以下、本発明の実施形態を、図面を参照して説明する。
この実施形態の物品分別搬送装置1は、図1に示すように、大きくは機械装置部2と制御システム部3とから構成される。この制御システム部3は、後述するように機械装置部2に組み込まれた加振手段としての圧電素子81〜82の制御を行うことで、機械装置部2にK,Yの各方向の周期的加振力を与えて振動を生じさせるように構成している。
ここで、Y方向とは図中における紙面に垂直となる水平方向をいうものとして、K方向とは、鉛直方向より傾斜して設けてある棒状バネ部材72に対して直交するとともに、上記Y方向と直交する方向をいうものと定義する。さらに、後述のX方向とは上記Y方向と直交する水平方向を、Z方向とは鉛直方向をいうものと定義する。すなわち、各方向は図中左下に示すような座標軸として定義する。そのため、K方向とは、X方向とZ方向の成分を含むものであってXZ平面と平行となる。また、後述するように、棒状バネ部材72はZ方向に対してY軸回りに反時計回りに回転角γ分回転する方向が長手方向となるように設定している。そのため、K方向を示すK軸は、X軸に対して回転角γ分回転させた方向になる。以下、上記のように定義した座標軸に沿って説明を進めていく。
機械装置部2は、図2及び図3に示すように、大きくは床面に設置するベース4と、このベース4に対して第1棒状バネ部材71〜71によって弾性支持された中間台5と、この中間台5に対して第2棒状バネ部材72〜72によって弾性支持された可動体6とから構成されている。可動体6の上部には搬送面61aが形成されており、分別搬送を行う物品9を載せることができるようになっている。
ベース4は長手方向をX方向に向けて配置された長方形状のベースプレート42と、その上部に固定されたベースブロック41とから構成されている。このベースブロック41は、ベースプレート42と同様、長手方向をX方向に向けて配置された略直方体の形状とされるとともに、X方向前後より見た際の正面及び背面が第1棒状バネ部材71を接続するためのバネ設置面41a,41aとして各々設定され、Z方向に対して角度γ分傾斜した平面として形成されている。
中間台5は、上記ベースブロック41と同様、長手方向をX方向に向けた略直方体の形状とされるとともに、X方向前後より見た際の正面及び背面が第1棒状バネ部材71を接続するためのバネ設置面5a,5aとして各々設定され、Z方向に対して角度γ分傾斜した平面として形成されている。また、バネ設置面5a,5a間の寸法は、上記ベースブロック41におけるバネ設置面41a,41a間の寸法と等しくなるように設定している。
中間台5は、上記ベースブロック41の上部でこれとほぼ平行になるように配置され、中間台5のバネ設置面5aとベースブロック41のバネ設置面41aとが平行になるように対応させつつ、それぞれ2本の第1棒状バネ部材71,71を介して接続するようにしている。第1棒状バネ部材71,71はバネ設置面41a,5aに沿って配置されることで、これらの傾斜と同様に、Z軸に対して角度γ分傾いて配置される。このようにZ方向に対して傾斜しつつ、互いに平行に設けられた合計4本の第1棒状バネ部材71〜71によって、中間台5はベースブロック41に対して弾性的に支持される構成としている。
また、中間台5の下面には、後述するように中間台5の質量及び重心位置を調整するための補助ウエイト51が設けられている。
中間台5の下方で且つベースブロック41の上方には、可動体6の一部を構成する下可動台62配置されている。下可動台62は、上記ベースブロック41や中間台5と同様に、長手方向をX方向に向けた略直方体の形状とされるとともに、X方向前後より見た際の正面及び背面が後述する第2棒状バネ部材72を接続するためのバネ設置面62a,62aとして各々設定され、Z方向に対して角度γ分傾斜した平面として形成されている。さらに、下可動台62は上記第1棒状バネ部材との干渉を避けるために、バネ設置面62a,62a間の寸法を、ベースブロック41におけるバネ設置面41a,41a間の寸法及び中間台5におけるバネ設置面5a,5a間の寸法よりも僅かに小さく設定している。
下可動台62のバネ設置面62aと中間台5のバネ設置面5aとは、互いに平行になるように各々対応させつつ、後述するスペーサを挟みつつ、それぞれ2本の第2棒状バネ部材72,72を介して接続するようにしている。第2棒状バネ部材72,72はバネ設置面62a,5aに沿って配置されることで、これらの傾斜と同様に、Z軸に対して角度γ分傾いて配置される。このようにZ方向に対して傾斜しつつ、互いに平行に設けられた合計4本の第2棒状バネ部材72〜72によって、下可動台62は中間台5に対して弾性的に支持される構成としている。このように構成することで、第2棒状バネ部材72〜72は、第1棒状バネ部材71〜71に対しても平行に配置される関係となっている。
