアイフィルム用粘着剤(リンテック社製)、厚さ25μm
保護フィルム33:PETフィルム、厚さ100μm
第一のセパレーターフィルム11、異物除去用フィルム13及び保護フィルム33としては、いずれもPETフィルムを用いた。PETフィルムは、PENフィルム、COPフィルムに比べて、光学特性でやや劣るが、機械強度に優れており、かつ工業的に量産されていることから、光学特性があまり要求されないフィルムには特に適している。
(PETフィルムの特性)
引張り強度:200〜290MPs
透過率:89%
ヘイズ:2〜3%
(PENフィルムの特性)
引張り強度:200〜290MPs
透過率:89%
ヘイズ:2〜3%
(COPフィルムの特性)
引張り強度:60〜80MPs
透過率:92%
ヘイズ:0.1%以下
モスアイフィルムは、アクリレート系光硬化性樹脂からなる上層部分とトリアセチルセルロース(TAC)からなる下層部分を有する積層体である。上層部分の表面には、高さ200nmの突起が200nm間隔で設けられており、モスアイ(蛾の目)状の表面構造となっている。光学素子用のフィルムの材質は用途に合わせて選択されるが、透過率の高いTACフィルム(透過率92%)が好適である。耐水性、耐熱性を高めるために、COPフィルム等を使ってもよい。
実施例1の積層フィルムにおける各層の粘着力は以下のとおりであった。なお、粘着力の値は、貼り付け対象に無アルカリガラスからなる基板を用い、以下の測定方法によって測定した。但し、異物除去用フィルム13の基材貼り付け用粘着層16側の表面には、易剥離処理がなされていたことから、基材貼り付け用粘着層16の粘着力の値は、同様の易剥離処理が表面に施された無アルカリガラスからなる基板を用いて測定された。下記において、粘着力の単位は、N/25mm幅である。また、複数のサンプルを測定したため、粘着力の値は範囲によって示した。
異物除去用粘着層12(セパレーターフィルム11との界面):0.3〜0.4
基材貼り付け用粘着層16(異物除去用フィルム13との界面):1〜2
粘着層31(光学フィルム17との界面):0.1〜0.2
(粘着力の測定方法)
水平に固定した基板上に、幅25mmの短冊状の粘着層付きのフィルムを貼り付けた。このとき、フィルムの一端は基板に貼り付けないようにした。引っ張り試験機(剥離試験治具)のチャックによって基板に貼り付けなかった一端を挟み、90度剥離試験(引張り速度0.3m/min)を行った。
実施例1の積層フィルムは、下のフィルムから順に剥がしていくので粘着力は、異物除去用粘着層12<基材貼り付け用粘着層16の順序であることが工程上好ましい。また、異物除去用粘着層12の粘着力が強すぎると作業性が低下するので、異物除去用粘着層12は、粘着性の小さい、反応が充分に完了した樹脂等を使って、易剥離型の粘着層とすることが好ましい。
また、異物除去用フィルム13の上側表面に易剥離処理がなされていた。基材貼り付け用粘着層16は、異物除去用フィルム13との接合強度よりも光学フィルム17との接合強度が強いものであった。
以上の実施形態及び実施例では、機能性フィルムとして光学フィルムを挙げたが、本発明においては、機能性フィルムの種類は特に限定されない。機能性フィルムとしては、例えば、携帯機器等の表示装置の表面に貼り付けられる光学フィルム、保護フィルムの他、建材、ショーケース等の用途で用いられる保護フィルム、装飾フィルム等が挙げられる。
本発明に好適な光学フィルムとしては、下記(1)〜(7)のフィルムが挙げられ、下記(1)〜(7)のフィルムを2つ以上組み合わせて用いてもよい。なお、本発明は、高価な機能性フィルムで、歩留まりが悪い機能性フィルムに適用することが好ましい。
(1)反射防止フィルム
反射防止フィルムとしては、モスアイ(蛾の目)構造を有するフィルム、低屈折率の薄膜を積層して形成されたフィルム等が挙げられる。モスアイ構造を有するフィルムは、複数の突起が100nm〜数百nmのピッチ及び高さで配置された構造を有し、空気層との界面で屈折率を連続的に変化させることによって界面反射を防止する機能を発揮するものである。
(2)円偏光板
液晶パネルの表面に円偏光板を配置することで、外部から液晶パネルに入射して液晶パネルの内部で反射された光が、外部に出射することを防止できる。すなわち、表示画面における外光の映り込みを防止できる。その理由は、液晶パネル内部で反射された偏光は、位相差がλ/2変化することによって偏光状態が90度旋回し、円偏光板によって遮断されるためである。上記(1)の反射防止フィルムと組み合わせると、表面反射及び内部反射の両方を抑制でき、表示品位の向上に効果的である。
(3)防汚性、耐擦傷性改善フィルム
