JP4365312B2 - 異物除去シート - Google Patents
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このような異物除去シートを使用する方法によると、前記従来のように、基板処理装置を定期的に停止して、洗浄処理する必要がないため、稼働率の低下や多大な労力が必要になるという問題を回避することができる。
特に、本発明は、異物除去層の表面保護用セパレータが、その微粘着剤層の異物除去層に対する剥離力が0.01〜1N/20mm幅である上記構成の異物除去シートと、異物除去層の引き抜き剥離力が1N以下である上記構成の異物除去シートとを、提供できるものである。
さらに、本発明は、上記各構成の異物除去シートが、その粘着剤層を介して搬送部材に貼り合わされてなる異物除去シート付き搬送部材を提供できるものである。
図1は本発明の異物除去シートの一例を示したものである。この異物除去シートAは、搬送部材に貼り合わせるための粘着剤層1と、実質的に粘着力を有しない異物除去層2と、異物除去層2の表面保護用セパレータ3とを有し、上記の表面保護用セパレータ3は、基材31と微粘着剤層32とからなり、微粘着剤層32が異物除去層2側に位置するように設けられている。4は、粘着剤層1上に設けられたセパレータである。
この異物除去シートBは、搬送部材に貼り合わせるための粘着剤層1と、支持体5と、実質的に粘着力を有しない異物除去層2と、異物除去層2の表面保護用セパレータ3とを有し、上記の表面保護用セパレータ3は、基材31と微粘着剤層32とからなり、微粘着剤層32が異物除去層2側に位置するように設けられている。4は、粘着剤層1上に設けられたセパレータである。つまり、この異物除去シートBは、支持体5を有する以外は、図1の異物除去シートAと同様の構成とされたものである。
このような粘着剤層1には、通常のアクリル系やゴム系の粘着剤を使用できる。これらの粘着力は、前記の再剥離性を考慮して、0.1〜1N/20mm幅、好ましくは0.2〜0.5N/20mm幅であるのがよい。また、紫外線や熱等を付与することにより粘着力が低下するものも好ましく用いられる。このような粘着剤としては、上記低下後の粘着力が0.05〜0.2N/20mm幅となるものが好ましい。
また、アクリル系やゴム系の粘着剤を高架橋させて実質的に粘着力を有しない異物除去層2としたものであってもよい。この場合、通常は、図2に示す異物除去シートBのように異物除去層2と粘着剤層1との間に支持体5を設けるのが望ましい。支持体5には、ポリエステルフィルムやポリエチレンフィルム等が用いられる。
なお、異物除去層2が「実質的に粘着力を有しない」とは、この層の引き抜き剥離力が1N以下であることを意味する。ここで、引き抜き剥離力とは、図3に示すように、例えば、搬送部材である基板6上に異物除去層2を粘着剤層(図示せず)を介して貼り合わせて、この異物除去層2上に金属片7を10cm2 の面積で接触させ、その金属片7を異物除去層2に対して垂直方向(図中、矢印方向)に引き上げたときに、金属片7が異物除去層2から剥がれるときの最大応力を示したものである。
基材31には、ポリエステルフィルム等からなる厚さが通常3〜50μmのフィルムが用いられる。また、微粘着剤層32は、異物除去層2に対する剥離力が0.01〜1N/20mm幅、好ましくは0.1〜0.5N/20mm幅となる、微粘着を呈するもので、厚さが通常2〜20μm、好ましくは3〜10μmのものである。
例えば、アクリル系の粘着剤を使用したものでは、アクリル系ポリマーにエポキシ系やイソシアネート系等の架橋剤を加えて架橋処理したり、アクリル系ポリマーに光反応性のモノマー、オリゴマーまたはポリマー等を加えて、紫外線や熱により架橋処理することにより、微粘着を有する構成とすることができる。架橋処理は、異物除去層上に貼り合わせる前に行ってもよいし、貼り合わせたのちに行ってもよい。
また、表面保護用セパレータ3は、上記の基材31と微粘着剤層32との2層の層構造以外に、必要により、基材31側に適宜の表面層を設けたり、基材31と微粘着剤層32との間に適宜の中間層を設ける等の3層以上の層構造としてもよい。
このように作製した異物除去シート付き搬送部材は、異物除去層2上の表面保護用セパレータ3が剥がして、基板処理装置内に搬送する。その際、上記セパレータ3の剥離も容易であり、搬送作業をスムースに行うことができる。その結果、上記の搬送により、異物除去シートの所期の異物除去性能を十分に発揮させることができ、基板処理装置内に付着した異物を効果的にクリーニング除去することができる。