中間台5の上方には、この中間台5と平行になるように搬送台61が設けられている。搬送台61は、X方向に延在するよう略プレート状に形成されるとともに、上面が物品9を載せるための搬送面61aとして形成されている。搬送面61aは、搬送する物品9の種類や形状及び分別搬送を行う方向により、後述するように様々な形態として形成することが可能である。
搬送台61は、上記の下可動台62とY方向の寸法が同一となるように形成しており、搬送台61と下可動台62とは各側面を両側から挟み込むようにして設ける一対の連結部材63,63を介して連結されている。搬送台61、下可動台62及び連結部材63は、一個の可動体6を構成して一体となって動作を行うようにしている。
ここで、上述した第1棒状バネ部材71〜71及び第2棒状バネ部材72〜72の取付構造について、図4及び図5を基に詳細に説明する。まず、図4は、図1にて示したA部周辺を拡大したものである。
第1棒状バネ部材71及び第2棒状バネ部材72は各々I字型状に形成されており、上端及び下端には矩形状の平板部71a,72aが形成されている。そして、それ以外の部分はバネとして機能するバネ部71b,72bとして設定され、これらのバネ部71b,72bは長手方向に対して直交する平面で見た場合、略正方形となる矩形断面を有する形態とされている。このようにしてバネ部71b,72bは直方体状に形成するとともに、これらの側面のうち背面合わせとなる2面が、上記平板部71a,72aを形成する表面及び裏面と各々連続するように構成している。このように構成することで、第1棒状バネ部材71及び第2棒状バネ部材72は、平板部71a,72aに対して直交する第1方向と、この第1方向に直交するとともに平板部71a,72aに平行となる第2方向との2つの方向に対して、バネ部71b,72bが撓みやすくなるように設定している。
上記のような撓み方向特性を有する第1棒状バネ部材71及び第2棒状バネ部材72を以下のように取り付けてある。
すなわち、ベースブロック41のバネ設置面41aに対して、第1棒状バネ部材71の平板部71aをバネおさえ73を介してネジ止めしている。この第1棒状バネ部材71のバネ部71bをY方向両側より挟み込むようにして一対の矩形板状のスペーサ75,75を配置する。ベースブロック41と近接しつつ直上に配置される下可動台62のバネ設置面62aに対して、上記矩形板状のスペーサ75,75を挟んで第2棒状バネ部材72の平板部72aを配置し、バネおさえ73を介してネジ止めしている。
スペーサ75,75は、第1棒状バネ部材71のバネ部71bよりも厚く形成されるとともに、このバネ部71bよりも離間するように配置している。
このように構成することで、第1棒状バネ部材71の外側に、これと平行になるように第2棒状バネ部材72が配されるとともに、両者の間で隙間が形成されるようにしている。また、第1棒状バネ部材71のバネ部71bは、上記矩形板状のスペーサ75,75の間で形成される開口部75a内に位置することで、下可動台62側より干渉されることがないため、独立して中間台5(図5参照)の支持状態を維持することが可能となっている。なお、本実施形態における物品分別搬送装置1は、僅かな振動で物品9の搬送が可能であるために、下可動台62の振動振幅は1mm以下とする設定で十分であり、上記開口部75aの内側と第1棒状バネ部材71のバネ部71bとのクリアランスは、K方向及びY方向に対して各々1mm程度の小さいものとすれば足りる。
さらに、これらの第1棒状バネ部材71及び第2棒状バネ部材72の上端は、図5に示すように各部と接続されている。すなわち、第1棒状バネ部材71の上側の平板部71aと、矩形板状のスペーサ74と、第2棒状バネ部材72の上側の平板部72aとを重ね合わせた状態で、バネおさえ73を介して中間台5のバネ設置面5aにネジ止めしている。このスペーサ74の厚みは、上述したように第1棒状バネ部材71の外側に第2棒状バネ部材72が平行に配される関係となるように設定している。
このように接続することによって、第1棒状バネ部材71を介して中間台5はベースブロック41(図2参照)によって弾性支持され、第2棒状バネ部材72を介して中間台5が可動体6(図2参照)を弾性支持するように構成している。
また、各第1棒状バネ部材71と第2棒状バネ部材72とは、それぞれバネ部71b,72bがZ軸よりも角度γ分傾斜するように配置されることになるとともに、バネ部71b,72bの各側面がK方向またはY方向に垂直となる向きとなる。すなわち、第1棒状バネ部材71と第2棒状バネ部材72は上述した撓み方向特性として、第1方向としてのK方向側と第2方向としてのY方向側に撓みやすい特性を有している。そのため、第1棒状バネ部材71と第2棒状バネ部材72はそれぞれ主にK方向及びY方向に対して弾性支持を行う弾性支持手段として機能している。
こうした各部材間の弾性支持構造について、図6に示す模式図を用いてさらに説明を加えておく。