撥水撥油膜が塗布されたものが挙げられる。撥水撥油膜としては、例えば、フッ素ポリマーを可溶化して塗布乾燥して得られた膜、フッ素系側鎖を有する分子を反応基によって基板の表面に化学結合させたシロキサン系材料からなる膜、フッ素系のモノマー、オリゴマーを重合して得られる低表面張力の表面を有する膜が挙げられる。市販品としては、例えば、可溶性のフッ素ポリマーのサイトップ(旭硝子社製)、フッ素化合物の離型処理剤であるフロロサーフ(フロロサーフ社製)等が挙げられる。
(4)SAMフィルム
直進光を微細構造の楔状の斜面構造で、全方位に拡散させる広視野角フィルムである。
(5)フィルムタッチパネル
ロール状で貼り合わせ、粘着剤の塗工まで終わってからフィルムを分断することで、加工歩留まりを改善することができる。これは、貼り合わせの際に、フィルムが厚くなることで適度な強度が得られるためである。特に、サイネージ用のような大型サイズの表示装置に貼り付ける場合に、歩留りの改善効果が大きい。
(6)クリーンルームが使えない用途のフィルム
建材用の光学フィルム(飛散防止フィルム、熱線カットフィルム、防汚性フィルム、防眩(AG)フィルム、耐傷性フィルム、防曇フィルム等)については、現状は水洗して、水貼りで対応しているが、異物の混入が避けられず、また、水の使用による現場での養生の手間もかかる。本発明のフィルム構造又はフィルム貼り付け方法を用いれば、水の使用が不要であり、クリーンルーム外であっても、異物の混入を充分に防止できる。
(7)薄板ガラス(特に前面板)
ロール状で張り合わせ、粘着剤塗工まで終わってからフィルムを分断することで、加工歩留まりを改善することができる。貼り合せの際に、フィルムが厚くなることで適度な強度が得られるため、割れにくくなる。
[付記]
以下に、本発明の積層フィルムの好ましい態様の例を挙げる。各例は、本発明の要旨を逸脱しない範囲において適宜組み合わされてもよい。
上記異物除去用フィルムは、上記基材貼り付け用粘着層と接する界面に、上記基材貼り付け用粘着層との接合強度を低下させる表面処理がなされていることが好ましい。表面処理としては、例えば、コーティングが挙げられる。
上記異物除去用フィルムは、着色されていることが好ましい。
上記機能性フィルムは、光学フィルムであることが好ましい。光学フィルムとしては、例えば、モスアイ(蛾の目)構造を有するフィルムが挙げられる。
上記機能性フィルムは、保護フィルムであることが好ましい。また、上記機能性フィルムは、光学フィルムと保護フィルムを兼ねるものであってもよい。
上記積層フィルムは、更に、上記機能性フィルムの上記基材貼り付け用粘着層と接する側とは反対側に、緩衝層を有するものであってもよい。
以下に、本発明のフィルム貼り付け方法の好ましい態様の例を挙げる。各例は、本発明の要旨を逸脱しない範囲において適宜組み合わされてもよい。
上記手順(4)において、上記基材に対して0°以上、90°未満の角度を形成する方向に上記機能性フィルムを引っ張ることによって上記基材貼り付け用粘着層を上記異物除去用フィルムから剥離することが好ましい。機能性フィルムの引き上げによるV字状の隙間の形成が少ない方が異物混入の可能性を少なくできる。
上記手順(5)において、上記異物除去用粘着層の剥離は、上記異物除去用フィルムを巻き取りローラーにより巻き取ることによって行われ、かつ上記基材貼り付け用粘着層の密着は、貼り付けローラーにより押し当てることによって行われることが好ましい。
上記異物除去用フィルムの巻き取り速度は、上記機能性フィルムの貼り付け速度と同じ、又は、より速いことが好ましい。
上記手順(5)において、先端に粘着部材が取り付けられた引き出し棒を用いることが好ましい。また、先端に鉤部が設けられた引き出し棒を用いることも好ましい。
上記基材は、曲面形状を有するものであり、上記手順(2)において、円柱形状を有する支持ドラム上に上記基材を配置し、上記支持ドラムに対向して配置された貼り合わせローラーと上記支持ドラムとの間に、上記積層フィルムを通過させることよって、上記基材に対して上記積層フィルムを貼り付けるものであってもよい。
本発明の更に別の一態様は、画像表示領域を備えた表示パネルと、上記表示パネルの最表面に配置された光学フィルムと、上記表示パネルの最表面よりも突出した部分を有する外枠とを有し、上記光学フィルムは、上記画像表示領域を覆い、上記外枠は、上記光学フィルムが配置された領域全体を露出させる開口部を有する表示装置であってもよい。
11:セパレーターフィルム
12:異物除去用粘着層
13:異物除去用フィルム
16:基材貼り付け用粘着層
17:光学フィルム
20、21、22:積層フィルム
26、28:粘着層
27:クッション層(緩衝層)
29:セパレーターフィルム
30:テープ
31:粘着層
33:保護フィルム
41、42、141、241:貼り合わせローラー
43:引き剥がしローラー
51:側板
52:カバー
53:バネ
100:基材
100A:表示部
100B:フレーム部(外枠)
102:固定台
103:ガイドレール
104:スライダー