このアクリル系粘着剤溶液を、厚さが25μmのポリエステルフィルムからなる基材上に、乾燥後の厚さが5μmとなるように塗布し、乾燥することにより、紫外線照射にて架橋処理する前の表面保護用セパレータを作製した。このセパレータの粘着剤層表面にはポリエステル製離型フィルムを貼り合わせた。
このアクリル系粘着剤溶液を、セパレータとしてのポリエステル製離型フィルム上に乾燥後の厚さが30μmとなるように塗布し、乾燥することにより、粘着剤層を形成した。この粘着剤層上に、さらに、異物除去層として厚さが100μmのエチレン−酢酸ビニル共重合体フィルムを貼り合わせた。
このようにして、セパレータ(ポリエステル製離型フィルム)/粘着剤層/異物除去層/表面保護用セパレータからなり、表面保護用セパレータが基材(ポリエステルフィルム)と微粘着剤層との2層構造からなる異物除去シートを作製した。
このゴム系粘着剤溶液を、厚さが25μmのポリエステルフィルムからなる基材上に、乾燥後の厚さが7μmとなるように塗布し、乾燥した。この乾燥と同時に架橋処理された微粘着剤層を有する表面保護用セパレータを作製した。このセパレータの微粘着剤層表面にはポリエステル製離型フィルムを貼り合わせた。
このアクリル系粘着剤溶液を、セパレータとしてのポリエステル製離型フィルム上に乾燥後の厚さが30μmとなるように塗布し、乾燥することにより、粘着剤層を形成した。この粘着剤層上に、さらに、異物除去層として厚さが50μmのポリエステルフィルムを貼り合わせた。
このようにして、セパレータ(ポリエステル製離型フィルム)/粘着剤層/異物除去層/表面保護用セパレータからなり、表面保護用セパレータが基材(ポリエステルフィルム)と微粘着剤層との2層構造からなる異物除去シートを作製した。
アクリル酸ブチル97部とアクリル酸3部とのモノマー混合液から得たアクリル系ポリマー(重量平均分子量100万)100部に対し、エポキシ系架橋剤(三菱瓦斯化学社製の「テトラッドC」)3部を、有機溶媒(酢酸エチル)500部の存在下、均一に混合して、アクリル系粘着剤溶液を調製した。
このアクリル系粘着剤溶液を、セパレータとしてのポリエステル製離型フィルム上に乾燥後の厚さが30μmとなるように塗布し、乾燥することにより、粘着剤層を形成した。この粘着剤層上に、さらに、異物除去層として厚さが100μmのエチレン−酢酸ビニル共重合体フィルムを貼り合わせた。
このようにして、セパレータ(ポリエステル製離型フィルム)/粘着剤層/異物除去層/表面保護用セパレータからなり、表面保護用セパレータが離型処理した1層のポリエステルフィルムからなる異物除去シートを作製した。
すなわち、各異物除去シートを、搬送部材としての基板(12インチシリコンウエハ)に貼り合わせて、異物除去シート付き搬送部材を作製し、このときの表面保護用セパレータの剥がれや浮きの発生状況について、調べた。
その結果、実施例1,2の両異物除去シートを使用したときは、表面保護用セパレータが剥がれたり、浮きが発生するといった問題を一切生じなかった。これに対し、比較例1の異物除去シートでは、上記の剥がれや浮きが明らかに発生した。
これに対して、比較例1の異物除去シート付き搬送部材では、基板処理装置内への搬送はスムースに行えたが、異物除去シート付き搬送部材の作製にあたり、表面保護用セパレータの剥がれや浮きが発生して、異物除去層が汚染されることがあり、基板処理装置内に付着した異物を十分にクリーニング除去できないことがあった。
2 異物除去層
3 異物除去層の表面保護用セパレータ
31 基材
32 微粘着剤層
4 粘着剤層のセパレータ
5 支持体
A,B 異物除去シート
Claims (4)
- 基板処理装置内に搬送部材に貼り合わせて搬送し上記装置内に付着する異物を除去する異物除去シートにおいて、搬送部材に貼り合わせるための粘着剤層と、実質的に粘着力を有しない異物除去層と、異物除去層の表面保護用セパレータとを少なくとも有し、上記の異物除去層がポレオレフィンまたはポリエステルのフィルムから構成され、かつ上記の表面保護用セパレータが基材と微粘着剤層との少なくとも2層の層構造を有し、その異物除去層側の層が微粘着剤層で構成されていると共に、この微粘着剤層がアクリル系やゴム系の粘着剤を架橋処理して微粘着を有する構成とされていることを特徴とする異物除去シート。
- 異物除去層の表面保護用セパレータは、その微粘着剤層の異物除去層に対する剥離力が0.01〜1N/20mm幅である請求項1に記載の異物除去シート。
- 異物除去層は、引き抜き剥離力が1N以下である請求項1または2に記載の異物除去シート。
- 請求項1〜3のいずれかに記載の異物除去シートが、その粘着剤層を介して搬送部材に貼り合わされてなる異物除去シート付き搬送部材。
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