図6(a)は、上述した機械装置部2を簡略化したモデルとして表したものである。このモデルを構成する各構成要素に付した符号は、図2〜5において用いた符号に「m」を付加したものであり、実際の部材との対応関係が分かるようにしている。すなわち、ここでモデルを用いて説明する考え方は、実際の機械装置部2において同様に適用されている。
このモデルから分かるように、ベース4mの上方に中間台5mを配置するとともに、第1棒状バネ部材71mを介してベース4mに対して中間台5mを弾性支持している。さらに、中間台5mの下方で且つベース4mよりも上方に下可動台62mを配置するとともに、第2棒状バネ部材72mを介して中間台5mに対して下可動台62mを弾性支持している。加えて、中間台5mを挟んで搬送台61mを配置し、連結部材63mによって下可動台62mとの間で一体化されることで、可動体6mを構成している。
上記のように構成するとともに、第1棒状バネ部材71mと第2棒状バネ部材72mとを隙間を形成しつつ平行になるように構成している。こうすることで、相互に干渉することなく独立して変位することを可能としている。また、中間台5mの重心位置5gと、可動体6mの重心位置6gが略同一の位置となるように、両者の位置関係を構成している。なお、ここでいう略同一の位置とは、X,Y,Zの各方向に対して各々略同一であることを指す。
可動体6mは、中間台5mの下方に配置される下可動台62mと、中間台5mの上方に配置する搬送台61と、下可動台62mと搬送台61mとを繋ぐ連結部材63m(,63m)によって、中間台5mと取り囲むようなロ字状に形成されているため、双方の重心位置5g,6gを略同一に設定しやすい装置構成としている。さらに、重心位置の調整を補助的に行うため、図3に示すように中間台5の下方に補助ウエイト51を設置し、その位置及び重量を調整することによって重心位置5gの調整を簡単に行うことができるようにしている。こうすることで、各部材の形状変更や部品の追加、または分別搬送するために載せる物品9の重量を大きく変化させた場合であっても、容易に対応させることができるようになっている。
上述したモデルをさらに簡略化したモデルを図6(b)に示す。このモデルを構成する各構成要素に付した符号は、図2〜5において用いた符号に「M」を付加したものであり、実際の部材との対応関係が分かるようにしている。
このように、固定面としてのベース4Mに対して中間台としての質量体5Mがバネ71Mによって弾性支持され、この質量体5Mの外側を囲むようにして可動体としての質量体6Mが配置されるとともに、この質量体6Mが質量体5Mに対してバネ72Mによって弾性支持されたモデルとして考えることができる。質量体6Mは、下側固定台62Mと搬送台61Mとこれらを連結する連結部材63M,63Mから構成されており、質量体6Mの重心位置6Gは中間台としての質量体5Mの重心位置5Gと略同一の位置となるように構成されることになる。
こうすることで、質量体5Mと可動体6Mとの間でバネ72Mと同じ方向に相対力を作用させると両者は逆位相で弾性変位を行うことになる。後述する加振手段を用いてこのような方向に加振力を与えることで上記逆位相の形態で振動を生じさせることが可能となる。この逆位相の形態での振動とは、質量体5Mが例えば図の下方向に変位した際には質量体6Mは逆の上方向に変位し、質量体5Mが図の上方向に変位した際には質量体6Mは逆の下方向に変位するような形態の振動のことを指す。こうした振動の形態は、特に、逆位相形態(所謂逆位相モード)での固有振動数で効率よく発生させることができ、その固有振動数は質量体5Mの質量m1と、質量体6Mの質量m2と、バネ72Mのバネ定数k1と、バネ71Mのバネ定数k1に依存する。この形態の振動を効率よく得られるようにするためには、バネ72Mのバネ定数k1に対して、バネ71Mのバネ定数k2を1/10程度に設定することが好ましい。
さらに、この図6(b)に示したモデルにおいてはバネの変位方向をZ方向としていたが、より実機に近い図6(a)のモデルのように実際にはK方向及びY方向に対して弾性支持する構造としているため、弾性支持方向がZ方向とは異なる上に、一方向ではなく二方向に対してそれぞれ独立して弾性変位して、逆位相モードでの振動を生じることができるようにしている。すなわち、各棒状バネ部材71m,72mのバネ定数をK方向及びY方向に対してそれぞれ設定するとともに、各々の方向に対して、第1棒状バネ部材71mのバネ定数を第2棒状バネ部材72mのバネ定数の1/10程度にするように、材質や断面形状及び長さを調整している。また、K方向及びZ方向の逆位相モードでの固有振動数は、共振を避けるために僅かに離間して設定するようにしてある。
さらに、図6(a)に戻って説明を行うと、互いに逆位相で振動を行う中間台5mと可動体6mの重心位置5g,6gが略同一とされていることにより、加振力に応じて中間台5mと可動体6mとが各方向に変位した際に、両者の重心位置5g,6gは当該振動方向に向かう同一直線上を移動することになるため、回転モーメントが発生することがない。そのため、搬送台6m及び中間台5mは、傾きや揺動を生じることなく、そのままの姿勢を維持した状態でK方向及びY方向に平行に移動することが可能となっている。