105:接続治具
106:貼り付け治具
107:テーブル
142:曲面貼り合わせロール
143:支持ドラム
144:曲面基板
200:異物
211:セパレーターフィルム
216:粘着層
217:光学フィルム
A,B,C:ローラー
300:液晶パネル
301:偏光板
302A、302B:光学フィルム

Claims (14)

  1. セパレーターフィルムと、
    異物除去用粘着層と、
    異物除去用フィルムと、
    基材貼り付け用粘着層と、
    機能性フィルムと、を順に有し、
    前記基材貼り付け用粘着層の粘着力は、前記異物除去用粘着層の粘着力よりも強力であり、前記異物除去用粘着層の粘着力は、0.05〜1N/25mm幅であり、前記基材貼り付け用粘着層の粘着力は、1〜30N/25mm幅であることを特徴とする積層フィルム。
  2. 前記基材貼り付け用粘着層は、前記異物除去用フィルムとの接合強度よりも前記機能性フィルムとの接合強度が強いことを特徴とする請求項1記載の積層フィルム。
  3. 前記異物除去用フィルムは、前記基材貼り付け用粘着層と接する界面に、前記基材貼り付け用粘着層との接合強度を低下させる表面処理がなされていることを特徴とする請求項1又は2記載の積層フィルム。
  4. 前記異物除去用フィルムは、着色されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の積層フィルム。
  5. 前記機能性フィルムは、光学フィルムであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の積層フィルム。
  6. 前記機能性フィルムは、保護フィルムであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の積層フィルム。
  7. 前記積層フィルムは、更に、前記機能性フィルムの前記基材貼り付け用粘着層と接する側とは反対側に、緩衝層を有することを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の積層フィルム。
  8. 請求項1〜のいずれかに記載の積層フィルムに含まれる機能性フィルムを、基材に対して貼り付けるフィルム貼り付け方法であって、
    下記(1)〜(5)の手順を含むことを特徴とするフィルム貼り付け方法。
    (1)前記積層フィルムから前記セパレーターフィルムを剥離し、前記異物除去用粘着層を露出させる
    (2)露出した前記異物除去用粘着層を前記基材の表面に密着させ、前記基材に対して前記積層フィルムを貼り付ける
    (3)前記基材の前記積層フィルムが貼り付けられた領域の近傍と、前記積層フィルムの最上部の前記機能性フィルムの端部とを接続部材で接続する
    (4)前記接続部材によって前記基材と前記機能性フィルムとを接続したまま、前記基材貼り付け用粘着層を前記異物除去用フィルムから剥離する
    (5)前記基材の表面から前記異物除去用粘着層を剥離し、前記基材の表面を露出させつつ、露出した前記基板の表面に、前記基材貼り付け用粘着層を密着させ、前記基材に対して前記機能性フィルムを貼り付ける
  9. 前記手順(4)において、前記基材に対して0°以上、90°未満の角度を形成する方向に前記機能性フィルムを引っ張ることによって前記基材貼り付け用粘着層を前記異物除去用フィルムから剥離することを特徴とする請求項記載のフィルム貼り付け方法。
  10. 前記手順(5)において、前記異物除去用粘着層の剥離は、前記異物除去用フィルムを巻き取りローラーにより巻き取ることによって行われ、かつ前記基材貼り付け用粘着層の密着は、貼り付けローラーにより押し当てることによって行われることを特徴とする請求項又は記載のフィルム貼り付け方法。
  11. 前記異物除去用フィルムの巻き取り速度は、前記機能性フィルムの貼り付け速度と同じ、又は、より速いことを特徴とする請求項10記載のフィルム貼り付け方法。
  12. 前記手順(5)において、先端に粘着部材が取り付けられた引き出し棒を用いることを特徴とする請求項11のいずれかに記載のフィルム貼り付け方法。
  13. 前記手順(5)において、先端に鉤部が設けられた引き出し棒を用いることを特徴とする請求項11のいずれかに記載のフィルム貼り付け方法。
  14. 前記基材は、曲面形状を有するものであり、
    前記手順(2)において、円柱形状を有する支持ドラム上に前記基材を配置し、前記支持ドラムに対向して配置された貼り合わせローラーと前記支持ドラムとの間に、前記積層フィルムを通過させることよって、前記基材に対して前記積層フィルムを貼り付けることを特徴とする請求項13のいずれかに記載のフィルム貼り付け方法。
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