加えて、中間台5mと可動体6mは互いに逆位相で振動を生じるものの、これらの全体としての重心位置は同一の箇所を維持した状態となるために、これらが動作することによる反力はベース4mに対してほとんど生じることがない。そのため、ベース4mから設置面に対して余計な力や振動を伝達することがなく、設置環境も良好に保つことができる。
上記のように説明を簡単に行うために、図6(a),(b)のモデルを利用して説明したが、同一の考え方に基づいて図2に示す実際の機械装置部2を構成している。
本実施形態における機械装置部2は、図2に示すように可動体6及び中間台5に対してK,Yの各方向に逆位相形態での振動を生じさせるため、上述した加振力を与える加振手段として、以下のように圧電素子81〜82を設けている。
まず、K方向の振動を付与する第1の加振手段として、第2棒状バネ部材72のバネ部72bの長手方向中央以下の側面でK軸に対して直交する面に、直方体状の第1圧電素子81を設けている。また、Y方向の振動を付与する第2の加振手段としてとして、第2棒状バネ部材72のバネ部72bの長手方向中央以下の側面でY軸に対して直交する面に、直方体状の第2圧電素子82を貼りつけてある。これらの圧電素子81〜82は電圧を付与することにより全長に伸びを生じさせることができ、図7に例として示したように、第2棒状バネ部材72に撓みを生じさせて、可動体6にK方向あるいはY方向の変位を生じさせることが可能となっている。
なお、図7は、変位をわかりやすくするため誇張して示したものであり、実際の変位は上述したように1mm以下に設定しているため、この図のように各部が干渉することはない。また、本図では連結部材63を取り外した状態で示しているが、可動体6としての一体性は損なわれていないと仮定したものとしている。
本図は、弾性変位の一例として、第1圧電素子81の作用によって第2バネ部材72に撓みが生じ、その作用によって中間台5がK方向正側(図中の右上方向)に対して変位した状態を示している。そして、その反力によって可動体6がK方向負側(図中の左下方向)に対して変位する。このように中間台5と可動体6とは非作動時の中立位置を基点として、互いに逆方向になるように変位することになる。また、これらの中間台5と可動体6とは全体としてベース4に対して第1棒状バネ部材71によって支持されており、このバネ定数が第2棒状バネ部材72の1/10程度に十分低く設定されていることから、第1棒状バネ部材71は防振バネとして機能して中間台5及び可動体6を柔軟に支持するようになっている。こうすることで、中間台5と可動体6の動作による反力はベース4には伝わることなく、設置面に対して安定して支持状態を維持することが可能となっている。また、上記のような弾性変位及び支持の関係は、K方向だけではなくY方向に対しても同様に構成している。
本実施形態においては、図8(a)に示すように、それぞれの第2棒状バネ部材72のバネ部72bに対して第1圧電素子81,81と第2圧電素子82,82とをそれぞれ対向する面に一対ずつ設けたバイモルフ型として構成した。本実施形態のように圧電素子の伸びを利用して第2棒状バネ部材72にたわみを生じさせようとする場合、対向面に設けた圧電素子の片方を伸び側に設定するときには他方を縮み側に設定する必要があるため、片方を伸び側とした際に、他方が縮み側になるように電圧印加及び貼り付け方向を設定してある。以下、圧電素子に対して付与する電圧に関しては、単純にK方向制御電圧、Y方向制御電圧として説明を行い、K方向及びY方向に正の制御電圧を付与するということは、それぞれ可動体6をK,Yの正方向に移動させる向きに第2棒状バネ部材72に曲げを生じさせるように、第1圧電素子81、第2圧電素子82を伸び縮みさせる電圧を付与することを意味するものする。
また、バネ部72bは変形を行う場合、図7に示すように長手方向中央を境に、一つの面内の上下で伸び側と縮み側が逆転する。よって、第1圧電素子81、第2圧電素子82を長手方向中央付近を超えて広い範囲に貼りつけることは、却って変形を阻害することになり好ましくない。そのため、本実施形態のように長手方向中央付近より片端部側に寄せた位置に貼りつけることが効率的である。
このようにして構成した機械装置部2に対して制御システム部3は、第1圧電素子81及び第2圧電素子82に各々正弦波状の制御電圧を付与することによって、K,Yの各方向の振動を発生させるための周期的加振力を生じさせる。
そのため、制御システム部3は、図1に示すように、正弦電圧を生じさせる発振機34を備えており、この正弦電圧をアンプ35により増幅した上で各圧電素子81〜82に出力する。さらに、上記制御システム部3はK,Yの各方向の制御電圧を詳細に調整するための振動制御手段31を有している。なお、発振機34により生じさせる振動の周波数は、K,Y方向のいずれかの振動系と共振する周波数とすることで、振動を増幅して省電力化を図るようにしてある。なお、双方の振動系の振動が干渉することを避けるためには、上述したように各方向の固有振動数を離してもよい。この時、各方向の固有振動数は例えば−10%〜+10%程度離すようにする。
振動制御手段31は大きくは、K,Yの各方向の制御電圧の振幅を調整する振幅調整回路31aと、それぞれの位相差を調整するための位相調整回路31bとから構成してある。本実施形態では、K,Yの各制御電圧にそれぞれ対応した振幅調整回路31aを有するとともに、K方向の制御電圧の位相を基準として、これと所定の位相差となるように制御電圧の位相を調整する位相調整回路31bをY方向の制御電圧について設けるように構成している。
そして、制御システム部3は、搬送する物品9に応じた搬送方向及び搬送速度が得られるように、各方向の周期的加振力を付与する各圧電素子81〜82への制御電圧の振幅及び位相を切り替える振動切替手段32を有している。当該振動切替手段32は図示しない外部からの信号によって適宜物品9の搬送方向を所定の方向に変えるべく、その方向に対応する各圧電素子81〜82の制御電圧の振幅及び位相の具体的制御値を決定して、当該制御値に調整するように振幅調整回路31a及び位相調整回路31bに命令を与える。
上記のように構成した物品分別搬送装置1は、具体的には次のような原理に基づいて物品9に対して作用する。説明を簡単にするため上述したK方向の振動成分は、X方向、Z方向の振動に分解して考えることとする。
ここで、本物品分別搬送装置1を図9の模式図に示すような簡略化したモデルで考え、可動体6がベース4に対してX,Y,Zの各方向に弾性体76,77,78により弾性的に支持されるとともに、各方向の加振手段86,87,88が設けられている場合を想定する。このように構成することで、X,Y,Zの三方向に設けた加振手段86,87,88によって可動体6を三方向に動作させることが可能とされている。図9の模式図における弾性体76,77,78は、図1における第2棒状バネ部材72に該当するとともに、図9における加振手段86,87,88はそれぞれ圧電素子81〜82に該当する。
図9に示すモデルの可動体6に対して、Z方向にZ=Z0×sinωtで表される周期的な振動変位を与える。ここで、Z0はZ方向の振幅を、ωは角周波数を、tは時間を示す。さらに、X,Y方向にもそれぞれZ方向と同一周波数の振動を、X=X0×sin(wt+φx),Y=Y0×sin(wt+φy)の式のように与えることとする。ここで、X0,Y0はそれぞれX方向,Y方向の振幅を、φx,φyはそれぞれX方向、Y方向の振動のZ方向の振動に対する位相差を示す。
このように、X,Y,Zの各方向に正弦波状の周期的な振動変位を加えることにより、可動体6にはこれらが合成された、本発明で三次元の振動軌跡と称する鉛直平面及び水平面に対して傾いた平面内の楕円の軌跡あるいは平面外の立体的な軌跡を有する振動を可動体に対して生じさせることができる。例えば、図9に示すように、Z方向の振動成分に対してφx,φyの位相差を持たせてX,Y方向の振動を生じさせたとき、二次元的にはXZ平面上で右側を上にした楕円軌道を有する振動が生じ、YZ平面上で右側を下にした楕円軌道を有する振動が生じる。そして、さらにこの2つを合成することで、図中右下に示すように三次元の振動軌跡たる三次元空間上での楕円軌道が生じる。
そして、各方向の振動変位の振幅及び位相を変えることにより、XZ平面、YZ平面内の二次元の楕円軌道の大きさや向きを変更することができ、対応して三次元空間上の楕円軌道の大きさや向きを自由に変更することができる。なお、このように各方向への周期的な振動変位を付与するために、制御上は各方向への周期的加振力を付与することで対応を行っている。
上述のように、可動体6が楕円軌道を描きつつ振動することによって、可動体6の上に載せられた物品9は移動を行う。そして、この移動のうちX方向への移動速度成分は上記XZ平面内の楕円軌道によって制御でき、Y方向への移動速度成分は上記YZ平面内の楕円軌道によって制御できる。すなわち、Z方向への振動成分を基準としてX方向、Y方向のそれぞれの振動の振幅と位相差を変化させることで、X,Y方向への移動速度成分を変化させ、任意の方向に搬送させることが可能となる。
具体的には各方向への移動速度成分の変更は次のようにして行う。
発明者らの知見によれば、図9を参照しつつ図10を用いて説明すると、位相差φx(φy)によって物品9の移動速度Vx(Vy)は正弦波に類似したカーブを描くように変化するとともに、物品9と可動体6との間の摩擦係数によっても変化する。すなわち、2種類の物品9であるW1,W2と可動体6との間の摩擦係数をそれぞれμ1,μ2としてμ1<μ2の関係があるとき、W2の時の移動速度のグラフは、W1の時の移動速度のカーブを位相差が正となる方向にずらした形状となる。そのため、楕円振動を行う可動体6の上に同時に摩擦係数の異なる物品9を置いた場合には、移動速度及び移動方向が異なることになる。
具体的には、図10に示す位相差φ1にφxを設定したとき、W1のX方向移動速度は0になり、W2は負の値を取る。そしてφ1〜φ2の間に位相差を設定しているときには、W1は正の方向、W2は負の方向と互いに逆方向に進む。位相差φ2ではW2の速度が0になり、W1は正の方向の速度となる。さらにφ2〜φ4の間ではW1,W2ともに正の方向に進むが、そのうちφ3では同じ速度になり、その前後でW1とW2の速度の大きさが逆転する。また、位相差をφ4とするとW1は速度が0になり、W2は正の方向に移動する。位相差φ4〜φ5の範囲ではW1は負の方向に進み、W2は正の方向に進む。さらに、φ5ではW2の速度が0になり、W1は負の方向に進む。また、φ5〜πの範囲では双方とも負の方向に進むが、その中でもφ5の時に同じ速度となり、その前後で速度が逆転する。なお、こうした関係はY方向の移動速度Vyに対してもあてはまる。
また、発明者らの知見によれば、図9を参照しつつ図11を用いて説明すると、位相差φx(φy)と物品9の移動速度Vx(Vy)との関係は、振幅X0(Y0)を変えることによっても変化する。すなわち、位相差φx(φy)に対する物品9の移動速度Vx(Vy)である正弦波類似のカーブは、概ね振動変位の振幅X0(Y0)に比例して変化する。このことから、物品9の移動速度Vx(Vy)を2倍にしたい場合には、概ねX(Y)方向の振動変位の振幅を2倍にすればよい。そのためには、それに応じた加振力を与えるべく、制御電圧の振幅を変化させればよい。
このような一方向に対する振動制御を、直交するX,Y方向に同時に付与することによって、摩擦係数の異なる複数の種類の物品9を可動体6上で分別し異なる方向に搬送させることができる。なお、上記のように摩擦係数の異なる物品9を異なる方向に搬送させるように制御することによって、厳密には摩擦係数が同じものであっても表面形状が異なるなど、見かけ上摩擦係数が異なっているようにとらえられるものについても搬送方向を異ならせることもできる。例えば、同一の物品の表面と裏面であっても、面の凹凸が異なり可動体6との接触面積が大きく異なる場合が該当し、このような場合でも適宜分別・搬送を行うことができる。
しかしながら、複数の種類の物品9を搬送しつつ、二方向に分別し、搬送していくことを目的とした場合、上記のような3つの方向への加振手段をそれぞれ別に有することは必須とはいえない。なぜならば、図10から分かるように、X方向に対しては一方にのみ搬送を行い逆方向に進ませることを必要としないのであれば、Z方向に対する位相差を0に、すなわち同位相で駆動させても良い。よって、本実施形態においては、Z方向とX方向の振動成分を有するK方向の加振手段81(図2参照)として一個に構成することができる。
これに対し、Y方向には物品9の種類に応じて分別する機能が必要となるため、Z方向の周期的加振力に対する位相差、すなわちK方向の周期的加振力に対する位相差を物品の摩擦係数に応じて切り替えることができるように構成している。
このように構成した本物品分別搬送装置1によって、図12(a)〜(c)に例示するような、物品9の搬送及び分別が可能となる。
図12(a)は、可動体6の一部を構成する搬送台61の上に、広い搬送路61aを形成し、搬送方向に対する左右に平行な壁面64,65を形成した例である。壁面64,65は分別する物品の移動方向を規制するガイドとして作用し、それぞれの物品9a,9bを決まった方向に搬送することができる。図中における搬送台61の右側には、物品9a,9bが混在して入れられたコンテナ95が接続されており、当該コンテナ95から搬送台61上に物品9a,9bを投入する場合を示している。さらに、図1における振動切替手段32からの命令によって、振動制御手段31によりY方向への振動の位相差が図10に示すφ1〜φ2またはφ4〜φ5に設定されており、図12(a)の物品9a,9bは図中の左方向に搬送されつつも、進行方向に対して左右の壁面64,65に向かって分別されていき、やがてはそれぞれ壁面64,65に接触しながら搬送されていく。このように簡単に搬送路及び壁面を形成しただけでも分別を容易に行ったうえで、各々を決まった方向に搬送していくことができるため、様々な大きさの物品に対応できる。なお、このように特定の物品の分別搬送を行うだけであれば、振動切替手段32は必須ではなく、振動制御手段31にあらかじめ決まった位相差を設定しておくだけでも足りる。
図12(b)は搬送台61の上に、図中上側の軌道66と下側の軌道67に分岐するY字型の搬送路61aを形成したものであり、この搬送路61aに従い2種の物品9a,9bを右側から左側に向けて搬送していく。この場合においても、図1における振動切替手段32において、Y方向への振動の位相差を図10に示すφ1〜φ2またはφ4〜φ5に切り替えることにより、図12(a)の物品9a,9bは互いに逆方向のY方向移動速度成分を受けて、搬送方向に対する左右の壁面64,65に接触しながら搬送される。そして、Y字の分岐点より、それぞれ軌道66,67に進入することで搬送先を異ならせることができる。
また、図9(c)には搬送台61の上に、直線状の搬送路61aを形成し、その延長上の軌道66と、搬送路61aに対して側方に分岐する軌道67a,67b,67cを有するものである。このように形成することで、通常は2種の物品9a,9bを同じ方向に搬送しつつ、特定のタイミングでY方向の振動成分も加えることで、特定の物品9bを分岐した軌道65a,65b,65cに取り出すことができる。そのために、通常は物品9a,9bをともに図の左方向に搬送しておき、特定の物品9bが搬送されるべきいずれかのライン67a,67b,67cへの分岐点に到達した際に、図1における振動切替手段32によってY方向への振動の位相差を切り替えて、目的の軌道67a,67b,67cより取り出すこともできる。こうした物品9の搬送途中における搬送方向の変更を容易にするため、図1における振動切替手段は、複数の物品9を同一方向に搬送するためのZ(K)方向振動に対するY方向振動の位相差データと、複数の物品9をY方向に分別するためのZ(K)方向振動に対するY方向振動の位相差データとをあらかじめ内部に保存している。そして、図示しない外部からの信号の入力を合図にして双方の位相差を切り替えることにより、同一方向に進ませていた物品9の分別搬送することや、分別搬送していた物品9を同一方向に進ませるように切り替えることが可能である。
以上のように本実施形態に係る物品分別搬送装置1は、ベース4と、鉛直方向に対して傾斜しつつ略平行に設けられた複数の第1棒状バネ71〜71によって前記ベース4に対して弾性支持された中間台5と、前記第1棒状バネ71〜71と略平行に設けられた第2棒状バネ72〜72によって前記中間台5に対して弾性支持されており、物品9を載せて搬送させる搬送面61aを上部に形成されている可動体6と、前記第2棒状バネ72〜72の長手方向に対して直交しつつ互いに交差する第1方向としてのK方向及び第2方向としてのY方向に、前記中間台5側より前記可動体6に対して周期的加振力を各々付与する第1の加振手段としての第1圧電素子81〜81及び第2の加振手段としての第2圧電素子82〜82と、前記各加振手段81〜82による周期的加振力を位相差を有しつつ同一の周波数で同時に発生させ前記可動体6に楕円の振動軌跡を生じさせるように前記各加振手段81〜82を制御する振動制御手段31とを備え、前記可動体6の重心位置が前記中間台5の重心位置と略一致するように構成されているとともに、前記振動制御手段31により摩擦係数が異なる物品9a,9bが異なる方向に搬送されるように前記可動体6の振動軌跡を設定することによって、前記可動体6上で前記物品9a,9bを分別搬送するように構成したものである。
このように構成しているため、簡単な装置構成としながら、可動体6に傾きや回転を生じさせることなく、安定して3次元的な楕円の振動軌跡を生じさせることができ、この振動を物品9の性質に応じて制御することによって、自動的に物品9の分別を行うとともに、分別された物品9をそれぞれ任意の方向に搬送していくことができるようになる。また、搬送面61aを平面に構成できるため、一個の機器によって大型のものから小型のものまで対応が可能となる。さらに、設置面に対するベース4の支持状態も安定させて、外部への振動の伝播も抑えることができるため、周辺環境も好適に維持することが可能となる。
また、前記可動体6が、前記中間台5の下方に配置される下可動台62と、前記中間台5の上方に配置された、前記搬送面61aを備える搬送台61と、前記下可動台62と前記搬送台61とを連結する連結部材63,63とから構成されているため、上記のように重心位置を設定するための構成をより簡便に具体化して、装置全体の構成をより簡単にして、小型・軽量化を図ることが可能となる。
なお、各部の具体的な構成は、上述した実施形態のみに限定されるものではない。
例えば、上述の実施形態においては、各方向への加振手段81,82をそれぞれK,Yの互いに直交する方向に加振力を与えるように構成したが、可動体6にこれらを合成した振動軌跡を生成・変更できるかぎり必ずしも直交させることは必要でなく、単にそれぞれの方向が交差しているだけでもよい。
また、上述の実施形態においては、第2棒状バネ部材72の側面に貼りつける第1圧電素子81と第2圧電素子82とは裏表に貼りつけた2個を一組としたバイモルフ型としていたが、図8(b)のようにそれぞれを1個ずつとしたユニモルフ型とすることも可能である。
さらには、上述の実施形態では、各棒状バネ部材71〜71,72〜72を互いに平行になるように設けていたが、搬送台61の形状や大きさによることなく可動体6や中間台5の重心バランスをとりつつ支持安定性を高めるためには、振動の制御性を失わない程度に傾斜角度を変更させることも好適である。具体的には、第1棒状バネ部材71〜71の間隔や第2棒状バネ部材の72〜72の間隔を上方と下方で変化させるように、各棒状バネ部材71〜72の傾斜角度を±5°の範囲で変更させる構成とすることも可能であり、このように僅かに傾斜角を変更した構成も本発明でいうところの「略平行」の範囲に含まれる。
また、上述の実施形態においては、図2及び図3に示すように、第1圧電素子81及び第2圧電素子82は第2棒状バネ部材72の長手方向中央付近より下端部側に寄せて貼りつけてあるが、これを反対の上端部側に貼りつける構成とすることも可能であるし、下端部側と上端部側のそれぞれに設けるように構成することも可能である。
また、上述の実施形態における第1の加振手段及び第2の加振手段を、圧電素子以外を用いて各々構成した変形例を図13及び図14に示す。これらの図中において上述の実施形態と同一の符号を付した部分は、それらと同一のものであることを示している。この変形例は、K方向、Y方向の加振手段として、圧電素子に代えて電磁石181a,182aを用いたものである。
具体的には、K方向の周期的加振力を与えるための第1の加振手段として、中間台105の下面105bにL字形のブラケット181bを介してX方向に磁極面が向くように電磁石181aを設けるとともに、磁性プレート181cを上記磁極面と対向させつつ下可動台62の上面62bより立ち上げるようにして設けている。こうすることで、電磁石181aに対して電流を与えた場合に、第2棒状バネ部材72による支持方向と相俟って、中間台5と可動体6との間でK方向の相対変位を生じさせることができるようになっている。さらに、Y方向の周期的加振力を与えるための第2の加振手段として、中間台105の下面105bにL字形のブラケット182bを介してY方向に磁極面が向くように電磁石182aを設けるとともに、磁性プレート182cを上記磁極面と対向させつつ搬送台61の下面61bより下方向に延びるようにして設けている。固定台105には、磁性プレート182cと対応する位置に開口部182cが形成されており、両者が干渉することがないようにしている。こうすることで、電磁石182aに対して電流を与えた場合に、第2棒状バネ部材72による支持方向と相俟って、中間台5と可動体6との間でY方向の相対変位を生じさせることができるようになっている。
このように各加振手段を電磁石181a,182aを用いて構成した場合であっても、それぞれの方向の電流値を制御することで、上記と同じ効果を得ることが可能であるとともに、K方向、Y方向の動作を圧電素子によって行う場合に対して、容易に大きな出力を得ることができる。
さらに、上述した実施形態では、個々の物品9の摩擦係数に着目して、摩擦係数を基準に物品9の分別・搬送を行うように構成したが、前述の通り物品9の表面形状によっては局所的な摩擦係数は同一であっても見かけ上は摩擦係数が異なるものと扱っても支障がない場合もある。また、物品9の表面形状を大きく変えることにより搬送台61の上で転動や揺動を行うようになり、摩擦による推力の伝達を効果的に行うことができなくなる場合もある。さらには、搬送台61の表面の硬さと、物品9の重量及び硬さとの関係から生じる幾何学的な形状変化も物品9に与える推力に影響を与える。そのため、通常の意味での摩擦係数に加えて、物品9及び搬送台61の表面形状や表面粗度、さらには重量や硬さによる形状変化等の影響を含めて、現実に物品9に対して水平方向に作用する推力を広い意味での摩擦力として捉え、当該広い意味での摩擦力を基準として各方向の振動成分の制御を行い、物品9の分別・搬送を行わせるように構成することも可能である。こうした考えを採る限りにおいては、物品9の分別・搬送を行うために基準として用いる摩擦係数の中に、上記広い意味での摩擦力の考えを取り込ませることも可能である。すなわち、上記広い意味での摩擦力を物品9に対する可動体6の垂直抗力で除した係数を広い意味での摩擦係数として、これを一般の摩擦係数と置き換えて基準として用いることでより多様な物品9の分別・搬送ができるようになるのであり、本発明における意図はこうした内容をも含むものである。また、上述の実施形態では摩擦係数を基準として制御を行うことで個々の物品9に対する推力を変化させて物品9の分別・搬送を行わせているが、上述のように広い意味での摩擦力を変化させることによって推力を変化させることが可能である限り、摩擦係数と置き換えて異なるパラメータを基準として用いても同様の作用効果を生じる物品分別搬送装置として構成することもできるのであり、こうした構成についても本発明の均等の範囲に含まれる。
その他の構成も、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。